JP2929161B2 - 端末むきが容易なセミリジット同軸ケーブルおよびその製造方法 - Google Patents

端末むきが容易なセミリジット同軸ケーブルおよびその製造方法

Info

Publication number
JP2929161B2
JP2929161B2 JP6082376A JP8237694A JP2929161B2 JP 2929161 B2 JP2929161 B2 JP 2929161B2 JP 6082376 A JP6082376 A JP 6082376A JP 8237694 A JP8237694 A JP 8237694A JP 2929161 B2 JP2929161 B2 JP 2929161B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
insulator
coaxial cable
semi
plating
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP6082376A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH07272553A (ja
Inventor
周三 藤田
弘 北沢
俊一 吉村
直希 片桐
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Totoku Electric Co Ltd
Original Assignee
Totoku Electric Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Totoku Electric Co Ltd filed Critical Totoku Electric Co Ltd
Priority to JP6082376A priority Critical patent/JP2929161B2/ja
Priority to EP19950301962 priority patent/EP0675507B1/en
Priority to DE1995617462 priority patent/DE69517462T2/de
Publication of JPH07272553A publication Critical patent/JPH07272553A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2929161B2 publication Critical patent/JP2929161B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01BCABLES; CONDUCTORS; INSULATORS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR CONDUCTIVE, INSULATING OR DIELECTRIC PROPERTIES
    • H01B11/00Communication cables or conductors
    • H01B11/18Coaxial cables; Analogous cables having more than one inner conductor within a common outer conductor
    • H01B11/1808Construction of the conductors
    • H01B11/1817Co-axial cables with at least one metal deposit conductor
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01BCABLES; CONDUCTORS; INSULATORS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR CONDUCTIVE, INSULATING OR DIELECTRIC PROPERTIES
    • H01B11/00Communication cables or conductors
    • H01B11/18Coaxial cables; Analogous cables having more than one inner conductor within a common outer conductor
    • H01B11/1834Construction of the insulation between the conductors

