JP2005149892A - 金属メッキによるシールド導体を有する細径同軸ケーブルおよびその製造方法 - Google Patents

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英克 黒田
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和憲 渡辺
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Abstract

【課題】 曲げてもクラックが入らず、擦っても剥がれない密着性の良好なシールド導体を得ること。
【解決手段】 ケーブルは、中心導体と、中心導体の外周に形成された絶縁被覆と、絶縁被覆の外周に設けられたシールド導体とを備えている。絶縁被覆は、ポリテトラフルエロエチレン,テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合樹脂から選ばれるフッ素樹脂で構成される。絶縁被覆の表面は、算術平均粗さ(Ra)が0.5〜0.9μm、最大高さ(Ry)が5.0〜9.0μm、100μm当たりのRy>2.0μmの凸数が6個以上であり、かつ、100μm当たりのRy>2.0μmの凸部の頂部の平均間隔(S)が18μm以下となる部分が、全体の70%以上となるような粗面化面である。シールド導体は、無電解およびまたは電解金属メッキから構成される。

Description

この発明は、金属メッキによるシールド導体を有する細径同軸ケーブルおよびその製造方法に関し、特に、メッキ方法でシールド導体を形成する細径同軸ケーブルおよびその製造方法の改良技術に関するものである。
フッ素樹脂は、良好な耐熱性、電気特性、高周波特性を併せ持ち、種々の用途に使用されている。しかし、一般に、この種の樹脂は、表面が不活性なため、接着処理やメッキなどの表面修飾は、容易ではない。
フッ素樹脂表面を持つ線材としては、例えば、同軸ケーブルが知られている。最近、情報量の増大や高速伝送化の流れを受けて、携帯情報端末のアンテナ配線や、LCDとCPUとを結ぶ配線などに、細径同軸ケーブルが使われている。
また、情報端末やノートパソコンの小型化、薄型化により、この種の同軸ケーブルには、更なる細径化が要求されている。一般に、良好な高周波特性(伝送損失が小さく、遅延時間が短い)持つ同軸ケーブルを得るためには、中心導体と外部シールド層との間に形成される絶縁被覆の誘電率,誘電正接(tanδ)を小さくする必要があり、このような要求に応えるために、絶縁被覆には、フッ素樹脂が使用されている。
一方、同軸ケーブルのシールド導体は、細径の銅線を巻き付けたり、編んだりして形成されている。細径化するためには、このシールド導体を金属メッキ層に変更することが有効であり、例えば、これが特許文献1に提案されている。
ところが、フッ素樹脂への金属メッキは、容易ではなく、表面状態が良好で、基材(絶縁被覆)との密着が良好なメッキ膜を得るためには、以下に説明する課題があった。
特開平6−187847号公報
すなわち、フッ素樹脂の表面に金属メッキ膜を設ける際には、フッ素樹脂の表面を物理的に荒らす方法、例えば、ウエットブラスト法(液体ホーニング処理とも言われている)や、表面を金属ナトリウムを含むエッチング液に浸漬したり、あるいは、ブラズマにより親水化処理する方法が前処理として行われている。
ところが、前者の方法では、無電解金属メッキ膜は、付着するものの、簡単に剥がれてしまう。また、後者の方法では、無電解金属メッキ膜は付着形成されるが、電解メッキ時に剥がれたり、電解メッキができたとしても、メッキされた線材を曲げると、簡単にクラックが入り、剥がれてしまうという問題があった。
本発明者らは、このような従来の問題点を解決すべく、フッ素樹脂表面にメッキする方法を鋭意検討し、その結果、フッ素樹脂の表面に、特定の粗面化面を形成することで、曲げてもクラックが入らず、擦っても剥がれない密着性の良好なメッキ膜が、特殊なメッキ薬品を使用することなく、一般的なメッキ方法により得られることを知得した。
このようなフッ素樹脂へのメッキ方法により得られたメッキ膜を、同軸ケーブルのシールド導体として用いる場合には、連続したシールド効果が得られ、また、メッキ膜の厚みは、10μm程度なので、同軸ケーブルの更なる細径化に寄与することができる。
