JP2005194461A - フッ化ビニリデン系樹脂多孔膜およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 熱誘起相分離法を用いて、機械的強度、耐熱性、耐薬品性に優れ、さらに、大孔径で、透水量が大きく、分離性能が高く、孔形成性に優れたフッ化ビニリデン系樹脂多孔膜およびその製造方法を提供する。
【解決手段】 本発明のフッ化ビニリデン系樹脂多孔膜は、膜表面に平均孔径3μm以上の円形または楕円形の微細孔を有し、純水透過速度が30000L/m/hr/98kPa以上、分画粒子径が1μm以上である。この多孔膜は、フッ化ビニリデン系樹脂と溶剤との熱誘起相分離により形成されてなる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、熱誘起相分離法を用いて、機械的強度、耐熱性、耐薬品性に優れ、さらに、大孔径で、透水量が大きく、分離性能が高く、孔形成性に優れたフッ化ビニリデン系樹脂多孔膜およびその製造方法に関する。
近年、選択透過性を有する分離膜を用いた分離手段の技術がめざましく進展している。このような分離操作の技術は、例えば飲料水、超純水および医薬品の製造工程、醸造製品の除菌・仕上げなどにおいて、分離手段、洗浄手段および殺菌手段等を含む一連の浄化システムとして実用化されている。これらの用途分野においては、水のファイン化(高度処理)や安全性向上、精度向上などが高いレベルで要求されていたことから分離膜の利用が普及したものである。しかし、このように分離膜の利用が普及しているにもかかわらず、濾過および分離という観点から見ると、現在でも砂による濾過が主流であり、例えば水道水の製造においては、凝集沈殿と砂濾過とを組み合わせた分離手段が圧倒的大多数を占める。
水道水の製造において分離膜を用いた分離手段の普及がなかなか進まない理由は、砂濾過の方が分離膜による濾過よりも単位濾過面積当たりの透過流速が大きく、従って砂濾過の方が低いコストでの造水が可能であることによる。
しかし、分離膜は砂濾過と比較して次のような点において圧倒的に優れているため、濾過に要するコストを低減できれば砂濾過に変わる新しい濾過技術として急速に普及するものと思われる。
1.分離精度が高いため、原水水質に左右されず、安定した濾過液が得られ、安全性も高い。
2.砂の入れ替えなど煩雑なメンテナンスが少なく廃棄物も少ない。
3.砂濾過であれば分離精度を改善させるために凝集沈殿処理が必要であるが、膜濾過であれば凝集沈殿処理を省略するか、簡素化することができ、システムの省スぺース化や処理工程の単純化が図れる。
4.膜濾過では濾過液の回収率が高く逆洗に使用する水が少ないため、逆洗による廃液の処理が簡単になる。
膜濾過による透過速度が砂濾過による透過速度と比較して極端に低い原因としては、従来の分離膜は分画粒子径が0.2μm以下の精密濾過膜や限外濾過膜が主流であるために、分画粒子径が小さく、純水透過速度がもともと低いこと、さらに処理水中に存在する不純物や懸濁物質のほとんどが分離膜でトラップされ、上記トラップされた物質による抵抗の増加で透過速度がさらに低くなってしまうことが考えられる。これに対し、砂濾過の分離精度は5〜10μm程度であり、もともとの純水透過速度が高く、さらに水中に不純物や懸濁物質が存在しても、大きさが5μm以下であれば透過してしまうことから、トラップされた物質等による抵抗も受けにくく、高い濾過速度を維持することができる。砂濾過では、5μm以下の不純物等を完全に除去することはできないが、大部分の用途では既に実用化されている通り、精密濾過や限外濾過のような0.2μm以下の分離精度は必ずしも必要とはされていなかった。
しかし最近、例えば、水道水にクリプトスポリジウムやジアルジアなどの原虫類が存在することが安全性の面で問題となっているが、砂濾過による除去では十分とはいえず、限外濾過膜や精密濾過膜を用いた分離手段が一部導入されているものの、膜濾過における造水効率の低さは改善されていない。中空糸膜の孔径が原虫類を除去することで水道水としての安全性が満足されるのに十分な2〜3μm程度にまで大きくかつ分離精度の高い分離膜があれば、膜濾過の特長である高度な分離性能を有しつつ、1μm以下の細菌類や懸濁物質による膜の目詰まりが抑制されることで高い濾過速度を発現かつ維持することができ、水道水をはじめとする様々な用途において利用されるものと考えられる。
