JP2019004642A - モータ、及び分割コア片の製造方法 - Google Patents

モータ、及び分割コア片の製造方法 Download PDF

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Yutaka Shinpo
豊 新保
智 新福
Satoshi Shinfuku
智 新福
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謙 山本
里司 永元
Satoji Nagamoto
里司 永元
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Yusuke Hayashi
裕介 林
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Tomoyoshi Hirayama
智祥 平山
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Abstract

【課題】分割コア片を積層して形成された、複数の分割コアにより形成されたステータを用いたモータであって、分割コア同士の接触面の隙間を無くし、磁気抵抗を低減することでモータの特性を向上させたモータを提供する。【解決手段】分割コア同士の接続においては、分割コアを構成する分割コア片1の第1の係合用部片111と、他の分割コアを構成する分割コア片1の第2の係合用部片121が嵌め合いにより接続される。その際に接触する第1の係合用端面111aと第2の係合用端面121aはそれぞれ分割コア片1の表面及び裏面に続いて抜きダレ、剪断面、破断面、バリを有し、接触面において相補的な形状となり、隙間無く嵌め合わされる。【選択図】図5

Description

本発明は、分割コアで構成されたステータコアを有するモータ、及びその分割コアの分割コア片の製造方法に関するものである。
一般的なインナーロータ型のブラシレスモータは、円筒状に形成されたステータと、円柱状に形成され、ステータの内部に収容されたロータと、を有している。ステータは、磁性体からなる円筒状のステータコアのバックヨークと、このステータコアのバックヨークの内周面から径方向内側中心に向かって放射状に突設された複数のティースと、複数のティースにそれぞれ巻かれた巻線を有している。ロータは回転シャフトと、複数の磁石と、を有している。ステータの各ティース間には、径方向内側に開口したスロットが形成されている。このスロットを介して、各ティースに巻線が巻回されている。巻線に電流が流れると、ロータは回転シャフトを軸として、ステータ内で回転する。
モータの小型化を図るためには、ステータの小型化が重要である。ステータを小型化するためには、ステータコアを小さくしなければならない。しかし、モータトルク等の特性を維持するためには、巻線の巻線数を減少することは出来ないので、スロットを小さくし、スロット内に巻かれる巻線の占積率を向上させることが有効である。
インナーロータ型のブラシレスモータでは、ステータのスロットが径方向内側に向けて開口しているために、スロットの幅に対し、開口部の幅が小さく、開口部を通して、巻線をティースに十分に巻くことが困難であり、巻線の占積率を容易に向上できない。これに対し、ティースに巻線を容易に十分に巻くために、ステータコアをティースごとに周方向に分割して、分割コアを使用してステータコアが形成されているものがある。
分割コアによって形成されたステータコアを製造する場合、各分割コアのティースにそれぞれ巻線を巻回し、その後、巻線が巻回された各分割コアが円環状に組みつけられてステータコアが形成される。分割コアの状態ではスロット幅を考慮することなく、複数の分割コアを円環状に組み付けることが可能な限りに各ティースに巻線を巻回することができる。よって、スロットが小さくても、巻線の占積率を向上させることができる。
