JP3010336B2 - 同軸ケーブルおよびその製造方法 - Google Patents

同軸ケーブルおよびその製造方法

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JP3010336B2
JP3010336B2 JP5230264A JP23026493A JP3010336B2 JP 3010336 B2 JP3010336 B2 JP 3010336B2 JP 5230264 A JP5230264 A JP 5230264A JP 23026493 A JP23026493 A JP 23026493A JP 3010336 B2 JP3010336 B2 JP 3010336B2
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直希 片桐
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、同軸ケーブルおよびそ
の製造方法に関し、さらに詳しくは、情報通信機器,情
報処理機器等の電子機器の高周波回路基板,高周波部品
の信号伝達線路として用いられる同軸ケーブルおよびそ
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】図8に、公知の一般の同軸ケーブルの一
例を示す。この同軸ケーブル10は、中心導体1の外周
に低誘電率の絶縁体82を形成し、その絶縁体82の外
周に金属細線の編組,横巻き,金属箔の巻回等による外
部導体83を設け、その外部導体83の外周に例えばポ
リ塩化ビニル(PVC)樹脂を溶融押出しした保護被覆
層4を設けた構造である。
【0003】図7に、公知のセミリジット同軸ケーブル
の一例を示す。このセミリジット同軸ケーブル9は、銅
導体等からなる中心導体1の外周に低誘電率の絶縁体7
2,例えば四弗化エチレン−パーフロロアルキルビニル
エーテル共重合体(PFA)樹脂等を溶融押出しにより
形成し、その外周に銅パイプ等の金属パイプを密着して
設けて外部導体73を形成した構造である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の一般の同軸
ケーブル10では、外部導体83に隙間があるので、シ
ールド特性が良好でない問題点がある。
【0005】一方、上記従来のセミリジット同軸ケーブ
ル9では、外部導体73に隙間がないので、シールド特
性は良好である。しかし、次の問題点がある。 セミリジット同軸ケーブル9を製造するには、まず絶
縁導体70を作成し、その絶縁導体70を太めの銅パイ
プに封入する。次に、その銅パイプをダイスを用いて引
抜加工し、絶縁導体70と銅パイプを密着させて外部導
体73とする。密着性を良くするために絶縁導体70の
外径と銅パイプの内径とを近似値とする必要があるが、
そうすると摩擦が大きくなって封入が困難となる。この
ため、短尺品(例えば30m程度)しか製造できない問
題点がある。また、銅パイプは、独立した別工程で製造
される上に、真円度を要求される。このため、かなりの
厚みが必要とされる(例えば0.30mm)。この厚み
は、引抜加工しても少ししか変らない(例えば0.26
mm)ので、曲げにくく、巻取りが困難である。この点
でも、短尺品しか製造できない問題点がある。
【0006】上記のように短尺品しか製造できないの
で、保護被覆層を効率良く形成することが出来ず、保護
被覆層がない。このため、用途が限定される問題点があ
る。
【0007】引抜加工時にかなり強いストレスが加わ
り、寸法精度が低下しやすい。このため、特性インピー
ダンス,電圧定在波比(VSWR)等の高周波伝送特性
が安定しない問題点がある。 引抜加工により製造するため、約1mmの仕上り外径
が限度である。すなわち、細径化が困難な問題点があ
る。
【0008】そこで、本発明の目的は、良好なシールド
特性を有し,長尺品の製造が可能であり,保護被覆層を
効率良く形成でき,高周波伝送特性が安定であり,細径
化が可能な同軸ケーブルを提供することを目的とする。
また、その同軸ケーブルを好適に製造しうる製造方法を
提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の同軸ケーブル
