JP2005161458A - ラッピング加工装置 - Google Patents

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Kazuo Takeda
和夫 武田
Masahiko Iiizumi
雅彦 飯泉
Masahiro Komata
正博 小又
Kimio Nishimura
公男 西村
Tomohiro Kondo
智浩 近藤
Yoshiyuki Senda
義之 千田
Yasushi Matsushita
靖志 松下
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Abstract

【課題】 ワークをラッピングフィルムが覆った状態であっても、摩擦熱の除去やフィルムの目詰まり防止が確実で、作業環境の悪化や廃液処理時の環境への悪影響を防止でき、加工面での内外の温度差も解消でき、より均一で高精度のワークに仕上げるラッピング加工装置を提供する。
【解決手段】 ラッピングフィルム11の砥粒面をワークWに押付けてワークWを加工するラッピング加工装置において、ワークWの加工面近傍に流体をミスト状にして供給し、ワークWなどを冷却するようにしたので、ラッピング加工中に供給した流体が蒸散することになり、作業環境の悪化や廃液処理時の環境への悪影響を防止できるのみでなく、蒸散時の気化熱によりラッピングフィルム11とワークWとの間で生じた摩擦熱の除去が容易にでき、ラッピングフィルム11の内外での温度差も解消でき、より均一で高精度なワークに仕上げることができる。
【選択図】図4

Description

本発明は、ワークの加工面を砥粒付きのラッピングフィルムによりラッピング加工するラッピング加工装置に関する。
例えば、カムシャフトのカムロブ部やジャーナル部あるいはクランクシャフトのジャーナル部やピン部等のような断面円弧状加工面を有するワークを仕上げ加工する場合は、最近、非伸縮性でかつ変形可能な薄肉基材の一面に砥粒が設けられた帯状のラッピングフィルムを用いてラッピング加工することがある。
このようなラッピングフィルムを用いた超仕上げ加工は、ワークの加工面をラッピングフィルムで覆い、このラッピングフィルムを背面からシューで加圧し、ワークに押付けた状態でワークに回転を与えると同時に、軸方向にオシレーション(振動)も与えてラッピングフィルムの砥粒面でワークを研削している(下記特許文献1参照)。
特開平7−237116号公報(図1,2及び要約等参照)。
このラッピング加工は、ラッピングフィルムがワークを覆った状態での加工となることから、ラッピングフィルム上の砥粒とワークとの間などで発生する摩擦熱が逃げにくく、ワークに熱的影響が出たり、加工屑や脱落した砥粒の排除が円滑に行なわれず、結果的にワークの加工面が不均一になる虞がある。シューによりラッピングフィルムをワークに押し付けた状態でワークを回転しつつ加工すると、ラッピングフィルムの内面側で生じた摩擦熱がラッピングフィルムに邪魔され外部に放散されにくく、ラッピングフィルムの内側と外側で温度に差が生じ、ワークが熱的影響を受け、所望の面粗度や真直度を有するワークに仕上げることができない虞がある。
したがって、従来から加工部分に液体の潤滑オイルを供給し、加工部分の摩擦熱を極力除去したり、フィルムの目詰まりを防止している。
しかし、ラッピングフィルムがワークを覆った状態であるため、液体の潤滑オイルでは加工面に供給されにくく、しかも、液体の潤滑オイルを使用すると、加工中、潤滑オイルが飛散したり漏れたりして、作業環境が悪化する虞がある。また、潤滑オイルはフィルタにより濾過しつつ使用しているが、劣化すると新たなものと交換しなければならず、この廃液処理によっては環境に悪影響を及ぼし、廃液処理に設備などを要するので、設備コストあるいはラニングコストなど、コスト面でも問題がある。