上記目的を達成するために、本発明は、中心導体と、前記中心導体の外周に形成された絶縁被覆と、前記絶縁被覆の外周に設けられたシールド導体とを備えた細径同軸ケーブルにおいて、前記絶縁被覆は、ポリテトラフルエロエチレン,テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合樹脂,テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合樹脂から選ばれるフッ素樹脂で構成されるとともに、当該絶縁被覆の表面は、算術平均粗さ(Ra)が0.5〜0.9μm、最大高さ(Ry)が5.0〜9.0μm、100μm当たりのRy>2.0μmの凸数が6個以上であり、かつ、100μm当たりのRy>2.0μmの凸部の頂部の平均間隔(S)が18μm以下となる部分が、全体の70%以上となるような粗面化面であり、前記シールド導体は、前記粗面化面に親水化処理をして形成される無電解およびまたは電解金属メッキから構成した。
また、本発明は、中心導体と、前記中心導体の外周に形成された絶縁被覆と、前記絶縁被覆の外周に設けられたシールド導体とを備えた細径同軸ケーブルの製造方法において、前記絶縁被覆は、ポリテトラフルエロエチレン,テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合樹脂,テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合樹脂から選ばれるフッ素樹脂で構成され、前記シールド導体は、前記フッ素樹脂の表面を粗面化した後に、親水化処理し、この後に、無電解金属メッキおよび電解金属メッキ施すことで形成するようにした。
本発明では、絶縁被覆の粗面化には、ウエットブラスト処理が好適に採用される。ウエットブラスト処理は、液体ホーニング処理とも呼ばれ、微粒の研磨剤を加えた水、または、それに適当な腐食抑制剤を加えたものを、金属製品やプラスチック製品に吹付けて、清浄にすると同時に、均一ななし地面仕上げを行う。
ウエットブラストなどによる粗面化処理では、絶縁被覆の表面は、JIS B 0601−1994に基づく、算術平均粗さ(Ra)が0.5〜0.9μm、最大高さ(Ry)が5.0〜9.0μm、100μm当たりのRy>2.0μmの凸数が6個以上であり、かつ100μm当たりのRy>2.0μmの凸部の頂部の平均間隔(S)が18μm以下となる部分が全体の70%以上となるようにする。
この場合、算術平均粗さ(Ra)が、0.5μmよりも小さく、最大高さ(Ry)が5.0μmよりも小さく、100μm当たりのRy>2.0μmの凸数が6個以下であり、あるいは、100μm当たりのRy>2.0μmの凸部の頂部の平均間隔(S)が18μm以上であって、これらの全てを満たす部分が30%を超えると、凹凸の効果がなく、良好な密着性が得られない。
また、算術平均粗さ(Ra)が、0.9μmより大きく、あるいは、最大高さ(Ry)が9.0μmより大きいと、メッキ膜の凹凸も大きくなり、GHz以上の高周波の場合、表皮効果が顕著になり、伝送損失の増加をもたらす。
このような理由から、算術平均粗さ(Ra)は、より好ましくは、0.5〜0.7μm、最大高さ(Ry)は、より好ましくは5.0〜7.0μm、100μm当たりのRy>2.0μmの凸数は、より好ましくは8個以上、100μm当たりのRy>2.0μmの凸部の頂部の平均間隔(S)が、より好ましくは15μm以下であり、これら全てを満たす部分が全体の90%以上であることが望ましい。
この範囲を全て満たす表面を得るには、例えば、ウエットブラスト処理時の引取速度(S)10〜20m/minの条件では、吹き付けエアー圧力(P)を0.1〜0.3MPaが適当であり、この時、0.010≦ P/S ≦0.018 の関係で設定するのが望ましい。
絶縁被覆の親水化処理は、金属ナトリウムを含むエッチング液に浸漬することにより達成される。エッチング液は、金属ナトリウム単体でも使用可能であるが、安全性,取扱性などの面から、一般に市販されている金属ナトリウム−ナフタレン錯体、例えば、フルオロエッチ(ACTON社製、商品名)、テトラエッチ(潤工社製、商品名)などを好適に使用することができる。無論、実質的に同様なエッチング液であれば、同様に使用することができ、フルオロエッチ、テトラエッチに限定されるものではない。
エッチング液での親水化処理条件としては、例えば、フルオロエッチ(ACTON社製、商品名)を使用する場合には、処理温度50〜65℃が好ましく、より好ましくは、55〜60℃である。処理温度が50℃以下では、エッチング液の活性が低く、十分な親水処理効果が得られない。また、65℃以上で使用すると、溶媒の蒸発が著しく、エッチング液の寿命が短くなってしまう。
処理時間については、10〜300秒が好ましく、より好ましくは、20〜180秒、さらにより好ましくは、30〜60秒である。処理時間が10秒未満では、十分な処理効果が得られ難く、また、処理時間を300秒以上とすると、被メッキ線材の表面にクラックが生じ、脆くなるので好ましくない。
