JP5459568B2 - 画像形成装置及び画像形成プロセスユニット - Google Patents
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Description
また、上記潜像担持体の初期帯電時には強いハザードを受けるおそれがある。スコロトロンチャージャに代表される放電を利用した帯電システムでは、潜像担持体の表面に直接荷電粒子が降りかかるために、電離作用が表面劣化を促進させる要因となる。このような放電による潜像担持体の表面劣化に対しても、上記低電位システムが有効である。
また、上記現像γが大きくなると、磁気ブラシ現像では十分なトナーが存在しているので、必要なトナー量を超えて付着してしまうことがある。このトナーの過剰付着は、転写紙への転写後に定着された時に飽和反射濃度を得るための最低付着量を超えたものであり、地汚れ、転写時の散り、細線画像のつぶれ等の著しい画像品質の劣化の原因となるおそれがある。
また、他の目的は、潜像担持体から中間転写体又は転写材にトナー像を重ね合わせて転写するときのトナーの散りや中抜け現象の発生を抑制して高品質の画像を得るとともに、潜像担持体の長寿命化を図り、トナーの過剰付着による地汚れ等の画質低下を防止することができる画像形成装置及び画像形成プロセスユニットを提供することである。
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、潜像担持体と、該潜像担持体の表面を一様に帯電し画像情報に基づいて露光することにより該潜像担持体上に潜像を形成する潜像形成手段と、トナーを含む現像剤を現像剤担持体に担持し該潜像担持体に対向する現像領域に搬送することにより該潜像担持体上の潜像を現像してトナー像とする現像装置と、該現像剤担持体に現像バイアスVBを印加する現像バイアス印加手段と、該潜像担持体に形成されたトナー像を、中間転写体を介して転写材に転写しあるいは中間転写体を介さずに所定方向に搬送されている転写材に直接転写する転写手段とを備え、該転写材上に複数のトナー像を重ね合わせた画像を形成する画像形成装置において、該潜像担持体の露光前の帯電電位の絶対値が400V以下であり、該現像に用いる現像剤が、磁性粒子と球形度が95%以上の球形トナーとを含む二成分現像剤であり、該現像剤担持体上に担持される二成分現像剤に含まれる磁性粒子のダイナミック抵抗が106Ω以下であり、該現像剤担持体上のトナーの平均帯電量の絶対値が10μC/g以上21μC/g未満であり、該トナーの体積平均粒径が3μm以上12μm以下であり、該潜像担持体と該現像剤担持体との間隙である現像ギャップが0.2mm以上0.8mm以下であり、該潜像担持体上の露光によって電位が低下した露光部電位VLと該現像バイアスVBとの電位差の絶対値である現像ポテンシャル|VB−VL|の画像形成時における最大画像濃度に対応するように設定された最大設定値|VB−VL|maxが、300V以下であり、該潜像担持体が、導電性基体上に感光層を有するものであり、該現像領域における該潜像担持体表面に隣接し該二成分現像剤の磁性粒子からなる磁気ブラシの潜像担持体側の先端と該潜像担持体表面との間のトナー層が形成された領域であって該潜像担持体表面に接触して現像に寄与するトナーが存在している現像寄与トナー存在領域の単位面積あたりの静電容量C TL が、該潜像担持体の感光層の単位面積あたりの静電容量C PC よりも大きいことを特徴とするものである。
【数2】
ID=−log(X/Xm)
また、上記「ダイナミック抵抗」は、後述の図5の測定システムを用いた方法で測定したものである。
しかも、現像に用いる現像剤が、磁性粒子と球形度が95%以上の球形トナーとを含む二成分現像剤であり、現像剤担持体上に担持される二成分現像剤のダイナミック抵抗、現像剤担持体上のトナーの平均帯電量の絶対値、トナーの体積平均粒径、潜像担持体と現像剤担持体との間隙である現像ギャップ、及び現像ポテンシャル|V B −V L |の最大設定値|V B −V L |maxがそれぞれ、上記所定の範囲にあることにより、潜像担持体の帯電電位の変動等によって現像ポテンシャル|VB−VL|が下記の(1)乃至(3)式又は(4)乃至(6)式を満たす範囲内で変化したときでも、画像濃度の変化幅が、現像ポテンシャルの最大設定値|VB−VL|maxに対する画像濃度の10%以下に抑えられるため、画像濃度低下や画像濃度ムラが視認されにくい。
【数1】
|V B −V L |≦|V B −V L |max+|V B −V L |max×0.2 ・・・(1)
|V B −V L |≧|V B −V L |max−|V B −V L |max×0.2 ・・・(2)
|V B −V L |max≦300V ・・・(3)
【数3】
|V B −V L |≦|V B −V L |max+50V ・・・(4)
|V B −V L |≧|V B −V L |max−50V ・・・(5)
|V B −V L |max≦300V ・・・(6)
特に、現像剤担持体上に担持される二成分現像剤のダイナミック抵抗が10 6 Ω以下であるため、現像剤担持体上の磁性粒子の潜像担持体側先端縁と潜像担持体表面との間の領域に現像電界が形成されるようになるので、所定強度の現像電界を形成するための現像ポテンシャルの大きさを低減することができる。
【数4】
0<|VD|−|VB|<|VD−VL|<250V ・・・(7)
X=0.6×トナー粒径×トナーの真比重/転写率 ・・・(8)
しかも、潜像担持体上の最大トナー付着量が、潜像担持体上で飽和画像濃度を得ることができる最少トナー付着量Xの1.5倍以下であるため、画像濃度を飽和画像濃度よりも高く設定した場合でも、潜像担持体上にトナーが過剰に付着しない。
〔実施形態1〕
まず、本発明の第1の実施形態に係るカラー画像形成装置の全体の概略構成及び動作について説明する。
図2は、本実施形態のカラー画像形成装置の主要部である画像形成部の概略構成図である。このカラー画像形成装置は、図2に示す画像形成部のほか、図示しないカラー画像読み取り部(以下「カラースキャナ」という。)、給紙部及びこれらを駆動制御する制御部などによって構成されている。
上記カラースキャナは、原稿のカラー画像情報を、例えばレッド、グリーン、ブルー(以下、それぞれ「R」、「G」、「B」という)の色分解光ごとに読み取り、電気的な画像信号に変換する。そして、このカラースキャナで得たR、G、Bの色分解画像信号の強度レベルをもとにして、図示しない画像処理部で色変換処理を行い、ブラック、シアン、マゼンタ、イエロー(以下、それぞれ「Bk」、「C」、「M」、「Y」という)の画像データを得る。
特に、本実施形態のようにリボルバ現像ユニット4が上記プロセスカートリッジに含まれない場合には、寿命が一致しない感光体ドラム1とリボルバ現像ユニット4あるいは各現像器とをそれぞれ別々に容易に交換することが可能となる。また、非現像時に現像器内の現像ローラを感光体ドラム1から離間するように退避させることが可能となるので、現像ローラへのトナーフィルミングの促進が低減され、更にリボルバ現像ユニット4の寿命を延ばすことができる。
また、感光体ドラム1は図中に矢印で示すように反時計廻り方向に200mm/sの線速にて回転し、その周囲には、帯電チャージャ2,感光体クリーニング装置6,リボルバ現像ユニット4中の選択された現像器、中間転写ユニット500の中間転写体としての中間転写ベルト501などが配置されている。
上記磁石部材422の磁力により、スリーブ421上にトナー10及び磁性粒子11からなる現像剤12がブラシ状に担持される。そして、現像ローラ420上の磁気ブラシ中のトナー10は、磁性粒子11と混合されることで規定の帯電量を得る。この現像ローラ420上のトナーの帯電量としては、−10〜−30[μC/g]の範囲が好適である。
また、このときの添加剤の添加量は、母体粒子100質量部に対して0.5〜1.8質量部であることが好ましく、特に好ましくは、0.7〜1.5質量部である。
添加剤の添加量が0.5質量部未満であると、トナーの流動性が低下するため、十分な帯電性が得られず、また、転写性や耐熱保存性も不十分となり、また、地汚れやトナー飛散の原因にもなりやすい。
一方、添加剤の添加量が1.8質量部よりも多いと、流動性は向上するものの、ビビリ、ブレードめくれ等の感光体クリーニング不良や、トナーから遊離した添加剤による感光体ドラム1等へのフィルミングが生じやすくなり、クリーニングブレードや感光体ドラム等の耐久性が低下し、定着性も悪化する。また、細線部におけるトナーのチリが発生しやすくなり、特に、フルカラー画像における細線の出力の場合には、少なくとも2色以上のトナーを重ねる必要があり、付着量が増えるため、特にその傾向が顕著である。さらに、カラートナーとして用いる場合には、添加剤が多く含有されていると、透明シートに形成されたトナー画像をオーバーヘッドプロジェクターで投影した場合に投影像にかげりが生じ、鮮明な投影像が得られにくくなる。
ここで、表面処理に用いる処理剤としては、有機系シラン化合物等が好ましく、例えば、メチルトリクロロシラン、オクチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン等のアルキルクロロシラン類、ジメチルジメトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン等のアルキルメトキシシラン類、ヘキサメチルジシラザン、シリコーンオイル等が挙げられる。また、処理方法としては、有機シラン化合物を含有する溶液中に添加剤を漬積し乾燥させる方法、添加剤に有機シラン化合物を含有する溶液を噴霧し乾燥させる方法等があるが、本実施形態においては、いずれの方法も好適に用いることができる。
DR=E/(Ion−Ioff)
中間転写ユニット500は、後述する複数のローラに張架された中間転写体としての中間転写ベルト501などで構成されている。この中間転写ベルト501の周りには、2次転写ユニット550の転写材担持体である2次転写ベルト551、2次転写電荷付与手段である2次転写バイアスローラ552、中間転写体クリーニング手段であるベルトクリーニングブレード502、潤滑剤塗布手段である潤滑剤塗布ブラシ503などが対向するように配設されている。
上記潤滑剤塗布ブラシ503は、板状に形成された潤滑剤としてのステアリン酸亜鉛510を研磨し、この研磨された微粒子を中間転写ベルト501に塗布するものである。この潤滑剤塗布ブラシ503も、中間転写ベルト501に対して接離可能に構成され、所定のタイミングで中間転写ベルト501に接触するように制御される。
そして、転写紙Pが中間転写ベルト501上の最終トナー像と重ねられて2次転写部B2を通過する。このとき、2次転写電源902によって2次転写バイアスローラ555に印加される電圧による2次転写バイアスにより、中間転写ベルト501上の4色重ねトナー像が転写紙P上に一括転写される。転写紙Pは、2次転写ベルト551の移動方向における2次転写部B2の下流側に配置した転写紙除電チャージャ557との対向部を通過するときに除電され、2次転写ベルト551から剥離して定着ローラ対801に向けて送られる。この定着ローラ対801のニップ部でトナー像が溶融定着され、図示しない排出ローラ対で装置本体外に送り出され、図示しないコピートレイに表向きにスタックされ、フルカラー等の多色画像を得る。
一方、上記1次転写後の感光体ドラム1の表面は、感光体クリーニング装置6でクリーニングされ、図示しない除電ランプで均一に除電される。また、転写紙Pにトナー像を転写した後の中間転写ベルト501の表面に残留したトナーは、図示しない離接機構によって中間転写ベルト501に押圧されるベルトクリーニングブレード502によってクリーニングされる。