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、同軸ケーブルおよびそ
の製造方法に関し、さらに詳しくは、情報通信機器,情
報処理機器等の電子機器の高周波回路基板,高周波部品
の信号伝達線路として用いられる端末むきが容易なセミ
リジット同軸ケーブルおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】図6に、公知の一般の同軸ケーブルの一
例を示す。この同軸ケーブル10は、中心導体1の外周
に低誘電率の絶縁体72を形成し、その絶縁体72の外
周に金属細線の編組,横巻き,金属箔の巻回等による外
部導体73を設け、その外部導体73の外周に例えばポ
リ塩化ビニル(PVC)樹脂を溶融押出しした保護被覆
層4を設けた構造である。
【0003】図5に公知のセミリジット同軸ケーブルの
一例を示す。このセミリジット同軸ケーブル9は、銅導
体等からなる中心導体1の外周に低誘電率の絶縁体6
2,例えば四弗化エチレン−パーフロロアルキルビニル
エーテル共重合体(PFA)樹脂等を溶融押出しにより
形成し、その外周に銅パイプ等の金属パイプを密着して
設けて外部導体63を形成した構造である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の一般の同軸
ケーブル10では、外部導体73に隙間があるので、シ
ールド特性が良好でない問題点がある。
【0005】一方、上記従来のセミリジット同軸ケーブ
ル9では、外部導体63に隙間がないので、シールド特
性が良好である。しかし、次の問題点がある。セミリジ
ット同軸ケーブル9を製造するには、まず絶縁導体60
を作成し、その絶縁導体60を太めの銅パイプに封入す
る。次に、その銅パイプをダイスを用いて引抜加工し、
絶縁導体60と銅パイプを密着させて外部導体63とす
る。密着性を良くするために絶縁導体60の外径と銅パ
イプの内径とを近似値とする必要があるが、そうすると
摩擦が大きくなって封入が困難となる。このため、短尺
品(例えば30m程度)しか製造できない問題点があ
る。
【0006】また、銅パイプは、独立した別工程で製造
されるうえに、真円度を要求される。このため、かなり
の厚みが必要とされる(例えば0.30mm) 。この厚み
は、引抜加工しても少ししか変わらない(例えば0.26m
m) ので、曲げにくく、巻取りが困難である。この点で
も、短尺品しか製造できない問題点がある。また、上記
のように短尺品しか製造できないので、保護被覆層を効
率よく形成することが出来ず、保護被覆層がない。この
ため、用途が限定される問題点がある。
【0007】また、引抜加工時にかなり強いストレスが
加わり、寸法精度が低下しやすい。このため、特性イン
ピーダンス,電圧定在波比(VSWR)等の高周波伝送
特性が安定しない問題点がある。更に、引抜加工により
製造するため、量産レベルでは約0.6mmの仕上り外
径が限度である。すなわち、細径化が困難な問題点もあ
る。
【0008】なお、前記した従来の一般の同軸ケーブル
10の外部導体をめっきにより設けた構造の同軸ケーブ
ルも、例えば特開平5−81938号公報に記載されて
いるように公知である。この同軸ケーブルにおいて、ワ
イヤ絶縁層がフッ素系樹脂の場合には、テトラエッチ
((株)潤工社,商品名)液によって表面を粗化し、銅
めっきとの密着性を高めることが望ましいと記載されて
いる。また表面の粗化方法としては実公昭43−200
14号公報にも金属ナトリウムを用いて低誘電率絶縁体
の表面を化学的エッチングを行うことが記載されてい
る。しかしながらこれらの処理剤は高価であるうえに危
険性が高く実用性に欠けているものである。またこのよ
うな処理を施すことにより低誘電率絶縁体とめっき層と
の密着性を高めているため、保護被覆層と低誘電率絶縁
体との分離が困難であり、高周波回路基板等に接続する
ために端末処理する際は、端末むきが難しかった。
【0009】そこで、本発明の目的は、良好なシールド
特性を有し,長尺品の製造が可能であり、保護被覆層を
効率良く形成でき,高周波伝送特性が安定であり,細径
化が可能であり、無電解めっきが低誘電率絶縁体に直接
するよりも容易であり、更に端末むきが容易なセミリジ
ット同軸ケーブルを提供することを目的とする。また、
