JP2005142508A - 磁気記憶素子及び磁気メモリ - Google Patents

磁気記憶素子及び磁気メモリ Download PDF

Info

Publication number
JP2005142508A
JP2005142508A JP2003380210A JP2003380210A JP2005142508A JP 2005142508 A JP2005142508 A JP 2005142508A JP 2003380210 A JP2003380210 A JP 2003380210A JP 2003380210 A JP2003380210 A JP 2003380210A JP 2005142508 A JP2005142508 A JP 2005142508A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnetic
layer
magnetization
storage layer
memory
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2003380210A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4765248B2 (ja
Inventor
Minoru Igarashi
実 五十嵐
Kazuhiro Bessho
和宏 別所
Keitaro Endo
敬太郎 遠藤
Yutaka Higo
豊 肥後
Masakatsu Hosomi
政功 細見
Hiroshi Kano
博司 鹿野
Shinya Kubo
真也 窪
Tetsuya Mizuguchi
徹也 水口
Kosuke Narisawa
浩亮 成沢
Kazuhiro Oba
和博 大場
Hiroyuki Omori
広之 大森
Naomi Yamada
直美 山田
Tetsuya Yamamoto
哲也 山元
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sony Corp filed Critical Sony Corp
Priority to JP2003380210A priority Critical patent/JP4765248B2/ja
Publication of JP2005142508A publication Critical patent/JP2005142508A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4765248B2 publication Critical patent/JP4765248B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Mram Or Spin Memory Techniques (AREA)
  • Semiconductor Memories (AREA)
  • Hall/Mr Elements (AREA)