大きな孔径を有する濾過膜を製造する方法として、延伸開孔法が挙げられる。該方法は、膜素材を特定条件下でアニール処理および延伸することを特徴とし、その結果、フィブリル化されたラメラ構造を有する濾過膜を製造することができる。しかし該方法により製造された濾過膜は、延伸により繊維方向に配向するため円周方向に対する強度が大きく低下してしまうという問題がある。特に、孔径が大きくなると強度は低下傾向となるため、該方法により実用的な強度を有する濾過膜を製造することは困難である。また、形成される孔の形がスリット状となるため、細長い形状の物質は透過しやすくなり分離精度が低くなりやすい。
また、濾過膜に求められる重要な特性としては、分離精度だけでなく、強度や伸度、耐薬品性が挙げられる。これらの特性は膜素材に因るところが大きい。そのため、近年ではフッ化ビニリデン系樹脂を用いた濾過膜の開発が進められている。フッ化ビニリデン系樹脂を用いた濾過膜は、強度や伸度、耐薬品性に優れるだけでなく、耐酸化剤性にも優れるため、近年注目されているオゾンを用いた高度水処理にも利用可能である。
分離精度に優れた濾過膜を製造する方法として、相分離を利用する場合が多い。そのような相分離を利用した製造法は、非溶剤誘起相分離法と熱誘起相分離法に大きく分けることができる。非溶剤誘起相分離法では、ポリマーと溶剤からなる均一なポリマー溶液は、非溶剤の進入や溶剤の外部雰囲気への蒸発によって相分離を起こす。この非溶剤誘起相分離法は濾過膜の製造方法としては極めて一般的である。しかしこの方法は、非溶剤中での相分離制御が難しく、非溶剤が必須であるために生産コストがかかり、マクロボイド(粗大孔)が発生しやすいなど、膜物性、工程制御性およびコスト性の面で問題がある。
一方、熱誘起相分離法は通常、以下のステップよりなる。(1)ポリマーと高い沸点を持った溶剤の混合物を高温で溶融させる。(2)成形後、相分離を誘発させるために適当な速度で冷却させ、ポリマーを固化させる。(3)用いた溶剤を抽出する。
また、熱誘起相分離法が、非溶剤誘起相分離法と比較して有利な点は以下のとおりである。(a)膜の強度を弱める要因となるマクロボイドが発生しない。(b)非溶剤誘起相分離法では、溶剤のほかに非溶剤が必要であるため、製造工程における制御が困難であり、再現性も低い。一方、熱誘起相分離法では非溶剤が必要ないため制御性およびコスト性に優れ、また再現性も高い。(c)孔径制御が比較的容易で、孔径分布がシャープで良好な孔を形成する孔形成性に優れる。
熱誘起相分離には固−液型熱誘起相分離と液−液型熱誘起相分離が存在し、どちらを発現するかは、ポリマーと溶剤の相容性に起因する。両者の相容性が非常に高い場合は固−液型熱誘起相分離を発現するが、相容性が低くなると液−液型熱誘起相分離を発現し、ついに両者は非相容となる。一般に、液−液型熱誘起相分離ではスピノーダル分解により相分離が進行するため、固−液型熱誘起相分離と比較して共連続構造が発現し易いという特徴を持ち、その結果、孔の連通性や均一性などの孔形成性に優れる分離膜を製造することができる。つまり、透過性能と分画性能に優れる分離膜を製造するには、液−液型熱誘起相分離を発現する適切なポリマーと溶剤の組み合わせを選択することが好ましい。一般に、ポリマーと溶剤が液−液型熱誘起相分離を発現する領域は狭いため、該方法により分離膜を製造する場合、ポリマーと溶剤の適切な組み合わせを選ぶことが極めて重要であることが知られている(例えば、非特許文献1参照)。
一方、熱誘起相分離法を利用したフッ化ビニリデン系樹脂多孔膜の製造方法に関しては、ポリフッ化ビニリデン樹脂と溶剤、例えばフタル酸ジエチルやアセトフェノン等からなる紡糸原液を高温で溶解後、冷却により熱誘起相分離を発現させ、抽出や延伸工程を経て多孔膜を得るという方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。この方法で得られた多孔膜の平均孔径は最大0.5μm程度で、また純水透過速度(透水量)も10000L/m/hr/98kPaに満たないものである。