は、中心導体の外周に低誘電率絶縁体および外部導体を
順に設けてなる同軸ケーブルにおいて、前記外部導体
が、無電解めっきアンカー金属層と、このアンカー金属
層の外周に設けた電気めっき良導電性金属層とからなる
と共に、前記電気めっき良導電性金属層が、銅めっき層
と,光沢銅めっき層と,ストライクニッケルめっき層と
からなることを構成上の特徴とするものである。
【0010】本発明の同軸ケーブルの製造方法は、中心
導体の外周に低誘電率絶縁体を被覆する絶縁体被覆工程
と、被覆された低誘電率絶縁体の表面を活性化処理する
活性化処理工程と、活性化処理された低誘電率絶縁体の
表面にアンカー金属層を形成する無電解めっき工程と、
形成されたアンカー金属層の外周に良導電性金属層を形
成する電気めっき工程とを有すると共に、前記電気めっ
き工程は、銅めっき層を形成する銅めっき工程と,光沢
銅めっき層を形成する光沢銅めっき工程と,ストライク
ニッケルめっき層を形成するストライクニッケルめっき
工程とを有することを構成上の特徴とするものである。
【0011】
【作用】本発明の同軸ケーブルでは、絶縁体の外周に、
まず無電解めっきアンカー金属層を設け、さらにその外
周に、電気めっき良導電性金属層を設け、両者を合わせ
て外部導体としている。従って、外部導体に隙間がない
ので、シールド特性は良好である。また、無電解めっき
及び電解めっきで外部導体を形成するので、絶縁導体を
銅パイプに封入する必要がなく、さらに外部導体を薄く
(例えば0.1mm)形成できるので、曲げやすく、巻
取りも容易になり、長尺品を製造できる。また、長尺品
を製造できるので、保護被覆層を効率良く形成できる。
このため、広い用途に使用できる。また、めっきの液圧
しか加わらないため、寸法精度の低下がなく、特性イン
ピーダンス,電圧定在波比(VSWR)等の高周波伝送
特性が安定になる。さらに、仕上り外径0.9mm以下
の細径化も可能となる。
【0012】また、上記構成の同軸ケーブルにおいて、
前記良導電性金属層3bを、銅めっき層3cと,光沢銅
めっき層3dと,ストライクニッケルめっき層3eとか
ら構成しているので、銅めっき層3cにより絶縁体との
密着性が向上し、光沢銅めっき層3dにより導電性が向
上し、ストライクニッケルめっき層3eにより耐食性,
はんだ付け性が向上、特に好ましい。
【0013】上記構成の同軸ケーブルにおいて、前記低
誘電率絶縁体を、四弗化エチレン樹脂(PTFE),四
弗化エチレン−パーフロロアルキルビニルエーテル共重
合体樹脂(PFA),四弗化エチレン−六弗化プロピレ
ン共重合体樹脂(FEP),四弗化エチレン−エチレン
共重合体樹脂(ETFE)等のフッ素樹脂系の低誘電体
樹脂から構成すれば、プラズマ処理,火炎処理,スパッ
タエッチング処理,エキシマレーザー照射処理,金属ナ
トリウム−ナフタレン錯体溶液浸漬処理またはこれらの
組合せにより表面を活性化して好適に無電解めっき及び
電気めっきで外部導体を形成できるので、好ましい。上
記構成の同軸ケーブルにおいて、前記低誘電率絶縁体
を、ポリエチレン(PE),ポリプロピレン(PP)樹
脂等のポリオレフィン樹脂系の低誘電体樹脂から構成す
れば、プラズマ処理,火炎処理,クロム酸系または硫酸
系の強酸処理またはこれらの組合せにより表面を活性化
して好適に無電解めっき及び電解めっきで外部導体を形
成できるので、好ましい。
【0014】上記構成の同軸ケーブルにおいて、前記中
心導体の外径を0.05mm以上,0.20mm以下と
し、同軸ケーブルの仕上外径を0.9mm以下の細径と
すれば、電子機器の機器内配線材として好適に利用で
き、好ましい。
【0015】本発明の同軸ケーブルの製造方法は、絶縁
体の表面を活性化処理してから無電解めっきによりアン
カー金属層を設け、そのアンカー金属層の外周に電気め
っきにより良導電性金属層を設けて、外部導体を形成す
る。このため、絶縁体の外周に、密着性良く,十分な厚
さに,ストレスを加えることなく、外部導体を形成でき
る。そして、これにより、上記作用を持つ同軸ケーブル
を好適に製造できる。また、銅めっき層3cを形成し、
次に光沢銅めっき層3dを形成し,次にストライクニッ
