JP2004276122A - ラッピング加工装置 - Google Patents

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JP2004276122A JP2003066595A JP2003066595A JP2004276122A JP 2004276122 A JP2004276122 A JP 2004276122A JP 2003066595 A JP2003066595 A JP 2003066595A JP 2003066595 A JP2003066595 A JP 2003066595A JP 2004276122 A JP2004276122 A JP 2004276122A
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Masahiro Komata
正博 小又
Masahiko Iiizumi
雅彦 飯泉
Kiyoshi Hasegawa
清 長谷川
Takashi Ogino
崇 荻野
Tomohiro Kondo
智浩 近藤
Kazuo Takeda
和夫 武田
Takafumi Watanabe
孝文 渡辺
Yoshiyuki Senda
義之 千田
Yasushi Matsushita
靖志 松下
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Nissan Motor Co Ltd
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Abstract

【課題】ラッピングフィルムがワークに密着した状態であっても、潤滑液が加工ポイントに確実かつ十分に供給し、切り屑を円滑に排出することにより、所望の精度を得るラッピング加工装置を提供する。
【解決手段】ラッピングフィルム1をワークWの加工面から一旦外方に引出した後再度シュー2とワークWとの間に戻すフィルム迂回機構41を設け、このフィルム迂回機構41により形成されたラッピングフィルム間の空間部42に潤滑液供給手段40により潤滑液を供給する。
【選択図】 図4

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ワークの加工面を砥粒付きのラッピングフィルム(以下単にフィルムと称することもある)によりフィルムラッピング加工(以下単にラッピング加工)するラッピング加工装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、クランクシャフトのジャーナル部やピン部あるいはカムシャフトのカムロブ部やジャーナル部等のような断面円弧状加工面を有するワークを仕上げ加工する場合は、最近、非伸縮性でかつ変形可能な薄肉基材の一面に砥粒が設けられた帯状のラッピングフィルムによりラッピング加工している。
【0003】
このラッピング加工は、ワークの加工面をラッピングフィルムで覆い、このフィルムを背面からシューで加圧し、フィルムをワークに押付けた状態でワークを回転しながらフィルムの砥粒面でワークを加工する(下記特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開平7−237116号公報(図1,2及び要約等参照)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このようなラッピング加工装置は、フィルムをワークに押付けるのみでなく、ワークの加工効率を高めるために、ワークの軸心方向と、この方向に直交する方向にラッピングヘッド装置及びワーク等をオシレーションしている。
【0006】
特に、クランクシャフトのジャーナル部やカムロブ部のようなワークの摺動面は、前記フィルムの砥粒面によって効率よく加工を行ない、面粗度を高く(表面粗さを小さく)加工して、製品となった際の摺動抵抗を小さくし、ひいては燃費の向上を図っている。
【0007】
しかし、前記フィルムがワークに対し広範囲に密着して加工されることから、フィルムとワークの間で加工屑や脱落した砥粒の排除が効率よく行なわれずに残り、フィルムの目詰まりやワークへの微少傷の要因となったり、砥粒の潤滑保護効果が低下する等の理由で、より均一で高い面粗度を得るにも限界があった。
【0008】