ここで、ネガポジ現像方式を採用した場合、地肌部が現像されないように、現像バイアスVBの絶対値|VB|は帯電電位VDの絶対値|VD|よりも小さく設定される。また、画像濃度と地肌汚れのバランスが取れるように、地肌ポテンシャル|VD−VB|は少なくとも現像ポテンシャル|VB−VL|より小さくなるように設定される。
図7は一般的には「四限チャート」と呼ばれるグラフである。図7の第1象限は現像ポテンシャルと画像濃度IDとの関係を示している。第2象限はトナー付着量と画像濃度IDとの関係を示し、ここではトナーの着色度が大きく関係する。特性的にはほぼ線形になるが、規定の画像濃度になるときのトナー付着量がトナー着色度によって大きく異なる。第3象限はそのままトナーの付着量である。第4象限は現像ポテンシャルとトナー付着量との関係を示し、一般的にはm−ID特性と呼ばれる、現像ポテンシャルに対するトナー付着量の関係を表している。
図7の第1象限のグラフより、現像ポテンシャルが決まると画像濃度IDが一義的に決まり、現像ポテンシャルが変動すると画像濃度IDも変動することがわかる。実際の画像形成プロセスでは、▲1▼帯電装置で帯電する感光体ドラムの帯電電位の変動によるもの、▲2▼感光体ドラムの光疲労による露光後電位VLの上昇(見かけの感度低下)によるもの、▲3▼露光量の変動、▲4▼現像バイアス変動によるもの、▲5▼1枚の画像中で部分的に画像濃度が低下する「ムラ」と呼ばれるもの、などがある。特に、本実施形態で規定している現像ポテンシャルの最大設定値|VB−VL|max (≦300V)の近傍の領域では、画像濃度が最大となる最高濃度領域であるので、画像濃度IDの変動はこの最高濃度での変動となって現れる。画像形成装置では最高濃度が変動すると、画像品質が劣化することとなり、大きな問題である。また上記「ムラ」に対しても、その影響が大きくなる。
[数6]
|VB−VL|≦|VB−VL|max+|VB−VL|max×0.2 …(1)|VB−VL|≧|VB−VL|max−|VB−VL|max×0.2 …(2)|VB−VL|max≦300V …(3)
[数7]
|VB−VL|≦|VB−VL|max+50V …(4)
|VB−VL|≧|VB−VL|max−50V …(5)
|VB−VL|max≦300V …(6)
本実施例1において、画像形成するときの現像ポテンシャルの最大設定値|VB−VBL|max は250Vである。また、本実施例1及び比較例におけるトナーの平均帯電量及び現像ギャップは表1のとおりである。本実施例1では、比較例に比して、トナー帯電量が低く且つ現像ギャップが狭い条件になっている。
従って、現像ポテンシャルが何らかの原因で50V程度変化したとしても、画像濃度IDの変動が上記所定範囲内に抑えられるため、画像濃度IDの低下や画像濃度ムラが視認されない。実際に画像濃度変動を評価したところ、画像濃度の変動ムラが少ない良好な結果が得られた。
従って、現像ポテンシャルが50V程度変化すると、画像濃度IDが大きく変動することにより、視認できる程度の画像濃度IDの低下や画像濃度ムラによる画質低下が発生してしまう。これらの比較例1,2についても本実施例1と同様に、実際に画像濃度変動を評価したところ、画像濃度の変動ムラが観察された。
図9の上段に示した本実施例では、Cトナー1次転写前において、中間転写ベルト501上のベルト電位は図示の如く、0Vのままである。対応する従来例の場合には、中間転写ベルト501は、Cトナーの1次転写に備えたクリーニングによって初期化されている。ベルト表面電位も同じく0Vである。
次に、Cトナー1次転写時には、上段に図示のように比較的帯電量の低いCトナー10Cを1次転写する。Cトナー付着部のベルト表面電位は、Cトナーの持つ電荷によって−40Vとなる。対応する従来例の場合には、中間転写ベルト501の表面に直接Cトナー10Cを1次転写する。Cトナー付着部は、Cトナーの持つ電荷によってベルト表面電位が−60Vとなる。
次に、Mトナー1次転写時には、上段に図示のように中間転写ベルト501上のCトナー10C上にMトナー10Mを1次転写する。Mトナー付着部は、Cトナー、Mトナーの持つ電荷によってベルト表面電位が−80Vとなる。この際、画像背景部の電位によりMトナーは周辺に移動(チリ)しにくい状態となる。下段に示す従来例においては、中間転写ベルト501上のCトナー上にMトナー10Mを1次転写する。Mトナー付着部は、Cトナー、Mトナーの持つ電荷によってベルト表面電位が−120Vとなる。この際、画像背景部の電位は0Vであり、Mトナー10Mは、エッジ電界により周辺に移動(チリ)し易い状態となっている。
また、感光体ドラム1の帯電電位の変動等に起因した現像ポテンシャル|VB−VL|の変動による画像濃度の低下や画像濃度ムラを抑制することができる。
更に、感光体ドラム1の帯電電位の絶対値を400V以下とすることにより、感光体ドラム1上のトナー像を中間転写ベルト501に転写するときの転写電界を低減することができるので、感光体ドラム1から中間転写ベルト501にトナー像を重ね合わせて転写するときのトナーの散りや中抜け現象の発生を抑制して高品質の画像を得ることができる。
この図10の結果からわかるように、球形トナーの帯電量個数分布プロファイルは、従来の粉砕トナーよりもシャープになっている。球形トナーの帯電量個数分布プロファイルにおける半値幅は、1.7[fC/10μm]であった。
なお、図10のデータは、後述のE−SPART分析装置で測定したものである。また、各トナーにおいて電荷がトナー全体にわたって均一に存在するならば、トナー帯電量はトナー粒径の3乗に比例するが、実際にはトナー粒径そのものに比例している。このようにトナー帯電量とトナー粒径とが比例関係にあるため、図10では、トナーの帯電量qを粒径dで除した値、すなわちトナー粒径の影響をなくした(q/d)の値についてトナーの個数分布をプロットしている。
