JP2002003440A - 芳香族ポリカルボン酸の製造法 - Google Patents

芳香族ポリカルボン酸の製造法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】ポリアルキル置換芳香族アルデヒドまたはその
酸化誘導体を酸化して、トリメリット酸またはピロメリ
ット酸を製造する際に、副生物が少なく、高収率で製造
できる方法を提供する。 【解決手段】水溶媒中で180〜280℃の温度におい
て、臭素または臭素と重金属からなる触媒の存在下、分
子状酸素によって2段階で液相酸化する際に、第1段階
を連続式で行ない、第2段階を連続式または回分式で行
ない、臭素を第1段階と第2段階に分割して添加する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はポリアルキル置換芳
香族アルデヒドおよび/またはその酸化誘導体から対応
する芳香族ポリカルボン酸への液相酸化に関する。更に
詳しくはトリメリット酸またはピロメリット酸の製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】トリメリット酸の工業的製法としては、
プソイドキュメンを原料として酢酸溶媒中でコバルト−
マンガン−臭素系の触媒を用い空気酸化して得る方法、
2,4−ジメチルベンズアルデヒド、2,5−ジメチル
ベンズアルデヒドおよび3,4−ジメチルベンズアルデ
ヒドまたはその酸化誘導体である2,4−ジメチル安息
香酸、2,5−ジメチル安息香酸および3,4−ジメチ
ル安息香酸を原料として水溶媒中で臭素およびマンガン
またはセリウム触媒を用い空気酸化して得る方法が広く
知られている。またピロメリット酸はデュレンを原料と
して酢酸溶媒中でコバルト−マンガン−臭素系の触媒を
用い空気酸化により製造する方法、2,4,5−トリメ
チルベンズアルデヒドまたはその酸化誘導体である2,
4,5−トリメチル安息香酸を原料として水溶媒中で臭
素、マンガンおよび鉄触媒を用い空気酸化して得る方法
が知られている。
【0003】このうち、プソイドキュメンを酢酸溶媒中
で空気酸化する方法は、芳香族ジカルボン酸、例えばテ
レフタル酸の製造技術をプソイドキュメンの酸化に応用
したものであるが、テレフタル酸の生成反応は比較的容
易に、すなわち比較的低濃度の触媒および促進剤を用い
て、連続的に、ほぼ定量的に反応が完結するのに比べ
て、プソイドキュメンの酸化は金属触媒が生成物である
トリメリット酸との塩を形成して析出することにより触
媒の活性が低下し、容易に進行しない欠点を有する。特
許第2939346号によれば、酢酸溶媒中+3価のセ
リウム−ジルコニウム−コバルト−マンガン−臭素触媒
を用いたプソイドクメンの空気酸化を、反応の第1段階
を比較的低い温度に制御しつつ半連続的またはバッチ式
方法で、ついで第2段階を比較的高い温度に制御しつつ
バッチ式で行ない、ほとんどの臭素触媒および+3価の
セリウムを第2段階に加えることにより、生成物である
トリメリット酸とジルコニウム−コバルト−マンガン−
臭素触媒との接触を減少させトリメリット酸とジルコニ
ウム、コバルトおよびマンガンとの不溶性の塩形成によ
る活性低下を抑制することによりトリメリット酸の収率
が改良されることが記述されている。また、上記トリメ
リット酸製造法と同様にデュレンを酢酸溶媒中で空気酸
化してピロメリット酸を得る方法が特公平7−5591
7号に示されている。一方、特公昭58−2222号に
はポリアルキル置換芳香族アルデヒドまたはその酸化誘
導体を水溶媒中で臭素とマンガンおよびセリウムから選
ばれた金属イオン触媒の存在下、反応器出口排ガス中の
