JP2007152807A - インクジェット記録体の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】インクの吸収速度や画像鮮鋭度に優れ、視覚的に優れた白色度を有する銀塩写真調光沢インクジェット記録体の製造方法を提供する。
【解決手段】微細顔料と、水溶液に活性エネルギー線を照射することによりハイドロゲルを形成する親水性樹脂と、乳化分散された油溶性蛍光増白剤を含有する水性塗料を基材上に塗布し、ついで活性エネルギー線を照射することにより該水性塗料からなる塗工層をハイドロゲル化させた後、乾燥して得られることを特徴とする多孔質インク受容層を有するインクジェット記録体の製造方法である。
【選択図】なし

Description

本発明は、インクの吸収速度や画像鮮鋭度に優れ、視覚的に優れた白色度を有する銀塩写真調光沢インクジェット記録体の製造方法に関する。
これまでにコンピューターなどの出力用として、ワイヤードット記録方式、感熱発色記録方式、溶融熱転写記録方式、昇華記録方式、電子写真方式、インクジェット記録方式などの種々の方式が開発されている。中でもインクジェット記録方式は、記録用シートとして普通紙を使用できること、ランニングコストが安価なこと、ハードウェアがコンパクトで安価なことから、パーソナルユーズに適した記録方式として認知され、プリンターの販売台数を急速に伸ばしてきた。その普及に伴ってハードウエアの改良も進み、フルカラー化や、高速化、高画質化が急速に進展したため、出力用途も単純なモノクロ文字出力から銀塩写真の代替えとなるデジタル画像出力までに拡大しつつあり、必然的に記録紙側に要求される品質も厳しくなってきた。
現在市販されているインクジェット記録紙の中でも、銀塩写真調のフルカラー画像を出力できるメディアとして、光沢紙の販売量が増加傾向にある。これら光沢紙には高いインク吸収性と光沢感が必要とされ、更にデジタルカメラによる撮影画像の記録画像に対し、銀塩方式の写真に匹敵する高い画像鮮鋭度の実現も強く求められている。特に鮮鋭度の高い記録画像を得るためには、インクの発色性やコントラストを高めるためにインクジェット記録紙の白色度を高めることが必要である。
光沢紙に要求される「インク吸収性」を満たすためには、吐出されたインクを素早くかつ多量に吸収する必要がある。市販されている写真調光沢インクジェット用紙の多くは、インク受容層の主成分に高細孔容積の微細顔料を用いることで、この要求を満たしているが、高細孔容積で細孔径も非常に小さい微細顔料は、塗工後の乾燥工程で毛管収縮により受容層にひび割れが発生しやすく、通常の塗工設備ではインク吸収に十分な塗工量(即ち、インク受容層の細孔容積)を得ることが難しい。毛管収縮により発生する乾燥時の応力を少しずつ緩和するには多段塗工や長時間乾燥が効果的であるが、操業効率の悪さが問題となる。
そこで現在製造されている写真調インクジェット光沢紙の多くは乾燥中に発生するひび割れを抑制するために、インク受容層のバインダーとしてポリビニルアルコールを使用し、硬膜剤としてポリビニルアルコールを架橋させるホウ素化合物を組み合わせる手法が多く採用されている。硬膜剤となるホウ素化合物の添加方法は、特開2001−341414号(特許文献1)に開示されているように、インク受容層の塗料に予め混合したり、特開平11−192777号(特許文献2)に見られるように、塗工後のインク受容層にも減率乾燥速度を示す前のタイミングでホウ素化合物含有溶液を塗布するなど数多くの提案がなされているが、これらホウ素化合物による架橋反応により硬膜した多孔質顔料層は非常に脆くなりやすく、乾燥後の塗膜が折り曲げなどの軽度な変形や温湿度の環境変化で容易にひび割れが生じやすいという欠点を有している。本発明者らも、これらのホウ素化合物で架橋された塗工層は、比較的高温高湿度環境に長時間曝されると、ホウ素化合物によるポリビニルアルコールの架橋反応がさらに進行するためか、塗膜表面に無数のひび割れが発生することを確認した。逆に、低湿環境下においても、塗工層に含まれる調湿水分が減少するため、塗工層がより一層脆くなるためかプリンターにおける通紙などのような軽度の変形においてもひび割れが発生し易いことが判った。また、業務用に多く見られるロール状の記録紙の場合にも、塗膜の剛直化により巻き癖が取れ難くなり、印字後の記録紙の取り扱いに支障を及ぼすといった影響も見られた。
そこで本発明者らは、ホウ素化合物による架橋反応に頼ることなくひび割れを抑制する手段として、特開2002−160439号公報(特許文献3参照)には「基材上に一層以上の塗工層を有するインクジェット記録体において、少なくとも一層が、微細顔料とラジカル重合性の不飽和結合を有さず、かつ水溶液に電子線を照射することによりハイドロゲルを形成する親水性樹脂とを含有する水性塗料を塗布し、ついで電子線を照射して該塗布層をハイドロゲル化させたのち乾燥して形成した多孔質のインク受容層であるインクジェット記録体」を提案した。更には、特開2004−338100号公報(特許文献4参照)において、上述した電子線を照射して塗工層をハイドロゲル化させたのちに乾燥させて形成した多孔質インク受容層上に、光沢ロールを用いて光沢化処理を施すことによって銀塩写真調光沢紙の重要品質であるインク吸収性と表面光沢を両立したインクジェット記録体を提案した。これらの手法においては、水溶液状態の塗工層に電子線を照射すると、電子線の直接効果や放射線分解した水の間接効果により水素が引き抜かれ活性種となった「ラジカル重合性の不飽和結合を持たない汎用の親水性樹脂」どうしが互いに結合することで架橋反応が成立すると推定される。この架橋反応は、十分に分子鎖の網目構造が広がった水溶液状態で短時間内に進行するため、ホウ素架橋のように架橋構造が過度に緻密化したり、インクジェット記録体を保管中に、徐々に架橋反応が進行し、塗膜が剛直化するなどの懸念が無い。したがってホウ素架橋塗膜のように、温度40℃湿度90%の高温高湿環境下で保管しても塗工層表面にひび割れが生じることは無かった。近年のインクジェットプリンターの普及に伴い、印字物が保管される環境を多様化しているため、前記のような高温高湿環境は夏季の室内等においては充分想定されるべき環境試験といえる。
この製造方法に関して追加検討した結果、基材を低透気性又は非透気性の基材に限定する必要は無く、塗工工程中の張力や吸液による膨潤によって発生しやすい収縮や皺の対策さえ配慮すれば、透気性基材も使用可能であることが判明した。
一方、デジタルカメラやダイレクトプリント機能が標準装備された写真画質が出力可能なインクジェットプリンターの普及が進んだこと、記録紙メーカーが銀塩写真としてユーザーになじみ深いL判サイズの記録紙の販売を強化したことなどが追い風となり、銀塩写真の代替えとして一般家庭でも今まで以上に手軽にインクジェット記録紙が使用されるようになってきた。それに伴い、銀塩写真調の面質や外観などの風合いは勿論のこと、より鮮やかでコントラストの高い記録画像が強く求められている。このような画像を得るためにはインクジェット記録体の白色度を高めることが有効である。例えば、白色部を残した出力画像の場合、白色部と画像部のコントラストが高いと全体にしまりがでて鮮明でインパクトのある画像が得られるが、白色部がくすんでいると画像全体がぼやけた印象になる。また、最近では画像出力時に「縁なし印刷」が好まれているが、このような場合も、インクの打ち込み量の少ない部分の発色性は下地の色を受けやすく、結果として撮影画像と出力画像で異なった印象を与えることもある。
従来よりインクジェット記録体の白色度を高めるために、蛍光染料あるいは蛍光顔料等の蛍光増白剤を用いることが一般的に行われている。具体的には、インク受容層中に蛍光増白剤を含有させる方法(特許文献5)、インク受容層の下層に蛍光増白剤による白色層を設ける方法(特許文献6〜7参照)、樹脂被覆された支持体を用い、その熱可塑性樹脂層に蛍光増白剤を含有させる方法(特許文献8〜10参照)等である。
本発明者らは、これらを「電子線などの活性エネルギー線照射によるハイドロゲル化を利用するインク受容層」に適用できないかと検討を行った。しかし、本発明のように活性エネルギー線をインク受容層に照射する手法に用いると、基材や塗工層に活性エネルギー線が照射されるので、蛍光増白剤が種類によっては分解してしまい、期待する効果が得られない場合があることが分かった。一般に蛍光増白剤は安定性に乏しい化合物であることが多く、特に水性の塗工液に直接添加して使用される蛍光増白剤類は本発明には不適なものであった。
特開2001−341414号公報 実施例1 特開平11−192777号公報 請求項2 特開2002−160439号公報 請求項1 特開2004−338100号公報 請求項1 特開2000−211247号公報 請求項1 特開2003−94799号公報 請求項1 特開2005−125692号公報 請求項1 特開2001−10210号公報 請求項1 特開2001−310547号公報 請求項1 特開2004−74535号公報 請求項1
本発明の目的は、インクの吸収速度や画像鮮鋭度に優れ、視覚的に優れた白色度を有する銀塩写真調光沢を有するインクジェット記録体の製造方法を提供することである。
(1)微細顔料と、水溶液に活性エネルギー線を照射することによりハイドロゲルを形成する親水性樹脂と、乳化分散された油溶性蛍光増白剤とを含有する水性塗料を、基材上に塗布し、ついで活性エネルギー線を照射することにより該水性塗料からなる塗工層をハイドロゲル化させた後、乾燥して多孔質インク受容層を形成することを特徴とするインクジェット記録体の製造方法。
(2)前記多孔質インクジェット受容層上に、光沢層用塗布液を塗布し、湿潤状態にある間に、加熱された鏡面ドラムに圧着、乾燥して得られる光沢層を有することを特徴とする(1)に記載のインクジェット記録体の製造方法。
(3)前記基材が、少なくともインク受容層を形成する側に顔料とバインダーを含有する下塗り層を有する基材であることを特徴とする(1)または(2)いずれかに記載のインクジェット記録体の製造方法。
(4)前記水性塗料がアセチレンアルコール、アセチレングリコールおよびアセチレングリコールのポリエチレンオキサイド付加物から選ばれた少なくとも1種の界面活性剤を含有することを特徴とする(1)〜(3)いずれかに記載のインクジェット記録体の製造方法。
(5)前記活性エネルギー線として電子線を照射することを特徴とする(1)〜(4)いずれかに記載のインクジェット記録体の製造方法。
本発明の製造法によれば、インクの吸収速度や画像鮮鋭度に優れ、視覚的に優れた白色度を有する銀塩写真調光沢を有するインクジェット記録体が提供される。
(基材)
本発明のインクジェット記録体には、インク受容層となる塗工層を問題なく形成できれば、各種基材を使用することができる。特に、王研式透気度が500秒/100ml未満の透気性を有する基材を用いた場合は、光沢層の光沢化処理工程において、加熱した光沢ロールにより塗工層を効率的に乾燥することが可能なため、高いインク吸収性能を得られやすい。また、透気性基材は比較的比重が低いこともあり概して吸液性も高いものが多く、基材もインク吸収に寄与できるという点で好適ではあるが、塗工や印字の際の吸液により膨張するため、皺やボコツキが発生しやすい側面がある。その点で支障が出た場合は、下塗り層や裏塗り層の塗設が効果的である。また、これらを懸念する必要がないという点で、低透気性又は非透気性基材が好適に使用できる。
