JP2005148448A - シリカ微粉体、その製造方法及び用途 - Google Patents

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尚作 八代
Sakatoshi Naito
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Mitsuyoshi Iwasa
光芳 岩佐
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Abstract

【課題】アミノ基含有シランカップリング剤により表面処理された、凝集性の小さいシリカ微粉体を提供する。このシリカ微粉体の容易な製造方法を提供する。更には、このシリカ微粉体からなる印字性持続効果に優れた正帯電トナー用外添剤を提供する。
【解決手段】一次粒子平均径が1μm以下の球状シリカ粉体が、アミノ基含有シランカップリング剤によって表面処理されてなるものであって、JIS K 5400の粒ゲージ法による凝集粒子検出数が2本以下であることを特徴とするシリカ微粉体。疎水性シランカップリング剤及び/又はシリコーンオイルにより更に疎水化処理された上記シリカ微粉体。これらのシリカ微粉体からなる正帯電トナー用外添剤。上記シリカ微粉体の製造方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、シリカ微粉体、その製造方法及び正帯電トナー用外添剤の用途に関する。
従来、デジタル複写機やレーザープリンター等に使用される静電荷像現像用トナーにおいては、その流動性改善と帯電特性安定化を図るために、シランカップリング剤で表面処理されたシリカ粉体が外添剤として用いられている。トナーには、帯電性の違いにより正帯電と負帯電があるが、正帯電トナー用外添剤のシリカ粉体は、元々シリカがシラノール基の存在によって負帯電しているので、アミノ基含有のシランカップリング剤などによって表面処理がなされている。トナー用外添剤には、凝集粒子を極力少なくすることが望まれ、それによってトナー表面を均一に被覆することができ、トナーの劣化を防止することができる(特許文献1)。
シランカップリング剤は、シリカに様々な特性を付与する有機官能基と、加水分解してシリカ表面のシラノール基と結合するアルコキシ基とを有しており、アルコキシ基はシリカ表面と反応すること以外に、隣接する他のアルコキシ基と縮重合して化学結合を形成する。とくに、アミノ基含有シランカップリング剤はアミノ基の自己触媒作用により、加水分解性が非常に強く、シリカ表面との反応が速やかに進行するが、その反面、アルコキシ基の縮重合も起こしやすいので、シランカップリング剤が連結したオリゴマーを形成し、凝集を発生させやすい。
シリカ粉体をシランカップリング剤で表面処理する方法としては、シランカップリング剤を含有する有機溶剤とシリカ粉体とを混合したパウダーリキッドを形成させた後、100℃以上に加熱して有機溶剤を揮発させる方法(特許文献1)、ヘンシェルミキサーなどの攪拌装置により、粉体を攪拌しながらシランカップリング剤を噴霧する方法(特許文献2)などがある。これらの方法は何れも液状のシランカップリング剤を用いるため、液滴により数μm〜数十μmオーダーの粗大な凝集粒子を生じやすいものであった。
1μm以下のシリカ粉体の凝集性の評価法としては、ゆるめ嵩密度、固め嵩密度などがあるが、いずれも粉体バルクでの評価であるので粒子レベルでの凝集度を測定することはできない。粒子レベルでの評価には、JIS K 5400による粒ゲージ法がある。この方法は、塗料中の顔料の凝集度を評価するものであるが、凝集による粗粒子を直接検出できる点で、シリカ粉体の凝集度の評価に適用できる。特許文献2には、ゆるめ嵩密度60g/l以下のシリカ粉体が開示されているが、それを粒ゲージ法で測定すると、数十μmオーダーの粗粒子が検出され、トナーの劣化を十分に防止できるものではなかった。
