〔発明の実施の形態の説明〕
以下、本発明の実施の形態を図面に従って詳細に説明する。
次に本発明の好適な実施の形態について説明する。以下の説明において、プロセスカートリッジBの短手方向とは、プロセスカートリッジBを装置本体14へ着脱する方向であり、記録媒体の搬送方向と一致している。またプロセスカートリッジBの長手方向とは、プロセスカートリッジBを装置本体14へ着脱する方向と交差する方向(略直交する方向)であり、記録媒体の表面と平行であり、且つ、記録媒体の搬送方向と交差(略直交)する方向である。又、プロセスカートリッジに関し左右とは記録媒体の搬送方向に従って記録媒体を上から見て右又は左である。
図1は本発明の実施の形態を適用した電子写真画像形成装置(レーザービームプリンタ)の構成説明図、図2はその外観斜視図である。また図3〜図8は本発明の実施の形態を適用したプロセスカートリッジに関する図面である。図3はプロセスカートリッジの側断面図、図4はその外観の概略を図示した外観斜視図、図5はその右側面図、図6はその左側面図、図7はそれを上方(上面)から見た斜視図、図8はプロセスカートリッジを裏返して上方から見た斜視図である。また以下の説明において、プロセスカートリッジBの上面とは、プロセスカートリッジBを装置本体14へ装着した状態で上方に位置する面であり、下面とは下方に位置する面である。
(電子写真画像形成装置A及びプロセスカートリッジB)
まず、図1及び図2を用いて、本発明の実施の形態を適用する電子写真画像形成装置としてのレーザービームプリンタAについて説明する。また図3にプロセスカートリッジBの側断面図を示す。
このレーザービームプリンタAは、図1に示すように、電子写真画像形成プロセスによって記録媒体(例えば、記録紙、OHPシート、布等)に画像を形成するものである。そしてドラム形状の電子写真感光体(以下、感光体ドラムと称す)にトナー像を形成する。詳しくは、帯電手段によって感光体ドラムに帯電を行い、次いでこの感光体ドラムに光学手段から画像情報に応じたレーザ光を照射して前記感光体ドラムに画像情報に応じた潜像を形成する。そしてこの潜像を現像手段によって現像してトナー像を形成する。そして前記トナー像の形成と同期して、給紙カセット3aにセットした記録媒体2をピックアップローラ3b、搬送ローラ対3c,3d及びレジストローラ対3eで反転搬送する。次いで、プロセスカートリッジBの有する前記感光体ドラム7に形成したトナー像を転写手段としての転写ローラ4に電圧を印加することによって記録媒体2に転写する。その後トナー像の転写を受けた記録媒体2を搬送ガイド3fで定着手段5へと搬送する。この定着手段5は駆動ローラ5c及びヒータ5aを内蔵する定着ローラ5bを有する。そして通過する記録媒体2に熱及び圧力を印加して転写されたトナー像を定着する。そしてこの記録媒体2を排出ローラ対3g,3h,3iで搬送し、反転経路3jを通して排出トレイ6へと排出する。この排出トレイ6は画像形成装置Aの装置本体14の上面に設けられている。なお、揺動可能なフラッパ3kを動作させ、排出ローラ対3mによって反転経路3jを介することなく記録媒体2を排出することもできる。本実施の形態においては、前記ピックアップローラ3b、搬送ローラ対3c,3d、レジストローラ対3e、搬送ガイド3f、排出ローラ対3g,3h,3i及び排出ローラ対3mによって搬送手段3を構成している。
一方、前記プロセスカートリッジBは、図3乃至図8に示すように、感光層7e(図11参照)を有する感光体ドラム7を回転し、その表面を帯電手段である帯電ローラ8への電圧印加によって一様に帯電する。次いで光学系1からの画像情報に応じたレーザービーム光を露光開口部1eを介して感光体ドラム7へ照射して潜像を形成する。そしてこの潜像をトナーを用いて現像手段9によって現像する。すなわち、帯電ローラ8は感光体ドラム7に接触して設けられており、感光体ドラム7に帯電を行う。なおこの帯電ローラ8は、感光体ドラム7に従動回転する。また、現像手段9は、感光体ドラム7の現像領域へトナーを供給して、感光体ドラム7に形成された潜像を現像する。なお光学系1は、レーザーダイオード1a、ポリゴンミラー1b、レンズ1c、反射ミラー1dを有している。
ここで、前記現像手段9は、トナー容器11A内のトナーをトナー送り部材9bの回転によって、現像ローラ9cへ送り出す。そして、固定磁石を内蔵した現像ローラ9cを回転させると共に、現像ブレード9dによって摩擦帯電電荷を付与したトナー層を現像ローラ9cの表面に形成し、そのトナーを感光体ドラム7の現像領域へ供給する。そして、そのトナーを前記潜像に応じて感光体ドラム7へ転移させることによってトナー像を形成して可視像化する。ここで現像ブレード9dは、現像ローラ9cの周面のトナー量を規定すると共に摩擦帯電電荷を付与するものである。またこの現像ローラ9cの近傍には現像室内のトナーを循環させるトナー撹拌部材9eを回動可能に取り付けている。
そして転写ローラ4に前記トナー像と逆極性の電圧を印加して、感光体ドラム7に形成されたトナー像を記録媒体2に転写した後に、クリーニング手段10によって感光体ドラム7上の残留トナーを除去する。ここでクリーニング手段10は、感光体ドラム7に当接して設けられた弾性クリーニングブレード10aによって感光体ドラム7に残留したトナーを掻き落として廃トナー溜め10bへ集める。
なお、プロセスカートリッジBは、トナーを収納するトナー容器(トナー収納部)11Aを有するトナー枠体11と現像ローラ9c等の現像手段9を保持する現像枠体12とを結合する。そしてこれに感光体ドラム7、クリーニングブレード10a等のクリーニング手段10及び、帯電ローラ8を取付けたクリーニング枠体13を結合して構成している。そしてこのプロセスカートリッジBは、操作者によって画像形成装置本体14に着脱可能である。
このプロセスカートリッジBには画像情報に応じた光を感光体ドラム7へ照射するための露光開口部1e及び感光体ドラム7を記録媒体2に対向するための転写開口部13nが設けてある。詳しくは、露光開口部1eはクリーニング枠体13に設けられており、また、転写開口部13nは現像枠体12とクリーニング枠体13との間に構成される。
次に本実施の形態に係るプロセスカートリッジBのハウジングの構成について説明する。
本実施の形態で示すプロセスカートリッジBは、トナー枠体11と現像枠体12とを結合し、これにクリーニング枠体13を回動可能に結合して構成したハウジング内に前記感光体ドラム7、帯電ローラ8、現像手段9及びクリーニング手段10等を収納してカートリッジ化したものである。そして、このプロセスカートリッジBを画像形成装置本体14に設けたカートリッジ装着手段に対して取り外し可能に装着する。
(プロセスカートリッジBのハウジングの構成)
本実施の形態に係るプロセスカートリッジBは、前述したようにトナー枠体11と現像枠体12及びクリーニング枠体13を結合してハウジングを構成しているが、次にその構成について説明する。
図3に示すように、トナー枠体11にはトナー送り部材9bを回動可能に取り付けてある。また現像枠体12には現像ローラ9c及び現像ブレード9dを取り付け、更に前記現像ローラ9cの近傍には現像室内のトナーを循環させる撹拌部材9eを回動可能に取り付けてある。また、現像枠体12には図3に示すように現像ローラ9cの長手方向と対向して、前記現像ローラ9cと略平行にアンテナ棒9hが取り付けられている。そして前記トナー枠体11と現像枠体12を溶着(本実施の形態では超音波溶着JP)して一体的な第二枠体としての現像ユニットD(図13参照)を構成している。
なおプロセスカートリッジBを画像形成装置本体14から取り外したときに感光体ドラム7を覆い、これを長時間光に晒されるあるいは異物との接触等から保護するドラムシャッタ部材18をトナー現像ユニットに取り付けている。
