JP2005145597A - 速度制御方法及び速度制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の速度制御方法は、第1物品列M1から物品Mを受け取った後、第2物品列M2に対し物品Mを順次渡す際、搬送部材2を4個用い、搬送部材2の速度VTを物品M毎に独立して制御する方法である。搬送部材2を搬送軌道円上でそれぞれ独立して回転移動させ、搬送部材2の速度VTを、受取領域α1では第1速度V1に設定し、渡し領域α3では第2速度V2に設定する。保持領域α2では、搬送部材2の速度VTを、第2物品列M2の第2物品間隔d2に応じて加減速する。非保持領域α4では、搬送部材2の速度VTを、第1物品列M1の第1物品間隔d1に応じて加減速する。
【選択図】 図1
Description
一方、物品の長さに変更が生じた場合、生産速度(1分当たりの生産個数)を一定にする観点から、縦送り及び横送りそれぞれの速度を変更すると共に、縦送り及び横送りそれぞれの物品間隔をも変更しなければならない。
このような状況下で、上記特許文献1の搬送装置を用いた場合、縦送り及び横送りそれぞれの物品間隔を変更することができないため、その搬送装置ごと交換しなければならず、その手間とコストがかかるという問題があった。
図1及び図4(a)(b)に示すように、本実施形態の速度制御方法は、第1速度V1で走行する第1物品列M1から一の物品Mを受取領域α1で受け取った後、第2速度V2で走行する第2物品列M2に対し物品Mを渡し領域α3で順次渡す際、物品Mを保持搬送する搬送部材2(2a、2b、2c、2d)を4個(複数)用い、搬送部材2の速度VTを物品M毎に独立して制御する方法である。
搬送部材2を所定の搬送軌道円上でそれぞれ独立して回転移動させ、搬送部材2の速度VTを、受取領域α1では第1速度V1に設定し、渡し領域α3では第2速度V2に設定する。
受取領域α1から渡し領域α3に向かう保持領域α2では、搬送部材2の速度VTを、第2物品列M2における第2物品間隔d2に応じて加減速する。
渡し領域α3から受取領域α1に向かう非保持領域α4では、搬送部材2の速度VTを、第1物品列M1における第1物品間隔d1に応じて加減速する。
まず、かかる速度制御方法に用いられる速度制御装置の一例を詳細に述べる。
搬送部材2(2a、2b、2c、2d)は、その使用数について、特に限定されるものでないが、本実施形態の場合、第1、第2速度V1、V2や、第1、第2物品間隔d1、d2等との関係から、4個用いられる。これらの搬送部材2a、2b、2c、2dは、すべて同一の構成であり、特に言及しない限り、これらを総称した搬送部材2について説明する。
搬送シュー21は、軌道リング部材3上を摺動するように取り付けられており、軌道リング部材3上で自在に回転移動するようになっている。
搬送シュー21の外面には、軌道リング部材3の半径方向に延びる旋回軸23が固定されており、この旋回軸23に、搬送パッド22が旋回自在に取り付けられている。
具体的には、駆動ギヤ51は、サーボモータ4bの駆動軸に固定され、その動力を従動ギヤ52に伝達する。従動ギヤ52は、駆動シャフト53の外周に固定されている。駆動シャフト53は、軌道リング部材3の中心軸上に配置されたもので、駆動ギヤ51の動力を受けて従動ギヤ52と共に回転する。クランクバー54は、軌道リング部材3の半径方向に延びる部材で、その一端部(中心側)が駆動シャフト53に固定されており、その他端部(外周側)には、連結バー55を介して搬送シュー2bがピン結合されている。
このような駆動伝達機構5を介してサーボモータ4bから伝達された動力により、搬送シュー2bは、軌道リング部材3上を回転移動するようになっており、この回転移動は、他の搬送シュー2a、2c、2dと独立したものとなっている。
かかる構成は、その他の搬送シュー2a、2c、2dとサーボモータ4a、4c、4dとをそれぞれ連結する駆動伝達部材5についても同様である。なお、サーボモータ4から駆動シャフト53への駆動伝達は上記ギヤ以外にも、タイミングプーリーとタイミングベルトを利用した構成でもよい。
搬送パッド22は、搬送シュー21の旋回軸23回りの旋回において、第1搬送ローラ11から縦送りの物品Mを受け取る受取位置と、第2搬送ローラ12に横送りの物品Mを渡す渡し位置とに交互に配置変換するように構成されている。