酸素濃度を3%以上に維持しつつ分子状酸素によって酸
化すれば、対応する芳香族ポリカルボン酸が1段の反応
で容易に高収率で得られることが記述されている。この
方法は溶媒が水であるために溶媒の燃焼が無く、溶媒の
回収工程が不要であり、金属触媒が生成物であるトリメ
リット酸およびピロメリット酸との塩を形成して触媒活
性が低下することが無く連続反応が可能である等の利点
を有する。特公平7−116097号には臭素イオン、
マンガンイオンおよび鉄イオンを含有する水溶媒中、
2,4,5−トリメチルベンズアルデヒドを分子状酸素
含有ガスで酸化することにより、2,4,5−トリメチ
ルベンズアルデヒドの燃焼を抑制してピロメリット酸の
収率を改善させる方法が示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】トリメリット酸はアル
キッド樹脂、高級可塑剤、ポリアミドイミド、ポリエス
テルの原料として広く用いられており、またピロメリッ
ト酸は発泡ポリエステル用架橋剤、特殊可塑剤、ポリイ
ミド、粉体塗料の原料として極めて有用である。しか
し、これらの原料に使用するためには一般に高純度品が
必要とされる。酢酸溶媒中でプソイドクメンの空気酸化
を行なう特許第2939346号のトリメリット酸製造
法は、温度および反応液中の水分濃度を注意深く制御し
て変化させなければならない操作上の煩雑さ、コバル
ト、ジルコニウム、セリウム等の高価な触媒を使用する
こと、溶媒である酢酸の燃焼があることおよび溶媒であ
る酢酸の回収設備が必要であるという欠点を有する。酢
酸溶媒中でデュレンの空気酸化を行なう特公平7−55
917号のピロメリット酸製造法は、原料のデュレンは
入手するのが困難で、従って価格は高い上に、酸化反応
はプソイドキュメンを酢酸溶媒中で空気酸化してトリメ
リット酸を得る方法よりも更に困難であり、ピロメリッ
ト酸収率は60モル%程度であり、経済的でない。水溶
媒中でポリアルキル置換芳香族アルデヒドまたはその酸
化誘導体を分子状酸素によって酸化する特公昭58−2
222号および特公平7−116097号のトリメリッ
ト酸、ピロメリット酸製造法は、酢酸溶媒を用いた方法
の欠点を解消することができるが、副生物として生成す
る有機臭素化合物や酸化中間体を更に減少させ、目的物
を高収率で得ることが必要である。本発明の目的は、ポ
リアルキル置換芳香族アルデヒドおよび/またはその酸
化誘導体を酸化して、トリメリット酸またはピロメリッ
ト酸を製造する際に、副生物が少なく、高収率で製造で
きる方法を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決すべく鋭意検討を行った結果、水溶媒中で18
0〜280℃の温度において臭素または臭素と重金属か
らなる触媒の存在下、ポリアルキル置換芳香族アルデヒ
ドおよび/またはその酸化誘導体を、分子状酸素によっ
て酸化する際、酸化原料および触媒を供給して反応させ
た後、さらに臭素イオンを追加して反応させることによ
り副生する有機臭素化合物や酸化中間体が減少し、目的
物であるトリメリット酸またはピロメリット酸の収率が
向上することを見いだし、本発明に到達した。即ち本発
明は、水溶媒中で180〜280℃の温度において、臭
素または臭素と重金属からなる触媒の存在下、酸化原料
であるポリアルキル置換芳香族アルデヒドおよび/また
はその酸化誘導体を、分子状酸素によって2段階で液相
酸化してトリメリット酸またはピロメリット酸を製造す
る方法であって、第1段階を連続式で行ない、第2段階
を連続式または回分式で行ない、臭素を第1段階と第2
段階に分割して添加することを特徴とする芳香族ポリカ
