JP2017175774A - 回転電機、および分割ステータ鋼板の製造方法 - Google Patents

回転電機、および分割ステータ鋼板の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】鋼板の材料歩留まりの悪化を抑制し、逆押えを用いることなく、分割ステータ鋼板の抜き落としによる残留応力の少ない回転電機を得る。【解決手段】回転電機1は、分割ステータ鋼板21が複数積層された複数の分割ステータ鉄心8のコアバック5が円環状に並べられたステータ2を備え、分割ステータ鋼板21の外縁部は、第1外縁部と第2外縁部とで構成され、第1外縁部の端部の分割ステータ鋼板21の厚み方向におけるせん断面と破断面との並び順と、第2外縁部の端部の分割ステータ鋼板21の厚み方向におけるせん断面と破断面との並び順とが逆であり、第1外縁部の長さの総和は、第2外縁部の長さの総和よりも大きく、コアバック5の周方向両側の外縁部は、それぞれ第1外縁部を有し、コアバック5の周方向両側の外縁部における第1外縁部は、それぞれ周方向に隣り合うコアバック5の外縁部における第1外縁部と接するものである。【選択図】 図3

Description

この発明は、回転電機、および回転電機のステータ鉄心に用いられる分割ステータ鋼板の製造方法に関するものである。
回転電機のステータ鉄心は、磁束の変化で発生する渦電流による損失を低減するために、成形されたステータ鋼板が積層されて構成されている。ステータ鋼板の成形は、順送金型プレスで行われるのが一般的である。順送金型プレスとは、複数の工程を単一型内に等ピッチで順番に配置し、鋼板を順送りすることで上下に分かれた金型でプレス成形するものである。ステータ鉄心に用いられるステータ鋼板は、ステータ鉄心の内径およびスロット部が打ち抜かれた後に、最終工程においてステータ外径部が打ち落とされて成形される。ステータ鉄心としては、ステータ鋼板が外径部で打ち落とされた後に積層され、さらにカシメ締結されてステータ鉄心が形成されている(特許文献1参照)。
国際公開第2006/120975号
最終工程においてステータ鋼板の外径を抜き落とす従来の方法では、抜き落としの際に鋼板に曲がりが生じることで、ステータ鉄心のコアバックの領域において広範囲に応力が残留する。その結果、残留応力の多いステータ鋼板でステータ鉄心を構成した場合、鉄損が増加するためモータ効率が低下する問題があった。抜き落としの際に鋼板の曲がりをなくすために、逆押え金型を用いる方法もあるが、逆押えの力が小さいと残留応力低減の効果はなく、また逆押え金型はパンチと連動する必要があるため、金型が複雑かつ大型化するという問題があった。
また、従来のステータ鉄心は、ティース毎に分割された分割ステータ鉄心(特許文献1の積層鉄心片)で構成され、分割ステータ鉄心は、分割ステータ鋼板が積層されて構成されている。回転電機の1周分のすべてのティースを構成する分割ステータ鋼板が、全て同時に打ち抜かれるため、内径側の鋼鈑が回転電機の材料として用いられず、鋼板の材料歩留まりが悪化するという問題がある。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、円形鋼板を打ち抜く場合よりも鋼板の材料歩留まりの悪化を抑制し、分割ステータ鋼板の抜き落とし時に逆押えを用いることなく、分割ステータ鋼板の抜き落としによる残留応力の少ない回転電機、および分割ステータ鋼板の製造方法を得ることを目的とする。
この発明による回転電機は、
コアバック、およびコアバックの内周側に突出されるティースを有する分割ステータ鋼板が複数積層された分割ステータ鉄心を複数具備し複数の分割ステータ鉄心のコアバックが円環状に並べられたステータと、
ステータに対し回転自在に支持されたロータとを備え、
分割ステータ鋼板の外縁部は、第1外縁部と第2外縁部とで構成され、
第1外縁部の端部の分割ステータ鋼板の厚み方向におけるせん断面と破断面との並び順と、第2外縁部の端部の分割ステータ鋼板の厚み方向におけるせん断面と破断面との並び順とが逆であり、
第1外縁部の長さの総和は、第2外縁部の長さの総和よりも大きく、
コアバックの周方向両側の外縁部は、それぞれ第1外縁部を有し、
コアバックの周方向両側の外縁部における第1外縁部は、それぞれ周方向に隣り合うコアバックの外縁部における第1外縁部と接しているものである。
また、この発明による分割ステータ鋼板の製造方法は、
コアバックの内周側に突出されるティース基部、およびティース基部の先端から周方向に突出されるティース鍔部を有するティースを具備する分割ステータ鋼板を平板鋼板から打ち抜く分割ステータ鋼板の製造方法であって、
コアバックの周方向両側の外縁部の一部、コアバックの内径側の外縁部、ティース基部の周方向両側の外縁部、およびティース鍔部の外径側の外縁部を含む分割ステータ鋼板の外縁部のうちの第1外縁部を打ち抜く第1工程と、
分割ステータ鋼板の外縁部のうち第1外縁部の残部となる第2外縁部を打ち抜く第2工程とを備え、
第1外縁部の長さの総和は、第2外縁部の長さの総和よりも大きく、
第1工程において、コアバックの周方向両側の外縁部における第1外縁部を、それぞれ周方向に隣り合うコアバックの外縁部における第1外縁部と接する位置に打ち抜くものである。
この発明によれば、円形鋼板を打ち抜く場合よりも鋼板の材料歩留まりの悪化を抑制でき、分割ステータ鋼板の抜き落とし時に逆押えを用いることなく、分割ステータ鋼板の抜き落としによる残留応力の少ない回転電機、および分割ステータ鋼板の製造方法を得ることができる。
この発明の実施の形態1における回転電機を模式的に示す横断面図である。 この発明の実施の形態1における回転電機を模式的に示す縦断面図である。 この発明の実施の形態1における分割ステータ鋼板の打ち抜き工程の模式図である。 従来の加工における回転電機の分割ステータ鋼板の加工工程を示す図である。 この発明の実施の形態1におけるプレス打ち抜き工程における鋼板の変形を説明する説明図である。 この発明の実施の形態1における鋼板の切断面の模式図である。 この発明の実施の形態1における回転電機の分割ステータ鋼板のプレス打ち抜き工程の説明図である。 この発明の実施の形態1における分割ステータ鉄心の模式図である。 この発明の実施の形態2における分割ステータ鉄心の加工工程を示す図である。 この発明の実施の形態2における分割ステータ鉄心の模式図である。 この発明の実施の形態3における分割ステータ鋼板の打ち抜き工程の模式図である。 この発明の実施の形態3における分割ステータ鉄心の模式図である。 この発明の実施の形態4における分割ステータ鋼板の打ち抜き工程の模式図である。 この発明の実施の形態4における分割ステータ鉄心の模式図である。 この発明の実施の形態5における分割ステータ鋼板の打ち抜き工程の模式図である。 この発明の実施の形態5における捨てカシメ部材が組み付けられた分割ステータ鉄心の模式図である。 この発明の実施の形態5における分割ステータ鉄心の模式図である。 この発明の実施の形態6における分割ステータ鋼板の打ち抜き工程の模式図である。 この発明の実施の形態6における分割ステータ鉄心の模式図である。 この発明の実施の形態1における分割ステータ鉄心の変形例の模式図である。 この発明の実施の形態7における分割ステータ鋼板の打ち抜き工程の模式図である。 この発明の実施の形態7における分割ステータ鉄心の模式図である。 この発明の実施の形態7における分割ステータ鉄心の横断面図である。 この発明の実施の形態7における分割ステータ鉄心の図23におけるE部拡大図である。 この発明の実施の形態8における分割ステータ鋼板の打ち抜き工程の模式図である。 この発明の実施の形態8における分割ステータ鉄心の模式図である。 この発明の実施の形態9における分割ステータ鋼板の打ち抜き工程の模式図である。 この発明の実施の形態9における分割ステータ鉄心の模式図である。
以下、本発明の回転電機の好適な実施の形態につき図面を用いて説明する。
実施の形態1.
