JP7243499B2 - 高周波信号伝送用ケーブル及びその製造方法 - Google Patents

高周波信号伝送用ケーブル及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、高周波信号伝送用ケーブル及びその製造方法に関する。
自動運転等に用いられる撮像装置、あるいは、スマートフォンやタブレット端末等の電子機器の内部に配線される高周波信号伝送用ケーブルとして、外径が2mm以下の細径の同軸ケーブルが用いられている。
このような同軸ケーブルとして、従来、樹脂層上に銅箔を設けた銅テープ等のテープ部材を外部導体に用いたものが知られている。銅テープ等のテープ部材を螺旋状に巻き付けた場合には、所定の周波数帯域(例えば、1.25GHz~6GHz等の数GHzの帯域)で急激な減衰が生じるサックアウトと呼ばれる現象が発生してしまうことが知られている。このサックアウトを抑制するため、テープ部材を絶縁体の全周囲に当該絶縁体と密着した状態で縦添え巻きして外部導体を構成することが考えられる。
なお、この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては、特許文献1がある。
特許第3671729号公報
ところで、撮像装置や電子機器の内部に配線される同軸ケーブルは、基板回路設計等に合わせて、例えばL字状やS字状に曲げて配線される場合が多い。テープ部材を絶縁体の全周囲に当該絶縁体と密着した状態で縦添え巻きした同軸ケーブルでは、同軸ケーブルを曲げた際に、テープ部材が折れて皺や割れが発生してしまい、高周波信号の伝送特性が低下してしまうおそれがあった。
また、絶縁体の全周囲に当該絶縁体と密着した状態で縦添え巻きしたテープ部材は硬く曲げにくいため、小型の電子機器における狭いスペースに配線することが困難となる場合があった。このような同軸ケーブルを無理に曲げて配線した場合には、曲がりにくいテープ部材によってテープ部材と密着している絶縁体が圧迫される等して、高周波信号の伝送特性が低下してしまう可能性があった。そのため、良好な高周波信号の伝送特性(減衰特性)と柔軟性(可とう性)とを両立した高周波信号伝送用ケーブルが望まれる。
そこで、本発明は、高周波信号を伝送した際に減衰しにくく、狭いスペースに曲げて配線しても高周波信号の伝送特性が低下しにくい高周波信号伝送用ケーブル及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決することを目的として、少なくとも、導体と、前記導体の周囲を覆う絶縁体と、前記絶縁体の周囲を覆うめっき層と、前記めっき層の周囲を覆うシースと、を備える高周波信号伝送用ケーブルにおいて、前記絶縁体と前記めっき層との間に、前記絶縁体と接触した状態で設けられ、且つその外面に前記めっき層が設けられるクラック抑制層を有し、前記クラック抑制層は、樹脂フィルムで構成され、前記絶縁体の曲げに対してケーブル長手方向に相対移動しながら曲がることにより、前記めっき層に対するクラックを抑制する、高周波信号伝送用ケーブルを提供する。
また、本発明は、上記課題を解決することを目的として、少なくとも、導体と、前記導体の周囲を覆う絶縁体と、前記絶縁体の周囲を覆うめっき層と、前記めっき層の周囲を覆うシースと、を備える高周波信号伝送用ケーブルの製造方法であって、前記絶縁体の外周に樹脂フィルムを巻き付けた後、前記樹脂フィルムを加熱し、前記樹脂フィルムのラップ部分が融着した融着部と前記樹脂フィルムが融着していない非融着部とを形成することで、前記絶縁体と前記めっき層との間に、前記絶縁体と接触した状態で設けられ、且つその外面に前記めっき層が設けられるクラック抑制層を形成し、前記クラック抑制層は、前記絶縁体の曲げに対してケーブル長手方向に相対移動しながら曲がることにより、前記めっき層に対するクラックを抑制する、高周波信号伝送用ケーブルの製造方法を提供する。
本発明によれば、高周波信号を伝送した際に減衰しにくく、狭いスペースに曲げて配線しても高周波信号の伝送特性が低下しにくい高周波信号伝送用ケーブル及びその製造方法を提供できる。
本発明の一実施の形態に係る高周波信号伝送用ケーブルのケーブル長手方向に垂直な断面を示す断面図である。 (a)~(d)は、本発明の一実施の形態に係る高周波信号伝送用ケーブルの製造方法を説明する図である。 絶縁体に対してクラック抑制層が相対移動することによる効果を説明する図である。
