JP2005153113A - ナノプリントを用いた微細3次元構造体の製造方法及び微細3次元構造体 - Google Patents

ナノプリントを用いた微細3次元構造体の製造方法及び微細3次元構造体 Download PDF

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Abstract

【課題】
ナノプリント技法において転写精度を高める。
【解決手段】
表面に微細形状をもつ金型の表面に硬化可能な樹脂14を介して製品基板12を押し当てて、金型の表面形状の反転形状をその樹脂14に転写し、その樹脂14を硬化させた後、その樹脂14を製品基板12に接合させた状態でその樹脂を金型から剥離させる。製品基板12上の樹脂14のうち、金型形状によらない不要樹脂部分14aを第1ドライエッチング工程で除去した後、樹脂14に転写された形状を第2ドライエッチング工程で製品基板12に転写する。
【選択図】 図2

Description

本発明は微細3次元構造の製造方法と、その製造方法により得られる微細3次元構造体に関するものである。
近年ナノオーダーの超精密3次元構造体を金型として用い、レジストや樹脂にプレスして他の部材に転写するナノプリントと呼ばれる技法が行なわれている(非特許文献1参照。)。ナノプリント技法は、電子線描画をはじめとするフォトリソプロセスに比べ、加工時間が短く、設備費や材料費が少なくてすみ、量産性に優れるため、にわかに注目を集めている。
図7にナノプリント技法の一例を示す(特許文献1参照。)。金型2aの表面を離型処理し、その上に紫外線硬化型樹脂6を塗布し、その上から製品基板8をゆっくりと押し当て、金型2aの形状を紫外線硬化型樹脂層6aに転写する(A)。製品基板8の裏面側から均一な紫外線光を照射して紫外線硬化型樹脂層6aを硬化させた後、紫外線硬化型樹脂層6aを製品基板8に接合したまま金型2aを剥離する(B)。その後、製品基板8上の樹脂層6aの転写形状をドライエッチング法により製品基板8に転写して目的製品8aを得る。
ナノプリント技法の特徴として、操作が簡単である、コスト的に安価である、量産化が可能である、パターン転写時における真空設備が不要といった多くの利点を挙げることができる。これらの利点を生かすべく、GaAs−FET(電界効果トランジスタ)を初めとする電子デバイスや、有機LED(発光ダイオード)を初めとする光デバイス、さらには記録媒体への応用開発が進みつつある。
電子情報通信学会論文誌 C Vol. J85-C No.9 pp.793-802 2002年9月 特開2002−391400号公報
しかしながら、プレスして加工するという特性上、図8に示すように、製品基板8上には、プレスして形成された樹脂層10で本来樹脂層として不要な部分にも樹脂層10aが残存し、その不要樹脂層10aの厚さを完全に0にすることはできないだけでなく、その不要樹脂層10aには少なからず厚さムラが存在する。そのため、その不要樹脂層10aに起因して、できあがる物品の転写精度が悪化することが懸念されている。
この不要樹脂層10aに起因する問題は以前から存在していたが、転写条件を改善することでその不要樹脂層10aの厚さムラは数十〜数百nmまで低減することができるため、これまでのナノプリントの加工研究段階においては大きな問題とされてこなかった。
従来のフォトリソグラフィー工法では、レジスト塗布膜厚にバラツキがあるが、できあがる製品に影響を与えるような問題とはならない。但し、ステッパー等を用いた光照射では、光の波長以下の形状を形成することが困難であり、微細化に限界があるため、本発明が対象とするようなナノプリント技法の開発が切望されている。
また、電子線描画法では超微細形状を製作することが可能であるが、描画自体非常に時間がかかり、量産性に問題がある。
近年、量産性を考慮した製造工程としてナノプリント技法を検討すると、加工形状自体が数十〜数百nmの大きさとなってくるにつれてこの不要樹脂層10aに起因する転写ムラは無視できなくなってきた。
本発明は、ナノプリント技法を用いた微細表面構造をもつ物品の製造方法において、転写精度を高めることを目的とするものである。
本発明は、以下の工程(A)から(E)を備えて微細表面構造をもつ物品を製造する製造方法である。
(A)表面に微細形状をもつ金型の表面に硬化可能な樹脂を介して製品基板を押し当てて、前記金型の表面形状の反転形状を前記樹脂に転写する工程、
(B)前記樹脂を硬化させる工程、
(C)前記樹脂を前記製品基板に接合させた状態でその樹脂を前記金型から剥離させる工程、
(D)前記製品基板上の樹脂のうち、前記金型形状によらない不要樹脂部分を除去する第1ドライエッチング工程、及び
(E)前記樹脂に転写された形状を前記製品基板に転写する第2ドライエッチング工程。
ここで、「金型」は、基板にリソグラフィーとドライエッチングにより最終製品の3次元構造体とは凹凸が反対になった形状を形成したマザー金型(母金型又は第1金型ともいう)と、最終製品の3次元構造体と凹凸が同じ方向のマザー金型を基にして最終製品の3次元構造体とは凹凸が反対になるように形成したシスター金型(第2金型ともいう)の両方を含んでおり、いずれの金型も使用することができる。