特開平11−319522号公報 「ケミカル・エンジニヤリング」 化学工業社 1998年6月号453ページ〜464ページ
本発明の目的は、熱誘起相分離法を用いて、機械的強度、耐熱性、耐薬品性に優れ、さらに、大孔径で、透水量が大きく、分離性能が高く、孔形成性に優れたフッ化ビニリデン系樹脂多孔膜およびその製造方法を提供することにある。
上記の目的を達成するために、本発明のフッ化ビニリデン系樹脂多孔膜は、膜表面に平均孔径3μm以上の円形または楕円形の微細孔を有し、純水透過速度が30000L/m/hr/98kPa以上、分画粒子径が1μm以上であることを特徴とする。また、この多孔膜はフッ化ビニリデン系樹脂と溶剤との熱誘起相分離により形成されてなる。
本発明に係るフッ化ビニリデン系樹脂多孔膜の製造方法は、フッ化ビニリデン系樹脂と、該フッ化ビニリデン系樹脂と特定の温度領域で相容して一相状態となり、かつ温度変化により相分離を起こしうる溶剤と、無機粒子と、無機粒子と親和性を有する凝集剤とを、該フッ化ビニリデン系樹脂と溶剤が相容する温度で混練させた混合液を紡糸原液として調製した後、冷却することで熱誘起相分離と該フッ化ビニリデン系樹脂の析出とを起こさせて、次いで溶剤、無機粒子および凝集剤を抽出させるものである。
本発明において用いられるフッ化ビニリデン系樹脂は、フッ化ビニリデンホモポリマーおよび/またはフッ化ビニリデン共重合体を含有する樹脂のことであり、特定の温度領域で溶剤と相容して一相状態となり、かつ温度変化により相分離を起こしうるものであれば特に制限はない。フッ化ビニリデン共重合体としては、フッ化ビニリデン残基構造を有するポリマーならば特に限定されず、典型的にはフッ化ビニリデンモノマーとそれ以外のフッ素系モノマーとの共重合体である。例えば、フッ化ビニル、四フッ化エチレン、六フッ化プロピレン、三フッ化塩化エチレンから選ばれた1種類以上のフッ素系モノマーとフッ化ビニリデンとの共重合体が挙げられる。場合によっては、フッ素系モノマー以外の例えばエチレン等のモノマーが含まれていても良い。また、フッ化ビニリデン系樹脂の分子量は高い方が膜の強度が高くなるので好ましいが、加工性を考慮すれば、重量平均分子量10万から60万の範囲が好ましく、さらに20万から50万の範囲が好ましい。
本発明において用いられる溶剤は、特定の温度領域でフッ化ビニリデン系樹脂と相容し、かつ温度変化によりフッ化ビニリデン系樹脂と相分離を起こすものが用いられる。ポリフッ化ビニリデンと固―液相分離状態を取りうる溶剤としては、アセトフェノン、イソホロン、シクロヘキサノン、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチルなどが挙げられ、ポリフッ化ビニリデン−六フッ化プロピレン共重合体と固―液相分離状態を取りうる溶剤としては、アセトフェノン、セバシン酸ジブチル、リン酸トリクレジルなどが挙げられる。またポリフッ化ビニリデンと液―液相分離状態を取りうる溶剤としては、安息香酸ヘキシルが挙げられ、ポリフッ化ビニリデン−六フッ化プロピレン共重合体と液―液相分離状態を取りうる溶剤としては、サリチル酸プロピルやピリジンなどが挙げられる。これらの中でも、透過性能と分画性能に優れる分離膜を製造するには液−液相分離状態を発現するフッ化ビニリデン樹脂と溶剤の組み合わせを用いることが好ましい。さらに、溶剤に(熱誘起相分離温度+30)℃における30秒間での重量減量率が10%以下のものを用いると、膜表面における開孔性(開孔率)がより良好となるため好ましい。この溶剤の重量減量率は、例えば示差熱・熱重量測定装置(以下、TG(熱重量)−DTA(示差熱)と略記することがある)を用いて測定される。
本発明において用いられる無機粒子は、多孔膜が大きな孔径を有するための核となるものであり、薬品などによる抽出が容易で粒径分布の比較的狭い微粒子が望ましい。その例として、例えば、シリカ、珪酸カルシウム、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、リン酸カルシウム、鉄、亜鉛などの金属酸化物または水酸化物、ナトリウム、カリウム、カルシウム等の塩類などを例示することができる。特に、凝集性を有する無機粒子は、通常であればフッ化ビニリデン系樹脂と溶剤とが相分離してしまうような組成に添加することでフッ化ビニリデン系樹脂と溶剤とが相容状態にあるときの安定性が向上する結果、均質な多孔膜を製造することが可能となり、より大きな孔径を有する多孔膜を製造することができる。このような凝集性の点から無機粒子としてはシリカが最良である。また多孔膜の孔径制御、特に孔の連通性を向上させることを目的として、異なる凝集粒子径を有する無機粒子を混合することもできる。
本発明において用いられる凝集剤とは、無機粒子と親和性があり、さらに無機粒子の凝集性を向上させる働きを有する化合物をいう。凝集剤は、このような要件に加えて、フッ化ビニリデン系樹脂と溶剤とが相容する温度以上の沸点を有することが必要である。なお、無機粒子の凝集性を向上させる点から、凝集剤は親水基を有する化合物であることがより好ましい。ただし、溶剤が上記凝集剤の要件をも満たす場合は、新たに凝集剤を添加する必要はない。凝集剤の例としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリンなどの多価アルコール類、モノラウリン酸デカグリセリルのようなポリグリセリン脂肪酸エステル類、モノステアリン酸ポリオキシエチレングリセリンのようなポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンラウリルエーテルやポリオキシエチレンセチルエーテルのようなポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンセチルエーテルのようなポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルのようなポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類、モノパルミチン酸ポリオキシエチレンソルビタンのようなポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類などが挙げられる。さらに、無機粒子の凝集状態を制御するためや、系全体の溶融状態を安定化させるために、これらを任意の割合で混合することもできる。
上記したフッ化ビニリデン系樹脂、溶剤、無機粒子および凝集剤からなる混合液の組成は、製造された多孔膜が実用に耐える強度を持ち、所望の孔径および孔が所望の性能を満たす程度に存在し得る範囲内で自由に設定することができる。混合液の組成は上記した各構成成分の化学構造等により異なるが、フッ化ビニリデン系樹脂、溶剤、無機粒子および凝集剤の組成比の合計を120とした場合に(以下も同様)、フッ化ビニリデン系樹脂:溶剤:無機粒子:凝集剤=15〜30:25〜85:5〜30:5〜50の範囲内にあることが望ましい。混合液の組成がこの範囲を外れると、混合液から多孔膜を製造する際に安定性が低下して、均質な多孔膜を製造することが困難となる。また、フッ化ビニリデン系樹脂の量が上記した量より多いときには、均質な多孔膜を製造することは可能であっても得られる多孔膜の孔径が小さくなり、本発明の特徴である大きな孔径や大きい純水透過速度を得るのが困難となる傾向にある。
上記したフッ化ビニリデン系樹脂、溶剤、無機粒子および凝集剤からなる混合液には、必要に応じて、酸化防止剤、紫外線吸収剤、滑剤、アンチブロッキング剤、染料、親水化剤、増粘剤などの各種添加剤を本発明の目的を損なわない範囲で添加することができる。
上記したフッ化ビニリデン系樹脂、溶剤、無機粒子および凝集剤からなる混合液は、二軸混練設備、プラストミル、ミキサーなどの中で混練される。混練温度はフッ化ビニリデン系樹脂と溶剤とが相容し、かつ上記混合物の各成分が分解しない範囲で設定する。混合液は混練された後、十分に気泡が除去され、ギヤポンプなどの計量ポンプで計量した後、シートダイや二重環構造のノズルより押出し、所望の形状に成形される。中空糸状にするときは、二重環構造のノズルの中心部から、空気、窒素などの気体、または上記混合液の押出し温度以上の沸点を有する液体が同時に押出される。上記二重環構造のノズルの中心部から押出すのに用いられる液体としては、テトラエチレングリコールやプロピレングリコール、グリセリンなどを例示することができ、これらを用いると、得られる中空糸の内表面における構造が粗大化し、大きな孔径を得るうえでより効果的である。
