JP4193508B2 - ラッピング加工装置およびその制御方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ワークの加工面を砥粒付きのラッピングフィルムによりフィルムラッピング加工(以下、単にラッピング加工という)するラッピング加工装置およびその制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、クランクシャフトのジャーナル部やピン部あるいはカムシャフトのカムロブ部やジャーナル部等のような断面円弧状加工面を有するワークを仕上げ加工する場合は、最近、非伸縮性でかつ変形可能な薄肉基材の一面に砥粒が設けられた帯状のラッピングフィルムによりラッピング加工し、超仕上げしている。
【0003】
このような超仕上げ加工では、ワークの加工面をラッピングフィルムで覆い、このフィルムを背面からシューで加圧し、フィルムをワークに押付けた状態でワークに回転を与えると同時にオシレーションしつつフィルムの砥粒面でワークを加工している(下記特許文献1参照)。
【0004】
このフィルムには、いわゆるオープンリール式とカセット式があるが、いずれの方式のフィルムも、ワークの加工中は所定のテンションが付加されピンと張った状態でロックされ、1回の加工が終了する度に供給リールから巻取りリールに所定量送り出され、次の加工に備えるという使い方である(下記特許文献2参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開平7−237116号公報(図1、2及び要約等参照)
【特許文献2】
特開平9−136257号公報(図4及び及び段落番号[0021][0022]、図10、11及び及び段落番号[0006][0007]等参照)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
このような従来のラッピング加工では、一度供給リールから巻取りリールにラッピングフィルムを巻き取った後には、ラッピングフィルムをそのまま廃棄していた。これは、一度使用されたラッピングフィルムは、一部が重複使用されていたり、または、一部が未使用であったりと、表面の砥粒の状態にばらつきが生じているため、そのまま再利用したのでは同様の加工を達成できないからである。
【0007】
しかし、このように一度使用したラッピングフィルムを一様に廃棄するのでは、異なる精度の粗さ加工に使用できるものや、または、未使用の砥粒面が存在するものまで廃棄するという事態が生じ、高価なラッピングフィルムを無駄使いし、製品のコスト高を招来する結果となる。
【0008】
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、一度使用したラッピングフィルムを廃棄せずに再利用することができるラッピング加工装置を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記目的は、下記の手段によって達成される。
【0010】
本発明のラッピング加工装置は、肉基材の一面に砥粒が設けられ、砥粒面がシューによりワークに押付けられてワーク表面を加工するラッピングフィルムと、前記ラッピングフィルムが送り出し自在に巻き回された第1リールと、送り出された前記ラッピングフィルムを巻き取る第2リールと、前記第1リールおよび前記第2リールの駆動を制御する制御手段と、を有し、前記制御手段は、加工に使用され前記第2リールに巻き取られた前記ラッピングフィルムを、前記第2リールから送り出して前記第1リールに巻き戻すことにより再利用し、前記ラッピングフィルムは、最初に前記第1リールから前記第2リールに送り出される際に粗加工に使用され、再利用の際には仕上げ加工に使用される
【0011】
【発明の効果】
本発明のラッピング加工装置では、ラッピングフィルムを第2リールから第1リールに巻き戻すことによってラッピングフィルムを再利用するので、ラッピングフィルムの無駄を防止し、加工コストを低減することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。
