JP3969379B2 - 積層鉄心とその製造方法、及び回転電機 - Google Patents

積層鉄心とその製造方法、及び回転電機 Download PDF

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Description

この発明は、鉄心片に設けたかしめ部によって複数枚の鉄心片が一体化された積層鉄心とその製造方法、及び前記積層鉄心からなる回転電機に関するものである。
従来の積層コアにおいては、コイルを挿入するための複数のスロットと磁気回路を形成する複数のティース部およびコア背部とからなるコアを、複数枚積層して積層コアを形成する固定子鉄心において、前記複数のティース部のほぼ中央部とコア背部のほぼ中央部との間にわたって突起部を設けることによって、ティース部の強度を向上できるために、ステータの巻線作業時に発生するコイル挿入力によるコアの変形およびティースの浮き上がりを防止するものがあった(例えば、特許文献1参照)。
特開平5−103436号公報(第2−3頁、第1−5図)
従来の積層コアでは、ティース部のほぼ中央部とコア背部のほぼ中央部との間にわたって突起部を設けてティース部の強度を向上して、巻線作業時に発生するコイル挿入力によるコアの変形およびティースの浮き上がりを防止するものであって、突起部を設けるためにティース幅寸法が大きくなったり、突起部を設けたことによって積層方向の寸法が大きくなるとともに、積層コアの端面の平面度が悪化するなどの問題があった。また、鉄心片(コア)に設けたかしめ部を嵌合して複数枚の鉄心片を一体化した積層鉄心では、特に端面に位置する鉄心片のティースが浮き上がり、積層方向に隙間ができて、積層鉄心の端面の平面度が悪化するなどの問題があった。
この発明は、上記のような問題点を解決するためになされたものであり、第1の目的は、積層鉄心の端面の鉄心片のティースの浮き上がりが矯正されて、積層鉄心の端面の平面度の良い小型の積層鉄心を得るものである。
また、第2の目的は、積層鉄心の端面の鉄心片のティースの浮き上がりが矯正されて、積層鉄心の端面の平面度が良く、生産性の良い積層鉄心の製造方法を得るものである。
また、第3の目的は、積層鉄心の端面の平面度を容易に向上できて、平面度の良い積層鉄心を備えた回転電機を得るものである。
この発明は、コイルを収容する複数のスロットと、この複数のスロット間に位置する複数のティース部、この複数のティース部連結する連結部と、この連結部に設けられたかしめ部と、を備えた鉄心片を、前記かしめ部を嵌合することによって複数枚の前記鉄心片を一体化した積層鉄心であって、第一鉄心片のかしめ部は穴部を有し、第二鉄心片のかしめ部は一側の面に凸部を、その凸部の反対側の面には凹部を有しており、前記第一鉄心片の穴部に前記第二鉄心片の凸部が嵌合され、その第二鉄心片の凹部には隣接する第二鉄心片の凸部を嵌合するごとく順次第二鉄心片の凹部と凸部を嵌合して一体化した積層鉄心において、前記第一鉄心片のティースのうち前記第二鉄心片がわの面に設けられた、前記第一鉄心片のティースの浮き上がりを矯正する打込み部を備え、該打込み部の反対側の面には該打込み部に伴う突起を有さないような前記打込み部を備えたものである。
また、コイルを収容する複数のスロットと、この複数のスロット間に位置する複数のティースと、この複数のティースを連結する連結部と、この連結部に設けられたかしめ部とを備えた鉄心片を、金型内で帯状の板材から順次打抜き形成するとともに、前記かしめ部を嵌合することによって複数枚の前記鉄心片を一体化するものであって、第一鉄心片のかしめ部は穴部を有し、第二鉄心片のかしめ部は一側の面に凸部を、その凸部の反対側の面には凹部を有しており、前記第一鉄心片の穴部と前記第二鉄心片の凸部を嵌合され、その第二鉄心片の凹部には隣接する第二鉄心片の凸部を嵌合するごとく順次第二鉄心片の凹部と凸部を嵌合して一体化した積層鉄心の製造方法において、前記第一鉄心片の外径を打抜く工程よりも前に、前記第一鉄心片のティースのうち、前記第一鉄心片が隣接する第二鉄心片がわの面に、前記第一鉄心片のティースの浮き上がりを矯正するとともにその反対側の面には突起を生じさせないような打込み部を形成する工程を備えたものである。
また、積層鉄心を軸方向に複数個並設した軸鉄心を備えた回転電機において、前記軸鉄心における両端面の鉄心片は、ティースに打込み部を備えた第一鉄心片が配設されているものである。
この発明によれば、第一鉄心片のティースのうち第二鉄心片がわの面に、第一鉄心片のティースの浮き上がりを矯正する打込み部を設けたので、隣接する第二鉄心片との隙間が減少して、積層鉄心の端面の平面度が良く小型の積層鉄心が得られる効果がある。
実施の形態1.
