JP2005254656A - 空隙型インクジェット記録用紙及びその製造方法 - Google Patents

空隙型インクジェット記録用紙及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 本発明の目的は、高いインク吸収性を有し、ブロンジング耐性、光沢に優れた高品位な画像が得られる空隙型インクジェット記録用紙及びその製造方法を提供する。
【解決手段】 支持体上に、少なくとも、孤立シラノール基の比率が5.5以下のシリカ、またはアルミナでドープされた気相法シリカと、親水性バインダー及びカチオン定着剤を含有するインク吸収層を有し、更に沸点が100℃以上で、かつ表面張力が40mN/m以下の溶媒を含有することを特徴とする空隙型インクジェット記録用紙。
【選択図】 なし

Description

本発明は、高いインク吸収性を有し、高光沢でブロンジングの発生がない高品位な画像が得られる空隙型インクジェット記録用紙及びその製造方法に関する。
近年、インクジェット記録は急速に画質が向上し、写真画質に迫りつつあるが、更に、最終的なプリント品質と形成された画像の保存性については、インクジェット記録用紙に対する技術改良が望まれている。
このような高画質を達成するインクジェット記録用紙の例の1つとして、支持体上に親水性バインダーを主として構成される膨潤型インク吸収層を有するインクジェット記録用紙があり、このようなインクジェット記録用紙は記録後に写真に近い風合いを与える。しかしながら、一方でインクジェット記録方法の高速化が進み、インクジェット記録用紙には高インク吸収性や速乾燥性も求められているが、上述の膨潤型インク吸収層を有するインクジェット記録用紙は、インク吸収速度が遅く、高速記録した場合にインク液滴同士の合一等により画像がマダラ状になる画像欠陥が起こりやすい。更に、プリント後、特に高湿下の保存した際には、形成した画像においてインクが滲みやすい欠点も有している。
上記のような問題点を克服するため、主に、少量の親水性バインダー、多量の無機微粒子、架橋剤及びカチオン性染料定着剤で構成される多孔質な空隙層からなるインク吸収層を設けることにより、インク吸収速度と滲み耐性を向上させたインクジェット記録用紙が知られている。この空隙型のインクジェット記録用紙で用いられる無機微粒子としては、平均粒径が1μm程度の粒子を使用するものと、平均粒径が100nm以下の無機微粒子を使用したものがある。
無機微粒子として1μm程度の粒子を使用したものは、インクの吸収性が非常に良いものの、インク吸収層の表面の平滑性が悪く、低光沢である。一方、平均粒径が100nm以下の無機微粒子を使用した場合、インクの吸収性が良いことに加え、インク吸収層表面の平滑性が高く、高光沢で写真に近い風合いを与えるインクジェット記録用紙を得ることができる。
このような空隙型のインクジェット記録用紙の一例として、無機微粒子としてシリカを用い、親水性バインダーとしてポリビニルアルコールと、架橋剤として硼酸又はその塩からなる塗布液において、低温下における増粘効果を付与した塗布液の例が示されている(例えば、特許文献1及び2参照。)。この塗布液の特性を利用して、塗布液を支持体上に塗布し冷却増粘させた後、比較的高温(約20〜60℃)の強い風を吹き付けて乾燥することができ、高い空隙量を有するインク吸収層により良好なプリント濃度を得ることができる。
しかしながら一方で、上述の構成を有する空隙型のインクジェット記録用紙においては、ある程度光沢感のあるプリント画像が得られるが、銀塩写真に比較すると未だ光沢としては不十分であり、またブロンジングの発生を引き起こすという課題を抱えていた。より高い光沢を得る為に、カレンダー処理等により平滑性を高める手段も知られているが、十分な光沢性が得られる程度にカレンダー処理等を施すと形成された空隙構造が潰れ、インク吸収性の低下を招く結果となり、早急な改良手段の開発が望まれている。
特開平10−119423号公報 特開2000−218927号公報
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、その目的は、高いインク吸収性を有し、ブロンジングの発生がない高光沢で高品位な画像が得られるる空隙型インクジェット記録用紙及びその製造方法を提供する。
本発明の上記目的は、以下の構成により達成される。
(請求項1)
支持体上に、少なくとも、孤立シラノール基の比率が5.5以下のシリカ、またはアルミナでドープされた気相法シリカと、親水性バインダー及びカチオン定着剤を含有するインク吸収層を有し、更に沸点が100℃以上で、かつ表面張力が40mN/m以下の溶媒を含有することを特徴とする空隙型インクジェット記録用紙。
(請求項2)
支持体上に、少なくとも、孤立シラノール基の比率が5.5以下のシリカ、またはアルミナでドープされた気相法シリカと、親水性バインダー及びカチオン定着剤を含有するインク吸収層を有し、更に沸点が100℃以上で、かつ表面張力が30mN/m以上、40mN/m以下の溶媒を1.2g/m2以上、3.0g/m2以下含有することを特徴とする空隙型インクジェット記録用紙。
(請求項3)
支持体上に、少なくとも、孤立シラノール基の比率が5.5以下のシリカ、またはアルミナでドープされた気相法シリカと、親水性バインダー及びカチオン定着剤を含有するインク吸収層を有し、更に沸点が100℃以上で、かつ表面張力が30mN/m未満の溶媒を0.4g/m2以上、3.0g/m2以下含有することを特徴とする空隙型インクジェット記録用紙。
(請求項4)
前記孤立シラノール基の比率が5.5以下のシリカ、またはアルミナでドープされた気相法シリカの平均粒径が、10nm以上、60nm以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の空隙型インクジェット記録用紙。
(請求項5)
前記インク吸収層を形成するインク吸収層塗布液が、40℃における粘度Aが10〜300mPa・sであり、15℃における粘度Bが該粘度Aの40倍以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の空隙型インクジェット記録用紙。
(請求項6)
前記インク吸収層を形成するインク吸収層塗布液の剛体振り子により測定される弾性率が、電離放射線照射により1.5倍以上になることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の空隙型インクジェット記録用紙。
(請求項7)
少なくとも、孤立シラノール基の比率が5.5以下のシリカ、またはアルミナでドープされた気相法シリカと、親水性バインダー及びカチオン定着剤を含有し、更に沸点が100℃以上で、かつ表面張力が30mN/m以上、40mN/m以下の溶媒を0.8質量%以上、3.0質量%以下含有するインク吸収層塗布液を、支持体上に塗布、乾燥して製造することを特徴とする空隙型インクジェット記録用紙の製造方法。
(請求項8)
少なくとも、孤立シラノール基の比率が5.5以下のシリカ、またはアルミナでドープされた気相法シリカと、親水性バインダー及びカチオン定着剤を含有し、更に沸点が100℃以上で、かつ表面張力が30mN/m未満の溶媒を0.3質量%以上、3.0質量%以下含有するインク吸収層塗布液を、支持体上に塗布、乾燥して製造することを特徴とする空隙型インクジェット記録用紙の製造方法。
(請求項9)
前記孤立シラノール基の比率が5.5以下のシリカ、またはアルミナでドープされた気相法シリカの平均粒径が、10nm以上、60nm以下であることを特徴とする請求項7または8に記載の空隙型インクジェット記録用紙の製造方法。
(請求項10)
前記インク吸収層塗布液が、40℃における粘度Aが10〜300mPa・sであり、15℃における粘度Bが該粘度Aの40倍以上であることを特徴とする請求項7〜9のいずれか1項に記載の空隙型インクジェット記録用紙の製造方法。
(請求項11)
前記インク吸収層塗布液の剛体振り子により測定される弾性率が、電離放射線照射により1.5倍以上になることを特徴とする請求項7〜9のいずれか1項に記載の空隙型インクジェット記録用紙の製造方法。
本発明によれば、高いインク吸収性を有し、ブロンジングの発生がない高光沢で高品位な画像が得られる空隙型インクジェット記録用紙及びその製造方法を提供することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
光沢性の向上と高いインク吸収性の両立に関し、少なくとも無機微粒子、親水性バインダーと、沸点が水より高く、表面張力が40mN/m以下の溶媒を添加したインク吸収塗布液を支持体上に塗布、乾燥することにより得られる空隙型インクジェット記録用紙において達成することが可能となり、更にブロンジング抑制の効果も得られることが最近の本発明者の検討により明らかとなった。しかしながら、その後の検討にで、上記溶媒の添加量に応じてインク吸収層が失透することが判明し、その結果、印字された画像濃度が低下する欠点を有していることが判明した。