そのセミリジット同軸ケーブルを好適に製造しうる製造
方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、中心導体の外周に、絶縁体として第1層
フッ素樹脂系の低誘電率絶縁体及び該第1層の絶縁
体よりも無電解めっきが容易な樹脂からなり,絶縁体の
厚さが5μm以上で且つ第1層の絶縁体の厚さの20%
以下で,第1層の絶縁体との密着力が弱い第2層の絶縁
体を順次設け、この外周に外部導体として、前記第2層
の絶縁体との密着力が強い無電解めっきアンカー金属層
及び該アンカー金属層との密着力が強い電気めっき良導
電性金属層を順次設けた端末むきが容易なセミリジット
同軸ケーブル(以下、同軸ケーブルと略記する)にあ
る。
【0011】また本発明は、前記外部導体の外周に、該
外部導体と保護被覆層間の密着力が前記第1層と第2層
間の密着力よりも強い保護被覆層を設け、また前記良導
電性金属層が銅めっき層と,光沢銅めっき層と,ストラ
イクニッケルめっき層あるいは錫めっき層とからなり
た前記第2層の絶縁体が樹脂の溶融押出層或はテープ
巻回層からなり、更に前記中心導体の外径が0.20mm以
下であり、同軸ケーブルの仕上外径が 0.90 mm以下の
細径である同軸ケーブルにある。
【0012】また本発明は、中心導体の外周に第1層の
フッ素樹脂系の低誘電率絶縁体(以下、第1層の絶縁体
と略記する)を被覆する第1層の絶縁体被覆工程と、前
記第1層の外周に該第1層の絶縁体よりも無電解めっき
が容易な樹脂からなり,絶縁体の厚さが5μm以上で且
つ第1層の絶縁体の厚さの20%以下で,第1層の絶縁
体との密着力が弱い第2層の絶縁体(以下、第2層の絶
縁体と略記する)を被覆する第2層の絶縁体被覆工程
と、前記第2層の絶縁体の表面に,該第2層との密着力
が強いアンカー金属層を形成する無電解めっき工程と
前記アンカー金属層の外周に,該アンカー金属層との密
着力が強い良導電性金属層を形成する電気めっき工程と
を有する同軸ケーブルの製造方法にある。
【0013】更に本発明は、前記良導電性金属層の外周
、該良導電性金属層と保護被覆層間の密着力が前記第
1層と第2層間の密着力よりも強い保護被覆層を設ける
外被形成工程をさらに有し、また前記電気めっき工程は
銅めっき層を形成する銅めっき工程と,光沢銅めっき層
を形成する光沢銅めっき工程と,ストライクニッケルめ
っき層を形成するストライクニッケルめっき工程あるい
は錫めっき層を形成する錫めっき工程とを有し、更に前
記電気めっき工程の後に熱処理工程を有する同軸ケーブ
ルの製造方法にある。
【0014】本発明において第2層の絶縁体の厚さを5
μm以上で、かつ第1層の絶縁体の厚さの20%以下と
限定した理由は、この第2層の絶縁体の厚さの5μmと
いう値は現在の技術レベルで設けられるほぼ下限の値
で、まためっきが可能でさや抜け出来る厚さであるため
であり、かつ20%以下としたのは、第1層の低誘電率
絶縁体を使用している同軸ケーブルの各種特性を保持す
るためである。
【0015】
【作用】本発明の同軸ケーブルでは第1層の絶縁体2a
の外周に、第2層の絶縁体2bを設けてから、まず無電
解めっきアンカー金属層3aを設け、さらにその外周
に、電気めっき良導電性金属層3bを設け、両者を合わ
せて外部導体3としている。従って、外部導体に隙間が
ないので、シールド特性は良好である。また、無電解め
っき及び電解めっきで外部導体3を形成するので、絶縁
導体を銅パイプに封入する必要がなく、さらに外部導体
を薄く(例えば 0.10 mm)形成できるので、曲げやす
く、巻取りも容易になり、一条1000m以上の長尺品を製
造できる。また、長尺品を製造できるので、保護被覆層
4を効率良く形成できる。このため、広い用途に使用で
きる。また、めっきの液圧しか加わらないため、寸法精
度の低下がなく、特性インピーダンス,電圧定在波比
(VSWR)等の高周波伝送特性が安定になる。さら
に、仕上り外径0.90mm以下の細径化も可能となる。
【0016 】上記構成の同軸ケーブルにおいて、前記良
導電性金属層3bを、銅めっき層3cと,光沢銅めっき
層3dと,ストライクニッケルめっき層あるいは錫めっ
き層3eとから構成すれば、アンカー金属層3aを介し
た銅めっき層3cにより第2層の絶縁体2bとの密着性
