JP2005231048A - インクジェット記録媒体及びインクジェット記録媒体の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明の目的は、無機微粒子及び親水性バインダーからなる空隙層を有するインクジェット記録媒体において、その光沢度、インク吸収性を低下させることなく、表面の滑り性を改善し、搬送性や塗膜物性に優れたインクジェット記録媒体とその製造方法を提供する。
【解決手段】 支持体上に複数の空隙層からなるインク吸収層を有し、該支持体から最も離れた位置にある該インク吸収層(最上層)が、無機微粒子、電離放射線により架橋または重合された高分子化合物を含む親水性バインダー及び分散度が2以下のマット剤とを含有することを特徴とするインクジェット記録媒体。
【選択図】 なし

Description

本発明は、新規のインクジェット記録媒体及びインクジェット記録媒体の製造方法に関する。
近年、デジタルカメラあるいはコンピュータの普及に伴い、それらの画像を紙面などに記録するためのハードコピー画像記録技術が急速な発達を遂げている。これらのハードコピーの究極の目標は、その画質をいかに現在広く普及している銀塩写真画像に近づけるかにあり、特に、色再現性、画像の色濃度、質感、解像度、光沢性、耐光性等の向上が開発の目標となっている。
この様なハードコピー記録方式としては、銀塩写真によって画像を表示したディスプレーを直接撮影するものの他に、昇華型感熱転写方式、インクジェット方式、静電記録方式等、多種多様な記録方式が提案、実用化されている。これらの画像記録方法のうち、インクジェット方式によるプリンタは、フルカラー化が容易であることや印字騒音が少ないと言う利点を有しているので、近年急速に普及している。
インクジェット記録方法は、比較的簡単な装置で、高精細な画像の記録が可能であり、各方面で急速な発展を遂げている。また、使用される用途も多岐にわたり、それぞれの目的にあったインクジェット記録媒体あるいはインクジェットインクが使用される。
インクジェット記録方法に用いられるインクジェット記録媒体は、インク受容層が、例えば、普通紙のように紙等の支持体そのものであるものや、コート紙のように吸収体を兼ねる支持体の上にインク吸収層を塗設したもの、あるいは樹脂被覆紙やポリエステルフィルムのような非吸収性の支持体の上にインク吸収層を塗設したもの等がある。中でも、非吸収性支持体上にインク吸収層を塗設したタイプのインクジェット記録媒体は、支持体の表面平滑性が高く、うねりが少ない等の理由から、光沢感、つや感、深み等銀塩写真のような高品位の質感を求められる出力に好ましく用いられる。更に、高い光沢感やつや感がある光沢型インクジェット記録媒体としては、非吸収性支持体の上に、インク吸収層としてポリビニルピロリドンやポリビニルアルコール等の水溶性バインダーを塗設した膨潤型記録媒体や、インク吸収層として微粒子あるいは微粒子とバインダーで微細な空隙構造を形成し、この空隙部にインクを吸収させる、いわゆる空隙型のインクジェット記録媒体が用いられる。
上記空隙型のインクジェット記録媒体の中でも、微小な無機微粒子と親水性バインダーを使用し、微小な空隙をインク受容層に形成した空隙型インクジェット記録媒体は、比較的高い光沢が得られることとインク吸収性に優れるため高品位の光沢紙として好ましいものである。ところで、高光沢のインクジェット記録媒体は、その表面が比較的平滑度が高いため、複数枚重ねて給紙した際の給紙時や、インクジェット記録装置内部における搬送性に問題が生じやすいことが多い。この問題は、表面にいわゆるマット剤と称される比較的粗大な粒子を添加することで改善される。しかしながら、インク受容層が空隙型である場合、インク受容層自身が微細な粒子を含んでいるために、表面が親水性バインダー単独からなるインクジェット記録媒体に比べて光沢度が低く、通常使用されているようなマット剤の使用により光沢度が極端に低下しやすい欠点があることが判明した。
これまで、インク受容層表面に、3〜25μmの大きさで、1mm2当たり1万〜10万個が表面に露出している充填材粒子を含むインクジェット記録媒体が提案されている(例えば、特許文献1、2参照。)。しかしながら、この様なインクジェット記録媒体は、充填材粒子が多すぎるため、充分な光沢度が得られないことが判明した。この様な課題に対して、支持体から最も遠い側に位置する最上層に分散度が2以下の単分散のマット剤を含有させることで、光沢を落とさずに搬送性を向上させるインクジェット記録媒体が提案されている(例えば、特許文献3参照。)。特許文献3で提案されている方法は、非常に効果が高いが、マット剤を含む最上層とそれ以外の下層とを同時重層塗布した場合、下層の塗布液の物性や、塗布速度、乾燥条件によっては、乾燥前に最上層のマット剤が下層に沈み込んでしまい、十分なマット効果が発現しない場合があることが判明した。
特公昭63−65036号公報 特公昭63−65038号公報 特開平11−321080号公報
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、その目的は、無機微粒子及び親水性バインダーからなる空隙層を有するインクジェット記録媒体において、その光沢度、インク吸収性を低下させることなく、表面の滑り性を改善し、搬送性や塗膜物性に優れたインクジェット記録媒体とその製造方法を提供する。
本発明の上記目的は、以下の構成により達成される。
(請求項1)
支持体上に複数の空隙層からなるインク吸収層を有し、該支持体から最も離れた位置にある該インク吸収層(最上層)が、無機微粒子、電離放射線により架橋または重合された高分子化合物を含む親水性バインダー及び分散度が2以下のマット剤とを含有することを特徴とするインクジェット記録媒体。
(請求項2)
前記無機微粒子の平均粒径が、1〜200nmであることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録媒体。
(請求項3)
前記無機微粒子と前記親水性バインダーとの質量比が3:1〜15:1であることを特徴とする請求項1または2に記載のインクジェット記録媒体。
(請求項4)
前記電離放射線により架橋または重合された高分子化合物が、紫外線二量化型または電子線硬化型の高分子化合物であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のインクジェット記録媒体。
(請求項5)
前記電離放射線により架橋または重合された高分子化合物が、重合度300以上で、かつ架橋基変性率が4mol%以下である紫外線架橋型変性ポリビニルアルコールであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のインクジェット記録媒体。
(請求項6)
前記支持体が非吸収性支持体であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のインクジェット記録媒体。
(請求項7)
請求項1〜6のいずれか1項に記載のインクジェット記録媒体を製造する方法であって、支持体上に、無機微粒子、電離放射線により架橋または重合された高分子化合物を含む親水性バインダー及び分散度が2以下のマット剤とを含有する最上層を塗布する工程、塗布後、塗膜に電離放射線を照射する工程、電離放射線を照射した塗膜を乾燥する工程を有することを特徴とするインクジェット記録媒体の製造方法。
本発明によれば、光沢度、インク吸収性を低下させることなく、表面の滑り性を改善し、搬送性や塗膜物性に優れたインクジェット記録媒体とその製造方法を提供することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
