JP2005169569A - ラッピング加工装置 - Google Patents

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Kazuo Takeda
和夫 武田
Masahiko Iiizumi
雅彦 飯泉
Masahiro Komata
正博 小又
Kimio Nishimura
公男 西村
Tomohiro Kondo
智浩 近藤
Yoshiyuki Senda
義之 千田
Yasushi Matsushita
靖志 松下
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Abstract

【課題】切り屑や脱落砥粒の除去が容易で、ラッピングフィルムの目詰まり防止も確実にでき、作業環境の悪化や廃液処理時の環境への悪影響を防止し、より均一で高精度のワークに仕上げることができるラッピング加工装置を提供する。
【解決手段】薄肉基材の一面に砥粒が設けられた帯状のラッピングフィルムを背面側よりシュー21により加圧しワークに押付け、回転駆動手段によりワークWを回転し研削するとき、ワークWの加工面に潤滑冷却手段30により流体をミスト状にして、ラッピングフィルムに形成された溝部または孔部に供給することを特徴とする。
【選択図】図5

Description

本発明は、ワークの加工面を砥粒付きのラッピングフィルムによりラッピング加工するラッピング加工装置に関する。
例えば、カムシャフトのカムロブ部やジャーナル部あるいはクランクシャフトのジャーナル部やピン部等のような断面円弧状加工面を有するワークを仕上げ加工する場合は、最近、非伸縮性でかつ変形可能な薄肉基材の一面に砥粒が設けられた帯状のラッピングフィルムを用いてラッピング加工することがある。
このようなラッピングフィルムを用いた超仕上げ加工は、ワークの加工面をラッピングフィルムで覆い、このラッピングフィルムを背面からシューで加圧し、ワークに押付けた状態でワークに回転を与えると同時に、軸方向にオシレーション(振動)も与えてラッピングフィルムの砥粒面でワークを研削している(下記特許文献1参照)。
特開平7−237116号公報(図1,2及び要約等参照)。
このラッピング加工は、ラッピングフィルムがワークを覆った状態での加工となることから、加工屑や脱落した砥粒の排除が円滑に行なわれず、結果的にワークの加工面が不均一になる虞がある。
したがって、従来から加工部分に液体の潤滑オイルを供給し、加工部分の摩擦熱を極力除去したり、フィルムの目詰まりを防止している。
しかし、潤滑オイルが液体の場合、前述のようにラッピングフィルムがワークを覆った状態であれば、加工面に供給しにくく、加工精度に悪影響を及ぼす虞がある。しかも、加工中、潤滑オイルの飛散や漏れにより作業環境が悪化する虞もある。また、潤滑オイルはフィルタにより濾過しつつ循環使用しているが、劣化すると新たなものと交換しなければならず、この廃液処理によっては環境に悪影響を及ぼし、廃液処理に設備などを要するので、設備コストあるいはラニングコストなど、コスト面でも問題がある。
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたもので、切り屑や脱落砥粒の除去が容易で、ラッピングフィルムの目詰まり防止も確実にでき、作業環境の悪化や廃液処理時の環境への悪影響を防止し、より均一で高精度のワークに仕上げることができるラッピング加工装置を提供することを目的とする。
かかる目的を達成するために、本発明のラッピング加工装置は、薄肉基材の一面に砥粒が設けられた帯状のラッピングフィルムと、このラッピングフィルムの背面側に配置されたシューと、該シューをワークの加工面に押付けてラッピングフィルムの砥粒面をワークに押付けるシュー押付手段と、前記ワークを回転駆動する回転駆動手段と、前記ワークの加工面を流体により潤滑し冷却する潤滑冷却手段と、を有するものにおいて、前記潤滑冷却手段は、前記流体をミスト状にし、前記ラッピングフィルムに形成された溝部または孔部に供給することを特徴とする。