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたもので、ラッピングフィルムがワークに密着した状態であっても、潤滑液が加工ポイント等に確実かつ十分に供給され、加工屑や脱落砥粒の排出を効率よく行なうことにより、より均一で高い面粗度のワークに仕上げることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記目的は、下記の手段によって達成される。
【0010】
(1) 薄肉基材の一面に砥粒が設けられた帯状のラッピングフィルムと、このラッピングフィルムの背面側に配置されたシューと、これらシューをワークの加工面に押付けてラッピングフィルムの砥粒面をワークに押付けるシュー押付手段と、前記ワークを回転駆動する回転駆動手段と、前記ワーク及びラッピングフィルム周辺に潤滑液を供給する潤滑液供給手段と、を有するラッピング加工装置において、前記ラッピングフィルムを前記ワークの加工面から一旦外方に迂回した後再度シューとワークとの間に戻すフィルム迂回機構を設け、この迂回した部分のラッピングフィルム間に空間部を形成し、この空間部に前記潤滑液供給手段により潤滑液を供給することを特徴とするラッピング加工装置。
【0011】
(2) 前記ラッピングフィルムは、非伸縮性でかつ変形可能な薄肉基材からなる前記(1)のラッピング加工装置。
【0012】
(3) 前記フィルム迂回機構は、複数個配置したことを特徴とする前記(1)のラッピング加工装置。
【0013】
(4) 前記フィルム迂回機構は、前記迂回した部分のラッピングフィルムを、弾発手段で弾発されたテンションローラにより外方に付勢したことを特徴とする前記(1)又は(3)のラッピング加工装置。
【0014】
(5) 前記テンションローラは、回転可能に設けたことを特徴とする前記(4)のラッピング加工装置。
【0015】
(6) 前記フィルム迂回機構は、前記シュー押付手段に設けられたシューケースに、円弧状加工面を有する前記ワークの周方向に相互に所定長離間され配置されたシューを個々に支持するシュー支持部材を設け、当該シュー支持部材相互間に形成されたスロット部に前記ラッピングフィルムの迂回した部分を設け、前記テンションローラを前記シューケースに弾発手段によりワークの放射方向外方に弾発して取付けたことを特徴とする前記(1)〜(5)のラッピング加工装置。
【0016】
(7) 前記潤滑液供給手段は、前記シューケース内に前記潤滑液が流通する潤滑通路を形成し、当該潤滑通路の開放端から潤滑液を前記空間部に向けて吐出する前記(1)又は(6)のラッピング加工装置。
【0017】
(8) 前記潤滑液供給手段は、前記フィルム迂回機構の外周から潤滑液を吐出することを特徴とする前記(1)又は(6)のラッピング加工装置。
【0018】
【発明の効果】
請求項1の発明は、ラッピングフィルムをワークの円弧状加工面から一旦外方に迂回した後再度シューとワークとの間に戻すフィルム迂回機構を設け、この迂回した部分のラッピングフィルム間に空間部を形成し、この空間部に潤滑液を供給するので、ラッピングフィルムがワークに密着した状態であっても、潤滑液がラッピングフィルムの砥粒面側にガイドされて加工ポイントに確実かつ十分に供給され、これによりワーク及びラッピングフィルムの間の加工屑や脱落砥粒の円滑な排出が可能となり、ラッピングフィルムの目詰まり防止の両面からワークの真直度あるいは面粗度等を向上させることができ、ワーク加工品質の向上及び均質化を図ることができ、また、安定的に仕上げることができる。
【0019】
請求項2の発明は、ラッピングフィルムを非伸縮性でかつ変形可能な薄肉基材から構成したので、ラッピングフィルムを押圧する押付け力が均一になり、加工品質が向上する。
【0020】
請求項3の発明は、フィルム迂回機構を複数個配置したので、潤滑液が一層確実かつ十分に加工ポイントに供給され易くなり、前項の効果をさらに助長する。
【0021】
請求項4の発明は、フィルム迂回機構において、迂回した部分のラッピングフィルムを、弾発手段で弾発されたテンションローラにより外方に付勢したので、フィルムの弛みや加工に伴うズレを防止でき、前述の効果をさらに助長する。
【0022】
請求項5の発明は、テンションローラを回転可能に設けたので、ラッピングフィルムの砥粒面でローラが削られにくく、フィルム迂回機構の寿命が延び、ラッピングフィルム自体の送りも円滑になり、フィルムの巻取り機構を簡素化することができる。
【0023】
