JP3736534B2 - ラッピング加工装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ワークの加工面を砥粒付きのラッピングフィルム(以下単にフィルムと称することもある)によりフィルムラッピング加工(以下単にラッピング加工)するラッピング加工装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、クランクシャフトのジャーナル部やピン部あるいはカムシャフトのカムローブ部やジャーナル部等のような断面円弧状加工面を有するワークを仕上げ加工する場合は、最近、一面に砥粒が設けられたラッピングフィルムによりラッピング加工している。
【0003】
このラッピング加工は、ワークの加工面をラッピングフィルムで覆い、このフィルムを背面からシューで加圧し、フィルムをワークに押付けた状態でワークを回転しながらフィルムの砥粒面でワークを加工する(下記特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開平7−237116号公報(図1,2及び段落番号[0007]等参照)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このようなラッピング加工装置は、ワークの加工効率を高めるために、ワークの軸心方向と、この方向に直交する方向にラッピングヘッド装置及びワークの少なくとも一方をオシレーションしている。
【0006】
しかし、ラッピングヘッド装置は、これ自体がシューを支持する装置、ラッピングフィルムを支持する装置あるいはこれらを駆動する駆動手段などを有する複雑な機構であるため、このようなラッピングヘッド装置をオシレーションするということは、前述した種々の装置の他にオシレーション機構を設けなければならず、複雑な機構がさらに複雑になり、しかも、重量的にも重い機構全体をオシレーションすることになるので、俊敏なオシレーションは難しい。
【0007】
また、ラッピング加工装置のシューは、一部のシューを除き、スチールあるいは合成樹脂により構成され、比較的剛性を有するもので、このシューのワーク側の内周面は、ワークの外径に対応させる必要があり、ワークの外径が異なると、これに見合った内周面形状を有するシューに交換しなければならない。
【0008】
ところが、シューの周辺が入り組んだ複雑な構造になると、シューの取付けあるいは交換作業は極めて面倒となり、労力を要し、作業性や生産性にも悪影響を及ぼす虞がある。
【0009】
さらに、クランクシャフトのような偏心回転するワークをラッピング加工する場合は、バランスの点から回転数を上げることができず、しかも、加工中、ラッピングフィルムは、シューでバックアップされた固定状態となっているので、目詰まりし易く、加工面の面粗度が向上しないという問題もある。
【0010】
本発明は、上述の問題点に鑑み、ラッピングフィルム自体をオシレーションさせることによりワークの加工効率を高め、簡素な構成で、安定的な加工でき、加工品質、作業性や生産性の高いラッピング加工装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の目的は、下記する手段により達成される。
【0012】
(1) 薄肉基材の一面に砥粒が設けられたラッピングフィルムと、このラッピングフィルムの背面側に配置されたシューと、このシューをワークの加工面に向けて押付けてラッピングフィルムの砥粒面をワークに押付けるシュー押付手段と、前記ワークを回転駆動する回転駆動手段と、前記ワークと前記ラッピングフィルムのうちの少なくとも一方に前記ワークの軸線方向に沿うオシレーションを付与する第1オシレーション機構、及び、前記ラッピングフィルムを少なくともワークの回転速度より早い速度で当該ラッピングフィルムの送り方向にオシレーションさせる第2オシレーション機構を備えたオシレーション手段と、を有するラッピング加工装置において、
前記第2オシレーション機構は、前記シュー相互間から一旦外部に引き出した前記ラッピングフィルムを、オシレーション可能なローラに巻回したオシレーション用のフィルム引出し部と、前記シュー相互間から一旦外部に引き出した前記ラッピングフィルムを、所定のテンションを持って弾発されたローラに巻回したテンション用のフィルム引出し部とを有するラッピング加工装置。
