JP5462643B2 - 積層鉄心及びその製造方法 - Google Patents

積層鉄心及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5462643B2
JP5462643B2 JP2010010312A JP2010010312A JP5462643B2 JP 5462643 B2 JP5462643 B2 JP 5462643B2 JP 2010010312 A JP2010010312 A JP 2010010312A JP 2010010312 A JP2010010312 A JP 2010010312A JP 5462643 B2 JP5462643 B2 JP 5462643B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
caulking
slit
laminated
core
portions
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2010010312A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2011151923A (ja
Inventor
亮 長井
仁 小田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui High Tech Inc
Original Assignee
Mitsui High Tech Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsui High Tech Inc filed Critical Mitsui High Tech Inc
Priority to JP2010010312A priority Critical patent/JP5462643B2/ja
Publication of JP2011151923A publication Critical patent/JP2011151923A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5462643B2 publication Critical patent/JP5462643B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Iron Core Of Rotating Electric Machines (AREA)
  • Manufacture Of Motors, Generators (AREA)

Description

本発明は、鉄心片をかしめ積層して形成する積層鉄心及びその製造方法に関する。
従来、小型モータ用の積層鉄心において、鉄心片の狭い領域にかしめ部を複数形成しなければならない場合がある。一例として、制約によりヨーク片部のみにしかかしめ部を形成することができない場合が挙げられる。ところが、狭い領域にかしめ部を複数形成すると、かしめ部同士の距離が近くなることで、かしめ結合によってかしめ部周辺に発生した応力が互いに干渉し合い、このかしめ部周辺の鉄心片を厚み方向に変形させる要因となっていた。そして、この鉄心片を積層すると、上下に隣接する鉄心片の間に隙間が生じ、かしめ部が設けられた領域とそれ以外の領域で積層高さが異なっていた。例えば、ヨーク片部のみにかしめ部を集中して形成すると、このヨーク片部の積層高さ(ヨーク部の厚み)が磁極部先端の高さよりも高くなる。その結果、以下の問題が生じていた。第1に、積層鉄心の最上面と最下面の平行度が悪化し、巻線を施す際やギボシ等を用いてコイル装着する際に、磁極部に塗装された絶縁樹脂が剥離してしまい、絶縁性能が低下する可能性がある。第2に、磁極部先端が反って外形寸法精度が悪化し、ハウジングに鉄心片を挿入する際に損傷する可能性がある。第3に、積層された鉄心片同士が励磁に伴って繰り返し接触し、異音が発生する。特にかしめ部を断面V字状のVかしめによって形成した場合、Vかしめの突起部(凸部)の側部とこの突起部が嵌入する窪み部(凹部)の側部(かしめ辺)が干渉し合い、窪み部の側部に応力が集中するため上記問題が顕著となる(例えば、特許文献1参照)。
一方、Vかしめの突起部を窪み部に隙間なく嵌入させるために刃物を強い力で打ち込むと、鉄心片に大きな応力が発生する。その結果、さらに鉄心片が厚み方向に変形し、同様の問題が発生する。
このような問題を解決するため、Vかしめにスリットを入れて、窪み部に突起部が深く嵌入できるようにすると共に、かしめ部周囲に発生する応力を緩和して、上下隣り合う鉄心片間の隙間を極力小さくした積層鉄心が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