本発明のラッピング加工装置では、ラッピングフィルムに溝部または孔部を設け、しかも、これらを介してワークの加工面に向ってミスト状の流体を供給するので、ラッピング加工中に生じた切り屑や脱落砥粒は溝部または孔部から容易に除去されることになり、フィルムの目詰まりを確実に防止し、より均一で高精度のワークに仕上げることができる。
また、ワークの加工面に向ってミスト状の流体を供給するので、この流体は蒸散されることになり、作業環境の悪化や廃液処理時の環境への悪影響を防止できるのみでなく、蒸散時の気化熱によりラッピングフィルムとワークとの間で生じた摩擦熱の除去も容易にでき、より均一で高精度なワークに仕上げることができる。
以下、図面を参照して、本発明に係る実施形態を説明する。
<第1の実施形態>
図1はラッピング加工装置の概略構成図、図2はシュー押付手段の閉状態を示す概略断面図、図3はシュー押付手段の開状態を示す概略断面図である。なお、説明の便宜上、ワークの軸線方向(図1で左右方向)をX方向、X方向に直交する水平方向(図1で紙面直交方向)をY方向、X方向に直交する鉛直方向(図1で上下方向)をZ方向と定義する。
図1,2においてラッピング加工装置1について概説すれば、非伸縮性でかつ変形可能な薄肉基材の一面に砥粒が設けられたラッピングフィルム11と、ラッピングフィルム11の背面側に配置されたシュー21と、シュー21をワークWの加工面に押付けてラッピングフィルム11の砥粒面をワークWに押付けるシュー押付手段20と、ラッピングフィルム11やシュー21を潤滑し冷却する潤滑冷却手段30(図2参照)と、ワークWを回転駆動する回転駆動ユニット40と、ワークWおよびラッピングフィルム11のうちの少なくとも一方にワークWの軸線方向に沿うオシレーションを付与するオシレーションユニット50と、を有している。
なお、前記ラッピングフィルム11、シュー21、シュー押付手段20および潤滑冷却手段30は、ワークWであるカムシャフト60の軸線方向に複数設けられた各カムロブ部61を個々にラッピング加工するように設けられている。
さらに詳述する。まず、図1において、前記回転駆動ユニット40は、主軸41を回転自在に支持するヘッドストック42と、主軸41の先端に設けられかつワークWであるカムシャフト60の一端を把持するチャック43と、主軸41にベルト44を介して連結された主軸モータMと、カムシャフト60の他端を支持するセンタ45を備えたテールストック46と、を有している。
カムシャフト60は、主軸モータMの回転動がベルト44および主軸41を介して伝達され、主軸モータMの回転速度を変えることにより、ワーク回転速度が所望の速度に設定され、加工中におけるワークWの回転位置は、主軸41に取り付けられたロータリエンコーダSにより検出される。ヘッドストック42とテールストック46は、それぞれY方向に沿ってスライド移動自在なテーブル47と48上に設けられ、これらテーブル47、48は、X方向に沿ってスライド移動自在なテーブル49上に載置されている。
前記オシレーションユニット50は、テーブル49の端面に当接する偏心回転体51と、偏心回転体51を回転駆動するオシレーション用モータMと、テーブル49の端面を偏心回転体51に常時当接させるバネなどの弾性手段52と、を有している。
オシレーションの速度Voは、モータMの回転速度を変えることにより所望の速度に設定され、振幅は、オシレーション用モータMの軸心に対する偏心回転体51の偏心量に基づいて設定される。本実施形態では、偏心量は約1mm程度であり、オシレーションの振幅は約2mm程度である。なお、偏心回転体51の偏心量の調整は、例えば調整プレート(図示せず)の挿入枚数を変えるなどの公知の手段を併用してもよい。オシレーションに伴うカムシャフト60のX方向位置の変化は、偏心回転体51の回転位置を検出するロータリエンコーダSを偏心回転体51の軸に取付け、検出する。