前記樹脂は光硬化性樹脂又は熱硬化性樹脂である。また、製品基板はガラス、Si、石英、(GaAl)As、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)など半導体材料を初めとするドライエッチングが可能な基板である。第1ドライエッチング工程は前記樹脂を選択的にエッチングし、製品基板をエッチングしない選択比となるようにドライエッチング条件を設定することが好ましい。そのような第1ドライエッチング工程の一例は、酸素による反応性イオンエッチング工程である。
第1ドライエッチング工程では、さらに樹脂に転写された形状の凸部の幅を減少させるようにエッチング条件を設定してもよい。
このようなエッチング条件は酸素による反応性イオンエッチング工程で添加するArガスの分圧を制御したり、反応ガス圧力を制御したりすることにより調整することができる。
また、第1ドライエッチング工程と第2ドライエッチング工程の間に樹脂に転写された形状の凸部先端に丸みをもたせるように等方性ドライエッチング工程を含んでいてもよい。
第2ドライエッチング工程に先立って、形状転写された樹脂が接合された製品基板以外のダミー基板をドライエッチング装置に設置し、第2ドライエッチング工程で使用するエッチングガスと同じガスを導入してそのダミー基板をエッチングするダミードライエッチング工程を設けてもよい。
第2ドライエッチング工程は前記樹脂を一部残した状態で終了し、その後前記樹脂を選択的に除去する他の工程によりその残った樹脂を除去するようにしてもよい。
本発明はまた、本発明の製造方法により製造された微細3次元構造体も含んでいる。
本発明では、製品基板上に金型形状を転写した樹脂から金型形状によらない不要樹脂部分を除去した後に、その樹脂に転写された形状を第2ドライエッチング工程により製品基板に転写するようにしたので、第2ドライエッチングによる形状転写を始める時には、製品基板面の一部が露出している形となり、フォトリソグラフィ工程を用いた時と同様の転写精度が得られ、不要樹脂部分を残したままのドライエッチング工程に比べて高精度な微細3次元形状を形成することができる。
本発明を用いることで、ナノプリント工程の際に避けることができなかった微妙な転写ムラをなくすことが可能となり、レジストを用いたフォトリソグラフィーに比較して工程的に簡便で、量産性の高いナノプリント技術を超高精度微細3次元形状の転写に用いることが可能となる。
このように、ナノプリント工法の弱点とされてきた転写ムラに関してエッチング工程で解決することが可能となるために、ナノプリント工法の加工時間が短いという利点を生かして超微細3次元形状の加工が低コストで実現できる。
第1ドライエッチング工程で、樹脂に転写された形状の凸部の幅を減少させるようにすれば、パターンが微細になって金型に所望のパターンを形成するのが難しい場合でも、樹脂パターンをドライエッチング工程で補正することにより、所望の製品形状を得ることができるようになる。
微細な球面又は非球面の凸部パターンを転写するための凹部パターンを金型に形成することも、パターンが微細になるほど困難になってくる。それに比べて角柱状のパターンを転写するための凹部を金型に形成することは困難ではない。そこで、金型によって角柱状のパターンを樹脂に転写し、第1ドライエッチング工程と第2ドライエッチング工程の間に等方性ドライエッチング工程を設けて樹脂に転写された形状の凸部先端に丸みをもたせるようにすれば、その角柱状のパターンを球面又は非球面のレンズパターンに変更することができるようになる。
第2ドライエッチング工程に先立って、ダミードライエッチング工程を設けることにより、ドライエッチングのチャンバー内の状態を第2ドライエッチング用に整えることができるため、製品基板への転写精度が向上する。
第2ドライエッチング工程は樹脂を一部残した状態で終了させ、その後別の工程によりその残った樹脂を除去するようにしてもよい。これにより、樹脂が残っていた部分には基板面がそのまま残ることになるので、基板面の精度と同精度の加工が可能となる。
[実施例1]
実施例1を図1を参照して説明する。この実施例ではマザー金型を使用して樹脂への転写を行なう。形成しようとする3次元形状はライン・アンド・スペースパターンである。
(1)マザー金型の製作
予め電子線描画用レジストを0.1μm塗布した直径100mmのシリコン基板を用意し、EB(電子線)描画装置で所定の条件下で20mm×20mmの範囲のレジストに線幅50nm、間隔50nm、深さ150nmのライン・アンド・スペースパターン用の溝を描画し、現像、リンスを行なってレジストパターンを形成した。そのレジストパターンをマスクとしてシリコン基板をドライエッチングし、ライン・アンド・スペースパターンをもつマザー金型を形成した。
この実施例では、このマザー金型を樹脂転写用の金型として用い、樹脂転写及びドライエッチングによって所望の製品基板に転写する。
(2)製品基板の表面処理
製品基板として石英ガラス基板を使用する。
まず、製品基板−樹脂間の密着性を大きくするために製品基板にシランカップリング処理を行なった。シランカップリング処理は樹脂転写の際の密着不良回避を目的とした、密着性向上のための一般的処理である。
シランカップリング処理の一例は、次のものである。市販のカップリング処理剤(例えば、信越シリコーン製、KBM503)を水に溶かし、表面処理した後、加熱硬化させる。その後、有機溶剤で洗浄し、カップリング処理剤を基板上に1分子層だけ残す。
(3)金型表面の洗浄
