JP2004212642A - 画像形成方法及び装置 - Google Patents

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勝弘 青木
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弘 池口
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Abstract

【課題】経時に渡っても高品位の画像を形成できる画像形成方法及び装置を提供する。
【解決手段】感光体ドラムを均一に帯電し、光学系により露光することで静電潜像を形成し、現像剤を担持した現像ローラを対向させて現像し、この顕像化された画像を転写紙に転写する画像形成方法において、感光体ドラムの未露光の電位をVD、露光後の電位をVL、現像バイアス電圧をVBとすると、0<|VD|−|VB|<|VD−VL|<250Vを満たすように各電位を制御し、且つ現像ローラの表面に対するトナーの非静電的付着力を低減させるようにする。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、像担持体に形成された潜像を現像剤担持体に担持された現像剤によって現像する画像形成方法及びその画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、複写機、プリンタ、FAXなどの画像形成装置では、感光体のような像担持体の表面を一様に帯電した後、画像情報に基づいて像担持体の表面に光を選択的に照射することにより、像担持体上に潜像を形成している。この潜像は、トナーと磁性粒子とを含む二成分現像剤を用いる二成分現像装置や、トナーを一成分現像剤として用いる一成分現像装置によって現像された後、転写装置によって転写紙のような転写材に転写される。
【0003】
また、像担持体の帯電電位を400V以下の比較的低い電位に抑えた低電位システムを採用したものが知られている(例えば、特許文献1参照)。この低電位システムを採用することにより、潜像担持体の帯電・露光という繰り返しによる通電電荷量による静電疲労を低減することができ、潜像担持体の寿命を延ばすことができる。
【0004】
特許文献2には、現像ローラと供給ローラに挟まれたトナーが主として現像ローラ表面と摩擦帯電して付着し、搬送され、規制部材でトナー層厚を均一に均すとともに帯電させて現像領域に至る。ここで2カ所の摩擦帯電でトナーは多大な機械的ストレスを受ける。トナーは一般的に母体樹脂の周りに流動性を付与するために無機物の外添剤を付着させており、機械的ストレスで母体樹脂に埋没してしまう。これによりトナーは十分帯電していても流動性が低下して凝集することと現像ローラに対する非静電的付着力が増加することにより現像ローラ上トナー付着量の増加、現像能力の低下等が起こり、地汚れ、濃度低下等の悪影響が特に経時で現れる。
【0005】
特許文献3では、1成分現像装置において現像ローラの表面摩擦係数を規定しているが、そもそもトナー帯電を現像ローラ表面との摩擦に頼るために帯電量低下による現像量低下が予測される。
【0006】
更に、特許文献4には、感光体の摩擦係数を低下させるための潤滑材を一定枚数おきに直接塗布したり、又は潤滑剤を坦持した部材を常時又は一定枚数おきに感光体に当接させることにより、感光体のクリーニング性を改善することが提案されている。
【0007】
【特許文献1】
特開平7−84439号公報
【0008】
【特許文献2】
特開2002−148937号公報
【0009】
【特許文献3】
特開平11−15262号公報
【0010】
【特許文献4】
特開平4−372981号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1における低電位システムでは、潜像担持体の帯電電位の低下にともなって、潜像担持体上の露光部電位VLと現像剤担持体に印加する現像バイアスVBとの電位差の絶対値である現像ポテンシャルも低く設定される。そのため、現像装置の現像能力を高めたりすることによって、従来よりも低い現像ポテンシャルで所定の画像濃度が得られるようにする必要があった。
【0012】
図17に従来例の比較的高ポテンシャルで現像を行う方式と比較的低ポテンシャルで現像を行う方式のトナー付着量の比較を示した。現像時の電界は潜像による電界と地肌部の電界がある。低ポテンシャルの場合、VB−V0となりポテンシャルの極性は現像される方向とは逆になる。トナーの中には逆帯電極性を有するものが含まれている場合があることが分かっており、それが現像され易くなる。トナーの現像ローラに対する非静電的付着力を低減させた場合、従来例では、特に図17の領域Aではトナーの現像ローラに対する非静電的付着力が低くなるので、電界に対する感度が上がって地汚れが増加してしまう。ところが低電位現像では領域Aでは地汚れに対する感度が鈍く現像ローラの非静電的付着量が低下しても地汚れの影響は少ない。
【0013】
そこで、本発明の適用範囲として画像形成に用いる現像ポテンシャルを低く設定した場合に、低い現像ポテンシャルで所定の画像濃度を得ているが、現像ローラへトナー等が付着したり、フィルミングしたりするとトナーの現像ローラに対する非静電的付着力が増加して見かけの現像能力が低下し、画像濃度が低下する等の悪影響が現れる。
【0014】
本発明は以上のような背景のもとでなされたものであり、その目的は、像担持体の帯電電位を下げたシステムにおいて、トナーの現像ローラに対する非静電的付着力の増加を防止し、常に均一な現像能力が得られるようにすることにより、経時に渡っても高品位の画像を形成できる画像形成方法及び装置を提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、第1の手段は、像担持体を均一に帯電し、光学系により露光することで静電潜像を形成し、現像剤を担持した現像剤担持体を対向させて現像し、この顕像化された画像を転写材に転写する画像形成方法において、前記像担持体の未露光の電位をVD、露光後の電位をVL、現像バイアス電圧をVBとすると、0<|VD|−|VB|<|VD−VL|<250Vを満たすように各電位を制御し、且つ現像剤担持体の表面に対する前記現像剤の非静電的付着力を低減させることを特徴としている。
【0016】
前記目的を達成するため、第2の手段は、像担持体を均一に帯電し、光学系により露光することで静電潜像を形成し、現像剤を担持した現像剤担持体を対向させて現像し、この顕像化された画像を転写材に転写する画像形成装置において、前記像担持体の未露光の電位をVD、露光後の電位をVL、現像バイアス電圧をVBとすると、0<|VD|−|VB|<|VD−VL|<250Vを満たすように各電位を制御する現像バイアス印加手段と、前記現像剤担持体の表面に対する前記現像剤の非静電的付着力を低減する手段を備えていることを特徴としている。
【0017】
前記目的を達成するため、第3の手段は、第2の手段における前記低減する手段が、前記現像剤担持体の摩擦係数を0.1〜0.4の範囲に設定することにより構成されていることを特徴としている。これにより、現像剤担持体の表面摩擦係数を下げることができ、トナーフィルミングが発生しにくくなり、経時であっても現像能力が初期と同様に維持することが可能となる。
【0018】
前記目的を達成するため、第4の手段は、第2又は第3の手段における前記低減する手段が、現像後の前記現像剤担持体から前記現像剤を掻き取り、潤滑剤を塗布する手段で構成されていることを特徴としている。このように、現像剤担持体の表面をクリーニングして、その表面に潤滑剤を塗布しているので、現像剤担持体の表面摩擦係数が維持され、経時であっても現像能力が初期と同様に維持することが可能となるとともに前の現像の履歴を完全に消去するので、残像防止が可能である。
【0019】
前記目的を達成するため、第5の手段は、第2ないし第4の手段における前記低減する手段が、前記現像剤に粒径範囲が0.05〜0.8μmの無機微粒子を含有させることで構成されていることを特徴としている。したがって、現像剤の添加剤が埋没することが無いので非静電的付着力を低めで安定化でき、現像能力維持が可能となる。
【0020】
前記目的を達成するため、第6の手段は、第2ないし第5の手段における前記低減する手段が、前記現像剤に球形度95%以上の球形トナーを使用しているので、現像剤の現像剤担持体に対する非静電的付着力が低減できる、常に均一な現像能力が得られる。
【0021】