親水化の程度は、JIS R3257−1999に準拠した純水の接触角の測定により判定する。純水の接触角は、45〜85°が好ましく、より好ましくは、45〜70°である。純水の接触角が85°よりも大きいと、親水化処理が不十分で、メッキ膜の密着性が悪くなる。また、一般に、フッ素樹脂の場合、接触角が45°以下になるまでの親水化処理は、困難である。この場合、処理時間を長くしても、基材の劣化を招くのみで、純水接触角低下は期待できない。なお、接触角測定を細径線状物に対して行うことは、困難であるため、前記絶縁被覆と実質的に同一なフッ素樹脂にて成形したフィルムあるいはシートを、線材を親水化処理した条件と、実質的に同一な条件で親水化処理したもので行う。
また、絶縁被覆の親水化処理は、別の方法として、プラズマ処理により達成される。プラズマ処理に用いるガス種としては、例えば、水素ガス(H)、窒素ガス(N)、若しくはこれらの混合ガスが好適に使用することができる。無論、純水の接触角を45〜85°に親水化できるプラズマ処理であれば、ガス種をこれに限定するものではなく、他のものであっても良いことは言うまでもない。なお、純水の接触角を測定する際には、前記したようにフィルムあるいはシートを、線材を親水化処理した条件と、実質的に同一な条件で親水化処理したもので行う。
本発明の製造方法では、前記シールド導体の外周に保護絶縁を設けることができる。この保護絶縁は、フッ素樹脂を好適に用いることができる。
本発明にかかる金属メッキによるシールド導体を有する細径同軸ケーブルによれば、フッ素樹脂の表面に、特定の粗面化面を形成することで、曲げてもクラックが入らず、擦っても剥がれない密着性の良好なメッキ膜製のシールド導体が、特殊なメッキ薬品を使用することなく、一般的なメッキ方法により得られる。
また、本発明にかかる細径同軸ケーブルの製造方法では、特定の粗面化面を備えたフッ素樹脂の表面に密着性の良好なメッキ膜を形成してシールド導体とするが、この際のメッキ膜の厚みは、10μm程度なので、同軸ケーブルの更なる細径化に寄与することができる。
以下、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。
線径0.10mmの銀メッキ銅線の外周に、FEP(ダイキン工業株式会社製、ネオフロンFEP、NP100)を押し出し被覆した、外径が0.33mmの絶縁被覆線を得、この線材を被メッキ線材とした。
得られた被メッキ線材は、まず、ウエットブラスト装置(マコー株式会社製)を使用して、表面のFEPに粗面化処理を施した。ウエットブラストには、水にブラスト剤としてアルミナ(800メッシュパス、平均粒径14μm)を16vol%含んだものを使用した。
ウエットブラスト処理後の被メッキ線材の表面粗さは、算術平均粗さRaで0.77μm、最大高さRyで6.68μm(ブランク:Ra=0.15μm,Ry=1.836μm)、100μm当たりのRy>2.0μmの凸数が9個、100μm当たりのRy>2.0μmの凸部頂部の平均間隔(S)は10.1μmであり、n=20における上記条件全てを満たす全体に対する割合は95%であった。(表面粗さ測定は、キーエンス社製 表面形状測定顕微鏡 VF−7510で行った。以下同じ)
この被メッキ線材をアルコール液中に通して、表面の油脂などの除去を行った後、液温55℃の金属ナトリウム−ナフタレン錯体溶液(商品名、フルオロエッチ、ACTON社製)中に60秒間浸漬させ親水化処理を行い、メタノール洗浄(14℃、20秒)、リン酸水溶液洗浄(63℃、60秒)、続いてイオン交換水洗浄(63℃、30秒)を行った。
表面を親水化することにより、処理前後で純水接触角度が118°から67°に低下した。なお、純水に対する接触角測定は、同一フッ素樹脂(FEP)にて成形した厚みが200μmのフィルムを同一条件にてウエットブラスト処理、表面親水化処理を施した試料を使用して行った(純水接触角試験に関しては、以下同様)。
また、親水化処理後の被メッキ線材について、以下に説明する表面分析を行った。実施例1に関しては、親水化処理後のサンプルについて、光電子分光法(μXPS:ESCA)分析(アルバックファイア社製Quantum2000、mono−AlKα線(1486.6ev)、装置分解能:Ag 3d5/2の半値幅=約0.7ev)をして、フッ素原子(F)と炭素原子(C)との比(F/C)、および、酸素原子(O)と炭素原子(C)との比(O/C)、に付いて調べた。
