JP2005206752A - 中空重合体粒子、その水性分散液およびそれらの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 酸性基を比較的多く含む芯重合体とそれを包囲する外層重合体との少なくとも2層構造からなる重合体粒子を形成し、上記芯重合体に含まれる酸性基の少なくとも一部を中和して形成されたボイドを有する中空重合体を製造するにあたり、下記一般式(1)の構造を有する界面活性剤を所定量用いて芯重合体を調製する。
R−O−(CH2CH2O)n−SO3M (1)
(式中、Rは炭素数8〜20のアルキル基またはアルケニル基であり、Mはアルカリ金属イオンまたはアンモニウムイオンであり、nは5〜40の整数である。)
【選択図】 無し
Description
1.(1)酸性基含有単量体20〜60重量%およびこれと共重合可能な他の単量体80〜40重量%からなる単量体混合物(a)を、前記単量体混合物(a)の全量に対して、下記一般式(1):
R−O−(CH2CH2O)n−SO3M (1)
(式中、Rは炭素数8〜20のアルキル基またはアルケニル基であり、Mはアルカリ金属イオンまたはアンモニウムイオンであり、nは5〜40の整数である。)で示される界面活性剤0.1〜5重量%の存在下で共重合してなる芯重合体(A)と、
(2)酸性基含有単量体0〜15重量%およびこれと共重合可能な他の単量体100〜85重量%からなる単量体混合物(b)を共重合することによって形成された、実質的に前記芯重合体(A)を包囲する少なくとも1層の外層重合体(B)と
からなる少なくとも2層構造を有し、かつ、芯重合体(A)に含まれる酸性基の少なくとも一部が中和されることによって形成された少なくとも一つのボイドを有することを特徴とする中空重合体粒子。
2.前記1記載の中空重合体粒子の水性分散液。
3.(1)酸性基含有単量体20〜60重量%およびこれと共重合可能な他の単量体80〜40重量%からなる単量体混合物(a)を、前記単量体混合物(a)の全量に対して、下記一般式(1):
R−O−(CH2CH2O)n−SO3M (1)
(式中、Rは炭素数8〜20のアルキル基またはアルケニル基であり、Mはアルカリ金属イオンまたはアンモニウムイオンであり、nは5〜40の整数である。)で示される界面活性剤0.1〜5重量%の存在下で共重合することによって芯重合体(A)を調製し、
(2)前記芯重合体(A)の存在下に、酸性基含有単量体0〜15重量%およびこれと共重合可能な他の単量体100〜85重量%からなる単量体混合物(b)を共重合することによって、実質的に前記芯重合体(A)を包囲する外層重合体(B)を形成し、
(3)得られた少なくとも2層構造を有する重合体粒子を含有する水性分散液に塩基を添加して前記分散液のpHを7以上とする、
前記(1)〜(3)の工程を含むことを特徴とする中空重合体粒子の製造方法。
4.前記3記載の(1)〜(3)の工程を含むことを特徴とする中空重合体粒子の水性分散液の製造方法。
芯重合体(A)は、酸性基含有単量体20〜60重量%、好ましくは30〜50重量%およびこれと共重合可能な他の単量体80〜40重量%、好ましくは70〜50重量%からなる単量体混合物(a)を共重合して得られる。酸性基含有単量体の量が過小であると、塩基処理工程において重合体粒子中に塩基が浸透し難くなり、重合体粒子中にボイドの形成が困難となる。また、その量が過大であると、芯重合体(A)が外層重合体(B)の外側へ移動し易くなり、各工程での安定性が損なわれ、凝集物発生量が多くなる傾向がある。
過度に親水性が強い酸では酸性基が重合体粒子の外側に局在し易く、外層重合体による芯重合体粒子の被覆が困難となったり、重合体粒子内のボイドの形成が困難になる。酸性基含有単量体の中でもエチレン性不飽和モノカルボン酸が好ましく、メタクリル酸がより好ましい。
R−O−(CH2CH2O)n−SO3M (1)
(式中、Rは炭素数8〜20のアルキル基またはアルケニル基であり、Mはアルカリ金属イオンまたはアンモニウムイオンであり、nは5〜40の整数である。)
一般式(1)中のRで示されるアルキル基またはアルケニル基の炭素数が小さすぎても、大きすぎても、凝集物が生成し易くなる。Rを構成する炭素数は、10〜20であることが好ましい。アルキル基またはアルケニル基は、直鎖であっても分枝鎖であってもよい。