前記目的を達成するため、第7の手段は、第2ないし第6の手段における前記低減する手段が、前記現像剤の粒径範囲を4〜6μmに設定しており、現像剤の粒径範囲を狭めることで現像剤担持体との接触面積を均一にすることができるのでトナーの現像剤担持体に対する非静電的付着力を均一化して現像能力を一定にできるという優れた効果がある。
【0022】
前記目的を達成するため、第8の手段は、第2ないし第7の手段における前記低減する手段が、前記像担持体の摩擦係数をμPC、前記現像剤担持体の摩擦係数をμDRとすると、μPC<μDRの関係を満たすように設定することにより構成されていることを特徴としている。これにより、像担持体の摩擦係数が現像剤担持体のものより小さく設定できるので不必要なトナーが付着せず、地汚れ防止という優れた効果を発揮することができる。
【0023】
前記目的を達成するため、第9の手段は、第2ないし第8の手段における前記低減する手段が、金属フィラー含有の樹脂で前記現像剤担持体の表層を形成することにより構成しているので、現像剤担持体の表面の磨耗を低減できる、表面劣化を防止することができる。
【0024】
前記目的を達成するため、第10の手段は、第2ないし第9の手段における前記低減する手段が、前記現像剤に対して無機微粒子を被着させ、その被覆率の範囲を50%以上に設定することで構成されていることを特徴としている。これにより、現像剤に付着する外添剤の被覆率を高めることができ、現像剤担持体への非静電的付着力を低減でき、現像能力を向上できる。
【0025】
前記目的を達成するため、第11の手段は、第2ないし第10の手段における前記低減する手段が、前記現像剤担持体の表層部の帯電極性を前記現像剤と同一の極性にすることで構成されていることを特徴としている。これにより、現像剤担持体表層の帯電による静電的付着力を低減でき、現像能力を向上することができる。
【0026】
前記目的を達成するため、第12の手段は、第2ないし第11の手段において、前記光学系が書き込み色ごとに設けられ、各色ごとに現像剤を担持した現像剤担持体を対向させて現像し、この顕像化された画像を転写材に転写し、カラー画像を形成することを特徴としている。これにより、カラー画像形成装置においても第1ないし第11の手段を効果を得ることができる。
【0027】
なお、以下に説明する第1の実施の形態は、請求項1〜3,8,12に対応し、第2の実施の形態は、請求項4,9に対応し、第3の実施の形態は、請求項6〜7,11に対応し、第4の実施の形態は、請求項5,10に対応している。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照し、本発明を画像形成装置としての電子写真式レーザプリンタ(以下、単にプリンタと称する)に適用した実施の形態について説明する。
【0029】
最初に図1及び2に示す本発明の第1の実施の形態について説明する。図1は本発明の第1の実施の形態におけるプリンタの全体概略構成図、図2は図1の現像装置の概略構成図である。
【0030】
図1に示すように、第1の実施の形態に係るプリンタは、矢印aの方向に回転する潜像担持体としての感光体ドラム1の周辺に、回転方向に沿って、感光体ドラム1の表面を一様帯電する帯電装置2、画像情報に基づいて変調されたレーザー光線等を感光体ドラム1に照射する露光装置3、感光体ドラム1に形成された静電潜像に対し現像ローラ402上の帯電トナーを付着させることでトナー像を形成する二成分現像方式の現像装置4、感光体ドラム1上に形成されたトナー像を転写材としての転写紙20に転写する転写装置5、転写後に感光体ドラム1上に残ったトナーを除去するクリーニング板601を備えたクリーニング装置6等が感光体ドラム1の回転方向aに沿って順に配設されている。感光体ドラム1上に静電潜像を形成する潜像形成手段は、帯電装置2及び露光装置3により構成される。7は転写紙20を所定のタイミングで転写装置5に搬送するための搬送プーリである。
【0031】
また、図示していないが、プリンタにはその他に、給紙トレイ等から転写紙を給紙・搬送する図示しない給紙搬送装置と、転写装置5で転写されたトナー像を転写紙20に定着する定着装置等が備えられている。
【0032】
感光体ドラム1は、その詳細は図示していないが、接地された導電性基体(例えば、アルミニウム等の素管)上に、感光性を有する無機又は有機感光体を塗布することにより感光層を形成したものである。この感光層は、電荷発生層と電荷輸送層とにより構成され、帯電装置2により表面が負極性に一様帯電される。なお、潜像担持体としては、厚みの比較的薄いポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ニッケル等に感光層を形成したベルト感光体を使用することも可能である。また、本実施の形態では負極性に一様帯電する感光体ドラム1を使用しているが、トナーの帯電極性等との関係を考慮し必要に応じて正極性に一様帯電した感光体ドラムを使用してもよい。
【0033】
現像装置4は、図2に示すように、ケーシング401の感光体ドラム1側の開口から一部露出するように、トナー担持体としての現像ローラ402が配設されている。現像ローラ402は、複数の磁極を有する磁石部材422を内蔵した非磁性の回転可能なスリーブ421で構成されている。ケーシング内のトナー10と磁性粒子11とを含む二成分現像剤(以下単に現像剤と称する)12は、図示しない現像剤撹拌部材や現像ローラ402のスリーブ421の回転力及び磁石部材422の磁力によって撹拌される。この撹拌の際に、トナー10は磁性粒子11との摩擦帯電によって電荷が付与され、現像剤の一部が現像ローラ402上に担持される。現像ローラ402上に担持された現像剤12は、現像剤規制部材としてのドクタ423で層厚が規制され、一定量の現像剤12が現像ローラ402に担持されて現像領域A1(図1)に搬送され、残りはケーシング401内に戻される。現像領域A1に搬送された現像剤12中のトナー10が、現像ローラ402と感光体ドラム1との間に形成される現像電界によって感光体ドラム1の表面に転移し、感光体ドラム1上に静電潜像が現像される。
【0034】
現像ローラ402の磁石部材422は固定配置され、現像剤12がスリーブ421上の所定箇所を通過するときに磁力が作用するようになっている。現像ローラ402の直径は10〜30mmが好適であり、現像ローラ402の表面は、サンドブラスト若しくは1〜数mmの深さを有する複数の溝を形成する処理を行い、表面粗さRz(十点平均粗さ)が10〜20μmの範囲内に入るようにするのが好ましい。また、現像ローラ402のスリーブ421は、図示しない回転駆動装置により矢印b方向に回転駆動され、かつ現像領域A1で現像電界を形成するための現像バイアス電圧VBを印加する電源409が接続されている。
【0035】
現像ローラ402に内蔵された磁石部材422は、ドクタ423による規制箇所から現像ローラ回転方向にN極(N1)、S極(S1)、N極(N2)、S極(S2)の4つの磁極を有する。なお、磁石部材422の磁極の配置は、図2の構成に限定されるものではなく、現像ローラ402の周囲のドクタ423等の配置に応じて他の配置に設定してもよい。また、図2の現像装置の例では磁石部材422を固定配置しスリーブ421を回転駆動するように構成したが、スリーブ421を固定配置しその内側のローラ状の磁石部材を回転させるように構成してもよい。
【0036】
磁石部材422の磁力により、スリーブ421上にトナー10及び磁性粒子11からなる現像剤12がブラシ状に担持される。そして、現像ローラ402上の磁気ブラシ中のトナー10は、磁性粒子11と混合されることで規定の帯電量を得る。この現像ローラ402上のトナーの帯電量としては、−10〜−30μC/gの範囲が好適である。
【0037】
また、本実施の形態では、ドクタ423とスリーブ421との間の最近接部における間隔が500μmに設定され、ドクタ423に対向した磁石部材422の磁極N1が、ドクタ423との対向位置よりも現像ローラ回転方向上流側に数度傾斜して位置している。これにより、ケーシング401内における現像剤12の循環流を容易に形成することができる。この磁極N1の傾斜角度は0〜15度が好適である。
【0038】
なお、本実施の形態のより具体的な実施例では、感光体ドラム1の直径を50mm、感光体ドラム1の線速を200mm/s、スリーブ421の直径を18mm、スリーブ421の線速を240mm/sに設定した。スリーブ421上のトナー帯電量は−10〜−25μC/gの範囲である。また、感光体ドラム1とスリーブ421の間隙である現像ギャップGPは0.8mm〜0.4mmの範囲内で設定した。このように現像ギャップGPを従来の装置よりも小さくすることにより、現像効率の向上を図っている。
