JP2005219369A - 空隙型インクジェット記録用紙及びその製造方法とインクジェット記録方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明の目的は、インク液滴に対するドット拡大率を高める特徴を有し、高速塗布した場合でも、高光沢で高品位な画像が得られる空隙型インクジェット記録用紙とその製造方法及びンクジェット記録方法を提供する。
【解決手段】 支持体上に、少なくとも無機微粒子と親水性バインダーを含有するインク吸収層を有する空隙型インクジェット記録用紙において、該インク吸収層が、最大泡圧法により測定される0.3%水溶液の動的表面張力が、20m秒で60mN/m以下である界面活性剤を0.15〜2.5g/m2含有することを特徴とする空隙型インクジェット記録用紙。
【選択図】 なし

Description

本発明は、新規の空隙型インクジェット記録用紙及びその製造方法とインクジェット記録方法に関するものである。
近年、インクジェット記録は急速に画質が向上し、写真画質に迫りつつあるが、更に、最終的なプリント品質と形成された画像の保存性については、インクジェット記録用紙に対する技術改良が望まれている。
このような高画質を達成するインクジェット記録用紙の例の1つとして、支持体上に親水性バインダーを主として構成される膨潤型インク吸収層を有するインクジェット記録用紙があり、このようなインクジェット記録用紙は記録後に写真に近い風合いを与える。しかしながら、一方でインクジェット記録方法の高速化が進み、インクジェット記録用紙には高インク吸収性や速乾燥性も求められているが、上述の膨潤型インク吸収層を有するインクジェット記録用紙は、インク吸収速度が遅く、高速記録した場合にインク液滴同士の合一等により画像がマダラ状になる画像欠陥が起こりやすい。更に、プリント後、特に高湿下の保存した際には、形成した画像においてインクが滲みやすい欠点も有している。
上記のような問題点を克服するため、主に、少量の親水性バインダー、多量の無機微粒子、架橋剤及びカチオン性染料定着剤で構成される多孔質な空隙層からなるインク吸収層を設けることにより、インク吸収速度と滲み耐性を向上させたインクジェット記録用紙が知られている。この空隙型のインクジェット記録用紙で用いられる無機微粒子としては、平均粒径が1μm程度の粒子を使用するものと、平均粒径が100nm以下の無機微粒子を使用したものがある。
無機微粒子として1μm程度の粒子を使用したものは、インクの吸収性が非常に良いものの、インク吸収層の表面の平滑性が悪く、低光沢である。一方、平均粒径が100nm以下の無機微粒子を使用した場合、インクの吸収性が良いことに加え、インク吸収層表面の平滑性が高く、高光沢で写真に近い風合いを与えるインクジェット記録用紙を得ることができる。
このような空隙型のインクジェット記録用紙の一例として、無機微粒子としてシリカを用い、親水性バインダーとしてポリビニルアルコールと、架橋剤として硼酸又はその塩からなる塗布液において、低温下における増粘効果を付与した塗布液の例が示されている(例えば、特許文献1及び2参照。)。この塗布液の特性を利用して、塗布液を支持体上に塗布し冷却増粘させた後、比較的高温(約20〜60℃)の強い風を吹き付けて乾燥することができ、高い空隙量を有するインク吸収層により良好なプリント濃度を得ることができる。
しかしながら一方で、上述の構成を有する空隙型のインクジェット記録用紙においては、ある程度光沢感のあるプリント画像が得られるが、銀塩写真に比較すると未だ光沢としては不十分であり、またブロンジングの発生を引き起こすという課題を抱えていた。より高い光沢を得る為に、カレンダー処理等により平滑性を高める手段も知られているが、十分な光沢性が得られる程度にカレンダー処理等を施すと形成された空隙構造が潰れ、インク吸収性の低下を招く結果となり、早急な改良手段の開発が望まれている。
更に、インクジェット記録で得られる画質を写真に近づけようとする試みが近年数多くなされている。この中でも、印字したドットに関する画質向上の最大のポイントは、ドットの一つ一つが肉眼で識別できないようにすることであり、そのためには出射するインク液滴を小液滴化すること、あるいは特にハイライト部でドットの反射濃度を低くしドットの識別を困難にするため、低濃度の染料インクを併用すること等がポイントとなる。
このために、出射、印字されるインク量は相対的に増加傾向にあり、インクジェット記録用紙のインク吸収容量が不足し、その結果、インク溢れによる画質低下や乾燥性低下という問題が顕在化してきた。しかしながら、上記課題の対応として、空隙型のインク吸収性層を厚くしてインク保持能を高めると、厚膜化による塗膜の脆性耐性が劣化し、クラック等が発生しやすくなったり、あるいは、一定の乾燥能力で乾燥する際には、必然的に塗布速度に制約を受けることとなり、生産性の低下を招く結果となる。
この課題を解決する他の手段として、インクジェット記録用紙上に印字されるインク液滴あたりのドット径を拡大することにより、必要なドットサイズに要求されるインク量を低減できる。例えば、インクジェット記録用紙上のドット拡大率が1割増加すると、画像形成に必要なインク量を25%軽減でき、同時にインクジェット記録用紙のインク吸収容量を低減できることから、プリントコストに対しては有利である。更に、インクジェット記録用紙の空隙型インク吸収層の膜厚を低減できることから、空隙型インクジェット記録用紙の課題であるひび割れの抑制や乾燥負荷軽減等、製造上のメリットもある。しかしながら、高いインク吸収性を維持したまま、ドット拡大率を上げる方法に関しては、現在まで有効な手段が見出されていないのが現状である。
特開平10−119423号公報 特開2000−218927号公報
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、第1の目的は、インク液滴に対するドット拡大率を高める特徴を有する空隙型インクジェット記録用紙とそれを用いたインクジェット記録方法を提供するものである。第2の目的は、高速塗布した場合でも、高光沢で高品位な画像が得られる空隙型インクジェット記録用紙の製造方法を提供する。
本発明の上記目的は、以下の構成により達成される。
(請求項1)
支持体上に、少なくとも無機微粒子と親水性バインダーを含有するインク吸収層を有する空隙型インクジェット記録用紙において、該インク吸収層が、最大泡圧法により測定される0.3%水溶液の動的表面張力が、20m秒で60mN/m以下である界面活性剤を0.15〜2.5g/m2含有することを特徴とする空隙型インクジェット記録用紙。
(請求項2)
前記無機微粒子が、平均粒径が100nm以下の気相法シリカであることを特徴とする請求項1に記載の空隙型インクジェット記録用紙。
(請求項3)
支持体上に、少なくとも無機微粒子と親水性バインダーを含有するインク吸収層塗布液を、塗布、乾燥して製造する空隙型インクジェット記録用紙の製造方法において、該インク吸収層塗布液が、最大泡圧法により測定される0.3%水溶液の動的表面張力が、20m秒で60mN/m以下である界面活性剤を0.15〜1.5質量%含有することを特徴とする空隙型インクジェット記録用紙の製造方法。
(請求項4)
前記無機微粒子が、平均粒径が100nm以下の気相法シリカであることを特徴とする請求項3に記載の空隙型インクジェット記録用紙の製造方法。
(請求項5)
前記インク吸収層を形成するインク吸収層塗布液の40℃における粘度Aが10〜300mPa・sであり、かつ15℃における粘度Bが該粘度Aの40倍以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の空隙型インクジェット記録用紙。
(請求項6)
前記インク吸収層を形成するインク吸収層塗布液の剛体振り子により測定される弾性率が、電離放射線照射により1.5倍以上になることを特徴とする請求項1または2に記載の空隙型インクジェット記録用紙。
(請求項7)
前記インク吸収層塗布液の40℃における粘度Aが10〜300mPa・sであり、かつ15℃における粘度Bが該粘度Aの40倍以上であることを特徴とする請求項3または4に記載の空隙型インクジェット記録用紙の製造方法。
(請求項8)
前記インク吸収層塗布液の剛体振り子により測定される弾性率が、電離放射線照射により1.5倍以上になることを特徴とする請求項3または4に記載の空隙型インクジェット記録用紙の製造方法。
(請求項9)
最大泡圧法で測定される0.3%水溶液の動的表面張力が、20m秒でTp(mN/m)である界面活性剤を含有する空隙型インクジェット記録用紙と、最大泡圧法で測定される0.3%水溶液の動的表面張力が、20m秒でTi(mN/m)である界面活性剤を含有するインクジェットインクとを用いたインクジェット記録方法であって、Ti/Tp>0.8で、かつ該空隙型インクジェット記録用紙に用いる該界面活性剤のTpが、60mN/m以下であることを特徴とするインクジェット記録方法。
(請求項10)
前記空隙型インクジェット記録用紙が、請求項1、2、5または6に記載の空隙型インクジェット記録用紙であることを特徴とする請求項9に記載のインクジェット記録方法。
(請求項11)
前記空隙型インクジェット記録用紙が、請求項3、4、7または8に記載の空隙型インクジェット記録用紙の製造方法で製造された空隙型インクジェット記録用紙であることを特徴とする請求項9に記載のインクジェット記録方法。
本発明によれば、インク液滴に対するドット拡大率を高める特徴を有し、高速塗布した場合でも、高光沢で高品位な画像が得られる空隙型インクジェット記録用紙とその製造方法及びンクジェット記録方法を提供することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
本発明者は、上記課題に鑑み鋭意検討を行った結果、空隙型インクジェット記録用紙の作製に用いる無機微粒子と親水性バインダーを含有するインク吸収層に、最大泡圧法により測定される0.3%水溶液の動的表面張力が、20m秒で60mN/m以下である界面活性剤を0.15〜2.5g/m2含有せしめることにより、着弾したインク液滴のドット拡大率を高め、また、製造時に100m/分以上の高速で塗布、乾燥した場合でも、高光沢でひび割れ故障等の発生が低減された高品位な画像が得られる空隙型インクジェット記録用紙を実現できることを見出し、本発明に至った次第である。
更に、インクジェット画像を形成する際に、最大泡圧法で測定される0.3%水溶液の動的表面張力が、20m秒でTp(mN/m)である界面活性剤を含有する空隙型インクジェット記録用紙と、最大泡圧法で測定される0.3%水溶液の動的表面張力が、20m秒でTi(mN/m)である界面活性剤を含有するインクジェットインクとを用い、Ti/Tp>0.8で、かつ該空隙型インクジェット記録用紙に用いる該界面活性剤のTpが、60mN/m以下とするインクジェット記録方法により、着弾したインク液滴のドット拡大率を高め、また、製造時に高速塗布した場合でも、高光沢でひび割れ故障等の発生が低減された高品位な画像が得られる空隙型インクジェット記録用紙を実現できることを見出したものである。