シートダイやノズルより押出された押出成形物は、例えば冷却といった温度の変化によりフッ化ビニリデン系樹脂と溶剤とが相分離を起こしてフッ化ビニリデン系樹脂が固化する。フッ化ビニリデン系樹脂とフッ化ビニリデン系樹脂が相容する溶媒との混合物がフッ化ビニリデン系樹脂の貧溶媒中との接触により固化するときには、上記混合物と非溶媒の界面にあたる部分が緻密な層を形成し、得られる多孔膜が不均一な構造となり、高い分離精度が得られないおそれがある。冷却の方法は、空気中で行なう方法、液体中に導入する方法、一旦空気中を通した後に液体中に導入する方法などがありいずれの方法を用いても良いが、冷却の速度が多孔膜の強度や伸度、さらに孔径制御に大きく影響するので冷却速度をコントロールできるように雰囲気温度を温風で制御したり、冷却に用いられる液体の温度を制御することが望ましい。冷却に用いられる液体としては工業的には水が好ましいが、凝集剤または溶剤と相容する有機液体を用いることも可能である。
次いで、上記により形成された成形物から、溶剤、無機粒子および凝集剤を抽出して多孔膜を得る。これらの成分の抽出は、押出、固化などの操作と共に工程中で連続的に行なうことができるし、成形物を一旦枠やカセなどに巻き取った後に行なっても、あるいは成形物を所定の形状のケースに収納してモジュール化した後に行なっても良い。各成分の抽出に用いる溶剤は、抽出温度においてフッ化ビニリデン系樹脂の非溶剤であることが必要である。抽出溶剤は抽出成分の化学構造等によっても異なるが、例えば溶剤がアセトフェノンの場合は、アセトンやメタノールなどが挙げられる。また無機粒子がシリカの場合は、アルカリ溶液による抽出が好適である。さらに凝集剤がポリオキシエチレンポリオキシプロピレンセチルエーテルの場合は、ヘキサン、アセトン、メタノール、水などが挙げられる。多孔膜は、これらの処理を行なった後に、例えば枠やカセに巻き取った状態で乾燥される。
また、本発明において多孔膜の強度を向上させるために延伸処理を行なうことも可能である。延伸の方法としては、熱延伸、冷延伸、熱固定などの方法を、目的とする強度に応じて適宜組み合わせて実施することができる。但し、延伸の程度が過ぎると、得られる多孔膜がフィブリル化を起こして微細孔がスリット状となり、分離精度が低くなったり、円周方向に対する強度が逆に低下してしまうために好ましくない。膜の濾過においては円周方向の強度も重要であるため、膜の表面がスリット状微細孔にならず円形または楕円形を保持する範囲内で延伸比率を制御する必要がある。延伸は形成後に溶剤や無機粒子などが存在している状態で行なう、溶剤および凝集剤を抽出した後に無機粒子が存在している状態で行なう、溶剤、無機粒子および凝集剤の抽出を行なった後に行なうなど、任意の方法で行なって良い。延伸時において無機粒子が存在する状態で延伸を行なう場合、無機粒子が孔形成の核となることにより、大きな孔径を有する多孔膜が得られるため好ましい。このような延伸を行なうことで、強度が向上するだけでなく空隙率が大きくなり、その結果高い純水透過速度を有する膜が製造できる。
このようにして得られた本発明のフッ化ビニリデン系樹脂多孔膜は、膜表面に平均孔径が3μm以上の円形または楕円形の微細孔を有する。また、多孔膜内の空間の体積比である空隙率は50〜95%、好ましくは70〜90%である。空隙率が50%よりも小さくなると十分な純水透過速度を得ることが困難であり、90%を越えると膜の強度が低下し、膜濾過の実施中に中空糸膜の破断や折れが発生し膜としての耐久性に欠ける。本発明の多孔膜はこのような膜構造を有しているため、純水透過速度が30000L/m/hr/98kPa以上と従来の膜と比べ格段に高く、また分画粒子径1μm以上を有する。さらに、本発明の製造方法によると、純水透過速度が150000L/m/hr/98kPa以上、分画粒子径が3μm以上の膜を製造することも可能である。また、孔径が大きくなることで湿潤状態でも100kPa以下の低い圧力で空気などの気体が透過できるようになるため、気体逆洗などの物理的手段による洗浄が可能となる。
乾燥後の多孔膜を所定本数ずつ束ねて所定形状のケースに収納した後、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂等で端部を固定することによって膜モジュールが得られる。例えば中空糸膜の場合、膜モジュールとしては、中空糸膜の両端が開口固定されているタイプのもの、中空糸膜の一端が開口固定されかつ他端が密封されているが固定はされていないタイプのもの等、種々の形態のものが公知である。
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。なお、本発明はこれによってなんら限定を受けるものではない。
実施例1
フッ化ビニリデン系樹脂としてポリフッ化ビニリデン(以下、PVDFと略記することがある)(ソルベイアドバンストポリマーズ株式会社製、SOLEF6010)と、溶剤として安息香酸ヘキシル(和光純薬株式会社製、試薬1級)と、無機粒子としてシリカ(株式会社トクヤマ製、ファインシールX−45、平均凝集粒子径4.0〜5.0μm)と、凝集剤としてモノラウリン酸ヘキサグリセリル(日光ケミカルズ株式会社製、Hexaglyn 1−L)とを、重量比で20:80:10:10の割合となるように混合液を調製した。この混合液の組成を表1に示す。
上記した混合液を、二軸混練押出機中で加熱混練(温度240℃)して、押出したストランドをペレタイザーに通すことでチップ化した。このチップを、外径2.5mm、内径1.1mmの二重環構造のノズルを装着した押出機(230℃)を用いて押出した。このときテトラエチレングリコールを押出物の中空部内に注入した。
紡口から空気中に押し出した押出成形物を、2cmの空中走行距離を経て、水浴中(温度20℃)に入れ、約50cm水浴中を通過させて冷却固化させた。次いで、得られた中空糸を50℃のメタノール中で60分の浸漬を2回繰り返して溶剤(安息香酸ヘキシル)と凝集剤(モノラウリン酸ヘキサグリセリル)、さらに注入液(テトラエチレングリコール)を抽出除去した。
このようにして得られた中空糸状物を80℃の熱水中で繊維方向に原長の約2倍長となるよう延伸処理をした後に、100℃の熱水中で熱固定を行ない、次いで20℃の3N水酸化ナトリウム水溶液中で20分浸漬して無機粒子(株式会社トクヤマ製、ファインシールX―45)を抽出除去した後に、水洗、乾燥工程を経て中空糸膜を得た。製造した中空糸膜について以下の手法に従って試験を行った。試験結果を表2と表3に示す。
(孔の長径と短径の比および平均孔径)
外表面および内表面の少なくとも2ヶ所について電子顕微鏡を用いて写真撮影し、写真の視野範囲内に見える全ての微細孔の長径、短径および内半径を計測し、計測する微細孔数が100個以上になるまで上記操作を行う。その後、外表面および内表面のそれぞれについて、上記計測した孔の長径と短径の比および内半径の平均値を求め、これを孔の長径と短径の比および平均孔径とした。
(分画粒子径)
異なる粒子径を有する少なくとも2種類の粒子の阻止率を測定し、その測定値を元にして下記の近似式(1)において、Rが90となるSの値を求め、これを分画粒子径とした。
R=100/(1−m×exp(−a×log(s))) …(1)
(1)式中、aおよびmは中空糸膜によって定まる定数であって、2種類以上の阻止率の測定値をもとに算出される。ただし、0.1μm径の粒子の阻止率が90%以上の場合の分画粒子径は、<0.1μmと表記される。
(純水透過速度)
有効長が3cmの片端開放型の中空糸膜モジュールを用いて、原水として純水を利用し、濾過圧力が50kPa、温度が25℃の条件で中空糸膜の外側から内側に濾過(外圧濾過)して時間当たりの透水量を測定し、単位膜面積、単位時間、単位圧力当たりの透水量に換算した数値で算出した。
(強度、伸度)
引張試験機(株式会社島津製作所製、オートグラフAGS−100G)を用いて測定した。測定は20℃の水中で実施し、チャック間距離は50mm、引張速度は100mm/分とし、破断時の荷重を膜断面積で割ることで強度を決定した。また伸度は式(2)を用いて決定した。
伸度(%)=(破断時チャック間距離−測定開始時チャック間距離)/測定開始時チャック間距離×100 …(2)
(熱誘起相分離温度)
ポリフッ化ビニリデン(PVDF)と溶剤からなる混合液の滴構造形成温度と結晶化温度を測定することで、熱誘起相分離温度を決定した。滴構造形成温度は、温度コントローラ(Limkam社製、TH−600PM)付きの光学顕微鏡(株式会社ニコン製、ECLIPSE E600POL)を用いて測定した。予め混練しておいた混合液を、混練時の温度で2分間ホールドすることで溶解した後、10℃/分で冷却し、その過程で観察される滴構造形成の温度を測定した。一方、結晶化温度は、DSC(PERKIN ELMER社製、Pyris1)を用いて測定した。予め混練しておいた混合液を、90℃/分で室温から混練温度まで加熱した後に、混練温度で2分間ホールドし、次いで10℃/分で冷却し、その過程で観察される吸熱ピークから結晶化温度を見積もった。なお、両測定とも少なくとも2回以上実施し、その平均値から両温度を決定した。上記測定より得られた滴構造形成温度と結晶化温度の差が±5℃の範囲であれば固−液型熱誘起相分離と判断し、結晶化温度を熱誘起相分離温度とした。一方、滴構造形成温度が結晶化温度よりも5℃以上高ければ液−液型熱誘起相分離と判断し、滴構造形成温度を熱誘起相分離温度とした。
(溶剤の重量減量率)
溶剤をTG−DTA(理学電機株式会社製、Thermo Plus TG8120)に10mgセットし、(熱誘起相分離温度+30)℃まで500℃/分で昇温後、(熱誘起相分離温度+30)℃で30秒間ホールドし、この時間内における溶剤のTG(熱重量)の重量減量率を見積もった。
実施例2
フッ化ビニリデン系樹脂としてポリフッ化ビニリデン(PVDF)(ソルベイアドバンストポリマーズ株式会社製、SOLEF6010)と、溶剤として安息香酸ヘキシル(和光純薬株式会社製、試薬1級)、無機粒子としてシリカ1(株式会社トクヤマ製、ファインシールX−45、平均凝集粒子径4.0〜5.0μm)およびシリカ2(株式会社トクヤマ製、ファインシールX−30、平均凝集粒子径2.5〜4.0μm)と、凝集剤としてモノラウリン酸ヘキサグリセリル(日光ケミカルズ株式会社製、Hexaglyn 1−L)との混合物を、PVDF:安息香酸ヘキシル:シリカ1:シリカ2:モノラウリン酸ヘキサグリセリルの重量比が20:60:5:15:20の割合となるように混合液を調製した。この混合液の組成を表1に示す。
上記した混合液を、二軸混練押出機中で加熱混練(温度240℃)して、押出したストランドをペレタイザーに通すことでチップ化した。このチップを、外径2.5mm、内径1.1mmの二重環構造のノズルを装着した押出機(230℃)を用いて押出した。このときテトラエチレングリコールを押出物の中空部内に注入した。
紡口から空気中に押し出した押出成形物を、2cmの空中走行距離を経て、水浴中(温度20℃)に入れ、約50cm水浴中を通過させて冷却固化させた。次いで、得られた中空糸を50℃のメタノール中で60分の浸漬を2回繰り返して溶剤(安息香酸ヘキシル)と凝集剤(モノラウリン酸ヘキサグリセリル)、さらに注入液(テトラエチレングリコール)を抽出除去した。
このようにして得られた中空糸状物を、20℃の3N水酸化ナトリウム水溶液中で20分浸漬して無機粒子(ファインシールX―45およびファインシールX−30)を抽出除去した後に、水洗、乾燥工程を経て中空糸膜を得た。製造した中空糸膜について以下の手法に従って試験を行った。試験結果を表2と表3に示す。
実施例3
実施例2と同じ組成の混合液を用いたこと以外は、実施例1と同様にして中空糸膜を得た。この中空糸膜の製造に用いた混合液の組成を表1に、試験結果を表2と表3に示す。
実施例4
溶剤としてフタル酸ジオクチル(和光純薬株式会社製、試薬1級)およびフタル酸ジブチル(和光純薬株式会社製、試薬1級)の混合物を用い、無機粒子としてシリカ(日本アエロジル株式会社、R−972)を用い、かつ、PVDF:フタル酸ジオクチル:フタル酸ジブチル:シリカ:モノラウリン酸ヘキサグリセリルを、重量比で20:48:12:20:20とした以外は、実施例1と同様にして中空糸膜を得た。この中空糸膜の製造に用いた混合液の組成を表1に、試験結果を表2と表3に示す。
実施例5
