JP3795781B2 - コアシート、コアシートの製造方法及びステータ並びに電動機 - Google Patents

コアシート、コアシートの製造方法及びステータ並びに電動機 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はコアシート、コアシートの製造方法及びステータ並びに電動機に係り、特に巻線が施される鉄芯部の内側端部が連繋されたコアシート、その製造方法及びそのコアシートを積層して形成されるステータ並びに該ステータを用いた電動機に関する。
【0002】
【従来の技術】
電動機、例えば、ブラシレスモータ等の回転磁界型電動機において、ステータに形成された複数の鉄芯部には巻線が施され、この巻線に電流を流して回転磁界を発生させることにより、ステータの内側に配設されたマグネット付ロータが回転される。
【0003】
このような、回転磁界型電動機のステータは、渦電流による電力ロスや発熱等を防止するため、絶縁皮膜等の絶縁処理を表面に施したケイ素鋼板等の薄肉の磁性材料から成るコアシートを積層することによって形成されている。
【0004】
図8に、従来例にかかるコアシート10を積層して形成されたステータ30を示す。コアシート10は、リング状に形成されたアウターコアシート12と、アウターコアシート12の内側に位置するインナーコアシート13とから構成される。
【0005】
インナーコアシート13は、巻線の巻軸となる複数の鉄芯部14と、リング状の橋絡部16とから構成され、鉄芯部14はリング状の橋絡部16の外側から半径方向外側に向けて放射状に連続的に形成されている。すなわち、橋絡部16によって複数の鉄芯部14が放射状に一体成形されている。
【0006】
鉄芯部14の半径方向外側の端部にはダブテール状の係合部14aが形成され、係合部14aは、アウターコアシート12の半径方向内側に設けられた嵌合部12aと嵌合し、アウターコア12とインナーコア13は一体に固定されている(特許第2875497号公報参照)。
【0007】
このようなアウターコアシート12及びインナーコアシート13は、プレス加工等で大量生産することができる。また、インナーコアシート13は、巻線を施すためのスロット18、すなわち隣接する鉄芯部14の間の空間部、が半径方向外側に向けて開口するため、巻線が容易で電動機製造時の巻線工程の自動化を図ることができるという利点がある。
【0008】
しかし、上記コアシート10を積層して形成されたステータ30は、鉄芯部14が橋絡部16によって結合されているため、磁束の一部は、漏れ磁束となり橋絡部16を流れるので、この漏れ磁束はロータの回転に作用しない。したがって、この損失を補うだけの有効磁束を発生させる必要があるため、電動機の小型化及び高出力の妨げとなってしまう。
【0009】
そこで、図8のコアシート10では、図9に示すように、橋絡部16の肉厚がコアシート10の他の部位の肉厚よりも薄肉とされている。したがって、コアシート10を積層して形成されたステータ30は、橋絡部16での軸線方向の実質的な厚さが、橋絡部16の肉厚とコアシート10の他の部位の肉厚との比に応じて縮小される。
【0010】
上記ステータ30のような磁性体の磁気抵抗は、磁束が流れる磁路の実効断面積の大きさに反比例するものである。したがって、ステータ30では、橋絡部16での軸線方向の実質的な厚さが縮小されることにより、この部分での実効断面積が他の部分よりも縮小されるため、橋絡部16における磁気抵抗がステータ30の他の部分よりも増大される。
【0011】
これにより、前記漏れ磁束を減少させ、有効磁束を増大させることができるので、電動機の効率を上げることができる。
【0012】
また、上記コアシート10は、薄形金属板をプレス加工することにより容易に成形される。なお、コアシート10の他の部位よりも薄肉に形成された橋絡部16は、コアシート10成形時に押圧型によって圧縮加工することにより薄肉とすることができる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、薄肉部を備えたコアシート10を成形するとき、薄肉部が図9に示す橋絡部16のような平面である場合は、圧縮加工する際の加圧力が平面全体に分散してしまうので、加圧力を大きくする必要があり、大きな加圧能力を備えたプレス機械が必要であった。また、押圧金型の摩耗が早くなってしまうため、押圧型の寿命が短くなり、コアシート10の製造コストを押し上げる原因となっていた。
【0014】
本発明の目的は、上記問題に鑑み、電動機に使用されるステータに用いられるコアシートであって、安価なコストで製造することが可能なコアシート及び該コアシートの製造方法を提供することにある。
【0015】
また、本発明の目的は、安価なコストで製造可能であるステータ並びに高出力化及び小型化が可能な電動機を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
前記課題は、請求項1に記載のコアシートによれば、円環状のアウターコアシートと、前記アウターコアシートの内周面に半径方向内側へ向けて放射状に突出して設けられた複数の鉄芯部と、前記複数の鉄芯部の半径方向内側の端部を互いに連繋する橋絡部と、からなるコアシートであって、前記橋絡部には、前記コアシートの厚さ方向に凹状となる断面曲面状もしくは断面V字状の凹状曲面部が周方向に沿って形成され、前記橋絡部は前記コアシートの他の部位の板厚より薄肉化されてなることにより解決される。
【0017】
橋絡部に凹状曲面である溝が形成されたことにより、橋絡部はコアシートの他の部位よりも肉薄化されるが、橋絡部が平面状に薄肉化された場合よりも橋絡部は屈曲し難く、コアシートを安定して取扱うことができる。
【0018】
また、前記課題は、請求項2に記載のコアシートの製造方法によれば、円環状のアウターコアシートと、前記アウターコアシートの内周面に半径方向内側へ向けて放射状に突出して設けられた複数の鉄芯部と、前記複数の鉄芯部の半径方向内側の端部を互いに連繋する橋絡部と、からなるコアシートの製造方法であって、薄形金属板から前記橋絡部相当部の半径方向内側近傍及び外側近傍を打抜く仮打抜き工程と、前記仮打抜き工程後に、前記橋絡部相当部を先端部が曲面形状の押圧型で押し潰して、前記薄形金属板の厚さ方向に凹状となる断面曲面状もしくは断面V字状の凹状曲面部を前記橋絡部相当部の周方向に沿って形成することにより、前記橋絡部相当部を前記薄形金属板の他の部位の板厚より薄肉化する橋絡部押圧工程と、前記橋絡部押圧工程後に、前記橋絡部相当部の半径方向内側及び外側を打抜くと共に、最終形状に打抜く工程と、を備えたことにより解決される。
【0019】
橋絡部相当部は、先端が曲面形状である押圧型で押し潰されることにより、薄肉化されるので、押圧型は、その押圧力を効果的に薄形金属板の橋絡部相当部に集中させることができ、押圧型の先端が平面状である場合よりも、押圧力を小さくすることができると共に押圧型の先端部は磨耗し難くなり、その結果、コアシートの製造コストを抑えることができる。
【0020】
また、前記課題は、請求項3に記載のステータによれば、円環状のアウターコアシートと、前記アウターコアシートの内周面に半径方向内側へ向けて放射状に突出して設けられた複数の鉄芯部と、前記複数の鉄芯部の半径方向内側の端部を互いに連繋する橋絡部と、からなるコアシートを、複数枚積層することによって構成されるステータであって、前記橋絡部には、前記コアシートの厚さ方向に凹状となる断面曲面状もしくは断面V字状の凹状曲面部が周方向に沿って形成され、前記橋絡部は前記コアシートの他の部位の板厚より薄肉化されてなることにより解決できる。
【0021】
ステータを構成するコアシートの橋絡部が薄肉化されているので、ステータの橋絡部は全体として、他の部分よりも実質的に薄く構成されることになる。したがって、橋絡部の実効断面積が小さくなることにより、磁気抵抗は大きくなり、その結果、鉄芯部を流れる有効磁束を増大させることができる