実施の形態1を図1〜図6に基づいて説明する。なお、以下図中同一または相当部分には同一符号を付して説明する。図3は、電動パワーステアリング装置用モータの断面図である。図3において、回転電機をなす電動パワーステアリング装置用モータ1は、ヨーク2の内面に固定された永久磁石3の内周側に所定の空隙を介して電機子4が配設されており、電機子4のシャフト5は、ベアリング6および7によって回転自在に支持されている。電機子4は、シャフト5に固定された電磁鋼板からなる積層鉄心8のスロット9に巻回されたコイル10を備えている。シャフト5に固定された整流子11にはブラシ12が摺接しており、リード線13からブラシ12、整流子11を介してコイル10は給電される。
図4は、図3の軸鉄心の断面図であって、軸鉄心14は、シャフト5に積層鉄心8が圧入によって固定されている。積層鉄心8は、各々一体化された3個の積層鉄心8を軸方向に並設して構成されている。図4の軸鉄心14に整流子11が圧入されるとともに、スロット9間を跨いでコイル10が巻回され、積層鉄心8の両端面に位置するコイル10をスロット9の底方向に治具で順次押込みながらコイル10をスロット9に高密度に配設し、コイル10は整流子11に接続されて電機子4は構成されている。
図5は、図4のAから見た積層鉄心の正面図である。コイル10を収容する21個のスロット9と、このスロット9の間に位置する21個のティース15と、このティース15を連結する連結部16と、この連結部16に設けられたかしめ部17とを備えた鉄心片18を、かしめ部17を嵌合することによって、例えば40枚の鉄心片18を一体化している。ティース15には、かしめ部17を備えておらず、隣り合うティース15との間に、開口部を有したオープンスロットとなっている。かしめ部17は、軸心と同心に形成された長円形状であって、これによって鉄心片18は所定角度回転方向に回転しながらかしめ部17によって順次嵌合されて、スキューされた積層鉄心8が形成されている。連結部16の内側には、シャフト穴19を備えており、シャフト穴19にシャフト5を圧入して積層鉄心8が3個並設されて固定される。
図1は、図5のB−Bで断面した、かしめ部および打込み部の要部断面図である。積層鉄心8の一端部に位置する第一鉄心片20のかしめ部17は穴部21を有しており、第一鉄心片20と隣接する第二鉄心片22のかしめ部17は一側の面に凸部23を、その凸部23の反対側の面には凹部24を有しており、第一鉄心片20の穴部21に第二鉄心片22の凸部23が嵌合され、その第二鉄心片22の凹部24には隣接する第二鉄心片22の凸部23を嵌合するごとく順次第二鉄心片22の凹部24と凸部23を嵌合して積層鉄心8は一体化されている。第一鉄心片20のティース15のうち第二鉄心片22がわの面には、第一鉄心片20のティース15の浮き上がりに対する矯正手段をなす打込み部25を備えている。第一鉄心片20のティース15の先端は、打込み部25を起点にして、くの字状に屈曲して、隣接する第二鉄心片22との隙間が減少するように矯正されている。
なお、打込み部25を備えない場合には、図1の破線で示すように、第一鉄心片20のティース15が、該ティース15の先端に行くにしたがって隣接する第二鉄心片22との隙間が広くなるように浮き上がって、ティース15の先端部では隣接する第二鉄心片22との間に、例えば0.3mm程度の隙間が生じている。これは、端面に位置する第一鉄心片20の穴部21に、隣接する第二鉄心片22側から凸部23が嵌合されることで、第一鉄心片20のティース15が上記方向に浮き上がる応力が作用するためで、剛性の弱い穴部21付近のティース15が特に浮き上がりやすい。