金型表面にキャロス洗浄を施し、続いてエキシマ処理を施した。キャロス洗浄は硫酸とH22の混合液による洗浄方法である。エキシマ洗浄はO2ガスを流しながらエキシマ光を照射してO3を発生させ、基板表面の有機物質を酸化して除去する洗浄方法である。
(4)樹脂転写(ナノプリント)
以上が樹脂転写の前工程となる。続いて樹脂転写工程を具体的に説明する。
(4−1)樹脂塗布
まず、樹脂吐出装置に製品基板をセットし、転写しようとする領域上に0.3mgずつ紫外線硬化型樹脂(GRANDIC RC 8790(大日本インキ株式会社の製品))を塗布した。
次に金型を同装置にセットし、転写したい部分に同樹脂を0.3mgずつ塗布した。
(4−2)面合わせ
次に金型に製品基板を載せる形で面合わせを行なった。この時空気が転写領域に入り込まないように注意する。
(4−3)加圧
次に面合わせを行なった金型と製品基板を互いに押し付けるように、自動加圧機を用いて加圧処理を施した。
(4−5)仮硬化
次に金型と製品基板の間に挟み込まれた樹脂に対して仮硬化を行なった。仮硬化とは、完全に硬化するエネルギーの70%程のエネルギーを与え、ある程度の硬化度を持たせることをいう。硬化の方法としては、製品基板側から樹脂層の小さい範囲を露光し、その位置をずつずらして行なくことにより金型パターンの形状の通りに仮硬化させた。
(4−6)硬化
次に金型からの樹脂の離型処理及び樹脂に十分なエッチング耐性を持たせることを目的とした樹脂硬化を行なった。このときの硬化処理は短時間で一度に行ない、樹脂を引けさせる(硬化による樹脂収縮)ことで効果的に離型を行なった。
(4−7)離型
次に金型と製品基板の組を製品基板側を上にして離型治具に設置し、製品基板を金型から剥がした。これにより、図2(A)に示されるように、製品基板12上の樹脂層14に金型の微細形状が転写され、樹脂によるライン・アンド・スペースパターンが形成された。その樹脂層には、金型によるパターンの他に、金型によらない不要樹脂部分14aが存在する。
なお、剥がされた金型は洗浄して繰り返し使用する。
(5)ドライエッチング
続いてドライエッチングによる微細形状加工処理を示す。ドライエッチングは不要樹脂部分14aを除去するための第1ドライエッチング工程と、その後転写したい形状部分の樹脂パターンを製品基板に転写するための第2ドライエッチング工程の2つの工程を含んでいる。ドライエッチング時間は不要樹脂層14aの厚さ及び転写したい形状に依存する。
(5−1)第1ドライエッチング
まず、不要樹脂部分14aを除去するための第1ドライエッチングを行なう。樹脂層のうち転写目的以外の不要樹脂部分14aの厚さは転写目的パターン部分に比べて十分に薄く、20〜50nmであった。この第1ドライエッチング処理のために、製品基板をRIE(反応性イオンエッチング)ドライエッチング装置のチャンバーに設置し、チャンバー内を4.0×10-4Torr以下に排気した。
ドライエッチング処理は、上部電極パワーを1250ワット、下部電極(RF)パワーを50ワットに設定し、反応ガスとしてArを20sccm、O2を1sccmで供給しながら11秒間行なった。反応ガスはO2のみではプラズマが安定しないため、不活性ガスであるArを加えてプラズマを安定化させた。このドライエッチング処理が終わった時点で、図2(B)に示されるように、製品基板上の樹脂層14には転写目的パターン以外の部分の不要な樹脂はすべて除去されていた。
(5−2)ダミー処理
製品基板を一度チャンバーから取り出し、ダミー基板(樹脂層は付着していない)をチャンバーに設置した後、チャンバー内を4.0×10-4Torr以下に排気した。ダミー基板は特に限定されるものではないが、例えば製品基板と同じもので樹脂層の付着していないものである。その後、RIE装置の上部電極パワーを1250ワット、下部電極(RF)パワーを50ワットに設定し、CHF3を17sccmで供給して5分間ドライエッチング処理を行なった。この処理を実施することでチャンバー内の雰囲気を製品基板を処理するガスとした。
(5−3)第2ドライエッチング
次にチャンバーからダミー基板を取り出し、先に第1ドライエッチング処理を施した樹脂層14が付着している製品基板12をチャンバー内に設置した後、チャンバー内を4.0×10-4Torr以下に排気した。その後、RIE装置の上部電極パワーを1250ワット、下部電極(RF)パワーを300ワットに設定し、CHF3を17sccmで供給して15秒間ドライエッチング処理を行なった。このドライエッチング処理により、図2(C)に示されるように、製品基板12がエッチングされてライン・アンド・スペースパターン12aが形成されたが、このドライエッチングはライン・アンド・スペースパターンのラインパターン上に樹脂層14がまだ残っている状態で終了した。
(5−4)ダミー処理
製品基板12を一度チャンバーから取り出し、ダミー基板をチャンバーに設置した後、チャンバー内を4.0×10-4Torr以下に排気した。その後、RIE装置でO2を200sccmで供給しながら5分間O2クリーニング処理を行なった。この処理を実施することでチャンバー内をO2雰囲気とした。
(5−5)アッシング