また、互いに周方向に隣接する分割コアを円環状に組み付けるために、分割コアに係合用の嵌め合い部(凹部、凸部)を形成する場合がある。嵌め合い凹部と、この凹部に嵌まり合う嵌め合い凸部が形成されることによって、分割コアは、容易に円環状に組みつけられる。
また、磁性鋼板を打ち抜き成形された分割コア片を形成し、複数の分割コア片を積層して製造した分割コアが知られている。
この分割コアの製造方法として、略T字形状に形成された分割コア片を、無駄を少なくして打ち抜くために、隣り合った分割コア片を互いに逆向きに配置する製造方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。分割コア片には、嵌め合い凹部片と、嵌め合い凸部片が形成される。
ここで、打ち抜きにより成形された分割コア片の端面には、抜きダレ、剪断面、破断面、バリが形成される(例えば、特許文献2の図6参照)。剪断面は、抜きダレや破断面よりも突出しており、分割コア片の端面は、分割コア片の平面に対し、直交しておらず、平面でも無い。
また、打ち抜きにより成形された分割コア片の端面に形成された嵌め合い凹部と嵌め合い凸部の端面も垂直面にはならない。したがって、隣り合う2つの分割コアの嵌め合い凹部に嵌め合い凸部を嵌め合わせると、隣り合う分割コア片は同一面上配置されず、両者の間に段差が生じてしまい、隣り合う2つの分割コアにも段差ができる場合があった。
特開2014−204518号公報 特開2006−340491号公報
ところで、段差が生じないように、嵌め合い凹部と嵌め合い凸部を嵌め合わせようとすると、両者の剪断面が互いに接し、抜きダレの面や破断面の部分に空間ができてしまう。このため、各分割コアの磁気抵抗が増加し、結果としてそのステータコアを備えたモータは、モータ性能が低下するおそれがある。
本発明は、分割コア同士を嵌め合せた際の磁気抵抗の増加を抑制し、モータ性能の抵抗を防止できるモータ、及び分割コア片の製造方法を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明のモータは、ステータと、前記ステータの内側に配置され、回転自在に軸支されるロータと、を備え、前記ステータは、周方向両端にそれぞれ第1の側端部と第2の側端部を有するバックヨーク部と、前記バックヨーク部の周方向中央部から突出形成され、先端部分に鍔が形成されたティース部とを有する複数の分割コアと、前記複数の分割コアの前記ティース部にそれぞれ巻回される巻線と、を備え、前記複数の分割コアが円環状に配置され、前記バックヨーク部の前記第1の側端部と、隣接する前記バックヨーク部の前記第2の側端部とを接続して前記ステータが形成されるモータであって、前記分割コアは、鋼板を打ち抜いて成形される複数の分割コア片を積層して形成され、前記分割コア片は、前記バックヨーク部を形成するバックヨーク部片と、前記ティース部を形成するティース部片と、を有し、前記バックヨーク部片は、前記第1の側端部を形成する第1の側端部片と、前記第2の側端部を形成する第2の側端部片と、を有し、前記第1の側端部片は、隣接して配置される前記第2の側端部片に係合される第1の係合用端面を有し、前記第2の側端部片は、隣接して配置される前記第1の側端部片に係合される第2の係合用端面を有し、前記第1の係合用端面は、前記バックヨーク部片の一面側から、前記鋼板の打ち抜きによる抜きダレ、バリを順に有し、前記第2の係合用端面は、前記バックヨーク部片の他面側から、前記鋼板の打ち抜きによる抜きダレ、バリを順に有することを特徴とする。
このように、分割コアを形成する分割コア片同士の第1の係合用端面と第2の係合用端面には、抜きダレ、剪断面、破断面、バリをそれぞれ分割コア片の一面及び他面から逆向きに形成され、接触面において相補的な形状を形成している。このため、分割コア片同士が、隙間無く嵌め合わされる。
すなわち、分割コアを円環状に組みつけた際に、隣り合う分割コアが段差なく嵌り合う。そして、分割コアの嵌め合い凸部の嵌め合い面に対し、分割コアの嵌め合い凹部の嵌め合い面を、相対的に逆向きの面、いわゆる相補的な面に形成した。このため、分割コア同士を嵌め合せた際の磁気抵抗の増加を抑制し、モータ性能の低下を防止できる。
