JP2005166930A - SiC−MISFET及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 マクロステップに対するチャネル方向の違いによるFET特性の差がない、電流駆動能力の高いSiC−MISFET及びその製造方法を提供する。
【解決手段】 熱酸化により、基板上に露出しているSiCを酸化して、シリコン酸化膜からなるゲート絶縁膜9を形成する。酸素と窒素との化合物からなるガスの雰囲気中で、基板温度を例えば1100℃にして、1時間の間アニールを行なう。その際、基板を、減圧装置が付設されたチャンバ内に移動させて、チャンバ内を減圧しつつ、チャンバ内にNOガス等のV族元素含有ガスを流し、チャンバ内を窒素等のV族元素が酸化膜中に拡散するのに十分に高い温度(約1100℃)に加熱する。このとき、減圧下で、酸化膜を窒素などのV族元素を含むガスに暴露することにより、酸化膜内に窒素などのV族元素が拡散し、比誘電率の大きい,より緻密なV族元素を含有したゲート絶縁膜9が形成される。
【選択図】 図3
【解決手段】 熱酸化により、基板上に露出しているSiCを酸化して、シリコン酸化膜からなるゲート絶縁膜9を形成する。酸素と窒素との化合物からなるガスの雰囲気中で、基板温度を例えば1100℃にして、1時間の間アニールを行なう。その際、基板を、減圧装置が付設されたチャンバ内に移動させて、チャンバ内を減圧しつつ、チャンバ内にNOガス等のV族元素含有ガスを流し、チャンバ内を窒素等のV族元素が酸化膜中に拡散するのに十分に高い温度(約1100℃)に加熱する。このとき、減圧下で、酸化膜を窒素などのV族元素を含むガスに暴露することにより、酸化膜内に窒素などのV族元素が拡散し、比誘電率の大きい,より緻密なV族元素を含有したゲート絶縁膜9が形成される。
【選択図】 図3
Description
本発明は、SiC基板を用いたMISFET構造を有する半導体装置,特に、大電流用に使用されるSiCデバイスに関する。
大電力の信号増幅やスイッチングに使用されるパワーデバイスは、大電流を流す必要があるので、高耐圧かつ低損失であることが望まれる。従来、シリコン(Si)を用いたパワーデバイスが主流であったが、近年、炭化珪素(SiC)を用いたパワーデバイスが注目され、開発が進められている。SiCは、SiとCとが組成比で1:1で結合してなる構造を有する半導体材料であり、シリコンに比べ絶縁破壊電界が1桁高く、このためPN接合やショットキ−接合の空乏層を薄くしても逆耐圧を維持することができる。したがって、SiCを用いることにより、デバイス厚さを薄く、またドーピング濃度を高めることができるためにオン抵抗が低く、SiCは、高耐圧・低損失のパワーデバイスの材料として期待されている。
SiCデバイスの中でも、特にインバータのスイッチング素子に使用されるMISFETがSiCを用いて実現できることが期待される。ところが、SiCを用いたMISFETにおいては、ゲート絶縁膜である熱酸化膜が純粋な酸化シリコンでなく炭素が残留していたり、MIS界面の界面準位密度が熱酸化膜−シリコン間の界面に比べ1桁以上大きい。このため、通常の反転型MISFETのチャネル移動度が極めて低く、オン抵抗が高くなるという不利がある。
これを改善するために、P型SiC層の上にゲート絶縁膜となる酸化膜を生成した後、酸化があまり進まない条件で酸化膜を酸化性ガス源に暴露して、酸化膜を緻密化またはMIS界面を改良する技術が提案されている(例えば特許文献1参照)。しかしながら、反転型MISFETにこれを適用しても得られるチャネル移動度は40cm2 /Vsec と十分ではない。ところが、蓄積型MISFETは反転型にくらべチャネル移動度が高く100cm2 /Vsec 以上の値が得られており(例えば非特許文献1参照)、SiC−MISFETの欠点を解決するひとつの手段と考えられている。
図1(a),(b)は、本発明者達が提案した蓄積型SiC−MISFETの,特に二重注入型MISFETの平面図及びI−I線における断面図である。
図1(a),(b)に示すように、このSiC−MISFETは、主面が( 0 0 0 1)面から8度オフした4H−SiCからなる低抵抗のSiC基板1と、SiC基板1上にエピタキシャル成長されたSiC基板1よりも高抵抗の高抵抗SiC層2と、イオン注入により高抵抗SiC層2の上部の一部にp型不純物をドープして形成されたp型のベース領域3と、高抵抗SiC層2を挟む両側のベース領域3に跨って形成されたn型のチャネル層5と、イオン注入によりチャネル層5を貫通してベース領域3内に高濃度のn型不純物,p型不純物をそれぞれドープして形成されたn+ソース領域7及びp+コンタクト領域4と、チャネル層5,ベース領域3及びソース領域7の主面上に形成された熱酸化膜からなるゲート絶縁膜9と、ゲート絶縁膜9上に形成されたゲート電極13とを備えている。チャネル層6は、低濃度のn型不純物が均一にドープされた層でもよいが、この例では、特願2000−353700号に開示されているように、アンドープ層6aと、アンドープ層6aよりも高濃度のn型キャリア不純物を含み、アンドープ層6aよりも膜厚が薄いδドープ層6bとを交互に積層した多重δドープ層6を有している。また、n型チャネル層5の一部は除去され、p+コンタクト領域4の表面が露出されていて、この露出したp+コンタクト領域4及びソース領域7に接触するように、ソース電極12が形成されている。このソース電極12は熱処理が施され、ソース領域7及びベース領域3とオ−ミック接触している。さらに、SiC基板1の裏面には、SiC基板1とオーミック接触しているドレイン電極11が設けられている。
ところで、六方晶SiC基板上に良好なエピタキシャル成長をするために、SiC基板として、( 0 0 0 1)面から数度オフした面を主面とするオフ基板を用いるのが一般的である。SiC基板の主面を厳密な( 0 0 0 1)面にすると、SiC結晶の成長速度が極端に遅くなるので、一般には、( 0 0 0 1)面から数度(10度°以内の角度)だけ傾いた面を主面とするいわゆるオフ基板が用いられる。オフ基板の主面上には、もともとミクロステップが存在しているが、SiC−MISFETのプロセスにおいて、オフ基板の主面上に存在するミクロステップが拡大されて、マクロステップが生じることがわかっている。
図1(a)に示されているように、この二重注入型MISFETの単位セルは、平面的には、ゲート電極13の間に多数のソース電極12が島状に配置された構造を有しており、単位セルは、1つのソース電極12を囲む正方形の領域であって、スクウェアセルとよばれている。スクウェアセルの場合、正方形のソース電極12の4辺の周囲それぞれがチャネル部ChA又はChBとなる。そして、図1(b)に示す電流14は、ドレイン電極11から高抵抗SiC層2を通って、スクウェアセルの周辺部からソース電極12に流れ込む。このとき、図1(a)に示すスクウェアセルの4辺のうち、上下の2辺に対応するチャネル部ChBではマクロステップ5に平行に電流が流れ、左右の2辺に対応するチャネル部ChAではマクロステップ5を横切ってマクロステップに直交する方向に電流が流れる。
SiC−MISFETの製造工程において、不純物イオン注入を行なった後には、不純物イオンの活性化のためのアニールが行なわれる。このイオン注入後の活性化のためのアニールは、イオン注入領域1を不活性ガス雰囲気中で1700℃前後の高温に加熱することによって行なわれる。活性化アニールの温度を高く、またアニール時間を長くしたほうが、イオン注入された不純物の活性化率や、注入領域のホール移動度など電気的な特性は向上するが、このときSiC層の表面からのSi,Cの昇華などによって段差が50nm程度のマクロステップが形成され、表面平坦性が悪くなることがわかっている。このマクロステップの段差が大きくならないように、1700℃以下の低温でアニールすることが多い。例えば非特許文献2では、表面平坦性を考慮してSiCデバイス製造プロセスには1700℃で3分間の活性化アニールがよいとしている。しかしながら活性化率や逆耐圧などの電気的特性を改善するためには、さらに高温でのアニールが望まれる。
特許第3251017号公報(要約書)
Toshiya Yokogawa他「4H-SiC Delta-Doped Accumulation-Channel MISFET」、Materials Science Forum Vols.389-393 2002年 pp.1077−1080頁。
A.Ohi 他 「Post-Implantation Annealing Effects on the Surface Morphology and Electrical Characteristics of 6H-SiC Implanted with Aluminum」,Materials Science Forum Vols.389-393 2002年 831頁から834頁。