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたもので、摩擦熱の除去やフィルムの目詰まり防止が確実で、作業環境の悪化や廃液処理時の環境への悪影響を防止でき、ラッピングフィルムの内外での温度差も解消でき、より均一で高精度のワークに仕上げることができるラッピング加工装置を提供することを目的とする。
かかる目的を達成するために、本発明のラッピング加工装置は、薄肉基材の一面に砥粒が設けられた帯状のラッピングフィルムと、このラッピングフィルムの背面側に配置されたシューと、これらシューをワークの加工面に押付けてラッピングフィルムの砥粒面をワークに押付けるシュー押付手段と、前記ワークを回転駆動する回転駆動手段と、を有するラッピング加工装置において、前記ワークの加工面近傍に流体をミスト状にして供給する冷却手段を有することを特徴とする。
本発明のラッピング加工装置では、ワークの加工面近傍に流体をミスト状にして供給し、ワークなどを冷却するようにしたので、ラッピング加工中に供給した流体が蒸散することになり、作業環境の悪化や廃液処理時の環境への悪影響を防止できるのみでなく、蒸散時の気化熱によりラッピングフィルムとワークとの間で生じた摩擦熱の除去が容易にでき、ラッピングフィルムの内外での温度差も解消でき、より均一で高精度なワークに仕上げることができる。また、切屑や脱落砥粒の除去も容易となるので、フィルムの目詰まりも防止でき、精度のよいラッピング加工となる。
以下、図面を参照して、本発明に係る実施形態を説明する。
図1はラッピング加工装置の概略構成図、図2はシュー押付手段の閉状態を示す概略断面図、図3はシュー押付手段の開状態を示す概略断面図である。なお、説明の便宜上、ワークの軸線方向(図1で左右方向)をX方向、X方向に直交する水平方向(図1で紙面直交方向)をY方向、X方向に直交する鉛直方向(図1で上下方向)をZ方向と定義する。
図1,2においてラッピング加工装置1について概説すれば、非伸縮性でかつ変形可能な薄肉基材の一面に砥粒が設けられたラッピングフィルム11と、ラッピングフィルム11の背面側に配置されたシュー21と、シュー21をワークWの加工面に押付けてラッピングフィルム11の砥粒面をワークWに押付けるシュー押付手段20と、ラッピングフィルム11やシュー21を冷却する冷却手段30と、ワークWを回転駆動する回転駆動ユニット40と、ワークWおよびラッピングフィルム11のうちの少なくとも一方にワークWの軸線方向に沿うオシレーションを付与するオシレーションユニット50と、を有しており、前記ラッピングフィルム11、シュー21、シュー押付手段20および冷却手段30は、ワークWであるカムシャフト60の軸線方向に複数設けられた各カムロブ部61を個々にラッピング加工するように設けられている。
さらに詳述する。まず、図1において、前記回転駆動ユニット40は、主軸41を回転自在に支持するヘッドストック42と、主軸41の先端に設けられかつワークWであるカムシャフト60の一端を把持するチャック43と、主軸41にベルト44を介して連結された主軸モータMと、カムシャフト60の他端を支持するセンタ45を備えたテールストック46と、を有している。
カムシャフト60は、主軸モータMの回転動がベルト44および主軸41を介して伝達され、主軸モータMの回転速度を変えることにより、ワーク回転速度が所望の速度に設定され、加工中におけるワークWの回転位置は、主軸41に取り付けられたロータリエンコーダSにより検出される。ヘッドストック42とテールストック46は、それぞれY方向に沿ってスライド移動自在なテーブル47と48上に設けられ、これらテーブル47、48は、X方向に沿ってスライド移動自在なテーブル49上に載置されている。
前記オシレーションユニット50は、テーブル49の端面に当接する偏心回転体51と、偏心回転体51を回転駆動するオシレーション用モータMと、テーブル49の端面を偏心回転体51に常時当接させるバネなどの弾性手段52と、を有している。