本発明のモータは、前記第1の係合用端面の形状と前記第2の係合用端面の形状は、互いに嵌め合い可能な形状であり、前記第1の係合用端面の形状は、嵌め合い凹部であり、前記第2の係合用端面の形状は、前記嵌め合い凹部に嵌め合い可能な嵌め合い凸部であることを特徴とする。
このように構成することで、第1の係合用端面及び第2の係合用端面の形状が、例えば直線である場合等と比較すると接触面積が大きく、より分割コア同士の接続を強固にできる。また、コアばらけを防止できる一方、構造としては凹形状と凸形状であって、変極部を数箇所有するだけの簡素な構造であり、成形性を向上できる。さらに、分割コア片同士は隙間無く接触しているため、分割コア同士の接触面積が増大することにより、分割コア同士の隙間が増大し、磁気抵抗が増加することでモータの特性が低下することを防止できる。
本発明の分割コア片の製造方法では、周方向両端にそれぞれ第1の側端部片と第2の側端部片とを有するバックヨーク部片と、前記バックヨーク部片の周方向中央部から突出形成され、先端部分に鍔部片が形成されたティース部片と、からなり、前記第1の側端部片は第1の係合用端面を有し、前記第2の側端部片は第2の係合用端面を有する分割コア片の製造方法であって、鋼板を予め定められた第1の位置に配置する工程と、前記第1の位置に配置された前記鋼板を、前記バックヨーク部片の一面方向から打ち抜き前記第1の側端部片の前記第1の係合用端面を成形する第1の打ち抜き成形工程と、前記第1の打ち抜き成形工程により成形された鋼板を予め定められた第2の位置に配置する工程と、前記第2の位置に配置された前記鋼板を、前記バックヨーク部片の前記一面方向から打ち抜き、前記第1の打ち抜き成形工程で形成された前記第1の係合用端面を端面とする前記第1の側端部片と、前記バックヨーク部片と、前記第2の側端部片と、前記ティース部片とを成形する第2の打ち抜き成形工程と、からなることを特徴とする。
本分割コア片の製造方法で製造された分割コア片を用いてステータコアを形成したモータにおいては、分割コアを形成する分割コア片同士の第1の係合用端面と第2の係合用端面には、抜きダレ、剪断面、破断面、バリをそれぞれ分割コア片の一面及び他面から逆向きに形成され、接触面において相補的な形状を形成しており、隣接する分割コア同士が隙間無く嵌め合わされる。このため、分割コア同士の隙間により磁気抵抗が増大し、モータの特性が低下することを防止できる。
本発明の分割コア片製造方法は、前記第1の係合用端面の形状と前記第2の係合用端面の形状は、互いに嵌め合い可能な形状であり、前記第1の係合用端面の形状は、嵌め合い凹部に形成され、前記第2の係合用端面の形状は、前記嵌め合い凹部に嵌め合い可能な嵌め合い凸部に形成されていることを特徴とする。
ここで、第1の打ち抜き成形工程においては、嵌め合い凹部の端面が成形される。すなわち、第1の打ち抜き成形工程においてはピアス抜きの金型として、凸形状のパンチが用いられる。凸形状のパンチは凹形状のパンチよりも成形が容易であり、第1の打ち抜き成形工程で嵌め合い凸部の端面を形成する場合に比べてパンチの作成を容易にできる。
また、分割コア片は、第1の係合用端面及び第2の係合用端面の形状が、例えば直線である場合等と比較すると接触面積が大きく、より分割コア同士の接続が強固にできる。また、コアばらけを防止できる一方、構造としては凹形状と凸形状であって、変極部を数箇所有するだけの簡素な構造であり、成形性を向上できる。さらに、分割コア片同士は隙間無く接触しているため、分割コア同士の接触面積が増大することにより、分割コア同士の隙間が増大し、磁気抵抗が増加することでモータの特性が低下することを防止できる。
本発明のモータによれば、隣接する分割コア片同士は隙間無く接触する為、互いに隣接する分割コア同士を隙間無く接触させることができる。よって、分割コア同士の隙間により磁気抵抗が増大することがなく、モータの特性が低下することを防止できる。