図2は、図1のCから見た第一鉄心片の打込み部側の正面図である。第一鉄心片20のティース15のうち第二鉄心片22がわの面に設けられた打込み部25は、ティース15がその先端に向かってのびる方向に対して略直角で直線状に設けられている。打込み部25は、第一鉄心片20の長円形状の穴部21の近傍に位置するティース15に形成されており、図2では、1個の穴部21に対してその近傍に位置する3個のティース15に打込み部25が形成されて、3個の穴部21に対して全体で9個のティース15に打込み部25が形成されている。また、打込み部25は、1個のティース15に対して3本の平行線状の打込み部25が形成されている。
図6は、図1の打込み部の要部説明図である。第一鉄心片20に設けた打込み部25の深さtは、スロット9の打抜きによってティース15に生じた抜きだれの寸法相当の深さとなっている。鋼板を打抜くことによって、せん断切り口面は通常、だれ、せん断面、破断面、かえりの四つの部分から成り立っているが、だれ部は工具が食い込む際に圧下された自由表面の部分である。打込み部25の深さtを、このだれ部の寸法相当の深さとして構成している。本実施の形態では、第一鉄心片20の板厚Tは0.5mmに対して、打込み部25の深さtは0.05mmとしている。つまり、深さtは、板厚Tに対して10%程度の深さとなっている。また、打込み部25の断面形状は、V型形状であり、3本で構成されている。
図4において、軸鉄心14における両端面に位置するの鉄心片18は、上記説明の通り、打込み部25を備えた第一鉄心片20が配設されている。同じ積層鉄心8を、軸方向に3個並設しており、その両端面にはティース15に打込み部25を備えた第一鉄心片20が配設されるように、積層鉄心8の方向を定めてシャフト5に圧入されている。
次に動作について説明する。電動パワーステアリング装置用モータ1は、図示しない制御装置に接続されたリード線13から、ブラシ12を介して電機子4は給電され、磁石3との電磁作用により電機子4は回転力を発生して、この回転力によって電動パワーステアリング装置用モータ1はステアリングの操舵力を補助することができる。
以上のように、この実施の形態1のものでは、第一鉄心片20のティース15のうち第二鉄心片22がわの面に打込み部25を備えたので、打込み部25を起点にして第一鉄心片20のティース15が第二鉄心片22側に屈曲して、積層鉄心8の端面のティース15の浮き上がりが矯正され、隣接する第二鉄心片22との隙間が減少して、積層鉄心8の端面の平面度の良い小型の積層鉄心8を得ることができる。また、打込み部25の反対側の面、即ち積層鉄心8の端面には、上記打込み部25に伴う突起が生じず、平面度の良い積層鉄心8を得ることができる。また、打込み部25による積層鉄心8の磁気特性への影響も問題がない。
打込み部25は、ティース15が該ティース15の先端に向かってのびる方向に対して略直角に設けたので、ティース15に突起部を設ける場合のようにティース15の幅寸法の増加がなく、ティース15の浮き上がりが容易に矯正されて、平面度の良い小型の積層鉄心8を得ることができる。なお、打込み部25が上記直角からずれるに従って、ティース15の先端が回転方向にずれて矯正されるため、できるだけ直角に設けるほうが良い。直線状の打込み部25であるので、容易に屈曲して効果的に矯正される。また、ティース15に設ける打込み部25の径方向の位置は、浮き上がりを効果的に抑制できる位置に設けると良い。
打込み部25は、少なくとも第一鉄心片20の穴部21の近傍に位置するティース15に形成されているので、剛性が弱い穴部21の近傍に位置して浮き上がりやすいティース15について、その浮き上がりが矯正されるため、効果的に平面度の良い小型の積層鉄心8を得ることができる。
打込み部25の深さは、スロット9の打抜きによってティース15に生じた抜きだれの寸法相当以下の深さであるので、打込み部25の影響が端面側に及ばず、端面の平面度が良好で、打込み部25を備えたことによるスロット9側へのはみ出しが抜きだれ部で吸収されて、ティース15からスロット9の方向にはみださない積層鉄心8を得ることができる。また、打込み部25による積層鉄心8の磁気特性への影響も問題がない。なお、打込み部25の深さが極端に浅い場合は、ティース15の浮き上がりに対する矯正効果が減少するので、これを考慮して打込み部25の深さを決定する。
