JP4980519B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機、プリンター、FAXなどの画像形成装置に係り、詳しくは、潜像担持体上に形成したトナー像を転写材に電界転写する画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の画像形成装置では、潜像担持体の表面を一様に帯電した後、画像情報に基づいて潜像担持体の表面に光を選択的に照射することにより、潜像担持体上に潜像が形成される。この潜像は、トナーと磁性粒子とを含む二成分現像剤を用いる二成分現像装置や、トナーを一成分現像剤として用いる一成分現像装置によって現像された後、転写装置によって転写材や中間転写体に転写される。
このような画像形成装置で用いる転写装置としては、潜像担持体から転写材にトナー像を転写する転写領域で転写材を介して潜像担持体の表面に対向するように転写ローラ等の転写部材を配置し、この転写部材に定電圧制御された転写バイアスを印加することにより転写部材と潜像担持体との間に転写電界を形成するものが知られている。この転写電界の作用により、潜像担持体上のトナー像が転写材や中間転写体の表面に転移して転写される。この転写の際に転写部材に印加される転写バイアスとしては、通常1.5kV〜2kV程度の電圧が印加されていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記従来の画像形成装置では、1.5kV〜2kV程度の比較的高い転写バイアスが転写部材に印加されていたので、上記転写領域の近傍で転写材や中間転写体が潜像担持体上のトナー像に接触する前に、潜像担持体と転写部材との間で放電し、「転写チリ」が発生するおそれがあるという問題点があった。
この転写チリを防止するために、転写バイアスの絶対値を小さくすることが考えられる。しかしながら、単に転写バイアスの絶対値を小さくすると、所定の転写効率を確保することが難しくなるという問題点があった。転写バイアスの絶対値を下げると、地肌部と転写部材との間の電位差に対する画像部と転写部材との間の電位差の比が小さくなる。このため、例えば画像部と地肌部とが混在した部分が転写領域に通過するときに、転写領域を流れる電流のうち画像部を流れる電流の比率が減少し、これにより、転写効率が低下するものと考えられる。
【0004】
本発明は以上の背景のもとでなされたものであり、その目的は、潜像担持体の帯電電位を下げることにより潜像担持体の長寿命化を図るとともに、所定の転写効率を確保しつつ転写チリを防止することができる画像形成装置を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、潜像担持体と、該潜像担持体の表面を一様に帯電し画像情報に基づいて該表面の電位を選択的に低下させることにより該潜像担持体上に潜像を形成する潜像形成手段と、一成分現像剤を使用し、トナー担持体上にトナー層を形成し、該トナー担持体上のトナー層を該潜像担持体と接触させるように搬送することにより、該潜像担持体上の潜像を現像する接触一成分現像を行う現像装置と、該潜像担持体上のトナー像を転写材に電界転写する転写装置とを備え、該転写装置を、該潜像担持体から該転写材にトナー像を転写する転写領域で該転写材を介して該潜像担持体の表面に対向するように配置された転写部材と、転写バイアスを該転写部材に印加する転写バイアス印加手段とを用いて構成した画像形成装置において、該潜像担持体の帯電電位の絶対値が400V以下であり、該トナーの平均帯電量の絶対値が5μC/g以上且つ25μC/g以下であり、該転写バイアスの絶対値が400V以上且つ1000V以下であり、画像濃度が最大となるときの現像ポテンシャル値|VB−VL|max が300V以下であり、前記トナー担持体と前記潜像担持体とが対向している現像領域における該潜像担持体表面と該トナー担持体表面との間に形成される現像寄与トナー存在領域のトナー層の単位面積あたりの静電容量C TL が、該潜像担持体の感光層の単位面積あたりの静電容量C PC よりも大きいことを特徴とするものである。
【0006】
請求項1の画像形成装置では、潜像担持体の帯電電位の絶対値を400V以下にすることにより、潜像担持体における通電電荷量を低減し、潜像担持体の長寿命化を図る。また、トナーの平均帯電量の絶対値を5μC/g以上にすることにより、現像能力の著しい低下を抑えるとともに、トナーの帯電不足による地汚れを防止する。さらに、トナーの平均帯電量の絶対値を25μC/g以下にすることにより、現像能力を高め、帯電電位の絶対値を400V以下にした場合でも所定の現像特性が得られるようにする。
そして、転写バイアスの絶対値を1000V以下にすることにより、転写部材と潜像担持体との間の異常放電を抑制し、転写チリを防止する。ここで、転写バイアスの絶対値を下げると転写効率が低下する傾向がある。そこで、この転写効率の低下を防止するために、前述のようにトナーの平均帯電量の絶対値を25μC/g以下にすることにより転写領域でトナーが静電的に転移しやすいようにする。さらに、転写バイアスの絶対値を400V以上にすることと、前述のように潜像担持体の帯電電位の絶対値を400V以下にすることを組み合わせることにより、潜像担持体上の地肌部と転写部材との間の電位差に対する画像部と転写部材との間の電位差の比が小さくなるのを回避する。これらにより、転写材へ転写するときの転写効率の低下を抑える。
更に、上記現像領域における現像寄与トナー存在領域の単位面積あたりの静電容量C TL を、潜像担持体の感光層の単位面積あたりの静電容量C PC よりも大きくすることにより、潜像担持体の感光体層上に形成された潜像のトナー付着部の周辺におけるトナーを感光層側に引き付ける向きの縁端電界の強度を、現像時のエッジ効果を視認できない程度まで弱める。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を、画像形成装置としての電子写真式レーザプリンタ(以下「プリンタ」という。)に適用した実施形態について説明する。
〔実施形態1〕
まず、本発明の第1の実施形態に係るプリンタの全体の概略構成及び動作について説明する。
図2は、本実施形態のプリンタの全体の概略構成図である。このプリンタは、潜像担持体としての感光体ドラム1の周辺に、感光体ドラム1の表面を一様帯電する帯電装置2、画像情報に基づいて変調されたレーザー光線等を感光体ドラム1に照射する露光装置3、感光体ドラム1に形成された静電潜像に対し現像ローラ402上の帯電トナーを付着させることでトナー像を形成する二成分現像方式の現像装置4、感光体ドラム1上に形成されたトナー像を転写材としての転写紙20に転写する転写装置5、転写後に感光体ドラム1上に残ったトナーを除去するクリーニング装置6等が順に配設されている。また、感光体ドラム1上に静電潜像を形成する潜像形成手段は、上記帯電装置2及び露光装置3により構成されている。
また、図示しない給紙トレイ等から転写紙を給紙・搬送する図示しない給紙搬送装置と、転写装置5で転写されたトナー像を転写紙20に定着する図示しない定着装置とが備えられている。
【0024】
上記転写装置5は、感光体ドラム1から転写紙20にトナー像を転写する転写領域で転写紙を介して感光体ドラム1の表面に対向するように配置された転写部材としての転写ローラ501と、転写ローラ501に所定の転写バイアスを印加する転写バイアス印加手段としての転写バイアス電源502とを用いて構成されている。この転写バイアス電源502は、定電圧制御された転写バイアスVが転写ローラ501に印加できるように構成されている。
また、本実施形態においては、90%以上の転写効率を確保しつつ転写チリを防止するために、転写バイアスVの絶対値を400V〜1000Vの範囲内に設定している。
【0025】
なお、上記プリンタを構成する複数の装置の一部は、プリンタ本体に対して着脱可能に一体構造物として構成した画像形成プロセスユニット(以下「プロセスカートリッジ」という。)であってもよい。
図3は、感光体ドラム1と帯電装置2と現像装置4とクリーニング装置6とを、プリンタ本体に対して着脱可能に一体構造物として構成したプロセスカートリッジを示している。このようにプロセスカートリッジを装置本体に対して着脱可能に構成することにより、感光体ドラム1等を個別に交換することができる。
特に、現像装置がプロセスカートリッジに含まれない場合には、寿命が一致しない感光体ドラム1と現像装置とをそれぞれ別々に容易に交換することが可能となる。また、非現像時に現像装置の現像ローラを感光体ドラムから離間するように退避させることが可能となるので、現像ローラへのトナーフィルミングの促進が低減され、更に現像装置の寿命を延ばすことができる。
【0026】
上記構成のプリンタにおいて、図1(a)に示すように、矢印a方向に回転する感光体ドラム1の表面は、帯電装置2で所定の帯電電位V(絶対値で400V以下の帯電電位)に一様帯電された後、画像情報に基づいて変調されたレーザー光線が感光体軸方向にスキャンされて照射される。このレーザ光の照射により、感光体ドラム1の表面電位を選択的に露光後電位Vまで低下させ、感光体ドラム1上に静電潜像が形成される。
感光体ドラム1上に形成された静電潜像は、現像領域A1において、現像装置4の所定の現像バイアスVが印加された現像剤担持体としての現像ローラ402により供給された帯電トナーを付着させることで現像され、トナー像となる。
一方、転写紙20は図示しない給紙搬送装置で給紙・搬送され、レジストローラ7により所定のタイミングで感光体ドラム1と転写装置5の転写ローラ501とが対向する転写領域に送出・搬送される。そして、図1(b)に示す所定の転写バイアスVが印加された転写ローラ501により、転写紙20に感光体ドラム1上のトナー像とは逆極性の電荷が付与され、感光体ドラム1上に形成されたトナー像が転写紙20に電界転写される。なお、図1(b)中の「VGT」及び「VIT」はそれぞれ、転写領域に進入するときの感光体ドラム1の地肌部の電位及びトナーが付着している画像部(トナー像)の電位である。また、図中の「V−V」の絶対値は、露光の有無における電位の差異を示す「露光ポテンシャル」である。また、「V−V」の絶対値は、現像領域における実質的な現像電位差を示す「現像ポテンシャル」であり、「V−V」の絶対値は、地肌部(未露光部)と現像バイアスとの電位差を示す「地肌ポテンシャル」である。