本発明で規定する特性を有する界面活性剤により、光沢度が向上することとドット拡大率の向上に関し、明確な解釈には至っていないが、以下の様に推察している。
空隙型インクジェット記録用紙(以下、単に記録用紙ともいう)の膜面平滑性に影響する因子の1つとして、塗布直後の湿潤状態で膜面がレベリングし、平滑化した状態で乾燥させることが好ましいと考えられる。本発明に係る界面活性剤を適切な量以上添加することにより、インク吸収層塗布液の動的な表面張力が低下する結果、レベリング速度が速まり光沢性が向上するものと考えている。また、インク吸収層塗布液を支持体上に塗布し、特定条件以上に増粘させた後、強い乾燥風を吹き付けて乾燥することにより、乾燥風による吹かれムラや液寄りを防止でき、その結果、乾燥速度を速められるため高い生産効率が得られる。しかしながら、塗布時のインク吸収層塗布液を300mPa・s以上に増粘させる手段を用い、高速で塗布乾燥すると、所望の光沢性が得られにくいことが本発明者の検討により判明した。この現象については、インク吸収層塗布液を増粘させた場合、レベリングが不十分な状態で乾燥することによるものと考えている。本発明で規定する構成とすることにより、塗布後に増粘させた場合でも高い光沢性が得られることが分かった。
更に、記録用紙上に着弾したインク液滴のドット径拡大に関しては、次のように考えている。すなわち、本発明で規定する動的表面張力を有する界面活性剤は、一般的な活性剤の中で、特に動的表面張力の低下能力が高いものである。その結果、界面活性剤の拡散速度や表面配向性が速く、新たに生じる気液界面の表面張力を効果的に低下させる特徴を有している。従って、インク着弾時にインク中への界面活性剤の拡散速度が速いため、記録用紙表面での濡れ広がり速度は速くなり、ドット径が拡大するものと考えている。
また、特に、本発明の記録用紙に用いる界面活性剤の動的表面張力が、インク中に含有する界面活性剤の動的表面張力に近いか、好ましくはより低い場合に、よりドット拡大率が向上することも判明した。
以下、本発明の詳細について説明する。
はじめに、本発明に係る界面活性剤について説明する。
本発明の記録用紙においては、最大泡圧法により測定される0.3%水溶液の動的表面張力が、20m秒で60mN/m以下である界面活性剤を0.15〜2.5g/m2含有することを特徴とし、20m秒における動的表面張力としては、55mN/m以下であれば、より好ましく本発明の効果が得られ好ましい。
本発明で規定する特性を有する界面活性剤は、一般的に知られている界面活性剤の中でも、特に動的表面張力の低下能が高いものである。
本発明に係る動的表面張力の低下能が高い界面活性剤の例としては、例えば、炭素鎖が12以下のアルキル基を有するポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、アルキルトリメチルアンモニウムクロライド等が挙げられ、好ましくは炭素鎖数が7〜9のアルキル基、更に好ましくはアルキル差が分岐構造をとる場合、動的表面張力の低下能がより高くなり好ましい。また、アセチレングリコール類、プルロニック型界面活性剤、ソルビタン誘導体などの中にも動的表面張力の低下能が高いものがある。
本発明において、界面活性剤のイオン性はカチオンまたはノニオンが好ましく、特にノニオン性の界面活性剤においては多くの場合エチレンオキサイド鎖を含有するが、1分子あたりのエチレンオキサイドの個数が10以下、好ましくは8以下、更に好ましくはエチレンオキサイド鎖を有さない界面活性剤がひび割れの起きにくい良好な空隙層を得る観点で好ましい。
なお、本発明に係る界面活性剤としては、0.3%水溶液の最大泡圧法により測定される動的表面張力が20m秒において60mN/m以下である特性を有するものであれば上記界面活性剤に限定されるものではない。
本発明に用いる界面活性剤の使用量は、インク吸収層中に0.15〜2.5g/m2の範囲である必要があり、この範囲であれば高いドット拡大率と良好なインク吸収性の両立が可能である。添加方法については、インク吸収層塗布液に予め添加しても、塗布乾燥した後に界面活性剤水溶液をオーバーコートすることによっても同様にドット拡大効果が得られるが、インク吸収層塗布液中に予め添加し、かつインク吸収層塗布液の0.15〜1.5質量%の添加量範囲にすることにより、塗布速度80m以上の高速塗布と高い光沢性の両立が可能である。
本発明に係る界面活性剤は、最大泡圧法により測定される0.3%水溶液の動的表面張力が、20m秒で60mN/m以下であるが、本発明でいう最大泡圧法(Maximum Bubble Pressure Method)とは、液中に気泡を発生させ、その気泡にかかる圧力から表面張力を測定する手段であり、気泡周波数を変化させることで液体の動的表面張力の測定が可能である。別名バブルプレッシャー法とも呼ばれる。
具体的には、液の中に差し込んだ細管から窒素ガスを吹き出して泡を膨らますことにより、液体と気体の界面を広げ、その際の最大圧力から表面張力を求めるというものである。
球状の泡の半径をRからR+dRに増やすとき、泡の表面積の増加分ΔAは、
ΔA=4π(R+dR)2−4πR2=8πR・dR
で表される。
一方、この時、圧力によって行われた仕事は、面積が4πR2の球面をdRだけ押し動かしたのだから、
W=△P・4πR2dRW=ΔP・4πR2dR
で表される。
従って、表面張力γは、
γ=W/ΔA(表面張力の定義)
=ΔP・R/2
としても求める方法である。
具体的な最大泡圧法による界面張力測定装置としては、例えば、協和界面科学社製のDynamic Surface Tension Meter BP−D4タイプ等を挙げることができる。
また、本発明の記録用紙においては、インク吸収層を形成するインク吸収層塗布液の40℃における粘度Aが10〜300mPa・sであって、かつ15℃における粘度Bが粘度Aの40倍以上であることが好ましく、より好ましくは40〜500倍であり、更に好ましくは、100〜500倍である。
インク吸収層塗布液の粘度特性として、温度に対する粘度変化率を上記で規定する条件とすることにより、特に製造時に100m/分以上の高速で塗布、乾燥した場合でも、速やかな粘度低下に伴う膜面の均質性及び乾燥風による吹かれムラや液寄りを効果的に防止でき、より一層、高光沢でひび割れ故障等の発生が低減された高品位な画像が得られる空隙型インクジェット記録用紙を得ることができる。
更に、塗布後の塗膜粘度を制御する他の方法として、インク吸収層を形成するインク吸収層塗布液の弾性率特性として、剛体振り子により測定される弾性率が、電離放射線照射により、電離放射線照射前の弾性率の1.5倍以上とすることが好ましい。
本発明でいう剛体振り子とは、ナイフエッジを支点とし、試料と接触を保って振動する振り子の減衰振動を観測して、試料の粘弾性を測定する方法をいう。振り子の振動周期と振幅減衰率から弾性率の相対変化を算出することができ、例えば、株式会社エー・アンド・デイ社製の剛体振り子(RPT−3000W)、オリエンチック社製のDDP−OPA等の測定装置が市販されている。
本発明に係る剛体振り子により測定される弾性率とは、インク吸収層を形成する塗布液を、後述の実施例に記載の支持体上に湿潤膜厚150μmで塗布した試料について、電離放射線照射前後の弾性率を、前記剛体振り子により測定した。この時、照射する電離放射線としては、365nmに主波長を持つメタルハライドランプを用い、20mJ/cm2のエネルギー条件で照射した。本発明において、電離放射線照射による弾性率の増加が1.5倍以上であれば、塗布速度100m/分以上の塗布乾燥条件においてもひび割れ故障が起きにくく、高い光沢性が得られ、1.5〜10倍であることがより好ましく、更に好ましくは3.0〜10倍である。
本発明の記録用紙において、本発明で規定するインク吸収層塗布液の温度に対する粘度変化率を実現する方法として、特に制限はないが、本発明に係る界面活性剤の所定量の添加に加えて、例えば、特開平10−119423、特開2000−218927に記載の無機微粒子にシリカを用い、親水性バインダーとしてポリビニルアルコールと、架橋剤として硼酸又はその塩からなる塗布液の低温における大幅な増粘効果を利用した方法や、特開平7−331224号に記載の(メタ)アクリル系モノマーを含む共重合体よりなる芯部とN−イソプロピルアクリルアミド重合体の外殻部からなる低温増粘微粒子を利用して、低温増粘特性を有する塗布液を用いる方法や、親水性バインダーの種類とその添加量、光重合開始剤の種類とその添加量、無機微粒子の種類とその添加量等を適宜調整することにより、所望の条件に設定することができる。
また、本発明で規定するインク吸収層塗布液の電離放射線照射前後での弾性率を達成する手段としては、特に制限はないが、本発明に係る界面活性剤の所定量の添加に加えて、光架橋型高分子化合物を用いることが好ましく、例えば、特開昭62−283339号、特開平1−198615号、特開昭60−252341号、特開昭56−67309号、特開昭60−129742号等の公報に記載されている光架橋型高分子化合物等を、適宜選択して適用することができる。
次いで、本発明の空隙型インクジェット記録用紙のその他の構成要素について説明する。
本発明の空隙型インクジェット記録用紙を構成するインク吸収層は、少なくとも無機微粒子と親水性バインダーとを含有する。
本発明で用いることのできる無機微粒子としては、例えば、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、カオリン、クレー、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、水酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、ハイドロタルサイト、珪酸アルミニウム、ケイソウ土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、合成非晶質シリカ、コロイダルシリカ、アルミナ、コロイダルアルミナ、擬ベーマイト、水酸化アルミニウム、リトポン、ゼオライト、水酸化マグネシウム等の白色無機顔料を挙げることができる。上記無機微粒子は、一次粒子のまま用いても、また二次凝集粒子を形成した状態で使用することもできる。