このドラムシャッタ部材18は図6に示すように図3に示した転写開口部13nを開閉するシャッタカバー18aとシャッターカバー18aを支持するリンク18b,18cを備えている。このシャッタカバー18aの長手方向の両端部で且つ記録媒体2の搬送方向の上流側で、図4、図5に示すように現像ホルダ40の穴40gに右側のリンク18cの一端が枢着され、図6、図7に示すように左側のリンク18cの一端はトナー枠体11の下方枠体11bに設けたボス11hに枢着されている。両側のリンク18cの他端はシャッターカバー18aのプロセスカートリッジBの装着方向に関し上流側に枢着されている。このリンク18cは金属線材であり、シャッターカバー18aに枢着した部分はプロセスカートリッジBの両側間でつながっていて左右のリンク18cは一体である。また、リンク18bはシャッタカバー18aの片側のみに設けられ、リンク18cを枢着した位置とは記録媒体2の搬送方向の下流側の端においてシャッタカバー18aに一端が枢着され、他端は現像枠体12に設けたダボ12dに枢着されている。このリンク18bは合成樹脂である。
リンク18b,18cは長さを異にしており、シャッタカバー18a、トナー枠体11と現像枠体12を併せた枠体を夫々リンクとする四節連鎖機構をなしている。両側のリンク18cに設けた側方へ突出する突出部18c1は画像形成装置14のカートリッジ装着スペースSの傍に設けた固設部材(不図示)と当接し、プロセスカートリッジBの移動により、ドラムシャッタ部材18を作動して、シャッターカバー18aを開くようになっている。
このシャッターカバー18a、リンク18b,18cからなるドラムシャッタ部材18は、ダボ12dに挿入され一端がリンク18bに係止され、他端が現像枠体12に係止された不図示のねじりコイルばねでシャッターカバー18aが転写開口部13nを覆うように付勢されている。
また、図3及び図12に示すようにクリーニング枠体13には感光体ドラム7、帯電ローラ8及びクリーニング手段10の各部材を取り付けて第一枠体としてのクリーニングユニットC(図12参照)を構成している。
そして、上記現像ユニットDと上記クリーニングユニットCを丸いピンの結合部材22によって互いに回動可能に結合することによってプロセスカートリッジBを構成する。即ち、図13に示すように、現像枠体12の長手方向(現像ローラ9cの軸線方向)両側に形成したアーム部19の先端には現像ローラ9cに平行に丸い形状の回動穴20が設けてある(図13参照)。一方、クリーニング枠体13の長手方向両側2箇所には前記アーム部19を進入するための凹部21が設けてある(図12参照)。この凹部21に前記アーム部19を挿入し、結合部材22をクリーニング枠体13の取付穴13eに圧入し、且つアーム部19端の回動穴20に嵌入して更に内側の穴13eに圧入して取り付けることにより、現像ユニットDとクリーニングユニットCは結合部材22を中心に回動可能に結合される。このときアーム部19の根本に立設した図示されないダボに挿入して取り付けた圧縮コイルばね22aがクリーニング枠体13の凹部21の上壁に当りこの圧縮コイルばね22aによって現像枠体12を下方へ付勢することにより、現像ローラ9cを感光体ドラム7へ確実に押し付ける。なおクリーニング枠体13の凹部21の上壁は現像ユニットDとクリーニングユニットCを組付ける際に上記圧縮コイルばね22aが非圧縮状態から圧縮を次第に強めるように傾斜が付されている。従って、図13に示すように現像ローラ9cの長手方向両端に現像ローラ9cよりも大径のスペーサコロ9iを取り付けることにより、このコロ9iが感光体ドラム7に押し付けられ、感光体ドラム7と現像ローラ9cとが一定間隔(約300μm程度)をもって対向する。したがって、現像ユニットDとクリーニングユニットCは結合部材22を中心にして互いに回動可能であり、そこで、圧縮コイルばね22aの弾性力によって、感光体ドラム7の周面と、現像ローラ9cの周面の位置関係を保持することができる。
このようにアーム部19の根本側において現像枠体12に圧縮コイルばね22aを取り付けてあるため、アーム部19根本以外へ圧縮コイルばね22aの加圧力が及ばず、現像枠体12へ取り付けた部材をばね座とするように、ばね座回りを特に強化しなくても、アーム部19根本側は強度、剛性の大きい部分であるため、精度の維持に効果がある。
(プロセスカートリッジBのガイド手段の構成)
次に、プロセスカートリッジBを装置本体14に着脱する際のガイド手段について説明する。なおこのガイド手段については、図9、図10に示している。なお、図9はプロセスカートリッジBを装置本体14に装着する方向(矢印X)に見た場合(現像ユニットD側から見た場合)の左側の斜視図である。図10はその右側の斜視図である。
さて、上記クリーニング枠体13の両外側面には、図4、図5、図6、図7に示すように、プロセスカートリッジBを装置本体14に着脱するときのガイドとなるガイド手段が設けられている。該ガイド手段は位置決め用ガイド部材としての円筒形ガイド13aR,13aLと、着脱時の姿勢保持手段たるガイド部材としての回り止めガイド13bR,13bLとにより構成されている。
図5に示すように前記円筒形ガイド13aRは中空の円筒状部材であり、回り止めガイド13bRは前記円筒形ガイド13aRと一体成形であり、円筒形ガイド13aRの円周から一体でほぼ放射方向へ突出している。円筒形ガイド13aRには取付フランジ13aR1が一体に設けられている。このように円筒形ガイド13aR、回り止めガイド13bR、取付フランジ13aR1を有する右側ガイド部材13Rは取付フランジ13aR1の小ネジ用穴を挿通して小ネジ13aR2をクリーニング枠体13にねじ込み固定されている。クリーニング枠体13に固定された右側ガイド部材13Rの回り止めガイド13bRは現像枠体12に固定された現像ホルダ40の側方へ延出するように現像枠体12の側面側に配設されている。
図6に示すようにクリーニング枠体13の穴13k1(図11参照)にドラム軸7aの拡径部7a2が嵌合している。そしてクリーニング枠体13の側面に突出する位置決めピン13cに嵌合して回転止めされ、小ねじ13dでクリーニング枠体13に固定された平板状のフランジ29に外方(図6の紙面に直交して手前方向)へ向って円筒形ガイド13aLが突設されている。このフランジ29の内部側には感光体ドラム7に嵌入した平歯ギア7nを回転自在に支持する固定の前記ドラム軸7aを備えている(図11参照)。前記円筒形ガイド13aLとこのドラム軸7aは同軸である。このフランジ29と、円筒形ガイド13aLと、ドラム軸7aは一体または一体的に金属材料例えば鉄材で作られる。
図6に示すように、円筒形ガイド13aLから少し離れて円筒形ガイド13aLのほぼ放射方向に細長い回り止めガイド13bLがクリーニング枠体13の側方へ突出するようにクリーニング枠体13に一体に成形されている。この回り止めガイド13bLがフランジ29と干渉する部分はフランジ29が切り欠かれている。この回り止めガイド13bLの側方への突出高さは頂面が円筒形ガイド13aLの頂面とほぼ一致する程度である。この回り止めガイド13bLは現像枠体12に固定した現像ローラ軸受箱9vの側方へ延出されている。このように左側ガイド部材13Lは金属製の円筒形ガイド13aLと合成樹脂製の回り止めガイド13bLが分れて別部材で設けられている。
次にクリーニングユニットCの上面13iに設けられた規制当接部13jについて説明する。ここで上面とは、プロセスカートリッジBを画像形成装置本体14に装着した際に、上方に位置する面である。
本実施の形態では、図4〜図7に示すようにクリーニングユニットCの上面13iであって、プロセスカートリッジ装着方向に対して直交する方向の右側端13p及び左側端13qに各々規制当接部13jを設けている。この規制当接部13jは、プロセスカートリッジBを画像形成装置本体14に装着した際に、プロセスカートリッジBの位置を規定するものである。すなわち、プロセスカートリッジBを装置画像形成本体14に装着した際に、画像形成装置本体14に設けられた固設部材25(図9、図10参照)に前記規制当接部13jが当接して、プロセスカートリッジBは円筒形ガイド13aR,13aLを中心とする回動位置が規定される。
次に画像形成装置本体14側のガイド手段について述べる。画像形成装置本体14の開閉部材35を支点35aを中心に図1において反時計回りに回動すると、画像形成装置本体14の上部が開放され、プロセスカートリッジBの装着部が図9、図10のように見える。この開閉部材35を開けた開口部から画像形成装置本体14の左右両側の内壁のプロセスカートリッジBの着脱方向から見て左側に図9、右側に図10に示すようにガイド部材16R,16Lが夫々設けられている。
