JP2012007056A - 中空樹脂粒子の製造方法および中空樹脂粒子 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】中空樹脂粒子の製造に、平均粒子径が1nm〜100nmのフィラーと重合性モノマーと有機溶媒と重合開始剤からなる重合性組成物を、フィラーを核として重合物を成長させる懸濁重合により重合する、中空樹脂粒子の製造方法。また、その製造方法により製造される中空樹脂粒子。
【選択図】 図1
Description
すなわち、本発明は、
「1.外壁面を構成する樹脂中にフィラーを含有する中空樹脂粒子を、(a)少なくともフィラーと重合性モノマーと有機溶媒と重合開始剤からなる重合性組成物を調整する工程と、(b)該組成物を該組成物と相溶しない溶媒中(以下分散媒という)に懸濁し懸濁液を得る工程と、(c)フィラーを核として重合物を成長させる懸濁重合を行う工程、とを少なくとも経て製造する中空樹脂粒子の製造方法であって、前記フィラーが、平均粒子径1nm〜100nmであり、かつ外壁面を構成する樹脂中に均一に分散していることを特徴とする中空樹脂粒子の製造方法。
2.前記フィラーが無機微粒子および/または有機微粒子から選ばれる1または2以上の微粒子であることを特徴とする、第1項に記載の中空樹脂粒子の製造方法。
3.第1項または第2項のいずれか1項に記載の製造方法により製造されたことを特徴とする中空樹脂粒子。」に関する。
即ち、懸濁状態にある重合性組成物中のフィラーが、分散媒との界面近くに、均一に分散した状態で存在する。重合反応が進行する際に、この均一に分散したフィラーが重合物成長の核となり、ここを起点に重合物が成長する。ここで、重合反応は分散媒との界面で進行していることから有機溶媒は、分散媒中に分散されることなく、前記重合物系内に取り込まれた状態で、中空樹脂粒子の外壁面が形成され、単空状のフィラー含有中空樹脂粒子が得られるのである。
(実施例1)
(a)重合性組成物(A)の調製
スチレン(重合性モノマー、単官能) 25質量部
トリメチロールプロパントリメタクリレート(重合性モノマー、多官能)
15質量部
メチルシクロヘキサン(有機溶媒) 50質量部
酸化チタン(フィラー、平均粒子径30nm) 10質量部
2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(重合開始剤)
0.2質量部
上記混合物を攪拌混合し、重合性組成物(A)を得た。
(b)懸濁液の調製
重合性組成物(A) 15質量部
10質量%ポリビニルアルコール水溶液(分散剤) 27質量部
亜硫酸ナトリウム (重合禁止剤) 0.01質量部
アンチフォームE−20(花王(株)社製、変性シリコーンのエマルショ
ン、消泡剤) 0.05質量部
イオン交換水 8質量部
上記混合物をホモジナイザーを用い、5000rpmで10分攪拌し、懸濁液を得た。
(c)懸濁重合による中空樹脂粒子の製造
(b)で調製した懸濁液を、60℃で5時間、加熱しながら撹拌を行い、酸化チタンを核として重合物を成長させる重合反応を行い、外壁面を構成する樹脂中に平均粒子径30nmの酸化チタンが均一に分散した中空樹脂粒子の分散体を得た。
(d)中空樹脂粒子の粉体化
(c)で得た分散体を遠心分離により外壁面を構成する樹脂中に平均粒子径30nmの酸化チタンが均一に分散した中空樹脂粒子と分散媒を分離後、イオン交換水により洗浄し、60℃で乾燥処理をすることにより、平均粒子径約1.2μmの単空状の外壁面を構成する樹脂中に平均粒子径30nmの酸化チタンが均一に分散したフィラー含有中空樹脂粒子を得た。
(a)重合性組成物(B)の調製
スチレン(重合性モノマー、単官能) 25質量部
トリメチルプロパントリメタクリレート(重合性モノマー、多官能)
15質量部
メチルシクロヘキサン(有機溶媒) 50質量部
酸化チタン(フィラー、粒子径10nm) 10質量部
2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(重合開始剤)
0.2質量部
上記混合物を攪拌混合し、重合性組成物(B)を得た。
(b)懸濁液の調製
重合性組成物(B) 12質量部