【0013】
<第1の実施の形態>
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
【0014】
<第1の実施形態>
最初に本発明のラッピング加工装置全体の概略構成について説明し、その後に本発明の特徴となる部分について説明する。
【0015】
図1は本実施形態に係るラッピング加工装置を示す概略構成図、図2はシュー押付手段の閉状態を示す概略断面図、図3はシュー押付手段の開状態を示す概略断面図である。なお、説明の便宜上、ワークの軸線方向(図1において左右方向)をX方向と定義し、X方向に対して直交する水平方向(図1において紙面に直交する方向)をY方向と定義し、X方向に対して直交する鉛直方向(図1において上下方向)をZ方向と定義する。
【0016】
図1、2において、本実施形態のラッピング加工装置について概説すれば、非伸縮性でかつ変形可能な薄肉基材の一面に砥粒が設けられたラッピングフィルム1(図2参照)と、ラッピングフィルム1の背面側に配置されたシュー2(図2参照)と、シュー2(押付け部材)をワークWの加工面に向けて押付けてラッピングフィルム1の砥粒面をワークWに押付けるシュー押付手段10と、ワークWを保持し回転駆動する回転駆動手段20(保持手段)と、ワークWとラッピングフィルム1相互間でオシレーションを生じさせるオシレーション手段30とを有し、ワークWを回転しつつこれにラッピングフィルム1を押圧しラッピング加工を施すに当り、前記シュー押付手段10、回転駆動手段20あるいはオシレーション手段30等の作動状態を適宜検知し、制御部Cで制御している。なお、本実施形態のワークWは、断面円弧状の加工面を有するもの、例えば、クランクシャフトのジャーナル部やピン部等のような断面真円状の加工面を有するものである。
【0017】
以下、詳述する。
【0018】
まず、ラッピングフィルム1は、種々のタイプがあるが、本実施形態では、基材が非伸縮性の高い材料、例えば、板厚が25μm〜130μm程度のポリエステルなどから構成され、この基材の一面には、数μm〜200μm程度の粒径を有する多数の砥粒(具体的には、酸化アルミニウム、シリコンカーバイド、ダイアモンド等からなる)が接着剤により取り付けられている。砥粒は、基材の一面に全面にわたって接着してもよく、また、所定幅の無砥粒領域を間欠的に形成したものであっても良い。基材の他面には、ゴムあるいは合成樹脂等からなる抵抗材料(図示せず)が取り付けられているが、場合によっては滑り止め加工を施しても良い。
【0019】
このラッピングフィルム1は、図2、図3に示すように、モータM3により駆動される巻取りリール6(第2リール)の回転により、ラッピング加工装置の枠体等に支持された供給リール5から引き出され、後述の押圧アーム11、12の先端に設けられたフィルムローラR1、R5、R2等にガイドされ、巻取りリール6に巻取られる。供給リール5と巻取りリール6の近傍にはロック装置7(図4参照)が設けられ、このロック装置7の作動によりラッピングフィルム1全体に所定のテンションが付与された状態で保持される。また、モータM4で供給リール5(第1リール)を駆動することにより、巻取りリール6に巻き取られたラッピングフィルム1を、供給リール5に巻き戻すことができる。
【0020】
前記シュー2は、ゴムあるいは合成樹脂等により構成された比較的剛性を有するものであり、図2、4に示すように、内面側はワークWの加工面に沿うように円弧面とされているが、外周側はシューケース3a、3b(押付け部材保持手段)に保持され、押圧アーム11、12に保持されている。
【0021】
シュー押付手段10は、各シュー2が先端部に設けられた押圧アーム11、12と、これら押圧アーム11、12の後端に設けられ、所定の加圧力で両シュー2をワークWの加工面に向かって押付ける流体圧シリンダ13と、シューの押圧力を調節する押圧力調節手段15とを有している。
【0022】
前記シュー押付手段10は、流体圧シリンダ13が作動すると、支持ピン14を中心として両押圧アーム11、12が、図2に示す閉状態と、図3に示す開状態になる。両押圧アーム11、12の回動は、ラッピングフィルム1と共に行なわれ、閉じ回動によりシュー2がラッピングフィルム1を介してワークWを加圧し、開き回動によりワークWとシュー2の当接を解除する。