本発明者は、上記課題に鑑み鋭意研究を行った結果、支持体上に、複数の空隙層からなるインク吸収層を有し、該支持体から最も離れた位置にある該インク吸収層(最上層)が、無機微粒子、電離放射線により架橋または重合された高分子化合物を含む親水性バインダー及び分散度が2以下のマット剤とを含有するインクジェット記録媒体により、光沢度を低下させることなく、表面の滑り性を改善して給紙性や記録装置内部における搬送性を改良し、マット剤の沈み込みにより表面物性を損なうことのないインクジェット記録媒体が得られることを見出した。
本発明で規定する構成により上記のような効果を発現するメカニズムに関して以下のように推測した。
すなわち、マット剤、無機微粒子及び電離放射線により架橋または重合される高分子化合物を含む親水性バインダーとを含む支持体から最も離れた位置にある該インク吸収層(最上層)を塗布した後、乾燥を開始する前に電離放射線を照射することにより、乾燥前にバインダーが重合または架橋して網目構造が密になって強固なゲル構造を取るために、最上層からマット剤が下層に沈み込まないものとと推定している。
以下、本発明の詳細について説明する。
はじめに、本発明のインクジェット記録媒体(以下、単に記録媒体ともいう)、及び空隙層(以下、インク吸収層ともいう)について説明する。
従来より、皮膜中に空隙を形成する方法は種々知られており、例えば、二種以上のポリマーを含有する均一な塗布液を支持体上に塗布し、乾燥過程でこれらのポリマーを互いに相分離させて空隙を形成する方法、固体微粒子及び親水性または疎水性樹脂を含有する塗布液を支持体上に塗布し、乾燥後に、インクジェット記録媒体を水或いは適当な有機溶媒を含有する液に浸漬し、固体微粒子を溶解させて空隙を作製する方法、皮膜形成時に発泡する性質を有する化合物を含有する塗布液を塗布後、乾燥過程でこの化合物を発泡させて皮膜中に空隙を形成する方法、多孔質固体微粒子と親水性バインダーを含有する塗布液を支持体上に塗布し、多孔質微粒子中や微粒子間に空隙を形成する方法、親水性バインダーに対して、概ね等量以上の容積を有する固体微粒子及びまたは微粒子油滴と親水性バインダーを含有する塗布液を支持体上に塗布し、固体微粒子の間に空隙を形成する方法等が知られている。本発明に係る空隙層としてに、平均粒径が400nm以下の各種無機固体微粒子を含有させることによって形成されることが特に好ましい。
上記の目的で使用される無機微粒子としては、例えば、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、カオリン、クレー、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、水酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、ハイドロタルサイト、珪酸アルミニウム、ケイソウ土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、合成非晶質シリカ、コロイダルシリカ、アルミナ、コロイダルアルミナ、擬ベーマイト、水酸化アルミニウム、リトポン、ゼオライト、水酸化マグネシウム等の白色無機顔料等を挙げることができる。
無機微粒子の平均粒径は、粒子そのものあるいは空隙層の断面や表面に現れた粒子を電子顕微鏡で観察し、1,000個の任意の粒子の粒径を測定し、その単純平均値(個数平均)として求められる。ここで個々の粒子の粒径は、その投影面積に等しい円を仮定したときの直径で表したものである。無機微粒子としては、無機微粒子が、平均屈折率が1.3〜1.7であり平均粒径が1〜200nmであることが好ましく、そのような無機微粒子としてシリカ、及びアルミナまたはアルミナ水和物から選ばれた無機微粒子を用いることが好ましい。本発明で用いることのできるシリカとしては、通常の湿式法で合成されたシリカ、コロイダルシリカ或いは気相法で合成されたシリカ等が好ましく用いられるが、本発明において特に好ましく用いられる微粒子シリカとしては、コロイダルシリカまたは気相法で合成された微粒子シリカが好ましく、中でも気相法により合成された微粒子シリカは、高い空隙率が得られる。
また、アルミナまたはアルミナ水和物は、結晶性であっても非晶質であってもよく、また不定形粒子、球状粒子、針状粒子など任意の形状のものを使用することができる。無機微粒子は、微粒子分散液が一次粒子まで分散された状態であるのが好ましい。無機微粒子は、その粒径が200nm以下であることが好ましい。例えば、上記気相法微粒子シリカの場合、一次粒子の状態で分散された無機微粒子の一次粒子の平均粒径(塗設前の分散液状態での粒径)は、100nm以下のものが好ましく、より好ましくは4〜50nm、最も好ましくは4〜20nmである。最も好ましく用いられる、一次粒子の平均粒径が4〜20nmである気相法により合成されたシリカとしては、例えば、日本アエロジル社製のアエロジルやトクヤマ社製のレオロシールが市販されている。これら気相法微粒子シリカは、水中に、例えば、三田村理研工業株式会社製のジェットストリームインダクターミキサーなどにより、容易に吸引分散することで、比較的容易に一次粒子まで分散することができる。
本発明に係る最上層に用いられる水溶性の電離放射線により架橋または重合する高分子化合物とは、紫外線、電子線等の電離放射線の照射により、反応を起こして架橋または重合反応をする水溶性の樹脂であり、反応前には水溶性であるが、反応後には実質的に非水溶性となる樹脂である。上記の樹脂は反応後も親水性を有し、十分なインクとの親和性を維持するものである。
このような樹脂としては、ポリ酢酸ビニルのケン化物、ポリビニルアセタール、ポリエチレンオキサイド、ポリアルキレンオキサイド、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、または前記親水性樹脂の誘導体、及びこれらの共重合体からなる群より選ばれる少なくとも一種であるか、またはその親水性樹脂に、光二量化型、光分解型、光重合型、光変性型、光解重合型などの変性基により変性したものである。中でも、光二量化型、光重合型の変性基により変性した樹脂が、感度または樹脂自身の安定性の観点から好ましい。光二量化型の変性基としては、ジアゾ基、シンナモイル基、スチリルピリジニウム基、スチルキノリウム基を導入したものが好ましく、光二量化後アニオン染料等の水溶性染料により染色される樹脂が好ましい。このような樹脂としては、例えば、1級アミノ基ないし4級アンモニウム基等のカチオン性期を有する樹脂、例えば、特開昭62−283339号、特開平1−198615号、特開昭60−252341号、特開昭56−67309号、特開昭60−129742号等の公報に記載された感光性樹脂(組成物)、硬化処理によりアミノ基になるアジド基のような硬化後カチオン性になる樹脂、例えば、特開昭56−67309号等の公報に記載された感光性樹脂(組成物)が挙げられる。
具体的には、例えば次のような樹脂を挙げることができる。
特開昭56−67309号公報記載の感光性樹脂は、ポリビニルアルコール構造体中に、下記式(I)
Figure 2005231048
で表される2−アジド−5−ニトロフェニルカルボニルオキシエチレン構造又は下記式(II)
Figure 2005231048
で表される4−アジド−3−ニトロフェニルカルボニルオキシエチレン構造を有する樹脂組成物である。樹脂の具体例は、上記公報中の実施例1、2に、樹脂の構成成分が記載されており、その使用割合は同公報の第2頁に記載されている。