オシレーションの速度Voは、モータMの回転速度を変えることにより所望の速度に設定され、振幅は、オシレーション用モータMの軸心に対する偏心回転体51の偏心量に基づいて設定される。本実施形態では、偏心量は約1mm程度であり、オシレーションの振幅は約2mm程度である。なお、偏心回転体51の偏心量の調整は、例えば調整プレート(図示せず)の挿入枚数を変えるなどの公知の手段を併用してもよい。オシレーションに伴うカムシャフト60のX方向位置の変化は、偏心回転体51の回転位置を検出するロータリエンコーダSを偏心回転体51の軸に取付け、検出する。
前記ラッピングフィルム11には、種々のタイプがあるが、本実施形態では、基材が非伸縮性の高い材料、例えば、板厚が25μm〜130μm程度のポリエステルなどから構成され、この基材の一面には、数μm〜200μm程度の粒径を有する多数の砥粒(具体的には、酸化アルミニウム、シリコンカーバイド、ダイアモンドなどからなる)が接着剤により設けられている。基材の他面には、シュー21との滑りを防止するため、ゴムあるいは合成樹脂等の抵抗材料(図示せず)をバックコーティングするか、あるいは滑り止め加工を施す。
このラッピングフィルム11は、図2,3に示すように、供給リール15から引き出され、上アーム22の先端に設けられた一対の第1ガイドローラRと、上アーム22の内方位置に取り付けられている第2ガイドローラRと、下アーム23の内方位置に取り付けられている第3ガイドローラRと、下アーム23の先端に設けられた一対の第4ガイドローラRなどにガイドされ、巻取りリール16に巻き取られる。巻取りリール16にはモータMが連結され、モータMを作動し巻取りリール16を回転すると、供給リール15からフィルム11が順次繰り出される。フィルム11の繰り出し量は、巻取りリール16の軸に取付けられたロータリエンコーダSにより回転量を検出することにより行なう。なお、フィルム11のテンションは供給リール15および巻取りリール16の近傍に設けられたロック装置(図示せず)の作動により付与される。
前記シュー押付手段20は、図2,3に示すように、上下アーム22,23、流体圧シリンダ25、ロッド26およびシューケース28などから構成されている
前記対をなす上アーム22と下アーム23は、シュー21が配置されている先端部が、支持ピン24を中心としてZ方向に相対的に開閉自在とされ、上アーム22の後端部には、油圧あるいは空圧などにより作動する流体圧シリンダ25の一端がピン連結され、下アーム23の後端部にはロッド26の先端がピン連結されている。上下のアーム22、23は、流体圧シリンダ25によりロッド26を伸ばすと、図2に示す閉状態となり、縮めると、図3に示す開状態となる。上下のアーム22、23の支持ピン24を中心とする回動は、ラッピングフィルム11と共に行なわれ、閉じ回動によりシュー21がラッピングフィルム11を介してカムロブ部61に当接され、開き回動によりカムロブ部61とシュー21との当接が解除される。
シュー21は、カムロブ部側先端部の形状により凸シューと凹シューがあるが、図示実施形態のものは、凹状先端部を有する凹シュー21であり、ラッピングフィルム11を介してカムロブ部61の加工面に複数箇所で当接している。この凹シュー21は、先端部がへこ(凹)んでいるものの、ワークWとの当接面自体は断面凸状の円弧面に形成され、フィルム11を介してではあるが、カムロブ部61の加工面とは2点での線接触となる。したがって、上下のシュー21は、カムロブ部61と4点で接することから、カムロブ部61は安定的に回転する。
なお、本明細書では、シュー21がフィルム11を介してワークWの外周面と間接的に当接することを「接触」、シュー21がフィルム11を介してワークWの外周面と間接的に当接する面積のことを「接触面積」と略称する。また、本実施形態の凹シュー21は、後述する冷却手段30にも利用される通孔34などを有しているが、この点については後述する。
