JP2002205816A - 粉体ポンプ及びその粉体ポンプを有する画像形成装置 - Google Patents
粉体ポンプ及びその粉体ポンプを有する画像形成装置Info
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Abstract
貫通孔に回転自在に配置された剛体より成るロータとを
有する粉体ポンプのトナー移送効率を高める。 【解決手段】 ロータ18の横断面径をRA、ロータ1
8の外径をRB、ステータ貫通孔17の最小内径をS
N、その貫通孔17の最大内径をSXとしたとき、RA
−SN≧0.45、RB−(SN+SX)/2≧0.4
5を満たすようにその各値を設定する。
Description
テータに形成された貫通孔に回転可能に配置されたロー
タとを具備し、前記ステータの貫通孔は、螺旋状に延び
る2条の溝によって形成され、かつ前記ロータは、該ロ
ータの外周面と前記ステータの貫通孔内周面との間に粉
体移送用の空隙が形成されるように螺旋状に延びてい
て、該ロータを回転駆動することにより、前記空隙を移
動させて該空隙内の粉体を移送する粉体ポンプ、及びそ
の粉体ポンプを有する画像形成装置に関するものであ
る。
粉体ポンプを用いることは従来より周知である。例え
ば、複写機、ファクシミリ、プリンタ或いはこれらの少
なくとも2つの機能を備えた複合機などとして構成され
る画像形成装置においては、粉体状のトナー、或いはト
ナーとキャリアを有する粉体状の二成分系現像剤などを
移送する目的で上述の粉体ポンプが採用されている(例
えば、特開平11−84873号公報参照)。かかる粉
体ポンプは、一軸偏心スクリューポンプ又は一般にモー
ノポンプとも称せられている。
とにより、該ロータの外周面とステータの貫通孔内周面
との間に区画された空隙が移動し、その空隙に封入され
た粉体が移送されるように構成されている。一般に、ロ
ータは金属又は樹脂などの剛体により構成され、ステー
タは例えばゴムや軟質樹脂などの弾性材料によって構成
されている。
体を移送できる量を増大させるには、粉体ポンプの粉体
吸い込み側の吸引圧力を大きくできるように、上述の空
隙の密閉性を高めればよい。剛体より成るロータの外周
面が弾性体より成るステータの貫通孔内周面に圧接して
その内周面を弾性変形させて該内周面を圧縮させる量を
食い込み量と称することにすると、上述のように空隙の
密閉性を高めるには、くい込み量を大きくして、空隙の
まわりのロータの外周面部分とステータの貫通孔内周面
部分との圧接力をできるだけ高めるようにするのであ
る。
もに大きくすると、ロータのトルクが上昇し、ステータ
の摩耗量が促進されると共に、ステータとロータの摩擦
による粉体ポンプの温度上昇が著しくなる。従って、粉
体ポンプにより移送される粉体が熱の影響を受けやすい
ものであるときは、粉体ポンプの温度上昇により、その
粉体に悪影響を及ぼすおそれがある。例えば、その粉体
がトナー又はトナーとキャリアを有する二成分系現像剤
である場合、粉体ポンプの温度上昇によってそのトナー
が凝集しやすくなる欠点を免れない。
な認識に基づきなされたものであり、その第1の目的
は、上記の不具合を最小限に抑えつつ、粉体の移送効率
を高めることの可能な冒頭に記載した形式の粉体ポンプ
を提供することにある。
を有する画像形成装置を提供することにある。
的を達成するため、冒頭に記載した形式の粉体ポンプに
おいて、前記ロータの横断面径をRAmm、該ロータの外
径をRBmm、前記ステータの貫通孔の最小内径をSNm
m、該貫通孔の最大内径をSXmmとしたとき、RA−S
N≧0.45で、かつRB−(SN+SX)/2≧0.
45を満たすように、RA、RB、SN及びSXを設定
したことを特徴とする粉体ポンプを提案する(請求項
1)。
るため、冒頭に記載した形式の粉体ポンプにおいて、前
記ロータの横断面径をRAmm、該ロータの外径をRBm
m、前記ステータの貫通孔の最小内径をSNmm、該貫通
孔の最大内径をSXmmとしたとき、−0.18≦RB−
(SN+SX)/2−(RA−SN)≦0.16を満た
すように、RA、RB、SN及びSXを設定したことを
特徴とする粉体ポンプを提案する(請求項2)。
するため、冒頭に記載した形式の粉体ポンプにおいて、
前記ロータの横断面径をRAmm、該ロータの外径をRB
mm、前記ステータの貫通孔の最小内径をSNmm、該貫通
孔の最大内径をSXmmとしたとき、RA−SN≧0.4
で、かつRB−(SN+SX)/2≧0.4を満たすと
共に、−0.18≦RB−(SN+SX)/2−(RA
−SN)≦0.12を満たすように、RA、RB、SN
及びSXを設定したことを特徴とする粉体ポンプを提案
する(請求項3)。
るため、冒頭に記載した形式の粉体ポンプにおいて、前
記ロータの横断面径をRAmm、該ロータの外径をRBm
m、前記ステータの貫通孔の最小内径をSNmm、該貫通
孔の最大内径をSXmmとしたとき、RA−SN≧0.5
で、かつRB−(SN+SX)/2≧0.5を満たすと
共に、−0.18≦RB−(SN+SX)/2−(RA
−SN)≦0.12を満たすように、RA、RB、SN
及びSXを設定したことを特徴とする粉体ポンプを提案
する(請求項4)。
記載の粉体ポンプにおいて、RA−SN≦0.9で、か
つRB−(SN+SX)/2≦0.9を満たすように、
RA、RB、SN及びSXを設定すると有利である(請
求項5)。
載の粉体ポンプにおいて、前記ステータの貫通孔を形成
する各溝のステータ横断面における半径をSRmmとした
とき、0.9≦SN/2SR≦0.95を満たすよう
に、SNとSRを設定すると有利である(請求項6)。
するため、冒頭に記載した形式の粉体ポンプにおいて、
前記ステータの貫通孔の最小内径をSNmm、該貫通孔を
形成する各溝のステータ横断面における半径をSRmmと
したとき、0.9≦SN/2SR≦0.95を満たすよ
うに、SNとSRを設定したことを特徴とする画像形成
装置を提案する(請求項7)。
載の粉体ポンプにおいて、アルミニウム、ポリカーボネ
イト、又はポリアセタール樹脂より成るロータ、或いは
これらのうちの1つの材料を主材料とするロータを用い
ると有利である(請求項8)。
記載の粉体ポンプにおいて、JISA硬度50度以下の
エチレンプロピレンゴム、又はクロロプレンゴムより成
るステータ、或いはこれらのいずれか一方のゴムを主材
料とするステータを用いると有利である(請求項9)。
載の粉体ポンプにおいて、ロータの回転数が100rpm
乃至400rpmで使用されると有利である(請求項1
0)。
に記載の粉体ポンプにおいて、移送される粉体がトナー
であると有利である(請求項11)。
記載の粉体ポンプにおいて、移送される粉体がトナーと
キャリアを有する二成分系現像剤であると有利である
(請求項12)。
するため、上記請求項11又は12に記載の粉体ポンプ