次いで、上記トナー像が転写された転写紙20は、感光体ドラム1から分離され、図示しない定着装置に送られ、定着装置でトナー像が定着された転写紙20が出力される。転写装置5でトナー像が転写された後の感光体ドラム1の表面は、クリーニング装置6でクリーニングされ、感光体ドラム1上に残ったトナーが除去される。
【0027】
次に、本実施形態のプリンタの各部構成の詳細について説明する。
上記感光体ドラム1は、図4に示すように、接地された導電性基体(例えば、アルミ等の素管)上に、感光性を有する無機又は有機感光体を塗布することにより感光層1Pを形成したものである。この感光層1Pは、電荷発生層1Paと電荷輸送層1Pbとにより構成され、上記帯電装置2により表面が負極性に一様帯電される。なお、潜像担持体としては、厚みの比較的薄いポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ニッケル等に感光層を形成したベルト感光体を使用することも可能である。また、本実施形態では負極性に一様帯電する感光体ドラム1を使用しているが、トナーの帯電極性等との関係を考慮し必要に応じて正極性に一様帯電するものを使用してもよい。
【0028】
本実施形態では、上記感光層1Pの単位面積当たりの静電容量CPCを80pF/cm以上に設定している。これにより、感光層1Pの表面に所定電荷量のトナー像を担持するための表面電位を低減している。また、感光層の1Pの厚さは5μm以上に設定し、耐久性を向上させている。
【0029】
図5は、現像装置4の概略構成図である。この現像装置4は、ケーシング401の感光体ドラム側の開口から一部露出するように、トナー担持体としての現像ローラ420が配設されている。ケーシング401内のトナー10と磁性粒子11とを含む二成分現像剤(以下「現像剤」という。)12は、図示しない現像剤撹拌部材や現像ローラ420のスリーブ421の回転力及び磁石部材422の磁力によって撹拌される。この撹拌の際に、トナー10は磁性粒子11との摩擦帯電によって電荷が付与され、現像剤の一部が現像ローラ420上に担持される。
現像ローラ420上に担持された現像剤12は、現像剤規制部材としてのドクタ423で層厚が規制され、一定量の現像剤12が現像ローラ420に担持されて現像領域A1に搬送され、残りはケーシング内に戻される。現像領域A1に搬送された現像剤12中のトナー10が、現像ローラ420と感光体ドラム1との間に形成される現像電界によって感光体ドラム表面に転移し、感光体ドラム1上の静電潜像が現像される。
【0030】
上記現像ローラ420は、複数の磁極を有する磁石部材422を内蔵した非磁性の回転可能なスリーブ421で構成されている。磁石部材422は固定配置され、現像剤12がスリーブ421上の所定箇所を通過するときに磁力が作用するようになっている。現像ローラ420の直径は10〜30mmが好適であり、現像ローラ420の表面は、サンドブラスト若しくは1〜数mmの深さを有する複数の溝を形成する処理を行い、表面粗さRz(十点平均粗さ)が10〜20μmの範囲内に入るようにするのが好ましい。
【0031】
また、現像ローラ420のスリーブ421は、図示しない回転駆動装置により矢印b方向に回転駆動され、現像領域A1で現像電界を形成するための現像バイアス電圧Vを印加する電源409が接続されている。
【0032】
現像ローラ420に内蔵された磁石部材422は、ドクタ423による規制箇所から現像ローラ回転方向にN極(N1)、S極(S1)、N極(N2)、S極(S2)の4つの磁極を有する。なお、磁石部材422の磁極の配置は、図5の構成に限定されるものではなく、現像ローラ420の周囲のドクタ423等の配置に応じて他の配置に設定してもよい。また、図5の現像装置の例では磁石部材422を固定配置しスリーブ421を回転駆動するように構成したが、スリーブ421を固定配置しその内側のローラ状の磁石部材を回転させるように構成してもよい。
上記磁石部材422の磁力により、スリーブ421上にトナー10及び磁性粒子11からなる現像剤12がブラシ状に担持される。そして、現像ローラ420上の磁気ブラシ中のトナー10は、磁性粒子11と混合されることで規定の帯電量を得る。
【0033】
この現像ローラ420上に担持される現像剤中のトナーの平均帯電量は、−5〜−25[μC/g]の範囲が好適である。トナーの平均帯電量を絶対値で5[μC/g]以上に設定することにより、現像能力の著しい低下を抑えるとともに、トナーの帯電不足による地汚れを防止することができる。また、トナーの平均帯電量を絶対値で25[μC/g]以下に設定することにより、現像能力を高めて帯電電位の絶対値を400V以下にした場合でも所定の現像特性が得られるようにするとともに、転写領域でトナーが静電的に転移しやすいようにして所定の転写効率が得られるようにする。
【0034】
また、本実施形態では、ドクタ423とスリーブ421との間の最近接部における間隔が500μmに設定され、ドクタ423に対向した磁石部材422の磁極N1が、規制ブレード406との対向位置よりも現像ローラ回転方向上流側に数度傾斜して位置している。これにより、ケーシング401内における現像剤12の循環流を容易に形成することができる。この磁極N1の傾斜角度は0〜15度が好適である。
【0035】
なお、本実施形態のより具体的な実施例では、感光体ドラム1の直径を50mm、感光体ドラム1の線速を200mm/s、スリーブ421の直径を18mm、スリーブ421の線速を240mm/sに設定した。スリーブ421上のトナー帯電量は−10〜−25μC/gの範囲である。また、感光体ドラム1とスリーブ421の間隙である現像ギャップGPは0.8mm〜0.4mmの範囲内で設定した。このように現像ギャップGPを従来の装置よりも小さくすることにより、現像効率の向上を図っている。
【0036】
上記現像剤12を構成するトナー10は、ポリエステル、ポリオ−ル、スチレンアクリル等の樹脂に帯電制御剤(CCA)及び色剤を混合したものであり、その周りにシリカ、酸化チタン等の外添剤を添加することで流動性を高めている。添加剤の粒径は通常0.1〜1.5μmの範囲である。色剤としてはカーボンブラック、フタロシアニンブルー、キナクリドン、カーミン等を挙げることができる。また、トナー10としては、ワックス等を分散混合させた母体トナーに上記種類の添加剤を外添しているものも使用することもできる。
【0037】
上記トナー10は、磁性体を含有させて磁性トナーとしても使用することもできる。具体的な磁性体としては、マグネタイト、ヘマタイト、フェライト等の酸化鉄、コバルト、ニッケルのような金属あるいはこれら金属とアルミニウム、銅、鉛、マグネシウム、スズ、亜鉛、アンチモン、ベリリウム、ビスマス、カドミウム、カルシウム、マンガン、セレン、チタン、タングステン、バナジウムのような金属との合金及びその混合物等が挙げられる。これらの磁性体は平均粒径が0.1〜2μm程度のものが望ましく、このときの磁性体の含有量は、結着樹脂100質量部に対して20〜200質量部、特に好ましくは結着樹脂100質量部に対して40〜150質量部である。
【0038】
上記添加剤としては、従来公知のものが使用できるが、具体的には、Si,Ti,Al,Mg,Ca,Sr,Ba,In,Ga,Ni,Mn,W,Fe,Co,Zn,Cr,Mo,Cu,Ag,V,Zr等の酸化物や複合酸化物等が挙げられ、特にSi,Ti,Alの酸化物であるシリカ、チタニア、アルミナが好適に用いられる。
また、このときの添加剤の添加量は、母体粒子100質量部に対して0.5〜1.8質量部であることが好ましく、特に好ましくは、0.7〜1.5質量部である。
添加剤の添加量が0.5質量部未満であると、トナーの流動性が低下するため、十分な帯電性が得られず、また、転写性や耐熱保存性も不十分となり、また、地汚れやトナー飛散の原因にもなりやすい。
一方、添加剤の添加量が1.8質量部よりも多いと、流動性は向上するものの、ビビリ、ブレードめくれ等の感光体クリーニング不良や、トナーから遊離した添加剤による感光体ドラム1等へのフィルミングが生じやすくなり、クリーニングブレードや感光体ドラム等の耐久性が低下し、定着性も悪化する。また、細線部におけるトナーのチリが発生しやすくなり、特に、フルカラー画像における細線の出力の場合には、少なくとも2色以上のトナーを重ねる必要があり、付着量が増えるため、特にその傾向が顕著である。さらに、カラートナーとして用いる場合には、添加剤が多く含有されていると、透明シートに形成されたトナー画像をオーバーヘッドプロジェクターで投影した場合に投影像にかげりが生じ、鮮明な投影像が得られにくくなる。
【0039】
上記添加剤の含有量の測定には種々の方法があるが、蛍光X線分析法で求めるのが一般的である。すなわち、添加剤の含有量既知のトナーについて、蛍光X線分析法で検量線を作成し、この検量線を用いて、添加剤の含有量を求めることができる。
【0040】
さらに、本実施形態に用いられる添加剤は、必要に応じ、疎水化、流動性向上、帯電性制御等の目的で、表面処理を施されていることが好ましい。
ここで、表面処理に用いる処理剤としては、有機系シラン化合物等が好ましく、例えば、メチルトリクロロシラン、オクチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン等のアルキルクロロシラン類、ジメチルジメトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン等のアルキルメトキシシラン類、ヘキサメチルジシラザン、シリコーンオイル等が挙げられる。また、処理方法としては、有機シラン化合物を含有する溶液中に添加剤を漬積し乾燥させる方法、添加剤に有機シラン化合物を含有する溶液を噴霧し乾燥させる方法等があるが、本実施形態においては、いずれの方法も好適に用いることができる。
【0041】