ケルめっき層3eを形成して、上記電気めっきによる良
導電性金属層を形成するので、銅めっき層3cにより絶
縁体との密着性が向上し、光沢銅めっき層3dにより導
電性が向上し、ストライクニッケルめっき層3eにより
耐食性,はんだ付け性が向上し、特に好ましい。
【0016】上記構成の同軸ケーブルの製造方法におい
て、前記電気めっきにより良導電性金属層を設けた後、
熱処理すれば、同軸ケーブルの屈曲性を向上でき、好ま
しい。
【0017】
【実施例】以下、図に示す実施例により本発明をさらに
説明する。なお、これにより本発明が限定されるもので
はない。
【0018】−実施例1− 図1は、本発明の実施例1の細径同軸ケーブルを示す断
面図である。この細径同軸ケーブル5は、中心導体1
と,絶縁体2と,外部導体3と,保護被覆層4を順に設
けた構造であり、外径0.9mm,条長1000m以上
である。前記中心導体1は、外径0.2mmの銀めっき
銅線である。前記絶縁体2は、厚さ0.2mmの四弗化
エチレン樹脂(PTFE)の焼成体である。前記外部導
体3は、厚さ2.0μmのNi−P無電解めっきによる
アンカー金属層3aと,厚さ107μmの電気めっきに
よる良導電性金属層3bとからなっている。その良導電
性金属層3bは、図3の(g)に示すように、厚さ5μ
mの銅めっき層3cと,厚さ100μmの光沢銅めっき
層3dと,厚さ2μmのストライクニッケルめっき層3
eとからなっている。前記保護被覆層4は、厚さ41μ
mのPVC樹脂である。
【0019】図2は、本発明の細径同軸ケーブルの製造
方法のフロー図である。上記細径同軸ケーブル5の製造
を例にとって説明する。絶縁体被覆工程S1では、外径
0.20mmの銀めっき銅線を中心導体1として用い、
この外周上にペースト状の四弗化エチレン樹脂(PTF
E)をペースト押出し、焼成し、0.2mm厚の絶縁体
2を設ける。続いて、この絶縁体2の表面をアルコール
により洗浄し、図3の(a)に示す表面の油等の汚れ3
0を除去する。
【0020】活性化処理工程S2では、10℃のテトラ
エッチ((商標;潤工社)金属ナトリウム−ナフタレン
錯体溶液)中に1分間浸漬し、絶縁体2の表面を図3の
(b)に示すように活性化する。続いて、アルコールに
より洗浄し、絶縁体2の表面に付着している金属ナトリ
ウム溶液を除去する。なお、テトラエッチの外に、金属
ナトリウムアンモニア液,金属ナトリウム−ナフタレン
−ジエチレングリコールジメチルエーテル混合液などを
用いてもよい。
【0021】無電解めっき工程S3では、まず前処理と
して、湯洗,水洗を行い、二塩化第一錫(SnCl2
を吸着させ(感受性化,センシタイジング)、さらに二
塩化パラジウム(PdCl2 )溶液に浸漬して、図3の
(c)に示すようにパラジウム(Pd)31を絶縁体2
の表面に還元析出(アクチベイティング)させる。次
に、80℃の無電解ニッケル−リン(Ni−P)めっき
液(P=3%)を用いて5分間,無電解めっきを行い、
図3の(d)に示すようにNi−Pを析出させ、2.0
μm厚のアンカー金属層3aを設ける。続いて、超音波
水洗を行う。
【0022】電気めっき工程S4では、25℃の硫酸銅
めっき液を用いて1A/dm2 の電流条件で20分間,
銅の電気めっきを行い、図3の(e)に示すように5μ
m厚の銅めっき層3cを設ける。続いて、25℃の光沢
硫酸銅めっき液を用いて5A/dm2 の電流条件で90
分間,電気めっきを行い、図3の(f)に示すように1
00μm厚の光沢銅めっき層3dを設ける。続いて、2
0℃のストライクニッケルめっき液を用いて5A/dm
2 の電流条件で5分間,電気めっきを行い、図3の
(g)に示すように2μm厚のストライクニッケルめっ
き層3eを設ける。以上により、良導電性金属層3bを
形成したら、超音波水洗を行い,乾燥させる。
【0023】この後、150℃で10分間,熱処理す
る。この熱処理は必ずしも必要ないが、この熱処理を行
えば細径同軸ケーブルの屈曲性が向上する。外被形成工
程S5では、PVC樹脂を押出しして、保護被覆層4を
設ける。
【0024】−実施例2− 図4は、本発明の実施例2の細径同軸ケーブルを示す断
面図である。この細径同軸ケーブル6は、中心導体1
と,絶縁体42と,外部導体3と,保護被覆層4を順に
