JP2003316155A - 現像装置、画像形成装置、及び画像形成方法 - Google Patents

現像装置、画像形成装置、及び画像形成方法

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JP2003316155A
JP2003316155A JP2002119605A JP2002119605A JP2003316155A JP 2003316155 A JP2003316155 A JP 2003316155A JP 2002119605 A JP2002119605 A JP 2002119605A JP 2002119605 A JP2002119605 A JP 2002119605A JP 2003316155 A JP2003316155 A JP 2003316155A
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toner
developing
developing device
charged toner
carrier
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JP2002119605A
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English (en)
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Hajime Koyama
一 小山
Katsuhiro Aoki
勝弘 青木
Kazuo Goto
一雄 後藤
Hiroshi Ikeguchi
弘 池口
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 トナーの平均帯電量を高めることなく地汚れ
を防止することができる現像装置、この現像装置を備え
た画像形成装置、更にこの現像装置を用いた画像形成方
法を提供する。 【解決手段】 現像ローラ402に対向して逆極性帯電
トナー通過阻止手段として逆極性帯電トナー通過阻止ロ
ーラ501を設ける。逆極性帯電トナー通過阻止ローラ
は、現像ローラ上のトナーのうち逆極性帯電トナーが現
像部に到達するのを阻止すると共に、この逆帯電トナー
を正規極性に反転帯電させて再度現像ローラに戻し現像
部に搬送させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複写機、プリンタ
ー、FAXなどに用いる現像装置、及びこの現像装置を
備えた画像形成装置に係る。詳しくは、トナー担持体に
よって潜像担持体に対向する現像領域にトナーを搬送
し、このトナーを用いて潜像担持体上の潜像を現像する
現像装置、及びこの現像装置を備えた画像形成装置に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来この種の現像装置としては、潜像担
持体上の静電潜像を現像する現像剤としてトナーからな
る一成分現像剤を用いる一成分現像装置と、トナーと磁
性粒子とからなる二成分現像剤を用いる二成分現像装置
とが知られている。一成分現像装置は、潜像担持体と対
向する位置に設けたトナー担持体の表面にトナーを供給
し、その表面に担持させた状態で潜像担持体との対向位
置である現像ニップに搬送する。そして、トナー担持体
と潜像担持体との間に現像バイアスを印加して現像電界
を形成し、トナー担持体上のトナーを潜像担持体上の潜
像に転移させてトナー像化するものである。このような
一成分現像装置では、現像剤をトナー担持体上に担持さ
せて搬送するために、磁性トナーの場合は磁力を、非磁
性トナーの場合は静電気を利用する方法が一般的に採用
されている。二成分現像装置は、潜像担持体と対向する
位置に設けたトナー担持体の表面にトナーを供給し、現
像ニップに搬送するのは一成分現像装置と同じである。
一成分現像装置と異なるのは、トナーをトナー担持体表
面に担持させるために二成分現像剤からなる磁気ブラシ
を表面に形成したトナー供給部材を用いることである。
所謂二成分磁気ブラシ現像装置というものである。この
二成分磁気ブラシ現像装置では、トナー供給部材上に形
成した磁気ブラシ中のトナーは磁性粒子との摩擦により
所定極性に帯電される。そして、トナー供給部材上の磁
気ブラシから所定極性に帯電されたトナーのみが、トナ
ー担持体上に移動して担持され潜像担持体との対向位置
である現像ニップに搬送されて現像に使用される。
【0003】上記のような一成分現像装置及び二成分磁
気ブラシ現像装置のいずれにおいても、トナーを静電潜
像に忠実に転移させるためには、トナーを予め設定した
所望の帯電量に帯電させる必要がある。ところが、いず
れの現像装置においても、トナー帯電量を所望の帯電量
に維持することができない場合があった。上記一成分現
像装置のうち非磁性トナーを用いる場合、トナー担持体
上のトナーの帯電制御はトナー担持体に接触するブレー
ドやトナー供給ローラ等による摩擦帯電で行っている。
また、磁性、非磁性いずれのトナーの場合でも、トナー
担持体上に担持させた後にトナー層厚を薄層化する必要
がある。このため、層厚規制部材としてブレードをトナ
ー担持体に当接させ、その当接位置にトナー担持体上に
担持されたトナーを通過させる。これらトナーの帯電制
御や層厚の薄層化のためにブレードやトナー供給ローラ
等の当接部材をトナー担持体に当接させて相対移動させ
ると、トナー担持体と当接部材とが互いに摺擦し合う。
このため、トナーにストレスがかかって逆帯電トナーが
生じることがあり、トナー帯電量を所望の帯電量に維持
することができない場合があった。また、二成分磁気ブ
ラシ現像装置の場合、現像ローラ上へのトナー供給と同
時に適量のとナー薄層を形成できるので、薄層形成時の
現像ローラ、トナーへのストレスが1成分方式に比べて
少ない。しかし、この二成分磁気ブラシ現像方式に於い
ても逆帯電トナーを完全に排除することはできず、トナ
ー帯電量を所望の帯電量に維持することができない場合
があった。そして、トナー帯電量を所望の帯電量に維持
することができない結果、地汚れが発生することがあっ
た。
【0004】ここで、一成分現像装置において、トナー
の帯電電荷量を所望の帯電量にするために以下のような
発明が提案されている。特開平11−119547号公
報において、現像スリーブの長手方向においてトナーの
帯電電荷量を均一かつ高く維持し環境変動に影響されな
い現像装置を提供することが提案されている。これは、
感光ドラムに対向した開口部に現像スリーブを横設し、
その両端部に端部シール部材を設ける。現像部上流側の
現像スリーブ上にトナー帯電ローラ、その上流側にカウ
ンター方向に弾性ブレード、さらにその上流側に弾性ロ
ーラを配設する。トナー帯電ローラによって現像スリー
ブ上の非磁性トナーに対し放電開始電圧以上でかつトナ
ーと同極性のバイアスを現像スリーブと共用する電源か
ら印加するものである。これによって、トナーの帯電電
荷量を均一かつ高く維持し、現像動作の繰り返しによる
トナーの帯電電荷量の変動を防止して、環境変動に影響
されない良好な画像を得ることができるようにしたもの
である。また、特開2001−75357号公報におい
て、トナーストレスによるトナーの帯電性低下を抑制
し、トナーの帯電量を均一化して、異常画像の発生のな
い良好な画像形成を行うことが提案されている。これ
は、現像ローラに非接触で、交流電圧を印加したトナー
帯電部材を現像ブレードと別体で設けたものである。こ
れによって、トナーへのストレスを低減しながらトナー
薄層を形成すると共に、十分なトナー帯電量を得ること
ができるようにしたものである。
【0005】また、二成分磁気ブラシ現像装置において
も、特願2000−85391号において、地汚れや画
像濃度不足のない高品質のトナー像を形成することがで
きるようにしたものが提案されている。これは、現像ロ
ーラ上に担持され現像領域に搬送されるトナーのトナー
帯電量個数分布を、磁気ブラシローラに担持された現像
剤中のトナーにおけるトナー帯電量個数分布よりシャー
プにするものである。これによって、トナー担持体上の
トナーフィルミングや、トナー担持体及び接触部材の摩
擦による現像特性の経時的な変化などの問題をなくすよ
うにしたものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記特開平
11−119547号公報及び特開2001−7535
7号公報においては、地汚れの大きな要因である逆帯電
トナー比率を少なくするために、トナーの帯電量を全体
的に高めている。即ち、トナー帯電ローラやトナー帯電
部材によってトナーの平均帯電量を高めている。このた
め、現像電界強度がそのままだと現像効率が低下する恐
れが生じ、現像効率を回復させるためには現像電界強度
を高める必要がある。また、上記特願2000−853
91号においては、現像ローラ上に担持され現像領域に
搬送されるトナー中の逆帯電トナーの比率を磁気ブラシ
ローラに担持された現像剤中のトナー中の比率より減少
させてはいる。しかし、現像ニップにおけるトナー中の
逆帯電トナーの比率を更に減少させ、更に地汚れを解消
できる余地はあると思われる。
【0007】本発明は以上の背景に鑑みなされたもので
あり、その目的は以下のものである。即ち、トナーの平
均帯電量を高めることなく地汚れを防止することができ
る現像装置、この現像装置を備えた画像形成装置、更に
この現像装置を用いた画像形成方法を提供することであ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1の現像装置は、表面にトナーを担持搬送す
るトナー担持体と、該トナー担持体表面にトナーの薄層
を形成する薄層形成手段とを有し、該薄層形成手段によ
って薄層化された該トナー担持体表面のトナーを該像担
持体表面の移動によって潜像担持体に対向する現像領域
に搬送して該潜像担持体上の潜像を現像する現像装置に
おいて、上記トナー担持体表面移動方向における上記薄
層形成手段によるトナーの薄層形成位置と上記現像領域
との間に、トナーの正規帯電極性とは逆の帯電極性であ
る逆帯電トナーを摩擦により正規極性に帯電させた後に
下流側へ通過させる逆帯電トナー通過阻止手段を設けた
ことを特徴とするものである。また、請求項2の現像装
置は、請求項1の現像装置において、上記逆帯電トナー
通過阻止手段を、上記トナーの薄層形成位置と上記現像
領域との間の上記トナー担持体表面に対向して設けられ
た逆帯電トナー通過阻止部材で構成し、該逆帯電トナー
通過阻止部材の表面電位におけるDC成分Vaが、該ト
ナー担持体の表面電位におけるDC成分Vbよりトナー
の正規帯電極性側、即ち(Va−Vb)×(トナーの正
規帯電極性)>0で、且つ、該逆帯電トナー通過阻止部
材表面の該トナーに対する摩擦帯電極性系列上の位置が
該トナーの正規帯電極性に対して反対極性側であること
を特徴とするものである。請求項3の現像装置は、請求
項1又は2の現像装置において、トナーと磁性粒子とか
らなる二成分現像剤によって形成された磁気ブラシを表
面に有するトナー供給部材を設け、該磁気ブラシを上記
トナー担持体に接触させることによりトナーのみを該ト
ナー担持体表面に供給すると共に該トナー担持体へのト
ナーの薄層形成を行うよう構成したことを特徴とするも
のである。請求項4の現像装置は、請求項1,2,又は
3の現像装置において、上記逆帯電トナー通過阻止手段
を、上記トナーの薄層形成位置と上記現像領域との間の
上記トナー担持体表面に対向して設けられた逆帯電トナ
ー通過阻止部材で構成し、該逆帯電トナー通過阻止部材
にバイアス電圧を印加する阻止バイアス印加手段を設
け、該阻止バイアス印加手段におけるバイアス印加位置
から該逆帯電トナー通過阻止部材表面までの該逆帯電ト
ナー通過阻止部材厚み方向の電気抵抗を該逆帯電トナー
通過阻止部材表面1[cm]当たりR1、上記トナー担
持体表面に担持されるトナー層の厚み方向の電気抵抗を
該トナー層表面1[cm]当たりR2、とし、R2をR
1の10倍以上とした事を特徴とするものである。請求
項5の現像装置は、請求項1,2,3,又は4の現像装
置において、上記逆帯電トナー通過阻止手段を、上記ト
ナーの薄層形成位置と上記現像領域との間の上記トナー
担持体表面に対向して設けられ表面が該トナー担持体表
面に対して相対移動する逆帯電トナー通過阻止部材で構
成し、該逆帯電トナー通過阻止部材が、表面にトナーと
磁性粒子とからなる二成分現像剤によって形成された磁
気ブラシを有し、該磁気ブラシが該トナー担持体表面に
接触又は近接していることを特徴とするものである。請
求項6の現像装置は、請求項5の現像装置において、上
記逆帯電トナー通過阻止部材表面、及び上記磁気ブラシ
の構成要素である磁性粒子表面のトナーに対する摩擦帯
電極性系列上の位置を、該トナーの正規帯電極性に対し
て反対極性側としたことを特徴とするものである。請求
項7の現像装置は、請求項5又は6の現像装置におい
て、上記逆帯電トナー通過阻止部材表面に形成された磁
気ブラシの構成要素である磁性粒子のうち、一部又は全
部を交換する磁性粒子交換手段を設けたことを特徴とす
るものである。請求項8の現像装置は、請求項1,2,
3,又は4の現像装置において、上記逆帯電トナー通過
阻止手段を、上記トナーの薄層形成位置と上記現像領域
との間の上記トナー担持体表面に対向して設けられた逆
帯電トナー通過阻止部材で構成し、該逆帯電トナー通過
阻止部材が、該トナー担持体表面に接触又は近接し、回
転するローラ状の逆帯電トナー通過阻止ローラであるこ
とを特徴とするものである。請求項9の現像装置は、請
求項8の現像装置において、上記逆帯電トナー通過阻止
ローラの表面を弾性体から構成し、かつ上記トナー担持
体表面に接触させたことを特徴とするものである。請求
項10の現像装置は、請求項1,2,3,又は4の現像
装置において、上記逆帯電トナー通過阻止手段を、上記
トナーの薄層形成位置と上記現像領域との間の上記トナ
ー担持体表面に対向して設けられた逆帯電トナー通過阻
止部材で構成し、該逆帯電トナー通過阻止部材が、該ト
ナー担持体表面に接触又は近接するファーブラシ部と該
ファーブラシ部を支持する支持部とからなる逆帯電トナ
ー通過阻止ブラシであることを特徴とするものである。
請求項11の現像装置は、請求項10の現像装置におい
て、上記逆帯電トナー通過阻止ブラシの支持部にバイア
ス電圧を印加する阻止バイアス印加手段を設け、該阻止
バイアス印加手段におけるバイアス印加位置から上記フ
ァーブラシ先端までの電気抵抗を該ファーブラシ先端面
1[cm]当たりR3、上記トナー担持体表面に担持さ
れるトナー層の厚み方向の電気抵抗を該トナー層表面1
[cm]当たりR2、とし、R2をR3の10倍以上と
したことを特徴とするものである。請求項12の現像装
置は、請求項1,2,3,4,5,6,7,8,9,1