トナー10の体積平均粒径は3〜12μmの範囲が好適である。本実施形態で用いたトナー10の体積平均粒径は5μmであり、1200dpi以上の高解像度の画像にも十分対応することが可能である。また、本実施形態では、帯電極性が負極性のトナー10を使用しているが、感光体ドラム1の帯電極性などに応じて帯電極性が正極性のトナーを使用してもよい。
【0042】
上記トナーの粒径及び帯電量分布の測定には、ホソカワミクロン株式会社製の分析装置(商品名:「E−SPART ANALYZER」)を使用した。この分析装置は、二重ビーム周波数偏移型レーザードップラー速度計と静電界中で粒子の動きを摂動させる弾性波とを用いた方法を採用し、現像ローラ402上のトナーにエアを吹き付けて飛ばし、電界中の動きを捉えることでトナー個々の粒径と帯電量のデータを得られるものである。
【0043】
上記磁性粒子11は金属もしくは樹脂をコアとしてフェライト等の磁性材料を含有し、表層はシリコン樹脂等で被覆されたものである。磁性粒子11の粒径は20〜50μmの範囲が好適である。また、磁性粒子11の電気抵抗は、ダイナミック抵抗DRで10〜10Ωの範囲が好適である。
【0044】
上記磁性粒子11のダイナミック抵抗DRの測定は、図6に示す測定装置を用いて次のように行った。まず、接地した台座200の上方に、固定磁石を所定位置に内蔵した直径φ20mmの回転可能なスリーブ201をセットする。このスリーブ201の表面には、幅W=65mm及び長さL=0.5〜1mmの対向面積を有する対向電極(ドクタ)202を、ギャップg=0.9mmで対向させる。次に、スリーブ201を回転速度600rpm(線速628[mm/sec])で回転駆動し始める。そして、回転しているスリーブ201上に測定対象の磁性粒子を所定量(14g)だけ担持させ、該スリーブ201の回転により該磁性粒子を10分間攪拌する。次に、スリーブ201に電圧を印加しない状態で、スリーブ201と対向電極202との間を流れる電流Ioff[A]を電流計203で測定する。次に、直流電源204からスリーブ201に耐圧上限レベル(高抵抗シリコンコートキャリアでは400Vから鉄粉キャリアでは数V)の印加電圧EVを5分間印加する。本実施形態では200Vを印加した。そして、電圧Eを印加した状態でスリーブ201と対向電極202との間を流れる電流Ion[A]を電流計203で測定する。これらの測定結果から、次式を用いてダイナミック抵抗DR[Ω]を算出する。
【0045】
【数1】
DR=E/(Ion−Ioff)
【0046】
上記構成の現像装置4においてネガポジ現像方式を採用した場合、地肌部が現像されないように、現像バイアスVの絶対値|V|は帯電電位Vの絶対値|V|よりも小さく設定される。また、画像濃度と地肌汚れのバランスが取れるように、地肌ポテンシャル|V−V|は少なくとも現像ポテンシャル|V−V|より小さくなるように設定される。
【0047】
上記3つの地肌ポテンシャル|V−V|、現像ポテンシャル|V−V|及び露光ポテンシャル|V−V|は、最終的な画像特性の一つである画像濃度に影響を与えるため、現像プロセスの諸条件を設定するときに特に重要なパラメータである。
図7は一般的には「四限チャート」と呼ばれるグラフである。図7の第1象限は現像ポテンシャルと画像濃度IDとの関係を示している。第2象限はトナー付着量と画像濃度IDとの関係を示し、ここではトナーの着色度が大きく関係する。特性的にはほぼ線形になるが、規定の画像濃度になるときのトナー付着量がトナー着色度によって大きく異なる。第3象限はそのままトナーの付着量である。第4象限は現像ポテンシャルとトナー付着量との関係を示し、一般的にはm−ID特性と呼ばれる、現像ポテンシャルに対するトナー付着量の関係を表している。
図7の第1象限のグラフより、現像ポテンシャルが決まると画像濃度IDが一義的に決まり、現像ポテンシャルが変動すると画像濃度IDも変動することがわかる。実際の画像形成プロセスでは、▲1▼帯電装置で帯電する感光体ドラムの帯電電位の変動によるもの、▲2▼感光体ドラムの光疲労による露光後電位Vの上昇(見かけの感度低下)によるもの、▲3▼露光量の変動、▲4▼現像バイアス変動によるもの、▲5▼1枚の画像中で部分的に画像濃度が低下する「ムラ」と呼ばれるもの、などがある。特に、本実施形態で規定している現像ポテンシャルの最大設定値|V−V|max (≦300V)の近傍の領域では、画像濃度が最大となる最高濃度領域であるので、画像濃度IDの変動はこの最高濃度での変動となって現れる。画像形成装置では最高濃度が変動すると、画像品質が劣化することとなり、大きな問題である。また上記「ムラ」に対しても、その影響が大きくなる。
【0048】
そこで、本実施形態では、現像ポテンシャル|V−V|が次の(1)〜(3)式で示す範囲内で変化するときの画像濃度IDの変化幅が、目標の最大画像濃度の10%以下になるように、現像条件を設定することにより、画像濃度IDの安定性を得ている。
【数2】
|V−V|≦|V−V|max+|V−V|max×0.2 (1)
|V−V|≧|V−V|max−|V−V|max×0.2 (2)
|V−V|max≦300V (3)
【0049】
本実施形態のプリンタでは、例えば感光体ドラム1の露光前の帯電電位Vを−350V、露光後電位Vを−50V、現像バイアス電圧Vを−250Vに設定し、上記現像ポテンシャル|V−V|の最大設定値|V−V|max が200Vという条件下で現像工程が行われるものである。このとき、露光ポテンシャル(|V−V|=300V)は、感光体の露光部分とそうで無い部分との間の放電を回避するために、図8に示すパッシェンの法則に基づいて設定されたものである。
【0050】
上記画像濃度IDは、現像の後、転写及び定着の工程を経て転写紙上に画像として形成された画像に対する反射濃度である。反射濃度IDは−log(X/Xm)で算出される。ここで、「X」は画像から反射される光量であり、「Xm」はバックグラウンドから反射される光量である。
【0051】
図9は、本実施形態のより具体的な実施例のプリンタについて測定した現像ポテンシャル|V−V|と画像濃度IDとの関係の測定結果を、比較例1,2とともに示している。本実施例1において、画像形成するときの現像ポテンシャルの最大設定値|V−V|max は250Vである。また、本実施例1及び比較例におけるトナーの平均帯電量及び現像ギャップは表1のとおりである。本実施例1では、比較例に比して、トナー帯電量が低く且つ現像ギャップが狭い条件になっている。
【表1】
Figure 0004980519
【0052】
図9からわかるように、本実施例1では、現像ポテンシャルが200Vのときに画像濃度IDが2.0、250Vのときに2.1、300Vのときに2.15であり、現像ポテンシャルが前述の規定の範囲内(200V〜300V)にある条件下において、画像濃度IDの変動幅が0.15であって現像ポテンシャルの最大設定値|V−V|max =250Vに対する画像濃度ID(2.1)の10%=0.21以下になっている。別の見方をすると、現像ポテンシャルが前述の規定の範囲内(200V〜300V)にある条件下において、画像濃度IDの変動幅が、人間が濃度ムラとして感じる、現像ポテンシャルの最大設定値|V−V|max =250Vに対する画像濃度ID(2.1)の±0.1すなわち2.0〜2.2の範囲内に入っていると言える。
従って、現像ポテンシャルが何らかの原因で50V程度変化したとしても、画像濃度IDの変動が上記所定範囲内に抑えられるため、画像濃度IDの低下や画像濃度ムラが視認されない。実際に画像濃度変動を評価したところ、画像濃度の変動ムラが少ない良好な結果が得られた。
【0053】
これに対し、現像ギャップが広い比較例1やトナー帯電量が高い比較例2では、現像ポテンシャルに対する画像濃度IDの変化の度合いを示す現像特性曲線の傾きが小さくなり、現像ポテンシャルの最大設定値|V−V|max において十分飽和に近い状態になく画像濃度が変動しやすくなっている。このため、現像ポテンシャルが前述の規定の範囲内(200V〜300V)にある条件下において、画像濃度IDの変動幅が、比較例1では、現像ポテンシャルが200Vのときに画像濃度IDが0.7、250Vのときに1.0、300Vのときに1.2であり、現像ポテンシャルが前述の規定の範囲内(200V〜300V)にある条件下において、画像濃度IDの変動幅が0.5であって現像ポテンシャルの最大設定値|V−V|max =250Vに対する画像濃度ID(1.0)の10%=0.1以上になっている。また、比較例2では、現像ポテンシャルが200Vのときに画像濃度IDが0.55、250Vのときに0.75、300Vのときに0.9であり、画像濃度IDの変動幅が0.45であって現像ポテンシャルの最大設定値|V−V|max =250Vに対する画像濃度ID(0.75)の10%=0.075以上になっている。
従って、現像ポテンシャルが50V程度変化すると、画像濃度IDが大きく変動することにより、視認できる程度の画像濃度IDの低下や画像濃度ムラによる画質低下が発生してしまう。これらの比較例1,2についても本実施例1と同様に、実際に画像濃度変動を評価したところ、画像濃度の変動ムラが観察された。
【0054】
以上、本実施形態によれば、感光体ドラム1の帯電電位Vの絶対値を400V以下にすることにより、感光体ドラム1の感光層における通電電荷量を低減し、感光体ドラム1の長寿命化を図ることができる。
また、現像装置4で用いるトナーの平均帯電量の絶対値を5μC/g〜25μC/gの範囲内に設定することにより、帯電電位の絶対値を400V以下にした場合でも所定の現像特性が得られるように所定の現像能力を確保しつつ、トナーの帯電不足による地汚れを防止することができる。
また、転写バイアスVの絶対値を1000V以下にすることにより、転写領域の上流側における転写ローラ501と感光体ドラム1との間の異常放電を抑制し、転写チリを防止することができる。
さらに、トナーの平均帯電量の絶対値を25μC/g以下に規定することにより転写領域でトナーが静電的に転移しやすいようにすることにより転写効率の向上を図っている。そして、転写バイアスVの絶対値を400V以上に設定するとともに、感光体ドラム1の帯電電位Vの絶対値を400V以下に設定することにより、感光体ドラム1上の地肌部電位VGTと転写バイアスVとの間の電位差βに対する画像部電位VITと転写バイアスVとの間の電位差αの比が小さくなるのを回避し(図1(b)参照)、転写効率の低下を抑えることができる。