請求項6の発明は、円弧状加工面を有するワークの周方向にシューを所定長離間して配置し、シューケースにシュー支持部材とスロット部を形成し、このスロット部にラッピングフィルムの迂回した部分を設けると共にテンションローラを弾発手段によりワークの放射方向外方に弾発して取付けたので、所定の大きさの空間部が確実に形成でき、潤滑液が加工ポイントに流入し易く、前述の効果を一層確実に発揮できる。
【0024】
請求項7の発明は、潤滑液供給手段に関し、シューケース内に潤滑液が流通する潤滑通路を形成し、その開放端から空間部に向けて潤滑液を吐出するので、複雑に入り組んだ構成であっても、簡単に潤滑液を加工ポイントに導くことができる。
【0025】
請求項8の発明は、フィルム迂回機構の外周から潤滑液を吐出するので、いわばシャワー状に潤滑液を散布でき、加工ポイントのみでなく、その周辺まで冷却できる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。
【0027】
<第1の実施の形態>
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
【0028】
<第1の実施形態>
図1は本発明の第1の実施形態に係るラッピング加工装置を示す概略構成図、図2はシュー押付手段の閉状態を示す概略断面図、図3はシュー押付手段の開状態を示す概略断面図である。なお、説明の便宜上、ワークの軸線方向(図1で左右方向)をX方向、X方向に直交する水平方向(図1で紙面直交方向)をY方向、X方向に直交する鉛直方向(図1で上下方向)をZ方向と定義する。
【0029】
図1,2において、本実施形態のラッピング加工装置について概説すれば、非伸縮性でかつ変形可能な薄肉基材の一面に砥粒が設けられ、ワークWの加工面に対応する幅を有する帯状のラッピングフィルム1(図2参照)と、ワークWを加工する位置のラッピングフィルム1の背面側に配置され、ラッピングフィルム1の幅に対応する長さを有するシュー2(図2参照)と、シュー2をワークWの加工面に押付け、ラッピングフィルム1の砥粒面をワークWに押付けるシュー押付手段10(図2参照)と、ワークWを回転駆動する回転駆動手段20(図1参照)と、ワークWとラッピングフィルム1相互間でオシレーションを生じさせるオシレーション手段30(図1参照)と、ワークW及びラッピングフィルム1周辺に潤滑液を供給する潤滑液供給手段40(図2参照)とを有し、ワークWを回転しつつこれにラッピングフィルム1を押圧しラッピング加工を施している。
【0030】
ラッピング加工に当り、前記シュー押付手段10、回転駆動手段20及びオシレーション手段30等の作動状態が適宜検知手段(図示せず)により検知され、この検知信号に基づき、制御部Cが各手段を制御している。
【0031】
なお、本実施形態のワークWは、断面円弧状の加工面を有するもの、例えば、クランクシャフトのジャーナル部やピン部等のような断面真円状の加工面を有するものである。
【0032】
以下、詳述する。
【0033】
まず、ラッピングフィルム1は、種々のタイプがある。本実施形態では、基材が所定幅の帯状をした非伸縮性の高い材料、例えば、板厚tが25〜130μ程度のポリエステルなどから構成され、この基材の一面には、数μ〜200μ程度の粒径を有する多数の砥粒(具体的には、酸化アルミニウム、シリコンカーバイド、ダイアモンド等からなる)が接着剤により取り付けられている。砥粒は、基材の一面に全面にわたって接着してもよく、また、所定幅の無砥粒領域を間欠的に形成したものであっても良い。基材の他面には、ゴムあるいは合成樹脂等からなる抵抗材料(図示せず)が取り付けられているが、場合によっては滑り止め加工を施しても良い。
【0034】
このラッピングフィルム1は、図2に示すように、巻取りリール6をモータMにより回転し牽引することにより、ラッピング加工装置の枠体等に支持された供給リール5から引き出され、後述の押圧アーム11,12の先端に設けられたフィルムローラR,R等にガイドされ、巻取りリール6に巻き取られる。
【0035】
供給リール5と巻取りリール6の近傍にはロック装置(図示せず)が設けられ、このロック装置の作動によりラッピングフィルム1全体に所定のテンションが付与された状態で保持され、ラッピング加工が行なわれる。
【0036】
前記シュー2は、ゴムあるいは合成樹脂等により構成された比較的剛性を有するものであり、図2,4に示すように、内面側はワークWの加工面に沿うように円弧面とされているが、外周側はシューケース3に保持されている。
【0037】
シュー押付手段10は、シュー2を支持するシューケース3が先端部に取付けられた押圧アーム11,12と、これら押圧アーム11,12の後端に設けられ、所定の加圧力でシュー2をワークWの加工面に向かって押付ける流体圧シリンダ13と、シュー2の押圧力を調節する押圧力調節手段15とを有している。
