JP4570389B2 - レーザマーキングによる2次元コードの形成方法、及びレーザマーキング装置 - Google Patents
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Description
このようにレーザ光を照射すると、レーザ光が照射された部分が発色し、レーザ光が照射されなかった部分は素材の地肌色が残され、発色した部分と地肌色が残された部分とが明暗のコントラストを有する。このようにして、発色した色のセルと地肌色のセルとから構成される明暗模様のマーキングパターンにより、2次元コードが形成されていた。
つまり、図8(B)に示すように、レーザ光が照射された部分、すなわちマーキングによる刻印部が暗模様となる素材では、図9(A)に示すようにコード部分が暗模様となった原画像どおりの2次元コードが形成される。
つまり、図8(C)に示すように、刻印部が明模様となる素材では、図9(B)に示すようにコード部分が明模様となった原画像の明暗反転画像、すなわち反転2次元コードが形成される。
この読取装置では、明暗反転された2次元コードの画像データを取り込んだ後、暗模様(被マーキング体の地肌色)として認識された部分を明色に置き換え認識すると共に、明模様(レーザ光の照射により白く発色した部分)として認識された部分を暗色に置き換え認識させる相互変換方式で読み取りを行うことが一般的とされている。
特許文献1のバーコード印刷装置は、バーコードの印刷用ドットパターンデータを、白と黒とを反転させた反転バーコードの印刷用ドットパターンデータに変換するデータ変換手段を備えている。このデータ変換手段は、色検知手段により検知された印字リボンのインク色及び背景体の色に基づき、インク色が白系統で背景体の色が暗系統の場合には、印刷用ドットパターンデータの反転を行う。これにより、常に反転しないバーコードを正確に印刷することができるように構成されている。
また、素材によって通常の読取機能のみを有する読取装置と明暗反転機能を有する読取装置とを使いわけなければならない場合には、利便性に欠けるという問題点があった。また、常に明暗反転機能を備えた高機能な読取装置を使用しなければならないとなると、コストが増大するという問題点があった。
レーザマーキングによって、明暗反転されていない2次元コードが形成される場合には、この2次元コードの周囲に地肌色すなわち明色の領域が確保されていれば、その明色の領域がクワイエットゾーンとなる。ところが、明暗反転された2次元コードが形成される場合には、この2次元コードを囲む地肌色の領域は、コード色(暗色)の領域となる。つまり、明暗反転された2次元コードの周囲にはクワイエットゾーンが形成されていないことになる。このため、明暗反転された2次元コードでは、読み取りの際に2次元コードがマーキングされているエリアの境界が正確に判定できず、読み取りが不可能になるという問題があった。
つまり、透明素材にレーザマーキングした場合には、透明素材が明色の背景の上に配置されるとマーキングパターンが不明瞭となり、2次元コードがマーキングされているエリアの境界が不明瞭となる。従って、読み取りが不可能になるという問題が生じる。このような場合に確実に読み取り可能とするためにも、2次元コードの存在するエリアの境界を明確にすることが要請されていた。
また、本発明の他の目的は、レーザマーキングされた2次元コードのエリアの境界を明確に認識させ、確実に読み取り可能とすることが可能なレーザマーキングによる2次元コードの形成方法、及びレーザマーキング装置を提供することにある。
このようにすると、原画像である反転されていない2次元コードのコードシンボルにおいて明色のセルとされていた領域が明色にマーキングされ、コード色とされていた領域が暗色として残される。これにより、レーザ光が照射された部位の呈する発色が、照射されない部位よりも明るい色になる場合であっても、明暗反転されない2次元コードがマーキングされる。従って、読取装置の明暗反転機能が不要とされ、通常の読み取りが可能な読取装置を使用することができるので、コストが削減される。
このようにすると、常に暗色のセルにレーザ光を照射するようにマーキングデータを生成する、という単純な方法でマーキングデータが生成されていても、レーザ光が照射された部位の呈する発色が、照射されない部位よりも明るい色になる素材に対しても、反転されない2次元コードがマーキングされる。従って、読取装置の明暗反転機能が不要とされ、通常の読み取りが可能な読取装置を使用することができるので、コストが削減される。