この場合、理論上、フルオロエッチ処理前は、F/C=2.0、O/C=0である。測定結果より、処理後は、F/C=0.043、O/C=0.19となり、表面のフッ素原子が減少し、酸素原子が増加していることを確認した。(μXPS:ESCAの場合、表層から10nmまでの深さを見ている。)
また、一回反射ATR測定(Nicolet OMNI−Sampler ART Smart Accessory、スキャン回数32、分解能4、ミラー速度0.6329、検出器 DTGS KBr)を行った。
親水化処理前に比べて、処理後は、C−Fピークが小さくなっており、新たにC−Cピークが確認された。C−Fピークから脱フッ素率は、27%であった。ここでいう脱フッ素率は、以下の式で規定している。但し、一回反射ATR測定では、表層部から0.1〜0.6μm程度の深さまでを測定することになるため、表層部の脱フッ素率は、これよりも高いと考えられる。
脱フッ素率(%)={(処理前ピーク高−処理後ピーク高)/処理前ピーク高}×100
次に、親水化処理を施した被メッキ線材に対して、以下の工程の順に浸漬および水洗して無電解金属メッキを施した。
(1)カチオン性およびノニオン性の界面活性剤を含むクリーナーコンディショナー溶液(荏原ユージライト製、商品名PB−119S)に浸漬し、その後水洗した。
(2)次に、無電解メッキ用触媒溶液の保護のために、前段階としてプレディップ溶液(荏原ユージライト製、商品名PB−323MT)に浸漬した。
(3)また、塩化スズおよび塩化パラジウムを含む無電解メッキ用触媒溶液(荏原ユージライト製、商品名PB−318およびPB−323MT)に浸漬し、その後水洗した。
(4)さらに、触媒として吸着させたパラジウムを活性化させるために、アクセラレーター溶液(荏原ユージライト製、商品名PB−445)に浸漬し、その後水洗した。
(5)そして、硫酸銅の無電解メッキ溶液(荏原ユージライト製、商品名503AFおよび503BF)に浸漬し、厚さ0.3μmの無電解銅メッキを行った。
無電解銅メッキまで行った被メッキ線材を、光沢剤(荏原ユージライト製、商品名キューブライト21)を添加した硫酸銅の電解メッキ溶液に浸漬し、被メッキ面積当たり1.1A/dmの電流密度で64分間通電させることで、表面に厚さ8μmの電解銅メッキ膜(細径同軸ケーブルのシールド導体となる)を形成した。
得られたメッキ膜は、長さおよび円周方向に均一な厚さを有していた。また、FEP絶縁被覆との密着性は、十分であり、後の保護被覆工程でガイドとの擦れによって剥がれてしまうことはなかった。
さらに、外周をFEP(ダイキン工業株式会社製、ネオフロンFEP、NP100)で、厚み0.04mmの被覆をして、外径φ0.43mmの保護被覆を有する細径同軸ケーブルに加工した。
なお、この場合、一般的なシールド導体の場合、錫メッキ銅線などの細線であっても、シールド導体の1本の直径が、例えば、0.05mm以上となるため、単純な巻き線構造のシールド導体を形成しても、外径は、少なくともφ0.51mm以上となる。
以上のようにして得られた細径同軸ケーブルは、曲げても外部シールド導体であるメッキ膜にクラックや剥がれを生じることがなく、電気特性についても、特性インピーダンスは、50Ωで安定しており、シールド特性も良好であった。
ウエットブラスト処理に用いる研磨剤をアルミナ(2000メッシュパス、平均粒径6μm)に変更したこと以外は、実施例1と同じ条件で被メッキ線材を粗面化処理、および親水化処理をそれぞれ施した後に、同様な方法で細径同軸ケーブルを得た。
なお、本実施例の場合、ウエットブラスト処理後の被メッキ線材の表面粗さは、算術平均粗さRaで0.55μm、最大高さRyで3.98μm、100μm当たりのRy>2.0μmの凸数が7個、100μm当たりのRy>2.0μmの凸部頂部の平均間隔(S)は13.5μmであり、n=20における上記条件全てを満たす全体に対する割合は90%であった。
得られた細径同軸ケーブルは、曲げても外部シールド導体であるメッキ膜にクラックや剥がれを生じることがなく、電気特性についても、特性インピーダンスは、50Ωで安定しており、シールド特性も良好であった。
金属ナトリウム−ナフタレン錯体溶液(商品名、フルオロエッチ、ACTON社製)の親水化処理に替えて、水素+窒素プラズマ(プラズマ処理条件:H200cc、N200cc、周波数40kHz、出力150w、圧力40Pa、処理時間90sec)で親水化処理したこと以外は、実施例1と同じ条件で被メッキ線材を粗面化処理、および親水化処理をそれぞれ施した後に、同様な方法で細径同軸ケーブルを得た。なお、プラズマ処理後の純水接触角は、67°であった。
得られた細径同軸ケーブルは、曲げても外部シールド導体であるメッキ膜にクラックや剥がれを生じることがなく、電気特性についても、特性インピーダンスは、50Ωで安定しており、シールド特性も良好であった。