図1は、この発明を実施するための実施の形態1に係る回転電機を模式的に示す横断面図である。なお、横断面図とは、回転電機の回転軸に垂直な平面における断面図である。図1において、回転電機1は、円環状のステータ2と、ステータ2の内側に微小なギャップを介して配置されステータ2に対して図示しない軸受で支持され回転可能なロータ3と、ロータ3と一体となった回転軸(シャフト)4とを有している。
ステータ2は、コアバック5と、このコアバック5から径方向の内側である内周側に延び周方向に12個のスロット6で等間隔に区分けされたティース7とを有する分割ステータ鉄心8が12個、およびスロット6内に装着されたステータ巻線9とフレーム12とで構成されている。12個の分割ステータ鉄心8のコアバック5は、円環状に並べられて、フレーム12の内周に固定されている。
ティース7は、コアバックの内周側に突出されるティース基部7a、およびティース基部7aの先端から周方向に突出されるティース鍔部7bを有する。
ロータ3は、ロータ鉄心10およびこのロータ鉄心10に埋め込まれた8個の永久磁石11で構成されている。
図2は、本実施の形態1における回転電機の縦断面図である。なお、縦断面図とは、回転電機の回転軸を含む平面における断面図である。分割ステータ鉄心8とロータ鉄心10とは同じ高さであり、シャフト4はロータ鉄心10より突出している。ステータ巻線9は、12個の分割ステータ鉄心8のティース7にそれぞれ巻き回されている。また、それぞれの分割ステータ鉄心8は、図2に示すように、分割ステータ鋼板21が積層されて構成されている。分割ステータ鋼板21の形状は、図1に示す分割ステータ鉄心8の横断面形状と同じである。また、同様にロータ鉄心10も円形鋼板が積層された構造である。
なお、ステータ2のスロット6の数は12、ロータ3の極数は8としているが、特に限定するものではない。また、ロータ3については、永久磁石埋込型ロータを用いているが、ロータ鉄心の表面に永久磁石11を貼り付けた表面磁石型ロータでもよい。また、ロータ鉄心10は、円形鋼板が積層された構成としたが、必ずしも積層されていなくてもよい。さらには、ロータ3は、誘導機等の磁石を用いないロータでもよい。
初めに分割ステータ鉄心8に用いられる分割ステータ鋼板21の加工方法について説明する。
図3は、本実施の形態における分割ステータ鋼板の打ち抜き工程の模式図である。図3に示すように、ロールされた平板状の鋼板31に対して第一工程から順次第三工程までの工程によって分割ステータ鋼板21が形成される。図3において、斜線部はパンチによって抜き落とされる領域を示し、太線部がせん断加工を施している部分を示している。パンチは、図3の紙面の表面側から紙面の裏面側に打ち抜くものとする。
第一工程では、位置決め基準であるパイロット穴32と、分割ステータ鋼板21における、コアバック周方向両側部33と、スロット部34と、隣り合うティース鍔部7bの先端の周方向両側部であるスロット開口部35とが打ち抜かれる。スロット部34は、コアバック内径部34aと、ティース基部7aの周方向両側部34bと、ティース鍔部7bの外径部34cとからなる。
第二工程では、分割ステータ鋼板21の外縁部のうち第1外縁部となる第1外径部36および第1内径部37が打ち抜かれる。
第三工程では、分割ステータ鋼板21の外縁部のうち、第1外縁部の残部となる第2外縁部、すなわち第1外径部36の残りとなる第2外径部38、および第1外縁部の残部となる第2外縁部であり、かつ第1内径部37の残りとなる第2内径部39が打ち抜かれる。
第二工程で打ち抜かれる第1外径部36の径と、第三工程で打ち抜かれる第2外径部38の径とは等しく設定されている。また、第二工程で打ち抜かれる第1内径部37の径と、第三工程で打ち抜かれる第2内径部39の径とは等しく設定されている。後述するように、このような工程で作製された分割ステータ鋼板21においては、第1内径部37の切断面におけるせん断面から破断面への向きが同じとなる切断面をもつのが第1外径部36となり、その向きが逆となる断面をもつのが第2外径部38および第2内径部39となる。
分割ステータ鋼板21では、内径部および外径部の精度を保つために、第1内径部37および第1外径部36を同じ第二工程で打ち抜き、第2内径部39および第2外径部38を同じ第三工程で打ち抜いている。これらの工程によって、内径部および外径部を別工程で抜いた場合に生じる内径部および外径部の加工寸法の誤差を抑制している。
図4は、従来の加工における回転電機の分割ステータ鋼板の加工工程を示す図である。図4に示すように、鋼板31に対して第一工程から順次第二工程までの工程によって分割ステータ鋼板が形成される。図4における斜線部や太線部は、図3と同様である。第一工程において、分割ステータ鋼板におけるスロット部41のみが打ち抜かれる。スロット部41は、コアバック内径部41aと、ティース基部の周方向両側部41bと、ティース鍔部の外径部41cとからなる。図4の第一工程は、コアバック周方向両側部40と、スロット開口部42とが打ち抜かれない点で図3の第一工程と異なる。第二工程において、分割ステータ鋼板21における、コアバック周方向両側部40、スロット開口部42、外径部43および内径部44は、一回の工程で打ち抜かれる。
次に、打ち抜き加工における鋼板の変形について説明する。
図5は、プレス打ち抜き工程における鋼板の変形を説明する説明図である。図5(a)に示すように、鋼板51は、ダイ52に支えられ、鋼板51を介してダイ52と対向して設置される押さえ板53で押さえつけられており、パンチ54によって打ち抜かれる。ここで、ダイ52の上部にあり押さえ板53で押えられている鋼板51の部分を鋼板部材Aとし、パンチ54の下方にある鋼板51の部分を鋼板部材Bとする。
図5(b)に示すように、パンチ54が鋼板51に接触したあとに、パンチ54の刃先が鋼板51に押し込まれ鋼板51がパンチ54の刃先の下方に引き込まれることにより、鋼板51の切断面の上部に「だれ」と呼ばれる部分が形成される。次に図5(c)に示すように、鋼板51へパンチ54の侵入が進むと切断面にせん断すべりが生じ、パンチ下方の鋼板部材Bはダイ52側に押し込まれ、ダイ上部の鋼板部材Aはパンチ54の周囲に押し出されることにより、切断面にはせん断面が形成される。その後、図5(d)に示すように、パンチ54にかかる荷重がせん断荷重を超えるとパンチ54の刃先近傍から亀裂が発生し、切断面には破断面が形成される。
図6は、本実施の形態における鋼板の切断面の模式図である。図6(a)は鋼板部材Aの切断面を表し、図6(b)は鋼板部材Bの切断面を表している。ここで、プレス打ち抜き工程における鋼板51において、パンチ54に対向する側を表、ダイ52に対向する側を裏と定義する。図3および図4においては、紙面の表面側が表であり、図5および図6においては、上方側が表である。