0,及び11の現像装置において、上記逆帯電トナー通
過阻止手段を、上記トナーの薄層形成位置と上記現像領
域との間の上記トナー担持体表面に対向して設けられた
逆帯電トナー通過阻止部材で構成し、上記潜像担持体と
該逆帯電トナー通過阻止部材とを非現像時において同時
に駆動させることを可能としたことを特徴とするもので
ある。請求項13の現像装置は、請求項12の現像装置
において、上記非現像時駆動を行うタイミングが、上記
潜像が現像される前に上記潜像担持体を駆動している期
間である前駆動時、該潜像が現像された後に該潜像担持
体を駆動している期間である後駆動時、及び前の現像動
作終了後から次の現像動作開始までの両現像動作間のう
ち少なくとも1つの期間に行うことを特徴とするもので
ある。請求項14の現像装置は、請求項1、2,3,
4,5,6,7,8,9,10、11,12,又は13
の現像装置において、上記逆帯電トナー通過阻止手段
を、上記トナーの薄層形成位置と上記現像領域との間の
上記トナー担持体表面に対向して設けられた逆帯電トナ
ー通過阻止部材で構成し、該逆帯電トナー通過阻止部材
の表面を、該トナー担持体との対向部において該トナー
担持体表面と同方向に同線速で移動、又は該トナー担持
体表面に従動させたことを特徴とするものである。請求
項15の現像装置は、請求項項1、2,3,4,5,
6,7,8,9,10、11,12,13,又は14の
現像装置において、上記逆帯電トナー通過阻止手段を、
上記トナーの薄層形成位置と上記現像領域との間の上記
トナー担持体表面に対向して設けられた逆帯電トナー通
過阻止部材で構成し、該逆帯電トナー通過阻止部材表面
と上記トナー担持体表面に担持されているトナーとの電
位差が、該トナーに対する放電開始電圧未満となるよ
う、該逆帯電トナー通過阻止部材表面の電位を設定した
ことを特徴とするものである。請求項16の現像装置
は、請求項1、2,3,4,5,6,7,8,9,1
0、11,12,13,14,又は15の現像装置にお
いて、上記トナーとして、活性水素と反応可能な変性ポ
リエステル系樹脂からなるトナーバインダーを含むトナ
ー組成分を有機溶媒中に溶解又は分散させ、該有機溶媒
中に溶解又は分散させたトナー組成分を、樹脂微粒子を
含む水系媒体中で架橋剤及び伸張剤のうち少なくとも一
方と反応させ、反応させた後の溶液から溶媒を除去し、
かつトナー表面に付着した該樹脂微粒子を洗浄・脱離し
て得らるものを用いたことを特徴とするものである。請
求項17の現像装置は、請求項1、2,3,4,5,
6,7,8,9,10、11,12,13,14,1
5,又は16の現像装置において、上記潜像担持体に対
向する現像領域に搬送されるトナーのうち、逆帯電トナ
ーの含有率をトナー個数比で25[%]以下としたことを
特徴とするものである。請求項1乃至17の現像装置に
おいては、薄層形成位置と現像領域との間で逆帯電トナ
ー通過阻止手段によって、トナー担持体表面に担持され
るトナーのうち逆帯電トナーの通過を阻止する。そし
て、逆帯電トナー通過阻止手段によって逆帯電トナーを
摩擦により正規極性に帯電させた後、トナー担持体表面
に担持させ現像領域のある下流側へ通過させる。また、
もともと正規極性に帯電しているトナーは、逆帯電トナ
ー通過阻止手段が設けられている位置を何の作用も受け
ずに通過して現像領域に搬送される。これにより、トナ
ーの平均帯電量を高めることなく現像領域に搬送される
トナーの逆帯電トナー含有率を減少させる。請求項18
の画像形成装置は、表面に潜像を担持する潜像担持体
と、該潜像を現像する現像装置とを有する画像形成装置
において、上記現像装置として、請求項1、2,3,
4,5,6,7,8,9,10、11,12,13,1
4,15,16,又は17の現像装置を用いたことを特
徴とするものである。請求項19の画像形成装置は、請
求項18の画像形成装置において、上記潜像担持体が、
表面に粒子状物質を含有してなることを特徴とするもの
である。請求項20の画像形成装置は、請求項19の画
像形成装置において、上記潜像担持体を、導電性基体上
に直接又は中間層を介して感光層を有し、該感光層に少
なくとも電荷発生物質と電荷輸送物質と無機フィラーと
を含有し、かつ該感光層における該無機フィラーの含有
率を該導電性基体側から最も離れた表層側で他の部分よ
り多くしたことを特徴とするものである。請求項21の
画像形成装置は、請求項18,19,又は20の画像形
成装置において、上記現像装置によって現像されてなる
トナー像が転写体上に転写された後であって、かつ次の
潜像を担持する前の上記潜像担持体表面をクリーニング
するクリーニング手段を設けないことを特徴とするもの
である。請求項18乃至21の画像形成装置において
は、請求項1乃至17の現像装置によって現像を行うの
で、トナーの平均帯電量を高めることなく現像領域に搬
送されるトナーの逆帯電トナー含有率を減少させること
ができる。請求項22の画像形成方法は、潜像担持体表
面に担持された潜像を所定の現像方法によって現像する
画像形成方法において、上記所定の現像方法を行うため
に用いる現像装置として、請求項1、2,3,4,5,
6,7,8,9,10、11,12,13,14,1
5,16,又は17の現像装置を用いたことを特徴とす
るものである。請求項22の画像形成方法においては、
潜像担持体表面に担持された潜像を現像する現像方法を
行うために、請求項1乃至17の現像装置を用いる。よ
って、トナーの平均帯電量を高めることなく現像領域に
搬送されるトナーの逆帯電トナー含有率を減少させるこ
とができる。
【0009】
【発明の実施の形態】〔実施形態1〕以下、本発明を、
画像形成装置としての電子写真式レーザプリンタ(以下
「プリンタ」という。)及び該プリンタに用いる現像装
置に適用した実施形態1について説明する。まず、図1
を用いて、本実施形態に係るプリンタの全体の概略構成
について説明する。このプリンタは、潜像担持体として
のドラム状の感光体1の周辺に次のものが順に配置され
ている。先ず、感光体1の表面を一様帯電する帯電装置
2、画像情報に基づいて変調されたレーザー光線等を感
光体1に照射する露光装置3である。更に、感光体1に
形成された静電潜像に対し現像ローラ402上の帯電ト
ナーを付着させることでトナー像を形成する現像装置
4、感光体1上に形成されたトナー像を転写材としての
転写紙20に転写する転写装置5である。そして、転写
後に感光体1上に残ったトナーを除去するクリーニング
装置6等がある。また、感光体1上に静電潜像を形成す
る潜像形成手段は、上記帯電装置2及び露光装置3によ
り構成されている。また、図示しない給紙トレイ等から
転写紙を給紙・搬送する図示しない給紙搬送装置と、転
写装置5で転写されたトナー像を転写紙20に定着する
図示しない定着装置とが備えられている。
【0010】なお、上記プリンタを構成する複数の装置
の一部は、プリンタ本体に対して着脱可能に一体構造物
(ユニット)として構成してもよい。例えば、図2に示
すように、感光体1と帯電装置2と現像装置4とクリー
ニング装置6とを、プリンタ本体に対して着脱可能に、
一体構造物である画像形成プロセスユニット50として
構成してもよい。
【0011】上記構成のプリンタにおいて、矢印a方向
に回転する感光体1の表面は、帯電装置2で一様帯電さ
れた後、画像情報に基づいて変調されたレーザー光線が
感光体軸方向にスキャンされて照射される。これによ
り、感光体1上に静電潜像が形成される。感光体1上に
形成された静電潜像は、現像領域A1において、現像装
置4により帯電したトナーを付着させることで現像さ
れ、トナー像となる。一方、転写紙20は図示しない給
紙搬送装置で給紙・搬送され、レジストローラ7により
所定のタイミングで感光体1と転写装置5とが対向する
転写部に送出・搬送される。そして転写装置5により、
転写紙20に感光体1上のトナー像とは逆極性の電荷を
付与することで、感光体1上に形成されたトナー像が転
写紙20に転写される。次いで、転写紙20は、感光体
1から分離され、図示しない定着装置に送られ、該定着
装置でトナー像が定着された転写紙20が出力される。
転写装置5でトナー像が転写された後の感光体1の表面
は、クリーニング装置6でクリーニングされ、感光体1
上に残ったトナーが除去される。
【0012】次に、本実施形態における感光体1の構成
について詳しく説明する。図19は、感光体1の構造を
示した部分断面図である。上記感光体1は導電性基体上
に直接又は中間層を介して感光性を有する感光層を形成
したものである。本実施形態においては、この感光層1
11を下から電荷発生物質からなる電荷発生層112、
電荷輸送物質からなる電荷輸送層113、その上に無機
フィラー114aを含有する保護層114の3層から構
成した。更に、保護層に含まれている無機フィラー11
4aは、アルミナ等からなる粒子状物質であり感光体表
層側に近いほど樹脂中の含有率が高くなるよう製造して
いる。保護層114の形成には、無機フィラー114a
を樹脂に分散して電荷輸送層113の上層に塗布し、溶
剤を飛ばして乾燥、硬化させる。無機フィラーは、保護
層114の厚み方向に均一な分散状態で固定されるので
はなく、表面側に析出する態様で表層側に多くなる。こ
の無機フィラー114aの分散状態は塗布条件で管理す
ることができる。尚、保護層に含まれている粒子状物質
を、無機フィラーに替えて、他の粒子状物質を用いても
よい。この際、保護層を構成する樹脂より硬いものであ
れば良く、無機及び有機物質が使用可能である。例え
ば、酸化チタン、シリカ、酸化錫、酸化ジルコニウム、
酸化インジウム、窒化ケイ素、酸化カルシウム、酸化亜
鉛、硫化バリウム等の金属酸化物が挙げられる。このう
ち特に良ましいものとして、酸化チタン、シリカ、酸化
ジルコニウム等が挙げられる。これら粒子状物質は分散
性向上などの理由から、無機物又は有機物で表面処理さ
れていても良い。一般に撥水性処理として、シランカッ
プリング剤で処理したもの、或いは、フッ素系シランカ
ップリング剤処理したもの、高級脂肪酸処理したもの等
が使用可能である。無機物処理としては、フィラー表面
をアルミナ、ジルコニア、酸化スズ、シリカ処理したも
のが使用可能である。また、そのバインダー樹脂として
は、熱可塑性樹脂、硬化性樹脂が使用可能である。例え
ば、アクリル樹脂、ポリエステル、ポリカーボネート、
ポリアミド、ポリウレタン、ポリスチレン、エポキシ樹
脂等が挙げられる。尚、感光体1としては、厚みの比較
的薄いポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエ
チレンナフタレート(PEN)、ニッケル等に感光層を
形成したベルト感光体を使用することも可能である。ま
た、本実施形態ではマイナス極性に一様帯電する感光体
1を使用しているが、トナーの帯電極性等との関係を考
慮し必要に応じてプラス極性に一様帯電するものを使用
してもよい。本実施形態の感光体1は、直径が50[m
m]であり、線速が200[mm/sec]となるよう回転
駆動する。
【0013】また、本実施形態では、表面の摩擦係数が
所定の範囲内にある感光体1を使用した。具体的には、
表面の最大静止摩擦係数μが0.1≦μ≦0.4の範囲
内にある感光体1を使用した。感光体1の表面の最大静
止摩擦係数μを上記所定値以下にすることにより、本来
感光体1への付着に不必要な地汚れトナーが現像領域で
付着しにくくなる。また、クリーニング装置6のクリー
ニングブレード601(図1参照)との摩擦も小さくな
り、その結果、感光体1の寿命を延ばすことが可能とな
る。
【0014】本実施形態では、上記感光体1の表面の最
大静止摩擦係数μが0.1〜0.4の範囲に維持される
ように、感光体1の表面に所定のタイミングで潤滑剤を
塗布している。この潤滑剤を塗布する方法としては、従
来から公知の方法を採用することができる。例えば、特
開平4−372981号公報において、「体積平均粒径
4〜10[μm]のトナ−を使用したとき、感光体の摩擦
係数を低下させる物質を感光体上に供給する。潤滑剤の
供給は一定枚数おきに直接塗布、又は潤滑剤を担持した
部材を常時又は一定枚数おきに感光体に当接させても良
い。」等のように開示されている。このように感光体表
面に潤滑剤を塗布することにより、感光体1の表面の最
大静止摩擦係数μを0.1〜0.4の範囲に維持するこ
とができる。本実施形態においては、体積平均粒径5〜
10[μm]のトナ−を使用する。なお、上記潤滑剤を感
光体1の表面に塗布する代わりに、感光体1の表面部を
構成する感光材料自体に予め潤滑剤を入れておいてもよ
い。
【0015】上記感光体1の最大静止摩擦係数μは、図
3の測定システムを用いて測定したものである。まず、
用紙(株式会社リコー製、TYPE6200、A4サイ
ズ、T目)を297[mm]×30[mm]に切り、両端に
糸101をつけて測定紙片100を作成する。この測定
紙片100の特性は、次表1のとおりである。
【0016】
【表1】
【0017】次に、テーブル102の上の支持部材10
3にセットした感光体1の上に、上記測定紙片100を
裏面が接触するようにのせる。そして、測定紙片100
の一方の糸101に0.98N(=100g重)の重り
104をつけ、もう一方の糸101をデジタルフォース
ゲージ(デジタルプッシュプルゲ−ジ)105に接続す
る。そして、上記重り104で測定紙片100を引っ張
り、測定紙片100が動き出した時のゲ−ジ105の値
を読む。このときの値をF[N]とすると、最大静止摩
擦係数μは次式で求められる。
【数1】μ={ln(F/0.98)}/(π/2)
【0018】感光体1の表面に潤滑剤等を塗布しない未
処理の場合における上記感光体の最大静止摩擦係数μの
測定値は、0.5〜0.6であり、経時で増加する傾向
にある。これに対して、潤滑剤を塗布した感光体1の測
定を行うとその値μは0.1〜0.4の範囲であった。
【0019】本実施形態では、感光体1と現像装置4の
現像ローラ402とは、現像ローラ402上のトナ−層
を介して当接している。感光体1に対する現像ローラ4
02の押圧方法はバネで当接させるのが良好で、特に複
数のバネで当接させると当接ムラを低減させることが可
能である。この当接用バネはコイルバネ、板バネ等が使
用可能である。また、現像ローラ402の表面部の硬度
(JIS−A)が30゜とすると、現像ローラ402の
感光体1に対する当接線圧は9.8〜128N/m(1
〜16[gf/mm])の範囲が好ましい。また、上記現
像ローラ402の押圧手段の数は多い程圧が分散される
ので当接ムラを低減できるので、良好である。これによ
って、現像ローラ表面の感光体表面に対する喰い込み量
は0.1〜0.3[mm]となっている。
【0020】下記の表2は、感光体1の表面に潤滑剤
(ステアリン酸亜鉛、シリコンオイル)を塗布した場合
及び潤滑剤を塗布しない未処理の場合における、現像ロ
