JP2004261955A - ラッピング加工装置およびラッピング加工方法 - Google Patents

ラッピング加工装置およびラッピング加工方法 Download PDF

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和夫 武田
Masahiko Iiizumi
雅彦 飯泉
Kiyoshi Hasegawa
清 長谷川
Masahiro Komata
正博 小又
Takashi Ogino
崇 荻野
Tomohiro Kondo
智浩 近藤
Takafumi Watanabe
孝文 渡辺
Yoshiyuki Senda
義之 千田
Yasushi Matsushita
靖志 松下
Kimio Nishimura
公男 西村
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Abstract

【課題】 カムロブ部などの断面非真円の円弧状の加工面を有するワークに対してラッピング加工を施す際に、加工面の面粗度を均質化する。
【解決手段】 ラッピング加工装置1は、ラッピングフィルム11と、シュー21と、シューをワークWに向けて押付けてラッピングフィルムの砥粒面をワークに押付けるシュー押付けユニット30と、ワークを回転駆動する回転駆動ユニット40と、ワークにオシレーションを付与するオシレーションユニット50と、ワークの回転位置を検出するロータリエンコーダS1と、コントローラ100と、を有する。コントローラは、加工中におけるワークの回転位置に応じて、シュー押付け力、ワーク回転速度、および、オシレーション速度のうちの少なくとも1つを可変制御し、ワークの加工面における単位周長当たりの加工量を均一化する。
【選択図】図10

Description

本発明は、ワークの加工面を砥粒付きのラッピングフィルム(以下単にフィルムと称することもある)によりフィルムラッピング加工(以下単にラッピング加工)するラッピング加工装置およびラッピング加工方法に関する。
例えば、カムシャフトのカムロブ部やジャーナル部あるいはクランクシャフトのジャーナル部やピン部等のような断面円弧状外周面を有するワークを仕上げ加工する場合は、最近、一面に砥粒が設けられたラッピングフィルムによりラッピング加工されている。
このラッピング加工は、ワークの加工面をラッピングフィルムで覆い、このフィルムを背面からシューで加圧し、フィルムをワークに押付けた状態でワークを回転しながらフィルムの砥粒面でワークを加工する。ラッピング加工装置は、シューをフィルムを介してワークに押付ける機構のほか、ワークを回転駆動する機構や、ワークおよびラッピングフィルムのうちの少なくとも一方にワークの軸線方向に沿うオシレーションを付与するオシレーション機構を有している(例えば、特許文献1参照。)。
従来のラッピング加工装置では、ラッピング加工中においては、シュー押付け力、ワーク回転速度、および、オシレーション速度は一定とされている。
ここで、加工面が断面非真円形状のワークの場合には、ワークの軸心(回転中心)から加工面までの半径が部位ごとに異なっている。例えば、カムシャフトにおけるカムロブ部は、ベースサークル(基準円)をなすベース部、カムのリフトを定めるトップ部、ベース部からトップ部にかけて伸びるイベント部などの複数の部位を備え、ワークの軸心から加工面までの半径は、ベース部終端からトップ部に向かうにつれて長くなっている。
角速度が一定の場合には周速度は半径に比例して変化することから、ワーク回転速度が一定の場合には、加工面における単位周長当たりのフィルムと外周面との接触時間が、部位ごとに異なっている。さらに、加工面に対するフィルムの接触面圧も、部位ごとに異なる状況にある。
したがって、カムロブ部の加工面における単位周長当たりの加工量が不均一となり、その結果、加工面の面粗度が均一にならないという問題がある。特に、イベント部における面粗度が、トップ部やベース部における面粗度に比べて悪い。このイベント部はエンジンのバルブを開き始めたり、閉じ始めたりする重要な部位であるため、面粗度が悪いとバルブの円滑な作動に支障を来す虞がある。
特開平7−237116号公報 (図1、図2参照)
本発明は、上記従来技術に伴う課題を解決するためになされたものであり、ワークの加工面における単位周長当たりの加工量の均一化を図り、もって、加工面の面粗度を均質化し得るラッピング加工装置およびラッピング加工方法を提供することを目的とする。
本発明の目的は、下記する手段により達成される。
本発明は、断面非真円の円弧状の加工面を有するワークに対してラッピング加工を施すラッピング加工装置であって、
薄肉基材の一面に砥粒が設けられたラッピングフィルムと、
前記ラッピングフィルムの背面側に配置されたシューと、
前記シューを押付けて、前記ラッピングフィルムの砥粒面を前記ワークに押付けるシュー押付け手段と、
前記ワークを回転駆動する回転駆動手段と、
前記ワークおよび前記ラッピングフィルムのうちの少なくとも一方に前記ワークの軸線方向に沿うオシレーションを付与するオシレーション手段と、
前記ワークの回転位置を検出する検出手段と、
加工中におけるワークの回転位置に応じて、シュー押付け力、ワーク回転速度、および、オシレーション速度のうちの少なくとも1つを可変制御する制御手段と、を有し、
前記ワークの加工面における単位周長当たりの加工量を均一化することを特徴とするラッピング加工装置である。
また、断面非真円の円弧状の加工面を有するワークに向けてラッピングフィルムの背面側に配置されたシューを押付けて、前記ラッピングフィルムの砥粒面を前記ワークに押付けた状態で、前記ワークを回転駆動するとともに前記ワークおよび前記ラッピングフィルムのうちの少なくとも一方に前記ワークの軸線方向に沿うオシレーションを付与しつつラッピング加工を施すラッピング加工方法であって、
前記ワークの回転位置を検出手段により検出し、加工中におけるワークの回転位置に応じて、シュー押付け力、ワーク回転速度、および、オシレーション速度のうちの少なくとも1つを可変制御し、前記ワークの加工面における単位周長当たりの加工量を均一化することを特徴とするラッピング加工方法である。
本発明に係るラッピング加工装置およびラッピング加工方法によれば、カムシャフトのカムロブ部のように断面非真円の円弧状の加工面を有するワークであっても、ワークの加工面における単位周長当たりの加工量の均一化を図ることができ、もって、加工面の面粗度を均質化し得るという効果を奏する。
以下、本発明の実施形態を図面を参照しつつ説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係るラッピング加工装置1を示す概略構成図、図2は、ラッピング加工装置1に開閉自在に設けられた上下のアーム22、23の閉状態を示す概略断面図、図3は、上下のアーム22、23の開状態を示す概略断面図、図4は、ラッピング加工装置1の要部を示す断面図である。図5は、オシレーションに伴うカムシャフト位置の説明に供する図、図6は、シュー押付けユニット30の構成と等価の構成を示す概念図、図7は、シュー押付け力Pの変化の説明に供する図である。また、図8(A)は、ラッピング加工されるワークとしてのカムシャフト60の一例を示す斜視図、図8(B)は、カムシャフト60のカムロブ部61における各部位の説明に供する図である。なお、説明の便宜上、カムシャフト60の軸線方向(図1において左右方向)をX方向と定義し、X方向に対して直交する水平方向(図1において紙面に直交する方向)をY方向と定義し、X方向に対して直交する鉛直方向(図1において上下方向)をZ方向と定義する。