【0055】
なお、上記実施形態の現像装置で使用するトナーとしては、投影法で測定した球形度(SF係数)が95%以上の球形トナーが好ましい。この球形トナーは、例えば、重合法や、ウレア結合で変成されたポリエステルを少なくともトナーバインダーとして含有させる方法などで作製することができる。このような球形度を有するトナーは添加剤の被覆率も極めて高い。
【0056】
図10は、平均粒径6μmの上記球形トナーを現像ローラ420上に担持したときのトナー帯電量に対する個数分布を示すグラフである。図10中の曲線C1が球形トナーの帯電量個数分布であり、曲線C2は比較例として挙げた従来の粉砕トナーの帯電量個数分布である。
この図10の結果からわかるように、球形トナーの帯電量個数分布プロファイルは、従来の粉砕トナーよりもシャープになっている。球形トナーの帯電量個数分布プロファイルにおける半値幅は、1.7[fC/10μm]であった。
なお、図10のデータは、後述のE−SPART分析装置で測定したものである。また、各トナーにおいて電荷がトナー全体にわたって均一に存在するならば、トナー帯電量はトナー粒径の3乗に比例するが、実際にはトナー粒径そのものに比例している。このようにトナー帯電量とトナー粒径とが比例関係にあるため、図10では、トナーの帯電量qを粒径dで除した値、すなわちトナー粒径の影響をなくした(q/d)の値についてトナーの個数分布をプロットしている。
【0057】
図11は、上記平均粒径6μmの球形トナーを現像ローラ420上に担持したときのトナー粒径に対する個数分布を示すグラフである。図11中の曲線C1が球形トナーの粒径個数分布であり、曲線C2は比較例として挙げた従来の粉砕トナーの粒径個数分布である。なお、図11のデータも後述のE−SPART分析装置で測定したものである。この図11の結果からわかるように、球形トナーの粒径個数分布プロファイルについても、従来の粉砕トナーよりシャープになっている。
【0058】
上記トナー帯電量やトナー粒径の個数分布プロファイルにおけるシャープさに関する指標は一般には半値幅で表され、その値が小さい方がシャープである。一般にトナー帯電量の個数分布プロファイルがシャープであると、平均値に近い帯電量の値q/dを有するトナーが多く存在することになり、各トナーの現像能力がほぼ同じになることから、均一な現像が達成できる。一方、トナー帯電量の個数分布プロファイルがブロードになると、存在するトナーの帯電量の範囲が広がり、各トナーの現像能力の範囲も広がることから、現像量の変動が生じてしまうとともに、低帯電量側のトナーが増加すると地汚れが発生しやすくなる。地汚れを経時で比較すると、上記球形トナーは帯電量分布の変化が少ないので、プリント枚数が200k枚でも問題なかった。これに対し、従来の粉砕トナーを用いた場合は、140k枚で地汚れが顕著となり、画像品質の著しい劣化が認められた。
【0059】
また、プリント枚数が150k枚の経時において、トナー帯電量の個数分布プロファイルの半値幅を求めたところ1.9[fC/10μm]であり、初期の半値幅1.7[fC/10μm]からほとんど変化がなかった。
一方、従来の粉砕トナーを使用したときの初期とプリント枚数が150k枚の経時において、トナー帯電量の個数分布プロファイルの半値幅を求めたところそれぞれ2.7[fC/10μm]及び3[fC/10μm]であった。経時において、現像装置内の現像剤が撹拌部材で撹拌されたり、感光体表面のクリーニング時にトナーがクリーニング部材であるブレードと感光体ドラム1との間に挟まれたりすると、トナーに加わる押圧力によりトナーが粉砕され易くなる。このため、平均粒径に対して小粒径のトナーの存在比が増加したり、さらに小粒径トナーが別のトナーに付着して2次粒子的になって大粒径トナーとして存在したりすることにより、トナー帯電量q/dの個数分布プロファイルがブロード化すると考えられる。
【0060】
図12は上記トナー帯電量q/dの個数分布プロファイルの半値幅と地汚れΔIDとの関係を示すグラフである。なお、図中の地汚れΔIDは、未現像の転写紙に対する反射濃度の差である。
この図12から、上記半値幅が2.2[fC/10μm]を超えると、地汚れΔIDの限界値0.08を超えてしまうことが分かる。従って、上記球形トナーを用いた場合は、経時においても2.2[fC/10μm]よりも小さい1.9[fC/10μm]までしか上昇せず、十分な帯電量を維持することができるので、地汚れが発生しにくい。これに対し、従来の粉砕トナーを用いた場合は、経時で上記半値幅が3[fC/10μm]まで大きくなるため、地汚れランクが低下する。
以上のように、上記実施形態における現像剤のトナー10として、上記球形度が95%以上の球形トナーを用いることにより、トナー帯電量q/dの個数分布プロファイルの半値幅をシャープに保つことができ、地汚れ余裕度を高い状態で維持することができる。
【0061】
また、上記実施形態において、現像装置4内に入力する現像駆動トルクは0.15N・m以下に設定するのが好ましい。
現像剤の攪拌はトナーの均一な帯電に必要であるため、一般的に、現像装置における駆動トルクの内、現像剤の攪拌に使用される割合は大きい。現像剤撹拌部材によるトナーの帯電状態を決める条件としては、現像剤量、攪拌に使用する部材の種類(例えば、スクリュウ形状の部材)、現像剤に当接する面積、接触頻度(回転数)、スリーブ421中の磁極の磁力、現像剤中のキャリアの飽和磁化、ドクタ423とスリーブ421との間隙等が挙げられる。これらの条件を組み合わせてトナーの効率的な帯電を促すことができるが、トナーの帯電を促進する条件は、現像剤が受ける機械的なハザードが寿命を短くする要因になる場合があるため、トナーの良好な帯電と現像剤の長寿命化との両立を図ることが重要である。
そこで、トナーへストレスを与える要因の一つである現像駆動トルクに着目し、この現像駆動トルクを低減する構成にすることによって、比較的低い帯電量でも十分な現像特性を得つつ、現像剤の寿命を延ばそうとしたものである。
【0062】
表2は、現像装置4における幾つかのパラメータを変更したときの現像駆動トルクとトナー帯電量の値を測定した実験結果である。
【表2】
Figure 0004980519
【0063】
上記表2からわかるように、条件A〜Dを選択した場合はトナーの平均帯電量は低減するが、経時における現像剤の劣化促進が抑制される。比較例の150k枚通紙の寿命に対して、条件A〜Dでは180k枚以上の通紙まで寿命を延ばすことができる。
特に、現像装置4内に入力する現像駆動トルクを0.15N・m以下に設定することにより、200k枚以上の通紙まで寿命を延ばすことができる。
【0064】
また、上記実施形態において、現像装置4の現像ローラ420に内蔵されている磁石部材422の全ての磁極が、磁性粒子11を含めた現像剤12の搬送及び磁気ブラシの硬さに影響を及ぼす。この現像剤12の搬送及び磁気ブラシの硬さは、各磁極の磁力と磁性粒子11の飽和磁化によって決まる。例えば、上記実施形態の現像装置4において、最大磁極である主磁極(S1極)の磁力Mが70[mT]、磁性粒子11の飽和磁化Mが100[emu/g](=4π×10−2[(A/m)/g])の条件下で、磁気ブラシの硬さは適度であり、経時でも現像剤がストレスを受けることなく使用し続けることができる。
【0065】
図13のハッチングで示した領域は、磁気ブラシの硬さは適度であって且つ経時でも現像剤がストレスを受けることなく使用し続けることができる範囲を示している。M<50[mT]又はM<35[emu/g](=4π×35×10−4[(A/m)/g)])では十分強固な磁気ブラシが形成できず、均一な現像が行えない。また、M>130[mT]もしくはM>130[emu/g](=4π×130×10−4[(A/m)/g])では磁気ブラシが現像スリーブ3上で強固に形成されるのでトナー10と磁性粒子11との摩擦力が高まる。このため、両者の表面が前者では添加剤の埋まり、後者ではトナー10の一部が磁性粒子11に付着するという、所謂スペント化現象が発生し、トナー10の流動性が低減し、トナー帯電量の低減により現像特性が著しく劣化して、画像品質も劣化する。
【0066】
また、上記実施形態において、潜像形成時の光量を高密度としてビーム径を絞って露光することにより、いわゆる2値プロセスを実行することができる。ところが、露光時の光量をアップすることによって次のような問題点が生じる。一つの問題点は、高密度の光量のビーム径を絞ることは光学設計の余裕度が低減し、部品精度の向上が不可欠でコストが上昇してしまう。更にもう一つの問題点は、光量が大きいために感光体ドラム1に対する帯電・露光における通電電荷量がアップし、感光体ドラム1がいわゆる静電ハザードを受けて、寿命が短くなる要因の一つとなることである。
そこで、上記実施形態では、感光体ドラム1の初期帯電電位を400V以下に低くするとともに、露光量も同時に低減することが好ましい。この場合は、汎用光学部品を使用して高精細な潜像を形成するとともに、感光体ドラム1への静電ハザードを低減して長寿命化を図ることができる。
【0067】
上記実施形態では、現像特性におけるγ曲線(現像ポテンシャルに対する現像量)をみるとその傾きが大きく比較的低電位でも現像し易くすぐに飽和してしまう。この現像特性により、現像ローラ420上のトナー担持量を一定にしてベタ画像で現像ローラ420上の全量のトナーを現像するのは比較的容易ではある。しかしながら、小径ドットを形成するには従来の感光体ドラム及び書き込みの諸条件では微分感度が十分下がらない場合に現像量の変化が生じて、その結果ドット径の変動が見られる。これに対し、上記実施形態では帯電電位が400V以下と低く、上記潜像形成条件が1/eで規定される潜像ドット径の部分で微分感度が十分下がっているので、均一なドット画像が形成できる。そして、上記実施形態では従来の0.47mWに対して0.23mWの露光パワーで十分均一な地汚れの無い画像が得られた。
【0068】
