JP2005138169A - レーザマーキング装置、レーザマーキング方法、及び被マーキング体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】レーザ光をワークに照射して、レーザ光の焦点位置におけるワーク内部を変質させて、所定エリア毎にドットを付すレーザマーキング装置に関する。ドットに関する情報として、少なくともワークWの露見部の2次元位置情報と、ドットの濃度情報と、を取得する取得手段と、ワークWの表面からドットまでのワークWの厚み方向の距離を示すドット深度情報を、濃度情報に応じてドット毎に演算し、ドット深度情報と、2次元位置情報と、により特定される位置から、各ドットについて3次元座標を設定する座標設定手段と、3次元座標をレーザ光焦点位置としてマーキングを行うレーザマーキング手段とを備える。
【選択図】図1
Description
ポリカーボネートは、純粋な状態では透明の素材であり、一般的に、耐衝撃性、耐候性、電気的絶縁性、寸法安定性等に優れている。
従来、ポリカーボネートに文字等をマーキングする方法としては、インクジェット方式の印刷によるものが多かった。
このような問題点を解消するために、ポリカーボネート素材へレーザによるマーキングを行う技術が開発された(例えば、特許文献1)。
すなわち、繰返しパルスのYAGレーザ光をポリカーボネート素材のワークに照射することにより、照射箇所の成分物質の粒子を黒変させてマーキングを行う方法及びマーキング装置が記載されている。
また、マーキングされた画像、文字の視認性が悪いため、写真等の緻密な濃度変化の調整が必要な画像をポリカーボネート上へマーキングすることは困難であった。
また、本発明の他の目的は、ポリカーボネート素材と樹脂素材を積層し、2次元コード、文字、ロゴマーク、画像等が鮮明かつ立体的に浮かび上がって見えるようにマーキングを行うことが可能なレーザマーキング装置及びレーザマーキング方法を提供することにある。
このように構成されているので、ワークに照射されるレーザ光の焦点位置を変化させることにより、マーキングされるマークの深度を調整することが可能となる。
マーキングされた各マークは、深度の相違によって、濃度が異なるように見える。
よって、各マークの深度を調整することによって、マークの集合体として構成された像の濃度を調整することが可能となる。
このように構成されているので、各ドットの直径を変化させることにより、ドットの集合体として構成された像の濃度を変化させ、一般的な印刷技術であるグレースケール印刷と同様の濃度調整が可能となる。
また、同時にドット深度を変化させることが可能であるため、ドットの直径を変化させることによる濃度調整よりも更に緻密な濃度調整を行うことが可能となる。
よって、スキャナで読取った写真画像等をマーキングした場合であっても、元の写真と比して遜色ないマーキング画像を得ることが可能となる。
このように構成されていると、レーザマーキングを行うことによって、複数のドットの集合体としての像をワークに形成することができる。また、ドット深度やドット径の異なった複数のドットの組合せによりワークに像が形成されるため、濃度変化のある像を表現することができる。
このように構成されていると、ポリカーボネート等の光透過性の高いワークにマーキングを行う場合であっても、コア材とのコントラストによってマーキングされた像の視認性が高くなる。
また、マーキングされた像表面での反射光とコア材表面での反射光には、光路差が存在するため、マーキングされた像は、コア材より浮き上ったように立体的に視認される。
このように構成されていると、コア材を挟んで積層された表裏2枚のワークそれぞれにマーキングを施すことが可能となり、表裏共に前記のように高い視認性と立体感を備えた像がマーキングできる。
このように構成されていると、2種類のコア材を使用することが可能となる。例えば、2種類の異色のコア材を使用した場合には、表裏面の背景色を変えることが可能となる。
このように形成された被マーキング体には、各ドット深度の相違により濃度変化を有する像がマーキングされることとなる。よって、鮮明で立体的な像がマーキングされた被マーキング材を得ることができる。
このように形成された被マーキング体には、ドットの直径と深度を調整することによって、スキャナ等で読込まれた元の画像と遜色のない濃度変化を有する像がマーキングされることとなる。よって、ドット径を変化させることによりドット密度を変化させて像の濃度を調整する一般的なグレースケール印刷よりも、より緻密な濃度変化が表現された像をマーキングされた被マーキング材を得ることができる。