図1〜図4を参照して第1の実施形態のラッピング加工装置1について概説すれば、非伸縮性でかつ変形可能な薄肉基材の一面に砥粒が設けられたラッピングフィルム11と、ラッピングフィルム11の背面側に配置されたシュー21と、シュー21を押付けてラッピングフィルム11の砥粒面をワークWに押付けるシュー押付けユニット30(シュー押付け手段に相当する)と、ワークWを回転駆動する回転駆動ユニット40(回転駆動手段に相当する)と、ワークWおよびラッピングフィルム11のうちの少なくとも一方にワークWの軸線方向に沿うオシレーションを付与するオシレーションユニット50(オシレーション手段に相当する)と、を有し、回転するワークWにラッピングフィルム11を押圧しラッピング加工を施している。前記シュー押付けユニット30は、シュー押付け力Pを調整する調整手段31を含んでいる(図4参照)。本実施形態のラッピング加工装置1は、断面非真円の円弧状の加工面を有するワークWに対してラッピング加工を施すために好適に用いられる。この種のワークWとして、図8(A)に示すように、カムシャフト60を挙げることができ、このカムシャフト60におけるカムロブ部61の外周面が、ラッピング加工を施す加工面となる。カムロブ部61の位置に対応して、対をなす上アーム22および下アーム23が複数対配置されている(図1参照)。
なお、本明細書における「断面非真円の円弧状」とは、回転中心から一の部位までの半径を他の部位までの半径と異ならせることを意図した円弧形状をいい、楕円形状や、図示したカムロブ部61のような卵形状が含まれることはもちろんのこと、外形は円形状であるが回転中心が円中心から偏心したものも含まれると理解されなければならない。
以下、ラッピング加工装置1について詳述する。
図1を参照して、前記回転駆動ユニット40は、主軸41を回転自在に支持するヘッドストック42と、主軸41の先端に連結されカムシャフト60の一端を把持するチャック43と、主軸41にベルト44を介して接続される主軸モータM1と、カムシャフト60の他端を支持するセンタ45を備えるテールストック46と、を有している。カムシャフト60は、主軸モータM1の回転動がベルト44および主軸41を介して伝達されて回転駆動される。主軸モータM1の回転速度を変えることにより、ワーク回転速度Vwが所望の速度に設定される。主軸41には、加工中におけるワークWの回転位置を検出するロータリエンコーダS1(検出手段に相当する)が取り付けられている。ヘッドストック42およびテールストック46のそれぞれはY方向に沿ってスライド移動自在なテーブル47、48上に設けられ、これらテーブル47、48は、X方向に沿ってスライド移動自在なテーブル49上に配置されている。カムシャフト60をヘッドストック42とテールストック46との間にセットしたり、カムシャフト60を加工位置に移動したりするために、各テーブル47、48、49が移動される。
前記オシレーションユニット50は、テーブル49の端面に当接する偏心回転体51と、偏心回転体51を回転駆動するオシレーション用モータM2と、を有している。オシレーションユニット50には、テーブル49の端面と偏心回転体51とを常時当接させるためにテーブル49を偏心回転体51に向けて押圧する弾発力を付勢するバネなどの弾性手段52が設けられている。オシレーション用モータM2の回転速度を変えることにより、オシレーション速度Voが所望の速度に設定される。オシレーションの振幅は、オシレーション用モータM2の軸心に対する偏心回転体51の偏心量に基づいて定まる。偏心量は約1mmであり、オシレーションの振幅は約2mmである。なお、偏心回転体51の偏心量は、例えば調整プレート(図示せず)の挿入枚数を変えるなどの公知の手段により調整自在となっている。
図5に示すように、オシレーションに伴うカムシャフト60のX方向位置は、偏心回転体51の回転位置に応じて変化する。すなわち、偏心回転体51の初期位置(オシレーション角度θo=0度)を、カムシャフト60が中心位置に対して偏心回転体51の偏心量eだけ−X方向に偏位した位置とすると、この初期位置から偏心回転体51が回転してオシレーション角度θoが180度になると、カムシャフト位置は、中心位置に対して偏心量eだけ+X方向に偏位する。偏心回転体51がさらに回転してオシレーション角度θoが360度になると、カムシャフト位置は、再び偏心量eだけ−X方向に偏位した初期位置に復帰する。このようなオシレーションに伴うカムシャフト60のX方向位置の変化を検出するために、偏心回転体51の軸には、偏心回転体51の回転位置を検出するロータリエンコーダS2が取り付けられている(図1参照)。
前記ラッピングフィルム11は、種々のタイプがあるが、本実施形態では、基材が非伸縮性の高い材料、例えば、板厚が25μm〜130μm程度のポリエステルなどから構成され、この基材の一面には、数μm〜200μm程度の粒径を有する多数の砥粒(具体的には、酸化アルミニウム、シリコンカーバイト、ダイアモンドなどからなる)が接着剤により取り付けられている。砥粒は、基材の一面に全面にわたって接着してもよく、また、所定幅の無砥粒領域を間欠的に形成したものであってもよい。基材の他面には、シュー21に対する滑り止めのため、ゴムあるいは合成樹脂等からなる抵抗材料(図示せず)を取り付けるバックコーティングか、場合によっては滑り止め加工が施されている。
図2および図3を参照して、ラッピングフィルム11は、供給リール15から引き出され、上アーム22の先端に設けられた一対の第1ガイドローラR1と、上アーム22の内方位置に取り付けられている第2ガイドローラR2と、下アーム23の内方位置に取り付けられている第3ガイドローラR3と、下アーム23の先端に設けられた一対の第4ガイドローラR4などにガイドされ、巻取りリール16に巻き取られる。巻取りリール16にはモータM3が接続されている。モータM3を作動し巻取りリール16を回転すると、供給リール15からラッピングフィルム11が順次繰り出される。ラッピングフィルム11の繰り出し量を検出するために、巻取りリール16の軸には、回転量を検出するロータリエンコーダS3が取り付けられている。供給リール15および巻取りリール16の近傍にはロック装置(図示せず)が設けられ、このロック装置の作動によりフィルム11全体に所定のテンションが付与される。
前記対をなす上アーム22および下アーム23は、シュー21を配置する先端部がZ方向に相対的に開閉自在なように、支持ピン24を介して回動自在に設けられている。上アーム22の後端部には、油圧あるいは空気圧などにより作動する流体圧シリンダ25の一端がピン連結され、下アーム23の後端部にはピストンロッド26の先端がピン連結されている。ピストンロッド26を収縮状態から伸張すると、上下のアーム22、23は、支持ピン24を中心として先端部が閉じる方向に回動し、図2に示す閉状態となる。一方、ピストンロッド26を伸張状態から収縮すると、上下のアーム22、23は、先端部が開く方向に回動し、図3に示す開状態となる。上下のアーム22、23の回動は、ラッピングフィルム11と共に行なわれ、閉じ回動によりシュー21がラッピングフィルム11を介してカムロブ部61に当接し、開き回動によりカムロブ部61とシュー21との当接を解除する。