また、本発明の分割コア片製造方法によれば、製造された分割コア片を積層させて形成された分割コアをモータに用いる場合、隣接する分割コア片同士は隙間無く接触する為、互いに隣接する分割コア同士も隙間無く接触させることができる。よって、分割コア同士の隙間により磁気抵抗が増大し、モータの特性が低下することを防止できる。
本発明の実施形態におけるモータの斜視図である。 本発明の実施形態におけるステータの斜視図である。 本発明の実施形態におけるステータコアの斜視図である。 本発明の実施形態における分割コアの斜視図である。 本発明の実施形態における分割コア片を示し、(a)は斜視図、(b)は、(a)の方向Nからみた斜視図である。 本発明の実施形態における分割コア片の成形工程図である。 本発明の実施形態における分割コア片の打ち抜き成形工程の概略である。
次に、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
(モータ)
図1は、本発明の実施形態におけるモータ2の斜視図である。
同図に示すように、モータ2は、例えば自動車に搭載されたミッションにオイルを供給する電動オイルポンプ(何れも不図示)に用いられるものである。モータ2は、ロータ3とステータ4と、 ロータ3とステータ4とを収容し、保持するモータケース(不図示)により構成される。以下の説明では、ロータ3の回転軸の方向、すなわちシャフト31の軸方向を単に軸方向と称し、軸方向に直交し、ロータコア32の径方向となる方向を単に径方向と称し、ロータ3の回転方向を単に周方向と称して説明する。
ステータ4は、モータケース(不図示)にインサート成形されている。また、ロータ3はシャフト31を介して、モータケースに回転自在に支持されている。モータ2は、いわゆるブラシレスモータである。
ロータ3は、シャフト31と、シャフト31に外嵌固定されたロータコア32と、を備えている。ロータコア32には、複数の永久磁石33が周方向に等間隔で埋め込まれている。
(ステータ)
図2は、ステータ4の斜視図である。
同図に示すように、ステータ4は略円筒状に形成されている。ステータ4のステータコア41は、略円筒状のバックヨーク41aとバックヨーク41aから径方向内側に向かって突出形成された複数のティース41bと、を有している。ティース41bは先端に鍔41baを有している。ステータ4は、ティース41bの周囲を被覆するように装着された絶縁性のインシュレータ42と、このインシュレータ42の上からティース41bに巻回される巻線43と、を備えている。それぞれのティース41bに巻かれた巻線43が互いに接続され、複数のコイル43aが形成される。
複数のコイル43aに電流が供給されると、複数のコイル43aに流れる電流によって生じる磁界と、ロータ3の永久磁石33との間に電磁気的な吸引力や反発力が生じ、ステータ4に対しロータ3が回転する。
本実施形態のステータ4では、ティース41bが6つ設けられており、それぞれのコイル43aに3相(U相、V相、W相)の電流を供給可能な構造になる。
図3は、ステータコア41の斜視図である。
同図に示すように、ステータコア41は、複数の分割コア5のバックヨーク部5aが円環状に接続されて形成されている。
図4は、分割コア5の斜視図である。
同図に示すように、分割コア5は、分割コア片1を複数積層して形成され、周方向に延びるバックヨーク部5aと、バックヨーク部5aから径方向内側に向かって突出形成されたティース部5bと、を有している。ティース部5bは、先端に鍔部5baを有している。各分割コア片1は、ボス部片13を有し、ボス部片13により互いに係合される。バックヨーク部5aは、分割コア5を円環状に連結したときに、ステータコア41のバックヨーク41aの環状の磁路を形成する部分である。
分割コア5は、バックヨーク部5aの周方向の両端に第1の側端部51及び第2の側端部52を有する。第1の側端部51及び第2の側端部52には、他のバックヨーク部5aに圧入によって連結される為の凹形状の第1の係合用部511及び凸形状の第2の係合用部521がそれぞれ形成されている。分割コア5のバックヨーク部5aの第1の側端部51の第1の係合用部511と、他の分割コア5のバックヨーク部5aの第2の側端部52の第2の係合用部521は嵌め合い可能な形状となる。