このように高温で活性化アニールしてマクロステップの段差が大きくなったSiC蓄積型MISFETには、MISFET全体として算出されるチャネル抵抗が設計値の2倍程度に高くなるという不具合があった。発明者は、この不具合の原因を以下のように推測した。
図1(a)に示すMISFETの単位セルにおいては、上述のように、基板表面のマクロステップ5を横切る方向に電流が流れる2つのチャネル部ChAと、マクロステップ5に平行な方向に電流が流れるチャネル部ChBとがある。これら2種類のチャネル部ChA,ChBではMISFETの特性が異なり、一方のチャネル電流に比べ、他方のチャネル電流が極めて小さく、したがってセル全体で流れている電流は1種類のチャネルの電流のみであるので、設計値の2倍の抵抗になるという仮説をたてた。
図12(a),(b)は、発明者達が上記不具合の原因を究明するために作成した2種類のMISFETのサンプルA,Bの平面図である。図12(a)に示すように、サンプルAは、マクロステップを横切る方向に電流を流す横型MISFETのサンプルAの平面形状を示し、図12(b)は、マクロステップに平行な方向に電流を流す横型MISFETのサンプルBの平面形状を示している。なお、マクロステップ間の間隔は不均一である。
横型MISFETは以下のように試作した。主面が( 0 0 0 1)面から8度オフした4H−SiCからなる低抵抗のSiC基板にAlをイオン注入して1750℃の活性化アニールを行い、深さ0.8μm、不純物濃度2×1018cm-3のp+型ベース領域を形成し、この上に、意図的なドーピングがされていない,厚さ40nmのアンドープ層と、n型ドーピング不純物濃度5×1017cm-3,厚さ10nmのn型ドーピング層とを交互に3周期積層した後、最上層に厚さ40nmのアンドープ層を形成した。この後、p+型ベース領域の一部に窒素のイオン注入を行なった後、1750℃の活性化アニールを行い、深さ0.3μm、不純物濃度1×1019cm-3のn+領域(ソース・ドレイン領域)を形成した。この後、乾燥酸素雰囲気中で1180℃,3時間の熱酸化を行なって、厚さ60nmのゲート酸化膜を形成した。ゲート絶縁膜を形成した後、ウェット酸素雰囲気中で900℃,2時間のアニールを行なった。次に、N+領域上に厚さ100nmのニッケル膜を蒸着し、950℃の熱処理を数分間行なって、ソース・ドレイン電極を形成した。また、ゲート絶縁膜上に厚さ150nmのAl膜を形成した後、Al膜をパターニングして、ゲート電極を形成した。ゲート長は5μmで、ゲート幅は500μmである。
図13(a)は、この2種類の横型MISFETのサンプルA,BのId−Vg特性を示す図である。図13(a)に示すように、サンプルAとサンプルBとでは、Id−Vg特性が全く異なっていることがわかる。特に、サンプルAではゲート電圧Vgの上昇に対するドレイン電流Idの立ち上がりが、サンプルAではサンプルBよりも遅く、しきい値電圧が大きいことがわかる。
図13(a)から、サンプルA,サンプルBのしきい値電圧を求めると、
サンプルA Vth=18.2(V)
サンプルB Vth=8.6(V)
であり、マクロステップに直交する方向に電流が流れるサンプルAでは、マクロステップに平行に電流が流れるサンプルBに対してしきい値電圧が10V近く高い。
サンプルA Vth=18.2(V)
サンプルB Vth=8.6(V)
であり、マクロステップに直交する方向に電流が流れるサンプルAでは、マクロステップに平行に電流が流れるサンプルBに対してしきい値電圧が10V近く高い。
また、サンプルA,Bのいずれにも、段差50nm程度のマクロステップがあることがわかった。図14は、サンプルAの縦断面をTEMにより観察した状態を模擬的に示す図である。上述のように、オフ基板の主面上には、もともとミクロステップが存在しており、SiC−MISFETの製造プロセスにおいて、イオン注入後における1750℃の活性化アニールによって表面にステップバンチングが起こり、図14に示すようなマクロステップが形成されるのである。格子像で確認したところ、幅の広いテラス領域ではなく幅のせまいステップ領域の部分の結晶面が( 0 0 0 1)面であることが確認された。
また、テラス領域とステップ領域とにおける酸化膜の膜厚は互いに異なっており、テラス領域における酸化膜の膜厚tT は約60nmである一方、ステップ領域における酸化膜の膜厚tS は約40nmであった。このように、酸化膜の膜厚にバラツキが生じる原因は、テラス領域とステップ領域とは互いに異なる結晶面からなっており、それぞれの面上で熱酸化膜の成長レ−トが異なるためと考えられる。熱酸化膜の成長レ−トは、( 0 0 0 1)面上が最小で、( 0 0 0 1)面からの傾きが大きいほど大きくなり、( 0 0 0-1)面上で最大となることが知られている。したがって、ステップ領域が( 0 0 0 1)面であることを考えると、ステップ領域上では酸化膜の膜厚がテラス領域上よりも薄くなることは当然である。
また、ステップ領域とテラス領域とでは、MIS構造の酸化膜厚が異なるだけでなく、MIS界面付近の欠陥による界面準位密度も異なると考えられる。シリコン基板を用いたMIS構造においては、結晶面によって界面準位密度が異なり、( 1 0 0)面、( 1 1 0)面、( 1 1 1)面の順に界面準位密度が多くなることが知られている。これはSi層の表面の未結合手の密度が結晶面によって異なるからと考えられている。SiC基板上においても結晶面によって界面準位密度は異なると考えられる。したがって、ステップ領域とテラス領域とでは、界面準位密度が相異なると考えるのが合理的である。
そして、上述のような熱酸化膜の厚さの相違や、界面準位密度の相違がMISFETの閾値電圧の相違として表れていると考えられる。つまり、マクロステップを横切ってテラス領域→ステップ領域→テラス領域→…と電流が流れる横型MISFETのサンプルAの場合、チャネル領域がステップ領域である部分トランジスタと、チャネル領域がテラス領域である部分トランジスタとを多数直列に接続して構成されているので、閾値電圧はこれらの部分トランジスタのうち高い方のトランジスタによって定まる。しかし、マクロステップに平行に電流が流れる横型MISFETのサンプルBの場合は、チャネル領域がステップ領域である部分トランジスタと、チャネル領域がテラス領域である部分トランジスタとを多数並列に接続して構成されているので、MISFET全体の閾値電圧は、低閾値電圧を有する部分トランジスタの閾値電圧で定まる。このような原理によって、横型MISFETのサンプルAとサンプルBとの閾値電圧が互いに異なっていると考えられる。
そして、図1(a)に示す二重注入MISFETの単位スクウェアセルのうち、マクロステップを横切る方向に電流が流れるチャネル部ChAの方が、マクロステップと平行な方向に電流が流されるチャネル部ChBに比べて、閾値電圧が極めて高く、単位スクウェアセルに流れる電流のほとんどは、チャネル部chBに,つまりマクロステップと平行な方向に電流が流れていることになる。このために、MISFET全体として算出されるチャネル抵抗が設計値の2倍となっていると考えられる。
本発明の目的は、ゲート絶縁膜−SiC層の界面付近における界面準密度を効果的に低減する手段を講ずることにより、電流駆動能力の大きいSiC−MISFET及びその製造方法を提供することにある。
本発明のSiC−MISFETは、主面がオフ( 0 0 0 1)面であるSiC層の上に、少なくとも下部に窒素などのV族元素を含む領域を有する酸化膜からなるゲート絶縁膜と、ゲート電極とを設けたものである。
これにより、横型MISFET,縦型MISFETのいずれの場合にも、ゲート絶縁膜−SiC層の界面付近における界面準位密度が少なくなるので、電流駆動能力の大きいMISFETが得られる。
SiC−MISFETが縦型MISFETである場合には、SiC層がマクロステップを有し、電流の流れる方向であるソース領域からSiC層のゲート電極直下の領域に向かう方向に、マクロステップを横切る方向とマクロステップに実質的に平行な方向とが混在している場合にも、チャネルの方向による閾値電圧の相違がほとんどなくなる。すなわち、マクロステップを横切る方向に電流が流れるチャネル部と、マクロステップと平行な方向に電流が流れるチャネル部との閾値電圧の差を小さくすることができ、チャネルの配置による特性の差をなくすことができる。例えば、スクウェアセル構造のMISFETにおいて、ステップを横切る方向と、ステップに平行な方向の両方に均一に電流が流れるので、従来に比べ単位面積あたりのオン抵抗を低減できる。