図4にも示すように、上下のアーム22、23の先端部には、凹部27が形成され、この凹部27内に、シュー21を首振り自在に保持するシューケース28が収納されている。このシューケース28は、各アーム22、23に対し揺動ピン29aを中心として揺動し、このシューケース28の中空部28a内に収納されたシュー21は、揺動ピン29bを中心として揺動する。この揺動ピン29bは、カムシャフト60の軸心Oを通る軸線上に位置し、シュー押付け力が効率的にフィルム11に作用するようにしてある。
なお、シューケース28は、モータ駆動されるカムによりばね付勢された押圧棒を昇降させる移動手段(不図示)により凹部27内で昇降変位するようにしてもよい。この場合には、前記揺動ピン29aは、各アーム22、23と長孔嵌合となる。
前記ラッピング加工では、シュー21とワークWとの間にラッピングフィルム11が存在しており、ラッピングフィルム11の内面側では、このラッピングフィルム11を外面側からシューで押し付けた状態でワークが回転されるので、ワークの加工部分を直接冷却しにくく、摩擦熱も外部に放散されにくい。
そこで、本実施形態に係る前記冷却手段30は、ワークWの加工面近傍のラッピングフィルム11に供給する冷却流体を、供給し易いのみでなく蒸散もし易いミスト状とし、蒸発するときの気化熱を利用してラッピングフィルム11の背面側と内面側の温度差を解消し、より均一で精度の高いワークWとし、合わせて作業環境の悪化や廃液処理の問題も解消している。さらに詳述する。
図4はラッピング加工装置のシュー部分を拡大して示す断面図、図5は冷却手段の要部を示す概略側面図、図6は図5の6−6線に沿う概略段面図である。
図4,5に示すように、冷却手段30は、カムロブ部61と凹シュー21の接触部分に冷却水を供給する冷却水供給手段31と、カムロブ部61と凹シュー21が非接触となる隙間部分37に潤滑オイルをミスト状にして供給するオイルミスト供給手段32とをそれぞれ独立に設けている。
冷却水供給手段31は、前記アーム22または23を挿通して設けられた2本のパイプ33より、シュー21に設けられた通孔34を通って導かれた冷却水を開口34aからラッピングフィルム11の背面側に供給している。
この冷却水供給手段31では、冷却水がシュー21に設けられた通孔34を通って複数個の開口34aから吐出されるので、より加工面に近い高温となる要冷却部分に冷却水が2箇所から供給されることになり、ラッピングフィルム11を介してではあるが、要冷却部分を確実に冷却することができる。なお、2箇所のみでなく、さらに多数の開口34aから吐出すれば、より好ましいことはいうまでもない。
また、ここで使用される流体は、冷却水であるため、作業場環境を悪化する虞は少なく、ラッピングフィルム11とシュー21との間の摩擦熱などにより蒸発させると、作業場環境を悪化する虞はない。
オイルミスト供給手段32は、図5,6に示すように、前記アーム22または23やシューケース28の側部に設けられたパイプ35を通って導かれた潤滑オイルを、霧化手段36によりミスト状にし、先端から前記シュー21の側部などに向かって噴射して供給する。このようにすれば、オイルミストが加工面まで供給し易く、加工面での潤滑作用が保たれ、良好な加工面の面粗度を得ることができる。
ここにおいて、霧化手段36は、潤滑オイルを速やかにミスト状にするものであれば、どのようなものであってもよいが、本実施形態では、いわゆる霧吹き器の原理で霧化するものが使用されている。
ミスト状にされた潤滑オイルが供給される部分は、基本的にはワークWの加工面近傍であればよいが、本実施形態では、凹シュー21とカムロブ部61との間で生じる隙間部分37である。
凹シュー21は、図5に示すように、カムロブ部61の外周面と非接触状態となる非接触部21aと、当該非接触部21aを中央にその両側に隣接して設けられ、前記カムロブ部61の外周面と接触する接触部21bとを有しているので、非接触部分21aとカムロブ部61の外周面との間の隙間部分37がある。