ラッピングフィルム11は、図2,3に示すように、供給リール15から引き出され、上アーム22の先端に設けられた一対の第1ガイドローラRと、上アーム22の内方位置に取り付けられている第2ガイドローラRと、下アーム23の内方位置に取り付けられている第3ガイドローラRと、下アーム23の先端に設けられた一対の第4ガイドローラRなどにガイドされ、巻取りリール16に巻き取られる。巻取りリール16にはモータMが連結され、モータMを作動し巻取りリール16を回転すると、供給リール15からフィルム11が順次繰り出される。フィルム11の繰り出し量は、巻取りリール16の軸に取付けられたロータリエンコーダSにより回転量を検出することにより行なう。なお、フィルム11のテンションは供給リール15および巻取りリール16の近傍に設けられたロック装置(図示せず)の作動により付与される。
前記シュー押付手段20は、図2,3に示すように、上下アーム22,23、流体圧シリンダ25、ロッド26およびシューケース28などから構成されている
前記対をなす上アーム22と下アーム23は、シュー21が配置されている先端部が、支持ピン24を中心としてZ方向に相対的に開閉自在とされ、上アーム22の後端部には、油圧あるいは空圧などにより作動する流体圧シリンダ25の一端がピン連結され、下アーム23の後端部にはロッド26の先端がピン連結されている。上下のアーム22、23は、流体圧シリンダ25によりロッド26を伸ばすと、図2に示す閉状態となり、縮めると、図3に示す開状態となる。上下のアーム22、23の支持ピン24を中心とする回動は、ラッピングフィルム11と共に行なわれ、閉じ回動によりシュー21がラッピングフィルム11を介してカムロブ部61に当接され、開き回動によりカムロブ部61とシュー21との当接が解除される。
シュー21は、一般的にはカムロブ部側先端部の形状により凸シューと凹シューがあるが、図示実施形態のものは、凹状先端部を有する凹シュー21であり、ラッピングフィルム11を介してカムロブ部61の加工面に複数箇所で当接している。この凹シュー21は、先端部がへこ(凹)んでいるものの、ワークWとの当接面自体は断面凸状の円弧面に形成され、フィルム11を介してではあるが、カムロブ部61の加工面とは2点での線接触となる。したがって、上下のシュー21は、カムロブ部61と4点で接することから、カムロブ部61は安定的に回転する。
なお、本明細書では、シュー21がフィルム11を介してワークWの外周面と間接的に当接することを「接触」、シュー21がフィルム11を介してワークWの外周面と間接的に当接する面積のことを「接触面積」と略称する。また、本実施形態の凹シュー21は、後述する冷却手段30にも利用される通孔34などを有しているが、この点については後述する。
図4はラッピング加工装置のシュー部分を拡大して示す断面図である。この図4に示すように、上下のアーム22、23の先端部には、凹部27が形成され、この凹部27内に、シュー21を首振り自在に保持するシューケース28が収納されている。このシューケース28は、各アーム22、23に対し揺動ピン29aを中心として揺動し、このシューケース28の中空部28a内に収納されたシュー21は、揺動ピン29bを中心として揺動する。この揺動ピン29bは、カムシャフト60の軸心Oを通る軸線上に位置し、シュー押付け力が効率的にフィルム11に作用するようにしてある。
なお、シューケース28は、モータ駆動されるカムによりばね付勢された押圧棒を昇降させる移動手段(不図示)により凹部27内で昇降変位するようにしてもよい。この場合には、前記揺動ピン29aは、各アーム22、23と長孔嵌合となる。
前記ラッピング加工は、帯状のラッピングフィルム11によりワークWを覆った状態での加工であるため、潤滑冷却手段30によりラッピングフィルム11の外面側から潤滑オイルを掛けてもワークの加工部分に供給できない。