【0023】
なお、押圧力調節手段15は、シューケース3a、3bを押圧するばね力をカム16により調節し、シュー2のワークWの加工面に対する押圧力を調節する。
【0024】
回転駆動手段20は、図1において、主軸21を回転自在に支持するヘッドストック22と、主軸21の先端に連結されワークWの一端を把持するチャック23と、主軸21にベルト24を介して連結された主軸モータM1と、ワークWの他端を支持するセンタを備えるテールストック25とを有している。
【0025】
ワークWは、ヘッドストック22とテールストック25との間にセットされ、主軸モータM1の回転がベルト24、主軸21及びチャック23を介して伝達され、回転することになるが、これらヘッドストック22とテールストック25は、Y方向に沿ってスライド移動自在なテーブル26上に設けられ、このテーブル26は、X方向に沿ってスライド移動自在なテーブル27上に配置されている。
【0026】
オシレーション手段30は、テーブル27の端部に当接する偏心回転体33と、偏心回転体33を回転駆動するオシレーション用のモータM2と、テーブル27の端部に偏心回転体33を常時当接させるためのばね等の弾性手段34と、を有し、偏心回転体33をモータM2により回転してテーブル27をX方向に往復移動し、ワークW全体をX方向にオシレーションするものである。
【0027】
オシレーション手段30によるオシレーションの振幅は、モータM2の軸心に対する偏心回転体33の偏心量により定められ、オシレーションの速度は、モータM2の回転速度により制御される。なお、偏心量の調節は、モータM2に軸と偏心回転体33との嵌合部分に調節板を挿入するなどの手段が使用されるが、流体圧手段などを利用しても良く、種々の手段がある。
【0028】
なお、上記モータM1〜M4は、それぞれ制御部Cに接続されており、制御されている。
【0029】
本実施形態では、特に、一度加工に使用されて巻取りリール6に巻き取られたラッピングフィルム1を再利用することを特徴としている。該再利用のための構成について説明し、再利用する際の各構成の作用について以下に説明する。
【0030】
図4は、第1実施形態の要部を示す概略図である。
【0031】
図4に示すように、ラッピング加工装置は、上記構成の他に、ラッピングフィルム1の再利用を実現するために、砥粒面撮影用カメラ8a(表面状態検出手段)および背面撮影用カメラ8b(送り出し量検出手段)を有している。砥粒面撮影用カメラ8aおよび背面撮影用カメラ8bは、加工に使用した後のラッピングフィルム1の同一部分を前面および背面の両側から撮影できるように巻取りリール6近傍に設けられ、制御部Cに接続されている。
【0032】
砥粒面撮影用カメラ8aは、ラッピングフィルム1の砥粒面の画像を撮影し、背面撮影用カメラ8bは、ラッピングフィルム1の背面の識別符合を撮影する。ここで、識別符合は、ラッピングフィルム1の背面に予め印刷等されているマークであり、そのマークによりラッピングフィルム1の供給リール5からの送り出し量を示している。
【0033】
次に作用について説明する。
【0034】
まず、制御部Cは、各構成を制御して、新しいラッピングフィルム1を用いて新規のラッピング加工(以下、新規加工という)を実施する。最初は、ラッピングフィルム1が供給リール5に巻き回されているので、制御部Cは、加工工程に従ってモータM3を駆動して、ラッピングフィルム1を順次巻取りリール6に巻き取っていく。ここで、ワークWの加工中にはラッピングフィルム1はロック装置7によりロックされているので、ワークWの交換等の加工停止中に巻き取られることになる。この巻取りの際に、砥粒面撮影用カメラ8aおよび背面撮影用カメラ8bは、ラッピングフィルム1の両面の画像を撮影する。
【0035】
撮影された画像は、制御部Cに送られる。制御部Cは、砥粒面撮影用カメラ8aからの砥粒面の画像に基づいて砥粒の突き出し高さを算出し、背面撮影用カメラ8bからの識別符合の画像に基づいて検出したラッピングフィルム1の位置としてその送り出し量(箇所)を判断する。制御部Cは、算出した突き出し高さと、ラッピングフィルム1の位置とを関連付けて、記憶部Rに記憶する。