該3次元座標設定工程によって設定された前記3次元座標上の各ドット毎に、前記ドット情報取得工程により取得した前記ドット径情報を設定し、マーキング情報を形成するマーキング情報設定工程と、該マーキング情報設定工程において形成されたマーキング情報に基づいてレーザ光照射条件を調整して、前記ワークにレーザ光を照射するレーザマーキング工程と、を備えるレーザマーキング方法により解決される。
このように、構成されていると、スキャナ等より読込んだ写真等の画像の濃度を認識して、その濃度に応じたドット径及びドット深度を演算することができる。そして、取得して2次元位置情報と、ドット径及びドット深度の演算データによって、各ドット毎に3次元座標とドット径情報を割付けることができる。
このように形成された情報に従って、レーザマーキングを実施することが可能であるため、簡易に鮮明で元の写真等の画像に比して遜色のない像をワークへマーキングすることが可能となる。
すなわち、コア素材は反射性の高い有色の素材を使用しているため、このコア素材が入射光を反射して、マーキングされたドットが浮き上がったように視認されると共に、コア素材の有する色とドットの有する色とのコントラストによってドットが鮮明に視認される。
また、マーキングされたドットからの反射光とコア素材表面からの反射光には光路差が生じるため、マーキングされたドットは立体的に視認される。
写真等の濃度情報を有する画像データを読み込んでマーキングを行う場合には、濃度情報をマーキングに反映させる必要がある。
そのため、マーキングを行う際にドット直径を濃度情報に応じて変更させれば、一般的なグレースケール印刷と同様に、ドット密度によって濃度の濃淡を表現することが可能となる。
すなわち、ワーク表面からドット位置(すなわちレーザ光の焦点位置)までのワーク厚み方向の距離をマーク深度として規定すれば、このマーク深度を変更することにより、濃度を微調整することが可能となる。
よって、単にドット径の変更のみでは表現しきれない微妙な濃度グラデーションを表現することが可能となる。
例えば、写真画像等の複雑な濃度情報を有する画像をマーキングする場合には、より鮮明なマーキング画像を得ることができ、人間の顔のような複雑な画像であっても、照合性が向上するため、社員証のようなセキュリティー性が要求される製品に対して本発明に係るマーキング方法を適用することが可能となる。
図1に示すSは、本実施形態に係るレーザマーキング装置を示す。
このレーザマーキング装置Sは、文字、図形、記号、画像などのマーキングパターンをワークにマーキングするのに好適に使用されるものであり、スキャナ10、タブレット20、データ制御部30、レーザマーカー40を主要構成要素とする。
スキャナ10は、紙面等に書かれた文字、図形、記号及び写真等に撮影された画像等のマーキングパターンに関するアナログデータを内部センサで読取り、この読取ったアナログ情報をデジタル情報に変換して出力する。
タブレット20は、スキャナ10と同様にマーキングパターン入力手段である。
タブレット20は、ペン22を用いて文字、図形、記号等のマーキングパターンを板状の入力部21に記入することにより、アナログ情報を入力することが可能なように構成されている。この入力されたアナログ情報はデジタル情報へ変換されて出力される。
なお、本発明にかかるマーキングパターン入力手段は、上記スキャナ10及び上記タブレット20以外にも、CCDカメラやデジタルカメラ、ビデオカメラ、携帯端末等によって構成されていても良く、また、後述するデータ制御部30に備えられたキーボード32やマウス33によって構成されていても良い。
更に、通信回線網を介して、入力手段に遠隔地からマーキングパターンが入力される構成としても良い。
本実施形態におけるデータ制御部30は、パーソナルコンピュータで構成されており、表示部31、キーボード32、マウス33、パソコン本体34等を有して構成されている。
パソコン本体34は、図2に示すように、データの演算・制御処理装置としてのCPU35及び各種データを記憶する記憶部36を備えており、記憶部36は、記憶装置であるROM36a、RAM36b、ハードディスク36c、入出力部37で構成されている。