を有することを特徴とする画像形成装置を提案する(請
求項13)。
に従って詳細に説明する。
或いはこれらの少なくとも2つの機能を備えた複合機な
どとして構成される画像形成装置の本体内に配置された
粉体ポンプ1と、その粉体ポンプ1により移送される粉
体の一例であるトナーTを収納するトナー収納装置2
と、現像装置3とを示す概略説明図である。それ自体周
知のように、現像装置3の現像容器4内には、例えばト
ナーとキャリアを有する粉体状の二成分系現像剤(図1
には示さず)が収容され、その現像剤中のトナーによっ
て、同じく図1には示していない像担持体の表面にトナ
ー像が形成される。現像容器内の現像剤のトナー濃度低
下が図示していないトナー濃度センサにより検知される
と、トナー収納装置2のトナーTが粉体ポンプ1により
移送されて現像容器4内に供給される。図1に示したト
ナー収納装置2は次のように構成されている。
口した袋状のトナー収納容器5を有し、このトナー収納
容器5内に粉体状のトナーTが収納されている。かかる
トナー収納容器5は、その開口6の側の下部が保持部材
7に固定保持され、かつ保護ケース8内に収容されてい
る。保護ケース8の下部は、保持部材7に固定され、そ
の保持部材7には、スポンジなどの弾性体より成るシー
ル部材9が固定保持されている。トナー収納容器5と、
保護ケース8と、保持部材7と、シール部材9によって
一体的なトナーカートリッジ10が構成され、このトナ
ーカートリッジ10は、画像形成装置本体に固定された
ホルダ11に着脱自在に装着されている。
エチレンやナイロン等の樹脂又は紙などから成る厚さ8
0乃至200μm程度の可撓性シートを、単層又は複層
構造にした気密性材料により袋容器状に形成されてい
る。気密性材料を、図2に示すように、折り紙製作の如
く組み立て、トナー収納容器5を構成するのである。ま
た、保護ケース8は、例えば、剛性を有する紙、段ボー
ル又はプラスチック等の材料で構成され、さらに保持部
材7も、樹脂又は紙などによって構成されている。
管12を有し、トナーカートリッジ10を、ホルダ11
の内部にその上方から下降させてセットすると、トナー
排出管12の上部がシール部材9に形成されたスリット
を通して、そのシール部材9に挿入され、トナー排出管
12の一端側に形成されたトナー排出口13がトナー収
納容器5の内部に入り込む。このとき、シール部材9が
その弾性によってトナー排出管12の外周面に密着し、
トナー収納容器5内のトナーTが外部に漏れることが阻
止される。
13Aが接続され、エアポンプ14により圧送された空
気が、エア供給管13Aとトナー排出管12を通して、
そのトナー排出口13からトナー収納容器5内に供給さ
れる。これにより、トナー収納容器5内の粉体状のトナ
ーTが撹拌されて流動化され、当該トナーが架橋してト
ナーTの排出効率が低下する不具合が阻止される。図2
にも示すように、トナー収納容器5の上部には、トナー
を通さないが空気を通すフィルタ15が設けられ、トナ
ー収納容器5に上述の如く空気が供給されたとき、その
空気をフィルタ15を通して外部に排出させ、トナー収
納容器5内の圧力が過度に上昇することを防止すること
ができる。
に、ステータ16と、そのステータ16に形成された貫
通孔17に回転可能に配置されたロータ18とを有し、
ステータ16はロータ18よりも弾性率の小なる材料に
より構成されている。すなわち、ステータ16は、例え
ばゴムなどの弾性体より成り、ロータ18は、例えば金
属又は樹脂などの剛体により構成されている。
タ18が挿入されていない状態でのステータ16の横断
面図、図5は同じ状態でのステータ16の縦断面図であ
り、図6はロータ単体の横断面図である。また、図7及
び図8は、ステータ16の貫通孔17内にロータ18が
配置された状態での横断面図である。軸線に対して直交
する向きに切断した断面図が横断面図であり、その軸線
に沿った方向に切断した断面図が縦断面図である。
5に示すように、当該貫通孔17の中心軸線C1のまわ
りに螺旋状に延びる円弧状断面の2条の溝19,20に
より形成されている。図示した例の貫通孔17の横断面
形状は、同一半径の2つの円弧状断面の溝19,20が
連なっており、両溝19,20の境界部がくびれた状態
となっている。その際、当該境界部を区画するステータ
部分21は、丸みを持った形状に形成されていることが
好ましい。但し、貫通孔17の形態は、上記形態に限定
されるものではなく、例えば、両溝19,20の境界部
がくびれておらず、貫通孔17の横断面形状が長円形と
なっていてもよい(図18参照)。
示すように、そのロータ18の外周面とステータ16の
貫通孔内周面との間に粉体移送用の空隙Gが形成される
ように、その中心軸線C2のまわりに螺旋状に延びてい
る。ロータ18は、そのいずれの横断面も円形をなし、
その円形横断面の中心C3が、ロータ18の中心軸線C
2に対して偏心してその中心軸線C2のまわりに螺旋状
に延びているのである。ステータ16は、図1及び図3
に示すように螺旋構造のロータ18を包み含むようにし
て、該ロータ18と接触係合し、ケース22に保持され
ている。かかるロータ18とステータ16を有する粉体
ポンプが、一軸偏心スクリューポンプ或いはモーノポン
プとも称せられているポンプであって、従来より公知の
ものである。
通孔17の入口開口23の側から出口開口24の側に移
送されるが、出口開口24の側のロータ18の端部を出
口側端部と称することにすると、この出口側端部には、
ピン継手27より成るユニバーサルジョイントを介して
連結軸28が連結され、この連結軸28は、さらに他の
ピン継手29より成るユニバーサルジョイントを介して
駆動軸30に連結され、該駆動軸30は、軸受31を介
して、下部が開放されたケーシング32に回転自在に支
持されている。ケーシング32の外部に突出した駆動軸
部分には、ギア33が固定され、このギア33には図示
していない相手ギアが噛み合い、同じく図示していない
駆動モータの回転が、これらのギアを介して駆動軸30
及び連結軸28に伝えられ、これによってロータ18が
回転駆動されるように構成されている。ケーシング32
は前述のケース22に連結されている。
れており、連結軸28が位置する側と反対側のケース2
2の端部の粉体入口管34には、例えば可撓性のチュー
ブより成るトナー移送管35の一端が接続され、そのト
ナー移送管35の他端は、前述のトナー排出管12の他
端側に接続されている。トナー移送管35は、例えば、
内径が4乃至7mm程度の可撓性チューブより成り、耐ト
ナー性に優れたポリウレタン、ニトリル、EPDM、シ
リコーンなどのゴム材料や、ポリエチレン或いはナイロ
ンなどのプラスチック材料などから構成されている。
現像容器4に接続され、ケーシング32の内部と現像容
器4の内部が連通している。先に説明したように、現像
装置3のトナー濃度センサによって、現像容器4内の二
成分系現像剤のトナー濃度低下が検知されると、前述の
駆動モータによって駆動軸30及び連結軸28が回転駆
動され、これによってロータ18が、その円形横断面の
中心C3(図6及び図7)のまわりを回転すると共に、
該ロータ18の中心軸線C2がステータ16の貫通孔中
心軸線C1のまわりに円状の軌跡を描きながら回転す
る。このようにして、ロータ18は、その各円形断面が
回転しながら、図7及び図8に示すようにステータ16
の貫通孔17を区画する2条の溝19,20の間を往復
運動する。かかるロータ18の回転により、ステータ1
6の貫通孔内周面とロータ18の外周面との間に形成さ
れた空隙Gが図1における左方へ移動し、これにより、
貫通孔17の入口開口23の側、すなわち粉体ポンプ1
のトナー吸い込み側に吸引圧力が発生する。
回転して発生した吸引圧力は、トナー移送管35及びト
ナー排出管12を介して、トナー収納容器5内のトナー
Tに伝えられる。このようにして、トナー移送管35内
のトナーが、貫通孔17の入口開口23から空隙Gに送
り込まれて図1における左方へ移送され、次いでこのト
ナーは貫通孔17の出口開口24から、ケーシング32
内に排出される。このように、ロータ18を回転駆動す
ることにより、空隙Gを移動させてその空隙内の粉体、
この例ではトナーTを、貫通孔17の入口開口23の側
から出口開口24の側に移送することができる。
トナーTは、ケーシング32を通して現像容器4内の二
成分系現像剤中に供給されて混合撹拌される。所定時間
を経過すると、ロータ18の回転が停止する。このよう
なトナー供給が行われることにより、現像容器4内の現
像剤のトナー濃度が所定の範囲内に保たれ、所定濃度の
トナー像を像担持体上に形成することができる。
ナーTが現像装置3に移送されて補給されるが、この移
送時に、トナー収納容器5内のトナーTは、エアポンプ
14から空気を供給されて流動性が高められているの
で、トナーの架橋現象によりトナーの補給量が不安定に
なることを防止でき、トナー収納容器5内に移送されず
に残されるトナーの量を極めて少なくすることができ
る。
16よりも剛性の高い剛体より成るロータ18が、弾性
体より成るステータ16の貫通孔内周面に圧接し、その
内周面部分を弾性(圧縮)変形させ、これにより各空隙
Gを密閉し、ここに封入された粉体状のトナーTを移送
するように構成されている。その際、先にも説明したよ
うに、粉体ポンプ1が単位時間当りに移送できるトナー
の量を増大させるには、空隙Gの密閉性を高め、粉体ポ
ンプ1のトナー吸い込み側の吸引圧力を高めることがで
きるように構成する必要がある。
最大吸引圧力PMと、単位時間当りのトナー移送量との
関係を示す実験結果である。最大吸引圧力とは、図10
に示すように粉体ポンプ1のトナー吸い込み側、すなわ
ちケース22の粉体入口管34に、図1に示したトナー
移送管35の代りに、管70を介して圧力計71を接続
し、この状態で前述のようにロータ18を回転駆動し、
密閉状態にある管70の内部の圧力を圧力計71で測定
したときのそのゲージ圧である。このように最大吸引圧
力は、粉体ポンプの最大負荷時の吸引圧力である。
各種の最大吸引圧力PMの得られる多数の粉体ポンプ1
を製作し、その各粉体ポンプ1を図1に示したようにト
ナー移送管35を介してトナー収納装置2に接続し、そ
の各粉体ポンプ1を作動させて、後述する各条件で、単
位時間当りのトナー移送量を測定した結果が図9であ
る。図9の横軸が各粉体ポンプ1の最大吸引圧力PMを
示し、縦軸が単位時間当りのトナー移送量を示してい
る。実際には、最大吸引圧力は負圧であるが、図9では
その最大吸引圧力PMを絶対値で示してある。これは、
後述する説明においても同様とする。
の種類と、トナー移送管35内を移送されるトナーが上
方に持ち上げられる距離、すなわちその揚程H(図1)
がそれぞれ異なったときの実験結果を示している。トナ
ーの流動性は、これに外添されるシリカゲルやチタンな
どの外添剤の量や、トナー粒子を構成する樹脂の種類な
どによって異なり、また粉体ポンプ1の使用環境温度や
湿度によっても異なる。図9において、最大吸引圧力P
Mが低いときに、トナー移送量が最大とならずに、少な
くなっているのは、最大吸引圧力PMが不充分であるた
め、粉体ポンプ1がトナーを移送したり、しなかったり
してその移送状態が不安定となり、その結果、トナーの
平均移送量が減少していることを示している。
トナーのうちの比較的流動性の良好なトナー、すなわち
その凝集度が5乃至20%のトナーを用い、揚程Hが2
00mmであるときの結果である。この条件は、比較的容
易にトナーを安定状態で移送できる条件である。図9か
ら判るように、かかるトナーを用いた場合、最大吸引圧
力PMが約3KPaの粉体ポンプ1の場合に初めて当該
トナーの移送が可能となり、PM≧4KPaとなると、
トナーの移送量が最大となって安定する。このときのP
M≧4KPaを第1の条件とする。
ーを用い、揚程Hが500mmという条件下での実験結果
を示している。この場合には、Aの場合よりも揚程が大
きい分、トナー移送時の負荷が大きくなり、粉体ポンプ
1の吸引圧力がトナー収納容器5内のトナーTに伝わる
までの圧力損失が大きくなるため、4KPa≦PM<1
0KPaの粉体ポンプ1の場合にトナーの移送が可能で
あるが、この条件ではトナー移送量が不安定であり、P
M≧10KPaにてトナーの移送量がほぼ最大となって
安定する。このときのPM≧10KPaを第2の条件と
する。
そのトナー収納容器5内のトナーTがなくなり、或いは
その残量が極く少量となったとき、新たなトナーカート
リッジと交換されるが、このときのトナーカートリッジ
10の交換作業性を良好にするために、そのトナーカー
トリッジ10がセットされる高さ位置を、現像装置3が
装着された高さ位置よりも大きく下方に設定することは
好ましくない。従って、多くの画像形成装置の場合、揚
程Hは500mm以下となるので、通常は、上述の第2の
条件を満たせば、トナーを安定した状態で移送して当該
トナーを現像装置3に補給することができる。
乃至60%の流動性の悪いトナーを用い、揚程Hが50
0mmという条件下での実験結果である。かかる条件は、
現像装置3にトナーを補給する上で、A,B,Cのうち
最も厳しい条件であり、トナー移送時の圧力損失が最も
大きくなる。従って、PM≧20KPaの粉体ポンプ1
を用いたときにトナー移送量は最大値に収束して安定す
る。PM≧20KPaの条件を第3の条件と称すること
にすると、この第3の条件を満たすように粉体ポンプ1
を構成することにより、トナーを移送する上で最も厳し
い条件下でも、トナーを安定した状態で移送して当該ト
ナーを現像装置3に補給することが可能となる。
大きさがそれぞれ150μm、75μm、45μmの第1
乃至第3の篩を用い、その第1の篩を最上方に、第2の