したがって、本実施形態に係る潤滑冷却手段30は、ワークWの加工面近傍のラッピングフィルム11に供給する流体をミスト状にして供給している。ミスト状にすれば、ワークWの加工面に供給し易いのみでなく蒸散もし易く、切り屑や脱落砥粒の排出も容易となり、より均一で精度の高いワークWにすることができ、作業環境の悪化や廃液処理の問題も解消できる。さらに詳述する。
図5は潤滑冷却手段の要部を示す概略側面図、図6は図5の6−6線に沿う概略断面図、図7は図5の要部平面図、図8はラッピングフィルムを示し、(A)は平面図、(B)は断面図である。
図5に示すように、潤滑冷却手段30は、各カムロブ部61と凹シュー21が非接触となる隙間部分37に潤滑オイルをミスト状にして供給するもので、前記アーム22または23やシューケース28の側部に設けられたパイプ35と、このパイプ35に供給する潤滑オイルをミスト状にする霧化手段36と、潤滑オイルを供給するオイル供給装置38とを有している。
本実施形態では、前述のように凹シュー21を使用しているが、この凹シュー21は、図5に示すように、カムロブ部61の外周面と非接触状態となる非接触部21aと、前記カムロブ部61の外周面と接触する接触部21bとを有しており、非接触部21aは両接触部21bの中央に位置して設けられているので、非接触部分21aとカムロブ部61の外周面との間の隙間部分37がある。
この隙間部分37は、図6に示すように、カムロブ部61の一側端から他側端まで貫通しているので、ラッピングフィルム11の側端側より内方に、この隙間部分37に向ってオイルミストMを供給すると、オイルミストMは、ラッピングフィルム11の背面側および/または内面側に沿って速やかに流れることになる。
つまり、オイルミストMは、ラッピングフィルム11と凹シュー21が接していない隙間部分37に供給されるので、浸入し易く、オイルミストの供給量も増大でき、加工面での潤滑作用を保ち易く、しかも、オイルミストMの供給量が増大すると、加工屑の排出性が向上し、フィルムの目詰りも解消できる。
なお、前記霧化手段36は、潤滑オイルを速やかにミスト状にするものであれば、どのようなものであってもよいが、本実施形態では、いわゆる霧吹き器の原理で霧化するものが使用されている。この霧化手段36を設置する位置は、隙間部分37の近傍が好ましいが、このような位置のみでなく、離れた位置に設け、オイルミストMをパイプ35により隙間部分37まで導くようにしてもよい。また、オイルミストMは、下部のラッピングフィルム11のみでなく、図示はしないが、上部のラッピングフィルム11にも同時に供給される。
特に、本実施形態に係るラッピングフィルム11は、図7,8に示すように、基材111の一面にワークWを加工する砥粒部112と、当該砥粒部112間に形成された溝部113とを有している。なお、基材111の他面には、シュー21との滑りを防止するため、ゴムあるいは合成樹脂等の抵抗材料(図示せず)をバックコーティングするか、あるいは滑り止め加工を施している。
溝部113は、ラッピングフィルム11の砥粒面の幅方向に対し所定角度傾斜し、直状に伸延しており、幅方向全長にわたって形成されている。このような溝部113をラッピングフィルム11に設けると、この溝部113自体が切屑や脱落砥粒を収容する収容部として機能することにもなり、ラッピングフィルム11の加工面での目詰りを確実に防止することになる。
一方、前記パイプ35は、図5,7に示すように、先端にラッピングフィルム11あるいはカムロブ部61に沿って伸延するように分岐された分岐部35aを有し、この分岐部35aに複数の吐出口(不図示)が設けられている。したがって、複数の吐出口から溝部113に向けてオイルミストMを供給すれば、オイルミストMが溝部113に流れ込み、ワークWの加工面に向って供給され、前記潤滑および冷却効果をさらに高めることになる。