10質量%ポリビニルアルコール水溶液(分散剤) 27質量部
亜硫酸ナトリウム (重合禁止剤) 0.01質量部
アンチフォームE−20(花王(株)社製、変性シリコーンのエマルショ
ン、消泡剤) 0.05質量部
イオン交換水 8質量部
上記混合物をホモジナイザーを用い、15000rpmで10分攪拌し、懸濁液を得た。
(c)懸濁重合による中空樹脂粒子の製造
(b)で調製した懸濁液を、60℃で5時間、加熱しながら撹拌を行い、酸化チタンを核として重合物を成長させる重合反応を行い、外壁面を構成する樹脂中に平均粒子径10nmの酸化チタンが均一に分散した中空樹脂粒子の分散体を得た。
(d)中空樹脂粒子の粉体化
(c)で得た分散体を遠心分離により外壁面を構成する樹脂中に平均粒子径10nmの酸化チタンが均一に分散した中空樹脂粒子と分散媒を分離後、イオン交換水により洗浄し、60℃で乾燥処理をすることにより、平均粒子径約0.1μmの単空状の外壁面を構成する樹脂中に平均粒子径10nmの酸化チタンが均一に分散した中空樹脂粒子を得た。
(a)重合性組成物(C)の調製
メタクリル酸グリシジル(重合性モノマー、単官能) 25質量部
トリメチルプロパントリメタクリレート(重合性モノマー、多官能)15質量部
メチルシクロヘキサン(有機溶媒) 50質量部
酸化チタン(フィラー、粒子径100nm) 10質量部
2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(重合開始剤)
0.2質量部
上記混合物を攪拌混合し、重合性組成物(C)を得た。
(b)懸濁液の調製
重合性組成物(C) 18質量部
10質量%ポリビニルアルコール水溶液(分散剤) 27質量部
亜硫酸ナトリウム (重合禁止剤) 0.01質量部
アンチフォームE−20(花王(株)社製、変性シリコーンのエマルショ
ン、消泡剤) 0.05質量部
イオン交換水 8質量部
上記混合物をホモジナイザーを用い、5000rpmで10分攪拌し、懸濁液を得た。
(c)懸濁重合による中空樹脂粒子の製造
(b)で調製した懸濁液を、60℃で5時間、加熱しながら撹拌を行い、酸化チタンを核として重合物を成長させる重合反応を行い、外壁面を構成する樹脂中に平均粒子径100nmの酸化チタンが均一に分散した中空樹脂粒子の分散体を得た。
(d)中空樹脂粒子の粉体化
(c)で得た分散体を遠心分離により外壁面を構成する樹脂中に平均粒子径100nmの酸化チタンが均一に分散した中空樹脂粒子と分散媒を分離後、イオン交換水により洗浄し、60℃で乾燥処理をすることにより、平均粒子径約1.5μmの単空状の外壁面を構成する樹脂中に平均粒子径100nmの酸化チタンが均一に分散した中空樹脂粒子を得た。
(a)重合性組成物(D)の調製
スチレン(重合性モノマー、単官能) 25質量部
トリメチロールプロパントリメタクリレート(重合性モノマー、多官能)
15質量部
メチルシクロヘキサン(有機溶媒) 50質量部
シリカ(フィラー、平均粒子径25nm) 10質量部
2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(重合開始剤)
0.2質量部
上記混合物を攪拌混合し、重合性組成物(D)を得た。
(b)懸濁液の調製
重合性組成物(D) 18質量部
10質量%ポリビニルアルコール水溶液(分散剤) 27質量部
亜硫酸ナトリウム (重合禁止剤) 0.01質量部
アンチフォームE−20(花王(株)社製、変性シリコーンのエマルショ
ン、消泡剤) 0.05質量部
イオン交換水 8質量部
上記混合物をホモジナイザーを用い、5000rpmで10分攪拌し、懸濁液を得た。
(c)懸濁重合による中空樹脂粒子の製造
(b)で調製した懸濁液を、60℃で5時間、加熱しながら撹拌を行い、シリカを核として重合物を成長させる重合反応を行い、外壁面を構成する樹脂中に平均粒子径25nmのシリカが均一に分散した中空樹脂粒子の分散体を得た。
(d)中空樹脂粒子の粉体化
(c)で得た分散体を遠心分離により外壁面を構成する樹脂中に平均粒子径25nmのシリカが均一に分散した中空樹脂粒子と分散媒を分離後、イオン交換水により洗浄し、60℃で乾燥処理をすることにより、平均粒子径約1.2μmの単空状の外壁面を構成する樹脂中に平均粒子径25nmのシリカが均一に分散した中空樹脂粒子を得た。