[実施の形態]
以下、本発明の実施の形態を添付図面にしたがって説明する。
図1は、本実施の形態に係る高周波信号伝送用ケーブルのケーブル長手方向に垂直な断面を示す断面図である。図1に示すように、高周波信号伝送用ケーブル1は、ケーブル中心に配置される導体としての内部導体2と、内部導体2の周囲を覆う絶縁体3と、絶縁体3の周囲を覆うめっき層4と、めっき層4の周囲を覆う金属シールド層5と、金属シールド層5の周囲を覆うシース6と、を備えている。つまり、本実施の形態に係る高周波信号伝送用ケーブル1は、内部導体2と絶縁体3と外部導体8(めっき層4及び金属シールド層5)とシース6とを備える同軸ケーブルである。なお、めっき層4とシース6との間に金属シールド層5が配置されていない構造であってもよい。ただし、伝送特性の向上のために、めっき層4とシース6との間に金属シールド層5が配置されていることがより望ましい。高周波信号伝送用ケーブル1は、例えば、自動運転等に用いられる撮像装置、あるいは、スマートフォンやタブレット端末等の電子機器の内部に配線されるものであり、その外径(シース6の外径)が2mm以下、より好ましく1.5mm以下と細径である。なお、「覆う」とは、他の層を介して配置される場合も含む。例えば、内部導体2と絶縁体3との間、絶縁体3と外部導体8との間、あるいは外部導体8とシース6との間に、他の層が配置されていてもよい場合を含む。
(内部導体2)
内部導体2は、単線導体であってもよいし、複数本の素線を撚り合わせた撚線導体であってもよい。また、内部導体2は、複数の素線を撚り合わせ、かつ、ケーブル長手方向に垂直な断面形状が円形状等の所定形状となるように圧縮加工された圧縮撚線導体からなってもよい。内部導体2として圧縮撚線導体を用いることで、素線同士が密着して素線間の隙間が無くなるため、導電率が向上し良好な減衰特性が得られると共に、曲げやすさも維持できる。また、圧縮撚線導体及び撚線導体は、単線導体と比較して曲げたときに断線しにくい。
良好な減衰特性を得るため、内部導体2の導電率は、99%IACS以上とすることが望ましい。例えば、内部導体2を圧縮撚線導体とする場合、高い導電率を実現するため、内部導体2の素線として、めっきを施していない純銅からなる軟銅線を用いるとよい。また、導電率99%IACS以上のめっきであれば施してもよく、例えば銀めっきを施した軟銅線を素線として用いてもよい。また、圧縮工程で素線に歪みが付与され導電率が低下してしまうが、この後、加熱処理(アニール処理)を行うことで、歪みを除去して99%IACS以上の導電率を実現することができる。
(絶縁体3)
絶縁体3としては、高周波信号の伝送特性を向上させる(より詳細には、例えば、10MHz~6GHzの帯域の高周波信号を伝送した際に減衰しにくくする)ために、なるべく誘電率が低いものを用いることが望ましい。本実施の形態では、絶縁体3として、フッ素樹脂からなるものを用いた。絶縁体3に用いるフッ素樹脂としては、PFA(パーフルオロアルコキシアルカン)、FEP(四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン共重合体)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)等が上げられる。絶縁体3は、内部導体2の全周囲に接するように設けるとよい。
なお、絶縁体3として発泡樹脂を用いることも考えられるが、高周波信号伝送用ケーブル1は外径が2mm以下と細径であることから、絶縁体3の厚さも非常に薄くなってしまう。薄い発泡樹脂を安定して製造することは困難であるため、本実施の形態では、絶縁体3として比較的誘電率が低いフッ素樹脂を用いている。
(金属シールド層5)
絶縁体3の周囲には、クラック抑制層7とめっき層4とが順次設けられ、めっき層4の周囲に、めっき層4の外面に接触するように金属シールド層5が設けられている。クラック抑制層7とめっき層4については後述する。高周波信号伝送用ケーブル1では、めっき層4と金属シールド層5とが、外部導体8の役割を果たしている。
金属シールド層5は、めっき層4(後述する)と共に外部導体を構成するものであり、金属素線を編組あるいは横巻きして構成される。詳細は後述するが、金属シールド層5は、後述するめっき層4及びクラック抑制層7を内方に押さえ込み、内部導体2とめっき層4との距離をケーブル長手方向にわたって略一定に保つ役割も果たしている。金属シールド層5に用いる金属素線としては、例えば、銅又は銅合金からなる軟銅線、硬銅線がある。また、アルミニウム又はアルミニウム合金からなる金属素線であってもよい。金属素線は、その外面にめっきが施されていてもよい。
