JP2014152143A - ピロメリット酸の製造方法 - Google Patents

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講平 中西
Fumiya Arima
文哉 在間
Hideaki Fujita
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Abstract

【課題】各種のプラスチックや塗料等の中間体として有用なピロメリット酸を、デュレンから収率よく、かつ廃棄溶媒量が少なく、環境負荷が小さい工業的に有利な液相空気酸化により製造する方法を提供する。
【解決手段】デュレンを液相酸化するに際して、酸化反応後のピロメリット酸を含む反応生成物の結晶と母液を分離し、該母液に触媒金属を添加することによって母液中に含まれる溶解成分のピロメリット酸及び/又はデュレン酸化誘導体を沈殿させた後、分離除去し、得られた重金属と臭素を含む母液を反応器に再循環して反応を行うことで、母液を繰り返し使用して高い収率でピロメリット酸を製造できる。
【選択図】なし

Description

本発明はデュレンを酸化してピロメリット酸を製造する方法に関し、より具体的には、液相酸化反応で得られた母液を再利用して廃水量を減らす工業的に有利な製造方法に関する。
ピロメリット酸はプラスチック工業において、樹脂、可塑剤を合成するための中間体としてだけでなく、塗料の中間体としても使用される。またピロメリット酸は脱水して無水ピロメリット酸に転換することも多く、特にポリイミド樹脂の原料として使用される。
従来、芳香族ポリカルボン酸はポリアルキルベンゼンの酸化によって製造されており、プソイドクメンからのトリメリット酸、メシチレンからのトリメシン酸、デュレンからのピロメリット酸及びイソデュレンからのメルファン酸等が知られている。これらのアルキルベンゼン類の対応する芳香族ポリカルボン酸への酸化は、アルキル基の置換位置によって反応性が異なる。プソイドクメン又はデュレン等の場合、生成するトリメリット酸又はピロメリット酸での二つのカルボキシル基がオルト位構造のため、重金属触媒の活性を低下させ、このような構造をもたないポリアルキルベンゼンの場合に比して酸化収率が低下する。
このため触媒系に対する種々の改良法が提案されており、例えば特許文献1には、デュレンを液相酸化してピロメリット酸を製造する方法において、コバルト、マンガン、臭素触媒存在下で酸化するに際し、触媒を2段階添加し、バッチ方式で反応させることが記載されている。
また、特許文献2には、デュレンを水溶媒で液相酸化し、反応中間体を一旦分離した後、新たに酸化することによりピロメリット酸を製造する方法が示されている。しかしながらいずれのピロメリット酸製造方法においても母液の再利用に関して記載されておらず、酢酸や有機物を含む溶媒の廃棄量が多大であり、工業的生産において環境面での負荷が大きい。
特開昭61−280448号公報 特開2005−145954号公報
本発明の目的は、デュレンから収率よく、かつ廃棄溶媒量の少なく、環境負荷の小さい工業的に有利な液相空気酸化法でのピロメリット酸製造方法を提供することにある。
本発明者らは上記の如き課題を有するピロメリット酸の製造方法について鋭意検討した結果、デュレンを液相酸化するに際して、酸化反応後のピロメリット酸を含む反応生成物の結晶と母液を分離し、該母液に触媒金属を添加することによって母液中に含まれる溶解成分のピロメリット酸及び/又はデュレン酸化誘導体を沈殿させた後、分離除去し、得られた重金属と臭素を含む母液を反応器に再循環して反応を行うことで、母液を繰り返し使用して高い収率でピロメリット酸を製造できることを見出し、本発明に到達した。
即ち本発明により、デュレンを液相酸化する際に使用する溶媒を再利用することで、廃液量を大幅に削減でき、かつ高収率でピロメリット酸を製造できることから、工業的に極めて優れた方法であり、本発明の工業的意義は大きい。
本発明で用いる酸化原料のデュレンは、接触改質油又は熱分解油中のC10留分に存在し、蒸留により分離された市販品を使用することが出来る。酸化原料中に、デュレンの酸化誘導体である、2,4,5-トリメチルベンズアルデヒドならびに、2,4,5-トリメチル安息香酸などが含まれていても良い。