また、2次元コードの周囲に設けられる所定幅のマージン領域にもレーザ光が照射され、クワイエットゾーンが確保されるので、2次元コードのエリアが明確化され、2次元コードが確実に読み取り可能とされる。
そして、請求項2と同様に、常に暗色のセルにレーザ光を照射するようにマーキングデータを生成する、という単純な方法でマーキングデータが生成されていても、レーザ光が照射された部位の呈する発色が、照射されない部位よりも明るい色になる素材に対しても、反転されない2次元コードがマーキングされる。従って、読取装置の明暗反転機能が不要とされ、通常の読み取りが可能な読取装置を使用することができるので、コストが削減される。
また、2次元コードの周囲に設けられる所定幅のマージン領域にもレーザ光が照射され、クワイエットゾーンが確保されるので、2次元コードのエリアが明確化され、2次元コードが確実に読み取り可能とされる。
また、請求項5に記載のように、前記2次元コードは、レーザ光の照射により形成されるドットがn×n、またはn×m(但しn、mは自然数)に縦横に配置されて単位セルが形成されるドットマーキング方式、または各々の領域が縦横斜めの線で塗りつぶされて単位セルが形成されるベクトルマーキング方式で形成されるものとすることができる。
また、2次元コードの周囲にクワイエットゾーンが確保されるので、2次元コードのエリアが明確化され、2次元コードが確実に読み取り可能とされる。
このようにすると、請求項2について記載したように、原画像である2次元コードのコードシンボルの明暗反転画像である反転コードシンボルを生成又は取得することができるので、常に暗色のセルにレーザ光を照射するようにマーキングデータを生成する、という単純な方法でマーキングデータが生成されていても、常に反転されない2次元コードを形成することができる。従って、読取装置の明暗反転機能が不要とされ、通常の読み取り機能のみを備えた読取装置を使用することができるので、コストが削減される。また、2次元コードの周囲にクワイエットゾーンが確保されるので、2次元コードのエリアが明確化され、2次元コードが確実に読み取り可能とされる。
このようにすると、請求項3について記載したように、原画像である2次元コードのコードシンボルに基づき明暗反転変換を行うことができる。そして、その周囲に所定幅のマージン領域を付加して反転コードシンボルを生成することができるので、常に暗色のセルにレーザ光を照射するようにマーキングデータを生成する、という単純な方法でマーキングデータが生成されていても、常に反転されない2次元コードを形成することができる。従って、読取装置の明暗反転機能が不要とされ、通常の読み取り機能のみを備えた読取装置を使用することができるので、コストが削減される。また、2次元コードの周囲にクワイエットゾーンが確保されるので、2次元コードのエリアが明確化され、2次元コードが確実に読み取り可能とされる。
また、請求項10に記載のように、前記2次元コードは、マトリクス型2次元コードまたはスタック式2次元コードとすることができる。
そして、請求項11に記載のように、前記2次元コードは、レーザ光の照射により形成されるドットがn×n、またはn×m(但しn、mは自然数)に縦横に配置されて単位セルが形成されるドットマーキング方式、または各々の領域が縦横斜めの線で塗りつぶされて単位セルが形成されるベクトルマーキング方式で形成されるものとすることができる。
ワークWの素材が、レーザ光が照射された部位の呈する発色が照射されない部位よりも明るい色となる素材であっても、反転されない2次元コードが生成される。従って、読取装置の明暗反転機能が不要とされ、通常の読み取り機能のみを備えた読取装置を使用することができるので、コストが削減される。
また、2次元コードの周囲にクワイエットゾーンが確保されるので、2次元コードのエリアが明確化され、2次元コードが確実に読み取り可能とされる。
また、図6及び図7は別の実施例のレーザマーキングによる2次元コードの形成方法の処理の流れを示すフロー図である。
図1は、本実施形態に係るレーザマーキング装置Sの全体構成を示す説明図である。
このレーザマーキング装置Sは、2次元コード、文字、図形、記号、画像などのパターンをワーク(被マーキング体)Wにマーキングするのに好適に使用されるものであり、主にレーザ照射手段としてのレーザマーカ10と、制御手段としての制御装置20とから構成されている。