ハードディスク36cには予め作成されたフォントデータ(例えば、明朝体やゴシック体などの一般的なフォントデータ)や、文字、図形、記号に関するマーキングパターンデータ等が記憶されている。
また、ハードディスク36cには、パラメータ情報が記憶されている。パラメータ情報は、レーザマーキングを行う際の条件を設定したものである。
この条件としては、レーザ周波数、出力、印字回数、ビーム径、照射時間等がある。これらの条件は、レーザマーキングを行う際にCPU35により読み込まれる。
入出力部37は、データ制御部30と外部装置との間で情報の入出力を行う。CPU35での演算結果は、入出力部37を介してレーザマーカー40へと送信される。
このように構成されていると、別の場所や遠隔地より指示及びデータを送信してレーザマーカー40を制御することが可能となる。例えば、制御室等にデータ制御部30を設置し、作業室にレーザマーカー40を設置するような構成、本社にデータ制御部30を設置し、各地の工場にレーザマーカー40を設置するような構成、が可能となる。
本実施形態では、データ制御部30とレーザマーカー40とが1対1で設置されている構成を示しているが、データ制御部30に対して複数のレーザマーカー40を接続し、被マーキング材に応じて、適切なレーザ光を出射するレーザマーカー40が選択される構成としても良い。
レーザマーカー40において、YAGレーザ発振機50から出力されたレーザ光は、レベリングミラー56により光路を変更され、アパーチャ55によりビーム径を絞られた後、ガリレオ式エキスパンダ57によりビーム径を広げられる。
更に、アパーチャ58によりビーム径を調整された後、アッテネータ46により減衰されてから、ガルバノミラー47により光路を変更及び調整され、fθレンズ59で集光されて、被マーキング体Wに照射される。
YAGレーザ発振機50は、更に全面反射鏡51、内部アパーチャ52、ランプハウス53、内部シャッタ44、出力鏡54を備えており、YAGレーザ発振機50の出力側には外部シャッタ45が設けられている。
上記Qスイッチ素子43、内部シャッタ44、外部シャッタ45、アッテネータ46、ガルバノミラー41は、データ制御部30から送信されたデータに基づいて、上記制御を行う。
はじめに、データ生成工程において、被マーキング体Wにマーキングするマーキングパターンについてのビットマップデータを取得する(ステップS1)。
すなわち、ユーザがスキャナ10又はタブレット20にアナログデータを入力すると、このアナログデータはスキャナ10又はタブレット20によって読み込まれ、デジタルデータに変換されて制御部30へと出力される。この出力されたデジタルデータは、ビットマップファイル形式でデータ制御部30において記憶される。
また、キーボード32を使って文字入力することにより、ハードディスク36cに記憶されたフォントデータ及び文字を読み出して、このフォントデータ及び文字データからビットマップデータを取得するようにしても良い。
このとき市販のフォント(勘定流、相撲文字、筆文字等)データをデータ制御部30にインストールしておき、これらのフォントデータからビットマップデータを取得するようにしても良い。
また、ユーザの直筆により作成されたオリジナルフォントをスキャナ10又はタブレット20により取込んで、ビットマップデータを取得することができることは勿論である。
ここでは、文字、2次元コード、ロゴマーク等のマーキングを行う際には「レーザパラメータ」として、照射するレーザの波長、ビーム径、Qスイッチ素子の周波数、電力値、パワー、ドット照射時間、マーキング回数等のマーキング条件を設定する。また、文字を入力する際には「文字パラメータ」としてフォントサイズ、位置、文字間隔、太字、斜体文字等の設定を行うことも可能である。
ただし、スキャナ10で取込んだ濃度情報を有する画像をマーキングする際には、レーザパラメータに相当するマーキング条件は、データ制御部30により自動的に演算されて決定される。
この場合には、レーザ波長は1064nm、532nm、354nm、166nmから選択され、レーザ周波数は1〜200kHz、レーザ出力は1〜100%の範囲に調整される。
すなわち、ビットマップファイルにおいて、1ピクセル毎についてのパターン入力の有無を検出する。このとき、パターン入力の有無の検出は、ビットマップファイルの右上側から左上側へ向けて行い、左上側まで行ったら一段下がって右方向へと行い、右端まで行ったら更に一段下がって左方向へ行う。このように右から左へ、上から下へ、左から右へという具合に交互に行う。