(シース6)
シース6は、PVC(ポリ塩化ビニル)、ウレタン、あるいはポリオレフィン等の絶縁性の樹脂組成物から構成される。シース6は、押出成形により形成されるが、充実成形を行うと、シース6を構成する樹脂が金属シールド層5の素線間に入り込んでしまい、高周波信号伝送用ケーブル1が硬く曲げにくくなってしまうおそれがある。そこで、本実施の形態では、シース6をチューブ押出により成形した。これにより、シース6を構成する樹脂が金属シールド層5の素線間に入り込むことが抑制され、シース6と金属シールド層5とが分離される。つまり、本実施の形態では、シース6と金属シールド層5とが接着されておらず、シース6内で金属シールド層5が比較的自由に動けるようになっている。これにより、高周波信号伝送用ケーブル1がより曲げやすくなる。
(めっき層4及びクラック抑制層7)
絶縁体3の周囲には、絶縁体3の外面との間に隙間が生じない状態で接触して設けられていると共に、高周波信号伝送用ケーブル1を曲げたときに、絶縁体3の外面との間に隙間がなく接触した状態(絶縁体との接触状態)で絶縁体3の曲げに対してケーブル長手方向に相対移動しながら曲ることが可能にクラック抑制層7が設けられ、そのクラック抑制層7の外面にめっき層4が設けられてている。なお、クラック抑制層7が絶縁体3の外面との間に隙間なく接触していることは、例えば、光学顕微鏡あるいは電子顕微鏡を用いて観察することができる。
クラック抑制層7は、めっき層4の下地となる層であり、高周波信号伝送用ケーブル1を曲げたときに、当該高周波信号伝送用ケーブル1の曲げに追従して絶縁体3が曲がることに起因してめっき層4にクラックが生じるのを抑制する層である。すなわち、クラック抑制層7は、絶縁体3の曲げに対してケーブル長手方向に相対移動しながら曲がることにより、めっき層4に対するクラックを抑制する層である。なお、ここでいう「クラック」とは、めっき層4の外面からめっき層4の内面(クラック抑制層7と接触する面)までの範囲で生じるめっき層4の亀裂である。また、ここでいう「めっき層4に対するクラックを抑制する」とは、本実施の形態のクラック抑制層7を設けない場合に比べて、めっき層4に対してクラックを生じにくくすることである。
クラック抑制層7は、絶縁体3とめっき層4との間に設けられ、絶縁体3の外面に隙間なく接触しつつも、高周波信号伝送用ケーブル1を曲げたときに、絶縁体3に対して隙間なく接触した状態を維持しながらケーブル長手方向に相対移動できる(絶縁体3に対してケーブル長手方向にスライドできる)ように設けられている。クラック抑制層7は、絶縁体3に対して接合されておらず、絶縁体3からはく離可能な状態で設けられている。また、クラック抑制層7は、筒状の状態で絶縁体3を被覆している。
高周波信号伝送用ケーブル1は、その外径が2mm以下と細径である場合に、クラック抑制層7を押出成形により形成することは容易ではない。そこで、本実施の形態では、クラック抑制層7を、絶縁体3の外周に樹脂フィルム71を巻き付けて構成し(図2(a)参照)、かつ、樹脂フィルム71に熱を加えて自己融着させることで、筒状のクラック抑制層7を形成した(図2(b)参照)。樹脂フィルム71に熱を加えて自己融着させることで、クラック抑制層7には、樹脂フィルム71のラップ部分が自己融着した融着部71a、及び樹脂フィルム71がラップしておらず、自己融着していない非融着部71bが形成されることになる。ここでいう「自己融着」とは、樹脂フィルム71同士が重なり合う界面で互いに融着することである。
樹脂フィルム71を自己融着させる際に絶縁体3と接着してしまわないように、樹脂フィルム71としては、絶縁体3に用いる樹脂よりも低い融点(軟化温度)を有する樹脂、より好ましくは絶縁体3に用いる樹脂よりも20℃以上融点(軟化温度)が低い樹脂からなり、熱によって自己融着が可能なフィルムを用いるとよい。具体的には、樹脂フィルム71としては、例えば、ポリエチレンやPET(ポリエチレンテレフタレート)からなるフィルムを用いることができる。