Abstract

【課題】 動作領域を広く確保して安定に動作させると共に、消費電力を低く抑えることができる磁気記憶素子及び磁気メモリを提供する。
【解決手段】 記憶層3の複数層の磁性層16,18,20,22,24,26の間に90°反強磁性結合を誘導するように、記憶層3の磁性層16,18,20,22,24,26を隔てる各非磁性層17,19,21,23,25の膜厚か、或いは記憶層の各磁性層の膜厚か、いずれかの膜厚が変調されている磁気記憶素子1を構成する。また、この磁気記憶素子1と、それぞれ交差する第1の配線と第2の配線とを有し、第1の配線及び第2の配線とが交差する交点付近に、それぞれ磁気記憶素子1が配置されて成る磁気メモリを構成する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、磁気記憶素子及び磁気メモリに関するものであり、特に不揮発性メモリに用いて好適なものである。
コンピュータ等の情報機器においては、ランダム・アクセス・メモリとして、動作が高速で、高密度のDRAMが広く使用されている。
しかし、DRAMは電源を切ると情報が消えてしまう揮発性メモリであるため、情報が消えない不揮発のメモリが望まれている。
情報通信機器、特に携帯端末等の個人用小型機器の飛躍的な普及に伴い、これを構成するメモリやロジック等の素子に対して、高集積化、高速化、低電力化等、一層の高性能化が要請されている。
特に、不揮発性メモリは、機器の高機能化に必要不可欠な部品と考えられている。
例えば、電源の消耗やトラブル、サーバーとネットワークが何らかの障害により切断された場合でも、不揮発性メモリはシステムや個人の重要な情報を保護することができる。
また、最近の携帯機器は、不要の回路ブロックをスタンバイ状態にしてできるだけ消費電力を抑えるように設計されているが、高速のワークメモリと大容量ストレージメモリを兼ねることができる不揮発性メモリを実現することができれば、消費電力とメモリの無駄を無くすことができる。
さらに、高速の大容量不揮発性メモリが実現できれば、電源を入れると瞬時に起動できる“インスタント・オン”機能も可能になってくる。
不揮発性メモリとしては、半導体を用いたフラッシュメモリや、強誘電体を用いたFRAM(Ferro electric Random Access Memory )等が挙げられる。
しかしながら、フラッシュメモリは、書き込み速度がμ秒のオーダーと遅いため、高速なアクセスに向かないという欠点がある。
一方、FRAMにおいては、書き換え可能回数が1012〜1014と有限であるため、完全にSRAMやDRAMを置き換えるには耐久性が小さく、また強誘電体キャパシタの微細加工が難しいという問題が指摘されている。
これらの欠点がない不揮発性メモリとして注目されているのが、磁性体の磁化で情報を記録する磁気ランダム・アクセス・メモリ(MRAM;Magnetic Random Access Memory )である(例えば、非特許文献1参照)。
初期のMRAMは、AMR(anisotropic magnetoresistive)効果や、GMR(Giant magnetoresistance )効果等を利用した、スピンバルブをベースにした構成であった(非特許文献2及び非特許文献3参照)。
しかし、これらの構成では、負荷のメモリセル抵抗が10〜100Ωと低いため、読み出し時のビット当たりの消費電力が大きく大容量化が難しいという欠点があった。
そこで、TMR(Tunnel Magnetoresistance)効果を利用した構成のMRAMが提案されている。
当初は、室温における抵抗変化率が1〜2%しかなかったが(非特許文献4参照)、近年では20%近くの抵抗変化率が得られるようになり(非特許文献5参照)、TMR効果を利用したMRAMに注目が集まるようになってきている。
MRAMでは、マトリクス状に配列されたTMR効果型の記憶素子を有するとともに、その素子群のうち特定の素子に情報を記録するために、素子群を縦横に横切るワード書き込み線とビット書き込み線を有しており、その交差領域に位置する記憶素子のみに、選択的に情報の記録(書き込み)を行うように構成されている。
そして、記憶素子に情報の記録を行う方法には、アステロイド特性を利用した方法(例えば、特許文献1参照)とスイッチング特性を利用した方法(例えば、特許文献2参照)がある。
アステロイド特性を利用した方法は、選択性が各記憶素子の保磁力特性に依存するために、素子の寸法や磁気特性のばらつきに弱いという欠点があった。
これに対して、スイッチング特性を利用した方法は、素子選択に使える磁界範囲が広いので、素子ごとの特性ばらつきが多少あっても、大規模なメモリを実現しやすい、という利点がある。
ここで、スイッチング特性を利用したMRAMの模式的断面図を図7に示す。
メモリセルに記録された情報を読み出すために、メモリセルを電気的に選択するためには、ダイオードまたはMOSトランジスタ等を用いることができるが、図7に示す構成はMOSトランジスタを用いている。
まず、MRAMのメモリセルを構成する磁気記憶素子101の構成を説明する。
第1の磁化固定層112及び第2の磁化固定層114の2層の磁性層は、非磁性層113を介して配置されていることにより、反強磁性結合している。さらに、第1の磁化固定層112は、反強磁性層111と接して配置されており、これらの層間に働く交換相互作用によって、強い一方向の磁気異方性を有する。そして、これら4層111,112,113,114により固定層102が構成される。
第1の記憶層116及び第2の記憶層118の2層の磁性層は、非磁性層117を介して配置されていることにより、反強磁性結合している。これら第1の記憶層116及び第2の記憶層118は、それぞれの磁化M1,M2の向きが比較的容易に回転するように構成される。そして、これら3層116,117,118により記憶層(自由層)103が構成される。
第2の磁化固定層114と第1の記憶層116との間、即ち固定層102と記憶層(自由層)103との間には、トンネル絶縁層115が形成されている。このトンネル絶縁層115は、上下の磁性層116及び114の磁気的結合を切るとともに、トンネル電流を流す役割を担う。これにより、磁性層の磁化の向きが固定された固定層102と、トンネル絶縁層115と、磁化の向きを変化させることが可能な記憶層(自由層)103とにより、TMR(Tunneling Magnetoresistance )素子が構成されている。
そして、上述の各層111〜118と、下地膜110及びトップコート膜119により、TMR素子から成る磁気記憶素子101が構成されている。
また、シリコン基板130中に選択用MOSトランジスタ131が形成され、この選択用MOSトランジスタ131の一方の拡散層133上に接続プラグ108を介して、引き出し電極109が形成されている。この引き出し電極109上に、磁気記憶素子101の下地膜110が接続されている。選択用MOSトランジスタ131のもう一方の拡散層132は、図示しないが、接続プラグを介してセンス線に接続されている。選択用MOSトランジスタのゲート107は、選択信号線と接続されている。
磁気記憶素子101のトップコート膜119は、その上のビット線(BL)106に接続されている。また、磁気記憶素子101の下方には絶縁膜を介して、書き込みワード線(WL)105が配置されている。
定常状態において、第1の記憶層116の磁化M1と第2の記憶層118の磁化M2とは、概ね反平行状態(向きが正反対の状態)にある。同様に、非磁性層113を介した強い反強磁性結合により、第1の磁化固定層112の磁化M11と第2の磁化固定層114の磁化M12とは、ほぼ完全な反平行状態にある。
通常、第1の磁化固定層112と第2の磁化固定層114とは、飽和磁化膜厚積が等しい構成とされるため、磁極磁界の漏洩成分は無視できるくらい小さい。
また、図7のMRAMを直上より見た模式的平面図を図8に示す。
磁気記憶素子101は、平面形状が楕円形状であり、楕円の長軸方向に磁化容易軸60があり、楕円の短軸方向に磁化困難軸61があり、これら磁化容易軸60と磁化困難軸61とが直交している。
また、ビット線106及びワード線105は、格子状に配置され、両者のなす角度αは一定(図8ではほぼ直交している)である。磁気記憶素子101は、その磁化容易軸60がワード線105に対して傾斜角度θ(0<θ<90°)を有するように、ワード線105及びビット線106の交点に配置されている。
この構成のメモリセルにおいて、磁気記憶素子101の記憶層103に情報を記録する際には、第1の記憶層116の磁化M1及び第2の記憶層118の磁化M2の向きを反転させるために、ビット線106及びワード線105に、それぞれ、ビット電流Ib及びワード線電流Iwを流す。ビット線電流Ib及びワード線電流Iwは、それぞれ、ビット線電流磁界Hb及びワード線電流磁界Hwを誘起する。ワード線電流磁界Hwとビット線電流磁界Hbの合成磁界は、後述するように、時計回りまたは反時計回りに回る回転磁界を形成する。
そして、電流磁界Hb,Hwの印加によって、第1の記憶層116の磁化M1の向き及び第2の記憶層118の磁化M2の向きを変えることにより、記憶層103に情報(例えば、情報”1”又は情報”0”)を記録することができる。
また、記録された情報の読み出しは、磁気抵抗効果によるトンネル電流の変化を検出して行うことができる。
ここで、図7に示した構成の磁気記憶素子101の磁化容易軸方向に外部磁界Hが印加されたときの磁化曲線の例を図9に示す。
第1の記憶層116の磁化M1と第2の記憶層118の磁化M2の合成磁化Mの大きさは、外部磁界の大きさによって顕著に変化する。
最初のしきい値はスピンフロッピング磁界Hsfである。外部磁界Hがこのスピンフロッピング磁界Hsf以下ならば、第1の記憶層116の磁化M1と第2の記憶層118の磁化M2が、常に反平行状態(↑↓)を保つ。
外部磁界HがHsfを超えると、第1の記憶層116の磁化M1及び第2の記憶層118の磁化M2が、交差磁化状態をとって外部磁界Hに拮抗する。ただし、二つの磁化M1,M2がなす角度は180度以下である。この状態から外部磁界Hを取り去れば、最初の反平行状態に戻ることが多い。