シュー21は、その先端部の形状から凸シューと凹シューとに分類されるが、図示する実施形態では、前記シュー21は、首振り自在に保持され、ラッピングフィルム11を介してカムロブ部61の加工面に複数箇所(例えば2点)で当接する凹状先端部を有する凹シュー21である。凹シュー21は、先端部はへこ(凹)んでいるものの、ワークWとの当接面自体は断面凸状の円弧面に形成されている。凹シュー21は、フィルム11を介してではあるが、カムロブ部61の加工面とは2点での線接触となる。上下のシュー21によりカムロブ部61は4点支持されることから、当該カムロブ部61を安定的に回転させることができる。なお、本明細書では、シュー21がフィルム11を介してワークWの外周面と間接的に当接することを「接触」、シュー21がフィルム11を介してワークWの外周面と間接的に当接する面積のことを「接触面積」と略称する。
図4にも示すように、上下のアーム22、23の先端部に形成した凹部27の中に、シュー21を保持したシューケース28がワークWに対して進退移動自在に収納されている。シューケース28は、その外側面が凹部27の内側面にガイドされながら移動する。シュー21は、シューケース28に設けた中空部28a内に、揺動ピン29を介して首振り自在に保持されている。上下の揺動ピン29はカムシャフト60の軸心Oを通る線上に位置し、シュー押付け力Pが効率的にフィルム11に作用するようにしてある。図4中の符号70は、クーラントを供給するためのノズルを示している。
前記シュー押付けユニット30は、上下のアーム22、23の先端部のそれぞれに配置されている。図6にも概念的に示すように、各シュー押付けユニット30は、先端がシューケース28に連結された連結ロッド32と、圧縮コイルバネからなるワーククランプ用バネ33と、連結ロッド32の後端との間でワーククランプ用バネ33を弾性変形させる押圧ロッド34と、押圧ロッド34の頭部に当接するカム形状の偏心回転体35と、偏心回転体35を回転駆動する押付け用モータM4と、を有している。連結ロッド32および押圧ロッド34は、アーム22、23に形成した貫通孔22a、23a内に摺動自在に収納されている。シューケース28を押付けると、当該シューケース28に保持されたシュー21が押付けられ、ラッピングフィルム11の砥粒面がカムロブ部61に押付けられることになる。偏心回転体35のカムリフトhは、カムの全高Hからベースサークル直径を除算したものであるが、このカムリフトhが、押圧ロッド34を最大限移動し得る寸法となる。上述したワーククランプ用バネ33、押圧ロッド34、偏心回転体35および押付け用モータM4により、シュー押付け力Pを調整する調整手段31が構成されている。
図7に示すように、シュー押付け力Pは、偏心回転体35の回転位置に応じて変化する。すなわち、偏心回転体35の初期位置(偏心角θe=0度)をベースサークルが押圧ロッド34の頭部に当接した位置とし、この初期位置から偏心回転体35が回転して偏心角θeが180度になると、押圧ロッド34がカムリフトhだけ移動し、ワーククランプ用バネ33がさらに弾性圧縮変形する結果、シュー押付け力Pが最大となる。偏心回転体35がさらに回転して偏心角θeが360度になると、押圧ロッド34が初期位置に復帰し、シュー押付け力Pも初期位置と同じ押付け力に復帰する。このようなシュー押付け力Pの変化を検出するために、偏心回転体35の軸には、偏心回転体35の回転位置を検出するロータリエンコーダS4が取り付けられている(図4参照)。
前記カムロブ部61は、図8(B)に示すように、ベースサークルをなすベース部d、カムのリフトを定めるトップ部a、トップ部aの両側に連続し、エンジンのバルブを開き始めたり、閉じ始めたりするイベント部b1、b2、ベース部dからイベント部b1、b2へのアプローチをなすランプ部c1、c2の複数の部位を備えている。
図9(A)は、カムロブ部61の軸心O(回転中心)から加工面までの半径を示す図、図9(B)は、カムロブ部61の加工面における曲率半径を示す図である。
図9(A)に示すように、カムロブ部61のように加工面が断面非真円形状の場合には、カムロブ部61の軸心O(回転中心)から加工面までの半径が部位ごとに変化し、ベース部dの終端からトップ部aに向かうにつれて長くなっている。また、図9(B)に示すように、ベース部dは曲率半径が一定であるが、イベント部b1、b2はほぼ直線的であるため曲率半径が非常に大きく、トップ部aは曲率半径が比較的小さくなる。
このような形状を有するカムロブ部61をラッピング加工する場合に、ワーク回転速度Vwを一定にすると、前述したように、加工面における単位周長当たりのフィルム11と外周面との接触時間が部位ごとに異なることになる。また、首振り自在な凹シュー21をカムロブ部61に向けて押付ける形態では、凹シュー21がイベント部b1、b2に接触するときには、凹シュー21は首振りして大きく傾いているので、付与されたシュー押付け力Pのうち接触点の法線方向に作用する分力が比較的小さくなる。さらに、イベント部b1、b2は曲率半径が非常に大きいので、他の部位に比べて、シュー21との接触面積が比較的大きくなる。このため、加工面に対するフィルム11の接触面圧も、部位ごとに異なり、特に、イベント部b1、b2での接触面圧の低下が著しい状況にある。したがって、カムロブ部61の加工面における単位周長当たりの加工量が不均一となり、その結果、加工面の面粗度、特にイベント部b1、b2の面粗度が低下する虞がある。
そこで、本実施形態のラッピング加工装置1にあっては、ロータリエンコーダS1でカムロブ部61の回転位置を検出し、加工中におけるカムロブ部61の回転位置に応じて、シュー押付け力P、ワーク回転速度Vw、および、オシレーション速度Voのうちの少なくとも1つを可変制御し、カムロブ部61の加工面における単位周長当たりの加工量を均一化するようにしてある。
上記の制御について、図10〜図12を参照しつつ説明する。図10は、第1の実施形態に係るラッピング加工装置1の制御系を示す概略ブロック図、図11(A)は、加工中におけるカムロブ部61の回転位置に応じて、シュー押付け力Pを可変制御する一例を示す図、図11(B)は、カムロブ部61の各部位での接触面圧を示す図、図12(A)は、加工中におけるカムロブ部61の回転位置に応じて、ワーク回転速度Vwを可変制御する一例を示す図、図12(B)は、加工中におけるカムロブ部61の回転位置に応じて、オシレーション速度Voを可変制御する一例を示す図である。
なお、説明の便宜上、カムロブ部61のトップ部aが上方に、ベース部dが下方に位置する図4に示される正立した位置をカムロブ部61の初期位置とし、この位置からカムロブ部61が180度回転して、トップ部aが下方に、ベース部dが上方に位置する倒立した位置をカムロブ部61の反転位置とする。
図10を参照して、ロータリエンコーダS1、S2、S3、S4は、CPUやメモリを主体とするコントローラ100(制御手段に相当する)に接続され、加工中におけるカムロブ部61の回転位置、シュー押付け力Pを可変とする偏心回転体35の回転位置、および、オシレーションを付与する偏心回転体51の回転位置に関する検出信号がそれぞれコントローラ100に入力される。ワーク回転速度Vwを定める主軸モータM1の回転速度、および、オシレーション速度Voを定めるオシレーション用モータM2の回転速度に関する検出信号のそれぞれもコントローラ100に入力される。コントローラ100は、ロータリエンコーダS1からのカムロブ部61の回転位置に関する信号に基づいて、カムロブ部61のいずれの部位が加工中であるかを判断する。そして、コントローラ100は、加工中の部位に応じて、シュー押付け力P、ワーク回転速度Vw、および、オシレーション速度Voのうちの少なくとも1つを可変制御する。