SiC−MISFETが横型MISFETである場合には、ソース領域からドレイン領域に向かう方向に、マクロステップを横切る方向とマクロステップに実質的に平行な方向とが混在している場合にも、チャネルの方向による閾値電圧の相違がほとんどなくなるので、ゲート電極の方向が自在に設定しうる。したがって、SiC基板のマイクロパイプなどの欠陥を避けてMISFETを形成するときの歩留まりが向上することになる。
V族元素含有酸化膜は、その母材が熱酸化によって形成されたSiO2膜であることが好ましく、V族元素含有酸化膜の下部におけるV族元素濃度の高い領域の厚さ方向の寸法が15nm以下であることが好ましい。
V族元素が窒素である場合、V族元素含有酸化膜の下部における窒素濃度の最大値が、1×1020cm-3以上で、1×1022cm-3以下であることにより、比誘電率の向上作用と、界面準位密度の低減作用とが顕著に得られる。
V族元素が窒素である場合、V族元素含有酸化膜全体における窒素の平均濃度が1020cm-3以下であることが好ましく、V族元素含有酸化膜のSiC層との境界付近の領域における界面準位密度は、バンド端付近で1×1012cm-3/eV以下であることが好ましい。
本発明のSiC−MISFETの製造方法は、不純物拡散領域形成のためのSiC層へのイオン注入,不純物の活性化のためのアニール,不純物拡散領域上への酸化膜の形成を行なった後、酸化膜を1000℃以上1200℃以下の温度範囲で、V族含有ガスを含む減圧された雰囲気に曝露して、ゲート絶縁膜を形成し、さらにゲート絶縁膜の上にゲート電極を形成する方法である。
この方法により、界面準位密度の小さいゲート絶縁膜−SiC層界面構造を有し、電流駆動能力の大きいMISFETが形成される。
不純物の活性化のためのアニールの温度は1750℃以上が好ましい。
本発明のSiC−MISFETの製造方法は、縦型MISFET,横型MISFETの製造のいずれにも適用することができる。
V族含有ガスは、窒素を含むガスであり、窒素を含むガスが酸素をも含んでおり、減圧されたガス雰囲気が1.33×102Pa以上で6.67×104Pa以下であることにより、比誘電率の向上作用と、界面準位密度の低減作用とが顕著に得られる。
V族含有ガスが窒素を含むガスである場合には、1100℃以上で1150℃以下の温度で、酸化膜を減圧された窒素を含むガス雰囲気に曝露することが好ましく、窒素を含むガスが酸素をも含んでいる場合には、酸化膜を窒素を含むガスに暴露する工程における圧力が1.33×102Pa以上、6.67×104Pa以下であることが好ましい。
窒素を含むガスは、NOガス,N2Oガス,NO2ガス及びNO3ガスのうち少なくとも1つのガスから選ばれることが好ましい。
酸化膜を窒素を含むガスに暴露する時間は、ゲート絶縁膜の下部に窒素濃度が1×1020cm-3以上で1×1022cm-3以下の領域が形成される範囲内の時間であることが好ましい。
酸化膜を形成する方法としては、酸化雰囲気下で1000〜1200℃に加熱して熱酸化を行なう方法や、CVDを行なう方法がある。
酸化膜を形成した後、V族元素含有ガスを含むガスに暴露するために、酸化膜を不活性ガス雰囲気中でアニールすることにより、酸化膜をより緻密な膜にすることができる。
本発明の第2のSiC−MISFETの製造方法は、不純物拡散領域形成のためのSiC層へのイオン注入,不純物の活性化のためのアニール,不純物拡散領域上への第1の酸化膜の形成を行なった後、第1の酸化膜をV族元素含有ガスを含むガス雰囲気に曝露してから、第2の酸化膜を形成し、900℃以上1100℃以下の温度で不活性ガス雰囲気中でアニールすることにより、第1,第2の酸化膜からなるゲート絶縁膜を形成する方法である。
この方法により、酸化膜の特性の劣化を防止しつつ、V族元素をゲート絶縁膜内に効率よく拡散させることができるので、ゲート絶縁膜−SiC層の界面付近の領域における界面準位密度が低減されるとともに、高い誘電率が得られる。したがって、高い電流駆動力と高いキャリア移動度とを備えたMISFETの形成に役立てることができる。
第1の酸化膜としては厚さ20nm未満の熱酸化膜を形成することが好ましく、V族元素含有ガスとして、NOガス又はN2Oガスを用いることが好ましい。
以上、本発明によると、逆耐圧を高くするために高温の活性化アニールを行うことによって、マクロステップが基板表面に存在したとき、テラスとステップではMIS界面の欠陥密度や酸化膜厚が異なり、閾値が異なるという問題が生じるが、酸素と窒素の化合物のガスに暴露することによって、その両方でのMIS界面、ゲート酸化膜中の欠陥を十分に低減することができ、閾値の差を小さくできる。よって、マクロステップを横切る方向に電流を流すMISFETと、マクロステップと平行に電流を流すMISFETの閾値の差を従来の約10Vから1V以下に低減できる。
このためステップを横切る方向と、平行な方向の両方に電流を流す二重注入型MISFETにおいて、均等に電流が流れ、オン抵抗を低減できる。したがって、逆耐圧を高くするために高温の活性化アニールを行った結果、表面にできるマクロステップの影響を低減でき、もって高い逆耐圧と、低いオン抵抗を両立することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
(第1の実施形態)
本実施形態では、蓄積型SiC−MISFET,特に,二重注入型SiC−MISFETに本発明を適用した例について説明する。本実施形態の二重注入型SiC−MISFETの構造は、背景技術において説明した図1(a),(b)に示すSiC−MISFETと共通の構成要素を備えている。したがって、重複を避けるために、本実施形態の二重注入型SiC−MISFETの各構成要素の説明は省略する。本実施形態のSiC−MISFETは、構成要素のうち特にMIS界面付近の物理的な構造が従来のSiC−MISFETとは異なっている。
本実施形態では、蓄積型SiC−MISFET,特に,二重注入型SiC−MISFETに本発明を適用した例について説明する。本実施形態の二重注入型SiC−MISFETの構造は、背景技術において説明した図1(a),(b)に示すSiC−MISFETと共通の構成要素を備えている。したがって、重複を避けるために、本実施形態の二重注入型SiC−MISFETの各構成要素の説明は省略する。本実施形態のSiC−MISFETは、構成要素のうち特にMIS界面付近の物理的な構造が従来のSiC−MISFETとは異なっている。
本実施形態においては、SiC基板1は、( 0 0 0 1)面から< 1 1-2 0>方向に8度オフした主面を有し、ドーピング濃度が1×1018cm-3以上であるn型不純物を含んでいる。第1のSiC層である高抵抗SiC層2は、ドーピング濃度が1×1015cm-3〜1×1016cm-3程度のn型不純物を含んでいる。ウェル領域3は、ドーピング濃度が1×1017cm-3から1×1018cm-3の範囲内のp型不純物を含んでいる。p+コンタクト領域4は、ドーピング濃度が1×1018cm-3以上のp型不純物を含んでいる。
チャネル層6は、低濃度のn型不純物が均一にドープされた層でもよいが、本実施形態においては、特願2000−353700号に開示されているように、アンドープ層6a(第1の半導体層)と、アンドープ層6aよりも高濃度のn型キャリア不純物を含み、アンドープ層6aよりも膜厚が薄いδドープ層6b(第2の半導体層)とを交互に積層した多重δドープ構造を有している。このような構造を採用することにより、チャネル移動度をより向上させることができる。例えば、アンドープ層6aの厚さは約40nmで、アンドープ層6aには意図的なドーピングが行われていない。δドープ層6bの厚さは約10nmで、δドープ層6bには、濃度が5×1017cm-3から1×1018cm-3の高濃度のn型不純物がドープされている。チャネル層6中の最下層はアンドープ層6aであり、その上にδドープ層6bとアンドープ層6aとが交互に例えば3層ずつ積層されている。このような構造にすると、キャリアはδドープ層6bから供給されるが、不純物の少ないアンドープ層6aを走行するので不純物散乱が少なく、高いチャネル移動度が得られる。多重δドープ構造におけるアンドープ層6aとδドープ層6bとの積層周期は1以上であればよいが、あまり周期が多いとゲート酸化膜から伸びる空乏層が十分に伸びず、ノ−マリオフにしにくい。本実施形態においては、アンドープ層の厚みを40nm、δドープ層の厚みを10nmにすると、チャネル層の厚さは190nmである。チャネル層の厚さをあまり厚くすると、ウェル領域3から伸びる空乏層と、ゲート絶縁膜から伸びる空乏層が重ならずノ−マリオフにならないので、これらが重なるようアンドープ層、ドープ層の厚み、ドーピング濃度を設計するのが好ましい。