篩をその下に、第3の篩を最下方に配置し、第1の篩に
2gのトナーを載せ、これらの篩を20秒間に亘って振
動させ、このとき第1の篩に残ったトナーの量をx
(g)、第2の篩に残ったトナーの量をy(g)、第3
の篩に残ったトナーの量をz(g)としたとき、(5x
+3y+z)×10(%)によって表わされる値であ
る。
て、前述の第1乃至第3のいずれかの条件を満たすよう
に粉体ポンプ1を構成すれば、いずれの種類のトナーも
安定した状態で移送でき、現像装置に必要量のトナーを
補給することができる。ここで、これらの条件を満たす
ように粉体ポンプ1を構成するには、先にも説明したよ
うに、空隙Gの密閉性(シール性)が高められるよう
に、当該空隙Gの周囲のロータ部分とステータ部分の圧
接力を強くすればよい。このようにすれば、そのステー
タ部分が大きく圧縮変形し、その食い込み量が大きくな
るので、空隙Gの密閉性が高められ、第1乃至第3の条
件を満足させることが可能である。ところが、ステータ
16の食い込み量をやみくもに大きくすると、前述のよ
うに、ロータのトルクの上昇、ステータの摩耗促進によ
る寿命低下、或いは粉体ポンプの温度上昇などの不具合
が発生する。
も大きな影響を与える要因につき検討したところ次の事
実を明らかにすることができた。
ータ18を拡大して示す断面図であるが、この図と図7
及び図8に示した一点鎖線は、ロータ18によってステ
ータ16が圧縮変形する前の状態を示している。図4乃
至図8及び図11に示すように、ロータ18の円形横断
面の直径をRA(mm)、螺旋状に延びるロータ18の外
周面の最大外径をRB(mm)とする。また、ステータ1
6に形成された貫通孔17の最小内径、すなわち両溝1
9,20の境界部における内径をSN(mm)、該貫通孔
17の最大内径、すなわち両溝19,20の両底部間の
間隔をSX(mm)とする。この最小内径SNと最大内径
SXは、ステータ16が圧縮変形しないとき、すなわち
貫通孔17にロータ18が挿入されていない状態での各
径の値である。
0の中間の位置を占めたときの様子を示しており、この
とき両溝19,20の境界部を区画する各ステータ部分
21は、ロータ18により加圧されて圧縮変形するが、
その変形量、すなわちその食い込み量はそれぞれd1,
d2となり、その合計の値は、(RA−SN)mmとな
る。これをD1で表わし、そのD1を便宜上、断面食い
込み量と称することにする。
タ18の半径方向最外方部の山部と、ステータ16の貫
通孔17を区画する溝19,20の底部、すなわち貫通
孔17の谷部とが最も強く圧接して、その貫通孔17の
谷部が圧縮変形したときの食い込み量をd3とする。ま
た貫通孔17の両溝19,20の境界部を区画するステ
ータ部分21、すなわち貫通孔17の山部と、ロータ1
8の山部とが最も強く圧接して、その貫通孔17の山部
が圧縮変形したときの食い込み量をd4とする。両食い
込み量d3,d4の合計の値は、RBmm−(SNmm+S
Xmm)/2となるが、これをD2で表わし、便宜上、こ
のD2を外径食い込み量と称することにする。
囲むステータ部分の食い込み量、すなわち上述の断面食
い込み量D1と、外径食い込み量D2と、これら以外の
ステータ16の食い込み量とによって定まるが、本発明
者による多くの実験の結果、上述の2つの食い込み量、
すなわち断面食い込み量D1と外径食い込み量D2が、
空隙Gの密閉性を決定する最大の要因となっていること
が判明した。
い込み量D2と、粉体ポンプ1の吸い込み側の最大吸引
圧力PMとの関係を示す実験結果である(図13乃至図
16も同じ実験結果を示す)。この実験では、アルミニ
ウム製のロータ18と、JIS A硬度50度のエチレ
ンプロピレン(EPDM)ゴム製のステータ16を用
い、断面食い込み量D1と、外径食い込み量D2を変え
て粉体ポンプ1を製作し、その最大吸引圧力PMを測定
したものである。ロータ18の回転数は200rpm、ロ
ータ18の軸線方向に沿って数えたロータ山部の数(以
下、ロータのピッチ数という)は4個であった。また、
図4に示したように貫通孔17にロータ18が挿入され
ておらず、従ってステータ16が弾性変形していない状
態での各溝19,20の半径をSRとしたとき、同じ状
態での貫通孔17の最小内径SNと、上記半径SRの2
倍の値の比SN/2SRを0.94に設定した。
Pa、■印は20KPa≦PM<30KPa、◎印は10
KPa≦PM<20KPa、△印は4PKa≦PM<10
KPa、×印はPM<4KPaであることを示している。
これらの各数値も最大吸引圧力PMの絶対値である。
KPaを満足させるには、断面食い込み量D1と外径食
い込み量D2を、×印以外の範囲、すなわち図12の破
線で囲んだ範囲に設定すればよい。D1=RA−SN≧
0.45で、かつD2=RB−(SN+SX)/2≧
0.45を満たすように、RA,RB,SN及びSXを
設定するのである。粉体ポンプ1をこのように構成する
ことにより、図9のAで示された場合のトナーを安定し
て移送するのに必要とされる4KPa以上の最大吸引圧
力PMを得ることができ、トナー移送量の安定性を向上
させることができる。これを本例の第1の構成とする。
KPaを満足させるには、断面食い込み量D1と外径食
い込み量D2を、×印と△印以外の範囲、すなわち図1
3に一点鎖線と二点鎖線で囲まれた範囲に設定すればよ
い。−0.18≦RB−(SN+SX)/2−(RA−
SN)≦0.16を満たすように、RA,RB,SN及
びSXを設定するのである。これは、断面食い込み量D
1と外径食い込み量D2をほぼ等しく設定することを意
味している。粉体ポンプ1をこのように構成することに
より、図9のBで示された場合のトナーを安定して移送
するのに必要とされるPM≧10KPaの最大吸引圧力
を得ることができる。これを本例の第2の構成とする。
0KPaを満足させるには、断面食い込み量D1と外径
食い込み量D2を、最大吸引圧力が○印と■印となる範
囲、すなわち図14に一点鎖線、二点鎖線及び破線で囲
んだ範囲に設定すればよい。RA−SN≧0.4で、か
つRB−(SN+SX)/2≧0.4を満たすと共に、
−0.18≦RB−(SN+SX)/2−(RA−S
N)≦0.12を満たすように、RA,RB,SN及び
SXを設定するのである。粉体ポンプ1をこのように構
成することによって、図9にCで示した場合のトナーを
安定して移送するのに必要とされるPM≧20KPaの
最大吸引圧力を得ることができ、トナー移送量の安定性
を一層高めることができる。これを本例の第3の構成と
する。
み量D2を、最大吸引圧力が○印となる範囲、すなわち
図15において一点鎖線、二点鎖線及び破線で囲まれた
範囲に設定することもできる。RA−SN≧0.5で、
かつRB−(SN+SX)/2≧0.5を満たすと共
に、−0.18≦RB−(SN+SX)/2−(RA−
SN)≦0.12を満たすように、RA,RB,SN及