シュー押付け力Pを変更する場合の制御は次のとおりである。図11(A)に示すように、コントローラ100は、カムロブ部61のイベント部b1、b2を加工するときのシュー押付け力Pが、他の部位を加工するときのシュー押付け力Pに比べて大きくなるように、偏心回転体35や押付け用モータM4などを含む調整手段31の作動を制御する。
具体的には、コントローラ100は、回転しているカムロブ部61が初期位置に至ったときに偏心回転体35の偏心角θeが0度となり、カムロブ部61が回転してシュー21がイベント部b1、b2に接触している間に偏心角θeが180度となり、カムロブ部61がさらに回転して反転位置に至ったときに偏心角θeが360度となるように、押付け用モータM4の回転を制御する制御信号を当該モータM4に出力する。偏心角θeが180度になるとシュー押付け力Pが最大となるので(図7参照)、カムロブ部61のイベント部b1、b2を加工するときのシュー押付け力Pが、他の部位を加工するときのシュー押付け力Pに比べて大きくなる。
図11(B)に2点鎖線で示すように、ラッピング加工中におけるシュー押付け力Pを一定とした対比例の場合にはイベント部b1、b2での接触面圧の低下が著しい。これに対して、シュー押付け力Pを上記のように制御すると、図11(B)に実線で示すように、イベント部b1、b2での接触面圧が高くなる。したがって、カムロブ部61の加工面における単位周長当たりの加工量の不均一さが改善され、加工面の面粗度、特にイベント部b1、b2の面粗度の低下が抑えられる。
ワーク回転速度Vwを変更する場合の制御は次のとおりである。図12(A)に示すように、コントローラ100は、カムロブ部61のイベント部b1、b2を加工するときのワーク回転速度Vwが、他の部位を加工するときのワーク回転速度Vwに比べて遅くなるように、主軸モータM1などを含む回転駆動ユニット40の作動を制御する。
具体的には、コントローラ100は、回転しているカムロブ部61が初期位置に至ったときにワーク回転速度Vwが通常速度となり、カムロブ部61が回転してシュー21がイベント部b1、b2に接触している間にワーク回転速度Vwが通常速度よりも遅い低速速度となり、カムロブ部61がさらに回転して反転位置に至ったときにワーク回転速度Vwが通常速度となるように、主軸モータM1の回転速度を制御する制御信号を当該主軸モータM1に出力する。
ラッピング加工中におけるワーク回転速度Vwを一定とした場合には、イベント部b1、b2の周速がベース部dの周速よりも速くなり、イベント部b1、b2におけるフィルム11との接触時間がベース部dにおけるフィルム11との接触時間よりも短くなる。これに対して、ワーク回転速度Vwを上記のように制御すると、イベント部b1、b2を加工するときの当該イベント部b1、b2の周速が遅くなり、イベント部b1、b2におけるフィルム11との接触時間が長くなる。したがって、カムロブ部61の加工面における単位周長当たりの加工量の不均一さが改善され、加工面の面粗度、特にイベント部b1、b2の面粗度の低下が抑えられる。
なお、図示した制御例では、トップ部aにおけるフィルム11との接触時間を積極的に長くはしていない。これは、トップ部aでの接触面圧がもともと高く(図11(B)参照)、トップ部aの面粗度は要求される面粗度を満足しているからである。但し、トップ部aの面粗度をより一層高めるために、トップ部aを加工するときのワーク回転速度Vwがベース部dを加工するときのワーク回転速度Vwに比べて遅くなるように、主軸モータM1の回転速度を制御してもよい。
オシレーション速度Voを変更する場合の制御は次のとおりである。図12(B)に示すように、コントローラ100は、カムロブ部61のイベント部b1、b2を加工するときのオシレーション速度Voが、他の部位を加工するときのオシレーション速度Voに比べて速くなるように、モータなどを含むオシレーションユニット50の作動を制御する。
具体的には、コントローラ100は、回転しているカムロブ部61が初期位置に至ったときにオシレーション速度Voが通常速度(例えば、10Hz)となり、カムロブ部61が回転してシュー21がイベント部b1、b2に接触している間にオシレーション速度Vo度が通常速度よりも速い高速速度(例えば、15Hz)となり、カムロブ部61がさらに回転して反転位置に至ったときにオシレーション速度Voが通常速度となるように、オシレーション用モータM2の回転速度を制御する制御信号を当該オシレーション用モータM2に出力する。
ラッピング加工中におけるオシレーション速度Voを一定とした場合には、フィルム11の一の砥粒に着目して見れば、加工面に対して作用する距離は同じとなる。これに対して、オシレーション速度Voを上記のように制御すると、イベント部b1、b2においては、一の砥粒が加工面に対して作用する距離が長くなり、作用砥粒数が増大し、単位時間あたりの除去量が増大する。したがって、カムロブ部61の加工面における単位周長当たりの加工量の不均一さが改善され、加工面の面粗度、特にイベント部b1、b2の面粗度の低下が抑えられる。
なお、シュー押付け力P、ワーク回転速度Vwおよびオシレーション速度Voを可変制御する際の変化率は、ワーク形状、ベースとなる加工条件(シュー押付け力、ワーク回転速度およびオシレーション速度の各ベース値)、要求される面粗度などによって変化するので、一義的に決まるものではなく、トライアンドエラーによって最終的な変化率を決定している。
次に、本実施形態の作用を、シュー押付け力Pを変更する制御を行う場合を例に挙げて説明する。
まず、ヘッドストック42とテールストック46との間にカムシャフト60を支持し、カムロブ部61の位置に上下のアーム22、23を移動する。このとき、流体圧シリンダ25は、ピストンロッド26を収縮しており、上アーム22および下アーム23を開位置に保持している。この後、流体圧シリンダ25を作動させてピストンロッド26を伸張し、上下のアーム22、23を閉じる方向に回動する。この閉回動によりラッピングフィルム11は、カムロブ部61の加工面上にセットされる。
上下のアーム22、23を開回動している間に、モータM3を作動して巻取りリール16を回転する。ラッピングフィルム11は、所定量移動し、新規な砥粒面が加工面上にセットされるようになる。その後、供給リール15近傍に設けられたロック装置をロックして、巻取りリール16を回転すると、ラッピングフィルム11に所定のテンションが付与される。次いで、巻取りリール16近傍のロック装置をロックすると、テンションが付与され弛みのない状態のラッピングフィルム11となる。
カムロブ部61をクランプした状態では、シュー押付けユニット30の偏心回転体35は初期位置(偏心角θe=0度)にあり、両シュー21は、ワーククランプ用バネ33の弾発力が付勢されている。この弾発力により、両シュー21は、カムロブ部61に向けて押付けられ、ラッピングフィルム11の砥粒面が加工面に押付けられる。
そして、オシレーションユニット50を作動させてカムシャフト60に軸方向に沿うオシレーションを付与しつつ、回転駆動ユニット40を作動させてカムシャフト60を軸中心で回転すると、シュー21を保持したシューケース28が凹部27の中でカムロブ部61の回転に倣って進退移動しながら、カムロブ部61の加工面がラッピング加工される。
この加工中においては、ロータリエンコーダS1は、カムロブ部61の回転位置を検出し、コントローラ100は、加工中におけるカムロブ部61の回転位置に応じて、シュー押付け力Pを可変制御する。すなわち、シュー21がイベント部b1、b2に接触している間に偏心回転体35の偏心角θeが180度となるように押付け用モータM4の作動を制御し、イベント部b1、b2を加工するときのシュー押付け力Pを、他の部位を加工するときのシュー押付け力Pに比べて大きくしている(図11(A))。