具体的には、搬送パッド22は、搬送シュー21が保持領域α2を通過する際、旋回軸23に取り付けられたカムフォロアー(図示しない)が軌道リング部材3に形成されたカム溝に沿って移動することにより、受取位置から渡し位置に配置され、また、搬送シュー21が非保持領域α3を通過する際も、上記同様、カム溝に従ったカムフォロアーの作動により、渡し位置から受取位置に配置されるようになっている。
第1速度指令は、受取領域α1に位置する搬送部材2の速度VTを第1搬送ローラ11の第1速度V1にする指令である。第2速度指令は、保持領域α2に位置する搬送部材2の速度VTを第2物品間隔d2に応じて加減速させる指令である。第3速度指令は、渡し領域α3に位置する搬送部材2の速度VTを第2搬送ローラ12の第2速度V2にする指令である。第4速度指令は、非保持領域α4に位置する搬送部材2の速度VTを第1物品間隔d1に応じて加減速させる指令である。かかる点の詳細は後述する。
この場合、図4(b)及び図6(b)に示すように、速度曲線f1は、以下の条件(1)(2)及び(3)を満たすように定められている。
(1):搬送パッド22が0°から180°まで回転するときの移動距離をSa、搬送パッド22がSaを移動する時間をTa、sとし、受取領域α1における第1速度V1、Sで移動する時間をT1、s、渡し領域α3における第2速度V2、Sで移動する時間T2、sとした場合、保持領域α2における搬送パッド22の移動距離S2は、次の(式1)で示される。
S2=Sa―{V1、S×(T1、s/2)+V2、S×(T2、s/2)}…(式1)
このときの移動時間Tα2、Sは、次の(式2)で示される。
Tα2、S=(Ts―T1、s―T2、s)/2…(式2)
[TS:搬送パッドが0°から360°までの移動時間]
速度曲線f1は、時間間隔Tα2、sにおいて時間で積分したときの値が移動距離S2と等しくなるような曲線で定められている。
ここで、搬送パッド22が4つの場合、その移動時間Ta、sは、次の(式3)で示される。
Ta、s=2×d1、s/V1、s=2×d1、s/V2、s…(式3)
(2):第1速度V1、Sとこの速度での移動時間T1、s、及び第2速度V2、Sとこの速度での移動時間T2、sを設定することで速度曲線f1は決定される。また、第1速度V1、Sとこの速度での移動距離S1、及び第2速度V2、Sとこの速度での移動距離S2を設定することでも速度曲線f1は決定される。
(3):図6(b)中の斜線領域S1、S2、S3は、それぞれ受取領域α1、保持領域α2、渡し領域α3の移動距離を示しており、移動距離Saは、次の式(4)で示される。
Sa=S1/2+S2+S3/2…(式4)
移動距離S1は、物品MSの長手方向の長さと等しいかそれより大きくなる。移動距離S2は、物品MSの幅方向の長さと等しいかそれより大きくなる。
この場合、図4(b)及び図6(b)に示すように、速度曲線f2は、上記速度曲線f1と略線対称であって、以下の条件(4)、(5)及び(6)を満たすように定められている。
(4):搬送パッド22が180°から360°まで回転するときの移動距離をSb、搬送パッド22がSbを移動する時間をTb、sとし、受取領域α1における第1速度V1、Sで移動する時間をT1、s、渡し領域α3における第2速度V2、Sで移動する時間T2、sとした場合、非保持領域α4における搬送パッド22の移動距離S4は、次の(式5)で示される。
S4=Sb―{V1、S×(T1、s/2)+V2、S×(T2、s/2)}…(式5)
このときの移動時間Tα4、Sは、次の(式6)で示される。
Tα4、S=(Ts―T1、s―T2、s)/2…(式6)
[TS:搬送パッドが0°から360°までの移動時間]
速度曲線f2は、時間間隔Tα4、sにおいて時間で積分したときの値が移動距離S4と等しくなるような曲線で定められている。
ここで、搬送パッド22が4つの場合、その移動時間Tb、sは、次の(式7)で示される。
Tb、s=Ta、s=2×d1、s/V1、s=2×d1、s/V2、s…(式7)
(5):第1速度V1、Sとこの速度での移動時間T1、s、及び第2速度V2、Sとこの速度での移動時間T2、sを設定することで速度曲線f2は決定される。また、第1速度V1、Sとこの速度での移動距離S1、及び第2速度V2、Sとこの速度での移動距離S2を設定することでも速度曲線f2は決定される。
(6):図6(b)中の斜線領域S1、S2、S4は、それぞれ受取領域α1、保持領域α2、非保持領域α4の移動距離を示しており、移動距離Sbは、次の式(8)で示される。