本発明者は、上記課題に関し鋭意検討を続けた結果、支持体上に、少なくとも、孤立シラノール基の比率が5.5以下のシリカ、またはアルミナでドープされた気相法シリカと、親水性バインダー及びカチオン定着剤を含有するインク吸収層に、更に、1)沸点が100℃以上で、かつ表面張力が40mN/m以下の溶媒を含有すること、2)沸点が100℃以上で、かつ表面張力が30mN/m以上、40mN/m以下の溶媒を1.2g/m2以上、3.0g/m2以下含有すること、または3)沸点が100℃以上で、かつ表面張力が30mN/m未満の溶媒を0.4g/m2以上、3.0g/m2以下含有するインクジェット記録用紙により、高いインク吸収性を有し、ブロンジングの発生がない高光沢で高品位な画像が得られることを見出し、本発明に至った次第である。
本発明で規定する構成からなるインクジェット記録用紙により、ドット径が向上する効果があることに関して明確な解釈には至っていないが、次のように考えている。シリカ表面に存在する孤立シラノールは活性が高く、カチオン定着剤とのイオン結合性が高い。従い、孤立シラノール基が少ない程、膜中でのフリーなカチオン成分が多いため、アニオン性染料の定着性に優れるものと考えている。特に、アルミ修飾された気相法シリカにおいては、孤立シラノールの低減効果と修飾成分がカチオンである為に染料定着効率が高いものと考えている。
以下、本発明の詳細について説明する。
本発明のインクジェット記録用紙(以下、単に記録用紙ともいう)においては、インク吸収層が、無機微粒子として、孤立シラノール基の比率が5.5以下のシリカ、またはアルミナでドープされた気相法シリカを含有していることを1つの特徴とする。
本発明に係る孤立シラノール基の比率が5.5以下のシリカとは、下記の気相法シリカまたは湿式シリカを示す。
気相法シリカとは、四塩化ケイ素を酸素/水素のバーナー中、1000℃以上の高温下で加水分解する製法に代表されるシリカで、例えば、日本アエロジル社のアエロジルが市販されている。孤立シラノール基比率は、後述する気相法シリカの含水率を変化させることで調整することができるが、本発明においては、気相法シリカの孤立シラノール基の比率を5.5以下にコントロールする方法としては、気相法シリカに水蒸気を吹き付けることで調整することが好ましい。
水蒸気を吹き付ける方法は、気相法シリカを搬送しながら連続的に水蒸気を吹き付ける方法、気相法シリカを密閉バッチに投入しエアレーションしながら、水蒸気を吹き付ける方法がある。また、気相法シリカを湿度20〜60%で3日以上保存して気相法シリカの含水率を調整することも好ましい。
本発明に係る気相法シリカの含水率は1.5〜5.0%が好ましく、1.5%未満ではシリカ分散液の粘度が上昇し、後工程のハンドリングに、悪影響を及ぼし、5.0%を超えると気相法シリカ同士が凝集し分散しにくくなる。
気相法シリカの含水率は、以下の式で求めることができる。
120℃、24時間乾燥した後の気相法シリカの質量をB、乾燥前の気相法シリカの質量をAとしたとき、
気相法シリカの含水率(%)=((A−B)/A)×100
で求めることができる。
本発明に係る気相法シリカにおいて、前記方法により調整される孤立シラノール基比率は5.5以下である必要があり、好ましくは1.0〜4.5の範囲である。孤立シラノール基比率が5.5以下であれば、本発明の構成においてブロンジングの抑制と良好なプリント濃度の両立が可能である。また、孤立シラノール基比率が1.0以上であれば十分なインク吸収速度を得ることができる。
本発明でいう孤立シラノール基比率は、FT−IRを用いて求めることができる。
具体的には、気相法シリカを120℃、24時間乾燥し、乾燥させた気相法シリカのFT−IR測定を行う。Si−OHに起因する3750cm-1の吸光度、Si−O−Siに起因する1870cm-1の吸光度を求め、以下の式で求められる値を孤立シラノール基比率とした。
孤立シラノール基比率(以下、IR比ともいう)=(3750cm-1の吸光度/1870cm-1の吸光度)
次に、本発明に係る湿式シリカについて説明する。
本発明で用いることのできる湿式シリカとは、珪酸ソーダを原料として沈降法またはゲル法により合成されたものであり、例えば、沈降法による(株)トクヤマのファインシールが市販されており、ゲル法によるシリカとしては、例えば、日本シリカ工業(株)のNIPGELが市販されている。湿式シリカは一般に3〜7%の吸着水を含んでおり、孤立シラノール基比率はほぼ0である。
次いで、アルミナでドープされた気相法シリカ(以下、アルミナドープシリカともいう)について説明する。
本発明に係るアルミナドープシリカとは、例えば、特開2000−118124号公報に記載される方法により製造される粒子であり、例えば、日本アエロジル社製のMOX170が市販されている。
アルミナドープシリカを製造する方法としては、例えば、AlCl3を含む溶液中にシリカ粒子を入れて、その表面に溶液をコーティングし、その後、乾燥、焼成する方法(溶液法)や、アルミニウム及びケイ素の化合物をガス化し、その混合ガスを火炎中で反応させて混合酸化物を得る方法(火炎加水分解法)、またはガス化したケイ素化合物(典型的には、SiCl4などのハロゲン化物)をフレーム(火炎)中に送り、アルミニウム化合物、例えばAlCl3を含むエアロゾルと反応させた後ガスから分離する等の方法により得ることができる。
本発明に係る孤立シラノール基の比率が5.5のシリカまたはアルミナでドープされた気相法シリカの平均粒径は60nm以下であることが好ましく、50nm以下であることがより高い光沢性とプリント濃度を得る為に好ましい。また、平均粒径の下限は、シリカ粒子を安定した製造増条件で得る観点から10nm以上が好ましい。
上記各無機微粒子の平均粒径は、空隙層の断面や表面を電子顕微鏡で観察し、100個の任意の粒子の粒径を求め、その単純平均値(個数平均)として求められる。ここで個々の粒径は、その投影面積に等しい円を仮定した時の直径で表したものである。
本発明に用いられる孤立シラノール基の比率が5.5のシリカまたはアルミナでドープされた気相法シリカの使用量は、記録用紙1m2当たり概ね3〜30g、好ましくは5〜25gである。
また、上記各無機微粒子の分散には、高圧ホモジナイザー、高速撹拌分散機、サンドミル、超音波分散機等を用いることが出来るが、本発明においてはサンドミルが好ましい。
本発明の記録用紙においては、1)沸点が100℃以上で、かつ表面張力が40mN/m以下の溶媒を含有すること、2)沸点が100℃以上で、かつ表面張力が30mN/m以上、40mN/m以下の溶媒を1.2g/m2以上、3.0g/m2以下含有すること、または3)沸点が100℃以上で、かつ表面張力が30mN/m未満の溶媒を0.4g/m2以上、3.0g/m2以下含有することを特徴とする。
本発明において、沸点が100℃以上で、かつ表面張力が40mN/m以下の溶媒であれば特に限定されるものではなく使用することが可能である。表面張力は、市販の表面張力計を用いて測定して求めることができ、本発明においてはCBVP式表面張力計(協和科学(株)製)を用いて、25℃における表面張力の値を測定した。40mN/m以下の表面張力を示す溶媒の例としては、イソペンチルアルコール、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテルなどのアルコール類やジメチルフォルムアミド、乳酸エチルなどが挙げられる。特にひび割れが起きにくい点において好ましい溶媒は1,2−ペンタンジオールと1,2−ヘキサンジオールである。
本発明においては、本発明に係る溶媒のインク吸収層中の含有量は、表面張力が30mN/m以上、40mN/m以下の溶媒を1.2g/m2以上、3.0g/m2以下、または表面張力が30mN/m未満の溶媒を0.4g/m2以上、3.0g/m2以下含有することがブロンジングの抑制効果が得られる点で好ましい。この含有量範囲よりも少ない場合にはブロンジング抑制効果が低く、逆に多い場合には十分なインク吸収性を得にくい。また、ブロンジング抑制効果を得る為には、記録用紙の塗布、乾燥過程及び乾燥後に前記表面張力の溶媒が残存している必要がある観点から、この溶剤の沸点は少なくとも水以上、すなわち100℃以上である必要がある。
また、高速塗布時においても十分な光沢性を得るためには、前記溶媒の塗布液中での濃度が重要であり、表面張力が30mN/m以上、40mN/m以下の溶媒を0.8質量%以上、3.0質量%以下、または表面張力が30mN/m未満の溶媒を0.3質量%以上、3.0質量%以下の範囲が高い光沢性が得られる点で好ましい。この添加量範囲よりも少ない場合には光沢発現効果が低く、多い場合には十分なインク吸収性を得にくい。
次いで、本発明に係る親水性バインダーについて説明する。
本発明に係るインク吸収層が含有する親水性バインダーとしては、特に制限は無く、従来公知の親水性バインダーを用いることができ、その一つとしては、例えば、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキサイド、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール等を用いることができるが、バインダーの吸湿特性が比較的小さく、記録用紙のカールがより小さい観点、及び少量の使用で無機微粒子のバインダー能力が高くひび割れや膜付き性が優れている観点から、ポリビニルアルコールが特に好ましい。
本発明に好ましく用いられるポリビニルアルコールとしては、ポリ酢酸ビニルを加水分解して得られる通常のポリビニルアルコールの他に、末端をカチオン変性したポリビニルアルコールやアニオン性基を有するアニオン変性ポリビニルアルコール等の変性ポリビニルアルコールも含まれる。
酢酸ビニルを加水分解して得られるポリビニルアルコールは、平均重合度が300以上のものが好ましく用いられ、特に平均重合度が1,000〜5,000のものが好ましく用いられ、ケン化度は70〜100%のものが好ましく、80〜99.8%のものが特に好ましい。
カチオン変性ポリビニルアルコールとしては、例えば、特開昭61−10483号に記載されるような、第1〜3級アミノ基や第4級アミノ基を上記ポリビニルアルコールの主鎖または側鎖中に有するポリビニルアルコールであり、これらはカチオン性基を有するエチレン性不飽和単量体と酢酸ビニルとの共重合体をケン化することにより得られる。
カチオン性基を有するエチレン性不飽和単量体としては、例えば、トリメチル−(2−アクリルアミド−2,2−ジメチルエチル)アンモニウムクロライド、トリメチル−(3−アクリルアミド−3,3−ジメチルプロピル)アンモニウムクロライド、N−ビニルイミダゾール、N−メチルビニルイミダゾール、N−(3−ジメチルアミノプロピル)メタクリルアミド、ヒドロキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド、トリメチル−(3−メタクリルアミドプロピル)アンモニウムクロライド等が挙げられる。
カチオン変性ポリビニルアルコールのカチオン変性基含有単量体の比率は、酢酸ビニルに対して0.1〜10モル%、好ましくは0.2〜5モル%である。
アニオン変性ポリビニルアルコールとしては、例えば、特開平1−206088号に記載されているアニオン性基を有するポリビニルアルコール、特開昭61−237681号及び同63−307979号に記載されているビニルアルコールと水溶性基を有するビニル化合物との共重合体、及び特開平7−285265号に記載されている水溶性基を有する変性ポリビニルアルコールが挙げられる。
また、ノニオン変性ポリビニルアルコールとしては、例えば、特開平7−9758号に記載されているポリアルキレンオキサイド基をビニルアルコールの一部に付加したポリビニルアルコール誘導体、特開平8−25795号に記載されている疎水性基を有するビニル化合物とビニルアルコールとのブロック共重合体等が挙げられる。
ポリビニルアルコールは、重合度や変性の種類の違いなど、2種類以上を併用することもできる。特に、重合度が2,000以上のポリビニルアルコールを使用する場合には、予め無機微粒子に対して0.05〜10質量%、好ましくは0.1〜5質量%添加してから、重合度が2,000以上のポリビニルアルコールを添加すると、著しい増粘が無く好ましい。
インク吸収層の親水性バインダーに対する無機微粒子の比率は、質量比で2〜20であることが好ましい。質量比が2倍以上であれば、充分な空隙率の多孔質膜が得られ、充分な空隙容量を得やすくなり、維持できる親水性バインダーによるインクジェット記録時の膨潤によって空隙を塞ぐ状況を招かず、高インク吸収速度を維持できる要因となる。一方、この比率が20倍以下であれば、インク吸収層を厚膜で塗布した際、ひび割れが生じにくくなる。特に好ましい親水性バインダーに対する無機微粒子の比率は2.5〜12倍、最も好ましくは3〜10倍である。
また、本発明に係るインク吸収層で用いることのできる親水性バインダーとして、電離放射線により架橋する高分子化合物を挙げることができる。
本発明のインクジェット記録用紙に用いられる電離放射線により架橋する高分子化合物とは、紫外線、電子線等の電離放射線の照射により、反応を起こして架橋反応をする水溶性の親水性バインダーであり、架橋反応前には水溶性であるが、架橋反応後には実質的に非水溶性となる樹脂である。
このような樹脂としては、ポリ酢酸ビニルのケン化物、ポリビニルアセタール、ポリエチレンオキサイド、ポリアルキレンオキサイド、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、または前記親水性バインダーの誘導体、ならびにこれらの共重合体からなる群より選ばれる少なくとも一種であるか、またはその親水性樹脂に、光二量化型、光分解型、光重合型、光変性型、光解重合型などの変性基により変性したものである。
電離放射線による高分子化合物の具体的架橋手段として、特開2002−160439号公報には高分子化合物としてポリビニルアルコール、ポリエチレンオキサイド、ヒドロキシプロピルセルロースを用い、電離放射線として電子線を用いた架橋手段が示されている。電子線により親水性樹脂を架橋させる場合、一般に無機微粒子の方が親水性バインダーや溶媒の水よりも比重が高いため、電子線照射量が親水性バインダーや溶媒に対して供給過剰であり、塗膜中の水分が瞬時に蒸発して気泡となり塗膜表面を荒らしたり、また塗膜深部に対しては照射量が不足し、架橋密度に勾配が生じ、表面のみ硬い塗膜になり、その結果、カール耐性を著しく損なうという問題を引き起こす。更に、電子線照射に際しては、雰囲気の酸素濃度が高いと効果が妨げられるという課題があり、窒素、ヘリウム等の不活性ガスにより照射ゾーンにおいて置換を行い、酸素濃度を400ppm以下程度まで保つ必要があり、工程適性上好ましくない。また、特開平9−263038号公報では、乾燥前に塗膜をゲル化させる方法として、主に無機ゾルと電離放射線硬化性のモノマー/オリゴマーからなる塗工液を塗工後に電離放射線を照射して該化合物を硬化させる工程を経た後、塗膜を乾燥してインク受容層を形成する方法を提案しているが、この方法では比較的高密度で緻密な三次元架橋をした膜を形成してしまうため、塗膜の折れ割れ耐性が悪いという新たな課題が生じた。また、一般的に電離放射線硬化型のモノマー/オリゴマー等は比較的低分子量であり皮膚刺激性が強いものが多く、未反応成分による印画品質への悪影響や安全性の面で懸念される点が多い。更に、上市されているほとんどの化合物は、親水性が低いためインクジェット吸収層の塗布に一般的な水系塗布は適さず、おのずと材料選択の幅が極端に狭くなる。
以上のような課題を考慮すると、本発明に係る電離放射線により架橋する高分子化合物としては、直鎖に複数の側鎖を有し重合度が300以上の高分子化合物が好ましく、特に好ましくはその親水性樹脂に、光二量化型、光分解型、光重合型、光変性型、光解重合型などの変性基により変性したものである。中でも、光二量化型、光重合型の変性基により変性した親水性樹脂が、感度または樹脂自身の安定性、更にひび割れが生じにくいバインダー特性が得られる観点から好ましい。
光二量化型の変性基としては、ジアゾ基、シンナモイル基、スチルバゾニウム基、スチルキノリウム基を導入したものが好ましく、光二量化後アニオン染料等の水溶性染料により染色される樹脂が好ましい。このような樹脂としては、例えば、一級アミノ基ないし4級アンモニウム基等のカチオン性基を有する樹脂、例えば、特開昭62−283339号、特開平1−198615号、特開昭60−252341号、特開昭56−67309号、特開昭60−129742号等の各公報に記載された感光性樹脂(組成物)、硬化処理によりアミノ基になるアジド基のような硬化後カチオン性になる樹脂、例えば、特開昭56−67309号等の公報に記載された感光性樹脂(組成物)が挙げられる。
本発明においては、電離放射線により架橋する親水性樹脂が、光エネルギー硬化性ポリビニルアルコールであることが好ましい。
具体的には、例えば、以下のような化合物が挙げられるが、本発明はこれらの化合物のみに限定されるものではない。
特開昭56−67309号公報に記載の感光性樹脂は、ポリビニルアルコール構造体中に、下記式(I)
Figure 2005254656
で表される2−アジド−5−ニトロフェニルカルボニルオキシエチレン構造、又は、下記式(II)
Figure 2005254656
で表される4−アジド−3−ニトロフェニルカルボニルオキシエチレン構造を有する樹脂組成物である。
感光性樹脂の具体例は、該公報中の実施例1、2に、また感光性樹脂の構成成分及びその使用割合は該公報第2頁に記載されている。
また、特開昭60−129742号公報には、感光性樹脂としてポリビニルアルコール構造体中に、下記式(III)、式(IV)
Figure 2005254656
の構造を有する樹脂組成物が挙げられている。
本発明においては、電離放射線により架橋する親水性樹脂の中でも、光重合型の変性基としては、例えば、特開2000−181062号公報に開示されている下記一般式(A)で示される構成単位を有するポリ酢酸ビニルケン化物が、反応性との観点から好ましい。
Figure 2005254656
上記一般式(A)において、R1は水素原子またはメチル基を表し、Yは芳香族環または単なる結合手を表し、Xは、−(CH2m−COO−、−O−CH2−COO−または−O−を表し、mは0〜6の整数、nは1または2を表す。
本発明に係る親水性の親水性樹脂において、重合度や架橋密度は皮膜形成時の強度や柔軟性に影響し、重合度が低かったり架橋変性基が多すぎたりすると塗布乾燥時のひび割れや乾燥塗膜の折れ割れといった故障が生じてしまう。従って、前記一般式(A)で示される構成単位を有するポリ酢酸ビニルケン化物を含む親水性の高分子化合物においては、重合度は300以上であることが好ましく、400〜5000であることがより好ましく、1000〜4000であることが更に好ましい。また、セグメントに対する電離放射線反応架橋基の変性率が4mol%以下であることが好ましく、より好ましくは0.01〜1mol%である。
また、本発明に係る電離放射線により架橋する親水性バインダーとして、市販品として容易に入手することができ、例えば、日本化薬:SR−230(ジエチレングリコールジアクリレート)、日本化薬製:カラヤッドPEG400DA、カラヤッドR−167、PET−30、サートマーSR−230、サートマーSR−268、サートマーSR−344、サートマーSR−444、新中村化学製:NKエステル−A200、NKエステルA−400、NKエステルA−600、NKエステルA−TMM−3、NKエステルATMM−3−L、東亞合成製:アロニックスM−240、アロニックスM−245、アロニックスM−205、アロニックスM−210など、市販の紫外線架橋型モノマーを称されている化合物が挙げられる。
本発明において、前記電離放射線により重合された高分子化合物を含む親水性バインダーの好ましい使用量は、無機微粒子に対する質量比として1/3〜1/15、より好ましい範囲は1/3〜1/7である。この範囲であれば本発明に必要な60%以上の空隙体積率を有し、かつひび割れの問題が起きにくいインク吸収層が得られる。
本発明においては、電離放射線により重合された高分子化合物を含む親水性バインダーと共に、光開始剤や増感剤を添加することが好ましい。これらの化合物は、溶媒に溶解、または分散した状態、もしくは上記高分子化合物を含む親水性バインダーに対して化学的に結合されていてもよい。
適用される光開始剤、光増感剤については、特に制限はなく、従来公知の光開始剤あるいは光増感剤を用いることができ、例えば、ベンゾフェノン類(例えば、ベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、ビス−N,N−ジメチルアミノベンゾフェノン、ビス−N,N−ジエチルアミノベンゾフェノン、4−メトキシ−4′−ジメチルアミノベンゾフェノン等)、チオキサントン類(例えば、チオキサトン、2、4−ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、クロロチオキサントン、イソプロポキシクロロチオキサントン等)、アントラキノン類(例えば、エチルアントラキノン、ベンズアントラキノン、アミノアントラキノン、クロロアントラキノン等)、アセトフェノン類、ベンゾインエーテル類(例えば、ベンゾインメチルエーテル等)、2,4,6−トリハロメチルトリアジン類、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジ(m−メトキシフェニル)イミダゾール2量体、2−(o−フルオロフェニル)−4,5−フェニルイミダゾール2量体、2−(o−メトキシフェニル)−4,5−フェニルイミダゾール2量体、2−(p−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体、2,−ジ(p−メトキシフェニル)−5−フェニルイミダゾール2量体、2−(2,4−ジメトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体の2,4,5−トリアリールイミダゾール2量体、ベンジルジメチルケタール、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタン−1−オン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−1−プロパノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、フェナントレンキノン、9,10−フェナンスレンキノン、メチルベンゾイン、エチルベンゾイン等のベンゾイン類、アクリジン誘導体(例えば、9−フェニルアクリジン、1,7−ビス(9,9′−アクリジニル)ヘプタン等)、ビスアシルフォスフィンオキサイド及びこれらの混合物等が挙げられ、上記各化合物は単独で使用しても2種以上併用してもよい。
特に、水溶性の1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、チオキサントンアンモニウム塩、ベンゾフェノンアンモニウム塩等の水溶性開始剤が、混合性等に優れ架橋効率の観点からも好ましい。
これらの開始剤に加え、促進剤等を添加することもできる。これらの例として、p−ジメチルアミノ安息香酸エチル、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等が挙げられる。
次いで、本発明に係る電離放射線について説明する。電離放射線とは、例えば、電子線、紫外線、α線、β線、γ線、エックス線等が挙げられるが、人体への危険性や取り扱い性の観点から、工業的にもその利用が普及している電子線または紫外線が好ましい。
電子線の照射方法としては、例えば、スキャニング方式、カーテンビーム方式、ブロードビーム方式などがあるが、処理能力の観点からカーテンビーム方式が好ましい。
電子線の加速電圧は、塗膜の比重と膜圧により適時変化させることができるが、20kV〜300kVが適当である。電子線の照射量は0.1〜20Mradの範囲が好ましい。
更に、本発明の目的効果をより達成できる点からは、照射光源として紫外線が特に好ましい。紫外線の光源として、例えば、例えば、数百Paから100万Paまでの動作圧力を有する低圧、中圧、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ等が用いられるが、光源の波長分布という観点で高圧水銀灯、メタルハライドランプが好ましく、メタルハライドランプがより好ましい。また、300nm以下の波長光をカットするフィルターをもうけることが好ましい。ランプの出力としては400W〜30kW、照度としては10mW/cm2〜10kW/cm2、照射エネルギーとしては0.1mJ/cm2〜500mJ/cm2が好ましく、1mJ/cm2〜100mJ/cm2がより好ましい。
光源波長に300nm以下の紫外線が含まれない場合や、300nm以下の波長をフィルターにより低減した場合および照射エネルギーが500mJ/cm以下の場合には、電離放射線架橋性樹脂の母核、または共存させる各種添加剤を電離放射線により分解することが避けられ、また、分解物に由来するような臭気などの問題を起こす可能性も非常に少なく好ましい。更に照射エネルギーが0.1mJ/cm2以上であれば架橋効率が良好であり、本発明の効果が顕著に得られる。
紫外線照射の際の照度は、0.1mW/cm2〜1W/cm2が好ましい。照度が1W/cm2以下であれば、塗膜の表面硬化性は向上し、深部まで硬化し、均一に架橋された膜が得られる。その場合は、膜の深度方向の堅さも均質であり、カールなどが起こりにくく、好ましい。照度が10mW/cm2以上であれば、膜中の散乱等により架橋の不均一を避け、本発明の効果が得られ好ましい。
同一積算光量(mJ/cm2)を与える場合、照度に好ましい範囲があることは、その光の透過率が変化することに起因する。紫外線の透過性により、発生した架橋反応種の濃度分布が異なり、紫外線照度が高い場合、表層に高濃度の架橋反応種が発生し、塗膜表層に堅い緻密な膜が形成されてしまう。照度が好ましい範囲にある場合には、表層の架橋度合いも低く、深部方向への光透過性が高いため緩やかな架橋が深部方向へ均一に形成される。照度が低すぎる場合には、必要積算照度を与える場合に照射時間がかかってしまい、設備導入等の面で不利であるばかりでなく、塗膜による紫外線の散乱による絶対光線量が不足するため好ましくない。
次いで、本発明に係るインク吸収層に用いるカチオン定着剤について説明する。
本発明のインクジェット記録用紙には、染料インクによる画像記録後、長期保存における画像の滲みを防止する目的で、カチオン性ポリマーや多価金属化合物などのカチオン性定着剤を用いることが1つの特徴である。
カチオン性ポリマーの例としては、ポリエチレンイミン、ポリアリルアミン、ポリビニルアミン、ジシアンジアミドポリアルキレンポリアミン縮合物、ポリアルキレンポリアミンジシアンジアミドアンモニウム塩縮合物、ジシアンジアミドホルマリン縮合物、エピクロルヒドリン・ジアルキルアミン付加重合物、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド重合物、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド・SO2共重合物、ポリビニルイミダゾール、ビニルピロリドン・ビニルイミダゾール共重合物、ポリビニルピリジン、ポリアミジン、キトサン、カチオン化澱粉、ビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロライド重合物、(2−メタクロイルオキシエチル)トリメチルアンモニウムクロライド重合物、ジメチルアミノエチルメタクリレート重合物などが挙げられる。
また、化学工業時報平成10年8月15,25日に述べられるカチオン性ポリマー、三洋化成工業株式会社発行「高分子薬剤入門」に述べられる高分子染料固着剤が例として挙げられる。
一方、多価金属化合物(ただし、酸化ジルコニウムおよび酸化アルミニウムを除く)はアルミニウム、カルシウム、マグネシウム、亜鉛、鉄、ストロンチウム、バリウム、ニッケル、銅、スカンジウム、ガリウム、インジウム、チタン、ジルコニウム、スズ、鉛などの金属化合物があげられる。また、多価金属化合物は多価金属塩であってもよい。中でもマグネシウム、アルミニウム、ジルコニウム、カルシウム、亜鉛からなる化合物は無色の為好ましい。
本発明において、特に好ましく用いられるカチオン定着剤は、下記一般式(1)で表される化合物、ポリアリルアミンもしくはその誘導体、または下記に示す多価金属塩である。
Figure 2005254656
上記一般式(1)において、Rは水素原子又はアルキル基を表す。R1、R2及びR3は各々アルキル基又はベンジル基を表す。Jは単なる結合手又は2価の有機基を表す。X-はアニオン基を表す。
前記一般式(1)において、Rで表されるアルキル基としては、メチル基が好ましい。R1、R2及びR3で表されるアルキル基は、好ましくはメチル基、エチル基又はベンジル基である。Jで表される2価の有機基としては、好ましくは−CON(R′)−を表す。R′は水素原子又はアルキル基を表す。
Xで表されるアニオン基としては、例えば、ハロゲンイオン、酢酸イオン、メチル硫酸イオン、p−トルエンスルホン酸塩などを挙げることができる。
好ましいカチオン性ポリマーは、前記一般式(1)で表される繰り返し単位からなるホモポリマーであってもよく、他の共重合可能な単量体との共重合であってもよい。共重合可能な繰り返し単位としては、前記一般式(1)以外のカチオン性単量体および、カチオン性基を有しない単量体を挙げることができる。
カチオン性基を有する単量体としては、例えば、下記の繰り返し単位を挙げることができる。
Figure 2005254656
カチオン性基を有しない共重合可能な繰り返し単位としては、例えば、エチレン、スチレン、ブタジエン、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、ブチルメタクリレート、オクチルメタクリレート、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、ブチルアクリレート、オクチルアクリレート、ヒドロキシルエチルメタクリレート、アクリルアミド、酢酸ビニル、ビニルメチルエーテル、塩化ビニル、4−ビニルピリジン、N−ビニルピロリドン、N−ビニルイミダゾール、アクリルニトリルなどを挙げることができる。
本発明で好ましく用いられるカチオン性ポリマーが、前記一般式(1)で表される繰り返し単位を有する場合、前記一般式(1)で表される繰り返し単位は、好ましくは20モル%以上、特に好ましくは40〜100モル%である。
本発明に係る一般式(1)で表される繰り返し単位を有するカチオン性ポリマーの具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2005254656
Figure 2005254656
Figure 2005254656
上記カチオン性ポリマーの重量平均分子量は、概ね3000〜20万であり、好ましくは5000〜10万である。重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーから求められたポリエチレングリコール換算の値で表す。
本発明に係るカチオン性ポリマーの使用量は、記録用紙1m2当たり、概ね0.1〜10g、好ましくは0.2〜5gである。
次いで、本発明に係るポリアリルアミン類について説明する。
本発明でいうポリアリルアミン類とは、下記一般式(2)で示されるポリアリルアミン、一般式(3)又は一般式(4)で示されるポリジアリルアミン、下記一般式(5)又は一般式(6)で示されるポリジアリルアミン誘導体、またはこれらの重合体である。
Figure 2005254656
一般式(2)において、X1 -は無機酸又は有機酸の残基を表す。
Figure 2005254656
一般式(3)、(4)、(5)及び(6)において、R1及びR2はそれぞれ水素原子、メチル基、エチル基又はヒドロキシエチル基を表し、X2 -は無機酸残基又は有機酸残基を表し、Yは2価の連結基を表し、n、m、pはそれぞれ重合度を表す。
一般式(3)、(4)において、nは5〜10000の整数である。また、一般式(5)及び(6)において、n/m=9/1〜2/8、p=5〜10000である。
上記一般式(5)または(6)で表されるポリジアリルアミンの誘導体の具体例としては、例えば、特開昭60−83882号公報に記載の一般式で示されるSO2基を繰り返し単位に含むもの、特開平1−9776号公報の2頁に記載されているアクリルアミドとの共重合体、あるいは一般式(5)または(6)で示されるポリジアリルアミンとの共重合体が挙げられ、また日東紡績(株)よりPASシリーズとして市販されている。
これらポリアリルアミン類の中で好ましい例として、下記一般式(7)または(8)で表される構造を有するポリジメチルジアリルアンモニウム類を挙げることができる。
Figure 2005254656
上記一般式(7)及び(8)において、nは重合度を表す。重合度としては、1000以下が好ましく、800以下がより好ましい。重合度が、1000を越えると粘度が上昇し、取扱いが困難になることがある。Xは1価のアニオンとなりうる原子または原子群であり、ハロゲンであることが好ましく、もっとも好ましくは塩素原子である。
前記ポリジメチルジアリルアンモニウム類として、上記一般式(7)で表される構造を有する化合物または前記一般式(8)で表される構造を有する化合物を1種単独で使用してもよく、これらを併用してもよい。いずれの場合においても、異なる重合度のものを混合して使用してもよい。また、前記ポリジメチルジアリルアンモニウム類は、適宜合成したものでもよいし、市販品を用いてもよい。
本発明に係るポリアリルアミン類(これらの塩、及び変性体を含む)は、画像保存時の滲み耐性、光沢度及び印画濃度の向上を図るために含有させる。また、ポリアリルアミン類は、アニオン性染料を色材として有する液状インクとの間で相互作用し、色材を安定化し、耐水性や滲み耐性を特に向上させることができる。
ポリアリルアミン類の分子量としては、重量平均分子量で3000〜30000であることが好ましく、5000〜20000であることがより好ましい。重量平均分子量が上記範囲にあれば、耐水性や滲み耐性をより十分に向上させることができる。
前記ポリアリルアミン類の塩としては、塩酸塩、硫酸塩等の無機酸塩,酢酸塩、トルエンスルホン酸塩、メタンスルホン酸塩等の有機酸塩等が挙げられる。
前記ポリアリルアミン変性体は、アクリルニトリル、クロロメチルスチレン、TEMPO、エポキシヘキサン等をポリアリルアミンに2〜50mol%付加したものであり、好ましくは、アクリルニトリル、クロロメチルスチレンの5〜10mol%付加物であり、特にポリアリルアミンの5〜10mol%アクリルニトリル付加物が、オゾン褪色性防止効果を発揮する観点から好ましい。
ポリアリルアミン類の含有量としては、無機微粒子100質量部に対して、1〜5質量部であることが好ましく、1.25〜3.75質量部であることがより好ましい。ポリアリルアミン類の含有量が上記範囲にあることにより本発明の効果をより有効に発揮することができる。
また、好ましい多価金属化合物としては、ジルコニウム原子またはアルミニウム原子を有する多価金属無機ポリマーであることが好ましく、その中でも、ポリ塩化アルミニウム化合物、ポリ硫酸ケイ酸アルミニウム化合物、またはジルコニウム活性無機ポリマーであることがより好ましく、ポリ塩化アルミニウム化合物、ポリ硫酸ケイ酸アルミニウム化合物であることが更に好ましい。
ポリ塩化アルミニウム化合物は、下記一般式(9)、(10)、(11)で示されるものであり、例えば、〔Al6(OH)153+、〔Al8(OH)204+、〔Al13(OH)345+などのような塩基性で、かつ高い陽電子を持った多核縮合イオン(高分子性)を有効成分として、安定に含んでいるポリ塩化アルミニウムである。
一般式(9)
〔Al2(OH)nCl6-nm
一般式(10)
〔Al(OH)3nAlCl3
一般式(11)
Aln(OH)mCl(3n-m)
ポリ塩化アルミニウム化合物の市販品としては、例えば、浅田化学(株)製のポリ水酸化アルミニウム(Paho)、多木化学(株)製のポリ塩化アルミニウム(PAC)、(株)理研グリーン製のピュラケムWTが挙げられ、また他のメーカーからも水処理剤などの目的を持って市販されており、各種グレードのものが入手することができる。
ポリ硫酸ケイ酸アルミニウム化合物の市販品としては、日本軽金属(株)製のPASSが挙げられることができる。
酸塩化ジルコニウム系無機ポリマーの市販品としては、第一希元素化学工業(株)製のジルコゾールZC−2を挙げることができ、特許第2944143号公報に記載されている化合物を用いることもできる。
上記ジルコニウム原子またはアルミニウム原子を含む化合物は、インク吸収層を形成する塗布液に添加してから塗布乾燥しても良いし、インク吸収層を一旦塗布乾燥した後、インク吸収層にオーバーコート法により添加しても良い。
上記ジルコニウム原子またはアルミニウム原子を含む化合物を、インク吸収層を形成する塗布液に添加する場合、水や有機溶媒あるいはこれらの混合溶媒に均一に溶解して添加すること、あるいはサンドミルなどの湿式粉砕法や乳化分散などの方法により微細な粒子に分散して添加することができる。インク吸収層が複数の層から構成される場合には、1層のみ添加してもよく、2層以上の層あるいは全ての層を形成する塗布液に添加することもできる。
また、多孔質のインク吸収層を一旦形成した後、オーバーコート方法により添加する場合には、均一な溶液に溶解して添加するのが好ましい。
ジルコニウム原子またはアルミニウム原子を含む化合物は、インクジェット記録用紙1m2当たり、通常0.01〜5g、好ましくは0.05〜2g、特に好ましくは0.1〜1gの範囲で用いられる。
上記化合物は2種以上を併用しても良く、この場合、ジルコニウム原子を含む化合物を2種以上を併用することも、アルミニウム原子を含む化合物を2種以上併用することも、更には、ジルコニウム原子とアルミニウム原子を含む化合物を併用することもできる。
本発明のインクジェット記録用紙は、多孔質インク受容層を形成する水溶性バインダーの硬膜剤を添加することが好ましい。
本発明で用いることのできる硬化剤としては、水溶性バインダーと硬化反応を起こすものであれば特に制限はないが、ホウ酸及びその塩が好ましいが、その他にも公知のものが使用でき、一般的には水溶性バインダーと反応し得る基を有する化合物あるいは水溶性バインダーが有する異なる基同士の反応を促進するような化合物であり、水溶性バインダーの種類に応じて適宜選択して用いられる。硬化剤の具体例としては、例えば、エポキシ系硬化剤(ジグリシジルエチルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ジグリシジルシクロヘキサン、N,N−ジグリシジル−4−グリシジルオキシアニリン、ソルビトールポリグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル等)、アルデヒド系硬化剤(ホルムアルデヒド、グリオキザール等)、活性ハロゲン系硬化剤(2,4−ジクロロ−4−ヒドロキシ−1,3,5−s−トリアジン等)、活性ビニル系化合物(1,3,5−トリスアクリロイル−ヘキサヒドロ−s−トリアジン、ビスビニルスルホニルメチルエーテル等)、アルミニウム明礬等が挙げられる。
ホウ酸またはその塩とは、硼素原子を中心原子とする酸素酸及びその塩のことをいい、具体的には、オルトホウ酸、二ホウ酸、メタホウ酸、四ホウ酸、五ホウ酸及び八ホウ酸及びそれらの塩が挙げられる。
硬化剤としてのホウ素原子を有するホウ酸及びその塩は、単独の水溶液でも、また、2種以上を混合して使用しても良い。特に好ましいのはホウ酸とホウ砂の混合水溶液である。ホウ酸とホウ砂の水溶液は、それぞれ比較的希薄水溶液でしか添加することが出来ないが両者を混合することで濃厚な水溶液にすることが出来、塗布液を濃縮化することができる。また、添加する水溶液のpHを比較的自由にコントロールすることができる利点がある。上記硬化剤の総使用量は、上記水溶性バインダー1g当たり1〜600mgが好ましい。
本発明に係るインク吸収層中には、上記以外の各種の添加剤を添加することができる。例えば、ポリスチレン、ポリアクリル酸エステル類、ポリメタクリル酸エステル類、ポリアクリルアミド類、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、またはこれらの共重合体、尿素樹脂、またはメラミン樹脂等の有機ラテックス微粒子、カチオンまたはノニオンの各種界面活性剤、特開昭57−74193号、同57−87988号及び同62−261476号に記載の紫外線吸収剤、特開昭57−74192号、同57−87989号、同60−72785号、同61−146591号、特開平1−95091号及び同3−13376号等に記載されている退色防止剤、特開昭59−42993号、同59−52689号、同62−280069号、同61−242871号及び特開平4−219266号等に記載されている蛍光増白剤、硫酸、リン酸、クエン酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム等のpH調整剤、消泡剤、防腐剤、増粘剤、帯電防止剤、マット剤等の公知の各種添加剤を含有させることもできる。
本発明に用いる支持体は、従来インクジェット記録用紙用として公知のものを適宜使用でき、吸水性支持体であってもいが、非吸水性支持体であることが好ましい。
本発明で用いることのできる吸水性支持体としては、例えば一般の紙、布、木材等を有するシートや板等を挙げることができるが、特に紙は基材自身の吸水性に優れかつコスト的にも優れるために最も好ましい。紙支持体としては、LBKP、NBKP等の化学パルプ、GP、CGP、RMP、TMP、CTMP、CMP、PGW等の機械パルプ、DIP等の古紙パルプ等の木材パルプを主原料としたものが使用可能である。また、必要に応じて合成パルプ、合成繊維、無機繊維等の各種繊維状物質も原料として適宜使用することができる。
上記紙支持体中には必要に応じて、サイズ剤、顔料、紙力増強剤、定着剤等、蛍光増白剤、湿潤紙力剤、カチオン化剤等の従来公知の各種添加剤を添加することができる。
紙支持体は前記の木材パルプなどの繊維状物質と各種添加剤を混合し、長網抄紙機、円網抄紙機、ツインワイヤー抄紙機等の各種抄紙機で製造することができる。また、必要に応じて抄紙段階または抄紙機にスターチ、ポリビニルアルコール等でサイズプレス処理したり、各種コート処理したり、カレンダー処理したりすることもできる。
本発明のインクジェット記録用で用いる支持体としては、特に非吸水性支持体が好ましい。本発明で好ましく用いることのできる非吸水性支持体には、透明支持体または不透明支持体がある。透明支持体としてはポリエステル系樹脂、ジアセテート系樹脂、トリアテセート系樹脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリイミド系樹脂、セロハン、セルロイド等の材料を有するフィルム等が挙げられ、中でもOHPとして使用された時の輻射熱に耐える性質のものが好ましく、ポリエチレンテレフタレートが特に好ましい。このような透明な支持体の厚さとしては、50μm〜200μmが好ましい。
また、不透明支持体としては、例えば、基紙の少なくとも一方に白色顔料等を添加したポリオレフィン樹脂被覆層を有する樹脂被覆紙(いわゆるRCペーパー)、ポリエチレンテレフタレートに硫酸バリウム等の白色顔料を添加してなるいわゆるホワイトペットが好ましい。
前記各種支持体とインク吸収層の接着強度を大きくする等の目的で、インク吸収層の塗布に先立って、支持体にコロナ放電処理や下引処理等を行うことが好ましい。更に、本発明のインクジェット記録用紙は必ずしも無色である必要は無く、着色された記録シートであってもい。
本発明のインクジェット記録用紙では原紙支持体の両面をポリエチレンでラミネートした紙支持体を用いることが、記録画像が写真画質に近く、しかも低コストで高品質の画像が得られるために特に好ましい。そのようなポリエチレンでラミネートした紙支持体について以下に説明する。
紙支持体に用いられる原紙は木材パルプを主原料とし、必要に応じて木材パルプに加えてポリプロピレンなどの合成パルプ或いはナイロンやポリエステルなどの合成繊維を用いて抄紙される。木材パルプとしてはLBKP、LBSP、NBKP、NBSP、LDP、NDP、LUKP、NUKPのいずれも用いることができるが短繊維分の多いLBKP、NBSP、LBSP、NDP、LDPをより多く用いることが好ましい。但し、LBSP及びまたはLDPの比率は10質量%〜70質量%が好ましい。
上記パルプは不純物の少ない化学パルプ(硫酸塩パルプや亜硫酸塩パルプ)が好ましく用いられ、また、漂白処理を行って白色度を向上させたパルプも有用である。
原紙中には、高級脂肪酸、アルキルケテンダイマー等のサイズ剤、炭酸カルシウム、タルク、酸化チタンなどの白色顔料、スターチ、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール等の紙力増強剤、蛍光増白剤、ポリエチレングリコール類等の水分保持剤、分散剤、4級アンモニウム等の柔軟化剤などを適宜添加することができる。
抄紙に使用するパルプの濾水度はCSFの規定で200〜500mlが好ましく、また、叩解後の繊維長がJIS−P−8207に規定される24メッシュ残分の質量%と42メッシュ残分の質量%との和が30〜70%が好ましい。尚、4メッシュ残分の質量%は20質量%以下であることが好ましい。
原紙の坪量は30〜250gが好ましく、特に50〜200gが好ましい。原紙の厚さは40〜250μmが好ましい。