本発明において、低透気性又は非透気性の基材とは、王研式透気度が500秒/100ml以上、好ましくは800秒/100ml以上、より好ましくは1000秒/100ml以上であるような基材を意味する。このような、基材を用いると、基材自身への水蒸気や水分の浸透が防ぐことができ、コックリングなどが抑えられた写真調の質感を有するインクジェット記録体を簡便に得ることが出来る。
使用出来る基材としては、例えば、ポリエチレン樹脂を被覆した、所謂樹脂被覆紙、ポリプロピレンを延伸し、特殊加工を施した、ユポ(商品名:ユポ・コーポレーション社製)に代表される所謂合成紙、セロハン、ポリエチレン、ポリプロピレン、軟質ポリ塩化ビニル、硬質ポリ塩化ビニル、ポリエステル(PETなど)、ポリスチレンなどのフィルム、金属蒸着紙、透気度を調節した紙類などが挙げられる。中でも、樹脂被覆紙、合成紙、フィルムの使用が好ましい。
特に、酸化チタンを練り込んだポリエチレンを、紙表面に樹脂被覆した支持体は、仕上がった外観が写真印画紙と同等であるため、好ましく用いられる。ポリエチレン被覆層の厚みは、3〜50μmが好ましく、5〜30μmがより好ましい。ポリエチレン被覆層の厚みが3μm未満の場合は、樹脂被覆時にポリエチレン樹脂の穴等の欠陥が多くなりやすく、厚みのコントロールに困難がある場合が多く、平滑性も得にくくなる。逆に50μmを超えると、コストが増加する割には、得られる効果が小さく、不経済である。また、後述する内側インク受容層の接着性を高めるため、樹脂層表面にコロナ放電処理を施したり、ゼラチン、ポリビニルアルコールなどのサブコート層を設けることが好ましい。
このポリエチレン樹脂を被覆した、所謂樹脂被覆紙に用いる紙基材としては、木材パルプを主材料として製造されているものが使用される。木材パルプは、各種化学パルプ、機械パルプ、再生パルプ等を適宜使用することができ、これらのパルプは紙力や平滑性、抄紙適性等を調整するために、叩解機により叩解度を調整できる。叩解度は、特に限定しないが、一般に250〜550ml(CSF:JIS−P−8121)程度が好ましい範囲である。また、所謂ECF、TCFパルプ等の塩素フリーパルプも好ましく使用できる。また、必要に応じて、顔料を添加することができる。顔料には、タルク、炭酸カルシウム、クレー、カオリン、焼成カオリン、シリカ、ゼオライト等が好ましく使用される。顔料の添加により、不透明性や平滑度を高めることができるが、過剰に添加すると、紙力が低下する場合があり、顔料の添加量は、対木材パルプ1〜20質量%程度が好ましい。
また、基材として、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリイミド、セルローストリアセテート、セルロースジアセテート、ポリエチレン、ポリプロピレン等の透明性が優れているプラスチックフィルムを用いると、バックプリントやOHPシート等の光透過性記録媒体として利用できるインクジェット記録体を作製することができる。本発明で得られるインク受容層は、高透明性であるため、これらの媒体に好適に利用できる。
これらの基材は、その表面に形成するインク受容層との接着力が不十分な場合にはサブコート層を施したり、コロナ放電処理などの各種の易接着処理を施すことができる。
基材の厚さは、プリンターの通紙性を考慮すると50〜500μmが好ましい。特に、吸水性基材の場合は、あまり基材が薄いと湿潤時の強度や寸法安定性の低下が懸念されるため、比較的厚めの100〜500μmが望ましい。
また、インクジェット記録体のカール抑制や、搬送性の向上のため、基材シートのインク受容層とは反対側に裏面層を設けることもできる。特に、透気性もしくは吸水性の高い基材を用いる場合は、手触り感を銀塩写真により近づけるためにも裏面層を塗設することが望ましい。裏面層の構成及びそれに伴う基材シート裏面の易接着処理等はその用途に応じて選択することができ、特に限定されるものではないが、塗工性、コストを鑑みると顔料と親水性樹脂を主成分とする裏面層を設けることが好適である。但し、裏面層の吸水性が高すぎると、印刷後に積層した記録体が貼り付いたり、べたついたりするため好ましくない。
更に両面印刷を想定し、インク受容層を含む塗工層を両面に設けても良く、ラベルやシール用途に対応すべく、裏面に粘着剤を塗布した後、剥離紙と組み合わせても良い。
(下塗り層の形成)
本発明のインクジェット記録体は、上記の基材上に、顔料とバインダーを有する下塗り層を形成してもよい。下塗り層には、基材の寸法安定性や、平滑性、色調を修正したり、インクジェットインク成分中の溶媒を速やかに吸収するなどの機能を付与することができる。インク受容層で定着できなかったインクジェットインク成分中の着色剤、すなわち染料を定着させてもよい。特に吸水性基材を使用する場合は、前述の通り湿潤時の強度や寸法安定性の観点からも下塗り層を塗設する事が好ましい。
下塗り層に使用される顔料としては、コロイダルシリカ、無定形シリカ、アルミナ、水酸化アルミニウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、カオリン、焼成カオリン等の透明又は白色顔料が例示される。インク受容層や光沢層で使用する顔料も使用できる。これらの内で特に好ましい顔料は、無定形シリカである。
無定形シリカを使用する場合、無定形シリカは、平均一次粒子径3〜70nmで、且つ、平均二次粒子径20μm以下であることが好ましく、平均一次粒子径10〜40nmで、且つ、平均二次粒子径15μm以下のものがより好ましい。下塗り層に使用される無定形シリカの平均二次粒子径は、インク受容層に使用される無定形シリカの平均二次粒子径より大きいことが好ましい。下塗り層に使用される無定形シリカの平均二次粒子径が、インク受容層に使用される無定形シリカの平均二次粒子径より小さい場合は、インク吸収性が低下する場合がある。
下塗り層のバインダーとしては、カゼイン、大豆蛋白、合成蛋白等の蛋白質類、澱粉や酸化澱粉等の各種澱粉類、ポリビニルアルコール、カチオン性ポリビニルアルコール、シリル変性ポリビニルアルコール等の変性ポリビニルアルコールを含むポリビニルアルコール類、カルボキシメチルセルロースやメチルセルロース等のセルロース誘導体、スチレン−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体の共役ジエン系重合体ラテックス、アクリル系重合体ラテックス、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のビニル系重合体ラテックス等一般に塗工紙用として用いられている従来公知のバインダーが単独、あるいは数種類を組合せて用いられる。
下塗り層における顔料とバインダーの配合割合は、その種類にもよるが、一般に顔料100質量部に対しバインダー1〜100質量部、好ましくは2〜50質量部の範囲で調節される。
下塗り層には、インク受容層から浸透してきたインクを捕らえ、染料を固着し、耐水性を付与し、記録濃度を向上させるために、必要に応じてカチオン性化合物を添加することができる。代表的なカチオン性化合物としては、ポリエチレンポリアミンやポリプロピレンポリアミン等のポリアルキレンポリアミン類又はその誘導体、第2、3級アミン基や第4級アンモニウム基を有するアクリル樹脂、ポリビニルアミン類、ポリビニルアミジン類、ジシアンジアミド−ホルマリン重縮合物に代表されるジシアン系カチオン樹脂、ジシアンジアミド−ジエチレントリアミン重縮合物に代表されるポリアミン系カチオン樹脂、エピクロルヒドリン−ジメチルアミン付加重合物、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド−二酸化イオウ共重合物、ジアリルアミン塩−二酸化イオウ共重合物、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド重合物、アリルアミン塩の重合物、ジアルキルアミン(メタ)アクリレート4級塩重合物、アクリロニトリルとN−ビニルアクリルアミジン塩酸重合体とその加水分解物、ポリアミジン系樹脂、アクリルアミド−ジアリルアミン塩共重合物等のカチオン樹脂が例示でき、単独又は数種類を組み合わせて使用しても良い。
下塗り層を形成するための塗布液には、上記成分の他に、更に、一般塗工紙の製造において使用される分散剤、増粘剤、消泡剤、帯電防止剤、防腐剤、蛍光染料、着色剤等の各種助剤が適宜添加される。
下塗り層の塗布量は、0.5〜30g/m程度であり、ブレードコーター、エアナイフコーター、ロールコーター、バーコーター、グラビアコーター、ダイコーター、カーテンコーター等、各種公知の塗工装置で形成できる。特に、エアナイフコーターは、幅広い塗料物性、塗布量に対応可能なため、好適に用いられる。また、ダイコーターやカーテンコーターは、塗布量の均一性に優れるため、特に高精細な記録を目的とする光沢タイプのインクジェット記録体には、好ましい塗工方法である。
(インク受容層の形成)
本発明のインクジェット記録体は、上記の基材上に、或いは基材上に形成した顔料とバインダーを有する下塗り層上に、インク受容層を形成する。
本発明のインクジェット記録体のインク受容層は、微細顔料と、水溶液に活性エネルギー線を照射することによりハイドロゲルを形成する親水性樹脂と、乳化分散された油溶性蛍光増白剤を含む水性塗料を塗布し、ついで活性エネルギー線を照射して該水性塗料塗工層をハイドロゲル化させた後、乾燥して得られる多孔質層である。
インク受容層に用いる微細顔料としては、平均粒子径が500nm以下、より好ましくは300nm以下の微細顔料を用いることにより、インク吸収性に優れ、透明性、光沢性にも優れる受容層が得られるが、これに限定するものではない。ここで、平均粒子径とは動的光散乱法によって測定した粒子径(キュムラント法で求められる値)である。種類は限定されないが市販の顔料、例えばシリカ、アルミノシリケート、カオリン、クレー、焼成クレー、酸化亜鉛、酸化錫、水酸化アルミニウム、ベーマイト、擬ベーマイト、アルミナ、炭酸カルシウム、サチンホワイト、珪酸アルミニウム、スメクタイト、珪酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、珪藻土、スチレン系プラスチックピグメント、尿素樹脂系プラスチックピグメント、ベンゾグアナミン系プラスチックピグメント等、一般塗工紙或いはインクジェット記録体の分野で公知の各種顔料が挙げられる。これらの微細顔料の中でも、特にシリカ、水酸化アルミニウム、ベーマイト、擬ベーマイト、アルミナは細孔容積が大きく、インク吸収性に優れるので好適に用いられる。
高光沢、高透明性のインク受容層を得るためには、微細顔料として、平均粒子径3〜40nmの一次粒子が凝集して、平均粒子径500nm以下の二次粒子を形成している微細顔料を使用するのが好ましい。特に二次粒子の粒子径は、好ましくは8〜400nm、より好ましくは10〜300nmである。このような二次粒子は二次粒子内部に空隙があるので細孔容積が大きい。さらに二次粒子間の空隙もインク吸収に利用できるためインク吸収能力が高い。また、一次粒子は光の波長に比べて充分に小さいので、光の散乱能力が小さく、インク受容層の透明性が高くなる利点がある。顔料の一次粒子径や二次粒子径が小さすぎるとインク吸収に寄与する空隙を形成し難くなるため、インク受容層のインク吸収性が劣るおそれがある。逆に、一次粒子径や二次粒子径が大きすぎるとインク受容層の透明性が低下し、高印字濃度を得にくいおそれがある。また、二次粒子径が大きすぎると、インク受容層の光沢が低下するだけでなく、表面のざらつきや、粉落ちの原因となるおそれがある。なお、本発明でいう顔料の一次粒子径はすべて電子顕微鏡(SEM及びTEM)で観察した粒子径(マーチン径)である(「微粒子ハンドブック」、朝倉書店、p52参照)。また、二次粒子径は、動的光散乱法によって測定した粒子径である。
