JP2004243439A - ラッピング加工用フィルムおよび押付け部材 - Google Patents
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Abstract
【課題】上記事情に鑑みてなされたものであり、ワークのオシレーションによる加工の不均一を防止することができるラッピング加工用フィルムを提供する。
【解決手段】本発明のラッピング加工用フィルム11は、シューによりワークに押付けられ、回転および振動を与えられた前記ワークの表面を加工するためのラッピング加工用フィルムであって、非伸縮性でかつ変形可能な薄肉基材と、前記基材上の前記ワークに押付けられる方の面において、該基材の幅方向の中央部よりも両端部において高密度に配置された砥粒80とを含んでなる。砥粒80の密度が異ならせ、特にフィルムの幅方向の両端側で密度が高くなるようにしているので、ワークの角によりフィルム両端側で砥粒80が磨耗等しても、均一にワークを加工し、真直度を高めることができる。
【選択図】 図5
【解決手段】本発明のラッピング加工用フィルム11は、シューによりワークに押付けられ、回転および振動を与えられた前記ワークの表面を加工するためのラッピング加工用フィルムであって、非伸縮性でかつ変形可能な薄肉基材と、前記基材上の前記ワークに押付けられる方の面において、該基材の幅方向の中央部よりも両端部において高密度に配置された砥粒80とを含んでなる。砥粒80の密度が異ならせ、特にフィルムの幅方向の両端側で密度が高くなるようにしているので、ワークの角によりフィルム両端側で砥粒80が磨耗等しても、均一にワークを加工し、真直度を高めることができる。
【選択図】 図5
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ラッピング加工用フィルムおよびラッピング加工用押付け部材に関し、特にワークの表面を均一に加工するためのラッピング加工用フィルムおよびラッピング加工用押付け部材に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、各種機械部品の高精度化、高能率化の要求により、加工の精密性の必要が高まっている。加工の精密性を向上するものとして、ラッピング加工用フィルムによる超仕上げ加工が注目されている。
【0003】
ラッピング加工用フィルムを用いた超仕上げ加工は、片面に砥粒が接着されたラッピング加工用フィルムを砥粒と反対側の面からシューによりワークに押付け、ワークに回転を与えると同時に、オシレーション(振動)も与えて微細な切削を行う加工である。ラッピング加工用フィルムは、ロールテープ状に形成されており、新たな加工ごとに送り出されて、加工工程に連続供給される(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
ここで、ワークに与えられるオシレーションの方向は、ラッピング加工用フィルムの幅方向である。ワークにオシレーションを与える場合、ラッピング加工用フィルムの砥粒側の表面上をワークが往復することとなり、往復するワークの角によってより早く砥粒が磨耗し、また剥離してしまう。特に、ワークの角はラッピング加工用フィルムの幅方向外側を通過するので、この部分でラッピング加工用フィルムの磨耗、剥離の進行が早い。
【0005】
この結果、ラッピング加工用フィルムの内側には多く砥粒が残り、外側に少なくなって、ラッピング加工用フィルムの内側によるワークの加工が外側よりも早く進行することとなる。したがって、ワークは、内側での加工がより早く進み、一方で外側の加工が遅いので、中凹形状に加工されてしまう。
【0006】
これでは、加工面に対して均一に加工できておらず、安定した精度を得ることができない。
【0007】
【特許文献1】
特開平7−237116号公報(図1、図2参照)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、ワークのオシレーションによる加工の不均一を防止することができるラッピング加工用フィルムおよびラッピング加工用押付け部材の提供を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1は、薄肉基材の一面に砥粒が固着されてなるラッピング加工用フィルムであって、前記砥粒は、前記基材の幅方向の中央部よりも両端部において高密度に配置されてなるラッピング加工用フィルムである。
【0010】
さらに、本発明の第2は、回転および振動が与えられるワークの表面に、片面に砥粒が接着されたラッピング加工用フィルムを砥粒と反対側から前記ワークに押付ける押付け部材であって、押付け力が前記ラッピング加工用フィルムの幅方向の中央部よりも両端部において強く作用するラッピング加工用押付け部材である。
【0011】
【発明の効果】
本発明の第1によれば、ラッピング加工用フィルム上に、基材の幅方向の中央部よりも両端部において高密度に砥粒が配置されているので、ラッピング加工時のワークの振動によって該ワークの角により両端部の砥粒が脱落および磨耗しても、中央部と変わりなく均一なラッピング加工を行うことができる。
【0012】
本発明の第2によれば、押付け力がラッピング加工用フィルムの幅方向の中央部よりも両端部において強く作用するので、ラッピング加工時のワークの振動によって該ワークの角により酔う端部の砥粒が脱落および磨耗しても、両端部で強く作用する押付け力により、中央部および両端部で均等なラッピング加工を行うことができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。
【0014】
(第1の実施の形態)
最初に本発明が適用されるラッピング加工装置の概略構成について説明し、その後に本発明の特徴となる部分について説明する。
【0015】
図1は本発明が適用されるラッピング加工装置の概略構成図、図2はラッピング加工装置に開閉自在に設けられた上下のアームの閉状態を示す概略断面図、図3は上下のアームの開状態を示す概略断面図、図4はラッピング加工装置の要部を示す断面図、図11はラッピング加工されるワークとしてのカムシャフトの一例を示す斜視図である。なお、説明の便宜上、カムシャフト60の軸線方向(図1において左右方向)をX方向と定義し、X方向に対して直交する水平方向(図1において紙面に直交する方向)をY方向と定義し、X方向に対して直交する鉛直方向(図1において上下方向)をZ方向と定義する。
【0016】
図1〜図4を参照して本実施形態のラッピング加工装置1について概説すれば、非伸縮性でかつ変形可能な薄肉基材の一面に砥粒が設けられたラッピング加工用フィルム11と、ラッピング加工用フィルム11の背面側に配置されたシュー(押付け部材に相当する)21と、シュー21を押付けてラッピング加工用フィルム11の砥粒面をワークWに押付けるシュー押付けユニット30と、ワークWを回転駆動する回転駆動ユニット40と、ワークWおよびラッピング加工用フィルム11のうちの少なくとも一方にワークWの軸線方向に沿うオシレーションを付与するオシレーションユニット50と、を有し、回転するワークWにラッピング加工用フィルム11を押圧しラッピング加工を施している。前記シュー押付けユニット30は、シュー押付け力Pを調整する調整手段31を含んでいる(図4参照)。本実施形態のラッピング加工装置1は、断面非真円の円弧状の加工面を有するワークWに対してラッピング加工を施すために好適に用いられる。この種のワークWとして、図11に示すように、カムシャフト60を挙げることができ、このカムシャフト60におけるカムロブ部61の外周面が、ラッピング加工を施す加工面となる。カムロブ部61の位置に対応して、対をなす上アーム22および下アーム23が複数対配置されている(図1参照)。