この隙間部分37は、図6に示すように、カムロブ部61の一側端から他側端まで存在しているので、この隙間部分37に向けて側方よりオイルミストを供給すると、オイルミストは速やかに流れ、この隙間部分37に存在するラッピングフィルム11の背面側および/または内面側にオイルミストを供給することができる。
特に、本実施形態では、凹シュー21を用いているので、回転するワークWは、凹シュー21の接触部21b−非接触部分21a−接触部21bという順で接することになるが、これには2つの利点が生じる。第1点は、オイルミストの供給量が向上することであり、第2点は、冷却効率の向上である。
つまり、ラッピングフィルム11と凹シュー21が接している接触部21bには、オイルミストは浸入しにくいが、この隙間部分37は、ラッピングフィルム11と凹シュー21が接していない部分であるため、オイルミストが浸入し易く、オイルミストの供給量を増大できる。この結果、加工面の潤滑作用が保たれることになるので、良好な加工面の面粗度を得ることができ、しかも、隙間部分37は、いわば貫通孔であるため、オイルミストの供給量が増大すると、加工屑の排出性が向上し、フィルムの目詰りも解消できる。
また、非接触部分21aにオイルミストを供給すると、ワークWの加工部分と加工部分との間にオイルミストが供給されることになり、前記接触部21b、つまり加工部分には前記冷却水供給手段31により冷却水が供給されているので、両加工部分は冷却水により、その間の非接触部分21aはオイルミストによりそれぞれ冷却されることになり、冷却効果が極めて高くなる。
このようにした冷却水供給手段31とオイルミスト供給手段32とは、ラッピングフィルム11の背面側に冷却水、隙間部分37にミスト状流体を供給するので、両者相俟ってラッピングフィルム11の背面側と内面側を極めて効率よく冷却でき、ラッピングフィルム11の背面側と内面側との温度差を解消する。この結果、ワークWの熱変形も防止され、ばらつきのない、均一なラッピング加工が可能となる。
なお、上記モータM、M、M、MおよびロータリエンコーダS、S、Sは、CPUやメモリを主体とするコントローラ100に接続されている。コントローラ100は、ロータリエンコーダS、S、Sの検出結果を監視しつつ、モータM、M、M、Mを制御し、ラッピング加工装置1の加工時および加工停止時の各構成の動作を制御している。
次に、作用を説明する。
まず、各カムロブ部61に対応する両押圧アーム22,23がそれぞれ開の状態で、供給リール15近傍に設けられたロック装置をロックし、モータMを作動し巻取りリール16を回転すると、ラッピングフィルム1は所定量移動し、新規な砥粒面がセットされ、ラッピングフィルム1に所定のテンションが付与される。巻取りリール16近傍のロック装置をロックすると、ぴんと張った状態のラッピングフィルム1となる。
この状態でヘッドストック42とテールストック46との間にワークWであるカムシャフト60をセットし、流体圧シリンダ25を作動すると、両押圧アーム22,23は閉じ、ラッピングフィルム1は、ワークWの各カムロブ部61上にセットされ、両シュー21により所定の押付け力でワークWの加工面である各カムロブ部61に押付けられる。
モータMを作動しワークWを回転すると、各加工面は、ラッピングフィルム1の砥粒面によりラッピング加工される。この場合、ワークWによっては偏心回転するものもあるが、通常の手法により両押圧アーム22,23もこれに追随して揺動し、同様にラッピング加工される。
一方、オシレーション機構50は、モータMの回転により偏心回転体51を弾性手段52の弾発力に抗して回転駆動し、テーブル49をX方向にオシレーションさせ、ワークWをX方向にオシレーションする。オシレーションが行なわれると、ワークWと砥粒との接する距離が長くなり、ワークWに対する単位時間あたりの作用砥粒数は増大し、加工時間が短縮し、ワークの加工効率を高めることができる。