特開平8−126263号公報 特開2006−166500号公報
しかしながら、スリットを設けたVかしめによってかしめ結合すると、かしめ力が弱く、積層した鉄心片が分離してしまうという問題があった。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされるもので、スリットが形成されたかしめを用いてかしめ結合する際のかしめ力が従来よりも強い積層鉄心及びその製造方法を提供することを目的とする。
前記目的に沿う第1の発明に係る積層鉄心は、ヨーク片部に複数のかしめ部がそれぞれ形成された複数の環状鉄心片を、前記かしめ部を用いて積層した積層鉄心であって、
前記複数のかしめ部は、対向するかしめ辺の間にかしめ力を弱めるスリットが形成されたスリット付きかしめ部と、前記スリットのないスリット無しかしめ部とからなる。
第1の発明に係る積層鉄心において、前記スリット付きかしめ部と前記スリット無しかしめ部とが、互いに隣り合って配置されるのが好ましい。
第1の発明に係る積層鉄心において、前記かしめ部は、底部及びこれに連接する左右の傾斜部を有するVかしめによって形成することができる。
第1の発明に係る積層鉄心において、前記Vかしめの底部及び傾斜部の板厚は、前記Vかしめ以外の前記環状鉄心片の板厚よりも薄いのが好ましい。
第1の発明に係る積層鉄心において、前記スリットは、前記Vかしめの全域、又は前記底部を中央にして前記Vかしめの一部に形成されている。
前記目的に沿う第2の発明に係る積層鉄心は、分割ヨーク片部に複数のかしめ部がそれぞれ形成された複数の分割鉄心片を、前記かしめ部を用いて積層して分割積層鉄心を形成し、該分割積層鉄心を環状に接続した積層鉄心であって、
前記複数のかしめ部は、対向するかしめ辺の間にかしめ力を弱めるスリットが形成されたスリット付きかしめ部と、前記スリットのないスリット無しかしめ部とで構成され、
前記スリット付きかしめ部と前記スリット無しかしめ部とが、互いに隣り合って配置される。
第2の発明に係る積層鉄心において、前記かしめ部は、底部及びこれに連接する左右の傾斜部を有するVかしめによって形成することができる。
前記目的に沿う第3の発明に係る積層鉄心の製造方法は、ヨーク片部に複数のかしめ部がそれぞれ形成された複数の環状鉄心片を、前記かしめ部を用いて積層した積層鉄心であって、前記複数のかしめ部は、対向するかしめ辺の間にかしめ力を弱めるスリットが形成されたスリット付きかしめ部と、前記スリットのないスリット無しかしめ部とからなる積層鉄心の製造方法であって、
前記スリット付きかしめ部及び前記スリット無しかしめ部の製造にあって、前記スリット付きかしめ部が形成される前記環状鉄心片の所定位置に前記スリットを形成する工程と、
前記スリット付きかしめ部と前記スリット無しかしめ部を成形する工程とを含む。
第3の発明に係る積層鉄心の製造方法において、前記スリット付きかしめ部と前記スリット無しかしめ部とが、互いに隣り合って配置されるのが好ましい。
前記目的に沿う第4の発明に係る積層鉄心の製造方法は、分割ヨーク片部に複数のVかしめがそれぞれ形成された複数の分割鉄心片を、前記Vかしめを用いて積層して分割積層鉄心を形成し、該分割積層鉄心を環状に接続した積層鉄心であって、前記複数のVかしめは、対向するかしめ辺の間にかしめ力を弱めるスリットが形成されたスリット付きVかしめと、前記スリットのないスリット無しVかしめとからなる積層鉄心の製造方法であって、
前記スリット付きVかしめ及び前記スリット無しVかしめの製造にあって、前記スリット付きVかしめが形成される前記分割鉄心片の所定位置に前記スリットを形成する工程と、
前記スリット付きVかしめと前記スリット無しVかしめを成形する工程とを含み、
前記スリット付きVかしめと前記スリット無しVかしめとが、互いに隣り合って配置される。
本発明に係る積層鉄心及びその製造方法においては、かしめ部がスリット付きかしめ部とスリット無しかしめ部とからなるので、狭い領域にかしめ部を複数形成しても、スリットが形成されたかしめ部のみを用いてかしめ結合する場合と比べて、積層鉄心の締結力の減少を抑えると共に、上下隣り合う鉄心片間の隙間を極力小さくし、積層鉄心の品質を向上させることが可能である。
特に、本発明に係る積層鉄心において、Vかしめの底部及び傾斜部の板厚を薄く形成する場合には、従来よりも積層された鉄心片間の隙間を小さくすることが可能である。