ルボン酸の製造法である。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明において酸化反応の原料と
して用いるポリアルキル置換芳香族アルデヒドとして
は、例えば、2,4−ジメチルベンズアルデヒド、2,
5−ジメチルベンズアルデヒドおよび3,4−ジメチル
ベンズアルデヒドが挙げられ、トリメリット酸原料に用
いられる。また、2,4,5−トリメチルベンズアルデ
ヒドがピロメリット酸原料の例として挙げられる。これ
らのポリアルキル置換芳香族アルデヒドはポリアルキル
ベンゼンをHF−BF3触媒の存在下、一酸化炭素と反
応させることによって異性体の副生なく定量的に得られ
る。また、本発明においてはポリアルキル置換芳香族ア
ルデヒドの酸化誘導体も同様に酸化反応の原料として用
いることができる。例えば、2,4−ジメチル安息香
酸、2,5−ジメチル安息香酸、3,4−ジメチル安息
香酸がトリメリット酸原料として、2,4,5−トリメ
チル安息香酸がピロメリット酸原料として使用できる。
【0007】酸化反応における触媒としては臭素イオン
単独でも用いることができるが、臭素イオンと重金属イ
オンの併用が好ましい。重金属イオンとしては種々の重
金属が使用できるが、マンガン、鉄、セリウム、ニッケ
ル、クロム、モリブデン、鉛、錫、コバルト、ニオブ等
が好ましい。トリメリット酸製造にはマンガンが特に好
ましく、ピロメリット酸製造にはマンガンおよび鉄の併
用が特に好ましい。重金属イオン源としては水酸化マン
ガン、酢酸マンガン、マンガンアセチルアセトナート、
安息香酸マンガン、ホウ酸マンガン、炭酸マンガン、臭
化マンガン、塩化マンガン、ギ酸マンガン、ヨウ化マン
ガン、シュウ酸マンガン、水酸化鉄、酸化鉄、鉄アセチ
ルアセトナート、臭化鉄、塩化鉄等の何れの形態も使用
することができるが、特に臭化マンガン、臭化鉄等の臭
化物が好ましい。臭素イオンとしては臭化水素、臭化ア
ンモニウム、臭化ナトリウム、臭化マンガン等の無機臭
化物、あるいは臭化ベンジル、四臭化メタン等の有機臭
化物など反応条件下で臭素イオンを発生するものはいず
れも使用できるが、特に臭化水素、臭化マンガン、臭化
鉄が好ましい。
【0008】トリメリット酸製造に際し、添加する臭素
イオンの合計量は、溶媒に対して1〜5重量%、好まし
くは1.5〜4重量%であり、マンガンイオンの量は、
溶媒に対して0.05〜1重量%、好ましくは0.1〜
0.5重量%である。ピロメリット酸製造に際しては、
添加する臭素イオンの合計量は、溶媒に対して1〜5重
量%、好ましくは1.5〜4重量%であり、マンガンイ
オンの量は、溶媒に対して0.05〜1重量%、好まし
くは0.1〜0.5重量%、鉄イオンの量は溶媒に対し
て0.1〜100ppm、好ましくは1〜50ppmで
ある。臭素イオンが1重量%に満たないと、原料である
ポリアルキル置換芳香族アルデヒドまたはその酸化誘導
体の燃焼が増加し、5重量%を超えると反応の抑制傾向
が認められる。また、2段階目の反応に追加供給する臭
素イオン量は臭素イオン全供給量の5〜50重量%が好
ましい。この範囲での臭素イオン追加供給により、酸化
反応速度が向上すると共に系内にある有機臭素化合物が
分解されて減少し、酸化中間体の生成量が減少する。こ
のことにより、トリメリット酸またはピロメリット酸が
高収率で得られる。
【0009】第1段階、第2段階の反応温度は180〜
280℃であり、好ましくは200〜260℃である。
第1段階と第2段階の反応における反応温度は、それぞ
れこの範囲で選択することができる。反応圧力は一般に
は水溶媒の蒸発および凝縮還流操作により温度を一定に
保つ過程で自動的に決まるが、外部からの熱交換の手段
により希望の一定に保つこともできる。圧力範囲として