なお、このレーザマーカ10が本発明のレーザ照射手段に相当し、制御装置20が本発明の制御手段に相当する。
本実施形態における制御装置20は、例えば、パーソナルコンピュータで構成することができる。また、入力部24には、スキャナ,タブレット,CCDカメラ,デジタルカメラ等の入力手段30を接続することができる。また、電子記憶媒体読取装置を接続することもできる。
なお、この記憶部26が本発明の記憶部に相当し、CPU21が本発明の制御部に相当する。
なお、後述するように、本実施形態の制御装置20は、2次元コードのコードシンボルを生成するための2次元コード生成プログラムを備えているが、このような生成プログラムを備えていない場合には、通信部25を介して、すでに生成された2次元コードのコードシンボルを取り込むように構成してもよい。また、取り込んだデータを外部に出力し、出力データに基づいて外部の変換装置で生成された2次元コードを取り込むようにしても良い。
取り込まれた地肌色データ及び刻印部の発色データは、マーキングされるデータと共に記憶部26内に格納される。CPU21は、この地肌色データ及び発色データにもとづき、刻印部の呈する色が、地肌色よりも明るい色または暗い色のいずれになるか判定することができる。
地肌色データ及び刻印部の発色データは、ワーク(被マーキング体)Wの表面部を形成する素材の性質等に応じて決まるデータであり、これに基づきマーキングデータを生成するために、生成された2次元コードのコードシンボルと共に記憶部26内に格納される。
このようにすると、CPU21は、ワークWの素材名や素材の性質を示す情報に基づき、対応する発色情報を記憶部26から読み出し、刻印部の呈する色が、地肌色よりも明るい色または暗い色のいずれになるか判定することができる。
そして、入力情報に対応する発色情報のデータが記憶部26に蓄積されていなかった場合には、通信回線Iを介して、外部のサーバ等の記憶装置から発色情報を取得するように構成してもよい。また、入力部24に接続された電子記憶媒体読取装置を介して取得してもよい。
或いは、本番のレーザマーキングの前にテストマーキングを行って発色情報を取得するように構成してもよい。この場合には、テストマーキングの結果を操作部22や入力部24、または通信部25を介して取り込んで、記憶部26あるいは外部の記憶装置、電子記憶媒体等に記憶された対応テーブルに追加する。このようにすれば、初めてレーザマーキングを行う素材にレーザマーキングを行う度に、以後利用可能なデータが次々と蓄積される。
ROM26aには、取り込まれたデータや、記憶部26から読み出されたデータを表示するために表示部23を制御する表示駆動制御プログラム、取り込まれたデータに基づいて2次元コードのコードシンボル1を生成するための2次元コード生成プログラム、生成された2次元コードのコードシンボル1をワークWの発色情報に応じて明暗反転変換して反転コードシンボル1Rを生成するための反転変換制御プログラム、生成されたコードシンボル1又は反転コードシンボル1Rをドットデータや走査データ等に変換してレーザマーカ10に出力されるマーキングデータを生成するためのマーキングデータ生成プログラム、等が格納されている。
また、HDD26bには、パラメータ情報が記憶されている。パラメータ情報は、レーザマーキングを行う際のマーキング条件を、ワークWの性質や形状等に応じて設定したものである。マーキング条件としては、レーザ周波数、出力、印字回数、ビーム径、照射時間等がある。これらの条件は、レーザマーキングを行う際に設定され、CPU21により読み込まれる。
このように構成されていると、別の場所や遠隔地より指示及びデータを送信してレーザマーカ10を制御することが可能となる。例えば、制御室等に制御装置20を設置し、作業室にレーザマーカ10を設置するような構成、本社に制御装置20を設置し、各地の工場にレーザマーカ10を設置するような構成、が可能となる。
本実施形態では、制御装置20とレーザマーカ10とが1対1で設置されている構成を示しているが、制御装置20に対して複数のレーザマーカ10を接続し、被マーキング材に応じて、適切なレーザ光を出射するレーザマーカ10が選択される構成としても良い。
YAGレーザ発振機50は、更に全面反射鏡51、内部アパーチャ52、ランプハウス53、内部シャッタ44、出力鏡54を備えており、YAGレーザ発振機50の出力側には外部シャッタ45が設けられている。コントローラ41は、上記Qスイッチ素子43、内部シャッタ44、外部シャッタ45、アッテネータ46、ガルバノミラー47を、制御装置20から送信されたデータ及び制御信号に基づいて制御する。