次にチャンバーからダミー基板を取り出し、上部に樹脂層14を残してエッチングを終了した製品基板12をチャンバー内に設置した後、チャンバー内を4.0×10-4Torr以下に排気した。その後、RIE装置の上部電極パワーを1250ワット、下部電極(RF)パワーを200ワットに設定し、O2を20sccmで供給して10秒間アッシング処理を行ない、第2ドライエッチング時に樹脂表面に堆積した堆積物を除去した。これにより、次工程で実施する洗浄の際に残留樹脂層14を完全に除去することが可能となる。このアッシング処理では、先にO2クリーニングを実施していることによりチャンバー内がO2雰囲気になっているので、形状転写時の第2ドライエッチングの残ガスによるパターン12aの形状の崩れを防止することができる。
(5−6)洗浄
次にO2アッシング処理を施した製品基板をH2SO4とH22の混合液で6分間洗浄して残っていた樹脂層14を除去した。
以上の工程により、図2(D)に示されるように、シリコン基板に形成した金型の高精度の微細形状を他の材料に転写することが可能となる。
製品基板は石英のほか、パイレックス(登録商標)、テンパックス(登録商標)といったガラス材料を使用することができる。製品基板は基本的にドライエッチング可能な材料であれば使用可能である。
転写を仲介する樹脂として、実施例ではUV硬化性樹脂を用いているので、紫外線照射により樹脂を硬化させるために、製品基板と金型の少なくとも一方は紫外線を透過させる特性者である必要がある。しかし、転写樹脂として、熱硬化性樹脂など、他の方法で硬化する樹脂を使用することもできる。熱硬化性樹脂の場合は製品基板も金型も光を通す必要がない。
[実施例2]
実施例2ではマザー金型を使用してシスター金型を製作し、そのシスター金型を使用して樹脂への転写を行なう。形成しようとする3次元形状は非球面レンズアレイである。
(I)マザー金型(第1金型)の製作
フォトレジスト(例えば、ポジ型のTGMR−950BE(東京応化株式会社の製品)を18.5μmの厚さに塗布した直径165mmのシリコン基板を用意し、ステッパーでフォトリソグラフィーにより、直径400μmの非球面レンズのレジストパターンをレンズ間隔5mmで8行8列に配列して64個形成した。このレジストパターンを形成したシリコン基板を遠赤外線オーブンを用いて190℃まで加熱しレジストのポストベークを行なった。
次にそのシリコン基板に対してRIE装置で上部電極パワーを1250W、下部電極(RF)パワーを50Wに設定し、SF6を27sccmで供給しながら35分間ドライエッチング処理を行ない、シリコン基板による非球面レンズアレイを形成した。このシリコン基板をマザー金型とした。
(II)シスター金型(第2金型)の製作
マザー金型を基にしてシスター金型の製作手順を図3を参照して説明する。
(1)母材基板の表面処理
シスター金型を形成しようとする基板を母材基板とする。母材基板として石英ガラス基板を使用する。まず、母材基板−樹脂間の密着性を大きくするために母材基板にシランカップリング処理を行なった。
(2)マザー金型の洗浄
上の(I)で説明したように製作したマザー金型(シリコン製)キャロス洗浄を施し、さらにエキシマ処理を施した。
(3)樹脂塗布
次に樹脂吐出装置に母材基板を取り付け、転写したいパタンの中心に紫外線硬化型樹脂(GRANDIC RC 8790(大日本インキ株式会社の製品))12mgを塗布した。
次にマザー金型を同装置にセットし、転写したいパターンの中心に同樹脂を320mg塗布した。
(4)面合わせ
次にマザー金型に母材基板を載せる形で面合わせを行なった。この時空気が転写ポイントに入り込まないように注意する。
(5)加圧
次に面合わせを行なったマザー金型と母材基板を自動加圧機を用いて加圧処理を施した。
(6)仮硬化
次に金型中心部に形成してあるレンズパターンの上部に対して仮硬化を行なった。仮硬化とは、完全に硬化するエネルギーの70%程のエネルギーを与え、ある程度の硬化度を持たせることをいう。本実施例はライン・アンド・スペースパターンではないので、実施例1のように微小範囲を露光しその位置をずらして行くことによるヒケの低減は期待できない。それは、本実施例レンズアレイパターンでは、周囲からの樹脂供給が期待できないためである。そこで、マスクアライナーを用いて、母材基板を経て78mj(3.9mjで20秒間)のエネルギーとなるように紫外線を照射した。
(7)硬化
次に型からの樹脂の離型処理及び樹脂に十分なエッチング耐性を持たせることを目的とした樹脂硬化を行なった。本実施例では、母材基板を経て、468mj(3.9mjで120秒間)のエネルギーとなるように母材基板と金型全体を照射した。
(8)離型
次に母材基板側を上にして離型治具に取りつけ、母材基板をマザー金型から剥がした。以上の工程で母材基板上にマザー金型の微細形状を転写した樹脂層が形成された。その樹脂層に転写された形状について非接触式の3次元形状測定装置で形状測定した。
(9)母材基板への転写(シスター金型形成)
次に転写された樹脂層をもつ基板に対して、RIE装置で上部電極パワーを1250W、下部電極(RF)パワーを750Wに設定し、CHF3を8sccm、CF4を16sccm、Arを16〜26sccmで供給しながら、60分間ドライエッチング処理を行なった。このドライエッチングでは、先に測定した3次元形状測定結果に基づき、転写樹脂層の形状が所望の形状として母材基板に転写されるように樹脂と母材基板のエッチング選択比を調整するが、そのエッチング選択比の調整はArの流量の調整により行なう。