(A)は本発明の第1の実施の形態に係る積層鉄心の平面図及び側面図、(B)は鉄心片の平面図である。 スリット付きVかしめにより鉄心片が積層される様子を示す模式図である。 スリット付きVかしめにより積層された各鉄心片の部分断面図である。 (A)、(B)はそれぞれスリット付きVかしめの平面図、側面図である。 (A)、(B)はそれぞれ第1の変形例に係るスリット付きVかしめの平面図、側面図である。 (A)、(B)はそれぞれ第2の変形例に係る減厚加工したスリット付きVかしめの平面図、側面図である。 第3の変形例に係るスリット付きVかしめの側断面図である。 (A)はスリット形成工程を示す説明図、(B)は減厚工程を示す説明図、(C)は突起形成工程を示す説明図である。 (A)は本発明の第2の実施の形態に係る積層鉄心の平面図及び側面図、(B)は分割鉄心片の平面図である。
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
図1(A)に示すように、本発明の第1の実施の形態に係る積層鉄心10は、図示しないアウターロータ型の小型のモータの固定子を構成する部品である。この積層鉄心10は、環状のヨーク部12を有している。更に、積層鉄心10は、このヨーク部12の円周方向に等間隔に配置され、かつ平面視して外形面から半径方向に突出する磁極部13を有している。固定子は、この磁極部13に複数の巻線が施されて形成される。そしてモータは、この固定子の外側に図示しない永久磁石を有する回転子が配置されて構成される。
図1(B)に示すように、積層鉄心10は、積層鉄心10と平面視した形状が同一である環状の鉄心片(環状鉄心片)21が複数積層されて形成される。具体的には、鉄心片21のヨーク片部22に複数のかしめ部25〜30が設けられ、このかしめ部25〜30によって鉄心片21がかしめ積層されている。
ここで、このかしめ部25〜30は、Vかしめによって形成されている。そして、複数設けられたVかしめのうち、その一部にのみ、スリットが形成されている。以下、スリットが形成されたVかしめをスリット付きVかしめ(スリット付きかしめ部の一例)、スリットが形成されていないVかしめをスリット無しVかしめ(スリット無しかしめ部の一例)と称する。
次に、図2に基づいてスリット付きVかしめについて説明する。
図2は、図1(B)に示したかしめ部26を拡大して表したものである。かしめ部26は、スリット付きVかしめである。このスリット付きVかしめの突起部31の裏側(凹部側)には、窪み部33が形成されている。この窪み部33は、突起部31をプレス加工して形成するに伴い、同時に形成されるものである。そして、対向するかしめ辺32の間にはスリット35が形成されている。
各鉄心片21は、図3に示すように、突起部31が窪み部33に圧入され、嵌合することによって結合される。
次に、スリット付きVかしめについて更に詳細に説明する。
図4(A)、(B)に示すように、かしめ部26は、底部56とこれに連接する左右の傾斜部57からなる突起部31を有しており、突起部31の側断面はV字状である。突起部31は、鉄心片(突起部31形成前の鉄心片)の一部の領域(形成予定部)がプレス加工されて形成される。具体的には、突起部31は、突起部31の長手方向一方側の基端部50に形成される折り曲げ線52とこの基端部50に対向する長手方向他方側の基端部51に形成される折り曲げ線53が折り曲げられて傾斜部57が形成されると共に、突起部31の中央部に折り曲げ線52、53と平行に形成される折り曲げ線54、55が折り曲げられて突起部31の底部56が形成される。
スリット35は、平面視して突起部31の長手方向に直交する方向(幅方向)の中央部に形成され、スリット35の幅方向の中心線59が折り曲げ線52〜55に直交して配置されている。
そして、スリット35は折り曲げ線52から折り曲げ線53に至るまで、突起部31全域に亘って形成されている。つまり、スリット35は、その両端がそれぞれ突起部31の基端部50、51まで延びて形成されている。
なお、スリットは、平面視して突起部の幅方向の中央部からオフセットして形成されてもよい。つまり、窪み部33の側部であるかしめ辺32の間に形成されていればよい。また、中心線59は、折り曲げ線52〜55に直交して配置されていなくても良い。即ち、スリット35の幅方向の中心線59が、折り曲げ線52〜55に交差するように配置されていれば良い。
次に、スリット付きVかしめの作用について説明する。
鉄心片21をかしめ結合するために、上下方向に隣り合う鉄心片21の上側の鉄心片21のスリット付きVかしめの突起部31を下側の鉄心片21の窪み部33に挿入すると、かしめ辺32から突起部31に長手方向に直交する方向の圧力が加わる。そして、この圧力によってスリット35の長手方向に直交する方向の幅が僅かに狭まりながら、鉄心片21同士が結合される。即ち、スリット35が折り曲げ線52〜55の方向(幅方向)に撓み、かしめ辺32から受ける圧力を緩和するように作用して鉄心片21同士が結合される。その結果、スリット付きVかしめのかしめ力が弱められ、その周囲の鉄心片21には従来のような大きな応力が発生することはない。