【0038】
前記シュー押付手段10は、流体圧シリンダ13が作動すると、支持ピン14を中心として両押圧アーム11,12が、図2に示す閉状態と、図3に示す開状態になる。両押圧アーム11,12の回動は、ラッピングフィルム1と共に行なわれ、閉じ回動によりシュー2がラッピングフィルム1を介してワークWを加圧し、開き回動によりワークWとシュー2の当接を解除する。
【0039】
押圧力調節手段15は、シューケース3を押圧するばね16の押圧力をネジ17により調節し、シュー2のワークWの加工面に対する押圧力を調節するが、これのみでなく、ネジの代わりにカム等を使用しても良く、また、ばね16の代わりにエアシリンダや油圧シリンダ等を用いても良い。
【0040】
回転駆動手段20は、図1において、主軸21を回転自在に支持するヘッドストック22と、主軸21の先端に連結されワークWの一端を把持するチャック23と、主軸21にベルト24を介して連結された主軸モータMと、ワークWの他端を支持するセンタを備えるテールストック25とを有している。
【0041】
ワークWは、ヘッドストック22とテールストック25との間にセットされ、主軸モータMの回転がベルト24、主軸21及びチャック23を介して伝達され、回転することになるが、これらヘッドストック22とテールストック25は、Y方向に沿ってスライド移動自在なテーブル26上に設けられ、このテーブル26は、X方向に沿ってスライド移動自在なテーブル27上に配置されている。
【0042】
オシレーション手段30は、図1に示すように、ワークWをX方向にオシレーションしている。このオシレーション手段30は、テーブル27の端部に当接する偏心回転体33と、偏心回転体33を回転駆動するオシレーション用のモータMと、テーブル27の端部に偏心回転体33を常時当接させるためのばね等の弾発手段34と、を有し、モータMによる偏心回転体33の回転と弾発手段34との共働によりテーブル27をX方向に往復移動し、ワークW全体をX方向にオシレーションする。
【0043】
このオシレーションの振幅は、モータMの軸心に対する偏心回転体33の偏心量により定められ、オシレーションの速度は、モータMの回転速度により制御される。偏心回転体33の回転位置は、ロータリエンコーダ35により検出されるが、偏心量の調節は、モータMに軸と偏心回転体33との嵌合部分に調節板を挿入するなどの手段が使用される。なお、偏心量の調節は、種々の手段を使用できるが、例えば、流体圧手段などを利用しても良い。
【0044】
図4は図2の要部拡大断面図であり、潤滑液供給手段を示す概略断面図、図5は図4の5−5線に沿う断面図である。
【0045】
前記潤滑液供給手段40は、本実施形態は、図4,5に示すように、シュー2とシューケース3を改良し、ここに、ラッピングフィルム1をワークWの加工面から一旦外方に迂回するフィルム迂回機構41を設け、ラッピングフィルム1がシューケース3内で蛇行的に配置されるようにしている。
【0046】
この蛇行的配置によりラッピングフィルム1には、ワークWを覆わない領域やラッピングフィルム1間に空間部42が作られる。このため、空間部42に向かって潤滑液を吐出すると、ラッピングフィルム1自体を一種の潤滑液ガイドとして利用し、潤滑液を極力ワークWの加工面や、ワークWの加工面とラッピングフィルム1との間に供給できることになる。
【0047】
さらに、詳述する。本実施形態では、両押圧アーム11,12の先端凹部11a,12a内にそれぞれシューケース3が、押圧力調節手段15に弾発されて摺動可能に設けられているが、このシューケース3は、ワークWの外形に対応する半円状の内面43と、この内面43から放射方向に切り込まれたスロット部45と、このスロット部45間に位置するシュー支持部材44とを有し、このシュー支持部材44の内面43にシュー2が設けられている。したがって、シュー2はシューケース3の頂部から突出されたシュー支持部材44に個々に支持され、円弧状加工面を有するワークWの周方向に相互に所定長離間され、かつワークWの外形に沿うように複数個配置されることになる。
【0048】
また、シューケース3には、潤滑液が流通する潤滑通路46が形成されている。この潤滑通路46には、外部のポンプPから弾性を有する伸縮可能な連通管47を介して潤滑液が供給され、その開放端から吐出される。
【0049】