【0017】
なお、本明細書における「断面非真円の円弧状」とは、回転中心から一の部位までの半径を他の部位までの半径と異ならせることを意図した円弧形状をいい、楕円形状や、図示したカムロブ部61のような卵形状が含まれることはもちろんのこと、外形は円形状であるが回転中心が円中心から偏心したものも含まれると理解されなければならない。
【0018】
以下、ラッピング加工装置1について詳述する。
【0019】
図1を参照して、前記回転駆動ユニット40は、主軸41を回転自在に支持するヘッドストック42と、主軸41の先端に連結されカムシャフト60の一端を把持するチャック43と、主軸41にベルト44を介して接続される主軸モータM1と、カムシャフト60の他端を支持するセンタ45を備えるテールストック46と、を有している。カムシャフト60は、主軸モータM1の回転動がベルト44および主軸41を介して伝達されて回転駆動される。主軸モータM1の回転速度を変えることにより、ワーク回転速度が所望の速度に設定される。主軸41には、加工中におけるワークWの回転位置を検出するロータリエンコーダS1が取り付けられている。ヘッドストック42およびテールストック46のそれぞれはY方向に沿ってスライド移動自在なテーブル47、48上に設けられ、これらテーブル47、48は、X方向に沿ってスライド移動自在なテーブル49上に配置されている。カムシャフト60をヘッドストック42とテールストック46との間にセットしたり、カムシャフト60を加工位置に移動したりするために、各テーブル47、48、49が移動される。
【0020】
前記オシレーションユニット50は、テーブル49の端面に当接する偏心回転体51と、偏心回転体51を回転駆動するオシレーション用モータM2と、を有している。オシレーションユニット50には、テーブル49の端面と偏心回転体51とを常時当接させるためにテーブル49を偏心回転体51に向けて押圧する弾発力を付勢するバネなどの弾性手段52が設けられている。オシレーション用モータM2の回転速度を変えることにより、オシレーション速度が所望の速度に設定される。オシレーションの振幅は、オシレーション用モータM2の軸心に対する偏心回転体51の偏心量に基づいて定まる。偏心量は約1mmであり、オシレーションの振幅は約2mmである。なお、偏心回転体51の偏心量は、例えば調整プレート(図示せず)の挿入枚数を変えるなどの公知の手段により調整自在となっている。
【0021】
前記ラッピング加工用フィルム11は、種々のタイプがあるが、本実施形態では、基材が非伸縮性の高い材料、例えば、板厚が25μm〜130μm程度のポリエステルなどから構成され、この基材の一面には、数μm〜200μm程度の粒径を有する多数の砥粒(具体的には、酸化アルミニウム、シリコンカーバイド、ダイアモンドなどからなる)が接着剤により取り付けられている。基材の他面には、シュー21に対する滑り止めのため、ゴムあるいは合成樹脂等からなる抵抗材料(図示せず)を取り付けるバックコーティングか、場合によっては滑り止め加工が施されている。
【0022】
図2および図3を参照して、ラッピング加工用フィルム11は、供給リール15から引き出され、上アーム22の先端に設けられた一対の第1ガイドローラR1と、上アーム22の内方位置に取り付けられている第2ガイドローラR2と、下アーム23の内方位置に取り付けられている第3ガイドローラR3と、下アーム23の先端に設けられた一対の第4ガイドローラR4などにガイドされ、巻取りリール16に巻き取られる。巻取りリール16にはモータM3が接続されている。モータM3を作動し巻取りリール16を回転すると、供給リール15からラッピング加工用フィルム11が順次繰り出される。ラッピング加工用フィルム11の繰り出し量を検出するために、巻取りリール16の軸には、回転量を検出するロータリエンコーダS3が取り付けられている。供給リール15および巻取りリール16の近傍にはロック装置(図示せず)が設けられ、このロック装置の作動によりフィルム11全体に所定のテンションが付与される。
【0023】
前記対をなす上アーム22および下アーム23は、シュー21を配置する先端部がZ方向に相対的に開閉自在なように、支持ピン24を介して回動自在に設けられている。上アーム22の後端部には、油圧あるいは空気圧などにより作動する流体圧シリンダ25の一端がピン連結され、下アーム23の後端部にはピストンロッド26の先端がピン連結されている。ピストンロッド26を収縮状態から伸張すると、上下のアーム22、23は、支持ピン24を中心として先端部が閉じる方向に回動し、図2に示す閉状態となる。一方、ピストンロッド26を伸張状態から収縮すると、上下のアーム22、23は、先端部が開く方向に回動し、図3に示す開状態となる。上下のアーム22、23の回動は、ラッピング加工用フィルム11と共に行なわれ、閉じ回動によりシュー21がラッピング加工用フィルム11を介してカムロブ部61に当接し、開き回動によりカムロブ部61とシュー21との当接を解除する。
【0024】
シュー21は、その先端部の形状から凸シューと凹シューとに分類されるが、図示する実施形態では、前記シュー21は、首振り自在に保持され、ラッピング加工用フィルム11を介してカムロブ部61の加工面に複数箇所(例えば2点)で当接する凹状先端部を有する凹シュー21である。凹シュー21は、先端部はへこ(凹)んでいるものの、ワークWとの当接面自体は断面凸状の円弧面に形成されている。凹シュー21は、フィルム11を介してではあるが、カムロブ部61の加工面とは2点での線接触となる。上下のシュー21によりカムロブ部61は4点支持されることから、当該カムロブ部61を安定的に回転させることができる。なお、本明細書では、シュー21がフィルム11を介してワークWの外周面と間接的に当接することを「接触」、シュー21がフィルム11を介してワークWの外周面と間接的に当接する面積のことを「接触面積」と略称する。
【0025】
図4にも示すように、上下のアーム22、23の先端部に形成した凹部27の中に、シュー21を保持したシューケース28がワークWに対して進退移動自在に収納されている。シューケース28は、その外側面が凹部27の内側面にガイドされながら移動する。シュー21は、シューケース28に設けた中空部28a内に、揺動ピン29を介して首振り自在に保持されている。上下の揺動ピン29はカムシャフト60の軸心Oを通る線上に位置し、シュー押付け力Pが効率的にフィルム11に作用するようにしてある。図4中の符号70は、クーラントを供給するためのノズルを示している。
【0026】
