JP2003051219A - 超極細同軸ケーブル - Google Patents

超極細同軸ケーブル

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JP2003051219A JP2001238234A JP2001238234A JP2003051219A JP 2003051219 A JP2003051219 A JP 2003051219A JP 2001238234 A JP2001238234 A JP 2001238234A JP 2001238234 A JP2001238234 A JP 2001238234A JP 2003051219 A JP2003051219 A JP 2003051219A
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仁志 上野
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寛大 田中
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良平 岡田
Yuichi Shigeta
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 中心導体に単線を使用し、かつ電気特性、屈
曲特性、端末はんだ付け性が良好な超極細同軸ケーブル
を提供することにある。 【解決手段】 単線の銅合金線2の外周に、厚さが1μ
m以上の銀系、スズ系、又はニッケル系からなるめっき
層3を形成して線径が80μm以下の中心導体4とし、
中心導体4の外周を絶縁体5で被覆し、絶縁体5の外周
にシールド導体6を設け、シールド導体6の外周をジャ
ケット7で被覆したものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、医療機器用ケーブ
ル等に使用される超極細同軸ケーブルに係り、特に、中
心導体として単線の銅合金線を用い、そのめっき厚さを
調節して電気特性、屈曲特性、端末はんだ付け性の向上
を図った超極細同軸ケーブルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】医療機器、電子機器、ICテスタの小型
化に伴い、それらに使用されるケーブルも細径化が進ん
でいる。特に、外径が数十μmの超極細同軸ケーブルを
数百本より合わせてなる超音波診断装置用ケーブルで
は、外径は従来と同等で線芯数を多くしたケーブルが求
められている。
【0003】従来の超極細同軸ケーブルの中心導体に
は、線径が30μmの銅合金線(例えば、Cu−0.3
mass%Sn合金線)を7本より合わせた導体が広く
用いられている。中心導体には、端末はんだ付け性を良
好にするため、スズ、もしくは銀がめっきされている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題 】従来の超極細ケーブ
ルのように、中心導体により線を使用した場合の細径化
の限界は、線径が16μmの素線を7本より合わせた外
径が約46μmの中心導体である。中心導体の外径の限
界は、言い換えれば、46AWG(American WireGaug
e:アメリカ式針金ゲージ)サイズである。中心導体を
単線で構成すれば、さらに細径化が図れると共に、生産
性が大幅に向上する。
【0005】しかしながら、中心導体に単線を用いると
屈曲特性が低下するという問題があり、可動部配線への
使用には慎重に対応しなければならない。
【0006】そこで、本発明の目的は、中心導体に単線
を使用し、かつ電気特性、屈曲特性、端末はんだ付け性
が良好な超極細同軸ケーブルを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するために創案されたものであり、請求項1の発明は、
単線の銅合金線の外周に、厚さが1μm以上の銀系、ス
ズ系、又はニッケル系からなるめっき層を形成して線径
が80μm以下の中心導体とし、中心導体の外周を絶縁
体で被覆し、絶縁体の外周にシールド導体を設け、シー
ルド導体の外周をジャケットで被覆した超極細同軸ケー
ブルである。
【0008】請求項2の発明は、単線の銅合金線は、1
000MPa以上の引張強さを有する請求項1記載の超
極細同軸ケーブルである。
【0009】請求項3の発明は、中心導体の外周を絶縁
体で被覆したコアが1心からなり、ジャケットを被覆し