が向上し、光沢銅めっき層3dにより導電性が向上し、
ストライクニッケルめっき層あるいは錫めっき層3eに
より耐蝕性,はんだ付け性が向上するので、特に好まし
い。
【0017】上記構成の同軸ケーブルにおいて、前記
1層のフッ素樹脂系の低誘電率絶縁体を、例えば四弗化
エチレン樹脂(PTFE),四弗化エチレン−パーフロ
ロアルキルビニルエーテル共重合体樹脂(PFA),四
弗化エチレン−六弗化プロピレン共重合体樹脂(FE
P),四弗化エチレン−エチレン共重合体樹脂(ETF
E)等から構成し、この外周に第2層の絶縁体,例えば
ポリエステル樹脂,ポリアミド樹脂等の溶融押出層或は
テープ巻回層を設けることにより、表面を粗化しなくて
も無電解めっき及び電気めっきで外部導体を形成できる
ので、好ましい。なおPVC樹脂を用いることもできる
が、この場合PVCははっ水性があるので強酸等による
表面処理をしたほうが好ましい。
【0018】上記構成の同軸ケーブルにおいて、前記中
心導体の外径を0.20mm以下とし、同軸ケーブルの仕上
外径を 0.90 mm以下のより細径とすれば、電子機器の
機器内配線材として好適に利用でき、好ましい。
【0019】また本発明の同軸ケーブルに於いては、第
2層の絶縁体2bが第1層の絶縁体2aの外周に薄くチ
ュービング或はテープ巻きされているだけなので第1層
と第2層の密着力は弱い。これに対し、第2層の絶縁体
2bとアンカー金属層3aの密着力,アンカー金属層3
aと良導電性金属層3bの密着力,また良導電性金属層
3bと保護被覆層の密着力は前記第1層と第2層間の密
着力と比較してかなり強い。従って、ストリッパー等に
よる端末処理の際は、本発明の同軸ケーブルの端末むき
を説明するための略図7に示す如く、外部導体3が設け
られた第2層の絶縁体2bと保護被覆層4とが一体とな
って第1層の絶縁体2aから容易にさや抜け出来るよう
になり、端末むきが容易となる。なお、図7(a)は端
末むきされた同軸ケーブルを示す斜視図であり、また同
図(b)はさや抜けした部分を示す斜視図である。
【0020】本発明の同軸ケーブルの製造方法によれ
ば、前記第1層の絶縁体被覆工程,第2層の絶縁体被覆
工程,無電解めっき工程,及び電気めっき工程,更には
外被形成工程により前記端末むきが容易なセミリジット
同軸ケーブルが効率良く製造できる。更に説明すると、
そのままでは無電解めっきが困難な第1層の低誘電率絶
縁体の外周に,第1層の絶縁体よりも無電解めっきが容
易な樹脂からなる第2層の絶縁体を設けることにより、
表面を粗化しなくても無電解めっきによりアンカー金属
層を設けることができる。そして、このアンカー金属層
の外周に電気めっきにより良導電性金属層を設けて、外
部導体が形成できる。このため、第2層の絶縁体の外周
に、密着性良く,十分な厚さに,ストレスを加えること
なく、外部導体を形成できる。そして、これにより、上
記作用を持つ同軸ケーブルを好適に製造できる。
【0021】また本発明の同軸ケーブルの製造方法は、
第1層の絶縁体2aよりも無電解めっきが容易な樹脂か
らなる第2層の絶縁体2bを設けてから無電解めっきす
るので、低誘電率絶縁体の外周に直接無電解めっきする
際に必要とされる金属ナトリウム等を用いた化学的エッ
チングが不要となる。
【0022】更に、上記構成の同軸ケーブルの製造方法
において、前記電気めっきにより良導電性金属層を設け
た後、熱処理すれば、同軸ケーブルの屈曲性を向上で
き、好ましい。
【0023】
【実施例】以下、図に示す実施例により本発明をさらに
説明する。なお、これにより本発明が限定されるもので
はない。
【0024】実施例1 図1は、本発明の実施例1の細径セミリジット同軸ケー
ブルを示す断面図である。この細径同軸ケーブル5は、
中心導体1と,絶縁体2と,外部導体3と,保護被覆層
4を順に設けた構造であり、外径0.93mm, 条長1000m
以上である。前記中心導体1は、外径 0.20 mmの銀め
っき銅線である。前記絶縁体2は厚さ 0.20 mmのPT
FEの焼成体からなる第1層の絶縁体2aと厚さ0.015
mmのポリアミド樹脂の溶融押出体からなる第2層の絶
縁体2bとからなっている。前記外部導体3は、厚さ2
μmのNi−P無電解めっきによるアンカー金属層3a
と,厚さ 107μmの電気めっきによる良導電性金属層3