次のしきい値は飽和磁界Hsatである。外部磁界Hが飽和磁界Hsatを超えると、第1の記憶層116の磁化M1と第2の記憶層118の磁化M2は平行状態(↑↑)となる。一旦、飽和磁界Hsat以上の外部磁界Hを印加してしまうと、記憶層103は最初の反平行状態の記憶を忘却するので、外部磁界を取り去っても最初の磁化状態に戻るとは限らない。
続いて、図7のMRAMの磁気記憶素子101において、外部磁界Hとしてワード線電流磁界Hwとビット線電流磁界Hbを印加したとき、記憶層103の第1の記憶層116の磁化M1及び第2の記憶層118の磁化M2の向きの変化を説明する。
外部磁界Hを印加することにより、図9に示したように、記憶層103の第1の記憶層116の磁化M1及び第2の記憶層118の磁化M2の向きが変化するが、外部磁界Hを印加する前の状態と、外部磁界Hを取り去った後の状態との関係により、3種類の動作に大別することができる。
まず、外部磁界Hの印加の前の状態と、外部磁界Hを取り去った後の状態とで、第1の記憶層116の磁化M1と第2の記憶層118の磁化M2の向きが反転する(2つの磁化M1,M2の向きが入れ替わり、交番的に変化する)動作がある。以下、このような動作を、Toggle動作と呼ぶ。
また、外部磁界Hの印加の前の状態と、外部磁界Hを取り去った後の状態とで、第1の記憶層116の磁化M1と第2の記憶層118の磁化M2の向きが同じ向きになる(2つの磁化M1,M2の向きが入れ替わらない)動作がある。以下、このような動作を、No switching動作と呼ぶ。
さらにまた、外部磁界Hの印加の前の状態に係わらず、外部磁界Hを取り去った後の状態では、第1の記憶層116の磁化M1と第2の記憶層118の磁化M2が、それぞれ決まった向きに変化する動作がある。この動作では、外部磁界Hを印加している間に、2層の磁化M1,M2が同じ向き(平行)になってしまい、外部磁界Hを印加する前の反平行状態の記憶が失われるため、外部磁界Hを除去した後の状態では、2層の磁化M1,M2が一方通行な磁化回転をして、ある決まった向きに変化する。以下、このような動作を、Direct動作と呼ぶ。
次に、3種類の動作のそれぞれにおいて、ワード線電流Iw及びビット線電流Ibの電流パルスと、第1の記憶層116の磁化M1及び第2の記憶層118の磁化M2の向きの時間変化と、磁化M1,M2の変化に伴う磁気記憶素子101のTMR素子の電気抵抗Rの時間変化を示す。
まず、Toggle動作における、電流パルス、各記憶層の磁化の向きの時間変化、TMR素子の電気抵抗の時間変化の一例を、図10に示す。
図10では、1ビットの記録を行うサイクルにおいて、時間原点を時刻T0として、時刻T1,T2,T3,T4と時刻が経過して、最後に定常状態に戻るまでの磁化M1,M2の向き及びTMR素子の電気抵抗Rの変化を示している。以下、他の動作の場合の図でも同様である。
ワード線電流Iwのパルスは、時間原点T0からある時間経過した時刻T1に立ち上がり、時刻T3に立ち下がる。ビット線電流Ibのパルスは、ワード線電流Iwのパルスより遅れて、時刻T2に立ち上がり、時刻T4に立ち下がる。
このように電流パルスに時間差を設けることにより、各電流磁界Hw,Hbの合成磁界を回転磁界として、第1の記憶層116の磁化M1及び第2の記憶層118の磁化M2の向きを回転させることができる。
TMR素子の電気抵抗Rは、第1の記憶層116の磁化M1と第2の磁化固定層114の磁化M12の向きが等しい場合に、低抵抗(これを例えば情報”0”とする)となり、第1の記憶層116の磁化M1と第2の磁化固定層114の磁化M12の向きが反平行である場合に、高抵抗(これを例えば情報”1”とする)となる。
まず、時刻T0において、第1の記憶層116の磁化M1と第2の記憶層114の磁化M2は、反平行状態をとっており、二つの磁化M1,M2の向きがなす角度は180度となっている。
時刻T1から時刻T2までの間に、第1の記憶層116の磁化M1と第2の記憶層118の磁化M2とがなす角度が180度以下になる。
時刻T2から時刻T3までの間には、第1の記憶層116の磁化M1と第2の記憶層118の磁化M2とがなす角度が鋭角(90度以下)になる。
時刻T3以降で第1の記憶層116の磁化M1と第2の記憶層118の磁化M2とがスピンフロップし、時刻T4を過ぎて再び反平行状態に戻る。このとき、第1の記憶層116の磁化M1及び第2の記憶層118の磁化M2は、それぞれ初期状態に対して向きが逆転している。
次に、No switching動作における、電流パルス、各記憶層の磁化の向きの時間変化、TMR素子の電気抵抗の時間変化の一例を、図11に示す。
この例では、ワード線電流Iwのパルスを図10とは逆の向きにしている。ビット線電流Ibのパルスは図10と同じである。
ワード線電流Iwのパルスは、時間原点の時刻T0からある時間経過した時刻T1に立ち上がり、時刻T3に立ち下がる。ビット線電流Ibのパルスは、ワード線電流Iwのパルスより遅れて、時刻T2に立ち上がり、時刻T4に立ち下がる。
このように電流パルスに時間差を設けることにより、各電流磁界Hw,Hbの合成磁界を回転磁界として、第1の記憶層116の磁化M1及び第2の記憶層118の磁化M2の向きを回転させることができる。
まず、時刻T0において、第1の記憶層116の磁化M1と第2の記憶層114の磁化M2は、反平行状態をとっており、二つの磁化M1,M2の向きがなす角度は180度となっている。
時刻T1から時刻T2までの間に、第1の記憶層116の磁化M1と第2の記憶層118の磁化M2とがなす角度が180度以下になる。
この場合は、時刻T2から時刻T3までの間で、ワード線電流磁界Hw及びビット線電流磁界Hbにより形成される回転磁界の向きが、磁気記憶素子101の磁化容易軸の方向(正方向または負方向のいずれか)を向かないので、スピンフロッピングが起こらない。 その結果、時刻T4以降では、磁化状態は初期状態に対して変化しない。
次に、Direct動作における、電流パルス、各記憶層の磁化の向きの時間変化、TMR素子の電気抵抗の時間変化の例を、図12及び図13にそれぞれ示す。
図12に示す例では、電流パルスをいずれも図10と同じ向きにしている。一方、図13に示す例では、電流パルスをいずれも図10とは逆の向きにしている。
図12及び図13において、ワード線電流Iwのパルスは、時間原点の時刻T0からある時間経過した時刻T1に立ち上がり、時刻T3に立ち下がる。ビット線電流Ibのパルスは、ワード線電流Iwのパルスより遅れて、時刻T2に立ち上がり、時刻T4に立ち下がる。
このように電流パルスに時間差を設けることにより、各電流磁界Hw,Hbの合成磁界を回転磁界として、第1の記憶層116の磁化M1及び第2の記憶層118の磁化M2の向きを回転させることができる。
まず、時刻T0において、第1の記憶層116の磁化M1と第2の記憶層114の磁化M2は、反平行状態をとっており、二つの磁化M1,M2の向きがなす角度は180度となっている。
時刻T1から時刻T2までの間に、スピンフロッピングが起こり、第1の記憶層116の磁化M1及び第2の記憶層118の磁化M2がなす角度は90度以下になる。
時刻T2から時刻T3までの間に、第1の記憶層116の磁化M1及び第2の記憶層118の磁化M2の向きが、ほぼ同じ向きに揃ってしまい、ワード線電流磁界Hw及びビット線電流磁界Hbにより形成される回転磁界の向きとほぼ等しくなる。
時刻T3以降では、第1の記憶層116の磁化M1及び第2の記憶層118の磁化M2が、スピンフロップして再び反平行状態に戻るが、その磁化状態は初期状態に依存しない。
続いて、ワード線電流磁界Hw及びビット線電流磁界Hbの各振幅・向きを変化させたときに、3種類の磁化回転動作のそれぞれの発生状況を表す磁化回転モード図を、図14に示す。
図14に示すように、ビット線電流磁界Hb及びワード線電流磁界Hwの合成磁界がスピンフロッピング磁界Hsf以下ならば、その領域は全てNo switching動作の領域81である。ビット線電流磁界Hb及びワード線電流磁界Hwの合成磁界が磁化容易軸方向以外になる、第二象限及び第四象限も、概ねNo switching動作の領域81である。
一方、ビット線電流磁界Hb及びワード線電流磁界Hwの合成磁界が飽和磁界Hsatを超えたところは、Direct動作の領域82となることが多い。
そして、ビット線電流磁界Hb及びワード線電流磁界Hwの合成磁界がスピンフロッピング磁界Hsf以上飽和磁界Hsat未満であり、かつ、第一象限及び第三象限に属する範囲は、Toggle動作の領域80となることが期待できる。
なお、第1の記憶層116の磁化M1と第2の記憶層118の磁化M2のなす2つの安定状態(↑↓及び↓↑)に非対称性がある場合は、Toggle動作の領域80とNo switching動作の領域81の境界に、Direct動作の領域が現れることがある。
マトリクス状に配列されたメモリセル群において、ワード線とビット線の交点に配置された特定のメモリセルのみを選択的に磁化反転させるには、選択されたメモリセルが所属するワード線及びビット線に電流を流す。
このとき、選択されたメモリセルに印加される合成磁界が、Toggle動作の領域80又はDirect動作の領域82の範囲内に含まれている必要がある。
一方、ワード線またはビット線を共有する選択されていないメモリセルが磁化反転するのを避けるには、非選択メモリセルへ印加される合成磁界が、No switching動作の領域81の範囲に含まれていることが必要である。
Wang et al.,IEEE Trans.Magn.,1997,Vol.33,p.4498 J.M.Daughton,Thin Solid Films,1992,vol.216,p.162-168 D.D.Tang et al.,IEDM Technical Digest,1997,p.995-997 R.Meservey et al.,Pysics Reports,1994,vol.238,p.214-217 T.Miyazaki et al.,J.Magnetism & Magnetic Material,1995,vol.139,L231 特開平10−116490号公報 米国特許出願公開第2003/0072174号明細書