本発明においては、光開始剤や増感剤を添加することも好ましい。これらの化合物は溶媒に溶解、または分散した状態、あるいは感光性樹脂に対して化学的に結合されていてもよい。
適用される光開始剤、光増感剤について特に制限はなく、従来公知の物を用いることができ、例えば、ベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、ビス−N,N−ジメチルアミノベンゾフェノン、ビス−N,N−ジエチルアミノベンゾフェノン、4−メトキシ−4’−ジメチルアミノベンゾフェノン等のベンゾフェノン類、チオキサトン、2、4−ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、クロロチオキサントン、イソプロポキシクロロチオキサントン等のチオキサントン類、エチルアントラキノン、ベンズアントラキノン、アミノアントラキノン、クロロアントラキノン等のアントラキノン類、アセトフェノン類、ベンゾインメチルエーテル等のベンゾインエーテル類、2,4,6−トリハロメチルトリアジン類、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジ(m−メトキシフェニル)イミダゾール2量体、2−(o−フルオロフェニル)−4,5−フェニルイミダゾール2量体、2−(o−メトキシフェニル)−4,5−フェニルイミダゾール2量体、2−(p−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体、2,−ジ(p−メトキシフェニル)−5−フェニルイミダゾール2量体、2−(2,4−ジメトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体の2,4,5−トリアリールイミダゾール2量体、ベンジルジメチルケタール、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタン−1−オン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−1−プロパノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、フェナントレンキノン、9,10−フェナンスレンキノン、メチルベンゾイン、エチルベンゾイン等ベンゾイン類、9−フェニルアクリジン、1,7−ビス(9,9’−アクリジニル)ヘプタン等のアクリジン誘導体、ビスアシルフォスフィンオキサイド、及びこれらの混合物等が挙げられ、上記は単独で使用しても混合して使用してもかまわない。特に、水溶性の1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、チオキサントンアンモニウム塩、ベンゾフェノンアンモニウム塩等の水溶性開始剤が、混合性等に優れ架橋効率の観点からも好ましい。
これらの開始剤に加え、促進剤等を添加することもでき、例えば、p−ジメチルアミノ安息香酸エチル、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等が挙げられる。
電離放射線反応変性基により変性される親水性樹脂の重合度は、乾燥塗膜の折割れの点から300以上が好ましく、1700以上であることがより好ましい。
電離放射線反応変性基により変性される親水性樹脂と電離放射線反応変性基の比率(変性率あるいは架橋変性率)は、乾燥塗膜の折割れの観点から4モル%以下が好ましく、更に好ましくは0.1〜2モル%である。
塗膜の折割れ耐性は、電離放射線反応変性基による架橋密度に関係し、架橋密度が高すぎると折割れが悪くなる。架橋密度は、変性率と変性される親水性樹脂の重合度に関係する。
本発明に係るインク吸収層における親水性バインダー(B)に対する無機微粒子(F)の比率(F/B)は、質量比で3〜30倍であることが好ましい。質量比が3倍以上であれば、最上層の空隙率は良好であり、充分な空隙容量が得やすく、過剰の親水性バインダーがインクジェット記録時に膨潤して空隙を塞ぐことをさけられる。一方、この比率が30倍以下の場合には、多孔質層を厚膜で塗布した際に、ひび割れが生じにくく好ましい。特に、本発明に係る最上層においては、親水性バインダーに対する無機微粒子の比率(F/B)が、乾燥塗膜の折れ割れという観点から3〜15倍であることが特に好ましい。
本発明のインクジェット記録媒体の製造方法においては、支持体上に、無機微粒子、電離放射線により架橋または重合された高分子化合物を含む親水性バインダー及び分散度が2以下のマット剤とを含有する最上層を塗布する工程、塗布後、塗膜に電離放射線を照射する工程、電離放射線を照射した塗膜を乾燥する工程を有することを特徴とする。
本発明でいう電離放射線とは、例えば、電子線、紫外線、α線、β線、γ線、エックス線等が挙げられるが、人体への危険性や、取り扱いが容易で、工業的にもその利用が普及している電子線、紫外線が好ましい。
電子線の照射方法としては、例えば、スキャニング方式、カーテンビーム方式、ブロードビーム方式などがあるが、処理能力の観点からカーテンビーム方式が好ましい。電子線の加速電圧は、塗膜の比重と膜圧により適時変化させることができるが、概ね20kV〜300kVが適当である。電子線の照射量は0.1〜20Mradの範囲が好ましい。
紫外線の光源としては、例えば、数100Pa〜1MPaまでの動作圧力を有する低圧、中圧、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ等が用いられるが、光源の波長分布という観点で高圧水銀灯、メタルハライドランプが好ましく、メタルハライドランプがより好ましい。また、300nm以下の波長光をカットするフィルターを設けることが好ましい。ランプの出力としては400W〜30kW、照度としては10mW/cm2〜10kW/cm2、照射エネルギーとしては0.1mJ/cm2〜500mJ/cm2が好ましく、1mJ/cm2〜500mJ/cm2がより好ましい。
光源波長に300nm以下の紫外線が含まれる場合や、照射エネルギーとして500mJ/cm2を超える場合は、電離放射線架橋性樹脂の母核、または共存させる各種添加剤を電離放射線により分解してしまい、本発明の効果を得られないだけでなく、分解物に由来する臭気などの問題を起こす可能性があるので好ましくない。照射エネルギーが0.1mJ/cm2に満たない場合は架橋効率が不足し、本発明の効果が十分にえられない。
紫外線照射の際の照度は0.1mW/cm2以上、1W/cm2以下が好ましい。照度が1W/cm2を超える場合、塗膜の表面硬化性は向上するが、深部硬化性が低下し表面のみ堅い膜が得られる。その場合は、膜の深度方向の堅さのバランスが崩れ、カールなどが起こり、好ましくない。照度が0.1mW/cm2より低い場合は、膜中の散乱等により架橋が十分進まず、本発明の効果が得られないため好ましくない。
同一積算光量(mJ/cm2)を与える場合、照度に好ましい範囲があることは、その光の透過率が変化することに起因する。紫外線の透過性により、発生した架橋反応種の濃度分布が異なり、紫外線照度が高い場合、塗膜表層に高濃度の架橋反応種が発生し、塗膜表層に堅い緻密な膜が形成されてしまう。
照度が好ましい範囲にある場合には、表層の架橋度合いも低く、深部方向への光透過性が高いため緩やかな架橋が深部方向へ均一に形成される。照度が低すぎる場合には、必要積算照度を与える場合に照射時間がかかってしまい、設備導入等の面で不利であるばかりでなく、塗膜による紫外線の散乱による絶対光線量が不足するため好ましくない。
本発明においては、インク吸収層に、他の親水性バインダーを混合して用いることができる。