たときの外径が0.2mm以下である請求項1または2
記載の超極細同軸ケーブルである。
【0010】請求項4の発明は、中心導体の外周を絶縁
体で被覆したコアが2心からなり、ジャケットを被覆し
たときの長軸方向の外径が1.0mm以下である請求項
1または2記載の超極細同軸ケーブルである。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適実施の形態を
添付図面にしたがって説明する。
【0012】図1は、本発明の好適実施の形態である超
極細同軸ケーブルの断面図を示したものである。
【0013】図1に示すように、本発明に係る超極細同
軸ケーブル1は、例えば、医療機器、電子機器、ICテ
スタなどに使用されるものであり、より詳細には、数百
本より合わせられて超音波診断装置用ケーブルとして使
用されるものである。
【0014】超極細同軸ケーブル1は、単線の銅合金線
2の外周に、厚さが1μm以上の銀からなるめっき層3
を形成して線径φiが80μm以下、好ましくは40m
m以下の中心導体4とし、中心導体4の外周を絶縁体5
で被覆し、絶縁体5の外周にシールド導体6を設け、シ
ールド導体6の外周をジャケット7で被覆したものであ
る。この超極細同軸ケーブル1は、中心導体4の外周を
絶縁体5で被覆したコア8が1心からなっており、断面
が円形状となっている。
【0015】単線の銅合金線2には、屈曲特性を考慮し
て、例えば、1000MPa以上の引張強さを有するも
のを用いている。屈曲特性は、曲げひずみが小さい領域
では引張強さが大きいほど良好なためである。引張強さ
が1000MPa未満では、従来から使用されているC
u−0.3mass%Sn合金線との優位差が明確に現
れないためである。これを満足する単線の銅合金線2
は、高強度・高導電材料である繊維強化型銅合金が望ま
しい。具体的には、Cu−xmass%Ag合金、Cu
−xmass%Nb合金、Cu−xmass%Cr合
金、Cu−xmass%Fe合金(x=5〜20)等が
挙げられる。
【0016】めっき層3として銀めっきを使用すると、
めっき層3の導電性が高く電気特性が良好であるという
利点がある。めっき層3としては、銀めっきのみなら
ず、Snめっき系、Niめっき系でもケーブル1の屈曲
特性は向上するが、電気特性に関しては銀が最も優れて
いる。はんだ付け性については、銀めっき、Snめっき
系、Niめっき系とも同等である。
【0017】めっき層3の厚さを1μm以上としたの
は、めっき3層が薄いと耐食性が低下し、端末はんだ付
け性が低下するためである。さらに好ましくは、めっき
層3の厚さを2μm以上とするのが良い。また、めっき
層の厚さは3μm以下とするのが好ましい。めっき層3
をあまり厚く形成すると、コストアップになるためと、
線材強度が低下するためである。したがって、めっき層
3の厚さは、性能面とコスト面を考慮すれば、2μm以
上3μm以下が好ましい範囲である。
【0018】絶縁体5は、中心導体4を絶縁するための
ものである。絶縁体5としては、例えば、充実フッ素樹
脂を使用している。具体的には、四フッ化エチレン・六
フッ化プロピレン共重合体(FEP:Copolymer of Tet
rafluoroethylene and Hexafluoropropylene)、四フッ
化エチレン・パーフロロプロピルビニルエーテル共重合
体(PFA:Copolymer of Tetrafluoroethylene and P
erfluoroalkoxy)、エチレン・四フッ化エチレン共重合
体(ETFE:Copolymer of Ethylene and Tetrafluor
oethylene)などが挙げられる。
【0019】中心導体4の外周を絶縁体5で被覆したコ
ア4の外径φcは0.1mmである。中心導体4の外径
φiは0.04mmで、絶縁体5の肉厚は0.03mm
である。
【0020】シールド導体6は、ノイズを除去するため
のものである。シールド導体6としては、例えば、絶縁
体5の外周に、多数本の銀めっき銅合金線6a,6b…
を所定ピッチでらせん状に横巻して形成される横巻シー
ルドを用いている。銀めっき銅合金線6a,6b…は、
銀めっき厚さが0.8μm、線径φsが0.02mmの
Cu−0.3mass%Sn合金線である。
【0021】ジャケット7は、ケーブル1の防水や機械
的保護のためのものである。ジャケット7としては、例
えば、FEPを用いている。ジャケット7の肉厚は0.
