JP2005187495A - 架橋型高分子電解質 - Google Patents

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polymer electrolyte
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Toshitaka Otsuki
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Abstract

【課題】 高い耐水性や耐メタノール性とプロトン伝導度を有する高分子電解質膜を提供する。
【解決手段】 スルホン酸基を有するポリアリーレンと架橋剤とからなり、
かつスルホン酸基を有するポリアリーレンと架橋剤がイオン架橋した構造を有することを特徴とする高分子電解質。架橋剤が、1分子中にスルホン酸基とイオン架橋し得る2個以上の官能基を有する化合物であり、特にスルホン酸基とイオン架橋し得る2個以上の官能基が、アミノ基である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、スルホン酸基を有するポリアリーレンと架橋剤とからなる、イオン架橋構造を有する高分子電解質膜に関する。
高分子電解質膜は、燃料電池を構成する主要な材料であり、優れた発電性能を持つことが要求される。そのためには、燃料電池が使用される幅広い環境下で、優れたプロトン伝導性を示す膜が求められる。
高分子電解質膜として、スルホン酸基を有するポリマーが通常用いられる。
このような電解質膜のプロトン伝導度を上げるためには、できるだけスルホン酸濃度が高いことが好ましいが、一定の濃度を上回ると、耐水性が低下し、含水時に溶解したり、著しく膨潤し、強度が低下する問題があった。
また、携帯機器に用いられる燃料電池の場合には、燃料として水素の代わりに、メタノールを使用することが、取扱い上、望まれている。しかしながら、この場合にもプロトン伝導度を上げるためにスルホン酸濃度を高めると、燃料のメタノール透過性が高くなり、発電効率が低下する。また膜の膨潤による強度の低下を引き起こすという問題があった。
高分子電解質の耐久性を向上させる試みとしては、特開2001−118591号公報(特許文献1)に、電池反応によって発生する過酸化物に対する耐酸化性に優れた高耐久性高分子電解質が開示されている。特許文献1では、具体的には高分子電解質中に過酸化物を接触分解する触媒能を有する遷移金属酸化物を分散配合するか、過酸化物の分解を抑制する金属過酸化物などの過酸化物安定剤を分散配合するか、フェノール性水酸基を電解質高分子に化学結合により導入するかの少なくともいずれかの手段をとっている。しかしながら、金属過酸化物を高分子電解質中に配合すると、極端に膜強度が低下するため、高分子電解膜を用いて燃料電池を実際に作成する際の取り付け作業時等に高分子電解膜が破れたりする重大な問題点があった。このため、本願出願人は、特開2003-82012号公報(特許文献2)にて、伝導性ポリマーの存在下に、1分子中に少なくとも2つ以上のラジカル重合性基を有するモノマーを重合反応させた架橋高分子電解質について提案している。
特開2001-118591号公報 特開2003-82012号公報
しかしながら、上記のような従来より知られていたものでは、耐水性や耐メタノール性が高く、高いスルホン酸濃度が達成できるスルホン化ポリアリーレンを得ることは困難であった。また、特許文献2に記載された架橋剤では、高い耐水性や耐メタノール性とプロトン伝導度を有する高分子電解質膜を得ることは困難であった。
上記問題点を解決すべく鋭意検討した結果、スルホン酸基を有するポリアリーレンにイオン架橋構造を持たせることにより、より高い耐水性や耐メタノール性とプロトン伝導度を有する高分子電解質膜が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明に係る高分子電解質は、
(1)スルホン酸基を有するポリアリーレンと架橋剤とからなり、
かつスルホン酸基を有するポリアリーレンと架橋剤とが、イオン架橋した構造を有することを特徴としている。
(2)スルホン酸基を有するスルホン化ポリアリーレンが、下記一般式(A)で表される繰り返し単位および下記一般式(B)で表される繰り返し単位からなる。
Figure 2005187495
(式中、Aは2価の電子吸引性基を示し、Bは2価の電子供与基または直接結合を示し、Arは−SO3Hで表される置換基を有する芳香族基を示し、mは0〜10の整数を示し
、nは0〜10の整数を示し、kは1〜4の整数を示す。)。
Figure 2005187495
(式(B)中、R1〜R8は互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、フッ素原子、アルキル基、フッ素置換アルキル基、アリル基、アリール基およびシアノ基からなる群より選ばれた少なくとも1種の原子または基を示し、Wは2価の電子吸引性基または単結合を示し、Tは単結合または2価の有機基を示し、pは0または正の整数を示す。)
(3)架橋剤が、1分子中にスルホン酸基とイオン架橋し得る2個以上の官能基を有する化合物である。
(4)スルホン酸基とイオン架橋し得る2個以上の官能基が、アミノ基である。
(5)以上の高分子電解質からなることを特徴とするプロトン伝導膜。
本発明によれば、本体耐水性、耐メタノール性が高く、高いスルホン酸濃度がスルホン酸基を有するポリアリーレンにイオン架橋構造を持たせることにより、より高い耐水性や耐メタノール性とプロトン伝導度を有する高分子電解質膜が得られる。このため、燃料電池用のプロトン伝導膜に使用したときに、広範な温度・湿度領域で高いプロトン伝導性を発現する。そして、燃料電池に使用した場合、変換効率が高く、このため、軽薄短小・省電力化を達成できる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について説明する。
すなわち、本発明に係る高分子電解質は、
スルホン酸基を有するポリアリーレンと架橋剤とからなり、
かつスルホン酸基を有するポリアリーレンと架橋剤とが、イオン架橋した構造を有する。
スルホン化ポリアリーレン
スルホン酸基を有するスルホン化ポリアリーレンが、下記一般式(A)で表される繰り返し単位および下記一般式(B)で表される繰り返し単位を含んでいる。
Figure 2005187495
式中、Aは2価の電子吸引性基を示し、具体的には−CO−、−SO2−、−SO−、
−CONH−、−COO−、−(CF2)l−(ここで、lは1〜10の整数である)、−C(CF3)2−などが挙げられる。Bは2価の電子供与基または直接結合を示し、電子供与基の具体例としては、−(CH2)−、−C(CH3)2−、−O−、−S−、−CH=CH−、
−C≡C−および
Figure 2005187495
などが挙げられる。
なお、電子吸引性基とは、ハメット(Hammett)置換基常数がフェニル基のm位の場合
、0.06以上、p位の場合、0.01以上の値となる基をいう。
Arは−SO3Hで表される置換基を有する芳香族基を示し、芳香族基として具体的には
フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、フェナンチル基などが挙げられる。これらの基のうち、フェニル基、ナフチル基が好ましい。
mは0〜10、好ましくは0〜2の整数、nは0〜10、好ましくは0〜2の整数を示し、kは1〜4の整数を示す。
Figure 2005187495