は反応液を液相に保ち得る範囲であれば特に制限はない
が、通常1.5〜6MPaの範囲が利用される。溶媒と
して用いる水の量は原料に対して2重量倍以上であり、
3〜6重量倍が特に好ましい。反応の第1段階および第
2段階の滞留時間はそれぞれ0.2〜3.0時間が好ま
しく、0.5〜2.0時間が特に好ましい。反応方式は
第1段階が連続式で、第2段階が連続式または回分式で
行なうことができるが、特に本発明の効果を発揮させる
には第1段階、第2段階共に連続式で行なう連続2段式
酸化法が最も好適である。酸化終了後、反応液を濾過、
蒸留等、公知の精製処理を施すことにより、トリメリッ
ト酸またはピロメリット酸の製品を得ることができる。
【0010】
【実施例】次に実施例および比較例により本発明を更に
具体的に説明する。但し本発明は以下の実施例により制
限されるものでない。尚、実施例および比較例中に記述
する有機臭素化合物濃度は臭素換算とした。即ち、反応
液中の総臭素濃度から臭素イオン濃度を減じて有機臭素
化合物に含まれる臭素分を求めた。ここで、総臭素濃度
は蛍光X線分析法により、臭素イオン濃度は硝酸銀滴定
法により測定した。また、トリメリット酸製造における
酸化中間体とはメチルフタル酸、1−カルボキシ−3,
4−フタリド、ジメチル安息香酸の合計であり、ピロメ
リット酸製造における酸化中間体とは、メチルトリメリ
ット酸、1,2−ジカルボキシ−4,5−フタリド、
2,4,5−トリメチル安息香酸の合計である。尚、こ
れら酸化中間体の生成状況を示す尺度として、目的物の
収率と同様に原料モル数基準で算出した生成率を表示し
た。
【0011】実施例1 還流冷却器、撹拌装置、加熱装置および原料送入口、ガ
ス導入口、反応物排出口を有する内容積2Lのジルコニ
ウム製オートクレーブ2台を接続した連続2段式反応器
の1段目の反応器に水1452g、100%臭化水素1
7.5gおよび臭化マンガン(4水塩)30.5gを混
合した臭素イオン濃度2.3重量%、マンガンイオン濃
度0.39重量%の触媒液を仕込み、2段目の反応器に
1段目と同じ組成の触媒液を1000g仕込んだ。ガス
導入口から窒素を圧入し、1MPaに昇圧し、加熱装置
で220℃まで昇温した。ついで1段目反応器に2,4
−ジメチルベンズアルデヒドを200g/hの割合で、
触媒液(反応器仕込み液と同一組成)を750g/hの
割合で別々に供給した。2,4−ジメチルベンズアルデ
ヒドの供給と同時にガス導入口から空気の送入を開始し
反応器よりの排ガス中の酸素を2.5%に保つように流
量を制御した。ついで1段目反応器中の液面を一定に保
ちつつ、1段目反応器より2段目反応器への液移送を開
始し、同時に2段目反応器に水58gおよび100%臭
化水素2gを混合した臭素イオン濃度3.3重量%の触
媒液を60g/hの割合で供給し、ガス導入口から空気
の送入を開始し反応器よりの排ガス中の酸素を4.5%
に保つように流量を制御した。2段目反応器中の液面を
一定に保ちつつ、2段目反応器より1150g/hの反
応生成物を抜き出した。この間、反応器の圧力は1段目
が3.2MPa、2段目が2.9MPaに保った。第2
段階への臭素イオン供給量は臭素イオン全供給量の1
0.5%であった。反応器中の組成が定常になった後、
生成物を分析した。結果を表1に示す。
【0012】比較例1 2段目反応器への触媒液の供給をしなかったこと以外は
実施例1と同様の方法で2,4−ジメチルベンズアルデ
ヒドの酸化を連続的に行なった。結果を表1に示す。
【0013】比較例2 実施例1と同じオートクレーブ1台を連続1段式反応器
として使用した。反応器に水1452g、100%臭化
水素17.5gおよび臭化マンガン(4水塩)30.5