上述したように、スイッチング特性を利用したMRAMの従来の構成においては、記憶層(自由層)として2層以上の強磁性層を用いてビット情報の記録を行っている。
そして、これら2層以上の強磁性層が、各層間において、180°反強磁性結合又は静磁結合している。
180°反強磁性結合は、いわゆるRKKY(Rudeman-Kittel-Kasuya-Yoshida)交換相互作用に起因する結合であり、記憶層の各強磁性層において磁化の向きが反平行状態(↑↓及び↓↑)のとき、系の磁気エネルギーを極小にする作用がある。
しかしながら、記憶層の各強磁性層が180°反強磁性結合することによって、飽和磁界Hsatを増強することはできるが、スピンフロッピング磁界Hsfも増強される。
飽和磁界は、図14に示したような磁化回転モード図におけるToggle動作の領域80の上限を決定し、スピンフロッピング磁界は、同じくToggle動作の領域80の下限を決定する。
従って、180°反強磁性結合を利用した磁気メモリは、Toggle動作の領域80即ち動作領域は広いが、電流パルスの波高値が大きくなる、という問題点がある。
一方、静磁結合は、静磁気的な相互作用であり、記憶層の各強磁性層において磁化の向きが反平行状態(↑↓及び↓↑)のとき、系の磁気エネルギーを極小にする作用がある。この静磁結合は、180°反強磁性結合が零のときを表す特別な状態である。
しかしながら、記憶層の各強磁性層間に静磁結合のみが生じている場合には、スピンフロッピング磁界Hsfは低減されるが、飽和磁界Hsatも低減される。
従って、静磁結合を利用した磁気メモリは、電流パルスの波高値は低いが、動作領域が狭くなる、という問題がある。
即ち、180°反強磁性結合を利用した磁気メモリは、動作が安定しているが、電流パルスの波高値が大きいために消費電力が大きくなる。一方、静磁結合を利用した磁気メモリは、電流パルスの波高値が低いために消費電力こそ低いが、動作がやや不安定になる。
そして、磁気メモリを低消費電力化したり信頼性を向上したりするためには、できるだけ電流パルスの波高値を低くすることが望ましい。
上述した問題の解決のために、本発明においては、動作領域を広く確保して安定に動作させると共に、消費電力を低く抑えることができる磁気記憶素子及び磁気メモリを提供するものである。
本発明の磁気記憶素子は、情報を磁性体の磁化状態によって保持する記憶層が複数層の磁性層から成り、記憶層の磁性層の間に90°反強磁性結合を誘導するように、記憶層の磁性層を隔てる各非磁性層の膜厚か、或いは記憶層の各磁性層の膜厚か、いずれかの膜厚が変調されているものである。
上述の本発明の磁気記憶素子の構成によれば、情報を磁性体の磁化状態によって保持する記憶層が複数層の磁性層から成り、記憶層の磁性層の間に90°反強磁性結合を誘導するように、記憶層の磁性層を隔てる各非磁性層の膜厚か、或いは記憶層の各磁性層の膜厚か、いずれかの膜厚が変調されていることにより、記憶層の磁性層の間に90°反強磁性結合が誘導されるため、記憶層の各磁性層の磁化の向きが交差する交差磁化状態(磁化の向きがなす角度が0°や180°でない状態)の磁気的エネルギーを下げることができる。このように交差磁化状態の磁気的エネルギーを下げることができることにより、スピンフロッピング磁界を低減する一方で、飽和磁界を増加させることができる。
磁化の向きを反転する動作を可能にする磁界の大きさの範囲は、下限がスピンフロッピングであり、上限が飽和磁界となるため、スピンフロッピング磁界が低減され、飽和磁界が増大されることにより、磁化の向きを反転する動作領域を上下にそれぞれ拡げることが可能になる。
本発明の磁気記憶素子は、情報を磁性体の磁化状態によって保持する記憶層が複数層の磁性層から成り、記憶層の磁性層の間に90°反強磁性結合を誘導するように、各磁性層の磁化容易軸方向が少なくとも異なる2方向以上存在するものである。
上述の本発明の磁気記憶素子の構成によれば、情報を磁性体の磁化状態によって保持する記憶層が複数層の磁性層から成り、記憶層の磁性層の間に90°反強磁性結合を誘導するように、各磁性層の磁化容易軸方向が少なくとも異なる2方向以上存在することにより、記憶層の磁性層の間に90°反強磁性結合が誘導されるため、記憶層の各磁性層の磁化の向きが交差する交差磁化状態の磁気的エネルギーを下げることができ、これによりスピンフロッピング磁界を低減する一方で、飽和磁界を増加させることができる。
このため、磁化の向きを反転する動作領域を上下にそれぞれ拡げることが可能になる。
本発明の磁気メモリは、情報を磁性体の磁化状態によって保持する記憶層が複数層の磁性層から成り、記憶層の磁性層の間に90°反強磁性結合を誘導するように、記憶層の磁性層を隔てる各非磁性層の膜厚か、或いは記憶層の各磁性層の膜厚か、いずれかの膜厚が変調されている磁気記憶素子と、互いに交差する第1の配線と第2の配線とを備え、第1の配線と第2の配線とが交差する交点付近に、それぞれ磁気記憶素子が配置されて成るものである。
上述の本発明の磁気メモリの構成によれば、情報を磁性体の磁化状態によって保持する記憶層が複数層の磁性層から成り、記憶層の磁性層の間に90°反強磁性結合を誘導するように、記憶層の磁性層を隔てる各非磁性層の膜厚か、或いは記憶層の各磁性層の膜厚か、いずれかの膜厚が変調されている磁気記憶素子と、互いに交差する第1の配線と第2の配線とを備え、第1の配線と第2の配線とが交差する交点付近に、それぞれ磁気記憶素子が配置されて成ることにより、第1の配線や第2の配線に電流を流すことにより磁気記憶素子に磁場(電流磁場)を印加することが可能であり、この磁場により記憶層の各磁性層の磁化の向きを変化させて情報を記録することが可能である。
そして、特に、磁気記憶素子が、記憶層の磁性層の間に90°反強磁性結合を誘導するように、記憶層の磁性層を隔てる各非磁性層の膜厚か、或いは記憶層の各磁性層の膜厚か、いずれかの膜厚が変調されている構成となっていることにより、前述したように、磁化の向きを反転する動作領域を上下にそれぞれ拡げることが可能になる。
本発明の磁気メモリは、情報を磁性体の磁化状態によって保持する記憶層が複数層の磁性層から成り、記憶層の磁性層の間に90°反強磁性結合を誘導するように、各磁性層の磁化容易軸方向が少なくとも異なる2方向以上存在する磁気記憶素子と、互いに交差する第1の配線と第2の配線とを備え、第1の配線と第2の配線とが交差する交点付近に、それぞれ磁気記憶素子が配置されて成るものである。
上述の本発明の磁気メモリの構成によれば、情報を磁性体の磁化状態によって保持する記憶層が複数層の磁性層から成り、記憶層の磁性層の間に90°反強磁性結合を誘導するように、各磁性層の磁化容易軸方向が少なくとも異なる2方向以上存在する磁気記憶素子と、互いに交差する第1の配線と第2の配線とを備え、第1の配線と第2の配線とが交差する交点付近に、それぞれ磁気記憶素子が配置されて成ることにより、第1の配線や第2の配線に電流を流すことにより磁気記憶素子に磁場(電流磁場)を印加することが可能であり、この磁場により記憶層の各磁性層の磁化の向きを変化させて情報を記録することが可能である。
そして、特に、磁気記憶素子が、記憶層の磁性層の間に90°反強磁性結合を誘導するように、各磁性層の磁化容易軸方向が少なくとも異なる2方向以上存在する構成となっていることにより、前述したように、磁化の向きを反転する動作領域を上下にそれぞれ拡げることが可能になる。
上述の本発明によれば、交差磁化状態の磁気的エネルギーを下げてスピンフロッピング磁界を低減し飽和磁界を増加させることができるため、記憶層の各磁性層の磁化の向きを反転する動作領域を上下にそれぞれ拡げることが可能になり、これにより、安定して磁化の向きを反転させる動作を行うことができる。
従って、磁気記憶素子の微細化を図った場合でも、高い歩留まりを得ることが可能になり、また書き込みエラーの低減を図って高い信頼性で情報の書き込み(記録)や読み出しを行うことができる。
これにより、磁気記憶素子の微細化によって高密度化を図り、磁気メモリの記憶容量の増大や磁気メモリの小型化を図ることが可能になる。
また、本発明によれば、動作領域の下限を低減することができるため、情報の記録に必要な電流磁界を発生させるための電流量を低減することができ、これにより消費電力を低減することができる。
従って、本発明により、磁気メモリの微細化、高信頼化、大容量化、低消費電力化が容易になる。
本発明の一実施の形態として、スイッチング特性を利用したMRAMのメモリセルを構成する磁気記憶素子の概略構成図(模式的断面図)を図1に示す。
第1の磁化固定層12及び第2の磁化固定層14の2層の磁性層は、非磁性層13を介して配置されていることにより、反強磁性結合している。さらに、第1の磁化固定層12は、反強磁性層11と接して配置されており、これらの層間に働く交換相互作用によって、強い一方向の磁気異方性を有する。そして、これら4層11,12,13,14により固定層2が構成される。
記憶層(自由層)3は、第1の記憶層16、第2の記憶層18、第3の記憶層20、第4の記憶層22、第5の記憶層24、第6の記憶層26の6層の磁性層が、それぞれ間に非磁性層17,19,21,23,25を介して配置されて構成されている。
第1の記憶層16の磁化M1、第2の記憶層18の磁化M2、第3の記憶層20の磁化M3、第4の記憶層22の磁化M4、第5の記憶層24の磁化M5、第6の記憶層26の磁化M6は、それぞれの向きが図中左右交互になっている。
第2の磁化固定層14と第1の記憶層16との間、即ち固定層2と記憶層(自由層)3との間には、トンネル絶縁層15が形成されている。このトンネル絶縁層15は、上下の磁性層16及び14の磁気的結合を切るとともに、トンネル電流を流す役割を担う。これにより、磁性層の磁化の向きが固定された固定層2と、トンネル絶縁層15と、磁化の向きを変化させることが可能な記憶層(自由層)3とにより、TMR(Tunneling Magnetoresistance )素子が構成されている。
第6の記憶層26の上には、トップコート膜27が形成されている。このトップコート膜27は、磁気記憶素子1と接続された配線(ビット線等)との相互拡散防止、接触抵抗の低減及び第6の記憶層26の酸化防止という役割がある。