(a)重合性組成物(E)の調製
スチレン(重合性モノマー、単官能) 30質量部
トリメチロールプロパントリメタクリレート(重合性モノマー、多官能)
10質量部
メチルシクロヘキサン(有機溶媒) 50質量部
メラミン−ホルムアルデヒド縮合物微粒子(フィラー、平均粒子径30n
m) 5質量部
2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(重合開始剤)
0.2質量部
上記混合物を攪拌混合し、重合性組成物(E)を得た。
(b)懸濁液の調製
重合性組成物(E) 18質量部
10質量%ポリビニルアルコール水溶液(分散剤) 27質量部
亜硫酸ナトリウム (重合禁止剤) 0.01質量部
アンチフォームE−20(花王(株)社製、変性シリコーンのエマルショ
ン、消泡剤) 0.05質量部
イオン交換水 8質量部
上記混合物をホモジナイザーを用い、5000rpmで10分攪拌し、懸濁液を得た。
(c)懸濁重合による中空樹脂粒子の製造
(b)で調製した懸濁液を、60℃で5時間、加熱しながら撹拌を行い、メラミン−ホルムアルデヒド縮合物微粒子を核として重合物を成長させる重合反応を行い、外壁面を構成する樹脂中に平均粒子径30nmのメラミン−ホルムアルデヒド縮合物微粒子が均一に分散した中空樹脂粒子の分散体を得た。
(d)中空樹脂粒子の粉体化
(c)で得た分散体を遠心分離により外壁面を構成する樹脂中に平均粒子径30nmのメラミン−ホルムアルデヒド縮合物微粒子が均一に分散した中空樹脂粒子と分散媒を分離後、イオン交換水により洗浄し、60℃で乾燥処理をすることにより、平均粒子径約1.1μmの単空状の外壁面を構成する樹脂中に平均粒子径30nmのメラミン−ホルムアルデヒド縮合物微粒子が均一に分散した中空樹脂粒子を得た。
(a)重合性組成物(A)の調製
実施例1の(a)重合性組成物(A)の調整と同じ方法で、重合性組成物(A)を得た。
(b)懸濁液の調製
重合性組成物(A) 15質量部
10質量%ポリビニルアルコール水溶液(分散剤) 27質量部
亜硫酸ナトリウム (重合禁止剤) 0.01質量部
アンチフォームE−20(花王(株)社製、変性シリコーンのエマルショ
ン、消泡剤) 0.05質量部
イオン交換水 8質量部
上記混合物をホモジナイザーを用い、3000rpmで10分攪拌し、懸濁液を得た。
(c)懸濁重合による樹脂粒子の製造
(b)で調製した懸濁液を、60℃で5時間、加熱しながら撹拌を行い、酸化チタンを核として重合物を成長させる重合反応を行い、外壁面を構成する樹脂中に平均粒子径30nmの酸化チタンが均一に分散した中空樹脂粒子の分散体を得た。
(d)中空樹脂粒子の粉体化
(c)で得た分散体を遠心分離により外壁面を構成する樹脂中に平均粒子径30nmの酸化チタンが均一に分散した中空樹脂粒子と分散媒を分離後、イオン交換水により洗浄し、60℃で乾燥処理をすることにより、平均粒子径約10.2μmの単空状の外壁面を構成する樹脂中に平均粒子径30nmの酸化チタンが均一に分散したフィラー含有中空樹脂粒子を得た。
(a’)重合性組成物(F)の調製
スチレン(重合性モノマー、単官能) 25質量部
トリメチルプロパントリメタクリレート(重合性モノマー、多官能)
15質量部
メチルシクロヘキサン(有機溶媒) 50質量部
2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(重合開始剤)
0.2質量部
上記混合物を攪拌混合し、重合性組成物(F)を得た。
(b’)懸濁液の調製
重合性組成物(F) 18質量部
10質量%ポリビニルアルコール水溶液(分散剤) 27質量部
亜硫酸ナトリウム (重合禁止剤) 0.01質量部
アンチフォームE−20(花王(株)社製、変性シリコーンのエマルショ
ン、消泡剤) 0.05質量部
イオン交換水 8質量部
上記混合物をホモジナイザーを用い、5000rpmで10分攪拌し、懸濁液を得た。
(c’)懸濁重合による樹脂粒子の製造