bとからなっている。その良導電性金属層3bは、図4
の(f)に示すように、厚さ5μmの銅めっき層3c
と,厚さ 100μmの光沢銅めっき層3dと,厚さ2μm
のストライクニッケルめっき層3eとからなっている前
記保護被覆層4は、厚さ0.041 mmのPVC樹脂であ
る。
【0025】図3は、本発明の細径セミリジット同軸ケ
ーブルの製造方法のフロー図である。上記細径同軸ケー
ブル5の製造を例にとって説明する。第1層の絶縁体被
覆工程F1では、外径 0.20 mmの銀めっき銅線を中心
導体1として用い、この外周上にペースト状のPTFE
をペースト押出し、焼成し、0.20mm厚の第1層の絶縁
体2aを設ける。続いて、第2層の絶縁体被覆工程F2
として前記第1層の絶縁体2aの外周上にポリアミド樹
脂を0.015 mm厚さに溶融押出しして第2層の絶縁体2
bを設ける。続いてこの絶縁体2bの表面をアルコール
により洗浄し、図4の(a)に示す表面の油等の汚れ3
0を除去する。
【0026】無電解めっき工程F3では、まず前処理と
して、湯洗,水洗を行い、二塩化第一錫(SnC12)を
吸着させ(感受性化,センシタイジング)、さらに二塩
化パラジウム(PdC12)溶液に浸漬して、図4の
(b)に示すようにパラジウム(Pd)31を第2層の
絶縁体2bの表面に還元析出(アクチベイティング)さ
せる。次に、80℃の無電解ニッケル−リン(Ni−
P)めっき液(P=3%)を用いて5分間,無電解めっ
きを行い、図4の(c)に示すようにNi−Pを析出さ
せ、2μm厚のアンカー金属層3aを設ける。続いて、
超音波水洗を行う。
【0027】電気めっき工程F4では、25℃の硫酸銅
めっき液を用いて1A/dm2 の電流条件で20分間,
銅の電気めっきを行い、図4の(d)に示すように5μ
m厚の銅めっき層3cを設ける。続いて、25℃の光沢
硫酸銅めっき液を用いて5A/dm2 の電流条件で90
分間,電気めっきを行い、図4の(e)に示すように10
0μm厚の光沢銅めっき層3dを設ける。続いて、20
℃のストライクニッケルめっき液を用いて5A/dm2
の電流条件で5分間,電気めっきを行い、図4の(f)
に示すように2μm厚のストライクニッケルめっき層3
eを設ける。以上により、良導電性金属層3bを形成し
たら、超音波水洗を行い,乾燥させる。
【0028】この後、150 ℃で10分間,熱処理する。
この熱処理は必ずしも必要ないが、この熱処理を行えば
細径同軸ケーブルの屈曲性が向上する。外被形成工程F
5では、PVC樹脂を押出しして、0.041 mm厚の保護
被覆層4を設ける。
【0029】実施例2 図2は、本発明の実施例2の細径セミリジット同軸ケー
ブルを示す断面図である。この細径同軸ケーブル6は、
中心導体1と,第1層の絶縁体20a及び第2層の絶縁
体20bからなる絶縁体2と,外部導体3と,保護被覆
層4を順に設けた構造であり、外径0.72mm, 条長1000
m以上である。前記中心導体1は、外径0.10mmの銀め
っき銅線である。前記第1層の絶縁体20aは、厚さ0.
10mmの四弗化エチレン−パーフロロアルキルビニルエ
ーテル共重合体樹脂(PFA)である。第2層の絶縁体
20bは、0.005 mm厚×3mm幅のポリエステルテー
プをスパイラル状に2重巻きした0.010 mm厚のテープ
巻回層である。前記外部導体3は、厚さ1μmのNi−
P無電解めっきによるアンカー金属層3aと,厚さ80
μmの良導電性金属層3bとからなっている。その良導
電性金属層3bは、5μm厚の銅めっき層3cと73μ
m厚の光沢銅めっき層3dと、2μm厚の錫めっき層3
eとからなっている。前記保護被覆層4は、厚さ0.119
mmのPVC樹脂である。
【0030】図3のフロー図により、上記細径同軸ケー
ブル6の製造方法を説明する。第1層の絶縁体被覆工程
F1では、外径0.10mmの銀めっき銅線を中心導体1と
して用い、この外周上に四弗化エチレン−パーフロロア
ルキルビニルエーテル共重合体樹脂(PFA)を押出
し、0.10mm厚の第1層の絶縁体20aを設ける。第2
層の絶縁体被覆工程F2では、0.005 mm厚×3mm幅
のポリエステルテープを第1層の絶縁体20aの外周に
2重にスパイラル状に巻回し0.010 mm厚のテープ巻回
層とし、第2層の絶縁体20bを設ける。