【0039】
現像剤12を構成するトナー10は、ポリエステル、ポリオール、スチレンアクリル等の樹脂に帯電制御剤(CCA)及び色剤を混合したものであり、その周りにシリカ、酸化チタン等の外添剤を添加することで流動性を高めている。添加剤の粒径は通常0.1〜1.5μmの範囲である。色剤としてはカーボンブラック、フタロシアニンブルー、キナクリドン、カーミン等を挙げることができる。また、トナー10としては、ワックス等を分散混合させた母体トナーに上記種類の添加剤を外添しているものも使用することもできる。
【0040】
トナー10は、磁性体を含有させて磁性トナーとしても使用することもできる。具体的な磁性体としては、マグネタイト、ヘマタイト、フェライト等の酸化鉄、コバルト、ニッケルのような金属あるいはこれら金属とアルミニウム、銅、鉛、マグネシウム、スズ、亜鉛、アンチモン、ベリリウム、ビスマス、カドミウム、カルシウム、マンガン、セレン、チタン、タングステン、バナジウムのような金属との合金及びその混合物等が挙げられる。これらの磁性体は平均粒径が0.1〜2μm程度のものが望ましく、このときの磁性体の含有量は、結着樹脂100質量部に対して20〜200質量部、特に好ましくは結着樹脂100質量部に対して40〜150質量部である。
【0041】
添加剤としては、従来公知のものが使用できるが、具体的には、Si,Ti,Al,Mg,Ca,Sr,Ba,In,Ga,Ni,Mn,W,Fe,Co,Zn,Cr,Mo,Cu,Ag,V,Zr等の酸化物や複合酸化物等が挙げられ、特にSi,Ti,Alの酸化物であるシリカ、チタニア、アルミナが好適に用いられる。
【0042】
また、このときの添加剤の添加量は、母体粒子100質量部に対して0.5〜1.8質量部であることが好ましく、特に好ましくは、0.7〜1.5質量部である。添加剤の添加量が0.5質量部未満であると、トナーの流動性が低下するため、十分な帯電性が得られず、また、転写性や耐熱保存性も不十分となり、また、地汚れやトナー飛散の原因にもなりやすい。
【0043】
一方、添加剤の添加量が1.8質量部よりも多いと、流動性は向上するものの、ビビリ、ブレードめくれ等の感光体クリーニング不良や、トナーから遊離した添加剤による感光体ドラム1等へのフィルミングが生じやすくなり、クリーニングブレード601や感光体ドラム1等の耐久性が低下し、定着性も悪化する。また、細線部におけるトナーのチリが発生しやすくなり、特に、フルカラー画像における細線の出力の場合には、少なくとも2色以上のトナーを重ねる必要があり、付着量が増えるため、特にその傾向が顕著である。さらに、カラートナーとして用いる場合には、添加剤が多く含有されていると、透明シートに形成されたトナー画像をオーバーヘッドプロジェクターで投影した場合に投影像にかげりが生じ、鮮明な投影像が得られにくくなる。
【0044】
添加剤の含有量の測定には種々の方法があるが、蛍光X線分析法で求めるのが一般的である。すなわち、添加剤の含有量既知のトナーについて、蛍光X線分析法で検量線を作成し、この検量線を用いて、添加剤の含有量を求めることができる。
【0045】
さらに、本実施の形態に用いられる添加剤は、必要に応じ、疎水化、流動性向上、帯電性制御等の目的で、表面処理を施されていることが好ましい。ここで、表面処理に用いる処理剤としては、有機系シラン化合物等が好ましく、例えば、メチルトリクロロシラン、オクチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン等のアルキルクロロシラン類、ジメチルジメトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン等のアルキルメトキシシラン類、ヘキサメチルジシラザン、シリコーンオイル等が挙げられる。また、処理方法としては、有機シラン化合物を含有する溶液中に添加剤を漬積し乾燥させる方法、添加剤に有機シラン化合物を含有する溶液を噴霧し乾燥させる方法等があるが、本実施の形態においては、いずれの方法も好適に用いることができる。
【0046】
トナー10の体積平均粒径は3〜12μmの範囲が好適である。本実施の形態で用いたトナー10の体積平均粒径は6μmであり、1200dpi以上の高解像度の画像にも十分対応することが可能である。また、本実施形態では、帯電極性が負極性のトナー10を使用しているが、感光体ドラム1の帯電極性などに応じて帯電極性が正極性のトナーを使用してもよい。
【0047】
トナーの粒径及び帯電量分布の測定には、ホソカワミクロン株式会社製の分析装置(商品名:「E−SPART ANALYZER」)を使用した。この分析装置は、二重ビーム周波数偏移型レーザードップラー速度計と静電界中で粒子の動きを摂動させる弾性波とを用いた方法を採用し、現像ローラ402上のトナーにエアを吹き付けて飛ばし、電界中の動きを捉えることでトナー個々の粒径と帯電量のデータを得られるものである。
【0048】
磁性粒子11は金属もしくは樹脂をコアとしてフェライト等の磁性材料を含有し、表層はシリコン樹脂等で被覆されたものである。磁性粒子11の粒径は20〜50μmの範囲が好適である。また、磁性粒子11の電気抵抗は、ダイナミック抵抗DRで104〜106Ωの範囲が好適である。
【0049】
磁性粒子11のダイナミック抵抗DRの測定は、図3に示す測定装置を用いて次のように行った。まず、接地した台座200の上方に、固定磁石を所定位置に内蔵した直径φ20mmの回転可能なスリーブ201をセットする。このスリーブ201の表面には、幅W=65mm及び長さL=0.5〜1mmの対向面積を有する対向電極(ドクタ)202を、ギャップg=0.9mmで対向させる。次に、スリーブ201を回転速度600rpm(線速628mm/sec)で回転駆動し始める。そして、回転しているスリーブ201上に測定対象の磁性粒子を所定量(14g)だけ担持させ、該スリーブ201の回転により該磁性粒子を10分間攪拌する。次に、スリーブ201に電圧を印加しない状態で、スリーブ201と対向電極202との間を流れる電流Ioff(A)を電流計203で測定する。次に、直流電源204からスリーブ201に耐圧上限レベル(高抵抗シリコンコートキャリアでは400Vから鉄粉キャリアでは数V)の印加電圧EVを5分間印加する。本実施形態では200Vを印加した。そして、電圧Eを印加した状態でスリーブ201と対向電極202との間を流れる電流Ion(A)を電流計203で測定する。これらの測定結果から、次式を用いてダイナミック抵抗DR(Ω)を算出する。
【0050】
DR=E/(Ion−Ioff) ・・・(1)
図4は、現像領域における感光体ドラム1の表面電位と現像バイアスとの関係を模式的に示したものである。図中の「VD」が未露光の帯電電位、「VL」が露光後の露光部電位、「VB」が現像バイアスの電圧である。図中の「VD−VL」の絶対値は、露光の有無における電位の差異を示す「露光ポテンシャル」である。また、「VB−VL」の絶対値は、現像領域における実質的な現像電位差を示す「現像ポテンシャル」であり、「VD−VB」の絶対値は、地肌部(未露光部)と現像バイアスとの電位差を示す「地肌ポテンシャル」である。
【0051】
ここで、ネガポジ現像方式を採用した場合、地肌部が現像されないように、現像バイアスVBの絶対値|VB|は帯電電位VDの絶対値|VD|よりも小さく設定される。また、画像濃度と地肌汚れのバランスが取れるように、地肌ポテンシャル|VD−VB|は少なくとも現像ポテンシャル|VB−VL|より小さくなるように設定される。
【0052】
また、現像ローラ402の摩擦係数を下げることにより、本来現像ローラ402への付着に不必要な過剰トナーを除去でき、また現像ローラ402の表面を保護できるので、寿命を延ばすことが可能である。そこで本実施の形態においては、現像ローラ402の表面の摩擦係数μを0.1〜0.4の範囲に維持させている。この状態を維持する方法は、上記特許文献4において開示されている「感光体の摩擦係数を低下させる潤滑材を一定枚数おきに直接塗布、又は潤滑剤を坦持した部材を常時又は一定枚数おきに感光体に当接させる」という技術を現像ローラ402にも適用することにより行っている。
【0053】
これを図5により説明する。図5は現像ローラのクリーニング機構を概略的に示す図である。
【0054】
現像ローラ402には、クリーニング部材501が当接し、現像残トナーを掻き取る。図5ではクリーニング部材501は、円筒形の部材を描いているが、剛体のブレードでもかまわない。しかしながら、現像ローラ402に機械的なハザードを与えないためにもは筒形の方が望ましい。クリーニング部材501の材質は、上述したような現像ローラ402の材質と同様の弾性部材でもかまわないし、金属もしくは導電性樹脂等で構成された剛体のもでもかなわない。クリーニング部材501は現像ローラ2と接触部で逆方向に回転することが好ましく、現像ローラに対する線速比は0.9〜2ぐらいが好ましい。上下限の範囲では遅いと回転精度を維持することが難しく、変動を起こすと現像ローラ2の回転精度に影響を与える。上限を超えると現像ローラ402への機械的ハザードが高まり、表面を磨耗させてしまう。当接圧は2〜10g/mmが好ましい。また現像ローラ402と同様に低抵抗である101〜104Ω・cmの範囲が好ましく、図5に示すようにバイアス電源502が配設され、電圧が印加された状態になっている。クリーニング部材501に掻き取られたトナーは、クリーニング部材501に当接する剛体の掻き取り部材503によって掻き落とされ、図示しないホッパに戻すようになっている。なお、クリーニングは機械的な摩擦力で掻き取っても良いし、バイアス電圧等を印加しても良い。クリーニング部材501で表面がきれいになった現像ローラ402は、潤滑部材504の当接で表面摩擦係数を下げることになる。潤滑部材504は材料はステアリン酸亜鉛、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等の樹脂が上げられ、直接現像ローラ2に付着する構成となっている。また、潤滑部材504の現像ローラ402に対する当接圧は5〜20g/mmが好ましい。
【0055】
次に感光体や現像ローラの最大静止摩擦係数の測定をオイラー法による行う場合について図6により説明する。図6はオイラー法による表面摩擦係数の測定法を模式的に示す図である。まず、紙片(TYPE 6200 A4 T 目:株式会社リコー製)を297mm×30mmに切り、両端に糸101を付けて測定紙片100を作成する。紙片の特性は秤量:71.7g/m2、厚さ:89μm、密度:0.81g/cm3、平滑度:表;40s、裏;37s、体積抵抗:1.2E+11Ω・cm、摩擦係数:表/裏;(ゴム付きオモリ)tanθで、縦;0.64、横;0.65である。測定紙片100をテーブル102の一端に支持部材103により支持された感光体ドラム1にのせて、一方の糸101に0.98N(100g重)の重り104を結び付け、他方の糸101にはデジタルプッシュプルゲージ105を結び付ける。この状態でデジタルプッシュプルゲージ105によって糸101を介して測定紙片100を引っ張り、測定紙片100が動き出した時のデジタルプッシュプルゲージ105の値を読む。この時の値をF(N)とすると、摩擦係数μは、
μ=〔ln(F/0.98)〕/(π/2) ・・・(2)
で求められる。
【0056】
上述の感光体ドラム1に代えて現像ローラ402を支持部材103上に載せて、摩擦係数を測定した。その結果、現像ローラ402の表面に潤滑剤等を塗布しない、未処理の場合の現像ローラ402に於ける測定値は、0.5〜0.8であり、経時で増加する傾向にある。これに対して潤滑剤を塗布した現像ローラ402の測定を行うとその値は0.1〜0.4の範囲であった。
【0057】
感光体ドラム1と現像ローラ3は現像ローラ3上のトナー層を介して当接している。押圧方法は図示していないが、バネで当接させるのが良好で特に複数のバネを当接させると当接ムラを低減させることが可能である。当接用バネとしてはコイルバネ、板バネ等が使用可能である。本実施の形態における現像ローラ402は、硬度が30゜(JIS−A)とすると、現像ローラ402の感光体ドラム1に対する当接線圧は1〜16gf/mmの範囲が好ましい。また押圧手段の数は多い程圧が分散されるので当接ムラを低減できるので、良好である。
【0058】
このように現像ローラ402の摩擦係数の範囲がμ>0.1であるので、μ≦0.1の場合の弊害を述べる。μ≦0.1の範囲では感光体ドラム1のスキャベンジ能力が高まって感光体ドラム1と現像ローラ3の間のトナー6が地汚れ状態で付着するために品質が著しく劣化する。一方、μ≧0.4では現像ローラ402へのトナーの非静電的付着力が増加して付着・フィルミングが発生しやすくなる。その防止手段として現像ローラ3の感光体ドラム1に対する当接圧を増やすとか回転線速比を増やすことが有効であるが、バンディング等の異常画像が発生し易くなる。
【0059】
経時摩擦係数の安定性比較を行ったのが図7である。図7は現像ローラの表面摩擦係数の時間変化における本発明と従来例との比較を示すグラフである。このグラフから明らかなように、従来例では50k枚の通紙では現像ローラ402の摩擦係数μDRが0.6を越えるのに対して、本発明では50k枚の通紙でもこのμDRは0.22と低い値を維持している。これにより、トナーの現像ローラ402に対する非静電的付着力が低減され、現像能力の維持が可能になっている。
【0060】
次に、現像ローラ402上の現像剤層のダイナミック抵抗について説明する。図8は現像ローラ上の現像剤層のダイナミック抵抗の影響を示す模式図である。図において、1Bは感光体ドラム1の導電性基体、1Pは感光層、Tpcは感光層1Pの厚さ、TLはトナー層、Ttlはトナー層TLの厚さである。本実施の形態において、現像ローラ402上に形成される現像剤層のダイナミック抵抗は106Ω以下が好ましい。
【0061】
図16は、現像ローラ402上にダイナミック抵抗が異なる現像剤層を形成したときの現像特性を示したものである。ダイナミック抵抗の測定方法としては、図4で示した前述の方法を用いた。この図16の結果から、ダイナミック抵抗が低いほど現像γの傾きが大きくなる。ダイナミック抵抗が107Ωの現像剤層を形成した場合は、トナー付着量が飽和する領域に達するまでに現像ポテンシャルが400Vを超えてしまう。これに対してダイナミック抵抗が102Ωでは、現像能力が高く、現像ポテンシャルが400V以内で飽和付着量に達するので、より低い現像ポテンシャルで現像を行うことができる。
【0062】
次に、図9に示す本発明の第2の実施の形態について説明する。この第2の実施の形態は請求項5,10に対応している。図9は本発明の第2の実施の形態における現像装置の概略構成図である。なお、プリンタ全体の構成及び動作並びに光書込みによる潜像形成方法については、上記第1の実施の形態と同様であるので、図示及びその説明を省略する。
【0063】
本実施の形態で用いた現像装置は、一成分現像剤を使用し、トナー担持体としての現像ローラ402上にトナー層を形成し、現像ローラ402上のトナー層を感光体ドラム1と接触させるように搬送することにより、感光体ドラム1上の静電潜像を現像する接触一成分現像を行うものである。
【0064】
図9において、ケーシング401内のトナー10は、撹拌手段としてのアジテータ411の回転により攪拌され、機械的にトナー供給部材としての供給ローラ412に供給される。供給ローラ412は発泡ポリウレタン等で形成されていて、可撓性を有し、50〜500μmの径のセルでトナーを保持し易い構造となっている。また、硬度は10〜30゜(JIS−A)と比較的低く、現像ローラ402に均一に当接させることができる。
【0065】
供給ローラ412は現像ローラ402と同方向、すなわち両ローラの対向部で互いに表面が逆方向に移動するように回転駆動されている。両ローラの線速比は0.5〜1.5が最適である。また、供給ローラ412を、現像ローラ402と逆方向、すなわち両ローラの対向部で互いに表面が同方向に移動するように回転させてもよい。なお、本実施の形態では供給ローラ412は現像ローラ402と同方向の回転で、その線速比は0.9に設定した。供給ローラ412の現像ローラ402に対する喰い込み量は0.5〜1.5mmに設定している。これはトナー10の帯電特性、供給性に依存するので、更に広い範囲で最適条件を設定する必要がある。現像ローラ402に対する供給ローラ412の喰い込み量は、最終的には現像装置4を駆動するモータ及びギヤヘッドの特性にも依存するので、全ての駆動系を含めた上で検討を行うことが必要である。本実施の形態ではユニット有効幅が240mm(A4縦)の場合、必要なトルクは14.7〜24.5N・cm(1.5〜2.5kgf・cm)である。
【0066】