したがって、イベント部b1、b2での接触面圧が高められる結果(図11(B))、カムロブ部61の加工面における単位周長当たりの加工量が均一化され、もって、イベント部b1、b2の面粗度の低下を抑えて、加工面の加工品質の一つである面粗度が均質化する。
カムシャフト60は、多数のカムロブ部61を有しているが、ラッピング加工は、これらカムロブ部61に対し一斉に行なわれる。ラッピング加工が完了すると、流体圧シリンダ25を作動させてピストンロッド26を収縮し、上下のアーム22、23を開く方向に回動し、カムシャフト60を取り出し可能な状態とする。カムシャフト60を取り出した後、他のカムシャフト60をセットすれば、同様のラッピング加工を開始することができる。
シュー押付け力Pを変更する制御に代えて、ワーク回転速度Vwを変更する制御を行う場合の作用は次のとおりである。
ラッピング加工中においては、ロータリエンコーダS1は、カムロブ部61の回転位置を検出し、コントローラ100は、加工中におけるカムロブ部61の回転位置に応じて、ワーク回転速度Vwを可変制御する。すなわち、シュー21がイベント部b1、b2に接触している間にワーク回転速度Vwが低速速度となるように主軸モータM1の作動を制御し、イベント部b1、b2を加工するときのワーク回転速度Vwを、他の部位を加工するときのワーク回転速度Vwに比べて遅くしている(図12(A))。
したがって、イベント部b1、b2におけるフィルム11との接触時間が長くなる結果、カムロブ部61の加工面における単位周長当たりの加工量が均一化され、もって、イベント部b1、b2の面粗度の低下を抑えて、加工面の面粗度が均質化する。
シュー押付け力Pやワーク回転速度Vwを変更する制御に代えて、オシレーション速度Voを変更する制御を行う場合の作用は次のとおりである。
ラッピング加工中においては、ロータリエンコーダS1は、カムロブ部61の回転位置を検出し、コントローラ100は、加工中におけるカムロブ部61の回転位置に応じて、オシレーション速度Voを可変制御する。すなわち、シュー21がイベント部b1、b2に接触している間にオシレーション速度Voが高速速度となるようにオシレーション用モータM2の作動を制御し、イベント部b1、b2を加工するときのオシレーション速度Voを、他の部位を加工するときのオシレーション速度Voに比べて速くしている(図12(B))。
したがって、イベント部b1、b2での作用砥粒数が増大される結果、カムロブ部61の加工面における単位周長当たりの加工量が均一化され、もって、イベント部b1、b2の面粗度の低下を抑えて、加工面の面粗度が均質化する。
以上説明したように、上述した第1の実施形態のラッピング加工装置1によれば、ラッピングフィルム11と、シュー21と、シュー21をワークWに向けて押付けてラッピングフィルム11の砥粒面をワークWに押付けるシュー押付けユニット30と、ワークWを回転駆動する回転駆動ユニット40と、ワークWに当該ワークWの軸線方向に沿うオシレーションを付与するオシレーションユニット50と、ワークWの回転位置を検出するロータリエンコーダS1と、加工中におけるワークWの回転位置に応じて、シュー押付け力P、ワーク回転速度Vw、および、オシレーション速度Voのうちの少なくとも1つを可変制御するコントローラ100と、を有し、ワークWの加工面における単位周長当たりの加工量を均一化するようにしたので、断面非真円の円弧状の加工面を有するワークWであっても、加工面の面粗度を均質化し得るという効果を奏する。また、ワークWの加工面における単位周長当たりの加工量を均一化できるということは、加工面上のある特定の部位における面粗度などの加工品質を改善するためだけに、さらなる加工時間を掛ける必要がないことを意味する。したがって、ワークWの回転位置に応じて、シュー押付け力Pを高めたり、オシレーション速度Voを速くしたりする場合はもちろんのこと、ワーク回転速度VwをワークWの回転位置に応じて遅くする制御を行う場合も含めて、トータル的な加工時間の短縮を図ることが可能となる。
また、ワークWの加工面は、カムシャフト60におけるカムロブ部61の外周面であるので、カムロブ部61の加工面における単位周長当たりの加工量の均一化を図ることができ、もって、カムロブ部61の加工面の面粗度を均質化し、カムロブ部61の加工時間の短縮をも図り得るという効果を奏する。
また、シュー押付けユニット30はシュー押付け力Pを調整する調整手段31を含み、コントローラ100は、カムロブ部61のイベント部b1、b2を加工するときのシュー押付け力Pが、他の部位を加工するときのシュー押付け力Pに比べて大きくなるように、調整手段31の作動を制御するので、イベント部b1、b2での接触面圧が高められる結果、イベント部b1、b2の面粗度の低下を抑えて、カムロブ部61の加工面の面粗度を均質化できるという効果を奏する。
また、コントローラ100は、カムロブ部61のイベント部b1、b2を加工するときのワーク回転速度Vwが、他の部位を加工するときのワーク回転速度Vwに比べて遅くなるように、回転駆動ユニット40の作動を制御するので、イベント部b1、b2におけるラッピングフィルム11との接触時間が長くなる結果、イベント部b1、b2の面粗度の低下を抑えて、カムロブ部61の加工面の面粗度を均質化できるという効果を奏する。
また、コントローラ100は、カムロブ部61のイベント部b1、b2を加工するときのオシレーション速度Voが、他の部位を加工するときのオシレーション速度Voに比べて速くなるように、オシレーションユニット50の作動を制御するので、イベント部b1、b2での作用砥粒数が増大される結果、イベント部b1、b2の面粗度の低下を抑えて、カムロブ部61の加工面の面粗度を均質化できるという効果を奏する。
また、シュー21は、首振り自在に保持され、ラッピングフィルム11を介してワークWの加工面に複数箇所で当接する凹状先端部を有する凹シュー21であるので、ワークWを安定的に回転させて安定的なラッピング加工が可能で、加工品質の向上を図ることができるという効果を奏する。
また、ラッピングフィルム11は、非伸縮性でかつ変形可能であるので、断面非真円の円弧状の加工面を有するワークWに対して、好適なラッピング加工を行い得る。
また、第1の実施形態のラッピング加工装置1は、ワークWの回転位置をロータリエンコーダS1により検出し、加工中におけるワークWの回転位置に応じて、シュー押付け力P、ワーク回転速度Vw、および、オシレーション速度Voのうちの少なくとも1つを可変制御し、ワークWの加工面における単位周長当たりの加工量を均一化するラッピング加工方法を具現化したものであり、上述したように、断面非真円の円弧状の加工面を有するワークWであっても、加工面の面粗度を均質化し得るという効果を奏し、また、トータル的な加工時間の短縮を図ることが可能となる。
(第1の実施形態の改変例)
加工中におけるワークWの回転位置に応じて、シュー押付け力P、ワーク回転速度Vw、および、オシレーション速度Voのうちのいずれか1つを可変制御する実施形態について説明したが、本発明はこの場合に限られるものではない。例えば、シュー押付け力Pの可変制御とワーク回転速度Vwの可変制御とを組み合わせた形態、シュー押付け力Pの可変制御とオシレーション速度Voの可変制御とを組み合わせた形態、ワーク回転速度Vwの可変制御とオシレーション速度Voの可変制御とを組み合わせた形態、シュー押付け力P、ワーク回転速度Vwおよびオシレーション速度Voのすべての可変制御を組み合わせた形態とすることもできる。