【0031】無電解めっき工程F3では、まず実施例1
と同様に前処理し、次に80℃の無電解ニッケル−リン
(Ni−P)めっき液を用いて無電解めっきを行い、1
μm厚のアンカー金属層3aを設ける。続いて、超音波
水洗を行う。電気めっき工程F4では、25℃の硫酸銅
めっき液を用いて電気めっきを行い、5μm厚の銅めっ
き層3cを設ける。続いて、25℃の光沢硫酸銅めっき
液を用いて電気めっきを行い、73μm厚の光沢銅めっ
き層3dを設ける。続いて、25℃の酸性錫めっき液を
用いて5A/dm2 の電流条件で5分間,電気めっきを
行い、2μm厚の錫めっき層3eを設ける。以上によ
り、良導電性金属層3bを形成したら、超音波水洗を行
い,乾燥させる。外被形成工程F5では、PVC樹脂を
溶融押出しして、厚さ0.119 mmの保護被覆層4を設け
る。
【0032】前記実施例1,2により得られた細径同軸
ケーブル5,6についてストリッパーを用いて端末むき
を行ったところ、外部導体3が設けられた第2層の絶縁
体2bと保護被覆層4とが一体となって第1層の絶縁体
2aから容易にさや抜け出来た。
【0033】他の実施例 上記実施例1,2の無電解Ni−Pめっきの代わりに、
銅,ニッケル−硼素(Ni−B)等の無電解めっきを行
って、アンカー金属層3aを形成してもよい。また、電
気めっきの銅の代わりに、銀を使って、良導電性金属層
3bを形成してもよい。
【0034】
【発明の効果】本発明の同軸ケーブルおよびその製造方
法によれば、外部導体をめっきで薄く形成するので、外
部導体に隙間がなく、シールド特性が良好となる。ま
た、曲げやすく、巻取りも容易になり、一条1000m以上
の長尺品を製造できる。また、保護被覆層を効率良く形
成できるため、広い用途に使用できる。また、寸法精度
が高く、高周波伝送特性が安定になる。また、仕上がり
外径 0.90 mm以下の細径化も可能となる。また、無電
解めっきが低誘電率絶縁体に直接するよりも容易とな
り、更に端末むきが容易となる。そこで、高周波回路基
板,高周波部品等における高周波信号の伝送線路,機器
内配線材あるいはコイル等の巻線材として有用である。
【0035】特に、外部導体を、無電解めっきアンカー
金属層と,このアンカー金属層の外周に設けた電気めっ
き良導電性金属層とから構成し、その良導電性金属層
を、銅めっき層と,光沢銅めっき層と,ストライクニッ
ケルめっき層あるいは錫めっき層とから構成すれば、密
着性,導電性,耐蝕性,はんだ付け性を向上することが
出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1の細径セミリジット同軸ケー
ブルを示す断面図である。
【図2】本発明の実施例2の細径セミリジット同軸ケー
ブルを示す断面図である。
【図3】本発明の細径セミリジット同軸ケーブルの製造
方法を示すフロー図である。
【図4】図1の細径セミリジット同軸ケーブルの外部導
体の形成過程を示す説明図である。
【図5】公知のセミリジット同軸ケーブルの一例を示す
断面図である。
【図6】公知の一般の同軸ケーブルの一例を示す一部切
り欠き正面図である。
【図7】本発明のセミリジット同軸ケーブルの端末むき
を説明するための略図である。(a)は端末むきされた
セミリジット同軸ケーブルを示す斜視図である。(b)
はさや抜けした部分を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 中心導体 2 絶縁体 2a 低誘電率絶縁体(第1層の絶縁体) 2b 第1層の絶縁体よりも無電解めっきが容易な樹脂
からなる第2層の絶縁体(第2層の絶縁体) 3 外部導体 3a アンカー金属層 3b 良導電性金属層 3c 銅めっき層 3d 光沢銅めっき層 3e ストライクニッケルめっき層あるいは錫めっき層 4 保護被覆層 5,6 細径セミリジット同軸ケーブル
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−129377(JP,A) 実公 昭49−4704(JP,Y1) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01B 11/18 H01B 13/00 553 C23C 18/00 - 20/08