n+ソース領域7は、ドーピング濃度が1×1019cm-3前後であるn型不純物を含んでいる。ソース電極12は、ニッケルシリサイドからなり、p+コンタクト領域4とn+ソース領域7の一部とにオ−ミック接触している。ドレイン電極11は、ニッケルシリサイドからなり、SiC基板1の裏面とオ−ミック接触している。
ゲート電極13は、アルミニウム形成されている。チャネル層6の表面にはゲート絶縁膜9が形成されており、ゲート絶縁膜9上にはアルミニウムからなるゲート電極13が形成されている。さらに、図示しないが、例えばシリコン酸化膜からなる層間絶縁膜が表面に堆積され、その表面上に例えば厚いアルミニウム膜からなる上部配線が形成され、それぞれの単位スクェアセルのソース電極13は、単一の上部配線に共通に接続されている。
図2(a)〜(e)及び図3(a)〜(e)は、第1の実施形態のSiC−MISFETの製造工程を示す断面図である。
まず、図2(a)に示す工程で、( 0 0 0 1)面から< 1 1-2 0>方向に8°のオフ角をもつ主面を有し、n型ドーピング濃度が1×1018cm-3〜5×1019cm-3程度のSiC基板1を用意し、SiC基板1の上に高抵抗SiC層2をエピタキシャル成長させる。その際、例えば、原料ガスとしてシラン(SiH4)とプロパン(C3H8)を、キャリアガスとして水素(H2)を、ド−パントガスとして窒素(N2)ガスを用いた熱CVDにより、SiC基板1よりも低ドーピング濃度の高抵抗SiC層2をエピタキシャル成長させる。例えば600V耐圧のSiC−MISFETを製造するのであれば、高抵抗SiC層2のドーピング濃度は1×1015cm-3〜1×1016cm-3で、厚さは10μm以上が望ましい。
次に、図2(b)に示す工程で、エピタキシャル成長させた高抵抗SiC層2の表面領域にアルミニウムまたはボロンの選択的なイオン注入を行なって、p型のウェル領域3を形成する。ウェル領域3の形成には、まず、CVD法などにより、高抵抗SiC層2の上に注入マスクとなる厚さ3μm程度のシリコン酸化膜を堆積し、フォトリソグラフィ−及びドライエッチングによって、ウェル領域3を形成する部分のみシリコン酸化膜に開口を設ける。そして、注入欠陥を低減するために、基板温度を500℃以上の高温に保ってアルミニウムまたはボロンのイオン注入を行ない、イオン注入が終了すると、ふっ酸によってシリコン酸化膜を全面除去する。
ウェル領域3のドーピング濃度は、通常1×1017cm-3前後から1×1018cm-3であり、ウェル領域3の深さはピンチオフしないように1μm前後とする。また、ウェル領域3と後に形成される電極とのコンタクトをとるために、ウェル領域3の表面領域の一部にp+コンタクト領域4をアルミニウムまたはボロンをイオン注入することによって形成する。イオン注入の手順は、ウェル領域3を形成する際の手順と基本的には同じである。p+コンタクト領域4の厚みは300nm前後であり、ドーピング濃度は1×1019cm-3以上である。イオン注入の方法は、ウェル領域3の形成と同じである。
次に、図2(c)に示す工程で、カ−ボン製のるつぼにSiC基板を配置し、アルゴンなどの不活性ガス中で1750℃前後で30分程度の活性化アニールを行う。ただし、アニール温度は赤外線放射温度計でるつぼ表面の温度を計測して得られたデータである。このとき、高抵抗SiC層2,ウェル領域3及びp+コンタクト領域4の露出している表面にはマクロステップが形成される。マクロステップの段差は50nm程度である。そして、図14に示すように、テラス領域とステップ領域では異なる結晶面が現れる。また、p型不純物の活性化率は、ほぼ100%である。活性化アニールの温度を1700℃まで低下させるとマクロステップの段差は30nm程度に小さくなるが、p型不純物の活性化率は90%に低下する。
次に、図2(d)に示す工程で、熱CVD法により、ウェル領域3および高抵抗SiC層2の表面にチャネル層6となるn型SiC層をエピタキシャル成長させる。チャネル層6のアンドープ層6aをエピタキシャル成長させる際には、意図的なドーピングを行わず、δドープ層6bをエピタキシャル成長させる際には、in-situ ドープにより、1×1017〜1×1018cm-3程度の不純物をドープする。
次に、図2(e)に示す工程で、イオン注入により、ウェル領域3の表面領域の一部に窒素またはリンなどのn型不純物を導入してソース領域7を形成する。ソース領域7のドーピング濃度は1×1019cm-3程度であり、その深さは、例えば300nm程度である。その際、注入マスクとなる厚さ1μm程度のシリコン酸化膜を基板上に堆積し、フォトリソグラフィ−及びドライエッチングによって、シリコン酸化膜のうちソース領域7を形成する部分を開口する。その後、注入欠陥を低減するために基板温度を500℃以上の高温に保って窒素またはリンのイオン注入を行なう。イオン注入が終了した後には、注入マスクとして用いたシリコン酸化膜をふっ酸によって除去し、アルゴンなどの不活性雰囲気中で1750℃程度で30分程度の活性化アニールを施す。
次に、図3(a)に示す工程で、CF4とO2とを用いたRIEにより、チャネル層6を貫通して、p+コンタクト領域4に到達するコンタクトホ−ル8を形成する。
次に、図3(b)に示す工程で、熱酸化により、基板上に露出しているSiCを酸化して、シリコン酸化膜からなるゲート絶縁膜9を形成する。SiCの熱酸化の際には、例えば石英管内に基板を保持し、乾燥した酸素を流量2.5(l/min)で石英管に導入し、基板温度を1180℃に保って3時間の間熱酸化を行なうことにより、厚さ約60nmの熱酸化膜を形成する。このとき、図14に示すように、ステップ領域では、ゲート絶縁膜9の厚みは、テラス領域における厚みの半分程度になる。
次に、図3(c)に示す工程で、酸素と窒素との化合物からなるガスとして、例えば一酸化窒素ガスの雰囲気中で、基板温度を例えば1100℃にして、1時間の間アニールを行なう。この工程については、後に詳しく説明する。
次に、図3(d)に示す工程で、SiC基板1の裏面上に厚さ100nm程度のニッケル膜を蒸着して、ドレイン電極11を形成する。さらに、フォトリソグラフィ−とフッ酸エッチングによって、基板の主面上のゲート絶縁膜9のうちソース電極形成領域に位置する部分を除去し、リフトオフ法を用いて、p+コンタクト領域4及びソース領域7に跨って厚さ100nmのニッケル膜からなるソース電極12を形成する。ソース電極12及びドレイン電極11とSiC層との間のオ−ミック接触特性を得るために、窒素などの不活性ガス雰囲気中で950℃程度で2分間程度の熱処理を行なう。この熱処理により、ニッケルはSiCと反応して、一部または全部がニッケルシリサイドとなる。
次に、図3(e)に示す工程で、基板上に、厚さ150nm程度のアルミニウム膜を堆積した後、汎用のフォトリソグラフィ−と燐酸系のウェットエッチングによって、アルミニウム膜をパターニングし、ゲート電極13を形成する。
この後、図示しないが、プラズマCVD等により、基板上に層間絶縁膜として厚さ1μm程度のシリコン酸化膜を堆積し、ドライエッチングにより、シリコン酸化膜にソース電極12およびゲート電極13に達するヴィアホ−ルを開口した後、基板上に厚さ2μm程度のアルミニウム膜を堆積して、上部配線を形成することにより、二重注入型SiC−MISFETを形成する。
ここで、図3(c)に示す工程における処理内容について、以下に説明する。図4(a),(b)は、ゲート絶縁膜をV族元素含有ガスに暴露する工程を示す断面図である。
まず、図4(a)に示す工程で、基板を、チャンバ内に設置して、酸化性雰囲気下で基板を加熱することにより、基板上に、酸化膜であるゲート絶縁膜9を形成する。この場合、酸化温度は1000℃以上であり、好ましくは1050℃〜1300℃である。酸化性雰囲気を生じさせるためには、チャンバ内に、酸素,水蒸気のうち少なくともいずれか1つを含むガスを流せばよい。その後、不活性ガス(Ar,N2,He,Ne等)雰囲気中で、1000℃以上の温度(例えば、1000℃〜1150℃)でアニールする。このアニール処理によって、ゲート絶縁膜9が前もって緻密化される。
次に、図4(b)に示す工程で、基板を、除害装置(図示せず)、及び減圧装置である真空ポンプが付設されたチャンバ内に移動させて、チャンバ内を真空ポンプによって約300Torr(4.0×104Pa)に減圧しつつ、チャンバ内に流量500(ml/min)のNOガス(又は、リン(P)などの窒素以外のV族元素含有ガス)を流し、チャンバ内を窒素(N)(又は窒素以外のV族元素)が酸化膜中に拡散するのに十分に高い温度(約1100℃)に加熱する。このとき、減圧下で、酸化膜を窒素などのV族元素を含むガスに暴露することにより、酸化膜内に窒素などのV族元素が拡散し、比誘電率の大きい,より緻密なV族元素を含有したゲート絶縁膜9が形成される。暴露は、緻密なゲート絶縁膜9を形成するのに充分な、そして、ゲート絶縁膜9の特性が向上するのに充分な時間(例えば1時間)の間行なう。
図5は、第1の実施形態の製造方法によって形成されたゲート絶縁膜9の厚さ方向における窒素濃度をSIMSにより実測した窒素濃度プロファイルを示すデータである。同図に示されるように、NOガスへの暴露処理によって、ゲート絶縁膜9中には窒素が拡散しており、特に、ゲート絶縁膜9のうち下地のチャネル層6(SiC層)に近い領域において窒素濃度が6×1020atoms/cm3という、鋭いピーク部が現れている。そして、ピーク部の厚さ方向の寸法は、約10nmである。そして、ゲート絶縁膜9全体の比誘電率は約3.3である。
このように、ゲート絶縁膜9に窒素,リン(P)などのV族元素を導入することにより、高い比誘電率を実現することができる。したがって、本実施形態のSiC−MISFETでは、ゲートバイアスを下地層に効率よく作用させることができ、高い電流駆動力を実現することができる。
図6は、第1の実施形態の方法により形成したゲート絶縁膜9を容量絶縁膜として備えたMISキャパシタのCV測定の結果を示す図である。同図の横軸は電極間の電圧を表し、同図の縦軸は容量を表している。このサンプルは、ゲート絶縁膜9の上にキャパシタの上部電極を形成する際に、950℃以上の熱処理を経ている。同図におけるQuasi-static CV曲線と、高周波(1MHz)で測定したCV曲線とを比較すると、両者の差がわずかであることから界面準位密度が減少していることがわかる。
図7は、図6に示すデータに基づいて、High-Low法で計算した界面準位密度を示す図である。同図に示すように、キャリア(電子)のトラップとして作用する界面準位はコンダクションバンド端付近(E−Ev=3.15eV)の界面準位であるが、本実施形態においては、1×1012cm-2・eV-1以下の界面状態密度が得られている。また、ゲート絶縁膜9全体における窒素の平均濃度は、8.3×1019cm-3である。なお、ホールトラップとして機能する界面準位(バレンスバンド端付近の界面準位)の密度も同様である。
このように、ゲート絶縁膜9とチャネル層6との間の界面付近の領域における界面準位密度を低減することができることがわかる。
したがって、SiC−MISFETを形成した場合にも、キャリアトラップとなる界面準位密度の低減により、さらにキャリア移動度の向上を図ることができ、電流駆動力の向上を図ることができる。特に、ゲート絶縁膜9の下部における窒素濃度の最大値が、1×1020cm-3以上で、1×1022cm-3以下であることにより、比誘電率の向上作用と、界面準位密度の低減作用とが顕著に得られる。加えて、本実施形態の二重注入型SiC−MISFETにより、以下のような格別の効果が得られる。
図8(a),(b)は、それぞれ順に、従来の二重注入型SiC−MISFET及び本実施形態の製造方法によって試作した二重注入型SiC−MISFETのId−Vd特性を示す図である。図8(a)に示す特性は、ゲート絶縁膜の形成後に酸素と窒素の化合物からなるガスに基板を暴露しなかったときの特性である。図8(b)に示されているように、本実施形態のSiC−MISFETにより、ドレイン電流を従来のSiC−MISFETの2倍程度まで向上することができる。
図13(b)は、本実施形態における二重注入型SiC−MISFETと同時に同一基板上に作りこんだ,2種類の横型SiC−MISFETのサンプルA’,B’のId−Vg特性を示す図である。図12(a),(b)に示すように、サンプルA’はマクロステップに垂直な方向にチャネル方向を持つ横型SiC−MISFETであり、サンプルB’はマクロステップに平行な方向にチャネル方向を持つ横型SiC−MISFETである 図13(b)から、サンプルA’,サンプルB’のしきい値電圧を求めると、
サンプルA’ Vth=5.4(V)
サンプルB’ Vth=5.0(V)
となり、サンプルA’とサンプルB’との閾値電圧の差は1V以下であった。このことから、本実施形態の二重注入型SiC−MISFETのドレイン電流が従来の二重注入型SiC−MISFETの2倍になったのは、図1(a)に示す二重注入SiC−MISFETのチャネルのうちマクロステップを横切る方向に電流が流れるチャネル部ChAと、マクロステップに平行な方向に電流が流れるチャネル部ChBとの閾値電圧に差がなくなり、すべてのチャネル部にほぼ均等に電流が流れるようになったためと考えられる。
サンプルA’ Vth=5.4(V)
サンプルB’ Vth=5.0(V)
となり、サンプルA’とサンプルB’との閾値電圧の差は1V以下であった。このことから、本実施形態の二重注入型SiC−MISFETのドレイン電流が従来の二重注入型SiC−MISFETの2倍になったのは、図1(a)に示す二重注入SiC−MISFETのチャネルのうちマクロステップを横切る方向に電流が流れるチャネル部ChAと、マクロステップに平行な方向に電流が流れるチャネル部ChBとの閾値電圧に差がなくなり、すべてのチャネル部にほぼ均等に電流が流れるようになったためと考えられる。
また、本実施形態のSiC−MISFETの逆耐圧を測定したところ、NOガスによる活性化アニールの温度と相関が見れた。同一基板上の4つのSiC−MISFETの逆耐圧を測定した平均値と、ベース領域のAlの活性化率の平均値と、AFM測定におけるステップ段差の結果を、下記に示す。
(1)活性化アニールの温度が1700℃のとき
逆耐圧平均値 499(V)
Al活性化率 90%
ステップ段差 30nm前後
(2)活性化アニールの温度が1750℃のとき
逆耐圧平均値 600(V)
Al活性化率 100%
ステップ段差 50nm前後
このように、活性化アニールの温度が1750℃の試料は、1700℃の試料に比べた逆耐圧が高かった。また、基板表面上のマクロステップの段差は1750℃では50nm前後であり、1700℃では30nm前後であった。したがって、表面の段差は大きくなるが、より高温の活性化アニールを行うほうが、優れた電気特性のSiC−MISFETが得られることになる。
逆耐圧平均値 499(V)
Al活性化率 90%
ステップ段差 30nm前後
(2)活性化アニールの温度が1750℃のとき
逆耐圧平均値 600(V)
Al活性化率 100%
ステップ段差 50nm前後
このように、活性化アニールの温度が1750℃の試料は、1700℃の試料に比べた逆耐圧が高かった。また、基板表面上のマクロステップの段差は1750℃では50nm前後であり、1700℃では30nm前後であった。したがって、表面の段差は大きくなるが、より高温の活性化アニールを行うほうが、優れた電気特性のSiC−MISFETが得られることになる。
−MISFETの閾値電圧について−
一般に、反転型MISFETの閾値電圧Vthは、下記式(1)
Vth=2φf+VFB+√{2Kε0qNa(2φf)}/Cox ・・・(1)
によって表される。ここで、φfは真性フェルミ準位とフェルミ準位との差であり、VFBはフラットバンド電圧と呼ばれるもの、Kは基板の比誘電率、ε0は真空の誘電率、Naは基板の不純物濃度、Coxは酸化膜容量である。さらにVFBは下記式(2)によってあらわされる。
一般に、反転型MISFETの閾値電圧Vthは、下記式(1)
Vth=2φf+VFB+√{2Kε0qNa(2φf)}/Cox ・・・(1)
によって表される。ここで、φfは真性フェルミ準位とフェルミ準位との差であり、VFBはフラットバンド電圧と呼ばれるもの、Kは基板の比誘電率、ε0は真空の誘電率、Naは基板の不純物濃度、Coxは酸化膜容量である。さらにVFBは下記式(2)によってあらわされる。
VFB=φms−(Qs+Qfc+Qi+Qss)/Cox ・・・(2)
ここで、φmsはゲート電極とチャネル層の仕事関数差、Qsはゲート絶縁膜中の空間電荷、Qfcはゲート絶縁膜とチャネル層の界面固定電荷、Qiはゲート絶縁膜中の可動イオン、Qssはゲート絶縁膜とチャネル層の界面準位にトラップされる電荷であり、Coxはゲート容量である。
ここで、φmsはゲート電極とチャネル層の仕事関数差、Qsはゲート絶縁膜中の空間電荷、Qfcはゲート絶縁膜とチャネル層の界面固定電荷、Qiはゲート絶縁膜中の可動イオン、Qssはゲート絶縁膜とチャネル層の界面準位にトラップされる電荷であり、Coxはゲート容量である。
すなわち、ゲート絶縁膜中の電荷あるいはゲート絶縁膜と半導体との界面の欠陥にトラップされる電荷があると、反転型MISFETの閾値電圧Vthは、これによってシフトする。電荷の量が異なれば、閾値電圧のシフトも異なる。この閾値のシフトは蓄積型MISFETでも同様におこる。
SiC−MiSFETの場合、界面準位にトラップされる電荷Qssが非常に大きいが、この大きさは基板表面の結晶面によって異なる。そして、図14に示すテラス領域とステップ領域とでは、結晶面が異なるので、界面準位にトラップされる電荷Qssの大きさが異なり、さらにゲート絶縁膜の厚さ(tTとtS)が異なるので、ゲート容量Coxも異なる。これらの相違が、テラス領域での閾値電圧Vthtと、ステップ領域での閾値電圧Vthsとが異なる原因となっていた。また、このようなテラス領域での閾値電圧Vthtとステップ領域での閾値電圧Vthsとの相違により、上述のように、マイクロステップを横切る方向に電流が流れるチャネル層を有する横型SiC−MISFETと、マイクロステップに平行な方向に電流が流れるチャネル層を有する横型SiC−MISFETとで閾値電圧が互いに異なっていると考えられる。
ところが、本実施形態の二重注入型SiC−MISFETでは、酸素と窒素(V族元素)とを含むガス雰囲気中でアニールすることによって、ゲート絶縁膜とチャネル層の界面欠陥を窒素でパッシベ−トし、さらにはゲート絶縁膜中あるいは、ゲート絶縁膜と半導体界面に残留するSiCのカ−ボンを酸素あるいは窒素と結合させて炭化酸素や炭化窒素の形で除去できるので、界面準位密度,つまりトラップ密度を低減することができる。したがって、結晶面の相違によるゲート絶縁膜の厚さが異なり、すなわちゲート容量Coxが異なっていても、式(2)中のQs+Qfc+Qi+Qssをそれぞれの結晶面において十分小さくすることができれば、テラス領域における閾値電圧Vthと、ステップ領域における閾値電圧Vthとの差を十分小さく、例えば1V以下にすることができる。このため、マクロステップを横切る方向に電流が流れるチャネル部ChAと、マクロステップに平行な方向に電流が流れるチャネル部ChBとの閾値電圧の差が1V以下になり、よって、電流駆動能力の向上を図ることができる。
−図3(c)に示す工程における好ましい条件−
図3(c)に示す工程において使用される窒素を含むガスとしては、例えば、NOガス,N2Oガス,NO2ガス,NH3ガスなどがあり、特に、NOガス又はN2Oガスを用いることによる効果が大きい。つまり、窒素を含むガスとして現実に最適なガスは、NOガス,N2Oガスであり、これらは酸素を含むガスでもある。その場合には、下地のSiC層の酸化を抑制する観点から、以下のような条件が好ましい。
図3(c)に示す工程において使用される窒素を含むガスとしては、例えば、NOガス,N2Oガス,NO2ガス,NH3ガスなどがあり、特に、NOガス又はN2Oガスを用いることによる効果が大きい。つまり、窒素を含むガスとして現実に最適なガスは、NOガス,N2Oガスであり、これらは酸素を含むガスでもある。その場合には、下地のSiC層の酸化を抑制する観点から、以下のような条件が好ましい。
図3(c)に示す工程におけるSiC層の熱酸化の際、又は、酸化物の蒸着の際には、通常、単結晶SiC基板もしくはエピレイヤー(epilayer)(エピタキシャル成長されたSiC層)が、その珪素面(silicon face)と炭素面(carbon face)に沿って、あるいはこれらの面に垂直なA軸(例えば[ 1 1 -2 0]方向,または[ 1-1 0 0]方向)の1つに沿って供給される。炭素原子(C)は珪素原子(Si)より幾らか容易に酸化され(従って、他の全てのファクターが実質的に等しければ酸化がより速い)、炭素面上の酸化は900℃〜1300℃の温度で進行し、珪素面上の酸化は約1000℃〜1400℃の温度で進行する。
したがって、図3(c)に示す工程で、窒素を含むガスとして酸素をも含むガスを用いる場合にも、炭素面上の酸化は、900℃〜1300℃の温度で進行し、珪素面上の酸化は、1000℃〜1400℃の温度で進行することになる。窒素以外のV族元素を含むガスを用いた場合も同様である。
以上のように、酸素を含む雰囲気下では、一般に、900℃以上の温度でSiCの熱酸化が生じることが観測されている。ところが、900℃以上の高温下であっても、減圧下では、炭素面上及び珪素面上において、共に酸化が抑制される。特に、500Torr(6.67×104Pa)以下の減圧下では、実質的に酸化が生じないことが確認されている。従って、本実施形態におけるNOガスのように、窒素と酸素の両方を含むガスでもあるガスを用いて酸化膜11を処理する場合には、減圧下、特に6.67×104Pa以下の圧力下で行なうことが好ましい。ただし、あまりに低い減圧雰囲気下においては、酸化膜11内への窒素の拡散が抑制されるので、1Torr(1.33×102Pa)以上の圧力下で行なうことが好ましい。よって、図3(c)に示す,酸化膜を窒素を含むガスに暴露する処理は、1.33×102Pa以上(より好ましくは、20Torr(2.66×103Pa以上)で、6.67×104Pa以下の圧力下で行なうことが好ましい。
また、図3(c)に示す工程において、1000℃以下、あるいは、1200℃の温度で窒素を含むガスへの暴露処理を行なうと、後述するキャリアトラップ密度の低減効果が小さいことがわかっている。また、図3(c)に示す工程において、1100℃以上の温度で窒素を含むガスへの暴露処理を行なうと、窒素が酸化膜11内に速やかに拡散することがわかっている。ただし、酸素の酸化膜11内への拡散を抑制するためには、1150℃以下の温度であることが好ましい。したがって、図3(c)に示す工程における好ましい温度範囲は、1000℃〜1200℃であり、より好ましくは、1100℃〜1150℃である。窒素以外のV族元素,例えばリン(P)を用いる場合も同様である。
さらに、一般的には、1300℃以下において、酸化膜の表面荒れが起こりにくくなる。
なお、本実施の形態では、MISFETのスクウェアセルの1辺をマクロステップにほぼ平行になるように配置しているが、本発明の効果により、チャネルの方向によるMISFETの特性の相違がなくなるので、スクウェアセルをマクロステップに対して斜めに配置してもよい。
(第2の実施形態)
本実施形態では、本発明を横型SiC−MISFET(蓄積型SiC−MISFET)に適用した例について説明する。図9(a)〜(e)及び図10(a)〜(d)は、本実施形態の横型SiC−MISFETの製造工程を示す断面図である。本実施形態における横型SiC−MISFETの平面形状は図12(a),(b)に示すサンプルA’,B’と基本的には同じであり、断面形状は図10(e)に示す通りである。
本実施形態では、本発明を横型SiC−MISFET(蓄積型SiC−MISFET)に適用した例について説明する。図9(a)〜(e)及び図10(a)〜(d)は、本実施形態の横型SiC−MISFETの製造工程を示す断面図である。本実施形態における横型SiC−MISFETの平面形状は図12(a),(b)に示すサンプルA’,B’と基本的には同じであり、断面形状は図10(e)に示す通りである。
まず、図9(a)に示す工程で、( 0 0 0 1)面から< 11-2 0>方向に8°のオフ角をもつ主面を有し、n型ドーピング濃度が1×1018cm-3〜5×1019cm-3程度のSiC基板31を用意し、SiC基板31の上に、例えば厚さ3μmの高抵抗SiC層32をエピタキシャル成長させる。その際、例えば、原料ガスとしてシラン(SiH4)とプロパン(C3H8)を、キャリアガスとして水素(H2)を、ド−パントガスとして窒素(N2)ガスを用いた熱CVDにより、SiC基板31よりも低ドーピング濃度の高抵抗SiC層32をエピタキシャル成長させる。高抵抗SiC層32のドーピング濃度は1×1015cm-3〜1×1016cm-3である。
次に、図9(b)に示す工程で、エピタキシャル成長させた高抵抗SiC層2の表面領域にアルミニウムまたはホウ素を選択的にイオン注入して、p型のウェル領域33を形成する。ウェル領域33の形成方法は、第1の実施形態におけるp型のウェル領域3の形成方法とほぼ同じである。
次に、図9(c)に示す工程で、カ−ボン製のるつぼにSiC基板を配置し、アルゴンなどの不活性ガス中で1750℃前後で30分程度の活性化アニールを行う。このとき、高抵抗SiC層32及びウェル領域33の露出している表面にはマクロステップが形成される。マクロステップの段差は50nm程度である。そして、図14に示すように、テラス領域とステップ領域では異なる結晶面が現れる。
次に、図9(d)に示す工程で、熱CVD法により、ウェル領域33および高抵抗SiC層32の表面にチャネル層36となるn型SiC層をエピタキシャル成長させる。チャネル層36が、アンドープ層と、n型キャリア不純物を含みアンドープ層よりも薄いδドープ層とを交互に積層してなる多重δドープ構造を有している点は、第1の実施形態と同様である。例えばアンドープ層は、厚さ40nmであり意図的なドーピングは行われず、δドープ層は、厚み10nmで高濃度のn型キャリア不純物がドープされている。ベース層33の上にアンドープ層を堆積した後、δドープ層とアンドープ層を交互に例えば3層積層する。アンドープ層をエピタキシャル成長させる際には、意図的なドーピングを行わず、δドープ層をエピタキシャル成長させる際には、in-situ ドープにより、1×1017〜1×1018cm-3程度の不純物をドープする。このような構造にすると、キャリアはδドープ層から供給されるが、不純物の少ないアンドープ層を走行するので不純物散乱が少なく、高いチャネル移動度を実現できる。
次に、図9(e)に示す工程で、イオン注入により、ウェル領域33の表面領域の一部に窒素またはリンなどのn型不純物を導入してソース・ドレイン領域37を形成する。ソース・ドレイン領域37のドーピング濃度は1×1019cm-3以上である。その際、第1の実施形態におけるソース領域7の形成の際と同様に、注入マスクとなる厚さ1μm程度のシリコン酸化膜を用い、注入欠陥を低減するために基板温度を500℃以上の高温に保って窒素またはリンのイオン注入を行なう。イオン注入が終了した後には、注入マスクとして用いたシリコン酸化膜をふっ酸によって除去し、アルゴンなどの不活性雰囲気中で1750℃程度で30分程度の活性化アニールを施す。
次に、図10(a)に示す工程で、熱酸化により、基板上に露出しているSiCを酸化して、シリコン酸化膜からなるゲート絶縁膜39を形成する。SiCの熱酸化の際には、例えば石英管内に基板を保持し、乾燥した酸素を流量2.5(l/min)で石英管に導入し、基板温度を1180℃に保って3時間の間熱酸化を行なうことにより、厚さ約60nmの熱酸化膜を形成する。このとき、図14に示すように、ステップ領域では、ゲート絶縁膜9の厚みは、テラス領域における厚みの半分程度になる。
次に、図10(b)に示す工程で、酸素と窒素との化合物からなるガスとして、例えば一酸化窒素ガスの雰囲気中で、基板温度を例えば1100℃にして、1時間の間アニールを行なう。この工程については、第1の実施形態において、図4(a),(b)を参照しながら説明した通りである。
次に、図10(c)に示す工程で、フォトリソグラフィ−とフッ酸エッチングによって、基板の主面上のゲート絶縁膜39のうちソース・ドレイン電極形成領域に位置する部分を除去し、リフトオフ法を用いて、ソース・ドレイン領域37上に厚さ100nmのニッケル膜からなるソース・ドレイン電極42を形成する。また、図には表れていない断面において、ウェル領域33にオーミック接触する電極を形成する。その後、ソース・ドレイン電極42などとSiC層との間のオ−ミック接触特性を得るために、窒素などの不活性ガス雰囲気中で950℃程度で2分間程度の熱処理を行なう。
次に、図10(d)に示す工程で、基板上に、厚さ150nm程度のアルミニウム膜を堆積した後、汎用のフォトリソグラフィ−と燐酸系のウェットエッチングによって、アルミニウム膜をパターニングし、ゲート電極43を形成する。
この後、図示しないが、プラズマCVD等により、基板上に層間絶縁膜として厚さ1μm程度のシリコン酸化膜を堆積し、ドライエッチングにより、シリコン酸化膜にソース・ドレイン電極およびゲート電極に達するヴィアホ−ルを開口した後、基板上に厚さ2μm程度のアルミニウム膜を堆積して、上部配線を形成することにより、横型SiC−MISFETを形成する。
本実施形態の製造方法によると、図12(a)に示されるようなマクロステップを横切る方向に電流が流れる横型SiC−MISFET(サンプルA’と基本的に同じ)、又はマクロステップに平行な方向に電流が流れる横型SiC−MISFET(サンプルB’と基本的に同じ)、あるいは両者が共に得られる。
その場合にも、第1の実施形態において作成したサンプルA’,B’と同様に、マクロステップを横切る方向に電流が流れる横型SiC−MISFETと、マクロステップに平行な方向に電流が流れる横型SiC−MISFETとでは、ほぼ同じ閾値電圧が得られることになる。言い換えると、本実施形態の横型SiC−MISFETでは、マクロステップの方向に対するゲート電極43の傾きを考慮する必要がなくなり(すなわち、MISFETをSiC基板のいかなる方向にも配置できるので)、たとえば、SiC基板31中の欠陥(マイクロパイプなど)のある部分を避けてSiC−MISFETを形成する際の歩留まりが向上する。
なお、上記第1,第2の実施形態では、V族元素を含むガスとして、酸素と窒素の化合物のガスである一酸化窒素(NO)を用いたが、これに代えて亜酸化窒素(N2O)ガス,NO2ガス,NO3ガス,リンを含むガスなどを用いても、同様な効果が得られる。
第1,第2のの実施形態では、SiC層上の酸化膜であるゲート絶縁膜を熱酸化法によって形成したが、ゲート絶縁膜9を必ずしも熱酸化法によって形成する必要はない。他の方法[例えば、シランガス(SiH4)と酸素(O2)を用いた低圧化学蒸着法(LPCVD),プラズマ蒸着法による酸化膜の形成や、CVD法,蒸着法,熱酸化法のあらゆる組み合わせ]を用いて、SiC層上に酸化膜を堆積させることもできる。あるいは、きわめて薄い熱酸化膜を形成した後に、CVD法などによって酸化シリコン膜を堆積してもよい。このようにすることによって、テラス領域とステップ領域でのゲート絶縁膜の膜厚の差を小さくできることができ、特性をさらに均一にできる。
上記第1,第2の実施形態では、ウェル領域を形成するためのイオン注入を行なっているが、ウェル領域はin-situ ドープを利用して形成することも可能である。
上記第1,第2の実施形態では、蓄積型SiC−MISFET構造のSiC−MISFETに本発明を適用した例について説明したが、本発明は反転型SiC−MISFET構造を有するSiC−MISFETに適用してもよい。また、本発明は二重注入型SiC−MISFETに限られるものではない。
(第3の実施形態)
本実施形態においては、SiC−MISFETの構造は、第1,第2の実施形態と基本的に同じでよいので、説明を省略し、製造工程のみについて説明する。
本実施形態においては、SiC−MISFETの構造は、第1,第2の実施形態と基本的に同じでよいので、説明を省略し、製造工程のみについて説明する。
本実施形態においては、図3(a),図9(e)に示す工程の後、SiC層の表面上に第1のゲート絶縁膜を形成する。このとき、第1のゲート絶縁膜の厚さは、20nm未満,例えば8nm程度であることが好ましい。その後、不活性ガス(Ar,N2,He,Ne等)雰囲気中で、1000℃以上の温度(例えば、1000℃〜1150℃)でアニールする。このアニール処理によって、第1のゲート絶縁膜が前もって緻密化される。
次に、NOガス,N2Oガス,NO3ガス,NO2ガスなどの窒素を含むガス、又はリン(P)を含むガスに、例えば1100℃,チャンバ内圧力が300Torr(約400Pa)の条件で、2時間の間アニールを行なう。
次に、約300℃の温度での電子サイクロトロン共鳴プラズマCVD法(ECR−pCVD)により、第1のゲート絶縁膜の上に、厚さが例えば75nm程度の第2のゲート絶縁膜を形成する。
その後、900℃以上1100℃以下の温度で(例えば1000℃)、不活性ガス雰囲気(例えばAr雰囲気)中で、1時間程度のアニールを行なう。
図11は、第3の実施形態の方法により形成したゲート絶縁膜を容量絶縁膜として備えたMISキャパシタのCV測定の結果を示す図である。同図の横軸は電極間の電圧を表し、同図の縦軸は容量を表している。同図における実験曲線と、理論曲線とを比較すると、両者の差がわずかであることから界面準位密度が減少していることがわかる。
したがって、第3の実施形態の方法によっても、第1,第2のゲート絶縁膜からなるゲート絶縁膜によって、界面準位密度の低減により、第1の実施形態と同様の効果を発揮することができる。
また、本実施形態の製造方法によると、60nmを越える厚さのゲート絶縁膜を形成する場合にも、高品質のSiC−MISFETが容易に得られ、より高いゲート耐圧を実現できる。
本発明のSiC−MISFETは、電力機器や高周波信号を扱う装置における大電力の信号を切り換えたり、増幅するためのパワーデバイスとして用いることができる。
1,31 SiC基板
2,32 高抵抗SiC層
3,33 ウェル領域
4 p+コンタクト領域
6,36 チャネル層
6a アンドープ層
6b δドープ層
7 ソース領域
8 コンタクトホール
9,39 ゲート絶縁膜
11,41 ドレイン電極
12,42 ソース電極
13,43 ゲート電極
37 ソース・ドレイン電極
2,32 高抵抗SiC層
3,33 ウェル領域
4 p+コンタクト領域
6,36 チャネル層
6a アンドープ層
6b δドープ層
7 ソース領域