また、インク吸収能の高いインク受容層を得るためには、微細顔料の細孔容積は高い方が好ましいが、本発明に好適に用いられる微細顔料の細孔容積は、0.4〜2.5ml/gである。好ましくは0.4〜2.0ml/gであり、より好ましくは0.6〜1.9ml/g、最も好ましくは0.7〜1.8ml/gである。この細孔容積は、ガス吸着法による比表面積・細孔分布測定装置を用いて求めた値である。尚、本発明では細孔容積は細孔径100nm以下の細孔の全細孔容積である。微細顔料系受容層において、一般には微細顔料の細孔容積が高いほど塗工層のインク吸収性も高くなるが、塗工後の乾燥時に発生する毛管力による収縮も大きくなるため、一般的な塗工方法ではひび割れによる成膜不良を起こし易く、実用に供し難い。しかし、本発明方法のインクジェット記録体はそのような成膜不良の懸念を必要としない。
これらの微細顔料の製造方法は特に限定されないが、その手段の一つとして市販の顔料(数μm)に機械的手段で強い力を与えることにより粉砕、分散して得る方法が挙げられる。つまり、breaking down法(塊状原料を細分化する方法)によって得られるものである。機械的手段としては、超音波ホモジナイザー、圧力式ホモジナイザー、高速回転ミル、ローラーミル、容器駆動媒体ミル、媒体攪拌ミル、ジェットミル、サンドグラインダー等の機械的手法が挙げられる。得られる微細顔料はコロイド状であっても、スラリー状であっても良い。その他の好ましい微細顔料の製造方法として、特開平5−32413号公報や特開平7−76161号公報などに開示されている金属アルコキシドの加水分解による方法が挙げられる。
前述の如き無機顔料の中でも、特にシリカは細孔容積が比較的大きいので好ましい。シリカにはケイ酸アルカリ塩を原料とする湿式法シリカや、四塩化珪素などの揮発性珪素化合物を火炎中で分解する乾式法シリカ、メソポーラスシリカなどがあるが、いずれも好ましい。
また、特開2001−354408号公報に記載されている「窒素吸着法による比表面積が300m/g〜1000m/gで、細孔容積が0.4ml/g〜2.0ml/gであるシリカ微粒子がコロイド状に分散した液をシード液とし、該シード液にアルカリを添加したのち、該シード液に対し活性ケイ酸水溶液及びアルコキシシランから選ばれる少なくとも一種類からなるフィード液を少量ずつ添加してシリカ微粒子を成長させることを特徴とする、窒素吸着法による比表面積が100m/g〜400m/g、平均二次粒子径が20nm〜300nm、かつ細孔容積が0.5ml/g〜2.0ml/gのシリカ微粒子がコロイド状に分散したシリカ微粒子分散液の製造方法。」によって製造される微細シリカも、好ましく使用できる。
特開2001−354408号公報で開示されている活性ケイ酸の縮合による方法は、機械的手段によらずに直接、上記の粒子径や細孔容積を有する微細シリカを製造でき、かつ粒度分布が狭いので透明度や光沢が良好な塗工層となるため好ましく用いることができる。ここで、活性ケイ酸とは、例えば、アルカリ金属ケイ酸塩水溶液を水素型陽イオン交換樹脂でイオン交換処理して得られるpH4以下のケイ酸水溶液をさす。SiO濃度として1〜6質量%が好ましく、より好ましくは2〜5質量%でかつpH2〜4である活性ケイ酸水溶液が望ましい。アルカリ金属ケイ酸塩としては、市販工業製品として入手できるものでよく、より好ましくはSiO/MO(但し、Mはアルカリ金属原子を表す)モル比として2〜4程度のナトリウム水ガラスを用いるのが好ましい。活性ケイ酸の縮合方法としては、熱水に活性ケイ酸水溶液を滴下するか、活性ケイ酸水溶液を加熱してシード粒子を生成させ、分散液が沈殿を生じる前、若しくはゲル化する前にアルカリを添加してシード粒子を安定化し、次いで該安定状態を保ちながら活性ケイ酸水溶液をシード粒子に含まれるSiO1モルに対してSiOに換算して0.001〜0.2モル/分の速度で添加してシード粒子を構成する各一次粒子を成長させたものが好ましい。平均二次粒子径は1μm以下であり、好ましくは20nm〜800nm、最も好ましくは30nm〜700nmである。尚、この平均二次粒子径は動的光散乱法を採用した粒度計で測定し、キュムラント法で解析した値である。
これら各種シリカの細孔容積としては0.4〜2.5ml/gが好適である。一方、一般にコロイダルシリカと呼ばれるシリカもあるが、これは、通常、ケイ酸アルカリ塩水溶液をイオン交換樹脂で処理してケイ酸水溶液を製造し、アルカリを添加してケイ酸水溶液を安定化したのち、加熱して微細なシリカが単分散した液を作り、ケイ酸水溶液を徐々に添加して該シリカ微粒子を成長させて製造されるものである。コロイダルシリカは製造方法からわかるように、シリカ粒子は二次粒子を形成していない。そのため、細孔容積は0.2〜0.3ml/gの範囲であり、インク受容層に用いてもインク吸収量が少ないので不利である。
インク受容層の主成分である微細顔料として前述の各種製造法で得られるシリカなどのアニオン性微細顔料を使用する場合、必須成分である特定のカチオン樹脂などのカチオン性化合物と混合すると凝集が生じる場合がある。その場合、微細顔料を予め各種手段でカチオン化しておくと、混合による増粘や凝集が塗料物性に影響を及ぼさないため好適である。
アニオン性微細顔料のカチオン化剤としては、微細顔料がシリカの場合、1)1級〜4級のアミノ基を有するシランカップリング剤、2)1級〜4級のアミノ基を有する水溶性カチオン樹脂、3)ポリ塩基性塩化アルミニウム等の多価金属塩化合物などのカチオン化剤が例示できる。中でも、色調調整や画像保存性の観点から、「吸液性の高いシリカ微粒子」にインク受容層成分として適当な「1級〜4級のアミノ基を有する水溶性カチオン樹脂」を予め複合化させたカチオン化シリカ、更に詳しくは「1級アミン構造を有する水溶性カチオン樹脂」を予め複合化させたカチオン化シリカを使用すると最も好適である。
水溶性カチオン樹脂とアニオン性微細顔料の複合化手法は、それぞれの材料の特性によって条件は異なるが、両者を混合して凝集・増粘したスラリーを、再度機械分散・粉砕し、凝集体の二次粒子径を所望の粒子径に調整することによって達成される。この手段を経ることにより、水溶性カチオン樹脂はアニオン性微細顔料の周囲を比較的安定した状態でつつみこむため、更にカチオン樹脂が共存した状態でも、アニオン性微細顔料分散液は安定化される。この効果を充分得るためには、複合化に使用する前述の水溶性カチオン樹脂の量がアニオン性微細顔料の量に対して少なすぎると、微細顔料の周囲を安定的に取り囲むことが出来ないため、複合化後のスラリーや塗料の安定性が下がってしまう懸念がある。一方、逆に水溶性カチオン樹脂の量が多すぎても、インク吸収性を阻害するため不適である。具体的には、微細顔料100質量部に対して水溶性カチオン樹脂が0.5〜30質量部程度、更に好ましくは、2〜20質量部であることが適当であるが、水溶性カチオン樹脂の種類や分子量によって最適量は異なるため、この範囲に限定されない。
一度凝集させたアニオン性微細顔料と水溶性カチオン樹脂を再度機械分散・粉砕する手法としては、平均2次粒子径が1μm程度まではホモミキサーなどの弱い機械力で処理すれば十分分散するが、平均2次粒子径を1μm以下に粉砕するにはより強い機械力を加えることが必要なため、圧力式分散方式が望ましい。好ましい具体例としては、原料粒子のスラリー状混合物をオリフィス中、高圧で連続的に通過させて高速で壁に衝突させるか、スラリー同士で対向衝突させる方式であり、処理圧力は、好ましくは10〜350MPa、より好ましくは20〜300MPa、さらに好ましくは、30〜200MPaである。上記高圧粉砕により処理することで良好な分散あるいは粉砕が達成できる。特に高圧でオリフィスを通過したスラリー状混合物を対向衝突させることにより分散、或いは粉砕する方式を用いると、より好ましい。対向衝突による方法は、分散液を加圧することによって入口側に導き、分散液を二つの通路に分岐してさらに流路をオリフィスにより狭めることによって流速を加速して対向衝突させ、それによって粒子同士を衝突させて粉砕する。分散液を加速したり衝突させたりする部分を構成する材料としては、材料の摩耗を抑えるなどの理由からダイヤモンドが好ましく用いられる。
高圧の圧力式ホモジナイザーとしては、マイクロフルイタイザー(マイクロフルイディックス社製)、アルティマイザー(株式会社スギノマシン製)、ホモゲナイザー(三和機械株式会社製)、ナノマイザー(吉田機械興業株式会社製)が用いられ、特に高速流衝突型ホモジナイザーとしてマイクロフルイタイザー、ナノマイザ−が好ましい。このようにして処理されたカチオン化されたアニオン性微細顔料は、一般に固形分濃度が5〜20質量%程度の水分散体(スラリーあるいはコロイド粒子)として得られる。
最も好適に使用されるシリカ以外のアニオン性微細顔料も、同様の方法でカチオン化することが可能である。
画像の更なる定着性向上や色調調整、各種品質調整のために、インク受容層となる水性塗料には、前述のカチオン樹脂のほかにカチオン性化合物を混合しても良い。このカチオン性化合物の種類も特に限定されるものではないが、例えば、下塗り層への添加成分の一例として前述した各種カチオン樹脂、もしくはエマルジョンタイプのカチオン性樹脂、多価金属塩化合物などの各種カチオン性無機塩などが挙げられ、これらを単独又は数種類を組み合わせて配合してもよい。これらは単に塗料に混合するだけでも良いし、上記の方法で微細顔料と複合化しても良い。
本発明のインク受容層に必須成分として含まれる、水溶液に活性エネルギー線を照射することによりハイドロゲルを形成する親水性樹脂としては、水性塗料中に溶解もしくは分散した状態で活性エネルギー線を照射されると、重合反応や架橋反応のように分子量が増加する反応を起こし、塗料をハイドロゲル化する性質を有している物質であれば、特に種類を限定されるものではない。一例として、一般的に光硬化型樹脂と言われる分子末端或いは側鎖にアクリロイル基もしくはメタクリロイル基を有するポリマー又はオリゴマーがあり、それらの中には、ポリエステル系、ポリウレタン系、ポリエポキシ系、ポリエーテル系がありいずれも使用できる。また、1分子の中に複数のアクリロイル基又はメタクリロイル基を含むポリマー又はオリゴマーも使用でき、上記の光硬化性ポリマー又はオリゴマーと混合して使用しても良い。また、光による二量化反応によって分子間架橋を起こす官能基、例えば、スチリルピリジウム基を有するポリマーも使用できる。