02mmである。
【0022】本発明に係る超極細ケーブル1のジャケッ
トを被覆したときの外径φは、0.18mmであり、
0.2mm以下となるようにしている。外径φを0.2
mm以下にしたのは、外径φが0.2mmよりも太い場
合は剛性が大きくなるので、ケーブル1をより合わせて
超音波診断装置用ケーブルなどの製品にした際に、超音
波診断装置用ケーブルなどが硬くなって取り扱い性が悪
くなるからである。
【0023】本発明の特徴は、中心導体として単線の銅
合金線を使用してケーブルの一層の細径化を図り、さら
に単線の合金線の外周に厚さが1μm以上のめっき層を
形成してケーブルの電気特性、屈曲特性、端末はんだ付
け性の向上を図ったことにある。
【0024】次に、本発明に係る超極細同軸ケーブル1
の電気特性、屈曲特性、端末はんだ付け性を評価するべ
く、めっき層3として銀めっきを用い、その銀めっき厚
さを変えた5つのサンプルを作製した。
【0025】本発明に係るケーブル1として、中心導体
4に銀めっき厚さが1.0μm、線径φiが0.04m
mの銀めっきCu−5mass%Ag合金線を使用し、
図1で説明した構造の超極細同軸ケーブルを作製した。
【0026】さらに、本発明に係るケーブル1として、
中心導体4に銀めっき厚さが2.0μm、線径φiが
0.04mmの銀めっきCu−5mass%Ag合金線
を使用し、図1で説明した構造の超極細同軸ケーブルを
作製した。
【0027】また、これら銀めっき厚さが1.0μmの
ケーブル1と銀めっき厚さが2.0μmのケーブル1と
の比較のために、比較例1〜3としての超極細同軸ケー
ブルを作製した。比較例1は、中心導体に線径φiが
0.04mmのCu−5mass%Ag合金裸線を使用
したケーブルである。比較例2は、中心導体に銀めっき
厚さが0.3μm、線径φiが0.04mmの銀めっき
Cu−5mass%Ag合金線を使用したケーブルであ
る。比較例3は、中心導体に銀めっき厚さが0.6μ
m、線径φiが0.04mmの銀めっきCu−5mas
s%Ag合金線を使用したケーブルである。
【0028】まず、電気特性を評価する。
【0029】図2は、本発明に係る超極細同軸ケーブル
1と比較例1〜3のケーブルの電気特性を、横軸を対数
目盛の周波数(MHz)にとり、縦軸を減衰量(dB/
m)にとって示した図である。電気特性は、周波数ごと
の減衰量を比較した際に、減衰量の値が大きいほど良好
である。
【0030】図2では、本発明に係る銀めっき厚さが
2.0μmのケーブル1を白丸プロットの実線で、本発
明に係る銀めっき厚さが1.0μmのケーブル1を黒丸
プロットの点線でそれぞれ表している。また、比較例3
の銀めっき厚さが0.6μmのケーブルを四角プロット
の実線で、比較例2の銀めっき厚さが0.3μmのケー
ブルを黒四角プロットの点線で、比較例1の銀めっきが
ないケーブルをひし形プロットの実線でそれぞれ表して
いる。
【0031】図2に示すように、本発明に係る銀めっき
厚さが2.0μmのケーブル1は、いずれの周波数にお
いても減衰量の値が最も大きく、本発明に係る銀めっき
厚さが1.0μmのケーブル1は、いずれの周波数にお
いても減衰量の値が2番目に大きく、比較例1〜3のケ
ーブルよりも電気特性が良好であることがわかる。
【0032】ここで、電気特性をより詳細に評価するた
め、ある周波数において銀めっき厚さが0μmのときの
減衰量をA0 、銀めっき厚さがxμmのときの減衰量を
Xとしたとき、減衰量の差A0 −AX の値を比較し
た。
【0033】図3は、本発明に係る超極細同軸ケーブル
1と比較例1〜3のケーブルの電気特性を、横軸を対数
目盛の周波数(MHz)にとり、縦軸を減衰量の差A0
−A X (dB/m)にとって示した図である。電気特性
は、周波数ごとの減衰量の差を比較した際に、減衰量の
差が小さいほど良好である。図3で表している記号は、
図2と同じである。
【0034】図3に示すように、本発明に係る銀めっき
厚さが2.0μmのケーブル1は、いずれの周波数にお
いても減衰量の差が最も小さく、電気特性が非常に良好
であることがわかる。特に、周波数が高くなるにつれて
減衰量の差が急激に小さくなり、周波数が100MHz
近辺では減衰量の差が−0.3dB/mとなって電気特
性が非常によい。
【0035】本発明に係る銀めっき厚さが1.0μmの
ケーブル1は、いずれの周波数においても減衰量の差が
2番目に小さく、やはり電気特性が良好であることがわ
かる。特に、周波数が100MHz近辺では減衰量の差
が−0.13dB/mとなって電気特性がよい。
【0036】一方、比較例1〜3のケーブルは、銀めっ