ーラ402の当接圧と現像特性(ベタ均一性、地汚れ)
との関係を調べた実験結果を示している。軸方向の幅が
50[mm]の現像ローラ402を、150[g]〜900
[g]の荷重で感光体1に当接させた。現像ローラ402
の表層材料としては、シリコンゴムを使用した。また、
現像ローラ402の対感光体線速比は、×1.2に設定
した。また、表2中の「0.035」等の数値は、地汚
れの程度を示す指標としてのΔIDの値である。このΔ
IDは次のように測定する。まず、感光体1の地肌部に
付着しているトナーを透明の粘着テープにうつしとり、
該粘着テープに対して光の反射特性を測定する。そし
て、入射光強度ILQ及び反射光強度IUの測定値から、
次の数2で示す計算式を使って、光学濃度ID(測定対
象)を求める。同じように基準サンプルの粘着テープに
対する光学濃度ID(基準)しても行い、次の数3で示
す計算式を使ってΔIDを求める。また、このΔIDの
目標値は0.02以下である。
【0021】
【数2】ID=log10(IU/ILQ)
【数3】ΔID=ID(測定対象)−ID(基準)
【0022】また、表2中のかっこ内に付した記号A,
B及びCは異常画像の発生を示しており、それぞれ「バ
ンディング」、「先端白抜け」及び「ベタムラ」の発生
に対応している。
【0023】
【表2】
【0024】この表2から、感光体1の表面に潤滑剤を
塗布して該表面の最大静止摩擦係数μを0.4以下にす
ることで、地汚れを防止することができることがわか
る。また、感光体1の表面の最大静止摩擦係数μが0〜
0.1の範囲では、感光体1に対して上記線速比を持っ
て回転している現像ローラ402によるスキャベンジ能
力が高まる。これによって感光体1と現像ローラ402
の間のトナー10が十分現像されずに、低濃度の画像と
なるために品質が著しく劣化する。また、感光体1の表
面の最大静止摩擦係数μが0.4以上の範囲では、感光
体1の地肌部の地汚れが出やすくなる。この地汚れの防
止手段として現像ローラ402の感光体1に対する当接
圧を増やすとか、現像ローラの対感光体線速比を増やす
ことが有効であるが、バンディング等の異常画像が発生
しやすくなる。
【0025】次に、感光体1への静電潜像形成について
詳しく説明する。本実施形態のプリンタでは、従来の光
書き込み系に対してビームスポット径を小さくして且つ
書き込みエネルギーを増加した条件になるように、露光
装置3における光書き込み条件を設定している。
【0026】ここでは、上記光書き込み条件を、感光体
1の微分感度Sというパラメータを用いて説明する。こ
の微分感度Sは、露光装置3が照射する光ビームと同等
の波長の光ビームで感光体1を均一露光したときに得ら
れる感光体1の表面電位V(E)と露光量Eとの関係で
定義される。具体的には、感光体1をある露光量Eで露
光し、ここから露光量Eを微小な値ΔEだけ増やしたと
きの感光体表面電位をV(E+ΔE)とした場合、微分
感度Sは、次式で定義される。
【0027】
【数4】S=|V(E+ΔE)−V(E)|/ΔE
【0028】一般に、微分感度Sは露光量Eが増加する
に従い低減する。「微分感度を十分小さくする値」とい
うのは、求める安定性を得るのに十分な感光体1の減衰
特性の領域を使用することができるような露光量の値を
意味する。この場合の「求める安定性」というのは、画
像を構成する画素のうちのトナーを付着させるトナー付
着画素の単位面積当たりの密度により該画像の階調を表
現する2値プロセスにおいて、次のことである。即ち、
均一なドット径及び所定の現像濃度を有した複数のドッ
ト画像を形成できることであり、それが経時的に大きな
変化をしないことである。ところが、感光体1の経時劣
化に伴う露光後電位の上昇で現像濃度不足が生じること
がある。そこで、このような画像品質を低下させないよ
うな露光後電位にするための露光量の値が「微分感度を
十分に小さくする値」であり、例えば感光層の微分感度
Sがその最大値の1/3以下の値にすることである。ま
た、現像条件の観点からは、上記2値プロセスにおいて
均一なドット径及び所定の現像濃度を有した複数のドッ
ト画像を形成するために、感光体1の静電潜像を飽和現
像することが好ましい。
【0029】図4は、本実施形態における感光体1の感
光層1tの構成を示したものである。感光層1tは電荷
発生層1aと電荷輸送層1bとにより構成され、全体の
膜厚TPが13[μm]となっている。そして、感光層1
tの膜厚TPと光ビームの露光径Dbとは、次式の関係
を満足するように設定されている。
【0030】
【数5】2TP<Db<8TP
【0031】ここで、光ビームの露光径Dbは、感光体
1の表面座標を(x、y)としたとき、感光体1上での
光ビームのエネルギー分布P(x、y、t)[W/
]を露光時間で積分した値として定義される次式の
露光量分布E(x、y)[J/m ]のピーク値より1
/eでの最小直径として定義される。
【数6】E(x、y)=∫P(x、y、t)dt
【0032】図5は、感光体1上での露光量分布の説明
図である。本実施形態では、1画素分の静電潜像を感光
体1に形成するために、副走査方向に約20[μm]だけ
露光すると、露光量分布における光ビームの露光径は、
図5に示すように主走査方向及び副走査方向共に約38
[μm]となる。つまり、主副走査方向とも、近似的に3
8[μm]のガウス分布を示す。従って、露光量分布のピ
ーク値より1/eでの最小値径として定義される光ビ
ームの露光径Dbは38[μm]である。
【0033】図6は、露光量に対する感光体1の表面電
位の減衰特性を測定した実験結果の一例を示すグラフで
ある。図6中の記号「◆」が実測データであり、記号
「■」、「△」及びそれらを結ぶ破線は微分感度を説明
するためにプロットしたものである。各破線の傾きが微
分感度となる。本実施形態における露光装置3は、その
光ビームの波長が670nmであり、露光パワーが感光
体1の表面で0.23mWになるように調節されてい
る。これにより、露光量分布のピーク値での露光量、つ
まり、露光径Db内での最大露光量が、感光層1tの微
分感度を十分に小さくする値となる。
【0034】図6に示す感光体1の表面電位の減衰特性
では、最大微分感度が28[V・m /mJ]であり、
その1/3以下の微分感度Sに対応する露光量Eが微分
感度を十分に小さくする値である。参考までに述べる
と、図6の感光体1の減衰特性では、露光量分布のピー
ク値(ピーク露光量)の露光量Eが20[mJ/m
であり、これに対応する微分感度Sは5[V・m/m
J]である。従って最大微分感度の約1/5となってい
る。
【0035】また、本実施形態においては現像ローラ4
02の体積固有抵抗は10[Ω・cm]であり、従来の
一成分現像装置と比較して低い値である。そのため、現
像特性におけるγ曲線(現像ポテンシャルに対する現像
量)をみると、図7の曲線C1で示すようにその立ち上
がり部の傾きが大きく、比較的低電位でも現像しやすく
すぐに飽和してしまう。図7中の曲線C2は、比較例と
して示した従来の一成分現像装置におけるγ曲線であ
る。図7の曲線C1に示すような急峻な立ち上がりを示
す現像特性を有する現像ローラ402を用いることは、
現像ローラ402上のトナー担持量を一定にしてベタ画
像で該現像ローラ402上の全量のトナーを現像するの
は比較的容易ではある。しかし、小径ドットを形成する
には従来の感光体及び書き込みの諸条件では微分感度が
十分下がらない場合は現像量の変化が生じやすい。その
結果、ドット径の変動が見られるが、本実施形態では上
記潜像形成条件が1/eで規定される潜像ドット径の
部分で十分、微分感度が下がっているので均一なドット
径及び現像濃度のドット画像を形成できる。
【0036】次に、現像装置4の構成について詳しく説
明する。図8−1に示すように、現像装置4のケーシン
グ401の内部には、感光体1側から、トナー担持体と
しての現像ローラ402、トナー供給部材としての磁気
ブラシローラ403、攪拌・搬送部材404、405が
配設されている。ケーシング401内のトナー10と磁
性粒子11とを含む二成分現像剤(以下「現像剤」とい
う。)12は、攪拌・搬送部材404、405で攪拌さ
れ、その一部が、磁気ブラシローラ403上に担持され
る。磁気ブラシローラ403上の現像剤12は、現像剤
規制部材としての規制ブレード406で層厚が規制され
た後、トナー供給領域A2で現像ローラ402に接触す
る。このトナー供給領域A2で磁気ブラシローラ403
上の現像剤12よりトナー10のみ分離されて現像ロー
ラ402に供給される。
【0037】本実施形態の現像装置では、アルミ素管を
ベースとした剛体のドラム状の感光体1を用いているの
で、現像ローラ402はゴム材料が良好で、硬度は10
〜70°(JIS−A)の範囲が良好である。また、現
像ローラ402の直径は10〜30[mm]が好適であ
る。本実施形態では直径16[mm]のものを用いた。ま
た、現像ローラ402の表面は適宜あらして粗さRz
(十点平均粗さ)を1〜4[μm]とした。この表面粗さ
Rzの範囲は、トナー10の体積平均粒径に対して13
〜80[%]となり、現像ローラ402の表面に埋没する
ことなくトナー10が搬送される範囲である。ここで、
現像ローラ402のゴム材料として使用できるものとし
てシリコン、ブタジエン、NBR、ヒドリン、EPDM
等を挙げることができる。また、いわゆるベルト感光体
を使用した場合には現像ローラ402の硬度は低くする
必要がないので、金属ローラ等も使用可能である。ま
た、上記現像ローラ402の表面には、経時品質を安定
化させるために適宜コ−ト材料を被覆することが有好で
ある。また、本実施形態における現像ローラ402の機
能はトナーを担持するためだけのものであり、従来の一
成分現像装置のようにトナー10と現像ローラ402と
の摩擦帯電によるトナー10への帯電電荷付与の必要が
ないために、現像ローラ402は電気抵抗、表面性、硬
度と寸法精度を満たせば良く、材料の選択幅は格段に増
えることとなる。
【0038】上記現像ローラ402の表層コート材料
は、帯電がトナー10と逆極性でも良いし、トナーを所
望の極性に摩擦帯電する機能を持たせない場合は同極性
でも良い。前者の表層コート材料としては、シリコン、
アクリル、ポリウレタン等の樹脂、ゴムを含有する材料
を挙げることができる。また後者の表層コート材料とし
ては、フッ素を含有する材料を挙げることができる。フ
ッ素を含んだいわゆるテフロン(登録商標)系材料は表
面エネルギーが低く、離型性が優れるため、経時におけ
るトナーフィルミングが極めて発生しにくい。また、上
記表層コート材料に用いることができる一般的な樹脂材
料として、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、
テトラフルオロエチレンパーフルオロアルキルビニール
エーテル(PFA)、テトラフルオロエチレン・ヘキサ
フルオロプロピレン重合体(FEP)、ポリクロロトリ
フルオロエチレン(PCTFE)、テトラフルオロエチ
レン・エチレン共重合体(ETFE)、クロロトリフル
オロエチレン・エチレン共重合体(ECTFE)、ポリ
ビニリデンフルオライド(PVDF)、ポリビニルフル
オライド(PVF)等を挙げることができる。これに導
電性を得るために適宜カ−ボンブラック等の導電性材料
を含有させることが多い。更に均一に現像ローラ402
にコートできるように、他の樹脂を混ぜ合わせることも
ある。電気抵抗に関してはコート層を含めてバルクの体
積抵抗率を設定するもので、10〜10[Ω・cm]
に設定できるようにベース層の抵抗と調整を行う。本実
施形態で使用するベース層の体積抵抗率は10〜10
[Ω・cm]なので、表層の体積抵抗率は少し高めに設
定することがある。
【0039】上記現像ローラ402の表面部の体積抵抗
率は、図9(a)及び(b)に示す方法で測定したもの
である。まず、測定対象の現像ローラ402を、接地さ
れた導電性のベース板300上にセットし、現像ローラ
402の芯金(回転軸)402aの両端にそれぞれにF
=4.9N(=500gf)の荷重をかけ、全体でF=
9.8N(1kgf)の荷重をかける。これにより、図
9(b)に示すようにベース板300との間にニップW
を形成する。現像ローラ402の芯金402aには、電
流計301を介して直流電源302を接続する。そし
て、直流電圧V(=1V)を印加し、そのときの電流値
I[A]を読み取る。この印加電圧値V[V]及び電流
値I[A]の測定値と、各種寸法L1[cm]、L2
[cm]及びW[cm]の測定値とを用いて、次式によ
り現像ローラ402の弾性層402bの体積抵抗率ρv
を求める。
【0040】
【数7】ρv=(V/I)・(L1×W)/L2
【0041】また、上記現像ローラ402のコ−ト層の
厚みは5〜50[μm]の範囲が良好で、50[μm]を越
えるコート層の硬度とベース層の硬度差が大きい場合で
応力が発生した時にひび割れ等の不具合が生じやすくな
る。また5[μm]を下回ると表面磨耗が進むとベース層
の露出が発生してトナーが付着しやすくなる。
【0042】上記現像剤12は、トナー濃度TCが2〜
10重量[%]の範囲になるよう、トナーと磁性粒子とを
混合している。この現像剤12を構成するトナー10
は、ポリエステル、ポリオ−ル、スチレンアクリル等の
樹脂に帯電制御剤(CCA)及び色剤を混合したもので
あり、その周りにシリカ、酸化チタン等の外添剤を添加
することで流動性を高めている。添加剤の粒径は通常
0.1〜1.5[μm]の範囲である。色剤としてはカー
ボンブラック、フタロシアニンブルー、キナクリドン、
カーミン等を挙げることができる。トナー10は更に場
合によってはワックス等を分散混合させた母体トナーに
上記種類の添加剤を外添しているものも使用することが
できる。トナー10の体積平均粒径は3〜12[μm]の
範囲が好適である。本実施形態で用いたトナーの体積平
均粒径は7[μm]であり、1200dpi以上の高解像
度の画像にも十分対応することが可能である。また、本
実施形態では、帯電極性がマイナスのトナー10を使用
しているが、感光体1の帯電極性などに応じて帯電極性
がプラス極性のトナーを使用してもよい。
【0043】上記磁性粒子11は金属もしくは樹脂をコ
アとしてフェライト等の磁性材料を含有し、表層はシリ
コン樹脂等で被覆されたものである。磁性粒子11の粒
径は20〜70[μm]の範囲である。この粒径は、好ま
しくは30〜50[μm]である。また、磁性粒子11の
抵抗は、ダイナミック抵抗DRで10〜10[Ω]の
範囲が好適である。ここで、上記磁性粒子11のダイナ
ミック抵抗DRの測定は、図10に示す測定装置を用い
て次のように行った。まず、接地した台座200の上方
に、固定磁石を所定位置に内蔵した直径φ20[mm]の
回転可能なスリーブ201をセットする。このスリーブ
201の表面には、幅W=65[mm]及び長さL=0.