【0036】
図4に示すようにラッピングフィルム1が最後まで巻取りリール6に巻き取られたら、今度は、制御部Cは、モータM4の駆動を開始する。これにより、供給リール5と巻取りリール6との役割が入れ替わり、巻取りリール6から供給リール5にラッピングフィルム1が送り出されていくこととなる。
【0037】
ラッピングフィルム1を再利用する加工(以下、再利用加工という)は、巻取りリール6から供給リール5に巻き戻す途中、または、一旦加工に使用されずに巻取りリール6から供給リール5に巻き戻し、その後さらに、供給リール5から巻取りリール6に送り出す途中に行うことができる。
【0038】
一旦巻き戻してから再利用する場合は、再度、制御部Cは、新規加工時と同様にモータM3を駆動して、供給リール5から巻取りリール6にラッピングフィルム1を送り出す途中で再利用する。
【0039】
巻取りリール6から供給リール5に巻き戻す途中に再利用する場合は、制御部Cは、モータM4を加工停止中に駆動して、順次ラッピングフィルム1を供給リール5に巻き戻していく。
【0040】
ここで、新規加工時にラッピングフィルム1の砥粒面が全面にわたって粗加工に使用されている場合には、砥粒の目詰まりにより粗加工に再利用できない。砥粒が目詰まりしているということは、砥粒の突き出し高さが低くなっているということなので、もはや粗加工に適さないからである。しかし、砥粒の突き出し高さが低く削れにくくなっている分、粗加工ほど削る必要がない仕上げ加工には適する。したがって、再利用加工時には、仕上げ加工が必要なワークWをセットして、使用済みラッピングフィルム1によりワークWの仕上げ加工を実行することができる。ラッピングフィルム1の砥粒面が全体にわたって既に使用されているので、砥粒面の目詰まりのバラツキも小さく、特にラッピングフィルムの巻取りまたは送り出し量を調節せずに、一定量にすれば足りる。
【0041】
一方で、新規加工時にラッピングフィルム1の砥粒面が全体にわたって使用されずに、離散的に未使用面が残っている場合には、該未使用面を再利用加工時に使用することによって、新規加工時と同様の加工を行うことができる。この場合、巻き戻しの際に砥粒の未使用面で加工を行うように、ラッピングフィルム1の巻き戻し量を調節する必要がある。巻き戻し量を調節する際には、記憶部Rに記憶しているラッピングフィルム1の位置と該位置での目詰まりを参照して、再利用可能な未使用箇所を決定し、ワークWの加工に使用される位置に未使用箇所がくるようにする。なお、ラッピングフィルム1のどの箇所が加工に使用されているかは、加工中に背面撮影用カメラ8bで撮影されている識別符合に基づいて、予め分かっている撮影位置とシュー2の位置との位置関係により求めることができる。
【0042】
このように再利用可能な箇所を決定し、その箇所が加工に用いられるように供給リール5または巻取りリール6を駆動するので、新規加工時にラッピングフィルム1の砥粒面の使用箇所にばらつきがあっても、均等な加工を実現することができる。
【0043】
以上のように、本第1実施形態では、供給リール5および巻取りリール6にそれぞれ駆動のためのモータM4およびM3を設けたので、供給リール5から巻取りリール6だけでなく、巻取りリール6から供給リール5にもラッピングフィルム1を送り出すことができる。したがって、新規加工時に使用したラッピングフィルム1を巻取りリール6から供給リール5に巻き戻すことによって再利用でき、高価なラッピングフィルム1の無駄を防止し、加工コストを低減することができる。
【0044】
具体的には、ラッピングフィルム1を、巻取りリール6から供給リール5に巻き戻す途中で再利用する場合には、新規加工が終了したらすぐに再利用加工に移行できるので、作業時間を短縮することができる。
【0045】
ラッピングフィルム1を、一旦供給リール5に巻き戻してから再利用する場合には、新規加工時のラッピングフィルム1の使用済み箇所と送り出し量が分かっており、新規加工と再利用加工とでラッピングフィルム1の送り出し方向が同一なので、未使用箇所の特定および該未使用箇所を加工に用いることが容易である。