前記シュー押付けユニット30は、上下のアーム22、23の先端部のそれぞれに配置されている。シュー押付けユニット30は、先端がシューケース28に連結された連結ロッド32と、圧縮コイルバネからなるワーククランプ用バネ33と、連結ロッド32の後端との間でワーククランプ用バネ33を弾性変形させる押圧ロッド34と、押圧ロッド34の頭部に当接するカム形状の偏心回転体35と、偏心回転体35を回転駆動する押付け用モータM4と、を有している。連結ロッド32および押圧ロッド34は、アーム22、23に形成した貫通孔22a、23a内に摺動自在に収納されている。シューケース28を押付けると、当該シューケース28に保持されたシュー21が押付けられ、ラッピング加工用フィルム11の砥粒面がカムロブ部61に押付けられることになる。上述したワーククランプ用バネ33、押圧ロッド34、偏心回転体35および押付け用モータM4により、シュー押付け力Pを調整する調整手段31が構成されている。たとえば、偏心回転体35の回転停止位置を調整することで、シューの押付け力を所望の値にセットできる。
【0027】
上記モータM1、M2、M3、M4およびロータリエンコーダS1、S2、S3は、CPUやメモリを主体とするコントローラ100に接続されている。コントローラ100は、ロータリエンコーダS1、S2、S3の検出結果を監視しつつ、モータM1、M2、M3、M4を制御し、ラッピング加工装置1の加工時および加工停止時の各構成の動作を制御している。
【0028】
次に、ラッピング加工装置の構成の内、本発明の要旨となる部分に着目して説明する。本発明の要旨となるのは、(1)ラッピング加工用フィルム11と、(2)シュー21の構造であるので、以下、これらについて順に説明する。
【0029】
(1)ラッピング加工用フィルム
本発明の第1は、非伸縮性でかつ変形可能な薄肉基材の一面に砥粒が固着されてなるラッピング加工用フィルム11であって、前記砥粒は、前記基材の幅方向の中央部よりも両端部において高密度に配置されてなるラッピング加工用フィルム11である。
【0030】
図5は、本発明のラッピング加工用フィルム11の表面状態を示す該略図である。なお、図5では、砥粒の状態をより明確にするために砥粒を誇張して表現している。また、(1)の説明中におけるシュー21は(2)で後述するような特別な形状を有するものではなく、一般的に使用されているものである。
【0031】
本発明のラッピング加工用フィルム11では、砥粒80は、図5に示すようなイメージで、ラッピング加工用フィルム11の幅方向で密度を異にして配置されている。ここで、ラッピング加工用フィルム11の幅方向での中央側には、両端側の20〜95%の割合に砥粒80が配置される。このようにラッピング加工用フィルム11の幅方向の中央および両端側で配置する砥粒80の密度を変更することによって、加工後のワーク表面の真直度を調整することができる。
【0032】
図6は、中央側に配置する砥粒80の割合と、カムロブ部加工後の真直度との関係を示す図である。
【0033】
図6(A)では、真直度を調べる対象となるカムロブ部61のカムトップTを示している。カムトップTは、X方向に延びており、Z方向の歪みが真直度の歪みとなる。また図6(B)では、上から順に中央側に配置する砥粒80の密度が両端側の20%、40%、60%、80%、100%の場合の、カムトップTの形状を示している。
【0034】
図6(B)を参照すれば、中央側に配置する砥粒80の密度が両端側の20%の場合は、カムトップは大きく中凸状に加工され、一方密度が100%の場合は、従来どおり中凹状に加工されたことがわかる。そして、中央側に配置する砥粒80の密度が両端側の80%程度の場合に、カムトップTは平坦に加工されている。このことから、上記密度は特に80%程度が好ましいといえる。
【0035】
次に、ラッピング加工用フィルム11の具体的にどの範囲で砥粒80の密度を異にすればよいかについて説明する。
【0036】
図7は、本発明のラッピング加工用フィルム11がラッピング加工装置に適用された場合の様子を示す図である。
【0037】
図7に示すように、ラッピング加工装置にラッピング加工用フィルム11を用いた場合、カムロブ部61はラッピング加工用フィルム11の幅方向にオシレーションされるので、カムロブ部61の角E1は図面右側に示す両矢印の範囲を往復し、角E2は図面左側に示す両矢印の範囲を往復する。したがって、カムロブ部61の角E1およびE2により、図中の両矢印の範囲内で砥粒80の磨耗および脱落が多くなる。
【0038】
このことより、砥粒80の磨耗等を勘案して、カムロブ部61のカムトップTを均等に加工するためには、図中の両矢印で示す範囲内について、範囲外よりも砥粒80の密度を高めることが望ましい。したがって、砥粒80の密度を高くする範囲としては、ラッピング加工時にカムロブ部61の角E1およびE2が往復する範囲が適切であり、この範囲で砥粒80の密度を高くすることによって、砥粒80の磨耗等があったとしても、均一な加工を行うことができる。
【0039】
以上の範囲内について砥粒80の密度を大きくすることによって、該範囲内での砥粒80の磨耗および脱落を勘案して均一な加工を行うことができる。
【0040】
(2)シュー
本発明の第2は、回転および振動が与えられるワークWの表面に、片面に砥粒が接着されたラッピング加工用フィルム11を砥粒と反対側からワークWに押付けるシュー21(ラッピング加工用押付け部材)であって、押付け力がラッピング加工用フィルム11の幅方向の中央部よりも両端部において強く作用するシュー21である。なお、(2)の説明中におけるラッピング加工用フィルム11は、(1)で説明したようなものではなく、砥粒が均等に配置されている通常のものである。
【0041】
シュー21は、上述の通り、ラッピング加工において、ラッピング加工用フィルム11をワークWに押付けるための押付け部材である。
【0042】
図8は、本発明のシューを示す図である。
【0043】
本発明のシュー21は、図4に示すように、シューケース28に保持されて、一組でカムロブ部61の両側面から挟み込み、ラッピング加工用フィルム11を介してカムロブ部61と4箇所で接触するように形成されている。ここで、シュー21は、図8に示すように、ラッピング加工用フィルム11に向かって開口する開口部21aが設けられている。この開口部21aの幅は、カムロブ部61のオシレーションの振幅以下に形成されている。
【0044】
このシュー21を加工に適用した場合について、シュー21の作用について説明する。
【0045】
図9は、本発明のシュー21の作用を説明するための図である。
【0046】
シュー21がラッピング加工用フィルム11をカムロブ部61に押付けている間、カムロブ部61はオシレーションされており、カムロブ部61の角E3は、図面右側の両矢印の範囲を移動し、角E4は、図面左側の両矢印の範囲を移動する。したがって、これらの角E3、E4が移動する範囲内において、該角E3およびE4によるラッピング加工用フィルム11表面の砥粒の磨耗および脱落が多くなる。
【0047】