本発明で用いることのできる親水性バインダーとしては、例えば、ポリビニルアルコール、ゼラチン、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリウレタン、デキストラン、デキストリン、カラーギーナン(κ、ι、λ等)、寒天、プルラン、水溶性ポリビニルブチラール、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等が挙げられる。これらの水溶性バインダーは、二種以上併用することも可能である。
インク吸収層で用いられる無機微粒子の添加量は、要求されるインク吸収容量、空隙層の空隙率、無機顔料の種類、水溶性バインダーの種類に大きく依存するが、一般には、記録媒体1m2当たり、通常5〜30g、好ましくは10〜25gである。
本発明に用いられるマット剤は、水不溶性の有機又は無機の粒子であり、例えば、酸化チタン、シリカ粒子、ガラス粉、硫酸バリウム、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、ポリアクリレート共重合体などの粒子であり、分散度が2以下のものであれば、いかなるものも本発明で使用できる
本発明で言う分散度とは、マット剤のコールターカウンターによる粒度分布測定により得られる球相当粒子直径から、(ΣNV2/ΣNV)(但し、ここでVは個々の粒子の直径を表し、Nは粒径がVである個数を表す)を基準に算出された標準偏差及び平均粒径から、標準偏差/平均粒径の比で表される値を示す。
本発明においては、光沢を損なわないために、マット剤の分散度は2以下であり、好ましくは1.0以下であり、特に0.1〜0.8以下が好ましい。
本発明に用いられるマット剤の平均粒径は、マット剤を添加する最上層の乾燥膜厚より2μm以上大きいものが好ましく、特に5μm以上大きいものが好ましい。最上層の乾燥膜厚は一般的に1〜20μmであり、マット剤としてはこの乾燥膜厚より2μm以上、好ましくは5μm以上大きな平均粒径を有するものが好ましい。
マット剤の平均粒径の上限は、表面の触感や擦り傷耐性等の観点より決められるが、概ね最上層の乾燥膜厚より30μm大きいサイズ以下であり、特に20μm大きいサイズ以下が好ましい。
マット剤の使用量は、インクジェット記録媒体1mm2当たり10〜300個が光沢をあまり低下させることなく、表面の滑り性を改善することができ好ましい。
上記マット剤を添加する最上層の乾燥膜厚としては、1〜20μm、好ましくは3〜15μmの範囲である。
本発明のインクジェット記録媒体は、空隙層を少なくとも2層有するものであり、最上層に、上記マット剤が添加される。
空隙層を1層のみにしてマット剤をこの層に添加する場合には、充分な表面の滑り性の改良効果を得るためにより大きなマット剤を使用する必要があるが、この場合、固い皮膜から成る空隙層にひび割れを生じやすくなったり、或いは表面から飛び出す粒子の高さが大きすぎて、表面の触感を著しく損ねたり或いは傷つきやすくなったりしやすい。
最上層の乾燥膜厚はこの観点から、概ね空隙層全体の1/2以下が好ましく、特に1/3以下が最も好ましい。
本発明のインクジェット記録媒体は、マット剤による光沢の低下を最小限にして高い光沢度を得る記録媒体であり、表面光沢度(JIS Z 8741に規定される75度鏡面光沢度)が40%以上になるようにすることが好ましく、特に好ましい光沢度は50%以上である。
記録媒体の表面光沢度は、上記のごとく最上層のマット剤に依存するが、それ以外にも、支持体の光沢度や、最上層やその下層の空隙層を構成する無機微粒子などにも影響を受ける。支持体の光沢度は、概ね20%以上の光沢度を有するものが好ましく、また、無機微粒子としては100nm以下の平均粒径を有するものが、高い光沢度を得る観点からより好ましい。
また、光沢を向上させるために、最上層に平均粒径が0.2μm以下の油滴を添加することも好ましい。そのような油滴として、特にシリコンオイルの分散物が好ましい。
本発明のインクジェット記録媒体には、記録後の保存による画像のにじみを防止する目的でカチオン性ポリマーが好ましく用いられる。カチオン性ポリマーの例としては、ポリエチレンイミン、ポリアリルアミン、ポリビニルアミン、ジシアンジアミドポリアルキレンポリアミン縮合物、ポリアルキレンポリアミンジシアンジアミドアンモニウム塩縮合物、ジシアンジアミドホルマリン縮合物、エピクロルヒドリン・ジアルキルアミン付加重合物、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド重合物、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド・SO2共重合物、ポリビニルイミダゾール、ビニルピロリドン・ビニルイミダゾール共重合物、ポリビニルピリジン、ポリアミジン、キトサン、カチオン化澱粉、ビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロライド重合物、(2−メタクロイルオキシエチル)トリメチルアンモニウムクロライド重合物、ジメチルアミノエチルメタクリレート重合物、などが挙げられる。また、化学工業時報平成10年8月15,25日に述べられるカチオン性ポリマー、三洋化成工業株式会社発行「高分子薬剤入門」に述べられる高分子染料固着剤が例として挙げられる。カチオン性の水溶性ポリマーの添加量は、インクジェット記録媒体1m2当たり通常0.1〜10g、好ましくは0.2〜5gの範囲で用いられる。
本発明に係る最上層の下層の空隙層には、最上層と同様な無機微粒子を使用することができる。
本発明に係る最上層の下部に設ける空隙層で用いることのできる親水性バインダーとしては、例えば、ポリビニルアルコール、ゼラチン、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリウレタン、デキストラン、デキストリン、カラーギーナン(κ、ι、λ等)、寒天、プルラン、水溶性ポリビニルブチラール、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等が挙げられる。これらの水溶性バインダーは、二種以上併用することも可能である。また電離放射線により架橋または重合される親水性バインダーを使用することもできる。
本発明に係る最上層も含めた空隙層において、空隙の総量(空隙容量)は記録媒体1m2当り20ml以上であることが好ましい。空隙容量が20ml/m2未満である場合、印字時のインク量が少ない時にはインク吸収性は良好であるものの、インク量が多くなるとインクが完全に吸収されず、画質を低下させたり、乾燥性の遅れを生じるなどの問題が生じやすい。この空隙容量とは、単位体積の塗膜を水につけたときに発生した気泡の体積、塗膜が吸収しうる水の体積、または、最終的に得られる記録媒体を、J.TAPPI 51に規定される紙及び板紙の液体吸収性試験方法(ブリストー法)で測定したときの、接触時間が2秒における液体転移量などで定義される。
インク保持能を有する空隙層において、固形分容量に対する空隙容量を空隙率という。本発明において、空隙率を50%以上にすることが、不必要に膜厚を厚くさせないで空隙を効率的に形成できるので好ましい。