8 コンタクトホール
9,39 ゲート絶縁膜
11,41 ドレイン電極
12,42 ソース電極
13,43 ゲート電極
37 ソース・ドレイン電極
Claims (25)
- ( 0 0 0 1)面から10°以下のある角度だけ傾いた主面を有するSiC層と、
上記SiC層の上に形成され、少なくとも下部にV族元素を含む領域を有する酸化膜からなるゲート絶縁膜と、
上記ゲート絶縁膜の上に形成されたゲート電極と、
上記SiC層のうち上記ゲート電極の側方に位置する領域に設けられ、第1導電型不純物を含む少なくとも1つの不純物拡散層と
を備えているSiC−MISFET。 - 請求項1記載のSiC−MISFETにおいて、
上記V族元素は窒素である,SiC−MISFET。 - 請求項1又は2記載のSiC−MISFETにおいて、
上記不純物拡散層は、第2導電型不純物を含むウェル領域と、上記ウェル領域によって囲まれたソース領域とを有しており、
上記SiC基板はドレイン領域として機能する,SiC−MISFET。 - 請求項3記載のSiC−MISFETにおいて、
上記SiC層は、表面が( 0 0 0 1)面であるステップ領域と、表面が( 0 0 0 1)面以外の結晶面であるテラス領域とによって形成されるマクロステップを有しており、
上記ソース領域から上記SiC層の上記ゲート電極直下の領域に向かう方向には、上記マクロステップを横切る方向と上記マクロステップに実質的に平行な方向とが混在している,SiC−MISFET。 - 請求項1又は2記載のSiC−MISFETにおいて、
上記不純物拡散層は、第2導電型不純物を含むウェル領域又はベース領域と、上記ウェル領域又はベース領域によって囲まれ、上記ゲート電極を挟むソース領域及びドレイン領域とを有している,SiC−MISFET。 - 請求項5記載のSiC−MISFETにおいて、
上記SiC層は、表面が( 0 0 0 1)面であるステップ領域と、表面が( 0 0 0 1)面以外の結晶面であるテラス領域とによって形成されるマクロステップを有しており、
上記ソース領域から上記ドレイン領域に向かう方向には、上記マクロステップを横切る方向
と上記マクロステップに実質的に平行な方向とが混在している,SiC−MISFET。 - 請求項1〜6のうちいずれか1つに記載のSiC−MISFETにおいて、
上記ゲート絶縁膜の下部におけるV族元素濃度の高い領域の厚さ方向の寸法が15nm以下である,SiC−MISFET。 - 請求項1〜7のうちいずれか1つに記載のSiC−MISFETにおいて、
上記V族元素は窒素であり、
上記ゲート絶縁膜の下部における窒素濃度の最大値が、1×1020cm-3以上で、1×1022cm-3以下である,SiC−MISFET。 - 請求項1〜8のうちいずれか1つに記載のSiC−MISFETにおいて、
上記V族元素は窒素であり、
上記ゲート絶縁膜全体における窒素の平均濃度が1020cm-3以下である,SiC−MISFET。 - 請求項1〜9のうちいずれか1つに記載のSiC−MISFETにおいて、
上記ゲート絶縁膜の上記SiC層との境界付近の領域における界面準位の密度は、バンド端付近で1×1012cm-3/eV以下である,SiC−MISFET。 - ( 0 0 0 1)面から10°以下のある角度だけ傾いた主面を有するSiC層の一部に少なくとも第1導電型不純物のイオン注入を行なって、不純物拡散領域を形成する工程(a)と、
上記不純物拡散領域中に注入された不純物を活性化するためのアニールを行なう工程(b)と、
上記不純物拡散領域の少なくとも一部の上方に、酸化膜を形成する工程(c)と、
上記工程(c)の後に、上記SiC層を減圧装置を付設したチャンバ内に設置して、上記酸化膜を、1000℃以上1200℃以下の温度範囲で、V族含有ガスを含む減圧された雰囲気に曝露して、ゲート絶縁膜を形成する工程(d)と、
上記ゲート絶縁膜の上にゲート電極を形成する工程(e)と
を備えているSiC−MISFETの製造方法。 - 請求項11に記載のSiC−MISFETの製造方法において、
上記不純物を活性化するためのアニールの温度は1750℃以上である,SiC−MISFETの製造方法。 - 請求項11または12記載のSiC−MISFETの製造方法において、
上記工程(a)は、
上記SiC層内に第2導電型不純物のイオン注入を行なってウェル領域を形成する工程(a1)と、
上記ウェル領域内に第1導電型不純物のイオン注入を行なって、ソース領域を形成する工程(a2)とを含むSiC−MISFETの製造方法。 - 請求項11〜13のうちいずれか1つに記載のSiC−MISFETの製造方法において、
上記工程(a1)の後で上記工程(a2)の前に、上記ウェル領域およびSiC層に跨る,第1導電型不純物を含むチャネル層を成長させる工程(f)をさらに備えているSiC−MISFETの製造方法。 - 請求項11〜14のうちいずれか1つに記載のSiC−MISFETの製造方法において、
上記工程(a)は、
上記SiC層内に第2導電型不純物のイオン注入を行なってウェル領域を形成する工程(a3)と、
上記ウェル領域内に第1導電型不純物のイオン注入を行なって、ソース領域及びドレイン領域を形成する工程(a4)とを含むSiC−MISFETの製造方法。 - 請求項11〜15のうちいずれか1つに記載のSiC−MISFETの製造方法において、
上記V族含有ガスは、窒素を含むガスであり、
上記窒素を含むガスが酸素をも含んでおり、
上記工程(b)における減圧されたガス雰囲気は、1.33×102Pa以上で6.67×104Pa以下である,SiC−MISFETの製造方法。 - 請求項16記載のSiC−MISFETの製造方法において、
上記窒素を含むガスは、NOガス,N2Oガス,NO2ガス及びNO3ガスのうち少なくとも1つのガスから選ばれる,SiC−MISFETの製造方法。 - 請求項16記載のSiC−MISFETの製造方法において、
上記工程(d)では、1100℃以上で1150℃以下の温度で、上記酸化物層を減圧された窒素を含むガス雰囲気に曝露する,SiC−MISFETの製造方法。 - 請求項18記載のSiC−MISFETの製造方法において、
上記工程(d)では、上記酸化膜を窒素を含むガスに暴露する時間は、上記ゲート絶縁膜の下部に窒素濃度が1×1020cm-3以上で1×1022cm-3以下の領域が形成される範囲内の時間である,SiC−MISFETの製造方法。 - 請求項11〜19のうちいずれか1つに記載のSiC−MISFETの製造方法において、
上記工程(c)では、酸化雰囲気下で1000〜1200℃に加熱して熱酸化を行なうことにより、上記酸化膜を形成する,SiC−MISFETの製造方法。 - 請求項11〜19のうちいずれか1つに記載のSiC−MISFETの製造方法において、
上記工程(c)では、CVDにより上記酸化膜を形成する,SiC−MISFETの製造方法。 - 請求項11〜21のうちいずれか1つに記載のSiC−MISFETの製造方法において、
上記工程(c)の後で上記工程(d)の前に、酸化膜を不活性ガス雰囲気中でアニールする工程をさらに含む,SiC−MISFETの製造方法。 - ( 0 0 0 1)面から10°以下のある角度だけ傾いた主面を有するSiC層の一部に少なくとも第1導電型不純物のイオン注入を行なって、不純物拡散領域を形成する工程(a)と、
上記不純物拡散領域中に注入された不純物を活性化するためのアニールを行なう工程(b)と、
上記不純物拡散領域の少なくとも一部の上方に、第1の酸化膜を形成する工程(c)と、
上記工程(c)の後に、上記第1の酸化膜の上に、第2の酸化膜を堆積する工程(d)と、
上記工程(d)の後に、900℃以上1100℃以下の温度で、不活性ガス雰囲気中でアニールすることにより、上記第1の酸化膜及び第2の酸化膜からなるゲート絶縁膜を形成する工程(e)と
上記工程(e)の後に、上記SiC層を減圧装置を付設したチャンバ内に設置して、上記酸化膜を、1000℃以上1200℃以下の温度範囲で、V族含有ガスを含む減圧された雰囲気に曝露して、ゲート絶縁膜を形成する工程(f)と、
上記ゲート絶縁膜の上にゲート電極を形成する工程(g)と
を備えているSiC−MISFETの製造方法。 - 請求項23記載のSiC−MISFETの製造方法において、
上記工程(c)では、厚さ20nm未満の熱酸化膜を形成する,SiC−MISFETの製造方法。 - 請求項23又は24記載のSiC−MISFETの製造方法において、
上記工程(f)では、上記V族元素含有ガスとして、NOガス,N2Oガス,NO2ガス及びNO3ガスのうちから選ばれる少なくとも1つのガスを用いる,SiC−MISFETの製造方法。
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