一方、シュー21は、図9に示す通り、カムロブ部61の振動方向の中央に開口部21aが設けられているので、該開口部21aの範囲ではラッピング加工用フィルム11をカムロブ部61に押付けない。つまり、開口部21aの範囲ではシュー21の押付け力が作用せず、逆に開口部21a以外の範囲(両矢印の範囲)ではシュー21の押付け力が作用する。
【0048】
したがって、オシレーションによりラッピング加工用フィルム11表面の砥粒が磨耗等して、磨耗等した部分での加工能率が低下したとしても、本発明のシュー21では開口部21aで押付け力が作用せず予め加工能率を低下させているので、結果として、開口部21aの範囲およびそれ以外の範囲で均一な加工、すなわち表面粗さを得ることができる。
【0049】
また、シュー21に形成された開口部21aの幅は、カムロブ部61のオシレーションの振幅以下に形成されているので、オシレーションによって砥粒の磨耗等が激しい部分以外の部分について、押付け力の作用を弱め、均一な加工を達成することができる。
【0050】
上記のように、シュー21に開口部21aを形成する他にも次のようなシュー21により、押付け力の作用を調節し、均一な加工を達成することができる。
【0051】
図10は、本発明の他のシュー21’の作用を説明するための図である。
【0052】
図10に示すように、シュー21’は、ラッピング加工用フィルム11を押付ける面のオシレーション方向中央に薄板部21bが形成され、薄板部より内部に中空部21cが形成されている。薄板部21bおよび中空部21cはカムロブ部61のオシレーションの振幅以下の幅を有し、薄板部21bはカムロブ部61のオシレーション方向の略中央に形成されている。
【0053】
シュー21’がラッピング加工用フィルム11を押付けている間、カムロブ部61はオシレーションされており、カムロブ部61の角E5は、図面右側の両矢印の範囲を移動し、角E6は、図面左側の両矢印の範囲を移動する。したがって、これらの角E5、E6が移動する範囲内において、該角E5およびE6によるラッピング加工用フィルム11表面の砥粒の磨耗および脱落が多くなる。
【0054】
一方、シュー21’は、図10に示す通り、カムロブ部61の振動方向の中央に薄板部21bが設けられ、内部に中空部21cが設けられているので、該薄板部21bの範囲では他の範囲よりもラッピング加工用フィルム11をカムロブ部61に押付ける押付け力が小さく作用する。つまり、薄板部21bは背後に中空部21cが設けられているので、シュー21’に与えられる押付け力が中空部21cを伝達せずに該中空部21cを避けて伝達され、この結果、薄板部21bに伝達される押付け力は小さくなる。
【0055】
したがって、オシレーションによりラッピング加工用フィルム11表面の砥粒が磨耗等して、磨耗等した部分での加工能率が低下したとしても、本発明のシュー21’では薄板部21bで押付け力が小さく作用させて予め加工能率を低下させているので、結果として、薄板部21bの範囲およびそれ以外の範囲で均一な加工、すなわち表面粗さを得ることができる。
【0056】
また、シュー21に形成された薄板部および中空部の幅は、カムロブ部61のオシレーションの振幅以下に形成されているので、オシレーションによって砥粒の磨耗等が激しい部分以外の部分について、押付け力を弱く作用させて、均一な加工を達成することができる。
【0057】
以上説明してきたように、本発明では、ラッピング加工用フィルム11上において砥粒を配置する割合を異ならせ、特に基材の幅方向の中央部よりも両端部において高密度に砥粒が配置されているので、ラッピング加工時のワークの振動によってワークの角により両端部の砥粒が脱落および磨耗しても、砥粒の磨耗等を勘案したラッピング加工を実施することができ、これにより、ワーク表面の高い真直度を達成することができる。
【0058】
本発明の第2によれば、シューに開口部21a、または、薄板部21bおよび中空部21cが設けてあり押付け力がラッピング加工用フィルムの幅方向の中央部よりも両端部において強く作用するので、ラッピング加工時のワークの振動によって該ワークの角により酔う端部の砥粒が脱落および磨耗しても、両端部で強く作用する押付け力により、中央部および両端部で均等なラッピング加工を行うことができ、これにより、ワーク表面の高い真直度を達成することができる。
【0059】
また、開口部21a、または、薄板部21bおよび中空部21cの幅がカムロブ部61のオシレーションの振幅以下に形成されているので、オシレーションによって砥粒の磨耗等が激しい部分以外の部分について、押付け力の作用を弱め、均一な加工を達成することができる。
【0060】
本発明は、特に、カムロブ部のように高度な真直度を要求されるワークの仕上げ加工に適している。しかし、カムロブ部の加工だけではなく、クランクシャフトのクランク部の加工等についても適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用されるラッピング加工装置の概略構成図である。
【図2】ラッピング加工装置に開閉自在に設けられた上下のアームの閉状態を示す概略断面図である。
【図3】上下のアームの開状態を示す概略断面図である。
【図4】ラッピング加工装置の要部を示す断面図である。
【図5】本発明のラッピング加工用フィルムの表面状態を示す該略図である。
【図6】中央側に配置する砥粒の割合と、カムロブ部加工後の真直度との関係を示す図であり、(A)はカムロブ部のカムトップを示し、(B)は中央側に配置する砥粒の密度が20%、40%、60%、80%、100%の場合のカムトップの形状を示している。
【図7】本発明のラッピング加工用フィルムがラッピング加工装置に適用された場合の様子を示す図である。
【図8】本発明のシューを示す図である。
【図9】本発明のシューの作用を説明するための図である。
【図10】本発明の他のシューの作用を説明するための図である。
【図11】ラッピング加工されるワークとしてのカムシャフトの一例を示す斜視図である。
【符号の説明】
1…ラッピング加工装置、
11…ラッピング加工用フィルム、
21、21’…シュー、凹シュー、
21a…開口部、
21b…薄板部、
21c…中空部、
28…シューケース、
30…シュー押付けユニット、
31…調整手段、
32…連結ロッド、
33…ワーククランプ用バネ、
34…押圧ロッド、
35…偏心回転体、
40…回転駆動ユニット、
50…オシレーションユニット、
60…カムシャフト(ワーク)、
61…カムロブ部、
M1…主軸モータ、
M2…オシレーション用モータ、
M4…押付け用モータ、
W…断面非真円の円弧状の加工面を有するワーク。
【発明の属する技術分野】
本発明は、ラッピング加工用フィルムおよびラッピング加工用押付け部材に関し、特にワークの表面を均一に加工するためのラッピング加工用フィルムおよびラッピング加工用押付け部材に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、各種機械部品の高精度化、高能率化の要求により、加工の精密性の必要が高まっている。加工の精密性を向上するものとして、ラッピング加工用フィルムによる超仕上げ加工が注目されている。
【0003】
ラッピング加工用フィルムを用いた超仕上げ加工は、片面に砥粒が接着されたラッピング加工用フィルムを砥粒と反対側の面からシューによりワークに押付け、ワークに回転を与えると同時に、オシレーション(振動)も与えて微細な切削を行う加工である。ラッピング加工用フィルムは、ロールテープ状に形成されており、新たな加工ごとに送り出されて、加工工程に連続供給される(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
ここで、ワークに与えられるオシレーションの方向は、ラッピング加工用フィルムの幅方向である。ワークにオシレーションを与える場合、ラッピング加工用フィルムの砥粒側の表面上をワークが往復することとなり、往復するワークの角によってより早く砥粒が磨耗し、また剥離してしまう。特に、ワークの角はラッピング加工用フィルムの幅方向外側を通過するので、この部分でラッピング加工用フィルムの磨耗、剥離の進行が早い。
【0005】
この結果、ラッピング加工用フィルムの内側には多く砥粒が残り、外側に少なくなって、ラッピング加工用フィルムの内側によるワークの加工が外側よりも早く進行することとなる。したがって、ワークは、内側での加工がより早く進み、一方で外側の加工が遅いので、中凹形状に加工されてしまう。
【0006】
これでは、加工面に対して均一に加工できておらず、安定した精度を得ることができない。
【0007】
【特許文献1】
特開平7−237116号公報(図1、図2参照)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、ワークのオシレーションによる加工の不均一を防止することができるラッピング加工用フィルムおよびラッピング加工用押付け部材の提供を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1は、薄肉基材の一面に砥粒が固着されてなるラッピング加工用フィルムであって、前記砥粒は、前記基材の幅方向の中央部よりも両端部において高密度に配置されてなるラッピング加工用フィルムである。
【0010】
さらに、本発明の第2は、回転および振動が与えられるワークの表面に、片面に砥粒が接着されたラッピング加工用フィルムを砥粒と反対側から前記ワークに押付ける押付け部材であって、押付け力が前記ラッピング加工用フィルムの幅方向の中央部よりも両端部において強く作用するラッピング加工用押付け部材である。
【0011】
【発明の効果】
本発明の第1によれば、ラッピング加工用フィルム上に、基材の幅方向の中央部よりも両端部において高密度に砥粒が配置されているので、ラッピング加工時のワークの振動によって該ワークの角により両端部の砥粒が脱落および磨耗しても、中央部と変わりなく均一なラッピング加工を行うことができる。
【0012】
本発明の第2によれば、押付け力がラッピング加工用フィルムの幅方向の中央部よりも両端部において強く作用するので、ラッピング加工時のワークの振動によって該ワークの角により酔う端部の砥粒が脱落および磨耗しても、両端部で強く作用する押付け力により、中央部および両端部で均等なラッピング加工を行うことができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。
【0014】
(第1の実施の形態)
最初に本発明が適用されるラッピング加工装置の概略構成について説明し、その後に本発明の特徴となる部分について説明する。
【0015】
図1は本発明が適用されるラッピング加工装置の概略構成図、図2はラッピング加工装置に開閉自在に設けられた上下のアームの閉状態を示す概略断面図、図3は上下のアームの開状態を示す概略断面図、図4はラッピング加工装置の要部を示す断面図、図11はラッピング加工されるワークとしてのカムシャフトの一例を示す斜視図である。なお、説明の便宜上、カムシャフト60の軸線方向(図1において左右方向)をX方向と定義し、X方向に対して直交する水平方向(図1において紙面に直交する方向)をY方向と定義し、X方向に対して直交する鉛直方向(図1において上下方向)をZ方向と定義する。
【0016】
図1〜図4を参照して本実施形態のラッピング加工装置1について概説すれば、非伸縮性でかつ変形可能な薄肉基材の一面に砥粒が設けられたラッピング加工用フィルム11と、ラッピング加工用フィルム11の背面側に配置されたシュー(押付け部材に相当する)21と、シュー21を押付けてラッピング加工用フィルム11の砥粒面をワークWに押付けるシュー押付けユニット30と、ワークWを回転駆動する回転駆動ユニット40と、ワークWおよびラッピング加工用フィルム11のうちの少なくとも一方にワークWの軸線方向に沿うオシレーションを付与するオシレーションユニット50と、を有し、回転するワークWにラッピング加工用フィルム11を押圧しラッピング加工を施している。前記シュー押付けユニット30は、シュー押付け力Pを調整する調整手段31を含んでいる(図4参照)。本実施形態のラッピング加工装置1は、断面非真円の円弧状の加工面を有するワークWに対してラッピング加工を施すために好適に用いられる。この種のワークWとして、図11に示すように、カムシャフト60を挙げることができ、このカムシャフト60におけるカムロブ部61の外周面が、ラッピング加工を施す加工面となる。カムロブ部61の位置に対応して、対をなす上アーム22および下アーム23が複数対配置されている(図1参照)。
【0017】
なお、本明細書における「断面非真円の円弧状」とは、回転中心から一の部位までの半径を他の部位までの半径と異ならせることを意図した円弧形状をいい、楕円形状や、図示したカムロブ部61のような卵形状が含まれることはもちろんのこと、外形は円形状であるが回転中心が円中心から偏心したものも含まれると理解されなければならない。
【0018】
以下、ラッピング加工装置1について詳述する。
【0019】
図1を参照して、前記回転駆動ユニット40は、主軸41を回転自在に支持するヘッドストック42と、主軸41の先端に連結されカムシャフト60の一端を把持するチャック43と、主軸41にベルト44を介して接続される主軸モータM1と、カムシャフト60の他端を支持するセンタ45を備えるテールストック46と、を有している。カムシャフト60は、主軸モータM1の回転動がベルト44および主軸41を介して伝達されて回転駆動される。主軸モータM1の回転速度を変えることにより、ワーク回転速度が所望の速度に設定される。主軸41には、加工中におけるワークWの回転位置を検出するロータリエンコーダS1が取り付けられている。ヘッドストック42およびテールストック46のそれぞれはY方向に沿ってスライド移動自在なテーブル47、48上に設けられ、これらテーブル47、48は、X方向に沿ってスライド移動自在なテーブル49上に配置されている。カムシャフト60をヘッドストック42とテールストック46との間にセットしたり、カムシャフト60を加工位置に移動したりするために、各テーブル47、48、49が移動される。
【0020】
前記オシレーションユニット50は、テーブル49の端面に当接する偏心回転体51と、偏心回転体51を回転駆動するオシレーション用モータM2と、を有している。オシレーションユニット50には、テーブル49の端面と偏心回転体51とを常時当接させるためにテーブル49を偏心回転体51に向けて押圧する弾発力を付勢するバネなどの弾性手段52が設けられている。オシレーション用モータM2の回転速度を変えることにより、オシレーション速度が所望の速度に設定される。オシレーションの振幅は、オシレーション用モータM2の軸心に対する偏心回転体51の偏心量に基づいて定まる。偏心量は約1mmであり、オシレーションの振幅は約2mmである。なお、偏心回転体51の偏心量は、例えば調整プレート(図示せず)の挿入枚数を変えるなどの公知の手段により調整自在となっている。
【0021】
前記ラッピング加工用フィルム11は、種々のタイプがあるが、本実施形態では、基材が非伸縮性の高い材料、例えば、板厚が25μm〜130μm程度のポリエステルなどから構成され、この基材の一面には、数μm〜200μm程度の粒径を有する多数の砥粒(具体的には、酸化アルミニウム、シリコンカーバイド、ダイアモンドなどからなる)が接着剤により取り付けられている。基材の他面には、シュー21に対する滑り止めのため、ゴムあるいは合成樹脂等からなる抵抗材料(図示せず)を取り付けるバックコーティングか、場合によっては滑り止め加工が施されている。
【0022】
図2および図3を参照して、ラッピング加工用フィルム11は、供給リール15から引き出され、上アーム22の先端に設けられた一対の第1ガイドローラR1と、上アーム22の内方位置に取り付けられている第2ガイドローラR2と、下アーム23の内方位置に取り付けられている第3ガイドローラR3と、下アーム23の先端に設けられた一対の第4ガイドローラR4などにガイドされ、巻取りリール16に巻き取られる。巻取りリール16にはモータM3が接続されている。モータM3を作動し巻取りリール16を回転すると、供給リール15からラッピング加工用フィルム11が順次繰り出される。ラッピング加工用フィルム11の繰り出し量を検出するために、巻取りリール16の軸には、回転量を検出するロータリエンコーダS3が取り付けられている。供給リール15および巻取りリール16の近傍にはロック装置(図示せず)が設けられ、このロック装置の作動によりフィルム11全体に所定のテンションが付与される。
【0023】
前記対をなす上アーム22および下アーム23は、シュー21を配置する先端部がZ方向に相対的に開閉自在なように、支持ピン24を介して回動自在に設けられている。上アーム22の後端部には、油圧あるいは空気圧などにより作動する流体圧シリンダ25の一端がピン連結され、下アーム23の後端部にはピストンロッド26の先端がピン連結されている。ピストンロッド26を収縮状態から伸張すると、上下のアーム22、23は、支持ピン24を中心として先端部が閉じる方向に回動し、図2に示す閉状態となる。一方、ピストンロッド26を伸張状態から収縮すると、上下のアーム22、23は、先端部が開く方向に回動し、図3に示す開状態となる。上下のアーム22、23の回動は、ラッピング加工用フィルム11と共に行なわれ、閉じ回動によりシュー21がラッピング加工用フィルム11を介してカムロブ部61に当接し、開き回動によりカムロブ部61とシュー21との当接を解除する。
【0024】
シュー21は、その先端部の形状から凸シューと凹シューとに分類されるが、図示する実施形態では、前記シュー21は、首振り自在に保持され、ラッピング加工用フィルム11を介してカムロブ部61の加工面に複数箇所(例えば2点)で当接する凹状先端部を有する凹シュー21である。凹シュー21は、先端部はへこ(凹)んでいるものの、ワークWとの当接面自体は断面凸状の円弧面に形成されている。凹シュー21は、フィルム11を介してではあるが、カムロブ部61の加工面とは2点での線接触となる。上下のシュー21によりカムロブ部61は4点支持されることから、当該カムロブ部61を安定的に回転させることができる。なお、本明細書では、シュー21がフィルム11を介してワークWの外周面と間接的に当接することを「接触」、シュー21がフィルム11を介してワークWの外周面と間接的に当接する面積のことを「接触面積」と略称する。
【0025】
図4にも示すように、上下のアーム22、23の先端部に形成した凹部27の中に、シュー21を保持したシューケース28がワークWに対して進退移動自在に収納されている。シューケース28は、その外側面が凹部27の内側面にガイドされながら移動する。シュー21は、シューケース28に設けた中空部28a内に、揺動ピン29を介して首振り自在に保持されている。上下の揺動ピン29はカムシャフト60の軸心Oを通る線上に位置し、シュー押付け力Pが効率的にフィルム11に作用するようにしてある。図4中の符号70は、クーラントを供給するためのノズルを示している。
【0026】
前記シュー押付けユニット30は、上下のアーム22、23の先端部のそれぞれに配置されている。シュー押付けユニット30は、先端がシューケース28に連結された連結ロッド32と、圧縮コイルバネからなるワーククランプ用バネ33と、連結ロッド32の後端との間でワーククランプ用バネ33を弾性変形させる押圧ロッド34と、押圧ロッド34の頭部に当接するカム形状の偏心回転体35と、偏心回転体35を回転駆動する押付け用モータM4と、を有している。連結ロッド32および押圧ロッド34は、アーム22、23に形成した貫通孔22a、23a内に摺動自在に収納されている。シューケース28を押付けると、当該シューケース28に保持されたシュー21が押付けられ、ラッピング加工用フィルム11の砥粒面がカムロブ部61に押付けられることになる。上述したワーククランプ用バネ33、押圧ロッド34、偏心回転体35および押付け用モータM4により、シュー押付け力Pを調整する調整手段31が構成されている。たとえば、偏心回転体35の回転停止位置を調整することで、シューの押付け力を所望の値にセットできる。
【0027】
上記モータM1、M2、M3、M4およびロータリエンコーダS1、S2、S3は、CPUやメモリを主体とするコントローラ100に接続されている。コントローラ100は、ロータリエンコーダS1、S2、S3の検出結果を監視しつつ、モータM1、M2、M3、M4を制御し、ラッピング加工装置1の加工時および加工停止時の各構成の動作を制御している。
【0028】
次に、ラッピング加工装置の構成の内、本発明の要旨となる部分に着目して説明する。本発明の要旨となるのは、(1)ラッピング加工用フィルム11と、(2)シュー21の構造であるので、以下、これらについて順に説明する。
【0029】
(1)ラッピング加工用フィルム
本発明の第1は、非伸縮性でかつ変形可能な薄肉基材の一面に砥粒が固着されてなるラッピング加工用フィルム11であって、前記砥粒は、前記基材の幅方向の中央部よりも両端部において高密度に配置されてなるラッピング加工用フィルム11である。
【0030】
図5は、本発明のラッピング加工用フィルム11の表面状態を示す該略図である。なお、図5では、砥粒の状態をより明確にするために砥粒を誇張して表現している。また、(1)の説明中におけるシュー21は(2)で後述するような特別な形状を有するものではなく、一般的に使用されているものである。
【0031】
本発明のラッピング加工用フィルム11では、砥粒80は、図5に示すようなイメージで、ラッピング加工用フィルム11の幅方向で密度を異にして配置されている。ここで、ラッピング加工用フィルム11の幅方向での中央側には、両端側の20〜95%の割合に砥粒80が配置される。このようにラッピング加工用フィルム11の幅方向の中央および両端側で配置する砥粒80の密度を変更することによって、加工後のワーク表面の真直度を調整することができる。
【0032】
図6は、中央側に配置する砥粒80の割合と、カムロブ部加工後の真直度との関係を示す図である。
【0033】
図6(A)では、真直度を調べる対象となるカムロブ部61のカムトップTを示している。カムトップTは、X方向に延びており、Z方向の歪みが真直度の歪みとなる。また図6(B)では、上から順に中央側に配置する砥粒80の密度が両端側の20%、40%、60%、80%、100%の場合の、カムトップTの形状を示している。
【0034】
図6(B)を参照すれば、中央側に配置する砥粒80の密度が両端側の20%の場合は、カムトップは大きく中凸状に加工され、一方密度が100%の場合は、従来どおり中凹状に加工されたことがわかる。そして、中央側に配置する砥粒80の密度が両端側の80%程度の場合に、カムトップTは平坦に加工されている。このことから、上記密度は特に80%程度が好ましいといえる。
【0035】
次に、ラッピング加工用フィルム11の具体的にどの範囲で砥粒80の密度を異にすればよいかについて説明する。
【0036】
図7は、本発明のラッピング加工用フィルム11がラッピング加工装置に適用された場合の様子を示す図である。
【0037】
図7に示すように、ラッピング加工装置にラッピング加工用フィルム11を用いた場合、カムロブ部61はラッピング加工用フィルム11の幅方向にオシレーションされるので、カムロブ部61の角E1は図面右側に示す両矢印の範囲を往復し、角E2は図面左側に示す両矢印の範囲を往復する。したがって、カムロブ部61の角E1およびE2により、図中の両矢印の範囲内で砥粒80の磨耗および脱落が多くなる。
【0038】
このことより、砥粒80の磨耗等を勘案して、カムロブ部61のカムトップTを均等に加工するためには、図中の両矢印で示す範囲内について、範囲外よりも砥粒80の密度を高めることが望ましい。したがって、砥粒80の密度を高くする範囲としては、ラッピング加工時にカムロブ部61の角E1およびE2が往復する範囲が適切であり、この範囲で砥粒80の密度を高くすることによって、砥粒80の磨耗等があったとしても、均一な加工を行うことができる。
【0039】
以上の範囲内について砥粒80の密度を大きくすることによって、該範囲内での砥粒80の磨耗および脱落を勘案して均一な加工を行うことができる。
【0040】
(2)シュー
本発明の第2は、回転および振動が与えられるワークWの表面に、片面に砥粒が接着されたラッピング加工用フィルム11を砥粒と反対側からワークWに押付けるシュー21(ラッピング加工用押付け部材)であって、押付け力がラッピング加工用フィルム11の幅方向の中央部よりも両端部において強く作用するシュー21である。なお、(2)の説明中におけるラッピング加工用フィルム11は、(1)で説明したようなものではなく、砥粒が均等に配置されている通常のものである。
【0041】
シュー21は、上述の通り、ラッピング加工において、ラッピング加工用フィルム11をワークWに押付けるための押付け部材である。
【0042】
図8は、本発明のシューを示す図である。
【0043】
本発明のシュー21は、図4に示すように、シューケース28に保持されて、一組でカムロブ部61の両側面から挟み込み、ラッピング加工用フィルム11を介してカムロブ部61と4箇所で接触するように形成されている。ここで、シュー21は、図8に示すように、ラッピング加工用フィルム11に向かって開口する開口部21aが設けられている。この開口部21aの幅は、カムロブ部61のオシレーションの振幅以下に形成されている。
【0044】
このシュー21を加工に適用した場合について、シュー21の作用について説明する。
【0045】
図9は、本発明のシュー21の作用を説明するための図である。
【0046】
シュー21がラッピング加工用フィルム11をカムロブ部61に押付けている間、カムロブ部61はオシレーションされており、カムロブ部61の角E3は、図面右側の両矢印の範囲を移動し、角E4は、図面左側の両矢印の範囲を移動する。したがって、これらの角E3、E4が移動する範囲内において、該角E3およびE4によるラッピング加工用フィルム11表面の砥粒の磨耗および脱落が多くなる。
【0047】
一方、シュー21は、図9に示す通り、カムロブ部61の振動方向の中央に開口部21aが設けられているので、該開口部21aの範囲ではラッピング加工用フィルム11をカムロブ部61に押付けない。つまり、開口部21aの範囲ではシュー21の押付け力が作用せず、逆に開口部21a以外の範囲(両矢印の範囲)ではシュー21の押付け力が作用する。
【0048】
したがって、オシレーションによりラッピング加工用フィルム11表面の砥粒が磨耗等して、磨耗等した部分での加工能率が低下したとしても、本発明のシュー21では開口部21aで押付け力が作用せず予め加工能率を低下させているので、結果として、開口部21aの範囲およびそれ以外の範囲で均一な加工、すなわち表面粗さを得ることができる。
【0049】
また、シュー21に形成された開口部21aの幅は、カムロブ部61のオシレーションの振幅以下に形成されているので、オシレーションによって砥粒の磨耗等が激しい部分以外の部分について、押付け力の作用を弱め、均一な加工を達成することができる。
【0050】
上記のように、シュー21に開口部21aを形成する他にも次のようなシュー21により、押付け力の作用を調節し、均一な加工を達成することができる。
【0051】
図10は、本発明の他のシュー21’の作用を説明するための図である。
【0052】
図10に示すように、シュー21’は、ラッピング加工用フィルム11を押付ける面のオシレーション方向中央に薄板部21bが形成され、薄板部より内部に中空部21cが形成されている。薄板部21bおよび中空部21cはカムロブ部61のオシレーションの振幅以下の幅を有し、薄板部21bはカムロブ部61のオシレーション方向の略中央に形成されている。
【0053】
シュー21’がラッピング加工用フィルム11を押付けている間、カムロブ部61はオシレーションされており、カムロブ部61の角E5は、図面右側の両矢印の範囲を移動し、角E6は、図面左側の両矢印の範囲を移動する。したがって、これらの角E5、E6が移動する範囲内において、該角E5およびE6によるラッピング加工用フィルム11表面の砥粒の磨耗および脱落が多くなる。
【0054】
一方、シュー21’は、図10に示す通り、カムロブ部61の振動方向の中央に薄板部21bが設けられ、内部に中空部21cが設けられているので、該薄板部21bの範囲では他の範囲よりもラッピング加工用フィルム11をカムロブ部61に押付ける押付け力が小さく作用する。つまり、薄板部21bは背後に中空部21cが設けられているので、シュー21’に与えられる押付け力が中空部21cを伝達せずに該中空部21cを避けて伝達され、この結果、薄板部21bに伝達される押付け力は小さくなる。
【0055】
したがって、オシレーションによりラッピング加工用フィルム11表面の砥粒が磨耗等して、磨耗等した部分での加工能率が低下したとしても、本発明のシュー21’では薄板部21bで押付け力が小さく作用させて予め加工能率を低下させているので、結果として、薄板部21bの範囲およびそれ以外の範囲で均一な加工、すなわち表面粗さを得ることができる。
【0056】
また、シュー21に形成された薄板部および中空部の幅は、カムロブ部61のオシレーションの振幅以下に形成されているので、オシレーションによって砥粒の磨耗等が激しい部分以外の部分について、押付け力を弱く作用させて、均一な加工を達成することができる。
【0057】
以上説明してきたように、本発明では、ラッピング加工用フィルム11上において砥粒を配置する割合を異ならせ、特に基材の幅方向の中央部よりも両端部において高密度に砥粒が配置されているので、ラッピング加工時のワークの振動によってワークの角により両端部の砥粒が脱落および磨耗しても、砥粒の磨耗等を勘案したラッピング加工を実施することができ、これにより、ワーク表面の高い真直度を達成することができる。
【0058】
本発明の第2によれば、シューに開口部21a、または、薄板部21bおよび中空部21cが設けてあり押付け力がラッピング加工用フィルムの幅方向の中央部よりも両端部において強く作用するので、ラッピング加工時のワークの振動によって該ワークの角により酔う端部の砥粒が脱落および磨耗しても、両端部で強く作用する押付け力により、中央部および両端部で均等なラッピング加工を行うことができ、これにより、ワーク表面の高い真直度を達成することができる。
【0059】
また、開口部21a、または、薄板部21bおよび中空部21cの幅がカムロブ部61のオシレーションの振幅以下に形成されているので、オシレーションによって砥粒の磨耗等が激しい部分以外の部分について、押付け力の作用を弱め、均一な加工を達成することができる。
【0060】
本発明は、特に、カムロブ部のように高度な真直度を要求されるワークの仕上げ加工に適している。しかし、カムロブ部の加工だけではなく、クランクシャフトのクランク部の加工等についても適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用されるラッピング加工装置の概略構成図である。
【図2】ラッピング加工装置に開閉自在に設けられた上下のアームの閉状態を示す概略断面図である。
【図3】上下のアームの開状態を示す概略断面図である。
【図4】ラッピング加工装置の要部を示す断面図である。
【図5】本発明のラッピング加工用フィルムの表面状態を示す該略図である。
【図6】中央側に配置する砥粒の割合と、カムロブ部加工後の真直度との関係を示す図であり、(A)はカムロブ部のカムトップを示し、(B)は中央側に配置する砥粒の密度が20%、40%、60%、80%、100%の場合のカムトップの形状を示している。
【図7】本発明のラッピング加工用フィルムがラッピング加工装置に適用された場合の様子を示す図である。
【図8】本発明のシューを示す図である。
【図9】本発明のシューの作用を説明するための図である。
【図10】本発明の他のシューの作用を説明するための図である。
【図11】ラッピング加工されるワークとしてのカムシャフトの一例を示す斜視図である。
【符号の説明】
1…ラッピング加工装置、
11…ラッピング加工用フィルム、
21、21’…シュー、凹シュー、
21a…開口部、
21b…薄板部、
21c…中空部、
28…シューケース、
30…シュー押付けユニット、
31…調整手段、
32…連結ロッド、
33…ワーククランプ用バネ、
34…押圧ロッド、
35…偏心回転体、
40…回転駆動ユニット、
50…オシレーションユニット、
60…カムシャフト(ワーク)、
61…カムロブ部、
M1…主軸モータ、
M2…オシレーション用モータ、
M4…押付け用モータ、
W…断面非真円の円弧状の加工面を有するワーク。
Claims (11)
- 薄肉基材の一面に砥粒が固着されてなるラッピング加工用フィルムであって、
前記砥粒は、前記基材の幅方向の中央部よりも両端部において高密度に配置されてなるラッピング加工用フィルム。 - 前記砥粒は、前記基材の幅方向の中央部に両端部の略20%〜95%の密度に配置されてなる請求項1に記載のラッピング加工用フィルム。
- 押付け部材によりワークに押付けられ、回転および振動を与えられた前記ワークの表面を加工するためのラッピング加工用フィルムであって、
薄肉基材と、
前記基材上の前記ワークに押付けられる方の面において、該基材の幅方向の中央部よりも両端部において高密度に配置された砥粒と、
を含んでなるラッピング加工用フィルム。 - 前記砥粒は、前記基材の幅方向の中央部に両端部の略20%〜95%の割合に配置されてなる請求項3に記載のラッピング加工用フィルム。
- 非伸縮性でかつ変形可能である請求項1〜5のいずれか一項に記載のラッピング加工用フィルム
- 回転および振動が与えられるワークの表面に、片面に砥粒が接着されたラッピング加工用フィルムを砥粒と反対側から前記ワークに押付ける押付け部材であって、
押付け力が前記ラッピング加工用フィルムの幅方向の中央部よりも両端部において強く作用するラッピング加工用押付け部材。 - 前記ラッピング加工用フィルムに向かって開口する開口部が、前記ワークの振動方向の中央に形成されてなる請求項6に記載のラッピング加工用押付け部材。
- 前記開口部は、前記ワークの振動の幅以下の幅に形成されている請求項7に記載のラッピング加工用押付け部材。
- 前記ラッピング加工用フィルムを押付ける面の前記ワークの振動方向の中央に薄板部が形成され、該薄板部より内部に中空部が形成されてなる請求項6に記載のラッピング加工用押付け部材。
- 前記薄板部および前記中空部は、前記ワークの振動の幅以下の幅に形成されている請求項7に記載のラッピング加工用押付け部材。
- 前記ワークは、カムシャフトであり、そのカムロブ部部表面が加工対象である請求項5〜10のいずれか一項に記載のラッピング加工用押付け部材。
Priority Applications (1)
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JP2003034074A JP2004243439A (ja) | 2003-02-12 | 2003-02-12 | ラッピング加工用フィルムおよび押付け部材 |
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Family Applications (1)
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-
2003
- 2003-02-12 JP JP2003034074A patent/JP2004243439A/ja active Pending
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