このようにしてパターンが転写された母材基板をシスター型とした。
(III)シスター金型から製品基板への転写
次にシスター金型の形状を樹脂転写及びドライエッチングを経て所望の製品基板に転写する方法を図4を参照して説明する。
(1)製品基板の表面処理
製品基板として石英ガラス基板を使用する。まず、製品基板−樹脂間の密着性を大きくするために製品基板にシランカップリング処理を行なった。
(2)シスター金型の洗浄
シスター金型にキャロス洗浄を施し、さらにエキシマ処理を施した。
(3)樹脂塗布
樹脂吐出装置に製品基板を取りつけ、転写したいパターンの中心に紫外線硬化型樹脂(GRANDIC RC 8790(大日本インキ株式会社の製品))12mgを塗布した。
次にシスター金型を同装置に取りつけ、転写したいパターンの中心に同樹脂を320mg塗布した。
(4)面合わせ
次にシスター金型に製品基板を載せる形で面合わせを行なった。この時空気が転写ポイントに入り込まないように注意する。
(5)加圧
次に面合わせを行なったシスター金型と製品基板に自動加圧機を用いて加圧処理を施した。
(6)仮硬化
次にシスター金型の中心部に形成してあるレンズパターンの上部に対して製品基板を経て紫外線を照射し、仮硬化を行なった。ここでもライン・アンド・スペースパターンのように周囲からの樹脂供給が期待できないので、シスター金型製作時と同様に、マスクアライナーを用いて、製品基板を経て78mj(3.9mjで20秒間)のエネルギーとなるように紫外線を照射した。
(7)硬化
次にシスター型からの樹脂の離型処理及び樹脂に十分なエッチング耐性を持たせることを目的とした樹脂硬化を行なった。ここでは、製品基板を経て、468mj(3.9mjで120秒間)のエネルギーとなるように製品基板とシスター金型全体を照射した。
(8)離型
次に製品基板側を上にして離型治具に取りつけ、製品基板をシスター金型から剥がした。以上の工程で製品基板上にシスター金型の微細形状を転写した樹脂層が形成された。その樹脂層には、転写目的以外の部分に樹脂厚が転写目的部分よりも十分に薄い70〜150nmの不要樹脂部分が存在していた。
なお、剥がされたシスター金型は洗浄して繰り返し使用する。
(9)ドライエッチング
続いてドライエッチングによる微細形状加工処理を示す。ドライエッチングは不要樹脂部分を除去するための第1ドライエッチング工程と、その後転写したい形状部分の樹脂パターンを製品基板に転写するための第2ドライエッチング工程の2つの工程を含んでいる。ドライエッチング時間は不要樹脂部分の厚さ及び転写したい形状に依存する。
(9−1)第1ドライエッチング
まず、不要樹脂部分を除去するための第1ドライエッチングを行なう。この第1ドライエッチング処理のために、製品基板をRIEドライエッチング装置のチャンバーに設置し、チャンバー内を4.0×10-4Torr以下に排気した。
ドライエッチング処理は、上部電極パワーを1250ワット、下部電極(RF)パワーを50ワットに設定し、反応ガスとしてArを20sccm、O2を1sccmで供給しながら25秒間行なった。反応ガスはO2のみではプラズマが安定しないため、不活性ガスであるArを加えてプラズマを安定化させた。このドライエッチング処理が終わった時点で、製品基板上の樹脂層には転写目的パターン以外の部分の不要な樹脂はすべて除去されていた。
製品基板上の樹脂層に転写された形状について非接触式の3次元形状測定装置で形状測定した。
(9−2)ダミー処理
製品基板を一度チャンバーから取り出し、ダミー基板(樹脂層は付着していない)をチャンバー内に設置した後、チャンバー内を4.0×10-4Torr以下に排気した。その後、RIE装置の上部電極パワーを1250ワット、下部電極(RF)パワーを50ワットに設定し、CHF3を8sccm、CF4を16sccm、Arを16sccmで供給して5分間ドライエッチング処理を行なった。この処理を実施することでチャンバー内の雰囲気を製品基板を処理するガスとした。
(9−3)第2ドライエッチング
次に第1ドライエッチング処理を施した樹脂層が付着している製品基板に対して、RIE装置で上部電極パワーを1250W、下部電極(RF)パワーを750Wに設定し、CHF3を8sccm、CF4を16sccm、Arを16〜26sccmで供給しながら、60分間ドライエッチング処理を行なった。このドライエッチングでは、先に測定した3次元形状測定結果に基づき、転写樹脂層の形状が所望の形状として母材基板に転写されるように樹脂と母材基板のエッチング選択比を調整するが、そのエッチング選択比の調整はArの流量の調整により行なう。
この第2ドライエッチングは、転写目的以外の部分の不要な樹脂が除去された所からエッチングが始まり、樹脂層が全てなくなるまで行なう。
また、チャンバー内の雰囲気も処理するガスのものとなっているので測定結果のエッチング条件に対するフィードバックを的確に行なうことが可能となる。
[実施例3]
実施例3を説明する。本実施例も実施例1と同様にマザー金型を使用して樹脂への転写を行ない、製品基板にライン・アンド・スペースパターンの3次元形状を形成しようとするものであるが、本実施例ではドライエッチング工程で線幅を補正する。