鋼板部材Aの切断面では、せん断面61から破断面62への方向が鋼板表面から裏面方向となるのに対し、鋼板部材Bの切断面では、せん断面61から破断面62への方向が鋼板裏面から表面方向となり、鋼板部材Aと鋼板部材Bとでは切断面におけるせん断面と破断面との順番が逆になる。また、だれ63が形成される位置も逆になる。
なお、切断面の面粗さの大きさについては、一般的に破断面62、せん断面61、だれ63の順に小さくなる。
また、鋼板部材Aはダイ52に支えられており、かつ押さえ板がある状態で打ち抜かれるため、打ち抜き時に曲げ応力は発生せず残留応力も比較的小さい。これに対して、鋼板部材Bはダイ52による支えがない状態で打ち抜かれるため、曲げ応力が発生し鋼板部材Aよりも広い範囲に残留応力が分布する。鋼板部材Aの残留応力は打ち抜き端面から板厚の半分程度の距離にまで分布するのに対し、鋼板部材Bの残留応力は打ち抜き端面から板厚の倍程度の距離にまで分布する。
図7は、本実施の形態に係る回転電機の分割ステータ鋼板21のプレス打ち抜き工程の説明図である。図7(a)は、図3のA−A’断面図、図7(b)は、図3のB−B’断面図である。図7において、分割ステータ鋼板21となる鋼板部材の部分は斜線で示している。
図7(a)に示すように、分割ステータ鋼板21の第1外径部36、第1内径部37、コアバック周方向両側部33、スロット部34(すなわち、コアバック内径部34a、ティース基部7aの周方向両側部34b、およびティース鍔部7bの外径部34c)、およびスロット開口部35となる端部の切断面では、せん断面から破断面への方向は鋼板表面から裏面となる(図6(a)参照)。図7(b)に示すように、分割ステータ鋼板21の第2外径部38および第2内径部39となる端部の切断面では、せん断面から破断面への方向は鋼板裏面から表面となる(図6(b)参照)。
この結果、第1内径部37、コアバック周方向両側部33、スロット部34、およびスロット開口部35である第1外縁部の端部の分割ステータ鋼板の厚み方向におけるせん断面と破断面との並び順と、第2外径部38および第2内径部39である第2外縁部の端部の分割ステータ鋼板の厚み方向におけるせん断面と破断面との並び順とが逆となる。
つまり、第1外縁部の端部は、図6(a)で示した鋼板部材Aの切断面と同じである。図6で説明したとおり、鋼板部材Aはダイに支えられており、かつ押さえ板がある状態で打ち抜かれるため、第1外縁部の端部は、打ち抜き時に曲げ応力は発生せず残留応力も比較的に小さい。一方、第2外縁部の端部は、図6(b)で示した鋼板部材Bの切断面と同じである。鋼板部材Bはダイによる支えがない状態で打ち抜かれるため、第2外縁部の端部に曲げ応力が発生し、第1外縁部の端部よりも広い範囲に残留応力が分布する。
一方、図4で示した従来の分割ステータ鋼板の打ち抜き工程では、第二工程において、分割ステータ鋼板における、コアバック周方向両側部40、スロット開口部42、外径部43および内径部44は一回の工程で打ち抜かれているので、分割ステータ鋼板における、コアバック周方向両側部40、スロット開口部42、外径部40および内径部41の端部は、すべて図6(b)で示した鋼板部材Bの切断面と同じとなる。その結果、分割ステータ鋼板における、コアバック周方向両側部40、スロット開口部42、外径部40および内径部41の端部は、すべてスロット部41の端部よりも広い範囲に残留応力が分布する。
このように、本実施の形態における分割ステータ鋼板は、第1外縁部の端部の残留応力が、第2外縁部の端部の残留応力より小さく、第1外縁部の長さの総和は、第2外縁部の長さの総和よりも大きくしている。
図8は、本実施の形態における分割ステータ鉄心の模式図である。分割ステータ鉄心8は、これまで説明した分割ステータ鋼板21が積層されて構成されている。分割ステータ鋼板21は、その第1外径部36、第1内径部37、コアバック周方向両側部33、スロット部34、スロット開口部35、第2外径部38および第2内径部39がそれぞれ重なるように積層されている。図8において、第1外径部36、第1内径部37、コアバック周方向両側部33、スロット部34、およびスロット開口部35である第1外縁部を太線で、第2外径部38および第2内径部39である第2外縁部を細線で示している。第1外縁部の長さの総和は、第2外縁部の長さの総和よりも大きくなっている。
また、コアバック周方向両側部33の外縁部は、それぞれ第1外縁部を有している。そして、図1および図8において、コアバック周方向両側部33の外縁部における第1外縁部は、隣り合う分割ステータ鉄心8のコアバック5において対向するコアバック5の外縁部における第1外縁部と接している。
このように構成された分割ステータ鉄心は、従来の特許文献1に示される回転電機の1周分のすべてのティースを構成する分割ステータ鋼板を全て同時に打ち抜くものに比べて、ティース毎に打ち抜くため、回転電機の材料として用いられない内径側の鋼鈑がなく、鋼板の材料歩留まりの悪化を抑制できる。
このように構成された分割ステータ鉄心は、従来の分割ステータ鋼板の打ち抜き工程で作製された分割ステータ鋼板を用いた従来の分割ステータ鉄心に比べて外縁部に残る分割ステータ鋼板の打ち抜き工程で生じる残留応力を少なくすることができる。その結果、逆押えを用いることなく、分割ステータ鋼板の抜き落としによる残留応力の少ない回転電機の分割ステータ鉄心を得ることができる。そのため、鉄損の増加を抑えることができ回転電機の効率が向上する。
また、コアバック周方向両側部33の外縁部における第1外縁部は、それぞれ周方向に隣り合うコアバック5の外縁部における第1外縁部と接している。従来の分割ステータ鋼板におけるコアバック周方向両側部40の端部は、図6(b)で示した鋼板部材Bの切断面と同じであるため、本実施の形態に係るコアバック周方向両側部33の外縁部における第1外縁部のように、残留応力の分布範囲を抑制できない。したがって、本実施の形態に係る回転電機は、コアバック5を通過する磁束における残留応力の影響を従来例よりも抑制できるため、鉄損の増加を抑えることができ回転電機の効率が向上する。
なお、本実施の形態において、分割ステータ鋼板を積層して分割ステータ鉄心を構成する際に、分割ステータ鋼板の第1外径部36、第1内径部37、第2外径部38および第2内径部39がそれぞれ重なるように積層しているが、必ずしもそれぞれの外縁部が重なる必要はない。分割ステータ鉄心の軸方向にスロットとティースとが形成できるのであれば、分割ステータ鋼板の第1外径部36、第1内径部37、第2外径部38および第2内径部39は積層方向に分布させてもよい。
実施の形態2.