びSXを設定するのである。粉体ポンプ1をこのように
構成することにより、30KPa以上の最大吸引圧力P
Mを得ることができ、流動性が特に劣悪なトナーをも安
定状態で移送することが可能となる。これを本例の第4
の構成とする。
開始時、すなわち粉体ポンプ1が新品であるときの初期
の断面食い込み量D1及び外径食い込み量D2と、最大
吸引圧力の関係を示しているが、断面食い込み量D1と
外径食い込み量D2を上述の如く共に大きく設定する
と、空隙Gの密閉度を高めることができ、大きな最大吸
引圧力PMが得られる。ところが、最大吸引圧力PMを
大きくしすぎると、粉体ポンプ1の作動時にステータ1
6の貫通孔内周面がロータ18から大きな摩擦力を受け
るので、ステータ16の摩耗が促進され、その寿命が縮
られるおそれがある。
り、横軸に粉体ポンプ1の稼動時間tをとって上述の不
具合を説明する図である。図17中の実線Xは使用開始
時の断面食い込み量D1と外径食い込み量D2が共に1
mmである粉体ポンプ1を使用し、稼動時間tの経過に伴
う最大吸引圧力PMの変化を示しており、一点鎖線Yは
使用開始時の食い込み量D1,D2が共に0.7mmであ
る場合の最大吸引圧力PMの変化を示している。粉体ポ
ンプ1の使用開始時には、一点鎖線Yの場合よりも実線
Xの方が最大吸引圧力PMは高いが、t1の時点でこれ
が逆転している。このように実線Xの場合には短時間で
急激に最大吸引圧力PMが低下し、ステータの寿命が短
かくなることが判る。
て、RA−SN≦0.9で、かつRB−(SN+SX)
/2≦0.9を満たすように、RA,RB,SN及びS
Xを設定することが好ましい。これを本例の第5の構成
とする。
するには、断面食い込み量D1と外径食い込み量D2
を、図16に一点鎖線、二点鎖線及び破線で囲んだ範囲
の値に設定すればよい。すなわち、0.5≦RA−SN
≦0.9で、かつ0.5≦RB−(SN+SX)/2≦
0.9を満たすと共に、−0.18≦RB−(SN+S
X)/2−(RA−SN)≦0.12を満たすように、
RA,RB,SN及びSXを設定するのである。
した状態で移送できると共に、粉体ポンプ1の寿命をよ
り一層伸ばすことが可能となる。
ータ18により加圧されるステータ16の圧縮変形量、
すなわちその食い込み量をやみくもに増加させるのでは
なく、空隙Gの密閉性に大きな影響を与える断面食い込
み量D1と外径食い込み量D2に着目し、これらの食い
込み量の値を適正に設定することにより、粉体ポンプ1
の寿命低下を防止しつつ、安定した状態で単位時間当り
に最大量のトナーを移送することが可能となる。
1、及びこれらの差D2−D1の値を実際に設定する際
には、移送する粉体の性質、揚程H、粉体の移送距離
(図1の例ではトナー収納容器5から粉体ポンプ1まで
の距離)、必要とされる粉体ポンプ1の稼動時間、及び
粉体ポンプ1の使用環境(例えば画像形成装置内の温
度)等の条件を考慮し、その条件に応じて最も適切な食
い込み量D2,D1の値と、その差D2−D1の値を設
定することが望ましい。
り成るロータ18が回転することによって、弾性体より
成るステータ16の貫通孔内周面が摩耗することは先に
説明したが、その内周面の全ての個所で均一に摩耗が進
むものではない。図4に示したステータ貫通孔17の溝
19,20の底部19A,20Aよりも、両溝19,2
0の境界部を区画するステータ部分21の方が、ロータ
18から大きな摩擦力を受け、この部分21の摩耗が促
進されるのである。従ってこのステータ部分21が摩耗
しても、依然として空隙Gの密閉性が高く維持されるよ
うにステータ16を形成すれば、粉体ポンプ1を長時間
使用しても、最大吸引圧力PMを高く保つことができ、
粉体ポンプ1の寿命を伸ばすことができる。
両溝19,20の境界部を区画するステータ部分21が
互いに接近する向きに突出し、その境界部がくびれた状
態となっていても、また図18に示したように長円形と
なっていてもよいことは先に説明したが、上述した作用
が得られるようにするには、両溝19,20の境界部が
くびれた状態に貫通孔17を形成することが有利であ
る。図4に示したステータ部分21は互いに接近する向
きに突出しているので、粉体ポンプ1の使用時間の経過
に伴ってこのステータ部分21が多少、摩耗しても、空
隙Gの密閉性を高く保つことができるのである。
説明したように、ステータ16が弾性変形していない状
態での各溝19,20の半径、すなわちステータ16の
貫通孔17を形成する各溝19,20のステータ横断面
における半径をSR(mm)とし、同じくステータ16が
弾性変形しない状態での貫通孔17の最小内径を前述の
如くSN(mm)としたとき、図18に示した長円形の貫
通孔17の場合には、SN=2SRとなる。また図4に
示した貫通孔17の場合には、SN<2SRとなる。使
用前のステータ16の貫通孔の形態を、SN<2SRを
満たすように設定することによって、このステータ16
を組み込んだ粉体ポンプ1を長時間使用したときも、高
い最大吸引圧力PMを確保できるのである。
を表1に示すようにそれぞれ設定した各ステータA乃至
Fを有する粉体ポンプ1を、図1に示したように画像形
成装置に組み込んで作動させ、トナーを移送させる実験
を行った。表1中のゴム硬度は、各ステータA乃至Fの
硬度(JIS A硬度)を示している。表1には作動開
始前の粉体ポンプ1の最大吸引圧力PMと、50時間作
動後の粉体ポンプ1の最大吸引圧力PMを示してある。
ここでは、吸引圧力を用いているが、粉体ポンプの吐き
出し側の圧力で評価してもよい。
SN=0.6とし、外径食い込み量RB−(SN+S
X)/2=0.6とし、ロータ回転数を200rpm、そ
のピッチ数を4とし、ローラ18の横断面径RAを7mm
とした。ロータ18の材質は亜鉛合金、ステータ16の
材質はEPDM(エチレンプロピレンゴム)である。
圧力PMが10KPa以上、すなわち前述の第2の条件
を満たしていることを示し、△は最大吸引圧力が4乃至
10KPaであること、すなわち前述の第1の条件を満
たしていることを示し、×は最大吸引圧力が4KPa未
満であって、いずれの条件も満たしていないことを示し
ている。
テータの貫通孔17の形態が、SN/2SR=1より
も、SN/2SR<1となっている方が、長時間に亘っ
て最大吸引圧力PMを高く維持し、空隙Gの密閉性を高
く保って、単位時間当りのトナー移送量を増大させるこ
とができる。すなわちステータ横断面における貫通孔1
7の形状が、図18に示した長円形よりも、図4に示し
た長円形の中央にくびれた部分21がある方が、粉体ポ
ンプの寿命を伸ばすことができるのである。
例から判るように、SN/2SRの値を小さくしすぎて
も、粉体ポンプの使用時間の経過に伴って、その最大吸
引圧力PMが大きく低下する点である。結局、0.9≦
SN/2SR≦0.95を満たすように、SNとSRを
