JP2005145954A - ピロメリット酸の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ジュレンから液相酸化によりピロメリット酸を製造するに際して、溶媒として酢酸を使用することなく、ピロメリット酸を連続的に高収率で工業的に製造する方法を提供する。
【解決手段】ジュレンを酸化して、トリメチル安息香酸、トリメチルベンジルアルコールおよびトリメチルベンズアルデヒドを含む反応混合物を得る工程A、工程Aで得られた反応混合物から、トリメチル安息香酸、トリメチルベンズアルデヒドおよびトリメチルベンジルアルコールを分離する工程B、および工程Bで分離されたトリメチル安息香酸および/またはトリメチルベンズアルデヒドを酸化してピロメリット酸を得る工程Cを有することを特徴とするピロメリット酸の製造方法。
【選択図】 無

Description

本発明はジュレンならびにその酸化誘導体を液相酸化してピロメリット酸を製造する方法に関し、より具体的には、出発原料のジュレンを液相酸化して中間生成物を段階的に
製造し、最終生成物のピロメリット酸を高収率で製造する方法に関する。
酢酸溶媒中における臭素-遷移金属触媒を用いたp-キシレンの空気酸化によるテレフタル酸製造は、多くの国において工業的に実施されている。芳香族炭化水素を原料とした液相酸化反応では、芳香族ポリカルボン酸を得るために溶媒として酢酸を使用することが必須となっている。この溶媒である酢酸は、燃焼によりロスしてしまう。
ジュレンは、他のアルキル芳香族化合物と同様に重金属触媒存在下に空気酸化されてピロメリット酸が製造されるが、生成物であるピロメリット酸の二つのカルボキシル基がオルト構造のため、重金属と錯体を形成して触媒の活性を低下させるので、このような構造を持たないアルキル芳香族化合物に比して収率が低いとされている。
従来の製造方法として、ポリアルキル芳香族アルデヒドを酢酸溶媒中で、コバルト/マンガン−臭素系触媒を用いて酸化を行うことによりピロメリット酸を生成させる方法がある(例えば、特許文献1参照。)。
また、ジュレンを液相酸化してピロメリット酸を製造する方法において、コバルト/マンガン/臭素触媒存在下で酸化するに際し、触媒を2段階添加し、回分式に反応させることが記載されている。(例えば、特許文献2参照。)。水溶媒中にてポリアルキル置換芳香族アルデヒドまたはその酸化誘導体を鉄/マンガン/臭素存在下、分子状酸素によって酸化することによるピロメリット酸の製造方法もある(例えば、特許文献3参照。)。
ジュレンの酸化によりピロメリット酸を製造すると、溶媒である酢酸が燃焼によりロスしてしまうため、酢酸を使用しないピロメリット酸の製造方法が要求されている。
また、水溶媒中にて酸化反応を行う場合、酸化原料であるポリアルキル置換芳香族アルデヒドが高価であるという欠点を有する。さらに、酢酸溶媒中にて酸化反応を行う場合、回分式にならざるを得ないこと等の問題がある。
特開昭57−38745号公報 特開平2−184652号公報 特公平7−116097号公報
本発明は、安価なジュレンから液相酸化によりピロメリット酸を製造するに際して、溶媒として酢酸を使用することなく、ピロメリット酸を連続的に高収率で工業的に製造する方法を提供することを目的とする。
この課題を解決するために鋭意検討した結果、本発明者らは、原料であるジュレンを酸化する際に、特定の手順を踏んで段階的に酸化を行うことで、ピロメリット酸が連続的に且つ高収率で得られることを見出し、本発明に到達した。
即ち本発明は、ジュレンを酸化して、トリメチル安息香酸、トリメチルベンジルアルコールおよびトリメチルベンズアルデヒドを含む反応混合物を得る工程A、工程Aで得られた反応混合物から、トリメチル安息香酸、トリメチルベンズアルデヒドおよびトリメチルベンジルアルコールを分離する工程B、および工程Bで分離されたトリメチル安息香酸および/またはトリメチルベンズアルデヒドを酸化してピロメリット酸を得る工程Cを有することを特徴とするピロメリット酸の製造方法に関するものである。