例えば、金型を製作するためにEB(電子線)描画を使用した場合、EB描画における描画ライン幅の制御は難しく、例えば処理が長時間に及んだときには、線幅50nmの設計値に対して形成されたレジストパターンの線幅が電子拡散効果により40nm程度になることは多々ある。そのように、金型を所望の微細寸法に形成することが難しい場合でも、その後のドライエッチング工程で線幅を修正することにより所望の製品形状を得るようにしたのがこの実施例である。
工程を示すフローチャート図と断面図は実施例1のものと同様である。
(1)マザー金型の製作
予め電子線描画用レジストを0.1μm塗布した直径100mmのシリコン基板を用意し、EB描画装置で所定の条件下で20mm×20mmの範囲のレジストにライン・アンド・スペースパターン用の溝を描画し、現像、リンスを行なって線幅40nm、間隔60nm、深さ150nmのレジストパターンを形成した。そのレジストパターンをマスクとしてシリコン基板をドライエッチングし、ライン・アンド・スペースパターンをもつマザー金型を形成した。
このマザー金型は処理時間を短かくして設計値どおりに形成されるようにした。そのマザー金型を樹脂転写用の金型として用い、樹脂転写及びドライエッチングによって所望の製品基板に転写する。
(2)製品基板の表面処理
製品基板として石英ガラス基板を使用する。実施例1と同様に、まず、製品基板−樹脂間の密着性を大きくするために製品基板にシランカップリング処理を行なった。
(3)金型表面の洗浄
実施例1と同様に、金型表面にはキャロス洗浄を施し、続いてエキシマ処理を施した。
(4)樹脂転写(ナノプリント)
以上が樹脂転写の前工程となる。続いて樹脂転写工程を具体的に説明する。この樹脂転写工程も実施例1と同様である。
(4−1)樹脂塗布
まず、樹脂吐出装置に製品基板をセットし、転写しようとする領域上に0.3mgずつ紫外線硬化型樹脂(GRANDIC RC 8790(大日本インキ株式会社の製品))を塗布した。
次に金型を同装置にセットし、転写したい部分に同樹脂を0.3mgずつ塗布した。
(4−2)面合わせ
次に金型に製品基板を載せる形で面合わせを行なった。この時空気が転写領域に入り込まないように注意する。
(4−3)加圧
次に面合わせを行なった金型と製品基板を互いに押し付けるように、自動加圧機を用いて加圧処理を施した。
(4−5)仮硬化
次に金型と製品基板の間に挟み込まれた樹脂に対して仮硬化を行なった。
(4−6)硬化
次に金型からの樹脂の離型処理及び樹脂に十分なエッチング耐性を持たせることを目的とした樹脂硬化を行なった。
(4−7)離型
次に金型と製品基板の組を製品基板側を上にして離型治具に設置し、製品基板を金型から剥がした。これにより、図2(A)に示されるように、製品基板12上の樹脂層14に金型の微細形状が転写され、樹脂によるライン・アンド・スペースパターンが形成された。得られた樹脂パターン14の線幅は60nmであった。
(5)ドライエッチング
続いてドライエッチングによる微細形状加工処理を示す。ドライエッチングも実施例1と同様に、不要樹脂部分14aを除去するための第1ドライエッチング工程と、その後転写したい形状部分の樹脂パターンを製品基板に転写するための第2ドライエッチング工程の2つの工程を含んでいるが、本実施例では第1ドライエッチング工程で線幅の補正を行なう。
(5−1)第1ドライエッチング
まず、不要樹脂部分14aを除去するための第1ドライエッチングを行なう。樹脂層のうち転写目的以外の不要樹脂部分14aの厚さは転写目的パターン部分に比べて十分に薄く、20〜50nmであった。この第1ドライエッチング処理のために、製品基板をRIEドライエッチング装置のチャンバーに設置し、チャンバー内を4.0×10-4Torr以下に排気した。
ドライエッチング処理は、上部電極パワーを1250ワット、下部電極(RF)パワーを200ワットに設定し、反応ガスとしてArを20sccm、O2を0.1sccmで供給しながら6秒間行なった。反応ガスはO2のみではサイドエッチが少なく、線幅補正ができないため、不活性ガスArの分圧を高め、実施例1に比べて下部電極(RF)パワーをやや上げることでArのスパッタリングが得られるようにした。エッチング時間とO2流量の調整により補正量に応じてサイドエッチング量の調整が可能である。このドライエッチング処理が終わった時点で、図2(B)に示されるように、製品基板上の樹脂層14には転写目的パターン以外の部分の不要な樹脂はすべて除去され、樹脂層14のパターンの線幅は補正されて減少し、50nmになっていた。
(5−2)ダミー処理
製品基板を一度チャンバーから取り出し、ダミー基板をチャンバーに設置した後、チャンバー内を4.0×10-4Torr以下に排気した。その後、RIE装置の上部電極パワーを1250ワット、下部電極(RF)パワーを50ワットに設定し、CHF3を17sccmで供給して5分間ドライエッチング処理を行なった。この処理を実施することでチャンバー内の雰囲気を製品基板を処理するガスとした。
(5−3)第2ドライエッチング
次にチャンバーからダミー基板を取り出し、先に第1ドライエッチング処理を施した樹脂層14が付着している製品基板12をチャンバー内に設置した後、チャンバー内を4.0×10-4Torr以下に排気した。その後、RIE装置の上部電極パワーを1250ワット、下部電極(RF)パワーを300ワットに設定し、CHF3を17sccmで供給して15秒間ドライエッチング処理を行なった。このドライエッチング処理により、図2(C)に示されるように、製品基板12がエッチングされてライン・アンド・スペースパターン12aが形成されたが、このドライエッチングはライン・アンド・スペースパターンのラインパターン上に樹脂層14がまだ残っている状態で終了した。