図9は、実施の形態2における分割ステータ鋼板の打ち抜き工程の模式図である。図9に示すように、鋼板31に対して第一工程から順次第三工程までの工程によって分割ステータ鋼板が形成される。図9における斜線部や太線部は、実施の形態1の図3と同様である。また、パンチも、図3と同様の方向に打ち抜く。
本実施の形態においては、図3で示した分割ステータ鋼板21の打ち抜き工程の第二工程および第三工程を変更したものである。
図9において、第一工程は、図3と同様である。
第二工程では、分割ステータ鋼板21の外縁部のうち第1外縁部となる第1外径部36および第1内径部37が打ち抜かれる。分割ステータ鋼板21の第1外径部36は、パンチが3箇所に分かれて打ち抜かれることで3箇所の第1外径部36からなる点で実施の形態1の図3と異なる。
第三工程では、分割ステータ鋼板21の外縁部のうち、第1外縁部の残部となる第2外縁部、すなわち第1外径部36の残りとなる2箇所の第2外径部38、および第1内径部37の残りとなる1箇所の第2内径部39が打ち抜かれる。
第二工程で打ち抜かれる第1外径部36の径と、第三工程で打ち抜かれる第2外径部38の径とは等しく設定されている。また、第二工程で打ち抜かれる第1内径部37の径と、第三工程で打ち抜かれる第2内径部39の径とは等しく設定されている。
なお、第二工程では、第1外径部36の数は、3箇所に限らず4箇所以上でも良い。
図10は、本実施の形態における分割ステータ鉄心の模式図である。分割ステータ鉄心8は、これまで説明した分割ステータ鋼板21が積層されて構成されている。分割ステータ鋼板21は、その第1外径部36、第1内径部37、コアバック周方向両側部33、スロット部34、スロット開口部35、第2外径部38および第2内径部39がそれぞれ重なるように積層されている。図10において、第1外径部36、第1内径部37、コアバック周方向両側部33、スロット部34、およびスロット開口部35である第1外縁部を太線で、第2外径部38および第2内径部39である第2外縁部を細線で示している。第1外縁部の長さの総和は、第2外縁部の長さの総和よりも大きくなっている。
このように、第二工程において第1外径部36を打ち抜いた際に、分割ステータ鋼板21が鋼板31につながる箇所を3箇所(図9では、2箇所の第2外径部38および1箇所の第2内径部39の合計で3箇所)以上設けることで、実施の形態1のように分割ステータ鋼板21が鋼板31につながる箇所が2箇所のものよりも、第三工程において安定して分割ステータ鋼板21を打ち抜くことができ、打ち抜き不良を低減できる。
また、このように構成された分割ステータ鉄心は、実施の形態1と同様に、鋼板の材料歩留まりの悪化を抑制できる。
また、従来の分割ステータ鋼板の打ち抜き工程で作製された分割ステータ鋼板を用いた従来の分割ステータ鉄心に比べて、コアバック全周に残る分割ステータ鋼板の打ち抜き工程で生じる残留応力を少なくすることができる。その結果、逆押えを用いることなく、分割ステータ鋼板の抜き落としによる残留応力の少ない回転電機の分割ステータ鉄心を得ることができる。
また、コアバック周方向両側部33の外縁部における第1外縁部は、それぞれ周方向に隣り合うコアバック5の外縁部における第1外縁部と接している。したがって、実施の形態1と同様に、本実施の形態に係る回転電機は、コアバック5を通過する磁束における残留応力の影響を従来例よりも抑制できるため、鉄損の増加を抑えることができ回転電機の効率が向上する。
実施の形態3.
図11は、実施の形態3における分割ステータ鋼板の打ち抜き工程の模式図である。図11に示すように、鋼板31に対して第一工程から順次第三工程までの工程によって分割ステータ鋼板が形成される。図11における斜線部や太線部は、実施の形態1の図3と同様である。また、パンチも、図3と同様の方向に打ち抜く。
本実施の形態においては、図3で示した分割ステータ鋼板21の打ち抜き工程の第二工程および第三工程を変更したものである。
図11において、第一工程は、図3と同様である。第二工程では、分割ステータ鋼板21の外縁部のうち第1外縁部となる第1外径部36および第1内径部37が打ち抜かれる。分割ステータ鋼板21の第1内径部37は、パンチが3箇所に分かれて打ち抜かれることで3箇所の第1内径部37からなる点で実施の形態1の図3と異なる。
第三工程では、分割ステータ鋼板21の外縁部のうち、第1外縁部の残部となる第2外縁部、すなわち第1外径部36の残りとなる1箇所の第2外径部38、および第1内径部37の残りとなる2箇所の第2内径部39が打ち抜かれる。
第二工程で打ち抜かれる第1外径部36の径と、第三工程で打ち抜かれる第2外径部38の径とは等しく設定されている。また、第二工程で打ち抜かれる第1内径部37の径と、第三工程で打ち抜かれる第2内径部39の径とは等しく設定されている。
なお、第二工程では、第1内径部37の数は、3箇所に限らず4箇所以上でも良い。
図12は、本実施の形態における分割ステータ鉄心の模式図である。分割ステータ鉄心8は、これまで説明した分割ステータ鋼板21が積層されて構成されている。分割ステータ鋼板21は、その第1外径部36、第1内径部37、コアバック周方向両側部33、スロット部34、スロット開口部35、第2外径部38および第2内径部39がそれぞれ重なるように積層されている。図12において、第1外径部36、第1内径部37、コアバック周方向両側部33、スロット部34、およびスロット開口部35である第1外縁部を太線で、第2外径部38および第2内径部39である第2外縁部を細線で示している。第1外縁部の長さの総和は、第2外縁部の長さの総和よりも大きくなっている。
このように、第二工程において第1外径部36を打ち抜いた際に、分割ステータ鋼板21が鋼板31につながる箇所を3箇所(図11では、1箇所の第2外径部38および2箇所の第2内径部39の合計で3箇所)以上設けることで、実施の形態1のように分割ステータ鋼板21が鋼板31につながる箇所が2箇所のものよりも、第三工程において安定して分割ステータ鋼板21を打ち抜くことができ、打ち抜き不良を低減できる。
また、このように構成された分割ステータ鉄心は、実施の形態1と同様に、鋼板の材料歩留まりの悪化を抑制できる。
また、このように構成された分割ステータ鉄心は、実施の形態1と同様に、従来の分割ステータ鋼板の打ち抜き工程で作製された分割ステータ鋼板を用いた従来の分割ステータ鉄心に比べて、コアバック全周に残る分割ステータ鋼板の打ち抜き工程で生じる残留応力を少なくすることができる。その結果、逆押えを用いることなく、分割ステータ鋼板の抜き落としによる残留応力の少ない回転電機の分割ステータ鉄心を得ることができる。
また、コアバック周方向両側部33の外縁部における第1外縁部は、それぞれ周方向に隣り合うコアバック5の外縁部における第1外縁部と接している。したがって、実施の形態1と同様に、本実施の形態に係る回転電機は、コアバック5を通過する磁束における残留応力の影響を従来例よりも抑制できるため、鉄損の増加を抑えることができ回転電機の効率が向上する。
実施の形態4.
図13は、実施の形態4における分割ステータ鋼板の打ち抜き工程の模式図である。図13に示すように、鋼板31に対して第一工程から順次第三工程までの工程によって分割ステータ鋼板が形成される。図13における斜線部や太線部は、実施の形態1の図3と同様である。また、パンチも、図3と同様の方向に打ち抜く。
本実施の形態においては、図3で示した分割ステータ鋼板21の打ち抜き工程の第二工程および第三工程を変更したものである。
図13において、第一工程は、図3と同様である。第二工程では、分割ステータ鋼板21の外縁部のうち第1外縁部となる第1外径部36および第1内径部37が打ち抜かれる。分割ステータ鋼板21の第1外径部36および第1内径部37は、それぞれパンチが3箇所に分かれて打ち抜かれることで3箇所の第1外径部36および第1内径部37からなる点で実施の形態1の図3と異なる。
第三工程では、分割ステータ鋼板21の外縁部のうち、第1外縁部の残部となる第2外縁部、すなわち第1外径部36の残りとなる2箇所の第2外径部38、および第1内径部37の残りとなる2箇所の第2内径部39が打ち抜かれる。
第二工程で打ち抜かれる第1外径部36の径と、第三工程で打ち抜かれる第2外径部38の径とは等しく設定されている。また、第二工程で打ち抜かれる第1内径部37の径と、第三工程で打ち抜かれる第2内径部39の径とは等しく設定されている。
なお、第二工程では、第1外径部36および第1内径部37の数は、それぞれ3箇所に限らず4箇所以上でも良い。
図14は、本実施の形態における分割ステータ鉄心の模式図である。分割ステータ鉄心8は、これまで説明した分割ステータ鋼板21が積層されて構成されている。分割ステータ鋼板21は、その第1外径部36、第1内径部37、コアバック周方向両側部33、スロット部34、スロット開口部35、第2外径部38および第2内径部39がそれぞれ重なるように積層されている。図14において、第1外径部36、第1内径部37、コアバック周方向両側部33、スロット部34、およびスロット開口部35である第1外縁部を太線で、第2外径部38および第2内径部39である第2外縁部を細線で示している。第1外縁部の長さの総和は、第2外縁部の長さの総和よりも大きくなっている。
このように、第二工程において第1外径部36を打ち抜いた際に、分割ステータ鋼板21が鋼板31につながる箇所を3箇所(図13では、1箇所の第2外径部38および2箇所の第2内径部39の合計で3箇所)以上設けることで、実施の形態1のように分割ステータ鋼板21が鋼板31につながる箇所が2箇所のものよりも、第三工程において安定して分割ステータ鋼板21を打ち抜くことができ、打ち抜き不良を低減できる。
また、このように構成された分割ステータ鉄心は、実施の形態1と同様に、鋼板の材料歩留まりの悪化を抑制できる。
また、このように構成された分割ステータ鉄心は、実施の形態1と同様に、従来の分割ステータ鋼板の打ち抜き工程で作製された分割ステータ鋼板を用いた従来の分割ステータ鉄心に比べて、コアバック全周に残る分割ステータ鋼板の打ち抜き工程で生じる残留応力を少なくすることができる。その結果、逆押えを用いることなく、分割ステータ鋼板の抜き落としによる残留応力の少ない回転電機の分割ステータ鉄心を得ることができる。
また、コアバック周方向両側部33の外縁部における第1外縁部は、それぞれ周方向に隣り合うコアバック5の外縁部における第1外縁部と接している。したがって、実施の形態1と同様に、本実施の形態に係る回転電機は、コアバック5を通過する磁束における残留応力の影響を従来例よりも抑制できるため、鉄損の増加を抑えることができ回転電機の効率が向上する。
実施の形態5.