設けた構造であり、外径0.7mm,条長1000m以
上である。前記中心導体1は、外径0.1mmの銀めっ
き銅線である。前記絶縁体42は、厚さ0.1mmの四
弗化エチレン−パーフロロアルキルビニルエーテル共重
合体樹脂(PFA)である。前記外部導体3は、厚さ
1.0μmのNi−P無電解めっきによるアンカー金属
層3aと,厚さ80μmの良導電性金属層3bとからな
っている。その良導電性金属層3bは、銅めっき層と,
光沢銅めっき層と,ストライクニッケルめっき層とから
なっている。前記保護被覆層4は、厚さ119μmのP
VC樹脂である。
【0025】図2のフロー図により、上記細径同軸ケー
ブル6の製造方法を説明する。絶縁体被覆工程S1で
は、外径0.1mmの銀めっき銅線を中心導体1として
用い、この外周上に四弗化エチレン−パーフロロアルキ
ルビニルエーテル共重合体樹脂(PFA)を押出し、
0.1mm厚の絶縁体42を設ける。活性化処理工程S
2では、1×10-3Torr のアルゴン(Ar)雰囲気中
で5分間スパッタエッチング処理を行い、更に20℃の
テトラエッチ中に1分間浸漬し、絶縁体42の表面を活
性化する。無電解めっき工程S3では、まず実施例1と
同様に前処理し、次に80℃の無電解ニッケル−リン
(Ni−P)めっき液を用いて無電解めっきを行い、
1.0μm厚のアンカー金属層3aを設ける。続いて、
超音波水洗を行う。電気めっき工程S4では、25℃の
硫酸銅めっき液を用いて電気めっきを行い、銅めっき層
を設ける。続いて、25℃の光沢硫酸銅めっき液を用い
て電気めっきを行い、光沢銅めっき層を設ける。続い
て、20℃のストライクニッケルめっき液を用いて電気
めっきを行い、ストライクニッケルめっき層を設ける。
以上により、良導電性金属層3bを形成したら、超音波
水洗を行い,乾燥させる。外被形成工程S5では、PV
C樹脂を押出しして、保護被覆層4を設ける。
【0026】−実施例3− 図5は、本発明の実施例3の細径同軸ケーブルを示す断
面図である。この細径同軸ケーブル7は、中心導体1
と,絶縁体52と,外部導体3と,保護被覆層4を順に
設けた構造であり、外径0.5mm,条長1000m以
上である。前記中心導体1は、外径0.05mmの銅線
である。前記絶縁体52は、厚さ0.05mmの四弗化
エチレン−六弗化プロピレン共重合体樹脂(FEP)で
ある。前記外部導体3は、厚さ0.3μmのNi−P無
電解めっきによるアンカー金属層3aと,厚さ30μm
の良導電性金属層3bとからなっている。その良導電性
金属層3bは、銅めっき層と,光沢銅めっき層と,スト
ライクニッケルめっき層とからなっている。前記保護被
覆層4は、厚さ144.7μmのアクリル樹脂である。
【0027】図2のフロー図により、上記細径同軸ケー
ブル7の製造方法を説明する。絶縁体被覆工程S1で
は、外径0.05mmの銅線を中心導体1として用い、
この外周上に四弗化エチレン−六弗化プロピレン共重合
体樹脂(FEP)を押出し、0.05mm厚の絶縁体5
2を設ける。活性化処理工程S2では、エキシマレーザ
ー照射処理を行い、絶縁体52の表面を活性化する。無
電解めっき工程S3では、まず実施例1と同様に前処理
し、次にNi−P無電解めっきを行い、0.3μm厚の
アンカー金属層3aを設ける。電気めっき工程S4で
は、25℃の硫酸銅めっき液を用いて電気めっきを行
い、銅めっき層を設ける。続いて、25℃の光沢硫酸銅
めっき液を用いて電気めっきを行い、光沢銅めっき層を
設ける。続いて、20℃のストライクニッケルめっき液
を用いて電気めっきを行い、ストライクニッケルめっき
層を設ける。以上により、良導電性金属層3bを形成し
たら、超音波水洗を行い,乾燥させる。外被形成工程S
5では、アクリル樹脂を塗装して、保護被覆層4を設け
る。
【0028】−実施例4− 図6は、本発明の実施例4の細径同軸ケーブルを示す断
面図である。この細径同軸ケーブル8は、中心導体1
と,絶縁体62と,外部導体3と,保護被覆層4を順に
設けた構造であり、外径0.7mm,条長1000m以
上である。前記中心導体1は、外径0.2mmの銀めっ
き銅線である。前記絶縁体62は、厚さ0.1mmのポ
リエチレン樹脂(PE)である。前記外部導体3は、厚