自己融着後のクラック抑制層7の厚さ(絶縁層3に接触する内面からめっき層4に接触する外面までの直線距離の大きさ)は、絶縁体3の厚さよりも薄く、かつめっき層4の厚さよりも厚くされる。より具体的には、クラック抑制層7の厚さは、6μm以上20μm以下であるとよい。クラック抑制層7の厚さが6μm以上であると、機械的強度が向上して破断しにくくなる。クラック抑制層7の厚さが20μm以下であると、厚さが20μm超の場合と比較して高周波信号伝送用ケーブル1の外径が小さくなるため、高周波信号伝送用ケーブル1を小さな曲げ半径で曲げた際等にめっき層4にかかる応力(めっき層4が高周波信号伝送用ケーブル1の曲げに追従して変形することによりめっき層4にかかる応力)が小さくなり、めっき層4にクラックが入りにくくなり、また高周波信号伝送用ケーブル1を小径にできる。このような厚さのクラック抑制層7を実現するため、クラック抑制層7に用いる樹脂フィルム71の厚さは、例えば、3μm以上10μm以下であるとよい。
めっき層4は、金属シールド層5と共に外部導体を構成するものである。上述のように、金属シールド層5では、金属素線を編組あるいは横巻きすることにより構成されるが、金属シールド層5のみでは、内部の信号が金属素線間の隙間から外部へと放射されてしまい、減衰量が大きくなるおそれがある。めっき層4を備えることにより、金属シールド層5の金属素線間の隙間が埋められることになり、減衰量がより低減される。なお、めっき層4と金属シールド層5とは接触しており、電気的に接続されている。
めっき層4としては、導電率99%以上(99%IACS以上)の金属からなるものを用いるとよく、例えば、銅や銀からなるものを用いることができる。
めっき層4の厚さは、2μm以上5μm以下であるとよい。めっき層4の厚さが2μm以上であると、曲げが加わったときなどに金属シールド層5とめっき層4が接触しても、めっき層4にクラックが生じにくい。また、めっき層4の厚さが5μm以下であると、めっき層4が硬くなることによって高周波信号伝送用ケーブル1が曲がりにくくなることを防止できる。
(高周波信号伝送用ケーブル1の製造方法)
高周波信号伝送用ケーブル1を製造する際には、まず、内部導体2の周囲に押出成形によりフッ素樹脂からなる絶縁体3を被覆する。その後、図2(a)に示すように、絶縁体3の外周に、樹脂フィルム71を螺旋状に巻き付ける。この際、樹脂フィルム71を、その幅方向における一部が重なり合うように巻き付ける。以下、樹脂フィルム71が重なった部分をラップ部71cといい、樹脂フィルム71が重なっていない部分を非ラップ部71dという。また、樹脂フィルム71を巻き付ける際には、樹脂フィルム71に所定の張力を付与しつつ巻き付ける。これにより、樹脂フィルム71が絶縁体3の外面の全周囲にわたって接触した状態で巻き付けられる。
その後、図2(b)に示すように、樹脂フィルム71を加熱して、樹脂フィルム71を軟化させ、樹脂フィルム71を自己融着させる。このとき、樹脂フィルム71の温度が、樹脂フィルム71の軟化温度以上かつ絶縁体3の融点未満となるように熱を加える。これにより、ラップ部71cで重なっている部分の樹脂フィルム71同士が溶融一体化されて融着部71aが形成される。なお、樹脂フィルム71同士の融着は、加熱以外の方法によって行うことでもよい。また、非ラップ部71dは樹脂フィルム71同士が融着されない非融着部71bとなる。その結果、絶縁体3の外面に接触しつつも絶縁体3に接着されておらず、絶縁体3に対して相対移動可能な筒状のクラック抑制層7が形成される。なお、本実施の形態では、樹脂フィルム71を螺旋状に巻き付けていることから、ケーブル長手方向において、融着部71aと非融着部71bとが交互に形成されることになる。すなわち、クラック抑制層7は、ケーブル長手方向において、樹脂フィルム71同士が重なり合うラップ部71cと、樹脂フィルム71同士が重なり合わない非ラップ部71dとが交互に形成されており、ラップ部71cにおいて、樹脂フィルム71同士が融着している。クラック抑制層71は、このような構成とすることにより、高周波信号伝送用ケーブル1を曲げたときに、ラップ部71cを構成する樹脂フィルム71が径方向の外側へ剥がれることを抑制しつつ、クラック抑制層7を曲げることが可能な柔軟性を確保することができる。そのため、高周波信号伝送用ケーブル1を曲げたときに、クラック抑制層7の外面に密着して設けられるめっき層がクラック抑制層7と一体となって曲がりやすくなる。また、絶縁層3の曲げに対してクラック抑制層7とめっき層4とが一体となって相対移動しながら曲がるときに、クラック抑制層7が曲がることに起因してめっき層4にクラックが生じることを抑制することができる。