(分割コア片)
図5は、分割コア片1を示し、(a)は斜視図、(b)は、(a)の方向Nからみた斜視図である。
図5(a)、図5(b)に示すように、分割コア片1は、周方向に延びるバックヨーク部片1aと、バックヨーク部片1aから径方向内側に向かって突出形成されたティース部片1bと、を有している。ティース部片1bは先端に鍔部片1baを有している。分割コア片1は、分割コア片1を積層して分割コア5を形成する際に係合するためのボス部片13を有している。ボス部片13は、ボス凹部13aとボス凸部13bからなり、ボス凸部とボス凹部は嵌め合い可能な形状となる。
分割コア片1は、バックヨーク部片1aの周方向の両端に第1の側端部片11及び第2の側端部片12を有する。第1の側端部片11及び第2の側端部片12には、他のバックヨーク部片1aに圧入によって連結される為の凹形状の第1の係合用部片111及び凸形状の第2の係合用部片121がそれぞれ形成されている。
分割コア片1のバックヨーク部片1aにおける第1の側端部片11の第1の係合用部片111と、他の分割コア片1のバックヨーク部片1aにおける第2の側端部片12の第2の係合用部片121は、嵌め合い可能な形状となる。分割コア片1の第1の係合用部片111は、他の分割コア片1における第2の係合用部片121と接する面である第1の係合用端面111aを有している。分割コア片1の第2の係合用部片121は、他の分割コア片1の第1の係合用部片111と接する面である第2の係合用端面121aを有している。
(分割コア片の打ち抜き成形工程)
本発明に係る分割コア片1の打ち抜き成形工程について説明する。
図6は、分割コア片1の打ち抜き成形工程における鋼鈑の正面図Pである。
同図に示すように、打ち抜き成形される鋼板6は送り方向Oへ流れる。打ち抜き成形工程における鋼鈑の正面図Pにより示される打ち抜き成形工程は、1枚の鋼板6から4枚の分割コア片1を成形する工程となる。
図7は、分割コア片の打ち抜き成形工程における鋼鈑の正面図Pにより示される打ち抜き成形工程の概略である。
同図に示すように、打ち抜き成形工程は第1の打ち抜き位置に配置する工程A、第1の打ち抜き成形工程B、ボス部成形の位置に配置する工程C、ボス部成形工程D、第2の打ち抜き位置に配置する工程E及び第2の打ち抜き成形工程Fの6つの工程からなる。
(第1の打ち抜き位置に配置する工程及び第1の打ち抜き成形工程)
図6に戻って、分割コア片の打ち抜き成形工程について説明する。以下の説明では、鋼板6の紙面表側の面を表面(一面)、紙面裏側の面を裏面(他面)とそれぞれ称して説明する。
第1の打ち抜き位置に配置する工程Aは、鋼板6を、第1の打ち抜き成形工程Bであるピアス抜き成形71が実施される位置に配置する工程である。
第1の打ち抜き成形工程Bは、第1の打ち抜き位置に配置する工程Aにより予め定められた位置に配置された鋼板6に、ピアス抜き成形71を実施する工程である。
ピアス抜き成形71では、鋼板6に対し表面側からピアス抜き成形部61を打ち抜き、分割コア片1の第1の係合用端面111aを成形する。成形された分割コア片1の第1の係合用端面111aは分割コア片の表面に続いて抜きダレ、剪断面、破断面、バリを順に有する。
(ボス部成形の位置に配置する工程及びボス部成形工程)
ボス部成形の位置に配置する工程Cは、第1の打ち抜き成形工程Bによりピアス抜き成形がされた鋼板6を、ボス部プレス成形73が実施される位置に配置する工程である。
ボス部成形工程Dは、ボス部成形の位置に配置する工程Cにより予め定められた位置に配置された鋼板6に、プレス成形であるボス部プレス成形73を実施する工程である。
ボス部プレス成形73では、鋼板6を裏面側(または表面側)からボス部プレス成形部63をプレス成形し、分割コア片1のボス部片13をプレス成形する。
(第2の打ち抜き位置に配置する工程及び第2の打ち抜き成形工程)