また、上記実施形態においては、現像領域A1における感光体ドラム表面に隣接し現像に寄与するトナーが存在している現像寄与トナー存在領域TLの単位面積あたりの静電容量CTLが、感光体ドラム1の導電性基体1B上に形成された感光層1Pの単位面積あたりの静電容量CPCよりも大きくなるように、感光層1Pの材料及び厚さやトナーの材料等を設定するのが好ましい(図14参照)。この設定により、現像時のエッジ効果を低減することができる。
本実施形態の場合、ダイナミック抵抗DRが10Ω以下の低抵抗の磁性粒子11を用いているため、上記現像寄与トナー存在領域は、現像ローラ420上の磁気ブラシの磁性粒子11の先端と感光体ドラム1表面との間のトナー層(図14中のTL)に対応する。
例えば、比誘電率が2.7、厚さTPCが30μmの感光層1Pを有する感光体ドラム1を用いた場合、感光層1Pの単位面積あたりの静電容量は79.6[pF/cm]となる。そして、現像領域A1において感光体ドラム表面に隣接するトナー層TLは比誘電率が3であり、層厚TTLが15μmになるように形成すると、トナー層TLの静電容量CTLは177[pF/cm]となり、CPC<CTLの条件を満たしている。この条件下で、ベタ画像とライン画像について画像形成の実験を行った。
また、比較例として、感光層1Pの単位面積あたりの静電容量が119[pF/cm](比誘電率:2.7、厚さTPC:20μm)であり、トナー層TLの静電容量CTLが106[pF/cm](比誘電率:3、層厚TTL:25μm)であり、本実施例とは逆のCPC>CTLの条件下で同様な画像形成を行った。
【0069】
上記実験の結果、図15に示すように、トナー付着量と現像ポテンシャルとの関係を示す現像特性曲線(現像ガンマ曲線)における立ち上がり部の傾き及び飽和し始める飽和現像ポテンシャルの値が、ベタ画像の場合とライン画像の場合とでほぼ同じようになり、ベタ画像とライン画像(ドット画像)との間の濃度差を低減できることがわかった。これに対し、上記比較例の場合は、図16に示すように現像特性曲線(現像ガンマ曲線)がベタ画像の場合とライン画像の場合とで異なり、現像ポテンシャルを同じように設定しても、ベタ画像とライン画像(ドット画像)との間で大きな濃度差が発生した。
また、ベタ画像における画像濃度の端部での濃度変化で比較すると、図17に示すように、比較例(■)ではエッジ効果が顕著であるが、本実施例(◆)ではエッジ効果の影響がほとんどなかった。この結果からも、本実施例では、ベタ画像とライン画像(ドット画像)との濃度の差を低減することができることがわかる。
【0070】
また、上記実施形態において、現像ローラ420上に形成される現像剤層のダイナミック抵抗は10Ω以下が好ましい。
図18は、現像ローラ420上にダイナミック抵抗が異なる現像剤層を形成したときの現像特性を示したものである。ダイナミック抵抗の測定方法としては、図6で示した前述の方法を用いた。この図18の結果から、ダイナミック抵抗が低いほど現像γの傾きが大きくなる。ダイナミック抵抗が10Ωの現像剤層を形成した場合は、トナー付着量が飽和する領域に達するまでに現像ポテンシャルが400Vを超えてしまう。これに対してダイナミック抵抗が10Ω、10Ωでは、現像能力が高く、現像ポテンシャルが400V以内で飽和付着量に達するので、より低い現像ポテンシャルで現像を行うことができる。
【0071】
〔実施形態2〕
次に、本発明の第2の実施形態に係るプリンタについて説明する。
図19は、本実施形態のプリンタに用いた現像装置の概略構成図である。プリンタ全体の構成及び動作並びに光書込みによる潜像形成方法については、上記第1の実施形態と同様であるので、説明を省略する。
本実施形態で用いた現像装置は、一成分現像剤を使用し、トナー担持体としての現像ローラ402上にトナー層を形成し、現像ローラ402上のトナー層を感光体ドラム1と接触させるように搬送することにより、感光体ドラム1上の静電潜像を現像する接触一成分現像を行うものである。
【0072】
図19において、ケーシング401内のトナー10は、撹拌手段としてのアジテータ411の回転により攪拌され、機械的にトナー供給部材としての供給ロ−ラ412に供給される。供給ロ−ラ412は発泡ポリウレタン等で形成されていて、可撓性を有し、50〜500μmの径のセルでトナ−を保持し易い構造となっている。また、硬度は10〜30゜(JIS−A)と比較的低く、現像ローラ402とも均一に当接させることができる。
【0073】
供給ローラ412は現像ローラ402と同方向、すなわち両ローラの対向部で互いに表面が逆方向に移動するように回転駆動されている。両ローラの線速比は0.5〜1.5が最適である。また、供給ローラ412を、現像ローラ402と逆方向、すなわち両ローラの対向部で互いに表面が同方向に移動するように回転させてもよい。なお、本実施形態では現像ローラ402と同方向の回転で、その線速比は0.9に設定した。現像ローラ402に対する喰い込み量は0.5〜1.5mmに設定している。これはトナ−の帯電特性、供給性に依存するので、更に広い範囲で最適条件を設定する必要がある。現像ローラ402に対する供給ローラ412の喰い込み量は、最終的には現像を駆動するモータ及びギヤヘッドの特性にも依存するので、全ての駆動系を含めた上で検討を行うことが必要である。本実施形態ではユニット有効幅が240mm(A4縦)の場合、必要なトルクは14.7〜24.5N・cm(1.5〜2.5[kgf・cm])である。
【0074】
トナーは前述のものと同じであり、ポリエステル、ポリオール、スチレンアクリル等の樹脂に帯電制御剤(CCA)、色材を混合し、その周りにシリカ、酸化チタン等の物質を外添している。平均粒径の範囲は3〜12μmであるが、本実施形態では6μmのものを用いた。
【0075】
現像ローラ402は、導電性基体上にゴム材からなる表層を有し、直径が10〜30mmで、表面を適宜あらして表面粗さRZを1〜4μmとしたものである。この表面粗さの値はトナー粒径に対して13〜80%となり、現像ローラ402表面に埋没することなくトナーが搬送されるものである。特に、現像ローラ402の表面粗さRZは、著しく低帯電のトナーを保持しないように、トナーの平均粒径の20〜30%の範囲が好ましい。本実施形態ではトナーの平均粒径が6μmなので1.2〜1.8μmRZが最適である。
また、上記ゴム材料としては、シリコン、ブタジエン、NBR、ヒドリン、EPDM等を挙げることができる。更に現像ローラ402の表面に、特に経時品質を安定化させるためにコート材料を被覆することが好ましい。材料はシリコン系及びテフロン系が特に良好であり、前者はトナー帯電性に優れ、後者は離型性に優れている。また導電性を得るために適宜カーボンブラック等の導電性材料を含有させる場合もある。コ−ト層の厚みは5〜50μmの範囲が良好で、それを超えると割れ易い等の不具合が発生しやすい。本実施形態では、現像ローラの硬度が低く、感光体の硬度が高いが、その逆でも成立する。
【0076】
上記供給ローラ412上もしくは内部に存在する、所定極性(本実施形態の場合は、負極性)のトナーは、回転により接触点で互いに反対方向に回転する現像ローラ402と挟まれることにより、摩擦帯電効果で負の帯電電荷を得て静電気力により、また現像ローラ402の表面粗さによる搬送効果により現像ローラ402上に保持されるようになる。しかし、この時の現像ローラ402上のトナー層は均一ではなくかなり過剰に付着している(1〜3[mg/cm])。
そこで、規制ブレード413を現像ローラ402に当接させることにより、現像ローラ402上に均一な層厚を有するトナー薄層を形成している。規制ブレード413は先端が現像ローラ402の回転方向に対して下流側を向き、規制ブレ−ド413の中央部が当接する、いわゆる腹当て当接である。もちろん逆方向でも設定可能であるし、エッジ当接を実現することも可能である。材料はSUS304等の金属で厚さは0.1〜0.15[mm]としているが、そのほか厚み1〜2[mm]のポリウレタンゴム等のゴム材料やシリコン樹脂等の比較的硬度の高い樹脂材料が使用可能である。金属以外でもカ−ボンンブラック等を混ぜ込む事により低抵抗化出来るので、バイアス電源を接続して現像ローラ402との間に電界を形成する事も可能である。
【0077】
上記規制ブレード413はホルダからの自由端長として10〜15[mm]が好ましい。上限を越えると現像装置が大きくなってコンパクトに納めることができなくなり、下限を下まわると現像ローラ402表面と接触するときに振動が生じやすくなり画像上に横方向の段々ムラ等の異常画像が発生し易くなる。当接圧は0.049〜2.45[N/cm](5〜250[gf/cm])の範囲が良好で、現像能力に与える影響は、上限を越えると現像ローラ402上のトナ−付着量が減少し且つトナ−帯電量が増加し過ぎるので、現像量が減少して画像濃度が低くなる。下限を下回ると薄層が均一に形成されずにトナ−の固まりが規制ブレード413を通過する事もあり、画像品質が著しく低下する。本実施形態における一実施例では、現像ローラ402の硬度がJIS−Aで30゜のものを、規制ブレード413は厚み0.1mmのSUS板を使用し、その当接圧は60[gf/cm]に設定した。このとき、目標の現像ローラ上のトナー付着量を得ることができた。
【0078】
また、規制ブレード413の当接角度は先端が現像ローラ402の下流側を向く方向で現像ローラ402の接線に対して10〜45゜が良好である。規制ブレード413と現像ローラ402に挟まれたトナ−の薄層形成に不必要な分は、現像ローラ402から剥ぎ取られ、目標範囲である単位面積当たり0.4〜0.8[mg/cm]の均一な厚みを持った薄層が形成される。この時のトナー帯電は最終的に本実施例では−5〜−25[μC/g]の範囲であり、感光体ドラム1上の潜像と対向して現像される。
【0079】
以上、本実施形態においても、感光体ドラム1の帯電電位Vの絶対値を400V以下に設定し、現像装置4で用いるトナーの平均帯電量の絶対値を5μC/g〜25μC/gの範囲内に設定した条件下で、転写バイアスVの絶対値を400V〜1000Vの範囲内で設定することにより、所定の現像能力及び転写効率を確保しつつ、転写チリを防止することができる。
【0080】