ここにおいて、ラッピングフィルム11の砥粒部112と溝部113との関係は、ワークWの加工からすれば、砥粒部112が大きく溝部113が小さい方が好ましいが、ミスト状の流体の流れ易さからすれば、砥粒部112が小さく溝部113が大きい方が好ましい。したがって、本実施形態では、砥粒部112の幅Bと溝部113の幅Bとを同等に形成し、加工性と流れ易さの両面で良好な結果が得られるようにしている。
さらに、この砥粒部112と溝部113に関しては、オシレーションする場合を考慮し、ラッピングフィルム11の送り方向(実線矢印方向)における砥粒部112の下流端kと、前記溝部113を隔てた次位の砥粒部11の上流端kとの差δは、ゼロ若しくはマイナスであること、つまり、ラッピングフィルムの加工面における幅方向で重複することが好ましい。ワークWに非加工部分が生じないようにするためである。
ラッピングフィルム11の具体例を挙げると、基材111が非伸縮性の高い材料、例えば、板厚が25μm〜130μm程度のポリエステルなどから構成され、この基材111の一面に、数μm〜200μm程度の粒径を有する多数の砥粒(たとえば、酸化アルミニウム、シリコンカーバイド、ダイアモンドなど)が接着剤により固められて砥粒部112として形成され、砥粒部112の幅Bと溝部113の幅Bは10μm程度であり、砥粒部112あるいは溝部113の傾斜角αは、30度である。
なお、上記モータM、M、M、MおよびロータリエンコーダS、S、Sは、CPUやメモリを主体とするコントローラ100に接続されている。コントローラ100は、ロータリエンコーダS、S、Sの検出結果を監視しつつ、モータM、M、M、Mを制御し、ラッピング加工装置1の加工時および加工停止時の各構成の動作を制御している。
次に、作用を説明する。
まず、各カムロブ部61に対応する両押圧アーム22,23がそれぞれ開の状態で、供給リール15近傍に設けられたロック装置をロックし、モータMを作動し巻取りリール16を回転すると、ラッピングフィルム1は所定量移動し、新規な砥粒面がセットされ、ラッピングフィルム1に所定のテンションが付与される。巻取りリール16近傍のロック装置をロックすると、ぴんと張った状態のラッピングフィルム1となる。
この状態でヘッドストック42とテールストック46との間にワークWであるカムシャフト60をセットし、流体圧シリンダ25を作動すると、両押圧アーム22,23は閉じ、ラッピングフィルム1は、ワークWの各カムロブ部61上にセットされ、両シュー21により所定の押付け力でワークWの加工面である各カムロブ部61に押付けられる。
モータMを作動しワークWを回転すると、各加工面は、ラッピングフィルム1の砥粒面によりラッピング加工される。この場合、ワークWによっては偏心回転するものもあるが、通常の手法により両押圧アーム22,23もこれに追随して揺動し、同様にラッピング加工される。
一方、オシレーション機構50は、モータMの回転により偏心回転体51を弾性手段52の弾発力に抗して回転駆動し、テーブル49をX方向にオシレーションさせ、ワークWをX方向にオシレーションする。オシレーションが行なわれると、ワークWと砥粒との接する距離が長くなり、ワークWに対する単位時間あたりの作用砥粒数は増大し、加工時間が短縮し、ワークの加工効率を高めることができる。
本実施形態のラッピングフィルム11は、砥粒部112間に溝部113が形成されているので、加工により生じた切屑や脱落砥粒は、直ちに溝部113に収容され、ラッピングフィルム11の加工面での目詰りを防止する。
また、このラッピング加工時に、潤滑冷却手段30が、ワークWの加工面近傍のラッピングフィルム11の内面側に潤滑オイルをミスト状にして供給する。このオイルミストMは、パイプ35の先端にある分岐部35aの吐出口よりラッピングフィルム11と凹シュー21の間の隙間部分37および砥粒部112間の溝部113に向けて供給される。
この隙間部分37や溝部113は、ラッピングフィルム11の、いわば一側端から他側端まで貫通する通路であり、これら複数の通路に向って供給されるオイルミストMの供給量は極めて多量になる。