一方、従来の粉砕トナーを使用したときの初期とプリント枚数が150k枚の経時において、トナー帯電量の個数分布プロファイルの半値幅を求めたところそれぞれ2.7[fC/10μm]及び3[fC/10μm]であった。経時において、現像器内の現像剤が撹拌部材で撹拌されたり、感光体表面のクリーニング時にトナーがクリーニング部材であるブレードと感光体ドラム1との間に挟まれたりすると、トナーに加わる押圧力によりトナーが粉砕され易くなる。このため、平均粒径に対して小粒径のトナーの存在比が増加したり、さらに小粒径トナーが別のトナーに付着して2次粒子的になって大粒径トナーとして存在したりすることにより、トナー帯電量q/dの個数分布プロファイルがブロード化すると考えられる。
この図12から、上記半値幅が2.2[fC/10μm]を超えると、地汚れΔIDの限界値0.08を超えてしまうことが分かる。従って、上記球形トナーを用いた場合は、経時においても2.2[fC/10μm]よりも小さい1.9[fC/10μm]までしか上昇せず、十分な帯電量を維持することができるので、地汚れが発生しにくい。これに対し、従来の粉砕トナーを用いた場合は、経時で上記半値幅が3[fC/10μm]まで大きくなるため、地汚れランクが低下する。
以上のように、上記実施形態における現像剤のトナー10として、上記球形度が95%以上の球形トナーを用いることにより、トナー帯電量q/dの個数分布プロファイルの半値幅をシャープに保つことができ、地汚れ余裕度を高い状態で維持することができる。
現像剤の攪拌はトナーの均一な帯電に必要であるため、一般的に、現像器における駆動トルクの内、現像剤の攪拌に使用される割合は大きい。現像剤撹拌部材によるトナーの帯電状態を決める条件としては、現像剤量、攪拌に使用する部材の種類(例えば、スクリュウ形状の部材)、現像剤に当接する面積、接触頻度(回転数)、スリーブ421中の磁極の磁力、現像剤中のキャリアの飽和磁化の強さ、ドクタ423とスリーブ421との間隙等が挙げられる。これらの条件を組み合わせてトナーの効率的な帯電を促すことができるが、トナーの帯電を促進する条件は、現像剤が受ける機械的なハザードが寿命を短くする要因になる場合があるため、トナーの良好な帯電と現像剤の長寿命化との両立を図ることが重要である。
そこで、トナーへストレスを与える要因の一つである現像駆動トルクに着目し、この現像駆動トルクを低減する構成にすることによって、比較的低い帯電量でも十分な現像特性を得つつ、現像剤の寿命を延ばそうとしたものである。
特に、現像器40内に入力する現像駆動トルクを0.15N・m以下に設定することにより、200k枚以上の通紙まで寿命を延ばすことができる。
そこで、上記実施形態では、感光体ドラム1の初期帯電電位を400V以下に低くするとともに、露光量も同時に低減することが好ましい。この場合は、汎用光学部品を使用して高精細な潜像を形成するとともに、感光体ドラム1への静電ハザードを低減して長寿命化を図ることができる。
本実施形態の場合、ダイナミック抵抗DRが106Ω以下の低抵抗の磁性粒子11を用いているため、上記現像寄与トナー存在領域は、現像ローラ420上の磁気ブラシの磁性粒子11の先端と感光体ドラム1表面との間のトナー層(図14中のTL)に対応する。
例えば、比誘電率が2.7、厚さTPCが30μmの感光層1Pを有する感光体ドラム1を用いた場合、感光層1Pの単位面積あたりの静電容量は79.6[pF/cm2]となる。そして、現像領域A1において感光体ドラム表面に隣接するトナー層TLは比誘電率が3であり、層厚TTLが15μmになるように形成すると、トナー層TLの静電容量CTLは177[pF/cm2]となり、CPC<CTLの条件を満たしている。この条件下で、ベタ画像とライン画像について画像形成の実験を行った。
また、比較例として、感光層1Pの単位面積あたりの静電容量が119[pF/cm2](比誘電率:2.7、厚さTPC:20μm)であり、トナー層TLの静電容量CTLが106[pF/cm2](比誘電率:3、層厚TTL:25μm)であり、本実施例とは逆のCPC>CTLの条件下で同様な画像形成を行った。
また、ベタ画像における画像濃度の端部での濃度変化で比較すると、図17に示すように、比較例(■)ではエッジ効果が顕著であるが、本実施例(◆)ではエッジ効果の影響がほとんどなかった。この結果からも、本実施例では、ベタ画像とライン画像(ドット画像)との濃度の差を低減することができることがわかる。
図18は、現像ローラ420上にダイナミック抵抗が異なる現像剤層を形成したときの現像特性を示したものである。ダイナミック抵抗の測定方法としては、図6で示した前述の方法を用いた。この図18の結果から、ダイナミック抵抗が低いほど現像γの傾きが大きくなる。ダイナミック抵抗が107Ωの現像剤層を形成した場合は、トナー付着量が飽和する領域に達するまでに現像ポテンシャルが400Vを超えてしまう。これに対してダイナミック抵抗が105Ω、106Ωでは、現像能力が高く、現像ポテンシャルが400V以内で飽和付着量に達するので、より低い現像ポテンシャルで現像を行うことができる。
次に、本発明の第2の実施形態に係るカラー画像形成装置について説明する。
図19は、本実施形態のカラー画像形成装置に用いたリボルバ現像ユニットの各現像器の概略構成図である。カラー画像形成装置全体の構成及び動作並びに光書込みによる潜像形成方法については、上記第1の実施形態と同様であるので、説明を省略する。
本実施形態で用いた現像器は、一成分現像剤を使用し、トナー担持体としての現像ローラ402上にトナー層を形成し、現像ローラ402上のトナー層を感光体ドラム1と接触させるように搬送することにより、感光体ドラム1上の静電潜像を現像する接触一成分現像を行うものである。
また、上記ゴム材料としては、シリコン、ブタジエン、NBR、ヒドリン、EPDM等を挙げることができる。更に現像ローラ402の表面に、特に経時品質を安定化させるためにコート材料を被覆することが好ましい。材料はシリコン系及びテフロン(登録商標)系が特に良好であり、前者はトナー帯電性に優れ、後者は離型性に優れている。また導電性を得るために適宜カーボンブラック等の導電性材料を含有させる場合もある。コ−ト層の厚みは5〜50μmの範囲が良好で、それを超えると割れ易い等の不具合が発生しやすい。本実施形態では、現像ローラの硬度が低く、感光体の硬度が高いが、その逆でも成立する。