設定することによって、粉体ポンプを長時間使用して
も、最大吸引圧力PMの低下を抑え、粉体ポンプの寿命
を効果的に伸ばすことができる。
成とを共に採用して粉体ポンプ1を構成することが最も
望ましい。
ンプの最大吸引圧力PMは、前述の各条件のほかに、ロ
ータ及びステータの材質、ステータの硬度、ロータの回
転数及びロータのピッチ数によっても変ることが明らか
となっており、従ってこれらの条件をも考慮に入れて食
い込み量D1,D2及びD2−D1の値を設定すること
が好ましい。
あり、これらの実験では、粉体ポンプ1の初期の断面食
い込み量D1と外径食い込み量D2を共に0.6mmに設
定し、ピッチ数が4で、横断面径RAが7mmのロータ1
8を用いた。また、SN/2SR=0.94とした。
新品の粉体ポンプ1を使用し始めたとき、すなわち粉体
ポンプ1の初期の最大吸引圧力PMと、粉体ポンプ1を
30時間稼動した後の最大吸引圧力PMがいかに変化し
たかを調べた実験結果を示す。この実験では、ロータ1
8の回転数を200rpmに設定し、エチレンポリプロピ
レン(EPDM)ゴム製のステータ16を用いた。表1
に示した実験では、ポリカーボネートテフロン(登録商
標)コートしたロータも用いた。
って、粉体ポンプ1の初期の最大吸引圧力PMと、粉体
ポンプ1を30時間稼動した後の最大吸引圧力PMがい
かに変化したかを調べた実験結果を示している。このと
きも、ロータ18の回転数は200rpmであり、ポリカ
ーボネートより成るロータ18を用いた。表3中の硬度
は、全てJIS A硬度である。
0時間稼動後の両方において粉体ポンプ1の最大吸引圧
力PMが10KPa以上であったときに○印を付し、4
KPa以上で10KPa未満であったときには△印を付
し、4KPa未満であったときには×印を付してある。
すなわち○印は、前述の第2の条件を満たしていること
を示し、△印は第1の条件を満たしていることを示し、
×印はいずれの条件をも満たしていないことを示してい
る。
BS樹脂とABS樹脂Niメッキ以外のときに良好な結
果を示している。従って、前述の第1乃至第5の構成及
び表1に関連して説明した前述の構成の粉体ポンプにお
いて、アルミニウム、ポリカーボネート、又はポリアセ
タール樹脂より成るロータ18、或いはこれらの材料の
うちの1つの材料を主材料とするロータ18を用いるこ
とにより、初期時においても、また30時間の稼動後に
おいても、大きな最大吸引圧力が得られ、安定した状態
で多量のトナーを移送することができる。
50度のEPDMゴム製又はクロロプレンゴム製のステ
ータを用いたとき良好な結果が得られている。従って、
以上説明した各構成の粉体ポンプ1において、JIS
A硬度50度以下のエチレンプロピレンゴム、又はクロ
ロプレンゴムより成るステータ16、或いはこれらの材
料のうちのいずれか一方のゴムを主材料とするステータ
16を用いることにより、初期時においても、また30
時間の稼動後においても、大きな最大吸引圧力が得ら
れ、安定した状態で多量のトナーを移送することができ
る。
は、その耐摩耗性に優れていると共に、そのJIS A
硬度が50度以下であるため、ロータ18により加圧さ
れて圧縮変形したステータ16の反発力が小さくなり、
これによりステータ16の貫通孔内周面の摩耗が抑えら
れ、粉体ポンプを長時間稼動させた後も、大きな最大吸
引圧力が得られる。但し、ステータ16を天然ゴムで製
作したときは、そのJIS A硬度が40度であっても
耐摩耗性が劣るため、粉体ポンプを30時間稼動させた
とき、その最大吸引圧力は0KPaとなり、使用に耐え
得ないものとなった。
1秒後と、5秒後の最大吸引圧力PMがロータ18の回
転数によっていかに変化するかを確認した実験結果を示
している。この実験でも、ポリカーボネート製のロータ
18と、EPDMゴム製のステータ16を用いた。
ポンプにおいて、ロータの回転数が100rpm乃至40
0rpmで使用されるように構成されていると、粉体ポン
プ1の作動開始後、極めて短時間で、粉体ポンプの吸引
圧力を上昇させることができ、粉体ポンプ1を極く短時
間稼動させるだけで、多量のトナーを現像装置3に補給
することが可能となる。
より回収されたトナーを現像装置において再利用する目
的で、トナーを移送する回収トナー移送装置に粉体ポン
プを用いた例を示す。図19に示した画像形成装置は、
像担持体の一例であるドラム状の感光体36を有し、こ
の感光体36は図19における時計方向に回転駆動され
る。このとき、帯電ローラ37によって感光体表面が帯
電され、その帯電面に原稿からの反射光又は光変調され
たレーザ光などの光Lが照射されて感光体表面に静電潜
像が形成され、この静電潜像は現像装置103によりト
ナー像として可視像化される。
キャリアを有する粉体状の二成分系現像剤Dを収容した
現像容器104と、その現像容器104内の現像剤Dを
撹拌する撹拌ローラ38と、その現像剤を担持して搬送
する現像ローラ39と、現像容器104に補給されるト
ナーTを収容したトナー容器40とを有し、現像ローラ
39に担持されて、その現像ローラ39と感光体36と
の間の現像領域に搬送された現像剤によって、静電潜像
がトナー像として可視像化される。現像容器104内の
現像剤Dのトナー濃度の低下が図示していないセンサに
より検知されると、トナー補給ローラ41が回転してト
ナー容器40内のトナーTが現像容器104内の現像剤
D中に補給される。
ら給送されてレジストローラ対42により所定のタイミ
ングで送り出された転写紙Pは、転写ベルト43に担持
されて搬送され、転写ローラ44に印加された転写電圧
の作用により、感光体上のトナー像が転写紙Pに転写さ
れる。
写ベルト43を離れた転写紙Pは、図示していない定着
装置を通り、このとき転写紙P上のトナー像が熱と圧力
の作用により転写紙上に定着される。
クリーニング装置45のクリーニングブレード46によ
り掻き取り除去され、クリーニング装置45のクリーニ
ングケース47に回収された転写残トナーは、コイルス
クリュー48によって図19の紙面奥側へ搬送され、図
20にも示すように、回収トナー移送装置49のダクト
状のケーシング132内を下方に落下する。
ード51が圧接し、このブレード51によって、転写ベ
ルト43上に付着したトナーが掻き取り除去され、この
トナーもコイルスクリュー52によってケーシング13
2内に搬送される。
ように、上述のケーシング132のほかに、図21にも
示した粉体ポンプ101と、例えば可撓性のチューブよ
り成るトナー移送管135を有している。ここに示した
粉体ポンプ101は、図1、図3乃至図8及び図11を
参照して先に説明した粉体ポンプ1と全く同様に構成さ
れたステータ116とロータ118を有し、ステータ1
16はケース122に保持されている。また、このロー
タ118も、ピン継手127を介して連結軸128に連
結され、この連結軸128は他のピン継手129を介し