5〜1[mm]の対向面積を有する対向電極(ドクタ)2
02を、ギャップg=0.9[mm]で対向させる。次
に、スリーブ201を回転速度600rpm(線速62
8[mm/sec])で回転駆動し始める。そして、回転
しているスリーブ201上に測定対象の磁性粒子を所定
量(14[g])だけ担持させ、該スリーブ201の回転
により該磁性粒子を10分間攪拌する。次に、スリーブ
201に電圧を印加しない状態で、スリーブ201と対
向電極202との間を流れる電流IRII[A]を電流計
203で測定する。次に、直流電源204からスリーブ
201に耐圧上限レベル(高抵抗シリコンコートキャリ
アでは400[V]から鉄粉キャリアでは数V)の印加電
圧E[V]を5分間印加する。本実施形態では200V
を印加した。そして、電圧Eを印加した状態でスリーブ
201と対向電極202との間を流れる電流IRQ[A]
を電流計203で測定する。これらの測定結果から、次
式を用いてダイナミック抵抗DR[Ω]を算出する。
【0044】
【数8】DR=E/(IRQ−IRII)
【0045】上記磁気ブラシローラ403は、複数の磁
極を有する磁石部材407を内蔵した非磁性の回転可能
なスリーブ408で構成されている。磁石部材407は
固定配置され、現像剤12がスリーブ408上の所定箇
所を通過するときに磁力が作用するようになっている。
本実施形態で用いたスリーブ408は、直径がφ18
[mm]であり、表面粗さRz(十点平均粗さ)が5〜5
0[μm]の範囲に入るようにサンドブラスト処理されて
いる。表面粗さRzは、磁性粒子の平均粒径の1/5〜
1/2の範囲であることが好ましい。また、スリーブ4
08の硬度は、10〜70HS(JIS−A硬度)相当
の範囲にしている。特に、50HS(JIS−A硬度)
が好ましい。
【0046】磁気ブラシローラ403に内蔵された磁石
部材407は、規制ブレード406による規制箇所から
磁気ブラシローラ403の回転方向にN極(N1)、S
極(S1)、N極(N2)、S極(S2)、S極(S
3)の5つの磁極を有する。なお、磁石部材407の磁
極の配置は、図8の構成に限定されるものではなく、磁
気ブラシローラ403の周囲の規制ブレード406等の
配置に応じて他の配置に設定してもよい。例えば図11
に示すように、規制ブレード406による規制箇所から
磁気ブラシローラ403の回転方向にN極(N1)、S
極(S1)、N極(N2)、S極(S2)の4つの磁極
を配置してもよい。また、図8の現像装置の例では磁石
部材407を固定配置しスリーブ408を線速vS65
0[mm/sec]で回転駆動するように構成した。これ
に代えてスリーブ408を固定配置しその内側のローラ
状の磁石部材を回転させるように構成してもよい。
【0047】上記磁石部材407の磁力により、スリー
ブ408上にトナー10及び磁性粒子11からなる現像
剤13がブラシ状に担持される。そして、磁気ブラシロ
ーラ403上の磁気ブラシ中のトナー10は、磁性粒子
11と混合されることで規定の帯電量を得る。この磁気
ブラシローラ403上のトナーの帯電量は、−5〜−4
0[μC/g]の範囲としている。帯電量は、−10〜
−20[μC/g]が更に好ましい。
【0048】上記現像ローラ402は、磁気ブラシロー
ラ403内の磁極N2に隣接するトナー供給領域A2で
磁気ブラシローラ4上の磁気ブラシと接触するようにし
て対向するとともに、現像領域A1で感光体1に対向す
るように配設されている。また、本実施形態では規制ブ
レード406と磁気ブラシローラ403の間の最近接部
における間隔GDが500[μm]に設定され、また規制
ブレード406に対向した磁石部材407の磁極N1
を、規制ブレード406との対向位置よりも磁気ブラシ
ローラ403の回転方向上流側に数度傾斜して位置して
いる。これにより、ケーシング401内における現像剤
12の循環流を容易に形成することができる。更に、磁
石部材407の磁極N2を、現像ローラ表面と最接近す
る供給ニップ位置よりも磁気ブラシローラ403の回転
方向上流側に0〜15度傾斜して位置している。この磁
極N2は、法線方向ピーク磁束密度が60mT以上、半
値角度幅θ1/2が40±5°である。尚、規制ブレード
406と磁気ブラシローラ403表面との間隔GDは
0.5〜0.6[mm]の範囲であれば良い。
【0049】上記規制ブレード406によって、磁気ブ
ラシローラ403との対向部で磁気ブラシローラ4上に
形成された現像剤12の量を規制するように磁気ブラシ
と接触し、所定量の現像剤がトナー供給領域に搬送され
る。このときの、磁気ブラシローラ403上に担持され
る現像剤量は、0.03〜0.05[mg/cm]であ
る。また、規制ブレード406による規制位置を通過す
る際に現像剤12中のトナー10と磁性粒子11との摩
擦帯電が促進される。
【0050】また、現像ローラ402及び磁気ブラシロ
ーラ403はそれぞれ、図示しない回転駆動装置により
図8の矢印b方向及びc方向に回転駆動され、トナー供
給領域A2では両ローラの表面が互いに逆方向に移動す
るようになっている。本実施形態では、感光体1の線速
200[mm/sec]に対し、現像ローラ402を線速
250[mm/sec]で回転駆動している。また、トナ
ー供給領域A2における現像ローラ402と磁気ブラシ
ローラ403のスリーブとのギャップは0.35〜0.
5[mm]に設定した。このギャップは、好ましくは0.
4[mm]程度である。
【0051】また、本発明の特徴として、現像ローラ4
02に対向して逆極性帯電トナー通過阻止手段としての
逆極性帯電トナー通過阻止部材を設けている。逆極性帯
電トナー通過阻止部材は、図20に示すように、現像ロ
ーラ402に接触させて設けられた回転するローラ状の
逆極性帯電トナー通過阻止ローラ501である。この逆
極性帯電トナー通過阻止ローラは、現像ローラ上トナー
のうち逆極性帯電トナーが現像部に到達するのを阻止す
る。これと共に、この逆帯電トナーを以下に示すように
して正規極性に反転帯電させ、再度現像ローラ402に
戻し現像部に搬送させる機能をもっている。逆極性帯電
トナー通過阻止ローラ501は、表面に弾性体としての
弾性層を有し、現像ローラ402との対向部(以下、阻
止ニップという)において現像ローラ表面と同方向に移
動するよう回転駆動する。この駆動速度は、本実施形態
においては、現像ローラ表面と同線速になるようにして
いる。また、現像ローラ表面と同線速で駆動するのに代
えて、逆極性帯電トナー通過阻止ローラ501を現像ロ
ーラ402に従動させても良い。尚、本実施形態1では
同線速としたが、同線速でない装置を用いることもでき
る。その場合でも、現像ローラ線速が本実施形態と同じ
場合、逆極性帯電トナー通過阻止ローラ501線速が5
0〜350[mm/sec]の範囲であることが好まし
い。また、逆極性帯電トナー通過阻止ローラ501の表
層には、アクリル系樹脂又はナイロン樹脂を含有させて
いる。これは、逆極性帯電トナー通過阻止ローラ表面の
トナーに対する摩擦帯電極性系列上の位置を、トナーの
正規帯電極性に対して反対極性側にするためである。こ
れによって、逆極性帯電即ちプラスに帯電しているトナ
ーを正規極性の帯電即ちマイナスに帯電させることがで
きる。更に、逆極性帯電トナー通過阻止ローラ501に
はバイアス電圧を印加する阻止バイアス印加手段として
の電源510が接続されている。これによって、逆極性
帯電トナー通過阻止ローラ501の対向位置を、電界の
力によって逆極性帯電トナーが通過することを阻止する
ものである。このため、本実施形態においては逆極性帯
電トナー通過阻止ローラ501にトナーの正規極性側の
電圧を印加している。具体的には、逆極性帯電トナー通
過阻止ローラ501の表面電位におけるDC成分(実効
的DC成分)が−300〜−600[V]となるようロー
ラにバイアスを印加している。これを逆極性帯電トナー
通過阻止バイアスVaとする。ここで、バイアスの印加
はローラの芯金にしており、印加バイアスとローラの表
面電位との間には誤差が生じる場合がある。本実施形態
においては、ローラの実際の表面電位即ち、実効的DC
成分が−300〜−600[V]となるようバイアスを印
加する。
【0052】また、現像ローラ402の軸部には、現像
領域A1に現像電界を形成するための現像バイアスVb
を印加する電源409が接続されている。本実施形態で
は、現像バイアスVbとして−250[V]印加する。ま
た、磁気ブラシローラ403のスリーブ408には、ト
ナー供給領域A2にトナー供給用電界を形成するための
トナー供給バイアスVsupを印加する電源410が接
続されている。本実施形態では、トナー供給バイアスV
supとして−350[V]印加する。これによって、ト
ナー供給ポテンシャルVb−Vsupが100[V]とな
る。更に、本実施形態では、帯電装置2によって感光体
表面を−450〜−500[V]に帯電させる。これが、
感光体表面地肌部の表面電位V(E)となる。そして、
感光体ドラムの露光後電位VLを−50〜−100[V]
としている。これによって、現像ポテンシャルVL−V
bが+150〜200[V]となる。更に逆極性帯電トナ
ー通過阻止ポテンシャルVa−Vbが−50〜−350
[V]となる。これによって、(Va−Vb)×(トナー
の正規帯電極性)>0となる。即ち、逆極性帯電トナー
通過阻止ローラ501の表面電位におけるDC成分Va
が、現像ローラ402の表面電位におけるDC成分Vb
よりトナーの正規帯電極性側となる。尚、この、逆極性
帯電トナー通過阻止ポテンシャルとしては、微小間隔放
電がほとんど発生しない程度に値とすることが好まし
い。また、具体的な好適条件の一例としては、感光体の
地肌部表面電位がー600[V],感光体の露光後電位V
Lが−100[V]、Va=−500[V]、Vb=−40
0[V]、現像ローラ402上のトナーの平均帯電量が−
15[μC/g]の組み合わせがある。
【0053】ここで、逆極性帯電トナー通過阻止ローラ
501へのバイアス印加位置から逆極性帯電トナー通過
阻止ローラ501表面までの厚み方向の電気抵抗をこの
ローラ表面1cm当たりR1とする。更に、現像ロー
ラ402に担持されるトナー層の厚み方向の電気抵抗を
トナー層表面1cm当たりR2とする。そして、本実
施形態においては、R2がR1の10倍以上となるよう
に設定している。具体的には、R1を1010[Ω]、R
2を1011[Ω]としている。このうち、R2は、トナ
ーの体積固有抵抗が影響する。本実施形態で使用してい
るトナーは体積平均粒径が5〜10[μm]の範囲内のも
のであり、体積固有抵抗が1014[Ω・cm]以上であ
る。このような高抵抗のトナーを用いて現像ローラ表面
に形成された薄層は、その厚み方向の電気抵抗がローラ
表面1cm当たり1011[Ω]以上となるのである。
逆極性帯電トナー通過阻止ローラ501表層までの電気
抵抗R1が1010[Ω]なので、これに対して約10倍
即ち1桁高くなる。また、抵抗分配を考慮すると、逆極
性帯電トナー通過阻止ローラ501に印加したバイアス
電圧と逆極性帯電トナー通過阻止ローラ501表層の電
位差は10[%]以内となる。これによって、逆極性帯電
トナー通過阻止ローラ501に印加したバイアス電圧と
逆極性帯電トナー通過阻止ローラ501表層の電位をほ
ぼ同等にでき、現像ローラ402上の逆極性帯電トナー
のみを選択して電界で回収できる。尚、現像ローラ40
2側からトナーへの逆極性誘導電荷付与を抑制するため
には、現像ローラ402へのバイアス印加位置からロー
ラ表層までの抵抗を、上記R1より高くすることが好ま
しい。本実施形態のように、高抵抗のトナーを使用する
ことにより、トナーへの逆極性誘導電荷の付与を防止で
き、トナーの正規電荷を減じたり逆極性に帯電させてし
まったりすることを防止することができる。
【0054】次に、上記構成の現像装置4の動作を説明
する。ケーシング401内に収容された現像剤12は、
トナー10と磁性粒子11が混合されたものであり、攪
拌・搬送部材404,405や磁気ブラシローラ403
のスリーブ408の回転力、磁石部材407の磁力によ
って攪拌され、そのときに、トナー10に磁性粒子11
との摩擦帯電により電荷が付与される。
【0055】一方、磁気ブラシローラ403上に担持さ
れた現像剤12は規制ブレード406によって規制さ
れ、現像剤12の一定量がトナー供給バイアスで形成さ
れた電界等により、現像ローラ402に転移し、残りは
ケーシング401内に戻される。現像ローラ402上に
担持されるトナーの層厚は、本実施形態においてはトナ
ーの体積平均粒径の2倍以下となる。
【0056】上記トナー供給領域A2では、磁気ブラシ
中のトナーが分離されて現像ローラ402に転移し、薄
層状のトナー10が担持される。そして、現像ローラ4
02上に担持された薄層状のトナー10は、現像ローラ
402の回転により、逆極性帯電トナー通過阻止ローラ
501との対向部である阻止ニップに搬送される。この
逆極性帯電トナー通過阻止ローラ501との対向部で、
逆極性帯電トナーはそれより下流側への通過を阻止さ
れ、逆極性帯電トナー通過阻止ローラ501表面に転移
する。そして逆極性帯電トナー通過阻止ローラ501上
に担持されたまま阻止ニップを通過する度に阻止ニップ
で摩擦帯電され、次第に正規極性即ちマイナス極性へと
反転帯電される。正規極性に帯電されたトナーは阻止ニ
ップを通過するときに再び現像ローラ表面に戻される。
また、一部の逆極性帯電トナーは、現像ローラ上に担持
されて初めて阻止ニップを通過するとき、逆極性帯電ト
ナー通過阻止ローラ501との間で摩擦帯電されて正規
極性となりそのまま現像領域に搬送されるものもある。
このようにして現像ローラ表面のトナーは逆極性帯電ト
ナーの殆ど無い状態となり、現像領域A1に搬送され
る。そして、上記現像バイアスで形成された現像電界に
より、感光体1上の静電潜像に選択的に付着し、該静電
潜像が現像される。
【0057】ここで、現像ローラ402に供給される磁
気ブラシローラ403上のトナーの帯電量と、現像ロー
ラ402に薄層状に担持されたトナーの帯電量を、従来
の一成分現像装置と比較して説明する。表3は、二成分
磁気ブラシ現像装置に逆極性帯電トナー通過阻止ローラ
501を設けた本実施形態の現像装置と他の2つの装置
との比較を行った結果である。他の2つの装置は、逆極
性帯電トナー通過阻止ローラ501を設けていない二成
分磁気ブラシ現像装置である特願2000−85391
に記載した現像装置を比較例1、従来の一成分現像装置
を比較例2とした。また、全ての現像装置は同じトナー
を使用している。表3には、現像ローラ402に供給さ
れる直前の磁気ブラシローラ403又は従来のトナー供
給ローラ上のトナー帯電量、現像ローラ402に薄層状
に担持されたトナー帯電量を示している。更に、本実施
形態の欄には、阻止ニップ通過後の磁気ブラシローラ上
のトナー帯電量の測定結果も示している。尚、表中の地
汚れのランクは、前述のΔIDの測定値に基づいて設定
されたものである。例えば、ΔIDが0.08〜0.0
4の範囲内にあるときをランク「3」としている。
【0058】
【表3】
【0059】比較例2に示す従来の一成分現像装置にお
いては、現像ローラ上の担持量は1〜3[mg/cm
2]とかなり多い。これを薄層化ブレードで一部掻き取
るがかなり広範な帯電量のトナーが通過せざるを得ない
と考える。したがって、表3に示すように実際に薄層形
成時のトナー帯電量は平均で−12[μC/g]まで上
がっているが、画像を確認すると地汚れランクは「3」
と平均的であった。また、比較例1に示す二成分磁気ブ
ラシ現像方法を採用した特願2000−85391記載
の装置では、本実施形態の現像装置では、薄層形成時の
現像ローラ402上のトナー帯電量は平均で−12[μ
C/g]と比較例2と同じであるが、地汚れのランクは
大部分が「4」で、一部「5」もあり、画像特性が優れ
ていることが分かった。更に、本実施形態の現像装置に
おいては、薄層形成時の現像ローラ402上のトナー帯
電量は平均で−12[μC/g]と、比較例1と同じで
あったが、阻止ニップ通過後のトナー帯電量は平均で−
13[μC/g]となっていた。そして、地汚れのラン
クは大部分が「5」であり、画像特性が比較例1よりも
更に優れていることが分かった。これは、逆極性帯電ト
ナー通過阻止ローラ501によって逆極性帯電トナーの
通過を阻止したことによって、現像領域に搬送されるト
ナー帯電量を平均値で少し上げることができたためであ
ると考えられる。
【0060】次に、本実施形態の現像装置における現像
ローラ402上のトナーの粒径及び帯電量分布と画像品
質との関係を測定した複数の実験結果を説明する。トナ
ーの粒径及び帯電量分布の測定には、E−SPARTA
NALYZERホソカワミクロン株式会社製の分析装置
であり、以下、「E−SPART分析装置」という。)
を使用した。このE−SPART分析装置は、二重ビー
ム周波数偏移型レーザードップラー速度計と静電界中で
粒子の動きを摂動させる弾性波とを用いた方法を採用
し、現像ローラ402上のトナーにエアを吹き付けて飛
ばし、電界中の動きを捉えることでトナー個々の粒径と
帯電量のデータを得られるものである。本確認実験では
3000個のトナーをサンプリングして分布の相違を見
た。
【0061】ここで、各トナーにおいて電荷がトナー全
体にわたって均一に存在するならば、トナー帯電量はト
ナー粒径の3乗に比例するが、実際にはトナー粒径その
ものに比例している。このようにトナー帯電量とトナー
粒径とが比例関係にあるため、本確認実験では、主とし
てトナーの帯電量qを粒径dで除した値、すなわちトナ
ー粒径の影響をなくした(q/d)の値についてトナー
の個数分布を測定した。
【0062】図12は、上記E−SPART分析装置で
測定した現像ローラ402上のトナー帯電量分布の測定
結果である。図12中の記号「◆」は本実施形態の現像
装置における測定データである。また、記号「□」は、
磁気ブラシローラをトナー供給部材として用いない従来
の一成分現像装置における比較例として測定した測定デ
ータである。図12からわかるように、本実施形態の現