そこで、規制ブレード413を現像ローラ402に当接させることにより、現像ローラ402上に均一な層厚を有するトナー薄層を形成している。規制ブレード413は先端が現像ローラ402の回転方向に対して下流側を向き、規制ブレ−ド413の中央部が当接する、いわゆる腹当て当接である。もちろん逆方向でも設定可能であるし、エッジ当接を実現することも可能である。材料はSUS304等の金属で厚さは0.1〜0.15[mm]としているが、そのほか厚み1〜2[mm]のポリウレタンゴム等のゴム材料やシリコン樹脂等の比較的硬度の高い樹脂材料が使用可能である。金属以外でもカ−ボンンブラック等を混ぜ込む事により低抵抗化出来るので、バイアス電源を接続して現像ローラ402との間に電界を形成する事も可能である。
従って、現像ポテンシャルが何らかの原因で50V程度変化したとしても、画像濃度IDの変動が上記所定の範囲内に抑えられるため、画像濃度IDの低下や画像濃度ムラが視認されない。実際に画像濃度変動を評価したところ、画像濃度の変動ムラが少ない良好な結果が得られた。
従って、現像ポテンシャルが50V程度変化すると、画像濃度IDが大きく変動することにより、視認できる程度の画像濃度IDの低下や画像濃度ムラによる画質低下が発生してしまう。これらの比較例3,4についても本実施例2と同様に、実際に画像濃度変動を評価したところ、画像濃度の変動ムラが観察された。
更に、感光体ドラム1の帯電電位の絶対値を400V以下とすることにより、感光体ドラム1上のトナー像を中間転写ベルト501に転写するときの転写電界を低減することができるので、感光体ドラム1から中間転写ベルト501にトナー像を重ね合わせて転写するときのトナーの散りや中抜け現象の発生を抑制して高品質の画像を得ることができる。
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。
本実施形態に係るカラー画像形成装置全体の構成及び動作並びに光書込みによる潜像形成方法については、上記第1の実施形態と同様であるので、説明を省略する。
本実施形態のカラー画像形成装置は、現像ローラにトナーを供給するトナー供給部材として磁気ブラシローラを用いた一成分現像器を使用している点が、上記第1の実施形態に係るカラー画像形成装置と異なっている。
なお、本実施形態においても、カラー画像形成装置を構成する複数の装置の一部を、カラー画像形成装置本体に対して着脱可能に一体構造物(ユニット)として構成してもよい。例えば、感光体ドラム1と帯電チャージャ2とクリーニング装置6とを、カラー画像形成装置本体に対して着脱可能に一体構造物として構成し、プロセカートリッジとしてもよい。
[数8]
ρv=(V/I)・(L1×W)/L2
トナー10の体積平均粒径は3〜12μmの範囲が好適である。本実施形態で用いたトナー7の体積平均粒径は7μmであり、1200dpi以上の高解像度の画像にも十分対応することが可能である。
また、本実施形態では、帯電極性が負極性のトナー10を使用しているが、感光体ドラム1の帯電極性などに応じて帯電極性が正極性のトナーを使用してもよい。
また、本実施形態では規制ブレード406と磁気ブラシローラ403の間の最近接部における間隔が500μmに設定され、また規制ブレード406に対向した磁石部材407の磁極N1を、規制ブレード406との対向位置よりも磁気ブラシローラ403の回転方向上流側に数度傾斜して位置している。これにより、ケーシング401内における現像剤12の循環流を容易に形成することができる。
また、トナー供給領域A2における現像ローラ402と磁気ブラシローラ403のスリーブとのギャップは0.6mmに設定した。
一方、磁気ブラシローラ403上に担持された現像剤12は規制ブレード406によって規制され、現像剤12の一定量がトナー供給バイアスで形成された電界等により、現像ローラ402に転移し、残りはケーシング401内に戻される。
上記トナー供給領域A2では、磁気ブラシ中のトナーが分離されて現像ローラ402に転移し、薄層状のトナー10が担持される。そして、現像ローラ402上に担持された薄層状のトナー10は、該ローラ402の回転により現像領域A1に搬送される。そして、上記現像バイアスで形成された現像電界により、感光体ドラム1上の静電潜像に選択的に付着し、該静電潜像が現像される。
表6は、本実施形態の現像器40及び従来の一成分現像器で同じトナーを使用し、現像ローラに供給される直前の磁気ブラシローラ403又は従来のトナー供給ローラ上のトナーの帯電量と、現像ローラ402に薄層状に担持されたトナーの帯電量とを測定した実験結果を示している。地汚れのランクは、前述のΔIDの測定値に基づいて設定されたものである。例えば、ΔIDが0.08〜0.04の範囲内にあるときをランク「3」としている。
一方、本実施形態の現像器40では、現像時の現像ローラ402上のトナー帯電量は平均で−12[μC/g]と従来の一成分現像器と同じであるが、地汚れのランクは「5」であり、画像特性が優れていることが分かった。
図25の実験結果から、磁気ブラシローラ404から現像ローラ402にトナーが供給されるときにピークの帯電量が絶対値で高帯電側にシフトしている。このようにシフトすることにより、磁気ブラシローラ404を用いない従来の現像器の場合と比較して地汚れに対する余裕度低減が少なく、地汚れに対する余裕度が維持できていることが分かる。
図26は、本実施形態の現像器(◇)と磁気ブラシローラを用いない従来の現像器の場合(□)で経時における地汚れの比較を行った実験結果を示している。この結果からわかるように、従来の現像器では50k枚で地汚れランクが著しく低下したのに対し、本実施形態の現像器では200k枚を超えても問題の無い地汚れのレベルで維持している。
また、本実施形態で用いるトナーについても、球形度が95%以上の球形トナーが好ましい。この球形トナーを用いた場合は、前述のようにトナーの帯電量個数分布プロファイルがさらにシャープになるので、図28に示すように従来の粉砕トナーを用いた場合に比して、現像ポテンシャルがより低い条件下で飽和現像が可能となる。
更に、感光体ドラム1の帯電電位の絶対値を400V以下とすることにより、感光体ドラム1上のトナー像を中間転写ベルト501に転写するときの転写電界を低減することができるので、感光体ドラム1から中間転写ベルト501にトナー像を重ね合わせて転写するときのトナーの散りや中抜け現象の発生を抑制して高品質の画像を得ることができる。
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。本実施形態では、前述のように現像γを大きくし、小さな現像ポテンシャルで飽和濃度を得るようにした場合に、感光体ドラム上でのトナーの過剰付着を抑制することにより、地汚れ、転写時の散り、細線画像のつぶれ等の著しい画像品質の劣化を防止している。
添加剤の添加量が、0.5質量部未満であると、トナーの流動性が低下するため、十分な帯電性が得られず、また、転写性や耐熱保存性も不十分となり、また、地汚れやトナー飛散の原因にもなりやすい。
また、1.8質量部より多いと、流動性は向上するものの、ビビリ、ブレードめくれ等の感光体クリーニング不良や、トナーから遊離した添加剤による感光体等へのフィルミングが生じやすくなり、クリーニングブレードや感光体等の耐久性が低下し、定着性も悪化する。さらに、細線部におけるトナーのチリが発生しやすくなり、特に、フルカラー画像における細線の出力の場合には、少なくとも2色以上のトナーを重ねる必要があり、付着量が増えるため、特にその傾向が顕著である。
さらに、カラートナーとして用いる場合には、添加剤が多く含有されていると、透明シートに形成されたトナー画像をオーバーヘッドプロジェクターで投影した場合に投影像にかげりが生じ、鮮明な投影像が得られにくくなる。
現像スリーブ421上の現像剤12のうちトナー10は感光体ドラム1上に形成された潜像に対して、現像スリーブ421に印加された現像バイアスにより現像され、感光体ドラム1上で顕像化される。なお、本実施形態では感光体ドラム1の線速を200mm/s、現像スリーブ421の線速を240mm/sに設定している。感光体ドラム1の直径をφ50mm、現像スリーブ421の直径をφ18mmとして、現像工程を行なっている。現像スリーブ421上のトナー帯電量は−5〜−30[μC/g]の範囲である。感光体ドラム1と現像スリーブ421の間隙である現像ギャップGPは従来の0.8mmから0.2mmの範囲で設定でき、値を小さくすることで現像効率の向上を図ることが可能である。
図30は、横軸に│VD−VL│を取り、縦軸に│VL−VB│を取ったグラフである。│VD−VL│<300Vの領域は、感光体ドラム表面の露光部分とそうで無い部分との間の放電を避けるためにパッシェンの放電則より設定したものである。前述の図8に示すように電位差が400V以下では剥離放電が発生しにくいことが実験的に検証されている。また、理論上でも電位差が315V以下では放電しないことが証明されており、本実施形態において│VD−VL│<300Vの領域では放電はほとんど発生しないものである。
[数9]
X=0.6×トナー粒径×トナーの真比重/転写率 …(8)
これらのグラフによると、感光体ドラム1上のトナー付着量を上記Xの1.5倍以下に設定することでトナー層厚が5層以下になっていることがわかる。トナー層厚が5層になるとトナーの静電的な付着力が1層と比較して約1/25となり、何とか保持できる状態であるが、トナー層厚が5層を超えると例えば6層では1/36となりトナーの静電的な付着力が低減して、特に転写時に散りの原因となる。また、トナーの最大付着量を0.6mg/cm2とすることで図32に示すように最大付着量を0.6mg/cm2のときの層厚を示したもので、これも5層以下になっているので、転写時に散りを発生させない。
感光体ドラム1上に必要なトナー付着量を0.7mg/cm2とするとトナー粒径を6.8μm、キャリア径を50μm、トナー濃度を5質量%で現像スリーブ421の感光体ドラム1に対する線速比を2とする。そして、現像剤12の汲み上げ量は、上記使用比率が70%では10mg/cm2となり、60%では11.6mg/cm2となり、80%では8.75mg/cm2となる。
図33は、磁気ブラシ中のトナーの使用比率をパラメータとして横軸の現像ポテンシャルと縦軸の感光体ドラム1上のトナー付着量との関係を示すグラフである。現像ポテンシャルが何らかの理由で大きくなった場合に実施例の70%、80%ではトナー付着量が約0.8mg/cm2で問題無いのに対して、比較例の60%ではトナー付着量が約0.92mg/cm2となり、過剰付着により転写時の散りが発生した。
次に、本発明の第5の実施形態について説明する。本実施形態では、▲1▼現像ポテンシャルVPや▲2▼現像剤の穂の高さを制限することにより、トナー供給能力を低減し、余分なトナー供給能力を持たせないようにしている。
基本的な構成及び動作は、上記第4の実施形態と同様であるので、説明を省略する。
図34には、ドクタギャップGDが550μmで汲み上げ量が60mg/cm2である実施例と、ドクタギャップGDが700μmで汲み上げ量が80mg/cm2である比較例について、穂の高さを示している。この両者の場合の現像γ特性を、図35に示した。実施例ではトナー付着量が約0.81mg/cm2でトナーの過剰付着の問題がなかったが、これに対し、比較例ではトナー付着量が約0.93mg/cm2となり、トナーの過剰付着により転写時の散りが発生した。
次に、本発明の第6の実施形態について説明する。本実施形態では、磁性粒子(キャリア)に対するトナーの被覆率を50%以下に規定することにより、トナー供給能力を低減し、余分なトナー供給能力を持たせないようにしている。