また、本実施形態の一成分現像装置では、感光体ドラム1の表面と現像ローラ402の表面の距離が2成分現像装置の場合より更に狭くなり、現像能力が高まり、更なる低電位でも現像が可能となる。そのため、図20の「1成分」のデータに示すように、現像ポテンシャルが50Vであっても十分飽和現像が可能であった。
特に、本実施形態の一成分現像装置では、現像ポテンシャルの最大値|V−V|maxを100V程度に設定した場合でも、上記第1の実施形態と同様に、上記(1)〜(3)式を満たす範囲で画像濃度IDの変動を目標の最大画像濃度の10%以下に抑えることができる。従って、感光体ドラム1の帯電電位の変動等に起因した現像ポテンシャル|V−V|の変動による画像濃度の低下や画像濃度ムラを抑制することができる。
【0081】
また、本実施形態の一成分現像装置においては、現像領域A1における感光体ドラム表面と現像ローラ表面との間に形成される現像寄与トナー存在領域のトナー層の単位面積あたりの静電容量CTLが、感光体ドラム1の感光層1Pの単位面積あたりの静電容量CPCよりも大きくなるように、感光層1Pの材料及び厚さやトナーの材料及び層厚等を決めている。このように両静電容量間の大小関係を設定することにより、現像時のエッジ効果を低減し、細線や小径ドットの太りがなく、感光体ドラム1上の潜像を忠実に再現して均一性に優れた画像を形成することができる。
【0082】
また、本実施形態の一成分現像装置においては、図21に示すように、上記規制ブレード413の代わりにローラ部材からなる規制ローラ414を用いてもよい。この規制ローラ414を用いた場合は、上記規制ブレード413を用いた場合に比して、現像ローラ402と規制ローラ414との間に形成されるニップ部における当接圧力を弱めることができるので、経時において、トナーの機械的ハザードを低減することができる。
【0083】
表3は、トナー層規制部材として規制ブレード413及び規制ローラ414のそれぞれを用いた場合について、経時における縦スジの発生状況を調べた実験結果を示している。この表3の結果からわかるように、上記規制ローラ414を用いた場合は、30k枚のプリントを行ったときでも縦スジが発生しなかった。一方、上記規制ブレード413を用いた場合は、プリント枚数が10k枚を超えたところで縦スジが発生し、規制ブレード413の清掃を行なうとともにトナーを交換しないと回復しない状態となった。
【表3】
Figure 0004980519
【0084】
〔実施形態3〕
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。
図22は、本実施形態に係るプリンタの概略構成図である。プリンタ全体の構成及び動作並びに光書込みによる潜像形成方法については、上記第1の実施形態と同様であるので、説明を省略する。
なお、本実施形態においても、プリンタを構成する複数の装置の一部を、プリンタ本体に対して着脱可能に一体構造物(ユニット)として構成してもよい。例えば、図23に示すように、感光体ドラム1と帯電装置2と現像装置4とクリーニング装置6とを、プリンタ本体に対して着脱可能に一体構造物として構成し、プロセカートリッジとしてもよい。
【0085】
本実施形態のプリンタは、現像ローラにトナーを供給するトナー供給部材として磁気ブラシローラを用いた一成分現像装置を使用している点が、上記第1の実施形態に係るプリンタと異なっている。
【0086】
図24は、本実施形態の現像装置の概略構成図である。現像装置4のケーシング401の内部には、感光体ドラム1側から、現像剤担持体(トナー担持体)としての現像ローラ402、トナー供給部材としての磁気ブラシローラ403、攪拌・搬送部材404、405が配設されている。ケーシング401内のトナー10と磁性粒子11とを含む二成分現像剤(以下「現像剤」という。)12は、攪拌・搬送部材404、405で攪拌され、その一部が、磁気ブラシローラ403上に担持される。磁気ブラシローラ403上の現像剤12は、現像剤規制部材としての規制ブレード406で層厚が規制された後、トナー供給領域A2で現像ローラ402に接触する。このトナー供給領域A2で磁気ブラシローラ403上の現像剤12よりトナー10のみ分離されて現像ローラ402に供給される。
【0087】
本実施形態の現像装置では、アルミ素管をベースとした剛体の感光体ドラム1を用いているので、現像ローラ402はゴム材料が良好で、硬度は10〜70°(JIS−A)の範囲が良好である。また、現像ローラ402の直径は10〜30mmが好適である。本実施形態では直径16mmのものを用いた。また、現像ローラ402の表面は適宜あらして粗さRz(十点平均粗さ)を1〜4μmとした。この表面粗さRzの範囲は、トナー10の体積平均粒径に対して13〜80%となり、現像ローラ402の表面に埋没することなくトナー10が搬送される範囲である。ここで、現像ローラ402のゴム材料として使用できるものとしてシリコン、ブタジエン、NBR、ヒドリン、EPDM等を挙げることができる。また、いわゆるベルト感光体を使用した場合には現像ローラ402の硬度は低くする必要がないので、金属ローラ等も使用可能である。また、上記現像ローラ402の表面には、経時品質を安定化させるために適宜コ−ト材料を被覆することが有好である。また、本実施形態における現像ローラ402の機能はトナーを担持するためだけのものであり、従来の一成分現像装置のようにトナー10と現像ローラ402との摩擦帯電によるトナー10への帯電電荷付与の必要がないために、現像ローラ402は電気抵抗、表面性、硬度と寸法精度を満たせば良く、材料の選択幅は格段に増えることとなる。
【0088】
上記現像ローラ402の表層コート材料は、帯電がトナー10と逆極性でも良いし、トナーを所望の極性に摩擦帯電する機能を持たせない場合は同極性でも良い。前者の表層コート材料としては、シリコン、アクリル、ポリウレタン等の樹脂、ゴムを含有する材料を挙げることができる。また後者の表層コート材料としては、フッ素を含有する材料を挙げることができる。フッ素を含んだいわゆるテフロン系材料は表面エネルギーが低く、離型性が優れるため、経時におけるトナーフィルミングが極めて発生しにくい。また、上記表層コート材料に用いることができる一般的な樹脂材料として、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレンパーフルオロアルキルビニールエーテル(PFA)、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン重合体(FEP)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、テトラフルオロエチレン・エチレン共重合体(ETFE)、クロロトリフルオロエチレン・エチレン共重合体(ECTFE)、ポリビニリデンフルオライド(PVDF)、ポリビニルフルオライド(PVF)等を挙げることができる。これに導電性を得るために適宜カ−ボンブラック等の導電性材料を含有させることが多い。更に均一に現像ローラ402にコートできるように、他の樹脂を混ぜ合わせることもある。電気抵抗に関してはコート層を含めてバルクの体積抵抗率を設定するもので、10〜10Ω・cmに設定できるようにベース層の抵抗と調整を行う。本実施形態で使用するベース層の体積抵抗率は10〜10Ω・cmなので、表層の体積抵抗率は少し高めに設定することがある。
【0089】
上記現像ローラ402の表面部の体積抵抗率は、図25(a)及び(b)に示す方法で測定したものである。まず、測定対象の現像ローラ402を、接地された導電性のベース板300上にセットし、現像ローラ402の芯金(回転軸)402aの両端にそれぞれにF=4.9N(=500gf)の荷重をかけ、全体でF=9.8N(1kgf)の荷重をかける。これにより、図25(b)に示すようにベース板300との間にニップWを形成する。現像ローラ402の芯金402aには、電流計301を介して直流電源302を接続する。そして、直流電圧V(=1V)を印加し、そのときの電流値I[A]を読み取る。この印加電圧値V[V]及び電流値I[A]の測定値と、各種寸法L1[cm]、L2[cm]及びW[cm]の測定値とを用いて、次式により現像ローラ402の弾性層402bの体積抵抗率ρvを求める。
【0090】
【数3】
ρv=(V/I)・(L1×W)/L2
【0091】
また、上記現像ローラ402のコ−ト層の厚みは5〜50μmの範囲が良好で、50μmを越えるコート層の硬度とベース層の硬度差が大きい場合で応力が発生した時にひび割れ等の不具合が生じやすくなる。また5μmを下回ると表面磨耗が進むとベース層の露出が発生してトナーが付着しやすくなる。
【0092】
上記現像剤12を構成するトナー10は、ポリエステル、ポリオ−ル、スチレンアクリル等の樹脂に帯電制御剤(CCA)及び色剤を混合したものであり、その周りにシリカ、酸化チタン等の外添剤を添加することで流動性を高めている。添加剤の粒径は通常0.1〜1.5μmの範囲である。色剤としてはカーボンブラック、フタロシアニンブルー、キナクリドン、カーミン等を挙げることができる。トナー10は更に場合によってはワックス等を分散混合させた母体トナーに上記種類の添加剤を外添しているものも使用することができる。
トナー10の体積平均粒径は3〜12μmの範囲が好適である。本実施形態で用いたトナー7の体積平均粒径は7μmであり、1200dpi以上の高解像度の画像にも十分対応することが可能である。
また、本実施形態では、帯電極性が負極性のトナー10を使用しているが、感光体ドラム1の帯電極性などに応じて帯電極性が正極性のトナーを使用してもよい。
【0093】
上記磁性粒子11は金属もしくは樹脂をコアとしてフェライト等の磁性材料を含有し、表層はシリコン樹脂等で被覆されたものである。磁性粒子11の粒径は20〜50μmの範囲が好適である。また、磁性粒子11の抵抗は、ダイナミック抵抗DRで10〜10Ωの範囲が好適である。
【0094】
上記磁気ブラシローラ403は、複数の磁極を有する磁石部材407を内蔵した非磁性の回転可能なスリーブ408で構成されている。磁石部材407は固定配置され、現像剤12がスリーブ408上の所定箇所を通過するときに磁力が作用するようになっている。本実施形態で用いたスリーブ408は、直径がφ18mmであり、表面粗さRz(十点平均粗さ)が10〜20μmの範囲に入るようにサンドブラスト処理されている。