(b’)で調製した懸濁液を、60℃で5時間、加熱しながら撹拌を行い、重合反応を行った。反応終了後、遠心分離を行い、樹脂粒子と分散媒を分離後、イオン交換水により洗浄し、60℃で乾燥処理をすることにより、平均粒子径約1.2μmの樹脂粒子が得られた。しかしながら、該樹脂粒子は、空隙が無く中空樹脂粒子を得ることはできなかった。
(a’)重合性組成物(G)の調製
スチレン(重合性モノマー、単官能) 16質量部
トリメチルプロパントリメタクリレート(重合性モノマー、多官能)
4質量部
メチルシクロヘキサン(有機溶媒) 30質量部
酸化チタン(フィラー、粒子径210nm) 50質量部
2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(重合開始剤)
0.2質量部
上記混合物を攪拌混合し、重合性組成物(G)を得た。
(b’)懸濁液の調製
重合性組成物(G) 18質量部
10質量%ポリビニルアルコール水溶液(分散剤) 27質量部
亜硫酸ナトリウム (重合禁止剤) 0.01質量部
アンチフォームE−20(花王(株)社製、変性シリコーンのエマルショ
ン、消泡剤) 0.05質量部
イオン交換水 8質量部
上記混合物をホモジナイザーを用い、5000rpmで10分攪拌し、懸濁液を得た。
(c’)懸濁重合による樹脂粒子の製造
(b’)で調製した懸濁液を、60℃で5時間、加熱しながら撹拌を行い、酸化チタンを核として重合物を成長させる重合反応を行った。反応終了後、樹脂粒子と分散媒分離後イオン交換水により洗浄し、60℃で乾燥処理をすることにより、平均粒子径約1.5μmの樹脂粒子が得られた。しかしながら、該樹脂粒子は、多孔質状態の樹脂粒子であり、フィラー含有中空樹脂粒子を得ることはできなかった。
(a’)重合性組成物(H)の調製
スチレン(重合性モノマー、単官能) 30質量部
トリメチルプロパントリメタクリレート(重合性モノマー、多官能)
7.5質量部
メチルシクロヘキサン(有機溶媒) 52.5質量部
酸化チタン(フィラー、粒子径210nm) 10質量部
2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(重合開始剤)
0.37質量部
上記混合物を攪拌混合し、重合性組成物(H)を得た。
(b’)懸濁液の調製
重合性組成物(H) 12質量部
10質量%ポリビニルアルコール水溶液(分散剤) 27質量部
亜硫酸ナトリウム (重合禁止剤) 0.01質量部
アンチフォームE−20(花王(株)社製、変性シリコーンのエマルショ
ン、消泡剤) 0.05質量部
イオン交換水 8質量部
上記混合物をホモジナイザーを用い、5000rpmで10分攪拌し、懸濁液を得た。
(c’)懸濁重合による樹脂粒子の製造
(b’)で調製した懸濁液を、60℃で5時間、加熱しながら撹拌を行い、酸化チタンを核として重合物を成長させる重合反応を行った。反応終了後、樹脂粒子と分散媒分離後イオン交換水により洗浄し、60℃で乾燥処理をすることにより、平均粒子径約1.2μmの樹脂粒子が得られた。しかしながら、該樹脂粒子は、フィラーが外壁面を構成する樹脂の一部に局在した中空樹脂粒子であり、フィラー含有中空樹脂粒子を得ることはできなかった。
Claims (3)
- 外壁面を構成する樹脂中にフィラーを含有する中空樹脂粒子を、(a)少なくともフィラーと重合性モノマーと有機溶媒と重合開始剤からなる重合性組成物を調整する工程と、(b)該組成物を該組成物と相溶しない溶媒中(以下分散媒という)に懸濁し懸濁液を得る工程と、(c)フィラーを核として重合物を成長させる懸濁重合を行う工程、とを少なくとも経て製造する中空樹脂粒子の製造方法であって、前記フィラーが、平均粒子径1nm〜100nmであり、かつ外壁面を構成する樹脂中に均一に分散していることを特徴とする中空樹脂粒子の製造方法。
- 前記フィラーが無機微粒子および/または有機微粒子から選ばれる1または2以上の微粒子であることを特徴とする、請求項1に記載の中空樹脂粒子の製造方法。
- 請求項1または2のいずれか1項に記載の製造方法により製造されたことを特徴とする中空樹脂粒子。
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