比較例1
ウエットブラスト処理を用いず、被メッキ線材表面に凹凸を形成する粗面化処理を施さないこと以外は、実施例1と同一の条件で被メッキ線材に親水化処理を行った。
処理後の純水接触角度は、61°であり親水化処理の効果は確認された。しかし、表面粗さは、算術平均粗さRaで0.15μm、最大高さRyで1.83μmであり、十分なアンカー効果を得ることができなかったため、無電解銅メッキ工程でメッキ膜が剥離してしまった。
比較例2
ウエットブラスト処理のみとし、金属ナトリウム−ナフタレン錯体溶液による親水化処理をしなかったこと以外は、実施例1と同一の条件で被メッキ線材に粗面化処理を行った。
処理後の純水接触角度は、118°であり、全く親水化処理の効果は認められなかった。表面粗さは、算術平均粗さRaで0.75μm、最大高さRyで5.71μmであり、アンカー効果が期待できるレベルであったが、親水化していないため、無電解銅メッキ工程でメッキ膜が剥離してしまった。
比較例3
エッチング液の使用温度を40℃、処理時間を10秒としたこと以外は、実施例1と全く同一条件で、被メッキ線材に粗面化処理と親水化処理を施した後に、無電解および電解銅メッキを行った。しかし、親水化処理後の純水接触角度は、90°となり、被メッキ線材の表面親水化が不十分であったため、無電解銅メッキが剥離してしまった。
比較例4
ウエットブラスト処理を用いず粗面化処理を施さないこと以外は、実施例3と同一の条件で被メッキ線材にプラズマによる親水化処理を行った。
処理後の純水接触角度は、61°であり親水化処理の効果は確認された。しかし、表面粗さは、算術平均粗さRaで0.17μm、最大高さRyで1.71μmであり、無電解銅メッキ工程でメッキ膜が剥離してしまった。

Claims (5)

  1. 中心導体と、前記中心導体の外周に形成された絶縁被覆と、前記絶縁被覆の外周に設けられたシールド導体とを備えた細径同軸ケーブルにおいて、
    前記絶縁被覆は、ポリテトラフルエロエチレン,テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合樹脂,テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合樹脂から選ばれるフッ素樹脂で構成されるとともに、
    当該絶縁被覆の表面は、算術平均粗さ(Ra)が0.5〜0.9μm、
    最大高さ(Ry)が5.0〜9.0μm、
    100μm当たりのRy>2.0μmの凸数が6個以上であり、
    かつ、100μm当たりのRy>2.0μmの凸部の頂部の平均間隔(S)が18μm以下となる部分が、全体の70%以上となるような粗面化面であり、
    前記シールド導体は、前記粗面化面に親水化処理をして形成される無電解およびまたは電解金属メッキからなることを特徴とする金属メッキによるシールド導体を有する細径同軸ケーブル。
  2. 中心導体と、前記中心導体の外周に形成された絶縁被覆と、前記絶縁被覆の外周に設けられたシールド導体とを備えた細径同軸ケーブルの製造方法において、
    前記絶縁被覆は、ポリテトラフルエロエチレン,テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合樹脂,テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合樹脂から選ばれるフッ素樹脂で構成され、
    前記シールド導体は、前記フッ素樹脂の表面を粗面化した後に、親水化処理し、この後に、無電解金属メッキおよび電解金属メッキ施すことで形成することを特徴とする細径同軸ケーブルの製造方法。
  3. 前記粗面化処理により、前記ふっ素樹脂の表面を、算術平均粗さ(Ra)が0.5〜0.9μm、
    最大高さ(Ry)が5.0〜9.0μm、
    100μm当たりのRy>2.0μmの凸数が6個以上であり、
    かつ、100μm当たりのRy>2.0μmの凸部の頂部の平均間隔(S)が18μm以下となる部分が、全体の70%以上となるような粗面化面とすることを特徴とする請求項2記載の細径同軸ケーブルの製造方法。
  4. 前記電解金属メッキは、銅メッキであることを特徴とする請求項2または3のいずれか1項記載の細径同軸ケーブルの製造方法。
  5. 前記シールド導体の外周に保護絶縁を設けることを特徴とする請求項2から4のいずれか1項記載の細径同軸ケーブルの製造方法。
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