原紙は抄紙段階または抄紙後にカレンダー処理して高平滑性を与えることもできる。原紙密度は0.7〜1.2g/cm3(JIS−P−8118)が一般的である。更に原紙剛度はJIS−P−8143に規定される条件で20〜200gが好ましい。
原紙表面には表面サイズ剤を塗布してもよく、表面サイズ剤としては前記原紙中添加できるサイズと同様のサイズ剤を使用できる。
原紙のpHはJIS−P−8113で規定された熱水抽出法により測定された場合、5〜9であることが好ましい。
原紙表面及び裏面を被覆するポリエチレンは、主として低密度のポリエチレン(LDPE)及び/または高密度のポリエチレン(HDPE)であるが他のLLDPEやポリプロピレン等も一部使用することができる。
特にインク吸収層側のポリエチレン層は写真用印画紙で広く行われているようにルチルまたはアナターゼ型の酸化チタンをポリエチレン中に添加し、不透明度及び白色度を改良したものが好ましい。酸化チタン含有量はポリエチレンに対して通常3質量%〜20質量%、好ましくは4質量%〜13質量%である。
ポリエチレン被覆紙は光沢紙として用いることも、また、ポリエチレンを原紙表面上に溶融押し出してコーティングする際にいわゆる型付け処理を行って通常の写真印画紙で得られるようなマット面や絹目面を形成したものも本発明で使用できる。
上記ポリエチレン被覆紙においては紙中の含水率を3質量%〜10質量%に保持するのが特に好ましい。
次に、本発明のインクジェット記録用紙の製造方法(以下、単に製造方法ともいう)について説明する。
インクジェット記録用紙の製造方法としては、インク吸収層を含む各構成層を、各々単独に或いは同時に、公知の塗布方式から適宜選択して、支持体上に塗布、乾燥して製造することができる。塗布方式としては、例えば、ロールコーティング法、ロッドバーコーティング法、エアナイフコーティング法、スプレーコーティング法、カーテン塗布方法、或いは米国特許第2,761,419号、同第2,761,791号公報に記載のホッパーを使用するスライドビード塗布方法、エクストルージョンコート法等が好ましく用いられる。
本発明の記録用紙、あるいは製造方法においては、インク吸収層を形成するインク吸収層塗布液の40℃における粘度Aが10〜300mPa・sであって、かつ15℃における粘度Bが粘度Aの40倍以上であることが好ましく、より好ましくは40〜500倍であり、更に好ましくは、100〜500倍である。
インク吸収層塗布液の粘度特性として、温度に対する粘度変化率を上記で規定する条件とすることにより、特に製造時に100m/分以上の高速で塗布、乾燥した場合でも、速やかな粘度低下に伴う膜面の均質性及び乾燥風による吹かれムラや液寄りを効果的に防止でき、より一層、高光沢でひび割れ故障等の発生が低減された高品位な画像が得られる空隙型インクジェット記録用紙を得ることができる。
更に、塗布後の塗膜粘度を制御する他の方法として、インク吸収層を形成するインク吸収層塗布液の弾性率特性として、剛体振り子により測定される弾性率が、電離放射線照射により、電離放射線照射前の弾性率の1.5倍以上とすることが好ましい。
本発明でいう剛体振り子とは、ナイフエッジを支点とし、試料と接触を保って振動する振り子の減衰振動を観測して、試料の粘弾性を測定する方法をいう。振り子の振動周期と振幅減衰率から弾性率の相対変化を算出することができ、例えば、株式会社エー・アンド・デイ社製の剛体振り子(RPT−3000W)、オリエンチック社製のDDP−OPA等の測定装置が市販されている。
本発明に係る剛体振り子により測定される弾性率とは、インク吸収層を形成する塗布液を、後述の実施例に記載の支持体上に湿潤膜厚150μmで塗布した試料について、電離放射線照射前後の弾性率を、前記剛体振り子により測定した。この時、照射する電離放射線としては、365nmに主波長を持つメタルハライドランプを用い、20mJ/cm2のエネルギー条件で照射した。本発明において、電離放射線照射による弾性率の増加が1.5倍以上であれば、塗布速度100m/分以上の塗布乾燥条件においてもひび割れ故障が起きにくく、高い光沢性が得られ、1.5〜10倍であることがより好ましく、更に好ましくは3.0〜10倍である。
本発明の記録用紙あるいは製造方法において、本発明で規定するインク吸収層塗布液の温度に対する粘度変化率を実現する方法として、特に制限はないが、例えば、特開平10−119423、特開2000−218927に記載の無機微粒子にシリカを用い、親水性バインダーとしてポリビニルアルコールと、架橋剤として硼酸又はその塩からなる塗布液の低温における大幅な増粘効果を利用した方法や、特開平7−331224号に記載の(メタ)アクリル系モノマーを含む共重合体よりなる芯部とN−イソプロピルアクリルアミド重合体の外殻部からなる低温増粘微粒子を利用して、低温増粘特性を有する塗布液を用いる方法や、上述した親水性バインダーの種類とその添加量、光重合開始剤の種類とその添加量、無機微粒子の種類とその添加量等を適宜調整することにより、所望の条件に設定することができる。
また、本発明で規定するインク吸収層塗布液の電離放射線照射前後での弾性率を達成する手段としては、特に制限はないが、本発明に係る界面活性剤の所定量の添加に加えて、光架橋型高分子化合物を用いることが好ましく、例えば、特開昭62−283339号、特開平1−198615号、特開昭60−252341号、特開昭56−67309号、特開昭60−129742号等の公報に記載されている光架橋型高分子化合物等を、適宜選択して適用することができる。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
《記録用紙の作製》
〔記録用紙1の作製〕
(シリカ分散液A1の調製)
気相法シリカ(商品名:アエロジル300、日本アエロジル(株)製、一次粒子の平均粒径 7nm)の10kgを、三田村理研工業株式会社製のジェットストリーム・インダクターミキサーを用いて、35Lの純水に435mlのエタノールを加えた溶液中に室温で吸引分散した後、純水を添加して全量を43.5Lに仕上げ、シリカ分散液A1を調製した。このシリカ分散液A1は、pHが2.8で、エタノールを1質量%含有している。
(シリカ分散液P1の調製)
上記調製したシリカ分散液A1の500mlに、カチオン性染料定着剤(例示化合物P−1)の28%水溶液を50ml、ホウ酸2.6gおよびホウ砂1.8gを溶解した水溶液86mlを添加し、ディゾルバーによりプレ分散を行った。次いで、サンドミル分散機にて周速9m/秒の条件で30分間分散した。この分散液の全量を純水で638mlに仕上げて、ほぼ透明なシリカ分散液P1を得た。得られたシリカ分散液P1を、アドバンテックス東洋社製のTCP−10タイプのフィルターを用いてろ過を行った。なお、ここで得られたシリカ分散液P1について、レーザー散乱法(マルバーン社製、ゼータサイザー1000)により測定したシリカ微粒子の平均粒径は37nmであった。
(インク吸収層塗布液の調製)
上記調製したシリカ分散液P1の556mlを、40℃で攪拌しながらポリビニルアルコール(商品名:PVA235、(株)クラレ製)の8%水溶液を220ml加え、更に全体の液が1000mlになるように純水を加えて半透明状のインク吸収層塗布液を調製した。
(記録用紙の作製)
坪量が170g/m2の原紙の両面をポリエチレンで被覆したポリエチレンコート紙(インク吸収層塗設面側のポリエチレン中には8%のアナターゼ型酸化チタンを含有、またインク吸収層塗設面側には0.05g/m2のゼラチン下引き層、インク吸収層とは反対側の面側にはTgが約80℃のラテックス性ポリマー含むバック層を0.2g/m2として有する)に、上記インク吸収層塗布液をカーテンコーターにより湿潤膜厚150μm、塗布速度100m/分で塗布し、直後に5℃に保たれた冷却ゾーンで冷却し、次いで段階的に3つの温湿度の乾燥ゾーン、第1乾燥ゾーン(25℃、相対湿度15%)、第2乾燥ゾーン(45℃、相対湿度25%)、第3乾燥ゾーン(50℃、相対湿度が25%)でそれぞれ乾燥風で順次乾燥し、次いで20〜25℃、相対湿度が40〜60%の雰囲気下で2分間調湿してロール状に巻き取り、記録用紙1を作製した。
なお、記録用紙1の作製に用いた気相法シリカ(商品名:アエロジル300、日本アエロジル(株)製)について、前記詳細な説明で記載した方法で求めた孤立シラノール基の比率は6.18であった。
〔記録用紙2の作製〕
上記記録用紙1の作製において、更に1,2−ヘキサンジオール(表1には1,2−HDと略記)を、インク吸収層塗布液に濃度として0.5質量%となる量添加した以外は同様にして、記録用紙2を作製した。
なお、CBVP式表面張力計(協和科学(株)製)を用いて測定した1,2−ヘキサンジオールの表面張力は、25℃において26.3mN/mであり、沸点は118℃である。
〔記録用紙3の作製〕
上記記録用紙2の作製において、シリカ分散液P1の調製に使用したカチオン性染料定着剤(例示化合物P−1)の28%水溶液の添加量を65mlに変更した以外は同様にして、記録用紙3を作製した。
〔記録用紙4〜13の作製〕
上記記録用紙2の作製において、気相法シリカ(アエロジル300)に代えて、下記の孤立シラノール基比率を変化させた気相法シリカS−1〜S−4、あるいはアルミナでドープされた気相法シリカであるアエロジルMOX170(日本アエロジル社製)を用い、更に溶媒の種類及び溶媒添加量を、それぞれ表1に記載の様に変更した以外は同様にして、記録用紙4〜13を作製した。なお、記録用紙10と11に使用したジエチレングリコールモノブチルエーテル(表1には、DEGBEと略記)は、25℃における表面張力を上記と同様の方法で測定した結果33.6mN/mであり、沸点は231℃である。
(気相法シリカS−1〜S−4の調製)
比表面積が300m2/g、一次粒子の平均粒径が約7nmの気相法シリカ(日本アエロジル製:アエロジル300)を密閉容器にいれ、水蒸気を吹きつけ、吹きつけ量及び吹きつけ時間を適宜変化させ、容器内の圧力を1.96Pa以下に保ち、下記の孤立シラノール基比率である気相法シリカS−1〜S−4を調製した。なお、各気相法シリカの孤立シラノール基比率は、前述のFT−IR測定法に従って求めた。
気相法シリカS−1:孤立シラノール基比率=5.8
気相法シリカS−2:孤立シラノール基比率=5.5
気相法シリカS−3:孤立シラノール基比率=4.9
気相法シリカS−4:孤立シラノール基比率=3.7
〔記録用紙14の作製〕
上記記録用紙6の作製において、親水性バインダーを、ポリビニルアルコール(商品名:PVA235、(株)クラレ製)に代えて、下記方法で合成した紫外線重合型ポリビニルアルコール(PVA−H)の8%水溶液を用いた以外は同様にしてインク吸収層塗布液を調製し、記録用紙1−1〜1−14、記録用紙2−1〜2−16と同様の方法で塗布した。次いで、塗布直後に365nmに主波長を持つメタルハライドランプに300nm以下の波長をカットするフィルター(岩崎電気(株)製:365フィルター)を装着し、照度100mW/cm2、エネルギー量30mJ/cm2の条件で紫外線を照射した後、同様の方法で塗布乾燥した以外は同様にして、光架橋型高分子をバインダーとして用いた記録用紙14を作製した。
なお、上記記録用紙14の作製に用いたインク吸収層塗布液について、上記条件での紫外線照射前後の剛体振り子による弾性率を、株式会社エー・アンド・デイ社製の剛体振り子(RPT−3000W)により測定した結果、紫外線照射後の剛体振り子による弾性率は、紫外線照射前の2.3倍であった。
(紫外線重合型ポリビニルアルコール(PVA−H)の調製)
特開2000−181062号に記載の方法に従って、重合度3000、ケン化度88%のポリビニルアルコールに、p−(3−メタクリロキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシ)ベンズアルデヒドを反応させた後、光重合開始剤(日本化薬製、カヤキュアQTX)をポリビニルアルコールに対し1.8質量%添加して、架橋基変性率1mol%、固形分濃度8質量%の紫外線重合型ポリビニルアルコール水溶液を調製した。
〔各インク吸収層塗布液の粘度測定〕
上記記録用紙1〜13の作製に用いた各インク吸収層塗布液について、40℃および15℃における粘度を、東機産業(株)社製のB型粘度計により測定し、得られた各粘度結果を、表1に示す。
〔各記録用紙の無機微粒子の平均粒径の測定〕
上記作製した記録用紙1〜14の表面を電子顕微鏡で観察し、100個の任意の粒子の粒径を求め、その単純平均値(個数平均)として求めた結果、平均粒径は36〜40nmの範囲であった。
《インクジェット画像の形成及び評価》
上記作製した各記録用紙について、下記の方法に従って各評価を行った。
〔インク吸収性の評価〕
各記録用紙に、セイコーエプソン社製のインクジェットプリンターPM−920Cを用いて、純正インクにより緑のベタ画像を印字し、印字直後のベタ画像部分を指でこすって画像の乱れを目視評価し、下記の基準に従ってインク吸収性の評価を行った。
◎:指で擦っても、画像の乱れが全く認められない
○:指で擦ると僅かに画像が乱れるが、実用上問題ないレベル
△:指で擦るとやや画像が汚れるが、実用可能なレベル
×:指で擦ると明らかに画像が汚れてしまい、実用上許容範囲外のレベル
〔ブロンジング耐性の評価〕
各記録用紙に、セイコーエプソン社製のインクジェットプリンターPM−920Cを用いて、イエロー、マゼンタ、シアン及びブラックインクによるベタ画像をプリントし、得られた画像面のブロンジングの発生を目視観察し、下記の基準に従ってブロンジング耐性の評価を行った。
◎:ブロンジングの発生が全く認められない
○:僅かにブロンジングの発生が認められるが、実用上問題のない品質である
△:ブロンジングの発生は認められるが、実用上許容される範囲内である
×:明らかなブロンジングの発生があり、実用上問題となる品質である
〔光沢度の測定〕
各記録用紙のインク吸収層面を、日本電色工業株式会社製の変角光沢度計(VGS−1001DP)を用いて60度光沢を測定した。
〔プリント濃度の測定〕
各記録用紙上に、セイコーエプソン社製のインクジェットプリンターPM−800Cを用いて、純正インクにより黒色のベタ画像を印字した後、光学濃度計(X−Rite社製X−Rate938)を用いて、ベタ画像の黒色反射濃度を測定した。
以上により得られた結果を、表1に示す。
Figure 2005254656
表1に記載の結果より明らかなように、本発明で規定する要件を満たす記録用紙は、比較例に対し、高い光沢性とプリント濃度とが両立でき、かつ良好なインク吸収性とブロンジング耐性を有する高品位な画像が得られることが分かる。

Claims (11)

  1. 支持体上に、少なくとも、孤立シラノール基の比率が5.5以下のシリカ、またはアルミナでドープされた気相法シリカと、親水性バインダー及びカチオン定着剤を含有するインク吸収層を有し、更に沸点が100℃以上で、かつ表面張力が40mN/m以下の溶媒を含有することを特徴とする空隙型インクジェット記録用紙。
  2. 支持体上に、少なくとも、孤立シラノール基の比率が5.5以下のシリカ、またはアルミナでドープされた気相法シリカと、親水性バインダー及びカチオン定着剤を含有するインク吸収層を有し、更に沸点が100℃以上で、かつ表面張力が30mN/m以上、40mN/m以下の溶媒を1.2g/m2以上、3.0g/m2以下含有することを特徴とする空隙型インクジェット記録用紙。
  3. 支持体上に、少なくとも、孤立シラノール基の比率が5.5以下のシリカ、またはアルミナでドープされた気相法シリカと、親水性バインダー及びカチオン定着剤を含有するインク吸収層を有し、更に沸点が100℃以上で、かつ表面張力が30mN/m未満の溶媒を0.4g/m2以上、3.0g/m2以下含有することを特徴とする空隙型インクジェット記録用紙。
  4. 前記孤立シラノール基の比率が5.5以下のシリカ、またはアルミナでドープされた気相法シリカの平均粒径が、10nm以上、60nm以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の空隙型インクジェット記録用紙。
  5. 前記インク吸収層を形成するインク吸収層塗布液が、40℃における粘度Aが10〜300mPa・sであり、15℃における粘度Bが該粘度Aの40倍以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の空隙型インクジェット記録用紙。
  6. 前記インク吸収層を形成するインク吸収層塗布液の剛体振り子により測定される弾性率が、電離放射線照射により1.5倍以上になることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の空隙型インクジェット記録用紙。
  7. 少なくとも、孤立シラノール基の比率が5.5以下のシリカ、またはアルミナでドープされた気相法シリカと、親水性バインダー及びカチオン定着剤を含有し、更に沸点が100℃以上で、かつ表面張力が30mN/m以上、40mN/m以下の溶媒を0.8質量%以上、3.0質量%以下含有するインク吸収層塗布液を、支持体上に塗布、乾燥して製造することを特徴とする空隙型インクジェット記録用紙の製造方法。
  8. 少なくとも、孤立シラノール基の比率が5.5以下のシリカ、またはアルミナでドープされた気相法シリカと、親水性バインダー及びカチオン定着剤を含有し、更に沸点が100℃以上で、かつ表面張力が30mN/m未満の溶媒を0.3質量%以上、3.0質量%以下含有するインク吸収層塗布液を、支持体上に塗布、乾燥して製造することを特徴とする空隙型インクジェット記録用紙の製造方法。
  9. 前記孤立シラノール基の比率が5.5以下のシリカ、またはアルミナでドープされた気相法シリカの平均粒径が、10nm以上、60nm以下であることを特徴とする請求項7または8に記載の空隙型インクジェット記録用紙の製造方法。
  10. 前記インク吸収層塗布液が、40℃における粘度Aが10〜300mPa・sであり、15℃における粘度Bが該粘度Aの40倍以上であることを特徴とする請求項7〜9のいずれか1項に記載の空隙型インクジェット記録用紙の製造方法。
  11. 前記インク吸収層塗布液の剛体振り子により測定される弾性率が、電離放射線照射により1.5倍以上になることを特徴とする請求項7〜9のいずれか1項に記載の空隙型インクジェット記録用紙の製造方法。
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