式(B)中、R1〜R8は互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、フッ素原子、アルキル基、フッ素置換アルキル基、アリル基、アリール基およびシアノ基からなる群より選ばれた少なくとも1種の原子または基を示す。
アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、アミル基、ヘキシル基などが挙げられ、メチル基、エチル基などが好ましい。
フッ素置換アルキル基としては、トリフルオロメチル基、パーフルオロエチル基、パーフルオロプロピル基、パーフルオロブチル基、パーフルオロペンチル基、パーフルオロヘ
キシル基などが挙げられ、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基などが好ましい。
アリル基としては、プロペニル基などが挙げられ、
アリール基としては、フェニル基、ペンタフルオロフェニル基などが挙げられる。
Wは単結合または2価の電子吸引性基を示す。2価の電子吸引性基としては上述したものと同様のものが挙げられる。
Tは単結合または2価の有機基を示す。2価の有機基として具体的には、電子吸引性基および電子供与基が挙げられ、電子吸引性基および電子供与性基としては、上述したものと同様のものが挙げられる。
式(B)において、pは0または正の整数であり、上限は通常100、好ましくは10〜80である。
スルホン酸基を有するポリアリーレンは、具体的には下記一般式(C)で表される重合体である。
Figure 2005187495
(式(C)中、W、T、A,B、Ar、m、n、k、pおよびR1〜R8は、それぞれ上記一般式(A)および(B)中のW、T、A、B、Ar、m、n、k、pおよびR1〜R8と同義である。)
本発明で用いられるスルホン酸基を有するポリアリーレンは、式(A)で表される繰り返し構成単位を0.5〜100モル%、好ましくは10〜99.999モル%の割合で、式(B)で表される繰り返し構成単位を99.5〜0モル%、好ましくは90〜0.001モル%の割合で含有している。
(スルホン酸基を有するポリアリーレンの製造方法)
スルホン酸基を有するポリアリーレンは、上記一般式(A)で表される構造単位となりうるスルホン酸エステル基を有するモノマーと、上記一般式(B)で表される構造単位となりうるオリゴマーとを共重合させ、スルホン酸エステル基を有するポリアリーレンを製造し、このスルホン酸エステル基を有するポリアリーレンを加水分解して、スルホン酸エステル基をスルホン酸基に変換することにより合成することができる。
また、スルホン酸基を有するポリアリーレンは、上記一般式(A)で表される骨格を有しスルホン酸基、スルホン酸エステル基を有しない構造単位と、上記一般式(B)の構造単位からなるポリアリーレンを予め合成し、この重合体をスルホン化することにより合成
することもできる。
上記一般式(A)の構造単位となりうるモノマーと、上記一般式(B)の構造単位となりうるオリゴマーとを共重合させてスルホン酸エステル基を有するポリアリーレンを合成する場合には、上記一般式(A)の構造単位となりうるモノマーとしては、例えば下記一般式(D)で表されるスルホン酸エステル(以下、「モノマー(D)」ともいう。)が用いられる。
Figure 2005187495
式(D)中、Xはフッ素を除くハロゲン原子(塩素、臭素、ヨウ素)、−OSO2Z(
ここで、Zはアルキル基、フッ素置換アルキル基またはアリール基を示す。)から選ばれる原子または基を示し、A、B、m、nおよびkは、それぞれ上記一般式(A)中のA、B、m、nおよびkと同義である。Raは炭素原子数1〜20、好ましくは4〜20の炭
化水素基を示し、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、tert−ブチル基、iso−ブチル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、ネオペンチル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、シクロペンチルメチル基、シクロヘキシルメチル基、アダマンチル基、アダマンタンメチル基、2−エチルヘキシル基、ビシクロ[2.2.1]へプチル基、ビシクロ[2.2.1]へプチルメチル基、テトラヒドロフルフリル基、2−メチルブチル基、3,3−ジメチル−2,4−ジオキソランメチル基、シクロヘキシルメチル基、アダマンチルメチル基、ビシクロ[2.2.1]ヘプチルメチル基などの直鎖状炭化水素基、分岐状炭化水素基、脂環式炭化水素基、5員の複素環を有する炭化水素基などが挙げられる。これらのうちn−ブチル基、ネオペンチル基、テトラヒドロフルフリル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘキシルメチル基、アダマンチルメチル基、ビシクロ[2.2.1]ヘプチルメチル基が好ましく、さらにはネオペンチル基が好ましい。
Ar'は−SO3bで表されるスルホン酸エステル基を有する芳香族基を示し、芳香族
基として具体的にはフェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、フェナンチル基などが挙げられる。これらの基のうち、フェニル基、ナフチル基が好ましい。
スルホン酸エステル基−SO3bは、芳香族基に1個または2個以上置換しており、置換基−SO3bが2個以上置換している場合には、これらのスルホン酸エステル基は互いに同一でも異なっていてもよい。
ここで、Rbは炭素原子数1〜20、好ましくは4〜20の炭化水素基を示し、具体的
には上記炭素原子数1〜20の炭化水素基などが挙げられる。これらのうちn−ブチル基、ネオペンチル基、テトラヒドロフルフリル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘキシルメチル基、アダマンチルメチル基、ビシクロ[2.2.1]ヘプチルメチル基が好ましく、さらにはネオペンチル基が好ましい。
式(D)で表されるスルホン酸エステルの具体例としては、以下の様な化合物が挙げられる。
Figure 2005187495
Figure 2005187495
Figure 2005187495
Figure 2005187495
Figure 2005187495
Figure 2005187495
Figure 2005187495
Figure 2005187495
また、上記一般式(D)で表されるスルホン酸エステルとして、上記化合物において塩素原子が臭素原子に置き換わった化合物、上記化合物において−CO−が−SO2−に置
き換わった化合物、上記化合物において塩素原子が臭素原子に置き換わり、かつ−CO−が−SO2−に置き換わった化合物なども挙げられる。
一般式(D)中のRb基は1級のアルコール由来で、β炭素が3級または4級炭素である
ことが、重合工程中の安定性に優れ、脱エステル化によるスルホン酸の生成に起因する重合阻害や架橋を引き起こさない点で好ましく、さらには、これらのエステル基は1級アルコール由来でβ位が4級炭素であることが好ましい。
また、上記一般式(D)で表されるスルホン酸エステルと同様の骨格を有し、スルホン酸基、スルホン酸エステル基を有しない化合物の具体例としては、下記の様な化合物が挙げられる。
Figure 2005187495
上記化合物において塩素原子が臭素原子に置き換わった化合物、上記化合物において−CO−が−SO2−に置き換わった化合物、上記化合物において塩素原子が臭素原子に置き
換わり、かつ−CO−が−SO2−に置き換わった化合物なども挙げられる。
上記一般式(B)の構造単位となりうるオリゴマーとしては、例えば下記一般式(E)で表される化合物(以下「オリゴマー(E)」ともいう。)が用いられる。