き厚さが薄くなるにつれて減衰量の差が大きくなってお
り、電気特性が悪くなっている。これにより、銀めっき
厚さが厚いほど電気特性が良好となることがわかる。
【0037】次に、屈曲特性を評価する。
【0038】図4は、本発明に係る超極細同軸ケーブル
1と比較例1〜3のケーブルの屈曲特性と、単線の銅合
金線の外周に銀めっきを形成した中心導体(素線)の屈
曲特性とを、横軸を銀めっき厚さ(μm)にとり、縦軸
を屈曲寿命(回)にとって示した図である。図4では、
本発明と比較例1〜3の同軸ケーブルにおける屈曲特性
を白丸プロットの点線で、素線における屈曲特性を黒丸
プロットの実線でそれぞれ表している。
【0039】屈曲試験は、ケーブル端末に50gfの荷
重をかけ、曲げr=2mm、速度30cycle/mi
nの条件で左右90度曲げ試験を行い、中心導体が破断
するまでの回数を評価した。
【0040】図4に示すように、本発明に係る銀めっき
厚さが2.0μmのケーブル1は、屈曲寿命が9000
回以上であり、屈曲特性が非常に良好であることが分か
る。本発明に係る銀めっき厚さが1.0μmのケーブル
1は、屈曲寿命が6000回以上であり、やはり屈曲特
性が良好である。
【0041】一方、比較例1〜3のケーブルは、銀めっ
き厚さが薄くなるほど屈曲寿命が少なくなっており、屈
曲特性が悪くなっている。これにより、銀めっき厚さが
厚いほど屈曲特性が良好となることが分かる。また、素
線の場合もケーブルと同様、銀めっき厚さが厚いほど屈
曲特性が良好となる。
【0042】はんだ付け性については、ケーブル端末の
ジャケット、外部シールド、絶縁体を除去して中心導体
を露出させ、露出した中心導体を210℃に加熱された
はんだ槽に5sec浸漬させた後、中心導体の外観につ
いて走査電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Micr
oscope)観察を行い、はんだが濡れているか否かを判定
した。すなわち、中心導体の表面に、はんだがよくなじ
み、均一で、凹凸がなく、滑らかに広がっているか否か
を判定した。
【0043】以上説明した電気特性、屈曲特性、端末は
んだ付け性について総合評価を行った結果を表1に示
す。総合評価の基準は、本発明に係る銀めっき厚さが
1.0μmのケーブル1の特性よりも良好な場合を○、
同等の場合を△、劣る場合を×とした。
【0044】
【表1】
【0045】表1に示すように、本発明に係る銀めっき
厚さが2.0μmのケーブル1は、電気特性、屈曲特
性、端末はんだ付け性の全てにおいて良好であり、総合
評価で本発明に係る銀めっき厚さが1.0μmのケーブ
ル1よりも優れていることがわかる。
【0046】一方、比較例1〜3のケーブルは、ほぼ全
ての特性について、本発明に係る銀めっき厚さが1.0
μmのケーブル1よりも劣っていることがわかる。比較
例2の銀めっき厚さが0.3μmのケーブルと比較例3
の銀めっき厚さが0.6μmのケーブルとが、端末はん
だ付け性において、本発明に係る銀めっき厚さが1.0
μmのケーブル1と同等であるに過ぎない。
【0047】このように、本発明に係る超極細同軸ケー
ブル1は、中心導体に同じ材料を用いた場合でも、その
めっき厚さをコントロールすることで、電気特性、屈曲
特性、端末はんだ付け性を向上させることができる。
【0048】また、中心導体として高強度の銅合金線を
単線で使用し、そのめっき厚さをコントロールすること
で、超極細同軸ケーブル1のさらなる細径化が可能にな
る。
【0049】例えば、従来例では中心導体がより線導体
であることから、中心導体の外径は46μmが限界だ
が、本発明に係る超極細ケーブル1は中心導体が単線な
ので、中心導体の外径を40μm以下とすることも可能
となり、生産性を大幅に向上させることができる。
【0050】上記実施の形態では、めっき層3として銀
めっきを使用した例で説明したが、めっき層3として
は、Sn系めっき、Ni系めっきを使用してもよい。
【0051】めっき層3としてSn系めっきを使用する
場合は、例えば、単線の銅合金線2の外周に、厚さが
1.0μm以上のSn−Pbめっき、Snめっき、Sn
−Cuめっき、Sn−Agめっき、Sn−Ag−Cuめ
っき、Sn−Ag−Cu−Biめっき、Sn−Ag−C
u−Inめっきのいずれかを形成して線径φiが0.0
8mm以下の中心導体4とし、図1で説明した超極細同
軸ケーブル1と同じ構成の超極細同軸ケーブルとする。
【0052】この場合、単線の銅合金線2の外周に厚い
はんだめっき及び鉛フリーはんだめっきを形成している
ので、ケーブルの屈曲特性を向上させると共に、端末は
んだ付け性をさらに向上させることができる。
【0053】また、めっき層3としてNi系めっきを使
用する場合は、例えば、単線の銅合金線2の外周に、厚
さが1.0μm以上のNiめっきまたはNi−Pめっき
を形成して線径φiが0.08mm以下の中心導体4と
し、図1で説明した超極細同軸ケーブル1と同じ構成の
超極細同軸ケーブルとする。
【0054】この場合、単線の銅合金線2の外周に厚い
Niめっき及びNi−Pめっきを形成しているので、ケ
ーブルの屈曲特性を向上させると共に、端末の耐食性を
さらに向上させることができる。
【0055】次に、本発明の第2の実施の形態を説明す
る。
【0056】上記実施の形態では、中心導体の外周を絶
縁体で被覆したコアが1心からなる超極細同軸ケーブル
の例で説明したが、超極細同軸ケーブルは、1心のコア
に限られるものではなく、2心のコアが並列に配置され
た2心平行極細同軸ケーブルも含む。以下に、本発明を
適用した2心平行極細同軸ケーブルの一例を説明する。
【0057】図5は、本発明の第2の実施の形態である
超極細同軸ケーブルの断面図である。図6は、図5に示
した超極細同軸ケーブルの構造図である。
【0058】図5および図6に示すように、超極細ケー
ブル50は、例えば、ノートパソコンのヒンジ部などの
狭いスペースに配線するケーブルとして用いられるもの
であり、より詳細には、ノートパソコンの本体と液晶画
面を、ヒンジ部を通して接続するためのものである。
【0059】超極細ケーブル50は、単線の銅合金線2
a,2bの外周に、厚さが1μm以上の銀系、スズ系、
又はニッケル系からなるめっき層3a,3bをそれぞれ
形成して線径が80μm以下、好ましくは40μm以下
の中心導体4a,4bとし、中心導体4a,4bの外周
を絶縁体51a,51bでそれぞれ被覆したコア52
a,52bを2本並列に配置し、2本並列のコア52
a,52bの外周にシールド導体53を設け、シールド
導体53の外周に、プラスチックテープ54の両面に金
属蒸着層55a,55bが形成された複合テープ56を
巻き付け、複合テープ56の外周をジャケット57で被
覆したものである。ジャケット57を被覆したときの長
軸方向の外径φは、1.0mm以下であり、好ましく
は、0.5mm以下とするのがよい。
【0060】単線の銅合金線2a,2bには、屈曲特性
を考慮して、例えば、1000MPa以上の引張強さを
有するものを用いている。めっき層3a,3bは、上述
した銀系めっき、Sn系めっき、Ni系めっきのいずれ
かを使用している。中心導体4a,4bの外径φiは、
40μmである。
【0061】絶縁体51a,51bとしては、例えば、
ポリエチレン、ポリプロピレン、ETFE、FEP、P
TFE、PFAあるいはフッ素ゴムの中から選定した樹
脂を用いている。
【0062】コア52a,52bは、中心導体4a,4
bの外周に、押出し機などにより、上述したいずれかの
樹脂を均一の厚さで押出し被覆して形成しても良いし、
これらの樹脂からなるテープを、中心導体4a,4bの
外周に巻き回して形成しても良い。各コア52a,52
bの外径φcは、約0.1mmである。
【0063】シールド導体53としては、横巻シールド
を使用している。横巻シールドは、例えば、軟銅線、ス
ズめっき軟銅線、銀めっき銅合金線などの素線53a,
53b…を、多数本(例えば、30本〜60本)所定ピ
ッチで横巻して形成されるものである。横巻シールドを
形成する各素線53a,53b…の径φsは、約0.0
2mmである。
【0064】横巻シールドの横巻ピッチは、横巻ピッチ
が大きければ、各素線53a,53b…間の連続的なス
リットが大きくなってシールド効果が劣る点と、横巻ピ
ッチが小さければ、各素線53a,53b…間のスリッ
トは小さくなるものの、製造時の素線53a,53b…
の張力によりケーブル50自体に捻れが発生する点とを
考慮して決定される。より具体的に言えば、横巻ピッチ
は、2倍のコア外径φcと素線径φsとの和の10倍〜
20倍となるようにすればよい。
【0065】シールド導体53外周には、例えば、ポリ
エステルなどのプラスチックテープ54の両面に金属蒸
着層55a,55bが形成された複合テープ56が巻き
付けられている。
【0066】金属蒸着層55a,55bとしては、例え
ば、銅または銀からなるものを用いている。金属蒸着層
55a,55bの厚さは、0.1μm以上となるように
している。
【0067】複合テープ56としては、プラスチックテ
ープの片面に金属蒸着層が形成されたものを使用しても
よい。この場合、シールド導体53の外周に巻き付ける
際、金属蒸着層がシールド導体53側となるようにす
る。
【0068】ジャケット57としては、例えば、ポリ塩
化ビニル(PVC:Polyvinyl chloride)、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ETFE、FEP、PTFE、P
FAあるいはフッ素ゴムの中から選定された樹脂を用い
ている。
【0069】ジャケット57は、複合テープ56の外周
に、上述したいずれかの樹脂を、押出し機などによって
均一の厚さで押出し被覆したものである。ジャケット5
7としては、例えば、ポリエステルなどのプラスチック
テープを使用してもよい。この場合は、プラスチックテ
ープを複合テープ56の外周に重ね巻きする。
【0070】超極細同軸ケーブル50は、ジャケット5
7を被覆したときの長軸方向の外径φが0.32mmと
なっている。
【0071】この超極細同軸ケーブル50は、図1で説
明した超極細同軸ケーブル1と同様に、中心導体に同じ
材料を用いた場合でも、そのめっき厚さをコントロール
することで、電気特性、屈曲特性、端末はんだ付け性を
向上させることができる。
【0072】また、中心導体として高強度の銅合金線を
単線で使用し、そのめっき厚さをコントロールすること
で、超極細同軸ケーブル50のさらなる細径化が可能に
なる。
【0073】
【発明の効果】以上説明したことから明らかなように、
本発明によれば次のごとき優れた効果を発揮する。
【0074】(1)中心導体に同じ材料を用いた場合で
も、そのめっき厚さをコントロールすることで、電気特
性、屈曲特性、端末はんだ付け性を向上させることがで
きる。
【0075】(2)また、中心導体として高強度の銅合
金線を単線で使用し、そのめっき厚さをコントロールす
ることで、超極細同軸ケーブルのさらなる細径化が可能
になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好適実施の形態を示す断面図である。
【図2】図1に示した超極細同軸ケーブルの銀めっき厚
さに応じた周波数に対する減衰量を示した図である。
【図3】図1に示した超極細同軸ケーブルの銀めっき厚
さに応じた周波数に対する減衰量の差を示した図であ
る。
【図4】図1に示した超極細同軸ケーブルの銀めっき厚
さに対する屈曲寿命を示す図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態を示す断面図であ
る。
【図6】図5に示した超極細同軸ケーブルの構造図であ
る。
【符号の説明】
1 超極細同軸ケーブル 2 単線の銅合金線 3 めっき層 4 中心導体 5 絶縁体 6 シールド導体 7 ジャケット 8 コア
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 上野 仁志 茨城県日立市日高町5丁目1番1号 日立 電線株式会社日高工場内 (72)発明者 田中 寛大 茨城県日立市日高町5丁目1番1号 日立 電線株式会社日高工場内 (72)発明者 岡田 良平 茨城県日立市川尻町4丁目10番1号 日立 電線ファインテック株式会社内 (72)発明者 繁田 裕一 茨城県日立市助川町3丁目1番1号 日立 電線株式会社電線工場内 Fターム(参考) 4K024 AA03 AA07 AA10 BA09 BC03 GA16 5G319 FA08 FB07 FC02 FC19 FC26

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 単線の銅合金線の外周に、厚さが1μm
    以上の銀系、スズ系、又はニッケル系からなるめっき層
    を形成して線径が80μm以下の中心導体とし、中心導
    体の外周を絶縁体で被覆し、絶縁体の外周にシールド導
    体を設け、シールド導体の外周をジャケットで被覆した
    ことを特徴とする超極細同軸ケーブル。
  2. 【請求項2】 単線の銅合金線は、1000MPa以上
    の引張強さを有する請求項1記載の超極細同軸ケーブ
    ル。
  3. 【請求項3】 中心導体の外周を絶縁体で被覆したコア
    が1心からなり、ジャケットを被覆したときの外径が
    0.2mm以下である請求項1または2記載の超極細同
    軸ケーブル。
  4. 【請求項4】 中心導体の外周を絶縁体で被覆したコア
    が2心からなり、ジャケットを被覆したときの長軸方向
    の外径が1.0mm以下である請求項1または2記載の
    超極細同軸ケーブル。
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