トナー10は前述の第1の実施の形態のものと同じであり、ポリエステル、ポリオール、スチレンアクリル等の樹脂に帯電制御剤(CCA)、色材を混合し、その周りにシリカ、酸化チタン等の物質を外添している。平均粒径の範囲は3〜12μmであるが、本実施形態では5.5μmのものを用いた。
【0067】
現像ローラ402は、導電性基体上にゴム材からなる表層を有し、直径が10〜30mmで、表面を適宜あらして表面粗さRZを1〜4μmとしたものである。この表面粗さの値はトナー粒径に対して13〜80%となり、現像ローラ402表面に埋没することなくトナーが搬送されるものである。特に、現像ローラ402の表面粗さRZは、著しく低帯電のトナーを保持しないように、トナーの平均粒径の20〜30%の範囲が好ましい。本実施の形態ではトナーの平均粒径が5.5μmなので1.2〜1.8μmRZが最適である。
【0068】
また、上記ゴム材料としては、シリコン、ブタジエン、NBR、ヒドリン、EPDM等を挙げることができる。更に現像ローラ402の表面に、特に経時品質を安定化させるためにコート材料を被覆することが好ましい。材料はシリコン系及びテフロン(登録商標)系が特に良好であり、前者はトナー帯電性に優れ、後者は離型性に優れている。また導電性を得るために適宜カーボンブラック等の導電性材料を含有させる場合もある。コート層の厚みは5〜50μmの範囲が良好で、それを超えると割れ易い等の不具合が発生しやすい。本実施の形態では、現像ローラの硬度が低く、感光体の硬度が高いが、その逆でも成立する。
【0069】
供給ローラ412上もしくは内部に存在する、所定極性(本実施形態の場合は、負極性)のトナーは、回転により接触点で互いに反対方向に回転する現像ローラ402と挟まれることにより、摩擦帯電効果で負の帯電電荷を得て静電気力により、また現像ローラ402の表面粗さによる搬送効果により現像ローラ402上に保持されるようになる。しかし、この時の現像ローラ402上のトナー層は均一ではなくかなり過剰に付着している(1〜3mg/cm)。
【0070】
そこで、規制ブレード413を現像ローラ402に当接させることにより、現像ローラ402上に均一な層厚を有するトナー薄層を形成している。規制ブレード413は先端が現像ローラ402の回転方向に対して下流側を向き、規制ブレード413の中央部が当接する、いわゆる腹当て当接である。もちろん逆方向でも設定可能であるし、エッジ当接を実現することも可能である。材料はSUS304等の金属で厚さは0.1〜0.15mmとしているが、そのほか厚み1〜2mmのポリウレタンゴム等のゴム材料やシリコン樹脂等の比較的硬度の高い樹脂材料が使用可能である。金属以外でもカーボンンブラック等を混ぜ込むことにより低抵抗化出来るので、バイアス電源を接続して現像ローラ402との間に電界を形成することも可能である。
【0071】
上記規制ブレード413はホルダからの自由端長として10〜15mmが好ましい。上限を越えると現像装置が大きくなってコンパクトに納めることができなくなり、下限を下まわると現像ローラ402表面と接触するときに振動が生じやすくなり画像上に横方向の段々ムラ等の異常画像が発生し易くなる。当接圧は0.049〜2.45N/cm(5〜250gf/cm)の範囲が良好で、現像能力に与える影響は、上限を越えると現像ローラ402上のトナー付着量が減少し且つトナー帯電量が増加し過ぎるので、現像量が減少して画像濃度が低くなる。下限を下回ると薄層が均一に形成されずにトナーの固まりが規制ブレード413を通過することもあり、画像品質が著しく低下する。本実施形態における一実施例では、現像ローラ402の硬度がJIS−Aで30゜のものを、規制ブレード413は厚み0.1mmのSUS板を使用し、その当接圧は60gf/cmに設定した。このとき、目標の現像ローラ上のトナー付着量を得ることができた。
【0072】
また、規制ブレード413の当接角度は、先端が現像ローラ402の下流側を向く方向で、現像ローラ402の接線に対して10〜45゜が良好である。規制ブレード413と現像ローラ402に挟まれたトナーの薄層形成に不必要な分は、現像ローラ402から剥ぎ取られ、目標範囲である単位面積当たり0.4〜0.8mg/cm2の均一な厚みを持った薄層が形成される。この時のトナー帯電は最終的に本実施の形態では−10〜−30μC/gの範囲であり、感光体ドラム1上の潜像と対向して現像される。
【0073】
以上、この第2の実施の形態における一成分現像装置では、感光体ドラム1の表面と現像ローラ402の表面の距離が2成分現像装置の場合より更に狭くなり、現像能力が高まり、更なる低電位でも現像が可能となる。
【0074】
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。
【0075】
最初に、トナーについて説明すると、本実施の形態の現像装置で使用するトナーとしては、投影法で測定した球形度(SF係数)が95%以上の球形トナーが好ましい。この球形トナーは、例えば、重合法や、ウレア結合で変成されたポリエステルを少なくともトナーバインダーとして含有させる方法などで作製することができる。このような球形度を有するトナーは添加剤の被覆率も極めて高い。
【0076】
図10は、平均粒径5.5μmの上記球形トナーを現像ローラ402上に担持したときのトナー帯電量に対する個数分布を示すグラフである。図中の曲線C1が球形トナーの帯電量個数分布であり、曲線C2は比較例として挙げた従来の粉砕トナーの帯電量個数分布である。この図10から判るように、球形トナーの帯電量個数分布プロファイルは、従来の粉砕トナーよりもシャープになっている。球形トナーの帯電量個数分布プロファイルにおける半値幅は、1.7fC/10μmあった。
【0077】
なお、図10のデータは、後述のE−SPART分析装置で測定したものである。また、各トナーにおいて電荷がトナー全体にわたって均一に存在するならば、トナー帯電量はトナー粒径の3乗に比例するが、実際にはトナー粒径そのものに比例している。このようにトナー帯電量とトナー粒径とが比例関係にあるため、図10では、トナーの帯電量qを粒径dで除した値、すなわちトナー粒径の影響をなくしたq/d(fC/10μm)の値についてトナーの個数分布をプロットしている。
【0078】
図11は、平均粒径5.5μmの球形トナーを現像ローラ402上に担持したときのトナー粒径に対する個数分布を示すグラフである。図11中の曲線C1が球形トナーの粒径個数分布であり、曲線C2は比較例として挙げた従来の粉砕トナーの粒径個数分布である。なお、図11のデータも後述のE−SPART分析装置で測定したものである。この図11の結果からわかるように、球形トナーの粒径個数分布プロファイルについても、従来の粉砕トナーよりシャープになっている。
【0079】
上術のトナー帯電量やトナー粒径の個数分布プロファイルにおけるシャープさに関する指標は一般には半値幅で表され、その値が小さい方がシャープである。一般にトナー帯電量の個数分布プロファイルがシャープであると、平均値に近い帯電量の値q/dを有するトナーが多く存在することになり、各トナーの現像能力がほぼ同じになることから、均一な現像が達成できる。一方、トナー帯電量の個数分布プロファイルがブロードになると、存在するトナーの帯電量の範囲が広がり、各トナーの現像能力の範囲も広がることから、現像量の変動が生じてしまうとともに、低帯電量側のトナーが増加すると地汚れが発生しやすくなる。地汚れを経時で比較すると、上記球形トナーは帯電量分布の変化が少ないので、プリント枚数が200k枚でも問題なかった。これに対し、従来の粉砕トナーを用いた場合は、120k枚で地汚れが顕著となり、画像品質の著しい劣化が認められた。
【0080】
また、プリント枚数が150k枚の経時において、トナー帯電量の個数分布プロファイルの半値幅を求めたところ1.9fC/10μmであり、初期の半値幅1.7fC/10μmからほとんど変化がなかった。
【0081】
これに対し、従来の粉砕トナーを使用したときの初期とプリント枚数が150k枚の経時において、トナー帯電量の個数分布プロファイルの半値幅を求めたところそれぞれ2.7fC/10μm及び3fC/10μmであった。経時において、現像装置内の現像剤が撹拌部材で撹拌されたり、感光体表面のクリーニング時にトナーがクリーニング部材であるブレードと感光体ドラム1との間に挟まれたりすると、トナーに加わる押圧力によりトナーが粉砕され易くなる。このため、平均粒径に対して小粒径のトナーの存在比が増加したり、さらに小粒径トナーが別のトナーに付着して2次粒子的になって大粒径トナーとして存在したりすることにより、トナー帯電量q/dの個数分布プロファイルがブロード化すると考えられる。
【0082】
以上のように、本実施の形態における現像剤のトナー10として、球形度が95%以上の球形トナーを用いることにより、トナー帯電量q/dの個数分布プロファイルの半値幅をシャープに保つことができ、地汚れ余裕度を高い状態で維持することができる。なお、上述した第1及び第2の実施の形態におけるトナーも本実施の形態と同様に、球形度が95%以上の球形トナーを用い手も良いことは勿論である。
【0083】
この第3の実施の形態におけるプリンタは、現像ローラにトナーを供給するトナー供給部材として磁気ブラシローラを用いた二成分現像装置を使用している点が、上記第1の実施形態に係るプリンタと異なっている。
【0084】
図12は、第3の実施の形態に係る現像装置の概略構成図である。現像装置4のケーシング401の内部には、感光体ドラム1側から、現像剤担持体(トナー担持体)としての現像ローラ402、トナー供給部材としての磁気ブラシローラ403、攪拌・搬送部材404、405が配設されている。ケーシング401内のトナー10と磁性粒子11とを含む二成分現像剤(以下「現像剤」という。)12は、攪拌・搬送部材404、405で攪拌され、その一部が、磁気ブラシローラ403上に担持される。磁気ブラシローラ403上の現像剤12は、現像剤規制部材としての規制ブレード406で層厚が規制された後、トナー供給領域A2で現像ローラ402に接触する。このトナー供給領域A2で磁気ブラシローラ403上の現像剤12よりトナー10のみ分離されて現像ローラ402に供給される。
【0085】
本実施形態の現像装置では、アルミ素管をベースとした剛体の感光体ドラム1を用いているので、現像ローラ402はゴム材料が好ましく、その硬度は10〜70°(JIS−A)の範囲が好ましい。また、現像ローラ402の直径は10〜30mmが好適である。本実施の形態では、現像ローラ402は直径16mmのものを用いた。また、現像ローラ402の表面は適宜あらして粗さRz(十点平均粗さ)を1〜4μmとした。この表面粗さRzの範囲は、トナー10の体積平均粒径に対して13〜80%となり、現像ローラ402の表面に埋没することなくトナー10が搬送される範囲である。ここで、現像ローラ402のゴム材料として使用できるものとしてシリコン、ブタジエン、NBR、ヒドリン、EPDM等を挙げることができる。また、感光体ドラムに代えていわゆるベルト感光体を使用した場合には、現像ローラ402の硬度は低くする必要がないので、金属ローラ等も使用可能である。また、現像ローラ402の表面には、経時品質を安定化させるために適宜コート材料を被覆することが好ましい。また、本実施の形態における現像ローラ402の機能はトナー10を担持するためだけのものであり、従来の一成分現像装置のようにトナー10と現像ローラ402との摩擦帯電によるトナー10への帯電電荷付与の必要がないために、現像ローラ402は電気抵抗、表面性、硬度と寸法精度を満たせば良く、材料の選択幅は格段に増えることとなる。
【0086】
現像ローラ402の表層コート材料は、帯電がトナー10と逆極性でも良いし、トナーを所望の極性に摩擦帯電する機能を持たせない場合は同極性でも良い。前者の表層コート材料としては、シリコン、アクリル、ポリウレタン等の樹脂、ゴムを含有する材料を挙げることができる。また後者の表層コート材料としては、フッ素を含有する材料を挙げることができる。フッ素を含んだいわゆるテフロン(登録商標)系材料は表面エネルギーが低く、離型性が優れるため、経時におけるトナーフィルミングが極めて発生しにくい。また、表層コート材料に用いることができる一般的な樹脂材料として、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレンパーフルオロアルキルビニールエーテル(PFA)、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン重合体(FEP)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、テトラフルオロエチレン・エチレン共重合体(ETFE)、クロロトリフルオロエチレン・エチレン共重合体(ECTFE)、ポリビニリデンフルオライド(PVDF)、ポリビニルフルオライド(PVF)等を挙げることができる。これに導電性を得るために適宜カーボンブラック等の導電性材料を含有させることが多い。更に均一に現像ローラ402にコートできるように、他の樹脂を混ぜ合わせることもある。電気抵抗に関してはコート層を含めてバルクの体積抵抗率を設定するもので、103〜108Ω・cmに設定できるようにベース層の抵抗と調整を行う。本実施の形態で使用するベース層の体積抵抗率は103〜105Ω・cmなので、表層の体積抵抗率は少し高めに設定することがある。
【0087】
現像ローラ402の表面部の体積抵抗率は、図13(a)及び(b)に示す方法で測定したものである。図13は現像ローラの表層の体積抵抗率測定システムの説明図で、(a)はシステムの構成を示す図、(b)は現像ローラとベース板との間に形成されるニップを示す図である。まず、図13の(a)に示すように、測定対象の現像ローラ402を、接地された導電性のベース板300上にセットし、現像ローラ402の芯金(回転軸)402aの両端にそれぞれにF=4.9N(=500gf)の荷重をかけ、全体でF=9.8N(1kgf)の荷重をかける。これにより、図13の(b)に示すように、ベース板300との間にニップWを形成する。現像ローラ402の芯金402aには、電流計301を介して直流電源302を接続する。そして、直流電圧V(=1V)を印加し、そのときの電流値I(A)を読み取る。この印加電圧値V(V)及び電流値I(A)の測定値と、現像ローラ402の軸方向長さL1(cm)、芯金402aの外周から現像ローラの外周までの長さL2(cm)及びニップの幅W(cm)の測定値とを用いて、次式により現像ローラ402の弾性層402bの体積抵抗率ρvを求める。
【0088】
ρv=(V/I)・(L1×W)/L2 ・・・(3)
また、現像ローラ402のコート層の厚みは5〜50μmの範囲が良好で、50μmを越えると、コート層の硬度とベース層の硬度差が大きい場合で応力が発生した時にひび割れ等の不具合が生じやすくなる。また5μmを下回ると、表面磨耗が進むとベース層の露出が発生してトナーが付着しやすくなる。
【0089】
現像剤12を構成するトナー10は、ポリエステル、ポリオール、スチレンアクリル等の樹脂に帯電制御剤(CCA)及び色剤を混合したものであり、その周りにシリカ、酸化チタン等の外添剤を添加することで流動性を高めている。添加剤の粒径は0.05〜0.5μmの範囲である。色剤としてはカーボンブラック、フタロシアニンブルー、キナクリドン、カーミン等を挙げることができる。トナー10は更に場合によってはワックス等を分散混合させた母体トナーに上記種類の添加剤を外添しているものも使用することができる。
【0090】
トナー10の体積平均粒径は3〜12μmの範囲が好適である。本実施の形態で用いたトナー7の体積平均粒径は5.5μmであり、1200dpi以上の高解像度の画像にも十分対応することが可能である。
【0091】
また、本実施の形態では、帯電極性が負極性のトナー10を使用しているが、感光体ドラム1の帯電極性などに応じて帯電極性が正極性のトナーを使用してもよい。
【0092】
磁性粒子11は金属もしくは樹脂をコアとしてフェライト等の磁性材料を含有し、表層はシリコン樹脂等で被覆されたものである。磁性粒子11の粒径は20〜50μmの範囲が好適である。また、磁性粒子11の抵抗は、ダイナミック抵抗DRで104〜108Ωの範囲が好適である。
【0093】
磁気ブラシローラ403は、複数の磁極を有する磁石部材407を内蔵した非磁性の回転可能なスリーブ408で構成されている。磁石部材407は固定配置され、現像剤12がスリーブ408上の所定箇所を通過するときに磁力が作用するようになっている。本実施の形態で用いたスリーブ408は、直径がφ18mmであり、表面粗さRz(十点平均粗さ)が10〜20μmの範囲に入るようにサンドブラスト処理されている。
【0094】
磁気ブラシローラ403に内蔵された磁石部材407は、規制ブレード406による規制箇所から磁気ブラシローラ403の回転方向にN極(N1)、S極(S1)、N極(N2)、S極(S2)、S極(S3)の5つの磁極を有する。なお、磁石部材407の磁極の配置は、図12の構成に限定されるものではなく、磁気ブラシローラ403の周囲の規制ブレード406等の配置に応じて他の配置に設定してもよい。例えば、規制ブレード406による規制箇所から磁気ブラシローラ403の回転方向にN極(N1)、S極(S1)、N極(N2)、S極(S2)の4つの磁極を配置してもよい。また、図12の現像装置の例では、磁石部材407を固定配置しスリーブ408を回転駆動するように構成したが、スリーブ408を固定配置しその内側のローラ状にした磁石部材407を回転させるように構成してもよい。