Figure 2005187495
式(E)中、R1〜R8、W、Tおよびpは、それぞれ上記一般式(B)中のR1〜R8
W、Tおよびpと同義である。
R'およびR''は互いに同一でも異なっていてもよく、フッ素原子を除くハロゲン原子ま
たは−OSO2Z(ここで、Zはアルキル基、フッ素置換アルキル基またはアリール基を
示す。)で表される基を示す。Zが示すアルキル基としてはメチル基、エチル基などが挙げられ、フッ素置換アルキル基としてはトリフルオロメチル基などが挙げられ、アリール基としてはフェニル基、p−トリル基などが挙げられる。
上記一般式(E)で表される化合物として具体的には、p=0の場合、例えば4,4'−ジクロロベンゾフェノン、4,4'−ジクロロベンズアニリド、ビス(クロロフェニル)ジフルオロメタン、2,2−ビス(4−クロロフェニル)ヘキサフルオロプロパン、4−ク
ロロ安息香酸−4−クロロフェニル、ビス(4−クロロフェニル)スルホキシド、ビス(4−クロロフェニル)スルホン、2,6−ジクロロベンゾニトリル、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレンが挙げられる。これらの化合物において塩素原子が臭素原子またはヨウ素原子に置き換わった化合物、さらにこれらの化合物において4位に置換したハロゲン原子の少なくとも1つ以上が3位に置換した化合物などが挙げられる。
またp=1の場合、上記一般式(E)で表される具体的な化合物としては、例えば4,
4'−ビス(4−クロロベンゾイル)ジフェニルエーテル、4,4'−ビス(4−クロロベ
ンゾイルアミノ)ジフェニルエーテル、4,4'−ビス(4−クロロフェニルスルホニル)ジフェニルエーテル、4,4'−ビス(4−クロロフェニル)ジフェニルエーテルジカルボキシレート、4,4'−ビス〔(4−クロロフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフル
オロプロピル〕ジフェニルエーテル、4,4'−ビス〔(4−クロロフェニル)テトラフルオロエチル〕ジフェニルエーテル、これらの化合物において塩素原子が臭素原子またはヨウ素原子に置き換わった化合物、さらにこれらの化合物において4位に置換したハロゲン原子が3位に置換した化合物、さらにこれらの化合物においてジフェニルエーテルの4位に置換した基の少なくとも1つが3位に置換した化合物などが挙げられる。
さらに上記一般式(E)で表される化合物としては、2,2−ビス[4−{4−(4−
クロロベンゾイル)フェノキシ}フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロ
パン、ビス[4−{4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ}フェニル]スルホン、および下記式で表される化合物が挙げられる。
Figure 2005187495
上記一般式(E)で表される化合物は、例えば以下に示す方法で合成することができる。
まず電子吸引性基で連結されたビスフェノールを対応するビスフェノールのアルカリ金属塩とするために、N−メチル−2−ピロリドン、N,N-ジメチルアセトアミド、スルホラン、ジフェニルスルホン、ジメチルスルホキサイドなどの誘電率の高い極性溶媒中でリチウム、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属、水素化アルカリ金属、水酸化アルカリ金属、アルカリ金属炭酸塩などを加える。
通常、アルカリ金属はフェノールの水酸基に対し、過剰気味で反応させ、通常、1.1〜2倍当量を使用する。好ましくは、1.2〜1.5倍当量の使用である。この際、ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン、シクロヘキサン、オクタン、クロロベンゼン、ジオキサン、テトラヒドロフラン、アニソール、フェネトールなどの水と共沸する溶媒を共存させて、電子吸引性基で活性化されたフッ素、塩素等のハロゲン原子で置換された芳香族ジハライド化合物、例えば、4,4'−ジフルオロベンゾフェノン、4,4'−ジクロロベンゾフェノン、4,4'−クロロフルオロベンゾフェノン、ビス(4−クロロフェニル)スルホン、ビス(4−フルオロフェニル)スルホン、4−フルオロフェニル−4'−クロロ
フェニルスルホン、ビス(3−ニトロ−4−クロロフェニル)スルホン、2,6−ジクロ
ロベンゾニトリル、2,6−ジフルオロベンゾニトリル、ヘキサフルオロベンゼン、デカ
フルオロビフェニル、2,5−ジフルオロベンゾフェノン、1,3−ビス(4−クロロベンゾイル)ベンゼンなどを反応させる。反応性から言えば、フッ素化合物が好ましいが、次の芳香族カップリング反応を考慮した場合、末端が塩素原子となるように芳香族求核置換反応を組み立てる必要がある。活性芳香族ジハライドはビスフェノールに対し、2〜4倍モル、好ましくは2.2〜2.8倍モルの使用である。芳香族求核置換反応の前に予め、ビスフェノールのアルカリ金属塩としていてもよい。反応温度は60℃〜300℃で、好ましくは80℃〜250℃の範囲である。反応時間は15分〜100時間、好ましくは1時間〜24時間の範囲である。最も好ましい方法としては、下記式で示される活性芳香族ジハライドとして反応性の異なるハロゲン原子を一個ずつ有するクロロフルオロ体を用いることであり、フッ素原子が優先してフェノキシドと求核置換反応が起きるので、目的の活性化された末端クロロ体を得るのに好都合である。
Figure 2005187495
(式中、Wは一般式(E)に関して定義した通りである。)
また、上記一般式(E)で表される化合物を合成する方法としては、特開平2−159号公報に記載のように求核置換反応と親電子置換反応を組み合わせ、目的の電子吸引性基、電子供与性基からなる屈曲性化合物の合成方法がある。
具体的には電子吸引性基で活性化された芳香族ビスハライド、例えば、ビス(4−クロロフェニル)スルホンをフェノールと求核置換反応させてビスフェノキシ置換体とする。次いで、このビスフェノキシ置換体を例えば、4−クロロ安息香酸クロリドとのフリーデルクラフト反応により目的の化合物を得る。ここで用いる電子吸引性基で活性化された芳香族ビスハライドは上記で例示した化合物が適用できる。フェノールは置換されていてもよいが、耐熱性や屈曲性の観点から、無置換化合物が好ましい。なお、フェノールの置換反応にはアルカリ金属塩とするのが好ましく、アルカリ金属化合物としては上記に例示した化合物を使用できる。使用量はフェノール1モルに対し、1.2〜2倍モルである。反応に際し、上述した極性溶媒や水との共沸溶媒を用いることができる。フリーデルクラフト
反応では、ビスフェノキシ置換体を塩化アルミニウム、三フッ化ホウ素、塩化亜鉛などのルイス酸のフリーデルクラフト反応の活性化剤存在下に、アシル化剤として、クロロ安息香酸クロライドを反応させる。クロロ安息香酸クロライドはビスフェノキシ化合物に対し、2〜4倍モル、好ましくは2.2〜3倍モルの使用である。フリーデルクラフト活性化剤は、アシル化剤のクロロ安息香酸などの活性ハライド化合物1モルに対し、1.1〜2倍当量使用する。反応時間は15分〜10時間の範囲で、反応温度は−20℃から80℃の範囲である。使用溶媒は、フリーデルクラフト反応に不活性な、クロロベンゼンやニトロベンゼンなどを用いることができる。
一般式(E)において、pが2以上である化合物は、例えば、一般式(E)において電子供与性基Tであるエーテル性酸素の供給源となるビスフェノールと、電子吸引性基Wである、>C=O、−SO2−および>C(CF32から選ばれる少なくとも1種の基とを