像装置の現像ローラ402に担持されているトナー10
の帯電量分布プロファイルは、従来の一成分現像装置よ
りもシャープになっている。
【0063】上記帯電量分布プロファイルのシャープさ
に関する指標は、一般には半値幅で表され、その値が小
さい方がシャープであると考えられる。一般にトナーの
帯電量分布プロファイルがシャープであると、同じよう
な帯電量q/dを有するトナーが多く存在することとな
り、そのトナーの現像能力が同じであることから均一な
現像が達成できる。反対に、トナーの帯電量分布プロフ
ァイルがブロードとなると、トナー帯電量の範囲が広が
り現像能力の範囲も広がることから現像量の変動が生じ
てしまう。
【0064】図12の実験結果を詳細に見ると、従来の
一成分現像装置におけるトナー帯電量q/dの分布範囲
は、本実施形態の現像装置によるものと比べて、両曲線
が交わった点P1、P2よりも外側のq/dの範囲で、
その個数が多い。図12の向かって左側、すなわちq/
dの絶対値が大きい値の範囲では電荷量が大きく現像し
ようとする力は大きいが、現像の進行による現像電界の
減衰で、現像ローラ402に担持する量の多くを現像で
きなくなる。その結果、一部が現像ローラ402に残留
することとなる。また図12の向かって右側、すなわち
q/dの絶対値が小さい範囲では、感光体の電荷量に依
存する形になるので現像量が増加する場合がある。ま
た、低帯電もしくは逆帯電トナーが存在して地肌部で地
汚れが発生し易い。
【0065】更に、トナー帯電量q/dが0[fC/10
μm]以上である逆極性帯電トナーは、逆極性帯電トナ
ー通過阻止ローラ501との対向部でそれより下流側へ
の通過を阻止され、更に正規極性に反転帯電させられて
再び現像ローラ表面に戻される。このため、図12にお
いて、ドラッグした部分の逆極性帯電トナーが除かれた
後のトナーが現像領域A1に搬送され、現像に使用され
る。
【0066】本発明の特徴である逆極性帯電トナーの通
過阻止及び正規極性への反転帯電の仕組みについて以下
に説明する。既に述べたように、逆極性帯電トナー通過
阻止ローラ501の表面電位におけるDC成分Vaを、
現像ローラ402の表面電位におけるDC成分Vbより
トナーの正規帯電極性側にしている。更に、逆極性帯電
トナー通過阻止ローラ501の表面は、既に述べたよう
にローラ表面のトナーに対する摩擦帯電極性系列上の位
置がトナーの正規帯電極性に対して反対極性側である。
これらのことから、先ず現像ローラ表面に担持され、逆
極性帯電トナー通過阻止ローラ501との対向部(以
下、阻止ニップという)を通過する逆極性に帯電したト
ナーは、逆極性帯電トナー通過阻止ローラ501側に転
移する。そして、逆極性帯電トナー通過阻止ローラ50
1上に担持されたまま阻止ニップを通過する度に阻止ニ
ップで次第に正規極性即ち負帯電へと摩擦帯電される。
そして正規極性に帯電されたトナーは阻止ニップを通過
するときに再び現像ローラ表面に戻される。また、一部
の逆極性帯電トナーは、現像ローラ上に担持されて初め
て阻止ニップを通過するとき、逆極性帯電トナー通過阻
止ローラ501との間で摩擦帯電されて正規極性となり
そのまま現像領域に搬送されるものもある。また、もと
もとプラスに帯電しているトナーは、逆帯電トナー通過
阻止手段が設けられている位置を何の作用も受けずに通
過して現像領域A1に向けて搬送される。このようにし
て、逆極性帯電トナーの阻止ニップ下流側への通過阻止
及び正規極性への反転帯電を行い、再び現像ローラ表面
に戻して現像に使用できるようにすることができる。ま
た、これにより、トナーの平均帯電量を高めることなく
現像領域に搬送されるトナーの逆帯電トナー含有率を減
少させることができる。
【0067】また、本実施形態の現像装置のようにトナ
ー帯電量q/dの広がった部分の個数比は、ピーク値の
チャンネルの個数に対して両隣のチャンネルの度数(個
数)で50[%]以下が最適である。このように本実施形
態の現像装置では、トナー帯電量q/d分布がシャープ
なので、現像が均一に行われ、高品位の画像が形成でき
る。ちなみにトナー帯電量q/dのピークを持つチャン
ネルに対してその両隣のチャンネル(間隔は1[fC/
10μm])における度数(個数)の比率を比較(大・
小のチャンネルは平均化する)すると、従来の一成分現
像装置では78[%]に対して、本実施形態の現像装置で
は現像部で25[%]であった。
【0068】図13、図14及び図15は、トナー供給
領域A2に到達する直前の磁気ブラシローラ403上の
トナーの帯電量分布と、現像ローラ402上に供給され
たトナーの帯電量分布とを測定した実験結果を示してい
る。各図において実線が本実施形態の現像装置の場合、
破線が磁気ブラシローラをトナー供給部材として用いな
い従来の一成分現像装置の場合の測定結果である。ま
た、各図の実線の実験は、トナー供給ポテンシャルΔV
sup及び現像ローラ402の表層の材質の条件を変え
て測定したものであり、それらの条件を次の表4に示
す。また、上記「トナー供給ポテンシャルΔVsup」
は、現像バイアスVbとトナー供給バイアスVsupと
を用いて次の数式9で算出したものである。
【0069】
【表4】
【0070】
【数9】ΔVsup=Vb−Vsup
【0071】図13の実験結果では、現像ローラ402
上のトナーの帯電量分布プロファイルが、磁気ブラシロ
ーラ403上のトナーの場合に比して、ピーク近傍にお
いてシャープになっている。これは、両ローラ間の高い
トナー供給ポテンシャルで帯電量分布プロファイルのピ
ーク近傍のトナーが多量に供給されたことによるものと
考えられる。また、全体的に絶対値で高帯電側にシフト
しているのは、現像ローラ表層のシリコンゴムによりト
ナーがマイナスに摩擦帯電されたことによるものと考え
られる。
【0072】また、図14の実験結果では、現像ローラ
402上のトナーの帯電量分布プロファイルが、全体的
に絶対値で高帯電側にシフトしている。これは、現像ロ
ーラ表層のシリコンゴムによりトナーがマイナス極性に
摩擦帯電されたことによるものと考えられる。また、両
ローラ上でトナーの帯電量分布プロファイルの形状はほ
とんど変わらないのは、上記トナー供給ポテンシャルの
影響が少ないことによるものと考えられる。
【0073】また、図15の実験結果では、現像ローラ
402上のトナーの帯電量分布プロファイルが、磁気ブ
ラシローラ403上のトナーの場合に比して、裾野のト
ナー個数が少なくシャープになっている。これは、両ロ
ーラ間の高いトナー供給ポテンシャルでにより、逆極性
のプラス帯電トナーが減少し、帯電量分布プロファイル
のピーク近傍のトナーが多量に供給されたことによるも
のと考えられる。また、トナー帯電量プロファイルが高
帯電側にほとんどシフトしていないのは、現像ローラ表
層の材質として、トナーをほとんど摩擦帯電しないウレ
タン系樹脂を用いたことによるものと考えられる。
【0074】更に、図13,14,15においても、ド
ラッグで部分に示すようにトナー帯電量q/dが0[f
C/10μm]以上である逆極性帯電トナーは、逆極性帯
電トナー通過阻止ローラ501との対向部でそれより下
流側への通過を阻止される。そして上述のようにして正
規極性に反転帯電させられ、再び現像ローラ表面に戻さ
れる。このため、図12において、逆極性帯電トナーが
除かれた後のトナーが現像領域A1に搬送され、現像に
使用される。
【0075】以上のように、現像ローラ402の表層の
材質を選択したり、上記トナー供給ポテンシャルの大き
さを調整したりすることにより、磁気ブラシローラ40
3上のトナーの帯電量プロファイルに制約されることな
く、現像ローラ402上のトナーの帯電量プロファイル
を所望のプロファイルにすることができる。
【0076】図16は、現像ローラ402上のトナーの
帯電量分布プロファイルの半値幅と地汚れ(ΔID)と
の関係を測定した実験結果である。地汚れの指標として
のΔIDは、前述の数式2及び数式3で定義したもので
ある。この図16の結果から、トナーの帯電量分布プロ
ファイルにおける半値幅が2.2[fC/10μm]を
超えると、上記ΔIDが許容限界値(0.08)を超え
て地汚れがひどくなることがわかる。なお、前述の図1
3における実験結果の場合について、現像ローラ上のト
ナーの帯電量分布プロファイルにおける半値幅を求める
と、1.1[fC/10μm]であった。これに対し、
比較例として測定した従来の一成分現像装置の場合は、
2.7[fC/10μm]と大きく、地汚れが発生しや
すかった。
【0077】図17は、現像領域に搬送される現像ロー
ラ402上の逆帯電トナーの存在比率と地汚れ(ΔI
D)との関係を測定した実験結果である。この図17の
結果から、現像ローラ402上の逆帯電トナーの存在比
率が、25[%]を超えると上記ΔIDが許容限界値
(0.08)を超えて地汚れがひどくなることがわか
る。なお、前述の図13における実験結果の場合につい
て、現像ローラ402上の逆帯電トナーの存在比率を求
めると、比較例1においては19[%]で、時折地汚れラ
ンクが「4」を下回り、多少気になる場合があった。特
に、トナーを沢山消費し一時的に多くのトナーを供給す
るときにこのような現象が発生した。本実施形態にいて
は、これに対して更に一段逆帯電トナーが少なくなり、
15[%]以下にすることができた。また、地汚れは常に
少なく、気になることはなかった。尚、これらに対し、
比較例2として測定した従来の一成分現像装置の場合
は、27[%]と大きく、地汚れが発生しやすかった。
【0078】図18は、現像ローラ402上の高帯電ト
ナーの存在比率とドット抜けとの関係を測定した実験結
果である。ここで、高帯電トナーとしては、トナーの帯
電量分布プロファイルのピーク値の絶対値で4倍以上の
帯電量を有するトナーをカウントした。また、ドット抜
けランクは、基準画像としてハーフトーン画像を用い、
出力されたトナー像のザラツキを肉眼で観察し、ドット
抜けランクを判断した。この図18の結果から、現像ロ
ーラ402上の高帯電トナーの存在比率が[%]5[%]を
超えるとドット抜けランクが5を下回り、ハーフトーン
画像のザラツキがひどくなることがわかる。
【0079】尚、本実施形態においては、非現像時にも
場合によって逆極性帯電トナー通過阻止ローラ501の
駆動を行うようにしている。この場合とは、逆極性帯電
トナー通過阻止ローラ501によって通過を阻止された
逆極性帯電トナーのトナー溜りが過剰になり、逆極性帯
電トナー通過阻止ローラ501表面に多く付着した状態
で非現像状態になったときが考えられる。このような場
合に、逆極性帯電トナー通過阻止ローラ501表面がト
ナー付着によって汚れた状態のまま次の現像が開始され
ると、逆極性帯電トナーの通過を阻止する機能が低下し
てしまい、地汚れ防止効果が低下してしまう。そこで、
逆極性帯電トナー通過阻止ローラ501表面に多く付着
した状態で非現像状態になったとき、逆極性帯電トナー
通過阻止ローラ501及び現像ローラ402を回転駆動
させる。尚、この場合現像ローラ402に接触して回動
する部材(本実施形態1では感光体)も同時に回転駆動
させる。そして、画像形成時と同じようにして阻止ニッ
プを通過する度にトナーを次第に正規極性に帯電させ
て、現像ローラ表面に戻す。これによって、次の現像の
前には現像ローラ逆極性帯電トナー通過阻止ローラ50
1表面に過剰な逆極性トナーが付着していない状態とし
ておく。但し、通常は非現像時は部品やトナーの劣化を
極力抑制するために部品の回転を抑える必要がある。こ
のため、逆極性帯電トナー通過阻止ローラ501表面の
汚れが許容範囲内である場合は、このような非現像時の
駆動を行わない。また、非現像時に上記駆動をする場合
の現像ローラ402と感光体間は、バイアスの適宜設定
や、互いに離反させる等の公知手段により、感光体への
トナー付着・トナー消費防止が可能である。これが感光
体寿命向上やトナーのムダ消費防止等の観点から有効で
ある。
【0080】更に、非現像時に行う逆極性帯電トナー通
過阻止ローラ501の駆動タイミングを、次の3つの期
間のうちの1つ以上で行うようにすることも可能であ
る。その期間とは、現像開始前に感光体をプレ回転させ
ている期間である前駆動時、現像直後の感光体を駆動し
ている期間である後駆動時、及び前の現像動作終了後か
ら次の現像動作開始までの両現像動作間である。
【0081】また、逆極性帯電トナー通過阻止ローラ5
01表面と現像ローラ表面に担持されているトナーとの
電位差が、トナーに対する放電開始電圧未満である50
〜200[V]となるように設定している。この放電開始
電圧は、絶対値で400[V]以下であればよい。ここ
で、放電開始電圧は、次の数10と数11との交点で決
まる。
【数10】Vd=312+6.2[g]
【数11】 Vg=G(Va−Vc)/{(Lt/Kt)+g} 但し、 g:空隙距離 Vd:g>8[μm]のときのパッシェンの法則の近似値 Vg:逆極性帯電トナー通過阻止ローラ501とトナー
層表面との空隙間電圧 Va:逆極性帯電トナー通過阻止ローラ501印加電圧 Lt:トナー層厚み Kt:トナー層比誘電率 とする。ここで、放電によってトナーに与える電荷は、
摩擦帯電でトナーが得る電荷とは異なり、放電や電荷移
動により移動しやすい電荷である。本実施形態において
は、以上のように逆極性帯電トナー通過阻止ローラ50
1表面と現像ローラ表面に担持されているトナーとの電
位差を設定する。これによって、放電を利用してトナー
帯電電荷全体を高めにシフトさせ逆帯電トナーの比率を
下げることを行わないようにしている。
【0082】以上、本実施形態1によれば、磁気ブラシ
ローラ403上の磁気ブラシ(二成分現像剤)から帯電
済みのトナーのみを現像ローラ402上に供給し担持さ
せることができる。したがって、現像ローラ402上の
トナーを薄層化ブレードなどの接触部材で摩擦帯電する
必要がなく、現像ローラ402上のトナーフィルミング
や、現像ローラ及び接触部材の摩耗による現像特性の経
時的な変化などの問題がなくなる。また、本実施形態1
によれば、現像ローラ402上のトナーの帯電量分布
と、磁気ブラシローラ上のトナーの帯電量分布とを異な
らせている。このため、磁気ブラシローラ403上の摩
擦帯電特性に制約等があって磁気ブラシローラ403上
のトナーの帯電量分布が所望の分布でない場合でも、現
像ローラ402上には所望の帯電量分布からなるトナー
を担持することができる。したがって、地汚れや画像濃
度不足(ドット抜け)のない高品質のトナー像を得るこ
とができる。また、地汚れ防止により感光体1上の残留
トナーの量が少なくなるので、感光体表面をクリーニン
グするクリーニング装置6の小型化を図ることができ
る。また、現像ローラ402上に担持したトナーの帯電
量にバラツキが少なく安定した帯電量分布を得ることが
できるので、特に2値プロセスで画像を形成する場合に
おいて安定した飽和現像が可能となる。したがって、地
汚れや画像濃度不足(ドット抜け)に起因するザラツキ
がない画像を安定して形成することができる。
【0083】なお、上記実施形態1では、感光体上に形
成したトナー像を転写紙に直接転写する場合について説
明したが、本発明は、感光体上のトナー像を一旦中間転
写体に転写し、その後、該中間転写体上のトナー像を転
写紙に転写する画像形成装置及びそれに用いる現像装置
にも適用できるものである。例えば、一つの感光体上に
各色ごとのトナー像を順次形成し、該感光体上の各色ト
ナー像を一次転写装置で中間転写体としての中間転写ベ
ルトに重ね合わせて転写し、該中間転写ベルト上の重ね
トナー像を2次転写装置で転写紙に一括転写するカラー
画像形成装置及び該装置に用いる現像装置にも適用する
ことができる。また例えば、中間転写体としての中間転
写ベルトの直線状の移動経路部分に沿って感光体を含む
画像形成ユニットを複数組並べて配置し、各画像形成ユ
ニットの感光体上に互いに異なる色のトナー像を形成
し、各感光体上のトナー像を一次転写装置で該中間転写
ベルト上に重ね合わせて転写し、該中間転写ベルト上の
重ねトナー像を2次転写装置で転写紙に一括転写するタ
ンデム型のカラー画像形成装置及び該装置に用いる現像
装置にも適用することができる。また、上記実施形態で
は、プリンタ及びそれに用いる現像装置の場合について
説明したが、本発明は、複写機やFAXなど他の画像形
成装置及びそれに用いる現像装置にも適用できるもので
ある。
【0084】尚主要な条件の一例は以下の通りである。
但し、本発明が適用できるプリンタは以下の範囲に限定
されるものでなない。 ・感光体帯電電位(画像地肌部電位):V=−450
〜−600[V] ・感光体露光後電位(トナー顕像化部電位):VL=−
50〜−100[V] ・供給ローラ硬度:10〜70HSJIS-A相当。特に50HSJIS-A
以下が好適。 ・供給ローラ表面粗さ:Rz=5〜50[μm](キャリア平均
粒径の1/5〜1/2が好適) ・供給部磁極P1極中心が供給部の供給ローラ表面と現像
ローラ表面が最接近する位置の供給ローラ法線となす
角: θs=0〜15度(剤上流側)が好適 ・P1極の法線方向ピーク磁束密度:60mT以上 ・P1極の半値幅θ1/2:40±5度 ・供給ローラ電位:Vsup=−350[V] ・現像ローラ電位:Vb=−250[V] ・現像ポテンシャル:VL−Vb=+150〜200
[V] ・逆極性トナー通過阻止手段印加バイアス:Va=−3
00〜−600[V] ・逆極性トナー通過阻止ポテンシャル:Va−Vb=−
50〜−350[V] (微小間隙放電が殆ど発生しない程度が好適) ・1成分トナー供給ポテンシャル:Vb−Vsup=+
100[V] ・2成分現像剤(磁気ブラシ形成剤)のトナー濃度T
C:2〜10重量[%] ・2成分現像剤(磁気ブラシ形成剤)のトナー帯電量Q
/M:−5〜−20[μC/g] ・トナー体積平均粒径:5〜10[μm] ・キャリア体積平均粒径:20〜70[μm] ・感光体線速:vP=200[mm/sec] ・供給ローラ線速:vS=650[mm/sec] ・現像ローラ線速:vA=250[mm/sec] ・供給ローラとドクタの間隙GD;0.5〜0.6[m
m] ・供給ローラ上磁気ブラシの現像剤量:0.03〜0.