【0095】
磁石部材407の磁力により、スリーブ408上にトナー10及び磁性粒子11からなる現像剤13がブラシ状に担持される。そして、磁気ブラシローラ403上の磁気ブラシ中のトナー10は、磁性粒子11と混合されることで規定の帯電量を得る。この磁気ブラシローラ403上のトナーの帯電量としては、−10〜−40μC/gの範囲が好適である。
【0096】
現像ローラ402は、磁気ブラシローラ403内の磁極N2に隣接するトナー供給領域A2で磁気ブラシローラ4上の磁気ブラシと接触するようにして対向するとともに、現像領域A1で感光体ドラム1に対向するように配設されている。
【0097】
また、本実施の形態では、規制ブレード406と磁気ブラシローラ403の間の最近接部における間隔が500μmに設定され、また規制ブレード406に対向した磁石部材407の磁極N1を、規制ブレード406との対向位置よりも磁気ブラシローラ403の回転方向上流側に数度傾斜して位置している。これにより、ケーシング401内における現像剤12の循環流を容易に形成することができる。
【0098】
規制ブレード406は、磁気ブラシローラ403との対向部で磁気ブラシローラ4上に形成された現像剤12の量を規制するように磁気ブラシと接触し、所定量の現像剤がトナー供給領域に搬送されるようにするとともに、現像剤12中のトナー10と磁性粒子11との摩擦帯電を促進させている。
【0099】
また、現像ローラ402及び磁気ブラシローラ403はそれぞれ、図示しない回転駆動装置により図11の矢印b方向及びc方向に回転駆動され、トナー供給領域A2では両ローラの表面が互いに逆方向に移動するようになっている。本実施形態では、感光体ドラム1の線速200mm/sに対し、現像ローラ402を線速300mm/sで回転駆動している。また、トナー供給領域A2における現像ローラ402と磁気ブラシローラ403のスリーブとのギャップは0.6mmに設定した。
【0100】
さらに、現像ローラ402の軸部には、現像領域A1に現像電界を形成するための現像バイアスVbを印加する電源409が接続されている。また、磁気ブラシローラ403のスリーブ408には、トナー供給領域A2にトナー供給用電界を形成するためのトナー供給バイアスVsupを印加する電源410が接続されている。
【0101】
上述したような構成の現像装置4において、ケーシング401内に収容された現像剤12は、トナー10と磁性粒子11が混合されたものであり、攪拌・搬送部材404,405や磁気ブラシローラ403のスリーブ408の回転力、磁石部材407の磁力によって攪拌され、そのときに、トナー10に磁性粒子11との摩擦帯電により電荷が付与される。一方、磁気ブラシローラ403上に担持された現像剤12は規制ブレード406によって規制され、現像剤12の一定量がトナー供給バイアスで形成された電界等により、現像ローラ402に転移し、残りはケーシング401内に戻される。
【0102】
トナー供給領域A2では、磁気ブラシ中のトナーが分離されて現像ローラ402に転移し、薄層状のトナー10が担持される。そして、現像ローラ402上に担持された薄層状のトナー10は、現像ローラ402の回転により現像領域A1に搬送される。そして、上記現像バイアスで形成された現像電界により、感光体ドラム1上の静電潜像に選択的に付着し、静電潜像が顕像化される。
【0103】
ここで、現像ローラ402に供給される磁気ブラシローラ403上のトナーの帯電量と、現像ローラ402に薄層状に担持されたトナーの帯電量を、従来の一成分現像装置と比較して説明する。
【0104】
本実施の形態の現像装置においては、現像ローラ402上のトナーの粒径及び帯電量分布と画像品質との間に、以下に示すような関係があることがわかった。トナーの粒径及び帯電量分布の測定には、E−SPART ANALYZER(ホソカワミクロン株式会社製の分析装置であり、以下、「E−SPART分析装置」という。)を使用した。このE−SPART分析装置は、二重ビーム周波数偏移型レーザードップラー速度計と静電界中で粒子の動きを摂動させる弾性波とを用いた方法を採用し、現像ローラ402上のトナーにエアを吹き付けて飛ばし、電界中の動きを捉えることでトナー個々の粒径と帯電量のデータを得られるものである。本確認実験では3000個のトナーをサンプリングして分布の相違を見た。
【0105】
図14は、トナー供給領域A2に到達する直前の磁気ブラシローラ403上のトナーの帯電量個数分布(破線)と、現像ローラ402上に供給されたトナーの帯電量個数分布(実線)とを測定した実験結果を示している。図14に示す実験結果から、磁気ブラシローラ404から現像ローラ402にトナーが供給されるときに、ピークの帯電量が絶対値で高帯電側にシフトしていることが判る。このようにシフトすることにより、磁気ブラシローラ404を用いない従来の現像装置の場合と比較して地汚れに対する余裕度低減が少なく、地汚れに対する余裕度が維持できていることが分かる。
【0106】
また、本実施の形態によれば、磁気ブラシローラ403上の磁気ブラシ(二成分現像剤)から帯電済みのトナーのみを、現像ローラ402上に供給し担持させることができる。したがって、現像ローラ402上のトナーを薄層化すすためのブレードなどの接触部材で摩擦帯電する必要がなく、現像ローラ402上のトナーフィルミングや、現像ローラ及び接触部材の摩耗による現像特性の経時的な変化などの問題がなくなる。
【0107】
また、現像ローラ402上のトナーの帯電量分布と、磁気ブラシローラ上のトナーの帯電量分布とを異ならせている。このため、磁気ブラシローラ403上の摩擦帯電特性に制約等があって磁気ブラシローラ403上のトナーの帯電量分布が所望の分布でない場合でも、現像ローラ402上には所望の帯電量分布からなるトナーを担持することができる。したがって、地汚れや画像濃度不足(ドット抜け)のない高品質のトナー像を得ることができる。また、地汚れ防止により感光体ドラム1上の残留トナーの量が少なくなるので、感光体表面をクリーニングするクリーニング装置6の小型化を図ることができる。
【0108】
また、現像ローラ402上に担持したトナーの帯電量にバラツキが少なく、安定した帯電量分布を得ることができるので、特に2値プロセスで画像を形成する場合において安定した飽和現像が可能となる。したがって、地汚れや画像濃度不足(ドット抜け)に起因するザラツキがない画像を、安定して形成することができる。
【0109】
次に本発明の第4の実施の形態について説明する。この第4の実施の形態は請求項6,11に対応している。すなわち、添加剤のトナーへの付着状態により非静電的付着力を低減し、現像能力変動を防止することが可能であり、トナーの母体樹脂に無機物の添加剤を混入して保持させることが行われているが、この第4の実施の形態では、経時に於ける非静電的付着力を増加させないために添加剤を固定化し易いように大粒径添加剤もしくは添加量の規定を行っている。その一つの手段として、添加剤の固定化を行うことで、埋没を防止しようとしたものである。従来はトナー母体樹脂に0.05〜0.3μmの粒径を有するシリカ、酸化チタン等の無機微粒子を添加して表面に保持するのであるが、本実施の形態では微粒子の粒径の更に大きなものも添加する。具体的には0.8μm程度の粒径を有する酸化シリカを加える。トナーの質量に対して従来の小粒径の添加剤が酸化シリカ;0.8重量部、酸化チタン;0.6重量部、酸化シリカ(大粒径);0.5wt%を添加してトナー母体粒子に保持させる。この状態で通紙を行い、経時のトナー表面上の添加剤埋没ランクを比較すると図15のようになった。図15はトナー添加剤埋没ランクの時間変化における本発明の第4の実施の形態と従来例との比較を示すグラフである。ここで埋没ランクは添加剤のトナー樹脂に対する埋没状態をランク分けしたもので初期トナーはランク5になるが、経時で添加剤が完全に埋没してしまった状態では添加剤が見えず、ランク1となる。図15のグラフでは、従来のトナー母体に添加剤(従来の小粒径)を都合1.5重量部添加したもので、本発明では前記合計1.9重量部になる。粒径の大きな添加剤が存在することで、部材等の圧力による添加剤の押圧に対してトナー樹脂により入り込みにくくなるために前記の結果になったと考えられる。