反強磁性層11の下には、下地膜10が形成されている。この下地膜10は、上方に積層される層の結晶性を高める作用がある。
固定層2を構成する各磁性層12,14や、記憶層(自由層)3を構成する各磁性層16,18,20,22,24,26には、ニッケル、鉄、コバルトや、これらの合金を用いることができる。
記憶層(自由層)3を構成する各非磁性層17,19,21,23,25には、ルテニウム、カッパー、タンタル等の非磁性材料やパラ磁性材料を用いることができる。
本実施の形態においては、特に、記憶層(自由層)3を構成する6層の磁性層16,18,20,22,24,26の層間にそれぞれ設けられた、各非磁性層即ち、非磁性層17、非磁性層19、非磁性層21、非磁性層23、並びに非磁性層25の膜厚t17,t19,t21,t23,t25が、それぞれ疑似周期関数に従って変調された構成となっている。
疑似周期関数は、例えばFibonacci数列等から求めることができる。
非磁性層17,19,21,23,25の膜厚t17,t19,t21,t23,t25が疑似周期関数によって変調されると、記憶層(自由層)3を構成する6層の磁性層16,18,20,22,24,26の磁化M1,M2,M3,M4,M5,M6が完全な反平行状態(↑↓↑↓↑↓または↓↑↓↑↓↑)をとりにくくする作用を及ぼす。
特に、180°反強磁性結合(bilinear 結合)の平均が零であり分散が大きい場合に、記憶層3の磁性層16,18,20,22,24,26の磁化M1,M2,M3,M4,M5,M6がエネルギー的に交差磁化状態をとりやすくなる。
このような結合のしかたを90°反強磁性結合(biquadratic 結合)という。
記憶層3の各磁性層間に90°反強磁性結合を発生させることにより、交差磁化状態がエネルギー的に安定になり、これにより、スピンフロッピング磁界Hsfを小さくすることができ、かつ飽和磁界Hsatを大きくすることができる。
従って、スピンフロッピング磁界Hsf及び飽和磁界Hsatをそれぞれ下限と上限とする、記憶層3の磁性層の磁化を反転する動作の領域を、上下に拡げることが可能になる。
そして、図1に示した構成の磁気記憶素子1を用いて、図2に示すようにスイッチング特性を利用したMRAMのメモリセルを構成することができる。
図2において、磁気記憶素子1以外の部分は、図7に示した従来のスイッチング特性を利用したMRAMのメモリセルと同様になっている。
即ち、シリコン基板30中に選択用MOSトランジスタ31が形成され、この選択用MOSトランジスタ31の一方の拡散層33上に接続プラグ8を介して、引き出し電極9が形成されている。この引き出し電極9上に、磁気記憶素子1が接続されている。選択用MOSトランジスタ31のもう一方の拡散層32は、図示しないが、接続プラグを介してセンス線に接続されている。選択用MOSトランジスタのゲート7は、選択信号線と接続されている。
磁気記憶素子1の上面は、その上のビット線(BL)6に接続されている。また、磁気記憶素子1の下方には絶縁膜を介して、書き込みワード線(WL)5が配置されている。
また、図示しないが、本実施の形態の磁気記憶素子1においても、図8の磁気記憶素子101と同様に、楕円形状のパターンに磁気記憶素子1を形成し、この磁気記憶素子1をワード線5及びビット線6の交点に配置すると共に、磁気記憶素子1の各磁性層(磁化固定層及び記憶層)12,14,16,18,20,22,24,26の磁化容易軸方向を、ワード線5及びビット線6に対して傾斜角度θを有する方向とすることが可能である。
この構成のメモリセルにおいて、磁気記憶素子1の記憶層(自由層)3に情報を記録する際には、各記憶層16,18,20,22,24,26の磁化M1,M2,M3,M4,M5,M6の向きを反転させるために、ビット線6及びワード線5に、それぞれ、ビット電流及びワード線電流を流す。ビット線電流及びワード線電流は、それぞれ、ビット線電流磁界及びワード線電流磁界を誘起する。ワード線電流磁界とビット線電流磁界の合成磁界は、時計回りまたは反時計回りに回る回転磁界を形成する。
また、磁気記憶素子1の記憶層(自由層)3に記録された情報を読み出す際には、ビット線6と、選択用MOSトランジスタ31の拡散層32に接続されたセンス線との間に電圧をかけて、選択用MOSトランジスタ31のゲート7をオン状態にすることにより、磁気記憶素子1の膜厚方向に電流を流す。これにより、トンネル絶縁層15を挟む磁性層(第2の磁化固定層14及び第1の記憶層16)におけるトンネル磁気抵抗効果を利用して、記憶層3の磁性層の磁化の向きを検出することにより、記憶層3に記録された情報を読み出すことができる。
そして、図1に示した構成のメモリセルを用いて、それぞれ多数のワード線(WL)5及びビット線(BL)6に対して、各交点に磁気記憶素子1を配置することにより、多数のメモリセルを有し、記憶容量の大きい磁気メモリ(磁気記憶装置)を構成することができる。
このように磁気メモリを構成した場合に、あるメモリセルの磁気記憶素子1の記憶層3に情報を記録するためには、多数あるワード線5及びビット線6から、記録を行うメモリセルに対応するそれぞれ1本のワード線5及びビット線6を選択し、ワード線5及びビット線6に電流を流して、記録を行うメモリセルの磁気記憶素子1に対して電流磁界(ワード線電流磁界及びビット線電流磁界)を印加する。これにより、そのメモリセルの磁気記憶素子1の記憶層3に回転磁界が印加され、その記憶層3において、各記憶層16,18,20,22,24,26の磁化M1,M2,M3,M4,M5,M6が反転(Toggle動作)して、情報の書き込み(記録)が行われる。
一方、情報の記録を行わないメモリセルでは、ワード線5或いはビット線6の少なくとも一方は選択されていないため、各記憶層16,18,20,22,24,26の磁化M1,M2,M3,M4,M5,M6の向きが反転(Toggle動作)するために充分な回転磁界が印加されず、情報の書き込み(記録)が行われないことから、記憶層3に既に記録されている情報が保持される。
ここで、90°反強磁性結合の大きさを変更して、磁化容易軸方向の磁化曲線の変化を調べた。
各非磁性層の膜厚が同じであり、各記憶層(磁性層)の膜厚も同じであり、各記憶層間に静磁結合のみが生じている場合(Jq=0)と、各非磁性層の膜厚を変調して90°反強磁性結合Jqの大きさを0.01erg/cmにした場合と、各非磁性層の膜厚を変調して90°反強磁性結合Jqの大きさを0.013erg/cmにした場合とについて、それぞれ印加される磁界の大きさの変化に対する記憶層の磁化量の変化を調べて、磁化曲線を作成した。なお、いずれの場合も、磁気記憶素子の平面形状を、0.72μm(長軸方向)×0.48μm(短軸方向)の楕円形状とした。
それぞれの場合の磁化曲線を重ねて、図3に示す。
図3より、静磁結合を利用した場合(Jq=0)には、スピンフロッピング磁界(40Oe程度)及び飽和磁界(200Oe程度)が共に低いのに対して、90°反強磁性結合Jqを高めていくと、スピンフロッピング磁界がさらに低くなっていく(→25Oe程度→20Oe以下)が、その一方で飽和磁界(300Oe程度)が大きくなっていくことがわかる。
即ち、90°反強磁性結合を強めていくことにより、記憶層の各磁性層の磁化の向きを反転する動作(Toggle動作)の領域の下限であるスピンフロッピング磁界Hsfが低減される。また、90°反強磁性結合を強めていくことにより、上述の動作(Toggle動作)の領域の上限である飽和磁界Hsatが大きくなっていく。
従って、上述の動作(Toggle動作)の領域が、上下に拡がっていくことがわかる。
また、本実施の形態によって得られる磁化回転モードの改善効果を調べた。
磁気記憶素子の平面形状を、図3と同様に、0.72μm(長軸方向)×0.48μm(短軸方向)の楕円として、従来のように記憶層の各磁性層間の非磁性層の膜厚が同一とされている場合と、本実施の形態のように記憶層の各磁性層間の非磁性層の膜厚が変調されている場合とで、素子の磁化回転モードの分布を比較した。
それぞれの磁化回転モードの分布を図4A及び図4Bに示す。図4Aは記憶層の各磁性層間の非磁性層の膜厚が同一とされている場合であり、図4Bは記憶層の各磁性層間の非磁性層の膜厚が変調されている場合である。
図4Aより、従来の各磁性層間の非磁性層の膜厚が同一とされている構成では、スピンフロッピング磁界で決定されるToggle動作の領域80の下限が、ワード線電流磁界Hw側で60Oe以上もあることがわかる。
ワード線電流Iwやビット線電流Ibで、これだけの大きさの磁界を発生させようとすると、十数mAもの大電流が必要になる。
前述したように、磁気メモリ素子の低消費電力化や信頼性の向上を図るためには、できるだけ電流値が低いことが望ましいため、このようにToggle動作の領域80の下限が大きいことは好ましくない。
図4Bより、本実施の形態の構成を採用して、各磁性層間の非磁性層の膜厚を変調して90°反強磁性結合を発生させることにより、スピンフロッピング磁界が低減されるため、Toggle動作の領域の下限がさらに低減され、20Oe以下になることがわかる。
即ち、各磁性層間の非磁性層の膜厚を変調して90°反強磁性結合を発生させることにより、Toggle動作の領域80の下限を下げて、記録に必要な電流磁界を発生させるための電流量を低減し、消費電力を低減できることがわかる。
上述の本実施の形態によれば、記憶層(自由層)3の各記憶層(磁性層)16,18,20,22,24,26の間の各非磁性層17,19,21,23,25の膜厚t17,t19,t21,t23,t25が、擬似周期関数により変調されていることによって、記憶層3の各記憶層(磁性層)16,18,20,22,24,26の間に90°反強磁性結合を誘導することができるため、各記憶層(磁性層)16,18,20,22,24,26の磁化M1,M2,M3,M4,M5,M6の向きが交差する交差磁化状態の磁気的エネルギーを下げることができる。
これにより、スピンフロッピング磁界Hsfを低減することができ、また飽和磁界Hsatを増加させることができる。
従って、記憶層(自由層)3の各記憶層(磁性層)16,18,20,22,24,26の磁化M1,M2,M3,M4,M5,M6の向きを反転させて情報の記録を行うことができる領域、即ち磁化回転モード図におけるToggle動作の領域を、下方及び上方にそれぞれ拡げることが可能になる。
このようにToggle動作の領域(動作領域)を拡げることができるため、安定して動作を行うことができる。
従って、磁気記憶素子1の微細化を図った場合でも、高い歩留まりを得ることが可能になると共に、書き込みエラーの低減を図り高い信頼性でビット情報等の情報の書き込み(記録)や読み出しを行うことができる。
これにより、磁気記憶素子1の微細化によって高密度化を図り、磁気メモリの記憶容量の増大や磁気メモリの小型化を図ることが可能になる。
また本実施の形態によれば、動作領域の下限を低減することができることにより、情報の記録に必要となる大きさの磁界を電流磁界として発生させる電流量を低減することができる。これにより、記録の際の消費電力を低減することができる。
従って、磁気メモリの微細化、高信頼化、大容量化、低消費電力化が容易になる。
なお、上述の実施の形態では、記憶層(自由層)3の各磁性層間の非磁性層の膜厚が変調された構成であったが、記憶層(自由層)の各磁性層の膜厚が変調された構成としても、同様に、各磁性層間に90°反強磁性結合を発生させて、動作領域を上下に拡げることが可能になる。
また、膜厚を変調する方法としては、前述した擬似周期関数に従って変調する方法の他に、周期関数と乱数との組み合わせに従って変調する方法や、フラクタル関数に従って変調する方法も、いずれも可能である。
また、複数層の非磁性層或いは磁性層について、複数層の膜厚を変調するだけでなく、さらに各層内において膜面内で膜厚を変調してもよい。
通常、均一な非磁性膜または磁性層を成膜する際には、ターゲット槽が1×10−6Torr以下の超真空度に到達していることが必要であるが、膜面で膜厚を変調するためには1mTorr以上の低真空中でスパッタリングすることが有効である。
次に、本発明の他の実施の形態として、スイッチング特性を利用したMRAMのメモリセルを構成する磁気記憶素子の要部の分解図を、図5に示す。
本実施の形態においては、特に記憶層(自由層)3を構成する第1の記憶層16及び第2の記憶層18の2つの磁性層を、それぞれ磁化容易軸60の方向が互いに異なるように形成して磁気記憶素子41を構成している。
具体的には、第1の記憶層16の磁化容易軸60の傾斜角度(図8の傾斜角度θと同様に電流磁界を印加する配線に対する傾斜角度)θ1が比較的小さく、第2の記憶層18の磁化容易軸60の傾斜角度θ2が比較的大きくなっており、図5では0°<θ1<45°<θ2<90°となっている。
また、第1の記憶層16及び第2の記憶層18の平面パターンは、いずれも同一の楕円形状となっており、楕円の長軸方向が一致している。
このように、平面パターンが同一で、かつ磁化容易軸方向が異なる構成であるため、磁性層の形状異方性による磁化容易軸方向の設定ではなく、別の方法により第1の記憶層16及び第2の記憶層18のそれぞれの磁化容易軸方向を設定することになる。
例えば、結晶磁気異方性や、磁場中熱処理等による誘導磁気異方性を、主に利用することにより、それぞれの磁化容易軸方向を設定すればよい。
磁気記憶素子41の記憶層(自由層)がこのように第1の記憶層16及び第2の記憶層18の磁化容易軸60方向が異なる構成となっているため、交差磁化状態の磁気エネルギーを低下させることができる。
これにより、スピンフロッピング磁界Hsfを下げると共に、飽和磁界Hsatを増加させることができる。
このような構成を作製するためには、例えば、第1の記憶層16を形成してある向きの磁場中で熱処理を行って第1の記憶層16の磁化容易軸60の方向を設定した後に、第2の記憶層18を形成して、第1の記憶層16とは異なる向きの磁場中で熱処理を行って第2の記憶層18の磁化容易軸60の方向を設定し、その後、第1の記憶層16及び第2の記憶層18を含む磁気記憶素子41の各層をパターニングすればよい。
なお、第1の記憶層16及び第2の記憶層18のそれぞれの磁化容易軸方向のなす角度は、図5に示した角度に限らず、例えば5°以上90°以下の任意の角度とすることが可能である。
そして、図5に示した構成の磁気記憶素子41を用いて、図6に示すようにスイッチング特性を利用したMRAMのメモリセルを構成することができる。
図6において、磁気記憶素子41以外の部分は、図7に示した従来のスイッチング特性を利用したMRAMのメモリセルや図2に示した先の実施の形態のメモリセルと同様になっているため、説明を省略する。
上述の本実施の形態の構成によれば、磁気記憶素子41の記憶層(自由層)3の各磁性層、即ち第1の記憶層16及び第2の記憶層18の磁化容易軸方向が互いに異なることにより、記憶層(自由層)の各磁性層16,18の間に90°反強磁性結合を誘導することができるため、各記憶層(磁性層)16,18の磁化M1,M2の向きが交差する交差磁化状態の磁気的エネルギーを下げることができる。
これにより、先の実施の形態と同様に、スピンフロッピング磁界Hsfを低減することができ、また飽和磁界Hsatを増加させることができるため、記憶層(自由層)3の各記憶層(磁性層)16,18の磁化M1,M2の向きを反転させて情報の記録を行うことができる領域(Toggle動作の領域)を、下方及び上方にそれぞれ拡げることが可能になる。
従って、Toggle動作の領域(動作領域)を拡げることができ、安定して動作を行うことができるようになることから、磁気記憶素子41の微細化を図った場合でも、高い歩留まりを得ることが可能になると共に、書き込みエラーの低減を図り高い信頼性でビット情報等の情報の書き込み(記録)や読み出しを行うことができる。
これにより、磁気記憶素子41の微細化によって高密度化を図り、磁気メモリの記憶容量の増大や磁気メモリの小型化を図ることが可能になる。
また本実施の形態によれば、動作領域の下限を低減することができることにより、先の実施の形態と同様に、記録の際の消費電力を低減することができる。
従って、磁気メモリの微細化、高信頼化、大容量化、低消費電力化が容易になる。
なお、図5及び図6に示した実施の形態のように、誘導磁気異方性によって記憶層の各磁性層の磁化容易軸方向を異ならせる代わりに、形状磁気異方性によって磁化容易軸方向を異ならせることも可能である。
この場合は、磁性層を平面パターンが異なるように形成することにより、形状磁気異方性によって主に定義される磁化容易軸方向を異ならせることができる。
また、図5及び図6に示した実施の形態では、記憶層(自由層)が2層の磁性層から構成されているが、3層以上の磁性層により記憶層(自由層)を構成した場合にも、同様に本発明の構成を適用することが可能である。
3層以上の磁性層により記憶層(自由層)を構成した場合には、磁性層の磁化容易軸方向が少なくとも異なる2方向以上である構成とすることにより、磁性層間に90°反強磁性結合を発生させることができる。
なお、上述した各実施の形態の構成に対して、磁気記憶素子の下の引き出し電極を反強磁性体により構成して、反強磁性層と兼用してもよい。
上述の各実施の形態では、いずれも、記憶層3と下層の固定層2との間にトンネル絶縁層を設けてTMR素子から成る磁気記憶素子を構成していたが、トンネル絶縁層の代わりに非磁性導電層を設けてGMR素子から成る磁気記憶素子を構成してもよい。
GMR素子から成る磁気記憶素子を構成した場合に適用しても、同様に本発明の効果を得ることができる。
また、記憶層に対して、トンネル絶縁層或いは非磁性導電層即ち非磁性層を介して固定層を設けた構成(TMR素子やGMR素子等)に限らず、本発明は、固定層を設けずに他の検出手段によって記憶層の磁性層の磁化の向きを検出して、磁気記憶素子の記憶層に記録された情報の読み出しを行う構成にも適用することが可能である。
固定層を設けた構成以外の他の検出手段としては、例えば、ホール素子を利用した構成や、光学的手段により検出を行う構成が考えられる。
本発明は、上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲でその他様々な構成が取り得る。
本発明の一実施の形態に係るMRAMのメモリセルを構成する磁気記憶素子の概略構成図である。 図1の磁気記憶素子を備えたスイッチング特性を利用したMRAMの模式的断面図である。 90°反強磁性結合の大きさを変化させた各場合における、印加磁界の大きさの変化に対する記憶層の磁化量の変化を示す図である。 磁化回転モードの分布を比較する図である。 A 記憶層の非磁性層の膜厚が同一とされた従来の構成の場合である。 B 記憶層の非磁性層の膜厚が変調された構成(図1の構成)の場合である。 本発明の他の実施の形態に係るMRAMのメモリセルを構成する磁気記憶素子の要部の分解図である。 図5の磁気記憶素子を備えたスイッチング特性を利用したMRAMの模式的断面図である。 スイッチング特性を利用したMRAMの模式的断面図である。 図7のMRAMを直上より見た模式的平面図である。 図7の磁気記憶素子の磁化容易軸方向に外部磁界が印加されたときの磁化曲線の一例である。 Toggle動作における、電流パルス、各記憶層の磁化の向きの時間変化、TMR素子の電気抵抗の時間変化の一例を示す図である。 No swiching動作における、電流パルス、各記憶層の磁化の向きの時間変化、TMR素子の電気抵抗の時間変化の一例を示す図である。 Direct動作における、電流パルス、各記憶層の磁化の向きの時間変化、TMR素子の電気抵抗の時間変化の一例を示す図である。 Direct動作における、電流パルス、各記憶層の磁化の向きの時間変化、TMR素子の電気抵抗の時間変化の一例を示す図である。 図7の磁気記憶素子の磁化回転モードの分布を示す図である。
符号の説明
1,41 磁気記憶素子、2 固定層、3 記憶層(自由層)、5 ワード線、6 ビット線、11 反強磁性層、12 第1の磁化固定層、13,17,19,21,23,25 非磁性層、14 第2の磁化固定層、15 トンネル絶縁層、16 第1の記憶層、18 第2の記憶層、20 第3の記憶層、22 第4の記憶層、24 第5の記憶層、25 第6の記憶層、30 シリコン基板、31 選択用MOSトランジスタ

Claims (10)

  1. 情報を磁性体の磁化状態によって保持する記憶層が、複数層の磁性層から成り、
    前記記憶層の前記磁性層の間に90°反強磁性結合を誘導するように、前記記憶層の磁性層を隔てる各非磁性層の膜厚か、或いは前記記憶層の各磁性層の膜厚か、いずれかの膜厚が変調されている
    ことを特徴とする磁気記憶素子。
  2. 前記各非磁性層の膜厚、或いは前記記憶層の各磁性層の膜厚が、擬似周期関数、周期関数と乱数の組み合わせ、フラクタル関数、のいずれかにより変調されていることを特徴とする請求項1に記載の磁気記憶素子。
  3. 前記記憶層に対して、非磁性層を介して、磁化の向きが固定された磁化固定層が配置されていることを特徴とする請求項1に記載の磁気記憶素子。
  4. 情報を磁性体の磁化状態によって保持する記憶層が、複数層の磁性層から成り、
    前記記憶層の前記磁性層の間に90°反強磁性結合を誘導するように、各前記磁性層の磁化容易軸方向が少なくとも異なる2方向以上存在する
    ことを特徴とする磁気記憶素子。
  5. 前記記憶層に対して、非磁性層を介して、磁化の向きが固定された磁化固定層が配置されていることを特徴とする請求項4に記載の磁気記憶素子。
  6. 情報を磁性体の磁化状態によって保持する記憶層が、複数層の磁性層から成り、
    前記記憶層の前記磁性層の間に90°反強磁性結合を誘導するように、前記記憶層の磁性層を隔てる各非磁性層の膜厚か、或いは前記記憶層の各磁性層の膜厚か、いずれかの膜厚が変調されている磁気記憶素子と、
    互いに交差する第1の配線と第2の配線とを備え、
    前記第1の配線と前記第2の配線とが交差する交点付近に、それぞれ前記磁気記憶素子が配置されて成る
    ことを特徴とする磁気メモリ。
  7. 前記磁気記憶素子において、前記各非磁性層の膜厚、或いは前記記憶層の各磁性層の膜厚が、擬似周期関数、周期関数と乱数の組み合わせ、フラクタル関数、のいずれかにより変調されていることを特徴とする請求項6に記載の磁気メモリ。
  8. 前記磁気記憶素子において、前記記憶層に対して、非磁性層を介して、磁化の向きが固定された磁化固定層が配置されていることを特徴とする請求項6に記載の磁気メモリ。
  9. 情報を磁性体の磁化状態によって保持する記憶層が、複数層の磁性層から成り、
    前記記憶層の前記磁性層の間に90°反強磁性結合を誘導するように、各前記磁性層の磁化容易軸方向が少なくとも異なる2方向以上存在する磁気記憶素子と、
    互いに交差する第1の配線と第2の配線とを備え、
    前記第1の配線と前記第2の配線とが交差する交点付近に、それぞれ前記磁気記憶素子が配置されて成る
    ことを特徴とする磁気メモリ。
  10. 前記磁気記憶素子において、前記記憶層に対して、非磁性層を介して、磁化の向きが固定された磁化固定層が配置されていることを特徴とする請求項9に記載の磁気メモリ。
JP2003380210A 2003-11-10 2003-11-10 磁気メモリ Expired - Fee Related JP4765248B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003380210A JP4765248B2 (ja) 2003-11-10 2003-11-10 磁気メモリ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003380210A JP4765248B2 (ja) 2003-11-10 2003-11-10 磁気メモリ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005142508A true JP2005142508A (ja) 2005-06-02
JP4765248B2 JP4765248B2 (ja) 2011-09-07

Family

ID=34690017

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003380210A Expired - Fee Related JP4765248B2 (ja) 2003-11-10 2003-11-10 磁気メモリ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4765248B2 (ja)

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006022197A1 (ja) * 2004-08-25 2006-03-02 Nec Corporation メモリセル及び磁気ランダムアクセスメモリ
WO2007015355A1 (ja) * 2005-08-02 2007-02-08 Nec Corporation Mram
JP2007096074A (ja) * 2005-09-29 2007-04-12 Toshiba Corp 磁気メモリ
US7242047B2 (en) 2004-08-19 2007-07-10 Nec Corporation Magnetic memory adopting synthetic antiferromagnet as free magnetic layer
JPWO2006129725A1 (ja) * 2005-06-03 2009-01-08 日本電気株式会社 Mram
JP2012074494A (ja) * 2010-09-28 2012-04-12 Toshiba Corp 発振素子
CN109994598A (zh) * 2017-12-28 2019-07-09 Tdk株式会社 自旋轨道转矩型磁化旋转元件、自旋轨道转矩型磁阻效应元件
JP2019121614A (ja) * 2017-12-28 2019-07-22 Tdk株式会社 スピン軌道トルク型磁化回転素子、スピン軌道トルク型磁気抵抗効果素子及び磁気メモリ
JP2019121782A (ja) * 2017-12-28 2019-07-22 Tdk株式会社 スピン軌道トルク型磁化回転素子、スピン軌道トルク型磁気抵抗効果素子及びスピン軌道トルク型磁化回転素子の製造方法
JP2019121783A (ja) * 2017-12-28 2019-07-22 Tdk株式会社 スピン軌道トルク型磁化回転素子、スピン軌道トルク型磁気抵抗効果素子及びスピン軌道トルク型磁化回転素子の製造方法
CN111146333A (zh) * 2018-11-02 2020-05-12 三星电子株式会社 磁隧道结器件、磁阻存储器件及存储单元
US11521776B2 (en) 2017-12-28 2022-12-06 Tdk Corporation Spin-orbit-torque magnetization rotational element, spin-orbit-torque magnetoresistance effect element, and spin-orbit-torque magnetization rotational element manufacturing method

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001160640A (ja) * 1999-09-24 2001-06-12 Toshiba Corp 磁気抵抗効果素子、磁気抵抗効果ヘッド、磁気再生装置、及び磁性積層体
US20030072174A1 (en) * 2001-10-16 2003-04-17 Leonid Savtchenko Method of writing to scalable magnetoresistance random access memory element

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001160640A (ja) * 1999-09-24 2001-06-12 Toshiba Corp 磁気抵抗効果素子、磁気抵抗効果ヘッド、磁気再生装置、及び磁性積層体
US20030072174A1 (en) * 2001-10-16 2003-04-17 Leonid Savtchenko Method of writing to scalable magnetoresistance random access memory element
JP2005505889A (ja) * 2001-10-16 2005-02-24 モトローラ・インコーポレイテッド スケーラブルな磁気抵抗ランダム・アクセス記憶素子に書き込むための方法

Cited By (21)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7242047B2 (en) 2004-08-19 2007-07-10 Nec Corporation Magnetic memory adopting synthetic antiferromagnet as free magnetic layer
WO2006022197A1 (ja) * 2004-08-25 2006-03-02 Nec Corporation メモリセル及び磁気ランダムアクセスメモリ
JPWO2006022197A1 (ja) * 2004-08-25 2008-05-08 日本電気株式会社 メモリセル及び磁気ランダムアクセスメモリ
US7916520B2 (en) 2004-08-25 2011-03-29 Nec Corporation Memory cell and magnetic random access memory
JPWO2006129725A1 (ja) * 2005-06-03 2009-01-08 日本電気株式会社 Mram
JP5051538B2 (ja) * 2005-06-03 2012-10-17 日本電気株式会社 Mram
WO2007015355A1 (ja) * 2005-08-02 2007-02-08 Nec Corporation Mram
JP5050853B2 (ja) * 2005-08-02 2012-10-17 日本電気株式会社 Mram
JP2007096074A (ja) * 2005-09-29 2007-04-12 Toshiba Corp 磁気メモリ
JP2012074494A (ja) * 2010-09-28 2012-04-12 Toshiba Corp 発振素子
CN109994598A (zh) * 2017-12-28 2019-07-09 Tdk株式会社 自旋轨道转矩型磁化旋转元件、自旋轨道转矩型磁阻效应元件
JP2019121614A (ja) * 2017-12-28 2019-07-22 Tdk株式会社 スピン軌道トルク型磁化回転素子、スピン軌道トルク型磁気抵抗効果素子及び磁気メモリ
JP2019121782A (ja) * 2017-12-28 2019-07-22 Tdk株式会社 スピン軌道トルク型磁化回転素子、スピン軌道トルク型磁気抵抗効果素子及びスピン軌道トルク型磁化回転素子の製造方法
JP2019121783A (ja) * 2017-12-28 2019-07-22 Tdk株式会社 スピン軌道トルク型磁化回転素子、スピン軌道トルク型磁気抵抗効果素子及びスピン軌道トルク型磁化回転素子の製造方法
US10748563B2 (en) 2017-12-28 2020-08-18 Tdk Corporation Spin-orbit-torque magnetization rotational element, spin-orbit-torque magnetoresistance effect element, and magnetic memory
US11521776B2 (en) 2017-12-28 2022-12-06 Tdk Corporation Spin-orbit-torque magnetization rotational element, spin-orbit-torque magnetoresistance effect element, and spin-orbit-torque magnetization rotational element manufacturing method
JP7183703B2 (ja) 2017-12-28 2022-12-06 Tdk株式会社 スピン軌道トルク型磁気抵抗効果素子及びスピン軌道トルク型磁気抵抗効果素子の製造方法
JP7183704B2 (ja) 2017-12-28 2022-12-06 Tdk株式会社 スピン軌道トルク型磁気抵抗効果素子及びスピン軌道トルク型磁気抵抗効果素子の製造方法
CN109994598B (zh) * 2017-12-28 2024-01-16 Tdk株式会社 自旋轨道转矩型磁化旋转元件及磁阻效应元件
CN111146333A (zh) * 2018-11-02 2020-05-12 三星电子株式会社 磁隧道结器件、磁阻存储器件及存储单元
CN111146333B (zh) * 2018-11-02 2023-09-26 三星电子株式会社 磁隧道结器件、磁阻存储器件及存储单元

Also Published As

Publication number Publication date
JP4765248B2 (ja) 2011-09-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6717735B2 (ja) 改善された切り換え効率のためのスピン軌道トルクビット設計
JP4380707B2 (ja) 記憶素子
CN103003883B (zh) 用于场复位自旋力矩mram的结构和方法
KR20100127743A (ko) 자기 메모리 소자, 그 구동 방법 및 불휘발성 기억 장치
US8279661B2 (en) Magnetic memory element, driving method for the same, and nonvolatile storage device
JP5652472B2 (ja) 磁気メモリ素子、磁気メモリ、及びその製造方法
JP2012014787A (ja) 記憶装置
JP4765248B2 (ja) 磁気メモリ
JP2008117930A (ja) 記憶素子、メモリ
US10290338B2 (en) Tilted synthetic antiferromagnet polarizer/reference layer for STT-MRAM bits
JP5397384B2 (ja) 磁性記憶素子の初期化方法
JP4438806B2 (ja) メモリ
CN110366756B (zh) 磁存储器、半导体装置、电子设备和读取磁存储器的方法
JP4670326B2 (ja) メモリ
JP2004087870A (ja) 磁気抵抗効果素子および磁気メモリ装置
US7872904B2 (en) Magnetic random access memory
JP4626149B2 (ja) 磁気メモリの初期化方法
JP4631267B2 (ja) 磁気記憶素子及び磁気メモリ
JP2005129801A (ja) 磁気記憶素子及び磁気メモリ
JP2008084950A (ja) 記憶素子、メモリ
JP2008211059A (ja) 記憶素子、メモリ
JP2007096075A (ja) 磁気記憶素子、磁気メモリ
JP2005135495A (ja) 磁気メモリの記録方法
JP2005142299A (ja) 磁気メモリ
JP2010021584A (ja) 記憶素子、メモリ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060710

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090730

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100608

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100802

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110517

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110530

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140624

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees