JP2005160170A - 電動機 - Google Patents
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Abstract
【課題】ステータコアの外周に突出部が発生しても、断面が円形のブラケットにそのまま嵌着できるステータコアを備えた電動機を提供する。
【解決手段】図1(C)の点線で示すコアシートの仮想外周線と突出部3cの頂点との寸法aがあればコアシートの外周からの突出を防止できる。従ってコア素材1の設計時点で、コア素材1の凹状の切欠3bの深さ寸法cをすくなくとも、突出部3cの頂点から凹状の切欠3bの底辺までの寸法bよりも大きい寸法にする。場合によっては誤差を考慮し、寸法bに寸法aをマージンとして加算し、切欠3bの深さ寸法cを決定する。
【選択図】図1
【解決手段】図1(C)の点線で示すコアシートの仮想外周線と突出部3cの頂点との寸法aがあればコアシートの外周からの突出を防止できる。従ってコア素材1の設計時点で、コア素材1の凹状の切欠3bの深さ寸法cをすくなくとも、突出部3cの頂点から凹状の切欠3bの底辺までの寸法bよりも大きい寸法にする。場合によっては誤差を考慮し、寸法bに寸法aをマージンとして加算し、切欠3bの深さ寸法cを決定する。
【選択図】図1
Description
本発明は、電動機の固定子に係わり、より詳細には、帯状の電磁鋼板を打ち抜いて環状に形成した固定子鉄心を備えた電動機に関する。
従来、電動機のステータコア(固定子鉄心)は、図3に示す構造であった。図3(A)は、コア素材を示す平面図であり、図3(B)はコア素材を環状に加工したコアシートの平面図、図3(C)はコアシートを積層してステータコアを形成した斜視図である。
図3(C)に示すステータコアを作成するために、まず、図3(A)及び図3(D)に示すように磁性鋼板のシートをプレスで打ち抜いて帯状のコア素材81を作成する。このコア素材81は、複数のセグメント82を薄肉部83で直列に接続した帯状であり、各セグメント82はティース84とヨーク85とで構成されている。
隣接するティース84の間のヨーク85に位置する磁性鋼板には、帯状のコア素材81の一側aから他側bに向けて先すぼまりの切欠86が形成されている。各切欠86の奥端には拡開87が連設されており、拡開87と帯状のコア素材81の他側bの間に薄肉部83が形成されている。
このようにしてプレス加工で作成された多数のコア素材81は、それぞれ図3(B)に示すようにティース84が内側になるように湾曲させて薄肉部83を塑性変形させてコア素材81の一端81cと他端81dが当接する環状に成形してコアシート88を作成する。
次に、コアシート88を積層して図3(C)に示す筒状とし、外周の一部に形成されている溝89の部分を溶接してステータコア90が完成する。その後にステータコア90に巻線(図示せず)が施されてステータ(固定子)になる(例えば、特許文献1参照)。
なお、コア素材81を積層し、これに巻線を巻回した後、薄肉部83を塑性変形させてコア素材81の一端81cと他端81dが当接する環状に成形してステータコアを作成する場合もある。これはステータの巻線作業を容易にするためである。
なお、コア素材81を積層し、これに巻線を巻回した後、薄肉部83を塑性変形させてコア素材81の一端81cと他端81dが当接する環状に成形してステータコアを作成する場合もある。これはステータの巻線作業を容易にするためである。
コア素材81は、図3(D)のコア素材の要部拡大図に示すように、薄肉部83が屈曲される構造となっている。従って、屈曲されて形成されたコアシート88の薄肉部83には、図3(E)のコアシート要部拡大図に示すように、薄肉部83の屈曲により突出する突出部91が発生する。
ところで、通常の電動機では、このような形状のステータコアを、断面が円形のケース、又はブラケットに格納することが多い。図4はこの格納構造を説明するための電動機の断面図であり、図4(A)はモールドを介してケースに固定した例、図4(B)はケースに直接固定した例を示す。なお、ステータコアに巻回されている巻線は図示していない。また、図4において、97は回転子であり、97aは回転子97の中心に備えられた回転軸である。