本実施形態に係る2次元コードは、図3に示すように、レーザマーキングによるドットマーキング方式またはベクトルマーキング方式により暗色の単位セル2a及び明色の単位セル2bがマトリクス状に配列され、明暗模様のコードシンボル1が形成されたものである。
2次元コードの形式としてはデータマトリクス,ベリコード,QRコード,アステカコード,Maxiコード,PDF417,マイクロPDF等を使用することができる。上記の2次元コードのうちデータマトリクス,ベリコード,QRコード,アステカコード,Maxiコードはマトリクス式2次元コードであり、PDF417,マイクロPDFは従来のバーコードを積み上げた形のスタック式2次元コードである。これらは、いずれもレーザスキャナやCCDスキャナを用いた読取装置を用いて読み取り可能とされている。
図3には、2次元コードの一例としてQRコードを図示している。
これに対し、ベクトルマーキング方式とは、ドットが重なるようにレーザ照射することにより、または、レーザビームを連続的に照射しながら、レーザビームの照射位置をセル内で縦或いは横方向に走査することにより、ビーム幅を有する線でセルを上から下へ線状に塗りつぶすことにより、図3の右下に示すような正方形のセル或いは長方形のセルを形成する方式を示す。
2次元コードには、例えば、図3に示すようなマトリクス状に配置された黒いセル2aと白いセル2bをそれぞれ0,1に対応させることにより、1セル1ビットとした2次元配列データとして、種々の情報を格納することができる。このような1セル1ビットとした2次元配列データに格納される一般情報は、2次元コードのイメージに対して通常の復号化処理を施すことにより、読み取ることができる。
図10(A)は、本実施形態の2次元コードに含まれる黒いセル2a´を示している。この黒いセル2a´は、ドット5の10×10の配列により形成されるものであるが、10ドット×10ドットの標準領域のレーザ照射位置すべてにはドット5が形成されておらず、不完全な形状のセルとされている。この不完全な形状のセル2a´を変形セルとする。この変形セル2a´では、右側端の2ドット×6ドット分、下側端の6ドット×2ドット分の領域にドット5が形成されていない。変形セルは、1又は2以上のドット5が欠落した状態に形成されたものである。
このような不完全な形状のセル2a´は、読取装置によって、図10(B)のように認識される。なお、レーザビームによるドットマーキング方式にて形成していると、各ドット5の位置精度が高く、2次元コード1に含まれるセル2a´の読取り誤差が極めて低減されている。
図11に、図10と同様に2次元情報をもつ記号に対応付けた変形セル2a´を例示する。図11(A)は、図10と同一である。
図11(A)〜(D)では、下側端のドット5の欠落状態によって、それぞれ(X,0),(X,1),(X,2),(X,3)の4種類の記号に対応付けている(なお、X=0〜3)。また、図11(D)〜(G)では、右側端のドット5の欠落状態によって、それぞれ(0,Y),(1,Y),(2,Y),(3,Y)の4種類の記号に対応付けている(なお、Y=0〜3)。したがって、下側端及び右側端の欠落状態の組合せによって、16(=4×4)通りの記号を表わすことができる。
このような変形セル2a´と記号とを対応付けた対照テーブルが、記憶部26に記憶されている。
すなわち、埋込情報を上記変形セル2a´の組合せ列(配列)によって表現する。そして、2次元コードに上記変形セル2a´の組合せ列を適宜に分離して配置してレーザマーキングする。例えば、2次元コードの最上段から下段へ向けて、黒いセル2aがマーキングされるべき位置に順番に変形セル2a´を配置することができる。これ以外にも、変形セル2a´が連続しないように間に黒いセル2aが含まれるように配置してもよく、配置は任意である。
埋込情報の復号化処理は、例えば、2次元コードのセルに対し、その配列順に変形セル2a´であるか否かが判別され、変形セル2a´であると判別された場合には、変形セル2a´の形状と記号、文字等との対応を表わす対照テーブルに基づき、対象の変形セル2a´の形状に対応する記号が選択されることにより行われる。
なお、埋込情報には、真正品であることを示す情報以外にも、他の情報を含めることも可能である。
この技術は、実質的に、2次元コードに格納するデータ量を増加させることができるものである。なお、埋込情報(透かし情報)を格納する方法は黒いセル2aの一部を変形セル2a´とする方法に限定されず、種々改変可能である。