図に示すようにガイド部材16R,16Lには夫々プロセスカートリッジBの挿入方向の矢印Xから見て前下りになるように斜設したガイド部16a,16cと、このガイド部16a,16cに夫々つながりプロセスカートリッジBの円筒形ガイド13aR,13aLが丁度嵌入する半円形の位置決め溝16b,16dを備えている。この位置決め溝16b,16dは周壁が円筒形をしている。この位置決め溝16b,16dの中心はプロセスカートリッジBを装置本体14に装着時プロセスカートリッジBの円筒形ガイド13aR,13aLの中心と一致し従ってまた、感光体ドラム7の中心線とも一致する。
ガイド部16a,16cの幅は、プロセスカートリッジBの着脱方向から見て円筒形ガイド13aR,13aLが遊嵌する幅を有する。円筒形ガイド13aR,13aLの直径よりも夫々せまい幅をもつ回り止めガイド13bR,13bLは当然ゆるく嵌まり込むが円筒形ガイド13aR,13aL、回り止めガイド13bR,13bLはガイド部16a,16cにより回動を制約され、プロセスカートリッジBは一定範囲の姿勢を保って装着される。そしてプロセスカートリッジBが画像形成装置本体14へ装着された状態においては、プロセスカートリッジBの円筒形ガイド13aR,13aLが夫々ガイド部材13R,13Lの位置決め溝16b,16dに嵌合すると共にプロセスカートリッジBのクリーニング枠体13先端左右の規制当接部13jが装置本体14の固設部材25に当接するようになっている。
上述したプロセスカートリッジBは円筒形ガイド13aR,13aLの中心を結ぶ中心線のクリーニングユニットC側と現像ユニットD側ではこの中心線を水平に保つと現像ユニットD側がクリーニングユニットC側よりも大きな一次モーメントを生ずるような重量配分になっている。
プロセスカートリッジBの画像形成装置本体14への装着には、トナー枠体11の凹部17側及び下側の夫々のリブ11cを片手でつかみ、円筒形ガイド13aR,13aLを夫々画像形成装置本体14のカートリッジ装着部のガイド部16a,16cへ挿入し、続いて挿入方向から見てプロセスカートリッジBを前下りにして回り止めガイド13bR,13bLを画像形成装置本体14のガイド部16a,16cへ挿入する。プロセスカートリッジBの円筒形ガイド13aR,13aL、回り止めガイド13bR,13bLは画像形成装置本体14のガイド部16a,16cに沿って奥側へ進み、プロセスカートリッジBの円筒形ガイド13aR,13aLが画像形成装置本体14の位置決め溝16b,16dに達すると、この円筒形ガイド13aR,13aLは位置決め溝16b,16dの位置へプロセスカートリッジBの重力で着座する。これによって、位置決め溝16b,16dに対してプロセスカートリッジBの円筒形ガイド13aR,13aLは正確に位置が定まる。そして円筒形ガイド13aR,13aLの中心を結ぶ中心線は、感光体ドラム7の中心線であるから、感光体ドラム7は画像形成装置本体14に正確に位置が定まる。
この状態では、画像形成装置本体14の固設部材25とプロセスカートリッジBの規制当接部13jはわずかに隙間がある。ここでプロセスカートリッジBを持っている手を離すと、プロセスカートリッジBはその円筒形ガイド13aR,13aLを中心にして現像ユニットD側が下り、クリーニングユニットC側が上昇し、プロセスカートリッジBの規制当接部13jは画像形成装置本体14の固設部材25に当接し、プロセスカートリッジBは画像形成装置本体14に対して正確に装着される。その後、開閉部材35を図1において支点35aを中心に時計回りに回動して閉める。
プロセスカートリッジBを装置本体14から取り外すのは、上記と逆で、装置本体14の開閉部材35を開いてプロセスカートリッジBの把手部をなす前述の上下のリブ11cに手を掛け持ち上げるようにすると、プロセスカートリッジBの円筒形ガイド13aR,13aLが装置本体14の位置決め溝16b,16dを中心に回動し、プロセスカートリッジBの規制当接部13jが装置本体14の固定部材25から離れる。プロセスカートリッジBを更に引くと上記円筒形ガイド13aR,13aLが上記位置決め溝16b,16dから脱出して装置本体14に固定したガイド部材16R,16Lのガイド部16a,16cへ移動し、そのまま、プロセスカートリッジBを引き上げるとプロセスカートリッジBの円筒形ガイド13aR,13aL、回り止めガイド13bR,13bLは装置本体14のガイド部16a,16c中を移動して上昇し、これによって、プロセスカートリッジBの姿勢を規制されて、プロセスカートリッジBは装置本体14の他の部分に当ることなく装置本体14外へ取り出される。
なお、図12に示すとおり、平歯ギア7nは感光体ドラム7の軸方向ではす歯のドラムギア7bと反対側の端部に設けられている。この平歯ギア7nは、プロセスカートリッジBが装置本体14に装着された際に、装置本体14に設けられた転写ローラ4と同軸のギア(図示せず)と噛合して、転写ローラ4を回転させる駆動力をプロセスカートリッジBから伝達する。
(トナー枠体)
図3、図5、図7を用いてトナー枠体について詳細に説明する。
図3に示すようにトナー枠体11は上方枠体11a及び下方枠体11bの2部品によって構成されている。この上方枠体11aは図1に示すように画像形成装置本本体14の光学系1の右方の空間を占めるように上方へ向って膨出しており、画像形成装置Aを大きくすることなく、プロセスカートリッジBのトナー量を増加するようにしている。図3、図4、図7に示すように上方枠体11aの長手方向中央に外側から凹部17が設けられており、把手の機能を有している。そこで操作者は、手でもって上方枠体11aの凹部17と下方枠体11bの下側をつかんで持つ。なお、凹部17の片側及び下方枠体11bの下側に設けた長手方向のリブ11cはプロセスカートリッジBを持つ場合の滑り止めとなっている。そして、図3に示すようにこの上方枠体11aのフランジ11a1を下方枠体11bの回り縁付のフランジ11b1に嵌合し溶着面Uで合わせて、超音波溶着により溶着リブを溶かすことにより両枠体11a,11bを一体化している。ただし結合方法としては、超音波溶着に限定されずに、例えば熱溶着、強制振動、あるいは接着等で行なっても良い。両枠体11a,11bを超音波溶着する際に上述のフランジ11b1で両枠体11a,11bを支持するほか、開口部11iの外側上方にフランジ11b1とほぼ同一平面上に段部11mを設けてある。
また、図3に示すように、トナー枠体11の下方枠体11bの斜面Kはトナーが消費されると自然に落下する傾斜角度θ、即ち、装置本体14を水平にした状態で装置本体14に装着されたプロセスカートリッジBの有する斜面Kと水平線Zとのなす角度θが約65°程度が好適である。また、下方枠体11bはトナー送り部材9bの回転領域を逃げるように下方に凹形部11gを有している。トナー送り部材9bの回転直径は37mm程度である。凹形部11gは斜面Kの延長線より約0mm〜10mm位凹であれば良い。これはもし凹形部11gが斜面Kより上方にあるとすると、斜面K上方より自然落下してきたトナーが凹形部11gと斜面Kの間のトナーが現像枠体12内に送られなくなり、トナーが残ってしまう場合が予想されるが、本実施の形態では確実にトナーをトナー枠体11から現像枠体12へ送り出すことができる。
以上のようにトナー枠体11の底面にトナー送り部材9bの逃げとして凹形部11gを設けることにより、コスト上昇することなく安定したトナー送り性能が得られる。
前記プロセスカートリッジBを画像形成装置本体14に装着すると、後述するように、前記開閉部材35の閉じ動作に連動してカートリッジ側軸継手部材と装置本体側軸継手部材とが結合し、感光体ドラム7等は装置本体14から駆動を受けて回転可能となる。
{カップリング及び駆動構成}
次に画像形成装置本体14からプロセスカートリッジBへ駆動力を伝達する駆動力伝達機構である軸継手装置の構成について説明する。