この結果、ラッピングフィルム11の背面側および/または内面側、凹シュー21あるいはワークWにオイルミストMが降り掛かり、ラッピングフィルム11の加工面での良好な潤滑作用や摩擦熱の除去作用が行なわれ、ワークWの冷却効果も向上し、より円滑なラッピング加工が可能となり、より高い面粗度や真円度が得られることになる。しかも、ワークWやラッピングフィルム11から排出された切屑や脱落砥粒は、溝部113に受け入れられ、側方から供給されたオイルミストMにより洗い流され外部に排出される。
さらに、オイルミストMは、ラッピングフィルム11とワークWとの間で生じた摩擦熱を除去しつつラッピング加工中に蒸散されることにもなるので、作業場環境を悪化する虞もない。
<第2の実施形態>
前記第1の実施形態では、ラッピングフィルム11の基材111の一面に砥粒部112と溝部113とを形成しているが、ワークWの加工面にオイルミストMを供給するに当たっては、必ずしも溝部113を形成するのみでなく、ラッピングフィルム11に孔部70を形成してもよい。
図9は第2の実施形態に係るラッピング加工装置のシュー部分を示す概略斜視図であり、前記図1〜8に示す部材と共通する部材は同一符号を付し、説明は省略する。
本実施形態に係るラッピング加工装置は、多数の孔部70が開設されたラッピングフィルム11を有している。これら孔部70は、オイルミスト供給部72からのオイルミストMが挿通して流れるように、基材111および砥粒部112を貫通するように形成されている。
オイルミストMは、凹シュー21内を挿通して供給される。オイルミスト供給部72において生成されたオイルミストMは、凹シュー21内の基部通路71に導かれる。この基部通路71から凹シュー21の先端に向う通路は、多数の分岐通路73とされているので、この多数の分岐通路73から吐出されたオイルミストMは、前記孔部70より加工面に向って噴出される。
この結果、ラッピングフィルム11の内部から孔部70を通りワークWの加工面に向ってオイルミストMを供給すると、オイルミストMがワークWの加工面全面に当たり、ラッピングフィルム11の加工面での良好な潤滑作用や摩擦熱の除去作用、切屑や脱落砥粒の排出、ワークWなどの冷却効果の向上などが発揮され、高い面粗度や真円度が得られる。
なお、分岐通路73と孔部70が対応する位置に形成してもよい。このようにすれば、凹シュー21の分岐通路73先端から吐出されたオイルミストMが、確実にラッピングフィルム11の孔部70を通ってワークWの加工面に噴射されることになり好ましい。
特に、凹シュー21の場合には、ワークWの外周面と凹シュー21との間に隙間部分37が存在するが、この隙間部分37に前記孔部70よりオイルミストが噴射されると、オイルミストMがラッピングフィルム11の背面側および/または内面側に沿って流れ、ラッピングフィルム11あるいはワークWに降り掛かることになり、より好ましいラッピング加工となる。
本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の範囲内で種々改変することができる。例えば、前記実施形態では、潤滑冷却手段30は、2本のパイプを有しているが、これのみでなく、1本であってもよく、さらに多数設けてもよい。また、前記実施形態のシューは、凹シューであるが、必ずしも凹シューのみに限定されるものではなく、いわゆる凸シューを使用してもよい。
さらに、前記実施形態では、ワークはカムシャフトであるが、断面円弧状の加工面を有するもの、例えば、クランクシャフトのジャーナル部やピン部等のような断面真円状の加工面を有するものであってもよい。ここに、「断面非真円の円弧状」とは、回転中心から一の部位までの半径を他の部位までの半径と異ならせることを意図した円弧形状をいい、楕円形状や、図示したカムロブ部61のような卵形状が含まれることはもちろんのこと、外形は円形状であるが回転中心が円中心から偏心したものも含まれる。