また、ワークWの加工面はカムシャフト60のカムロブ部61に限定されるものでもなく、断面非真円の円弧状の加工面を有する限りにおいて、他の種々のワークWに適用できることはいうまでもない。
また、シュー押付け手段30やそれに含まれる調整手段31として、ワーククランプ用バネ33、偏心回転体35、押付け用モータM4などを使用した形態を例示したが、これに限定されるものではなく、適宜改変可能である。例えば、空気圧などにより作動する流体圧シリンダを用いて、シュー21をワークWに向けて押付けて、ラッピングフィルム11の砥粒面をワークWに押付けてもよい。この場合には、流体圧シリンダに供給する空気圧を調整したり、電磁弁で切り換えたりすることによって、シュー押付け力Pを調整すればよい。
また、図示例の回転駆動ユニット40では主軸モータM1の回転速度を変えてワーク回転速度Vwを可変制御しているが、主軸モータM1の出力軸と主軸41との間に配置した変速ギアのギア比を変えてワーク回転速度Vwを可変制御してもよい。
また、図示例のオシレーションユニット50ではテーブル49にオシレーションを付与してワークWにオシレーションを付与しているが、ワークWを支持する主軸41にオシレーションを付与してもよい。また、ワークWにオシレーションを付与する場合に限られず、ラッピングフィルム11にオシレーションを付与したり、ワークWおよびラッピングフィルム11の両者にオシレーションを付与したりしてもよい。
また、シューとして凹シュー21を例示したが、先端部が凸状円弧となった凸シューを使用する場合にも、本発明を適用できる。
(第2の実施形態)
図13は、本発明の第2の実施形態に係るラッピング加工装置1aの要部を示す断面図である。なお、第1の実施形態のラッピング加工装置1の部材と共通する部材には同一の符号を付し、その説明は一部省略する。以下では、図13を参照して上アーム22の要部を説明するが、図4に示したように下アーム23についても同様に構成されている。
第2の実施形態は、加工中におけるワークWの回転位置に応じてシュー押付け力Pを可変制御する点で第1の実施形態と同じであるが、シュー押付けユニット30に含まれる調整手段31の構成を改変し、シュー押付け力Pを可変制御する際の応答性ないし追従性をさらに高めた点で、第1の実施形態と相違している。
ラッピング加工装置1aは、図1に示したラッピング加工装置1と同様に、ラッピングフィルム11と、シュー21と、シュー21を押付けてラッピングフィルム11の砥粒面をワークWに押付けるシュー押付けユニット30(図13参照)と、回転駆動ユニット40と、オシレーションユニット50と、を有している。シュー押付けユニット30は、上下のアーム22、23の先端部のそれぞれに配置されている。また、シュー押付けユニット30は、シュー押付け力Pを調整する調整手段31を含んでいる。
図13に示すように、上アーム22の凹部27の中に、シュー121を保持したシューケース128がワークWに対して進退移動自在に収納されている。シューケース128は、その外側面が凹部27の内側面にガイドされながら移動する。シュー121は、シューケース128の中空部128a内に、揺動ピン129を介して首振り自在に保持されている。
ところで、シュー121をカムロブ部61に向けて押付ける方向の力p1のみを制御しても、ワークWの回転位置に応じて、シュー押付け力Pを可変制御することは可能である。しかしながら、シュー121を押付けるためには比較的大きな力を要する。このことから、シュー121をカムロブ部61に向けて押付ける方向の力p1のみを制御する場合には、十分な応答性ないし追従性を得るための機構やその制御が複雑になる虞がある。
本願発明者らは、シュー121をカムロブ部61に向けて押付ける方向の力p1と、この力p1を弱める力p2とを組み合わせ、相反する方向の力p1、p2をシュー121に作用させつつシュー押付け力Pを調整すれば、簡単な機構や制御により、ワークWの回転位置に応じてシュー押付け力Pを可変制御する際の応答性ないし追従性を高めることができ、ワークWの回転位置に応じた最適なシュー押付け力Pでシュー121を押付け得ることを見出した。
そこで、第2の実施形態における調整手段31は、シュー121をカムロブ部61に向けて押付ける方向の力p1をシュー121に付勢する第1付勢手段130と、シュー121をカムロブ部61から離反させる方向の力p2をシュー121に付勢する第2付勢手段140と、を含んでいる。
第1と第2の付勢手段130、140の構成および組み合わせは特に限定されないが、例えば、第1付勢手段130は流体圧力を作用させる部材を含み、第2付勢手段140は電磁石の吸引力を作用させる部材を含んでいることが好ましい。
第1と第2の付勢手段130、140をこのような構成および組み合わせとした理由は次のとおりである。電磁石は、電磁コイルに印加する電流値を大きくしたり小さくしたりするだけで、吸引力の強弱を簡単に制御でき、吸引力の可変制御の応答性も高い。しかしながら、電磁石の吸引力のみでシュー押付け力Pとして必要な大きい力を得るためには、電磁コイルが大型化し、消費電力が大きくなってしまう。一方、流体圧力を利用する場合には、供給する流体圧力を調整することで、シュー押付け力Pとして必要な大きい力を簡単に得ることができる。したがって、流体圧力を作用させる部材を含む第1付勢手段130と、電磁石の吸引力を作用させる部材を含む第2付勢手段140とを組み合わせることが、消費電力の増大を抑えつつ、シュー押付け力Pとして必要な大きい力を可変制御する際の応答性を高める上で好適だからである。
上記観点より、第2の実施形態では、第1付勢手段130は、油圧あるいは空気圧などにより作動する流体圧シリンダ131を含み、第2付勢手段140は、電磁石装置141を含んでいる。流体圧シリンダ131が流体圧力を作用させる部材に相当し、電磁石装置141が電磁石の吸引力を作用させる部材に相当する。
流体圧シリンダ131は、上アーム22に取り付けられた電磁石装置141に保持されている。ピストンロッド132の先端は、シューケース128に設けられた凸部128bにピン連結されている。ピストンロッド132は、アーム22の貫通孔22a内に収納されている。流体圧シリンダ131には、供給する流体圧を調整するための圧力調整器133が接続されている。流体圧シリンダ131に供給する流体圧を圧力調整器133で調整することにより、シュー121をカムロブ部61に向けて押付ける方向の力p1の強さが調整される。
電磁石装置141は、電磁コイル142を含む電磁石143と、電磁石143に隙間を介して対向しピストンロッド132に固定された可動板144と、電磁石143を保持するとともに上アーム22に取り付けられるケース145と、を有している。電磁石143およびケース145に設けた貫通孔内に、ピストンロッド132が進退移動自在に挿通されている。可動板144は、電磁石143の両側のうち、シュー121の側に配置されている。したがって、電磁石143の吸引力により可動板144を吸引すると、ピストンロッド132は、シュー121をカムロブ部61から離反させる方向に、吸引力に応じた微小量だけ移動する。電磁石装置141には、電磁コイル142に印加する電流値を調整するための電流調整器146が接続されている。電磁コイル142に印加する電流値を電流調整器146で調整することにより、シュー121をカムロブ部61から離反させる方向の力p2の強さが調整される。
電磁石143での消費電力を節減するためには、電磁石143の吸引力により動かされる部品が軽量であることが好ましい。このため、シュー121およびシューケース128を、例えばアルミニウムなどの密度の小さい材料から形成してある。さらに、図示するように、シュー121は中空形状を有していることが好ましい。シュー121のさらなる軽量化を通して、電磁石143での消費電力の節減を一層図ることができるからである。
第2の実施形態のラッピング加工装置1aにあっては、ロータリエンコーダS1でカムロブ部61の回転位置を検出し、加工中におけるカムロブ部61の回転位置に応じて、シュー押付け力Pを可変制御し、カムロブ部61の加工面における単位周長当たりの加工量を均一化するようにしてある。
上記の制御について、図14、図15を参照しつつ説明する。図14は、第2の実施形態に係るラッピング加工装置1aの制御系を示す概略ブロック図、図15(A)(B)は、加工中におけるカムロブ部61の回転位置に応じてシュー押付け力Pを可変制御するために、第1付勢手段130に含まれる流体圧シリンダ131が付勢する力p1および第2付勢手段140に含まれる電磁石装置141に印加する電流値Iを可変制御する一例を示す図である。第1の実施形態の制御系と共通する部材には同一の符号を付し、その説明は一部省略する。
なお、説明の便宜上、カムロブ部61のトップ部aが上方に、ベース部dが下方に位置する図13に示される正立した位置をカムロブ部61の初期位置とし、この位置からカムロブ部61が180度回転して、トップ部aが下方に、ベース部dが上方に位置する倒立した位置をカムロブ部61の反転位置とする。
図14を参照して、ロータリエンコーダS1、S2、S3は、コントローラ100(制御手段に相当する)に接続され、加工中におけるカムロブ部61の回転位置や、オシレーションを付与する偏心回転体51の回転位置に関する検出信号などがそれぞれコントローラ100に入力される。コントローラ100は、ロータリエンコーダS1からのカムロブ部61の回転位置に関する信号に基づいて、カムロブ部61のいずれの部位が加工中であるかを判断する。そして、コントローラ100は、加工中の部位に応じて、シュー押付け力Pを可変制御する。
シュー押付け力Pを変更する制御は、第1の実施形態と同様であり、コントローラ100は、カムロブ部61のイベント部b1、b2を加工するときのシュー押付け力Pが、他の部位を加工するときのシュー押付け力Pに比べて大きくなるように(図11(A)参照)、第1と第2の付勢手段130、140を含む調整手段31の作動を制御する。
第2の実施形態では、第1付勢手段130に含まれる流体圧シリンダ131は、シュー121をカムロブ部61に向けて押付ける方向の力p1をシュー121に付勢し、第2付勢手段140に含まれる電磁石装置141は、シュー121をカムロブ部61から離反させる方向の力p2をシュー121に付勢している。コントローラ100は、流体圧シリンダ131および電磁石装置141のそれぞれの作動を制御することで、力p1と力p2との合成によって定まるシュー押付け力Pを可変制御する。
具体的には、図15(A)に示すように、コントローラ100は、回転しているカムロブ部61が初期位置に至ったときに力p1が小さくなり、カムロブ部61が回転してシュー121がイベント部b1、b2に接触している間に力p1が大きくなり、カムロブ部61がさらに回転して反転位置に至ったときに力p1が小さくなるように、流体圧を調整する制御信号を圧力調整器133に出力する。
さらに、図15(B)に示すように、コントローラ100は、回転しているカムロブ部61が初期位置に至ったときに力p2が大きくなり、カムロブ部61が回転してシュー121がイベント部b1、b2に接触している間に力p2が小さくなり、カムロブ部61がさらに回転して反転位置に至ったときに力p2が大きくなるように、電流値Iを調整する制御信号を電流調整器146に出力する。力p2を大きくするためには電流値Iを大きくし、力p2を小さくするためには電流値Iを小さくする。
カムロブ部61のイベント部b1、b2を加工するときには、シュー121をカムロブ部61に向けて押付ける方向の力p1が大きくなる一方、シュー121をカムロブ部61から離反させる方向の力p2が小さくなるので、力p1と力p2との合成によって定まるシュー押付け力Pが、他の部位を加工するときのシュー押付け力Pに比べて大きくなる(図11(A)参照)。
シュー押付け力Pを上記のように制御すると、イベント部b1、b2での接触面圧が高くなる(図11(B)の実線を参照)。したがって、カムロブ部61の加工面における単位周長当たりの加工量の不均一さが改善され、加工面の面粗度、特にイベント部b1、b2の面粗度の低下が抑えられる。
また、シュー121をカムロブ部61に向けて押付ける方向の力p1と、この力を弱める力p2とを組み合わせ、相反する方向の力p1、p2をシュー121に作用させつつシュー押付け力Pを調整しているため、簡単な機構や制御により、ワークWの回転位置に応じてシュー押付け力Pを可変制御する際の応答性ないし追従性を高めることができる。したがって、ワークWの回転位置に応じた最適なシュー押付け力Pでシュー121を押付けることができ、カムロブ部61の加工面の面粗度を一層均質化できる。
さらに、シュー押付け力Pを可変制御する際の応答性が高いことから、ワーク回転速度Vwを速くでき、これを通して、加工時間の短縮を図ることも可能となる。
電磁石143は、電磁コイル142に印加する電流値Iを大きくしたり小さくしたりするだけで、吸引力の強弱を簡単に制御でき、吸引力の可変制御の応答性も高い。このことから、例えば、ワークWの形状が変わったり、要求される面粗度が変わったりした場合でも、印加する電流値Iの値や、電流値を変化させるパターンなどを変更するだけで簡単に対処することができる。また、シュー押付け力Pの可変制御の微調整も簡単に行うことが可能である。
以上説明したように、上述した第2の実施形態のラッピング加工装置1aによっても、第1の実施形態と同様に、シュー押付けユニット30はシュー押付け力Pを調整する調整手段31を含み、コントローラ100は、カムロブ部61のイベント部b1、b2を加工するときのシュー押付け力Pが、他の部位を加工するときのシュー押付け力Pに比べて大きくなるように、調整手段31の作動を制御するので、イベント部b1、b2での接触面圧が高められる結果、イベント部b1、b2の面粗度の低下を抑えて、カムロブ部61の加工面の面粗度を均質化できるという効果を奏する。
ここで、調整手段31は、シュー121をカムロブ部61に向けて押付ける方向の力p1をシュー121に付勢する第1付勢手段130と、シュー121をカムロブ部61から離反させる方向の力p2をシュー121に付勢する第2付勢手段140と、を含んでいるので、相反する方向の力p1、p2をシュー121に作用させつつシュー押付け力Pを調整でき、簡単な機構や制御により、シュー押付け力Pを可変制御する際の応答性ないし追従性を高めることができる。したがって、ワークWの回転位置に応じた最適なシュー押付け力Pでシュー121を押付けることができ、カムロブ部61の加工面の面粗度を一層均質化できる。
また、第1付勢手段130は流体圧力を作用させる部材(流体圧シリンダ131)を含み、第2付勢手段140は電磁石143の吸引力を作用させる部材(電磁石装置141)を含んでいるので、消費電力の増大を抑えつつ、シュー押付け力Pとして必要な大きい力を可変制御する際の応答性を高めることができる。
また、シュー121は中空形状を有しているので、シュー121の軽量化を通して、電磁石143での消費電力の節減を一層図ることができる。
(第2の実施形態の改変例)