【0022】
また、前記課題は、請求項4に記載の電動機によれば、少なくともロータと、コアシートを積層して形成されたステータと、を備えた電動機であって、前記コアシートは、円環状のアウターコアシートと、前記アウターコアシートの内周面に半径方向内側へ向けて放射状に突出して設けられた複数の鉄芯部と、前記複数の鉄芯部の半径方向内側の端部を互いに連繋する橋絡部と、からなり、前記橋絡部には、前記コアシートの厚さ方向に凹状となる断面曲面状もしくは断面V字状の凹状曲面部が周方向に沿って形成され、前記橋絡部は前記コアシートの他の部位の板厚より薄肉化されてなることにより解決される。
【0023】
電動機のステータは、その橋絡部の実効断面積が小さくなるように構成されているので、橋絡部における磁気抵抗は大きくなり、その結果、鉄芯部を流れる有効磁束を増大させることができる。したがって、磁束が効率よくロータの回転に作用される電動機を得ることができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について、ブラシレスモータ1を例にとって図面を参照して説明する。なお、従来例と同一要素には同一符号を付して説明する。また、以下に説明する配置、形状等は、本発明を限定するものではなく、本発明の趣旨に沿って各種改変することができることは勿論である。
【0025】
図1は実施例のブラシレスモータの断面図、図2は図1のステータ及びロータの断面図、図3は実施例のインターコアの部分拡大図、図4及び図5は実施例のコアシートの製造工程の説明図、図6はインナーコアシート及びアウターコアシートの正面図、図7は別実施例のコアシートの製造工程の説明図である。
【0026】
図1に基づき、本発明の実施例に係るブラシレスモータ1の構成を説明する。ブラシレスモータ1は、軸受け41、42に回転可能に支承されたロータ20と、巻線32を有するステータ30と、ロータ20及びステータ30を収納するヨークハウジング40とを備える。
【0027】
そして、ステータ30は、巻線32に、図示しない外部電源供給装置から電流が流れることにより、ロータ20を回転させるための回転磁界を発生することができる。
【0028】
また、いずれも図示しないが、ブラシレスモータ1には、ホール素子、整流素子、位置検出用磁石等から構成される周知の位置検出器と制御回路が備えられており、これらによってロータ20の回転中の位置検出が行われる。この位置検出によって得られる信号と速度設定値を基に、制御回路から巻線32に所望のパルス電流が与えられることによって、ロータ20は安定して回転することができる。
【0029】
図2にロータ20とステータ30の断面図を示す。ただし、理解の容易のため巻線32の図示は省略されている。ロータ20は、円筒形状のバックヨーク22aにシャフト22が挿着され、バックヨーク22aの外周に、磁極の異なる複数のマグネット21が互いに隣接して配置された構成となっている。
【0030】
ステータ30は、複数のコアシート10が同軸的に積層されて形成されている。これらのコアシート10は、表面に不図示の絶縁皮膜が施されたケイ素鋼板等の薄肉の磁性材料からなる。コアシート10は、リング状のアウターコアシート12と、インナーコアシート13とから構成されている。アウターコアシート12の内周面には所定間隔毎に嵌合部12a、切欠き部12bが交互に形成されている。
【0031】
また、コアシート10には、複数の鉄芯部14が設けられている。これらの鉄芯部14は、アウターコアシート12の内側に設けられており、半径方向内側に向けて放射状に配置されている。これらの鉄芯部14の半径方向外側の端部にはダブテール状の係合部14aが形成されており、この係合部14aとアウターコアシート12の嵌合部12aとが嵌合され、アウターコアシート12とインナーコアシート13は、一体に固定されている。
【0032】
一方、これらの鉄芯部14の半径方向内側の端部では、隣接する鉄芯部14がそれぞれ橋絡部16によって互いに一体的に連繋されており、このため、鉄芯部14の半径方向内側の端部と橋絡部16は全体としてリング状に形成されている。
【0033】
これらの橋絡部16は、図3に示すように、コアシート10の上面側に凹状曲面部16aが形成されている。凹状曲面部16aは、内面が曲面形状となるように形成されている。
【0034】
ステータ30は、上記のようなコアシート10を積層させて形成されているため、ステータ30の橋絡部16に相当する部位は、軸方向に向けて断続的に肉抜きされた状態となっている。したがって、この部分での実質的な厚さは、ステータ30の他の部位の実質的な厚さよりも小さくなっている。
【0035】
磁気抵抗は、磁束が流れる磁路の実効断面積の大きさに反比例するので、ステータ30の橋絡部16に相当する部位は、他の部位と比べて磁気抵抗が大きくなっている。したがって、ブラシレスモータ1が作動する際に、橋絡部16へ漏れ流れる漏れ磁束が少なくなり、鉄芯部14内を流れる有効磁束を増大させることができる。
【0036】
次に、コアシート10の製造方法について説明する。コアシート10は、薄形金属板70をプレス加工して形成される。図4は、コアシート形成用の薄形金属板70への加工状態を示す。図4中の斜線部は、プレス加工により打抜かれた部分をあらわす。また、図5は、そのプレス型の断面図である。
【0037】
まず、図5に示すように、打抜き用順送り型50の型台51上に設けたダイプレート52上に、薄形金属板70を配置し、その上に仮打抜きパンチ61、押圧パンチ62、スロット打抜きパンチ63、中央部打抜きパンチ64、不図示の外枠打抜きパンチ及び型抜きパンチを備えたストリッパプレート53を位置させ、所定の長さずつ薄形金属板70を移動させつつ打抜きを行う。
【0038】
仮打抜きパンチ61、押圧パンチ62、スロット打抜きパンチ63、中央部打抜きパンチ64、外枠打抜きパンチ、型抜きパンチに対応するダイプレート52側の位置には、それぞれダイ65、66、67、68等が配設されている。
【0039】
図5(A)に示すように、仮打抜き工程において、コアシート10の橋絡部16の外周部及び内周部がそれぞれ仮打抜きパンチ61a及び61bによって打抜かれる。仮打抜き工程によって図4(a)のように2つの仮打抜き孔が薄形金属板70に放射状に形成される。仮打抜き孔の長手方向の長さは、コアシート10の橋絡部16の周方向の長さに略等しくなっている。
【0040】
次に、図5(B)に示すように、橋絡部押圧工程において、仮打抜き工程によって形成された2つの仮打抜き孔間の中央部が押圧パンチ62によって押圧される。押圧パンチ62は、一辺がコアシート10の橋絡部16の円周方向の長さに等しい断面矩形状の押圧型で、成形されるコアシート10の半径方向における先端部の縦断面が曲面形状となっている。
【0041】
橋絡部押圧工程によって、図4(b)に示すように放射状に形成された2つの仮打抜き孔の中央部が押圧パンチ62によって押圧される。押圧された薄形金属板70の橋絡部16相当部分は、図5(B)に示すように前記2つの仮打抜き孔方向に変形し押出される。
【0042】
そして、次に図5(C)、図4(c)に示すように、スロット打抜き工程において、スロット打抜きパンチ63によって、コアシート10のスロット18相当部分及びアウターコアシート12の嵌合部12a相当部分が打抜かれる。このとき、橋絡部押圧工程において外側仮打抜き孔方向にはみ出た部分も切断される。
【0043】
さらに、図5(D)、図4(d)に示すように中央部打抜き工程において、中央部打抜きパンチ64によってコアシート10のインナーコアシート13の内側円形穴が打抜かれる。このとき、橋絡部押圧工程において内側仮打抜き孔方向にはみ出た部分も切断される。
【0044】
そして、次に図4(e)に示すように、外枠打抜き工程において、外枠打抜きパンチによってインナーコアシート13の外周相当部が打抜かれることにより、図6(A)に示すインナーコアシート13が形成されて、薄形金属板70から打抜かれる。
【0045】
そして、次に図4(f)に示すように、型抜き工程において、型抜きパンチによってアウターコアシート12の外周相当部が打抜かれることにより、図6(B)に示すアウターコアシート12が形成されて、薄形金属板70から打抜かれる。
【0046】
上記のようにして成形されたアウターコアシート12の内周部には、複数の嵌合部12a、嵌合部12aと同数の切欠き部12bが形成される。積層されたアウターコアシート12へ同じく積層されたインナーコアシート13を圧入固定するときに、アウターコアシート12の嵌合部12aとインナーコアシート13の係合部14aが嵌合可能となるように、係合部14aの外形(すなわち切欠き部12bの内形)は嵌合部12aの内形と比べて、圧入代分だけ大きく形成されている。
【0047】
形成されたアウターコアシート12及びインナーコアシート13は積層され、それぞれ一体化される。このとき、インナーコアシート13は、凹状曲面部16aが形成された側が同じ方向を向くように同軸的に積層される。インナーコアシート13の凹状曲面部16aが同じ側になるように積層されることにより、薄肉化された橋絡部16が軸方向に連続することがなく、肉抜き部が軸方向に断続的に均等に配置され、橋絡部16間の漏れ磁束を防止することができる。
【0048】
さらに、一体化されたインナーコアシート13は巻線32を施される。そして、一体化されたアウターコアシート12の嵌合部12aとインナーコアシート13の係合部14aが嵌合され、アウターコアシート12とインナーコアシート13が一体に固定される。
【0049】
上記したように、本実施の形態によれば、以下の効果を有する。
(1)巻線32が施される鉄芯部14の半径方向内側の端部が橋絡部16によって連繋されたコアシート10において、橋絡部16には内面が曲面形状の凹状曲面部16aが周方向に形成されていることにより、橋絡部16の断面積が小さくなるため、橋絡部16における磁気抵抗が大きくなる。
【0050】
したがって、このコアシート10を用いて製造されたブラシレスモータ1は、作動時に橋絡部16を流れる漏れ磁束が減少するので、効率が向上される。
【0051】
(2)また、薄形金属板70で形成されたコアシート10であっても、橋絡部16に内面が曲面形状の凹状曲面部16aが形成されているため、橋絡部16において屈曲し難く、コアシート10の取扱いが安定する。
【0052】
(3)従来、橋絡部16を薄肉化するために先端面が平形状の押圧型を使用していたが、本発明の実施例にかかるコアシート10の橋絡部16の薄肉化には、先端面が曲面形状の押圧型である押圧パンチ62を使用しているので、先端面が曲面形状の押圧型の先端部から薄形金属板70へ押圧力が集中して効率よく伝わり、従来と比べて小さな押圧力で橋絡部16を形成することができる。
【0053】
なお、本発明の実施の形態は、以下のように変更してもよい。
○上記実施例では、コアシート10の半径方向における押圧パンチ62先端部の縦断面を曲面形状としていたが、最先端部が曲面となったV字型縦断面としてもよい。
【0054】
○また、図7(A)に示すように、押圧パンチ62は、先端面に平面部62bが設けられ、その平面部62bに曲面形状凸部62aが設けられた構成としてもよい。仮打抜き工程後、橋絡部押圧工程において薄形金属板70の橋絡部16に相当する部分を、曲面形状の凸部62aを有した押圧パンチ62で押圧すると、曲面形状の凸部62aによって、橋絡部16の凹状曲面部16a相当部が形成される。薄形金属板70は曲面形状の凸部62aで押圧されることにより変形され、凹状曲面部16a相当部からはみ出た部分は、平面部62bによって上面を平面とすることができる。
【0055】
そして、図7(B)に示すように、スロット打抜き工程におけるストリッパプレート53側には、橋絡部押圧工程で形成された凹状曲面部16a相当部に嵌り込む凸状押さえ部53aが設けられている。このようにすると、スロット打抜き工程において、スロット打抜きパンチ63によってコアシート10のスロット18相当部分が打抜かれる際に、凸状押さえ部53aによって橋絡部16相当部を押さえることができる。したがって、橋絡部16相当部からスロット18側にはみ出た部分を、確実に切断することができる。
【0056】
さらに、図7(C)に示すように、中央部打抜き工程におけるストリッパプレート53側にも、橋絡部押圧工程で形成された凹状曲面部16a相当部に嵌り込む凸状押さえ部53bが設けられている。このようにすると、中央部打抜き工程において、中央部打抜きパンチ64によってコアシート10のインナーコアシート13の内側円形穴相当部が打抜かれる際に、凸状押さえ部53bによって橋絡部16相当部を押さえることができる。したがって、橋絡部16相当部からインナーコアシート13の内側円形穴側にはみ出た部分を、確実に切断することができる。
【0057】
○また、上記実施例では、スロット打抜き工程後に中央部打抜き工程を行っているが、先に中央部打抜き工程を行い、その後スロット打抜き工程を行ってもよい。
【0058】
○また、上記実施例では、コアシート10はアウターコアシート12とインナーコアシート13に分離できる構成であるが、必ずしも分離できる構成である必要はなく、アウターコアシート12とインナーコアシート13が成形時から一体に形成される構成であってもよい。上記構成であると、プレス加工における外枠打抜き工程が不要となるので好適である。
【0059】
○また、上記実施例では、ステータ30をブラシレスモータ1に適用したが、これに限らず、ステータ30を他のインナーロータ型の回転磁界型電動機、例えばインダクションモータに適用してもよい。この場合も、橋絡部16を流れる無効磁束が減少され、ロータの回転に作用する有効磁束を効果的に増大させることができる。
【0060】
○また、上記実施例では、アウターコア12とインナーコア13が同じ工程で成形されるため、アウターコア12には、切欠き部12bが成形されたが、別々の工程によって成形することにより、アウターコア12に切欠き部12bが成形されないようにしてもよい。
【0061】
【発明の効果】
以上のように、本発明のコアシート及びコアシートの製造方法によれば、ステータに用いられるコアシートはプレス加工によって薄形金属板から容易に成形されるので安価なコストで製造することができる。
【0062】
また、コアシートの鉄芯部を連繋する橋絡部は、内面を曲面形状とした凹状溝が形成されることにより薄肉化されているので、プレス機械の押圧金型の摩耗を少なくすることができる。
【0063】
また、本発明のステータによれば、ステータを構成する積層されたコアシートは、その鉄芯部を連繋する橋絡部が薄肉化されているので、ステータの橋絡部の実効断面積は小さくなり、実効断面積に反比例の関係にある磁気抵抗は大きくなる。したがって、ステータの橋絡部を流れる漏れ磁束を減少させることができると共に、鉄芯部を流れる有効磁束を増大させることができる。また、コアシートを安価に製造することができるので、ステータも製造コストを下げることができる。
【0064】
また、本発明の電動機によれば、前記コアシートを積層して形成されるステータは安価に製造され、電動機としても製造コストを下げることができる。また、前記コアシートを用いているので、橋絡部における漏れ磁束が少なくなり、有効磁束を増大させることができるので高出力化及び小型化が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例のブラシレスモータの断面図である。
【図2】図1のステータ及びロータの断面図である。
【図3】実施例のインナーコアの部分拡大図である。
【図4】実施例のコアシートの製造工程の説明図である。
【図5】実施例のコアシートの製造工程の説明図である。
【図6】インナーコアシート及びアウターコアシートの正面図である。
【図7】別実施例のコアシートの製造工程の説明図である。
【図8】従来例のステータの斜視図である。
【図9】従来例のインナーコアシートの部分拡大図である。
【符号の説明】
1 ブラシレスモータ、 10 コアシート、 12 アウターコアシート、12a 嵌合部、 12b 切欠き部、 13 インナーコアシート、 14鉄芯部、 14a 係合部、 16 橋絡部、 16a 凹状曲面部、 18スロット、 20 ロータ、 21 マグネット、 22 シャフト、 22a バックヨーク、 30 ステータ、 32 巻線、 40 ヨークハウジング、 50 打抜き用順送り型、 51 型台、 52 ダイプレート、 53ストリッパプレート、 53a、53b 凸状押さえ部、 61 仮打抜きパンチ、 61a 仮打抜きパンチ、 61b 仮打抜きパンチ、 62 押圧パンチ、 62a 凸部、 62b 平面部、 63 スロット打抜きパンチ、 64 中央部打抜きパンチ、 65、66、67、68 ダイ、 70 薄形金属板

Claims (4)

  1. 円環状のアウターコアシートと、前記アウターコアシートの内周面に半径方向内側へ向けて放射状に突出して設けられた複数の鉄芯部と、前記複数の鉄芯部の半径方向内側の端部を互いに連繋する橋絡部と、からなるコアシートであって、
    前記橋絡部には、前記コアシートの厚さ方向に凹状となる断面曲面状もしくは断面V字状の凹状曲面部が周方向に沿って形成され、前記橋絡部は前記コアシートの他の部位の板厚より薄肉化されてなることを特徴とするコアシート。
  2. 円環状のアウターコアシートと、前記アウターコアシートの内周面に半径方向内側へ向けて放射状に突出して設けられた複数の鉄芯部と、前記複数の鉄芯部の半径方向内側の端部を互いに連繋する橋絡部と、からなるコアシートの製造方法であって、
    薄形金属板から前記橋絡部相当部の半径方向内側近傍及び外側近傍を打抜く仮打抜き工程と、
    前記仮打抜き工程後に、前記橋絡部相当部を先端部が曲面形状の押圧型で押し潰して、前記薄形金属板の厚さ方向に凹状となる断面曲面状もしくは断面V字状の凹状曲面部を前記橋絡部相当部の周方向に沿って形成することにより、前記橋絡部相当部を前記薄形金属板の他の部位の板厚より薄肉化する橋絡部押圧工程と、
    前記橋絡部押圧工程後に、前記橋絡部相当部の半径方向内側及び外側を打抜くと共に、最終形状に打抜く工程と、を備えたコアシートの製造方法。
  3. 円環状のアウターコアシートと、前記アウターコアシートの内周面に半径方向内側へ向けて放射状に突出して設けられた複数の鉄芯部と、前記複数の鉄芯部の半径方向内側の端部を互いに連繋する橋絡部と、からなるコアシートを、複数枚積層することによって構成されるステータであって、
    前記橋絡部には、前記コアシートの厚さ方向に凹状となる断面曲面状もしくは断面V字状の凹状曲面部が周方向に沿って形成され、前記橋絡部は前記コアシートの他の部位の板厚より薄肉化されてなることを特徴とするステータ。
  4. 少なくともロータと、コアシートを積層して形成されたステータと、を備えた電動機であって、
    前記コアシートは、円環状のアウターコアシートと、前記アウターコアシートの内周面に半径方向内側へ向けて放射状に突出して設けられた複数の鉄芯部と、前記複数の鉄芯部の半径方向内側の端部を互いに連繋する橋絡部と、からなり、
    前記橋絡部には、前記コアシートの厚さ方向に凹状となる断面曲面状もしくは断面V字状の凹状曲面部が周方向に沿って形成され、前記橋絡部は前記コアシートの他の部位の板厚より薄肉化されてなることを特徴とする電動機。
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