なお、連通管47は、シューケース3及び押圧アーム11,12を挿通して伸延されているが、弾性を有し、伸縮可能であるため、シューケース3の動作あるいはシュー2の押付け力などに影響を及ぼすことはない、また、図中、符号「48」はカップリングである。
【0050】
フィルム迂回機構41は、ラッピングフィルム1を、円弧状加工面を有するワークWとシュー2との間から、前記スロット部45を利用して一旦放射方向外方に迂回させ、シュー支持部材44の基部に設けられたテンションローラ50を巻回した後に、ワークWとシュー2との間に戻すようにしたものである。
【0051】
このようにスロット部45を利用して、これに沿ってラッピングフィルム1を蛇行的に配置すると、各スロット部45内では、ワークWの加工面が露呈された部分と、一対の対向するラッピングフィルム1と、テンションローラ50とにより区画形成された両側開放の空間部42が確実に形成されることになる。また、ワークWの外周においては、ラッピングフィルム1により覆われていないワークWの加工面が露呈された部分と、ラッピングフィルム1により覆われた部分が交互に生じることになる。
【0052】
したがって、この空間部42に向かって潤滑通路46の開放端から潤滑液を吐出すれば、潤滑液は、ラッピングフィルム1の砥粒面側にガイドされつつ、ワークWの加工面や、ワークWの加工面とラッピングフィルム1との間に確実に導かれ、ワークWに対し直接接触して流出したり、加工ポイントに流入したりすることになり、ワークWと潤滑液の接触状態が広範囲となる。
【0053】
また、このフィルム迂回機構41は、図示のように複数個配置することが好ましい。複数個配置すれば、潤滑液の供給が複数箇所で行なわれ、ワークWの複数の加工ポイントそれぞれに潤滑液が供給され易くなり、しかもワークWと潤滑液の接触状態が一層広範囲となるので、研削で生じた切り屑も円滑に排出されることになる。また、ワークやラッピングフィルムを速やかに冷却することもできる。
【0054】
次に、作用を説明する。
【0055】
まず、両押圧アーム11,12が開の状態で、供給リール5近傍に設けられたロック装置をロックし、モータMを作動し巻取りリール6を回転する。これによりラッピングフィルム1は所定量移動し、新規な砥粒面がワークWの加工面上にセットされると共にラッピングフィルム1に所定のテンションが付与される。
【0056】
そして、巻取りリール6近傍のロック装置をロックすると、テンションが付与され弛みのないぴんと張った状態のラッピングフィルム1となる。
【0057】
この状態でヘッドストック22とテールストック25との間にワークWをセットする。このセット後、流体圧シリンダ13を作動すると、両押圧アーム11,12は閉じ回動し、ラッピングフィルム1は、ワークWの加工面上にセットされる。また、この時点で押圧力調節手段15が作用し、両シュー2を所定の押付け力でワークWの加工面に押付ける。ワークWが、例えばクランクシャフトであり、加工面がジャーナル部のように複数箇所あれば、ラッピングフィルム1は、個々のジャーナル部にそれぞれセットされ、押付けられる。
【0058】
主軸モータMを回転し、ワークWを軸中心に回転すると共にオシレーション手段30を動作する。ワークWは、回転によりその加工面がラッピングフィルム1の砥粒面によりラッピング加工される。ジャーナル部によっては偏心回転するものもあるが、通常の手法により両押圧アーム11,12もこれに追随して揺動し、同様にラッピング加工される。
【0059】
一方、オシレーション手段30は、モータMの回転により偏心回転体33を弾発手段34の弾発力に抗して回転駆動し、テーブル27をX方向にオシレーションさせ、ワークWをX方向にオシレーションする。
【0060】
このオシレーションによりワークWは、砥粒と接する距離が長くなり、ワークWに対する単位時間あたりの作用砥粒数は増大し、加工時間が短縮し、ワークの加工効率を高めることができる。
【0061】
このようにしてラッピング加工が行なわれると、ワークWの加工面やラッピングフィルム1には、摩擦熱が生じるが、潤滑液供給手段40の潤滑液により速やかに除去される。
【0062】
ここに、ラッピングフィルム1は、フィルム迂回機構41により、ワークWの周方向に相互に所定長離間されたシュー2の間からテンションローラ50に巻回されているが、テンションローラ50は放射方向外方にばね等の弾発手段49により弾発されているので、スロット部45内でぴんと張った状態で対向配置された状態で空間部42を形成し、しかも、その砥粒面が空間部42内に露呈した状態となっている。