このラッピング加工時に、本実施形態では、冷却手段30が、ワークWの加工面近傍のラッピングフィルム11の背面側に冷却水を、内面側に潤滑オイルをミスト状にして供給するので、この冷却水とオイルミストにより加工面近傍のラッピングフィルム11、シュー21およびワークWが確実に冷却される。
まず、この冷却手段30の冷却水供給手段31では、冷却水が複数個のパイプ33よりシュー21の通孔34を通って導かれるので、シュー21自体も冷却される。
また、ラッピングフィルム11は、ワークWの上下に位置する膜状のものであるために、冷却水は、基本的にはラッピングフィルム11の背面側のみが冷却され、ラッピングフィルム11の内面側に導かれることはないが、シュー21の接触部21bに設けられた複数の開口34aから吐出されるので、加工面若しくはその近傍のラッピングフィルム11が冷却される。この加工面などは、高温部分であるので、冷却水は、高温になり易いラッピングフィルム11を速やかにかつ確実に冷却することになる。
しかも、本実施形態では、冷却水は、シュー21に2箇所設けられた通孔34の各先端開口34aから吐出されるので、高温部分を広範囲にわたって冷却することになり、冷却効果が極めて高いものとなる。
このようにラッピングフィルム11やシュー21を冷却した後の冷却水は、一部が蒸発し、他の部分は排出されるが、いずれにしても水であるため、作業場環境を悪化することはない。なお、シュー21はピン29a,29bを中心に揺動可能であるため、先端開口34aが閉鎖されることはない。
一方、冷却手段30のオイルミスト供給手段32では、パイプ35を通って導かれた潤滑オイルが、霧化手段36によりミスト状にされラッピングフィルム11と凹シュー21の間の隙間部分37に側方から供給される。
このオイルミストは、ラッピングフィルム11と凹シュー21が接していない隙間部分37に供給されるため、オイルミストがラッピングフィルム11の背面側および/または内面側に浸入し易く、オイルミストの供給量が増大する。
ワークWとラッピングフィルム11との加工面に供給されたオイルミストは、この加工面での潤滑作用を良好に保ち、円滑なラッピング加工を可能にし、また、ラッピング加工中に蒸散され、この蒸散時の気化熱によりラッピングフィルム11とワークWとの間で生じた摩擦熱を除去する。さらに、ワークWやラッピングフィルム11か排出された切屑や脱落砥粒を側方から洗い流し外部に排出する。
また、この隙間部分37は、ラッピングフィルム11とワークWとの接触状態を見れば、加工部分と加工部分との間に位置し、接触−非接触−接触の内、中間の非接触となる部分であるので、ここにオイルミストが側方から供給されると、前記冷却水供給手段31が冷却する部分の間のラッピングフィルム11を冷却することになり、加工面およびその近傍でのラッピングフィルム11、シュー21およびワークWの冷却効果が極めて向上することになる。
この結果、オイルミスト供給手段32は、加工面での良好な潤滑作用や摩擦熱を除去により円滑なラッピング加工を可能にするとともに切屑や砥粒の排出性が向上し、フィルムの目詰りも防止することになる。しかも、加工面およびその近傍でのラッピングフィルム11などを冷却した後のオイルミストは、きわめて蒸散し易いので、作業場環境を悪化することはない。
このように冷却水供給手段31とオイルミスト供給手段32とは、両者相俟ってワークWやシュー21およびラッピングフィルム11自体を冷却することになるので、極めて高い冷却効果を発揮し、ラッピングフィルム11の背面側と内面側の温度差を解消することになる。この結果、ワークW自体の熱変形が防止されることになるので、より均一な加工が可能となり、より高い面粗度や真円度が得られることになる。