【0095】
磁気ブラシローラ403に内蔵された磁石部材407は、規制ブレード406による規制箇所から磁気ブラシローラ403の回転方向にN極(N1)、S極(S1)、N極(N2)、S極(S2)、S極(S3)の5つの磁極を有する。なお、磁石部材407の磁極の配置は、図24の構成に限定されるものではなく、磁気ブラシローラ403の周囲の規制ブレード406等の配置に応じて他の配置に設定してもよい。例えば、規制ブレード406による規制箇所から磁気ブラシローラ403の回転方向にN極(N1)、S極(S1)、N極(N2)、S極(S2)の4つの磁極を配置してもよい。また、図24の現像装置の例では磁石部材407を固定配置しスリーブ408を回転駆動するように構成したが、スリーブ408を固定配置しその内側のローラ状の磁石部材を回転させるように構成してもよい。
【0096】
上記磁石部材407の磁力により、スリーブ408上にトナー10及び磁性粒子11からなる現像剤13がブラシ状に担持される。そして、磁気ブラシローラ403上の磁気ブラシ中のトナー10は、磁性粒子11と混合されることで規定の帯電量を得る。この磁気ブラシローラ403上のトナーの帯電量としては、−10〜−40[μC/g]の範囲が好適である。
【0097】
上記現像ローラ402は、磁気ブラシローラ403内の磁極N2に隣接するトナー供給領域A2で磁気ブラシローラ4上の磁気ブラシと接触するようにして対向するとともに、現像領域A1で感光体ドラム1に対向するように配設されている。
また、本実施形態では規制ブレード406と磁気ブラシローラ403の間の最近接部における間隔が500μmに設定され、また規制ブレード406に対向した磁石部材407の磁極N1を、規制ブレード406との対向位置よりも磁気ブラシローラ403の回転方向上流側に数度傾斜して位置している。これにより、ケーシング401内における現像剤12の循環流を容易に形成することができる。
【0098】
上記規制ブレード406は、磁気ブラシローラ403との対向部で磁気ブラシローラ4上に形成された現像剤12の量を規制するように磁気ブラシと接触し、所定量の現像剤がトナー供給領域に搬送されるようにするとともに、現像剤12中のトナー10と磁性粒子11との摩擦帯電を促進させている。
【0099】
また、現像ローラ402及び磁気ブラシローラ403はそれぞれ、図示しない回転駆動装置により図24の矢印b方向及びc方向に回転駆動され、トナー供給領域A2では両ローラの表面が互いに逆方向に移動するようになっている。本実施形態では、感光体ドラム1の線速200mm/sに対し、現像ローラ402を線速300mm/sで回転駆動している。
また、トナー供給領域A2における現像ローラ402と磁気ブラシローラ403のスリーブとのギャップは0.6mmに設定した。
【0100】
また、現像ローラ402の軸部には、現像領域A1に現像電界を形成するための現像バイアスVbを印加する電源409が接続されている。また、磁気ブラシローラ403のスリーブ408には、トナー供給領域A2にトナー供給用電界を形成するためのトナー供給バイアスVsupを印加する電源410が接続されている。
【0101】
上記構成の現像装置4において、ケーシング401内に収容された現像剤12は、トナー10と磁性粒子11が混合されたものであり、攪拌・搬送部材404,405や磁気ブラシローラ403のスリーブ408の回転力、磁石部材407の磁力によって攪拌され、そのときに、トナー10に磁性粒子11との摩擦帯電により電荷が付与される。
一方、磁気ブラシローラ403上に担持された現像剤12は規制ブレード406によって規制され、現像剤12の一定量がトナー供給バイアスで形成された電界等により、現像ローラ402に転移し、残りはケーシング401内に戻される。
上記トナー供給領域A2では、磁気ブラシ中のトナーが分離されて現像ローラ402に転移し、薄層状のトナー10が担持される。そして、現像ローラ402上に担持された薄層状のトナー10は、該ローラ402の回転により現像領域A1に搬送される。そして、上記現像バイアスで形成された現像電界により、感光体ドラム1上の静電潜像に選択的に付着し、該静電潜像が現像される。
【0102】
ここで、現像ローラ402に供給される磁気ブラシローラ403上のトナーの帯電量と、現像ローラ402に薄層状に担持されたトナーの帯電量を、従来の一成分現像装置と比較して説明する。
表4は、本実施形態の現像装置及び従来の一成分現像装置で同じトナーを使用し、現像ローラに供給される直前の磁気ブラシローラ403又は従来のトナー供給ローラ上のトナーの帯電量と、現像ローラ402に薄層状に担持されたトナーの帯電量とを測定した実験結果を示している。地汚れのランクは、前述のΔIDの測定値に基づいて設定されたものである。例えば、ΔIDが0.08〜0.04の範囲内にあるときをランク「3」としている。
【0103】
【表4】
Figure 0004980519
【0104】
従来の一成分現像装置においては、現像ローラ上の担持量は1〜3[mg/cm]とかなり多い。これを薄層化ブレードで一部掻き取るがかなり広範な帯電量のトナーが通過せざるを得ないと考える。したがって、表4に示すように実際に薄層形成時のトナー帯電量は平均で−12[μC/g]まで上がっているが、画像を確認すると地汚れランクは「3」と平均的であった。
一方、本実施形態の現像装置では、現像時の現像ローラ402上のトナー帯電量は平均で−12[μC/g]と従来の一成分現像装置と同じであるが、地汚れのランクは「5」であり、画像特性が優れていることが分かった。
【0105】
また、本実施形態の現像装置において、現像ローラ402上のトナーの粒径及び帯電量分布と画像品質との間に、以下に示すような関係があることがわかった。トナーの粒径及び帯電量分布の測定には、E−SPART ANALYZER(ホソカワミクロン株式会社製の分析装置であり、以下、「E−SPART分析装置」という。)を使用した。このE−SPART分析装置は、二重ビーム周波数偏移型レーザードップラー速度計と静電界中で粒子の動きを摂動させる弾性波とを用いた方法を採用し、現像ローラ402上のトナーにエアを吹き付けて飛ばし、電界中の動きを捉えることでトナー個々の粒径と帯電量のデータを得られるものである。本確認実験では3000個のトナーをサンプリングして分布の相違を見た。
【0106】
図26は、トナー供給領域A2に到達する直前の磁気ブラシローラ403上のトナーの帯電量個数分布(破線)と、現像ローラ402上に供給されたトナーの帯電量個数分布(実線)とを測定した実験結果を示している。
図26の実験結果から、磁気ブラシローラ404から現像ローラ402にトナーが供給されるときにピークの帯電量が絶対値で高帯電側にシフトしている。このようにシフトすることにより、磁気ブラシローラ404を用いない従来の現像装置の場合と比較して地汚れに対する余裕度低減が少なく、地汚れに対する余裕度が維持できていることが分かる。
図27は、本実施形態の現像装置(◇)と磁気ブラシローラを用いない従来の現像装置の場合(□)で経時における地汚れの比較を行った実験結果を示している。この結果からわかるように、従来の現像装置では50k枚で地汚れランクが著しく低下したのに対し、本実施形態の現像装置では200k枚を超えても問題の無い地汚れのレベルで維持している。
【0107】
以上のように、本実施形態では、現像ローラ402に担持したトナーの帯電量のバラツキが少ないので、極低帯電トナーや逆帯電トナーの発生を抑えつつ、図28に示すようにトナーの帯電量を小さくして現像能力を高めて低い現像ポテンシャルでの飽和現像が可能となる。
また、本実施形態で用いるトナーについても、球形度が95%以上の球形トナーが好ましい。この球形トナーを用いた場合は、前述のようにトナーの帯電量個数分布プロファイルがさらにシャープになるので、図29に示すように従来の粉砕トナーを用いた場合に比して、現像ポテンシャルがより低い条件下で飽和現像が可能となる。
【0108】
以上、本実施形態においても、感光体ドラム1の帯電電位Vの絶対値を400V以下に設定し、現像装置4で用いるトナーの平均帯電量の絶対値を5μC/g〜25μC/gの範囲内に設定した条件下で、転写バイアスVの絶対値を400V〜1000Vの範囲内で設定することにより、所定の現像能力及び転写効率を確保しつつ、転写チリを防止することができる。
【0109】
また、本実施形態によれば、上記磁気ブラシローラ404から供給された帯電量のばらつきが少ないトナーを感光体ドラム1上の静電潜像の現像に用いることができるので、上記低電位プロセスでの飽和現像ができるようにトナーの帯電量を小さくして現像能力を高めた場合でも、極低帯電トナーや逆帯電トナーの存在確率が小さくなる。従って、上記第1の実施形態と同様に、上記(1)〜(3)式を満たす範囲で画像濃度IDの変動を目標の最大画像濃度の10%以下に抑えることができるとともに、極低帯電トナーや逆帯電トナーに起因した地汚れなどの画質低下を防止することができる。
【0110】
また、本実施形態によれば、磁気ブラシローラ403上の磁気ブラシ(二成分現像剤)から帯電済みのトナーのみを現像ローラ402上に供給し担持させることができる。したがって、現像ローラ402上のトナーを薄層化ブレードなどの接触部材で摩擦帯電する必要がなく、現像ローラ402上のトナーフィルミングや、現像ローラ及び接触部材の摩耗による現像特性の経時的な変化などの問題がなくなる。
【0111】
また、現像ローラ402上のトナーの帯電量分布と、磁気ブラシローラ上のトナーの帯電量分布とを異ならせている。このため、磁気ブラシローラ403上の摩擦帯電特性に制約等があって磁気ブラシローラ403上のトナーの帯電量分布が所望の分布でない場合でも、現像ローラ402上には所望の帯電量分布からなるトナーを担持することができる。したがって、地汚れや画像濃度不足(ドット抜け)のない高品質のトナー像を得ることができる。また、地汚れ防止により感光体1上の残留トナーの量が少なくなるので、感光体表面をクリーニングするクリーニング装置6の小型化を図ることができる。
【0112】