本発明においては、空隙型インクジェット記録用紙で高品位なプリントを得る観点から、無機微粒子として、低屈折率で、かつ約0.1μm以下の平均粒子径のものが比較的安価に得られる観点からシリカ系粒子またはアルミナ径粒子が好ましく、更にはアルミナ、擬ベーマイト、コロイダルシリカ、もしくは気相法により合成された微粒子シリカ等が好ましく、平均粒径が100nm以下の気相法で合成された微粒子シリカが特に好ましい。
この気相法で合成されたシリカは、表面がアルミニウムで修飾されたものであっても良い。表面がアルミニウムで修飾された気相法シリカのアルミニウム含有率は、シリカに対して質量比で0.05〜5%のものが好ましい。
上記無機微粒子の粒径は、光沢性や発色濃度の観点から100nm以下が好ましい。粒径の下限は特に限定されないが、無機微粒子の製造上の観点から、概ね10nm以上が好ましい。
上記無機微粒子の平均粒径は、多孔質インク吸収層の断面や表面を電子顕微鏡で観察し、100個の任意の粒子の粒径を求めて、その単純平均値(個数平均)として求められる。ここで、個々の粒径は、その投影面積に等しい円を仮定した時の直径で表したものである。
上記無機微粒子は、一次粒子のままであるいは二次粒子もしくはそれ以上の高次凝集粒子で多孔質皮膜に存在していても良いが、上記平均粒径は、電子顕微鏡で観察した時にインク吸収層中で独立の粒子を形成しているものの粒径をいう。
上記無機微粒子が二次以上の凝集粒子である場合には、その平均一次粒子径は、多孔質膜中で観測される平均粒径以下であり、無機微粒子の一次粒子径としては30nm以下のものが好ましく、より好ましくは4〜20nmの微粒子である。
上記無機微粒子のインク吸収層塗布液における含有量は、5〜40質量%であり、特に7〜30質量%が好ましい。上記無機微粒子は、十分なインク吸収性があり、皮膜のひび割れ等が少ないインク吸収層を形成する必要があり、インク吸収層中には、5〜50g/m2の付量になることが好ましい。更には、10〜30g/m2であることが特に好ましい。
本発明に係るインク吸収層が含有する親水性バインダーとしては、特に制限は無く、従来公知の親水性バインダーを用いることができ、その一つとしては、例えば、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキサイド、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール等を用いることができるが、バインダーの吸湿特性が比較的小さく、記録用紙のカールがより小さい観点、及び少量の使用で無機微粒子のバインダー能力が高くひび割れや膜付き性が優れている観点から、ポリビニルアルコールが特に好ましい。
本発明に好ましく用いられるポリビニルアルコールとしては、ポリ酢酸ビニルを加水分解して得られる通常のポリビニルアルコールの他に、末端をカチオン変性したポリビニルアルコールやアニオン性基を有するアニオン変性ポリビニルアルコール等の変性ポリビニルアルコールも含まれる。
酢酸ビニルを加水分解して得られるポリビニルアルコールは、平均重合度が300以上のものが好ましく用いられ、特に平均重合度が1,000〜5,000のものが好ましく用いられ、ケン化度は70〜100%のものが好ましく、80〜99.8%のものが特に好ましい。
カチオン変性ポリビニルアルコールとしては、例えば、特開昭61−10483号に記載されるような、第1〜3級アミノ基や第4級アミノ基を上記ポリビニルアルコールの主鎖または側鎖中に有するポリビニルアルコールであり、これらはカチオン性基を有するエチレン性不飽和単量体と酢酸ビニルとの共重合体をケン化することにより得られる。
カチオン性基を有するエチレン性不飽和単量体としては、例えば、トリメチル−(2−アクリルアミド−2,2−ジメチルエチル)アンモニウムクロライド、トリメチル−(3−アクリルアミド−3,3−ジメチルプロピル)アンモニウムクロライド、N−ビニルイミダゾール、N−メチルビニルイミダゾール、N−(3−ジメチルアミノプロピル)メタクリルアミド、ヒドロキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド、トリメチル−(3−メタクリルアミドプロピル)アンモニウムクロライド等が挙げられる。
カチオン変性ポリビニルアルコールのカチオン変性基含有単量体の比率は、酢酸ビニルに対して0.1〜10モル%、好ましくは0.2〜5モル%である。
アニオン変性ポリビニルアルコールとしては、例えば、特開平1−206088号に記載されているアニオン性基を有するポリビニルアルコール、特開昭61−237681号及び同63−307979号に記載されているビニルアルコールと水溶性基を有するビニル化合物との共重合体、及び特開平7−285265号に記載されている水溶性基を有する変性ポリビニルアルコールが挙げられる。
また、ノニオン変性ポリビニルアルコールとしては、例えば、特開平7−9758号に記載されているポリアルキレンオキサイド基をビニルアルコールの一部に付加したポリビニルアルコール誘導体、特開平8−25795号に記載されている疎水性基を有するビニル化合物とビニルアルコールとのブロック共重合体等が挙げられる。
ポリビニルアルコールは、重合度や変性の種類の違いなど、2種類以上を併用することもできる。特に、重合度が2,000以上のポリビニルアルコールを使用する場合には、予め無機微粒子に対して0.05〜10質量%、好ましくは0.1〜5質量%添加してから、重合度が2,000以上のポリビニルアルコールを添加すると、著しい増粘が無く好ましい。
インク吸収層の親水性バインダーに対する無機微粒子の比率は、質量比で2〜20であることが好ましい。質量比が2倍以上であれば、充分な空隙率の多孔質膜が得られ、充分な空隙容量を得やすくなり、維持できる親水性バインダーによるインクジェット記録時の膨潤によって空隙を塞ぐ状況を招かず、高インク吸収速度を維持できる要因となる。一方、この比率が20倍以下であれば、インク吸収層を厚膜で塗布した際、ひび割れが生じにくくなる。特に好ましい親水性バインダーに対する無機微粒子の比率は2.5〜12倍、最も好ましくは3〜10倍である。
また、本発明に係るインク吸収層で用いることのできる親水性バインダーとして、電離放射線により架橋する高分子化合物を挙げることができる。
本発明のインクジェット記録用紙に用いられる電離放射線により架橋する高分子化合物とは、紫外線、電子線等の電離放射線の照射により、反応を起こして架橋反応をする水溶性の親水性バインダーであり、架橋反応前には水溶性であるが、架橋反応後には実質的に非水溶性となる樹脂である。
このような樹脂としては、ポリ酢酸ビニルのケン化物、ポリビニルアセタール、ポリエチレンオキサイド、ポリアルキレンオキサイド、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、または前記親水性バインダーの誘導体、ならびにこれらの共重合体からなる群より選ばれる少なくとも一種であるか、またはその親水性樹脂に、光二量化型、光分解型、光重合型、光変性型、光解重合型などの変性基により変性したものである。
電離放射線による高分子化合物の具体的架橋手段として、特開2002−160439号公報には高分子化合物としてポリビニルアルコール、ポリエチレンオキサイド、ヒドロキシプロピルセルロースを用い、電離放射線として電子線を用いた架橋手段が示されている。電子線により親水性樹脂を架橋させる場合、一般に無機微粒子の方が親水性バインダーや溶媒の水よりも比重が高いため、電子線照射量が親水性バインダーや溶媒に対して供給過剰であり、塗膜中の水分が瞬時に蒸発して気泡となり塗膜表面を荒らしたり、また塗膜深部に対しては照射量が不足し、架橋密度に勾配が生じ、表面のみ硬い塗膜になり、その結果、カール耐性を著しく損なうという問題を引き起こす。更に、電子線照射に際しては、雰囲気の酸素濃度が高いと効果が妨げられるという課題があり、窒素、ヘリウム等の不活性ガスにより照射ゾーンにおいて置換を行い、酸素濃度を400ppm以下程度まで保つ必要があり、工程適性上好ましくない。また、特開平9−263038号公報では、乾燥前に塗膜をゲル化させる方法として、主に無機ゾルと電離放射線硬化性のモノマー/オリゴマーからなる塗工液を塗工後に電離放射線を照射して該化合物を硬化させる工程を経た後、塗膜を乾燥してインク受容層を形成する方法を提案しているが、この方法では比較的高密度で緻密な三次元架橋をした膜を形成してしまうため、塗膜の折れ割れ耐性が悪いという新たな課題が生じた。また、一般的に電離放射線硬化型のモノマー/オリゴマー等は比較的低分子量であり皮膚刺激性が強いものが多く、未反応成分による印画品質への悪影響や安全性の面で懸念される点が多い。更に、上市されているほとんどの化合物は、親水性が低いためインクジェット吸収層の塗布に一般的な水系塗布は適さず、おのずと材料選択の幅が極端に狭くなる。
以上のような課題を考慮すると、本発明に係る電離放射線により架橋する高分子化合物としては、直鎖に複数の側鎖を有し重合度が300以上の高分子化合物が好ましく、特に好ましくはその親水性樹脂に、光二量化型、光分解型、光重合型、光変性型、光解重合型などの変性基により変性したものである。中でも、光二量化型、光重合型の変性基により変性した親水性樹脂が、感度または樹脂自身の安定性、更にひび割れが生じにくいバインダー特性が得られる観点から好ましい。
光二量化型の変性基としては、ジアゾ基、シンナモイル基、スチルバゾニウム基、スチルキノリウム基を導入したものが好ましく、光二量化後アニオン染料等の水溶性染料により染色される樹脂が好ましい。このような樹脂としては、例えば、一級アミノ基ないし4級アンモニウム基等のカチオン性基を有する樹脂、例えば、特開昭62−283339号、特開平1−198615号、特開昭60−252341号、特開昭56−67309号、特開昭60−129742号等の各公報に記載された感光性樹脂(組成物)、硬化処理によりアミノ基になるアジド基のような硬化後カチオン性になる樹脂、例えば、特開昭56−67309号等の公報に記載された感光性樹脂(組成物)が挙げられる。
本発明においては、電離放射線により架橋する親水性樹脂が、光エネルギー硬化性ポリビニルアルコールであることが好ましい。
具体的には、例えば、以下のような化合物が挙げられるが、本発明はこれらの化合物のみに限定されるものではない。
特開昭56−67309号公報に記載の感光性樹脂は、ポリビニルアルコール構造体中に、下記式(I)
Figure 2005219369
で表される2−アジド−5−ニトロフェニルカルボニルオキシエチレン構造、又は、下記式(II)
Figure 2005219369
で表される4−アジド−3−ニトロフェニルカルボニルオキシエチレン構造を有する樹脂組成物である。
感光性樹脂の具体例は、該公報中の実施例1、2に、また感光性樹脂の構成成分及びその使用割合は該公報第2頁に記載されている。
また、特開昭60−129742号公報には、感光性樹脂としてポリビニルアルコール構造体中に、下記式(III)、式(IV)
Figure 2005219369
の構造を有する樹脂組成物が挙げられている。
本発明においては、電離放射線により架橋する親水性樹脂の中でも、光重合型の変性基としては、例えば、特開2000−181062号公報に開示されている下記一般式(A)で示される構成単位を有するポリ酢酸ビニルケン化物が、反応性との観点から好ましい。
Figure 2005219369
上記一般式(A)において、R1は水素原子またはメチル基を表し、Yは芳香族環または単なる結合手を表し、Xは、−(CH2m−COO−、−O−CH2−COO−または−O−を表し、mは0〜6の整数、nは1または2を表す。
本発明に係る親水性の親水性樹脂において、重合度や架橋密度は皮膜形成時の強度や柔軟性に影響し、重合度が低かったり架橋変性基が多すぎたりすると塗布乾燥時のひび割れや乾燥塗膜の折れ割れといった故障が生じてしまう。従って、前記一般式(A)で示される構成単位を有するポリ酢酸ビニルケン化物を含む親水性の高分子化合物においては、重合度は300以上であることが好ましく、400〜5000であることがより好ましく、1000〜4000であることが更に好ましい。また、セグメントに対する電離放射線反応架橋基の変性率が4mol%以下であることが好ましく、より好ましくは0.01〜1mol%である。
また、本発明に係る電離放射線により架橋する親水性バインダーとして、市販品として容易に入手することができ、例えば、日本化薬:SR−230(ジエチレングリコールジアクリレート)、日本化薬製:カラヤッドPEG400DA、カラヤッドR−167、PET−30、サートマーSR−230、サートマーSR−268、サートマーSR−344、サートマーSR−444、新中村化学製:NKエステル−A200、NKエステルA−400、NKエステルA−600、NKエステルA−TMM−3、NKエステルATMM−3−L、東亞合成製:アロニックスM−240、アロニックスM−245、アロニックスM−205、アロニックスM−210など、市販の紫外線架橋型モノマーを称されている化合物が挙げられる。
本発明において、前記電離放射線により重合された高分子化合物を含む親水性バインダーの好ましい使用量は、無機微粒子に対する質量比として1/3〜1/15、より好ましい範囲は1/3〜1/7である。この範囲であれば本発明に必要な60%以上の空隙体積率を有し、かつひび割れの問題が起きにくいインク吸収層が得られる。
本発明においては、電離放射線により重合された高分子化合物を含む親水性バインダーと共に、光開始剤や増感剤を添加することが好ましい。これらの化合物は、溶媒に溶解、または分散した状態、もしくは上記高分子化合物を含む親水性バインダーに対して化学的に結合されていてもよい。
適用される光開始剤、光増感剤については、特に制限はなく、従来公知の光開始剤あるいは光増感剤を用いることができ、例えば、ベンゾフェノン類(例えば、ベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、ビス−N,N−ジメチルアミノベンゾフェノン、ビス−N,N−ジエチルアミノベンゾフェノン、4−メトキシ−4′−ジメチルアミノベンゾフェノン等)、チオキサントン類(例えば、チオキサトン、2、4−ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、クロロチオキサントン、イソプロポキシクロロチオキサントン等)、アントラキノン類(例えば、エチルアントラキノン、ベンズアントラキノン、アミノアントラキノン、クロロアントラキノン等)、アセトフェノン類、ベンゾインエーテル類(例えば、ベンゾインメチルエーテル等)、2,4,6−トリハロメチルトリアジン類、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジ(m−メトキシフェニル)イミダゾール2量体、2−(o−フルオロフェニル)−4,5−フェニルイミダゾール2量体、2−(o−メトキシフェニル)−4,5−フェニルイミダゾール2量体、2−(p−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体、2,−ジ(p−メトキシフェニル)−5−フェニルイミダゾール2量体、2−(2,4−ジメトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体の2,4,5−トリアリールイミダゾール2量体、ベンジルジメチルケタール、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタン−1−オン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−1−プロパノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、フェナントレンキノン、9,10−フェナンスレンキノン、メチルベンゾイン、エチルベンゾイン等のベンゾイン類、アクリジン誘導体(例えば、9−フェニルアクリジン、1,7−ビス(9,9′−アクリジニル)ヘプタン等)、ビスアシルフォスフィンオキサイド及びこれらの混合物等が挙げられ、上記各化合物は単独で使用しても2種以上併用してもよい。
特に、水溶性の1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、チオキサントンアンモニウム塩、ベンゾフェノンアンモニウム塩等の水溶性開始剤が、混合性等に優れ架橋効率の観点からも好ましい。
これらの開始剤に加え、促進剤等を添加することもできる。これらの例として、p−ジメチルアミノ安息香酸エチル、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等が挙げられる。
次いで、本発明に係る電離放射線について説明する。電離放射線とは、例えば、電子線、紫外線、α線、β線、γ線、エックス線等が挙げられるが、人体への危険性や取り扱い性の観点から、工業的にもその利用が普及している電子線または紫外線が好ましい。
電子線の照射方法としては、例えば、スキャニング方式、カーテンビーム方式、ブロードビーム方式などがあるが、処理能力の観点からカーテンビーム方式が好ましい。
電子線の加速電圧は、塗膜の比重と膜圧により適時変化させることができるが、20kV〜300kVが適当である。電子線の照射量は0.1〜20Mradの範囲が好ましい。
更に、本発明の目的効果をより達成できる点からは、照射光源として紫外線が特に好ましい。紫外線の光源として、例えば、例えば、数百Paから100万Paまでの動作圧力を有する低圧、中圧、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ等が用いられるが、光源の波長分布という観点で高圧水銀灯、メタルハライドランプが好ましく、メタルハライドランプがより好ましい。また、300nm以下の波長光をカットするフィルターをもうけることが好ましい。ランプの出力としては400W〜30kW、照度としては10mW/cm2〜10kW/cm2、照射エネルギーとしては0.1mJ/cm2〜500mJ/cm2が好ましく、1mJ/cm2〜100mJ/cm2がより好ましい。
光源波長に300nm以下の紫外線が含まれない場合や、300nm以下の波長をフィルターにより低減した場合および照射エネルギーが500mJ/cm以下の場合には、電離放射線架橋性樹脂の母核、または共存させる各種添加剤を電離放射線により分解することが避けられ、また、分解物に由来するような臭気などの問題を起こす可能性も非常に少なく好ましい。更に照射エネルギーが0.1mJ/cm2以上であれば架橋効率が良好であり、本発明の効果が顕著に得られる。
紫外線照射の際の照度は、0.1mW/cm2〜1W/cm2が好ましい。照度が1W/cm2以下であれば、塗膜の表面硬化性は向上し、深部まで硬化し、均一に架橋された膜が得られる。その場合は、膜の深度方向の堅さも均質であり、カールなどが起こりにくく、好ましい。照度が10mW/cm2以上であれば、膜中の散乱等により架橋の不均一を避け、本発明の効果が得られ好ましい。
同一積算光量(mJ/cm2)を与える場合、照度に好ましい範囲があることは、その光の透過率が変化することに起因する。紫外線の透過性により、発生した架橋反応種の濃度分布が異なり、紫外線照度が高い場合、表層に高濃度の架橋反応種が発生し、塗膜表層に堅い緻密な膜が形成されてしまう。照度が好ましい範囲にある場合には、表層の架橋度合いも低く、深部方向への光透過性が高いため緩やかな架橋が深部方向へ均一に形成される。照度が低すぎる場合には、必要積算照度を与える場合に照射時間がかかってしまい、設備導入等の面で不利であるばかりでなく、塗膜による紫外線の散乱による絶対光線量が不足するため好ましくない。
本発明に係るインク吸収層には、上記説明した無機微粒子や親水性バインダーのほかに種々の添加剤用いることができるが中でも、カチオン性ポリマー、架橋剤、多価金属化合物はインク吸収性や染料インクに対する滲み改良の点で重要な役割を果たす。
本発明のインクジェット記録用紙には、染料インクによる画像記録後、長期保存における画像の滲みを防止する目的で、カチオン性ポリマーや多価金属化合物などのカチオン性定着剤が用いられ、本発明においても好ましく用いられる。
カチオン性ポリマーの例としては、ポリエチレンイミン、ポリアリルアミン、ポリビニルアミン、ジシアンジアミドポリアルキレンポリアミン縮合物、ポリアルキレンポリアミンジシアンジアミドアンモニウム塩縮合物、ジシアンジアミドホルマリン縮合物、エピクロルヒドリン・ジアルキルアミン付加重合物、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド重合物、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド・SO2共重合物、ポリビニルイミダゾール、ビニルピロリドン・ビニルイミダゾール共重合物、ポリビニルピリジン、ポリアミジン、キトサン、カチオン化澱粉、ビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロライド重合物、(2−メタクロイルオキシエチル)トリメチルアンモニウムクロライド重合物、ジメチルアミノエチルメタクリレート重合物などが挙げられる。
また、化学工業時報平成10年8月15,25日に述べられるカチオン性ポリマー、三洋化成工業株式会社発行「高分子薬剤入門」に述べられる高分子染料固着剤が例として挙げられる。
一方、多価金属化合物(ただし、酸化ジルコニウムおよび酸化アルミニウムを除く)はアルミニウム、カルシウム、マグネシウム、亜鉛、鉄、ストロンチウム、バリウム、ニッケル、銅、スカンジウム、ガリウム、インジウム、チタン、ジルコニウム、スズ、鉛などの金属化合物があげられる。また、多価金属化合物は多価金属塩であってもよい。中でもマグネシウム、アルミニウム、ジルコニウム、カルシウム、亜鉛からなる化合物は無色の為好ましい。
本発明において、特に好ましく用いられるカチオン定着剤は、下記一般式(1)で表される化合物、ポリアリルアミンもしくはその誘導体、または下記に示す多価金属塩である。
Figure 2005219369
上記一般式(1)において、Rは水素原子又はアルキル基を表す。R1、R2及びR3は各々アルキル基又はベンジル基を表す。Jは単なる結合手又は2価の有機基を表す。X-はアニオン基を表す。
前記一般式(1)において、Rで表されるアルキル基としては、メチル基が好ましい。R1、R2及びR3で表されるアルキル基は、好ましくはメチル基、エチル基又はベンジル基である。Jで表される2価の有機基としては、好ましくは−CON(R′)−を表す。R′は水素原子又はアルキル基を表す。
Xで表されるアニオン基としては、例えば、ハロゲンイオン、酢酸イオン、メチル硫酸イオン、p−トルエンスルホン酸塩などを挙げることができる。
好ましいカチオン性ポリマーは、前記一般式(1)で表される繰り返し単位からなるホモポリマーであってもよく、他の共重合可能な単量体との共重合であってもよい。共重合可能な繰り返し単位としては、前記一般式(1)以外のカチオン性単量体および、カチオン性基を有しない単量体を挙げることができる。
カチオン性基を有する単量体としては、例えば、下記の繰り返し単位を挙げることができる。
Figure 2005219369
カチオン性基を有しない共重合可能な繰り返し単位としては、例えば、エチレン、スチレン、ブタジエン、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、ブチルメタクリレート、オクチルメタクリレート、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、ブチルアクリレート、オクチルアクリレート、ヒドロキシルエチルメタクリレート、アクリルアミド、酢酸ビニル、ビニルメチルエーテル、塩化ビニル、4−ビニルピリジン、N−ビニルピロリドン、N−ビニルイミダゾール、アクリルニトリルなどを挙げることができる。
本発明で好ましく用いられるカチオン性ポリマーが、前記一般式(1)で表される繰り返し単位を有する場合、前記一般式(1)で表される繰り返し単位は、好ましくは20モル%以上、特に好ましくは40〜100モル%である。
本発明に係る一般式(1)で表される繰り返し単位を有するカチオン性ポリマーの具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2005219369
Figure 2005219369
Figure 2005219369
上記カチオン性ポリマーの重量平均分子量は、概ね3000〜20万であり、好ましくは5000〜10万である。重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーから求められたポリエチレングリコール換算の値で表す。
本発明に係るカチオン性ポリマーの使用量は、記録用紙1m2当たり、概ね0.1〜10g、好ましくは0.2〜5gである。
次いで、本発明に係るポリアリルアミン類について説明する。
本発明でいうポリアリルアミン類とは、下記一般式(2)で示されるポリアリルアミン、一般式(3)又は一般式(4)で示されるポリジアリルアミン、下記一般式(5)又は一般式(6)で示されるポリジアリルアミン誘導体、またはこれらの重合体である。
Figure 2005219369
一般式(2)において、X1 -は無機酸又は有機酸の残基を表す。
Figure 2005219369
一般式(3)、(4)、(5)及び(6)において、R1及びR2はそれぞれ水素原子、メチル基、エチル基又はヒドロキシエチル基を表し、X2 -は無機酸残基又は有機酸残基を表し、Yは2価の連結基を表し、n、m、pはそれぞれ重合度を表す。
一般式(3)、(4)において、nは5〜10000の整数である。また、一般式(5)及び(6)において、n/m=9/1〜2/8、p=5〜10000である。
上記一般式(5)または(6)で表されるポリジアリルアミンの誘導体の具体例としては、例えば、特開昭60−83882号公報に記載の一般式で示されるSO2基を繰り返し単位に含むもの、特開平1−9776号公報の2頁に記載されているアクリルアミドとの共重合体、あるいは一般式(5)または(6)で示されるポリジアリルアミンとの共重合体が挙げられ、また日東紡績(株)よりPASシリーズとして市販されている。
これらポリアリルアミン類の中で好ましい例として、下記一般式(7)または(8)で表される構造を有するポリジメチルジアリルアンモニウム類を挙げることができる。
Figure 2005219369
上記一般式(7)及び(8)において、nは重合度を表す。重合度としては、1000以下が好ましく、800以下がより好ましい。重合度が、1000を越えると粘度が上昇し、取扱いが困難になることがある。Xは1価のアニオンとなりうる原子または原子群であり、ハロゲンであることが好ましく、もっとも好ましくは塩素原子である。
前記ポリジメチルジアリルアンモニウム類として、上記一般式(7)で表される構造を有する化合物または前記一般式(8)で表される構造を有する化合物を1種単独で使用してもよく、これらを併用してもよい。いずれの場合においても、異なる重合度のものを混合して使用してもよい。また、前記ポリジメチルジアリルアンモニウム類は、適宜合成したものでもよいし、市販品を用いてもよい。
本発明に係るポリアリルアミン類(これらの塩、及び変性体を含む)は、画像保存時の滲み耐性、光沢度及び印画濃度の向上を図るために含有させる。また、ポリアリルアミン類は、アニオン性染料を色材として有する液状インクとの間で相互作用し、色材を安定化し、耐水性や滲み耐性を特に向上させることができる
ポリアリルアミン類の分子量としては、重量平均分子量で3000〜30000であることが好ましく、5000〜20000であることがより好ましい。重量平均分子量が上記範囲にあれば、耐水性や滲み耐性をより十分に向上させることができる。
前記ポリアリルアミン類の塩としては、塩酸塩、硫酸塩等の無機酸塩,酢酸塩、トルエンスルホン酸塩、メタンスルホン酸塩等の有機酸塩等が挙げられる。
前記ポリアリルアミン変性体は、アクリルニトリル、クロロメチルスチレン、TEMPO、エポキシヘキサン等をポリアリルアミンに2〜50mol%付加したものであり、好ましくは、アクリルニトリル、クロロメチルスチレンの5〜10mol%付加物であり、特にポリアリルアミンの5〜10mol%アクリルニトリル付加物が、オゾン褪色性防止効果を発揮する観点から好ましい。
ポリアリルアミン類の含有量としては、無機微粒子100質量部に対して、1〜5質量部であることが好ましく、1.25〜3.75質量部であることがより好ましい。ポリアリルアミン類の含有量が上記範囲にあることにより本発明の効果をより有効に発揮することができる。
また、好ましい多価金属化合物としては、ジルコニウム原子またはアルミニウム原子を有する多価金属無機ポリマーであることが好ましく、その中でも、ポリ塩化アルミニウム化合物、ポリ硫酸ケイ酸アルミニウム化合物、またはジルコニウム活性無機ポリマーであることがより好ましく、ポリ塩化アルミニウム化合物、ポリ硫酸ケイ酸アルミニウム化合物であることが更に好ましい。
ポリ塩化アルミニウム化合物は、下記一般式(9)、(10)、(11)で示されるものであり、例えば、〔Al6(OH)153+、〔Al8(OH)204+、〔Al13(OH)345+などのような塩基性で、かつ高い陽電子を持った多核縮合イオン(高分子性)を有効成分として、安定に含んでいるポリ塩化アルミニウムである。
一般式(9)
〔Al2(OH)nCl6-nm
一般式(10)
〔Al(OH)3nAlCl3
一般式(11)
Aln(OH)mCl(3n-m)
ポリ塩化アルミニウム化合物の市販品としては、例えば、浅田化学(株)製のポリ水酸化アルミニウム(Paho)、多木化学(株)製のポリ塩化アルミニウム(PAC)、(株)理研グリーン製のピュラケムWTが挙げられ、また他のメーカーからも水処理剤などの目的を持って市販されており、各種グレードのものが入手することができる。
ポリ硫酸ケイ酸アルミニウム化合物の市販品としては、日本軽金属(株)製のPASSが挙げられることができる。
酸塩化ジルコニウム系無機ポリマーの市販品としては、第一希元素化学工業(株)製のジルコゾールZC−2を挙げることができ、特許第2944143号公報に記載されている化合物を用いることもできる。
上記ジルコニウム原子またはアルミニウム原子を含む化合物は、インク吸収層を形成する塗布液に添加してから塗布乾燥しても良いし、インク吸収層を一旦塗布乾燥した後、インク吸収層にオーバーコート法により添加しても良い。
上記ジルコニウム原子またはアルミニウム原子を含む化合物を、インク吸収層を形成する塗布液に添加する場合、水や有機溶媒あるいはこれらの混合溶媒に均一に溶解して添加すること、あるいはサンドミルなどの湿式粉砕法や乳化分散などの方法により微細な粒子に分散して添加することができる。インク吸収層が複数の層から構成される場合には、1層のみ添加してもよく、2層以上の層あるいは全ての層を形成する塗布液に添加することもできる。
また、多孔質のインク吸収層を一旦形成した後、オーバーコート方法により添加する場合には、均一な溶液に溶解して添加するのが好ましい。
ジルコニウム原子またはアルミニウム原子を含む化合物は、インクジェット記録用紙1m2当たり、通常0.01〜5g、好ましくは0.05〜2g、特に好ましくは0.1〜1gの範囲で用いられる。
上記化合物は2種以上を併用しても良く、この場合、ジルコニウム原子を含む化合物を2種以上を併用することも、アルミニウム原子を含む化合物を2種以上併用することも、更には、ジルコニウム原子とアルミニウム原子を含む化合物を併用することもできる。
本発明のインクジェット記録用紙は、多孔質インク受容層を形成する水溶性バインダーの硬膜剤を添加することが好ましい。
本発明で用いることのできる硬化剤としては、水溶性バインダーと硬化反応を起こすものであれば特に制限はないが、ホウ酸及びその塩が好ましいが、その他にも公知のものが使用でき、一般的には水溶性バインダーと反応し得る基を有する化合物あるいは水溶性バインダーが有する異なる基同士の反応を促進するような化合物であり、水溶性バインダーの種類に応じて適宜選択して用いられる。硬化剤の具体例としては、例えば、エポキシ系硬化剤(ジグリシジルエチルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ジグリシジルシクロヘキサン、N,N−ジグリシジル−4−グリシジルオキシアニリン、ソルビトールポリグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル等)、アルデヒド系硬化剤(ホルムアルデヒド、グリオキザール等)、活性ハロゲン系硬化剤(2,4−ジクロロ−4−ヒドロキシ−1,3,5−s−トリアジン等)、活性ビニル系化合物(1,3,5−トリスアクリロイル−ヘキサヒドロ−s−トリアジン、ビスビニルスルホニルメチルエーテル等)、アルミニウム明礬等が挙げられる。
ホウ酸またはその塩とは、硼素原子を中心原子とする酸素酸及びその塩のことをいい、具体的には、オルトホウ酸、二ホウ酸、メタホウ酸、四ホウ酸、五ホウ酸及び八ホウ酸及びそれらの塩が挙げられる。
硬化剤としてのホウ素原子を有するホウ酸及びその塩は、単独の水溶液でも、また、2種以上を混合して使用しても良い。特に好ましいのはホウ酸とホウ砂の混合水溶液である。ホウ酸とホウ砂の水溶液は、それぞれ比較的希薄水溶液でしか添加することが出来ないが両者を混合することで濃厚な水溶液にすることが出来、塗布液を濃縮化することができる。また、添加する水溶液のpHを比較的自由にコントロールすることができる利点がある。上記硬化剤の総使用量は、上記水溶性バインダー1g当たり1〜600mgが好ましい。
本発明に係る多孔質インク吸収層中には、上記以外の各種の添加剤を添加することができる。例えば、ポリスチレン、ポリアクリル酸エステル類、ポリメタクリル酸エステル類、ポリアクリルアミド類、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、またはこれらの共重合体、尿素樹脂、またはメラミン樹脂等の有機ラテックス微粒子、カチオンまたはノニオンの各種界面活性剤、特開昭57−74193号、同57−87988号及び同62−261476号に記載の紫外線吸収剤、特開昭57−74192号、同57−87989号、同60−72785号、同61−146591号、特開平1−95091号及び同3−13376号等に記載されている退色防止剤、特開昭59−42993号、同59−52689号、同62−280069号、同61−242871号及び特開平4−219266号等に記載されている蛍光増白剤、硫酸、リン酸、クエン酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム等のpH調整剤、消泡剤、防腐剤、増粘剤、帯電防止剤、マット剤等の公知の各種添加剤を含有させることもできる。
本発明に用いる支持体は、従来インクジェット記録用紙用として公知のものを適宜使用でき、吸水性支持体であってもいが、非吸水性支持体であることが好ましい。
本発明で用いることのできる吸水性支持体としては、例えば一般の紙、布、木材等を有するシートや板等を挙げることができるが、特に紙は基材自身の吸水性に優れかつコスト的にも優れるために最も好ましい。紙支持体としては、LBKP、NBKP等の化学パルプ、GP、CGP、RMP、TMP、CTMP、CMP、PGW等の機械パルプ、DIP等の古紙パルプ等の木材パルプを主原料としたものが使用可能である。また、必要に応じて合成パルプ、合成繊維、無機繊維等の各種繊維状物質も原料として適宜使用することができる。
上記紙支持体中には必要に応じて、サイズ剤、顔料、紙力増強剤、定着剤等、蛍光増白剤、湿潤紙力剤、カチオン化剤等の従来公知の各種添加剤を添加することができる。
紙支持体は前記の木材パルプなどの繊維状物質と各種添加剤を混合し、長網抄紙機、円網抄紙機、ツインワイヤー抄紙機等の各種抄紙機で製造することができる。また、必要に応じて抄紙段階または抄紙機にスターチ、ポリビニルアルコール等でサイズプレス処理したり、各種コート処理したり、カレンダー処理したりすることもできる。
本発明のインクジェット記録用で用いる支持体としては、特に非吸水性支持体が好ましい。本発明で好ましく用いることのできる非吸水性支持体には、透明支持体または不透明支持体がある。透明支持体としてはポリエステル系樹脂、ジアセテート系樹脂、トリアテセート系樹脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリイミド系樹脂、セロハン、セルロイド等の材料を有するフィルム等が挙げられ、中でもOHPとして使用された時の輻射熱に耐える性質のものが好ましく、ポリエチレンテレフタレートが特に好ましい。このような透明な支持体の厚さとしては、50μm〜200μmが好ましい。
また、不透明支持体としては、例えば、基紙の少なくとも一方に白色顔料等を添加したポリオレフィン樹脂被覆層を有する樹脂被覆紙(いわゆるRCペーパー)、ポリエチレンテレフタレートに硫酸バリウム等の白色顔料を添加してなるいわゆるホワイトペットが好ましい。
前記各種支持体とインク吸収層の接着強度を大きくする等の目的で、インク吸収層の塗布に先立って、支持体にコロナ放電処理や下引処理等を行うことが好ましい。更に、本発明のインクジェット記録用紙は必ずしも無色である必要は無く、着色された記録シートであってもい。
本発明のインクジェット記録用紙では原紙支持体の両面をポリエチレンでラミネートした紙支持体を用いることが、記録画像が写真画質に近く、しかも低コストで高品質の画像が得られるために特に好ましい。そのようなポリエチレンでラミネートした紙支持体について以下に説明する。
紙支持体に用いられる原紙は木材パルプを主原料とし、必要に応じて木材パルプに加えてポリプロピレンなどの合成パルプ或いはナイロンやポリエステルなどの合成繊維を用いて抄紙される。木材パルプとしてはLBKP、LBSP、NBKP、NBSP、LDP、NDP、LUKP、NUKPのいずれも用いることができるが短繊維分の多いLBKP、NBSP、LBSP、NDP、LDPをより多く用いることが好ましい。但し、LBSP及びまたはLDPの比率は10質量%〜70質量%が好ましい。
上記パルプは不純物の少ない化学パルプ(硫酸塩パルプや亜硫酸塩パルプ)が好ましく用いられ、また、漂白処理を行って白色度を向上させたパルプも有用である。
原紙中には、高級脂肪酸、アルキルケテンダイマー等のサイズ剤、炭酸カルシウム、タルク、酸化チタンなどの白色顔料、スターチ、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール等の紙力増強剤、蛍光増白剤、ポリエチレングリコール類等の水分保持剤、分散剤、4級アンモニウム等の柔軟化剤などを適宜添加することができる。
抄紙に使用するパルプの濾水度はCSFの規定で200〜500mlが好ましく、また、叩解後の繊維長がJIS−P−8207に規定される24メッシュ残分の質量%と42メッシュ残分の質量%との和が30〜70%が好ましい。尚、4メッシュ残分の質量%は20質量%以下であることが好ましい。
原紙の坪量は30〜250gが好ましく、特に50〜200gが好ましい。原紙の厚さは40〜250μmが好ましい。
原紙は抄紙段階または抄紙後にカレンダー処理して高平滑性を与えることもできる。原紙密度は0.7〜1.2g/cm3(JIS−P−8118)が一般的である。更に原紙剛度はJIS−P−8143に規定される条件で20〜200gが好ましい。
原紙表面には表面サイズ剤を塗布してもく、表面サイズ剤としては前記原紙中添加できるサイズと同様のサイズ剤を使用できる。
原紙のpHはJIS−P−8113で規定された熱水抽出法により測定された場合、5〜9であることが好ましい。
原紙表面及び裏面を被覆するポリエチレンは、主として低密度のポリエチレン(LDPE)及び/または高密度のポリエチレン(HDPE)であるが他のLLDPEやポリプロピレン等も一部使用することができる。
特にインク吸収層側のポリエチレン層は写真用印画紙で広く行われているようにルチルまたはアナターゼ型の酸化チタンをポリエチレン中に添加し、不透明度及び白色度を改良したものが好ましい。酸化チタン含有量はポリエチレンに対して通常3質量%〜20質量%、好ましくは4質量%〜13質量%である。
ポリエチレン被覆紙は光沢紙として用いることも、また、ポリエチレンを原紙表面上に溶融押し出してコーティングする際にいわゆる型付け処理を行って通常の写真印画紙で得られるようなマット面や絹目面を形成したものも本発明で使用できる。
上記ポリエチレン被覆紙においては紙中の含水率を3質量%〜10質量%に保持するのが特に好ましい。
本発明のインクジェット記録用紙には、各種の添加剤を添加することができる。例えば、ポリスチレン、ポリアクリル酸エステル類、ポリメタクリル酸エステル類、ポリアクリルアミド類、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、またはこれらの共重合体、またはメラミン樹脂等の有機ラテックス微粒子、カチオンまたはノニオンの各種界面活性剤、特開昭57−74193号、同57−87988号及び同62−261476号に記載の紫外線吸収剤、特開昭57−74192号、同57−87989号、同60−72785号、同61−146591号、特開平1−95091号及び同3−13376号等に記載されている褪色防止剤、特開昭59−42993号、同59−52689号、同62−280069号、同61−242871号及び特開平4−219266号等に記載されている蛍光増白剤、硫酸、リン酸、クエン酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム等のpH調整剤、消泡剤、防腐剤、増粘剤、帯電防止剤、マット剤等の公知の各種添加剤を含有させることもできる。
次に、本発明のインクジェット記録用紙の製造方法について説明する。
インクジェット記録用紙の製造方法としては、インク吸収層を含む各構成層を、各々単独に或いは同時に、公知の塗布方式から適宜選択して、支持体上に塗布、乾燥して製造することができる。塗布方式としては、例えば、ロールコーティング法、ロッドバーコーティング法、エアナイフコーティング法、スプレーコーティング法、カーテン塗布方法、或いは米国特許第2,761,419号、同第2,761,791号公報に記載のホッパーを使用するスライドビード塗布方法、エクストルージョンコート法等が好ましく用いられる。
次いで、本発明のインクジェット記録方法で用いるインクジェットインクについて説明する。
本発明のインクジェット記録方法においては、最大泡圧法で測定される0.3%水溶液の動的表面張力が、20m秒でTp(mN/m)である界面活性剤を含有する空隙型インクジェット記録用紙と、最大泡圧法で測定される0.3%水溶液の動的表面張力が、20m秒でTi(mN/m)である界面活性剤を含有するインクジェットインクとを用いたインクジェット記録方法であって、Ti/Tp>0.8で、かつ該空隙型インクジェット記録用紙に用いる該界面活性剤のTpが、60mN/m以下であることを特徴とする。
上記説明した最大泡圧法で測定される0.3%水溶液の動的表面張力が、20m秒で60(mN/m)以下である本発明に係る界面活性剤を含有する空隙型インクジェット記録用紙上に、Ti/Tp>0.8の条件を満たす最大泡圧法で測定される0.3%水溶液の動的表面張力が、20m秒でTi(mN/m)である界面活性剤を含有するインクジェットインクを用いて印字することにより、インク着弾時にインク中への界面活性剤の拡散速度が高まり、この結果、記録用紙表面での濡れ広がり速度が速くなり、ドット径の拡大を図ることができる。
本発明のインクジェット記録方法においては、Ti/Tp>0.8であることが特徴であるが、好ましくは3.5>Ti/Tp>0.8であり、より好ましくは2.5>Ti/Tp>1.0である。
本発明に係るインクジェットとしては、水性インクを用いることが好ましい。
本発明でいう水性インクとは、本発明に係る特性を有する界面活性剤の他に、着色剤、溶媒、その他の添加剤を有する記録液体である。
着色剤としては、インクジェットで公知の染料及び顔料を用いることができ、染料としては、従来公知のアゾ系染料、キサンテン系染料、フタロシアニン系染料、キノン系染料、アントラキノン系染料等をスルホ基あるいはカルボキシ基を導入して水溶性を向上させた、酸性染料や直接染料あるいは塩基性染料が代表的に用いられる。
一方、顔料インクに用いられる顔料としては、インクジェットで従来公知の各種の無機もしくは有機の顔料インクを使用することができる。無機顔料インクの例としては、カーボンブラック、酸化チタン、酸化鉄などを挙げることができる。また、有機顔料としては、各種のアゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、アントラキノン系顔料、キナクリドン系顔料、インジゴ系顔料、あるいは水溶性染料と多価金属イオンを反応させて得られるレーキ顔料などを挙げることができる。
これらの顔料粒子は、親水性ポリマーや界面活性剤などの各種の分散剤や分散安定化剤と共に用いることが好ましい。顔料粒子は、これらの分散在野分散安定化剤により平均粒子径が70〜150μm程度にまで分散されたものを用いることが好ましい。
上記着色剤である染料及び顔料のインク中における濃度は、染料もしくは顔料の種類、インクの使用形態(濃淡インクを使用するか否か)、更には、記録用紙の種類にも依存するが、概ね0.2〜10質量%である。
着色剤含有インク中には各種の溶媒が用いられるが、そのようなインク溶媒としては、水あるいは水と混和性の高い有機溶剤を、単独あるいは水と混合して使用することができ、例えば、メチルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、イソブチルアルコール等のアルコール類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類;アセトン、ジアセトンアルコール等のケトン又はケトンアルコール類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコール類;エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2,6−ヘキサントリオール、チオジグリコール、ヘキシレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン、トリエタノールアミン等の多価アルコール類;エチレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールメチル(又はエチル)エーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル等の多価アルコールの低級アルキルエーテル類等が挙げられる。中でも、ジエチレングリコール、トリエタノールアミンやグリセリン等の多価アルコール類、トリエチレングリコールモノブチルエーテルの多価アルコールの低級アルキルエーテル等は好ましいものである。
水性インク液は記録用紙に対する濡れ性を良好にするために、20℃において、通常、25〜60mN/m、好ましくは30〜50mN/mの範囲内の静的表面張力を有するのが好ましい。本発明に係わるインクにおいて、その表面張力を制御するために界面活性剤を添加することが好ましい。
界面活性剤としては、本発明に係る界面活性剤の他に、例えば、アニオン系、カチオン系、両性、ノニオン系のものが使用され、代表的には、アニオン系の界面活性剤としては、脂肪酸塩、アルキル硫酸塩、アルキル硫酸エステル、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、アルキルリン酸エステル塩、アルキルナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩等、カチオン系の界面活性剤としては、アミン塩、テトラアルキル4級アンモニウム塩、トリアルキル4級アンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩、アルキルキノリニウム塩等、ノニオン系の界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンプロピレンブロックポリマー、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、アセチレンアルコールのエチレンオキサイド付加物等が挙げられる。
これら界面活性剤の添加量は、用いる水溶性染料の種類、インク中に含まれる水溶性有機溶剤、その他添加剤の種類、量により決定されるものであるが、概ねインク全質量に対して0.01〜2質量%、好ましくは0.05〜1質量%の範囲が好ましい。
その他の水性インクの添加剤としては、例えば、pH調節剤、金属封鎖剤、防カビ剤、粘度調整剤、表面張力調整剤、湿潤剤及び防錆剤、等が挙げられる。
上記インクのpHは、好ましくは5〜10であり、特に好ましくは6〜9である。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1
《記録用紙1−1の作製》
〔シリカ分散液A−1の調製〕
気相法シリカ(商品名:アエロジル300、日本アエロジル(株)製、一次粒子の平均粒径 7nm)の10kgを、三田村理研工業株式会社製のジェットストリーム・インダクターミキサーを用いて、35Lの純水に435mlのエタノールを加えた溶液中に室温で吸引分散した後、純水を添加して全量を43.5Lに仕上げ、シリカ分散液A−1を調製とした。このシリカ分散液A−1はpHが2.8で、エタノールを1質量%含有している。
〔シリカ分散液P−1の調製〕
上記調製したシリカ分散液A−1の500mlに、カチオン性染料定着剤(例示化合物P−1)の28%水溶液を50ml、ホウ酸2.6gおよびホウ砂1.8gを溶解した水溶液86mlを添加し、ディゾルバーによりプレ分散を行った。次いで、サンドミル分散機にて周速9m/秒の条件で30分間分散した。この分散液の全量を純水で638mlに仕上げて、ほぼ透明なシリカ分散液P−1を得た。得られたシリカ分散液P−1を、アドバンテックス東洋社製のTCP−10タイプのフィルターを用いてろ過を行った。なお、ここで得られたシリカ分散液P−1について、レーザー散乱法(マルバーン社製、ゼータサイザー1000)により測定したシリカ微粒子の平均粒径は37nmであった。
〔インク吸収層塗布液の調製〕
上記調製したシリカ分散液P−1の556mlを、40℃で攪拌しながらポリビニルアルコール(商品名:PVA235、(株)クラレ製)の8%水溶液を220ml加え、更に全体の液が1000mlになるように純水を加えて半透明状のインク吸収層塗布液を調製した。
〔記録用紙の作製〕
坪量が170g/m2の原紙の両面をポリエチレンで被覆したポリエチレンコート紙(インク吸収層塗設面側のポリエチレン中には8%のアナターゼ型酸化チタンを含有、またインク吸収層塗設面側には0.05g/m2のゼラチン下引き層、インク吸収層とは反対側の面側にはTgが約80℃のラテックス性ポリマー含むバック層を0.2g/m2として有する)に、上記インク吸収層塗布液をカーテンコーターにより湿潤膜厚150μm、塗布速度15m/分で塗布した。塗布後、5℃の冷風で乾燥させた後、40℃、相対湿度50%の環境下で24時間保存して記録用紙1−1を得た。
《記録用紙1−2〜1−14の作製》
表2に記載の各界面活性剤水溶液S−1〜S−7を調製し、上記作製した記録用紙1−1のインク吸収層塗設面上にバーコーターを用いて、表2に記載の付量となるようにして各界面活性剤水溶液をオーバーコートして記録用紙1−2〜1−14を作製した。
上記作製した記録用紙1−1〜1−14は、高い光沢性を示し、日本電色工業株式会社製変角光沢度計(VGS−1001DP)を用いて測定した60度光沢は42〜44%の範囲であった。
なお、上記記録用紙1−2〜1−14の作製に用いた各界面活性剤の詳細を、下記表1に示す。表1に記載の各界面活性剤の動的表面張力の測定は、0.3%の各界面活性剤水溶液を調製して、クルス社製のBP2を使用し、液温35℃条件で連続的に気泡を発生させて、最大泡圧法により20ms時の動的表面張力を求めた。
Figure 2005219369
《記録用紙の評価》
上記作製した各記録用紙について、下記の各評価を行った。
〔インク吸収性の評価〕
各記録用紙を、エプソン社製のインクジェットプリンターPM−800Cを用いて、緑のベタ画像を印字し、印字直後のベタ画像部分を指で擦って画像の乱れを目視評価し、下記の基準に従って、インク吸収性の評価を行った。
◎:指で擦っても、全く画像の乱れが認められない
○:指で擦ると、僅かに画像が乱れる認められるが、実用上問題ない品質である
△:指で擦ると、やや画像が乱れて汚れが認められるが、実用上許容の範囲にある
×:指で擦ると、明らかに画像の乱れと汚れが発生し、実用上許容範囲外の品質である
〔ドット拡大率の評価〕
(インク液1の調製)
以下の組成からなるブラックインクであるインク液1を調製した。
C.I.ダイレクトイエロー86 3質量部
C.I.リアクティブレッド180 2.6質量部
C.I.ダイレクトブルー199 2.5質量部
エチレングリコール 24質量部
プロピレングリコール 12質量部
2−メチル−2,4−ペンタンジオール 10質量部
S−8(表1に記載の界面活性剤) 0.05質量部
プロキセルGXL(アビシア社製) 0.1質量部
イオン交換水 45.75質量部
(インクジェット画像記録)
特開平11−99644号に記載の圧電性セラミックを用いたインクジェットヘッドにより、下記の条件で上記調製したインク液1を各記録用紙に、駆動周波数が30kHz、液滴量が7pl、記録密度が70dpi(dpi:2.54cm2当たりのドット数を表す)の出射条件で画像記録した。
(ドット拡大率の測定)
得られた記録画像中のドットを、CCDカメラを内蔵したマイクロスコープで拡大撮影し、30個のドット径を測定して平均値を求めた。この方法により測定した記録用紙1−1のドット径を1.0と定義し、各記録用紙のドット径との比を求めて、これをドット拡大率の尺度とした。
以上により得られた各評価結果を、表2に示す。
Figure 2005219369
表2に記載の結果より明らかなように、最大泡圧法により測定される0.3%水溶液の動的表面張力が、20m秒で60mN/m以下である界面活性剤を0.15〜2.5g/m2含有する本発明の記録用紙は、比較例に対し、良好なインク吸収性を有し、更にドット拡大率に優れていることが分かる。
実施例2
《記録用紙2−1の作製》
実施例1の記録用紙1−1の作製において、インク吸収層の塗布、乾燥条件を下記のように変更した以外は同様にして記録用紙2−1を作製した。
〔塗布、乾燥条件〕
インク吸収層塗布液を、支持体上にカーテンコーターを用いて湿潤膜厚150μm、塗布速度100m/分で塗布した後、直後に5℃に保たれた冷却ゾーンで冷却し、次いで段階的に3つの温湿度の乾燥ゾーン、第1乾燥ゾーン(25℃、相対湿度15%)、第2乾燥ゾーン(45℃、相対湿度25%)、第3乾燥ゾーン(50℃、相対湿度が25%)でそれぞれ乾燥風で順次乾燥し、次いで20〜25℃、相対湿度が40〜60%の雰囲気下で2分間調湿してロール状に巻き取り、記録用紙2−1を作製した。
《記録用紙2−2〜2−13の作製》
上記記録用紙2−1の作製において、各インク吸収層塗布液に、表3に記載の各界面活性剤を表3に記載の添加量となるように加えた以外は同様にして、記録用紙2−2〜2−13を作製した。
《記録用紙2−14〜2−16の作製》
上記記録用紙2−1の作製において、インク吸収層塗布液の調製に用いたシリカ分散液P−1の調製時に、ホウ酸2.6gおよびホウ砂1.8gを溶解した水溶液の添加量を下記の様に変更し、更にリン酸緩衝溶液を用いてシリカ分散液P−1のpHを4.5に調整した以外は同様にして各シリカ分散液P−1を調製して用いた。更に、インク吸収層塗布液に、界面活性剤S−4をインク吸収層塗布液中の濃度として0.3%添加した以外は同様にして、記録用紙2−14〜2−16を作製した。なお、ここで得られた各シリカ分散液P−1に含まれるシリカ粒子の平均粒径を、レーザー散乱法(マルバーン社製ゼータサイザー1000)により測定した結果、36〜38nmの範囲であった。
記録用紙2−14:50ml
記録用紙2−15:30ml
記録用紙2−16:15ml
《各インク吸収層塗布液の粘度測定》
上記記録用紙2−1〜2−16の作製に用いた各インク吸収層塗布液について、40℃および15℃における粘度を東機産業(株)社製のB型粘度計により測定し、得られた各粘度結果を、表3に示す。
《各記録用紙の評価》
上記作製した各記録用紙について、実施例1記載の方法と同様にして、インク吸収性、光沢度及びドット拡大率の評価と、下記の方法に従ってひび割れ耐性の評価を行い、得られた各評価結果を、表3に示す。
〔ひび割れ耐性の評価〕
各記録用紙のインク吸収層面側の10×10cm2について、ルーペを用いて5μm以上の大きさのひび割れの発生個数を計測し、下記の基準に従ってひび割れ耐性の評価を行った。なお、塗膜品位上の許容限界レベルを△、実用上許容範囲外を×とした。
◎:5μm以上の大きさのひび割れの発生が全くない
○:5μm以上の大きさのひび割れの発生個数が1〜3個
△:5μm以上の大きさのひび割れの発生個数が4〜9個
×:5μm以上の大きさのひび割れの発生個数が10個以上
Figure 2005219369
表3に記載の結果より明らかなように、最大泡圧法により測定される0.3%水溶液の動的表面張力が、20m秒で60mN/m以下である界面活性剤を0.15〜2.5g/m2含有する本発明の記録用紙は、比較例に対し、良好なインク吸収性とドット拡大率を有し、更にひび割れ耐性に優れていることが分かる。その中でも特に、40℃における粘度が10〜300mPa・sで、15℃における粘度が40℃における粘度の40倍以上であるインク吸収層塗布液を用いて作製した記録用紙が、よりその効果が高いことが分かる。
実施例3
実施例1で調製したインク液1の界面活性剤を、表4に記載の各界面活性剤に変更した以外同様にして調製したインク液2〜5を調製した。この各インクと実施例2で作製した記録用紙2−5、2−7を表4に記載の組み合わせで画像3−1〜3−5を印字し、実施例1に記載の方法と同様にしてドット拡大率とインク吸収性の評価を行った。なお、各インク液の吐出条件は、各インク液において液滴量が7plになるようにヘッド駆動エネルギーを調整して行った。
また、各画像の形成に用いた記録用紙の作製あるいはインク液の調製に使用した各界面活性剤の0.3%水溶液について、最大泡圧法により20m秒で測定した動的表面張力(mN/m)を測定し、記録用紙の作製に用いた界面活性剤の動的表面張力をTp、インク液の調製に用いた界面活性剤の動的表面張力をTiとして求め、更にその比率Ti/Tpを算出し、その結果を表4に示す。
Figure 2005219369
表4に記載の結果より明らかなように、Ti/Tp>0.8で、かつ記録用紙に用いる界面活性剤のTpが、60mN/m以下である条件で行った本発明のインクジェット記録方法は、比較例に対し、ドット拡大率が高まり、良好なインク吸収性も維持されることが分かる。
実施例4
実施例1〜3に記載の方法において、各記録用紙の作製で用いた親水性バインダーを、ポリビニルアルコール(商品名:PVA235、(株)クラレ製)に代えて、下記方法で合成した紫外線重合型ポリビニルアルコール(PVA−H)の8%水溶液を用いた以外は同様にしてインク吸収層塗布液を調製し、記録用紙1−1〜1−14、記録用紙2−1〜2−16と同様の方法で塗布した。次いで、塗布直後に365nmに主波長を持つメタルハライドランプに300nm以下の波長をカットするフィルター(岩崎電気(株)製:365フィルター)を装着し、照度100mW/cm2、エネルギー量30mJ/cm2の条件で紫外線を照射した後、同様の方法で塗布乾燥した以外は同様にして、光架橋型高分子をバインダーとして用いた各記録用紙を作製した。
(紫外線重合型ポリビニルアルコール(PVA−H)の調製)
特開2000−181062号に記載の方法に従って、重合度3000、ケン化度88%のポリビニルアルコールに、p−(3−メタクリロキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシ)ベンズアルデヒドを反応させた後、光重合開始剤(日本化薬製、カヤキュアQTX)をポリビニルアルコールに対し1.8質量%添加して、架橋基変性率1mol%、固形分濃度8質量%の紫外線重合型ポリビニルアルコール水溶液を調製した。
上記のようにして作製した各架橋型高分子をバインダーとして用いた記録用紙について、実施例1〜3に記載の方法と同様にして、各特性の評価を行った結果、実施例1〜3に記載の結果と同様に、本発明で規定する構成からなる記録用紙、あるいは本発明のインクジェット記録方法は、比較例に対し、インク吸収性、ドット拡大率、光沢度が良好で、かつひび割れ耐性に優れていることを確認することができた。
また、上記の評価の中で、インク吸収層を形成するインク吸収層塗布液の剛体振り子により測定される弾性率が、電離放射線照射により1.5倍以上になる条件を満たすインクジ吸収層塗布液を用いて作製した記録用紙が、より好ましい特性を有していることを併せて確認することができた。

Claims (11)

  1. 支持体上に、少なくとも無機微粒子と親水性バインダーを含有するインク吸収層を有する空隙型インクジェット記録用紙において、該インク吸収層が、最大泡圧法により測定される0.3%水溶液の動的表面張力が、20m秒で60mN/m以下である界面活性剤を0.15〜2.5g/m2含有することを特徴とする空隙型インクジェット記録用紙。
  2. 前記無機微粒子が、平均粒径が100nm以下の気相法シリカであることを特徴とする請求項1に記載の空隙型インクジェット記録用紙。
  3. 支持体上に、少なくとも無機微粒子と親水性バインダーを含有するインク吸収層塗布液を、塗布、乾燥して製造する空隙型インクジェット記録用紙の製造方法において、該インク吸収層塗布液が、最大泡圧法により測定される0.3%水溶液の動的表面張力が、20m秒で60mN/m以下である界面活性剤を0.15〜1.5質量%含有することを特徴とする空隙型インクジェット記録用紙の製造方法。
  4. 前記無機微粒子が、平均粒径が100nm以下の気相法シリカであることを特徴とする請求項3に記載の空隙型インクジェット記録用紙の製造方法。
  5. 前記インク吸収層を形成するインク吸収層塗布液の40℃における粘度Aが10〜300mPa・sであり、かつ15℃における粘度Bが該粘度Aの40倍以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の空隙型インクジェット記録用紙。
  6. 前記インク吸収層を形成するインク吸収層塗布液の剛体振り子により測定される弾性率が、電離放射線照射により1.5倍以上になることを特徴とする請求項1または2に記載の空隙型インクジェット記録用紙。
  7. 前記インク吸収層塗布液の40℃における粘度Aが10〜300mPa・sであり、かつ15℃における粘度Bが該粘度Aの40倍以上であることを特徴とする請求項3または4に記載の空隙型インクジェット記録用紙の製造方法。
  8. 前記インク吸収層塗布液の剛体振り子により測定される弾性率が、電離放射線照射により1.5倍以上になることを特徴とする請求項3または4に記載の空隙型インクジェット記録用紙の製造方法。
  9. 最大泡圧法で測定される0.3%水溶液の動的表面張力が、20m秒でTp(mN/m)である界面活性剤を含有する空隙型インクジェット記録用紙と、最大泡圧法で測定される0.3%水溶液の動的表面張力が、20m秒でTi(mN/m)である界面活性剤を含有するインクジェットインクとを用いたインクジェット記録方法であって、Ti/Tp>0.8で、かつ該空隙型インクジェット記録用紙に用いる該界面活性剤のTpが、60mN/m以下であることを特徴とするインクジェット記録方法。
  10. 前記空隙型インクジェット記録用紙が、請求項1、2、5または6に記載の空隙型インクジェット記録用紙であることを特徴とする請求項9に記載のインクジェット記録方法。
  11. 前記空隙型インクジェット記録用紙が、請求項3、4、7または8に記載の空隙型インクジェット記録用紙の製造方法で製造された空隙型インクジェット記録用紙であることを特徴とする請求項9に記載のインクジェット記録方法。
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