樹脂フィルム71に熱を加えることによって樹脂フィルム71は収縮しようとするので、ラップ部71cの肉の一部が非ラップ部71dへと移動する。これにより、自己融着前のラップ部71cの厚さに比べて、自己融着後の融着部71aの厚さが薄くなり、また、自己融着前の非ラップ部71dの厚さに比べて、自己融着後の非融着部71bの厚さが熱くなる。その結果、クラック抑制層7における厚さの変動が小さくなり、クラック抑制層7の表面は段差のない滑らかな曲面となる。なお、この状態では、融着部71aの厚さが非融着部71bの厚さよりも若干大きくなっており、クラック抑制層7の表面は若干波打った状態となっている。
その後、図2(c)に示すように、クラック抑制層7上にめっき層4を形成する。このめっき層4の形成に先立ち、クラック抑制層7の外面には、所定の処理が施されるとよい。具体的には、クラック抑制層7の外面にドライアイス、金属粒子、カーボン粒子、酸化物粒子、炭化物粒子、窒化物粒子等から成る粉体を吹き付けるブラスト処理を行い、クラック抑制層7の外面を所定の粗さに粗面化し、さらにコロナ放電暴露処理などで改質処理を行う。その後、無電解めっきを施すことにより、クラック抑制層7の周囲を覆うようにめっき層4を形成する。これにより、クラック抑制層7の外面にめっき層4を形成した際に、めっき層4が強固にクラック抑制層7の外面の全周囲にわたって密着し、高周波信号伝送用ケーブル1を曲げた際などに、絶縁層3の曲げに対してクラック抑制層7とめっき層4とが一体となって相対移動しながら曲がるようになる。これにより、めっき層4に対するクラックを抑制する効果を高めることができる。なお、無電解めっきを施した後、さらに電解めっきを施すことによって、めっき層4を形成してもよい。めっき層4は、クラック抑制層7の外面に沿うように形成されるため、めっき層4のクラック抑制層7と接する面は、クラック抑制層7と同様に、若干波打った状態となっている。
その後、図2(d)に示すように、めっき層4の周囲に、金属シールド層5を形成する。金属シールド層5は、金属素線5aに所定の張力を付しながら形成されるため、金属シールド層5を形成することで、めっき層4及びクラック抑制層7に径方向内方へと押さえ込む力が付与されることになる。この力により、めっき層4と比較して柔軟性を有するクラック抑制層7が変形し、より厚い融着部71aが径方向内方へと押さえ込まれて融着部71aの肉の一部が非融着部71bへと移動して、クラック抑制層7aが略均一な厚さとなる。つまり、金属シールド層5を形成することで、めっき層4及びクラック抑制層7が径方向内方へと押さえ込まれ、クラック抑制層7とめっき層4における表面の波打ちが非常に小さくなる。その結果、めっき層4及びクラック抑制層7はケーブル長手方向にわたって略平坦となり、内部導体2とめっき層4との距離がケーブル長手方向にわたって略一定に保たれ、ケーブル長手方向にわたって均一な特性インピーダンスが実現される。
その後、金属シールド層5の周囲にチューブ押出によりシース6を形成すると、本実施の形態に係る高周波信号伝送用ケーブル1が得られる。
本実施の形態に係る高周波信号伝送用ケーブル1では、金属シールド層5を設けた状態においては、クラック抑制層7が略平坦な状態となっており、クラック抑制層7が融着部71aと非融着部71bを有していることを確認することは困難である。しかし、高周波信号伝送用ケーブル1を分解してクラック抑制層7を取り出すことにより、融着部71aと非融着部71bの存在を確認することが可能である。例えば、融着部71aは非融着部71bと比べて若干厚いため、この厚さの差を顕微鏡等で確認することにより、融着部71aと非融着部71bの存在を確認できる。また、クラック抑制層7は、融着部71aで裂けにくく、非融着部71bで裂け易いため、裂け易い部分がケーブル長手方向に周期的に存在するか否かにより、融着部71aと非融着部71bの存在を推定することもできる。
ここで、クラック抑制層7が絶縁体3に対して相対移動可能に設けられていることによる効果について説明する。図3に示すように、クラック抑制層7が絶縁体3の曲げに対して相対移動しながら曲がることが可能となっている。これにより、高周波信号伝送用ケーブル1を曲げた際に、絶縁体3がケーブル長手方向へ伸ばされながら曲がることに対して、クラック抑制層7が絶縁体3のケーブル長手方向への伸びに追従せずに曲がることができるため、めっき層4のケーブル長手方向への伸びが抑制される。これに対して、クラック抑制層7が絶縁体3の曲げに対して相対移動しながら曲がることができない場合には、高周波信号伝送用ケーブル1を曲げた際に、絶縁体3の外面に沿ってめっき層4が絶縁体3のケーブル長手方向の伸びに追従するように引き伸ばされるため、めっき層4に大きな負荷がかかり、クラック9が発生し易くなる。