その他にも、活性エネルギー線として電子線を使用する場合は、下記に例示するような一般的な親水性樹脂も水溶液に電子線を照射することによりハイドロゲルを形成するため、使用可能である。これらの樹脂は汎用品であるため比較的安価に入手でき、インクジェット受容層の材料として品質や安全性等の実績もあるため、最も好適に利用できる。具体例としては、完全けん化ポリビニルアルコール、部分けん化ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキサイド、ポリアルキレンオキサイド、ポリビニルピロリドン、水溶性ポリビニルアセタール、ポリ−N−ビニルアセトアミド、ポリアクリルアミド、ポリアクリロイルモルホリン、ポリヒドロキシアルキルアクリレート、ポリアクリル酸、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ゼラチン、カゼイン及びこれらの水溶性誘導体が例示できるが、これに限定するものではない。
また、水溶性誘導体には前記各樹脂の構成単位を含む共重合体も含まれる。例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、水溶性ポリビニルアセタール、ポリ−N−ビニルアセトアミド、ポリアクリルアミド、ポリアクリロイルモルホリン、ポリヒドロキシエチルアクリレート、ポリアクリル酸などを構成するビニルモノマーからなる共重合体、また、これらのモノマーとそれ以外のモノマーを含む共重合体を例示できる。また、これらの樹脂を単独で使用するだけでなく二種類以上混合して用いることもできる。これらの樹脂は汎用の樹脂であるので安価であり、皮膚刺激性も弱く、分子量を選択する事で電子線照射後に得られるゲルの強度も容易に調整できるため、電子線硬化性成分として好適に用いられる。また前記のアクリロイル基またはメタクリロイル基を含む電子線硬化性ポリマー、オリゴマー、及びモノマーよりも親水性が高い点も好ましい点である。
これらの親水性樹脂の中でも、微細顔料との混和性、塗工適性、得られるインクジェット記録体の品質の観点からポリビニルアルコールもしくはその誘導体が最も好適に使用される。けん化度は特に限定するものではなく、70〜99.9mol%の範囲で適宜使用可能であるが、けん化度が低すぎると親水性が低下し、高すぎるとフィブリル化などのおそれもあるため、好ましくは75〜99.9mol%、より好ましくは78〜99.8mol%である。また、重合度としても200〜4500で適宜使用可能であるが、重合度が低すぎると塗料粘度が低くなりすぎて電子線を使用してもひび割れを抑制することが出来ないおそれがあり、重合度が高すぎると塗料粘度が高くなりすぎるため塗工適性が著しく低下するおそれがある。よって、好ましくは重合度1000以上、より好ましくは重合度1000〜4500の範囲である。
因みに、ハイドロゲルとは、水を主成分とする溶媒で膨潤した状態の三次元網目構造を持つ高分子であり、流動性のない状態である。本発明の方法で使用される活性エネルギー線を照射することによりハイドロゲルを形成する親水性樹脂の分子量の最適値は、樹脂の種類毎に性状が異なるので一概にいえないが、あまり高すぎると、微細顔料と混合した際に塗工液がゲル化しやすく、また、ゲル化には至らなくても塗工液が高粘度となる等、塗工性に問題が発生するおそれがある。逆に、分子量が低すぎても、活性エネルギー線照射によって得られるハイドロゲルのゲル強度が不十分となるため乾燥後の塗膜のひび割れが発生し、本発明の効果が充分に得られないおそれがある。従って、分子量の目安としては、代表的な樹脂で1万〜500万程度がよく、より好ましくは、5〜100万のものがよい。
また、印字後の経時的な色調変化には、インク中に含まれる親水性高沸点溶剤との親和性の高い樹脂を単独で、又は混合して使用することも効果的である。インク中に含まれる親水性高沸点溶剤としては、グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、2−ピロリドン、チオジグリコール、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、1,5−ペンタンジオール等があり、これらの溶剤との親和性が高い樹脂としては、ポリビニルピロリドン、ポリアクリロイルモルホリン、ポリヒドロキシアルキルアクリレート、ヒドロキシプロピルセルロース等が挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。
水溶液に活性エネルギー線を照射することによりハイドロゲルを形成する親水性樹脂の混合物の割合は、微細顔料100質量部に対して前記親水性樹脂を1〜100質量部程度が好ましい。本発明のインクジェット記録体は、主に顔料の内外に形成された細孔にインクを受容することで画像を形成するものであるため、インク吸収の観点からは前記親水性樹脂量を最小量に抑えることが望ましい。また、親水性樹脂はインク受容層中の微細顔料の見かけ粒子径を増大させるものであるため、インク受容層の透明性の観点からも、親水性樹脂はひび割れが発生しない範囲内で少ないほうが良い。以上の理由から、微細顔料100質量部に対して前記親水性樹脂を3〜30質量部が更に好ましく、5〜25質量部含有させることが最も好ましい。
次に本発明のインク受容層で用いられる蛍光増白剤について説明する。蛍光増白剤は、紫外部の光を吸収して、吸収光の一部を青紫色光として反射する性質があり、対象物の黄色味をうち消して、見た目を白く見せる物質である。具体的には、スチルベン系、クマリン系、オキサゾール系、チアゾール系、イミダゾール系、カルバゾール系、ナフタルイミド系、カルボスチリル系、ピラゾリン系の各種化合物等が例示される。
本発明では、乾燥時の塗工層収縮によるひび割れ防止等のインクジェット記録体の品質向上の観点から、乾燥前のインク受容層に活性エネルギー線を照射する手法を取るため、インク受容層中に含まれる蛍光増白剤に対しても活性エネルギー線が照射される。よって、蛍光増白剤は活性エネルギー線照射により構造が変化し難いもの、増白作用が著しく低下しないことが必要である。一般的にインク受容層に用いられる水性塗料には、相溶性の面から水溶性の蛍光増白剤が好適に用いられるが、水溶性蛍光増白剤は構造が比較的簡単に壊れやすいため、活性エネルギー線照射により生じたラジカルによる攻撃を受け易く期待する増白効果が得られ難い。一方、油溶性蛍光増白剤を乳化分散して水性塗料に添加する場合には、ラジカルの影響を多少エマルジョン表面には受けるものの、構造は強固であり、活性エネルギー線が照射されてもその増白効果を保持することが可能であるため本発明に用いられる。
水性塗料に油溶性蛍光増白剤を添加する場合、乳化分散物として添加する方法が主に用いられるが、水溶性蛍光増白剤使用時に比べ、相溶性が悪いために乾燥時に細かなムラを生じたり、添加量によってはひび割れを生じやすいが、本発明では、活性エネルギー線を照射し、塗工層をハイドロゲルとして固定化した後に乾燥させるためにこのような欠陥は問題とならない。
本発明で用いられる油溶性蛍光増白剤としては、特に英国特許第786,234号に記載された置換スチルベン、置換クマリンや米国特許第3,135,762号に記載された置換チオフェン類などが有用であり、その他特公昭45−37376号、特開昭50−126732号に開示されているような蛍光増白剤が有利に使用できる。
前記乳化分散物の調製の方法としては、高沸点有機溶媒または水不溶性ポリマーに溶解し、乳化分散することで調製する方法がある。具体的には、英国特許第1072915号に例示されているような、高沸点有機溶媒に蛍光増白剤を溶解し、これをゼラチン等の親水性コロイド中に界面活性剤と共に乳化分散する方法があり、高沸点溶媒としてはフタル酸エステル、リン酸エステル類の他、アミド化合物、安息香酸エステル類、置換パラフィン類なども用いることができる。また、高沸点有機溶媒の代わりに、ポリウレタン、ポリアクリル酸エステルなどの水不溶性ポリマーを用いて、前述と同様にして乳化分散物を調製することもできる。
蛍光増白剤の含有量は、溶解させる高沸点有機溶剤または水不溶性ポリマーに対して0.5〜20質量%が好ましく、1〜10質量%がより好ましい。上記範囲とすると濃度消光とよばれる蛍光強度の低下が起こりにくく,必要十分な蛍光強度を得ることができる。
乳化分散物は、高速撹拌式分散機や、ホモジナイザーのような高圧式分散機、ボールミルやサンドミルのような分散メディアを使用した粉砕型分散機、超音波分散機等の機械的分散手法を用いて調製することが好ましい。ホモミキサーなど比較的低速の撹拌式分散機で粗分散して水性塗料に直接添加した場合は、相溶性が低いため塗料安定性が悪く分離を生じたり、乾燥過程で大きなムラを生じるおそれがある。乳化分散物の平均粒子径に制限はないが、0.05μm〜100μmが好ましく、更に好ましくは10μm以下、最も好ましくは1μm以下である。
蛍光増白剤の配合比率はインク受容層に含まれる微細顔料100質量部に対して0.05〜10質量部であり、好ましくは0.3〜3質量部である。0.05質量部未満では白色度の向上効果が少なく、10質量部を超えるとインク受容層自体の透明性が低下し、印字濃度が下がる。
所望とする増白効果を高めるために、蛍光増白剤とともに着色剤を併用することも可能である。このような着色剤には染料系着色剤、有機顔料系着色剤、無機顔料系着色剤等が挙げられるが、本発明では被記録体の色調の長期保存性、耐熱性、発色性の観点より、顔料系着色剤を使用することが好ましい。
本発明のインク受容層は多孔質であるが、具体的には細孔容積が0.2〜2.0ml/gの範囲になるよう調節することが好ましい。微細顔料の細孔容積の選択により、また、親水性樹脂の添加量を適切に調節することによりこの範囲内に調節することができる。細孔容積が0.2ml/g未満の場合、塗布量を多くしないとインクを吸収できないのでインクジェット記録体の製造コストが高くなる。また、2.0ml/gを越える細孔容積ではインク受容層の機械的強度が低下し、インク受容層に傷がついたり、剥がれたり、割れたりしやすくなり好ましくない。尚、本発明の細孔容積は細孔径100nm以下の細孔の全細孔容積である。
本発明に用いる水性塗料の好適な固形分濃度は、主成分の微細顔料、樹脂の種類によって大きく異なるが、水性塗料が安定かつ塗工可能な範囲内で、より高濃度であることが好ましい。それは、水性塗料が高濃度である程、活性エネルギー線照射によって進行する架橋反応の効率が高まるだけでなく、ゲル化後の塗工層にも高ゲル強度が期待でき、乾燥負荷も軽くなるためである。本発明に用いられる水溶液に活性エネルギー線を照射することによりハイドロゲルを形成する親水性樹脂の中には、水分を含まない状態で活性エネルギー線照射を施されると分子鎖が切断される崩壊が優先的に進行し、意図した架橋反応が進まないおそれがあるものもあるが、塗工液中に固形分に対して同量以上の水が存在すれば、架橋反応は水溶液中とほぼ同等に進行すると推測される。実際は、本発明で好適に用いられる微細顔料の水分散液が高濃度になるほどゲル化しやすいため、水性塗料の安定性の面で濃度の上限が決まる場合が多い。以上の点を考慮すると、水性塗料の固形分濃度は、好ましくは3〜40質量%、より好ましくは5〜25質量%である。
主成分以外にも、水性塗料の塗工性を著しく悪化させることなく、かつインク吸収に必要な細孔を保ち、インク受容層の耐水性を大幅に低下させることのない範囲内であれば、インク受容層に他の成分を添加することもできる。これらの添加物自体は、水溶液に活性エネルギー線を照射してもハイドロゲルを形成しない成分であっても良い。