て駆動軸130に連結されている。この駆動軸130は
軸受131を介してケーシング132に回転自在に支持
され、ギア133を介して回転駆動される。
1が図1に示した粉体ポンプ1と相違するところは、こ
の粉体ポンプ101のロータ118は図1に示したロー
タ18と逆向きに回転駆動される点であり、従って連結
軸128の位置する側がステータ116の貫通孔117
の入口開口123となり、その反対側が出口開口124
となると共に、ケース122のトナー出口側に粉体出口
管134が、そのケース122に一体に接続されてい
る。また、図20及び図21に示した連結軸128には
スクリュー羽根50が一体に形成され、この連結軸12
8がスクリューコンベアとして構成され、しかもステー
タ116とケース122との間の隙間に、エア供給チュ
ーブ53を介して、エアポンプ54から圧送された空気
が供給される点も、図1に示した粉体ポンプ1と相違す
る。トナー移送管135は、その一端側が粉体出口管1
34に接続され、その他端側が図16に示したトナー容
器40に接続されている。
れると、ケーシング132の底部に落下したトナーが、
連結軸128のスクリュー羽根50によってステータ1
16の貫通孔117に向けて搬送され、貫通孔117の
出口開口124の側の粉体出口管134内に吐出圧力が
発生する。このようにして空隙Gに取り込まれたトナー
は出口開口124から貫通孔外に排出される。このと
き、粉体出口管134にエアポンプ54から空気が供給
されるので、ここに吐き出されたトナーの流動化が促進
され、そのトナーは粉体ポンプ101の吐出圧力によっ
て、粉体移送管135を通して、スムーズに現像装置1
03のトナー容器40に送られ、その現像装置103に
おいて再利用される。
たトナーは流動性が悪いが、かかるトナーに対応させて
前述の粉体ポンプの構成を採用することにより、このト
ナーも効率よく移送することができる。
された大容量トナー補給装置56を有する画像形成装置
の概略断面図であり、図23はその大容量トナー補給装
置56の断面図である。図22に示した画像形成装置
は、それ自体周知の原稿読取装置57と、その下方に配
置された作像手段55と、さらにその下方に配置された
給紙装置60と、作像手段55により転写紙上に形成さ
れたトナー像を定着する定着装置58とを有している。
ここに示した作像手段55の現像装置103には、大容
量トナー補給装置56のトナー収納タンク59に収容さ
れた粉体状のトナーTが供給される。感光体36と転写
ベルト43から回収されたトナーは、図22には示して
いない回収トナー移送装置(図19及び図20参照)に
よって、図23に示した回収トナー収納容器61に搬送
される。作像手段55の他の構成は、図19に示した作
像手段と実質的に相違するところはないので、その説明
は省略する。
収納タンク59内のトナーTは、その下部に配置された
アジテータ62により撹拌され、粉体ポンプ101によ
ってトナー収納タンク59から搬出され、トナー移送管
135を通して矢印Eで示すように現像装置103に移
送される。ここに示した粉体ポンプ101は、図20及
び図21に示した粉体ポンプと実質的に同一に構成さ
れ、その連結軸128のスクリュー羽根50により、ト
ナー収納タンク59内のトナーTが粉体ポンプ102の
ステータとロータとの間の空隙に向けて送り込まれる。
粉体ポンプ101により圧送され、その空隙から排出さ
れたトナーは、エアポンプ54から供給される空気によ
って、その流動化が促進される。
なったとき、そのタンク上部の補給口63からトナーを
補充することができる。このとき、トナー収納タンク5
9内の空気は、空気抜きフィルタ64を通して外部に排
出される。
トナー収納タンク59にトナーを補充するときに用いた
容器であり、その補充後に空となった容器を図23に示
すようにセットして、これを回収トナー収納容器61と
して使用する。図22に示したクリーニング装置45と
転写ベルト43から回収されたトナーは、図示していな
いトナー移送管を通して、図23に矢印Fで示すように
回収トナー収納容器61に移送されて収納される。
ーザの要望により装着されるオプション形式の装置であ
ることが多いが、このようなユーザは、当該トナー補給
装置56を使用する頻度が高いため、前述の各構成を備
えた長寿命の粉体ポンプを有する大容量トナー補給装置
は特に有利である。勿論、大容量トナー補給装置56を
画像形成装置本体内に配置して、これを標準装備とする
こともできる。
搭載例を説明したが、画像形成装置本体内に粉体ポンプ
を設置する場合、画像形成装置全体を小型化するため、
粉体ポンプ自身も小型であることが望ましく、前述の半
径SRを例えば15mm以下に設定すると、粉体ポンプの
小型化を達成できるが、このような小型の粉体ポンプに
よって、必要量の粉体、例えばトナーを移送できるよう
にするには、粉体ポンプのロータの回転数を高める必要
がある。従って、粉体ポンプには高い耐久性が要求され
るが、前述の各構成を採用することによって、この要求
を満足させることができる。
体ポンプ1,101の例を説明したが、本発明は移送さ
れる粉体がトナーとキャリアを有する二成分系現像剤、
キャリアのみ、又はその他の粉体である粉体ポンプにも
広く適用できるものである。また、画像形成装置以外に
採用される粉体ポンプへの適用も可能である。
体ポンプのステータの摩耗を抑え、かつ当該粉体ポンプ
の温度上昇を抑えつつ、単位時間当りの粉体の移送量を
増大させることができる。
ポンプを長時間使用したときも、単位時間当りの粉体移
送量の低下を効果的に抑制でき、粉体ポンプの耐久性を
向上させることができる。
プの稼動開始後、短時間で粉体ポンプのトナー移送圧力
を高めることができる。
凝集する不具合を抑えつつ、これを効率よく移送するこ
とができる。
キャリアを有する二成分系現像剤を効率よく移送するこ
とができる。
各効果を奏する粉体ポンプを備えた画像形成装置を供す
ることができる。
像装置へトナーを移送する粉体ポンプを示す断面図であ
る。
横断面図である。
横断面図である。
の関係を示す図である。
吸引圧力との関係を示す図である。
吸引圧力との関係を示す図である。
吸引圧力との関係を示す図である。
吸引圧力との関係を示す図である。
吸引圧力との関係を示す図である。
係を示す図である。
横断面図である。
装置を示す部分断面図である。
る。
の概略断面図である。
Claims (13)
- 【請求項1】 ステータと、該ステータに形成された貫
通孔に回転可能に配置されたロータとを具備し、前記ス
テータの貫通孔は、螺旋状に延びる2条の溝によって形
成され、かつ前記ロータは、該ロータの外周面と前記ス
テータの貫通孔内周面との間に粉体移送用の空隙が形成
されるように螺旋状に延びていて、該ロータを回転駆動
することにより、前記空隙を移動させて該空隙内の粉体