めっき層4にクラック9が発生すると、めっき層4の下地(クラック抑制層7や絶縁体3)にも共にクラック9が発生する共割れと呼ばれる現象が発生する場合がある。そのため、絶縁体3の外面に直接めっき層4を形成した場合、曲げなどによりめっき層4にクラック9が生じると、めっき層4と絶縁体3とが共割れを起こし、絶縁不良等の不具合が生じるおそれがある。本実施の形態では、絶縁体3とは別の部材であるクラック抑制層7を介してめっき層4を形成しており、かつ、クラック抑制層7が絶縁体3の曲げに対して相対移動しながら曲がることが可能となっているため、めっき層4にクラック9が発生しにくい。また、めっき層4にクラック9が入ってしまった場合であっても、絶縁体3に共割れが生じるおそれがなく、絶縁不良等の不具合を抑制することが可能である。
さらに、樹脂フィルムからなるクラック抑制層7にめっき層4を形成しているため、外径が2mm以下の高周波信号伝送用ケーブル1を小型の電子機器の内部における狭い配策レイアウトに応じて適宜曲げた場合であっても、クラック抑制層7が絶縁体3の外面と隙間なく接触した状態を維持しながら、絶縁体3に対してスライドできるため、内部導体2とめっき層4間の距離を略一定に保つことが可能になる。例えば、めっき層4及びクラック抑制層7に替えて、樹脂層の一方の面に金属層を形成した金属テープを縦添え巻きした場合、曲げにより金属テープに皺や折れが発生し、絶縁体と金属テープ間に隙間が生じる等して、特性インピーダンスが局所的に変化してしまい、特性インピーダンスの不整合によるリターンロスが大きくなってしまう場合がある。これに対して、本実施の形態に係る高周波信号伝送用ケーブル1では、曲げに応じてクラック抑制層7が柔軟に変形するために、内部導体2とめっき層4間の距離を略一定に保ち、高周波信号伝送用ケーブル1のケーブル長手方向において特性インピーダンスを略一定に保つことが可能になり、リターンロスを抑制して良好な減衰特性を得ることが可能になる。
ところで、高周波信号伝送用ケーブル1の端部には、例えばコネクタが取り付けられる。この際、高周波信号伝送用ケーブル1の端部に端末処理を施し、めっき層4と絶縁体3と内部導体2とを階段状に露出させる。本実施の形態では、クラック抑制層7と絶縁体3とが接着や接合がなされていないため、めっき層4及びクラック抑制層7を絶縁体3の外面から剥ぎ取り易く、端末処理を容易に行うことができる。
また、端末処理により露出させためっき層4と内部導体2とを、コネクタ内の基板にはんだ等によりそれぞれ接続する。めっき層4をはんだ等により接続する際には、めっき層4に熱を加える。この際、例えば絶縁体3の外面に直接めっき層4を形成している場合、熱により絶縁体3が膨張し、めっき層4が絶縁体3の膨張に追従して引き伸ばされてしまうため、めっき層4にクラックが発生してしまう場合がある。本実施の形態では、めっき層4に熱を加えた際に絶縁体3が膨張しても、この膨張に対してクラック抑制層7が追従せず、絶縁体3との間でスライドするように作用するため、絶縁体3の熱膨張によりめっき層4にクラックが発生しにくいというメリットもある。
(実施の形態の作用及び効果)
以上説明したように、本実施の形態に係る高周波信号伝送用ケーブル1では、絶縁体3とめっき層4との間に、絶縁体3と接触した状態で設けられ、且つその外面にめっき層4が設けられるクラック抑制層7を有し、クラック抑制層7は、樹脂フィルム71で構成され、絶縁体3の曲げに対してケーブル長手方向に相対移動しながら曲がることにより、めっき層4に対するクラックを抑制している。
樹脂フィルム71を巻き付けて自己融着させることにより、絶縁体3に対してケーブル長手方向に相対移動可能なクラック抑制層7を、非常に薄く形成することが可能になる。その結果、外径が2mm以下と細径でありつつも、クラック抑制層7を有する高周波信号伝送用ケーブル1を実現できる。その結果、高周波信号伝送用ケーブル1を電子機器等の内部の狭いスペースに曲げて配線した場合であっても、絶縁体3の曲げに応じて絶縁体3がケーブル長手方向に引き伸ばされるときに、めっき層4が絶縁体3の伸びに追従せず、絶縁体3との間でスライドするように変形する(曲がる)ため、めっき層4に皺や折れが生じることなく内部導体2とめっき層4との距離を一定に保つことが可能になる。その結果、高周波信号伝送用ケーブル1では、高周波(例えば10MHz~6GHzの帯域)の信号を長距離伝送しても減衰しにくい良好な伝送特性(減衰特性)を有することを実現できる。