【0046】
さらに、ラッピングフィルム1を新規加工時に粗加工に使用して全体が略均等に目詰まりしている場合には、使用済み箇所の確認や送り出し量の調節を考慮することなく、再利用加工時にワークWの仕上げ加工に使用することができる。
【0047】
なお、上記実施形態では、供給リール5と巻取りリール6を取り外すことなく、供給リール5への巻き戻しにより再加工を実施していたが、これに限定されない。供給リール5および巻取りリール6を、それぞれ、駆動のための軸から取り外し可能に構成しておき、新規加工が終わった後に、供給リール5および巻取りリール6の位置を入れ替えることによって、ラッピングフィルム1を再利用することもできる。
【0048】
(第2の実施の形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
【0049】
図5は第2実施形態のラッピング加工装置を示す概略図、図6は第2実施形態の要部を示す概略図、図7はカセット9を裏返した状態を示す図である。なお、第1実施形態と同様の構成については、同様の参照番号を付してその説明は省略する。
【0050】
第2実施形態では、シュー押付手段10の押圧アーム11、12の先端に、それぞれ取り外し可能にカセット9がセットされている。これらのカセット9によりワークWの加工部位にラッピングフィルム1を供給することができる。
【0051】
カセット9は、押圧アーム11、12に取り付け可能なケース90と、該ケース90内に収納されている供給リール91(第1リール)および巻取りリール92(第2リール)と、ワークWにラッピングフィルム1を押付けるためにケース90外部に固定されたシューケース3c、3dと、該シューケース3c、3d表面に固定されたシュー2とを有してなる。
【0052】
ラッピングフィルム1は、供給リール91からシュー2を介して巻取りリール92にわたって設けられており、未使用の初期状態としては、供給リール91側に巻き回されている。また、ケース90には、図示しない開口部が設けられており、該開口部からラッピングフィルム1が外部に引き出されている。また、ラッピングフィルム1は、加工時には図示しないロック装置の作動によりラッピングフィルム1全体に所定のテンションが付与された状態で保持される。
【0053】
供給リール91および巻取りリール92は、それぞれ、中央に貫通穴が形成されている。カセット9をセットした時には、供給リール91の貫通穴にモータM6の主軸が、巻取りリール92の貫通穴にモータM5がそれぞれ直接または間接的に接続され、これらのモータM6およびモータM5の駆動により、ラッピングフィルム1の送り出しや巻き戻しが実現される。モータM6およびモータM5は、それぞれ制御部Cに接続されており、該制御部Cにより駆動を制御される。
【0054】
ラッピング加工装置は、上記構成の他にラッピングフィルム1の再利用を実現するために、砥粒面撮影用カメラ8cおよび背面撮影用カメラ8bを有している。砥粒面撮影用カメラ8cおよび背面撮影用カメラ8dは、加工に使用した後のラッピングフィルム1の同一部分を前面および背面の両側から撮影できるように、図6に示すように、ケース90外部の巻取りリール92側に設けられ、制御部Cに接続されている。
【0055】
砥粒面撮影用カメラ8cは、第1実施形態の砥粒面撮影用カメラ8aと同様にラッピングフィルム1の砥粒面の画像を撮影し、背面撮影用カメラ8dは、第1実施形態の背面撮影用カメラ8bと同様にラッピングフィルム1の背面の識別符合を撮影する。
【0056】
次に作用について説明する。
【0057】
まず、制御部Cは、各構成を制御して、新規ラッピング加工を実施する。最初は、ラッピングフィルム1が供給リール91に巻き回されているので、制御部Cは、加工工程に従ってモータM5を駆動して、ラッピングフィルム1を順次巻取りリール92に巻き取っていく。ここで、ワークWの加工中にはラッピングフィルム1はロックされているので、ワークWの交換等の加工停止中に巻き取られることになる。この巻取りの際に、砥粒面撮影用カメラ8cおよび背面撮影用カメラ