図15は、実施の形態5における分割ステータ鋼板の打ち抜き工程の模式図である。図15に示すように、鋼板31に対して第一工程から順次第四工程までの工程によって分割ステータ鋼板が形成される。図15における斜線部や太線部は、実施の形態1の図3と同様である。また、パンチも、図3と同様の方向に打ち抜く。
本実施の形態においては、実施の形態1の図3で示した分割ステータ鋼板21の打ち抜き工程の第一工程と第二工程との間に捨てカシメ部材70のカシメ穴71を加工する工程を追加し、図3の第二工程および第三工程を変更したものである。
図15において、第一工程は、図3と同様である。
第二工程では、分割ステータ鋼板21のコアバックの外径部に捨てカシメ部材70のカシメ穴71が加工される点で実施の形態1の図3と異なる。なお、カシメ穴71は貫通孔ではなく、矩形状の凹部形状である。
第三工程では、分割ステータ鋼板21の外縁部のうち第1外縁部となる第1外径部36および第1内径部37に加えて、蟻溝における内径部72および周方向側面部73aと、捨てカシメ部材70における内径部74および第1側面部75とが打ち抜かれる点で実施の形態1の図3と異なる。
第四工程では、分割ステータ鋼板21の外縁部のうち第1外縁部の残部となる第2外縁部、すなわち第2内径部39に加えて、第2外径部38の代わりに捨てカシメ部材70の外径部76が打ち抜かれる点で実施の形態1の図3と異なる。
第三工程で打ち抜かれる第1外径部36の径は、第四工程で打ち抜かれる蟻溝の内径部72の径よりも大きく設定されている。また、第三工程で打ち抜かれる第1内径部37の径と、第四工程で打ち抜かれる第2内径部39の径とは等しく設定されている。
図16は、本実施の形態における捨てカシメ部材が組み付けられた分割ステータ鉄心の模式図である。捨てカシメ部材が組み付けられた分割ステータ鉄心は、これまで説明した分割ステータ鋼板21が積層されて構成されている。分割ステータ鋼板21は、その第1外径部36、第1内径部37、コアバック周方向両側部33、スロット部34、スロット開口部35、第2外径部38、第2内径部39に加えて、蟻溝における内径部72および周方向側面部73aと、捨てカシメ部材70における内径部74、第1側面部75および外径部76と、がそれぞれ重なるように積層されている。図16において、第1外径部36、第1内径部37、コアバック周方向両側部33、スロット部34、スロット開口部35、蟻溝における内径部72および周方向側面部73a、並びに捨てカシメ部材70における内径部74および第1側面部75である第1外縁部を太線で、第2内径部39および捨てカシメ部材70の外径部76である第2外縁部を細線で示している。
図17は、本実施の形態に係る分割ステータ鉄心の模式図である。図17において、分割ステータ鉄心8は、図16における捨てカシメ部材70が組み付けられた分割ステータ鉄心にステータ巻線9が施された後、別工程によって、捨てカシメ部材70において蟻溝の周方向側面部73aに沿う第2側面部77を切り離して捨てカシメ部材70が取り外される。そして、捨てカシメ部材70の第2側面部77が切り離された蟻溝における周方向側面部73bの端部は、図6(b)で示した鋼板部材Bの切断面と同じとなる。図16に加えて、図17では、蟻溝の周方向側面部73bである第2外縁部が細線で示されている。この結果、第1外縁部の長さの総和は、第2外縁部の長さの総和よりも大きくなっている。
図16の捨てカシメ部材が組み付けられた分割ステータ鉄心8に巻線が施されることで、捨てカシメ部材70がなくとも、分割ステータ鉄心8は積層方向に固定される。このため、捨てカシメ部材70を後工程で取り除き、図17の状態とすることで、カシメがない状態とできる。通常、カシメの周辺では、カシメによる残留応力の影響により、カシメが無い状態よりも鉄損が増加する。したがって、図17のカシメが無い分割ステータ鉄心8の鉄損を低減でき、回転電機の効率が向上する。
また、このように構成された分割ステータ鉄心は、実施の形態1と同様に、鋼板の材料歩留まりの悪化を抑制できる。
また、このように構成された分割ステータ鉄心において、実施の形態1の第2外径部を蟻溝の周方向側面部73bに置き換えることによって、従来の分割ステータ鋼板だけでなく実施の形態1の分割ステータ鋼板に比べても、コアバック全周に残る分割ステータ鋼板の打ち抜き工程で生じる残留応力を少なくすることができる。その結果、逆押えを用いることなく、分割ステータ鋼板の抜き落としによる残留応力の少ない回転電機の分割ステータ鉄心を得ることができる。
また、コアバック周方向両側部33の外縁部における第1外縁部は、それぞれ周方向に隣り合うコアバック5の外縁部における第1外縁部と接している。したがって、実施の形態1と同様に、本実施の形態に係る回転電機は、コアバック5を通過する磁束における残留応力の影響を従来例よりも抑制できるため、鉄損の増加を抑えることができ回転電機の効率が向上する。
なお、図15から図17において、カシメの数や位置を指定するものでなく、ティース7の中央部にカシメがあっても同様の効果を得ることができる。また分割ステータ鋼板21が鋼板31とつながる箇所を第2内径部39の1箇所としているが、このつながる箇所の個数を限定するものではない。
実施の形態6.