本発明のインクジェット記録媒体の最上層を含めたインク吸収層及び必要に応じて設けられるその他の層には、上述した以外の各種添加剤を使用することができる。例えば、ポリスチレン、ポリアクリル酸エステル類、ポリメタクリル酸エステル類、ポリアクリルアミド類、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、又はこれらの共重合体、尿素樹脂、又はメラミン樹脂等の有機ラテックス微粒子、アニオン、カチオン、非イオン、両性の各界面活性剤、特開昭57−74193号、同57−87988号及び同62−261476号に記載の紫外線吸収剤、特開昭57−74192号、同57−87989号、同60−72785号、同61−146591号、特開平1−95091号及び同3−13376号等に記載されている退色防止剤、特開昭59−42993号、同59−52689号、同62−280069号、同61−242871号及び特開平4−219266号等に記載されている蛍光増白剤、硫酸、リン酸、クエン酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム等のpH調整剤、消泡剤、防腐剤、増粘剤、帯電防止剤、マット剤等の公知の各種添加剤を含有させることもできる。
本発明に係る最上層を除くインク吸収層は、2層以上から構成されていてもよく、この場合、それらのインク吸収層の構成はお互いに同じであっても異なっていても良い。
本発明で用いることのできる支持体としては、従来インクジェット記録媒体用として公知のものを適宜使用でき、吸水性支持体であってもよいが、非吸水性支持体であることが好ましい。吸収性支持体を用いた場合には、支持体がインク中の水分を吸収することによりコックリングを起こしてしまうことがあり、プリント後の品位が損なわれてしまう。
本発明で用いることのできる吸水性支持体としては、例えば、一般の紙、布、木材等を有するシートや板等を挙げることができる。紙支持体としては、LBKP、NBKP等の化学パルプ、GP、CGP、RMP、TMP、CTMP、CMP、PGW等の機械パルプ、DIP等の古紙パルプ等の木材パルプを主原料としたものが使用可能である。又、必要に応じて合成パルプ、合成繊維、無機繊維等の各種繊維状物質も原料として適宜使用することができる。上記紙支持体中には必要に応じて、サイズ剤、顔料、紙力増強剤、定着剤等、蛍光増白剤、湿潤紙力剤、カチオン化剤等の従来公知の各種添加剤を添加することができる。紙支持体は、前記の木材パルプなどの繊維状物質と各種添加剤を混合し、長網抄紙機、円網抄紙機、ツインワイヤー抄紙機等の各種抄紙機で製造することができる。又、必要に応じて抄紙段階又は抄紙機にスターチ、ポリビニルアルコール等でサイズプレス処理したり、各種コート処理したり、カレンダー処理したりすることもできる。
本発明で好ましく用いることのできる非吸水性支持体には、透明支持体及び不透明支持体がある。透明支持体としては、例えば、ポリエステル系樹脂、ジアセテート系樹脂、トリアテセート系樹脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリイミド系樹脂、セロハン、セルロイド等の材料を有するフィルム等が挙げられ、中でもオーバーヘッドプロジェクター(OHP)用として使用されたときの輻射熱に耐える性質のものが好ましく、ポリエチレンテレフタレートが特に好ましい。このような透明な支持体の厚さとしては、50〜200μmが好ましい。また、不透明支持体としては、例えば、基紙の少なくとも一方に白色顔料等を添加したポリオレフィン樹脂被覆層を有する樹脂被覆紙(いわゆる、RCペーパー)、ポリエチレンテレフタレートに硫酸バリウム等の白色顔料を添加してなる、いわゆるホワイトペットが好ましい。前記各種支持体とインク吸収層の接着強度を大きくする等の目的で、インク吸収層の塗布に先立って、支持体にコロナ放電処理や下引処理等を行うことが好ましい。更に、本発明のインクジェット記録媒体は必ずしも無色である必要はなく、着色された記録シートであってもよい。
本発明のインクジェット記録媒体では、原紙支持体の両面をポリエチレンでラミネートした紙支持体を用いることが、記録画像が写真画質に近く、しかも低コストで高品質の画像が得られるために特に好ましい。
そのようなポリエチレンでラミネートした紙支持体について以下に説明する。
紙支持体に用いられる原紙は、木材パルプを主原料とし、必要に応じて木材パルプに加えてポリプロピレンなどの合成パルプ或いはナイロンやポリエステルなどの合成繊維を用いて抄紙される。木材パルプとしては、LBKP、LBSP、NBKP、NBSP、LDP、NDP、LUKP、NUKPの何れも用いることができるが、短繊維分の多いLBKP、NBSP、LBSP、NDP、LDPをより多く用いることが好ましい。ただし、LBSP又はLDPの比率は10〜70質量%が好ましい。上記パルプは、不純物の少ない化学パルプ(硫酸塩パルプや亜硫酸塩パルプ)が好ましく用いられ、又、漂白処理を行って白色度を向上させたパルプも有用である。原紙中には、高級脂肪酸、アルキルケテンダイマー等のサイズ剤、炭酸カルシウム、タルク、酸化チタンなどの白色顔料、スターチ、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール等の紙力増強剤、蛍光増白剤、ポリエチレングリコール類等の水分保持剤、分散剤、4級アンモニウム等の柔軟化剤などを適宜添加することができる。抄紙に使用するパルプの濾水度は、CSFの規定で200〜500mlが好ましく、又、叩解後の繊維長は、JIS−P−8207に規定される24メッシュ残分の質量%と42メッシュ残分の質量%との和が30〜70%が好ましい。尚、4メッシュ残分の質量%は20質量%以下であることが好ましい。原紙の坪量は30〜250gが好ましく、特に50〜200gが好ましい。原紙の厚さは40〜250μmが好ましい。原紙は抄紙段階又は抄紙後にカレンダー処理して高平滑性を与えることもできる。原紙密度は0.7〜1.2g/cm3(JIS−P−8118)が一般的である。更に、原紙剛度はJIS−P−8143に規定される条件で20〜200gが好ましい。また、原紙表面には表面サイズ剤を塗布しても良い。原紙のpHは、JIS−P−8113で規定された熱水抽出法により測定された場合、5〜9であることが好ましい。原紙表面及び裏面を被覆するポリエチレンは、主として低密度のポリエチレン(LDPE)及び/又は高密度のポリエチレン(HDPE)であるが他のLLDPEやポリプロピレン等も一部使用することができる。特に、インク吸収層側のポリエチレン層は、写真用印画紙で広く行われているようにルチル又はアナターゼ型の酸化チタンをポリエチレン中に添加し、不透明度及び白色度を改良したものが好ましい。酸化チタン含有量はポリエチレンに対して通常3〜20質量%、好ましくは4〜13質量%である。ポリエチレン被覆紙は、光沢紙として用いることも、またポリエチレンを原紙表面上に溶融押し出してコーティングする際にいわゆる型付け処理を行って通常の写真印画紙で得られるようなマット面や絹目面を形成したものも本発明で使用できる。上記ポリエチレン被覆紙においては紙中の含水率を3〜10質量%に保持するのが特に好ましい。
本発明の記録媒体において、最上層を含む空隙層及び下引き層など必要に応じて適宜設けられる各種のインク吸収層を支持体上に塗布する方法は、公知の方法から適宜選択して行うことができる。好ましい方法は、各層を構成する塗布液を支持体上に塗設して乾燥して得られる。この場合、2層以上を同時に塗布することもできる。塗布方式としては、例えば、ロールコーティング法、ロッドバーコーティング法、エアナイフコーティング法、スプレーコーティング法、カーテン塗布方法、あるいは米国特許第2,681,294号記載のホッパーを使用するエクストルージョンコート法が好ましく用いられる。
次いで、本発明のインクジェット記録媒体上に画像印字を行うのに用いるインクジェットインク(以下、単にインクともいう)について説明する。