さ1.0μmのNi−P無電解めっきによるアンカー金
属層3aと,厚さ50μmの良導電性金属層3bとから
なっている。その良導電性金属層3bは、銅めっき層
と,光沢銅めっき層と,ストライクニッケルめっき層と
からなっている。前記保護被覆層4は、厚さ99μmの
PVC樹脂である。
【0029】図2のフロー図により、上記細径同軸ケー
ブル8の製造方法を説明する。絶縁体被覆工程S1で
は、外径0.2mmの銀めっき銅線を中心導体1として
用い、この外周上にポリエチレン樹脂(PE)を押出
し、0.1mm厚の絶縁体62を設ける。活性化処理工
程S2では、クロム酸飽和硫酸液に浸漬し、絶縁体62
の表面を活性化する。無電解めっき工程S3では、まず
実施例1と同様に前処理し、次に80℃の無電解ニッケ
ル−リン(Ni−P)めっき液を用いて無電解めっきを
行い、1.0μm厚のアンカー金属層3aを設ける。電
気めっき工程S4では、25℃の硫酸銅めっき液を用い
て電気めっきを行い、銅めっき層を設ける。続いて、2
5℃の光沢硫酸銅めっき液を用いて電気めっきを行い、
光沢銅めっき層を設ける。続いて、20℃のストライク
ニッケルめっき液を用いて電気めっきを行い、ストライ
クニッケルめっき層を設ける。以上により、良導電性金
属層3bを形成したら、超音波水洗を行い,乾燥させ
る。外被形成工程S5では、PVC樹脂を押出しして、
保護被覆層4を設ける。
【0030】−他の実施例− 上記実施例1〜実施例4の無電解Ni−Pめっきの代わ
りに、銅,ニッケル−硼素(Ni−B)等の無電解めっ
きを行って、アンカー金属層3aを形成してもよい。ま
た、電気めっきの銅の代わりに、銀を使って、良導電性
金属層3bを形成してもよい。
【0031】
【発明の効果】本発明の同軸ケーブルおよびその製造方
法によれば、外部導体をめっきで薄く形成するので、外
部導体に隙間がなく、シールド特性が良好となる。ま
た、曲げやすく、巻取りも容易になり、長尺品を製造で
きる。また、保護被覆層を効率良く形成できため、広い
用途に使用できる。また、寸法精度が高く、高周波伝送
特性が安定になる。さらに、仕上り外径0.9mm以下
の細径化も可能となる。そこで、高周波回路基板,高周
波部品等における高周波信号の伝送線路,機器内配線材
として有用である。
【0032】特に、外部導体を、無電解めっきアンカー
金属層と,このアンカー金属層の外周に設けた電気めっ
き良導電性金属層とから構成し、その良導電性金属層
を、銅めっき層と,光沢銅めっき層と,ストライクニッ
ケルめっき層とから構成しているから、密着性,導電
性,耐食性,はんだ付け性を向上することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1の細径同軸ケーブルを示す断
面図である。
【図2】本発明の同軸ケーブルの製造方法を示すフロー
図である。
【図3】図1の細径同軸ケーブルの外部導体の形成過程
を示す説明図である。
【図4】本発明の実施例2の細径同軸ケーブルを示す断
面図である。
【図5】本発明の実施例3の細径同軸ケーブルを示す断
面図である。
【図6】本発明の実施例4の細径同軸ケーブルを示す断
面図である。
【図7】公知のセミリジット同軸ケーブルの一例を示す
断面図である。
【図8】公知の一般の同軸ケーブルの一例を示す一部切
り欠き正面図である。
【符号の説明】
1 中心導体 2 絶縁体 3 外部導体 3a アンカー金属層 3b 良導電性金属層 3c 銅めっき層 3d 光沢銅めっき層 3e ストライクニッケルめっき層 4 保護被覆層 5,6,7,8 細径同軸ケーブル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 北沢 弘 長野県上田市大字大屋300番地 東京特 殊電線株式会社 上田工場内 (56)参考文献 特開 平5−342930(JP,A) 実開 昭62−33117(JP,U) 実公 昭49−4704(JP,Y1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01B 11/18 H01B 7/18 H01B 11/06 H01B 13/00 553