一般式(1)中のnの数が小さすぎても、大きすぎても、凝集物が生成し易くなる。nの数は10〜30の整数であることが好ましい。
一般式(1)中のMは、ナトリウム、カリウム、リチウムなどのアルカリ金属イオンまたはアンモニウムイオンであり、アルカリ金属イオンであることが好ましく、ナトリウムイオンであることがより好ましい。
一般式(1)で示される界面活性剤としては、単一の構造を有する化合物のみを使用しても、異なる構造を有する化合物を混合して使用してもよい。
水性媒体としては、通常、水が用いられ、製造時の重合体粒子の分散安定性を損なわない範囲で、メタノール、エタノールなどの水溶性有機溶媒を含んでいてもよい。水性媒体の使用量は、単量体混合物(a)100重量部に対して、通常、100〜1000重量部、好ましくは200〜600重量部である。この使用量が少なすぎると、重合時の凝集物発生量が増加する傾向にあり、逆に多すぎると中空重合体粒子の生産性が劣る傾向にある。
無機塩の添加方法は、特に限定されず、反応器に一括で、分割して、又は連続的に添加する方法が採用できる。
外層重合体(B)は、実質的に芯重合体(A)を包み込むものである。外層重合体(B)は、芯重合体(A)の存在下に、酸性基含有単量体0〜15重量%、好ましくは0.2〜10重量%、さらに好ましくは0.5〜5重量%およびこれと共重合可能な他の単量体100〜85重量%、好ましくは99.8〜90重量%、さらに好ましくは99.5〜95重量%からなる単量体混合物(b)を共重合することにより、実質的に芯重合体(A)を包囲するように形成される。
芯重合体(A)の割合が少なすぎると、空隙率の高い中空重合体粒子が得られ難い傾向があり、逆に多すぎると、塩基処理の際に凝集物発生量が増大する傾向にある。
まず、第1段階においては、酸性基含有単量体0〜15重量%、好ましくは1〜12重量%、より好ましくは3〜9重量%およびこれと共重合可能な他の単量体100〜85重量%、好ましくは99〜88重量%、より好ましくは97〜91重量%からなる単量体混合物(b1)を共重合して、外層重合体(B1)を形成する。
単量体混合物(b1)の酸性基含有単量体の割合が過大であると、塩基処理工程における条件制御が困難となる場合がある。一方、その割合が過小であると中空重合体粒子の空隙率を高める効果が十分に得られない場合がある。
単量体混合物(b1)に用いる酸性基含有単量体と共重合可能な他の単量体としては、芯重合体(A)の形成に用いる他の単量体として例示したものと同様の単量体を挙げることができる。中でも、芳香族ビニル単量体およびエチレン性不飽和カルボン酸エステル単量体が好ましく、エチレン性不飽和カルボン酸エステル単量体がより好ましい。
ここで使用する連鎖移動剤の量が過小であると、得られる中空重合体粒子の空隙率が低くなる傾向にあり、逆に過大になると、重合時の凝集物発生量が増加する傾向があるだけでなく、空隙率も低くなる傾向にある。
このような連鎖移動剤としては、具体的には、例えば、オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、n−ヘキサデシルメルカプタン、n−テトラデシルメルカプタン、t−テトラデシルメルカプタンなどのメルカプタン類;ジメチルキサントゲンジスルフィド、ジエチルキサントゲンジスルフィド、ジイソプロピルキサントゲンジスルフィドなどのキサントゲンジスルフィド類;テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィドなどのチウラムジスルフィド類;四塩化炭素、四臭化炭素などのハロゲン化炭化水素類;ジフェニルエチレン、ペンタフェニルエタン、α−メチルスチレンダイマーなどの炭化水素類;およびアクロレイン、メタクロレイン、アリルアルコール、2−エチルヘキシルチオグリコレート、ターピノーレン、α−テルピネン、γ−テルピネン、ジペンテンなどを挙げることができる。これらはそれぞれ単独で、または2種以上組み合わせて使用することができる。これらのうち、メルカプタン類およびα−メチルスチレンダイマーが好ましく、メルカプタン類がより好ましく、t−ドデシルメルカプタンが特に好ましく使用できる。
なお、空隙率をより高くできる点から、単量体混合物(b2)中の酸性基含有単量体の割合を、単量体混合物(b1)中の酸性基含有単量体の割合より小さくすることが好ましい。
単量体混合物(b2)に用いる酸性基含有単量体と共重合可能な他の単量体としては、芯重合体(A)の形成に用いる他の単量体として例示したものと同様の単量体を挙げることができる。中でも、芳香族ビニル単量体およびエチレン性不飽和カルボン酸エステル単量体が好ましく、芳香族ビニル単量体がより好ましく、スチレンが特に好ましく使用できる。芳香族ビニル単量体以外の他の単量体も用いる場合には、芳香族ビニル単量体を単量体混合物(b2)全量の90重量%以上の割合で使用することが好ましい。
単量体混合物(b1)の使用量が少なすぎると、空隙率の高い中空重合体粒子が得られ難い傾向があり、逆に多すぎると、塩基処理の際に凝集物発生量が増大する傾向にある。
なお、水性媒体をさらに追加添加することもでき、その場合の添加量は、得られる少なくとも2層構造を有する重合体粒子の固形分濃度が、通常10〜50重量%、好ましくは20〜40重量%となる範囲内である。
芯重合体(A)と外層重合体(B)とからなる少なくとも2層構造を有する重合体粒子を含有する水性分散液に塩基を添加して、該水性分散液のpHを7以上とすることによって、芯重合体(A)に含まれる酸性基の少なくとも一部が中和されることによって形成された少なくとも一つのボイドを有する中空重合体粒子が得られる(ボイドは水性分散液を形成する水性媒体で充満している)。
揮発性塩基としては、例えば、アンモニア、水酸化アンモニウム、モルホリン、トリメチルアミン、トリエチルアミンなどが挙げられる。
不揮発性塩基としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウムなどのアルカリ金属の水酸化物;水酸化カルシウム、水酸化マグネシウムなどのアルカリ土類金属の水酸化物;炭酸ナトリウム、重炭酸カリウムなどのアルカリ金属(重)炭酸塩;炭酸アンモニウム、重炭酸アンモニウムなどの(重)炭酸アンモニウム塩;などが挙げられる。
塩基の中でも、揮発性塩基が好ましく、アンモニアおよび水酸化アンモニウムがより好ましく使用できる。
塩基の使用量は、前記芯重合体の酸性基の少なくとも一部を中和して、前記水性分散液のpHを7以上とする量である。
塩基は、添加の際の凝集物発生を抑制する観点から、水溶液の状態で添加することが好ましく、その濃度は、好ましくは0.5〜20重量%、より好ましくは1〜10重量%である。
塩基の添加の際の凝集物発生を抑制する観点から、塩基を添加する前に、アニオン界面活性剤や非イオン界面活性剤を単独または併用して添加することもできる。
中空重合体粒子水性分散液中の中空重合体粒子の数平均粒子径は、通常、0.2〜3μm、好ましくは0.4〜2μm、より好ましくは0.8〜1.5μmである。この粒子径は、透過型電子顕微鏡を用いて、中空重合体粒子200個の最大粒子径を測定し、単純平均した値である。
また、中空重合体粒子の空隙率は、通常、45〜60%、好ましくは50〜55%である。なお、空隙率は、透過型電子顕微鏡を用いて、中空重合体粒子200個について、各粒子における最大粒子径とボイドの最大径とを測定し、その数値から計算して求められる空隙率を単純平均した値である。
(1)体積平均粒子径
シードラテックスおよび芯重合体粒子の体積平均粒子径は、光散乱回折粒径測定装置(LS−230:コールター社製)を用いて、重合体粒子の体積基準の粒度分布に基き、算術平均して計算される平均粒子径(「体積平均粒子径」という。)として求めた。
(2)凝集物発生量
総固形分量が150gに相当する中空重合体粒子を含有する水性分散液を、325メッシュの金網でろ過し、金網上の残存物を水洗した後、105℃で4時間乾燥した。総固形分量150gに対する、金網上の残存物の乾燥重量の割合を百分率で求めた。
(3)数平均粒子径
透過型電子顕微鏡を用いて、中空重合体粒子200個の最大粒子径を測定し、それらを単純平均して求めた。
(4)空隙率(%)
透過型電子顕微鏡を用いて、中空重合体粒子200個について、各粒子における最大粒子径とボイドの最大径とを測定し、その数値から以下のように計算して求められる空隙率を単純平均して得た。
界面活性剤I:(ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム:アルキル基=C12H25、エチレンオキサイド付加数=18)
界面活性剤II:(ポリオキシエチレンアルケニルエーテル硫酸ナトリウム:アルケニル基=C18H35、エチレンオキサイド付加数=23)
界面活性剤III:(ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム:アルキル基=C12H25、エチレンオキサイド付加数=3)
界面活性剤IV:(ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム:アルキル基=C12H25、エチレンオキサイド付加数=50)
界面活性剤V:ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム
(芯重合体粒子形成工程)
攪拌装置を備えた耐圧容器に、メタクリル酸メチル(MMA)60部、アクリル酸ブチル(BA)5部、メタクリル酸(MAA)35部、0.9部の界面活性剤I、トリポリリン酸ナトリウム0.15部およびイオン交換水85部を添加し、攪拌して芯重合体形成用の単量体混合物(a)の乳化物を調製した。
次いで、過硫酸カリウム3%水溶液1.63部を添加し、前記の乳化物の7%を、3時間に亘り、反応器に連続的に添加した後、さらに1時間反応させた。
重合系を室温まで冷却して、芯重合体粒子を含む水性分散液を得た。この芯重合体粒子の体積平均粒径は380nmであった。
攪拌装置を備えた耐圧容器に、MMA7.8部、BA1.6部、MAA0.6部、t−ドデシルメルカプタン(TDM)0.03部、界面活性剤Iを0.02部およびイオン交換水16部を添加し、攪拌して単量体混合物(b1)の乳化物を調製した。
別の攪拌装置を備えた耐圧容器に、スチレン(ST)79.44部、MAA0.56部、界面活性剤Iを0.4部およびイオン交換水130部を添加し、攪拌して単量体混合物(b2)の乳化物を調製した。
次いで、4%過硫酸カリウム水溶液10部を添加し、前記の単量体混合物(b1)の乳化物を20分間に亘り、連続的に反応器に添加した。引き続き、前記の単量体混合物(b2)の乳化物を、120分間に亘り、連続的に反応器に添加した。
単量体混合物(b2)の乳化物の添加を完了した後、5%アンモニア水25部を添加し、反応温度を90℃に昇温し、60分間塩基処理を行なった。反応液のpHは7以上であった。
さらに、4%過硫酸カリウム水溶液10部を添加した後、2時間反応を継続した。重合転化率は99%以上であった。
重合系を室温まで冷却して、中空重合体粒子水性分散液Aを得た。
凝集物発生量、並びに中空重合体粒子の数平均粒子径および空隙率を測定した。その結果を表1に示す。
表1に示す重合処方に変更する以外は、実施例1と同様にして、中空重合体粒子水性分散液BおよびCを得た。それらの凝集物発生量、並びに中空重合体粒子の数平均粒子径および空隙率を測定した。それらの結果を表1に示す。
(芯重合体粒子形成工程)
攪拌装置を備えた耐圧容器に、MMA50部、BA10部、MAA40部、0.9部の界面活性剤II、トリポリリン酸ナトリウム0.1部およびイオン交換水85部を添加し、攪拌して芯重合体形成用の単量体混合物(a)の乳化物を調製した。
次いで、過硫酸カリウム3%水溶液1.63部を添加し、前記の乳化物の7%を、3時間に亘り、反応器に連続的に添加した後、さらに1時間反応させた。
重合系を室温まで冷却して、芯重合体粒子を含む水性分散液を得た。この芯重合体粒子の体積平均粒径は300nmであった。
攪拌装置を備えた耐圧容器に、MMA7.8部、BA1.6部、MAA0.6部、TDM0.03部およびイオン交換水16部を添加し、攪拌して単量体混合物(b1)の乳化物を調製した。
別の攪拌装置を備えた耐圧容器に、ST81.43部、MAA0.57部、界面活性剤IIを0.492部およびイオン交換水130部を添加し、攪拌して単量体混合物(b2)の乳化物を調製した。