【0110】
なお、上記各実施形態では、感光体ドラム1上に反転現像用の静電潜像を形成し、現像装置により該静電潜像を反転現像する場合について説明したが、本発明は、感光体ドラム1上に正規現像用の静電潜像を形成し、該静電潜像を正規現像する場合にも適用することができる。
【0111】
また、上記各実施形態では、感光体ドラム上に形成したトナー像を転写紙に直接転写する場合について説明したが、本発明は、感光体ドラム上のトナー像を一旦中間転写体に転写し、その後、該中間転写体上のトナー像を転写紙に転写する画像形成装置及びそれに用いる現像装置にも適用できるものである。
【0112】
例えば、一つの感光体ドラム上に各色ごとのトナー像を順次形成し、感光体ドラム上の各色トナー像を一次転写装置で中間転写体としての中間転写ベルトに重ね合わせて転写し、中間転写ベルト上の重ねトナー像を2次転写装置で転写紙に一括転写するカラー画像形成装置及び該装置に用いる現像装置にも適用することができる。
【0113】
また例えば、中間転写体としての中間転写ベルトの直線状の移動経路部分に沿って感光体ドラムを含む画像形成ユニットを複数組並べて配置し、各画像形成ユニットの感光体ドラム上に互いに異なる色のトナー像を形成し、各感光体ドラム上のトナー像を一次転写装置で該中間転写ベルト上に重ね合わせて転写し、中間転写ベルト上の重ねトナー像を2次転写装置で転写紙に一括転写するタンデム型のカラー画像形成装置及び該装置に用いる現像装置にも適用することができる。
【0114】
また、上記各実施形態では、プリンタ及びそれに用いる現像装置の場合について説明したが、本発明は、複写機やFAXなど他の画像形成装置及びそれに用いる現像装置にも適用できるものである。
【0115】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、像担持体の帯電電位の絶対値を250V以下にすることにより像担持体の長寿命化を図ることができ、かつ、現像剤担持体の表面に対するトナーの非静電的付着力を低減させているので、画像濃度の低下や画像濃度ムラを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るプリンタの全体概略構成図である。
【図2】図1の現像装置の概略構成図である。
【図3】現像剤の磁性粒子のダイナミック抵抗を測定する測定装置を説明するための図である。
【図4】現像領域における感光体ドラムの表面電位と現像バイアスとの関係を模式的に示す図である。
【図5】現像ローラのクリーニング機構を概略的に示す図である。
【図6】オイラー法による表面摩擦係数の測定法を模式的に示す図である。
【図7】現像ローラの表面摩擦係数の時間変化における本発明と従来例との比較を示すグラフである。
【図8】現像ローラ上の現像剤層のダイナミック抵抗の影響を示す模式図である
【図9】本発明の第2の実施の形態に係る現像装置の概略構成図である。
【図10】トナー帯電量に対するトナー個数分布を示すグラフである。
【図11】トナー粒径に対するトナー個数分布を示すグラフである。
【図12】本発明の第3の実施の形態に係る現像装置の概略構成図である。
【図13】図13は現像ローラの表層の体積抵抗率測定システムの説明図で、(a)はシステムの構成を示す図、(b)は現像ローラとベース板との間に形成されるニップを示す図である。
【図14】現像ローラ上のトナー帯電量分布の測定結果を示すグラフである。
【図15】トナー添加剤埋没ランクの時間変化における本発明の第4の実施の形態と従来例との比較を示すグラフである。
【図16】異なった値のダイナミック抵抗による現像特性の比較を示すグラフである。
【図17】比較的高ポテンシャルで現像を行う場合と比較的低ポテンシャルで現像を行う場合のトナー付着量の比較を示すグラフである。
【符号の説明】
1 感光体ドラム
2 帯電装置
3 露光装置
4 現像装置
5 転写装置
6 クリーニング装置
10 トナー
11 磁性粒子
12 現像剤
402 現像ローラ
403 磁気ブラシローラ
404,405 攪拌・搬送部材
406,413 規制ブレード
407,422 磁石部材
408,421 スリーブ
409 電源(現像バイアス用)
410 電源(トナー供給バイアス用)
411 アジテータ
412 供給ローラ
423 ドクタ
A1 現像領域
A2 トナー供給領域

Claims (12)

  1. 像担持体を均一に帯電し、光学系により露光することにより静電潜像を形成し、現像剤を担持した現像剤担持体を対向させて現像し、この顕像化された画像を転写材に転写する画像形成方法において、
    前記像担持体の未露光の電位をVD、露光後の電位をVL、現像バイアス電圧をVBとすると、
    0<|VD|−|VB|<|VD−VL|<250V
    を満たすように各電位を制御し、且つ現像剤担持体の表面に対する前記現像剤の非静電的付着力を低減させることを特徴とする画像形成方法。
  2. 像担持体を均一に帯電し、光学系により露光することにより静電潜像を形成し、現像剤を担持した現像剤担持体を対向させて現像し、この顕像化された画像を転写材に転写する画像形成装置において、
    前記像担持体の未露光の電位をVD、露光後の電位をVL、現像バイアス電圧をVBとすると、
    0<|VD|−|VB|<|VD−VL|<250V
    を満すように各電位を制御する現像バイアス印加手段と、
    前記現像剤担持体の表面に対する前記現像剤の非静電的付着力を低減する手段と、
    を備えていることを特徴とする画像形成装置。
  3. 前記低減する手段は、前記現像剤担持体の摩擦係数を0.1〜0.4の範囲に設定することにより構成されていることを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。
  4. 前記低減する手段は、現像後の前記現像剤担持体から前記現像剤を掻き取り、潤滑剤を塗布する手段で構成されていることを特徴とする請求項2または3に記載の画像形成装置。
  5. 前記低減する手段は、前記現像剤に粒径範囲が0.05〜0.8μmの無機微粒子を含有させることにより構成されていることを特徴とする請求項2ないし4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  6. 前記低減する手段は、前記現像剤に球形度95%以上の球形トナーを使用することで構成されていることを特徴とする請求項2ないし5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  7. 前記低減する手段は、前記現像剤の粒径範囲を4〜6μmに設定することで構成されていることを特徴とする請求項2ないし6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  8. 前記低減する手段は、前記像担持体の摩擦係数をμPC、前記現像剤担持体の摩擦係数をμDRとすると
    μPC<μDR
    の関係を満たすように設定することにより構成されていることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  9. 前記低減する手段は、金属フィラー含有の樹脂で前記現像剤担持体の表層を形成することにより構成されていることを特徴とする請求2ないし8のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  10. 前記低減する手段は、前記現像剤に対して無機微粒子を被着させ、その被覆率の範囲を50%以上に設定することで構成されていることを特徴とする請求項2ないし9のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  11. 前記低減する手段は、前記現像剤担持体の表層部の帯電極性を前記現像剤と同一の極性にすることで構成されていることを特徴とする請求項2ないし10のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  12. 前記光学系が書き込み色ごとに設けられ、各色ごとに現像剤を担持した現像剤担持体を対向させて現像し、この顕像化された画像を転写材に転写し、カラー画像を形成することを特徴とする請求項2ないし11のいずれか1項に記載の画像形成装置。
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