【0015】
(2) 前記第2オシレーション機構は、前記オシレーション用のフィルム引出し部とテンション用のフィルム引出し部とを交互に設けたことを特徴とする前記(1)のラッピング加工装置。
【0016】
(3) 前記第2オシレーション機構は、前記ラッピングフィルムを供給する供給リール側と該ラッピングフィルムを巻取る巻取りリール側にそれぞれ設けられたラッピングフィルムのロック装置と前記シュー押付手段との間の前記ラッピングフィルムのテンションを調節するテンション調節手段を有する前記(2)又は(3)のラッピング加工装置。
【0017】
(4) 前記ラッピングフィルムは、非伸縮性でかつ変形可能な薄肉基材により構成した前記(1)〜(3)のラッピング加工装置。
【0018】
【発明の効果】
請求項1の発明は、オシレーション手段がラッピングフィルムを当該ラッピングフィルムの送り方向にオシレーションさせるので、極めて簡単な装置でフィルムをオシレーションでき、ワークの加工効率を高めることができ、また、ラッピングフィルムをワークの回転速度より早い速度でオシレーションするので、作用砥粒数が増大し、加工時間の短縮を図ることができる。
また、ワークの軸線方向に沿うオシレーションと、ラッピングフィルムの送り方向のオシレーションを付与するので、ラッピングフィルムの砥粒面での加工は、いわゆるジグザグ状に行なわれることになり、発生する切り屑も細かく、いわゆる切れ味や切り屑の排出性が向上し、ラッピングフィルムの目詰まりを防止し、これにより迅速な加工を可能にし、加工能率の向上、加工品質の向上と均質化を図ることができる。
さらに、第2オシレーション機構にオシレーション用のフィルム引出し部とテンション用のフィルム引出し部とを設けたので、オシレーションする場合に必要となるフィルムをテンション用のフィルム引出し部から供給でき、円滑なフィルムオシレーションが可能となり、所定の加工品質を維持することができる。
【0021】
請求項の発明は、第2オシレーション機構にオシレーション用のフィルム引出し部とテンション用のフィルム引出し部とを交互に設けたので、オシレーション時に必要なフィルムが直近のテンション用フィルム引出し部から供給され、さらに円滑なフィルムオシレーションが可能となり、所定の加工品質を維持することができる。
【0022】
請求項の発明は、ロック装置とシュー押付手段との間にテンション調節手段を設けたので、ラッピングフィルム全体に渡りテンションが調節され、フィルムオシレーションが円滑になるのみでなく、ワークの加工も円滑になる。
【0023】
請求項の発明は、ラッピングフィルムを非伸縮性でかつ変形可能な薄肉基材により構成したので、フィルムオシレーションやワークの加工が円滑になる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
【0025】
図1は本発明の実施形態に係るラッピング加工装置を示す概略構成図、図2はシュー押付手段の閉状態を示す概略断面図、図3はシュー押付手段の開状態を示す概略断面図である。なお、説明の便宜上、ワークの軸線方向(図1において左右方向)をX方向と定義し、X方向に対して直交する水平方向(図1において紙面に直交する方向)をY方向と定義し、X方向に対して直交する鉛直方向(図1において上下方向)をZ方向と定義する。
【0026】
図1,2において、本実施形態のラッピング加工装置について概説すれば、非伸縮性でかつ変形可能な薄肉基材の一面に砥粒が設けられたラッピングフィルム1(図2参照)と、ラッピングフィルム1の背面側に配置されたシュー2(図2参照)と、シュー2をワークWの加工面に向けて押付けてラッピングフィルム1の砥粒面をワークWに押付けるシュー押付手段10と、ワークWを回転駆動する回転駆動手段20と、ワークWとラッピングフィルム1相互間でオシレーションを生じさせるオシレーション手段30とを有し、ワークWを回転しつつこれにラッピングフィルム1を押圧しラッピング加工を施すに当り、前記シュー押付手段10、回転駆動手段20あるいはオシレーション手段30等の作動状態を適宜検知し、制御部Cで制御している。なお、本実施形態のワークWは、断面円弧状の加工面を有するもの、例えば、クランクシャフトのジャーナル部やピン部等のような断面真円状の加工面を有するものである。