また、現像ローラ402上に担持したトナーの帯電量にバラツキが少なく安定した帯電量分布を得ることができるので、特に2値プロセスで画像を形成する場合において安定した飽和現像が可能となる。したがって、地汚れや画像濃度不足(ドット抜け)に起因するザラツキがない画像を安定して形成することができる。
【0113】
更に、本実施形態の一成分現像装置においては、現像領域A1における感光体ドラム表面と現像ローラ表面との間に形成される現像寄与トナー存在領域(トナー層)の単位面積あたりの静電容量CTLが、感光体ドラム1の感光層1Pの単位面積あたりの静電容量CPCよりも大きくなるように、感光層1Pの材料及び厚さやトナーの材料及び層厚等を決めている。このように両静電容量間の大小関係を設定することにより、現像時のエッジ効果を低減し、細線や小径ドットの太りがなく、感光体ドラム1上の潜像を忠実に再現して均一性に優れた画像を形成することができる。
【0114】
なお、上記各実施形態では、感光体ドラム1上に反転現像用の静電潜像を形成し、現像装置により該静電潜像を反転現像する場合について説明したが、本発明は、感光体ドラム1上に正規現像用の静電潜像を形成し、該静電潜像を正規現像する場合にも適用することができる。
【0115】
また、上記各実施形態では、感光体ドラム上に形成したトナー像を転写紙に直接転写する場合について説明したが、本発明は、感光体ドラム上のトナー像を一旦中間転写体に転写し、その後、該中間転写体上のトナー像を転写紙に転写する画像形成装置及びそれに用いる現像装置にも適用できるものである。
例えば、一つの感光体ドラム上に各色ごとのトナー像を順次形成し、感光体ドラム上の各色トナー像を一次転写装置で中間転写体としての中間転写ベルトに重ね合わせて転写し、中間転写ベルト上の重ねトナー像を2次転写装置で転写紙に一括転写するカラー画像形成装置及び該装置に用いる現像装置にも適用することができる。
また例えば、中間転写体としての中間転写ベルトの直線状の移動経路部分に沿って感光体ドラムを含む画像形成ユニットを複数組並べて配置し、各画像形成ユニットの感光体ドラム上に互いに異なる色のトナー像を形成し、各感光体ドラム上のトナー像を一次転写装置で該中間転写ベルト上に重ね合わせて転写し、中間転写ベルト上の重ねトナー像を2次転写装置で転写紙に一括転写するタンデム型のカラー画像形成装置及び該装置に用いる現像装置にも適用することができる。
【0116】
また、上記各実施形態では、プリンタ及びそれに用いる現像装置の場合について説明したが、本発明は、複写機やFAXなど他の画像形成装置及びそれに用いる現像装置にも適用できるものである。
【0117】
【発明の効果】
本発明によれば、潜像担持体の帯電電位の絶対値を400V以下に下げることにより潜像担持体の長寿命化を図ることができる。しかも、この帯電電位の低減とともに、トナーの平均帯電量の絶対値及び転写バイアスの絶対値の範囲を規定することにより、所定の転写効率を確保しつつ転写チリを防止することができる。更に、エッジ効果を低減し、細線や小径ドットの太りがなく、潜像担持体上の潜像を忠実に再現して均一性に優れた画像を形成することができる、という優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るプリンタにおける各部電位の関係を示す説明図。
【図2】同プリンタの概略構成図。
【図3】同プリンタに用いることができるプロセスカートリッジの部分斜視図。
【図4】感光体ドラムの感光層の断面図。
【図5】同プリンタの現像装置の概略構成図。
【図6】ダイナミック抵抗DRの測定装置の説明図。
【図7】同プリンタにおける現像特性を示す四限チャート。
【図8】パッシェンの法則を示すグラフ。
【図9】同プリンタにおける現像ポテンシャルと画像濃度IDとの関係を示すグラフ。
【図10】トナー帯電量q/dに対する個数分布を示すグラフ。
【図11】トナー粒径に対する個数分布を示すグラフ。
【図12】トナー帯電量q/dの個数分布プロファイルの半値幅と地汚れΔIDとの関係を示すグラフ。
【図13】現像ローラの最大磁極の磁力(磁束密度)及び現像剤の磁性粒子の飽和磁化の好適範囲を示すグラフ。
【図14】同プリンタの現像領域におけるトナー及び磁性粒子の様子を示す説明図。
【図15】同プリンタにおけるライン画像及びベタ画像に対する現像ガンマ特性のグラフ。
【図16】比較例におけるライン画像及びベタ画像に対する現像ガンマ特性のグラフ。
【図17】ベタ画像のエッジ近傍における画像濃度の変化を示すグラフ。
【図18】現像ガンマ特性に対する現像ローラ上の現像剤層のダイナミック抵抗の影響を示すグラフ。
【図19】本発明の第2の実施形態に係るプリンタに用いた現像装置の概略構成図。
【図20】同プリンタにおける現像ガンマ特性のグラフ。
【図21】変形例に係る現像装置の概略構成図。
【図22】本発明の第3の実施形態に係るプリンタの概略構成図。
【図23】同プリンタに用いることができるプロセスカートリッジの部分斜視図。
【図24】同プリンタに用いた現像装置の概略構成図。
【図25】(a)及び(b)は、現像ローラの表層の体積抵抗率測定システムの説明図。
【図26】現像ローラ上のトナー帯電量分布の測定結果を示すグラフ。
【図27】経時における地汚れ発生の状況を示すグラフ。
【図28】トナーの平均帯電量を変化させたときの現像ポテンシャルとトナー付着量との関係を示すグラフ。
【図29】球形トナー及び粉砕トナーのそれぞれを用いたときの現像ポテンシャルとトナー付着量との関係を示すグラフ。
【符号の説明】
1 感光体ドラム
1B 感光体ドラムの導電性基体
1P 感光体ドラムの感光層
2 帯電装置
3 露光装置
4 現像装置
5 転写装置
6 クリーニング装置
10 トナー
11 磁性粒子
12 二成分現像剤
20 転写紙
50 プロセスカートリッジ
401 ケーシング
402、420 現像ローラ
402a 現像ローラの芯金(導電性基体)
402b 現像ローラの弾性層
403 磁気ブラシローラ
404、405 攪拌・搬送部材
406 規制ブレード
407 磁石部材
408 スリーブ
409 電源(現像バイアス用)
410 電源(トナー供給バイアス用)
411 アジテータ
412 供給ローラ
413 規制ブレード
414 規制ローラ
A1 現像領域
A2 トナー供給領域

Claims (13)

  1. 潜像担持体と、該潜像担持体の表面を一様に帯電し画像情報に基づいて該表面の電位を選択的に低下させることにより該潜像担持体上に潜像を形成する潜像形成手段と、一成分現像剤を使用し、トナー担持体上にトナー層を形成し、該トナー担持体上のトナー層を該潜像担持体と接触させるように搬送することにより、該潜像担持体上の潜像を現像する接触一成分現像を行う現像装置と、該潜像担持体上のトナー像を転写材に電界転写する転写装置とを備え、
    該転写装置を、該潜像担持体から該転写材にトナー像を転写する転写領域で該転写材を介して該潜像担持体の表面に対向するように配置された転写部材と、転写バイアスを該転写部材に印加する転写バイアス印加手段とを用いて構成した画像形成装置において、
    該潜像担持体の帯電電位の絶対値が400V以下であり、
    該トナーの平均帯電量の絶対値が5μC/g以上且つ25μC/g以下であり、
    該転写バイアスの絶対値が400V以上且つ1000V以下であり、
    画像濃度が最大となるときの現像ポテンシャル値|VB−VL|max が300V以下であり、
    該トナー担持体と該潜像担持体とが対向している現像領域における該潜像担持体表面と該トナー担持体表面との間に形成される現像寄与トナー存在領域のトナー層の単位面積あたりの静電容量C TL が、該潜像担持体の感光層の単位面積あたりの静電容量C PC よりも大きいことを特徴とする画像形成装置。
  2. 請求項1の画像形成装置において、
    前記トナーの平均粒径が3〜12μmであることを特徴とする画像形成装置。
  3. 請求項1又は2の画像形成装置において、
    前記トナー担持体は、導電性基体上にゴム材からなる表層を有し、直径が10〜30mmであることを特徴とする画像形成装置。
  4. 請求項3の画像形成装置において、
    前記トナー担持体の表面粗さの値は、前記トナーの平均粒径に対して13〜80%であることを特徴とする画像形成装置。
  5. 請求項3の画像形成装置において、
    前記トナー担持体の表面粗さの値は、前記トナーの平均粒径に対して20〜30%であることを特徴とする画像形成装置。
  6. 請求項3乃至5のいずれかの画像形成装置において、
    前記トナー担持体の表面は、厚みが5〜50μmのコート材料で被覆されていることを特徴とする画像形成装置。
  7. 請求項3乃至6のいずれかの画像形成装置において、
    前記トナー担持体の表面に規制ブレードを当接させていることを特徴とする画像形成装置。
  8. 請求項7の画像形成装置において、
    前記規制ブレードの当接角度は、その先端が前記トナー担持体の表面移動方向下流側に向く方向で該トナー担持体の接線に対して10〜45°であることを特徴とする画像形成装置。
  9. 請求項3の画像形成装置において、
    前記トナー担持体の表面に規制ローラを当接させていることを特徴とする画像形成装置
  10. 求項1乃至のいずれかの画像形成装置において、
    前記潜像担持体は、導電性基体上に感光層を有するものであり、該感光層の単位面積当たりの静電容量CPCが、80pF/cm以上であることを特徴とする画像形成装置。
  11. 請求項1乃至1のいずれかの画像形成装置において、
    前記トナーとして、球形度が95%以上の球形トナーを用いたことを特徴とする画像形成装置。
  12. 請求項1乃至1のいずれかの画像形成装置において、
    前記トナーの帯電量の個数分布プロファイルの半値幅が、1.9[fC/10μm]以下であることを特徴とする画像形成装置。
  13. 請求項1乃至1のいずれかの画像形成装置において、
    前記転写バイアス印加手段は、定電圧制御された転写バイアスを前記転写部材に印加することを特徴とする画像形成装置。
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