組み合わせた化合物、具体的には2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ケトン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホンなどのビスフェノールのアルカリ金属塩と、過剰の4,4−ジクロロベンゾフェノン、ビス(4−クロロフェニル)スルホンなどの
活性芳香族ハロゲン化合物との置換反応をN−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチ
ルアセトアミド、スルホランなどの極性溶媒存在下で前記単量体の合成手法に順次重合して得られる。
このような化合物の例示としては、下記式で表される化合物などを挙げることができる。
Figure 2005187495
上記において、pは0または正の整数であり、上限は通常100、好ましくは10〜80である。
上記一般式(C)で表されるスルホン酸エステル基を有するポリアリーレンは、モノマー(D)とオリゴマー(E)を触媒の存在下に反応させることにより合成されるが、この際使用される触媒は、遷移金属化合物を含む触媒系であり、この触媒系としては、(i)
遷移金属塩および配位子となる化合物(以下、「配位子成分」という。)、または配位子が配位された遷移金属錯体(銅塩を含む)、ならびに(ii)還元剤を必須成分とし、さらに、重合速度を上げるために、「塩」を添加してもよい。
ここで、遷移金属塩としては、塩化ニッケル、臭化ニッケル、ヨウ化ニッケル、ニッケルアセチルアセトナートなどのニッケル化合物;塩化パラジウム、臭化パラジウム、ヨウ化パラジウムなどのパラジウム化合物;塩化鉄、臭化鉄、ヨウ化鉄などの鉄化合物;塩化コバルト、臭化コバルト、ヨウ化コバルトなどのコバルト化合物などが挙げられる。これらのうち特に、塩化ニッケル、臭化ニッケルなどが好ましい。
また、配位子成分としては、トリフェニルホスフィン、2,2'−ビピリジン、1,5−
シクロオクタジエン、1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパンなどが挙げられる
。これらのうち、トリフェニルホスフィン、2,2'−ビピリジンが好ましい。上記配位子成分である化合物は、1種単独で、あるいは2種以上を併用することができる。
さらに、配位子が配位された遷移金属錯体としては、例えば、塩化ニッケルビス(トリフェニルホスフィン)、臭化ニッケルビス(トリフェニルホスフィン)、ヨウ化ニッケルビス(トリフェニルホスフィン)、硝酸ニッケルビス(トリフェニルホスフィン)、塩化ニッケル(2,2'−ビピリジン)、臭化ニッケル(2,2'−ビピリジン)、ヨウ化ニッケル(2,2'−ビピリジン)、硝酸ニッケル(2,2'−ビピリジン)、ビス(1,5−シク
ロオクタジエン)ニッケル、テトラキス(トリフェニルホスフィン)ニッケル、テトラキス(トリフェニルホスファイト)ニッケル、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウムなどが挙げられる。これらのうち、塩化ニッケルビス(トリフェニルホスフィン)、塩化ニッケル(2,2'−ビピリジン)が好ましい。
上記触媒系に使用することができる還元剤としては、例えば、鉄、亜鉛、マンガン、アルミニウム、マグネシウム、ナトリウム、カルシウムなどが挙げられる。これらのうち、亜鉛、マグネシウム、マンガンが好ましい。これらの還元剤は、有機酸などの酸に接触させることにより、より活性化して用いることができる。
また、上記触媒系において使用することのできる「塩」としては、フッ化ナトリウム、塩化ナトリウム、臭化ナトリウム、ヨウ化ナトリウム、硫酸ナトリウムなどのナトリウム化合物、フッ化カリウム、塩化カリウム、臭化カリウム、ヨウ化カリウム、硫酸カリウムなどのカリウム化合物;フッ化テトラエチルアンモニウム、塩化テトラエチルアンモニウム、臭化テトラエチルアンモニウム、ヨウ化テトラエチルアンモニウム、硫酸テトラエチルアンモニウムなどのアンモニウム化合物などが挙げられる。これらのうち、臭化ナトリウム、ヨウ化ナトリウム、臭化カリウム、臭化テトラエチルアンモニウム、ヨウ化テトラエチルアンモニウムが好ましい。
各成分の使用割合は、遷移金属塩または遷移金属錯体が、上記モノマーの総計(モノマー(D)+オリゴマー(E)の総計、以下同じ)1モルに対し、通常、0.0001〜10モル、好ましくは0.01〜0.5モルである。0.0001モル未満では、重合反応が十分に進行しないことがあり、一方、10モルを超えると、分子量が低下することがある。
上記触媒系において、遷移金属塩および配位子成分を用いる場合、この配位子成分の使用割合は、遷移金属塩1モルに対し、通常、0.1〜100モル、好ましくは1〜10モルである。0.1モル未満では、触媒活性が不十分となることがあり、一方、100モルを超えると、分子量が低下することがある。
また、還元剤の使用割合は、上記モノマーの総計1モルに対し、通常、0.1〜100モル、好ましくは1〜10モルである。0.1モル未満では、重合が十分進行しないことがあり、100モルを超えると、得られる重合体の精製が困難になることがある。
さらに、「塩」を使用する場合、その使用割合は、上記モノマーの総計1モルに対し、通常、0.001〜100モル、好ましくは0.01〜1モルである。0.001モル未満では、重合速度を上げる効果が不十分であることがあり、100モルを超えると、得られる重合体の精製が困難となることがある。
モノマー(D)とオリゴマー(E)とを反応させる際に使用することのできる重合溶媒としては、例えばテトラヒドロフラン、シクロヘキサノン、ジメチルスルホキシド、N,
N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリド
ン、γ−ブチロラクトン、N,N'−ジメチルイミダゾリジノンなどが挙げられる。これらのうち、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、N,N'−ジメチルイミダゾリジノンが好ましい。これらの重合溶媒は、十分に乾燥してから用いることが好ましい。
重合溶媒中における上記モノマーの総計の濃度は、通常、1〜90重量%、好ましくは5〜40重量%である。
また、重合する際の重合温度は、通常、0〜200℃、好ましくは50〜120℃である。また、重合時間は、通常、0.5〜100時間、好ましくは1〜40時間である。
モノマー(D)を用いて得られたスルホン酸エステル基を有するポリアリーレンは、スルホン酸エステル基を加水分解して、スルホン酸基に変換することによりスルホン酸基を有するポリアリーレンとすることができる。
加水分解は、
(1)少量の塩酸を含む過剰量の水またはアルコールに、上記スルホン酸エステル基を有するポリアリーレンを投入し、5分間以上撹拌する方法
(2)トリフルオロ酢酸中で上記スルホン酸エステル基を有するポリアリーレンを80〜120℃程度の温度で5〜10時間程度反応させる方法
(3)スルホン酸エステル基を有するポリアリーレン中のスルホン酸エステル基(−SO3R)1モルに対して1〜3倍モルのリチウムブロマイドを含む溶液、例えばN−メチル
ピロリドンなどの溶液中で上記ポリアリーレンを80〜150℃程度の温度で3〜10時間程度反応させた後、塩酸を添加する方法
などを挙げることができる。
スルホン酸基を有するポリアリーレンは、上記一般式(D)で表されるスルホン酸エステルと同様の骨格を有しスルホン酸エステル基を有しないモノマーと、上記一般式(E)で表されるオリゴマーを共重合させることによりスルホン酸基を有しないポリアリーレンを予め合成し、このスルホン酸基を有しないポリアリーレンをスルホン化することにより合成する場合は、上記合成方法に準じた方法によりスルホン酸基を有しないポリアリーレンを製造した後、スルホン化剤を用い、スルホン酸基を有しないポリアリーレンにスルホン酸基を導入することによりスルホン酸基を有するポリアリーレンを得ることができる。