(5−4)ダミー処理
製品基板12を一度チャンバーから取り出し、ダミー基板をチャンバーに設置した後、チャンバー内を4.0×10-4Torr以下に排気した。その後、RIE装置でO2を200sccmで供給しながら5分間O2クリーニング処理を行なった。この処理を実施することでチャンバー内をO2雰囲気とした。
(5−5)アッシング
次にチャンバーからダミー基板を取り出し、上部に樹脂層14を残してエッチングを終了した製品基板12をチャンバー内に設置した後、チャンバー内を4.0×10-4Torr以下に排気した。その後、RIE装置の上部電極パワーを1250ワット、下部電極(RF)パワーを50ワットに設定し、O2を20sccmで供給して10秒間アッシング処理を行ない、第2ドライエッチング時に樹脂表面に堆積した堆積物を除去した。
(5−6)洗浄
次にO2アッシング処理を施した製品基板をH2SO4とH22の混合液で6分間洗浄して残っていた樹脂層14を除去した。
以上の工程により、図2(D)に示されるように、シリコン基板に形成した金型の高精度の微細形状を他の材料に転写することが可能となる。
[実施例4]
実施例4を図5と図6を参照して説明する。本実施例も実施例1と同様にライン・アンド・スペースパターンのマザー金型を使用して樹脂への転写を行なうが、ドライエッチング工程で樹脂パターンをシリンダレンズ形状になるように変形させることにより、最終的には製品基板に微小シリンダレンズを形成しようとするものである。
(1)マザー金型の製作
予め電子線描画用レジストを0.5μm塗布した直径100mmのシリコン基板を用意し、EB描画装置で所定の条件下で20mm×20mmの範囲のレジストに線幅500nm、間隔500nm、深さ600nmのライン・アンド・スペースパターン用の溝を描画し、現像、リンスを行なってレジストパターンを形成した。そのレジストパターンをマスクとしてシリコン基板をドライエッチングし、ライン・アンド・スペースパターンをもつマザー金型を形成した。
そのマザー金型を樹脂転写用の金型として用い、樹脂転写及びドライエッチングによって所望の製品基板に転写する。
(2)製品基板の表面処理
製品基板として石英ガラス基板を使用する。実施例1と同様に、まず、製品基板−樹脂間の密着性を大きくするために製品基板にシランカップリング処理を行なった。
(3)金型表面の洗浄
実施例1と同様に、金型表面にはキャロス洗浄を施し、続いてエキシマ処理を施した。
(4)樹脂転写(ナノプリント)
以上が樹脂転写の前工程となる。続いて樹脂転写工程を具体的に説明する。この樹脂転写工程も実施例1と同様である。
(4−1)樹脂塗布
まず、樹脂吐出装置に製品基板をセットし、転写しようとする領域上に0.3mgずつ紫外線硬化型樹脂(GRANDIC RC 8790(大日本インキ株式会社の製品))を塗布した。
次に金型を同装置にセットし、転写したい部分に同樹脂を0.3mgずつ塗布した。
(4−2)面合わせ
次に金型に製品基板を載せる形で面合わせを行なった。この時空気が転写領域に入り込まないように注意する。
(4−3)加圧
次に面合わせを行なった金型と製品基板を互いに押し付けるように、自動加圧機を用いて加圧処理を施した。
(4−5)仮硬化
次に金型と製品基板の間に挟み込まれた樹脂に対して仮硬化を行なった。
(4−6)硬化
次に金型からの樹脂の離型処理及び樹脂に十分なエッチング耐性を持たせることを目的とした樹脂硬化を行なった。
(4−7)離型
次に金型と製品基板の組を製品基板側を上にして離型治具に設置し、製品基板を金型から剥がした。これにより、図6(A)に示されるように、製品基板12上の樹脂層14に金型の微細形状が転写され、樹脂によるライン・アンド・スペースパターンが形成された。
(5)ドライエッチング
続いてドライエッチングによる微細形状加工処理を示す。ドライエッチングは、不要樹脂部分14aを除去するための第1ドライエッチング工程と、その後転写したい形状部分の樹脂パターンを製品基板に転写するための第2ドライエッチング工程の2つの工程の他に、本実施例では、第1ドライエッチング工程と第2ドライエッチング工程の間にライン・アンド・スペース形状の樹脂パターンをシリンダレンズ形状とするための等方性ドライエッチング工程を含んでいる。
(5−1)第1ドライエッチング
まず、不要樹脂部分14aを除去するための第1ドライエッチングを行なう。樹脂層のうち転写目的以外の不要樹脂部分14aの厚さは転写目的パターン部分に比べて十分に薄く、20〜50nmであった。この第1ドライエッチング処理のために、製品基板をRIEドライエッチング装置のチャンバーに設置し、チャンバー内を4.0×10-4Torr以下に排気した。
ドライエッチング処理は、上部電極パワーを1250ワット、下部電極(RF)パワーを50ワットに設定し、反応ガスとしてArを20sccm、O2を1sccmで供給しながら11秒間行なった。このドライエッチング処理が終わった時点で、図6(B)に示されるように、製品基板上の樹脂層14には転写目的パターン以外の部分の不要な樹脂はすべて除去されていた。
(5−2)ダミー処理