05[mg/cm] ・供給ローラと現像ローラの間隙GD;0.35〜0.
5[mm] ・1成分トナー担持ローラ方面の感光体表面に対する喰
込量(寸法上):0.1〜0.3[mm]
【0085】〔実施形態2〕次に、実施形態2を説明す
る。この実施形態2も実施形態1と同様に二成分磁気ブ
ラシ現像装置を用いている。尚、実施形態1と同様の構
成を用いた部分については説明を省略し、特徴部のみを
以下に説明する。この実施形態2では、図示を省略した
が、実施形態1のプリンタにおいて感光体表面をクリー
ニングするために設けていたクリーニング手段としての
クリーニング装置6を設けていない。また、実施形態1
の逆極性帯電トナー通過阻止ローラ501に変えて、ロ
ーラ表面にトナーと磁性粒子とからなる磁気ブラシを有
する逆極性帯電トナー通過阻止用磁気ブラシ502を設
けている。尚、実施形態1と同様に、逆極性帯電トナー
通過阻止ブラシ520と現像ローラ表面に担持されてい
るトナーとの電位差が、トナーに対する放電開始電圧未
満となるように設定している。
【0086】図21は、この実施形態2の特徴部である
逆極性帯電トナー通過阻止用磁気ブラシ502近傍の部
分拡大図である。逆極性帯電トナー通過阻止用磁気ブラ
シ502には、磁気ブラシを形成する磁性粒子量を規制
するためのドクタ503が所定のギャップをもつよう対
向して設けられている。そして、ドクタで磁性粒子量が
規制された磁気ブラシが現像領域で現像ローラ表面に接
触又は近接するように、現像ローラに対して逆極性帯電
トナー通過阻止用磁気ブラシ502が配置されている。
そして、先ず現像ローラ表面に担持され、逆極性帯電ト
ナー通過阻止用磁気ブラシ502との対向部(以下、阻
止ニップという)を通過する逆極性に帯電したトナー
は、逆極性帯電トナー通過阻止用磁気ブラシ502側に
転移する。この逆極性帯電トナー通過阻止用磁気ブラシ
502とドクタ503とのニップを通過するときや阻止
ニップを通過するときにトナーがキャリアに摩擦帯電さ
れ、次第に正規極性即ち負帯電へと反転帯電される。正
規極性に帯電されたトナーは阻止ニップを通過するとき
に再び現像ローラ表面に戻される。また、一部の逆極性
帯電トナーは、現像ローラ上に担持されて初めて阻止ニ
ップを通過するとき、逆極性帯電トナー通過阻止用磁気
ブラシ502との間で摩擦帯電されて正規極性となりそ
のまま現像領域に搬送されるものもある。このようにし
て現像ローラ表面のトナーは逆極性帯電トナーの殆ど無
い状態となり、現像領域A1に搬送される。これによっ
て、現像ローラ上の逆帯電トナーが磁性粒子と接触する
確率を高め、逆帯電トナーを均一に効率良く選択的に回
収して正規極性に帯電できるようにしている。
【0087】また、逆極性帯電トナー通過阻止用磁気ブ
ラシ502の構成要素である磁性粒子表面のトナーに対
する摩擦帯電極性系列上の位置を、トナーの正規帯電極
性に対して反対極性側としている。これによって、現像
ローラ上から回収した逆帯電トナーを摩擦帯電系列差か
らも、効率良く正規極性に摩擦帯電させることができ、
現像ローラにムラ無く戻す事ができる。
【0088】尚、この実施形態2においては、逆極性帯
電トナー通過阻止用磁気ブラシ502の磁気ブラシの構
成要素である磁性粒子を交換可能に構成している。その
ため、逆極性帯電トナー通過阻止用磁気ブラシ502の
回転方向におけるドクタ503とのニップ部上流側に設
けた磁性粒子収容容器504の一部に排出路505を設
ける。この排出路先端には、スパイラルローラ506等
からなる排出部材が設けられている。そして、磁性粒子
収容容器504内の磁性粒子量が増え、排出路505に
オーバーフローして進入すると、スパイラルローラ50
6によって排出路505から外部に回収される。また、
磁性粒子収容容器504の上方には交換用磁性粒子を収
容した交換用磁性粒子収容部507が設けられ、交換時
のみに開くシャッタ508を有している。これによっ
て、使用済みの磁性粒子が排出路505から外部に回収
された後、シャッタ508が開いて交換用磁性粒子収容
部507から新たな磁性粒子が供給される。これら、排
出路505、スパイラルローラ506、交換用磁性粒子
収容部507、シャッタ508等によって磁性粒子交換
手段が構成されている。これによって、逆極性帯電トナ
ー通過阻止用磁気ブラシ502表面に磁気ブラシを形成
する磁性粒子の一部又は全部を交換することができる。
よって、逆極性帯電トナー通過阻止用磁気ブラシ502
表面の磁気ブラシの逆帯電トナーの回収及び正規極性帯
電トナーへの反転極性荷電機能の低下を防止でき、装置
の長寿命化をはかることができる。
【0089】本実施形態2においては、実施形態1と異
なりトナーとしてSRトナーを用いている。ここで、従
来のトナーについて説明する。従来用いられていた通常
の混連粉砕法によるトナーは、大粒径、不定形、粒径分
布はブロードで、粒子間で組成が不均一であり、次のよ
うな問題があった。それは、解像度、再現性、均一性等
の画質が劣るということである。更に、流動性低いた
め、転写性が低く、定着エネルギーが高かった。更に
は、トナー粒子間で帯電量が不均一で、帯電安定性が低
めであった。尚、これら混連粉砕法によるトナーの問題
を解消できるできるトナーとして、従来、重合トナーが
知られている。重合トナーは、粉砕法のトナーに比して
形状が一般的に球形(多少不定形(異形)もある)であ
り、転写率、流動性等が高く、ドット再現性も良いた
め、高画質を得ることができる。また、粉砕法のトナー
に比して小粒径化が可能であるため、高精細画像を得る
ことができる。また、粒径分布が狭く粒径が均一である
ので、帯電量が均一となり、トナー飛散や地肌汚れの少
ない高画質を得ることができる。
【0090】次に、上記混連粉砕法によるトナーはもち
ろん、重合トナーよりも更にメリットの多いトナーとし
て用いるSRトナーについて、その製造方法から説明す
る。先ず、活性水素と反応可能な変性ポリエステル系樹
脂からなるトナーバインダーを含むトナー組成分を有機
溶媒中に溶解又は分散させる。次に、この有機溶媒中に
溶解又は分散させたトナー組成分を、樹脂微粒子を含む
水系媒体中で架橋剤及び伸張剤のうち少なくとも一方と
反応させる。反応させた後の溶液から溶媒を除去し、か
つトナー表面に付着した樹脂微粒子を洗浄・脱離する。
以上の操作によって得られるトナーがSRトナーであ
る。このようなSRトナーの特徴について説明する。ポ
リエステルの重付加反応(又は伸長反応という)が可能
であるので、定着性等粉砕トナーで広く用いられている
ポリエステルを使用することができる。これにより、定
着性に優れている。粒径分布が従来の重合トナーに比し
て更に狭い。具体的には、トナーのDv(体積平均粒
径)/Dn(個数平均粒径)が1.10〜1.25であ
る。これにより、従来の重合トナーより更に高画質であ
る。分子量制御可能が可能であると共に、トナー粒子の
形状制御が容易である。よって、トナーを球形から異形
まで形成可能である。具体的なトナーの円形度は、0.