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中心導体の外周に、絶縁体として第1
    層のフッ素樹脂系の低誘電率絶縁体及び該第1層の絶
    縁体よりも無電解めっきが容易な樹脂からなり,絶縁体
    の厚さが5μm以上で且つ第1層の絶縁体の厚さの20
    %以下で,第1層の絶縁体との密着力が弱い第2層の絶
    縁体を順次設け、この外周に外部導体として、前記第2
    層の絶縁体との密着力が強い無電解めっきアンカー金属
    層及び該アンカー金属層との密着力が強い電気めっき良
    導電性金属層を順次設けたことを特徴とする端末むきが
    容易なセミリジット同軸ケーブル
  2. 【請求項2】 前記外部導体の外周に、該外部導体と保
    護被覆層間の密着力が前記第1層と第2層間の密着力よ
    りも強い保護被覆層を設けたことを特徴とする請求項1
    記載の端末むきが容易なセミリジット同軸ケーブル。
  3. 【請求項3】 前記良導電性金属層が銅めっき層と,光
    沢銅めっき層と,ストライクニッケルめっき層あるいは
    錫めっき層とからなることを特徴とする請求項1または
    2記載の端末むきが容易なセミリジット同軸ケーブル。
  4. 【請求項4】 前記第2層の絶縁体が樹脂の溶融押出層
    或はテープ巻回層からなることを特徴とする請求項1,
    2または3記載の端末むきが容易なセミリジット同軸ケ
    ーブル。
  5. 【請求項5】 前記中心導体の外径が0.20mm以下であ
    り、同軸ケーブルの仕上外径が 0.90 mm以下の細径で
    あることを特徴とする請求項1,2,3または4記載の
    端末むきが容易なセミリジット同軸ケーブル。
  6. 【請求項6】 中心導体の外周に第1層のフッ素樹脂系
    の低誘電率絶縁体を被覆する第1層の絶縁体被覆工程
    と、前記第1層の外周に該第1層の絶縁体よりも無電解
    めっきが容易な樹脂からなり,絶縁体の厚さが5μm以
    上で且つ第1層の絶縁体の厚さの20%以下で,第1層
    の絶縁体との密着力が弱い第2層の絶縁体を被覆する第
    2層の絶縁体被覆工程と、前記第2層の絶縁体の表面
    に,該第2層との密着力が強いアンカー金属層を形成す
    る無電解めっき工程と、前記アンカー金属層の外周に,
    該アンカー金属層との密着力が強い良導電性金属層を形
    成する電気めっき工程とを有することを特徴とする端末
    むきが容易なセミリジット同軸ケーブルの製造方法。
  7. 【請求項7】 前記良導電性金属層の外周に、該良導電
    性金属層と保護被覆層間の密着力が前記第1層と第2層
    間の密着力よりも強い保護被覆層を設ける外被形成工程
    をさらに有することを特徴とする請求項6記載の端末む
    きが容易なセミリジット同軸ケーブルの製造方法。
  8. 【請求項8】 前記電気めっき工程は銅めっき層を形成
    する銅めっき工程と,光沢銅めっき層を形成する光沢銅
    めっき工程と,ストライクニッケルめっき層を形成する
    ストライクニッケルめっき工程あるいは錫めっき層を形
    成する錫めっき工程とを有することを特徴とする請求項
    6または7記載の端末むきが容易なセミリジット同軸ケ
    ーブルの製造方法。
  9. 【請求項9】 前記電気めっき工程の後に熱処理工程を
    有することを特徴とする請求項6,7または8記載の端
    末むきが容易なセミリジット同軸ケーブルの製造方法。
JP6082376A 1994-03-28 1994-03-28 端末むきが容易なセミリジット同軸ケーブルおよびその製造方法 Expired - Fee Related JP2929161B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6082376A JP2929161B2 (ja) 1994-03-28 1994-03-28 端末むきが容易なセミリジット同軸ケーブルおよびその製造方法
EP19950301962 EP0675507B1 (en) 1994-03-28 1995-03-23 Semirigid coaxial cable and its method of manufacture
DE1995617462 DE69517462T2 (de) 1994-03-28 1995-03-23 Semirigides Koaxialkabel sowie Verfahren zur Herstellung desselben

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6082376A JP2929161B2 (ja) 1994-03-28 1994-03-28 端末むきが容易なセミリジット同軸ケーブルおよびその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH07272553A JPH07272553A (ja) 1995-10-20
JP2929161B2 true JP2929161B2 (ja) 1999-08-03

Family

ID=13772872

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6082376A Expired - Fee Related JP2929161B2 (ja) 1994-03-28 1994-03-28 端末むきが容易なセミリジット同軸ケーブルおよびその製造方法

Country Status (3)

Country Link
EP (1) EP0675507B1 (ja)
JP (1) JP2929161B2 (ja)
DE (1) DE69517462T2 (ja)

Families Citing this family (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5574260B1 (en) * 1995-03-06 2000-01-18 Gore & Ass Composite conductor having improved high frequency signal transmission characteristics
KR100617289B1 (ko) * 2000-06-28 2006-08-30 엘지.필립스 엘시디 주식회사 백라이트 와이어의 단선방지 구조
DE10063542A1 (de) * 2000-12-20 2002-06-27 Alcatel Sa Elektrische Leitung und Verfahren zu ihrer Herstellung
JP4103360B2 (ja) * 2001-08-22 2008-06-18 日本電気株式会社 セミリジッドケーブル
JP3671919B2 (ja) 2002-03-05 2005-07-13 日立電線株式会社 同軸ケーブル及び同軸多心ケーブル
US10109904B2 (en) 2015-08-11 2018-10-23 Keysight Technologies, Inc. Coaxial transmission line including electrically thin resistive layer and associated methods
JP6699378B2 (ja) * 2016-06-14 2020-05-27 Tdk株式会社 コイル部品
WO2019074470A1 (en) 2017-10-09 2019-04-18 Keysight Technologies, Inc. MANUFACTURE OF HYBRID COAXIAL CABLE
JP7243499B2 (ja) * 2019-07-11 2023-03-22 株式会社プロテリアル 高周波信号伝送用ケーブル及びその製造方法
JP7294011B2 (ja) * 2019-09-10 2023-06-20 株式会社プロテリアル 信号伝送用ケーブル

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4773976A (en) * 1986-04-14 1988-09-27 Northern Telecom Limited Method of making an insulated electrical conductor

Also Published As

Publication number Publication date
EP0675507A2 (en) 1995-10-04
EP0675507A3 (en) 1996-09-18
DE69517462D1 (de) 2000-07-20
DE69517462T2 (de) 2001-03-08
EP0675507B1 (en) 2000-06-14
JPH07272553A (ja) 1995-10-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6218624B1 (en) Coaxial cable
JP2003036740A (ja) 2重横巻2心平行極細同軸ケーブル
US6953888B2 (en) Thin coaxial cable and method for its manufacture
JP2929161B2 (ja) 端末むきが容易なセミリジット同軸ケーブルおよびその製造方法
JP3900864B2 (ja) 2心平行極細同軸ケーブル
JP3010336B2 (ja) 同軸ケーブルおよびその製造方法
JP3994698B2 (ja) セミフレキシブル極細同軸線及びその端末接続方法
JP4942539B2 (ja) 同軸ケーブル
JP2003249129A (ja) 細径同軸ケーブルおよびその製造方法
JP4137255B2 (ja) 同軸ケーブル
JP2008004275A (ja) 2芯平行同軸ケーブル
JP3443784B2 (ja) 高周波用同軸ケーブルの製造方法
JP2003051219A (ja) 超極細同軸ケーブル
JP2003187649A (ja) セミフレキシブル同軸線
JP3599308B2 (ja) セミリジッド同軸ケーブル及びその製造方法
JP2003031046A (ja) 蒸着テープ縦添え2心平行極細同軸ケーブル
JP2007335124A (ja) 同軸ケーブル及びその製造方法
JP3346535B2 (ja) めっきアルミニウム電線、絶縁めっきアルミニウム電線およびこれらの製造方法
JP2003223816A (ja) フラットシールドケーブル
JP3625369B2 (ja) セミリジッド型同軸ケーブルおよびその製造方法
JP2006294552A (ja) 同軸ケーブル及びそれを用いたプローブケーブル
JP2003031045A (ja) 蒸着テープ縦添え2心平行極細同軸ケーブル
JP2006294312A (ja) 同軸ケーブル及びその製造方法
JP2002358842A (ja) 極細同軸ケーブルの外部導体層構造及び極細同軸ケーブル
JP6746445B2 (ja) 同軸ケーブル

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090521

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090521

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100521

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100521

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110521

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120521

Year of fee payment: 13

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees