JP2004123740A - トリメリット酸の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】安価なプソイドクメンから液相酸化によりトリメリット酸を製造するに際して、溶媒として酢酸を使用することなく、トリメリット酸を連続的に高収率で工業的に製造する方法を提供する。
【解決手段】プソイドクメンを酸化して、ジメチル安息香酸、ジメチルベンジルアルコールおよびジメチルベンズアルデヒドを含む反応混合物を得る工程A、工程Aで得られた反応混合物から、ジメチル安息香酸、ジメチルベンズアルデヒドおよびジメチルベンジルアルコールを分離する工程B、工程Bで分離されたジメチルベンジルアルコールを酸化し、該酸化反応で得られたジメチル安息香酸およびジメチルベンズアルデヒドを工程Bに供給する工程C、および、工程Bで分離されたジメチル安息香酸および/またはジメチルベンズアルデヒドを酸化してトリメリット酸を得る工程Dを有することを特徴とするトリメリット酸の製造方法。
【選択図】 無
【解決手段】プソイドクメンを酸化して、ジメチル安息香酸、ジメチルベンジルアルコールおよびジメチルベンズアルデヒドを含む反応混合物を得る工程A、工程Aで得られた反応混合物から、ジメチル安息香酸、ジメチルベンズアルデヒドおよびジメチルベンジルアルコールを分離する工程B、工程Bで分離されたジメチルベンジルアルコールを酸化し、該酸化反応で得られたジメチル安息香酸およびジメチルベンズアルデヒドを工程Bに供給する工程C、および、工程Bで分離されたジメチル安息香酸および/またはジメチルベンズアルデヒドを酸化してトリメリット酸を得る工程Dを有することを特徴とするトリメリット酸の製造方法。
【選択図】 無
Description
本発明はプソイドクメンならびにその酸化誘導体を液相酸化してトリメリット酸を製造する方法に関する。
酢酸溶媒中における臭素-遷移金属触媒を用いたp-キシレンの空気酸化によるテレフタル酸製造は、多くの国において工業的に実施されている。芳香族炭化水素を原料とした液相酸化反応では、芳香族ポリカルボン酸を得るために溶媒として酢酸を使用することが必須となっている。この溶媒である酢酸は、燃焼によりロスしてしまう。
プソイドクメンは、他のアルキル芳香族化合物と同様に重金属触媒存在下に空気酸化されてトリメリット酸が製造されるが、生成物であるトリメリット酸の二つのカルボキシル基がオルト構造のため、重金属と錯体を形成して触媒の活性を低下させるので、このような構造を持たないアルキル芳香族化合物に比して収率が低いとされている。
従来の製造方法として、はじめ臭化コバルトによる酸化を行い、ついでCo、Mn、臭化物を添加し、200℃以上で酸化を行うことによりトリメリット酸を生成させる方法がある(例えば、特許文献1参照。)。
また、水溶媒中にてポリアルキル置換芳香族アルデヒドまたはその酸化誘導体を分子状酸素によって酸化することによるトリメリット酸の製造方法もある(例えば、特許文献2参照。)。
米国特許第3491144号明細書
特公昭58−2222号公報
プソイドクメンは、他のアルキル芳香族化合物と同様に重金属触媒存在下に空気酸化されてトリメリット酸が製造されるが、生成物であるトリメリット酸の二つのカルボキシル基がオルト構造のため、重金属と錯体を形成して触媒の活性を低下させるので、このような構造を持たないアルキル芳香族化合物に比して収率が低いとされている。
従来の製造方法として、はじめ臭化コバルトによる酸化を行い、ついでCo、Mn、臭化物を添加し、200℃以上で酸化を行うことによりトリメリット酸を生成させる方法がある(例えば、特許文献1参照。)。
また、水溶媒中にてポリアルキル置換芳香族アルデヒドまたはその酸化誘導体を分子状酸素によって酸化することによるトリメリット酸の製造方法もある(例えば、特許文献2参照。)。
プソイドクメンの酸化によりトリメリット酸を製造すると、溶媒である酢酸が燃焼によりロスしてしまうため、酢酸を使用しないトリメリット酸の製造方法が要求されている。
また、水溶媒中にて酸化反応を行う場合、酸化原料であるポリアルキル置換芳香族アルデヒドが高価であるという欠点を有する。さらに、酢酸溶媒中にて酸化反応を行う場合、回分式にならざるを得ないこと等の問題がある。本発明は、安価なプソイドクメンから液相酸化によりトリメリット酸を製造するに際して、溶媒として酢酸を使用することなく、トリメリット酸を連続的に高収率で工業的に製造する方法を提供することを目的とする。
また、水溶媒中にて酸化反応を行う場合、酸化原料であるポリアルキル置換芳香族アルデヒドが高価であるという欠点を有する。さらに、酢酸溶媒中にて酸化反応を行う場合、回分式にならざるを得ないこと等の問題がある。本発明は、安価なプソイドクメンから液相酸化によりトリメリット酸を製造するに際して、溶媒として酢酸を使用することなく、トリメリット酸を連続的に高収率で工業的に製造する方法を提供することを目的とする。
この課題を解決するために鋭意検討した結果、本発明者らは、出発原料であるプソイドクメンを酸化する際に、特定の手順を踏んで段階的に酸化を行うことで、トリメリット酸が連続的に且つ高収率で得られることを見出し、本発明に到達した。
即ち本発明は、プソイドクメンを酸化して、ジメチル安息香酸、ジメチルベンジルアルコールおよびジメチルベンズアルデヒドを含む反応混合物を得る工程A、工程Aで得られた反応混合物から、ジメチル安息香酸、ジメチルベンズアルデヒドおよびジメチルベンジルアルコールを分離する工程B、工程Bで分離されたジメチルベンジルアルコールを酸化し、該酸化反応で得られたジメチル安息香酸およびジメチルベンズアルデヒドを工程Bに供給する工程C、および、工程Bで分離されたジメチル安息香酸および/またはジメチルベンズアルデヒドを酸化してトリメリット酸を得る工程Dを有することを特徴とするトリメリット酸の製造方法に関するものである。
本発明の方法により、原料プソイドクメンを段階的に液相酸化することにより、目的とするトリメリット酸が高収率で得られる。本発明は、安価なプソイドクメンの液相酸化を連続式で行うものであるから工業的に極めて優れた方法であり、本発明の工業的意義は大きい。
<工程A>
本発明で用いる酸化原料のプソイドクメンは、接触改質油又は熱分解油中のC9留分に存在し、蒸留により分離された市販品を使用することが出来る。酸化原料中に、プソイドクメンの酸化中間体であるジメチルベンズアルデヒド(3,4-ジメチルベンズアルデヒド、2,4-ジメチルベンズアルデヒド、2,5-ジメチルベンズアルデヒド)ならびに、ジメチル安息香酸(3,4-ジメチル安息香酸、2,4-ジメチル安息香酸、2,5-ジメチル安息香酸)が含まれていても良い。
本発明で用いる酸化原料のプソイドクメンは、接触改質油又は熱分解油中のC9留分に存在し、蒸留により分離された市販品を使用することが出来る。酸化原料中に、プソイドクメンの酸化中間体であるジメチルベンズアルデヒド(3,4-ジメチルベンズアルデヒド、2,4-ジメチルベンズアルデヒド、2,5-ジメチルベンズアルデヒド)ならびに、ジメチル安息香酸(3,4-ジメチル安息香酸、2,4-ジメチル安息香酸、2,5-ジメチル安息香酸)が含まれていても良い。
本発明の工程Aでは、プソイドクメンを、分子状酸素にて液相酸化を行い、ジメチル安息香酸、ジメチルベンジルアルコールおよびジメチルベンズアルデヒドを含む反応混合物を得る。ここで、ジメチル安息香酸、ジメチルベンジルアルコールおよびジメチルベンズアルデヒドは、3,4-、2,4-および2,5-の異性体の総称である(以下、特記しない限りは同様)。
この反応においては、水を溶媒として用いることが好ましく、この場合、プソイドクメンに対する溶媒の重量比(SR)は、0.2〜10の範囲が好ましく、より好ましくは、1〜5の範囲である。また、ジメチル安息香酸が反応系内に存在することが好ましく、この場合、ジメチル安息香酸は、溶媒に対して0.1〜40重量%の範囲であることが好ましい。ここで、ジメチル安息香酸は、新規に供給してもよいし、後述の工程Bで分離されたものを循環使用してもよい。水を溶媒とし、ジメチル安息香酸を共存させた場合、工程Aでの目的物であるジメチルベンズアルデヒド、ならびにジメチル安息香酸の選択率が著しく向上する。
この反応においては、水を溶媒として用いることが好ましく、この場合、プソイドクメンに対する溶媒の重量比(SR)は、0.2〜10の範囲が好ましく、より好ましくは、1〜5の範囲である。また、ジメチル安息香酸が反応系内に存在することが好ましく、この場合、ジメチル安息香酸は、溶媒に対して0.1〜40重量%の範囲であることが好ましい。ここで、ジメチル安息香酸は、新規に供給してもよいし、後述の工程Bで分離されたものを循環使用してもよい。水を溶媒とし、ジメチル安息香酸を共存させた場合、工程Aでの目的物であるジメチルベンズアルデヒド、ならびにジメチル安息香酸の選択率が著しく向上する。
本発明の工程Aでは、触媒として少なくとも一種以上の重金属化合物を用いることが好ましい。ここで、重金属としては、コバルト、マンガン、鉄、ジルコニウム、セリウム等が用いられるが、コバルトおよび/またはマンガンを用いることがより好ましい。これらの金属は、有機酸塩、ハロゲン化物等の化合物として使用できるが、特に酢酸塩として用いることが好ましい。触媒の使用量は、酸化原料であるプソイドクメンに対する金属原子として0.01〜2重量%、好ましくは0.05〜1重量%の範囲である。
本発明の工程Aにおける液相酸化の反応温度は、90〜170℃、好ましくは120〜150℃の範囲である。反応圧力は、0.1〜2.0MPaG、好ましくは0.2〜1.2MPaG、より好ましくは0.4〜0.8MPaGの範囲である。
工程Aで得られた反応混合物を原料とすることにより、TMAを液相酸化によって製造することができるが、生成したジメチルベンジルアルコールや未反応のプソイドクメンが原料中に存在するとトリメリット酸の収率が低下するため、本発明においては、以下の工程B〜Dを経由することが好ましい。
<工程B>
本発明の工程Bにおいては、工程Aで得られた反応混合物から、ジメチル安息香酸、ジメチルベンズアルデヒドおよびジメチルベンジルアルコールのそれぞれを分離する。該反応混合物には、主として、未反応プソイドクメン、ジメチル安息香酸、ジメチルベンズアルデヒド、ジメチルベンジルアルコール、更に溶媒あるいは触媒を使用した場合には水および触媒成分が含まれている。ジメチル安息香酸、ジメチルベンズアルデヒドおよびジメチルベンジルアルコールのそれぞれを分離する方法には制限はないが、例えば、プソイドクメン等の油相と、水相とに2相分離し、該油相を減圧蒸留することにより、プソイドクメン、ジメチル安息香酸、ジメチルベンズアルデヒドおよびジメチルベンジルアルコールのそれぞれを主成分とする各留分が得られる。ここで分離されたジメチル安息香酸ならびにジメチルベンズアルデヒドは、後述の工程Dにおいて酸化され、トリメリット酸に変換される。前記各留分には主成分以外の成分が含まれていてもよいが、工程Dに供給されるジメチル安息香酸あるいはジメチルベンズアルデヒドには、プソイドクメンあるいはジメチルベンジルアルコールが含まれていないことが好ましい。これらが含まれていると工程Dの反応に悪影響を及ぼす場合がある。
一方、工程Bで分離されたジメチルベンジルアルコールは、後述の工程Cにおいて酸化され、その酸化反応物を、工程Bを経由して工程Dに供給することによりトリメリット酸に有効に変換される。従って、本発明の方法によれば、ジメチルベンジルアルコールの影響無く、高収率でトリメリット酸を製造することができる。また、工程Bで分離されたプソイドクメンは、工程Aにおける原料として、あるいは、工程Cにおける溶媒として再利用することができる。
本発明の工程Bにおいては、工程Aで得られた反応混合物から、ジメチル安息香酸、ジメチルベンズアルデヒドおよびジメチルベンジルアルコールのそれぞれを分離する。該反応混合物には、主として、未反応プソイドクメン、ジメチル安息香酸、ジメチルベンズアルデヒド、ジメチルベンジルアルコール、更に溶媒あるいは触媒を使用した場合には水および触媒成分が含まれている。ジメチル安息香酸、ジメチルベンズアルデヒドおよびジメチルベンジルアルコールのそれぞれを分離する方法には制限はないが、例えば、プソイドクメン等の油相と、水相とに2相分離し、該油相を減圧蒸留することにより、プソイドクメン、ジメチル安息香酸、ジメチルベンズアルデヒドおよびジメチルベンジルアルコールのそれぞれを主成分とする各留分が得られる。ここで分離されたジメチル安息香酸ならびにジメチルベンズアルデヒドは、後述の工程Dにおいて酸化され、トリメリット酸に変換される。前記各留分には主成分以外の成分が含まれていてもよいが、工程Dに供給されるジメチル安息香酸あるいはジメチルベンズアルデヒドには、プソイドクメンあるいはジメチルベンジルアルコールが含まれていないことが好ましい。これらが含まれていると工程Dの反応に悪影響を及ぼす場合がある。
一方、工程Bで分離されたジメチルベンジルアルコールは、後述の工程Cにおいて酸化され、その酸化反応物を、工程Bを経由して工程Dに供給することによりトリメリット酸に有効に変換される。従って、本発明の方法によれば、ジメチルベンジルアルコールの影響無く、高収率でトリメリット酸を製造することができる。また、工程Bで分離されたプソイドクメンは、工程Aにおける原料として、あるいは、工程Cにおける溶媒として再利用することができる。
<工程C>
本発明の工程Cでは、ジメチルベンジルアルコールを、分子状酸素にて液相酸化して、ジメチル安息香酸およびジメチルベンズアルデヒドを含む反応混合物を得る。ジメチルベンジルアルコールを酸化させる際に、用いる溶媒は芳香族炭化水素類および/または水であり、好ましくはプソイドクメンおよび/または水、特に好ましくはプソイドクメンである。溶媒の使用量は、酸化原料(ジメチルベンジルアルコール)に対する溶媒の重量比(SR)として、1〜12、好ましくは、2〜6の範囲である。溶媒としてプソイドクメンおよび/または水を使用すると、工程Cで得られた反応混合物を工程Bに供給する際に余分な分離工程を必要としないので好ましい。更に、工程Cの反応系にプソイドクメンが含まれていると、工程Cの目的物であるジメチルベンズアルデヒドおよびジメチル安息香酸の選択率が向上するので好ましい。
本発明の工程Cでは、ジメチルベンジルアルコールを、分子状酸素にて液相酸化して、ジメチル安息香酸およびジメチルベンズアルデヒドを含む反応混合物を得る。ジメチルベンジルアルコールを酸化させる際に、用いる溶媒は芳香族炭化水素類および/または水であり、好ましくはプソイドクメンおよび/または水、特に好ましくはプソイドクメンである。溶媒の使用量は、酸化原料(ジメチルベンジルアルコール)に対する溶媒の重量比(SR)として、1〜12、好ましくは、2〜6の範囲である。溶媒としてプソイドクメンおよび/または水を使用すると、工程Cで得られた反応混合物を工程Bに供給する際に余分な分離工程を必要としないので好ましい。更に、工程Cの反応系にプソイドクメンが含まれていると、工程Cの目的物であるジメチルベンズアルデヒドおよびジメチル安息香酸の選択率が向上するので好ましい。
本発明の工程Cでは、触媒として少なくとも一種以上の重金属化合物を用いることが好ましい。ここで、重金属としては、コバルト、マンガン、銅、鉄、ジルコニウム、セリウム等が用いられるが、コバルト、マンガンおよび銅から選ばれた少なくとも1種を用いることがより好ましい。これらの金属は、有機酸塩、ハロゲン化物等の化合物として使用できるが、特に酢酸塩、ナフテン酸塩等の有機酸塩として用いることが好ましい。
触媒の使用量は、酸化原料であるジメチルベンジルアルコールに対する金属原子として0.01〜1重量%、好ましくは0.02〜0.5重量%の範囲である。
触媒の使用量は、酸化原料であるジメチルベンジルアルコールに対する金属原子として0.01〜1重量%、好ましくは0.02〜0.5重量%の範囲である。
本発明の工程Cにおいて、液相酸化の反応温度は、120〜210℃、好ましくは150〜180℃の範囲である。反応圧力は、0.0〜2.0MPaG、好ましくは0.1〜1.6MPaG、より好ましくは0.2〜0.8MPaGの範囲である。
工程Cで得られた反応混合物は、工程Bに供給され、工程Cで生成したジメチル安息香酸とジメチルベンズアルデヒドが分離される。工程Bで分離されたジメチル安息香酸とジメチルベンズアルデヒドは後述の工程Dに供給される。ここで、工程Cの反応混合物を工程Bに供給する方法には制限がない。例えば、工程Aの反応混合物に混合してもよいし、混合せずに直接、2相分離装置等の工程Bの各機器に供給してもよい。
<工程D>
本発明の工程Dでは、ジメチル安息香酸および/またはジメチルベンズアルデヒドを、分子状酸素にて液相酸化して、トリメリット酸を得る。用いる溶媒は水が最も好適であるが、脂肪族カルボン酸、脂肪族カルボン酸と水の混合物等、他の溶媒も使用可能である。溶媒と酸化原料との重量比は、0.2:1〜10:1、好ましくは、1:1〜5:1の範囲である。
本発明の工程Dでは、ジメチル安息香酸および/またはジメチルベンズアルデヒドを、分子状酸素にて液相酸化して、トリメリット酸を得る。用いる溶媒は水が最も好適であるが、脂肪族カルボン酸、脂肪族カルボン酸と水の混合物等、他の溶媒も使用可能である。溶媒と酸化原料との重量比は、0.2:1〜10:1、好ましくは、1:1〜5:1の範囲である。
本発明の工程Dでは、触媒として少なくとも一種以上の重金属化合物を用いることが好ましい。ここで、重金属としては、コバルト、マンガン、鉄、ジルコニウム、セリウム等が用いられるが、コバルトおよび/またはマンガンを用いることがより好ましい。これらの金属は、有機酸塩、ハロゲン化物等の化合物として使用できるが、特に酢酸塩、臭化物として用いることが好ましい。
更に、触媒として臭素化合物を用いることが特に好ましい。臭素化合物としては、例えば、臭化水素、臭化ナトリウムおよび臭化コバルト等の無機臭化物、テトラブロモエタン等の有機臭化物等が挙げられ、特に臭化水素、臭化コバルトおよび臭化マンガンが好ましい。
触媒の使用量は、溶媒に対する金属原子として0.01〜1重量%、好ましくは0.05〜0.8重量%の範囲である。また、反応系内の全臭素濃度は、溶媒に対する臭素原子として、0.1〜4.0重量%、好ましくは0.5〜2.5重量%の範囲である。
更に、触媒として臭素化合物を用いることが特に好ましい。臭素化合物としては、例えば、臭化水素、臭化ナトリウムおよび臭化コバルト等の無機臭化物、テトラブロモエタン等の有機臭化物等が挙げられ、特に臭化水素、臭化コバルトおよび臭化マンガンが好ましい。
触媒の使用量は、溶媒に対する金属原子として0.01〜1重量%、好ましくは0.05〜0.8重量%の範囲である。また、反応系内の全臭素濃度は、溶媒に対する臭素原子として、0.1〜4.0重量%、好ましくは0.5〜2.5重量%の範囲である。
本発明の工程Dにおいて、液相酸化の反応温度は、160〜260℃、好ましくは180〜240℃の範囲である。反応圧力は、0.5〜5.0MPaG、好ましくは1.0〜3.5MPaGの範囲である。
工程A、CおよびDの酸化反応には、酸素含有ガスを用いる。酸素含有ガスとしては、空気、酸素ガス、または酸素を窒素、アルゴン等の不活性ガスと混合したガスが挙げられるが、空気が工業的に最も有利である。
酸化反応器としては、攪拌槽や気泡塔などを用いることが出来るが、攪拌槽が反応器内の攪拌を十分に行うことができ好ましい。反応の形式としては回分式、半回分式または連続式のいずれでもよいが、連続式がより好適である。
反応器からの排ガス中の酸素濃度は0.1〜8容量%、好ましくは1〜5容量%の範囲である。反応器には、還流冷却器を設け、排ガスに同伴される多量の溶媒および酸化反応で生成する水を凝縮させることが好ましい。凝縮した溶媒および水は通常反応器に還流されるが、反応器内の水分濃度を調整するために、その一部を反応系外に抜き出すことも行われる。
酸化反応器としては、攪拌槽や気泡塔などを用いることが出来るが、攪拌槽が反応器内の攪拌を十分に行うことができ好ましい。反応の形式としては回分式、半回分式または連続式のいずれでもよいが、連続式がより好適である。
反応器からの排ガス中の酸素濃度は0.1〜8容量%、好ましくは1〜5容量%の範囲である。反応器には、還流冷却器を設け、排ガスに同伴される多量の溶媒および酸化反応で生成する水を凝縮させることが好ましい。凝縮した溶媒および水は通常反応器に還流されるが、反応器内の水分濃度を調整するために、その一部を反応系外に抜き出すことも行われる。
次に実施例により、本発明をさらに具体的に説明する。但し本発明は、以下の実施例により何ら制限されるものではない。
(実施例1)
<工程A>
反応器として、還流冷却管付きのガス排出管、ガス吹き込み管および攪拌機を有する2Lのチタン製オートクレーブを使用した。反応器に原料としてプソイドクメンを331g/hで、また、2,4-ジメチル安息香酸を55g/hで、および溶媒として水を342g/hで供給した。触媒として酢酸コバルト4水塩を溶媒に対し、コバルト濃度0.05重量%となるように添加し、窒素雰囲気下で昇温し、120℃において、0.4MPaGで空気を導入し滞留時間50分にて連続反応を行った。
<工程B>
上記反応で得られた反応混合物を、静置して水相とプソイドクメンを含む油相に分離し、この油相を200Torrで、理論段8段相当の蒸留塔で減圧蒸留を行いプソイドクメンを分離した。その後、プソイドクメン分離後の油相を、20Torrで、理論段15段相当の蒸留塔で減圧蒸留を行い、ジメチル安息香酸、ジメチルベンズアルデヒドおよびジメチルベンジルアルコールのそれぞれを主成分とする各留分を分離した。
<工程C>
上記と同じ反応器に原料として分離したジメチルベンジルアルコールを200g/hで、および溶媒としてプソイドクメンを800g/hで供給した。触媒としてナフテン酸マンガンとナフテン酸銅を、溶媒に対し、マンガン濃度0.02重量%、銅濃度0.005重量%となるように添加し、窒素雰囲気下で昇温し、170℃において、0.4MPaGで空気を導入し滞留時間120分にて連続反応を行った。
この反応で得られた反応混合物を、上記工程Bにおけるプソイドクメンを含む油相に添加した。
<工程D>
還流冷却管付きのガス排出管、ガス吹き込み管および攪拌機を有する2Lのジルコニウム製オートクレーブに原料として、上記工程Bで分離されたジメチル安息香酸を50g/hで、ジメチルベンズアルデヒドを10g/hで、および溶媒として水を230g/hで供給した。触媒として臭化マンガン4水塩、臭化水素を溶媒に対し、マンガン濃度0.43重量%、臭素濃度2.4重量%となるように添加し、窒素雰囲気下で昇温し、220℃において、3.3MPaGで空気を導入し滞留時間90分にて連続反応を行った。得られた反応混合物を分析した結果、反応したプソイドクメンに対する、トリメリット酸収率は71.0モル%であった。結果を表1に示す。
<工程A>
反応器として、還流冷却管付きのガス排出管、ガス吹き込み管および攪拌機を有する2Lのチタン製オートクレーブを使用した。反応器に原料としてプソイドクメンを331g/hで、また、2,4-ジメチル安息香酸を55g/hで、および溶媒として水を342g/hで供給した。触媒として酢酸コバルト4水塩を溶媒に対し、コバルト濃度0.05重量%となるように添加し、窒素雰囲気下で昇温し、120℃において、0.4MPaGで空気を導入し滞留時間50分にて連続反応を行った。
<工程B>
上記反応で得られた反応混合物を、静置して水相とプソイドクメンを含む油相に分離し、この油相を200Torrで、理論段8段相当の蒸留塔で減圧蒸留を行いプソイドクメンを分離した。その後、プソイドクメン分離後の油相を、20Torrで、理論段15段相当の蒸留塔で減圧蒸留を行い、ジメチル安息香酸、ジメチルベンズアルデヒドおよびジメチルベンジルアルコールのそれぞれを主成分とする各留分を分離した。
<工程C>
上記と同じ反応器に原料として分離したジメチルベンジルアルコールを200g/hで、および溶媒としてプソイドクメンを800g/hで供給した。触媒としてナフテン酸マンガンとナフテン酸銅を、溶媒に対し、マンガン濃度0.02重量%、銅濃度0.005重量%となるように添加し、窒素雰囲気下で昇温し、170℃において、0.4MPaGで空気を導入し滞留時間120分にて連続反応を行った。
この反応で得られた反応混合物を、上記工程Bにおけるプソイドクメンを含む油相に添加した。
<工程D>
還流冷却管付きのガス排出管、ガス吹き込み管および攪拌機を有する2Lのジルコニウム製オートクレーブに原料として、上記工程Bで分離されたジメチル安息香酸を50g/hで、ジメチルベンズアルデヒドを10g/hで、および溶媒として水を230g/hで供給した。触媒として臭化マンガン4水塩、臭化水素を溶媒に対し、マンガン濃度0.43重量%、臭素濃度2.4重量%となるように添加し、窒素雰囲気下で昇温し、220℃において、3.3MPaGで空気を導入し滞留時間90分にて連続反応を行った。得られた反応混合物を分析した結果、反応したプソイドクメンに対する、トリメリット酸収率は71.0モル%であった。結果を表1に示す。
(実施例2)
実施例1の工程Aにおいて、2,4-ジメチル安息香酸の供給量を165g/hとした以外は実施例1と同様に行った。結果を表1に示す。
実施例1の工程Aにおいて、2,4-ジメチル安息香酸の供給量を165g/hとした以外は実施例1と同様に行った。結果を表1に示す。
(実施例3)
実施例1の工程Cにおいて、ナフテン酸マンガンの代わりにナフテン酸コバルトを用いた以外は実施例1と同様に行った。結果を表1に示す。
実施例1の工程Cにおいて、ナフテン酸マンガンの代わりにナフテン酸コバルトを用いた以外は実施例1と同様に行った。結果を表1に示す。
(比較例1)
実施例1の工程Aにおいて、2,4-ジメチル安息香酸の供給量を0g/hとした以外は実施例1と同様に行った。結果を表1に示す。
実施例1の工程Aにおいて、2,4-ジメチル安息香酸の供給量を0g/hとした以外は実施例1と同様に行った。結果を表1に示す。
(比較例2)
実施例1の工程Aにおいて、溶媒である水の供給量を0g/hとした以外は実施例1と同様に行った。結果を表1に示す。
実施例1の工程Aにおいて、溶媒である水の供給量を0g/hとした以外は実施例1と同様に行った。結果を表1に示す。
(比較例3)
実施例1の工程Cにおいて、溶媒であるプソイドクメンの供給量を0g/hとした以外は実施例1と同様に行った。結果を表1に示す。
実施例1の工程Cにおいて、溶媒であるプソイドクメンの供給量を0g/hとした以外は実施例1と同様に行った。結果を表1に示す。
(比較例4)
還流冷却管付きのガス排出管、ガス吹き込み管および攪拌機を有する2Lのジルコニウム製オートクレーブに、酢酸ジルコニウム、酢酸マンガン4水塩、47重量%臭化水素水溶液、氷酢酸、水を混合した触媒液(ジルコニウム濃度0.01重量%、マンガン濃度0.37重量%、臭素濃度0.4重量%、水分濃度40重量%)を300g/hで、プソイドクメンを73g/hで供給し、220℃において、3.3MPaGで空気を導入し滞留時間90分にて連続一段で酸化を行った。結果を表1に示す。
還流冷却管付きのガス排出管、ガス吹き込み管および攪拌機を有する2Lのジルコニウム製オートクレーブに、酢酸ジルコニウム、酢酸マンガン4水塩、47重量%臭化水素水溶液、氷酢酸、水を混合した触媒液(ジルコニウム濃度0.01重量%、マンガン濃度0.37重量%、臭素濃度0.4重量%、水分濃度40重量%)を300g/hで、プソイドクメンを73g/hで供給し、220℃において、3.3MPaGで空気を導入し滞留時間90分にて連続一段で酸化を行った。結果を表1に示す。
表1における略号は、各々以下の通りである。
PCM:プソイドクメン
DMBA:ジメチル安息香酸
DBAL:ジメチルベンズアルデヒド
DMBALc:ジメチルベンジルアルコール
TMA:トリメリット酸
PCM:プソイドクメン
DMBA:ジメチル安息香酸
DBAL:ジメチルベンズアルデヒド
DMBALc:ジメチルベンジルアルコール
TMA:トリメリット酸
本発明で得られるトリメリット酸は、アルキッド樹脂、高級可塑剤、ポリアミドイミド、ポリエステル等の原料として広く用いられている。
Claims (13)
- プソイドクメンを酸化して、ジメチル安息香酸、ジメチルベンジルアルコールおよびジメチルベンズアルデヒドを含む反応混合物を得る工程A、工程Aで得られた反応混合物から、ジメチル安息香酸、ジメチルベンズアルデヒドおよびジメチルベンジルアルコールを分離する工程B、工程Bで分離されたジメチルベンジルアルコールを酸化し、該酸化反応で得られたジメチル安息香酸およびジメチルベンズアルデヒドを工程Bに供給する工程C、および、工程Bで分離されたジメチル安息香酸および/またはジメチルベンズアルデヒドを酸化してトリメリット酸を得る工程Dを有することを特徴とするトリメリット酸の製造方法。
- 前記工程Aにおいて、溶媒として水を用い、反応系にジメチル安息香酸を共存させることを特徴とする請求項1に記載のトリメリット酸の製造方法。
- プソイドクメンに対する溶媒の重量比が0.2〜10の範囲である請求項2に記載のトリメリット酸の製造方法。
- ジメチル安息香酸の量が、溶媒に対して、0.1〜40重量%の範囲である請求項2または3に記載のトリメリット酸の製造方法。
- 前記工程Aにおいて、触媒として少なくとも一種の重金属化合物を用い、反応温度が90〜170℃の範囲であり、且つ反応圧力が0.1〜2.0MPaGの範囲である請求項1〜4のいずれかに記載のトリメリット酸の製造方法。
- 前記重金属がコバルトおよび/またはマンガンであり、触媒の使用量が、プソイドクメンに対する金属原子として0.01〜2重量%の範囲である請求項5に記載のトリメリット酸の製造方法。
- 前記工程Cにおいて、触媒として少なくとも一種の重金属化合物を用い、溶媒として芳香族炭化水素類を用い、反応温度を120〜210℃の範囲とし、且つ反応圧力を0.1〜2.0MPaGの範囲とすることを特徴とする請求項1に記載のトリメリット酸の製造方法。
- 前記重金属がコバルト、マンガンおよび銅から選ばれた少なくとも1種であり、触媒使用量が、ジメチルベンジルアルコールに対する金属原子として、0.01〜1重量%の範囲である請求項7に記載のトリメリット酸の製造方法。
- ジメチルベンジルアルコールに対する溶媒の重量比が、1〜12の範囲である請求項7に記載のトリメリット酸の製造方法。
- 前記工程Dにおいて、触媒として少なくとも一種の重金属化合物、および臭素化合物を用い、溶媒として水および/または脂肪族カルボン酸を用いる請求項1〜9のいずれかに記載のトリメリット酸の製造方法。
- 前記重金属がコバルトおよび/またはマンガンであり、全重金属使用量が、溶媒に対する金属原子として0.01〜1重量%の範囲である請求項10に記載のトリメリット酸の製造方法。
- 工程Dの反応系内の全臭素濃度が、溶媒に対する臭素原子として、0.1〜4.0重量%の範囲である請求項10または11に記載のトリメリット酸の製造方法。
- 工程A、CおよびDを連続式にて行うことを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載のトリメリット酸の製造方法。
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|---|---|---|---|
| JP2003318929A JP2004123740A (ja) | 2002-09-11 | 2003-09-10 | トリメリット酸の製造方法 |
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Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2004331585A (ja) * | 2003-05-08 | 2004-11-25 | Mitsubishi Gas Chem Co Inc | 高純度無水トリメリット酸およびその製造法 |
-
2003
- 2003-09-10 JP JP2003318929A patent/JP2004123740A/ja active Pending
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