その例としては、消泡剤を混合して塗工時の作業性を向上したり、基材の濡れ性を良くして均一なインク受容層を得るために界面活性剤を配合することもできる。比較的高分子量のカチオン樹脂を使用した場合、塗料粘度の経時増粘やチキソ性増大が起きやすく、塗工適性があまり良くないことが多い。その場合、塗料に界面活性剤を一定量添加すると、塗工適性が良好となるため好適である。また、本発明のように乳化分散体を水性塗料に含有させる場合も塗料の均一化を高めるために有効である。これらの添加量は特に規定するものではないが、塗料の主成分である微細顔料100質量部に対して、0.001〜5質量部、より好ましくは0.01〜1質量部が好適である。界面活性剤の添加量が少なすぎると前述の塗料適正改善効果が充分に得られないため不適となる。一方、添加量が多すぎると、塗工後の塗膜から過剰量の界面活性剤がしみだすことによって生じるブロッキングや裏面への転移のトラブルが発生するため不適となる。
また、界面活性剤としては、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤のいずれであってもよい。アニオン系界面活性剤としては、例えば、硫酸エステル塩系、スルホン酸塩系、リン酸エステル塩系等が挙げられる。カチオン系界面活性剤としては、例えば、アミン塩系、4級アンモニウム塩系等が挙げられる。ノニオン系界面活性剤としては、例えば、アセチレングリコール系、ポリエチレングリコール系(高級アルコールエチレンオキサイド付加物、脂肪酸エチレンオキサイド付加物、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加物、ポリプロピレングリコールエチレンオキサイド付加物、高級脂肪族アミンおよび脂肪酸アミドのエチレンオキサイド付加物)、多価アルコール系(グリセリンおよびペンタエリスリトールの脂肪酸エステル、ソルビトールおよびソルビタンの脂肪酸エステル、ショ糖の脂肪酸エステル、多価アルコールのエチレンオキサイド付加物、脂肪酸アルカノールアミド等)等が挙げられる。
上記界面活性剤の中でも、インクジェットプリンターのインクとの親和性が高いことから、ノニオン系界面活性剤が好ましく、さらには、ノニオン系界面活性剤の中でも、アセチレングリコール系界面活性剤が好ましい。アセチレングリコール系界面活性剤は、分子中にアセチレン性三重結合を形成する互いに隣接した炭素原子に酸素原子が結合されているため、ノニオン性でありながら、非常に強い極性を有している。そのため、少量の添加でも表面活性効果が高く、支持体に対する架橋剤含有塗液の濡れ性を向上させることができる。また、一般的に、界面活性剤は気泡形成性が強いため、泡立ちという問題を生ずるが、アセチレングリコール系界面活性剤は消泡性を有しており、泡立ちを抑制できる。
アセチレングリコール系界面活性剤は、分子中にアセチレン結合とアルコール性水酸基とを有する化合物であり、その中でも、アルキニレングリコール化合物とエチレンオキサイドとの付加反応生成物が好ましい。特に好ましいアセチレングリコール系界面活性剤は、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオールにエチレンオキサイドを付加した化合物であって、下記化学式(1)により表される化学構造を有する化合物である。とりわけ、化学式(1)において、m+nが6以下であることが好ましく、m+nが2〜5であることがより好ましい。m,nは整数であるが、平均値は勿論整数でない場合がある。
Figure 2007152807
その他に、記録体のブロッキング防止やプリンターの通紙性向上のため、デンプンや合成樹脂粒子を混合する等の添加物が例示できるがこの限りではない。また、透明性や表面光沢の調整に、主成分以外の各種顔料を添加することもできるし、印字画像の保存性向上のため、紫外線吸収剤や光安定化剤などの耐光性向上剤を添加することもできる。
これらの添加物の添加方法としては、予め水性塗料に混合しておいてもよいし、まず塗工層を形成してから添加物を含む溶液を上塗り、噴霧、含浸するなどの方法で、後から添加しても良い。添加物を水性塗料に予め添加する場合、添加のショックで塗料がゲル化してしまった時には、前述のシリカのカチオン化手法と同様に機械的手段を用いて再分散させることも有効な手段である。
本発明で得られるインク受容層は、一層で充分な画質、インク乾燥性を発揮することが出来るが、多層構成とすることもできる。その場合、「塗布、活性エネルギー線照射、乾燥」を繰り返しても良いし、塗布し活性エネルギー線照射後に次の層を塗布しても良いし、塗布後に直ちに次の層を塗布して活性エネルギー線照射を行っても良い。更に、多層を同時に塗工し、活性エネルギー線照射を行っても良い。また、活性エネルギー線照射の必要性のない層については、活性エネルギー線照射を行わなくとも良い。
活性エネルギー線を使用しない通常の塗工方法で複数の層を塗布してから一度に乾燥しようとすると、乾燥終了までの間に層間が乱れて各層の塗料が混じりあってしまい、得られる各層の塗布量にムラが生じたり、品質に悪影響を及ぼすことが多い。特に、塗料が低粘度であったり、塗工が低速であったり、高塗布量である場合に各層の混合が起きやすく、このような条件で乱れのない多層を得るためには、各層毎に「塗布、乾燥」を繰り返すことが好ましい。しかし、「塗布、乾燥」を繰り返すことは、操業性が悪いだけでなく損紙の発生や乾燥負荷の増大等も伴うため、生産効率も低くならざるを得ない。更に、処方によっては層間の接着強度も低下しがちで、層間が剥離しやすくなる。その点、活性エネルギー線照射を用いて塗布後の塗料を直ちにハイドロゲル化してしまえば、層間の大幅な乱れを抑制でき、且つ層間の密着性も高い多層塗工層を得ることができる。
中でも、複数の層を別々のヘッドで連続塗工する場合は、下層塗布後に活性エネルギー線照射工程を設けてから上層塗布を行うようにすると、より安定した状態で多層塗工を行うことができるため好適である。また、このような多層塗工方式では下層中の細孔に水が充満した状態で上層塗布を実施することになるため、上層塗料が下層の細孔に入り込んで下層の細孔容積を減少させてしまうことがない。従って、本発明のインクジェット記録体のように塗工層が多孔性を必要とする場合の塗工方法として、非常に好適である。一方、同時多層塗工を行う場合は、別々のヘッドで連続塗工するよりも比較的高精度な多層塗工が可能であるため、多層塗工後直ちに活性エネルギー線照射を行えば、乾燥中の層間乱れを抑制することができ、充分に精度の高い多層塗工層を得ることができる。
単層の塗工方法としては公知の塗布装置、例えば、バーコーター、ロールコーター、ブレードコーター、エアーナイフコーター、グラビアコーター、ダイコーター、カーテンコーターなどを用いることができるが、これらに限らない。
多層塗工に用いる装置としては、公知の塗布装置、例えば、スロットダイコーター、スライドダイコーター、カーテンコーター、ナイフコーター、バーコーター等が挙げられる。同時塗工の場合は、専用の多層式スロットダイコーター、多層式スライドダイコーター、多層式カーテンコーター等などの同時多層塗工装置を好適に用いることができるが、これらに限定されない。
塗布量は、乾燥後の質量として1〜60g/m程度が好ましく、さらに好ましくは3〜50g/m程度である。ここで1g/mより少ないとインクの吸収が不十分となりやすく、60g/mより多いとカールが発生しやすくなるし、コストもかさむので好ましくない。
本発明で使用する活性エネルギー線としては、特に種類を限定するものではないが、α線、β線、γ線、X線、紫外線、電子線などが挙げられる。ただし取り扱いが容易で一般的に普及している紫外線及び電子線を使用するのが好ましい。紫外線は、光重合開始剤や活性基を有する特定の親水性樹脂を使用する必要があるが、照射設備が安価な点が好ましい。中でも、水性塗料中に特に開始剤等を添加しなくても前述の如く汎用の親水性樹脂の多くでハイドロゲルを形成可能な電子線が最も好適に使用できる。
活性エネルギー線として紫外線を使用する場合、照射用の光源としては、低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、キセノンランプ、メタルハライドランプなどが用いられ、5000〜8000μW/cm程度の強度を有する紫外線が好ましく照射される。紫外線の照射量は100〜2000mJ/cm程度の範囲で調節するのが好ましい。
また、紫外線を使用する場合には、水性塗料中に光重合開始剤を配合する場合があり、例えばチオキサントン、ベンゾイン、ベンゾインアルキルエーテルキサントン、ジメチルキサントン、ベンゾフェノン、アントラセン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、ベンジルジメチルケタール、ベンジルジフェニルジスルフィド、アントラキノン、1−クロロアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−ter−ブチルアントラキノン、N,N’−テトラエチル−4,4−ジアミノベンゾフェノン、1,1−ジクロロアセトフェノンなどの光重合開始剤の一種類以上が適宜配合される。これらの光重合開始剤の配合量は、ハイドロゲルを形成する親水性樹脂に対して、0.2〜10質量%程度、更に好ましくは0.5〜5質量%の範囲で調節するのがよい。
また、電子線を使用する場合は、照射方式として、例えば、スキャニング方式、カーテンビーム方式、ブロードビーム方式などが採用され、電子線を照射する際の加速電圧は50〜300kV程度が適当である。電子線の照射量は1〜200kGy程度の範囲で調節するのが好ましい。1kGy未満では塗工層をゲル化させるのに不十分であり、200kGyを越えるような照射は基材や塗工層の劣化や変色をもたらすおそれがあるため好ましくない。
その他、インクジェット記録体としての品質向上を目的として各種添加剤を添加しても良い。具体的には光安定剤や紫外線吸収剤などの画像保存性向上剤、塗布液の浸透性を向上やハジキ防止などを意図した濡れ剤や粘度調整剤などがこれに当たるが、これらに限定するものではない。
(光沢層の形成)
本発明のインクジェット記録体は、必要に応じて光沢層を形成してもよく、コストを重視したり、使用用途に対して許容範囲内の光沢感が得られている判断される場合は、光沢層を形成しなくとも良い。但し、得られるインクジェット記録体に銀塩写真調の光沢を所望する場合には、光沢層を塗設する必要がある。光沢層の形成時期は、多孔質インク受容層となる塗工層形成後であれば、いつでもよく、インク受容層が乾燥前もしくは途中の湿潤状態にあっても、乾燥終了後でも良い。
この光沢層形成工程は、光沢層用塗布液層を設ける工程、該塗布液層を光沢ロールに接するようにプレスロールでプレスする工程、及び該塗布液層を乾燥する工程に分類できる。これらの工程は、例えば、図1に図示するような装置で、光沢層用塗布液層を設ける工程と、該塗布液層を光沢ロールに接するようにプレスロールでプレスする工程と、該塗布液層を乾燥する工程を連続的に実施しても良いし、各工程を個々の設備に分離して実施しても良い。例えば、塗布液層を設ける工程を、後に続く該塗布液層を光沢ロールに接する工程とは切り離して実施する場合は、インク受容層の塗工方法として例示したような公知の塗布設備を使用することが出来る。
図1に示した装置を用いて、各工程を連続的に実施する光沢化手段を例示するが、手段はこれに限定されるものではない。基材もしくは下塗り層を設けた基材2と、その上に設けられた多孔質なインク受容層3からなるシートを、該基材2上のインク受容層3が光沢ロール5に接するように、光沢ロール5とプレスロール6との間に導く。ここで、インク受容層3上に、光沢層を形成するための塗布液4を供給して、光沢ロール5とプレスロール6との接線の上部に塗布液溜まりを形成する(光沢層用塗布液層を設ける工程)。そして、塗布液4が湿潤状態又は半乾燥状態にあるうちに、該基材2を、塗布液4が供給された面が光沢ロール5に接するように、光沢ロール5とプレスロール6との間をプレスしながら通過させる(塗布液層を光沢ロールに接するようにプレスロールでプレスする工程)。次いで、塗布液層7を加熱された光沢ロール5で乾燥するか、塗布液層7を光沢ロール5から剥離後した後、後工程のドライヤー9で乾燥するか、塗布液層7を加熱された光沢ロール5で乾燥し、後工程のドライヤー9でも乾燥する(塗布液層を乾燥する工程)。このようにして、該基材2、インク受容層3、光沢層8からなるインクジェット記録体を製造する。なお、金属ロールで乾燥した後、ドライヤーで乾燥する前後などに蒸気などにより加湿することもできる。
光沢層用塗布液層を、前述のような公知の塗布設備を用いて予め形成する場合は、塗布液4の塗布液溜まりを形成せずに、事前に塗布液が供給されて湿潤状態又は半乾燥状態にある面を直接光沢ロール5に接するように、光沢ロール5とプレスロール6との間をプレスしながら通過させてもよく、その後の乾燥工程は上記の通り実施することが可能である。
光沢層用塗布液の処方は、下層となる多孔質インク受容層のインク吸収性を大きく損なうものでなければ特に限定するものではないが、その必要条件を満たし、かつ強度や表面光沢を付与するには、微細顔料を主成分とすると最も好適である。また、その他にもエマルジョンや、コロイダルシリカなどに代表される微細顔料と複合したエマルジョンなども好適に利用出来る。更に、バインダー樹脂やカチオン性化合物、離型剤、消泡剤、防腐剤など任意のその他成分は必要に応じて適宜配合すればよい。光沢層を形成するための塗布液は、これらの成分を適当に分散媒に分散させることにより調製される。
光沢層に使用される微細顔料としては、コロイダルシリカ、無定形シリカ、アルミナ、水酸化アルミニウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、カオリン、焼成カオリン等の透明又は白色顔料が例示されるが、これに限定されるものではなく、有機顔料も使用できる。これらの中で、コロイダルシリカ、アルミナ又は無定形シリカが、特に光沢性が向上するので好ましい。コロイダルシリカ又はアルミナを使用する場合、平均一次粒子径5〜100nmが好ましく、10〜80nmがより好ましい。さらに好ましくは20〜70nmである。平均粒子径が5nm未満の場合は、インク吸収性が低下する場合があり、平均粒子径が100nmを超えると、透明性が低下するため印字濃度が低下する傾向がある。
無定形シリカを使用する場合、好ましくは平均一次粒子径5〜100nm、より好ましくは5〜40nmのものを用いる。また、無定形シリカは、好ましくは、平均二次粒子径1μm以下、より好ましくは10〜700nmのものを用いる。
本発明における光沢層にも、インク定着能のあるカチオン性化合物を添加しても良い。表層のカチオン強度が高いと、染料インクだけでなく、顔料インクの耐水性も向上するため、好適である。例えば、水溶性カチオン樹脂として、ポリエチレンポリアミンやポリプロピレンポリアミン等のポリアルキレンポリアミン類又はその誘導体、第2、3級アミン基や第4級アンモニウム基を有するアクリル樹脂、ポリビニルアミン類、ポリビニルアミジン類、ジシアンジアミド−ホルマリン重縮合物に代表されるジシアン系カチオン樹脂、ジシアンジアミド−ジエチレントリアミン重縮合物に代表されるポリアミン系カチオン樹脂、エピクロルヒドリン−ジメチルアミン付加重合物、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド−二酸化イオウ共重合物、ジアリルアミン塩−二酸化イオウ共重合物、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド重合物、アリルアミン塩の重合物、ジアルキルアミン(メタ)アクリレート4級塩重合物、アクリロニトリルとN−ビニルアクリルアミジン塩酸重合体とその加水分解物、ポリアミジン系樹脂、アクリルアミド−ジアリルアミン塩共重合物等のカチオン性重合体を、単独又は数種類を組み合わせて添加しても良い。
また、これら以外のカチオン性化合物として、カチオン性のエマルジョンや水溶性多価金属塩を添加しても良い。特に、ポリ塩化アルミニウムや硫酸アルミニウム、乳酸アルミニウム、酢酸アルミニウムなどに例示される水溶性アルミニウム化合物や、水溶性ジルコニウム化合物、水溶性チタン化合物はインクの定着能力が高いため、好適に用いられる。
これら水溶性カチオン樹脂などのカチオン性化合物との混合適性を考慮すると、光沢層に使用する微細顔料もカチオン性であると凝集などのトラブルが軽減されるため、好適である。微細顔料とカチオン性化合物が塗料中で凝集すると、光沢化処理に供しても光沢層の光沢が上がらないため望ましくない。カチオン性コロイド状粒子としては、例えば、前記インク受容層で示した微細顔料が使用でき、気相法シリカ、メソポーラスシリカ、活性ケイ酸を縮合させて製造された湿式法シリカのコロイド状物から選ばれるシリカをカチオン性物質や水溶性金属化合物で装飾処理したカチオン性微細顔料、アルミナ酸化物、アルミナ水和物、カチオン性コロイダルシリカ等が挙げられるが、これに限定するものではない。特にカチオン性コロイダルシリカ、カチオン性物質等で処理した気相法シリカ、アルミナ酸化物は、優れた光沢が得られるので好ましい。
但し、水溶性カチオン樹脂と混合しても凝集を生じない場合は、アニオン性を有する微細顔料を使用しても支障はない。
必須成分では無いが、光沢層にポリビニルアルコールを添加すると、乾燥状態で表層強度が向上するだけでなく、顔料インク印字直後の湿潤状態でも層強度が比較的保持されるため、水溶性カチオン樹脂により向上した顔料インクの印字部擦過性が更に強化されるため、好適である。ポリビニルアルコールのけん化度は特に限定するものではなく、70〜99.9mol%の範囲で適宜使用可能であるが、けん化度が低すぎると親水性が低下し、高すぎるとフィブリル化などのおそれもあるため、好ましくは75〜99.5mol%、より好ましくは78〜99mol%である。また、重合度としても200〜4500で適宜使用可能であるが、あまり低すぎるとインク吸収を阻害するおそれが高く、高すぎると光沢層用塗布液の粘度が高くなるため、好ましくは300〜4000、より好ましくは500〜3000である。また、通常品のほか、例えばカチオン変性品などの共重合体や誘導体であっても好適に使用できる。
ポリビニルアルコールの配合部数は、多すぎるとインク吸収低下のおそれがあるため、所望の表層強度とインク吸収性のバランスを適宜調整する。例えば、主成分となる微細顔料100質量部に対して0.5〜20質量部、好ましくは1〜15質量部、より好ましくは2〜10質量部が適当であるが、これに限定されるものではない。
ポリビニルアルコール以外の親水性樹脂も、過剰添加するとインク吸収性を低下させるおそれがあるが、必要に応じて適宜用いることができる。例えば、ポリビニルピロリドン及びその共重合物、ポリメチルヒドロキシセルロース、カルボキシメチルセルロース等のセルロース誘導体、酸化澱粉、カチオン化澱粉等の変性澱粉類、カゼイン、大豆蛋白、合成蛋白等の蛋白質類、ポリスチレン樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアクリル酸樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂等の水性樹脂及びそれらの共重合物、変性物等が挙げられ、単独又は組み合わせて使用できる。これらの内で、スチレン・アクリル系共重合体エマルジョンが特に好ましい。
エマルジョンタイプの親水性樹脂を使用する場合の平均粒子径は、20〜150nmの範囲が好ましく、20nm未満の場合は、インク吸収性が低下する場合があり、150nmを超える場合は、光沢度が低下する場合がある。これらのガラス転移温度は、50〜150℃の範囲が好ましい。ガラス転移温度が、50℃より低い場合は、乾燥時に光沢層の成膜が進みすぎ、光沢層の多孔性が低下し、インク吸収性が低下する場合がある。150℃より高い場合は、成膜が不足し、光沢や強度が不足する場合がある。
光沢層を形成するための塗布液には、更に、形成された塗布液層の表面を光沢ロールからスムーズに安定して剥離させるために、離型剤を添加することができる。
離型剤としては、ステアリン酸、オレイン酸、パルミチン酸等の脂肪酸類、及びそれらのナトリウム、カリウム、カルシウム、亜鉛、アンモニウム等の塩類、ステアリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド及びメチレンビスステアリン酸アミド等の脂肪酸アミド類、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、ポリエチレンワックス等の脂肪族炭化水素類、セチルアルコール、ステアリルアルコール等の高級アルコール類、ロート油、レシチン等の油脂類や脂質類、含フッ素界面活性剤等の各種界面活性剤、四フッ化エチレンポリマーやエチレン−四フッ化エチレンポリマー等のフッ素系ポリマー等が例示される。
これらのうち、特に、脂肪族炭化水素又はその誘導体や変性物、脂肪酸又はその塩、脂質類が好ましく、中でも、脂肪族炭化水素としてはポリエチレンワックスが、脂肪酸としてはステアリン酸又はオレイン酸が、脂質としてはレシチンの使用がより好ましい。
また、光沢層には、上記のほかにも、一般的に塗工紙の製造において使用される各種顔料、分散剤、増粘剤、消泡剤、着色剤、蛍光染料、帯電防止剤、防腐剤等の各種助剤を適宜添加してもよい。
光沢層の塗布量は、乾燥質量として0.01〜10g/mが好ましく、0.1〜5g/mがより好ましく、0.3〜3g/mが更に好ましい。塗布量が0.01g/m未満の場合は、インク吸収性や記録濃度には有利であるが、十分な光沢層を形成することが困難なために、光沢度が低くなりやすい。また、塗布量が10g/mを超えると、光沢度は得やすいが、インク吸収性や記録濃度が低下しやすい。
また、本発明の光沢層は光沢層用塗料が多孔質のインク受容層にプレスされて形成されるため、光沢層用塗料の一部が多孔質のインク受容層に押し込まれた状態となり、光沢層とインク受容層の境界が不明瞭になりがちである。従って、光沢層の厚みはインク受容層の細孔状態によっては大きく異なる。それ故に、光沢層の厚みを一概に規定することは困難であるが、好ましくは5nm〜5μm、より好ましくは10nm〜3μm、最も好ましくは20nm〜1μmである。塗工層表面に充分な光沢を得るためには、光沢層塗料が細孔を保持した状態でインク受容層表面を完全に被っていることが最も望ましく、そのために必要な光沢層の厚さは光沢層塗料に微細顔料が含まれる場合は、その直径に等しくなる。また、光沢層の厚さが5μmを超えると、インク吸収性や塗膜の強度に支障を来すおそれがある。
一般のキャスト塗工紙の製造方法では、湿潤可塑化状態にある塗布層表面を、加熱した光沢ロールに圧接、乾燥することによって、光沢ロールの鏡面を写し取る。
本発明においては、湿潤状態にある光沢層用塗布液層表面を、加熱した光沢ロールに接するようにプレスロールでプレスすることにより、光沢層に使用された顔料をインク受容層に押し込んで、鏡面を写し取るものであるため、光沢層用塗布液層を必ずしも完全に乾燥させる必要はない。したがって、前記塗布液層を、乾燥ゾーンで別途乾燥することも可能である。
光沢ロールの表面温度は、乾燥条件等の操業性、インク受容層への密着性、光沢層表面の光沢性から40〜130℃の範囲が好ましく、70〜120℃の範囲がより好ましく、80〜110℃の範囲が更に好ましい。光沢ロールの表面温度が、40℃未満の場合は、顔料の押し込み不足による塗膜強度が低下したり、光沢性が低下するおそれがあり、130℃を超える場合は、塗膜がひび割れるおそれがある。また、光沢ロールは、耐熱性がよく、優れた鏡面性が得られることから、金属ロールであることが好ましい。
プレスロールの材質は、上記のような光沢ロールとの間での加圧をより均一にするために耐熱樹脂製が好ましい。
プレスロールによる加圧は、光沢ロールとプレスロールの間の線圧が、50〜3500N/cm、より好ましくは200〜3000N/cmになるように行なうことが好ましい。光沢ロールとプレスロールの間の線圧が、50N/cm未満の場合は、線圧が均一になり難く光沢性が低下したり、塗布液層のインク受容層への密着性が低下し、表面がひび割れたりするおそれがあり、3500N/cmを超える場合は、インクジェット記録体を過度に加圧することとなって多孔質であるインク受容層を破壊するために、インク吸収性が低下するおそれがあるため好ましくない。
本発明において、光沢ロールから剥離した直後の記録体の水分は、その平衡水分より高めになる場合が多い。ベンチスケールでの試験の場合は、常温・常湿でそのまま放置し、平衡水分にしても良い。実機で生産する場合、光沢ロールから剥離した後、ワインダーで巻き取るまでの間に平衡水分に達するような場合には、調湿・乾燥装置は不要である。
しかし、塗布速度が速く、紙水分が高い場合は、光沢ロールから剥離してワインダーまでの間に、調湿装置を有する調湿工程又は乾燥装置を有する乾燥工程が必要である。調湿又は乾燥装置の能力や仕様は、記録体が剥離された時点で持っている水分と平衡水分との差及び塗布速度により、適宜設定される。記録体の水分を平衡水分まで調湿する場合、その水分変化は可能な限り穏やかにするのが好ましい。水分を急激に変化させた場合、塗布層がひび割れたり記録体に強いカールが発生する可能性がある。したがって、常温・常湿の空気中で、調湿に十分な時間を確保するのが最良である。塗布速度が速く、又は空間的な制約で十分な場所を確保できない場合、常温・低湿の空気を満たしたボックスの中を通すのが良い。それでも不足の場合は、ボックス内の温度を上げ、高温・低湿とする必要がある。
以下に実施例を挙げて、本発明をより具体的に説明するが、勿論これらに限定されるものではない。また、例中の部および%は、特に断らない限り、それぞれ質量部および質量%である。
(基材の製造)
《基材A》
CSF(JIS P−8121)が250mlまで叩解した針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)と、CSFが250mlまで叩解した広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)とを、質量比2:8の割合で混合し、濃度0.5%のパルプスラリーを調製した。このパルプスラリー中に、パルプ絶乾質量に対し、カチオン化澱粉2.0%、アルキルケテンダイマー0.4%、アニオン化ポリアクリルアミド樹脂0.1%、ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン樹脂0.7%を添加し、十分に攪拌して分散させた。
上記組成のパルプスラリーを長網マシンで抄紙し、ドライヤー、サイズプレス、マシンカレンダーを通し、坪量180g/m、密度1.0g/cmの原紙を製造した。上記サイズプレス工程に用いたサイズプレス液は、カルボキシル変性ポリビニルアルコールと塩化ナトリウムとを2:1の質量比で混合し、これを水に加えて加熱溶解し、濃度5%に調製したもので、このサイズプレス液を紙の両面に、合計で25ml/m塗布して、基材A(透気度:1000秒)を得た。
《基材B》
上記基材Aの原紙の両面に、コロナ放電処理した後、バンバリーミキサーで混合分散した下記のポリオレフィン樹脂組成物1を、支持体Aのフェルト面側に、塗工量25g/mとなるようにして、またポリオレフィン樹脂組成物2を、支持体Aのワイヤー側に、塗工量20g/mとなるように、T型ダイを有する溶融押出し機(溶融温度320℃)で塗布し、フェルト面側を鏡面のクーリングロール、ワイヤー面側を粗面のクーリングロールで冷却固化して、平滑度(王研式、J.TAPPI No.5)が6000秒、不透明度(JIS P8138)が93%の樹脂被覆した基材Bを得た。
(ポリオレフィン樹脂組成物1)
長鎖型低密度ポリエチレン樹脂(密度0.926g/cm、メルトインデックス20g/10分)35部、低密度ポリエチレン樹脂(密度0.919g/cm、メルトインデックス2g/10分)50部、アナターゼ型二酸化チタン(商品名:A−220、石原産業社製)15部、ステアリン酸亜鉛0.1部、酸化防止剤(商品名:Irganox 1010、チバガイギー社製)0.03部、群青(商品名:青口群青NO.2000、第一化成社製)0.09部、蛍光増白剤(商品名:UVITEX OB、チバスペシャリティーケミカルズ社製)0.3部を混合し、ポリオレフィン樹脂組成物1とした。
(ポリオレフィン樹脂組成物2)
高密度ポリエチレン樹脂(密度0.954g/cm、メルトインデックス20g/10分)65部、低密度ポリエチレン樹脂(密度0.919g/cm、メルトインデックス2g/10分)35部を溶融混合し、ポリオレフィン樹脂組成物2とした。
《基材C》
木材パルプ(LBKP;ろ水度400mlCSF)100部、焼成カオリン(商品名:アンシレックス、エンゲルハート社製)5部、市販サイズ剤0.05部、硫酸バンド1.5部、湿潤紙力剤0.5部、澱粉0.75部よりなる製紙材料を使用し、長網抄紙機にて坪量140g/mの紙基材を製造した。
(下塗り層用塗料の調製)
《下塗り層用塗料a》
市販ゲル法シリカ(グレースデビソン社製、商品名:サイロジェット703A、平均1次粒子径:12nm、平均2次粒子径:約300nm)の20%水分散液100質量部に対して、8%完全けん化ポリビニルアルコール(商品名:PVA−140H、重合度=4000、けん化度=99%以上、クラレ社製)水溶液15質量部、0.1%アセチレンジオールのエチレンオキサイド(4モル)付加物(日信化学工業株式会社製、オルフィンE1004)水溶液を0.05質量部混合し、希釈水を加えて固形分濃度16%の下塗り層用塗料を調製した。
《下塗り層用塗料b》
下記に示す合成非晶質シリカとゼオライトをそれぞれ水に分散し、30%の水分散液とした。更に下記に示すシリル変性ポリビニルアルコールの10%水溶液を調製し、その他材料とともに下記の固形分比率で順次混合し、固形分濃度17%の下塗り用塗料bを調製した。
(下塗り層用塗料bの処方)
合成非晶質シリカ(商品名:ファインシールX−60、平均二次粒子径6.0μm、一次粒子径15nm、トクヤマ社製)と80質量部、ゼオライト(商品名:トヨビルダー、平均粒子径1.5μm、トーソー社製)20質量部、シリル変性ポリビニルアルコール(商品名:R−1130、クラレ社製)20質量部、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド重縮合体(商品名:ユニセンスCP−104、平均分子量20万、センカ社製)15質量部、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド重縮合体(商品名:ユニセンスCP−101、平均分子量2万、センカ社製)5質量部、蛍光染料(商品名:Whitex BPSH、住友化学社製)2質量部。
(蛍光増白剤乳化分散液の調製)
《蛍光増白剤分散液a》
油溶性蛍光増白剤(商品名:UVITEX OB、チバスペシャリティーケミカルズ社製)を50g秤量し、これをフタル酸ジオクチル150gと酢酸エチル150mlに加熱溶解したものを、油圧式超高圧ホモジナイザーにて50MPaで2回乳化分散し、最後に水を加えて1000mlとし5%濃度の蛍光増白剤分散液aを得た。得られた乳化分散液の油滴の平均粒径は0.3μmであった。
《蛍光増白剤分散液b》
油溶性蛍光増白剤(商品名:Whiteflour PSN conc、日本化学工業所製)を使用した以外は蛍光増白剤分散液aと同様の方法で蛍光増白剤bを得た。得られた乳化分散液の油滴の平均粒径は0.3μmであった。
(蛍光増白剤分散液の粒径測定方法1−平均粒径が5μm以下の場合)
動的光散乱法によるレーザー粒度計〔大塚電子社製、FPAR−1000〕を用いて、平均粒子径を測定した。平均粒子径はキュムラント法を用いた解析から算出される値を用いた。
(蛍光増白剤分散液の粒径測定方法2−平均粒径が5μmを超える場合)
前記粒径測定法で測定できない範囲では、5%濃度の蛍光増白剤分散液をスライドガラスに滴下し、デジタルマイクロスコープ(ハイロックス社製、Hirox KH−2700)で倍率100〜2500倍の範囲で観察した。観察される油滴30個の平均粒径を測定した。
(インク受容層用塗料の調製)
《カチオン化シリカの調製》
イオン交換水855gと1モル/リットル水酸化ナトリウム水溶液25gの混合液にカチオン樹脂として5員環アミジン構造を有するアクリルアミド・アクリロニトリル・N−ビニルアクリルアミジン塩酸塩・N−ビニルホルムアミド共重合物の10%水溶液(商品名:ハイマックスSC700L、平均分子量約15万、10%水溶液pH=2.25、ハイモ株式会社製)を89g添加攪拌し、ついで気相法シリカ(商品名:レオロシールQS−30、平均一次粒子径10nm、トクヤマ社製、比表面積300m/g)111gを分散する。この混合分散液にマイクロフルイタイザー(マイクロフルイディックス社製、型番:M110/EH)により50MPaで1回の粉砕分散処理を施して、固形分濃度12%のカチオン化シリカゾルを製造した。この状態でのカチオン化シリカゾルの細孔容積は1.4ml/gであった。
《インク受容層用塗料A》
上記カチオン化シリカゾル100質量部に対して、8%完全けん化ポリビニルアルコール(商品名:PVA−140H、重合度=4000、けん化度=99%以上、クラレ社製)水溶液15質量部、前記5%蛍光増白剤分散液aを1質量部、0.1%アセチレンジオールのエチレンオキサイド(4モル)付加物(日信化学工業株式会社製、オルフィンE1004)水溶液を0.05質量部混合し、希釈水を加えて固形分濃度8%のインク受容層用塗料Aを調製した。
《インク受容層用塗料B》
蛍光増白剤分散液aの代わりに蛍光増白剤分散液bを使用した以外はインク受容層用塗料Aと同様の方法にてインク受容層用塗料Bを調製した。
(微細顔料の平均二次粒子径測定方法)
微細顔料の水分散液100mlを500ml容のステンレス製カップに入れ、特殊機化工業社製、T.K.ホモディスパーを用いて分散処理(3000rpm、5分間)し、水分散液中の3次粒子を分散した。処理後の分散液を充分に蒸留水で希釈して試料液とし、動的光散乱法によるレーザー粒度計〔大塚電子社製、FPAR−1000〕を用いて、平均粒子径を測定した。平均粒子径はキュムラント法を用いた解析から算出される値を用いた。
実施例1
基材Bのポリオレフィン樹脂組成物1をラミネートした側(原紙のフェルト面側)に下記条件下でコロナ放電処理を行なった。
(コロナ処理条件)
高周波電源:春日電気社製、AGI−021(出力電力量=1kW)
コロナ電極:春日電気社製、アルミ5型6山(電極長500mm)処理速度15m/分
この処理面に、インク受容層用塗料Aを乾燥質量で塗工量が25g/mとなるように塗工した。これに直ちに窒素ガス環境下で電子線照射装置(ESI社製エレクトロカーテン)により加速電圧175kV、照射線量30kGyの電子線を照射した。照射後の塗工面に触ったところ塗料はゼリー状の固体となっており、ハイドロゲルとなったことがわかった。これを110℃で10分間熱風乾燥して多孔質のインク受容層を形成し、インクジェット記録体を得た。
実施例2
インク受容層用塗料Aをインク受容層用塗料Bに代えた以外は、実施例1と同様の方法でインクジェット記録体を得た。
実施例3
インク受容層用塗料Aにアセチレンジオールのエチレンオキサイド(4モル)付加物を添加しなかったこと以外は、実施例1と同様の方法でインクジェット記録体を得た。
実施例4
実施例1で形成した多孔質インク受容層上に、市販の単分散カチオン化コロイダルシリカ(日産化学社製、商品名:スノーテックスAK−L、平均粒子径:0.045μm)100質量部に対して、離型剤(ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド)を5質量部添加した固形分濃度5%の光沢層用塗料を塗工し、湿潤状態にあるうちに、表面温度95℃としたクロム鍍金仕上げした鏡面ドラムに線圧2000N/cmで圧接し光沢層を形成したのち、100℃、10分間熱風乾燥して、インクジェット記録体を得た。
実施例5
基材Bのポリオレフィン樹脂組成物1をラミネートした側(原紙のフェルト面側)に、下塗り層用塗料aを乾燥質量で塗工量が5g/mとなるように塗工後、110℃で5分間熱風乾燥した。この処理面側に実施例4と同様の方法でインク受容層及び光沢層を形成してインクジェット記録体を得た。
実施例6
基材Bを基材Aに代え、コロナ処理を実施せず、フェルト面側に直にインク受容層用塗料Aを塗布したこと以外は実施例4と同様の方法でインク受容層及び光沢層を形成してインクジェット記録体を得た。
実施例7
基材Cのフェルト面側に、下塗り層用塗料bを乾燥質量で塗工量が5g/mとなるように塗工後、110℃で2分間熱風乾燥した。この処理面側にインク受容層用塗料Aを用いて多孔質のインク受容層を形成した。
この上に単分散カチオン化コロイダルシリカ(日産化学社製、商品名:スノーテックス−AKL、平均粒子径:0.045μm)100質量部に対して、接着剤としてカチオン変性アクリルエマルションラテックス(三井化学社製、XOM−3020)5質量部、離型剤(ポリエチレンワックスエマルジョン)5質量部を添加した固形分濃度5%の光沢層用塗料を用いたこと以外は、実施例4と同様の方法で光沢層を形成してインクジェット記録体を得た。
比較例1
インク受容層用塗料Aを塗工後、電子線を照射せずに直ちに110℃で熱風乾燥したこと以外は実施例4と同様の方法でインクジェット記録体を作成しようと試みたが、インク受容層用塗料を塗工した後乾燥する過程で塗工層がひび割れて基材から剥離してしまい、光沢層を形成する工程は実施できなかった。
比較例2
実施例5と同様の方法で下塗り層用塗料aを乾燥質量で塗工量が5g/mとなるように塗工した。この塗工面に3.0%硼砂水溶液を塗工量が1g/mとなるように塗工し、更にインク受容層用塗料Aを乾燥重量で塗工量が25g/mとなるように塗工した後、電子線を照射せずに直ちに110℃で熱風乾燥したが、インク受容層塗工層がひび割れて一部が基材から剥離してしまい、光沢層を形成する工程は実施できなかった。
比較例3
比較例2と同様な方法で下塗り層を設け、硼砂を塗工したのち、インク受容層用塗料Aを乾燥重量で塗工量が18g/mとなるように塗工した後、電子線を照射せずに直ちに110℃で熱風乾燥した。その後実施例4と同様の方法で光沢層を形成してインクジェット記録体を得た。
比較例4
インク受容層用塗料Aに蛍光増白剤を添加しなかったこと以外は、実施例4と同様の方法でインクジェット記録体を得た。
比較例5
インク受容層用塗料Aの油溶性蛍光増白剤を水溶性蛍光増白剤(商品名:WhitexBPS、住化ケムテックス株式会社製)に代えた以外は実施例4と同様の方法でインクジェット記録体を得た。
水溶性蛍光増白剤の添加は、油溶性蛍光増白剤使用時のような乳化分散処理を行わず、5%濃度に水希釈したものを用いた。
比較例6
油溶性蛍光増白剤の乳化分散処理を行わず、0.5%濃度にホモミキサーで水中に微分散した後(平均粒径800μm)に水性塗料中に添加したインク受容層用塗料を使用した以外は実施例4と同様の方法でインク受容層と光沢層を形成し、インクジェット記録体を得た。
(評価方法)
実施例及び比較例で得たインクジェット記録体を下記の方法で評価し、各記録体の作製条件を表1に、評価結果を表2に示した。サンプルはISO環境(23℃、湿度50%)にて24時間調湿した後、評価を行った。
(光沢感)
ISO−400の画像(「高精細カラーディジタル標準画像データISO/JIS−SCID」、p13、画像名称:果物かご)を印字し、印字部に対して横の角度から目視し、以下の4段階で評価した。
◎:銀塩写真と同レベルの光沢感がある。
○:銀塩写真よりやや劣るレベルの光沢感がある。
△:一般市販の光沢インクジェット記録体と同レベルの光沢感がある。
×:マットタイプインクジェット記録体と同レベルの光沢感がある。
(塗膜の白色度)
色差計(スガ試験機製、分光白色度測色計SC−10WN、C光源、2°視野を用い、ISO 2470に基づいて測定した。塗膜白色度が92%以上では実用上問題ないレベルであった。
(インク吸収速度の評価)
セイコーエプソン社製インクジェットプリンター PM−G820(染料インク搭載機)のEPSON写真用紙設定、高精細、色補正無しモードと、キャノン株式会社製インクジェットプリンター PIXUS4100i(プロフォトペーパー推奨設定)の2機種のプリンターで5cm×10cmのグリーンベタを出力し、印字部の均一性を目視で以下の4段階で評価した。吸収性の劣るものはムラが生じる。ムラは、先に打ち込まれたインクが、完全に記録体に吸収されないうちに次のインクが打ち込まれた場合に生じる現象であり、インク吸収速度が遅くなると、顕著に表れる。
◎:ムラなく均一に印字されている。
○:ややムラが見られるが、ほぼ均一に見える。(実用上問題ないレベル)
△:ムラが見られ、実用上問題あるレベル。
×:ムラが目立つ。
(画像鮮鋭性の評価)
セイコーエプソン社製インクジェットプリンターPM−G820(染料インク搭載機)のEPSON写真用紙設定、高精細モードにて、JIS−X9204「高精細カラーディジタル標準画像XYZ/SCID」画像識別番号:N1の画像を印刷し、画像鮮鋭性を元画像と対比して目視で4段階に評価した。
◎:画像の鮮やかさやコントラストが問題なく優れている。
○:画像の鮮やかさやコントラストが良好である。
△:画像の鮮やかさやコントラストが実用限界内である。
×:画像の鮮やかさやコントラストが見劣りする。
Figure 2007152807
Figure 2007152807
表1及び表2の実施例1〜7から明らかなように、本発明によって、インク吸収性や光沢感が優れ、且つ視覚的に優れた白色度を有した銀塩写真調光沢インクジェット記録体が得られた。本発明のインクジェット記録体は、活性エネルギー線照射手法を用いており、インク吸収性や光沢感に優れるが乾燥時にひび割れを生じやすい微細顔料を主成分にした層の形成能力に優れる(実施例1〜7及び比較例1〜3)。一方で、活性エネルギー線を照射により本来の効果が低減するような材料もあるので適宜最も好ましい材料の選択や添加方法をする必要がある。(実施例1〜7及び比較例4〜6)
本発明は蛍光増白剤を含有した多孔質インク受容層であり、このインク受容層を設けただけでもある程度の写真調品質を満たし、インク吸収速度が速く且つ画像鮮鋭性性にも優れた塗膜が得られるが(実施例1〜3)、光沢層を形成することにより、より一層高光沢の写真調質感が得られる(実施例4〜7)。この品質は下塗り層によりインク吸収能力を増加させると更に向上する(実施例5)。また、紙などの吸収性基材を用いても写真調品質は維持できる(実施例6及び7)。
本発明のインクジェット記録体は、インク吸収性や光沢感が良好で、かつ視覚的に優れた白色度を有するため、記録画像の品質は極めて良好である。本発明のインクジェット記録体は、写真と同等の画像品質を有する画像記録に有用なものである。
塗布装置の概略図を示したものである。
符号の説明
1:インクジェット記録体
2:基材
3:インク受容層
4:塗布液
5:光沢ロール
6:プレスロール
7:塗布液層
8:光沢層
9:ドライヤー




Claims (5)

  1. 微細顔料と、水溶液に活性エネルギー線を照射することによりハイドロゲルを形成する親水性樹脂と、乳化分散された油溶性蛍光増白剤とを含有する水性塗料を、基材上に塗布し、ついで活性エネルギー線を照射することにより該水性塗料からなる塗工層をハイドロゲル化させた後、乾燥して多孔質インク受容層を形成することを特徴とするインクジェット記録体の製造方法。
  2. 前記多孔質インクジェット受容層上に、光沢層用塗布液を塗布し、湿潤状態にある間に、加熱された鏡面ドラムに圧着、乾燥して得られる光沢層を有することを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録体の製造方法。
  3. 前記基材が、少なくともインク受容層を形成する側に顔料とバインダーを含有する下塗り層を有する基材であることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載のインクジェット記録体の製造方法。
  4. 前記水性塗料がアセチレンアルコール、アセチレングリコールおよびアセチレングリコールのポリエチレンオキサイド付加物から選ばれた少なくとも1種の界面活性剤を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のインクジェット記録体の製造方法。
  5. 前記活性エネルギー線として電子線を照射することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のインクジェット記録体の製造方法。





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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009141485A (ja) * 2007-12-04 2009-06-25 Canon Inc 画像処理装置および画像処理方法
JP2011161841A (ja) * 2010-02-12 2011-08-25 Hokuetsu Kishu Paper Co Ltd インクジェット記録用光沢紙及びその製造方法

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