基本的な構成及び動作は、上記第4の実施形態と同様であるので、説明を省略する。
次に、本発明の第7の実施形態について説明する。本実施形態では、感光体ドラムに対する現像スリーブの回転線速比、現像スリーブへの現像剤の汲み上げ量、現像スリーブ上の現像剤に作用する磁気力を規定することにより、トナー供給能力を低減し、余分なトナー供給能力を持たせないようにしている。
基本的な構成及び動作は、上記第4の実施形態と同様であるので、説明を省略する。
現像スリーブ421の感光体ドラム1に対する回転線速比については3以下が好ましい。このように回転線速比を低減することでトナー供給能力を抑制し、トナーの過剰付着を防止することができる。ここで、より具体的な実施例として上記回転線速比が2.8の場合と、比較例としての上記回転線速比が3.2の場合におけるトナー付着量を比較してみた。
図37は、現像スリーブ421の感光体ドラム1に対する回転線連比VD/VPが異なるときのトナーの過剰付着による転写時の散りのランクを示したものである。図37の縦軸は感光体ドラム1上のトナー付着量であり、横軸は現像ポテンシャルである。このときの基本条件は、トナー径が6.8μm、磁性粒子(キャリア)の径が50μm、トナー濃度TCが5質量%である。画像の比較を行ったところ、回転線連比2.8ではトナー供給能力が抑制されていることから、トナーの過剰付着は現像ポテンシャルVP=250Vで0.73mg/cm2と問題ないレベルであった。これに対し、比較例の回転線速比3.2の場合ではトナーの過剰付着が0.96mg/cm2で、転写時に散りが問題になるレベルであった。
現像スリーブ421上に汲み上げられて担持される現像剤量については、60mg/cm2以下が好ましい。このように現像スリーブ421上に担持された現像剤量を低減することでトナー供給能力を抑制し、トナーの過剰付着を防止することができる。ここで、より具体的な実施例として現像剤の汲み上げ量が58mg/cm2の場合と、比較例としての64mg/cm2の場合におけるトナー付着量を比較してみた。
図38は、現像剤の汲み上げ量が異なるときのトナーの過剰付着による転写時の散りのランクを示したものである。図38の縦軸は感光体ドラム1上のトナー付着量であり、横軸は現像ポテンシャルである。このときの基本条件はトナー径が6.8μm、磁性粒子(キャリア)の径が50μm、トナー濃度TCが5質量%である。画像の比較を行ったところ現像剤の汲み上げ量が58mg/cm2の場合ではトナーの過剰付着は0.73mg/cm2と問題ないレベルであった。これに対し、現像剤の汲み上げ量が64mg/cm2の場合は、トナーの過剰付着が0.94mg/cm2で転写時に散りが問題になるレベルであった。
現像スリーブ421上に形成される磁気ブラシの穂は柔らかく形成し、感光体ドラム1に対する当接圧を低減するのが好ましい。これによ、りトナー供給能力を低減させて、余分な供給能力を持たせないようにし、トナーの過剰付着を防止することができる。ここで、前述の表3に示したように、本実施形態の現像器における幾つかのパラメータを変更したときの現像トルクとトナー帯電量の値が分かっている。これらのパラメータを、本実施形態の具体例である実施例A〜Dの範囲で選択することにより、現像能力が抑制されてトナーの過剰付着を防止することができる。
図40は、中間転写ベルト501を用いたタンデム型のカラー画像形成装置の一構成例を示す概略構成図である。なお、上記図2のカラー画像形成装置と同様な部分については、同じ符号を付している。このカラー画像形成装置では、各画像形成ユニット10Bk、10Y、10M、10Cの感光体ドラム1Bk、1Y、1M、1C上に互いに異なる色のトナー像を形成し、各感光体ドラム上のトナー像を一次転写ローラ560Bk、560Y、560M、560Cで中間転写ベルト501上に重ね合わせて転写し、中間転写ベルト501上の重ねトナー像を2次転写ベルト551で搬送されている転写紙Pに一括転写する。転写紙P上のカラー画像は定着ユニット8で定着される。
図41は、中間転写ベルト501を用いずに、各感光体ドラム1上のトナー像を紙搬送ベルト570で搬送されている転写紙P上に直接転写するタンデム型のカラー画像形成装置の一構成例を示す概略構成図である。なお、上記図2のカラー画像形成装置と同様な部分については、同じ符号を付している。このカラー画像形成装置では、各画像形成ユニット10Bk、10Y、10M、10Cの感光体ドラム1Bk、1Y、1M、1C上に互いに異なる色のトナー像を形成し、各感光体ドラム上のトナー像を転写ローラ571Bk、571Y、571M、571Cにより、紙搬送ベルト570で搬送されてしいる転写紙Pに一括転写する。転写紙P上のカラー画像は定着ユニット8で定着される。
請求項1乃至13の発明によれば、潜像担持体における通電電荷量が少なくなり、潜像担持体に対する帯電・露光の繰り返しによる潜像担持体の疲労を低減することができるので、潜像担持体の長寿命化を図ることができる。しかも、上記特定の現像ポテンシャルの変動範囲における画像濃度の変動幅を所定範囲内に抑えるので、潜像担持体の帯電電位の変動等に起因した現像ポテンシャルの変動による画像濃度の低下や画像濃度ムラを抑制することができる。更に、潜像担持体から中間転写体又は転写材にトナー像を重ね合わせて転写するときのトナーの散りや中抜け現象の発生を抑制して高品質の画像を得ることができる。また、所定強度の現像電界を形成するための現像ポテンシャルの大きさを低減することができるので、上記現像ポテンシャル|VB−VL|の画像形成時における最大画像濃度に対応するように設定された最大設定値|VB−VL|maxが300V以下であっても、その近傍における現像ポテンシャルの変動範囲における画像濃度の変動幅をより確実に所定範囲内に抑えることができるという優れた効果がある。
1B 感光体ドラムの導電性基体