相反する方向の力p1、p2をシュー121に付勢する第1と第2の付勢手段130、140の両者の作動を制御してシュー押付け力Pを可変制御する形態を示したが、本発明はこの場合に限定されるものではない。例えば、第1付勢手段130または第2付勢手段140のいずれか一方の作動のみを制御して、力p1と力p2との合成によって定まるシュー押付け力Pを可変制御しても良い。
本発明は、ワークの加工面をフィルムラッピング加工する用途に適用できる。
本発明の第1の実施形態に係るラッピング加工装置を示す概略構成図である。 ラッピング加工装置に開閉自在に設けられた上下のアームの閉状態を示す概略断面図である。 上下のアームの開状態を示す概略断面図である。 ラッピング加工装置の要部を示す断面図である。 オシレーションに伴なうカムシャフト位置の説明に供する図である。 シュー押付けユニットの構成と等価の構成を示す概念図である。 シュー押付け力の変化の説明に供する図である。 図8(A)は、ラッピング加工されるワークとしてのカムシャフトの一例を示す斜視図、図8(B)は、カムシャフトのカムロブ部における各部位の説明に供する図である。 図9(A)は、カムロブ部の軸心(回転中心)から加工面までの半径を示す図、図9(B)は、カムロブ部の加工面における曲率半径を示す図である。 第1の実施形態に係るラッピング加工装置の制御系を示す概略ブロック図である。 図11(A)は、加工中におけるカムロブ部の回転位置に応じて、シュー押付け力を可変制御する一例を示す図、図11(B)は、カムロブ部の各部位での接触面圧を示す図である。 図12(A)は、加工中におけるカムロブ部の回転位置に応じて、ワーク回転速度を可変制御する一例を示す図、図12(B)は、加工中におけるカムロブ部の回転位置に応じて、オシレーション速度を可変制御する一例を示す図である。 本発明の第2の実施形態に係るラッピング加工装置の要部を示す断面図である。 第2の実施形態に係るラッピング加工装置の制御系を示す概略ブロック図である。 図15(A)(B)は、加工中におけるカムロブ部の回転位置に応じてシュー押付け力を可変制御するために、第1付勢手段に含まれる流体圧シリンダが付勢する力および第2付勢手段に含まれる電磁石装置に印加する電流値を可変制御する一例を示す図である。
符号の説明
1 ラッピング加工装置、
1a ラッピング加工装置、
11 ラッピングフィルム、
21 シュー、凹シュー、
28 シューケース、
30 シュー押付けユニット(シュー押付け手段)、
31 調整手段、
32 連結ロッド、
33 ワーククランプ用バネ、
34 押圧ロッド、
35 偏心回転体、
40 回転駆動ユニット(回転駆動手段)、
50 オシレーションユニット(オシレーション手段)、
60 カムシャフト(ワーク)、
61 カムロブ部、
100 コントローラ(制御手段)、
121 シュー、
128 シューケース、
130 第1付勢手段、
131 流体圧シリンダ(流体圧力を作用させる部材)、
132 ピストンロッド、
133 圧力調整器、
140 第2付勢手段、
141 電磁石装置(電磁石の吸引力を作用させる部材)、
142 電磁コイル、
143 電磁石、
144 可動板、
146 電流調整器、
P シュー押付け力、
Vw ワーク回転速度、
Vo オシレーション速度、
p1 シューをカムロブ部に向けて押付ける方向の力、
p2 シューをカムロブ部から離反させる方向の力、
b1、b2 カムロブ部のイベント部、
M1 主軸モータ、
M2 オシレーション用モータ、
M4 押付け用モータ、
S1 ロータリエンコーダ(検出手段)、
S2、S3、S4 ロータリエンコーダ、
W 断面非真円の円弧状の加工面を有するワーク。

Claims (11)

  1. 断面非真円の円弧状の加工面を有するワークに対してラッピング加工を施すラッピング加工装置であって、
    薄肉基材の一面に砥粒が設けられたラッピングフィルムと、
    前記ラッピングフィルムの背面側に配置されたシューと、
    前記シューをワークに向けて押付けて、前記ラッピングフィルムの砥粒面を前記ワークに押付けるシュー押付け手段と、
    前記ワークを回転駆動する回転駆動手段と、
    前記ワークおよび前記ラッピングフィルムのうちの少なくとも一方に前記ワークの軸線方向に沿うオシレーションを付与するオシレーション手段と、
    前記ワークの回転位置を検出する検出手段と、
    加工中におけるワークの回転位置に応じて、シュー押付け力、ワーク回転速度、および、オシレーション速度のうちの少なくとも1つを可変制御する制御手段と、を有し、
    前記ワークの加工面における単位周長当たりの加工量を均一化することを特徴とするラッピング加工装置。
  2. 前記ワークの前記加工面は、カムシャフトにおけるカムロブ部の外周面であることを特徴とする請求項1に記載のラッピング加工装置。
  3. 前記シュー押付け手段は、シュー押付け力を調整する調整手段を含み、
    前記制御手段は、前記カムロブ部のイベント部を加工するときのシュー押付け力が、他の部位を加工するときのシュー押付け力に比べて大きくなるように、前記調整手段の作動を制御することを特徴とする請求項2に記載のラッピング加工装置。
  4. 前記調整手段は、前記シューを前記カムロブ部に向けて押付ける方向の力を前記シューに付勢する第1付勢手段と、前記シューを前記カムロブ部から離反させる方向の力を前記シューに付勢する第2付勢手段と、を含んでいることを特徴とする請求項3に記載のラッピング加工装置。
  5. 前記第1付勢手段は流体圧力を作用させる部材を含み、前記第2付勢手段は電磁石の吸引力を作用させる部材を含んでいることを特徴とする請求項4に記載のラッピング加工装置。
  6. 前記シューは、中空形状を有していることを特徴とする請求項5に記載のラッピング加工装置。
  7. 前記制御手段は、前記カムロブ部のイベント部を加工するときのワーク回転速度が、他の部位を加工するときのワーク回転速度に比べて遅くなるように、前記回転駆動手段の作動を制御することを特徴とする請求項2に記載のラッピング加工装置。
  8. 前記制御手段は、前記カムロブ部のイベント部を加工するときのオシレーション速度が、他の部位を加工するときのオシレーション速度に比べて速くなるように、前記オシレーション手段の作動を制御することを特徴とする請求項2に記載のラッピング加工装置。
  9. 前記シューは、首振り自在に保持され、前記ラッピングフィルムを介して前記ワークの加工面に複数箇所で当接する凹状先端部を有する凹シューであることを特徴とする請求項1に記載のラッピング加工装置。
  10. 前記ラッピングフィルムは、非伸縮性でかつ変形可能であることを特徴とする請求項1に記載のラッピング加工装置。
  11. 断面非真円の円弧状の加工面を有するワークに向けてラッピングフィルムの背面側に配置されたシューを押付けて、前記ラッピングフィルムの砥粒面を前記ワークに押付けた状態で、前記ワークを回転駆動するとともに前記ワークおよび前記ラッピングフィルムのうちの少なくとも一方に前記ワークの軸線方向に沿うオシレーションを付与しつつラッピング加工を施すラッピング加工方法であって、
    前記ワークの回転位置を検出手段により検出し、加工中におけるワークの回転位置に応じて、シュー押付け力、ワーク回転速度、および、オシレーション速度のうちの少なくとも1つを可変制御し、前記ワークの加工面における単位周長当たりの加工量を均一化することを特徴とするラッピング加工方法。
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