96〜0.99、異形を含めると0.94〜0.99で
ある。
【0091】また、本実施形態2では、感光体表面をク
リーニングするためのクリーニング装置6を設けていな
い。これは、本実施形態及び実施形態2のプリンタは、
現像領域に至るトナーのうち正規極性トナーの率が従来
に比して高いため、転写残トナーがほとんどないためで
ある。感光体表面の転写残トナーがほとんどないため、
クリーニング無しでも次工程における地汚れや残像等の
発生を防止することができる。また、本実施形態2とは
異なるが、例えばフルカラーシステムの場合にも、混色
問題等の悪影響を防止することができ、簡易化と高画質
を両立できる。
【0092】〔実施形態3〕次に、本発明を一成分現像
装置を用いたプリンタに適用させた実施形態3について
説明する。図22は、実施形態3にかかるプリンタの概
略構成図である。このプリンタは、トナー担持体として
の現像ローラ402上にトナー層を形成し、現像ローラ
402上のトナー層を潜像担持体としての感光体ドラム
1と接触させるように搬送するものである。このように
して搬送されたトナーによって、感光体ドラム1上の静
電潜像を現像する。図5において、ケーシング401内
には撹拌手段としてのアジテータ411と、トナー供給
部材としての供給ロ−ラ412が設けられている。そし
て、供給ロ−ラ412は、ケーシング401開口に設け
られた現像ローラ402に所定量くい込むように当接さ
れている。供給ローラ412は現像ローラ402と同方
向、すなわち両ローラの対向部で互いに表面が逆方向に
移動するように回転駆動されている。上記構成におい
て、ケーシング401内のトナーTは、アジテータ41
1の回転により攪拌され、機械的に供給ロ−ラ412に
供給される。供給ロ−ラ412に供給されたトナーは、
供給ローラ412と現像ローラ402との当接位置で摩
擦帯電される。摩擦帯電されたトナーは、現像ローラ4
02表面に担持され、現像ローラ402表面移動方向下
流側に設けられているトナー規制部材420によって余
分なトナーが掻き落とされる。これによって、現像ロー
ラ402表面に常に均一な量のトナー層が形成される。
その後、現像ローラ402表面に形成された均一なトナ
ー層は感光体との対向部である現像領域に搬送され、現
像に使用される。尚、トナーとしては、実施形態2と同
じくSRトナーを用いる。その他の各部材の主要な条件
は、以下に記載する以外実施形態1と同じ条件とする。
【0093】次に、本実施形態の特徴について説明す
る。尚、実施形態1と同様の構成については、説明を省
略するものとする。上記構成のプリンタにおいて、本発
明の特徴部である逆帯電トナー通過阻止部材としてファ
ーブラシ状の逆極性帯電トナー通過阻止ブラシ520を
設けている。この逆極性帯電トナー通過阻止ブラシ52
0は、現像ローラ表面に担持されたトナーの層厚を規制
する規制ブレード420と現像ローラとの対向部よりも
現像ローラ回転方向下流側に対向するよう設けられてい
る。図23は、逆極性帯電トナー通過阻止ブラシ520
の断面図である。この逆極性帯電トナー通過阻止ブラシ
520は、支持部としてのローラの表面にファーブラシ
が植毛されており、ローラの回転によってブラシ先端が
現像ローラ表面に接触する。
【0094】また、逆極性帯電トナー通過阻止ブラシ5
20の支持部にはバイアス電圧を印加する阻止バイアス
印加手段としての電源521が接続されている。ここ
で、逆極性帯電トナー通過阻止ブラシ520へのバイア
ス印加位置からファーブラシ先端までの電気抵抗をこの
ファーブラシ先端面1[cm]当たりR3とする。更
に、現像ローラに担持されるトナー層の厚み方向の電気
抵抗をトナー層表面[cm]当たりR2とする。そし
て、本実施形態においては、R2がR3の10倍以上と
なるように設定している。具体的には、R3を10
[Ω]、R2を10[Ω]としている。このうち、R2
は、トナーの体積固有抵抗が影響する。本実施形態で使
用しているトナーは体積平均粒径が5〜10[μm]の範
囲内のものであり、体積固有抵抗が1014[Ω・cm]
以上である。このような高抵抗のトナーを用いて現像ロ
ーラ表面に形成された薄層は、その厚み方向の電気抵抗
がローラ表面1[cm]当たり10[Ω]以上となるの
である。逆極性帯電トナー通過阻止ローラ501表層ま
での電気抵抗R3が10[Ω]なので、これに対して約
10倍即ち1桁高くなる。また、抵抗分配を考慮する
と、逆極性帯電トナー通過阻止ブラシ520の支持部に
加したバイアス電圧とファーブラシ先端の表層の電位差
は10[%]以内となる。これによって、逆極性帯電トナ
ー通過阻止ブラシ520に印加したバイアス電圧とファ
ーブラシ先端の電位をほぼ同等にでき、現像ローラ上の
逆極性帯電トナーのみを選択して電界で回収できる。
尚、現像ローラ側からトナーへの逆極性誘導電荷付与を
抑制するためには、現像ローラへのバイアス印加位置か
らローラ表層までの抵抗を、上記R3より高くすること
が好ましい。本実施形態のように、高抵抗のトナーを使
用することにより、トナーへの逆極性誘導電荷の付与を
防止でき、トナーの正規電荷を減じたり逆極性に帯電さ
せてしまったりすることを防止することができる。尚、
R3は、10〜10[Ω]が適切であり、好ましくは
10〜10[Ω]である。
【0095】また、本実施形態3においては、先ず現像
ローラ表面に担持され、逆極性帯電トナー通過阻止ブラ
シ520との対向部(以下、阻止ニップという)を通過
する逆極性に帯電したトナーは、逆極性帯電トナー通過
阻止ブラシ520側に転移する。ここで、逆帯電トナー
通過阻止部材を、ファーブラシ状の逆極性帯電トナー通
過阻止ブラシ520から構成している。これにより、現
像ローラ表面からの逆帯電トナーの回収を機械的な力に
依存せずに行うことができる。よって、ローラ形状等の
硬質の逆帯電トナー通過阻止部材を用いる場合のような
現像ローラに対する当接条件の制度管理を厳しく行う必
要がなくなる。そして、逆極性帯電トナー通過阻止ブラ
シ520上に担持されたまま阻止ニップを通過する度に
阻止ニップで次第に正規極性即ち負帯電へと摩擦帯電さ
れる。そして正規極性に帯電されたトナーは阻止ニップ
を通過するときに再び現像ローラ表面に戻される。ま
た、一部の逆極性帯電トナーは、現像ローラ上に担持さ
れて初めて阻止ニップを通過するとき、逆極性帯電トナ
ー通過阻止ブラシ520との間で摩擦帯電されて正規極
性となりそのまま現像領域に搬送されるものもある。ま
た、該逆帯電トナーの正規極性帯電への極性反転荷電に
ついては、現像ローラに対するファーブラシの接触確率
によって制御することができ、ブラシ植毛密度を高ける
等で容易に接触確率を上げる事ができる。よって、現像
ローラ上の逆帯電トナーを効率良く且つ簡易な機構で選
択的に回収し正規極性に帯電できる。
【0096】尚、上記実施形態3においても、実施形態
1と同様に、非現像時に逆極性帯電トナー通過阻止ブラ
シ520の駆動を行うようにしても良い。
【0097】以上実施形態1、実施形態2、実施形態3
で使用した逆帯電トナー通過阻止部材としてのローラ、
ブラシ等の各部材には、表層にアクリル系樹脂やナイロ
ン樹脂を含有させる等の工夫を適宜行なうのが好まし
い。また、現像ローラ上に担持するトナー層としては、
厚み方向にトナーが2層程度以内となるような薄層に形
成するのが好ましい。これによって、逆帯電トナー通過
阻止部材による逆帯電トナーの回収率が良好である。
【0098】以上の実施形態1、実施形態2、及び実施
形態3の特徴から得られる効果を以下にまとめる。以上
の実施形態1、実施形態2、及び実施形態3において
は、逆極性帯電トナー通過阻止ローラ501、、逆極性
帯電トナー通過阻止用磁気ブラシ502、逆極性帯電ト
ナー通過阻止ブラシ520等の逆極性帯電トナー通過阻
止部材の表面電位Vaを次のようにしている。即ち、表
面電位Vaを現像ローラの表面電位Vbよりトナーの正
規帯電極性側にしている。このため、現像ローラ表面に
担持され、逆極性帯電トナー通過阻止部材との対向部
(阻止ニップという)を通過する逆極性帯電トナーを、
逆極性帯電トナー通過阻止部材側に転移させることがで
きる。更に、逆極性帯電トナー通過阻止部材の表面のト
ナーに対する摩擦帯電極性系列上の位置がトナーの正規
帯電極性に対して反対極性側である。よって、逆極性帯
電トナー通過阻止部材表面に付着した逆極性帯電トナー
を、正規極性即ち負に帯電させることができる。また、
正規極性に帯電しなおされたトナーを、阻止ニップで現
像ローラ表面に転移させることができる。従って、逆極
性帯電トナーの阻止ニップ下流側への通過阻止及び正規
極性への反転帯電を行い、再び現像ローラ表面に戻して
現像に使用できるようにすることができ、逆極性帯電ト
ナーによる地汚れを防止することができる。また、これ
により、トナーの平均帯電量を高めることなく現像領域
に搬送されるトナーの逆帯電トナー含有率を減少させる
ことができる。また、以上の実施形態1、及び実施形態
2によれば、磁気ブラシローラ403上の磁気ブラシ
(二成分現像剤)から帯電済みのトナーを現像ローラ4
02上に供給し担持させることができる。従って、地汚
れしやすい逆極性帯電トナーの供給抑制と現像しにくい
過剰帯電トナー供給抑制とを行うことができる。これに
よって現像されやすい性質の荷電帯電トナー成分比率を
より高めることができ、地汚れ防止効果を高めることが
できる。また、現像ローラ402上のトナーを薄層化ブ
レードなどの接触部材で摩擦帯電する必要がなく、現像
ローラ402上のトナーフィルミングや、現像ローラ及
び接触部材の摩耗による現像特性の経時的な変化などの
問題がなくなる。また、実施形態1においては、逆極性
帯電トナー通過阻止ローラ501へのバイアス印加位置
から逆極性帯電トナー通過阻止ローラ501表面までの
厚み方向の電気抵抗をこのローラ表面1[cm]当たり
R1とする。更に、現像ローラに担持されるトナー層の
厚み方向の電気抵抗をトナー層表面1[cm]当たりR
2とする。そして、R2がR1の10倍以上となるよう
に設定している。これによって、トナーへの逆極性誘導
電荷の付与を防止でき、トナーの正規電荷を減じたり逆
極性に帯電させてしまったりすることを防止することが
でき、現像ローラ上から逆極性帯電トナーのみを選択し
て電界で回収することができる。
【0099】また、実施形態2においては、逆帯電トナ
ー通過阻止部材として、逆極性帯電トナー通過阻止用磁
気ブラシ502を設け、磁気ブラシが現像領域で現像ロ
ーラ表面に接触又は近接するようにしている。これによ
り、現像ローラ上の逆帯電トナーが磁性粒子と接触する
確率を逆極性帯電トナー通過阻止ローラ501に比して
高めることができる。よって、逆帯電トナーを均一に効
率良く選択的に回収して正規極性に帯電させることがで
きる。また、実施形態2においては、逆極性帯電トナー
通過阻止用磁気ブラシ502の構成要素である磁性粒子
表面のトナーに対する摩擦帯電極性系列上の位置を、ト
ナーの正規帯電極性に対して反対極性側としている。こ
れによって、現像ローラ上から回収した逆帯電トナーを
摩擦帯電系列差からも、効率良く正規極性に摩擦帯電さ
せることができ、現像ローラにムラ無く戻す事ができ
る。また、実施形態2においては、これによって、逆極
性帯電トナー通過阻止用磁気ブラシ502表面に磁気ブ
ラシを形成する磁性粒子の一部又は全部を交換すること
ができる。よって、逆極性帯電トナー通過阻止用磁気ブ
ラシ502表面の磁気ブラシの逆帯電トナーの回収及び
正規極性帯電トナーへの反転極性荷電機能の低下を防止
でき、装置の長寿命化をはかることができる。
【0100】また、実施形態1においては、逆極性帯電
トナー通過阻止部材として、現像ローラに対向して接触
させて設けられた回転するローラ状の逆極性帯電トナー
通過阻止ローラ501を用いている。このようなローラ
によって、逆極性に帯電したトナーの現像領域への通過
を阻止できると共に、正規極性に帯電させて現像領域へ
供給することができる。また、逆極性帯電トナーの回収
については、機械的な力に依存しないで且つ厳格な電界
範囲管理も必要としない。従って、逆極性帯電トナー通
過阻止ローラ501当接条件の精度管理を厳しく管理す
る必要がなく、現像ローラ上の逆極性帯電トナーを簡易
な機構で選択的に回収し正規極性に帯電することができ
る。また、実施形態1においては、逆極性帯電トナー通
過阻止ローラ501の表面に弾性層を設けている。これ
によって、現像ローラ上にある程度均一に形成されたト
ナー層に強い掻き取り力を及ぼさずに済む。これによっ
て、簡易な構成で現像ローラ上の逆極性帯電トナーを現
像ローラ上に形成されたトナー薄層を乱すことなく逆極
性帯電トナーを回収できる。そして、逆極性帯電トナー
を阻止ニップで効率よく正規極性に摩擦帯電させること
ができる。
【0101】また、実施形態3においては、逆帯電トナ
ー通過阻止部材を、ファーブラシ状の逆極性帯電トナー
通過阻止ブラシ520から構成している。これにより、
現像ローラ表面からの逆帯電トナーの回収を機械的な力
に依存せずに行うことができ、現像ローラに対する当接
条件の制度管理を厳しく行う必要がなくなる。また、ブ
ラシ植毛密度を高ける等で容易にラーブラシのトナーに
対する接触確率を上げる事ができるので、現像ローラ上
の逆帯電トナーを効率良く且つ簡易な機構で選択的に回
収し正規極性に帯電できる。また、実施形態3において
は、逆極性帯電トナー通過阻止ブラシ520へのバイア
ス印加位置からファーブラシ先端までの電気抵抗をこの
ファーブラシ先端面1[cm]当たりR3とする。更
に、現像ローラに担持されるトナー層の厚み方向の電気
抵抗をトナー層表面1[cm]当たりR2とする。そし
て、R2がR3の10倍以上となるように設定してい
る。これによって、トナーへの逆極性誘導電荷の付与を
防止でき、トナーの正規電荷を減じたり逆極性に帯電さ
せてしまったりすることを防止することができ、現像ロ
ーラ上から逆極性帯電トナーのみを選択して電界で回収
することができる。
【0102】また、実施形態1、実施形態2、及び実施
形態3においては、非現像時にも場合によって逆極性帯
電トナー通過阻止部材を現像ローラと共に回転させるよ
うにしている。これによって、次の現像時に、逆極性ト
ナーを正規極性に帯電させて現像ローラ表面に戻す機能
を良好に発揮させることができる。また、逆極性帯電ト
ナー通過阻止部材を現像ローラと共に回転させることに
よって、現像ローラに一部に偏った掻き取り力を及ぼさ
ずに済む。更に、現像時よりも長時間にわたって逆帯電
トナー通過阻止部材と現像ローラとの表面をどの部分も
互いに均等に対向させる事もできる。よって、現像ロー
ラから回収した逆極性帯電トナーを確実に正規極性に摩
擦帯電させて現像ローラにムラ無く確実に戻す事も可能
である。また、実施形態1、実施形態2、及び実施形態
3において、非現像時に行う逆極性帯電トナー通過阻止
部材の駆動タイミングを、前駆動時、後駆動時、両現像
動作間のうちのいずれかに行うようにしても良い。これ
らの期間の一部で行えば、時間的なロスを低減させるこ
とができる。また、現像時間より長時間にわたってその
駆動を行う場合等に、上記期間を超えて駆動を継続させ
る必要がある場合でも、時間的なロスをある程度低減さ
せることができる。また、実施形態1、実施形態2、及
び実施形態3においては、逆帯電トナー通過阻止部材の
回転駆動を、現像ローラとの対向部において現像ローラ
表面と同方向に同線速で行っている。また、これに変え
て逆帯電トナー通過阻止部材を現像ローラに従動させる
こともる。このように、逆帯電トナー通過阻止部材を現
像ローラ対し従動させたりスラスト方向に同線速で駆動
したりする事により、現像ローラ上にある程度均一に形
成されたトナー層に殆ど掻き取り力を及ぼさずに済む。
これによって、現像ローラ上の逆帯電トナーを現像ロー
ラ上に形成されたトナー薄層を乱すことを防止できる。
尚、逆帯電トナー通過阻止部材の現像ローラに対する線
速は、その相対的な線速差が現像ローラ表面線速以下で
あれば、ある程度トナー薄層を乱すことを防止できる。
また、実施形態1、実施形態2、及び実施形態3におい
ては、逆極性帯電トナー通過阻止部材表面と現像ローラ
表面に担持されているトナーとの電位差を、トナーに対
する放電開始電圧未満としている。これによって、トナ
ー帯電電荷全体を高めにシフトさせることなく、現像領
域に搬送されるトナーの逆極性帯電トナーの含有率を低
下させる。放電開始電圧以上のバイアスを印加するがな
く、トナーを放電による不安定な帯電荷電を与えないで
済み、地汚れや現像ムラ等の発生を更に防止することが
できる。また、実施形態2、及び実施形態3において
は、トナーとしてSRトナーを用いている。これによっ
て、ポリエステルの重付加反応(又は伸長反応という)
が可能であるので、定着性等粉砕トナーで広く用いられ
ているポリエステルを使用することができ、定着性に優
れている。また、粒径分布が従来の重合トナーに比して
更に狭いので、従来の重合トナーより更に高画質を得る
ことができる。また、分子量制御可能が可能であると共
に、トナー粒子の形状制御が容易であるので、トナーを
球形から異形まで形成可能である。これらのことから、
SRトナーを用いることによって、所望の粒径や特性の
トナーを得ることができる。また、トナーの特性変動を
低減でき、トナー寿命を向上させることができる。ま
た、実施形態1、実施形態2、及び実施形態3において
は、現像領域に搬送される現像ローラ402上の逆帯電