このステータコア95の突出部95aは、ステータコア95の外周面から突出しているため、断面が円形のブラケット96に格納するため、図4(A)に示すようにステータコア95の外周面を合成樹脂98によってモールドしている。
一方、合成樹脂によってモールドしないで直接、ブラケットに格納する場合は、図4(B)に示すように、断面が円形のブラケット99に突出部95aと対応する凹部99aを設けて嵌合する構造となっている。
しかしながら、図4(A)の構造では、モールド処理を行なうための工程や金型が必要なために電動機のコストアップとなり、また、モールド部分のためにブラケットの外径が大きくなってしまうという問題があった。さらに、モールド処理されたステータコアはリサイクルが難しく、環境問題に対応できないという問題もあった。
また、図4(B)の構造では、ブラケットに凹部を設けるための加工が必要となり、電動機のコストがアップするという問題があった。
また、図4(B)の構造では、ブラケットに凹部を設けるための加工が必要となり、電動機のコストがアップするという問題があった。
本発明は以上述べた問題点を解決し、ステータコアの外周に突出部が発生しても、断面が円形のブラケットにそのまま嵌着できるステータコアを備えた電動機を提供することを目的とする。
本発明は上述の課題を解決するため、歯部と継鉄とを1組のセグメントとし、同セグメントの継鉄に備えられた薄肉の連結部により、複数の前記セグメントが連結されたコア素材が環状に屈曲された固定子鉄心を備えた電動機において、
前記連結部の外周に切欠を設け、前記切欠の深さ寸法を、前記コア素材を環状に屈曲した際に前記切欠の底辺から変形して突出する突出部が、前記継鉄の外周円内となる深さににする。
前記連結部の外周に切欠を設け、前記切欠の深さ寸法を、前記コア素材を環状に屈曲した際に前記切欠の底辺から変形して突出する突出部が、前記継鉄の外周円内となる深さににする。
以上の手段を用いることにより、本発明による電動機によれば、請求項1に係わる発明は、連結部の外周に切欠を設け、切欠の深さ寸法を、コア素材を環状に屈曲した際に前記切欠の底辺から変形して突出する突出部が、継鉄の外周円内となる深さにすることにより、
ステータコアのモールド処理やブラケットに突出部と対応する加工を施さなくても、断面が円形のブラケットにステータコアをスムースに嵌着することができ、作業性の改善やコストダウンを図ることができる。
また、コア素材を積層し、これに巻線を巻回した後、薄肉部を塑性変形させ、環状に成形してステータコアを作成する場合に、各ティース間の巻線の渡り線が従来よりも短くなるため、ステータコアを作成した場合に渡り線の弛みを小さくできる。また、巻線や磁性鋼板の使用量を削減できる。
ステータコアのモールド処理やブラケットに突出部と対応する加工を施さなくても、断面が円形のブラケットにステータコアをスムースに嵌着することができ、作業性の改善やコストダウンを図ることができる。
また、コア素材を積層し、これに巻線を巻回した後、薄肉部を塑性変形させ、環状に成形してステータコアを作成する場合に、各ティース間の巻線の渡り線が従来よりも短くなるため、ステータコアを作成した場合に渡り線の弛みを小さくできる。また、巻線や磁性鋼板の使用量を削減できる。
以下、本発明の実施の形態を、添付図面に基づいた実施例として詳細に説明する。
図1に本発明の電動機に使用される固定子鉄心(ステータコア)の構造を示す。図1(A)は、コア素材を示す平面図であり、図1(B)はコア素材の要部拡大図、図1(C)はコアシートの要部拡大図である。
ステータコアを作成するために、まず、図1(A)に示すように磁性鋼板のシートをプレスで打ち抜いて帯状のコア素材1を作成する。このコア素材1は、複数のセグメント2を連結部3で直列に連結した帯状であり、各セグメント2はティース(歯部)4を備えたヨーク(継鉄)5とで構成されている。
また、図1(B)に示すように、連結部3の磁性鋼板には、帯状のコア素材1の一側a(歯部4の先端側)から他側b(継鉄5の外周側)に向けて先すぼまりの切欠6が形成されており、また、切欠6の奥端には拡開7が連設されている。
一方、帯状のコア素材1の他側b、つまり、コアシートに形成したときの外周の連結部3には、凹状の切欠3bが備えられており、拡開7と切欠3bとの間が薄肉部3aとなる。従って、薄肉部3aの他側b(継鉄5の外周側)が切欠3bの底辺となる。
図1(C)は帯状のコア素材1を屈曲した環状のコアシートを部分的に拡大した図である。隣接する切欠6の端面が接触するまで帯状のコア素材1が屈曲されると、背景技術の項で説明したように、凹状の切欠3bの底辺から突出部3cが突出する。しかし、突出部3cの頂点が、環状に連結された継鉄5の外周円内であれば、結果的にコアシートの外周から突出することが防止できる。
具体的には、点線で示すコアシートの仮想外周線の接線と突出部3cの頂点との差である寸法aがあればコアシートの外周からの突出を防止できる。従ってコア素材1の設計時点で、コア素材1の凹状の切欠3bの深さ寸法cを少なくとも、突出部3cの頂点から凹状の切欠3bの底辺までの寸法bよりも大きい寸法にする。場合によっては誤差を考慮し、寸法bに寸法aをマージンとして加算し、切欠3bの深さ寸法cを決定してもよい。
この突出部3cが実際にどの程度の寸法となるか実験したところ、図1(B)において、突出部3cの高さ寸法は、少なくとも、薄肉部3aの幅(a側とb側の最短幅)より小さくなることが判明した。従って、例えば薄肉部3aの幅が2mmであれば、切欠3bの深さ寸法cは、最低でも2mmが必要となる。
また、図2(B)において、切欠3bの深さ寸法cを考えると、凹状の切欠3bの底辺が、隣接する継鉄5の外周の仮想延長線(点線で図示)の交点Pよりも、少なくとも下方(a側)に位置する必要があることになる。
このような構造のコア素材1を環状にしてコアシートを形成し、このコアシートを積層してステータコアを作成することにより、モールド処理やブラケットに突出部と対応する加工を施さなくても、断面が円形のブラケットにステータコアをスムースに嵌着することができ、作業性の改善やコストダウンを図ることができる。
図2は本願の別の効果を説明するための平面図であり、(A)は、従来と本願とのコア素材の比較を示し、(B)は本願のコア素材の連結部の拡大図を示している。
図2(A)において、上のコア素材は従来の形状を、下のコア素材は本願の形状を示しており、同じ直径のコアシートを作成するためのものである。本願のコア素材は従来のコア素材よりも、連結したセグメントの横方向の寸法を小さくできる。つまり、3つのセグメントを比較した場合に、3つ目のセグメント中心で寸法aだけ本願のコア素材が小さくなっている。つまり各セグメント間のピッチが狭くなっている。
この理由は図2(B)に示すように、従来のコア素材の薄肉部と本願の薄肉部3aが同じ幅なので、本願の凹状の切欠3bの深さ寸法aだけ、屈曲の支点、つまり、切欠6のV字型の頂点6aがコアシートの中心方向に移動しているからである。
このため、同じ寸法の磁性鋼板を使用した場合、従来のコア素材よりも、本願のコア素材の板取りが改善される。
また、各セグメント間のピッチが狭くなっているため、図示しないが、コア素材1を積層し、これに巻線を巻回した後、薄肉部3aを塑性変形させ、環状に成形してステータコアを作成する場合に、各ティース間の巻線の渡り線が従来よりも短くなるため、ステータコアを作成した場合に渡り線の弛みを小さくできる。また、巻線の使用量を削減できる。
また、各セグメント間のピッチが狭くなっているため、図示しないが、コア素材1を積層し、これに巻線を巻回した後、薄肉部3aを塑性変形させ、環状に成形してステータコアを作成する場合に、各ティース間の巻線の渡り線が従来よりも短くなるため、ステータコアを作成した場合に渡り線の弛みを小さくできる。また、巻線の使用量を削減できる。
1 コア素材
2 セグメント
3 連結部
3a 薄肉部
3b 切欠
3c 突出部
4 ティース
5 ヨーク
6 切欠
6a 頂点
7 拡開
2 セグメント
3 連結部
3a 薄肉部
3b 切欠
3c 突出部
4 ティース
5 ヨーク
6 切欠
6a 頂点
7 拡開
Claims (1)
- 歯部と継鉄とを1組のセグメントとし、同セグメントの継鉄に備えられた薄肉の連結部により、複数の前記セグメントが連結されたコア素材が環状に屈曲された固定子鉄心を備えた電動機において、
前記連結部の外周に切欠を設け、前記切欠の深さ寸法を、前記コア素材を環状に屈曲した際に前記切欠の底辺から変形して突出する突出部が、前記継鉄の外周円内となる深さにしてなることを特徴とする電動機。
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