一方、シリカ粉体の凝集発生を抑制するため、シリカ粉体を窒素ガスで浮遊又は流動させておき、オルガノハロシランガスと接触させて表面処理を行う方法が提案されている(特許文献3)。この方法は、オルガノハロシランの反応効率を上げるために、ガス流速を1.4〜3cm/secと遅くする必要があったので良好な浮遊層又は流動層(以下、浮遊層又は流動層を「浮遊層等」ともいう。)を形成させることが難しく、シランカップリング剤による処理が不均一になりやすいことが未解決であった。とくに、アミノ基含有シランカップリング剤で過剰に処理(被覆)された部分が、上記オリゴマーの形成が顕著となり、凝集を誘発させていた。
特許第1946047号公報 特許第2850016号公報 特開2001−261327号公報
本発明の目的は、アミノ基含有シランカップリング剤により表面処理されたものであって、凝集性の小さいシリカ微粉体を提供することである。本発明の別の目的は、このシリカ微粉体を容易に製造することであり、更にはこのシリカ微粉体からなる印字性持続効果に優れた正帯電トナー用外添剤を提供することである。
すなわち、本発明は、一次粒子平均径が1μm以下の球状シリカ粉体が、アミノ基含有シランカップリング剤によって表面処理されてなるものであって、JIS K 5400の粒ゲージ法による凝集粒子検出数が2本以下であることを特徴とするシリカ微粉体である。また、本発明は、アミノ基含有シランカップリング剤により表面処理された後、更に疎水性シランカップリング剤及び/又はシリコーンオイルによって疎水化処理されてなり、JIS K 5400の粒ゲージ法による凝集粒子検出数が2本以下であることを特徴とする上記シリカ微粉体である。また、本発明は、10cm/sec以上のガス流速により、粉塵濃度1〜12kg/mの球状シリカ粉体の浮遊層又は流動層を形成させた状態で、球状シリカ粉体とガス化したアミノ基含有シランカップリング剤を接触させた後、更に必要に応じて疎水性シランカップリング剤及び/又はシリコーンオイルと接触させることを特徴とする上記シリカ微粉体の製造方法である。さらに、本発明は、上記球状シリカ微粉体からなることを特徴とする正帯電トナー用外添剤である。
本発明によれば、アミノ基含有シランカップリング剤により表面処理されたものであって、凝集性の小さいシリカ微粉体とその容易な製造方法が提供される。また、本発明のシリカ微粉体は、トナー粒子表面を均一に被覆することができるので、トナーの劣化を防止し、長期間にわたって優れた印字性を持続することができる正帯電トナー用外添剤が提供される。
本発明で用いられる原料の球状シリカ粉体は、球状で一次粒子の平均径が1μm以下のものである。平均径が1μmをこえると、その用途が正帯電トナー用外添剤である場合、トナーとの付着力が小さくなるので、現像中のシェアがかかる部分でトナー表面から剥離し、印字汚れを引き起こす原因となる。球状の程度としては、以下の方法で測定された平均球形度が0.85以上であることが好ましい。このような球状シリカ粉体は、例えばシリコン粒子を化学炎や電気炉等で形成された高温場に投じて酸化反応させながら球状化する方法(例えば特許第1568168号明細書)、シリコン粒子スラリーを火炎中に噴霧して酸化反応させながら球状化する方法(例えば特開2000−247626号公報)などによって製造することができる。
球状シリカ粉体の平均球形度は、実体顕微鏡、例えば「モデルSMZ−10型」(ニコン社製)、走査型電子顕微鏡、透過型電子顕微鏡等にて撮影した粒子像を画像解析装置、例えば(日本アビオニクス社製など)に取り込み、次のようにして測定することができる。すなわち、写真から粒子の投影面積(A)と周囲長(PM)を測定する。周囲長(PM)に対応する真円の面積を(B)とすると、その粒子の真円度はA/Bとして表示できる。そこで、試料粒子の周囲長(PM)と同一の周囲長を持つ真円を想定すると、PM=2πr、B=πrであるから、B=π×(PM/2π)となり、個々の粒子の球形度は、球形度=A/B=A×4π/(PM)として算出することができる。このようにして得られた任意の粒子200個の球形度を求めその平均値を平均球形度とする。
本発明のシリカ微粉体は、上記球状シリカ粉体をアミノ基含有シランカップリング剤によって処理されたものであって、JIS K 5400の粒ゲージ法で測定された凝集粒子検出数が2本以下である。凝集粒子検出数が2本をこえると、用途が正帯電トナー用外添剤である場合、トナー表面を均一に被覆することができずに、トナーの劣化を速め、また粗大な凝集粒子は遊離外添剤として振る舞うので、印字汚れを引き起こす原因になる。
JIS K 5400の粒ゲージ法について説明すると、100μmから1μmにわたる溝が彫ってあるステンレス製台の上に、試料(スラリー)を滴下し、スクレーパーと呼ばれるステンレスの水平な板によって試料を溝に沿って薄く引き延ばす。凝集粒子があると、その粒径が示す溝の部分に鋭い線条が現れ、凝集が多いほど線条の数も多くなる。この線条が3本以上並んで現れたときの目盛を読み取って、試料の凝集度としている。すなわち、線条が2本以下の場合は、低凝集性であると判定される。
本発明において、試料(スラリー)の調製は、粉体試料10質量部とエタノール100質量部とを自公転攪拌機にて1分間混合して行われ、それを粒ゲージ台上に0.5mlを滴下し、スクレーパーにてゲージ溝に薄く引き延ばして測定される。凝集の線条が表われた粒径と本数を記録し、3回測定の平均値を算出する。
本発明において、アミノ基含有シランカップリング剤で処理する理由は、球状シリカ粉体に正帯電性を付与するためである。それを例示すると、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルメチルジメトキシシランなどであるが、中でも3−アミノプロピルトリメトキシシランが最適である。
アミノ基含有シランカップリング剤による処理量は、球状シリカ粉体100質量部あたり0.01〜3質量部、特に0.1〜2質量部であることが好ましい。0.01質量部未満では正帯電性を付与することができず、3質量部をこえるとアミノ基含有シランカップリング剤の濃度が高くなり、オリゴマー化による凝集発生が起こる原因となる。
本発明のシリカ微粉体の製造方法は、球状シリカ粉体の浮遊層等を形成させた状態で、ガス化されたアミノ基含有シランカップリング剤を供給して球状シリカ粉体と接触させる方法において、浮遊層等における球状シリカ粉体の粉塵濃度、浮遊層等を形成させるガス流速を特定したことである。
浮遊層等における球状シリカ粉体の粉塵濃度は、浮遊層等を形成している全ガス1mあたり1〜12kgとする。1kg/m未満ではガス化したアミノ基含有シランカップリング剤との接触頻度が少なくなり、12kg/mをこえると良好な浮遊層等を形成することができず、いずれの場合もアミノ基含有シランカップリング剤による処理が不十分となる。特に好ましい球状シリカ粉体の粉塵濃度は、3〜10kg/mである。
本発明においては、粉塵濃度が1〜12kg/mである浮遊層等を、ガス流速を10cm/sec以上と速くして形成していることが特徴である。これによって、球状シリカ粉体の良好な浮遊層等を形成させ、ガス化したアミノ基含有シランカップリング剤と均一に接触させることができる。ガス流速が10cm/sec未満では良好な浮遊層等を形成させることができず、アミノ基含有シランカップリング剤による処理が不均一となり、凝集が発生する恐れがある。特に好ましいガス流速は11〜17cm/secである。
本発明の製造方法において、球状シリカ粉体を、球状シリカ粉体100質量部に対し、好ましくは0.01〜3質量部、特に0.1〜2質量部のアミノ基含有シランカップリング剤で処理するには、浮遊層等におけるガス化したアミノ基含有シランカップリング剤の割合を全ガス100体積部に対して0.5〜30体積部(すなわち、浮遊層等におけるアミノ基含有シランカップリング剤ガスのガス濃度として0.5〜30体積%)とし、球状シリカ粉体とガス化したアミノ基含有シランカップリング剤との接触時間を調整して行うことが好ましい。ガス化したアミノ基含有シランカップリング剤の浮遊層等におけるガス濃度が0.5体積%未満では処理が不十分であり、30体積%をこえるとアミノ基含有シランカップリング剤がガス状態でもオリゴマー化する恐れがある。特に好ましいガス濃度は1.5〜20体積%である。ガス化したアミノ基含有シランカップリング剤を浮遊層等に存在させるには、例えばヒーター等で100℃以上に加熱された容器にアミノ基含有シランカップリング剤を滴下してガス化し、それを窒素やアルゴンなどの非酸化性ガスに同伴させて供給する方法などを採用することができる。
アミノ基含有シランカップリング剤で処理されたシリカ微粉体の回収は、ガスの供給を止め容器下部に沈着させてから回収する方法、処理後にガスの供給量を多くして容器の上方の出口から排出させバグフィルター等で回収する方法などによって行うことができる。この場合の浮遊層等の形成は、原料の球状シリカ粉体を容器に充填しておき、下方から目皿板を通して非酸化性ガスを流入して浮遊又は流動させ、上方の出口からガスを排出しながら行う方法、原料の球状シリカ粉体をガスに同伴させて容器内へ供給する方法などによって行うことができる。
正帯電トナー用外添剤においては、水分によるトナー劣化防止のため、表面が疎水性であるものが好まれることもある。アミノ基含有シランカップリング剤のうち、例えば3−アミノプロピルトリメトキシシラン等のようにアミノ基が末端にあるものは親水性であるので、これを疎水化したいときには、アミノ基含有シランカップリング剤で処理した後に、更に疎水性シランカップリング剤及び/又はシリコーンオイル(以下、「疎水化剤」ともいう。)よる追加処理を行う。末端に疎水基を持つ例えばN−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン等を用いたのでは十分な疎水性を付与することはできない。
本発明で使用される疎水性シランカップリング剤を例示すれば、炭化水素基を末端に持つ、例えばメチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、n−ヘキシルトリメトキシシラン、N−ヘキシルトリエトキシラン、N−オクチルトリエトキシシラン、デシルトリエトキシシラン、ヘキサメチルジシラザンなどである。また、シリコーンオイルとしては、ジメチルシリコーンオイル、メチルハイドロジェンシリコーンオイル及び末端あるいは側鎖をアミノ基やアルコキシ基によって変成した変性シリコーンオイルなどを例示することができる。これらには、市販品があるのでそれを用いることができる。
疎水化剤の使用量は、疎水性シランカップリング剤の場合は、球状シリカ粉体100質量部あたり0.02〜3質量部、シリコーンオイルの場合は、1〜8質量部とすることが好ましい。これよりも少ないと十分な疎水性を付与することができず、多いと凝集発生の恐れがある。
疎水化剤による処理は、アミノ基含有シランカップリング剤で球状シリカ粉体を処理した後、引き続き浮遊層等の形成を保持し、ガス化させたこれらの処理剤を供給するか、又はシリコーンオイルのような難揮発性の処理剤である場合は、ガス化させないで噴霧もしくは滴下することなどによって行う。アミノ基含有シランカップリング剤で事前に処理されているため、粒子間には斥力が働き、たとえ液滴により凝集を生じたとしても浮遊又は流動している最中に容易に凝集は解かれる。すなわち、アミノ基含有シランカップリング剤による処理が施されたシリカ微粉体の粒ゲージ法による凝集粒子検出数が2本以下であれば、疎水化剤による追加処理を行っても、2本以下の低凝集性は維持される。
アミノ基含有シランカップリング剤及び疎水化剤による処理は、室温で十分であるが、処理剤が系内で凝縮するのを防止するため、100℃以上で行うことが好ましい。また、これらの処理剤をガス化するには、例えば処理剤の露点以上に加熱された容器内に処理剤を滴下することによって行うことができる。
実施例で用いた原料の球状シリカ粉体は、燃焼炉の頂部に内炎と外炎が形成できるニ重管構造のLPG−酸素混合型バーナーが設置され、下部に捕集系ラインが直結されてなる装置を用いて製造した。上記バーナーの中心部にはスラリー噴霧用のニ流体ノズルが設置され、その中心部から、金属シリコン粉末(平均粒径10.5μm)50質量部と水50質量部からなるスラリーを、火炎中(温度約1900℃)に20.0kg/時間の速度で噴射し、また周囲からは酸素を供給した。生成した球状シリカ粉体はブロアーによって吸引されて捕集系ラインを経由し、バグフィルターで捕集した。得られた球状シリカ粉体の一次粒子平均径は0.15μm、平均球形度は0.95であった。
球状シリカ粉体の処理装置は、ステンレス製円筒容器(内径400mmの縦型で、180℃に保温されている)の下方の入口には、ガスを均一に供給し良好な浮遊層等を形成させるために25μmのステンレス製網を取り付け、また上方の出口には粉体が系外へ飛散しないようにろ布を取り付け、ガスのみを排出できるようにされたものである。アミノ基含有シランカップリング剤は、内部温度230℃に加熱された電気釜に滴下してガス化させ、窒素ガスに同伴させて円筒容器内に供給した。
シリカ微粉体の疎水化度は、メタノール滴定法により測定した。すなわち、イオン交換水50ml、試料0.2gをビーカーに入れ、マグネティックスターラーで攪拌しながらビュレットからメタノールを滴下した。ビーカー内のメタノール濃度が増加するにつれ粉体は徐々に沈降していき、その全量が沈んだ終点におけるメタノール水溶液中のメタノールの質量百分率を疎水化度[%]とした。
シリカ微粉体の帯電量は、吸引ブローオフ法によって測定した。すなわち、平均径5μmのアクリル樹脂粉(綜研化学社製商品名「MX−500」)と試料とを100:1の質量比でミキサーにより混合した。この混合粉体と平均径100μmのフェライト粉とを3:97の質量比でポリエチレン瓶に入れ、手振とうにて200回振とう混合した。このアクリル樹脂粉と試料とフェライト粉の混合粉をファラデーケージに仕込み、混合してから5分後に測定を開始した。測定は、ファラデーケージ下部からの目開き34μmのメッシュを通じて、吸引装置によりアクリル樹脂粉と試料のみを吸引し、3分後、ファラデーケージに残余した電荷量をエレクトロメータにて検出することにより行った。吸引ブローオフ帯電量[μC/g]は、式、{(ファラデーケージ内に残余したフェライト粉の電荷量[μC])/アクリル樹脂粉と試料の吸引質量[g])}、により算出した。
実施例1
球状シリカ粉体の5kgを浮遊層等を形成させた状態で、ガス化したアミノ基含有シランカップリング剤{(N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業社製商品名「KBM−573」)}85g(球状シリカ粉体100質量部あたり1.7質量部)と接触させて表面処理を行った。すなわち、アミノ基含有シランカップリング剤を電気釜内に滴下してガス化させ、それを窒素ガスに同伴させながら、上記円筒容器の下部から供給し、円筒容器に仕込まれた球状シリカ粉体の浮遊層等を形成させながら、球状シリカ粉体とガス化したアミノ基含有シランカップリング剤とを接触させながら処理した。接触時間(処理時間)は20分、浮遊層等のガス(アミノ基含有シランカップリング剤ガスと窒素ガスとの合計ガス)流量は512NL/minで、ガス流速は11.3m/secであり、アミノ基含有シランカップリング剤ガスのガス濃度は4.3体積%、浮遊層等の粉塵濃度は4.4kg/mである。処理後、窒素ガスの供給を止め、円筒容器の下部からシリカ微粉体を回収し、表面処理剤による処理量、疎水化度、帯電量、粒ゲージによる凝集度を測定した。それらの結果を表1、表2に示す。
実施例2
浮遊層等のガス流量を736NL/minとし、ガス流速を16.2cm/sec、アミノ基含有シランカップリング剤ガスのガス濃度を3.0体積%、粉塵濃度を4.0kg/mの浮遊層等を形成させたこと以外は、実施例1と同様にして表面処理を行った。
実施例3
アミノ基含有シランカップリング剤として、3−アミノプロピルトリエトキシシラン(信越化学工業社製商品名「KBE−903」)を用い、それを球状シリカ粉体100質量部あたり0.7質量部を電気釜内に滴下してガス化させ、流量502NL/minの窒素ガスに同伴させて供給し、アミノ基含有シランカップリング剤ガスのガス濃度を4.3体積%としたこと以外は、実施例1と同様にして表面処理を行った後、更に疎水化剤としてN−オクチルトリエトキシシラン(日本ユニカー製商品名「A−137」)117g(球状シリカ粉体100質量部あたり2.3質量部)を電気釜に滴下してガス化し、それによる処理をアミノ基含有シランカップリング剤の処理に引き続いて行った。
実施例4
N−オクチルトリエトキシシランによる処理のかわりに、アミノ変性シリコーンオイル(信越化学工業社製商品名「KF−859」)を用い、それをガス化させないで二流体ノズルから250g(球状シリカ微粉体100質量部あたり5.2質量部)を噴霧したこと以外は、実施例3と同様にして表面処理を行った。
比較例1
窒素ガス流量を300NL/minとし、浮遊層等のガス流速を6.6cm/sec、アミノ基含有シランカップリング剤ガスのガス濃度を7.3体積%、粉塵濃度を5.9kg/mの浮遊層等を形成させたこと以外は、実施例1と同様にして表面処理を行った。
比較例2
512NL/minの窒素ガスのみを円筒容器の下部から供給して浮遊層等を形成させ、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシランをガス状ではなく、液状で二流体ノズルから噴霧したこと以外は、実施例1に準じて表面処理を行った。
比較例3
球状シリカ粉体の仕込量を1kgとして浮遊層等における球状シリカ粉体の粉塵濃度を0.5kg/mとする一方、アミノ基含有シランカップリング剤の供給量を17g(球状シリカ粉体100質量部あたり1.7質量部)、接触時間を4分としてアミノ基含有シランカップリング剤ガスのガス濃度を4.3体積%としたこと以外は、実施例1と同様にして表面処理を行った。
比較例4
球状シリカ粉体の仕込量を20kgとして浮遊層等における球状シリカ粉体の粉塵濃度を13.7kg/mとする一方、アミノ基含有シランカップリング剤の供給量を340g(球状シリカ粉体100質量部あたり1.7質量部)、接触時間を82分としてアミノ基含有シランカップリング剤ガスのガス濃度を4.3体積%としたこと以外は、実施例1と同様にして表面処理を行った。
比較例5
アミノ基含有シランカップリング剤の処理量を200g(球状シリカ粉体100質量部あたり4.0質量部)とし、アミノ基含有シランカップリング剤ガスのガス濃度を34.3体積%としたこと以外は、実施例1と同様にして表面処理を行った。
比較例6
アミノ基含有シランカップリング剤の処理量を5g(球状シリカ粉体100質量部あたり0.1質量部)とし、アミノ基含有シランカップリング剤ガスのガス濃度を0.3体積%としたこと以外は、実施例1と同様にして表面処理を行った。
Figure 2005148448
Figure 2005148448
表1、2より、本発明のシリカ微粉体は、凝集の発生しやすいアミノ基含有シランカップリング剤により処理しているにもかかわらず、粒ゲージ法による凝集が見られず、凝集性の小さいものであることがわかる。また、浮遊層等のガス流速が適正でない場合(実施例1と比較例1との対比)、浮遊層等における球状シリカ粉体の粉塵濃度が適正でない場合(実施例1と比較例3、4との対比)、アミノ基含有シランカップリング剤による処理量が適正でない場合(実施例1と比較例5、6との対比)は、凝集が大幅に増加した。更には、実施例3、4に示すようにアミノ基含有シランカップリング剤ガスで処理した後に、疎水性シランカップリング剤又はシリコーンオイルで追加処理することにより、疎水化度を高めることが可能となった。比較例2のように、アミノ基含有シランカップリング剤をガス状でなく、液体噴霧により処理すると、凝集が大幅に増加した。
本発明のシリカ微粉体は、正帯電用トナー外添剤はもとより、例えばエポキシ樹脂、シリコーンゴム等の各種樹脂又はゴムの充填材として利用できる。

Claims (4)

  1. 一次粒子平均径が1μm以下の球状シリカ粉体が、アミノ基含有シランカップリング剤によって表面処理されてなるものであって、JIS K 5400の粒ゲージ法による凝集粒子検出数が2本以下であることを特徴とするシリカ微粉体。
  2. アミノ基含有シランカップリング剤により表面処理された後、更に疎水性シランカップリング剤及び/又はシリコーンオイルによって疎水化処理されてなり、JIS K 5400の粒ゲージ法による凝集粒子検出数が2本以下であることを特徴とする請求項1記載のシリカ微粉体。
  3. 10cm/sec以上のガス流速により、粉塵濃度1〜12kg/mの球状シリカ粉体の浮遊層又は流動層を形成させた状態で、球状シリカ粉体とガス化したアミノ基含有シランカップリング剤とを接触させた後、更に必要に応じて疎水性シランカップリング剤及び/又はシリコーンオイルと接触させることを特徴とするシリカ微粉体の製造方法。
  4. 請求項1又は2記載のシリカ微粉体からなることを特徴とする正帯電トナー用外添剤。
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