ここで、スリットは、図4に示すものに限らず、種々の変形例が考えられる。以下、スリットの変形例について説明する。
図4に示すスリット35は、突起部31全体に亘って設けられていた。しかし、図5(A)、(B)に示すように、スリット65の長手方向の一端(一方の短辺)が折り曲げ線52と54の間に位置するように設け、その他端(他方の短辺)が折り曲げ線53と55の間に位置するように設けても良い。即ち、スリット65を底部56を中央にして突起部31の一部に形成し、図4に示すスリット35よりも長手方向長さを短くすることもできる。スリットの長手方向長さを調整することによって、かしめ結合する際のスリット幅方向の撓み量が変化することから、スリット付きVかしめによるかしめ力が調整される。
また、スリットの形状は矩形状に限らず、長孔状としても良い。
更に、図6(A)、(B)に示すように減厚加工(押し潰し加工)した後にスリットを形成した突起部31を形成しても良い。なお、同図(B)において、減厚加工しない場合の突起部31を2点鎖線で示している。減厚加工した後に突起部31を形成すると、ハッチングで示す底部56及び傾斜部57の板厚が薄くなる。その結果、減厚加工しない場合と比べて積層される鉄心片21間の隙間が小さくなる。なお、スリット付きVかしめは、図7のように半抜きにより段差部66を形成してもよい。これによりかしめ積層の際、かしめ部の長辺側のみならず、短辺側もかしめ力を発生するため、スリット付きVかしめの締結力の向上を図ることができる。
次に、スリット付きVかしめの配置について説明する。
図1(B)に示すように、平面視して同サイズのかしめ部25〜30は環状のヨーク片部22に沿って等間隔で配置されている。ここで、これらかしめ部25〜30のうち、かしめ部25、27、29は、スリット無しVかしめで形成され、かしめ部26、28、30は、スリット付きVかしめ(図4参照)で形成されている。即ち、スリット無しVかしめとスリット付きVかしめはそれぞれ交互に並んで環状のヨーク片部22に沿って等間隔で配置されている。スリット無しVかしめとスリット付きVかしめの間隔(円周方向ピッチ)は、同サイズのVかしめを更に2個形成可能な程度離れている。なお、ヨーク片部のサイズやVかしめのサイズによっては、この間隔は同サイズのVかしめを更に1個又は3個形成可能な程度離れている場合もある。
前述のように、スリットが形成されていないかしめ部同士が隣り合って配置されると、かしめ部周囲に発生した応力が互いに干渉し合い、このかしめ部周辺の鉄心片を厚み方向に変形させ、問題となる。一方で、スリットを設けたかしめ部による結合は、スリット無しのかしめ部による結合よりも応力の発生が極めて小さい反面、かしめ力が弱いという問題がある。
そこで、本実施の形態においては、スリット無しVかしめとスリット付きVかしめとを交互に並べて配置することで、これら問題を共に解消している。即ち、スリット無しVかしめの周囲には応力が発生するが、このスリット無しVかしめはスリット付きVかしめの隣に配置されるので、かしめによる応力が干渉し合うことはない。その結果、鉄心片21の厚み方向の変形は抑制される。一方で、全てのVかしめがスリット付きVかしめではないので、積層された鉄心片21のかしめ力の低下は最小限に抑えられる。また、かしめ部が偶数個形成されている場合には、かしめ力の強いVかしめと弱いVかしめとが同じ数だけ交互に配置されることになる。その結果、鉄心片21は、ヨーク片部22の面全体に亘って均一に結合される。
なお、鉄心片21を積層する際は、スリット無しVかしめ同士、スリット付きVかしめ同士をかしめ結合しても良いが、スリット無しVかしめとスリット付きVかしめとを交互にかしめ結合しても良い。
また、Vかしめに限らず、丸平かしめや角平かしめ、又は半抜きかしめ等任意のかしめについてもかしめ力を弱めるスリットを設けても良い。
また、積層鉄心はアウターロータ型のモータの固定子に限らず、インナーロータ型のモータの固定子に用いるものであっても良い。また、固定子に限らず、回転子、更にはトランス等の電機機器に用いるものであってもよい。
続いて、本発明の第1の実施の形態に係る積層鉄心の製造方法について説明する。
この積層鉄心の製造方法は、プレス加工により鉄心片21にスリット付きVかしめ(図2参照)を形成するためのものである。
まず、図示しない工程にて、帯状鋼板に鉄心片21(図1(B)参照)の中心孔を形成する。
次に、図8(A)に示すスリット形成工程にて、かしめ部が形成されるヨーク片部22(図1(B)参照)上の複数の領域(形成予定部)71のうち、一部の形成予定部71に矩形状のスリット72を形成する。スリット72が形成された形成予定部71とスリット72が形成されない形成予定部71は、交互に並んで環状のヨーク片部22に沿って等間隔で配置される。