本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の範囲内で種々改変することができる。例えば、前記実施形態では、冷却水供給手段31は、冷却水が流されているが、この冷却水は、単なる水のみでなく、クーラントのようにオイル含有の水を使用しても良い。また、前記冷却水供給手段31は、2本のパイプを有しているが、これのみでなく、1本であってもよく、さらに多数設けてもよい。さらに、前記実施形態のシューは、凹シューであるが、必ずしも凹シューのみに限定されるものではなく、いわゆる凸シューを使用してもよい。
加えて、前記実施形態では、ワークはカムシャフトであるが、断面円弧状の加工面を有するもの、例えば、クランクシャフトのジャーナル部やピン部等のような断面真円状の加工面を有するものであってもよい。ここに、「断面非真円の円弧状」とは、回転中心から一の部位までの半径を他の部位までの半径と異ならせることを意図した円弧形状をいい、楕円形状や、図示したカムロブ部61のような卵形状が含まれることはもちろんのこと、外形は円形状であるが回転中心が円中心から偏心したものも含まれる。
本発明にかかるラッピング加工装置は、ワークを覆うラッピングフィルムの内外を冷却水あるいはミスト状の流体により冷却するとともに切り屑などを除去し、より均一で高精度のワークに仕上げ、作業環境も向上でき、自動車用エンジンのカムシャフトなどを加工する装置に適したものである。
ラッピング加工装置の概略構成図である。 シュー押付手段の閉状態を示す概略断面図である。 シュー押付手段の開状態を示す概略断面図である。 ラッピング加工装置のシュー部分を拡大して示す断面図である。 冷却手段の要部を示す概略側面図である。 図5の6−6線に沿う概略段面図である。
符号の説明
1…ラッピング加工装置、
11…ラッピングフィルム、
20…シュー押付手段、
21…シュー、
21a…非接触部、
21b…接触部、
30…冷却手段、
34…通孔、
34a…開口、
37…隙間部分、
40…回転駆動手段、
60…カムシャフト、
61…カムロブ部、
W…ワーク。

Claims (9)

  1. 薄肉基材の一面に砥粒が設けられた帯状のラッピングフィルムと、このラッピングフィルムの背面側に配置されたシューと、これらシューをワークの加工面に押付けてラッピングフィルムの砥粒面をワークに押付けるシュー押付手段と、前記ワークを回転駆動する回転駆動手段と、を有するラッピング加工装置において、
    前記ワークの加工面近傍に流体をミスト状にして供給する冷却手段を有することを特徴とするラッピング加工装置。
  2. 前記冷却手段は、少なくとも前記ラッピングフィルムの内面側にミスト状流体を供給することを特徴とする請求項1に記載のラッピング加工装置。
  3. 前記冷却手段は、前記ラッピングフィルムの背面側に供給する流体を、前記シューに設けられた通孔を通って供給する請求項1または2に記載のラッピング加工装置。
  4. 前記シューは、前記ラッピングフィルムの背面側に供給する流体を供給する開口を複数有することを特徴とする請求項1または3に記載のラッピング加工装置。
  5. 前記冷却手段は、前記ラッピングフィルムの内面側に供給する流体を、前記シューとワークが非接触となる隙間部分に側方よりミスト状にして供給することを特徴とする請求項1または2に記載のラッピング加工装置。
  6. 前記シューは、前記ワークの外周面と非接触状態となる非接触部と、当該非接触部を中央にその両側に隣接して設けられた前記ワークの外周面と接触状態となる接触部とを有する凹シューとしたことを特徴とする請求項1または3〜5のいずれかに記載のラッピング加工装置。
  7. 前記冷却手段は、前記流体として潤滑オイルを使用したことを特徴とする請求項1,2,5に記載のラッピング加工装置。
  8. 前記冷却手段は、前記流体として冷却水を使用したことを特徴とする請求項3または4に記載のラッピング加工装置。
  9. 前記ワークは、エンジンのカムシャフトが有するカムロブ部であることを特徴とする請求項1に記載のラッピング加工装置。
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