【0027】
以下、詳述する。
【0028】
まず、ラッピングフィルム1は、種々のタイプがあるが、本実施形態では、基材が非伸縮性の高い材料、例えば、板厚tが25μm〜130μm程度のポリエステルなどから構成され、この基材の一面には、数μm〜200μm程度の粒径を有する多数の砥粒(具体的には、酸化アルミニウム、シリコンカーバイト、ダイアモンド等からなる)が接着剤により取り付けられている。砥粒は、基材の一面に全面にわたって接着してもよく、また、所定幅の無砥粒領域を間欠的に形成したものであっても良い。基材の他面には、ゴムあるいは合成樹脂等からなる抵抗材料(図示せず)が取り付けられているが、場合によっては滑り止め加工を施しても良い。
【0029】
このラッピングフィルム1は、図2に示すように、モータM3により駆動される巻取りリール6の回転により、ラッピング加工装置の枠体等に支持された供給リール5から引き出され、後述の押圧アーム11,12の先端に設けられたフィルムローラR1,R2等にガイドされ、巻取りリール6に巻き取られるが、供給リール5と巻取りリール6の近傍にはロック装置7(図4参照)が設けられ、このロック装置7の作動により全体に所定のテンションが付与された状態で保持される。
【0030】
前記シュー2は、ゴムあるいは合成樹脂等により構成された比較的剛性を有するものであり、図2,4に示すように、内面側はワークWの加工面に沿うように円弧面とされているが、外周側はシューケース3に保持され、押圧アーム11,12に保持されている。
【0031】
シュー押付手段10は、各シュー2が先端部に設けられた押圧アーム11,12と、これら押圧アーム11,12の後端に設けられ、所定の加圧力で両シュー2をワークWの加工面に向かって押付ける流体圧シリンダ13と、シューの押圧力を調節する押圧力調節手段15とを有している。
【0032】
前記シュー押付手段10は、流体圧シリンダ13が作動すると、支持ピン14を中心として両押圧アーム11,12が、図2に示す閉状態と、図3に示す開状態になる。両押圧アーム11,12の回動は、ラッピングフィルム1と共に行なわれ、閉じ回動によりシュー2がラッピングフィルム1を介してワークWを加圧し、開き回動によりワークWとシュー2の当接を解除する。
【0033】
なお、押圧力調節手段15は、シューケース3を押圧するばね力をカム16により調節し、シュー2のワークWの加工面に対する押圧力を調節する。
【0034】
回転駆動手段20は、図1において、主軸21を回転自在に支持するヘッドストック22と、主軸21の先端に連結されワークWの一端を把持するチャック23と、主軸21にベルト24を介して連結された主軸モータM1と、ワークWの他端を支持するセンタを備えるテールストック25とを有している。
【0035】
ワークWは、ヘッドストック22とテールストック25との間にセットされ、主軸モータM1の回転がベルト24、主軸21及びチャック23を介して伝達され、回転することになるが、これらヘッドストック22とテールストック25は、Y方向に沿ってスライド移動自在なテーブル26上に設けられ、このテーブル26は、X方向に沿ってスライド移動自在なテーブル27上に配置されている。
【0036】
オシレーション手段30は、ワークWをX方向にオシレーションする第1オシレーション機構31(図1参照)と、ラッピングフィルム1を当該ラッピングフィルム1の送り方向にオシレーションする第2オシレーション機構32(図2参照)とを有している。
【0037】
第1オシレーション機構31は、テーブル27の端部に当接する偏心回転体33と、偏心回転体33を回転駆動するオシレーション用のモータM2と、テーブル27の端部に偏心回転体33を常時当接させるためのばね等の弾性手段34と、を有し、偏心回転体33をモータM2により回転してテーブル27をX方向に往復移動し、ワークW全体をX方向にオシレーションするものである。
【0038】