次いで、4%過硫酸カリウム水溶液10部を添加し、前記の単量体混合物(b1)の乳化物を20分間に亘り、連続的に反応器に添加した。引き続き、前記の単量体混合物(b2)の乳化物を、120分間に亘り、連続的に反応器に添加した。
単量体混合物(b2)の乳化物の添加を完了した後、5%アンモニア水25部を添加し、反応温度を90℃に昇温し、60分間塩基処理を行なった。反応液のpHは7以上であった。
さらに、4%過硫酸カリウム水溶液10部を添加した後、2時間反応を継続した。重合転化率は99%以上であった。
重合系を室温まで冷却して、中空重合体粒子水性分散液Dを得た。
凝集物発生量、並びに中空重合体粒子の数平均粒子径および空隙率を測定した。その結果を表1に示す。
表1に示す重合処方に変更する以外は、実施例1と同様にして、中空重合体粒子水性分散液E〜Gを得た。それらの凝集物発生量、並びに中空重合体粒子の数平均粒子径および空隙率を測定した。それらの結果を表1に示す。
エチレンオキサイド付加数が本発明で規定する範囲より少ない界面活性剤IIIを用いて芯重合体を形成して得られる中空重合体粒子水性分散液Eは、凝集物発生量が多く、中空重合体粒子の空隙率に劣る(比較例1)。
エチレンオキサイド付加数が本発明で規定する範囲より多い界面活性剤IVを用いて芯重合体を形成して得られる中空重合体粒子水性分散液Fは、凝集物発生量が多く、中空重合体粒子の空隙率が不十分である(比較例2)。
乳化重合において通常使用されるドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを用いて芯重合体を形成して得られる中空重合体粒子水性分散液Gは、凝集物発生量が多く、中空重合体粒子の空隙率が不十分である(比較例3)。
これらの比較例に比べ、本発明の中空重合体粒子水性分散液A〜Dは、凝集物発生量が極めて少なく、高い空隙率を有する中空重合体粒子が得られている(実施例1〜4)。
Claims (4)
- (1)酸性基含有単量体20〜60重量%およびこれと共重合可能な他の単量体80〜40重量%からなる単量体混合物(a)を、前記単量体混合物(a)の全量に対して、下記一般式(1):
R−O−(CH2CH2O)n−SO3M (1)
(式中、Rは炭素数8〜20のアルキル基またはアルケニル基であり、Mはアルカリ金属イオンまたはアンモニウムイオンであり、nは5〜40の整数である。)で示される界面活性剤0.1〜5重量%の存在下で共重合してなる芯重合体(A)と、
(2)酸性基含有単量体0〜15重量%およびこれと共重合可能な他の単量体100〜85重量%からなる単量体混合物(b)を共重合することによって形成された、実質的に前記芯重合体(A)を包囲する少なくとも1層の外層重合体(B)と
からなる少なくとも2層構造を有し、かつ、芯重合体(A)に含まれる酸性基の少なくとも一部が中和されることによって形成された少なくとも一つのボイドを有することを特徴とする中空重合体粒子。 - 請求項1記載の中空重合体粒子の水性分散液。
- (1)酸性基含有単量体20〜60重量%およびこれと共重合可能な他の単量体80〜40重量%からなる単量体混合物(a)を、前記単量体混合物(a)の全量に対して、下記一般式(1):
R−O−(CH2CH2O)n−SO3M (1)
(式中、Rは炭素数8〜20のアルキル基またはアルケニル基であり、Mはアルカリ金属イオンまたはアンモニウムイオンであり、nは5〜40の整数である。)で示される界面活性剤0.1〜5重量%の存在下で共重合することによって芯重合体(A)を調製し、
(2)前記芯重合体(A)の存在下に、酸性基含有単量体0〜15重量%およびこれと共重合可能な他の単量体100〜85重量%からなる単量体混合物(b)を共重合することによって、実質的に前記芯重合体(A)を包囲する外層重合体(B)を形成し、
(3)得られた少なくとも2層構造を有する重合体粒子を含有する水性分散液に塩基を添加して前記分散液のpHを7以上とする、
前記(1)〜(3)の工程を含むことを特徴とする中空重合体粒子の製造方法。 - 請求項3記載の(1)〜(3)の工程を含むことを特徴とする中空重合体粒子の水性分散液の製造方法。
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