【0063】
この状態の空間部42内に向かって、ポンプPの作動により潤滑液が連通管47を介して潤滑通路46に供給され、開放端から吐出されると、まず、ラッピングフィルム1の砥粒面に付着している切り屑が洗われ、除去される。潤滑液は、空間部42の両側から内方に向けて吐出されるので、ラッピングフィルム1の砥粒面が確実に洗われる。
【0064】
また、ラッピングフィルム1は、蛇行的に配置されているので、ワークWにはラッピングフィルム1がワークWを覆わない領域と覆う領域が形成されている。したがって、潤滑液は、一対のラッピングフィルム1にガイドされ、ラッピングフィルム1が覆われていないワークWの加工面に向かい、その一部は、ワークWの熱を奪って空間部42から切り屑と共に流出する。他の潤滑液は、空間部42から、ワークWの加工面とラッピングフィルム1との間に供給され、ラッピング加工により発生する熱を除去し、隣位の空間部42から流出する。
【0065】
この結果、本実施形態では、極めて潤滑液が入りにくい、ワークWの加工面や、ワークWの加工面とラッピングフィルム1あるいはシュー2とラッピングフィルム1との間に潤滑液を確実に導くことができ、これら各部位を冷却すると共に切り屑を除去することになる。
【0066】
特に、複数個のフィルム迂回機構41が設けられていると、潤滑液の供給が複数箇所で行なわれることになり、加工ポイントそれぞれに潤滑液が供給されることになり、ワークWが所定範囲加工されると直ちに冷却と切り屑の除去が行なわれるので、極めて加工品質の良いものに仕上げることができる。
【0067】
また、フィルム迂回機構41は、テンションローラ50を回転可能に設けたので、加工後、ラッピングフィルム1に送りを掛けるとき、ラッピングフィルム1の砥粒面でローラ50が削られることが少なく、フィルム1自体あるいはフィルム迂回機構41の寿命が延び、フィルム1の送りも円滑に行なわれ、フィルム巻取り機構も簡素化できる。
【0068】
<第2の実施形態>
図6は本発明の第2の実施形態に係るラッピング加工装置の要部を示す概略構成図、図7は図6の7−7線に沿う断面図である。なお、前記第1実施形態において使用されている部材と共通する部材には同一符号を付して説明は省略する。
【0069】
図6,7において、第2実施形態のラッピング加工装置では、潤滑液供給手段60は、潤滑液をシャワー状にラッピングフィルム1の外部から噴霧する構成である。
【0070】
本実施形態では、前記シューケース3とは異なり、ドーム状をした頂部61aと垂直の側部61b(図7参照)とを有する中空のシューケース61が使用されている。潤滑液は、シューケース61の中空部62内に供給され、内壁63に開設された多数の小孔64から吐出される。
【0071】
頂部61aの内壁63には、シュー支持部材44が放射方向内方に向かって突出され、その先端がシュー2を、ラッピングフィルム1を介してワークWの加工面に押付けている。
【0072】
シュー支持部材44相互間のスロット部45には、前記第1実施形態のものと同様に、ばね等の弾発手段49、テンションローラ50を有するフィルム迂回機構41が設けられ、ラッピングフィルム1をシュー支持部材44の先端とテンションローラ50の間を蛇行状に伸延し、ぴんと張った状態とし、前述の空間部42を形成している。
【0073】
このように構成された潤滑液供給手段60においては、ポンプPの作動により潤滑液が連通管47を介して中空部62内に供給され、小孔64から吐出される。
【0074】
この潤滑液の内、頂部61aから吐出されるものは、ラッピングフィルム1の外方から振り掛けられるので、ラッピングフィルム1に邪魔され、確実に空間部42内には吐出されないが、主としてシュー2とラッピングフィルム1との間で生じる摩擦熱を除去し、これらを冷却する。
【0075】
一方、側部61bから吐出されるものは、ラッピングフィルム1の両側開放端から空間部42内に噴霧されるので、一対のラッピングフィルム1にガイドされ、ラッピングフィルム1の砥粒面や、ラッピングフィルム1が覆われていないワークWの加工面に向かい、砥粒面に付着している切り屑を洗浄除去したり、ワークWの熱を奪って空間部42から切り屑と共に流出する。また、一部の潤滑液は、空間部42から、ワークWの加工面とラッピングフィルム1との間に供給され、加工ポイントで発生する熱を奪い、隣位の空間部42等から流出する。
【0076】
したがって、本実施形態では、潤滑液が入りにくいワークWの加工面や、ワークWの加工ポイントに潤滑液を確実に導くことができ、また、潤滑液がラッピングフィルム1を全体的に冷却することになる。