撮影された画像は、制御部Cに送られる。制御部Cは、砥粒面撮影用カメラ8cからの砥粒面の画像に基づいて砥粒の突き出し高さを算出し、背面撮影用カメラ8dからの識別符合の画像に基づいて検出したラッピングフィルム1の位置としてその送り出し量(箇所)を判断する。制御部Cは、算出した突き出し高さと、ラッピングフィルム1の位置とを関連付けて、記憶部Rに記憶する。
【0058】
図6に示すようにラッピングフィルム1が最後まで巻取りリール92に巻き取られたら、一旦カセットを取り外し、図7に示すようにカセット9を裏返して再度、押圧アーム12にセットする。すると、巻取りリール92が図面左側に配置され、供給リール91が図面右側に配置されることとなる。すなわち供給リール91と巻取りリール92の位置が交換される。そして、供給リール91の中央に設けられた貫通穴にモータM5の主軸が接続されるので、新規加工と同様に、モータM5を駆動することにより巻取りリール92から供給リール91にラッピングフィルム1が送り出され、該ラッピングフィルム1を再利用加工に用いることができる。
【0059】
ここで、記憶部Rには、新規加工時のラッピングフィルム1の箇所と該箇所の目詰まり具合(突き出し高さ)が記憶されている。したがって、カセット9を裏返した後の再利用加工時には、背面撮影用カメラ8dの撮影結果によりラッピングフィルム1の現在の送り出し量を検出して、ラッピングフィルム1のどの箇所が加工部位に位置しているかを確認し、この箇所が加工に適するかどうかを判断することができる。
【0060】
これにより、たとえば、ラッピングフィルム1を新規加工時には粗加工に用い、再利用加工時には仕上げ加工に用いる場合には、新規加工時に全面に略均等に目詰まりが生じていれば、特にラッピングフィルム1の送り出し量を調節せずに均等に送り出して再利用加工に用いることができる。
【0061】
また、たとえば、ラッピングフィルム1を新規加工時および再利用加工時共に粗加工に用いる場合には、新規加工時に砥粒面を離散的に使用されていれば、未使用の砥粒面も離散的に残っているので、再利用加工時には該未使用面でのみ加工が行われるようにラッピングフィルム1の送り出し量を調節することができる。
【0062】
なお、上記説明では、カセット9を裏返して使用する場合について説明したが、これに限定されない。図6に示すようにラッピングフィルム1が最後まで巻取りリール92に巻き取られたら、今度は、制御部CによりモータM6の駆動を開始してもよい。これにより、供給リール91と巻取りリール92との役割が入れ替わり、巻取りリール92から供給リール91にラッピングフィルム1を巻き戻すことができ、巻き戻しの際に再利用加工に使用することができる。
【0063】
以上のように、本第2実施形態では、供給リール91および巻取りリール92をカセット9内に収納したので、巻取りリール92にラッピングフィルム1が巻き取られた後でも、カセットを裏返すことによって容易に再利用することができる。また、カセット9を用いているので、ラッピングフィルム1の交換も容易に行うことができ、作業効率を向上することができる。
【0064】
なお、図6においては、一方のカセット9を省略しているが、図示しているカセット9と同様に、供給リール91にモータM6、巻取りリール92にモータM5の主軸がそれぞれ接続されており、同様にラッピングフィルム1の送り出しおよび再利用が行われる。
【0065】
本発明は、上述した実施形態のみに限定されるものではなく、種々変更できる。例えば、前述した実施形態では、主としてクランクシャフトのジャーナル部を加工する場合について述べたが、これのみでなく、カムシャフトのカムロブ部やジャーナル部等のような断面非真円状の円弧状加工面を有するものあるいは円弧状加工面でないワークに対しても適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施形態に係るラッピング加工装置を示す概略構成図である。
【図2】 シュー押付手段の閉状態を示す概略断面図である。
【図3】 シュー押付手段の開状態を示す概略断面図である。
【図4】 第1実施形態の要部を示す概略図である。
【図5】 第2実施形態のラッピング加工装置を示す概略図である。
【図6】 第2実施形態の要部を示す概略図である。
【図7】 カセットを裏返した状態を示す図である。
【符号の説明】
1…ラッピングフィルム、
2…シュー、
3a、3b、3c、3d…シューケース、
5…供給リール、
6…巻取りリール、
7…ロック装置、
8a、8c…砥粒面撮影用カメラ、
8b、8d…背面撮影用カメラ、
9…カセット、
90…ケース、
91…供給リール、
92…巻取りリール、
C…制御部、
16…上記モータ、
R…記憶部、
W…ワーク。

Claims (7)

  1. 薄肉基材の一面に砥粒が設けられ、砥粒面がシューによりワークに押付けられてワーク表面を加工するラッピングフィルムと、
    前記ラッピングフィルムが送り出し自在に巻き回された第1リールと、
    送り出された前記ラッピングフィルムを巻き取る第2リールと、
    前記第1リールおよび前記第2リールの駆動を制御する制御手段と、
    を有し、
    前記制御手段は、加工に使用され前記第2リールに巻き取られた前記ラッピングフィルムを、前記第2リールから送り出して前記第1リールに巻き戻すことにより再利用し、
    前記ラッピングフィルムは、最初に前記第1リールから前記第2リールに送り出される際に粗加工に使用され、再利用の際には仕上げ加工に使用されるラッピング加工装置。
  2. 前記ラッピングフィルムは、前記第2リールから前記第1リールに巻き戻される途中で加工に再利用される請求項1に記載のラッピング加工装置。
  3. 前記ラッピングフィルムは、加工に使用されて前記第2リールから前記第1リールに巻き取られた後に、一旦加工に使用されずに前記第2リールから前記第1リールに巻き戻され、その後さらに、前記第1リールから前記第2リールに送り出される際に加工に再利用される請求項1に記載のラッピング加工装置。
  4. 前記第1リールおよび前記第2リールは同一カセットケース内に収納されており、前記ラッピングフィルムが加工に使用されて前記第2リールから前記第1リールに巻き取られた後に、前記カセットケースの向きを変えることによって、前記第1リールおよび前記第2リールの位置が交換されて、前記第2リールから前記第1リールに前記ラッピングフィルムが送り出されて再利用される請求項1に記載のラッピング加工装置。
  5. 前記ラッピングフィルムは、非伸縮性でかつ変形可能である請求項1〜4のいずれか一項に記載のラッピング加工装置。
  6. 薄肉基材の一面に砥粒が設けられ、砥粒面がシューによりワークに押付けられてワーク表面を加工するラッピングフィルムと、
    前記ラッピングフィルムが送り出し自在に巻き回された第1リールと、
    送り出された前記ラッピングフィルムを巻き取る第2リールと、
    を有するラッピング加工装置の制御方法であって、
    前記第1リールから前記第2リールにラッピングフィルムを送り出して、粗加工に使用する工程と、
    加工に使用され前記第2リールに巻き取られた前記ラッピングフィルムを、前記第2リールから送り出して前記第1リールに巻き戻す途中で、仕上げ加工に使用する工程と、
    を有するラッピング加工装置の制御方法。
  7. 薄肉基材の一面に砥粒が設けられ、砥粒面がシューによりワークに押付けられてワーク表面を加工するラッピングフィルムと、
    前記ラッピングフィルムが送り出し自在に巻き回された第1リールと、
    送り出された前記ラッピングフィルムを巻き取る第2リールと、
    を有するラッピング加工装置の制御方法であって、
    前記第1リールから前記第2リールにラッピングフィルムを送り出して、粗加工に使用する工程と、
    粗加工に使用された前記ラッピングフィルムを、一旦加工に使用せずに、前記第2リールから前記第1リールに巻き戻す工程と、
    巻き戻された前記ラッピングフィルムを、前記第1リールから送り出して前記第2リールに巻き取る途中で、仕上げ加工に再使用する工程と、
    を有するラッピング加工装置の制御方法。
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