このスルホン酸基を有しないポリアリーレンのスルホン化の反応条件としては、スルホン酸基を有しないポリアリーレンを、無溶剤下、あるいは溶剤存在下で、スルホン化剤を用い、常法によりスルホン酸基を導入することにより得ることが出来る。
スルホン酸基を導入する方法としては、例えば、上記スルホン酸基を有しないポリアリ
ーレンを、無水硫酸、発煙硫酸、クロルスルホン酸、硫酸、亜硫酸水素ナトリウムなどの公知のスルホン化剤を用いて、公知の条件でスルホン化することができる〔Polymer Preprints,Japan,Vol.42,No.3,p.730(1993);Polymer Preprints,Japan,Vol.43,No.3,p.736(1994);Polymer Preprints,Japan,Vol.42,No.7,p.2490〜2492(1993)〕。
すなわち、このスルホン化の反応条件としては、上記スルホン酸基を有しないポリアリーレンを、無溶剤下、あるいは溶剤存在下で、上記スルホン化剤と反応させる。溶剤としては、例えばn−ヘキサンなどの炭化水素溶剤、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル系溶剤、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドのような非プロトン系極性溶剤のほか、テトラクロロエタン、ジクロロエタン、クロロホルム、塩化メチレンなどのハロゲン化炭化水素などが挙げられる。反応温度は特に制限はないが、通常、−50〜200℃、好ましくは−10〜100℃である。また、反応時間は、通常、0.5〜1,000時間、好ましくは1〜200時間である。
上記のような方法により製造されるスルホン酸基を有するポリアリーレン(C)中の、スルホン酸基量は、通常0.3〜5meq/g、好ましくは0.5〜4meq/g、さらに好ましくは0.8〜3.5meq/gである。0.3meq/g未満では、プロトン伝導度が低く実用的ではない。一方、5meq/gを超えると、耐水性が大幅に低下してしまうことがあるため好ましくない。
上記のスルホン酸基量は、例えばモノマー(D)とオリゴマー(E)の種類、使用割合、組み合わせを変えることにより、調整することができる。
このようにして得られるスルホン酸基を有するポリアリーレンの分子量は、ゲルパーミエションクロマトグラフィ(GPC)によるポリスチレン換算重量平均分子量で、1万〜100万、好ましくは2万〜80万である。
スルホン酸基を有するポリアリーレンには、老化防止剤、好ましくは分子量500以上のヒンダードフェノール系化合物を含有させて使用してもよく、老化防止剤を含有することで電解質としての耐久性をより向上させることができる。
このようなスルホン酸基を有するポリアリーレンは、スルホン酸基濃度が高くなると、耐水性が低下し、含水時に溶解したり、膨潤したりすることがあり、さらに膜強度が低下する。そこで、架橋することによって、このような耐水性の低下、膜強度の低下を抑制することができる。
また本発明における架橋剤としては、スルホン酸基とイオン的に相互作用することが可能な化合物が使用される。スルホン酸基とイオン的に相互作用可能とは、例えば、スルホン酸基と酸塩基相互作用により、スルホン酸塩を形成可能であることを意味する。
このような化合物としては、1分子中にスルホン酸基と酸塩基反応が可能な官能基を2個以上有する化合物が好ましい。
このような官能基としては、アミノ基、ホスフィン(PH2)基など例示され、特にアミ
ノ基が好ましい。
このような化合物の具体例として、以下のものが例示される。
エチレンジアミン、プロパンジアミン、ブタンジアミン、ペンタンジアミン、ヘキサンジアミン、オクタンジアミン、デカンジアミン、ドデカンジアミン、トリスアミノエチル
アミン、トリスアミノプロピルアミン、トリスアミノブチルアミン、トリスアミノオクチルアミン、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、4,4’−オキシジアニリン、1,2−ジアミノプロパン、ビス(3−アミノプロピル)エーテル、1,2−ビス(3−アミノプロピルオキシ)エタン、1,3−ビス(3−アミノプロピルオキシ)−2,2−ジメチルプロパン、α,ω―ビス(3−アミノプロピル)ポリオキシエチレングリコールなどの1級アミノ基を有する化合物。
N,N’−ジメチルエチレンジアミン、N,N’−ジメチルプロパンジアミン、N,N’−ジメ
チルブタンジアミン、N,N’−ジメチルペンタンジアミン、N,N’−ジメチルヘキサンジアミン、N,N’−ジメチルオクタンジアミン、N,N’−ジメチルデカンジアミン、N,N’−ジ
メチルドデカンジアミン、N,N’−ジメチルトリスアミノエチルアミン、N,N’−ジメチルトリスアミノプロピルアミン、N,N’−ジメチルトリスアミノブチルアミン、N,N’−ジメチルトリスアミノオクチルアミン、N,N’−ジメチル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジメチル−m−フェニレンジアミン、N,N’−ジメチル−4,4’−オキシジアニリン、
1,3−ジ(4−ピペリジル)プロパンなどの2級アミノ基を有する化合物。
N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルプロパンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルブタンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルペンタンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルヘキサンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルオクタンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルデカンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルドデカンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルトリスアミノエチルアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルトリスアミノプロピルアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルトリスア
ミノブチルアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルトリスアミノオクチルアミン、N,N,N’,N’−テトラメチル−p−フェニレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチル−m−フェニ
レンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチル−4,4’−オキシジアニリン、N,N,N’,N’−テトラエチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラエチルプロパンジアミン、N,N,N’,N’−テトラエチルブタンジアミン、N,N,N’,N’−テトラエチルペンタンジアミン、N,N,N’,N’−テトラエチルヘキサンジアミン、N,N,N’,N’−テトラエチルオクタンジア