【0077】
特に、複数個のフィルム迂回機構41が設けられているものに関しても、個々の空間部42に向かうことなく、全体的に散布されるので、潤滑液が加工ポイント等に確実かつ十分に供給され、加工屑や脱落砥粒の排出を効率よく行なうことにより、より均一で高い面粗度のワークに仕上げることが可能となり、加工品質の向上に寄与する。
【0078】
前述した第1実施形態は、空間部42に対応して潤滑液を吐出するものであるが、第2実施形態は、このような対応関係はないことから、冷却あるいは洗浄などのに関しては、実質的な機能性を発揮することになる。
【0079】
本発明は、上述した実施形態のみに限定されるものではなく、種々変更できる。例えば、前述した実施形態では、主としてクランクシャフトのジャーナル部を加工する場合について述べたが、これのみでなく、カムシャフトのカムロブ部やジャーナル部等のような断面非真円状の円弧状加工面を有するものあるいは円弧状加工面でないワークに対しても適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を示す概略構成図である。
【図2】同実施形態のシュー押付手段の閉状態を示す概略断面図である。
【図3】同実施形態のシュー押付手段の開状態を示す概略断面図である。
【図4】同実施形態の潤滑液供給手段を示す要部拡大断面図である。
【図5】図4の5−5線に沿う断面図である。
【図6】本発明の第2の実施形態に係る潤滑液供給手段を示す概略構成図である。
【図7】図6の7−7線に沿う断面図である。
【符号の説明】
1…ラッピングフィルム、
2…シュー、
3…シューケース、
5…供給リール、
6…巻取りリール、
7…ロック装置、
10…シュー押付手段、
20…回転駆動手段、
40,60…潤滑液供給手段、
41…フィルム迂回機構、
42…空間部、
44…シュー支持部材、
45…スロット部、
46…潤滑通路、
49…弾発手段、
50…テンションローラ、
W…ワーク。

Claims (8)

  1. 薄肉基材の一面に砥粒が設けられた帯状のラッピングフィルムと、このラッピングフィルムの背面側に配置されたシューと、これらシューをワークの加工面に押付けてラッピングフィルムの砥粒面をワークに押付けるシュー押付手段と、前記ワークを回転駆動する回転駆動手段と、前記ワーク及びラッピングフィルム周辺に潤滑液を供給する潤滑液供給手段と、を有するラッピング加工装置において、
    前記ラッピングフィルムを前記ワークの加工面から一旦外方に迂回した後再度シューとワークとの間に戻すフィルム迂回機構を設け、この迂回した部分のラッピングフィルム間に空間部を形成し、この空間部に前記潤滑液供給手段により潤滑液を供給することを特徴とするラッピング加工装置。
  2. 前記ラッピングフィルムは、非伸縮性でかつ変形可能な薄肉基材からなる請求項1に記載のラッピング加工装置。
  3. 前記フィルム迂回機構は、複数個配置したことを特徴とする請求項1に記載のラッピング加工装置。
  4. 前記フィルム迂回機構は、前記迂回した部分のラッピングフィルムを、弾発手段で弾発されたテンションローラにより外方に付勢したことを特徴とする請求項1又は3に記載のラッピング加工装置。
  5. 前記テンションローラは、回転可能に設けたことを特徴とする請求項4に記載のラッピング加工装置。
  6. 前記フィルム迂回機構は、前記シュー押付手段に設けられたシューケースに、円弧状加工面を有する前記ワークの周方向に相互に所定長離間され配置されたシューを個々に支持するシュー支持部材を設け、当該シュー支持部材相互間に形成されたスロット部に前記ラッピングフィルムの迂回した部分を設け、前記テンションローラを前記シューケースに弾発手段によりワークの放射方向外方に弾発して取付けたことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のラッピング加工装置。
  7. 前記潤滑液供給手段は、前記シューケース内に前記潤滑液が流通する潤滑通路を形成し、当該潤滑通路の開放端から潤滑液を前記空間部に向けて吐出する請求項1又は6に記載のラッピング加工装置。
  8. 前記潤滑液供給手段は、前記フィルム迂回機構の外周から潤滑液を吐出することを特徴とする請求項1又は6に記載のラッピング加工装置。
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