図14はカップリング凸軸37が一体的に形成された駆動力伝達部品としてのドラムフランジ36の斜視図、図15は前記ドラムフランジ36を取り付けた感光体ドラム7の一部切断斜視図、図11は図15に示した感光体ドラム7をプロセスカートリッジBに取り付けた状態を示す断面図、図16は図11に示したプロセスカートリッジBのカップリング凸軸37の付近の拡大斜視図、図17は軸継手部材としての、カップリング凸軸37(プロセスカートリッジBに設けられている)と、凹軸39b(装置本体14に設けられている)との関係説明図である。
さて、図15乃至図17に示すように、プロセスカートリッジBに取り付けられた感光体ドラム7の長手方向一方端部にはカートリッジ側軸継手部材が設けてある。この軸継手部材は、感光体ドラム7の一方端部に固着したドラムフランジ36にカップリング凸軸37(円柱形状)を設けたものであり、前記凸軸37の先端面に凸部37aが形成してある。尚、凸部37aの端面は凸軸37の端面と平行である。また、この凸軸37は軸受38に回転自在で且つ軸方向移動可能に嵌合して、ドラム回転軸として機能する。そして、本実施の形態では、ドラムフランジ36とカップリング凸軸37及び凸部37aは一体に設けてある。そして、ドラムフランジ36にはプロセスカートリッジB内部の現像ローラ9cに駆動力を伝達するため、はす歯のドラムギア7bが一体に設けてある。従って、図14に示す通り、前記ドラムフランジ36は、はす歯のドラムギア7b、凸軸37及び凸部37aを有する一体成型品であって、駆動力を伝達する機能を有する駆動力伝達部品である。
そして、前記凸部37aの形状は、ねじれ多角柱であって、詳しくは略正三角柱で軸方向で次第に回転方向にねじれた形状である。また、前記凸部37aと嵌合する凹部39aは、断面が多角形の軸方向で次第に回転方向にねじれた穴である。尚、前記凹部39aは、断面が略正三角形である。そして、この凹部39aは、装置本体14に設けられた大ギア43(図18参照)と一体的に回転する。そこで、本実施の形態の構成においては、プロセスカートリッジBが装置本体14に装着されて、凸部37aと装置本体14に設けられた凹部39aとが嵌合して、凹部39aの回転力が凸部37aに伝達される際に、略正三角形の凸部37aの各稜線37a1と凹部39aの内面39a1とが等しく当接する(図24参照)。更に、そのねじれ形状によって凹部39aが凸部37aを引き寄せる方向に力が作用して、凸部端面37a2が凹部底面39a2と当接する。そこで、前記凸部37aと一体の感光体ドラム7は、画像形成装置本体14内で軸方向の位置が安定して決まる。
尚、本実施の形態において、感光体ドラム7の側からみて、感光体ドラム7の回転方向に対して、前記凸部37aのねじれ方向は凸部37aの根元から先端に向かって反対方向、また、凹部39aのねじれ方向は凹部39aの入口から内部へ向かって反対方向、また、後述するドラムフランジ36のはす歯のドラムギア7bのねじれ方向は前記凸部37aのねじれ方向と反対方向である。
そして、前記凸部37aと凹部39aは、図24に示すように、前記凸部37aとしての三角柱の外接円R0の直径=d0、凹部39aとしての断面が三角形の空間の内接円R1の直径=d1、その外接円R2の直径=d2としたとき、d1<d0<d2の関係を有する。
具体的に数値範囲の好適な一例を挙げると、d0=約3mm〜70mm、d1=約3mm〜70mm、またd2=約3mm〜70mm程度が好ましい。そして、この数値範囲の内から前述した関係を満たすサイズを適宜選択すればよい。そして、本実施の形態では特に、d0=約16mm、d1=約9.5mm、また、d2=約17.5mmとした。また、凸部37a及び凹部39aのねじれ量は、凸部37a及び凹部39aが回転状態において、感光体ドラム7または及びプロセスカートリッジBを長手方向へ移動させる大きさであり、具体的には、本実施の形態の実施例では、凸部37a、凹部39aの当接部におけるねじれの角度は約7.5°である。
但し、本発明は前記数値及び数値範囲に限定されるものではなく、適宜選択すればよい。
ここで、理論上の立体の断面位置が決まるための当接点は3点であり、本実施の形態のような凸部37aと凹部39aの形状が略正三角柱の場合には、凸部37aの軸直角断面における略正三角形の頂点は凹部39aの断面が略正三角形の空間の内面部に当接する。このことから、プロセスカートリッジBの回転時の負荷変動により、当接点のガタつきやカップリング駆動の回転むらを最小限に抑えることが可能となり、感光体ドラム7の回転精度を向上させることができた(図24参照)。ここで、前記凸軸37及び凸部37aは、前記ドラムフランジ36が感光体ドラム7の一端部に取り付けられた際に、感光体ドラム7の軸心と同軸上に位置するようにドラムフランジ36に設けられている。尚、36bは嵌合部であって、ドラムフランジ36を感光体ドラム7に取り付ける際に、ドラム筒7dの内面に嵌合する部分である。このドラムフランジ36は感光体ドラム7に“かしめ”或いは“接着”等によって取り付けられる。また、ドラム筒7dの周囲には、感光層7eが被覆されている(図11及び図15参照)。
また、この感光体ドラム7の他端側には、ドラムフランジ34が固定されている。そして、このドラムフランジ34には、平歯ギア7nが一体的に成型されている(図11参照)。
尚、プロセスカートリッジBを装置本体14に装着すると、前記円筒形ガイド13aLが装置本体14のU形の位置決め溝16b(図9参照)に嵌合して位置決めされ、且つ、ドラムフランジ34と一体的に成型した平歯ギア7nが転写ローラ4に駆動力を伝達するギア(図示せず)と噛合する。
また、前記ドラムフランジ34,36の材質としては、ポリアセタール(polyacetal)、ポリカーボネイト(polycarbonate)、ポリアミド(polyamide)、及び、ポリブチレンテレフタレート(polybutyleneterephthalate)等の樹脂材料を用いている。但し、他の材質を適宜選択して用いても構わない。
また、プロセスカートリッジBのカップリング凸軸37の凸部37aの回りには、凸軸37と同芯円の円筒形のボス38aがクリーニング枠体13に固定された軸受38に一体に設けられている(図11参照)。このボス38aによって、プロセスカーリッジBを着脱する際等にカップリング凸部37aは保護され、外力による傷や変形等から守られる。そこで、この凸部37aが損傷することによるカップリング駆動時のガタつきや振動を防止することができる。
また、前記ボス38aの形状は、本実施の形態に示す円形に限定されることはなく、前記ガイド部16cにガイドされること、また、前記位置決め溝16dに丁度嵌合されることができればよく、例えば完全な円筒形でなく欠円形の円弧形状であっても構わない。また、本実施の形態では、カップリング凸軸37を回転可能に支持するための軸受38と円筒形ボス38aとを一体成型してクリーニング枠体13にねじ留め(図示せず)した例を示したが(図11参照)、軸受38とボス38aは別体であっても構わない。
また、本実施の形態では、クリーニング枠体13に設けられた円筒形ガイド13aLと一体のドラム軸7aに前記ドラムフランジ34が嵌合して(図11参照)、また、前記クリーニング枠体13に取り付けられた軸受38の内面に前記カップリング凸軸37が嵌合した状態で、前記感光体ドラム7はプロセスカートリッジBのクリーニング枠体13に取り付けられている。そこで、感光体ドラム7はカップリング凸軸37、ドラム軸7aを中心として回転する。尚、本実施の形態では、感光体ドラム7は図11に示すようにクリーニング枠体13に軸方向に移動可能に取り付けられている。これは、取り付け公差を考慮したためである。しかしながら、これに限定されるものではなく、感光体ドラム7はクリーニング枠体13に対して軸方向に移動しないように取り付けてもよい。即ち、ドラムフランジ36の端面7b1(はす歯ギア7bの端面)を軸受38の端面38bに摺動自在に接せしめると共にドラムフランジ34の端面34aをクリーニング枠体13に固定されているドラム軸7aの段部7a3に摺動自在に接するように配設してもよい。
一方、画像形成装置本体14には、本体軸継手装置が設けてある。この本体軸継手装置は、プロセスカートリッジBを装置本体14に装着したときの感光体ドラム7の軸心とおおよそ一致する位置にカップリング凹軸39b(円柱形状)が配設してある(図11参照)。このカップリング凹軸39bは図18にも示すように、モータ61の駆動力を感光体ドラム7へと伝える大ギア43と一体になった駆動軸である。そして、このカップリング凹軸39bは、大ギア43の回転中心であって、大ギア43の側端から突出して設けられている(図19、図20参照)。本実施の形態では、前記大ギア43とカップリング凹軸39bは、一体成型で形成してある。
前記装置本体14側の大ギア43は、はす歯ギアによって構成されており、このはす歯ギアはモータ61の軸61aに固設されたはす歯の小ギア62と噛合っており、この小ギア62から駆動力が伝達されたときに、カップリング凹軸39bを凸軸37方向へ移動させる推力を発生させるようなねじれ方向と傾斜角の歯を有している。前記凹部39aは、前記カップリング凹軸39bの先端であって、前記凹軸39bの回転中心に設けられている。
尚、この実施の形態ではモータ軸61aに固設し小ギア62から大ギア43へ直接駆動力を伝達しているが、ギア列を用いて減速及び駆動伝達を行う、或いはベルトとプーリ、摩擦ローラ対、タイミングベルトとプーリなどを用いてもよい。
次に、開閉部材35の閉鎖動作に連動して凹部39aと凸部37aを嵌合させる構成について図21乃至図23を参照して説明する。
図23に示すように装置本体14に設けられた側板66と大ギア43を間にして側板67が固設されており、これらの側板66,67に大ギア43の中心に一体に設けたカップリング凹軸39bが回転自在に支持されている。大ギア43と側板66間には、外カム63と内カム64が密に間挿されている。内カム64は側板66に固定されていて、外カム63はカップリング凹軸39bに回転自在に嵌合している。外カム63と内カム64の軸方向の対向面はカム面であり、このカム面はカップリング凹軸39bを中心とする互いに接するねじ面となっている。大ギア43と側板67との間に圧縮コイルばね68が圧縮してカップリング凹軸39bに挿入されている。
図21に示すように外カム63の外周から半径方向にアーム63aが設けられ、このアーム63aの先端と、開閉部材35の軸35aから、開閉部材35を閉めた状態で図21において左斜め下方へ向かって半径方向の開閉部材35の開放側の端とは反対側の端の位置をピン65a,65bで、一つのリンク65の両端に夫々結合してある。
図22は図21を右方向からみた図であり、開閉部材35が閉じているときはリンク65、外カム63等は図示の位置にあり、カップリング凸部37a及び凹部39aが嵌合して大ギア43の駆動力が感光体ドラム7へ駆動伝達可能の状態にある。そして、開閉部材35を開くとピン65aは軸35aを中心に回動して上昇し、リンク65を介してアーム63aが引き上げられ外カム63が回転し、外カム63と内カム64との対向カム面が摺動して大ギア43が感光体ドラム7より離れる方向へ移動する。その際、大ギア43が外カム63に押されて、側板67と大ギア43との間に取り付けられた圧縮コイルばね68を押しつつ移動し、図23に示すようにカップリング凹部39aがカップリング凸部37aから離れて、軸継手の結合が解除されプロセスカートリッジBが着脱可能な状態になる。
逆に開閉カバー35を閉じると、開閉部材35とリンク65を結合しているピン65aは軸35aを中心に回転して下り、リンク65は下方へ移動してアーム63aを押し下げ、外カム63が逆に回転し、圧縮コイルばね68に押されることにより、図23から大ギア43が左行して図22の位置に到達し大ギア43が再び図22の位置にセットされカップリング凹部39aがカップリング凸部37aに嵌合し、駆動伝達可能な状態に戻る。このような構成をとることにより、プロセスカートリッジBを開閉カバー35の開閉に応じて着脱および駆動可能な状態にすることが可能になる。尚、開閉部材35を閉じることによって外カム63が逆に回転し大ギア43が図23から左行して、カップリング凹軸39bとカップリング凸軸37の端面が当たってカップリング凸部37aとカップリング凹部39aが噛合わなくても後述のように画像形成装置Aの始動後すぐ噛合う。
このように、本実施の形態1ではプロセスカートリッジBを装置本体14に着脱する際には、開閉部材35を開放する。そしてこの開閉部材35の開閉に連動して、カップリング凹部39aが水平方向(矢印j方向)に移動する。そこで、プロセスカートリッジBを装置本体14に着脱する際には、プロセスカートリッジBの凸部37aと装置本体14の凹部39aは連結することはない。また、連結してはいない。従って装置本体14に対するプロセスカートリッジBの着脱を円滑に行うことができる。また、本実施の形態1ではカップリング凹部39aが圧縮コイルばね68によって大ギア43が押されることにより、プロセスカートリッジBの方向へ押圧されている。そこで、カップリング凸部37aと凹部38aとが噛み合う際に、カップリング凸部37aと凹部38aがぶつかってうまく噛み合わなかったとしても、プロセスカートリッジBを装置本体14へ装着後初めてモータ61が回転し、これによってカップリング凹部38aが回転することによって両者は瞬時に噛み合う。
次に前記カップリング手段の係合部である凸部37aと凹部39aの作用について説明する。
尚、装置本体14に設けたカップリング凹軸39bは、前述したように軸方向には移動可能であるが、半径方向(ラジアル方向)には移動しないように支持されている。一方、プロセスカートリッジBは長手方向に移動可能に装置本体14に装着されている。なお、プロセスカートリッジBが長手方向に移動可能な場合は、感光体ドラム7はカートリッジ枠体に対して長手方向に移動可能であっても、移動可能でなくてもよい。またプロセスカートリッジBが装置本体14に対して長手方向に移動しないように装着してもよく、この場合は、感光体ドラム7をカートリッジ枠体の長手方向に移動可能に取り付ける。
即ち、プロセスカートリッジBを装置本体14に装着すると感光体ドラム7の長手方向他端側に取り付けたドラムフランジ34が嵌合するドラム軸7a(図11参照)と一体で同心の円筒形ガイド13aLが装置本体14の位置決め溝16b(図9参照)に入り込んで隙間なく嵌合して位置決めされ、且つドラムフランジ34と一体的に成型した平歯ギア7nが転写ローラ4に駆動力を伝達するギア(図示せず)と噛合する。一方、感光体ドラム7の長手方向一端側(駆動側)は、クリーニング枠体13に設けたボス38aが装置本体14に設けた位置決め溝16dに嵌合位置決めされる。そして、既に述べたように開閉部材35が閉じられることによって、凹部39aが水平に移動して凸部37aに入り込む(図24参照)。
次いで、駆動側(カップリング側)は次のように位置決め及び駆動伝達がなされる。
先ず、本駆動モータ61が回転すると、カップリング凹軸39bがカップリング凸軸37方向(図19の矢印d方向)に付勢され、圧縮コイルばね38で押されて係合していなかった凸部37aと凹部39aの位相があった時点(本実施の形態では凸部37aと凹部39aが略正三角形であるために、120°毎に両者の位相が合う)で両者が係合し、装置本体14からプロセスカートリッジBに回転力が伝達される(図19に示す状態から図20に示す状態となる)。
このカップリング係合に際し、凸部37aが凹部39aに入り込むときは、図24に示すように、両者の略正三角形のサイズに差があり、即ち凹部39aの断面が略正三角形の穴が凸部37aの略正三角形よりも大きいから、隙間を有した状態でスムーズに入り込む。
そこで、画像形成時に凸部37aが凹部39aに入り込んだ状態でカップリング凹軸39が回転すると、図24に示すように、凹部39aの内面39a1と凸部37aの略正三角柱の37の稜線37a1とが当接して駆動力が伝達される。そしてこの時、カップリング凸部37aの中心X1と凹部39aの中心X2を一致させる方向へ凹部39aと凸部37aが移動する。
ここで本実施の形態においては、前述した通り軸芯が合致するために、プロセスカートリッジBが前記感光体ドラム7の軸線と実質的に直角方向である下方へ所定距離以上移動するのを規制するためにカートリッジ位置決め部としてのボス38aの外表面が、本体位置決め部としてのガイド部16の延出部50に当接する(図28〜36参照)。
一方、凸部37a及び凹部39aは接触部において共に同じねじれた稜線37a1、ねじれた内面39a1を有する多角形柱及び多角形断面のねじれた穴であるから、軸継手が係合して運転されると、凸部37aの稜線37a1と凹部39aの内面39a1の当接部には軸方向に推力を発生する。この推力の発生する方向は凹部39aが凸部37aを引き込む方向に凸部37a、凹部39aのねじれ方向を定めてあるので、図11に示すようにプロセスカートリッジBのクリーニング枠体13に対して感光体ドラム7が軸方向移動可能に支持している場合には、凸部37aの端面37a2が凹部39aの底面39a2に当接し、これによって、感光体ドラム7の長手方向位置が定まる。
また、プロセスカートリッジBが装置本体14に装着された際、長手方向の位置を定めるように例えばクリーニング枠体13の側板を駆動側の装着ガイド部材16Rに当接するように構成されている場合には、カップリング凸部37aがカップリング凹部39aに対して軸方向に移動し、この凸部37aの端面37a2が凹部底面39a2に当接しないように、ドラムフランジ36のドラムギア7bの端面7b1を軸受38の内側端面38bに当接させるようにしてもよい。
また、カートリッジ枠体に対して感光体ドラム7が長手方向に移動しないように取り付けてある場合は、プロセスカートリッジBは装置本体14に対して長手方向に移動可能とし、前述したようにカップリング凹軸39bで凸軸37を駆動した際の推力で凸部37aの端面37a2を凹部底面39a2に当接することにより、感光体ドラム7の長手方向の位置が定まる。また、この場合においても、プロセスカートリッジBを長手方向の駆動側でガイド部材16Rに当接位置決めするようにし、このプロセスカートリッジBを駆動側ガイド部材16Rに移動して押圧する力を凹部39aと凸部37aの回転時生ずる推力によってもよい。ただしこの場合、凸部端面37a2と凹部底面39a2が接触しない内にプロセスカートリッジBがガイド部材16Rに当接するようにする。
なお上述はカップリング凹軸39bと凸軸37が軸方向へ引き合う推力を発生する方向に凸部37a及び凹部39aがねじれた多角形柱及び多角形のねじれた穴としてあるが、ねじれ方向を逆にして感光体ドラム7を反駆動側へ運転時付勢するようにしてもよい。ただし、この場合は、何れの場合もプロセスカートリッジBは装置本体14のカートリッジ装着部の反駆動側を長手方向位置決め基準とする必要がある。
以上のような構成により、カートリッジ位置決め部のボス38aと本体位置決め部50が当接して、前記プロセスカートリッジBの前記感光体ドラム7の軸線と実質に直角方向の位置が決まる。さらに、感光体ドラム7に駆動力が伝わることによりプロセスカートリッジBに回転力が生まれ、この回転力によりプロセスカートリッジBのクリーニング枠体13の上面に長手方向に平行な面として設けられた規制当接部13j(図4〜図6参照)が画像形成装置本体14に固設された固定部材25(図9、図10参照)への突き当て力が強まる。
また、非駆動時(非画像形成時)には、凸部37aと凹部39aとの半径方向(ラジアル方向)には隙間を設けられるので、軸継手部材同士の着脱が容易になる。また、駆動時には前述のカップリング係合部分での当接力が安定するので、この部分でのガタつきや振動を抑えることができる。さらに、カートリッジ位置決め部のボス38aと本体位置決め部50が当接することによって、プロセスカートリッジBの振動を抑制することができる。
尚、本実施の形態においては、凹部39aと凸部37aの軸芯が合致した位置でもって、本体位置決め部50とカートリッジ位置決め部のボス38aが当接する場合も有るし、前記位置決め部が当接した際に、前記軸芯は合致していない場合もある。しかしながら軸芯が合致していないとしても、そのずれ量は、実用上要求される品質の画像が得られる範囲内であることは当然である。
尚、本実施の形態ではカップリング凸部及び凹部の形状を略正三角形としたが、略正多角形形状であれば同様の効果が得られることはいうまでもない、また、略正多角形形状であれば位置決めをより一層正確に行うことができるが、これに限定されずに嵌合して引き寄せることのできる形状であれば、例えば多角形形状等であってもよい。
さらに、カップリング凸部と凹部を比較すると、形状的に凸部は傷つきやすく、強度的にも凹部に劣る。このため、本実施の形態においては、交換可能にプロセスカートリッジBにカップリング凸部を設け、より高耐久性が要求される画像形成装置本体14にカップリング凹部を設けてある。ただし、プロセスカートリッジBにカップリング凹部を設け、装置本体14にカップリング凸部を設けて、これら凸部と凹部を嵌合して駆動力を伝えるとしてもよい。
ここで、前述した実施の形態をプロセスカートリッジBを例に挙げてまとめると次の通りである。本実施の形態のプロセスカートリッジBは、モータ61と、前記モータ61からの駆動力の伝達を受けるための装置本体14の大ギア43と、前記装置本体14の大ギア43の中央部に設けられた、前記装置本体14の大ギア43と一体に回転する断面が多角形のねじれた穴の凹部39aと、を有して、記録媒体2に画像を形成する電子写真画像形成装置Aの装置本体14に着脱可能である。そして、本実施の形態のプロセスカートリッジは、電子写真感光体ドラム7と、前記電子写真感光体ドラム7に作用するプロセス手段(帯電ローラ8、現像ローラ9c、クリーニングブレード10a)と、前記電子写真感光体ドラム7の長手方向一端に設けられた、前記多角形のねじれた穴と嵌合するねじれた多角柱の凸部37aと、ここで前記プロセスカートリッジBが装置本体14に装着された際に、前記多角柱の凸部37aが前記断面が多角形のねじれた穴の凹部39aと嵌合した状態で前記本体の大ギア43が回転すると、前記凸部37aが前記凹部39aの方向へ引き込まれた状態で、前記装置本体14の大ギア43の回転力を前記電子写真感光体ドラム7に伝達する。
またここで、プロセスカートリッジBの画像形成時(駆動伝達時)の装置本体14に対する位置決めをまとめると、次の通りである。
先ずプロセスカートリッジBは、円筒形ガイド13aR、13aLが位置決め溝16d,16bに夫々ピッタリ嵌合して位置決めされる。そして画像形成時(駆動伝達時)には、プロセスカートリッジBは前記凸部37aが装置本体14に設けられた凹部39aに引き寄せされて、この凸部37aと凹部39aとが嵌合した状態で長手方向の位置決めがなされる。ここで本実施の形態の実施例では、組立公差を考慮して感光体ドラム7はその長手方向に移動方向(約0.1mm〜1.0mm程度)に設けられている。そこで、前記凸部37aが凹部39aに引き寄せられる際には、ドラムフランジ36の端面7b1(図11)が軸受38の端面38bに当接する。また、組立公差を考慮して、本体側板(装着ガイド部16a,16c)に対して移動可能(約0.1mm〜3mm程度)に装着されたプロセスカートリッジBが感光体ドラム7の長手方向へ引き寄せられる(ほぼ水平へ移動する)。尚、最初からドラムフランジ16の端面7b1が軸受38の端面38bに当接していた場合、或いは感光体ドラム7が長手方向に対して遊びを有していない場合には、直ちにプロセスカートリッジBが感光体ドラム7の長手方向へ引き寄せられる(ほぼ水平へ移動する)。
また、画像形成時にプロセスカートリッジBは、感光体ドラム7の回転方向へ回転力を受けるが、この回転力によってプロセスカートリッジBの規制当接部13jが装置本体14の固設部材25への当接力を強める。
更にまた感光体ドラム7または及びクリーニング枠体13が長手方向への移動量が充分な場合は、凸部17aの端面37a2と凹部39aの底面39a2を当接することにより、感光体ドラム7の軸方向位置が定まる。
次に他のカップリング凸軸37の凸部37a及びカップリング凹軸39bの凹部39aの形状及びプロセスカートリッジBの装置本体14に対する位置決めについて他の実施の形態2を図25を参照して説明する。尚、プロセスカートリッジB及び画像形成装置Aの基本的な構成は、前述した実施の形態1と同様であるために重複する説明は省略し、また実施の形態1と同一機能を有する部材は同一符号を付す。
本実施の形態2における凸部37aの形状は、ねじれた四角柱であり、前記凸部37aと嵌合する凹部39aは凹部空間がねじれた四角柱の穴である。また、ねじれの方向としては、凸部37aは感光体ドラム7の中央側から端部の方向へ見て回転方向と逆の方向であり、凹部39aは感光体ドラム7側から装置本体14の外に向かって見て回転方向と逆の方向にねじれている。そして、凸部37aと装置本体14に設けられた凹部39aとが嵌合して凹部39aの回転力が凸部37aに伝達される際に、凸部37aの稜線37a1と凹部39aの内面39a1とがおおよそ当接するので安定して駆動力が伝達されると共に、凸部37a及び凹部39aの各内面が前述の方向にねじれているため、互いに引き寄せる方向に力が働き、凸部37aの端面37a2と凹部底面39a2が当接し、装置本体14に対するプロセスカートリッジBの感光体ドラム7の軸方向の位置が決まる。
また、本実施の形態2においては、凸部37aと凹部39aの形状はねじれた四角柱としたが、これに限定されることはなく、他の多角柱や、凹部39aのねじれた穴であり、凸部37aは形状は図26に示すようにカップリング凸軸37の端面中心から支持軸37a5を突出させこの支持軸37a5の先端から支持軸37a5の放射方向に延びた複数のアーム37a4の先端に凹部39aの内面39a1と夫々当接する球状当接部37a3を持った形状であっても、駆動時に軸方向の力が働くので、このような駆動時に推力が働く形状であれば構わない。
尚上述の被動側及び駆動側軸継手部37a,39aは共に又は穴にねじ面を備えるが、何れか一方の軸継手部のみをねじれ面を有するものとしてもよい。あるいは、図27に示すように両軸継手部37a,39aが共にねじれの無いものであってもよい。
上述のように、本発明の実施の形態は多様な形態をとり得る。
ここで感光体ドラム7の長手方向の位置決めに関し、まとめると、
先ず装置本体14からプロセスカートリッジBへの回転力を伝達する軸継手については駆動側軸継手部材のカップリング凹軸39bは凹部39aが凸部37aと係合に際し、軸方向一定位置にあって(1)カップリング凹部39aが凸部37aを軸方向に引き込むこと(2)カップリング凹部(駆動側軸継手部)39aが被動側軸継手(凸部37a)を軸方向に排斥することの2種類について述べた。
次に(1)感光体ドラム7がカートリッジ枠体、具体的にはクリーニング枠体13に対して長手方向に移動可能に支持されていること(2)感光体ドラム7がクリーニング枠体13に対して長手方向に移動しないように支持されていることの2種類がある。
更に(1)プロセスカートリッジBのカートリッジ枠体、具体的には感光体ドラム7を支持しているクリーニング枠体13が装置本体14のカートリッジ装着部に対して長手方向に移動可能に装着される。(2)クリーニング枠体13がカートリッジ装着ガイドに対して長手方向に移動しないように装置本体14のカートリッジ装着部に対して装着される。
この各場合を、感光体ドラム7がクリーニング枠体13に対して長手方向に移動しないように、且つ、クリーニング枠体13がカートリッジ装着ガイド部材16に対して長手方向に移動しないように装着される場合を除き、組合せることができる。
本発明の実施の形態で説明したものを図面を用いて説明する。以下の図面は模式的に軸継手、プロセスカートリッジB及び装置本体14のカートリッジ装着部を示す。又、反駆動側へ感光体ドラム7が移動した場合、上述の実施の形態ではドラム軸7aの段部7a3により、感光体ドラム7の軸方向移動は阻止される。このドラム軸7aはクリーニング枠体13に固定されている。そこで以下の説明では、感光体ドラム7のこの軸方向移動は結局クリーニング枠体13により定められるので、感光体ドラム7とクリーニング枠体13の関係として述べる。
図28はクリーニング枠体13に対して感光体ドラム7が長手方向に移動可能に支持され、クリーニング枠体13はガイド部材16間で長手方向に移動可能である。この場合、軸継手が連結されるとカップリング凸軸37はカップリング凹軸39bの方へ引かれ、凸部端面37a2は凹部底面39a2に当接し、感光体ドラム7の軸方向位置が決まる。
図29はクリーニング枠体13に対して感光体ドラム7が長手方向に移動可能に支持され、クリーニング枠体13はガイド部16aの底とクリーニング枠体13間に配設した板ばね33によって装置本体14のカートリッジ装着部に長手方向に移動できないように拘束されている。なお、板ばね33を備えないで両ガイド部材16間にクリーニング枠体13が丁度嵌まり込んでプロセスカートリッジBを装置本体14に対して長手方向に移動しないようにした場合も板ばね33を用いた場合と同様であって、この場合軸継手が連結されるとカップリング凸軸37は凹軸39bの方へ引かれて凸部端面37a2は凹部底面39a2に当接し、感光体ドラム7の軸方向位置が決まる。
図30はクリーニング枠体13に対して感光体ドラム7が長手方向に移動可能に支持され、クリーニング枠体13はガイド部材16間で長手方向に移動可能である。この場合、軸継手が連結されるとカップリング凸軸37はカップリング凹軸39bの方へ引かれて凸部端面37a2が凹部底面39a2に当接する前に感光体ドラム7は軸受38に接する。詳しくは前述のドラムフランジ36の端面7b1が軸受38の端面38bに接し、感光体ドラム7のクリーニング枠体13に対する位置が決まる。続いて感光体ドラム7の矢印イ方向への付勢によりクリーニング枠体13は駆動側へ向って移動し、クリーニング枠体13は駆動側ガイド部材16Rに接し、クリーニング枠体13の長手方向の位置が定まり、従って感光体ドラム7の長手方向の位置が決まる。
図31はクリーニング枠体13に対して感光体ドラム7が長手方向に移動可能に支持され、クリーニング枠体13はガイド部16aの底とクリーニング枠体13の間に配設した板ばね33によって装置本体14のカートリッジ装着部に長手方向に移動できないように拘束されている。なお、板ばね33を備えてないで両ガイド部材16にクリーニング枠体13が丁度嵌まり込んでプロセスカートリッジBを装置本体14に対して長手方向に移動しないようにした場合も板ばね33を用いた場合と同様であって、軸継手が連結されるとカップリング凸軸37はカップリング凹軸39bの方へ引かれて凸部端面37a2が凹部底面39a2に当接する前に感光体ドラム7は軸受38に接する。詳しくはドラムフランジ36の端面7b1が軸受38の端面38bに接し、感光体ドラム7のクリーニング枠体13に対する位置が決まる。クリーニング枠体13は長手方向に不動に装着されているのでこれにて感光体ドラム7の長手方向の位置が定まる。
図32はクリーニング枠体13に対して感光体ドラム7は長手方向へ移動しないように支持されており、クリーニング枠体13はガイド部材16間で長手方向に移動可能である。この場合、軸継手が連結されるとカップリング凸軸37はカップリング凹軸39bの方へ引かれて凸部端面37a2は凹部底面39a2に当接し、感光体ドラム7の軸方向位置が決まる。
図33はクリーニング枠体13に対して感光体ドラム7は長手方向へ移動しないように支持されており、クリーニング枠体13はガイド部材16間で長手方向に移動可能である。この場合、軸継手が連結されると被動側軸継手部材のカップリング凸部37aはカップリング凹部39aに引かれ、凸部端面37a2が凹部底面39a2に達しない間にクリーニング枠体13は駆動側のガイド部材16Rに接することにより、感光体ドラム7の長手方向の位置が定まる。
図34、図35、図36は夫々が軸継手において凸部37a、凹部39aのねじれ方向を上述と逆にすることにより駆動側軸継手部材(カップリング凹軸39b)が駆動して被動側軸継手部材(カップリング凸軸)37が図示矢印ロの反駆動側へ付勢をする場合は、何れの場合も感光体ドラム7が反駆動側へ向かって付勢され、クリーニング枠体13を反駆動側のガイド部材16Lに押し付けることにより感光体ドラム7の長手方向の位置が定まるものである。
図34はクリーニング枠体13に対して感光体ドラム7が長手方向に移動可能に支持され、クリーニング枠体13はガイド部材16間で長手方向に移動可能である。この場合、軸継手が連結されるとカップリング凸軸37はカップリング凹軸39bから離れる方へ押されて感光体ドラム7のドラムフランジ34はクリーニング枠体13の反駆動側で位置決めされる。更にクリーニング枠体13を感光体ドラム7が押してクリーニング枠体13を反駆動側のガイド部材16Lに押圧して、感光体ドラム7の長手方向の位置が定まる。
図35はクリーニング枠体13に対して感光体ドラム7が長手方向に移動可能に支持され、クリーニング枠体13はガイド部16cの底とクリーニング枠体13間に配設した板ばね33によって装置本体14のカートリッジ装着部に長手方向に移動できないように拘束されている。なお、板ばね33を備えないで両ガイド部材16間にクリーニング枠体13が丁度嵌まり込んでプロセスカートリッジBを装置本体14に対して長手方向に移動しないようにした場合も同様である。この場合は、軸継手が連結されるとカップリング凸軸37はカップリング凹軸39bから離れる方向へ押されて感光体ドラム7のドラムフランジ34がクリーニング枠体13の反駆動側で位置決めされ、感光体ドラム7の長手方向の位置が定まる。
図36はクリーニング枠体13に対して感光体ドラム7は長手方向へ移動しないように支持されており、クリーニング枠体13はガイド部材16間で長手方向に移動可能である。この場合、軸継手が連結されるとカップリング凸軸37はカップリング凹軸39bから離れる方へ押されて、感光体ドラム7はクリーニング枠体13を押して反駆動側へ移動し、クリーニング枠体13は反駆動側のガイド部材16Lと当接し、これによって感光体ドラム7の長手方向の位置が定まる。なお、上述において、感光体ドラム7の回転を現像ローラ9cへ伝えるためのはす歯のドラムギア7bのねじれ方向は、運転時駆動側軸継手部材のカップリング凹軸39bが凸軸37を引き込む場合、押し込む場合は夫々軸継手の嵌合により発生する推力とドラムギア7bで生ずる推力が同一方向を向くように定める。実施の形態は、感光体ドラムとプロセスカートリッジ側の軸継手部材は一体的としたが、感光体ドラムとこの軸継手部材を別個にカートリッジ枠体に夫々回転自在に支持し、この軸継手部材と感光体ドラムを連結した態様も本発明に含まれるものである。この場合、カートリッジ枠体に対して感光体ドラム及び軸継手部材は長手方向に移動しないように支持する。
{感光体ドラムの軸線と実質的に直角方向に対するプロセスカートリッジの位置決め}
以下図28〜図36を参照して説明する。尚、図28〜図36において、U字溝である位置決め溝16b・16dは図を省略してある。
なお以下説明する実施の形態は、画像形成装置本体に着脱可能なプロセスカートリッジにおいて、
電子写真感光体ドラムと、
前記電子写真感光体ドラムに作用するプロセス手段と、
前記電子写真感光体ドラムと前記プロセス手段を内蔵するカートリッジ枠体と、
画像形成装置本体に装着された際に画像形成装置本体側の軸継手部材と係合可能で、画像形成装置本体側の軸継手部材により回転力を受けた際に推力を生じ電子写真感光体ドラムまたは及びカートリッジ枠体を長手方向に付勢する被動側軸継手部材と、
画像形成装置本体のカートリッジ装着部に装着された際、画像形成装置本体側の位置決め部材と係合して電子写真感光体ドラムの軸芯の軸直角方向における位置を定めるカートリッジ側の位置決め部材と、を有するプロセスカートリッジである。
本実施の形態においては、前述した通り軸芯が合致するために、プロセスカートリッジBが前記感光体ドラム7の軸線と実質的に直角方向である下方へ所定距離以上移動するのを規制して、プロセスカートリッジBの位置決めを行っている。そのために、図28〜図36に明記した通り、カートリッジ位置決め部としてのボス38aの外表面を、本体位置決め部としてのガイド部材16の上部延出部50に当接させている。このようにカートリッジ位置決め部であるボス38aと本体位置決め部50が当接することによって、プロセスカートリッジBの振動を抑制することができる。尚、本実施の形態においては、凹部39aと凸部37aの軸芯が合致した位置でもって、本体位置決め部50とカートリッジ位置決め部であるボス38aが当接する場合もあるし、前述位置決め部が当接した際に、前記軸芯は合致していない場合もある。しかしながら軸芯が合致していないとしても、そのずれ量は、実用上要求される品質の画像が得られる範囲内であることは当然である。
尚、軸芯が合致した位置でもって本体位置決め部50とカートリッジ位置決め部であるボス38aが当接する場合よりも、むしろ、軸芯が合致する前に、本体位置決め部50とカートリッジ位置決め部であるボス38aが当接する場合の方が、より確実に両位置決め部が当接することになる。(なぜならば、突き当て力が強まるから)そこでこの場合の方が、プロセスカートリッジBの振動をより一層抑制することができる。
次に、図4、図10及び図37を用いて他の実施の形態を説明する。
この実施の形態はプロセスカートリッジBが装置本体14へ装着された際の感光体ドラム7の半径方向の位置決めに関している。即ち、プロセスカートリッジBが前記感光体ドラム7の軸線と実質的に直角方向である下方へ所定距離以上移動しようとするのを規制するものである。
図4及び図37に示すようにプロセスカートリッジBのクリーニングフレーム12cの駆動側の側板には位置決め凸部12c5が設けられている。また、図10及び図37に示すように装置本体14のカートリッジガイド16には位置決め部16fが突出して設けられている。図37に示すようにプロセスカートリッジBが装置本体14へ装着されると、反駆動側の円筒形ガイド9aLがU溝となった位置決め溝16bに嵌合すると共に、駆動側においてはプロセスカートリッジBの位置決め凸部13R3が装着ガイド部材16の位置決め部16fに着座する。この凸部13R3と位置決め部16fの当接部はプロセスカートリッジBの装着方向に対して交叉する面であり、直角に交叉してもよく、またこの面は平面でも曲面でもよい。
また軸継手についても、前述各実施の形態の何れかが採用される。
この実施の形態によれば軸受24と一体の同心のボス38aをU溝となった位置決め溝16dと当接する必要がない(尚、当接させるようにしてもよい)。
カップリング凹軸39bが回転すると、軸継手の調芯作用でプロセスカートリッジBの位置決め凸部13R3は装置本体14の装着ガイド部材16の位置決め部16fと離れ、感光体ドラム7は通過する記録媒体2の表面と平行となる。
この実施の形態によれば、ボス38aはガイド部16cにガイドされればよく、位置決め機能は必要でなくなるので軸受24の外形形状の制約が小さくなる。それに加えて、前述した通り、プロセスカートリッジBの振動を抑制することができる。
尚、本実施の形態は、凹部39aと凸部37aの軸芯が合致するために、プロセスカートリッジBが感光体ドラム7の軸線と実質的に直角方向である下方へ移動する例である。したがって本実施の形態によれば、位置決め凸部13R3及び位置決め部16fを用いる代りに、カートリッジ位置決め部としてのボス38aをU溝として設けた本体位置決め部16dに当接させても良い。
この場合であっても、プロセスカートリッジBの振動を抑制することができる。
またU溝である本体位置決め部16dの形状を工夫することによって、U溝16dでもって感光体ドラム7の軸線と実質的に直角方向である上方へ移動するのを規制することができる。
上述した説明において、凹部39a、即ち、
穴(突起)のねじれ方向は穴の入口から奥に向ってギアの回転方向と逆方向にねじれ込んで行く方向である。
また穴(突起)のねじれ量は、軸線長さ1mmに対して回転方向で1°〜15°の割り合いである。
本実施の形態では、穴の深さは約4mmであって、約30°ねじれている。
尚、前述実施の形態ではカップリング部材としてねじれた穴とねじれた多角柱の例を示したが、カップリング部材の形状としては例えばねじれた穴とねじれない多角柱であっても構わない。この場合には、前記多角柱としての例えばねじれていない三角柱が前記ねじれた穴と嵌合して、前記穴が回転をすると、前記三角柱はその根元の部分でもって前記穴の内面と接触し、穴に対する位置が定まる。この根元の部分は他の部分と比較して強度が強いので突起としての三角柱は変形することがない。また、三角柱の角部付近及び/又は穴の内面が僅かに局所的に変形して前記角部付近が穴の内面にくい込む。したがって、前記凹部と穴の結合がより強固になる。
前述実施の形態では、電子写真感光体の軸線と実質的に直角方向の位置は、カートリッジ位置決め部と本体位置決め部の当接によって決まる。更に、画像形成装置本体側の軸継手部材と係合回転推力を発生する軸継手部材をプロセスカートリッジが備えた場合には、電子写真感光体ドラムの軸方向の位置決めを精度よく行うことができる。