スリット72は、スリット付きVかしめの各折り曲げ線52〜55(図8(C)参照)に対して実質直交する方向に形成される。更に、スリット72の幅W1は、例えば突起部31の幅の1/10〜1/3とすることができる。なお、このスリット72は、突起部31の長手方向に直交する方向の中央部位置に形成するのが好ましいが、幅方向の中央からオフセットして形成することもできる。また、スリットは、図5に示すように突起部31の一部に形成することもできる。
次に、図8(B)に示す減厚工程にて、スリット72が形成された形成予定部71の減厚加工(押し潰し加工)を行う。また、同様にスリット72が形成されていない形成予定部についても減厚加工を行う。
ここで、鉄心片21の板厚(原板厚)をt、突起部31の板厚をa、突起部31の傾斜角度をα(図8(C)参照)とすると、t≧a/cosαを満足するように押し潰し厚を決めるのが好ましい。この理由は、理論的に隣り合う鉄心片21の間の隙間がなくなることになるからである。即ち、(a/cosα)は、突起部31の傾斜部57の垂直方向の厚みbを示し、かしめ結合を行うと、この厚みbが積層されることになる。しかし、(a/cosα)が板厚tと同一か又は小さい場合には、隣り合う鉄心片21の間の隙間がなくなるのである。
次に、図8(C)に示す突起形成工程にて、プレス加工によってスリット35が設けられた突起部31を形成する。同様に、スリットが設けられていない突起部(不図示)も形成する。ただし、積層鉄心10(図1(A)参照)の最下層の鉄心片21については、突起部は形成されず、上側に積層される鉄心片21の突起部31が挿入される孔のみが形成される。
なお、積層鉄心10の積層方向上向きに突起部31を設けてもよい。つまり、積層鉄心10の最下層の鉄心片21に突起部31が形成され、最上層の鉄心片21に、突起部31が挿入される孔のみを形成することもできる。
最後に、外形を打抜いて図1(B)に示す鉄心片21を形成する。この鉄心片21と先に打抜かれた鉄心片21とをかしめ結合して順次積層し、図1(A)に示す積層鉄心10を製造する。
続いて、本発明の第2の実施の形態に係る積層鉄心101について説明する。
図9(A)に示す積層鉄心101は、図示しないインナーロータ型のモータの固定子を構成する部品である。この積層鉄心101は、環状のヨーク部102を有しており、更に、このヨーク部102の円周方向に等間隔に配置され、かつヨーク部102から半径方向内側に延びる磁極部103を有している。積層鉄心101は、磁極部103ごとに分割された分割積層鉄心107が環状に接続されて構成される。
固定子は、この磁極部103に複数の巻線が施されて形成される。そしてモータは、この固定子の内側に、図示しない永久磁石を有する回転子が配置されて構成される。
図9(B)に示すように、分割積層鉄心107は、分割積層鉄心107と平面視した形状が同一である分割鉄心片111が複数積層されて形成される。具体的には、分割鉄心片111の分割ヨーク片部112に複数のかしめ部115〜119が集中的に設けられており、このかしめ部115〜119によって分割鉄心片111が複数積層されて分割積層鉄心107が形成される。なお、分割ヨーク片部112からは磁極片部120が突出して形成されている。
ここで、このかしめ部115〜119は、Vかしめによって形成されている。そして、複数設けられたVかしめのうち、その一部のみがスリット付きVかしめである。
このスリット付きVかしめは、第1の実施の形態に係る積層鉄心10のスリット付きVかしめと同じであるので、その詳細な説明は省略する。
以下、スリット付きVかしめの配置について説明する。
図9(B)に示すように、円弧状の分割ヨーク片部112の外周側にはかしめ部115が配置され、中央部にはかしめ部116〜118が周方向に等間隔に配置され、内周側にかしめ部119が配置されている。かしめ部115〜119は平面視してすべて同サイズである。かしめ部115は、かしめ部117から見て分割鉄心片111の半径方向外側に配置され、かしめ部119は、かしめ部117から見て分割鉄心片111の半径方向内側に配置されている。かしめ部115、117、119は、半径方向に等間隔に配置されている。
かしめ部116〜118が配置される間隔(円周方向ピッチ)は、同サイズのかしめ部を更に1個形成可能な程度離れている。但し、分割ヨーク片部のサイズやかしめ部のサイズによっては、この間隔は同サイズのかしめ部を更に2個又は3個形成可能な程度離れている場合もある。また、かしめ部115、117、119が配置される間隔(半径方向ピッチ)も、同サイズのかしめ部を更に1個形成可能な程度離れている。但し、分割ヨーク片部のサイズやかしめ部のサイズによっては、この間隔は同サイズのかしめ部を更に2個又は3個形成可能な程度離れている場合もある。
これらかしめ部115〜119のうち、かしめ部117はスリット付きVかしめで形成され、かしめ部115、116、118、119はスリット無しVかしめで形成されている。即ち、スリット付きVかしめはスリット無しVかしめと隣り合って配置され、スリット付きVかしめの数はスリット無しVかしめの数よりも少ない。
ここで、かしめ部が全てスリット無しVかしめであると仮定すると、分割鉄心片を積層する際に、かしめ部の周囲に発生した応力が干渉し合い、分割鉄心片が厚み方向に大きく変形してしまう。一方で、かしめ部がすべてスリット付きVかしめであると仮定すると、応力の発生が極めて小さい反面、かしめ力が弱くなってしまう。しかし、本実施の形態のように、かしめ部117をスリット付きVかしめとして、スリット無しVかしめとスリット付きVかしめを組み合わせているので、応力が干渉し合うことはない。その結果、十分なかしめ力を維持しつつ、分割鉄心片111の厚み方向の変形は抑制される。
なお、かしめ部117のみをスリット無しVかしめで形成し、かしめ部115、116、118、119をスリット付きVかしめで形成することもできる。ただし、かしめ部117のみをスリット付きVかしめとしたほうが好ましい。なぜなら、スリット付きVかしめの数をスリット無しVかしめの数よりも少なくした場合は、かしめ力の低下が最小限に抑えられるからである。
また、分割鉄心片111を積層する際は、スリット無しVかしめ同士、スリット付きVかしめ同士を結合しても良いが、スリット無しVかしめとスリット付きVかしめとを交互に結合しても良い。
また、Vかしめに限らず、丸平かしめや角平かしめ、又は半抜きかしめ等任意のかしめについてかしめ力を弱めるスリットを設けても良い。
続いて、本発明の第2の実施の形態に係る積層鉄心の製造方法を説明する。この積層鉄心の製造方法は、プレス加工により分割鉄心片111にスリット付きVかしめを形成するためのものである。
まず、図示しない切曲げ工程にて、帯状鋼板から図示しない回転子鉄心片を打抜き形成したのち、分割ヨーク片部112が形成される領域において、円環状に配置されて隣接する分割鉄心片111の境界部を剪断分離するとともに曲げ加工する。
次に、プッシュバック工程にて、帯状鋼板において曲げ加工した部位を押し戻すことにより帯状鋼板と面一に成形する。
次に、スロット抜き工程にて、帯状鋼板に複数のスロットを打抜き形成することにより予め定められた数の磁極片部を形成する。
次に、内径抜き工程にて、磁極片部の歯先を打抜き形成する
次に、スリット形成工程(図8参照)にて、かしめ部115〜119が形成される分割ヨーク片部112上の複数の領域(形成予定部)のうち、一部の形成予定部に矩形状のスリットを形成する。スリットが形成された形成予定部は、かしめ部117に対応する位置に配置される。また、スリットが形成されない形成予定部は、かしめ部115、116、118、119に対応する位置に配置される。
次に、減厚工程(図8参照)にて、スリットが形成された形成予定部の減厚加工(押し潰し加工)を行う。また、同様にスリットが形成されていない形成予定部(不図示)についても減厚加工を行う。
次に、突起形成工程(図8参照)にて、スリットが設けられた突起部を形成する。同様に、スリットが設けられていない突起部も形成する。ただし、積層鉄心101の最下層の分割鉄心片111については、突起部は形成されず、上側に積層される分割鉄心片111の突起部が挿入される孔のみが形成される。
なお、積層鉄心101の積層方向上向きに突起部31を設けてもよい。つまり、積層鉄心101の最下層の分割鉄心片111に突起部31が形成され、最上層の分割鉄心片111に、突起部31が挿入される孔のみを形成することもできる。
次に、外形を打抜いて図9(B)に示す分割鉄心片111を形成する。この分割鉄心片111と先に打抜かれた分割鉄心片111とをかしめ結合して順次分割鉄心片111を積層し、図9(A)に示す分割積層鉄心107を形成する。
最後に、この分割積層鉄心107を環状に接続して積層鉄心101が製造される。
本発明は、前記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲での変更は可能であり、例えば、前記したそれぞれ実施の形態や変形例の一部又は全部を組み合わせて本発明の積層鉄心及びその製造方法を構成する場合も本発明の技術的範囲に含まれる。
10:積層鉄心、12:ヨーク部、13:磁極部、21:鉄心片、22:ヨーク片部、25〜30:かしめ部、31:突起部、32:かしめ辺、33:窪み部、35:スリット、50、51:基端部、52:折り曲げ線、53:折り曲げ線、54:折り曲げ線、55:折り曲げ線、56:底部、57:傾斜部、59:中心線、65:スリット、66:段差部、71:領域(形成予定部)、72:スリット、101:積層鉄心、102:ヨーク部、103:磁極部、107:分割積層鉄心、111:分割鉄心片、112:分割ヨーク片部、115〜119:かしめ部、120:磁極片部