なお、上述した本実施の形態に係る高周波信号伝送用ケーブル1では、クラック抑制層7が樹脂フィルム71同士のラップ部を自己融着させたもので説明したが、上述した作用及び効果が得られる範囲であれば、融着以外の方法を用いてラップ部の樹脂フィルム71同士を接合させることでもよい。また、クラック抑制層7は、ラップ部における樹脂フィルム71が接触する界面が全面にわたって融着していることがより望ましいが、上述した作用及び効果が得られる範囲であれば、ラップ部の樹脂フィルム71同士が接触する界面の一部で融着していることでもよい。この場合、少なくともラップ部と非ラップ部との境界部分は、融着していることがよい。
また、めっき層4の周囲に金属シールド層5を設けることで、金属シールド層5がめっき層4及びクラック抑制層7を径方向内方へと押さえ込んでめっき層4及びクラック抑制層7が略平坦となり、内部導体2とめっき層4との距離を略一定に保つことが可能になり、ケーブル長手方向にわたって均一な特性インピーダンスとし、より良好な減衰特性を実現できる。
また、クラック抑制層7が絶縁体3に対してケーブル長手方向に相対移動可能となっているため、高周波信号伝送用ケーブル1を曲げやすくなり、電子機器の機器内等の狭いスペースに配線しても高周波信号の伝送特性が低下しにくい高周波信号伝送用ケーブル1を実現できる。
(実施の形態のまとめ)
次に、以上説明した実施の形態から把握される技術思想について、実施の形態における符号等を援用して記載する。ただし、以下の記載における各符号等は、特許請求の範囲における構成要素を実施の形態に具体的に示した部材等に限定するものではない。
[1]少なくとも、導体(2)と、前記導体(2)の周囲を覆う絶縁体(3)と、前記絶縁体(3)の周囲を覆うめっき層(4)と、前記めっき層(4)の周囲を覆うシース(6)と、を備える高周波信号伝送用ケーブル(1)において、前記絶縁体(3)と前記めっき層(4)との間に、前記絶縁体(3)と接触した状態で設けられ、且つその外面に前記めっき層(4)が設けられるクラック抑制層(7)を有し、前記クラック抑制層(7)は、樹脂フィルム(71)で構成され、前記絶縁体(3)の曲げに対してケーブル長手方向に相対移動しながら曲がることにより、前記めっき層(4)に対するクラックを抑制する、高周波信号伝送用ケーブル(1)。
[2]前記クラック抑制層(7)は、ケーブル長手方向において、前記樹脂フィルム(71)同士重なり合うラップ部と、前記樹脂フィルム(71)が重なり合わない非ラップ部とが交互に形成されており、前記ラップ部において、前記樹脂フィルム(71)同士が融着している、[1]に記載の高周波信号伝送用ケーブル(1)。
[3]前記クラック抑制層(7)の厚さは、前記絶縁体(3)の厚さよりも薄く、前記めっき層(4)の厚さよりも厚い、[1]または[2]に記載の高周波信号伝送用ケーブル(1)。
[4]前記クラック抑制層(7)の厚さが、6μm以上20μm以下である、[1]乃至[3]の何れか1項に記載の高周波信号伝送用ケーブル(1)。
[5]めっき層(4)の厚さが、2μm以上5μm以下である、[1]乃至[4]の何れか1項に記載の高周波信号伝送用ケーブル(1)。
[6]前記樹脂フィルム(71)の融点が、前記絶縁体(3)に用いる樹脂の融点よりも低い、[1]乃至[5]の何れか1項に記載の高周波信号伝送用ケーブル(1)。
[7]前記絶縁体(3)がフッ素樹脂からなる、[1]乃至[6]の何れか1項に記載の高周波信号伝送用ケーブル(1)。
[8]導体(2)と、前記導体(2)の周囲を覆う絶縁体(3)と、前記絶縁体(3)の周囲を覆うめっき層(4)と、前記めっき層(4)の周囲を覆うシース(6)と、を少なくとも備え、前記シース(6)の外径が2mm以下である高周波信号伝送用ケーブルの製造方法であって、