本発明における酸化反応は、原料のデュレン及び/ 又はその酸化誘導体を含水酢酸溶媒中で重金属及び臭素からなる触媒の存在下、分子状酸素で酸化をおこなう。高い収率でピロメリット酸を得るには、反応開始当初の溶媒中の水分組成を0.1〜20%で行い、その後、臭素と重金属触媒を含む含水酢酸を追加しながら次第に水分組成を高める反応方法とするのが好ましい。
より好ましい反応方法は、次に示す二段階の反応方式である。この二段階反応において、第一段階目の反応は、バッチ方式またはセミバッチ方式で行なう。バッチ方式では、反応器にあらかじめデュレンと触媒成分を溶媒に溶解した触媒液を張り込み、分子状酸素含有ガスを吹き込みながら反応を行う。セミバッチ方式では、触媒液を張り込んだ反応器にデュレンと分子状酸素含有ガスを供給して反応を行なう。続いて第二段階目においては、含水酢酸に溶解させた触媒成分を反応器に追加供給しながら、分子状酸素含有ガスを吹き込み酸化させる方法で酸化反応を行う。第一段階目の反応における所要時間は、分子状酸素含有ガスの供給速度にもよるが概ね10〜60分であり、酸素の吸収速度が低下してきたら、臭素と重金属触媒を含む含水酢酸の追加供給を行なう第二段階目の反応を開始する。第二段階目の反応の所要時間は、触媒供給時間を20〜100分、触媒成分の供給終了後にさらに20〜60分酸素含有ガスを吹き込む。第一段階目と第二段階目の所要時間の合計は1.0〜3.0時間の範囲である。
本発明において液相酸化の溶媒には含水酢酸が用いられ、反応の進行に伴って徐々に溶媒中の水分組成を上げていくのが好ましい。反応開始当初の溶媒中の水分組成は0.1〜20 重量%であり、好ましくは0.1〜10重量%である。また、触媒の追加供給完了時の溶媒中の水分組成は5〜70重量% であり、好ましくは20〜50重量%である。水分組成が該範囲より低い場合には、ピロメリット酸が結晶化する際に触媒重金属の塩が多量にピロメリット酸中に混入するため、ピロメリット酸の純度が低下する。また、水分組成が高すぎる場合には、反応速度が低下しピロメリット酸の収率及び純度が低下する。水分が高い場合に品質悪化を防ぐには臭素使用量を増加しなければならず、腐食性が増大することから、反応器にジルコニウム等の高級材質を用いることが必要となる。水分組成を前記範囲に調整することで、純度の高いピロメリット酸を高い収率で得ることが出来る。
溶媒の使用量は、原料のデュレン及び/又はその酸化誘導体に対して反応開始当初は0.5〜6重量倍、好ましくは1〜4 重量倍であり、触媒追加供給完了時には1〜12重量倍、好ましくは5〜8 重量倍である。
本発明において使用される酸化触媒は、重金属化合物及び臭素化合物からなる。重金属触媒は、マンガン化合物及びコバルト化合物からなり、更にジルコニウム化合物を加えてもよい。これらのマンガン、コバルト、ジルコニウム化合物としては有機酸塩、ハロゲン化合物、炭酸塩等が例示され、特に酢酸塩、臭化物が望ましい。
溶媒中の触媒として使用するマンガン化合物の濃度は、反応開始当初の溶媒中マンガン濃度が1〜1000ppm、好ましくは100〜500ppmの範囲であり、触媒追加供給完了時の溶媒中マンガン濃度が1〜5000ppm、好ましくは1000〜3000ppmの範囲である。なお、ここで示すマンガン濃度は、溶媒重量に対する溶媒中のマンガン重量の比率を示すものであり、以下のコバルト濃度、ジルコニウム濃度、臭素濃度についても同様である。
コバルト化合物の濃度は、反応開始当初の溶媒中コバルト濃度が1〜2000ppm、好ましくは100〜1000ppmの範囲であり、触媒追加供給完了時の溶媒中コバルト濃度が1〜5000ppm、好ましくは100〜3000ppmの範囲である。
ジルコニウム化合物の濃度は、反応開始当初の溶媒中ジルコニウム濃度が0〜100ppm、好ましくは0〜50ppmの範囲であり、触媒追加供給完了時の溶媒中ジルコニウム濃度が0〜500ppm、好ましくは0〜400ppmの範囲である。
臭素化合物としては反応系で溶解し、臭素イオンを発生するものであれば如何なるものでも良く、臭化水素、臭化ナトリウム及び臭化マンガン等の無機臭化物、テトラブロモエタン等の有機臭化物が例示されるが、特に臭化水素酸、臭化マンガンが好ましい。溶媒中の臭素濃度は反応開始当初が1〜1000ppm、好ましくは100〜500ppmの範囲であり、触媒追加供給完了時では1〜10000ppm、好ましくは1000〜6000ppm の範囲である。
本発明の液相酸化には酸素含有ガスを用いる。酸素ガスや、酸素を窒素、アルゴン等の不活性ガスと混合したガスが挙げられるが、空気が最も一般的である。酸化反応器としては撹拌槽や気泡塔等が用いられるが、反応器内の撹拌を十分に行なうためには撹拌槽が好適である。酸化反応温度は反応開始当初において100〜170 ℃、好ましくは140〜160 ℃の範囲であり、触媒追加供給完了時の酸化反応温度が170〜250 ℃の範囲であり、好ましくは200〜230 ℃の範囲である。この温度範囲で反応を行うことで、副生物の生成を抑え、高い収率でピロメリット酸を製造することが出来る。
酸化反応では酸素含有ガスを反応器に連続的に供給し、反応後のガスは反応器内が所定の圧力範囲となるように連続的に反応器から抜き出される。空気を供給した場合の好ましい反応圧力は、反応開始当初が0.1〜5.0 MPaG(Gはゲージ圧であることを示す。以下も同様)、より好ましくは0.3〜4.0 MPaGの範囲であり、触媒追加供給完了時の酸化反応圧力が1.5〜5.0 MPaG、より好ましくは2.5〜4.0 MPaGである。
反応器には還流冷却器を設け、排ガスに同伴される多量の溶媒及び酸化反応で生成する水を凝縮させる。凝縮した溶媒及び水は通常反応器に還流されるが、反応器内の水分組成を調整するために、その一部を反応系外へ抜き出すことも行なわれる。原料供給中に反応器から排出される排ガス中の酸素濃度は0.1 〜8 容量%、好ましくは1〜5容量%である。
酸化反応混合物は冷却されて約0 〜120 ℃ 、好ましくは約10〜40 ℃ の範囲とし、得られた酸化反応生成物の結晶を反応混合物から濾過又は遠心分離により分離する。分離されたピロメリット酸粗生成物は、水または含水酢酸でリスラリー洗浄又はリンスされ、結晶に含有する有機不純物、金属等が除去される。
分離された反応母液に対し触媒の重金属を添加することで、母液中に含まれるピロメリット酸及び/又はデュレン酸化誘導体との金属塩を生成させ、沈殿させる。添加する重金属はマンガン、コバルト、ジルコニウムから選ばれる少なくとも一種類以上であるのが好ましく、特にマンガンが好ましい。添加する重金属の形態は有機酸塩、ハロゲン化合物、炭酸塩等が例示され、特に酢酸塩、臭化物が望ましい。
重金属の添加量は、母液中に含まれるピロメリット酸およびデュレン酸化誘導体の合計物質量に対し物質量比で0.1〜5.0倍、好ましくは0.5〜3.0倍、より好ましくは1.0〜2.0倍の範囲で添加する。また、重金属の添加、および金属塩の生成、沈殿時の温度は、0〜50℃の範囲が好ましい。
生成したピロメリット酸及び/又はデュレン酸化誘導体の金属塩の沈殿を反応混合物から濾過又は遠心分離などの方法によって分離する。
沈殿・分離工程を経た母液は、臭素・酢酸・水を添加して適当な組成に調合した後、反応器に追加供給する触媒溶液として循環使用される。この際、必要に応じてコバルト、マンガン、ジルコニウムを追加してもよい。
また、母液から分離されたピロメリット酸及び/又はデュレン酸化誘導体の金属塩は、例えば臭化水素酸などの強酸を添加した酢酸と混合することで、金属分を溶解させてピロメリット酸及び/又はデュレン酸化誘導体と分離することができ、金属分を触媒として循環使用できる。
次に実施例によって本発明を具体的に説明する。但し本発明はこれらの実施例により制限されるものではない。
ここで、各実施例および比較例の結果を示す表中のPMAはピロメリット酸、MTMAはメチルトリメリット酸、TMAはトリメリット酸、PRDはピロメライド(4,5−ジカルボキシフタリド)である。またPMA、MTMA、TMA、PRD収率は原料のデュレンに対する各々の収率を示す。
<参考例1>
ピロメリット酸、酢酸マンガン四水和物、酢酸コバルト四水和物、47重量%臭化水素酸、氷酢酸、水を混合し、マンガン濃度1000ppm、コバルト濃度400ppm、臭素濃度8400ppm、ピロメリット酸濃度4.0重量%、酢酸濃度55重量%、水分濃度40重量%の疑似母液を50g調合し、そこへピロメリット酸に対し物質量比で0.25、0.5、1.0、2.0倍のマンガンを追加で添加した。この液を1 時間室温下で撹拌して静置後、ピロメリット酸−マンガン塩を沈殿させた。上澄みをシリンジフィルターでろ過し、母液中の残ピロメリット酸濃度を求めた。結果を表1に示す。