本発明のインクジェット記録媒体に用いるインクとしては、水系インク組成物、油系インク組成物、固体(相変化)インク組成物等を用いることができるが、水系インク組成物(例えば、インク総質量あたり10質量%以上の水を含有する水系インクジェット記録液等)を、特に好ましく用いることができる。
インクに用いられる着色剤としては、従来公知の水溶性染料、例えば、酸性染料、直接染料、反応性染料、あるいは分散染料、顔料等を用いることができる。
水系インク組成物は、水溶性有機溶媒を併用することが好ましい。本発明で用いることのできる水溶性有機溶媒としては、例えば、アルコール類(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、セカンダリーブタノール、ターシャリーブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール等)、多価アルコール類(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサンジオール、ペンタンジオール、グリセリン、ヘキサントリオール、チオジグリコール等)、多価アルコールエーテル類(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、プロピレングリコールモノフェニルエーテル等)、アミン類(例えば、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、モルホリン、N−エチルモルホリン、エチレンジアミン、ジエチレンジアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ポリエチレンイミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、テトラメチルプロピレンジアミン等)、アミド類(例えば、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等)、複素環類(例えば、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、シクロヘキシルピロリドン、2−オキサゾリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等)、スルホキシド類(例えば、ジメチルスルホキシド等)、スルホン類(例えば、スルホラン等)、尿素、アセトニトリル、アセトン等が挙げられる。好ましい水溶性有機溶媒としては、多価アルコール類が挙げられる。さらに、多価アルコールと多価アルコールエーテルを併用することが、特に好ましい。水溶性有機溶媒は、単独もしくは複数を併用しても良い。水溶性有機溶媒のインク中の添加量としては、総量で5〜60質量%であり、好ましくは10〜35質量%である。
本発明で用いるインク組成物には、必要に応じて、吐出安定性、プリントヘッドやインクカートリッジ適合性、保存安定性、画像保存性、その他の諸性能向上の目的に応じて、公知の各種添加剤、例えば、粘度調整剤、表面張力調整剤、比抵抗調整剤、皮膜形成剤、分散剤、界面活性剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、退色防止剤、防ばい剤、防錆剤等を適宜選択して用いることができ、例えば、ポリスチレン、ポリアクリル酸エステル類、ポリメタクリル酸エステル類、ポリアクリルアミド類、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、またはこれらの共重合体、尿素樹脂、またはメラミン樹脂等の有機ラテックス微粒子、流動パラフィン、ジオクチルフタレート、トリクレジルホスフェート、シリコンオイル等の油滴微粒子、カチオンまたはノニオンの各種界面活性剤、特開昭57−74193号、同57−87988号及び同62−261476号に記載の紫外線吸収剤、特開昭57−74192号、同57−87989号、同60−72785号、同61−146591号、特開平1−95091号及び同3−13376号等に記載されている退色防止剤、特開昭59−42993号、同59−52689号、同62−280069号、同61−242871号及び特開平4−219266号等に記載されている蛍光増白剤、硫酸、リン酸、クエン酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム等のpH調整剤等を挙げることができる。
インク組成物は、その飛翔時の粘度として40mPa・s以下が好ましく、30mPa・s以下であることがより好ましい。また、インク組成物はその飛翔時の表面張力として、20mN/m以上が好ましく、30〜45mN/mであることがより好ましい。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
《記録媒体の作製》
〔無機微粒子分散液の調製〕
(シリカ分散液S−1の調製)
10質量%のカチオン性ポリマーP−1を含む水溶液(n−プロパノールを10質量%及びエタノールを2質量%含有する)の120gに、予め均一に分散されている一次粒子の平均粒径が約12nmの気相法シリカ(日本アエロジル社製;アエロジル200)を25質量%含有するシリカ分散液(pH2.6、エタノール0.5質量%含有)の400gと、ホウ酸3.6g、ホウ砂0.8gとを室温で3000rpmで攪拌しながら添加した。次いで、三和工業株式会社製の高圧ホモジナイザーで3kN/cm2の圧力で分散し、シリカ含有量が18質量%になるように全量を純水で仕上げて、シリカ分散液S−1を得た。得られたシリカ分散液S−1を、アドバンテックス東洋社製のTCP−10タイプのフィルターを用いてろ過を行った。シリカ微粒子の平均二次粒径を測定したところ、44nmであった。なお、平均二次粒径は、シリカ分散液S−1を50倍に希釈し、動的光散乱法式粒径測定装置であるゼータサイザー1000HS(マルバーン社製)を用いて測定した値である。
Figure 2005231048
(シリカ分散液S−2の調製)
10質量%のカチオン性ポリマーP−1を含む水溶液(n−プロパノールを10質量%及びエタノールを2質量%含有する)の120gに、予め均一に分散されている一次粒子の平均粒径が約12nmの気相法シリカ(日本アエロジル社製;アエロジル200)を25質量%含有するシリカ分散液(pH2.6、エタノール0.5質量%含有)の400gを室温で3000rpmで攪拌しながら添加し、その後、pHを1モル/Lの水酸化ナトリウム溶液にて4.1に調整した。次いで、三和工業株式会社製の高圧ホモジナイザーで3kN/cm2の圧力で分散し、シリカ含有量が18質量%になるように全量を純水で仕上げて、シリカ分散液S−2を得た。得られたシリカ分散液S−2をアドバンテックス東洋社製のTCP−10タイプのフィルターを用いてろ過を行った。シリカ平均二次粒径を測定したところ、43nmであった。
〔各塗布液及び添加水溶液の調製〕
(インク吸収層塗布液1の調製)
40℃で攪拌しながら、上記調製したシリカ分散液S−1の555gに、以下の各添加剤を順次添加、混合し、最後に純水で全量を1000gに仕上げて、インク吸収層塗布液1を調製した。
重合度3500のポリビニルアルコール(クラレ社製、PVA235)の8質量%水溶液 160g
重合度4500のポリビニルアルコール(クラレ社、製PVA245)の8質量%水溶液
50g
(紫外線重合型ポリビニルアルコール誘導体の水溶液の調製)
〈紫外線重合型ポリビニルアルコール誘導体の水溶液1の調製〉
特開2000−181062号公報に記載の事項を参考にして、重合度3500、ケン化度88%のポリビニルアルコールに、p−(3−メタクリロキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシ)ベンズアルデヒドを反応させ、架橋基変性率2mol%、固形分濃度8%の紫外線重合型ポリビニルアルコール誘導体の水溶液1を調製した。
〈紫外線重合型ポリビニルアルコール誘導体の水溶液2の調製〉
上記紫外線重合型ポリビニルアルコール誘導体の水溶液1の調製と同様にして、架橋基変性率3.5mol%、固形分濃度8%の紫外線重合型ポリビニルアルコール誘導体の水溶液2を調製した。
〈紫外線重合型ポリビニルアルコール誘導体の水溶液3の調製〉
上記紫外線重合型ポリビニルアルコール誘導体の水溶液1の調製と同様にして、架橋基変性率4.5mol%、固形分濃度8%の紫外線重合型ポリビニルアルコール誘導体の水溶液3を調製した。
〈紫外線重合型ポリビニルアルコール誘導体の水溶液4の調製〉
上記紫外線重合型ポリビニルアルコール誘導体の水溶液1の調製において、紫外線重合型ポリビニルアルコール誘導体の重合度を300に変更した以外は同様にして、紫外線重合型ポリビニルアルコール誘導体の水溶液4を調製した。
〈紫外線重合型ポリビニルアルコール誘導体の水溶液5の調製〉
上記紫外線重合型ポリビニルアルコール誘導体の水溶液1の調製において、紫外線重合型ポリビニルアルコール誘導体の重合度を1000に変更した以外は同様にして、紫外線重合型ポリビニルアルコール誘導体の水溶液5を調製した。
(最上層塗布液1の調製)
40℃で攪拌しながら、上記調製したシリカ分散液S−1の555gに、重合度3500のポリビニルアルコール(クラレ製PVA235)の8質量%水溶液を160g、重合度4500のポリビニルアルコール(クラレ製PVA245)の8質量%水溶液を50g、メチルメタクリレート粒子からなるマット剤(粒径15μm、分散度2.5)を3g、順次添加、混合し、最後に純水で全量を1000gに仕上げて最上層塗布液2を調製した。
(最上層塗布液2の調製)
上記最上層塗布液1の調製において、メチルメタクリレート粒子からなるマット剤の分散度を0.54のものに変更した以外は同様にして、最上層塗布液2を調製した。
(最上層塗布液3の調製)
上記調製したシリカ分散液S−2の555gに、スチルバゾニウム基を導入し、濃度を10質量%に調整した光架橋性ポリビニルアルコール誘導体水溶液(東洋合成工業社製:SPP−SHR、主鎖PVA重合度2300、ケン化度88%)を168g、メチルメタクリレート粒子からなるマット剤(粒径15μm、分散度0.54)を3g、攪拌しながら徐々に添加し、純水で1000gに仕上げた後、高圧ホモジナイザーで、3kN/cm2の圧力で分散して、最上層塗布液3を調製した。
(最上層塗布液4の調製)
40℃で攪拌しながら、上記調製したシリカ分散液S−2の555gに、上記調製した紫外線重合型ポリビニルアルコール誘導体の水溶液1の210g及び光開始剤(日本化薬製、カヤキュアQTX)の3g、メチルメタクリレート粒子からなるマット剤(粒径15μm、分散度0.54)の3gとを順次添加、混合し、最後に純水で全量を1000gに仕上げて最上層塗布液4を調製した。
(最上層塗布液5の調製)
上記最上層塗布液4の調製において、紫外線重合型ポリビニルアルコール誘導体の水溶液1を、紫外線重合型ポリビニルアルコール誘導体の水溶液2に変更した以外は同様にして、最上層塗布液5を調製した。
(最上層塗布液6の調製)
上記最上層塗布液4の調製において、紫外線重合型ポリビニルアルコール誘導体の水溶液1を、紫外線重合型ポリビニルアルコール誘導体の水溶液3に変更した以外は同様にして、最上層塗布液6を調製した。
(最上層塗布液7の調製)
40℃で攪拌しながら、上記調製したシリカ分散液S−2の555gに、上記調製した紫外線重合型ポリビニルアルコール誘導体の水溶液1の420g、メチルメタクリレート粒子からなるマット剤(粒径15μm、分散度0.54)の3gとを添加、混合し、最後に純水で全量を1000gに仕上げて、最上層塗布液7を調製した。
(最上層塗布液8の調製)
40℃で攪拌しながら、上記調製したシリカ分散液S−2の555gに、上記調製した紫外線重合型ポリビニルアルコール誘導体の水溶液1の630g、メチルメタクリレート粒子からなるマット剤(粒径15μm、分散度0.54)の3gとを添加、混合し、最後に純水で全量を1000gに仕上げて、最上層塗布液8を調製した。
(最上層塗布液9の調製)
40℃で攪拌しながら、上記調製したシリカ分散液S−2の555gに、上記調製した紫外線重合型ポリビニルアルコール誘導体の水溶液1の63g、メチルメタクリレート粒子からなるマット剤(粒径15μm、分散度0.54)の3gとを添加、混合し、最後に純水で全量を1000gに仕上げて、最上層塗布液9を調製した。
(最上層塗布液10の調製)
40℃で攪拌しながら、上記調製したシリカ分散液S−2の555gに、上記調製した紫外線重合型ポリビニルアルコール誘導体の水溶液4の210g、メチルメタクリレート粒子からなるマット剤(粒径15μm、分散度0.54)の3gとを添加、混合し、最後に純水で全量を1000gに仕上げて、最上層塗布液10を調製した。
(最上層塗布液11の調製)
40℃で攪拌しながら、上記調製したシリカ分散液S−2の555gに、上記調製した紫外線重合型ポリビニルアルコール誘導体の水溶液5の210g、メチルメタクリレート粒子からなるマット剤(粒径15μm、分散度0.54)の3gとを添加、混合し、最後に純水で全量を1000gに仕上げて、最上層塗布液11を調製した。
(最上層塗布液12の調製)
上記最上層塗布液4の調製において、メチルメタクリレート粒子からなるマット剤の分散度を2.5に変更した以外は同様にして、最上層塗布液12を調製した。
〔記録媒体1の作製〕
上記調製したインク吸収層塗布液1を用いて、厚さ170g/m2の原紙の両面をポリエチレンで被覆したポリエチレンコート紙(インク吸収層塗設面側のポリエチレン中に8質量%のアナターゼ型酸化チタンを含有。また、インク吸収層塗設面側に0.05g/m2のゼラチン下引き層、その反対の面側には、バック層としてTgが約80℃のラテックス性ポリマーを0.2g/m2含有)に、乾燥膜厚が30μm及び10μmの2層となるようにして、スライドホッパーを用いて同時重層塗布し、その後温風乾燥して記録媒体1を作製した。
〔記録媒体2の作製〕
厚さ170g/m2の原紙の両面をポリエチレンで被覆したポリエチレンコート紙(インク吸収層塗設面側のポリエチレン中に8質量%のアナターゼ型酸化チタンを含有。また、インク吸収層塗設面側に0.05g/m2のゼラチン下引き層、その反対の面側には、バック層としてTgが約80℃のラテックス性ポリマーを0.2g/m2含有)に、インク吸収層塗布液1を乾燥膜厚として30μm、最上層塗布液1を乾燥膜厚で10μmとなる条件で、スライドホッパーを用いて同時重層塗布した後、温風乾燥して記録媒体2を作製した。
〔記録媒体3の作製〕
上記記録媒体2の作製において、最上層塗布液1を最上層塗布液2に変更した以外は同様にして、記録媒体3を作製した。
〔記録媒体4の作製〕
厚さ170g/m2の原紙の両面をポリエチレンで被覆したポリエチレンコート紙(インク吸収層塗設面側のポリエチレン中に8質量%のアナターゼ型酸化チタンを含有。また、インク吸収層塗設面側に0.05g/m2のゼラチン下引き層、その反対の面側には、バック層としてTgが約80℃のラテックス性ポリマーを0.2g/m2含有)に、インク吸収層塗布液1を乾燥膜厚として30μm、最上層塗布液1を乾燥膜厚で10μmとなる条件で、スライドホッパーを用いて同時重層塗布した後、加速電圧175kV、照射線量5Mradの電子線を照射した後、温風乾燥して記録媒体4を作製した。