Claims (10)

  1. ヨーク片部に複数のかしめ部がそれぞれ形成された複数の環状鉄心片を、前記かしめ部を用いて積層した積層鉄心であって、
    前記複数のかしめ部は、対向するかしめ辺の間にかしめ力を弱めるスリットが形成されたスリット付きかしめ部と、前記スリットのないスリット無しかしめ部とからなることを特徴とする積層鉄心。
  2. 請求項1記載の積層鉄心において、前記スリット付きかしめ部と前記スリット無しかしめ部とが、互いに隣り合って配置されることを特徴とする積層鉄心。
  3. 請求項1又は2記載の積層鉄心において、前記かしめ部は、底部及びこれに連接する左右の傾斜部を有するVかしめによって形成されることを特徴とする積層鉄心。
  4. 請求項3記載の積層鉄心において、前記Vかしめの底部及び傾斜部の板厚は、前記Vかしめ以外の前記環状鉄心片の板厚よりも薄いことを特徴とする積層鉄心。
  5. 請求項3又は4記載の積層鉄心において、前記スリットは、前記Vかしめの全域、又は前記底部を中央にして前記Vかしめの一部に形成されていることを特徴とする積層鉄心。
  6. 分割ヨーク片部に複数のかしめ部がそれぞれ形成された複数の分割鉄心片を、前記かしめ部を用いて積層して分割積層鉄心を形成し、該分割積層鉄心を環状に接続した積層鉄心であって、
    前記複数のかしめ部は、対向するかしめ辺の間にかしめ力を弱めるスリットが形成されたスリット付きかしめ部と、前記スリットのないスリット無しかしめ部とで構成され、
    前記スリット付きかしめ部と前記スリット無しかしめ部とが、互いに隣り合って配置されることを特徴とする積層鉄心。
  7. 請求項6記載の積層鉄心において、前記かしめ部は、底部及びこれに連接する左右の傾斜部を有するVかしめによって形成されることを特徴とする積層鉄心。
  8. ヨーク片部に複数のかしめ部がそれぞれ形成された複数の環状鉄心片を、前記かしめ部を用いて積層した積層鉄心であって、前記複数のかしめ部は、対向するかしめ辺の間にかしめ力を弱めるスリットが形成されたスリット付きかしめ部と、前記スリットのないスリット無しかしめ部とからなる積層鉄心の製造方法であって、
    前記スリット付きかしめ部及び前記スリット無しかしめ部の製造にあって、前記スリット付きかしめ部が形成される前記環状鉄心片の所定位置に前記スリットを形成する工程と、
    前記スリット付きかしめ部と前記スリット無しかしめ部を成形する工程とを含むことを特徴とする積層鉄心の製造方法。
  9. 請求項8記載の積層鉄心の製造方法において、前記スリット付きかしめ部と前記スリット無しかしめ部とが、互いに隣り合って配置されることを特徴とする積層鉄心の製造方法。
  10. 分割ヨーク片部に複数のVかしめがそれぞれ形成された複数の分割鉄心片を、前記Vかしめを用いて積層して分割積層鉄心を形成し、該分割積層鉄心を環状に接続した積層鉄心であって、前記複数のVかしめは、対向するかしめ辺の間にかしめ力を弱めるスリットが形成されたスリット付きVかしめと、前記スリットのないスリット無しVかしめとからなる積層鉄心の製造方法であって、
    前記スリット付きVかしめ及び前記スリット無しVかしめの製造にあって、前記スリット付きVかしめが形成される前記分割鉄心片の所定位置に前記スリットを形成する工程と、
    前記スリット付きVかしめと前記スリット無しVかしめを成形する工程とを含み、
    前記スリット付きVかしめと前記スリット無しVかしめとが、互いに隣り合って配置されることを特徴とする積層鉄心の製造方法。
JP2010010312A 2010-01-20 2010-01-20 積層鉄心及びその製造方法 Active JP5462643B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010010312A JP5462643B2 (ja) 2010-01-20 2010-01-20 積層鉄心及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010010312A JP5462643B2 (ja) 2010-01-20 2010-01-20 積層鉄心及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2011151923A JP2011151923A (ja) 2011-08-04
JP5462643B2 true JP5462643B2 (ja) 2014-04-02

Family