製品基板を一度チャンバーから取り出し、ダミー基板をチャンバーに設置した後、チャンバー内を4.0×10-4Torr以下に排気した。その後、RIE装置の上部電極パワーを1250ワット、下部電極(RF)パワーを50ワットに設定し、Arを20sccmで供給して5分間ドライエッチング処理を行なった。この処理を実施することでチャンバー内の雰囲気を等方性ドライエッチングを行なうガスとした。
(5−3)等方性ドライエッチング
次にチャンバーからダミー基板を取り出し、先に第1ドライエッチング処理を施した樹脂層14が付着している製品基板12をチャンバー内に設置した後、チャンバー内を4.0×10-4Torr以下に排気した。その後、RIE装置の上部電極パワーを1250ワット、下部電極(RF)パワーを50ワットに設定し、Arを20sccmで供給して20秒間ドライエッチング処理を行なった。このドライエッチング処理により、樹脂のライン・アンド・スペースパターン14が等方性ドライエッチングにより角が取れて曲面となり、図6(C)に示されるように、製品基板12上に幅500nm、高さ500nm、レンズ間隔500nmのシリンダーレンズパターン14bが形成された。
(5−4)ダミー処理
製品基板を一度チャンバーから取り出し、ダミー基板をチャンバーに設置した後、チャンバー内を4.0×10-4Torr以下に排気した。その後、RIE装置の上部電極パワーを1250ワット、下部電極(RF)パワーを50ワットに設定し、CHF3を10sccmで供給して5分間ドライエッチング処理を行なった。この処理を実施することでチャンバー内の雰囲気を製品基板を処理するガスとした。
(5−5)第2ドライエッチング
次にチャンバーからダミー基板を取り出し、先に第1ドライエッチング処理を施した樹脂層14が付着している製品基板12をチャンバー内に設置した後、チャンバー内を4.0×10-4Torr以下に排気した。その後、RIE装置の上部電極パワーを1250ワット、下部電極(RF)パワーを100ワットに設定し、CHF3を20sccmで供給して130秒間ドライエッチング処理を行なった。このドライエッチング処理により、図6(D)に示されるように、製品基板12がエッチングされてシリンダーレンズパターン12bが形成された。
本発明のナノプリントを用いた微細3次元構造体の製造方法は、マイクロレンズアレイや導光素子を初めとして、微細な3次元表面構造をもつ物品を製作するために利用することができる。
実施例1を工程順に示すフローチャート図である。 同実施例を工程順に示す断面図である。 実施例2におけるシスター金型製作工程を示すフローチャート図である。 同実施例における製品基板への転写工程を示すフローチャート図である。 第4の実施例を工程順に示すフローチャート図である。 同実施例を工程順に示す断面図である。 ナノプリント技法を概略的に示す断面図である。 ナノプリント技法により形成される樹脂パターンの一例を示す断面図である。
符号の説明
12 製品基板
14 樹脂層
14a 不要樹脂部分
12a 製品のライン・アンド・スペースパターン

Claims (9)

  1. 以下の工程(A)から(E)を備えて微細表面構造をもつ物品を製造する製造方法。
    (A)表面に微細形状をもつ金型の表面に硬化可能な樹脂を介して製品基板を押し当てて、前記金型の表面形状の反転形状を前記樹脂に転写する工程、
    (B)前記樹脂を硬化させる工程、
    (C)前記樹脂を前記製品基板に接合させた状態でその樹脂を前記金型から剥離させる工程、
    (D)前記製品基板上の樹脂のうち、前記金型形状によらない不要樹脂部分を除去する第1ドライエッチング工程、及び
    (E)前記樹脂に転写された形状を前記製品基板に転写する第2ドライエッチング工程。
  2. 前記第1ドライエッチング工程は前記樹脂を選択的にエッチングし、前記製品基板をエッチングしない選択比となるようにドライエッチング条件を設定する請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記第1ドライエッチング工程は酸素による反応性イオンエッチング工程である請求項2に記載の製造方法。
  4. 前記第1ドライエッチング工程では、さらに樹脂に転写された形状の凸部の幅を減少させるようにエッチング条件を設定する請求項1又は2に記載の製造方法。
  5. 前記第1ドライエッチング工程と第2ドライエッチング工程の間に樹脂に転写された形状の凸部先端に丸みをもたせるように等方性ドライエッチング工程を含んでいる請求項1又は2に記載の製造方法。
  6. 前記第2ドライエッチング工程に先立って、形状転写された樹脂が接合された前記製品基板以外のダミー基板をドライエッチング装置に設置し、第2ドライエッチング工程で使用するエッチングガスと同じガスを導入して前記ダミー基板をエッチングするダミードライエッチング工程を設ける請求項1から5のいずれかに記載の製造方法。
  7. 前記第2ドライエッチング工程は前記樹脂を一部残した状態で終了し、その後前記樹脂を選択的に除去する他の工程によりその残った樹脂を除去する請求項1から6のいずれかに記載の製造方法。
  8. 前記樹脂は光硬化性樹脂又は熱硬化性樹脂である請求項1から7のいずれかに記載の製造方法。
  9. 請求項1から8に記載の製造方法により製造された微細3次元構造体。
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