第1オシレーション機構31によるオシレーションの振幅は、モータM2の軸心に対する偏心回転体33の偏心量により定められ、オシレーションの速度は、モータM2の回転速度により制御される。偏心回転体33の回転位置は、ロータリエンコーダ35により検出される。なお、偏心量の調節は、モータM2に軸と偏心回転体33との嵌合部分に調節板を挿入するなどの手段が使用されるが、流体圧手段などを利用しても良く、種々の手段がある。
【0039】
特に、本実施形態では、ラッピングフィルム1を当該ラッピングフィルム1の送り方向にオシレーションさせる第2オシレーション機構32を有している。このようなラッピングフィルム1の送り方向にオシレーション(前記第1オシレーション機構31によるワークWのオシレーションに対しフィルムオシレーションと称することがある)するには、少なくともワークWの回転速度より早い速度でなければならない。ワークWの回転速度の影響を受けないようなオシレーションにしないと意味がないからである。
【0040】
図4は図2,3の要部を示す概略断面図で、第2オシレーション機構32を示している。この第2オシレーション機構32は、ラッピングフィルム1に対し送り方向にオシレーションを掛けるオシレーション用のフィルム引出し部36と、このオシレーション時にラッピングフィルム1を前記フィルム引出し部36に供給し、かつ当該ラッピングフィルム1に所定のテンションを付与するテンション用のフィルム引出し部37とを有している。
【0041】
オシレーション用のフィルム引出し部36は、上下一対のシュー2にそれぞれ設けられ、シュー2相互間から一旦外部に引き出されたラッピングフィルム1を、ローラR4の周囲を旋回して再度シュー2とワークWの加工面との間に戻すように構成したものである。このローラR4は、放射方向にオシレーション可能に設けられ、モータM4と所定の振動機構(図示せず)を介して連結されており、 モータM4の回転により放射方向にオシレーションし、ラッピングフィルム1を送り方向にオシレーションさせる。なお、このオシレーションは、前記モータM4と振動機構を用いたもののみでなく、流体圧シリンダなどを用いても良く、種々のアクチュエータを用いても良い。
【0042】
テンション用のフィルム引出し部37は、上下一対のシュー2間から一旦外部に引き出されたラッピングフィルム1を、ローラR5の周囲を旋回して再度シュー2とワークWの加工面との間に戻すように構成したものである。このローラR5も、放射方向に往復移動可能に保持されている。しかし、該ローラR5は、前記ローラR4と異なり、ばね38により放射方向外方に弾発され、常時ラッピングフィルム1に対し所定のテンションを付与する機能を有するものである。また、このローラR5は、前記オシレーション用のフィルム引出し部36がフィルムオシレーションすると、これに必要とされるラッピングフィルム1を供給する機能も発揮するものである。
【0043】
さらに詳述すれば、本実施形態では、ワークWを挟持するように対向して配置されたシュー2をそれぞれ2分割し、上方のシュー2間と、下方のシュー2間からラッピングフィルム1を放射方向外方に引出し、前記押圧アーム11,12の凹部内にローラR4を配置することにより対向する2つのオシレーション用のフィルム引出し部36を形成している。
【0044】
また、開き回動するシュー押付手段10の支点である支持ピン14の近傍にテンション用のフィルム引出し部37のローラR5を設け、このローラR5を支持するロッド39の端部が溝40に沿って移動するように構成し、シュー押付手段10の閉じ回動時にローラR5をばね38によりワークWに対し放射方向に牽引し、ラッピングフィルム1にテンションを付与している。
【0045】
ただし、フィルムオシレーションすると、ロック装置7とシュー2との間のラッピングフィルム1にも大きなテンションが掛かるので、ロック装置7とシュー2との間にもテンションを調節するテンション調節手段41が設けられている。このテンション調節手段41は、ローラ42をばね等の弾性手段43で弾発するもので、供給リール5側と巻取りリール8側にそれぞれ設けられている。
【0046】