次に、常に反転されていない2次元コードを形成するレーザマーキング方法について説明する。
従来技術の欄で説明したように、レーザ光が照射された部分、すなわちマーキングによる刻印部が明模様となる素材に対し、通常の素材と同様にレーザマーキングを行うと、原画像の明暗反転画像が形成されてしまう。このような素材も含め、全ての素材において常に反転されない2次元コードを形成するには、素材に形成される刻印部が明模様となるか暗模様となるかを判定し、この判定に基づき、刻印部が明模様となる素材の場合には、コード色のセルにはレーザ光を照射しないで背景色のセルにレーザ光を照射するようにレーザマーカ10を制御し、一方、刻印部が暗模様となる通常の素材の場合には、コード色のセルにレーザ光を照射して背景色のセルにはレーザ光を照射しないようにレーザマーカ10を制御すればよい。
このとき、原画像あるいは明暗反転画像のいずれのコードシンボルを用いる場合においても、コードシンボルの暗色のセル領域に対してレーザ光が照射されるようにマーキングデータを生成する。すなわち、暗色のセル領域に、ドットを形成するか、またはレーザビームを連続的に照射しながら縦又は横方向に走査して塗りつぶすようにレーザマーカ10を制御するためのマーキングデータを生成する。
このようにすると、ワークWの表面には、常に、原画像のコードシンボル1のコード色の部分が暗色となり、背景色の部分が明色となるようにマーキングされ、明暗反転されない2次元コードが形成されることになる。
このコードシンボル1が本発明のコードシンボルに相当し、反転コードシンボル1Rが、本発明の反転コードシンボルに相当する。
図5に、本例のレーザマーキングによる2次元コードの形成方法において制御装置20で行われる処理の流れを示す。このフロー図に従って以下説明する。
先ず、2次元コードに格納されるデータを取得するとともに、ワークWの発色情報を取得する(ステップS1)。このとき、スキャナ,タブレット等の入力手段30や外部コンピュータ,電子記録媒体等を介して外部からデータを取り込んだり、或いは、制御装置20の記憶部26に予め記憶されたデータを読み込むことによりデータが取得される。そして、取り込まれたデータは、表示部23に表示される。このデータ取得処理のうち、発色情報の取得処理を行う工程が、本発明の発色情報取得工程に相当する。
なお、データ取得処理において既に生成された2次元コードのコードシンボルを取得する場合は、2次元コード生成処理が省略される。この場合には、2次元コードのコードシンボルの取得処理を行う工程が本発明のコードシンボル取得工程に相当する。
ここで、刻印部の呈する色が地肌色よりも明るい色になると判定された場合には(ステップS3:Yes)、次に、CPU21は、ROM26aに記憶された反転変換制御プログラムに基づき、反転コードシンボルを生成する(ステップS4)。この発色情報の判定処理及び反転コードシンボルの生成処理を行う工程が、本発明の反転コードシンボル生成工程に相当する。
反転コードシンボル生成工程において、ステップS2で生成された2次元コードのコードシンボル1に対して明暗反転変換を行うとともに、明暗反転されたパターンの周囲に所定幅の暗色(コード色)のクワイエットゾーンを付加したパターンを生成する。このパターンが反転コードシンボル1Rとされ、表示部23に表示される。そして、続いてマーキングデータの生成処理(ステップS5)を行う。
なお、このマーキングデータ処理を行う工程が、本発明のマーキングデータ生成工程に相当する。
なお、このマーキングデータ生成処理、マーキングデータ出力処理、及びレーザを照射する処理が、本発明のレーザマーキング工程に相当する。
上記第1の実施例では、反転コードシンボル1Rは、最初に生成または取得された2次元コードのコードシンボル1を、発色情報に基づく判定の結果、刻印部の呈する色が地肌色よりも明るい色になると判定されたことを条件として、明暗反転変換すると共に周囲にクワイエットゾーンを付加することにより生成されていた。
以下、図6において、第1の実施例と同じ動作の場合には同一ステップの記号を用いて、その説明を省略し、異なる処理のみ説明する。第1の実施例と第2の実施例では、ステップS1、ステップS5〜ステップS6は同じ手順で行われる。
なお、この反転コードシンボル取得処理において、取得された発色情報に基づき、既に生成された反転コードシンボルを入力部24等を介して外部から取得するものとしてもよい。