本発明の方法により、出発原料のジュレンを段階的に液相酸化することにより、目的とするピロメリット酸が高収率で得られる。本発明は、安価なジュレンの液相酸化を連続式で行うものであるから工業的に極めて優れた方法であり、本発明の工業的意義は大きい。
以下本発明を詳細に説明する。
<工程A>
本発明で用いる酸化原料のジュレンは、接触改質油又は熱分解油中のC10留分に存在し、蒸留により分離された市販品を使用することが出来る。酸化原料中に、ジュレンの酸化中間体である、2,4,5-トリメチルベンズアルデヒドならびに、2,4,5-トリメチル安息香酸が含まれていても良い。
工程Aでは、ジュレンを、分子状酸素にて液相酸化を行い、トリメチル安息香酸、トリメチルベンジルアルコールおよびトリメチルベンズアルデヒドを含む反応混合物を得る。ここで、トリメチル安息香酸、トリメチルベンジルアルコールおよびトリメチルベンズアルデヒドは、特記しない限り、各々2,4,5-トリメチル安息香酸、2,4,5-トリメチルベンジルアルコール及び2,4,5-トリメチルベンズアルデヒドを表している。
工程Aの酸化反応においては、溶媒を用いることが好ましい。溶媒としては、水を用いることが好ましい。ジュレンに対する溶媒の重量比(SR)は、0.2〜10の範囲が好ましく、より好ましくは、1〜5の範囲である。また、トリメチル安息香酸が出発原料のジュレンと反応系内に共存することが好ましく、この場合、トリメチル安息香酸の量は、溶媒の総量に対して0.1〜40重量%の範囲であることが好ましい。ここで、トリメチル安息香酸は、新規に供給してもよいし、後述の工程Bで分離されたものを循環使用してもよい。水を溶媒とし、トリメチル安息香酸を共存させた場合、工程Aでの目的物であるトリメチルベンズアルデヒド、ならびにトリメチル安息香酸の選択率が著しく向上する。
工程Aの酸化反応において、触媒を用いることが好ましい。触媒として少なくとも1種の重金属化合物を用いることが好ましい。ここで、重金属としては、コバルト、マンガン、鉄、ジルコニウム、セリウム等が用いられるが、コバルトおよび/またはマンガンを用いることがより好ましい。これらの金属は、有機酸塩、ハロゲン化物等の化合物として使用できるが、特に酢酸塩として用いることが好ましい。触媒の使用量は、酸化原料であるジュレンに対する金属原子として0.01〜2重量%、好ましくは0.05〜1重量%の範囲である。
工程Aにおける液相酸化の反応温度は、90〜230℃、好ましくは140〜200℃の範囲である。反応圧力は、0.1〜4.0MPaG、好ましくは0.2〜3.2MPaG、より好ましくは0.4〜2.5MPaGの範囲である。
工程Aで得られた反応混合物を原料として液相酸化することにより、ピロメリット酸を製造することができるが、工程Aで生成したトリメチルベンジルアルコールや未反応のジュレンが原料中に存在するとピロメリット酸の収率が低下するため、本発明においては、以下の工程Bを経由することが好ましく、更に工程Dあるいは工程Eを経由することがより好ましい。
<工程B>
工程Bにおいては、工程Aで得られた反応混合物から、トリメチル安息香酸、トリメチルベンズアルデヒドおよびトリメチルベンジルアルコールを分離する。該反応混合物には、主として、未反応ジュレン、トリメチル安息香酸、トリメチルベンズアルデヒド、トリメチルベンジルアルコールが含まれ、更に溶媒や触媒を使用した場合には水および触媒成分が含まれている。トリメチル安息香酸、トリメチルベンズアルデヒドおよびトリメチルベンジルアルコールを分離する方法には制限はないが、例えば、ジュレン等の油相と、水相とに2相分離し、該油相を減圧蒸留することにより、ジュレン、トリメチル安息香酸、トリメチルベンズアルデヒドおよびトリメチルベンジルアルコールのそれぞれを主成分とする留分が得られる。ここで分離されたトリメチル安息香酸ならびにトリメチルベンズアルデヒドは、後述の工程Cにおいて酸化され、ピロメリット酸に変換される。前記各留分には主成分以外の成分が含まれていてもよいが、工程Cに供給されるトリメチル安息香酸あるいはトリメチルベンズアルデヒドには、ジュレンあるいはトリメチルベンジルアルコールが含まれていないことが好ましい。これらが含まれていると工程Cの反応に悪影響を及ぼす場合がある。