gを混合した臭素イオン濃度2.3重量%、マンガンイ
オン濃度0.39重量%の触媒液を仕込んだ。ガス導入
口から窒素を圧入し、1MPaに昇圧し、加熱装置で2
20℃まで昇温した。2,4−ジメチルベンズアルデヒ
ドを100g/hの割合で、触媒液(反応器仕込み液と
同一組成)を375g/hの割合で別々に供給した。
2,4−ジメチルベンズアルデヒドの供給と同時にガス
導入口から空気の送入を開始し反応器よりの排ガス中の
酸素を2.5%に保つように流量を制御した。反応器中
の液面を一定に保つように反応生成物を抜き出した。こ
の間、反応器の圧力は3.2MPaに保った。結果を表
1に示す。
【0014】実施例2 反応器仕込み液および1段目反応器へ供給する触媒液を
水1465.5g、100%臭化水素4.0gおよび臭
化マンガン(4水塩)30.5gを混合した臭素イオン
濃度1.4重量%、マンガンイオン濃度0.39重量%
の触媒液とし、2段目反応器に供給する触媒液の供給量
を90g/hとした以外は実施例1と同様の方法で2,
4−ジメチルベンズアルデヒドの酸化を連続的に行なっ
た。第2段階への臭素イオン供給量は臭素イオン全供給
量の22.2%であった。結果を表1に示す。
【0015】実施例3 反応器仕込み液および1段目反応器へ供給する触媒液を
水1456.5g、100%臭化水素13.0gおよび
臭化マンガン(4水塩)30.5gを混合した臭素イオ
ン濃度2.0重量%、マンガンイオン濃度0.39重量
%の触媒液とし、2段目反応器に供給する触媒液の供給
量を120g/hとした以外は実施例1と同様の方法で
2,4−ジメチルベンズアルデヒドの酸化を連続的に行
なった。第2段階への臭素イオン供給量は臭素イオン全
供給量の21.1%であった。結果を表1に示す。
【0016】 表1 実施例1 比較例1 比較例2 実施例2 実施例3 反応器 2段 2段 1段 2段 2段2段触媒液量(g/h) 60 0 − 60 120 反応液中の有機臭素化合物(臭素換算濃度%) 0.20 0.40 0.45 0.15 0.22 トリメリット酸収率(%) 92.0 89.5 87.5 92.2 92.1 酸化中間体生成率(%) 1.0 1.9 3.3 0.8 1.3
【0017】実施例4 原料を2,4,5−トリメチルベンズアルデヒドとし、
反応器仕込み液および1段目反応器へ供給する触媒液を
水1450.3g、100%臭化水素15.3g、臭化
マンガン(4水塩)34.4gおよび臭化第二鉄0.1
gを混合した臭素イオン濃度2.3重量%、マンガンイ
オン濃度0.44重量%、鉄イオン濃度13ppmの触
媒液とし、1段目反応器に供給する触媒液の供給量を7
80g/hとし、原料の供給量を90g/hとした以外
は実施例1と同様の方法で連続酸化を行なった。第2段
階への臭素イオン供給量は臭素イオン全供給量の10.
0%であった。生成したピロメリット酸の収率は82.
4%であり、有機臭素化合物の臭素換算濃度は0.07
%、酸化中間体の生成率は2.5%であった。
【0018】比較例3 2段目反応器への触媒液の供給をしなかった以外は実施
例4と同様の方法で2,4,5−トリメチルベンズアル
デヒドの酸化を連続的に行なった。生成したピロメリッ
ト酸の収率は80.1%であり、有機臭素化合物の臭素
換算濃度は0.24%、酸化中間体の生成率は3.2%
であった。
【0019】実施例5 原料を2,4−ジメチル安息香酸とし、原料の供給量を
225g/hとした以外は実施例1と同様の方法で連続
酸化を行なった。第2段階への臭素イオン供給量は臭素
イオン全供給量の10.5%であった。生成したトリメ
リット酸の収率は92.3%であり、有機臭素化合物の
臭素換算濃度は0.12%、酸化中間体の生成率は0.
6%であった。
【0020】
【発明の効果】以上の実施例からも明らかなように、本
発明の方法により水溶媒中での液相酸化を連続式で行
い、臭素イオンを追加供給することにより、反応液中の
副生する有機臭素化合物および酸化中間体の生成量が減
少し、芳香族ポリカルボン酸の収率が向上することが分
かる。本発明の方法は水溶媒中で液相酸化を連続式で行
うものであるから工業的に極めて優れた方法であり、本
発明の工業的意義は大きい。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07C 63/307 C07C 63/307 63/313 63/313 (72)発明者 小川 博史 岡山県倉敷市水島海岸通3丁目10番地 三 菱瓦斯化学株式会社水島工場内 (72)発明者 田中 一夫 岡山県倉敷市水島海岸通3丁目10番地 三 菱瓦斯化学株式会社水島工場内 Fターム(参考) 4G069 AA02 BA36A BB01A BB01B BB08A BB08B BC21A BC22A BC43A BC55A BC58A BC59A BC62A BC62B BC66A BC66B BC67A BC68A BD01A BD01B BD13A BD13B CB07 CB74 DA02 FC08 4H006 AA02 AC46 BA16 BA19 BA37 BB31 BC10 BC14 BC36 BD60 BE30 BJ50 BS30 4H039 CA65 CC30

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水溶媒中で180〜280℃の温度におい
    て、臭素または臭素と重金属からなる触媒の存在下、酸
    化原料であるポリアルキル置換芳香族アルデヒドおよび
    /またはその酸化誘導体を、分子状酸素によって2段階
    で液相酸化してトリメリット酸またはピロメリット酸を
    製造する方法であって、第1段階を連続式で行ない、第
    2段階を連続式または回分式で行ない、臭素を第1段階
    と第2段階に分割して添加することを特徴とする芳香族
    ポリカルボン酸の製造法。
  2. 【請求項2】第2段階に添加する臭素量が全臭素量の5
    〜50重量%である請求項1に記載の芳香族ポリカルボ
    ン酸の製造法。
  3. 【請求項3】酸化原料であるポリアルキル置換芳香族ア
    ルデヒドおよび/またはその酸化誘導体が2,4−ジメ
    チルベンズアルデヒド、2,5−ジメチルベンズアルデ
    ヒド、3,4−ジメチルベンズアルデヒド、2,4−ジ
    メチル安息香酸、2,5−ジメチル安息香酸および/ま
    たは3,4−ジメチル安息香酸であり、トリメリット酸
    を製造する請求項1に記載の芳香族ポリカルボン酸の製
    造法。
  4. 【請求項4】溶媒中の臭素イオン濃度が1〜5重量%、
    溶媒中のマンガンイオン濃度が0.05〜1重量%であ
    る請求項3に記載の芳香族ポリカルボン酸の製造法。
  5. 【請求項5】酸化原料であるポリアルキル置換芳香族ア
    ルデヒドおよび/またはその酸化誘導体が2,4,5−
    トリメチルベンズアルデヒドおよび/または2,4,5
    −トリメチル安息香酸であり、ピロメリット酸を製造す
    る請求項1に記載の芳香族ポリカルボン酸の製造法。
  6. 【請求項6】溶媒中の臭素イオン濃度が1〜5重量%、
    溶媒中のマンガンイオン濃度が0.05〜1重量%、溶
    媒中の鉄イオン濃度が0.1〜100ppmである請求
    項5に記載の芳香族ポリカルボン酸の製造法。
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