上記第1、第2の実施例では、発色情報に基づく判定を行い、その結果、刻印部の呈する色が地肌色よりも明るい色になると判定された場合には、反転コードシンボル1Rを生成して反転コードシンボル1Rに基づくマーキングデータの生成を行い、このときに、明色と暗色のセルの配列のうち、暗色のセル領域に対してレーザ光が照射されてドットが形成または走査されるようにマーキングデータを生成していた。
次に、取得した発色情報に基づき、ワークWの刻印部の呈する色が、ワークWの地肌色よりも明るい色または暗い色のいずれになるか判定する(ステップS3b)。
2次元コードのコードシンボル1を、ドットデータや走査データに変換するにあたり、刻印部の呈する色が地肌色よりも明るい色になると判定された場合には(ステップS3b:Yes)、コードシンボル1の周囲に明色のクワイエットゾーンを付加したパターンを生成し、このパターンの明色のセル領域に対してレーザ光が照射されて、ドットが形成あるいは走査されるようにマーキングデータを生成する(ステップS4b)。
一方、刻印部の呈する色が地肌色よりも暗い色になると判定された場合には(ステップS3b:No)、生成又は取得された2次元コードのコードシンボル1の暗色のセル領域に対してレーザ光が照射されるようにマーキングデータを生成する(ステップS5b)。
このようにすると、明暗反転変換処理を行わなくても、常に反転されない2次元コードが形成されると共に、2次元コードのエリアが明確化される。
1R 反転コードシンボル
2a 黒いセル
2a´ 変形セル
2b 白いセル
5 ドット
10 レーザマーカ
20 制御装置
22 操作部
23 表示部
24 入力部
25 通信部
26 記憶部
26a ROM
26b ハードディスク
26c RAM
30 入力手段
41 コントローラ
43 スイッチ素子
44 内部シャッタ
45 外部シャッタ
46 アッテネータ
47 ガルバノミラー
50 レーザ発振機
51 全面反射鏡
52 内部アパーチャ
53 ランプハウス
54 出力鏡
55 アパーチャ
56 レベリングミラー
57 ガリレオ式エキスパンダ
58 アパーチャ
59 レンズ
I 通信回線
S レーザマーキング装置
W ワーク
Claims (11)
- ワークに2次元コードをレーザマーキングする方法であって、
前記ワークにレーザ光を照射してテストマーキングを行う工程と、
前記テストマーキングの結果に基づいて、レーザ光が照射された部位の呈する発色が、照射されない部位よりも明るい色または暗い色のいずれになるか判定するための発色情報を前記ワーク毎に取得する発色情報取得工程と、
前記2次元コードのコード色を暗色とし、かつ背景色を明色として、暗色及び明色の単位セルがマトリクス状に配列された配列パターンからなる前記2次元コードのコードシンボルを生成または取得するコードシンボル取得工程と、
前記発色情報に基づいてレーザ光が照射されない部位よりもレーザ光が照射された部位の呈する発色の方が明るい色であると判定されたことを条件として、前記コードシンボルにおいて明色の単位セルが配列された領域にレーザ光を照射すると共に、前記コードシンボルの外周に設けられた所定幅のマージン領域にレーザ光を照射してレーザマーキングするレーザマーキング工程と、を行うことを特徴とするレーザマーキングによる2次元コードの形成方法。 - ワークに2次元コードをレーザマーキングする方法であって、
前記ワークにレーザ光を照射してテストマーキングを行う工程と、
前記テストマーキングの結果に基づいて、レーザ光が照射された部位の呈する発色が、照射されない部位よりも明るい色または暗い色のいずれになるか判定するための発色情報を前記ワーク毎に取得する発色情報取得工程と、
前記発色情報に基づいてレーザ光が照射されない部位よりもレーザ光が照射された部位の呈する発色の方が明るい色であると判定されたことを条件として、前記2次元コードのコード色を明色とし、かつ背景色を暗色として、暗色及び明色の単位セルがマトリクス状に配列された配列パターンの外周に、暗色の単位セルの配列からなる所定幅のマージン領域が付加された反転コードシンボルを生成または取得する反転コードシンボル取得工程と、
前記反転コードシンボルが生成または取得されたことを条件として、前記反転コードシンボルを構成する単位セルのうち、前記暗色の単位セルにレーザ光を照射してレーザマーキングするレーザマーキング工程と、を行うことを特徴とするレーザマーキングによる2次元コードの形成方法。 - ワークに2次元コードをレーザマーキングする方法であって、
前記ワークにレーザ光を照射してテストマーキングを行う工程と、
前記テストマーキングの結果に基づいて、レーザ光が照射された部位の呈する発色が、照射されない部位よりも明るい色または暗い色のいずれになるか判定するための発色情報を前記ワーク毎に取得する発色情報取得工程と、
前記2次元コードのコード色を暗色とし、かつ背景色を明色として、暗色及び明色の単位セルがマトリクス状に配列された配列パターンからなる前記2次元コードのコードシンボルを生成または取得するコードシンボル取得工程と、
前記発色情報に基づいてレーザ光が照射されない部位よりもレーザ光が照射された部位の呈する発色の方が明るい色であると判定されたことを条件として、前記コードシンボルを明暗反転すると共にその外周に前記暗色の単位セルの配列からなる所定幅のマージン領域を付加して反転コードシンボルを生成する反転コードシンボル生成工程と、
前記反転コードシンボルが生成されたことを条件として、前記反転コードシンボルを構成する単位セルのうち、前記暗色の単位セルにレーザ光を照射してレーザマーキングするレーザマーキング工程と、を行うことを特徴とするレーザマーキングによる2次元コードの形成方法。 - 前記2次元コードは、マトリクス型2次元コードまたはスタック式2次元コードからなることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載のレーザマーキングによる2次元コードの形成方法。
- 前記2次元コードは、レーザ光の照射により形成されるドットがn×n、またはn×m(但しn、mは自然数)に縦横に配置されて単位セルが形成されるドットマーキング方式、または各々の領域が縦または横または斜めの線で塗りつぶされて単位セルが形成されるベクトルマーキング方式で形成されることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載のレーザマーキングによる2次元コードの形成方法。
- ワークにレーザ光を照射するレーザ照射手段と、
前記レーザ照射手段で前記ワークにレーザ光を照射してテストマーキングを行った結果を取得する取得手段と、
前記取得手段で取得したテストマーキングの結果に基づいてレーザ光が照射された部位の呈する発色を判定するための発色情報を前記ワーク毎に記憶する記憶部,前記発色情報に基づいてレーザ光が照射された部位の呈する発色がレーザ光が照射されない部位よりも明るい色または暗い色のいずれになるかを前記ワーク毎に判定する判定機能及び前記レーザ照射手段を制御するためのマーキングデータを前記記憶部に格納された情報に基づいて生成するマーキングデータ生成機能を有する制御部,を有する制御手段と、を備え、
前記制御部は、レーザ光が照射されない部位よりもレーザ光が照射された部位の呈する発色の方が明るい色であると判定されたことを条件として、コード色及び背景色の単位セルがマトリクス状に配列された2次元コードのコードシンボルにおいて背景色の単位セルが配列された領域と、前記コードシンボルの外周に設けられた所定幅のマージン領域と、にレーザ光を照射するためのマーキングデータを生成することを特徴とするレーザマーキング装置。 - 前記制御部は、前記コードシンボルを明暗反転すると共にその外周に所定幅の暗色のマージンを付加して反転コードシンボルを生成する反転コードシンボル生成機能を有することを特徴とする、請求項6に記載のレーザマーキング装置。
- 前記制御部は、2次元コード生成機能を有することを特徴とする、請求項6または請求項7に記載のレーザマーキング装置。
- 前記制御手段は、前記コードシンボル及び前記反転コードシンボルを表示可能な表示部を有することを特徴とする請求項6乃至請求項8のいずれか一項に記載のレーザマーキング装置。
- 前記2次元コードは、マトリクス型2次元コードまたはスタック式2次元コードからなることを特徴とする請求項6または請求項8に記載のレーザマーキング装置。
- 前記2次元コードは、レーザ光の照射により形成されるドットがn×n、またはn×m(但しn、mは自然数)に縦横に配置されて単位セルが形成されるドットマーキング方式、または各々の領域が縦横斜めの線で塗りつぶされて単位セルが形成されるベクトルマーキング方式で形成されることを特徴とする請求項6、請求項8、請求項10のいずれか一項に記載のレーザマーキング装置。
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