を移送する粉体ポンプにおいて、 前記ロータの横断面径をRAmm、該ロータの外径をRB
mm、前記ステータの貫通孔の最小内径をSNmm、該貫通
孔の最大内径をSXmmとしたとき、RA−SN≧0.4
5で、かつRB−(SN+SX)/2≧0.45を満た
すように、RA、RB、SN及びSXを設定したことを
特徴とする粉体ポンプ。 - 【請求項2】 ステータと、該ステータに形成された貫
通孔に回転可能に配置されたロータとを具備し、前記ス
テータの貫通孔は、螺旋状に延びる2条の溝によって形
成され、かつ前記ロータは、該ロータの外周面と前記ス
テータの貫通孔内周面との間に粉体移送用の空隙が形成
されるように螺旋状に延びていて、該ロータを回転駆動
することにより、前記空隙を移動させて該空隙内の粉体
を移送する粉体ポンプにおいて、 前記ロータの横断面径をRAmm、該ロータの外径をRB
mm、前記ステータの貫通孔の最小内径をSNmm、該貫通
孔の最大内径をSXmmとしたとき、−0.18≦RB−
(SN+SX)/2−(RA−SN)≦0.16を満た
すように、RA、RB、SN及びSXを設定したことを
特徴とする粉体ポンプ。 - 【請求項3】 ステータと、該ステータに形成された貫
通孔に回転可能に配置されたロータとを具備し、前記ス
テータの貫通孔は、螺旋状に延びる2条の溝によって形
成され、かつ前記ロータは、該ロータの外周面と前記ス
テータの貫通孔内周面との間に粉体移送用の空隙が形成
されるように螺旋状に延びていて、該ロータを回転駆動
することにより、前記空隙を移動させて該空隙内の粉体
を移送する粉体ポンプにおいて、 前記ロータの横断面径をRAmm、該ロータの外径をRB
mm、前記ステータの貫通孔の最小内径をSNmm、該貫通
孔の最大内径をSXmmとしたとき、RA−SN≧0.4
で、かつRB−(SN+SX)/2≧0.4を満たすと
共に、−0.18≦RB−(SN+SX)/2−(RA
−SN)≦0.12を満たすように、RA、RB、SN
及びSXを設定したことを特徴とする粉体ポンプ。 - 【請求項4】 ステータと、該ステータに形成された貫
通孔に回転自在に配置されたロータとを具備し、前記ス
テータの貫通孔は、螺旋状に延びる2条の溝によって形
成され、かつ前記ロータは、該ロータの外周面と前記ス
テータの貫通孔内周面との間に粉体移送用の空隙が形成
されるように螺旋状に延びていて、該ロータを回転駆動
することにより、前記空隙を移動させて該空隙内の粉体
を移送する粉体ポンプにおいて、 前記ロータの横断面径をRAmm、該ロータの外径をRB
mm、前記ステータの貫通孔の最小内径をSNmm、該貫通
孔の最大内径をSXmmとしたとき、RA−SN≧0.5
で、かつRB−(SN+SX)/2≧0.5を満たすと
共に、−0.18≦RB−(SN+SX)/2−(RA
−SN)≦0.12を満たすように、RA、RB、SN
及びSXを設定したことを特徴とする粉体ポンプ。 - 【請求項5】 RA−SN≦0.9で、かつRB−(S
N+SX)/2≦0.9を満たすように、RA、RB、
SN及びSXを設定した請求項1乃至4のいずれかに記
載の粉体ポンプ。 - 【請求項6】 前記ステータの貫通孔を形成する各溝の
ステータ横断面における半径をSRmmとしたとき、0.
9≦SN/2SR≦0.95を満たすように、SNとS
Rを設定した請求項1乃至5のいずれかに記載の粉体ポ
ンプ。 - 【請求項7】 ステータと、該ステータに形成された貫
通孔に回転可能に配置されたロータとを具備し、前記ス
テータの貫通孔は、螺旋状に延びる2条の溝によって形
成され、かつ前記ロータは、該ロータの外周面と前記ス
テータの貫通孔内周面との間に粉体移送用の空隙が形成
されるように螺旋状に延びていて、該ロータを回転駆動
することにより、前記空隙を移動させて該空隙内の粉体
を移送する粉体ポンプにおいて、 前記ステータの貫通孔の最小内径をSNmm、該貫通孔を
形成する各溝のステータ横断面における半径をSRmmと
したとき、0.9≦SN/2SR≦0.95を満たすよ
うに、SNとSRを設定したことを特徴とする画像形成
装置。 - 【請求項8】 アルミニウム、ポリカーボネイト、又は
ポリアセタール樹脂より成るロータ、或いはこれらのう
ちの1つの材料を主材料とするロータを用いた請求項1
乃至7のいずれかに記載の粉体ポンプ。 - 【請求項9】 JIS A硬度50度以下のエチレンプ
ロピレンゴム、又はクロロプレンゴムより成るステー
タ、或いはこれらのいずれか一方のゴムを主材料とする
ステータを用いた請求項1乃至8のいずれかに記載の粉
体ポンプ。 - 【請求項10】 ロータの回転数が100rpm乃至40
0rpmで使用される請求項1乃至9のいずれかに記載の
粉体ポンプ。 - 【請求項11】 移送される粉体がトナーである請求項
1乃至10のいずれかに記載の粉体ポンプ。 - 【請求項12】 移送される粉体がトナーとキャリアを
有する二成分系現像剤である請求項1乃至11のいずれ
かに記載の粉体ポンプ。 - 【請求項13】 請求項11又は12に記載の粉体ポン
プを有することを特徴とする画像形成装置。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2007241007A (ja) * | 2006-03-10 | 2007-09-20 | Ricoh Co Ltd | 画像形成装置 |
US7359661B2 (en) * | 2004-02-04 | 2008-04-15 | Ricoh Company, Ltd. | Developing method, developing device, and image forming apparatus including the developing device that minimizes deterioration of developer |
JP2009114955A (ja) * | 2007-11-06 | 2009-05-28 | Ricoh Co Ltd | 吸引型1軸偏芯スクリューポンプ、粉体トナー搬送装置、画像形成装置 |
JP2013152354A (ja) * | 2012-01-25 | 2013-08-08 | Ricoh Co Ltd | 粉体ポンプ及びこれを備えた画像形成装置 |
JP2016142188A (ja) * | 2015-02-03 | 2016-08-08 | 兵神装備株式会社 | 一軸偏心ねじポンプ |
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2001
- 2001-02-13 JP JP2001036231A patent/JP4086270B2/ja not_active Expired - Fee Related
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