〔記録媒体5の作製〕
厚さ170g/m2の原紙の両面をポリエチレンで被覆したポリエチレンコート紙(インク吸収層塗設面側のポリエチレン中に8質量%のアナターゼ型酸化チタンを含有。また、インク吸収層塗設面側に0.05g/m2のゼラチン下引き層、その反対の面側には、バック層としてTgが約80℃のラテックス性ポリマーを0.2g/m2含有)に、インク吸収層塗布液1を乾燥膜厚として30μm、最上層塗布液3を乾燥膜厚で10μmとなる条件で、スライドホッパーを用いて同時重層塗布した後、365nmに主波長を持つメタルハライドランプで、波長365nmにおける照度が60mW/cm2の紫外線を用い、エネルギー量で30mJ/cm2の紫外線を照射した後、温風乾燥して記録媒体5を作製した。
〔記録媒体6の作製〕
上記記録媒体5の作製において、最上層塗布液3を最上層塗布液4に変更した以外は同様にして、記録媒体6を作製した。
〔記録媒体7の作製〕
上記記録媒体5の作製において、最上層塗布液3を最上層塗布液5に変更した以外は同様にして、記録媒体7を作製した。
〔記録媒体8の作製〕
上記記録媒体5の作製において、最上層塗布液3を最上層塗布液6に変更した以外は同様にして、記録媒体8を作製した。
〔記録媒体9の作製〕
上記記録媒体5の作製において、最上層塗布液3を最上層塗布液7に変更した以外は同様にして、記録媒体9を作製した。
〔記録媒体10の作製〕
上記記録媒体5の作製において、最上層塗布液3を最上層塗布液8に変更した以外は同様にして、記録媒体10を作製した。
〔記録媒体11の作製〕
上記記録媒体5の作製において、最上層塗布液3を最上層塗布液9に変更した以外は同様にして、記録媒体11を作製した。
〔記録媒体12の作製〕
上記記録媒体5の作製において、最上層塗布液3を最上層塗布液10に変更した以外は同様にして、記録媒体12を作製した。
〔記録媒体13の作製〕
上記記録媒体5の作製において、最上層塗布液3を最上層塗布液11に変更した以外は同様にして、記録媒体13を作製した。
〔記録媒体14の作製〕
上記記録媒体5の作製において、最上層塗布液3を最上層塗布液12に変更した以外は同様にして、記録媒体14を作製した。
《シアンインク液の調製》
以下の各添加剤を順次混合して、シアンインク液を作製した。
水 68.5部
ジエチレングリコールモノブチルエーテル 12部
ジエチレングリコール 10部
グリセリン 8部
C.I.Direct Blue 86 1部
界面活性剤(信越化学製 サーフィノール465) 0.5部
《インクジェット画像記録》
上記作製した各記録媒体と、上記調製したシアンインク液を用いて、下記の方法に従って画像記録した。
上記シアンインク液を、インクジェットプリンターPM−950C(セイコーエプソン(株)製)に搭載し、作製後、23℃で1日保存した記録媒体1〜14に、シアンのベタ画像を印字した。この画像を23℃、55%RHの環境下で1時間かけて乾燥させた。
《形成画像の評価》
上記作製した各記録媒体と上記作成した各画像について、下記の各評価を行った。
〔光沢度の測定〕
上記作成したシアンベタ画像の光沢度を、日本電色工業株式会社製のVGS−1001DPを用いて、75度光沢度(%)を測定した。
〔ひび割れ耐性の評価〕
上記作製した各記録媒体の30cm×10mについて、インク吸収層及び最上層塗設面側をルーペを用いて観察し、塗膜のひび割れ故障の発生数を測定した。
〔搬送性の評価〕
30℃、80%RHの環境下で、上記作製した各記録媒体の30枚を重ね合わせた後、キャノン株式会社製のインクジェットプリンターBJF−900を用いて連続給紙し、これを10回繰り返した。未給紙(ミスフィード)や、多重給紙(マルチフィード)の発生回数を測定し、これを搬送性の尺度とした。
〔インク吸収性の評価〕
各記録媒体のシアンベタ画像印字部を目視観察し、下記の判定基準に従いビーディング耐性の評価を行い、これをインク吸収性の尺度とした。3以上であれば実用上許容の範囲であると判断した。
1:30cmの観察距離でも印字画像のムラが全く認められない
2:30cmの観察距離では印字画像のムラがやや認められるが、45cmの観察距離では印字画像のムラは全く認められない
3:45cmの観察距離では印字画像のムラがやや認められるが、60cmの観察距離では印字画像のムラは全く認められない
4:60cmの観察距離では印字画像のムラがやや認められる
5:60cmの観察距離では印字画像のムラがはっきりと認められる
〔折り割れ耐性の評価〕
23℃、55%RHの環境下で、各記録媒体を5cm×10cmの短冊状に断裁し、これをインク吸収層及び最上層塗設面が外側になるようにコア内径3cmの紙管に巻き付けた後、インク吸収層及び最上層塗設面側をルーペを用いて観察し、折れ割れ故障の発生数を測定した。
以上により得られた結果を、表1に示す。
Figure 2005231048
表1に記載の結果より明らかなように、支持体から最も離れた位置に、無機微粒子、電離放射線により架橋または重合された高分子化合物を含む親水性バインダー及び分散度が2以下のマット剤とを含有する最表層を有する本発明の記録媒体は、比較例に対し、ひび割れ耐性、搬送性及び折れ割れ耐性のいずれの特性にも優れると共に、画像形成を行ってもインク吸収性及び光沢度に影響を及ぼしていないことが分かる。

Claims (7)

  1. 支持体上に複数の空隙層からなるインク吸収層を有し、該支持体から最も離れた位置にある該インク吸収層(最上層)が、無機微粒子、電離放射線により架橋または重合された高分子化合物を含む親水性バインダー及び分散度が2以下のマット剤とを含有することを特徴とするインクジェット記録媒体。
  2. 前記無機微粒子の平均粒径が、1〜200nmであることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録媒体。
  3. 前記無機微粒子と前記親水性バインダーとの質量比が3:1〜15:1であることを特徴とする請求項1または2に記載のインクジェット記録媒体。
  4. 前記電離放射線により架橋または重合された高分子化合物が、紫外線二量化型または電子線硬化型の高分子化合物であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のインクジェット記録媒体。
  5. 前記電離放射線により架橋または重合された高分子化合物が、重合度300以上で、かつ架橋基変性率が4mol%以下である紫外線架橋型変性ポリビニルアルコールであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のインクジェット記録媒体。
  6. 前記支持体が非吸収性支持体であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のインクジェット記録媒体。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載のインクジェット記録媒体を製造する方法であって、支持体上に、無機微粒子、電離放射線により架橋または重合された高分子化合物を含む親水性バインダー及び分散度が2以下のマット剤とを含有する最上層を塗布する工程、塗布後、塗膜に電離放射線を照射する工程、電離放射線を照射した塗膜を乾燥する工程を有することを特徴とするインクジェット記録媒体の製造方法。
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