第2の打ち抜き位置に配置する工程Eは、ボス部成形工程Dによりプレス成形された鋼板6を、第2の打ち抜き成形工程Fであるブランク抜き成形72が実施される位置に配置する工程である。
第2の打ち抜き成形工程Fは、第2の打ち抜き位置に配置する工程Eにより予め定められた位置に配置された鋼板6に、ブランク抜き成形72を実施する工程である。
ブランク抜き成形72では、鋼板6に対し表面側からブランク抜き成形部62を打ち抜き、分割コア片1の、第1の係合用端面111aを除く全周(第2の係合用端面121aを含む)を成形し、分割コア片1が成形される。成形された分割コア片1の第2の係合用端面121aは分割コア片の裏面に続いて抜きダレ、剪断面、破断面、バリを順に有する。
(位置決め用孔)
第1の打ち抜き位置に配置する工程A、ボス部成形の位置に配置する工程C及び第2の打ち抜き位置に配置する工程Eにおいて、鋼板6の配置の際は、位置決め用孔64の位置を、センサ(図示せず)を用いて確認することで、位置を決定する。
(分割コア片の多列抜き成形)
打ち抜き成形工程における鋼鈑の正面図Pにより示される打ち抜き成形工程は、4列の成形工程により1枚の鋼板6から4枚の分割コア片1を成形する多列抜き成形工程である。隣り合う列同士では、ブランク抜き成形72のブランク抜き成形部62を互い違いに並べることで、鋼板6の歩留まりを向上させることができる。
(分割コア片の形状)
本成形方法によって成形された分割コア片1を用いて形成された分割コアが図5に示されている。分割コア片1の第1の係合用端面111aと、隣接する分割コア片1の第2の係合用端面121aとは、接触面において相補的な形状を形成しているので、分割コア5の第1の係合用部511と、隣接する分割コア5の第2の係合用部521とは、嵌め合い可能で、かつ、相補的な形状になっている。
そして、図3に示されるように、分割コア5が円環状に組み合わされた状態では、分割コア片1の第1の係合用端面111aに形成された抜きダレ、バリが、第2の係合用部521に形成されたバリ、抜きダレにそれぞれ隙間なく接する。その結果、ステータコア41の分割コア5同士の接続部には、巻線43に流れる電流が発生する磁束が通りにくくなる隙間が無く、接続部における磁気抵抗は小さい。よって、モータ2の特性を向上させることができる。
本発明は上述の実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述の実施形態に種々の変更を加えたものを含む。
例えば、上述の実施形態では、モータ2は自動車に搭載されたミッションにオイルを供給する電動オイルポンプ用のモータである場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、さまざまな用途にモータ2を用いることができる。
例えば、上述の実施形態では、分割コア5の第1の係合用部511が凹形状であり、第2の係合用部521が凸形状である場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、第1の係合用部511と第2の係合用部521は互いに嵌め合い可能な種々の形状とすることができる。
1…分割コア片
1a…バックヨーク部片
1b…ティース部片
1ba…鍔部片
11…第1の側端部片
111…第1の係合用部片
111a…第1の係合用端面
12…第2の側端部片
121…第2の係合用部片
121a…第2の係合用端面
13…ボス部片
13a…ボス凹部
13b…ボス凸部
2…モータ
3…ロータ
31…シャフト
32…ロータコア
33…永久磁石
4…ステータ
41…ステータコア
41a…バックヨーク
41b…ティース
41ba…鍔
42…インシュレータ
43…巻線
43a…コイル
5 分割コア
5a…バックヨーク部
5b…ティース部
5ba…鍔部
51…第1の側端部
511…第1の係合用部
52…第2の側端部
521…第2の係合用部
6…鋼板
61…ピアス抜き成形部
62…ブランク抜き成形部
63…ボス部プレス成形部
64…位置決め用孔
71…ピアス抜き成形
72…ブランク抜き成形
73…ボス部プレス成形
A…第1の打ち抜き位置に配置する工程
B…第1の打ち抜き成形工程
C…ボス部成形の位置に配置する工程
D…ボス部成形工程
E…第2の打ち抜き位置に配置する工程
F…第2の打ち抜き成形工程
O…送り方向
P…打ち抜き成形工程における鋼鈑の正面図

Claims (4)

  1. ステータと、
    前記ステータの内側に配置され、回転自在に軸支されるロータと、
    を備え、
    前記ステータは、
    周方向両端にそれぞれ第1の側端部と第2の側端部を有するバックヨーク部と、前記バックヨーク部の周方向中央部から突出形成され、先端部分に鍔が形成されたティース部とを有する複数の分割コアと、
    前記複数の分割コアの前記ティース部にそれぞれ巻回される巻線と、
    を備え、
    前記複数の分割コアが円環状に配置され、前記バックヨーク部の前記第1の側端部と、隣接する前記バックヨーク部の前記第2の側端部とを接続して前記ステータが形成されるモータであって、
    前記分割コアは、鋼板を打ち抜いて成形される複数の分割コア片を積層して形成され、
    前記分割コア片は、
    前記バックヨーク部を形成するバックヨーク部片と、
    前記ティース部を形成するティース部片と、
    を有し、
    前記バックヨーク部片は、
    前記第1の側端部を形成する第1の側端部片と、
    前記第2の側端部を形成する第2の側端部片と、
    を有し、
    前記第1の側端部片は、隣接して配置される前記第2の側端部片に係合される第1の係合用端面を有し、
    前記第2の側端部片は、隣接して配置される前記第1の側端部片に係合される第2の係合用端面を有し、
    前記第1の係合用端面は、前記バックヨーク部片の一面側から、前記鋼板の打ち抜きによる抜きダレ、バリを順に有し、
    前記第2の係合用端面は、前記バックヨーク部片の他面側から、前記鋼板の打ち抜きによる抜きダレ、バリを順に有する
    ことを特徴とするモータ。
  2. 請求項1記載のモータであって、
    前記第1の係合用端面の形状と前記第2の係合用端面の形状は、互いに嵌め合い可能な形状であり、
    前記第1の係合用端面の形状は、嵌め合い凹部であり、
    前記第2の係合用端面の形状は、前記嵌め合い凹部に嵌め合い可能な嵌め合い凸部である
    ことを特徴とするモータ。
  3. 周方向両端にそれぞれ第1の側端部片と第2の側端部片とを有するバックヨーク部片と、
    前記バックヨーク部片の周方向中央部から突出形成され、先端部分に鍔部片が形成されたティース部片と、からなり、
    前記第1の側端部片は第1の係合用端面を有し、前記第2の側端部片は第2の係合用端面を有する
    分割コア片の製造方法であって、
    鋼板を予め定められた第1の位置に配置する工程と、
    前記第1の位置に配置された前記鋼板を、前記バックヨーク部片の一面方向から打ち抜き前記第1の側端部片の前記第1の係合用端面を成形する第1の打ち抜き成形工程と、
    前記第1の打ち抜き成形工程により成形された鋼板を予め定められた第2の位置に配置する工程と、
    前記第2の位置に配置された前記鋼板を、前記バックヨーク部片の前記一面方向から打ち抜き、前記第1の打ち抜き成形工程で形成された前記第1の係合用端面を端面とする前記第1の側端部片と、前記バックヨーク部片と、前記第2の側端部片と、前記ティース部片とを成形する第2の打ち抜き成形工程と、
    からなることを特徴とする分割コア片の製造方法。
  4. 請求項3記載の分割コア片の製造方法であって、
    前記第1の係合用端面の形状と前記第2の係合用端面の形状は、互いに嵌め合い可能な形状であり、
    前記第1の係合用端面の形状は、嵌め合い凹部に形成され、
    前記第2の係合用端面の形状は、前記嵌め合い凹部に嵌め合い可能な嵌め合い凸部に形成されている
    ことを特徴とする分割コア片の製造方法。
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