フッ化ビニリデン系樹脂としてフッ化ビニリデン−六フッ化プロピレン共重合体(以下、PVDF−HFPと略記することがある)(ソルベイアドバンストポリマー株式会社製、SOLEF21216)を用い、溶剤としてサリチル酸プロピル(和光純薬株式会社製、試薬1級)を用い、加熱混練温度を220℃、押出機ヘッド温度を200℃とした以外は、実施例1と同様にして中空糸膜を得た。この中空糸膜の製造に用いた混合液の組成を表1に、試験結果を表2と表3に示す。
比較例1
フッ化ビニリデン系樹脂としてPVDF(ソルベイアドバンストポリマーズ株式会社製、SOLEF6010)と、溶剤として安息香酸ヘキシル(和光純薬株式会社製、試薬1級)と、無機粒子としてシリカ(株式会社トクヤマ社製、ファインシールX−45、平均凝集粒子径4.0〜5.0μm)とを、重量比で20:80:10の割合となるように混合液を調製した以外は、実施例1と同様にして中空糸膜を得た。この中空糸膜の製造に用いた混合液の組成を表1に、試験結果を表2と表3に示す。試験結果の通り、凝集剤を添加していない場合は孔径がサブミクロンオーダーであり、高い透水性能は得られなかった。

実施例2で得られたフッ化ビニリデン系樹脂多孔膜断面を示す電子顕微鏡写真である。

Claims (12)

  1. 膜表面に、平均孔径が3μm以上の円形または楕円形の微細孔を有し、純水透過速度が30000L/m/hr/98kPa以上、分画粒子径が1μm以上であることを特徴とするフッ化ビニリデン系樹脂多孔膜。
  2. フッ化ビニリデン系樹脂と溶剤との熱誘起相分離により形成されてなることを特徴とする請求項1に記載のフッ化ビニリデン系樹脂多孔膜。
  3. フッ化ビニリデン系樹脂と溶剤との熱誘起相分離の後、延伸処理されてなることを特徴とする請求項2に記載のフッ化ビニリデン系樹脂多孔膜。
  4. フッ化ビニリデン系樹脂と、該フッ化ビニリデン系樹脂と特定の温度領域で相容して一相状態となり、かつ温度変化により相分離を起こしうる溶剤と、無機粒子と、無機粒子と親和性を有する凝集剤とを、該フッ化ビニリデン系樹脂と溶剤とが相容する温度で混練させた混合液を調製した後、冷却することで熱誘起相分離と該フッ化ビニリデン系樹脂の析出とを起こさせ、次いで溶剤、無機粒子および凝集剤を抽出させることにより形成されてなる請求項2に記載のフッ化ビニリデン系樹脂多孔膜。
  5. 溶剤が、(熱誘起相分離温度+30)℃における30秒間での重量減量率が10%以下のものであることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のフッ化ビニリデン系樹脂多孔膜。
  6. 凝集剤が親水基を有する化合物であることを特徴とする請求項4に記載のフッ化ビニリデン系樹脂多孔膜。
  7. 多孔膜が中空糸膜であることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載のフッ化ビニリデン系樹脂多孔膜。
  8. フッ化ビニリデン系樹脂と、該フッ化ビニリデン系樹脂と特定の温度領域で相容して一相状態となり、かつ温度変化により相分離を起こしうる溶剤と、無機粒子と、無機粒子と親和性を有する凝集剤とを、該フッ化ビニリデン系樹脂と溶剤とが相容する温度で混練させた混合液を調製した後、冷却することで熱誘起相分離と該フッ化ビニリデン系樹脂の析出とを起こさせ、次いで溶剤、無機粒子および凝集剤を抽出させることを特徴とするフッ化ビニリデン系樹脂多孔膜の製造方法。
  9. 熱誘起相分離とフッ化ビニリデン系樹脂の析出とを起こさせた後、延伸処理されることを特徴とする請求項8に記載のフッ化ビニリデン系樹脂多孔膜の製造方法。
  10. 溶剤が、(熱誘起相分離温度+30)℃における30秒間での重量減量率が10%以下のものであることを特徴とする請求項8から11のいずれか1項に記載のフッ化ビニリデン系樹脂多孔膜の製造方法。
  11. 凝集剤が親水基を有する化合物であることを特徴とする請求項8または9に記載のフッ化ビニリデン系樹脂多孔膜の製造方法。
  12. 多孔膜が中空糸膜であることを特徴とする請求項8から11のいずれか1項に記載のフッ化ビニリデン系樹脂多孔膜の製造方法。
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