打込み部25は、複数本で形成されているので、打込み部25の深さが比較的浅い場合であっても、効果的にティース15の浮き上がりが矯正されるとともに、打込み部25を備えたことによるスロット9の方向へのはみ出しや平面度への影響が更に抑制されて、平面度の良い小型の積層鉄心8を得ることができる。
打込み部25の断面形状はV型形状であるので、打込み部25の深さが比較的浅い場合であっても効果的に屈曲して、ティース15の浮き上がりが矯正されて、平面度の良い小型の積層鉄心8を得ることができる。
かしめ部25は、軸心と同心に形成された長円形状であり、かしめ部25の精度が低下したり、第一鉄心片20の穴部21の剛性が低下しやすいが、打込み部25を備えることによって、効果的にティース15の浮き上がりが矯正されて、平面度が良く小型でスキューを有した積層鉄心8を得ることができる。なお、背景技術に記載したような突起部を設けたものでは、容易にスキューを行うことができない。
複数個の積層鉄心8を軸方向に並設した軸鉄心14を備えたものおいて、軸鉄心14の両端面の鉄心片18には、ティース15に設けた打込み部25を備えた第一鉄心片20を配設するようにしたので、軸鉄心14の両端面の平面度を容易に向上することができ、平面度が良い積層鉄心8を備えた回転電機を得ることができる。端面の平面度が良いため、コイル10をスロット9に高密度に押し込むことができて、小型で性能の良い回転電機を得ることができる。
実施の形態2.
実施の形態2を図7〜図11に基づいて説明する。図7は、積層鉄心の製造工程の説明図である。例えば板厚が0.5mmの帯状の鋼板26を、金型内を順送りして最後に一体化された積層鉄心8を、7つの工程で製造する例を示している。イの工程は、パイロットピン穴27を打抜く工程、ロの工程は、スロット9を打抜く工程である。ハの工程は、打込み部25を形成する工程であり、この打込み部25を形成する工程の後に、連結部16に3個の穴部21を打抜くニの工程を備えている。ホの工程は、凸部23および凹部24を形成する工程であって、ヘの工程は、シャフト穴19を打抜く工程である。トの工程で、鉄心片18(第一鉄心片20または第二鉄心片22)の外径dが鋼板26から打抜かれて、ティース15は鋼板26から切り離される。なお、上記の各打ち抜きは、図中紙面上から下の方向に向かってパンチが移動して行われる。第一鉄心片20は、上記イ、ロ、ハ、ニ、ヘ、トの工程で、第二鉄心片22は、イ、ロ、ホ、ヘ、トの工程で、各々、工程を選択的に実施することで形成される。例えば、30枚の鉄心片18を一体化して積層鉄心8とする場合では、まず、第一鉄心片20が1枚形成されて、2〜30枚目は第二鉄心片22が形成される。なお、図7は、第一鉄心片20が形成される工程を図示したものである。
図8は、図7の鋼板26をD−Dで断面した打込み部の要部断面図である。ハの工程で打込み部25の形成時は、打込み金型が図中紙面上から下の方向に向かって移動し、鋼板26の片側の面に、例えば90度の角度をもった打込み部25が、鋼板26の板厚の約10%の深さで形成されている。このとき鋼板26の反打込み部側の面は、平面で支持された状態で打込み部25は形成され、打込み部25側が僅かに窪んだ状態に形成される。打込み部25は、ティース15が延びる方向に略直角に1本形成されており、3個の穴部21の位置に各々対応した3箇所のティース15に打込み部25は形成されている。ハの打込み部25を形成する工程では、ティース15の浮き上がりを矯正するための内部応力が与えられて、トの工程で、第一鉄心片20の外径が鋼板26から打抜かれるまで、打込み部25を形成したティース15は鋼板26とが繋がっており、打込み部25による内部応力が残留している。
図9は、鉄心片の積層工程の説明図である。図7のトの工程において、図中紙面下方向に配置された外径抜きダイスで外径が打抜かれて鋼板26から切り離された鉄心片18は、外径抜きダイスの中で外径抜きと同時にかしめ部17が嵌合される。外径抜きダイスの下部には外径抜きダイスと一体の、図9に示す円筒状のスクイズリング27が配置されている。スクイズリング27の内径寸法は、鉄心片18の外径寸法に対して僅かに小さいため、鉄心片18はスクイズリング27の内周面に保持され、順次打ち抜かれる鉄心片18によってスクイズリング27内の鉄心片18は、スクイズリング27から順次押し出されて1個の一体化された積層鉄心8を連続的に得ることができる。なお、かしめ部17を長円形状として、スクイズリング27を所定角度回転させながら順次嵌合するように構成した場合では、実施の形態1のスキューされた積層鉄心8を得ることができる。
図10は、上記の工程によって製造された積層鉄心の正面図である。第一鉄心片20の円形状の穴部21に、第二鉄心片22の円形状の凸部23が勘合され、その後は所定枚数になるまで第二鉄心片22の凹部24に凸部23が嵌合されて、この場合30枚の鉄心片18が一体化した積層鉄心8となっている。なお、所定枚数になると第一鉄心片20を形成することで、第一鉄心片20のかしめ部17は穴部21であるために、その前の第二鉄心片22の凹部24に嵌合することができず、所定枚数で一体化された積層鉄心8を連続的に製造することができる。
図11は、図10の積層鉄心をE−Eで断面した積層鉄心の要部断面図である。第一鉄心片20の穴部21に、第二鉄心片22の凸部23が勘合され、その後は所定枚数になるまで第二鉄心片22の凹部24に凸部23が嵌合されて、この場合30枚の鉄心片18が一体化した積層鉄心8となっている。積層鉄心8の一端面の第一鉄心片20のティース15に設けたV字形状の打込み部25によってティース15の浮き上がりが矯正されている。なお、積層鉄心8の他端面の第二鉄心片22のティース15が浮き上がっているのは、該第二鉄心片22がスクイズリング27から押し出されるときに、該第二鉄心片22のティース15に該積層鉄心8の自重が作用するために浮き上がっている。
以上のように、この実施の形態2のものでは、コイル10を収容する複数のスロット9と、この複数のスロット9間に位置する複数のティース15と、この複数のティース15を連結する連結部16と、この連結部16に設けられたかしめ部17とを備えた鉄心片18を、金型内で帯状の鋼板26から順次打抜き形成するとともに、かしめ部17を嵌合することによって複数枚の鉄心片18を一体化するものであって、第一鉄心片20のかしめ部17は穴部21を有し、第二鉄心片22のかしめ部17は一側の面に凸部23を、その凸部23の反対側の面には凹部24を有しており、第一鉄心片20の穴部21と第二鉄心片22の凸部23を嵌合してなる積層鉄心8の製造方法において、第一鉄心片20の外径を打抜く工程(ト)よりも前に、第一鉄心片20のティース15のうち、第一鉄心片20が隣接する第二鉄心片22がわの面に打込み部25を形成する工程(ハ)を備えたので、打込み部25の形成が容易で生産性が良く、外径を打ち抜かれて鋼板26から切り離された第一鉄心片20のティース15が、打込み部25の残留応力によって隣接する第二鉄心片22との隙間が減少する方向に矯正されて平面度が良く生産性の良い積層鉄心8の製造方法を得ることができる。
打込み部25を形成する工程(ハ)は、かしめ部17を形成する工程(ニおよびホ)よりも前工程で行っているので、打込み部25を形成することによるかしめ部17の寸法精度への影響が無く、かしめ部17の嵌合精度が良いため、平面度の良い積層鉄心8の製造方法を得ることができる。また、打込み部25は直線状であるので、前記打込み金型も簡単な構造で良く、メンテナンスも容易となる。
また、かしめ部17が、上記ニまたはホの、別の工程で形成されるため、第一鉄心片20の穴部21と第二鉄心片22の凸部23の嵌合が安定しない場合があり、第一鉄心片20のティース15が浮き上がりやすくなるが、打込み部25を備えることによって、浮き上がりが矯正された平面度の良い積層鉄心8の製造方法を得ることができる。
なお、第一鉄心片20と反対側の端面の第二鉄心片22のティース15が図11のように浮き上がる場合に対しても、該ティース15に打込み部25を備えることで矯正することができる。但し、この場合は前述の打込み金型の移動を、図7中紙面下から上とする必要があり装置が複雑化する。複数の積層鉄心8を並設する場合は、前述の通り打込み部25を備えた第一鉄心片20を両端面に配設するとよい。
なお、実施の形態1の積層鉄心8と相当の構成の部分については、実施の形態1の積層鉄心8と同様の効果を奏する。
実施の形態3.
実施の形態3を図12〜図14に基づいて説明する。図12は、ブラシレスモータ等の固定子に用いられる積層鉄心の正面図である。積層鉄心8は、コイルを収容する6個のスロット9と、このスロット間に位置する6個のティース15と、このティース15を連結する連結部16と、この連結部16に設けられたかしめ部17とを備えた鉄心片18を、かしめ部17を嵌合することによって所定枚数の鉄心片18を一体化したものであり、実施の形態1および実施の形態2に対して、ティース15が内周側に延びたものである。
図13は、図12の積層鉄心をF−Fで断面した積層鉄心の要部断面図である。第一鉄心片20のかしめ部17は穴部21を有し、第二鉄心片22のかしめ部17は一側の面に凸部23を、その凸部23の反対側の面には凹部24を有しており、第一鉄心片20の穴部21に第二鉄心片22の凸部23が嵌合され、その第二鉄心片22の凹部24には隣接する第二鉄心片22の凸部23を嵌合するごとく順次第二鉄心片22の凹部24と凸部23を嵌合して所定枚数の鉄心片18が一体化されている。第一鉄心片20のティース15のうち第二鉄心片22がわの面には、打込み部25の断面形状が尖ったR状からなる打込み部25が設けられており、第一鉄心片20のティース15の浮き上がりを矯正している。
図14は、図13のGから見た第一鉄心片の打込み部側の正面図である。第一鉄心片20の6個のティース15には、ティース15の延びる方向に対して略直角に、各々1本ずつ計6本の直線状の打込み部25が設けられている。
以上のように、この実施の形態3のものでは、実施の形態1および実施の形態2に対して、ティース15が内周側に延びた固定子の積層鉄心8に関するものであるが、実施の形態1および実施の形態2と相当の構成の部分については、同様の効果を得ることができるものである。
本発明の実施の形態1を示すかしめ部および打込み部の要部断面図である。 本発明の実施の形態1を示す第一鉄心片の打込み部側の正面図である。 本発明の実施の形態1を示す電動パワーステアリング装置用モータの断面図である。 本発明の実施の形態1を示す軸鉄心の断面図である。 本発明の実施の形態1を示す積層鉄心の正面図である。 本発明の実施の形態1を示す打込み部の要部説明図である。 本発明の実施の形態2を示す積層鉄心の製造工程の説明図である。 本発明の実施の形態2を示す打込み部の要部断面図である。 本発明の実施の形態2を示す鉄心片の積層工程の説明図である。 本発明の実施の形態2を示す積層鉄心の正面図である。 本発明の実施の形態2を示す積層鉄心の要部断面図である。 本発明の実施の形態3を示す積層鉄心の正面図である。 本発明の実施の形態3を示す積層鉄心の要部断面図である。 本発明の実施の形態3を示す第一鉄心片の打込み部側の正面図である。
符号の説明
8 積層鉄心、 9 スロット、 14 軸鉄心、 15 ティース、 16 連結部、 17 かしめ部、 18 鉄心片、 20 第一鉄心片、 21 穴部、 22 第二鉄心片、 23 凸部、 24 凹部、 25 打込み部、 26 鋼板。

Claims (10)

  1. コイルを収容する複数のスロットと、この複数のスロット間に位置する複数のティースと、この複数のティースを連結する連結部と、この連結部に設けられたかしめ部と、を備えた鉄心片を、前記かしめ部を嵌合することによって複数枚の前記鉄心片を一体化した積層鉄心であって、第一鉄心片のかしめ部は穴部を有し、第二鉄心片のかしめ部は一側の面に凸部を、その凸部の反対側の面には凹部を有しており、前記第一鉄心片の穴部に前記第二鉄心片の凸部が嵌合され、その第二鉄心片の凹部には隣接する第二鉄心片の凸部を嵌合するごとく順次第二鉄心片の凹部と凸部を嵌合して一体化した積層鉄心において、前記第一鉄心片のティースのうち前記第二鉄心片がわの面に設けられた、前記第一鉄心片のティースの浮き上がりを矯正する打込み部を備え、該打込み部の反対側の面には該打込み部に伴う突起を有さないことを特徴とする積層鉄心。
  2. 打込み部は、ティースが該ティースの先端に向かってのびる方向に対して略直角に設けたことを特徴とする請求項1に記載の積層鉄心。
  3. 打込み部は、少なくとも第一鉄心片の穴部の近傍に位置するティースに形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の積層鉄心。
  4. 打込み部の深さは、スロットの打抜きによってティースに生じた抜きだれの寸法相当以下の深さであることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の積層鉄心。
  5. 打込み部は、複数本で形成されていることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の積層鉄心。
  6. 打込み部の断面形状は、V型形状であることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の積層鉄心。
  7. かしめ部は、軸心と同心に形成された長円形状であることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の積層鉄心。
  8. コイルを収容する複数のスロットと、この複数のスロット間に位置する複数のティースと、この複数のティースを連結する連結部と、この連結部に設けられたかしめ部とを備えた鉄心片を、金型内で帯状の鋼板から順次打抜き形成するとともに、前記かしめ部を嵌合することによって複数枚の前記鉄心片を一体化するものであって、第一鉄心片のかしめ部は穴部を有し、第二鉄心片のかしめ部は一側の面に凸部を、その凸部の反対側の面には凹部を有しており、前記第一鉄心片の穴部と前記第二鉄心片の凸部を嵌合され、その第二鉄心片の凹部には隣接する第二鉄心片の凸部を嵌合するごとく順次第二鉄心片の凹部と凸部を嵌合して一体化した積層鉄心の製造方法において、前記第一鉄心片の外径を打抜く工程よりも前に、前記第一鉄心片のティースのうち、前記第一鉄心片が隣接する第二鉄心片がわの面に、前記第一鉄心片のティースの浮き上がりを矯正するとともにその反対側の面には突起を生じさせないような打込み部を形成する工程を備えたことを特徴とする積層鉄心の製造方法。
  9. 打込み部を形成する工程は、かしめ部を形成する工程よりも前工程で行うことを特徴とする請求項8記載の積層鉄心の製造方法。
  10. 請求項1記載の積層鉄心を軸方向に複数個並設した軸鉄心を備えた回転電機において、前記軸鉄心における両端面の鉄心片は、ティースに打込み部を備えた第一鉄心片が配設されていることを特徴とする回転電機。
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