一方、工程Bで分離されたトリメチルベンジルアルコールは、後述の工程Dあるいは工程Eにおいて酸化あるいは水素化還元され、その酸化反応物あるいは水素化還元反応物を、工程Bあるいは工程Aを経由して工程Cに供給することによりピロメリット酸に有効に変換される。従って、本発明の方法によれば、トリメチルベンジルアルコールの影響を受けること無く、高収率でピロメリット酸を製造することができる。また、工程Bで分離されたジュレンは、工程Aにおける原料として、あるいは、工程Dにおける溶媒として再利用することができる。
<工程C>
工程Cでは、トリメチル安息香酸および/またはトリメチルベンズアルデヒドを、分子状酸素にて液相酸化して、ピロメリット酸を得る。工程Cの酸化反応において、溶媒を用いることが好ましい。溶媒は水および/または脂肪族カルボン酸が好ましく、水が最も好適である。溶媒と酸化原料との重量比は、0.2:1〜10:1、好ましくは、1:1〜5:1の範囲である。
工程Cの酸化反応において、触媒を用いることが好ましい。触媒として少なくとも1種の重金属化合物を用いることが好ましい。ここで、重金属としては、コバルト、マンガン、鉄、ジルコニウム、セリウム等が用いられるが、コバルト、マンガンおよび鉄から選ばれる1種以上を用いることがより好ましい。これらの金属は、有機酸塩、ハロゲン化物等の化合物として使用できるが、特に酢酸塩、臭化物として用いることが好ましい。
更に、触媒として臭素化合物を用いることが特に好ましい。臭素化合物としては、例えば、臭化水素、臭化ナトリウム、臭化コバルトおよび臭化マンガン等の無機臭化物、テトラブロモエタン等の有機臭化物等が挙げられ、特に臭化水素、臭化コバルトおよび臭化マンガンが好ましい。
触媒の使用量は、溶媒に対する総金属原子として0.01〜1重量%、好ましくは0.05〜0.8重量%の範囲である。また、反応系内の全臭素濃度は、溶媒に対する臭素原子として、0.1〜4.0重量%、好ましくは0.5〜2.5重量%の範囲である。
工程Cにおいて、液相酸化の反応温度は、160〜260℃、好ましくは180〜240℃の範囲である。反応圧力は、0.5〜5.0MPaG、好ましくは1.0〜3.6MPaGの範囲である。
工程Cの反応液から溶媒等を分離することにより、ピロメリット酸が高収率で得られる。
<工程D>
工程Dでは、工程Bで分離されたトリメチルベンジルアルコールを、分子状酸素にて液相酸化して、トリメチル安息香酸およびトリメチルベンズアルデヒドを含む反応混合物を得、これらを工程Bに再循環させる。トリメチルベンジルアルコールを酸化させる際に、溶媒を用いることが好ましい。用いる溶媒は芳香族炭化水素類および/または水であり、好ましくはジュレンおよび/または水、特に好ましくはジュレンである。溶媒の使用量は、酸化原料(トリメチルベンジルアルコール)に対する溶媒の重量比(SR)として、1〜12、好ましくは、2〜6の範囲である。溶媒としてジュレンおよび/または水を使用すると、工程Dで得られた反応混合物を工程Bに供給する際に余分な分離工程を必要としないので好ましい。更に、工程Dの反応系にジュレンが含まれていると、工程Dの目的物であるトリメチルベンズアルデヒドおよびトリメチル安息香酸の選択率が向上するので好ましい。
工程Dの酸化反応において、触媒を用いることが好ましい。触媒として少なくとも1種の重金属化合物を用いることが好ましい。ここで、重金属としては、コバルト、マンガン、銅、鉄、ジルコニウム、セリウム等が用いられるが、コバルト、マンガンおよび銅から選ばれる1種以上を用いることがより好ましい。これらの金属は、有機酸塩、ハロゲン化物等の化合物として使用できるが、特に酢酸塩、ナフテン酸塩等の有機酸塩として用いることが好ましい。
触媒の使用量は、酸化原料であるトリメチルベンジルアルコールに対する金属原子として0.01〜1重量%、好ましくは0.02〜0.5重量%の範囲である。
工程Dにおいて、液相酸化の反応温度は、120〜240℃、好ましくは150〜220℃の範囲である。反応圧力は、0.0〜3.6MPaG、好ましくは0.1〜3.2MPaG、より好ましくは0.2〜2.7MPaGの範囲である。
工程Dで得られた反応混合物は、工程Bに供給され、工程Dで生成したトリメチル安息香酸とトリメチルベンズアルデヒドが分離される。工程Bで分離されたトリメチル安息香酸とトリメチルベンズアルデヒドは後述の工程Cに供給される。ここで、工程Dの反応混合物を工程Bに供給する方法には制限がない。例えば、工程Aの反応混合物に混合してもよいし、混合せずに直接、2相分離装置等の工程Bの各機器に供給してもよい。
工程A、CおよびDの酸化反応には、酸素含有ガスを用いる。酸素含有ガスとしては、空気、酸素ガス、または酸素を窒素、アルゴン等の不活性ガスと混合したガスが挙げられるが、空気が工業的に最も有利である。
酸化反応器としては、攪拌槽や気泡塔などを用いることが出来るが、攪拌槽が反応器内の攪拌を十分に行うことができ好ましい。反応の形式としては回分式、半回分式または連続式のいずれでもよいが、連続式がより好適である。
反応器からの排ガス中の酸素濃度は0.1〜8容量%、好ましくは1〜5容量%の範囲である。反応器には、還流冷却器を設け、排ガスに同伴される多量の溶媒および酸化反応で生成する水を凝縮させることが好ましい。凝縮した溶媒および水は通常反応器に還流されるが、反応器内の水分濃度を調整するために、その一部を反応系外に抜き出すことも行われる。
<工程E>
工程Eでは、工程Bで分離されたトリメチルベンジルアルコールを、分子状水素にて液相水素化還元して、ジュレンを得る。トリメチルベンジルアルコールを水素化還元させる際は、溶媒を用いることが好ましい。溶媒としてはトリメチルベンジルアルコールの自己溶媒により、あるいは他の溶媒を使用してのいずれでもよい。他の溶媒を使用する場合は、芳香族炭化水素類および/または水が好ましく、より好ましくはジュレンおよび/または水、特に好ましくはジュレンである。溶媒の使用量は、水素化原料(トリメチルベンジルアルコール)に対する溶媒の重量比(SR)として、0〜12(自己溶媒の場合を含む)、好ましくは、2〜6の範囲である。溶媒としてジュレンおよび/または水を使用すると、工程Eで得られたジュレンを再利用する際に余分な分離工程を必要としないので好ましい。
工程Eの水素化還元反応において、触媒を用いることが好ましい。触媒として少なくとも1種の重金属化合物を用いることが好ましい。ここで、重金属としては、ロジウム、パラジウム、ルテニウム、白金、ニッケル、鉄、タングステン、銅、コバルトおよびマンガンから選ばれる1種以上を用いることが好ましく、ロジウム、ルテニウムおよび白金から選ばれる1種以上を用いることがより好ましい。これらの金属は、金属酸化物、有機酸塩、ハロゲン化物等の化合物として使用できるが、特に酢酸塩、ナフテン酸塩等の有機酸塩として用いることが好ましい。
触媒の使用量は、水素化原料であるトリメチルベンジルアルコールに対する金属原子として0.01〜3重量%、好ましくは0.02〜1.0重量%の範囲である。
工程Eにおいて、水素化還元の反応温度は、20〜230℃、好ましくは80〜180℃の範囲である。反応圧力は、0.1〜10MPaG、好ましくは0.2〜4.0MPaG、より好ましくは0.3〜2.4MPaGの範囲である。反応の形式としては回分式、半回分式または連続式のいずれでもよいが、連続式がより好適である。
工程Eで得られたジュレンは分離されて、工程Bに供給される。ここで、工程Eのジュレンを工程Bに供給する方法には制限がない。例えば、工程Aの反応混合物に混合してもよいし、混合せずに直接、2相分離装置等の工程Bの各機器に供給してもよい。
工程A、C、DおよびEの内、少なくとも1つの工程を連続式にて行うことが好ましい。
次に実施例により、本発明をさらに具体的に説明する。但し本発明は、以下の実施例により何ら制限されるものではない。
実施例1
<工程A>
還流冷却管付きのガス排出管、ガス吹き込み管および攪拌機を有する2Lのチタン製オートクレーブ(反応器1)に、原料としてジュレンを331g/hで、また、トリメチル安息香酸を55g/hで、および溶媒として水を342g/hで供給した。触媒として酢酸コバルト4水塩を溶媒に対し、コバルト濃度500ppmとなるように添加し、窒素雰囲気下で昇温し、120℃において、0.4MPaGで空気を導入し滞留時間50分にて連続反応を行った。
<工程B>
上記反応で得られた反応混合物を、静置して水相とジュレンを含む油相に分離し、この油相を200Torr(約27kPa)で、理論段8段相当の蒸留塔で減圧蒸留を行いジュレンを分離した。その後、ジュレン分離後の油相を、20Torr(約2.7kPa)で、理論段15段相当の蒸留塔で減圧蒸留を行い、トリメチル安息香酸、トリメチルベンズアルデヒドおよびトリメチルベンジルアルコールのそれぞれを主成分とする留分を分離した。
<工程D>
還流冷却管付きのガス排出管、ガス吹き込み管および攪拌機を有する2Lのチタン製オートクレーブ(反応器2)に、原料として工程Bで分離したトリメチルベンジルアルコールを200g/hで、および溶媒としてジュレンを800g/hで供給した。触媒としてナフテン酸マンガンとナフテン酸銅を、溶媒に対し、マンガン濃度200ppm、銅濃度50ppmとなるように添加し、窒素雰囲気下で昇温し、170℃において、0.4MPaGで空気を導入し滞留時間120分にて連続反応を行った。
この反応で得られた反応混合物を、上記工程Bにおけるジュレンを含む油相に添加した。
<工程C>
還流冷却管付きのガス排出管、ガス吹き込み管および攪拌機を有する2Lのジルコニウム製オートクレーブ(反応器3)に、原料として、上記工程Bで分離されたトリメチル安息香酸を25g/hで、トリメチルベンズアルデヒドを5g/hで、および溶媒として水を230g/hで供給した。触媒として臭化マンガン4水塩、臭化鉄、臭化水素を溶媒に対し、マンガン濃度0.43重量%、鉄濃度0.0008重量%、臭素濃度2.4重量%となるように添加し、窒素雰囲気下で昇温し、215℃において、3.0MPaGで空気を導入し滞留時間90分にて連続反応を行った。得られた反応生成物を分析した結果、全工程における、反応したジュレンに対するピロメリット酸収率は73.2モル%であった。結果を表1に示す。
実施例2
実施例1の工程Aにおいて、トリメチル安息香酸の供給量を165g/hとした以外は実施例1と同様に行った。結果を表1に示す。
実施例3
実施例1の工程Dにおいて、ナフテン酸マンガンの代わりにナフテン酸コバルトを用いた以外は実施例1と同様に行った。結果を表1に示す。
実施例4
実施例1の工程Aにおいて、トリメチル安息香酸の供給量を0g/hとした以外は実施例1と同様に行った。結果を表1に示す。
実施例5
実施例1の工程Aにおいて、溶媒である水の供給量を0g/hとした以外は実施例1と同様に行った。結果を表1に示す。
実施例6
実施例1の工程Dにおいて、溶媒であるジュレンの供給量を0g/hとした以外は実施例1と同様に行った。結果を表1に示す。
実施例7
<工程A>
還流冷却管付きのガス排出管、ガス吹き込み管および攪拌機を有する2Lのチタン製オートクレーブ(反応器1)に、原料としてジュレンを331g/hで、また、トリメチル安息香酸を55g/hで、および溶媒として水を342g/hで供給した。触媒として酢酸コバルト4水塩を溶媒に対し、コバルト濃度500ppmとなるように添加し、窒素雰囲気下で昇温し、120℃において、0.4MPaGで空気を導入し滞留時間50分にて連続反応を行った。
<工程B>
上記反応で得られた反応混合物を、静置して水相とジュレンを含む油相に分離し、この油相を200Torrで、理論段8段相当の蒸留塔で減圧蒸留を行いジュレンを分離した。その後、ジュレン分離後の油相を、20Torrで、理論段15段相当の蒸留塔で減圧蒸留を行い、トリメチル安息香酸、トリメチルベンズアルデヒドおよびトリメチルベンジルアルコールのそれぞれを主成分とする留分を分離した。
<工程E>
還流冷却管付きのガス排出管、ガス吹き込み管および攪拌機を有する2Lのチタン製オートクレーブ(反応器2)に、原料として工程Bで分離したトリメチルベンジルアルコールを200g/hで、および溶媒としてジュレンを800g/hで供給した。触媒としてルテニウムブラックを、溶媒に対し、ルテニウム濃度500ppmとなるように添加し、水素雰囲気下で昇温し、150℃において、1.2MPaGで水素を導入し滞留時間60分にて連続反応を行った。
この反応で得られたジュレンを、上記工程Bにおけるジュレンを含む油相に添加した。
<工程C>
還流冷却管付きのガス排出管、ガス吹き込み管および攪拌機を有する2Lのジルコニウム製オートクレーブ(反応器3)に、原料として、上記工程Bで分離されたトリメチル安息香酸を25g/hで、トリメチルベンズアルデヒドを5g/hで、および溶媒として水を230g/hで供給した。触媒として臭化マンガン4水塩、臭化鉄、臭化水素を溶媒に対し、マンガン濃度0.43重量%、鉄濃度0.0008重量%、臭素濃度2.4重量%となるように添加し、窒素雰囲気下で昇温し、215℃において、3.0MPaGで空気を導入し滞留時間90分にて連続反応を行った。得られた反応生成物を分析した結果、全工程における、反応したジュレンに対するピロメリット酸収率は、72.0モル%であった。結果を表2に示す。
実施例8
実施例7の工程Aにおいて、トリメチル安息香酸の供給量を165g/hとした以外は実施例7と同様に行った。結果を表2に示す。
実施例9
実施例7の工程Aにおいて、トリメチル安息香酸の供給量を0g/hとした以外は実施例7と同様に行った。結果を表2に示す。
実施例10
実施例7の工程Aにおいて、溶媒である水の供給量を0g/hとした以外は実施例7と同様に行った。結果を表2に示す。
比較例1
還流冷却管付きのガス排出管、ガス吹き込み管および攪拌機を有する2Lのジルコニウム製オートクレーブに、酢酸ジルコニウム、酢酸マンガン4水塩、47重量%臭化水素水溶液、氷酢酸、水を混合した触媒液(ジルコニウム濃度0.01重量%、マンガン濃度0.37重量%、臭素濃度0.4重量%、水分濃度5重量%)を300g/hで、ジュレンを73g/hで供給し、220℃において、3.3MPaGで空気を導入し滞留時間120分にて連続一段で酸化を行ったが反応が開始直後に停止した。結果を表2に示す。
比較例2
還流冷却管付きのガス排出管、ガス吹き込み管および攪拌機を有する2Lのジルコニウム製オートクレーブに、酢酸ジルコニウム、酢酸マンガン4水塩、47重量%臭化水素水溶液、氷酢酸、水を混合した触媒液(ジルコニウム濃度0.01重量%、マンガン濃度0.37重量%、臭素濃度0.4重量%、水分濃度5重量%)を300g/hで、ジュレンを73g/hで供給し、220℃において、3.3MPaGで空気を導入し滞留時間90分にてバッチ一段で酸化を行った。結果を表2に示す。
Figure 2005145954
Figure 2005145954
表1および表2における略号は、各々以下の通りである。
DRN:ジュレン
TMBA:トリメチル安息香酸
TBAL:トリメチルベンズアルデヒド
TMBALc:トリメチルベンジルアルコール
PMA: ピロメリット酸
本発明で得られるピロメリット酸は、特殊可塑剤、ポリアミド、イミド等の原料として有用である。

Claims (18)

  1. ジュレンを酸化して、トリメチル安息香酸、トリメチルベンジルアルコールおよびトリメチルベンズアルデヒドを含む反応混合物を得る工程A、工程Aで得られた反応混合物から、トリメチル安息香酸、トリメチルベンズアルデヒドおよびトリメチルベンジルアルコールを分離する工程B、および工程Bで分離されたトリメチル安息香酸および/またはトリメチルベンズアルデヒドを酸化してピロメリット酸を得る工程Cを有することを特徴とするピロメリット酸の製造方法。
  2. 工程Bで分離されたトリメチルベンジルアルコールを酸化し、該酸化反応で得られたトリメチル安息香酸およびトリメチルベンズアルデヒドを工程Bに供給する工程Dを有することを特徴とする請求項1に記載のピロメリット酸の製造方法。
  3. 工程Bで分離されたトリメチルベンジルアルコールを水素化還元し、該水素化還元反応で得られたジュレンを工程Bに供給する工程Eを有することを特徴とする請求項1に記載のピロメリット酸の製造方法。
  4. 工程Aの酸化反応において、溶媒として水を用い、トリメチル安息香酸をジュレンと共存させることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のピロメリット酸の製造方法。
  5. 工程Aにおけるジュレンに対する溶媒の重量比が、0.2〜10の範囲である請求項4に記載のピロメリット酸の製造方法。
  6. 工程Aにおけるトリメチル安息香酸の量が、溶媒の総量に対して、0.1〜40重量%の範囲である請求項4または5に記載のピロメリット酸の製造方法。
  7. 工程Aにおいて、触媒として少なくとも1種の重金属化合物を用い、反応温度が90〜230℃の範囲であり、且つ反応圧力が0.1〜4.0MPaGの範囲である請求項1〜6のいずれかに記載のピロメリット酸の製造方法。
  8. 工程Aで使用する触媒中の重金属がコバルトおよび/またはマンガンであり、触媒の使用量が、ジュレンに対する金属原子として0.01〜2重量%の範囲である請求項7に記載のピロメリット酸の製造方法。
  9. 工程Dにおいて、触媒として少なくとも1種の重金属化合物を用い、溶媒として芳香族炭化水素類および/または水を用い、反応温度を120〜240℃の範囲とし、且つ反応圧力を0.0〜3.6MPaGの範囲とすることを特徴とする請求項2に記載のピロメリット酸の製造方法。
  10. 工程Dで使用する触媒中の重金属がコバルト、マンガンおよび銅から選ばれる1種以上であり、触媒使用量が、トリメチルベンジルアルコールに対する金属原子として、0.01〜1重量%の範囲である請求項9に記載のピロメリット酸の製造方法。
  11. 工程Dにおけるトリメチルベンジルアルコールに対する溶媒の重量比が、1〜12の範囲である請求項9に記載のピロメリット酸の製造方法。
  12. 工程Eにおいて、触媒として少なくとも1種の重金属化合物を用い、反応温度を20〜230℃の範囲とし、且つ反応圧力を0.1〜10MPaGの範囲とすることを特徴とする請求項3に記載のピロメリット酸の製造方法。
  13. 工程Eで使用する重金属が、ロジウム、パラジウム、ルテニウム、白金、ニッケル、鉄、タングステン、銅、コバルトおよびマンガンから選ばれる1種以上であり、触媒使用量が、トリメチルベンジルアルコールに対する金属原子として、0.01〜3重量%の範囲である請求項12に記載のピロメリット酸の製造方法。
  14. 工程Eにおいて、溶媒として、トリメチルベンジルアルコールの自己溶媒、あるいは芳香族炭化水素類および/または水を用いて水素化を行い、トリメチルベンジルアルコールに対する溶媒の重量比が、0〜12の範囲である請求項12に記載のピロメリット酸の製造方法。
  15. 工程Cにおいて、触媒として少なくとも1種の重金属化合物、および臭素化合物を用い、溶媒として水および/または脂肪族カルボン酸を用いる請求項1〜14のいずれかに記載のピロメリット酸の製造方法。
  16. 工程Cで使用する触媒中の重金属がコバルト、マンガンおよび鉄から選ばれる1種以上であり、全重金属使用量が、溶媒に対する金属原子として0.01〜1重量%の範囲である請求項15に記載のピロメリット酸の製造方法。
  17. 工程Cにおける反応系内の全臭素濃度が、溶媒に対する臭素原子として、0.1〜4.0重量%の範囲である請求項15または16に記載のピロメリット酸の製造方法。
  18. 工程A、C、DおよびEの内、少なくとも1つの工程を連続式にて行うことを特徴とする請求項1〜17のいずれかに記載のピロメリット酸の製造方法。
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