トナーの存在比率を、25[%]以下に抑えている。これ
によって、現像の際に逆極性トナーの感光体地肌部への
付着は実用上問題にならないレベルに収める事ができ、
地汚れΔIDが許容限界値(0.08)以下となるた
め、実用上の地汚れ問題を防止できる。また、実施形態
1、実施形態2、及び実施形態3においては、感光体表
面の保護層において無機フィラー114aの含有率を感
光体表層側に近いほど高くした感光体(FR−OPC)
を使用している。これにより、感光体の表面硬度を高め
ることができるので、トナーやクリーニング部材等の表
層への喰い込みが低減して感光体表面が磨耗しにくくな
り、感光体の寿命を向上させることができる。また、実
施形態2においては、感光体表面の転写残トナーがほと
んどないため、クリーニング装置6無しでも次工程にお
ける地汚れや残像等の発生を防止することができる。従
って、簡易化と高画質を両立させることができる。尚、
本実施形態2とは異なるが、例えばフルカラーシステム
を採用した場合にも、混色問題等の悪影響を防止するこ
とができ、簡易化と高画質を両立できる。
【0103】
【発明の効果】請求項1乃至17の現像装置によれば、
トナーの平均帯電量を高めることなく現像領域に搬送さ
れるトナーの逆帯電トナー含有率を減少させることがで
きる。これにより、トナーの平均帯電量を高めることな
く地汚れを防止することができるという優れた効果があ
る。また、現像効率を維持するために現像電界強度を高
める必要もなくなり、従来どおりの電界強度で良好な画
像を得ることができるという優れた効果もある。請求項
項18乃至21の画像形成装置によれば、トナーの平均
帯電量を高めることなく地汚れを防止することができ、
良好な画像を得ることができるという優れた効果があ
る。また、現像効率を維持するために現像電界強度を高
める必要もなくなり、従来どおりの電界強度で良好な画
像を得ることができるという優れた効果もある。請求項
22の画像形成方法によれば、トナーの平均帯電量を高
めることなく地汚れを防止することができ、良好な画像
を得ることができるという優れた効果がある。また、現
像効率を維持するために現像電界強度を高める必要もな
くなり、従来どおりの電界強度で良好な画像を得ること
ができるという優れた効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るプリンタの概略構成
図。
【図2】同プリンタに用いることができるプロセスユニ
ットの部分斜視図。
【図3】感光体表面の最大静止摩擦係数μの測定システ
ムの説明図。
【図4】感光体の感光層の断面図。
【図5】感光体上での露光量分布の説明図。
【図6】露光量と感光体の表面電位との関係を示すグラ
フ。
【図7】現像特性におけるγ曲線(現像ポテンシャルに
対する現像量)のグラフ。
【図8】同プリンタに用いる現像装置の概略構成図。
【図9】(a)及び(b)は、現像ローラの表面部の体
積抵抗率測定システムの説明図。
【図10】現像剤の磁性粒子のダイナミック抵抗測定シ
ステムの説明図。
【図11】実施形態2に係る現像装置の概略構成図。
【図12】現像ローラ上のトナー帯電量分布の測定結果
を示すグラフ。
【図13】磁気ブラシローラ上のトナー帯電量分布と、
現像ローラ上のトナー帯電量分布の測定結果を示すグラ
フ。
【図14】磁気ブラシローラ上のトナー帯電量分布と、
現像ローラ上のトナー帯電量分布の測定結果を示すグラ
フ。
【図15】磁気ブラシローラ上のトナー帯電量分布と、
現像ローラ上のトナー帯電量分布の測定結果を示すグラ
フ。
【図16】現像ローラ上のトナーの帯電量分布プロファ
イルの半値幅と、地汚れ(ΔID)との関係を測定した
実験結果のグラフ。
【図17】現像ローラ上の逆帯電トナーの存在比率と、
地汚れ(ΔID)との関係を測定した実験結果のグラ
フ。
【図18】現像ローラ上の高帯電トナーの存在比率と、
ドット抜けとの関係を測定した実験結果のグラフ。
【図19】実施形態1〜3に用いる感光体の構造を示し
た部分断面図。
【図20】実施形態1における逆極性帯電トナー通過阻
止ローラの断面図。
【図21】実施形態2のにおける逆極性帯電トナー通過
阻止用磁気ブラシ近傍の部分拡大図。
【図22】実施形態3にかかるプリンタの概略構成図。
【図23】実施形態3における逆極性帯電トナー通過阻
止ブラシの断面図。
【符号の説明】
1 感光体 2 帯電装置 3 露光装置 4 現像装置 5 転写装置 6 クリーニング装置 10 トナー 11 磁性粒子 12 二成分現像剤 20 転写紙 50 画像形成プロセスユニット 401 ケーシング 402 現像ローラ(トナー担持体) 403 磁気ブラシローラ(トナー供給部材) 404,405 攪拌・搬送部材 406 規制ブレード 407 磁石部材 408 スリーブ 409 電源(現像バイアス用) 410 電源(トナー供給バイアス用) 501 逆極性帯電トナー通過阻止ローラ 502 逆極性帯電トナー通過阻止用磁気ブラシ 520 逆極性帯電トナー通過阻止ブラシ A1 現像領域 A2 トナー供給領域
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03G 9/08 331 381 (72)発明者 後藤 一雄 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 池口 弘 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 Fターム(参考) 2H005 AA01 AB03 CA08 CA17 FA02 2H068 AA04 AA14 CA33 2H073 AA05 AA07 BA02 BA09 BA13 2H077 AA18 AA39 AB02 AB15 AB22 AC02 AC04 AD02 AD06 AD13 AD18 AD31 AD35 AE04 EA03 EA15 FA01 FA13 FA22 FA27 GA13 GA17

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】表面にトナーを担持搬送するトナー担持体
    と、該トナー担持体表面にトナーの薄層を形成する薄層
    形成手段とを有し、該薄層形成手段によって薄層化され
    た該トナー担持体表面のトナーを該像担持体表面の移動
    によって潜像担持体に対向する現像領域に搬送して該潜
    像担持体上の潜像を現像する現像装置において、 上記トナー担持体表面移動方向における上記薄層形成手
    段によるトナーの薄層形成位置と上記現像領域との間
    に、トナーの正規帯電極性とは逆の帯電極性である逆帯
    電トナーを摩擦により正規極性に帯電させた後に下流側
    へ通過させる逆帯電トナー通過阻止手段を設けたことを
    特徴とする現像装置。
  2. 【請求項2】請求項1の現像装置において、 上記逆帯電トナー通過阻止手段を、上記トナーの薄層形
    成位置と上記現像領域との間の上記トナー担持体表面に
    対向して設けられた逆帯電トナー通過阻止部材で構成
    し、該逆帯電トナー通過阻止部材の表面電位におけるD
    C成分Vaが、該トナー担持体の表面電位におけるDC
    成分Vbよりトナーの正規帯電極性側、即ち(Va−V
    b)×(トナーの正規帯電極性)>0で、且つ、該逆帯
    電トナー通過阻止部材表面の該トナーに対する摩擦帯電
    極性系列上の位置が該トナーの正規帯電極性に対して反
    対極性側であることを特徴とする現像装置。
  3. 【請求項3】請求項1又は2の現像装置において、 トナーと磁性粒子とからなる二成分現像剤によって形成
    された磁気ブラシを表面に有するトナー供給部材を設
    け、該磁気ブラシを上記トナー担持体に接触させること
    によりトナーのみを該トナー担持体表面に供給すると共
    に該トナー担持体へのトナーの薄層形成を行うよう構成
    したことを特徴とする現像装置。
  4. 【請求項4】請求項1,2,又は3の現像装置におい
    て、 上記逆帯電トナー通過阻止手段を、上記トナーの薄層形
    成位置と上記現像領域との間の上記トナー担持体表面に
    対向して設けられた逆帯電トナー通過阻止部材で構成
    し、該逆帯電トナー通過阻止部材にバイアス電圧を印加
    する阻止バイアス印加手段を設け、該阻止バイアス印加
    手段におけるバイアス印加位置から該逆帯電トナー通過
    阻止部材表面までの該逆帯電トナー通過阻止部材厚み方
    向の電気抵抗を該逆帯電トナー通過阻止部材表面1[c
    ]当たりR1、上記トナー担持体表面に担持される
    トナー層の厚み方向の電気抵抗を該トナー層表面1[c
    ]当たりR2、とし、R2をR1の10倍以上とし
    たことを特徴とする現像装置。
  5. 【請求項5】請求項1,2,3,又は4の現像装置にお
    いて、 上記逆帯電トナー通過阻止手段を、上記トナーの薄層形
    成位置と上記現像領域との間の上記トナー担持体表面に
    対向して設けられ表面が該トナー担持体表面に対して相
    対移動する逆帯電トナー通過阻止部材で構成し、該逆帯
    電トナー通過阻止部材が、表面にトナーと磁性粒子とか
    らなる二成分現像剤によって形成された磁気ブラシを有
    し、該磁気ブラシが該トナー担持体表面に接触又は近接
    していることを特徴とする現像装置。
  6. 【請求項6】請求項5の現像装置において、 上記逆帯電トナー通過阻止部材表面、及び上記磁気ブラ
    シの構成要素である磁性粒子表面のトナーに対する摩擦
    帯電極性系列上の位置を、該トナーの正規帯電極性に対
    して反対極性側としたことを特徴とする現像装置。
  7. 【請求項7】請求項5又は6の現像装置において、 上記逆帯電トナー通過阻止部材表面に形成された磁気ブ
    ラシの構成要素である磁性粒子のうち、一部又は全部を
    交換する磁性粒子交換手段を設けたことを特徴とする現
    像装置。
  8. 【請求項8】請求項1,2,3,又は4の現像装置にお
    いて、 上記逆帯電トナー通過阻止手段を、上記トナーの薄層形
    成位置と上記現像領域との間の上記トナー担持体表面に
    対向して設けられた逆帯電トナー通過阻止部材で構成
    し、該逆帯電トナー通過阻止部材が、該トナー担持体表
    面に接触又は近接し、回転するローラ状の逆帯電トナー
    通過阻止ローラであることを特徴とする現像装置。
  9. 【請求項9】請求項8の現像装置において、 上記逆帯電トナー通過阻止ローラの表面を弾性体から構
    成し、かつ上記トナー担持体表面に接触させたことを特
    徴とする現像装置。
  10. 【請求項10】請求項1,2,3,又は4の現像装置に
    おいて、 上記逆帯電トナー通過阻止手段を、上記トナーの薄層形
    成位置と上記現像領域との間の上記トナー担持体表面に
    対向して設けられた逆帯電トナー通過阻止部材で構成
    し、該逆帯電トナー通過阻止部材が、該トナー担持体表
    面に接触又は近接するファーブラシ部と該ファーブラシ
    部を支持する支持部とからなる逆帯電トナー通過阻止ブ
    ラシであることを特徴とする現像装置。
  11. 【請求項11】請求項10の現像装置において、 上記逆帯電トナー通過阻止ブラシの支持部にバイアス電
    圧を印加する阻止バイアス印加手段を設け、該阻止バイ
    アス印加手段におけるバイアス印加位置から上記ファー
    ブラシ先端までの電気抵抗を該ファーブラシ先端面1
    [cm]当たりR3、上記トナー担持体表面に担持され
    るトナー層の厚み方向の電気抵抗を該トナー層表面1
    [cm]当たりR2、とし、R2をR3の10倍以上と
    したことを特徴とする現像装置。
  12. 【請求項12】請求項1,2,3,4,5,6,7,
    8,9,10,及び11の現像装置において、 上記逆帯電トナー通過阻止手段を、上記トナーの薄層形
    成位置と上記現像領域との間の上記トナー担持体表面に
    対向して設けられた逆帯電トナー通過阻止部材で構成
    し、上記潜像担持体と該逆帯電トナー通過阻止部材とを
    非現像時において同時に駆動させることを可能としたこ
    とを特徴とする現像装置。
  13. 【請求項13】請求項12の現像装置において、 上記非現像時駆動を行うタイミングが、上記潜像が現像
    される前に上記潜像担持体を駆動している期間である前
    駆動時、該潜像が現像された後に該潜像担持体を駆動し
    ている期間である後駆動時、及び前の現像動作終了後か
    ら次の現像動作開始までの両現像動作間のうち少なくと
    も1つの期間に行うことを特徴とする現像装置。
  14. 【請求項14】請求項1、2,3,4,5,6,7,
    8,9,10、11,12,又は13の現像装置におい
    て、 上記逆帯電トナー通過阻止手段を、上記トナーの薄層形
    成位置と上記現像領域との間の上記トナー担持体表面に
    対向して設けられた逆帯電トナー通過阻止部材で構成
    し、該逆帯電トナー通過阻止部材の表面を、該トナー担
    持体との対向部において該トナー担持体表面と同方向に
    同線速で移動、又は該トナー担持体表面に従動させたこ
    とを特徴とする現像装置。
  15. 【請求項15】請求項項1、2,3,4,5,6,7,
    8,9,10、11,12,13,又は14の現像装置
    において、 上記逆帯電トナー通過阻止手段を、上記トナーの薄層形
    成位置と上記現像領域との間の上記トナー担持体表面に
    対向して設けられた逆帯電トナー通過阻止部材で構成
    し、該逆帯電トナー通過阻止部材表面と上記トナー担持
    体表面に担持されているトナーとの電位差が、該トナー
    に対する放電開始電圧未満となるよう、該逆帯電トナー
    通過阻止部材表面の電位を設定したことを特徴とする現
    像装置。
  16. 【請求項16】請求項1、2,3,4,5,6,7,
    8,9,10、11,12,13,14,又は15の現
    像装置において、 上記トナーとして、活性水素と反応可能な変性ポリエス
    テル系樹脂からなるトナーバインダーを含むトナー組成
    分を有機溶媒中に溶解又は分散させ、該有機溶媒中に溶
    解又は分散させたトナー組成分を、樹脂微粒子を含む水
    系媒体中で架橋剤及び伸張剤のうち少なくとも一方と反
    応させ、反応させた後の溶液から溶媒を除去し、かつト
    ナー表面に付着した該樹脂微粒子を洗浄・脱離して得ら
    るものを用いたことを特徴とする現像装置。
  17. 【請求項17】請求項1、2,3,4,5,6,7,
    8,9,10、11,12,13,14,15,又は1
    6の現像装置において、 上記潜像担持体に対向する現像領域に搬送されるトナー
    のうち、逆帯電トナーの含有率をトナー個数比で25
    [%]以下としたことを特徴とする現像装置。
  18. 【請求項18】表面に潜像を担持する潜像担持体と、該
    潜像を現像する現像装置とを有する画像形成装置におい
    て、 上記現像装置として、請求項1、2,3,4,5,6,
    7,8,9,10、11,12,13,14,15,1
    6,又は17の現像装置を用いたことを特徴とする画像
    形成装置。
  19. 【請求項19】請求項18の画像形成装置において、 上記潜像担持体が、表面に粒子状物質を含有してなるこ
    とを特徴とする画像形成装置。
  20. 【請求項20】請求項19の画像形成装置において、 上記潜像担持体を、導電性基体上に直接又は中間層を介
    して感光層を有し、該感光層に少なくとも電荷発生物質
    と電荷輸送物質と無機フィラーとを含有し、かつ該感光
    層における該無機フィラーの含有率を該導電性基体側か
    ら最も離れた表層側で他の部分より多くしたことを特徴
    とする画像形成装置。
  21. 【請求項21】請求項18,19,又は20の画像形成
    装置において、 上記現像装置によって現像されてなるトナー像が転写体
    上に転写された後であって、かつ次の潜像を担持する前
    の上記潜像担持体表面をクリーニングするクリーニング
    手段を設けないことを特徴とする画像形成装置。
  22. 【請求項22】潜像担持体表面に担持された潜像を所定
    の現像方法によって現像する画像形成方法において、 上記所定の現像方法を行うために用いる現像装置とし
    て、請求項1、2,3,4,5,6,7,8,9,1
    0、11,12,13,14,15,16,又は17の
    現像装置を用いたことを特徴とする画像形成方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007065064A (ja) * 2005-08-29 2007-03-15 Ricoh Co Ltd 画像形成装置
JP2007065123A (ja) * 2005-08-30 2007-03-15 Konica Minolta Business Technologies Inc 画像形成装置
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