前記絶縁体(3)の外周に樹脂フィルム(71)を巻き付けた後、前記樹脂フィルム(71)を加熱し、前記樹脂フィルム(71)のラップ部分を自己融着させて融着部(71a)及び非融着部(71b)を形成することで、前記絶縁体)(3)と前記めっき層(4)との間に、前記絶縁体(3)と接触して設けられた状態で前記絶縁体(3)の曲げに対してケーブル長手方向に相対移動しながら曲がることが可能なクラック抑制層(7)を形成する、高周波信号伝送用ケーブルの製造方法。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、上記に記載した実施の形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施の形態の中で説明した特徴の組合せの全てが発明の課題を解決するための手段に必須であるとは限らない点に留意すべきである。
本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変形して実施することが可能である。例えば、上記実施の形態では、絶縁体3の周囲に樹脂フィルム71を螺旋状に巻き付けた後に自己融着させてクラック抑制層7を形成したが、これに限らず、絶縁体3の周囲に樹脂フィルム71を縦添え巻きにした後に自己融着させてクラック抑制層7を形成してもよい。この場合、例えば、樹脂フィルム71を縦添え巻きしつつ、樹脂フィルム71を巻き付けた状態で保持するようにテープやワイヤを螺旋状に巻き付け、樹脂フィルム71に熱を加えて自己融着させた後にテープやワイヤを除去するようにしてもよい。
1…高周波信号伝送用ケーブル
2…内部導体(導体)
3…絶縁体
4…めっき層
7…クラック抑制層
71…樹脂フィルム
71a…融着部
71b…非融着部
71c…ラップ部
71d…非ラップ部
5…金属シールド層
6…シース

Claims (7)

  1. 少なくとも、導体と、前記導体の周囲を覆う絶縁体と、前記絶縁体の周囲を覆うめっき層と、前記めっき層の周囲を覆うシースと、を備える高周波信号伝送用ケーブルにおいて、
    前記絶縁体と前記めっき層との間に、前記絶縁体と接触した状態で設けられ、且つその外面に前記めっき層が密着して設けられるクラック抑制層を有し、
    前記クラック抑制層は、樹脂フィルムで構成され、ケーブル長手方向において、前記樹脂フィルム同士が重なり合うラップ部と、前記樹脂フィルム同士が重なり合わない非ラップ部とが交互に形成されており、前記ラップ部において、前記樹脂フィルム同士が互いに溶融してなる融着部を有しており、前記絶縁体の曲げに対してケーブル長手方向に相対移動しながら曲がることにより、前記めっき層に対するクラックを抑制する、
    高周波信号伝送用ケーブル。
  2. 前記クラック抑制層の厚さは、前記絶縁体の厚さよりも薄く、前記めっき層の厚さよりも厚く、
    前記ラップ部の厚さは、前記非ラップ部の厚さよりも厚い、
    請求項に記載の高周波信号伝送用ケーブル。
  3. 前記クラック抑制層の厚さが、6μm以上20μm以下である、
    請求項1または2に記載の高周波信号伝送用ケーブル。
  4. 前記めっき層の厚さが、2μm以上5μm以下である、
    請求項1乃至の何れか1項に記載の高周波信号伝送用ケーブル。
  5. 前記樹脂フィルムの融点が、前記絶縁体に用いる樹脂の融点よりも低い、
    請求項1乃至の何れか1項に記載の高周波信号伝送用ケーブル。
  6. 前記絶縁体がフッ素樹脂からなる、
    請求項1乃至の何れか1項に記載の高周波信号伝送用ケーブル。
  7. 少なくとも、導体と、前記導体の周囲を覆う絶縁体と、前記絶縁体の周囲を覆うめっき層と、前記めっき層の周囲を覆うシースと、を備える高周波信号伝送用ケーブルの製造方法であって、
    前記絶縁体の外周に樹脂フィルムを、その幅方向における一部が重なり合うように巻き付けた後、前記樹脂フィルムを加熱し、前記樹脂フィルム同士が重なり合うラップ部に前記樹脂フィルム同士が互いに溶融してなる融着部を形成するとともに、前記樹脂フィルム同士重なり合わない非ラップ部に前記樹脂フィルム同士が融着していない非融着部とを形成することで、前記絶縁体と前記めっき層との間に、前記絶縁体と接触した状態で設けられ、且つその外面に前記めっき層が密着して設けられるクラック抑制層を形成し、前記クラック抑制層は、前記絶縁体の曲げに対してケーブル長手方向に相対移動しながら曲がることにより、前記めっき層に対するクラックを抑制する、
    高周波信号伝送用ケーブルの製造方法。
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