Sb=S1/2+S4+S3/2…(式8)
移動距離S1は、物品MSの長手方向の長さと等しいかそれより大きくなる。移動距離S2は、物品MSの幅方向の長さと等しいかそれより大きくなる。
このような第1〜第4速度指令に基づいて制御された搬送部材2は、他の搬送部材2とは独立して、軌道リング部材3に沿った回転移動に伴い、周期的に物品MSの受け取り及び渡しを行う。
その他の速度制御方法及び速度制御装置1の作用は、上記の物品Mの長さが小さい場合と同様である。
特に、本実施形態の場合、各搬送部材2を独立して速度制御するようにしたため、第1、第2搬送ローラ11、12に生じた回転むら等により第1、第2速度V1、V2に変動が生じても、これに影響されず、第1物品列M1からの受け取り及び第2物品列M2への渡しの精度を維持することができる。
例えば、本発明は、物品間隔を変更する際、物品を縦送りの位置から横送りの位置に変更する場合だけでなく、横送りの位置から縦送りの位置に変更する場合や、縦送りの位置や横送りの位置を変更せずそのまま物品間隔のみを変更する場合にも適用できる。
また、搬送部材の数は、原則任意であるが、その数が多すぎて互いに衝突したり、その数が少なすぎてサーボモータ(駆動源)に負担がかかるような事態を避けるようにすることが好ましい。
3 軌道リング部材
4(4a、4b、4c、4d) サーボモータ(駆動源)
5 コントローラ(制御部)
21 搬送シュー
22 搬送パッド
M 物品
M1 第1物品列
M2 第2物品列
d1 第1物品間隔
d2 第2物品間隔
V1 第1速度
V2 第2速度
VT 搬送部材の速度
α1 受取領域
α2 保持領域
α3 渡し領域
α4 非保持領域
Claims (4)
- 第1速度で走行する第1物品列から一の物品を受取領域で受け取った後、第2速度で走行する第2物品列に対し該物品を渡し領域で順次渡す際、該物品を保持搬送する搬送部材を複数用い、該搬送部材の速度を該物品毎に独立して制御する速度制御方法であって、
前記搬送部材を所定の搬送軌道円上でそれぞれ独立して回転移動させ、
前記搬送部材の速度を、前記受取領域では前記第1速度に設定し、前記渡し領域では前記第2速度に設定し、
前記受取領域から前記渡し領域に向かう保持領域では、前記搬送部材の速度を、前記第2物品列における第2物品間隔に応じて加減速し、
前記渡し領域から前記受取領域に向かう非保持領域では、前記搬送部材の速度を、前記第1物品列における第1物品間隔に応じて加減速する速度制御方法。 - 前記保持領域及び前記非保持領域では、前記搬送部材を、前記搬送軌道円上の回転移動と独立して、前記搬送円軌道の半径方向を中心軸に旋回移動させ、
前記保持領域では、前記搬送部材の旋回位置を、前記受取領域において前記物品を受け取り可能な受取位置から、前記渡し領域において前記物品を渡し可能な渡し位置に配置し、
前記非保持領域では、前記搬送部材の旋回位置を、前記渡し位置から前記受取位置に配置する請求項1記載の速度制御方法。 - 請求項1又は2に記載の速度制御方法に用いられる速度制御装置であって、
前記搬送軌道円を画定する軌道リング部材と、該軌道リング部材上を移動する複数の前記搬送部材と、該搬送部材をそれぞれ独立して駆動する複数の駆動源と、該駆動源をそれぞれ可変的に制御する制御部とを備え、
前記制御部は、前記駆動源に対し第1〜第4速度指令を周期的に発するように構成されており、
前記第1速度指令は、前記受取領域に位置する前記搬送部材の速度を前記第1速度にする指令であり、
前記第2速度指令は、前記保持領域に位置する前記搬送部材の速度を前記第2物品間隔に応じて加減速させる指令であり、
前記第3速度指令は、前記渡し領域に位置する前記搬送部材の速度を前記第2速度にする指令であり、
前記第4速度指令は、前記非保持領域に位置する前記搬送部材の速度を前記第1物品間隔に応じて加減速させる指令である速度制御装置。 - 前記搬送部材は、前記軌道リング部材上に摺動可能に設けられた搬送シューと、該搬送シュー上で旋回可能に設けられた搬送パッドとからなり、
前記搬送シューは、駆動伝達機構を介して前記駆動源に連結されており、
前記搬送パッドは、前記物品を吸引保持するように構成されている請求項3記載の速度制御装置。
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