ID=44538399

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010010312A Active JP5462643B2 (ja) 2010-01-20 2010-01-20 積層鉄心及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5462643B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6948177B2 (ja) * 2017-07-11 2021-10-13 株式会社三井ハイテック 積層鉄心及びその製造方法
WO2019175930A1 (ja) * 2018-03-12 2019-09-19 三菱電機株式会社 電動機の固定子及び電動機
JP7090497B2 (ja) * 2018-07-31 2022-06-24 株式会社三井ハイテック 金属積層体及び金属積層体の製造方法

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH063779B2 (ja) * 1989-04-05 1994-01-12 株式会社三井ハイテック 積層鉄心の製造方法
JP3626031B2 (ja) * 1999-02-24 2005-03-02 株式会社日立産機システム ステータコア、分割コアブロック及びその製造方法
JP4654012B2 (ja) * 2004-12-02 2011-03-16 株式会社三井ハイテック 積層鉄心の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2011151923A (ja) 2011-08-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4273118B2 (ja) ステータを製作するための方法ならびに該方法により製作されたステータ
JP4938389B2 (ja) 積層コアおよびステータ
JP4365271B2 (ja) 積層型鉄心の製造方法
US7239059B2 (en) Stator of rotating electric machine and manufacturing method of the stator
JP3989510B2 (ja) 積層鉄心及びその製造方法
JP5258801B2 (ja) モータの電機子
JP5717973B2 (ja) 積層鉄心及びその製造方法
JP5251384B2 (ja) 積層コアおよびその製造方法
JP2007221927A (ja) 回転電機の固定子鉄心およびその製造方法
JP5462643B2 (ja) 積層鉄心及びその製造方法
JP6948177B2 (ja) 積層鉄心及びその製造方法
JP6232641B2 (ja) 固定子鉄心の製造方法
JP2003061319A (ja) ステータの製造方法
JP3660532B2 (ja) 電動機および電動機コアの製造方法
JP5659770B2 (ja) 回転電機のコア及び回転電機のコアの製造方法
WO2017104403A1 (ja) コアシート、分割積層コアおよび固定子並びに分割積層コアの製造方法
JP5154398B2 (ja) 積層型鉄心の製造方法及び積層型固定子の製造方法
JP4482550B2 (ja) 積層鉄心
JP2009065833A (ja) 積層型鉄心及びその製造方法
JP2010093997A (ja) 積層鉄心の製造方法及び金型装置
JP6727458B2 (ja) 固定子鉄心及びその固定子鉄心を備えた電動機
JP2006158003A (ja) 積層固定子鉄心の製造方法
JP5335633B2 (ja) 回転電機および回転電機の製造方法
JP2007166759A (ja) 固定子とその製造方法およびこの固定子を用いた電動機
JP5649545B2 (ja) 回転電機の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20121212

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140114

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20140115

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140117

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5462643

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250