図18は、実施の形態6における分割ステータ鋼板の打ち抜き工程の模式図である。図18に示すように、鋼板31に対して第一工程から順次第三工程までの工程によって分割ステータ鋼板が形成される。図18における斜線部や太線部は、実施の形態1の図3と同様である。また、パンチも、図3と同様の方向に打ち抜く。
本実施の形態においては、図3で示した分割ステータ鋼板21の打ち抜き工程の第一工程から第三工程までを変更したものである。
図18において、第一工程では、位置決め基準であるパイロット穴32と、分割ステータ鋼板21における、コアバック周方向両側部33と、スロット部34とが打ち抜かれる。スロット部34は、コアバック内径部34aと、ティース基部7aの周方向両側部34bと、ティース鍔部7bの外径部34cとからなる。第一工程では、スロット開口部35が打ち抜かれていない点で実施の形態1の図3と異なる。
第二工程では、分割ステータ鋼板21の外縁部のうち第1外縁部となる第1外径部36および第1内径部37が打ち抜かれる。分割ステータ鋼板21の第1内径部37は、パンチが分かれずに打ち抜かれることで1箇所の第1内径部37からなり、かつ分割ステータ鋼板21のスロット開口部35が打ち抜かれていない点で実施の形態1の図3と異なる。
第三工程では、分割ステータ鋼板21の外縁部のうち、第1外縁部の残部となる第2外縁部、すなわち第1外径部36の残りとなる1箇所の第2外径部38、および2箇所のスロット開口部35が打ち抜かれる。分割ステータ鋼板21の第2内径部39の代わりにスロット開口部35が打ち抜かれる点で実施の形態1の図3と異なる。
図19は、本実施の形態における分割ステータ鉄心の模式図である。分割ステータ鉄心8は、これまで説明した分割ステータ鋼板21が積層されて構成されている。分割ステータ鋼板21は、その第1外径部36、第1内径部37、コアバック周方向両側部33、スロット部34、スロット開口部35および第2外径部38がそれぞれ重なるように積層されている。図19において、第1外径部36、第1内径部37、コアバック周方向両側部33、およびスロット部34である第1外縁部を太線で、第2外径部38およびスロット開口部35である第2外縁部を細線で示している。第1外縁部の長さの総和は、第2外縁部の長さの総和よりも大きくなっている。
このように、第二工程において第1外径部36を打ち抜いた際に、分割ステータ鋼板21が鋼板31につながる箇所を第2内径部39の代わりにスロット開口部35としている。
ここで、本実施の形態の効果について、図20の例を用いて説明する。
図20は、実施の形態1における分割ステータ鉄心の変形例の模式図である。図20(b)は、図20(a)における分割ステータ鉄心8のC部拡大図であり、図20(c)は、図20(a)における分割ステータ鉄心8のD部拡大図である。図20において、実施の形態1の分割ステータ鉄心8の外径部が、第1外径部36および第1内径部37に分けて打ち抜かれ、その内径部が、第2外径部38および第2内径部39に分けて打ち抜かれる。
この際、第1外径部36および第1内径部37を打ち抜く1回目の工程と、第2外径部38および第2内径部39を打ち抜く2回目の工程とにおいて、第1外径部36および第2外径部38の半径を、図20における半径Ro1とし、第1内径部37および第2内径部39の半径を、図20における半径Ri1とすることが理想的である。しかしながら、第1外径部36および第2外径部38の半径、または第1内径部37および第2内径部39の半径が同じ半径の金型で打ち抜いたとしても、後工程で打ち抜く際の金型または鋼板31の位置のわずかなずれにより、前工程で打ち抜いた第1外径部36または第1内径部37に金型が干渉して金型にチッピングが発生するおそれがある。
実際の加工においては、金型のチッピングの発生を抑制して金型の寿命を確保するため、打ち抜くパンチとダイとのクリアランスを適正に保ちながら鋼板31を打ち抜くことが可能な分割ステータ鋼板の形状で打ち抜く。具体的には、図20に示すように、第1外径部36を半径Ro1の金型で打ち抜き、第2外径部38を半径Ro2の金型で打ち抜く。この時、Ro1>Ro2となる。また、同様に、第1内径部37を半径Ri1で打ち抜き、第2内径部39を半径Ri2で打ち抜く。この時、Ri2>Ri1となる。この結果、ステータ内径の半径Ri2の第2内径部39は、第1内径部37の半径Ri1に比べて、ロータ3の表面からの距離が遠くなり、回転電機1の出力が低下してしまう。
そこで、本実施の形態の図18のように分割ステータ鋼板21の第2内径部39の代わりにスロット開口部35を加工することで、第2内径部39をなくすことができる。このため、図19に示すように、鋼板部材Bの断面は、スロット開口部35の端部となる。よって、ロータ3とステータ2とのギャップ面において、図20の第2内径部39のように距離が遠くなる部分が無くなるため、回転電機1の出力の向上につながる。
また、このように構成された分割ステータ鉄心は、実施の形態1と同様に、鋼板の材料歩留まりの悪化を抑制できる。
また、このように構成された分割ステータ鉄心は、実施の形態1と同様に、従来の分割ステータ鋼板の打ち抜き工程で作製された分割ステータ鋼板を用いた従来の分割ステータ鉄心に比べて、コアバック全周に残る分割ステータ鋼板の打ち抜き工程で生じる残留応力を少なくすることができる。その結果、逆押えを用いることなく、分割ステータ鋼板の抜き落としによる残留応力の少ない回転電機の分割ステータ鉄心を得ることができる。
また、コアバック周方向両側部33の外縁部における第1外縁部は、それぞれ周方向に隣り合うコアバック5の外縁部における第1外縁部と接している。したがって、実施の形態1と同様に、本実施の形態に係る回転電機は、コアバック5を通過する磁束における残留応力の影響を従来例よりも抑制できるため、鉄損の増加を抑えることができ回転電機の効率が向上する。
実施の形態7.
図21は、実施の形態7における分割ステータ鋼板の打ち抜き工程の模式図である。図21に示すように、鋼板31に対して第一工程から順次第三工程までの工程によって分割ステータ鋼板が形成される。図21における斜線部や太線部は、実施の形態1の図3と同様である。また、パンチも、図3と同様の方向に打ち抜く。
本実施の形態においては、図3で示した分割ステータ鋼板21の打ち抜き工程の第一工程から第三工程までを変更したものである。
図21において、第一工程では、位置決め基準であるパイロット穴32と、分割ステータ鋼板21における、コアバック周方向両側部の一部である内径側33aと、スロット部34と、スロット開口部35とが打ち抜かれる。スロット部34は、コアバック内径部34aと、ティース基部7aの周方向両側部34bと、ティース鍔部7bの外径部34cとからなる。第一工程では、コアバック周方向両側部の外径側33bが打ち抜かれていない点で実施の形態1の図3と異なる。
第二工程では、分割ステータ鋼板21の外縁部のうち第1外縁部となる第1外径部36および第1内径部37が打ち抜かれる。分割ステータ鋼板21の第1内径部37がパンチが分かれずに打ち抜かれることで1箇所の第1内径部37からなり、分割ステータ鋼板21の第1外径部36がパンチが分かれずに打ち抜かれることで1箇所の第1外径部36からなり、かつ、コアバック周方向両側部の外径側33bが打ち抜かれていない点で実施の形態1の図3と異なる。
第三工程では、分割ステータ鋼板21の外縁部のうち、第1外縁部の残部となる第2外縁部、すなわちコアバック周方向両側部の外径側33bの2箇所が打ち抜かれる。コアバック周方向両側部の外径側33bの周方向側面は、コアバック周方向両側部の内径側33aの周方向側面に対して周方向にずれている。すなわち、コアバック5の周方向側面から突出する凸部78と、コアバック5の周方向側面でへこむ凹部79とが、分割ステータ鋼板21に形成されている。分割ステータ鋼板21の第2外径部38および第2内径部39の代わりにコアバック周方向両側部の外径側33bが打ち抜かれる点で実施の形態1の図3と異なる。
図22は、本実施の形態における分割ステータ鉄心の模式図である。分割ステータ鉄心8は、これまで説明した分割ステータ鋼板21が積層されて構成されている。分割ステータ鋼板21は、その第1外径部36、第1内径部37、コアバック周方向両側部の内径側33a、コアバック周方向両側部の外径側33b、スロット部34、およびスロット開口部35がそれぞれ重なるように積層されている。図22において、第1外径部36、第1内径部37、コアバック周方向両側部の内径側33a、およびスロット部34である第1外縁部を太線で、コアバック周方向両側部の外径側33bである第2外縁部を細線で示している。第1外縁部の長さの総和は、第2外縁部の長さの総和よりも大きくなっている。
このように、第二工程において第1外径部36を打ち抜いた際に、分割ステータ鋼板21が鋼板31につながる箇所を第2外径部38および第2内径部39の代わりに、2箇所のコアバック周方向両側部の外径側33bとしている。
図23は、本実施の形態における分割ステータ鉄心の横断面図である。図23において、ステータ2において、ステータ巻線9がない状態で、12個の分割ステータ鉄心8が、周方向に並べられている。12個の分割ステータ鉄心8のコアバック5は、円環状に並べられている。また、隣り合う一方の分割ステータ鉄心8の凸部78と、隣り合う他方の分割ステータ鉄心8の凹部79とが、嵌め合わされている。この構成によって、12個の分割ステータ鉄心8が、周方向および径方向に位置決めされ、精度よく安定して組み立てられる。
図24は、本実施の形態における分割ステータ鉄心の図23におけるE部拡大図である。図24において、隣り合う一方の分割ステータ鉄心8の凸部78と、隣り合う他方の分割ステータ鉄心8の凹部79とは、互いに接触しないように周方向の隙間80が生じる寸法で加工される。仮に、隣り合う分割ステータ鉄心8のコアバック周方向両側部の内径側33a同士を接触させるのに加えて凸部78と凹部79とが接触した場合、12個の分割ステータ鉄心8を並べて形成されるステータ2の外径が大きくなってしまう。このため、図24のように、隣り合う分割ステータ鉄心8のコアバック周方向両側部の内径側33a同士を接触させつつ、凸部78と凹部79とを周方向に接触させない寸法とする必要がある。
また、凹部79の隅部には、所定のRが付けられる。隙間80がこのRより大きく設定されれば、凸部78と凹部79とを径方向に安定して接触させることができる。
そして、コアバック周方向両側部の外径側33bの加工を最後の工程(図21の第三工程)で行うことで、コアバック周方向両側部の外径側33bの端部は、図6の鋼板部材Bの断面となる。よって、凸部78および凹部79には、大きな残留応力が加わることになる。凸部78および凹部79が、図6の鋼板部材Aの断面で構成されたとしても、凸部78と凹部79との周方向に隙間80をあける必要があるため、磁束が凸部78および凹部79以外の部分より流れにくい。
このように構成された分割ステータ鉄心は、凸部78および凹部79におけるコアバック周方向両側部の外径側33bの端部を鋼板部材Bの断面とすることで、図4に示す従来の分割ステータ鋼板の打ち抜き工程で作製された分割ステータ鋼板を用いた従来の分割ステータ鉄心に比べて、外縁部に残る分割ステータ鋼板の打ち抜き工程で生じる残留応力を少なくすることができる。そのため、鉄損の増加を抑えることができ回転電機の効率が向上する。
また、このように構成された分割ステータ鉄心は、実施の形態1と同様に、鋼板の材料歩留まりの悪化を抑制できる。
また、このように構成された分割ステータ鉄心は、実施の形態1と同様に、従来の分割ステータ鋼板の打ち抜き工程で作製された分割ステータ鋼板を用いた従来の分割ステータ鉄心に比べて、コアバック全周に分割ステータ鋼板の打ち抜き工程で生じる残留応力を少なくすることができる。その結果、逆押えを用いることなく、分割ステータ鋼板の抜き落としによる残留応力の少ない回転電機の分割ステータ鉄心を得ることができる。
また、コアバック周方向両側部33の外縁部における第1外縁部は、それぞれ周方向に隣り合うコアバック5の外縁部における第1外縁部と接している。したがって、実施の形態1と同様に、本実施の形態に係る回転電機は、コアバック5を通過する磁束における残留応力の影響を従来例よりも抑制できるため、鉄損の増加を抑えることができ回転電機の効率が向上する。
実施の形態8.
図25は、実施の形態8における分割ステータ鋼板の打ち抜き工程の模式図である。図25に示すように、鋼板31に対して第一工程から順次第三工程までの工程によって分割ステータ鋼板が形成される。図25における斜線部や太線部は、実施の形態1の図3と同様である。また、パンチも、図3と同様の方向に打ち抜く。
本実施の形態においては、実施の形態7の図21で示した分割ステータ鋼板21の打ち抜き工程の第二工程および第三工程を変更したものである。
図25において、第一工程は、図21と同様である。
第二工程では、分割ステータ鋼板21の外縁部のうち第1外縁部となる第1外径部36および第1内径部37が打ち抜かれる。分割ステータ鋼板21の第1内径部37は、パンチが2箇所に分かれて打ち抜かれることで2箇所の第1内径部37からなる点で実施の形態7の図21と異なる。
第三工程では、分割ステータ鋼板21の外縁部のうち、第1外縁部の残部となる第2外縁部、すなわちコアバック周方向両側部の外径側33bの2箇所、および第1内径部37の残りとなる1箇所の第2内径部39が打ち抜かれる。
図26は、本実施の形態における分割ステータ鉄心の模式図である。分割ステータ鉄心8は、これまで説明した分割ステータ鋼板21が積層されて構成されている。分割ステータ鋼板21は、その第1外径部36、第1内径部37、第2内径部39、コアバック周方向両側部の内径側33a、コアバック周方向両側部の外径側33b、スロット部34、およびスロット開口部35がそれぞれ重なるように積層されている。図26において、第1外径部36、第1内径部37、コアバック周方向両側部の内径側33a、およびスロット部34である第1外縁部を太線で、コアバック周方向両側部の外径側33b、および第2内径部39である第2外縁部を細線で示している。第1外縁部の長さの総和は、第2外縁部の長さの総和よりも大きくなっている。
このように、実施の形態7の第二工程において第1外径部36および第1内径部37を打ち抜いた際に、分割ステータ鋼板21が鋼板31につながる箇所を、2箇所のコアバック周方向両側部の外径側33bに加えて、第2内径部39としている。このため、最終の第三工程において、安定して打ち抜きを行うことが可能となり、打ち抜きの歩留まりが改善する。また、実施の形態1に対して、分割ステータ鉄心8の外径部の残留応力を低減することが可能となるため、鉄損の増加を抑えることができ回転電機の効率が向上する。
また、このように構成された分割ステータ鉄心は、実施の形態1と同様に、鋼板の材料歩留まりの悪化を抑制できる。
また、このように構成された分割ステータ鉄心は、実施の形態1と同様に、従来の分割ステータ鋼板の打ち抜き工程で作製された分割ステータ鋼板を用いた従来の分割ステータ鉄心に比べて、コアバック全周に分割ステータ鋼板の打ち抜き工程で生じる残留応力を少なくすることができる。その結果、逆押えを用いることなく、分割ステータ鋼板の抜き落としによる残留応力の少ない回転電機の分割ステータ鉄心を得ることができる。
また、コアバック周方向両側部33の外縁部における第1外縁部は、それぞれ周方向に隣り合うコアバック5の外縁部における第1外縁部と接している。したがって、実施の形態1と同様に、本実施の形態に係る回転電機は、コアバック5を通過する磁束における残留応力の影響を従来例よりも抑制できるため、鉄損の増加を抑えることができ回転電機の効率が向上する。
実施の形態9.
図27は、実施の形態9における分割ステータ鋼板の打ち抜き工程の模式図である。図27に示すように、鋼板31に対して第一工程から順次第三工程までの工程によって分割ステータ鋼板が形成される。図27における斜線部や太線部は、実施の形態1の図3と同様である。また、パンチも、図3と同様の方向に打ち抜く。
本実施の形態においては、実施の形態7の図21で示した分割ステータ鋼板21の打ち抜き工程の第一工程から第三工程までを変更したものである。
図27において、第一工程では、位置決め基準であるパイロット穴32と、分割ステータ鋼板21における、コアバック周方向両側部33と、スロット部34とが打ち抜かれる。スロット部34は、コアバック内径部34aと、ティース基部7aの周方向両側部34bと、ティース鍔部7bの外径部34cとからなる。第一工程では、スロット開口部35が打ち抜かれていない点で実施の形態7の図21と異なる。
第二工程では、分割ステータ鋼板21の外縁部のうち第1外縁部となる第1外径部36および第1内径部37が打ち抜かれる。分割ステータ鋼板21のスロット開口部35が打ち抜かれていない点で実施の形態7の図21と異なる。
第三工程では、分割ステータ鋼板21の外縁部のうち、第1外縁部の残部となる第2外縁部、すなわちコアバック周方向両側部の外径側33bの2箇所、および2箇所のスロット開口部35が打ち抜かれる。スロット開口部35が打ち抜かれる点で実施の形態7の図21と異なる。
図28は、本実施の形態における分割ステータ鉄心の模式図である。分割ステータ鉄心8は、これまで説明した分割ステータ鋼板21が積層されて構成されている。分割ステータ鋼板21は、その第1外径部36、第1内径部37、コアバック周方向両側部の内径側33a、コアバック周方向両側部の外径側33b、スロット部34、およびスロット開口部35がそれぞれ重なるように積層されている。図26において、第1外径部36、第1内径部37、コアバック周方向両側部の内径側33a、およびスロット部34である第1外縁部を太線で、コアバック周方向両側部の外径側33bである第2外縁部を細線で示している。第1外縁部の長さの総和は、第2外縁部の長さの総和よりも大きくなっている。
このように、実施の形態7の第二工程において第1外径部36および第1内径部37を打ち抜いた際に、分割ステータ鋼板21が鋼板31につながる箇所を、2箇所のコアバック周方向両側部の外径側33bに加えて、スロット開口部35としている。このため、最終の第三工程において、安定して打ち抜きを行うことが可能となり、打ち抜きの歩留まりが改善する。また、実施の形態1に対して、分割ステータ鉄心8の外径部および内径部の残留応力を低減することが可能となるため、鉄損の増加を抑えることができ回転電機の効率が向上する。
また、このように構成された分割ステータ鉄心は、実施の形態1と同様に、鋼板の材料歩留まりの悪化を抑制できる。
また、このように構成された分割ステータ鉄心は、実施の形態1と同様に、従来の分割ステータ鋼板の打ち抜き工程で作製された分割ステータ鋼板を用いた従来の分割ステータ鉄心に比べて、コアバック全周に分割ステータ鋼板の打ち抜き工程で生じる残留応力を少なくすることができる。その結果、逆押えを用いることなく、分割ステータ鋼板の抜き落としによる残留応力の少ない回転電機の分割ステータ鉄心を得ることができる。
また、コアバック周方向両側部33の外縁部における第1外縁部は、それぞれ周方向に隣り合うコアバック5の外縁部における第1外縁部と接している。したがって、実施の形態1と同様に、本実施の形態に係る回転電機は、コアバック5を通過する磁束における残留応力の影響を従来例よりも抑制できるため、鉄損の増加を抑えることができ回転電機の効率が向上する。
なお、分割ステータ鋼板21のティース7の軸線方向は、実施の形態1から実施の形態9の図に示したように、鋼板31の圧延方向(鋼板31の幅方向と垂直な方向)に沿っている方が望ましい。この配置で分割ステータ鋼板21を鋼板31から打ち抜くことによって、ティース7方向の磁気抵抗を低減し、同方向の磁束を増加させることができる。また、コアバック5の方向の磁気特性を改善したい場合は、鋼板31の圧延方向に対して90度であってもよい。また、分割ステータ鋼板21にかかる主な磁界が回転磁界である場合は、その間の0度から90度までの範囲の角度であってもよい。
1 回転電機、 2 ステータ、 3 ロータ、 4 回転軸(シャフト)、5 コアバック、 6 スロット、 7 ティース、 7a ティース基部、 7b ティース鍔部、 8 分割ステータ鉄心、 9 ステータ巻線、 10 ロータ鉄心、 11 永久磁石、 12 フレーム、 21 分割ステータ鋼板、 31 鋼板、 32 パイロット穴、 33 コアバック周方向両側部、 33a コアバック周方向両側部の内径側、 33b コアバック周方向両側部の外径側、 34 スロット部、 34a コアバック内径部、 34b ティース基部の周方向両側部、 34c ティース鍔部の外径部、 35 スロット開口部、 36 第1外径部、 37 第1内径部、 38 第2外径部、 39 第2内径部、 40 コアバック周方向両側部、 41 スロット部、 41a コアバック内径部、 41b ティース基部の周方向両側部、 41c ティース鍔部の外径部、 42 スロット開口部、 43 外径部、 44 内径部、 51 鋼板、 52 ダイ、 53 押さえ板、 54 パンチ、 61 せん断面、 62 破断面、 63 だれ、 70 捨てカシメ部材、 71 カシメ穴、 72 蟻溝の内径部、 73a 蟻溝の周方向側面部、 73b 蟻溝の周方向側面部、 74 捨てカシメ部材の内径部、 75 捨てカシメ部材の第1側面部、 76 捨てカシメ部材の外径部、 77 捨てカシメ部材の第2側面部、 78 凸部、 79 凹部

Claims (9)

  1. コアバック、および前記コアバックの内周側に突出されるティースを有する分割ステータ鋼板が複数積層された分割ステータ鉄心を複数具備し前記複数の分割ステータ鉄心の前記コアバックが円環状に並べられたステータと、
    前記ステータに対し回転自在に支持されたロータとを備え、
    前記分割ステータ鋼板の外縁部は、第1外縁部と第2外縁部とで構成され、
    前記第1外縁部の端部の前記分割ステータ鋼板の厚み方向におけるせん断面と破断面との並び順と、前記第2外縁部の端部の前記分割ステータ鋼板の厚み方向におけるせん断面と破断面との並び順とが逆であり、
    前記第1外縁部の長さの総和は、前記第2外縁部の長さの総和よりも大きく、
    前記コアバックの周方向両側の外縁部は、それぞれ前記第1外縁部を有し、
    前記コアバックの周方向両側の外縁部における前記第1外縁部は、それぞれ周方向に隣り合う前記コアバックの外縁部における前記第1外縁部と接している回転電機。
  2. 前記ティースの内径部および前記コアバックの外径部は、それぞれ前記第1外縁部および前記第2外縁部を有する請求項1に記載の回転電機。
  3. 前記ティースの内径部および前記コアバックの外径部のいずれか一方は、複数の前記第1外縁部および複数の前記第2外縁部からなる請求項2に記載の回転電機。
  4. 前記ティースの内径部は、前記第1外縁部および前記第2外縁部からなる請求項1に記載の回転電機。
  5. 前記ティースの内径部は、前記第1外縁部からなり、
    前記コアバックの外径部は、前記第1外縁部および前記第2外縁部からなる請求項1に記載の回転電機。
  6. 前記コアバックの周方向両側の外縁部は、前記第1外縁部および前記第2外縁部からなる請求項1に記載の回転電機。
  7. 前記ティースの内径部は、前記第1外縁部および前記第2外縁部からなる請求項6に記載の回転電機。
  8. 前記ティースの内径部は、前記第1外縁部からなる請求項6に記載の回転電機。
  9. コアバックの内周側に突出されるティース基部、および前記ティース基部の先端から周方向に突出されるティース鍔部を有するティースを具備する分割ステータ鋼板を平板鋼板から打ち抜く分割ステータ鋼板の製造方法であって、
    前記コアバックの周方向両側の外縁部の一部、前記コアバックの内径側の外縁部、前記ティース基部の周方向両側の外縁部、および前記ティース鍔部の外径側の外縁部を含む前記分割ステータ鋼板の外縁部のうちの第1外縁部を打ち抜く第1工程と、
    前記分割ステータ鋼板の外縁部のうち前記第1外縁部の残部となる第2外縁部を打ち抜く第2工程とを備え、
    前記第1外縁部の長さの総和は、前記第2外縁部の長さの総和よりも大きく、
    前記第1工程において、前記コアバックの周方向両側の外縁部における前記第1外縁部を、それぞれ周方向に隣り合う前記コアバックの外縁部における前記第1外縁部と接する位置に打ち抜く分割ステータ鋼板の製造方法。
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