本発明にかかるラッピング加工装置は、ワークを覆うラッピングフィルムに溝部や孔部を設け、ここにミスト状の流体を供給し、ワーク加工面での冷却、切り屑などの除去を円滑にし、より均一で高精度のワークに仕上げ、作業環境も向上できる、自動車用エンジンのカムシャフトなどを加工する装置に適したものである。
ラッピング加工装置の概略構成図である。 シュー押付手段の閉状態を示す概略断面図である。 シュー押付手段の開状態を示す概略断面図である。 ラッピング加工装置のシュー部分を拡大して示す断面図である。 冷却手段の要部を示す概略側面図である。 図5の6−6線に沿う概略段面図である。 シュー押付手段の閉状態を示す概略断面図である。 シュー押付手段の開状態を示す概略断面図である。 第2の実施形態のシュー部分を示す概略斜視図である。
符号の説明
1…ラッピング加工装置、
11…ラッピングフィルム、
111…基材、
112…砥粒部、
113…溝部、
20…シュー押付手段、
21…シュー、
21a…非接触部、
21b…接触部、
30…潤滑冷却手段、
37…隙間部分、
40…回転駆動手段、
60…カムシャフト、
61…カムロブ部、
70…孔部、
73…シューの通路、
…砥粒部の幅、
…溝部の幅、
M…オイルミスト、
W…ワーク。

Claims (8)

  1. 薄肉基材の一面に砥粒が設けられた帯状のラッピングフィルムと、このラッピングフィルムの背面側に配置されたシューと、該シューをワークの加工面に押付けてラッピングフィルムの砥粒面をワークに押付けるシュー押付手段と、前記ワークを回転駆動する回転駆動手段と、前記ワークの加工面を流体により潤滑し冷却する潤滑冷却手段と、を有するラッピング加工装置において、
    前記潤滑冷却手段は、前記流体をミスト状にし、前記ラッピングフィルムの砥粒面側に形成された溝部に供給することを特徴とするラッピング加工装置。
  2. 前記潤滑冷却手段は、前記ミスト状の流体をラッピングフィルムの側端側より内方に向って供給することを特徴とする請求項1に記載のラッピング加工装置。
  3. 前記ラッピングフィルムは、前記ワークを加工する砥粒部と、当該砥粒部間の前記溝部とを有し、前記砥粒部のラッピングフィルム送り方向下流端と、前記溝部を隔てた次位の砥粒部の上流端とは、前記ラッピングフィルムの加工面の幅方向で重複するようにしたことを特徴とする請求項1または2に記載のラッピング加工装置。
  4. 前記ラッピングフィルムは、前記砥粒部の幅と同等もしくはそれ以上の幅を有する前記溝部を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のラッピング加工装置。
  5. 薄肉基材の一面に砥粒が設けられた帯状のラッピングフィルムと、このラッピングフィルムの背面側に配置されたシューと、これらシューをワークの加工面に押付けてラッピングフィルムの砥粒面をワークに押付けるシュー押付手段と、前記ワークを回転駆動する回転駆動手段と、前記ワークの加工面を流体により潤滑し冷却する潤滑冷却手段と、を有するラッピング加工装置において、
    前記潤滑冷却手段は、前記流体をミスト状にし、前記ラッピングフィルムに開設された複数の孔部より前記ワークの加工面に向って供給することを特徴とするラッピング加工装置。
  6. 前記潤滑冷却手段は、前記ミスト状の流体をシューに設けられた複数の通路より前記孔部を通って供給する請求項5に記載のラッピング加工装置。
  7. 前記シューは、前記ワークの外周面と非接触状態となる非接触部と、当該非接触部を中央にその両側に隣接して設けられた前記ワークの外周面と接触状態となる接触部とを有する凹シューとしたことを特徴とする請求項1,5,6のいずれかに記載のラッピング加工装置。
  8. 前記ワークは、エンジンのカムシャフトが有するカムロブ部である請求項1または5に記載のラッピング加工装置。
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