また、マーキングパターンの濃度をグレースケールとして認識し、各ピクセル毎に濃度に応じたドット径及びドット深度を演算し、設定する。
ドット径とは、ドットの直径の値である。
ドット深度とは、レーザ光焦点位置に相当し、レーザ光の焦点の位置を被マーキング体Wの表面からの厚さ方向への距離として規定した値である。
そして、パターン入力されたピクセルに基づいてマーキングパターンの2次元座標データを取得し、このように取得された2次元座標データと、演算されたドット深度から3次元座標データを取得し、各ピクセル毎にマーキングされるドットの3次元座標データ、ドット径、及び上記ステップ2において設定された各条件(スキャナ10より取込まれた濃度情報を有する画像データに関しては、自動演算された条件)に基づき、ドットマーキングを行うためのドットマーキング用データが形成される。
はじめに、レーザマーキング工程において、被マーキング体Wのどの位置に文字、図形、画像等のマーキングを行うか決定し、マーキング領域において被マーキング体Wの位置合わせを行う(ステップS4)。
そして、レーザマーカー40を用いて、被マーキング体Wにレーザ光を照射し、被マーキング体Wのドットの配列からなるマーキングパターンを形成する(ステップ5)。
すなわち、データ制御部30で形成したドットマーキング用データをレーザ40のコントローラ41に送信する。
そして、コントローラ41においてドットマーキング用データが受信される。
コントローラ41は、このドットマーキング用データに基づいて、超音波Qスイッチ素子43、内部シャッタ44、外部シャッタ45、アッテネータ(光減衰器)46、カルバノミラー47を制御する。
これにより、被マーキング体Wにレーザ光が照射され、ドットマーキング用データに従ってドットマーキングが行われる。
マーキングされた文字、図形、画像等は、複数のドットの集合体である。
図5に示すように、本実施形態における被マーキング体Wは、ポリカーボネート上層61、コア材料62、ポリカーボネート下層63の3層構造で構成されている。
ポリカーボネート上層61及びポリカーボネート下層63が、ワークに相当する。
ポリカーボネート上層61及びポリカーボネート下層62は、層厚10μm〜500μmであり、層厚50μm〜1000μmのコア素材62を挟み込んだ状態でコア素材62の上面及び下面に固着される。
ただし、ポリカーボネート上層61及びポリカーボネート下層63は、層厚が一定の直方体形状に限られるものではなく、層厚の不均等な形状を有しても良いし、球面等の曲面を有していても良い。
本実施形態においては、上層61及び下層63の素材としてポリカーボネートを使用したが、上層61及び下層63の素材はポリカーボネートに限られるものではない。例えば、ポリスチレン、アクリル、ポリエチレン、ポリプロピレン等のように透明若しくは半透明の透光性の物質であれば良い。
ただし、ポリカーボネート上層61及びポリカーボネート下層63に形成されるマーキングは黒色〜茶色であるため、コア素材62として使用する樹脂は、マーキングの色に近似する黒色〜茶色の色彩を有するものは好ましくない。
コア素材62として使用する樹脂は、マーキングの色と明確に区別することが可能な原色等の明度の高い色彩又は白色の色彩を有するものが好適に使用される。
ただし、コア素材62は、樹脂製に限られるものではなく、ポリカーボネート上層61又はポリカーボネート下層63のレーザ光照射面と反対側の面に貼付されたフィルム等の膜であっても良いし、ポリカーボネート上層61又はポリカーボネート下層63に塗布された着色料等であっても良い。
本実施形態においては、ポリカーボネート上層61及びポリカーボネート下層63にインサイドマーキングが施される。インサイドマーキングとは、焦点を被マーキング材の内部に合わせてレーザ光を照射し、被マーキング材内部のレーザ光焦点照射部分を変質させてマーキングを行う方法である。この方法によると、被マーキング材の表面を破壊することなくマーキングを施すことができる。
このように、インサイドマーキングによって施されたマーキングは、コア素材62との対比においてマーキングが鮮明に視認されることとなる。
図6には、ポリカーボネート上層61に上面側マーキング71、中側マーキング72、下面側マーキング73が施された状態が図示されている。
このように、マーキング位置の深度を変更することにより、マーキングされるドットの視認濃度を微妙に変更することが可能となる。
すなわち、中側マーキング72を基準とすると、より上面側に位置する上面側マーキング71は中側マーキング72より濃く見える。同様に、より下面側に位置する下面側マーキング73は、中側マーキング72より薄く見える。
図6においては、説明のため3点により比較を行ったが、レーザ光の焦点位置制御はより緻密に行うことが可能であるため、マーキング位置の深度を緻密に調整することによって、マーキング濃度の緻密な調整を行うことが可能となる。
レーザマーカー40より照射されたレーザ光82は、焦点位置でマーキングを行いマーキング81を形成するが、ポリカーボネート上層61の透過性及び反応性により一部のレーザ光はマーキング81を透過して下方へと進む。下方へ進んだ透過光83は、コア素材62上面で全反射する。よって、透過光83によって、マーキング位置より下方の位置にマーキングが施されることがなく、設定した位置にのみマーキングを施すことが可能となる。
入射光91は、コア素材62に到達すると、コア素材62表面で反射光93として反射される。
入射光91と同時に入射した入射光92は、マーキング部96に到達すると、反射光92としてマーキング部96上面で反射光94として反射する。
このように、マーキング部96上面で反射された反射光94とコア素材62表面で反射された反射光93が視認されるが、マーキング部95とコア素材62との間には光路差95があるため、反射光94と反射光93が視認される時間にズレが生じる。このため、マーキング部96は、コア素材62から立体的に浮き上がった状態として鮮明に視認されることとなる。
カード100は、コア素材62として白色の合成樹脂を使用し、透明のポリカーボネート上層61及びポリカーボネート下層63を有している。
また、カード表面を保護するために、マーキングを行った後、ラミネート加工を施してある。
ラミネート加工とは、保存性を高めるためにラミネートフィルムをカード等の表裏面に貼付する加工のことであり、ラミネートフィルムとしては、オレフィン系樹脂等のエチレン共重合体を原料としたフィルムを使用している。
カード100には、2次元コード101、文字102、数字103、ロゴマーク104、写真画像105がマーキングされている。
本実施形態においては、2次元コード101、文字102、数字103、ロゴマーク104、写真画像105を構成する黒いセルの形成において、上述のドットマーキングの手法を採用している。
本実施形態におけるドットマーキング手法においては、黒いセルとなる単位セルについて、円形のドットをn×n又はn×m(但しn、mは整数)に縦横にレーザマーキングする。円形のドットは、レーザ光の照射位置を制御しながら間欠的にレーザ光を照射することによって、セル内に配置される。
よって、2次元コードに格納される情報量が増加しても、コードサイズを増加させる必要がなく、単位セルサイズを減少させることによって対応することが可能である。
このため、2次元コードに格納される情報量が変化しても、被マーキング材上において2次元コードの占める面積は不変であり、社員証やネームプレート等のような面積に制限がある製品を製作する場合においても、十分な情報量を有する2次元コードを付すことが可能となる。
これらのフォントのアナログデータは、上記に説明した通り、デジタルデータとしてデータ制御部30に入力され、ビットマップファイル形式でデータ制御部30において記憶される。
写真画像は、文字102及び数字103と同様にビットマップファイル形式でデータ制御部30において記憶される。
写真画像105のマーキングは、写真同様の画像識別力を備えることができるよう以下のように制御される。
従来の印刷技術においては、網点の密度を調整することによってグレースケールを表現していた。すなわち、網点の密度が高い部分は濃色となり、網点の密度が低い部分は薄色となる。
本発明においては、レーザマーキングによるドットを網点とするが、単に密度を調整するのみならず、ドット系及びドット深度を更に変更することにより、より緻密なグレースケールを表現することが可能である。
すなわち、同面積中に存在するドットの径を大きくすることにより色彩は濃くなり、ドット径を小さくすれば色彩は薄くなる。
また、図6で説明したとおり、マーキングするドット深度を浅くすることにより色彩は微妙に濃くなり、マーキングするドット深度を深くすることにより色彩は微妙に薄くなる。
よって、例えば同密度で配置された同径のドットであっても、ドット深度を変えることにより微妙な色彩の濃淡を表現することが可能となる。
よって、写真画像の照合性が高くなり、社員証や各種証明書等の高い画像照合性を要する製品に本発明に係るレーザマーキング方法を適用することが可能となる。
2層構造の場合の被マーキング体Wは、コア素材162上面に、ポリカーボネート上層161を積層した構成となっており、コア素材162下面側にはポリカーボネート層は存在しない。
よって、被マーキング体Wが2層構造である場合には、ポリカーボネート上層161にのみマーキングが施されることとなる。
その他、レーザマーキング方法等に関しては、上述の3層構造の場合と同様である。
レーザマーキングを行う情報が少ない場合には、2層構造の被マーキング体Wを使用することにより、材料コストが抑えられるため有利である。
4層構造の場合の被マーキング体Wは、第1コア部材262a及び第2コア部材262bの2種類のコア部材262が使用される。第2コア部材262b上面には第1コア部材262aが積層される。
第1コア部材262a上面側には、ポリカーボネート上層261が積層され、ポリカーボネート下層263上面には第2コア部材262bが積層される。
よって、下層側から、ポリカーボネート下層63、第2コア部材262b、第1コア部材262a、ポリカーボネート上層261の順に積層されることとなる。
この場合、第1コア部材262aと第2コア部材262bとして使用する樹脂は、上述のコア部材62に使用される樹脂と同様である。このとき、第1コア部材262aと第2コア部材262bとして異なる色彩を有する樹脂を使用すると、表裏面が異なる色で形成された被マーキング体Wを製造することが可能となる。
例えば、第1コア部材に白色の樹脂を使用し、第2コア部材に部署毎に異なる色彩の樹脂を使用したネームプレート等を作成することが可能である。
この場合、表側(白色の樹脂側)には名前、部署、写真画像等をマーキングし、裏側(有色の樹脂側)には色彩情報を有する2次元コードをマーキングすれば、色彩情報と2次元コードの2重のセキュリティーチェックを行うことが可能となる。
また、ポリカーボネート素材61、63に施されたマーキングが、コア素材62より立体的に浮き上がったように見える。
また、インサイドマーキングを行う際にマーキングの深度を調整することが可能であるため、マーキングの視認色彩濃度の微妙な調整が可能となり、更に、ドット径の調整及びドット密度の調整を組合せることにより、レーザマーキングによって緻密かつ鮮明な画像を表現することができる。
また、インサイドマーキングを行うため、ポリカーボネート素材61、63表面には凹凸が発生しないので、耐久性に優れた製品を製造することが可能となる。更に、ラミネート加工を行うことにより、より一層優れた耐久性を備えた製品を製造することが可能となる。
20 タブレット
21 入力部
22 ペン
30 データ制御部
31 表示部
32 キーボード
33 マウス
34 パソコン本体
36 記憶部
36a ROM
36b RAM
37 入出力部
36c ハードディスク
40 レーザマーカー
41 コントローラ
43 Qスイッチ素子
44 内部シャッタ
45 外部シャッタ
46 アッテネータ
47 ガルバノミラー
50 レーザ発振器
51 全反射鏡
52 内部アパーチャ
53 ランプハウス
54 出力鏡
55 アパーチャ
56 レベリングミラー
57 ガリレオ式エキスパンダ
58 アパーチャ
59 レンズ
61 ポリカーボネート上層
62 コア素材
63 ポリカーボネート下層
71 上面側マーキング
72 中側マーキング
73 下面側マーキング
100 カード
101 2次元コード
102 文字
103 数字
104 ロゴマーク
105 写真画像
S レーザマーキング装置
W 被マーキング体
Claims (9)
- レーザ光をワークに照射して、前記レーザ光の焦点位置におけるワーク内部を変質させて、所定エリア毎にドットを付すレーザマーキング装置において、
前記ドットに関する情報として、少なくとも前記ワークの露見部の2次元位置情報と、前記ドットの濃度情報と、を取得する取得手段と、
前記ワークの表面から前記ドットまでの前記ワークの厚み方向の距離を示すドット深度情報を、前記濃度情報に応じて前記ドット毎に演算し、前記ドット深度情報と、前記取得手段により取得された前記2次元位置情報と、により特定される位置から、前記各ドットについて3次元座標を設定する座標設定手段と、
前記3次元座標を前記レーザ光焦点位置としてマーキングを行うレーザマーキング手段と、を備えたことを特徴とするレーザマーキング装置。 - レーザ光をワークに照射して、前記レーザ光の焦点位置におけるワーク内部を変質させて、所定エリア毎にドットを付すレーザマーキング装置において、
前記ドットに関する情報として、少なくとも前記ワークの露見部の2次元位置情報と、前記ドットの濃度情報と、を取得する取得手段と、
前記ワークの表面から前記ドットまでの前記ワークの厚み方向の距離を示すドット深度情報と前記ドットの直径を示すドット径情報を、前記濃度情報に応じて、前記ドット毎に演算し、前記取得手段で取得された前記2次元位置情報と、前記ドット深度情報と、により特定される位置から、前記各ドットについて3次元座標を設定し、該3次元座標上の各ドット毎に、前記ドット径情報を設定してマーキング情報を形成するマーキング情報設定手段と、
該マーキング情報設定手段によって設定された前記マーキング情報に従ってマーキング条件を制御してマーキングを行うレーザマーキング手段と、を備えたことを特徴とするレーザマーキング装置。 - 前記エリアには、1以上の前記ドットのレーザマーキングがなされることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のレーザマーキング装置。
- 前記ワークは、光透過性の樹脂素材であり、前記ワークの裏面には、光反射性を有する有色の素材であるコア材を備えることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のレーザマーキング装置。
- 前記ワークは、光透過性の樹脂素材であり、前記ワークの裏面には、光反射性を有する有色の素材であるコア材を備え、該コア材の前記ワークとの当接面と反対側の面には、前記ワークとは異なる他のワークが当接していることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のレーザマーキング装置。
- 前記コア材は、2種類の樹脂素材を積層することにより構成されていることを特徴とする請求項5に記載のレーザマーキング装置。
- 光透過性の樹脂素材で形成されたワークと、該ワーク裏面に積層された光反射性を有する有色の素材であるコア材と、を備える被マーキング体であって、前記ワークには、該ワーク表面からの厚み方向距離が異なる複数のドットが形成され、該複数のドットの深度が各々異なることにより異なる濃度に見えるようマーキングされてなることを特徴とする被マーキング体。
- 光透過性の樹脂素材で形成されたワークと、該ワーク裏面に積層された光反射性を有する有色の素材であるコア材と、を備える被マーキング体であって、前記ワークには、前記ワーク表面からの厚み方向距離と直径がそれぞれ異なる複数のドットが形成され、該ドットの深度と直径が各々異なることにより、前記ドットが形成される各単位領域が異なる濃度に見えるようマーキングされてなることを特徴とする被マーキング体。
- レーザ光をワークに照射して、前記レーザ光の焦点位置におけるワーク内部を変質させて、所定エリア毎にドットを付すレーザマーキング方法において、
前記ドットに関する情報として、少なくとも前記ワークの露見部の2次元位置情報と前記ドットの濃度情報とを取得する情報取得工程と、
該情報取得工程で取得された前記濃度情報に応じて、前記ワークの表面から前記ドットまでの前記ワークの厚み方向の距離を示すドット深度情報と前記ドットの直径を示すドット径情報を、前記各ドット毎に演算して取得するドット情報取得工程と、
前記情報取得工程で取得された前記2次元位置情報と、前記ドット情報取得工程で取得された前記ドット深度情報と、により特定される位置から、前記各ドットについて3次元座標を設定する3次元座標設定工程と、
該3次元座標設定工程によって設定された前記3次元座標上の各ドット毎に、前記ドット情報取得工程により取得した前記ドット径情報を設定し、マーキング情報を形成するマーキング情報設定工程と、
該マーキング情報設定工程において形成されたマーキング情報に基づいてレーザ光照射条件を調整して、前記ワークにレーザ光を照射するレーザマーキング工程と、
を備えることを特徴とするレーザマーキング方法。
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