ミン、N,N,N’,N’−テトラエチルデカンジアミン、N,N,N’,N’−テトラエチルドデカンジアミン、N,N,N’,N’−テトラエチルトリスアミノエチルアミン、N,N,N’,N’−テトラエチルトリスアミノプロピルアミン、N,N,N’,N’−テトラエチルトリスアミノブチルア
ミン、N,N,N’,N’−テトラエチルトリスアミノオクチルアミン、N,N,N’,N’−テトラエチル−p−フェニレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラエチル−m−フェニレンジアミン
、N,N,N’,N’−テトラエチル−4,4’−オキシジアニリン、などの3級アミノ基を有
する化合物。
ジメチルアミノエチルアミン、エチルアミノエチルアミン、ジエチルアミノエチルアミン、メチルアミノプロピルアミン、ジメチルアミノプロピルアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、ラウリルアミノプロピルアミン、N-アミノエチルピペリジン、N-アミノプロピルピペリジン、N-アミノエチルモルフォリン、N-アミノプロピルモルフォリン、イミノビスプロピルアミン、メチルイミノビスプロピルアミン、N,N,N',N',N''−ペンタメチル
ジエチレントリアミンなどの複数の異なる級のアミノ基を有する化合物。
本発明においては、必要に応じて2種以上の架橋剤を併用することもできる。
本発明において、複数のアミノ基を有する架橋剤を用いた場合には、これらのアミノ基とスルホン化ポリアリーレンのスルホン酸基とが酸塩基相互作用により錯体を形成することにより、高分子電解質膜中で架橋構造を形成する。
本発明における、スルホン酸基を有するポリアリーレンに対する架橋剤の使用量は、架橋度に応じて適宜選択されるが、好ましい使用量は、スルホン酸基に対する架橋剤のアミ
ノ基が、0.5mol%以上、100mol%未満、好ましくは1mol%以上、50mol%未満の範囲である。
本発明の高分子電解質膜は、例えば以下のように製造することができる。
(1)本発明のスルホン化ポリアリーレンと架橋剤、及び、両者の複合化物のいずれもが溶
解する有機溶媒に溶解し、基体上にキャストし、溶媒を除去、乾燥させる(キャスト法)。
製膜の過程で架橋剤の反応が進行し、架橋構造が形成される。この場合、架橋反応を促進するために、加熱するなどの方法を併用することもできる。
(2)また、あらかじめスルホン化ポリアリーレンを用いてキャスト法により製膜したあと
、この膜を架橋剤の溶液に浸漬し、スルホン化ポリアリーレン膜の内部に含浸させる方法でも製造することができる。この場合、含浸後に架橋反応が進行し、架橋構造が形成される。またこの架橋剤の溶液には、スルホン化ポリアリーレンの膜は溶解しないことが必要であり、そのような溶媒として水が好ましい。
(3)さらにまた、スルホン化ポリアリーレンを用いてキャスト法により製膜したあと、架
橋剤溶液をスプレー塗布するなどの方法で、スルホン化ポリアリーレン膜の表面にコートする方法でも製造することができる。この場合の架橋剤の溶媒には上記の方法のような制約はない。この方法では、膜の表面近傍のみに架橋構造が形成される。
これらの製膜法において、基体としては、通常の溶液キャスト法に用いられる基体であれば特に限定されず、たとえばプラスチック製、金属製などの基体が用いられ、好ましくは、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムなどの熱可塑性樹脂からなる基体が用いられる。
またこれらの製膜法において、キャスト時に使用される溶媒、架橋剤を溶解する溶媒に、硫酸、リン酸などの無機酸、カルボン酸を含む有機酸、適量の水などを併用してもよい。
これらの製膜時に用いられる溶媒としては、具体的には、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、γ−ブチロラクトン、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ジメチル尿素、ジメチルイミダゾリジノンなどの非プロトン系極性溶剤が挙げられ、特に溶解性、溶液粘度の面から、N−メチル−2−ピロリドン(以下「NMP」ともいう。)が好ましい。非プロトン系極性溶剤は、1種単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、溶媒として、上記非プロトン系極性溶剤とアルコールとの混合物も用いることができる。アルコールとしては、たとえば、メタノール、エタノール、プロピルアルコール、iso−プロピルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコールなどが挙げられ、特にメタノールが幅広い組成範囲で溶液粘度を下げる効果があり好ましい。アルコールは、1種単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記溶媒として、非プロトン系極性溶剤とアルコールとの混合物を用いる場合には、非プロトン系極性溶剤が95〜25重量%、好ましくは90〜25重量%、アルコールが5〜75重量%、好ましくは10〜75重量%(但し、合計は100重量%)からなる。アルコールの量が上記範囲内にあると、溶液粘度を下げる効果に優れる。
溶液のポリマー濃度は、通常、5〜40重量%、好ましくは7〜25重量%である。5重量%未満では、厚膜化し難く、また、ピンホールが生成しやすい。一方、40重量%を超えると、溶液粘度が高すぎてフィルム化し難く、また、表面平滑性に欠けることがある
なお、溶液粘度は通常、2,000〜100,000mPa・s、好ましくは3,000
〜50,000mPa・sである。2,000mPa・s未満では、成膜中の溶液の滞留性が悪く、基体から流れてしまうことがある。一方、100,000mPa・sを超えると
、粘度が高過ぎて、ダイからの押し出しができず、流延法によるフィルム化が困難となることがある。
上記のようにして成膜した後、得られた未乾燥フィルムを水に浸漬すると、未乾燥フィルム中の有機溶剤を水と置換することができ、得られる高分子電解質膜の残留溶媒量を低減することができる。
なお、成膜後、未乾燥フィルムを水に浸漬する前に、未乾燥フィルムを予備乾燥してもよい。予備乾燥は、未乾燥フィルムを通常50〜150℃の温度で、0.1〜10時間保持することにより行われる。
未乾燥フィルムを水に浸漬する際は、枚葉を水に浸漬するバッチ方式であってもよく、通常得られる基板フィルム(たとえば、PET)上に成膜された状態の積層フィルムのまま、または基板から分離した膜を水に浸漬させて、巻き取っていく連続方法でもよい。
バッチ方式の場合は、処理フィルムを枠にはめるなどの方式が処理されたフィルムの表面の皺形成が抑制されるので好都合である。
未乾燥フィルムを水に浸漬する際には、未乾燥フィルム1重量部に対し、水が10重量部以上、好ましくは30重量部以上の接触比となるようにすることがよい。得られる高分子電解質膜の残存溶媒量をできるだけ少なくするためには、できるだけ大きな接触比を維持するのがよい。また、浸漬に使用する水を交換したり、オーバーフローさせたりして、常に水中の有機溶媒濃度を一定濃度以下に維持しておくことも、得られる高分子電解質膜の残存溶媒量の低減に有効である。高分子電解質膜中に残存する有機溶媒量の面内分布を小さく抑えるためには、水中の有機溶媒濃度を撹拌等によって均質化させることは効果がある。