<製造例1>
(二段階反応によるピロメリット酸の製造)
還流冷却器付きのガス排出管、ガス吹き込み管、原料連続送液ポンプ及び撹拌器を有する0.5 Lのチタン製オートクレーブを装置として使用した。酢酸マンガン四水和物、酢酸コバルト四水和物、47重量%臭化水素酸、氷酢酸、水を混合し、マンガン濃度400ppm、コバルト濃度800ppm、臭素濃度320ppm、酢酸濃度92.3重量% 、水分濃度7.5重量%の触媒液を75gとデュレン45gをオートクレーブに仕込み、窒素雰囲気下、圧力3.6 MPaG、温度150℃ に昇圧、昇温した。空気の供給を開始し、オフガス中の流量を2.0 L/minに調整して第一段階目の酸化反応を行なった。
30分後、酢酸マンガン四水和物、酢酸コバルト四水和物、47重量%臭化水素酸、氷酢酸、水で別途調合しておいた、マンガン濃度1180ppm、コバルト濃度280ppm、臭素濃度1.1重量%、酢酸濃度49.5重量% 、水分濃度49.2重量%の触媒液245gを4.0 g/分で供給すると共に、反応温度を60分かけて230℃まで徐々に昇温し、第二段階目の酸化反応を行った。触媒液の混合物の供給を終了した後、さらに30 分反応を継続した。反応後、反応生成物を抜き出してPMA結晶と母液を分離し、各々を分析し収率を求めた。結果を表2に示す。
<実施例1>
(製造例1の母液リサイクル)
製造例1で得られた母液中のピロメリット酸に対し物質量比で1等量のマンガン(酢酸マンガン四水和物)を添加し、ピロメリット酸−マンガン塩を沈殿させた。固体成分をろ過により分離後、得られた母液に氷酢酸、水、47重量%臭化水素酸を加え、マンガン濃度2490ppm、コバルト濃度20ppm、臭素濃度1.1重量%、酢酸濃度49.4重量%、水分濃度49.2重量%の触媒液245gを調合した。該触媒液を第二段階目に追加供給する触媒液としたことを除いて、製造例1と同様に酸化反応を行い、分析し、収率を求めた(母液リサイクル1回目)。以下、酸化反応で得られた母液に対し、同様の操作でピロメリット酸の沈殿、固体成分の分離、触媒液調合を行い母液リサイクルの酸化反応を3回実施した。結果を表2に示す。

<比較例1>
製造例1と同様に酸化反応を行い、得られた母液に対してマンガン添加、沈殿工程、分離工程を行わず、酢酸マンガン四水和物、酢酸コバルト四水和物、47重量%臭化水素酸、氷酢酸、水を加えて、実施例1と同様に母液リサイクルの酸化反応を行った。結果を表3に示す。母液へのマンガン添加を行わない場合、母液リサイクルを行うことでPMA収率が大幅に低下することが分かる。

本発明によれば、デュレンを酸化してピロメリット酸を製造する方法において、液相酸化反応で得られた母液を再利用して廃水量を減らし、工業的に有利に製造することができる。ピロメリット酸は、プラスチック工業において、樹脂、可塑剤を合成するための中間体としてだけでなく、塗料の中間体としても使用される。また、ピロメリット酸は、脱水して無水ピロメリット酸に転換しポリイミド樹脂の原料としても使用されるものであり、その工業的な意義は大きい。

Claims (9)

  1. 含水酢酸溶媒中で臭素及び重金属からなる触媒の存在下、酸化原料であるデュレン及び/又はその酸化誘導体を分子状酸素で酸化することによるピロメリット酸の製造方法において、反応開始当初の溶媒中の水分組成を0.1〜20重量%とし、反応開始後、臭素と重金属触媒を含む含水酢酸を追加しながら次第に水分組成を高める反応方法で酸化を行い、酸化反応で生成したピロメリット酸を含む結晶と母液を分離した後、
    (A)該母液に触媒重金属を添加することによって沈殿を生成する工程、
    (B)沈殿工程(A)で生成した沈殿を分離除去する工程、
    (C)分離工程(B)で得られた重金属と臭素を含む母液に酢酸、水、臭素を加える調合工程、
    からなる一連の工程を経て酸化反応母液を回収し、該母液を前記の触媒を含む含水酢酸として循環使用することを特徴とするピロメリット酸の製造方法。
  2. 触媒を含む含水酢酸の追加供給完了時の反応器内の溶媒中の水分組成が10〜70重量%である請求項1に記載のピロメリット酸の製造方法。
  3. 反応開始当初の溶媒中の水分組成が0.1〜10重量%であり、触媒を含む含水酢酸の追加供給完了時の反応器内の溶媒中の水分組成が20〜50重量%である請求項1または2に記載のピロメリット酸の製造方法。
  4. 触媒重金属が少なくともマンガンおよびコバルトからなる請求項1〜3のいずれかに記載のピロメリット酸の製造方法。
  5. 反応開始当初の溶媒中マンガン濃度が1〜1000ppm、触媒を含む含水酢酸の追加供給完了時の溶媒中マンガン濃度が1〜5000ppm範囲であり、反応開始当初の溶媒中コバルト濃度が1〜2000ppm、触媒を含む含水酢酸の追加供給完了時の溶媒中コバルト濃度が1〜5000ppm範囲である請求項4に記載のピロメリット酸の製造方法。
  6. 触媒重金属がさらにジルコニウムを含む触媒である請求項4または5に記載のピロメリット酸の製造方法。
  7. 反応開始当初の溶媒中臭素濃度が1〜1000ppm、触媒を含む含水酢酸の追加供給完了時の溶媒中臭素濃度が1〜10000ppm範囲である請求項1〜6のいずれかに記載のピロメリット酸の製造方法。
  8. 沈殿工程(A)において触媒重金属を添加することによって生成する沈殿が、母液中に含まれる溶解成分のピロメリット酸及び/又はデュレン酸化誘導体と触媒重金属からなる塩である請求項1〜7のいずれかに記載のピロメリット酸の製造方法。
  9. 沈殿工程(A)において添加する触媒重金属の使用量が母液中に含まれるピロメリット酸およびデュレン酸化誘導体の合計物質量に対し物質量比で0.1〜5.0の範囲である請求項1〜8のいずれかに記載のピロメリット酸の製造方法。
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