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中心導体の外周に低誘電率絶縁体および
    外部導体を順に設けてなる同軸ケーブルにおいて、 前記外部導体は、無電解めっきアンカー金属層と、この
    アンカー金属層の外周に設けた電気めっき良導電性金属
    層からなると共に、前記電気めっき良導電性金属層が、
    銅めっき層と,光沢銅めっき層と,ストライクニッケル
    めっき層とからなることを特徴とする同軸ケーブル。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の同軸ケーブルにおい
    て、外部導体の外周に保護被覆層を設けたことを特徴と
    する同軸ケーブル。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載の同軸ケ
    ーブルにおいて、前記電気めっき良導電性金属層の厚さ
    が、30μm以上,107μm以下であることを特徴と
    する同軸ケーブル。
  4. 【請求項4】 請求項1から請求項3のいずれかに記載
    の同軸ケーブルにおいて、前記低誘電率絶縁体が、フッ
    素樹脂系またはポリオレフィン樹脂系の低誘電体樹脂か
    らなることを特徴とする同軸ケーブル。
  5. 【請求項5】 請求項1から請求項4のいずれかに記載
    の同軸ケーブルにおいて、前記中心導体の外径が0.0
    5mm以上,0.20mm以下であり、同軸ケーブルの
    仕上外径が0.9mm以下の細径であることを特徴とす
    る同軸ケーブル。
  6. 【請求項6】 中心導体の外周に低誘電率絶縁体を被覆
    する絶縁体被覆工程と、被覆された低誘電率絶縁体の表
    面を活性化処理する活性化処理工程と、活性化処理され
    た低誘電率絶縁体の表面にアンカー金属層を形成する無
    電解めっき工程と、形成されたアンカー金属層の外周に
    良導電性金属層を形成する電気めっき工程とを有する
    共に、前記電気めっき工程は、銅めっき層を形成する銅
    めっき工程と,光沢銅めっき層を形成する光沢銅めっき
    工程と,ストライクニッケルめっき層を形成するストラ
    イクニッケルめっき工程とを有することを特徴とする同
    軸ケーブルの製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の同軸ケーブルの製造方
    法において、前記良導電性金属層の外周に保護被覆層を
    設ける外被形成工程をさらに有することを特徴とする同
    軸ケーブルの製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項6または請求項7に記載の同軸ケ
    ーブルの製造方法において、前記電気めっき工程で形成
    する前記電気めっき良導電性金属層の厚さが、30μm
    以上,107μm以下であることを特徴とする同軸ケー
    ブルの製造方法。
  9. 【請求項9】 請求項6から請求項8のいずれかに記載
    の同軸ケーブルの製造方法において、前記低誘電率絶縁
    体がフッ素樹脂系の低誘電体樹脂である場合に、前記活
    性化処理が、スパッタエッチング処理,エキシマレーザ
    ー照射処理,金属ナトリウム−ナフタレン錯体溶液浸漬
    処理またはこれらの組合せであることを特徴とする同軸
    ケーブルの製造方法。
  10. 【請求項10】 請求項6から請求項9のいずれかに記
    載の同軸ケーブルの製造方法において、前記低誘電率絶
    縁体が、ポリオレフィン樹脂系の低誘電体樹脂である場
    合に、前記活性化処理が、プラズマ処理,火炎処理,ク
    ロム酸系または硫酸系の強酸処理またはこれらの組合せ
    であることを特徴とする同軸ケーブルの製造方法。
  11. 【請求項11】 請求項6から請求項10のいずれかに
    記載の同軸ケーブルの製造方法において、前記電気めっ
    き工程の後に、熱処理工程を有することを特徴とする同
    軸ケーブルの製造方法。
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