未乾燥フィルムを水に浸漬する際の水の温度は、好ましくは5〜80℃の範囲である。高温ほど、有機溶媒と水との置換速度は速くなるが、フィルムの吸水量も大きくなるので、乾燥後に得られる高分子電解質膜の表面状態が荒れる懸念がある。通常、置換速度と取り扱いやすさから10〜60℃の温度範囲が好都合である。
浸漬時間は、初期の残存溶媒量や接触比、処理温度にもよるが、通常10分〜240時間の範囲である。好ましくは30分〜100時間の範囲である。
上記のように未乾燥フィルムを水に浸漬した後乾燥すると、残存溶媒量が低減された高分子電解質膜が得られるが、このようにして得られる高分子電解質膜の残存溶媒量は、通常5重量%以下である。
また、浸漬条件によっては、得られる高分子電解質膜の残存溶媒量を1重量%以下とすることができる。このような条件としては、たとえば、未乾燥フィルムと水との接触比を、未乾燥フィルム1重量部に対し、水が50重量部以上、浸漬する際の水の温度を10〜60℃、浸漬時間を10分〜10時間とする方法がある。
上記のように未乾燥フィルムを水に浸漬した後、フィルムを30〜100℃、好ましく
は50〜80℃で、10〜180分、好ましくは15〜60分乾燥し、次いで、50〜150℃で、好ましくは500mmHg〜0.1mmHgの減圧下、0.5〜24時間、真空乾燥することにより、高分子電解質膜を得ることができる。
本発明の方法により得られる高分子電解質膜は、その乾燥膜厚が、通常10〜100μm、好ましくは20〜80μmである。
[実施例]
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
実施例において、スルホン酸当量、分子量およびプロトン伝導度は以下のようにして求めた。
1.スルホン酸当量
得られたスルホン酸基を有する重合体の水洗水が中性になるまで洗浄し、フリーに残存している酸を除いて充分に水洗し、乾燥後、所定量を秤量し、THF/水の混合溶剤に溶解したフェノールフタレインを指示薬とし、NaOHの標準液を用いて滴定を行い、中和点から、スルホン酸当量を求めた。
2.分子量の測定
スルホン酸基を有しないポリアリーレン重量平均分子量は、溶剤としてテトラヒドロフラン(THF)を用い、GPCによって、ポリスチレン換算の分子量を求めた。スルホン酸基を有するポリアリーレンの分子量は、溶剤として臭化リチウムと燐酸を添加したN−メチル−2−ピロリドン(NMP)を溶離液として用い、GPCによって、ポリスチレン換算の分子量を求めた。
3.プロトン伝導度の測定
交流抵抗は、5mm幅の短冊状膜試料の表面に、白金線(φ=0.5mm)を押し当て、恒温恒湿装置中に試料を保持し、白金線間の交流インピーダンス測定から求めた。すなわち、85℃、相対湿度90%の環境下で交流10kHzにおけるインピーダンスを測定した。抵抗測定装置として、(株)NF回路設計ブロック製のケミカルインピーダンス測定システムを用い、恒温恒湿装置には、(株)ヤマト科学製のJW241を使用した。白金線は、5mm間隔に5本押し当てて、線間距離を5〜20mmに変化させ、交流抵抗を測定した。線間距離と抵抗の勾配から、膜の比抵抗を算出し、比抵抗の逆数から交流インピーダンスを算出し、このインピーダンスから、プロトン伝導率を算出した。
比抵抗R(Ω・cm)=0.5(cm)×膜厚(cm)×抵抗線間勾配(Ω/cm)
4.メタノール透過性
パーベーパレーション法により、25℃で、濃度10重量%のメタノール水溶液を用いて、測定した。
合成例1
撹拌機、温度計、冷却管、Dean-Stark管、窒素導入の三方コックを取り付けた1Lの三つ口のフラスコに、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン(ビスフェノールAF)67.3g(0.20モル)、4,4'−ジクロロベンゾフェノン(4,4'−DCBP)60.3g(0.24モル)、炭酸カリウム71.9g(0.52モル)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)300mL、ト
ルエン150mLをとり、オイルバス中、窒素雰囲気下で加熱し撹拌下130℃で反応させた。反応により生成する水をトルエンと共沸させ、Dean-Stark管で系外に除去しながら反応させると、約3時間で水の生成がほとんど認められなくなった。反応温度を130から徐々に150℃まで上げた。その後、反応温度を徐々に150℃まで上げながら大部分のトルエンを除去し、150で10時間反応を続けた後、4,4'−DCBP10.0g(0.040モル)を加え、さらに5時間反応した。得られた反応液を放冷後、副生した無
機化合物の沈殿物を濾過除去し、濾液を4Lのメタノール中に投入した。沈殿した生成物を濾別、回収し乾燥後、テトラヒドロフラン300mLに溶解した。これをメタノール4Lに再沈殿し、目的の化合物95g(収率85%)を得た。
得られた重合体のGPC(THF溶媒)で求めたポリスチレン換算の数平均分子量は11,200であった。また、得られた重合体はTHF、NMP、DMAc、スルホランな
どに可溶で、Tgは110℃、熱分解温度は498℃であった。
得られた化合物は式(I)で表されるオリゴマー(以下、「BCPAFオリゴマー」という)であった。
Figure 2005187495
合成例2
(ネオペンチル基を保護基としたポリアリーレン共重合体(Poly AB-SO3 neo-Pe)の調製)
撹拌機、温度計、冷却管、Dean-Stark管、窒素導入の三方コックを取り付けた1Lの三つ口のフラスコに、4−[4−(2,5−ジクロロベンゾイル)フェノキシ]ベンゼンス
ルホン酸neo-ペンチル(A−SO3 neo-Pe)39.58g(98.64ミリモル)とBCPAFオリゴマー(Mn=11200)15.23g(1.36ミリモル)、Ni(P
Ph3)2Cl2 1.67g(2.55ミリモル)、PPh3 10.49g(40ミリモル
)、NaI 0.45g(3ミリモル)、亜鉛末 15.69g(240ミリモル)、乾燥NMP 390mLを窒素下で加えた。反応系を攪拌下に加熱し(最終的には75℃まで
加温)、3時間反応させた。重合反応液をTHF 250mLで希釈し、30分攪拌し、
セライトをろ過助剤に用い、ろ過し、ろ液を大過剰のメタノール1500mLに注ぎ、凝固させた。凝固物を濾集、風乾し、さらにTHF/NMP(それぞれ200/300mL)に再溶解し、大過剰のメタノール1500mLで凝固析出させた。風乾後、加熱乾燥により目的の黄色繊維状のネオペンチル基で保護されたスルホン酸誘導体からなる共重合体(PolyAB-SO3neo-Pe)47.0g(収率99%)を得た。GPCによる分子量はMn=47,600、Mw=159,000であった。
こうして得られたPolyAB-SO3neo-Pe 5.1gをNMP60mLに溶解し、90℃に加
温した。反応系にメタノール50mLと濃塩酸8mLの混合物を一時に加えた。懸濁状態となりながら、温和の還流条件で10時間反応させた。蒸留装置を設置し、過剰のメタノールを溜去させ、淡緑色の透明溶液を得た。この溶液を大量の水/メタノール(1:1重量比)中に注いで、ポリマーを凝固させた後、洗浄水のPHが6以上となるまで、イオン交換水でポリマーを洗浄した。こうして得られたポリマーのIRスペクトルおよびイオン交換容量の定量分析から、スルホン酸エステル基(−SO3a)は定量的にスルホン酸基(−SO3H)に転換していることがわかった。
得られたスルホン酸基を有するポリアリーレン共重合体のGPCによる分子量は、Mn=53,200、Mw=185,000であり、スルホン酸等量は1.9meq/gであった。
合成例3
(ポリアリーレン系共重合体の合成)
上記合成例1で得られた式(I)のオリゴマー 28.1g(2.5mmol)、2,5−ジクロロ−4'−(4−フェノキシ)フェノキシベンゾフェノン(DCPPB)35.
9g(82.5mmol)、ビス(トリフェニルホスフィン)ニッケルジクロリド 1.
67g(2.6mmol)、ヨウ化ナトリウム 1.66g(11.1mmol)、トリ
フェニルホスフィン 8.92g(34.0mmol)、亜鉛末 13.3g(204mmol)をフラスコにとり、乾燥窒素置換した。N−メチル−2−ピロリドン160mlを加え、80℃に加熱し、4時間攪拌し、重合をおこなった。重合溶液をTHFで希釈し、塩酸/メタノールで凝固回収し、メタノール洗滌を繰り返し、THFで溶解、メタノールへ再沈殿による精製し、濾集した重合体を真空乾燥し目的の共重合体51.0g(90%)を得た。GPC(THF)で求めたポリスチレン換算の数平均分子量は38,900、
重量平均分子量は160,000であった。
(スルホン酸基を有するポリアリーレンの合成)
上記共重合体50gを攪拌装置、温度計を取り付けた1000mlのセパラブルフラスコに入れ、濃度98%硫酸500mlを加え、内温を25℃に保ちながら窒素気流下で24時間攪拌した。得られた溶液を大量のイオン交換水の中に注ぎ入れ、重合体を沈殿させた。洗浄水のpHが5になるまで重合体の洗浄を繰り返した。乾燥して、56g(95%)のスルホン酸基含有重合体を得た。スルホン酸基含有重合体のGPC(NMP)で求めたポリスチレン換算の数平均分子量は45,500、重量平均分子量は176,000であった。本スルホン酸基含有重合体のスルホン酸等量は2.1meq/gであった。
(実施例1)
合成例2で得られた重合体10gをN-メチルピロリドン100mLに溶解した。この溶液
からキャスト法により、フィルムを作成した。このフィルムを、ヘキサメチレンジアミン水溶液に24時間浸漬したのち乾燥し、架橋したフィルムを得た。
(実施例2)
合成例2で得られた重合体10gのかわりに、合成例3で得られた重合体10gを用いて、実施例1と同様にフィルムを作成した。
(実施例3)
合成例2で得られた重合体10gを、N-メチルピロリドン100mLに溶解した。この溶
液からキャスト法により、フィルムを作成した。このフィルムにN,N,N',N'-テトラメチルヘキサメチレンジアミンのN-メチルピロリドン溶液を噴霧し、表面が架橋されたフィルムを作成した。
(実施例4)
合成例2で得られた重合体10gのかわりに、合成例3で得られた重合体10gを用いて、実施例3と同様にフィルムを作成した。
(比較例1)
合成例2で得られた重合体10gを、N-メチルピロリドン100mLに溶解した。この
溶液からキャスト法により、フィルムを作成した。
(比較例2)
合成例3で得られた重合体10gを、N-メチルピロリドン100mLに溶解した。この
溶液からキャスト法により、フィルムを作成した。
各フィルムのプロトン伝導度、熱水浸漬による寸法変化率、メタノール透過性を測定し
た結果を表1にまとめた。
Figure 2005187495
本発明の実施例1〜4は、プロトン伝導度が高く、寸法変化率やメタノール透過性が抑制されていることがわかる。

Claims (5)

  1. スルホン酸基を有するポリアリーレンと架橋剤とからなり、
    かつスルホン酸基を有するポリアリーレンと架橋剤がイオン架橋した構造を有することを特徴とする高分子電解質。
  2. スルホン酸基を有するスルホン化ポリアリーレンが、下記一般式(A)で表される繰り返し単位および下記一般式(B)で表される繰り返し単位からなる、請求項1に記載の高分子電解質。
    Figure 2005187495
    (式中、Aは2価の電子吸引性基を示し、Bは2価の電子供与基または直接結合を示し、Arは−SO3Hで表される置換基を有する芳香族基を示し、mは0〜10の整数を示し
    、nは0〜10の整数を示し、kは1〜4の整数を示す。)。
    Figure 2005187495
    (式(B)中、R1〜R8は互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、フッ素原子、アルキル基、フッ素置換アルキル基、アリル基、アリール基およびシアノ基からなる群より選ばれた少なくとも1種の原子または基を示し、Wは2価の電子吸引性基または単結合を示し、Tは単結合または2価の有機基を示し、pは0または正の整数を示す。)
  3. 架橋剤が、1分子中にスルホン酸基とイオン架橋し得る2個以上の官能基を有する化合物である、請求項1または2に記載の高分子電解質。
  4. スルホン酸基とイオン架橋し得る2個以上の官能基が、アミノ基である請求項3記載の高分子電解質。
  5. 請求項1から4のいずれかに記載の高分子電解質からなることを特徴とするプロトン伝導膜。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007213936A (ja) * 2006-02-08 2007-08-23 Honda Motor Co Ltd 固体高分子型燃料電池用膜−電極構造体及びその製造方法
JP2007213903A (ja) * 2006-02-08 2007-08-23 Jsr Corp 高分子電解質を含む混合溶液、架橋構造を有する重合体を含む高分子電解質組成物および高分子電解質膜
CN103547361A (zh) * 2011-04-07 2014-01-29 索尔维特殊聚合物意大利有限公司 用于制备交联的氟化聚合物的方法

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