1P 感光体ドラムの感光層
2 帯電チャージャ
3 露光装置
4 リボルバ現像ユニット
5 転写装置
6 クリーニング装置
10 トナー
11 磁性粒子
12 二成分現像剤
20 転写紙
40() 現像器
50 画像形成プロセスユニット
401 ケーシング
402、420 現像ローラ
402a 現像ローラの芯金(導電性基体)
402b 現像ローラの弾性層
403 磁気ブラシローラ
404、405 攪拌・搬送部材
406 規制ブレード
407 磁石部材
408 スリーブ
409 電源(現像バイアス用)
410 電源(トナー供給バイアス用)
411 アジテータ
412 供給ローラ
413 規制ブレード
414 規制ブレード
500 中間転写ユニット
501 中間転写ベルト
550 2次転写ユニット
551 2次転写ベルト
A1 現像領域
A2 トナー供給領域
B1 1次転写部
B2 2次転写部
Claims (13)
- 潜像担持体と、該潜像担持体の表面を一様に帯電し画像情報に基づいて露光することにより該潜像担持体上に潜像を形成する潜像形成手段と、トナーを含む現像剤を現像剤担持体に担持し該潜像担持体に対向する現像領域に搬送することにより該潜像担持体上の潜像を現像してトナー像とする現像装置と、該現像剤担持体に現像バイアスVBを印加する現像バイアス印加手段と、該潜像担持体に形成されたトナー像を、中間転写体を介して転写材に転写しあるいは中間転写体を介さずに所定方向に搬送されている転写材に直接転写する転写手段とを備え、該転写材上に複数のトナー像を重ね合わせた画像を形成する画像形成装置において、
該潜像担持体の露光前の帯電電位の絶対値が400V以下であり、
該現像に用いる現像剤が、磁性粒子と球形度が95%以上の球形トナーとを含む二成分現像剤であり、
該現像剤担持体上に担持される二成分現像剤に含まれる磁性粒子のダイナミック抵抗が106Ω以下であり、
該現像剤担持体上のトナーの平均帯電量の絶対値が10μC/g以上21μC/g未満であり、該トナーの体積平均粒径が3μm以上12μm以下であり、
該潜像担持体と該現像剤担持体との間隙である現像ギャップが0.2mm以上0.8mm以下であり、
該潜像担持体上の露光によって電位が低下した露光部電位VLと該現像バイアスVBとの電位差の絶対値である現像ポテンシャル|VB−VL|の画像形成時における最大画像濃度に対応するように設定された最大設定値|VB−VL|maxが、300V以下であり、
該潜像担持体が、導電性基体上に感光層を有するものであり、
該現像領域における該潜像担持体表面に隣接し該二成分現像剤の磁性粒子からなる磁気ブラシの潜像担持体側の先端と該潜像担持体表面との間のトナー層が形成された領域であって該潜像担持体表面に接触して現像に寄与するトナーが存在している現像寄与トナー存在領域の単位面積あたりの静電容量CTLが、該潜像担持体の感光層の単位面積あたりの静電容量CPCよりも大きいことを特徴とする画像形成装置。
- 請求項1の画像形成装置において、
上記潜像担持体上の最大付着量が、0.6mg/cm2以下であることを特徴とする画像形成装置。
- 請求項2の画像形成装置において、
上記潜像担持体上のトナーの最大付着層厚が3層以下であることを特徴とする画像形成装置。
- 請求項1の画像形成装置において、
上記現像剤担持体上に形成される磁気ブラシにおけるトナー供給量に対する上記現像に使用されるトナー使用量の比率が70%以上であることを特徴とする画像形成装置。
- 請求項4の画像形成装置において、
上記現像領域において上記現像剤担持体の表面及び上記潜像担持体の表面が同方向に移動し、
該潜像担持体の表面の線速に対する該現像担持体の表面の線速の比率が3以下であることを特徴とする画像形成装置。
- 請求項1、2、3、4又は5の画像形成装置において、
現像ポテンシャル|VB−VL|を一定値に制御する制御手段を設けたことを特徴とする画像形成装置。
- 請求項1の画像形成装置において、
上記現像剤担持体に対する現像剤の汲み上げ量が60mg/cm2以下であることを特徴とする画像形成装置。
- 請求項1の画像形成装置において、
上記現像剤担持体上に形成される磁気ブラシの高さが、上記潜像担持体と該現像剤担持体との間の現像ギャップの2倍以下であることを特徴とする画像形成装置。
- 請求項8の画像形成装置において、
上記現像剤担持体に設けた現像極による該現像剤担持体表面における磁束密度Tが60≦T≦80[mT]の範囲内にあり、
上記磁性粒子の飽和磁化の強さMCが30×4π×10−7≦M C ≦140×4π×10−7[Wb・m/kg])の範囲内にあることを特徴とする画像形成装置。
- 請求項1の画像形成装置において、
上記磁性粒子に対する上記トナーの被覆率が、50%以下であることを特徴とする画像形成装置。
- 請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10の画像形成装置において、
上記現像剤のトナーに対する添加剤の添加量が、0.5質量部以上且つ1.8質量部以下であることを特徴とする画像形成装置。
- 請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又は11の画像形成装置において、
上記現像装置に入力する現像駆動トルクが、0.15N・m以下であることを特徴とする画像形成装置。
- 請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11又は12の画像形成装置における上記潜像担持体と、上記潜像形成手段を構成する帯電装置、該潜像担持体の表面をクリーニングするクリーニング装置及び上記現像装置の少なくとも一つとを、画像形成装置本体に対して着脱可能に一体構造物として構成したことを特徴とする画像形成プロセスユニット。
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