このようにすれば、一対のオシレーション用のフィルム引出し部36の両側にフィルムの長さを調節するテンション調節手段41とテンション用のフィルム引出し部37が設けられることになるので、オシレーションに必要なラッピングフィルム1の供給が容易に行なわれ、ラッピングフィルム1の送り方向のオシレーションが円滑に行なわれる。
【0047】
ただし、シュー2をさらに多数分割し、オシレーション用のフィルム引出し部36とテンション用のフィルム引出し部37を交互に配置しても良い。このようにすれば、オシレーションに伴うラッピングフィルム1の細かな移動が、さらに円滑になり、ラッピングフィルム1の送り方向のオシレーションが一層円滑なものとなる。
【0048】
次に、作用を説明する。
【0049】
まず、両押圧アーム11,12が開の状態で、供給リール5近傍に設けられたロック装置7をロックし、モータM3を作動し巻取りリール8を回転する。これによりラッピングフィルム1は所定量移動し、新規な砥粒面がワークWの加工面上にセットされると共にラッピングフィルム1に所定のテンションが付与される。
【0050】
そして、巻取りリール8近傍のロック装置をロックすると、テンションが付与され弛みのないぴんと張った状態のラッピングフィルム1となる。
【0051】
この状態でヘッドストック22とテールストック25との間にワークWをセットする。このセット後、流体圧シリンダ13を作動すると、両押圧アーム11,12は閉じ回動し、ラッピングフィルム1は、ワークWの加工面上にセットされ、両シュー2により所定の押付け力でワークWの加工面に押付けられる。
【0052】
例えば、ワークWがクランクシャフトであり、加工面がジャーナル部のように複数箇所あれば、ラッピングフィルム1は、個々のジャーナル部に対応するようにセットされ、押付けられる。
【0053】
主軸モータM1を回転し、ワークWを軸中心に回転すると共にオシレーション手段30を動作する。
【0054】
ワークWは、回転によりその加工面がラッピングフィルム1の砥粒面によりラッピング加工される。ジャーナル部によっては偏心回転するものもあるが、通常の手法により両押圧アーム11,12もこれに追随して揺動し、同様にラッピング加工される。
【0055】
一方、第1オシレーション機構31は、モータM2の回転により偏心回転体33を弾性手段34の弾発力に抗して回転駆動し、テーブル27をX方向にオシレーションさせ、ワークWをX方向にオシレーションする。
【0056】
このオシレーションによりワークWは、砥粒と接する距離が長くなり、ワークWに対する単位時間あたりの作用砥粒数は増大し、加工時間が短縮し、ワークの加工効率を高めることができる。
【0057】
また、第2オシレーション機構32は、モータM4が回転し、モータM4と連結された振動機構を介してローラR4が放射方向、即ち上下にオシレーションし、ラッピングフィルム1を当該ラッピングフィルム1の送り方向に、ワークWの回転速度より早い速度でオシレーションする。
【0058】
つまり、ローラR4が上方に移動すると、これに対応してテンション用のフィルム引出し部37のばね38が撓み、前記移動量に対応した長さのラッピングフィルム1を供給し、ローラR4は円滑に上方移動することになり、円滑にフィルムオシレーションができ、これが加工品質の維持に影響する。
【0059】
なお、上下の各第2オシレーション機構32のローラR4が、同時に放射方向にオシレーションしても、テンション用のフィルム引出し部37のばね38が撓み、各移動量に対応した長さのラッピングフィルム1が供給される。
【0060】
ここにおいて、ラッピングフィルム1は、薄肉ではあるが、極めて強固であるため、シュー2とワークWの加工面との間で挟圧されている状態で、この挟圧力に抗して引っ張っても破断することはない。
【0061】
この結果、ワークWには、第1オシレーション機構31によるX方向のオシレーションと、第2オシレーション機構32によるラッピングフィルム1の送り方向のオシレーションが同時に加えられることになり、ワークWは、砥粒とジグザグに接することになる。したがって、ワークWに対する単位時間あたりの作用砥粒数は、ワークWをX方向のみのオシレーションに比しさらに増大し、これにより加工時間が短縮し、ワークの加工効率を高めることができる。
【0062】
特に、ジグザグに加工することは、発生する切り屑が細かくなり、細かな切り屑になると、その排出性も向上し、ラッピングフィルム1の砥粒面での目詰まりの発生を防止することができることになる。目詰まりの発生が防止できれば、いわゆる切れ味も向上し、迅速に加工でき、加工能率、加工品質が向上する。安定的に比較的長期に渡る連続加工も可能となり、加工品質の向上と均質化を図ることができる。
【0063】
実験によれば、第2オシレーション機構32によるオシレーションは、ワークWが直径60mmのクランクシャフトのジャーナル部である場合、ローラR4の振幅は、0.5〜2mm程度であれば、正常なラッピング加工を行なうことができることが判明している。この場合、最も好ましいローラR4の振幅は、1mmであった。
【0064】
ローラR4の振動数に関しても検証した。10Hz〜数KHzであれば、正常なラッピング加工を行なうことができることが判明している。この場合、ローラR4の最も好ましい振動数は、80Hz以上であった。
【0065】
本発明は、上述した実施形態のみに限定されるものではなく、種々変更できる。例えば、前述した実施形態では、主としてクランクシャフトのジャーナル部を加工する場合について述べたが、これのみでなく、カムシャフトのカムローブ部やジャーナル部等のような断面非真円状の円弧状加工面を有するものであってもよく、さらに他の円弧状加工面を有するものに対しても適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態に係るラッピング加工装置を示す概略構成図である。
【図2】 同ラッピング加工装置のシュー押付手段の閉状態を示す概略断面図である。
【図3】 同ラッピング加工装置のシュー押付手段の開状態を示す概略断面図である。
【図4】 第2オシレーション機構を示す概略断面図である。
【符号の説明】
1…ラッピングフィルム、
2…シュー、
5…供給リール、
6…巻取りリール、
7…ロック装置、
10…シュー押付手段、
20…回転駆動手段、
30…オシレーション手段、
31…第1オシレーション機構、
32…第2オシレーション機構、
36…オシレーション用のフィルム引出し部、
37…テンション用のフィルム引出し部、
41…テンション調節手段、
4,R5…ローラ、
W…ワーク。

Claims (4)

  1. 薄肉基材の一面に砥粒が設けられたラッピングフィルムと、このラッピングフィルムの背面側に配置されたシューと、このシューをワークの加工面に向けて押付けてラッピングフィルムの砥粒面をワークに押付けるシュー押付手段と、前記ワークを回転駆動する回転駆動手段と、前記ワークと前記ラッピングフィルムのうちの少なくとも一方に前記ワークの軸線方向に沿うオシレーションを付与する第1オシレーション機構、及び、前記ラッピングフィルムを少なくともワークの回転速度より早い速度で当該ラッピングフィルムの送り方向にオシレーションさせる第2オシレーション機構を備えたオシレーション手段と、を有するラッピング加工装置において、
    前記第2オシレーション機構は、前記シュー相互間から一旦外部に引き出した前記ラッピングフィルムを、オシレーション可能なローラに巻回したオシレーション用のフィルム引出し部と、前記シュー相互間から一旦外部に引き出した前記ラッピングフィルムを、所定のテンションを持って弾発されたローラに巻回したテンション用のフィルム引出し部とを有するラッピング加工装置。
  2. 前記第2オシレーション機構は、前記オシレーション用のフィルム引出し部とテンション用のフィルム引出し部とを交互に設けたことを特徴とする請求項1に記載のラッピング加工装置。
  3. 前記第2オシレーション機構は、前記ラッピングフィルムを供給する供給リール側と該ラッピングフィルムを巻取る巻取りリール側にそれぞれ設けられたラッピングフィルムのロック装置と前記シュー押付手段との間の前記ラッピングフィルムのテンションを調節するテンション調節手段を有する請求項2又は3に記載のラッピング加工装置。
  4. 前記ラッピングフィルムは、非伸縮性でかつ変形可能な薄肉基材により構成した請求項1〜3のいずれかに記載のラッピング加工装置。
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