JP6354164B2 - レーザ印字カードの印刷・印字方法、レーザ印字カード - Google Patents

レーザ印字カードの印刷・印字方法、レーザ印字カード Download PDF

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本発明は、レーザ印字カードの印刷・印字方法に関する。詳しくは、レーザビームの照射によって発色する発色層を表層に有するカード用基材を使用したカードにおいて、カード表面に濃色部と淡色部がおおよそ印字行に従い変化する絵柄を有する場合に、前記発色層にレーザ印字していずれの絵柄部においても視認性の高い印字を得るための印刷・印字方法に関する。
近年、車載用ETCカードやSIMカードのように、装飾的要素があまり求められない特定用途の接触型ICカードにおいては、従来の多層構成のカードに代えて、簡易な単層構成のカードが試験的に使用されてきている。この構成のカードにおいては、表面や裏面の色彩印刷や表示印刷は行うものの、利用者の氏名やカードナンバー、有効期限は、従来のように文字エンボスによる方法ではなく、カード基材の表層に有する発色層をレーザ照射して、黒色に印字することが行われる。
しかし、カード用基材の有する発色層は、黒色だけに発色させることを目的に製造されており、黒色以外の異なる色に発色させたり、各種の発色を組み合わせすることはできない。そのため、黒1色のみの印字では、カード表面の絵柄との関係で印字部分が視認し難くなる場合がある。
例えば、カードナンバー印字部分が濃色の絵柄であって、より下段のカード利用者氏名印字部分が明るい絵柄である場合、双方を同じ黒発色の文字で印字すると、利用者氏名は見易いが、カードナンバー部分は、濃色の絵柄に紛れて視認し難い状態になる。
なお、カードの印字はその長辺に平行して、2乃至4行に印字するのが通常である。
そこで、本発明は、カードにレーザ印字を行う際に、(1)照射レーザの印字条件を変えることにより印字自体に濃淡を持たせることと、(2)印刷に使用するインキ層(灰色印刷層)をカード表面に設け、当該インキ層とレーザ印字条件を組み合せることで、カードの絵柄との関係で印字の濃淡および発色状態を変えることを企図するものである。
レーザビームを照射することにより発色する発色層をカード用基材自体に持たせることを記載する先行技術文献に特許文献1や特許文献2がある。
特許文献1は、支持層とレーザビーム照射により発色する発色層を少なくとも一の面に有するカード用シートについて記載している。発色前の発色層は可視光透過性を有し、ポリエステル系樹脂からなることを要件としている。発色剤については、光熱変換による発熱によって有色金属酸化物を形成する各種金属を挙げているが、特に限定してはいない。
特許文献2は、ポリカーボネート系樹脂、もしくはポリカーボネート系樹脂と実質的に非結晶性の芳香族ポリエステル系樹脂とのポリマーアロイを主成分とする発色層樹脂と接着層からなるカード用シートについて記載している。
発色剤については、特許文献1と同様に、発熱によって有色金属酸化物を形成する各種金属や光吸収剤を挙げているが特には限定していない。ただし、同文献中の実施例ではスズ系発色剤を使用している。
カードの文字表示は、従来からエンボスにより表示しており、文字の発色濃度を可変にする先行文献を検出することはできない。
特開2004−148642号公報 特開2004−243685号公報
カードにレーザ印字を行う際に、印刷に使用するインキとレーザ印字条件を組み合わせることで、視認性の優れた文字表示を得ることを課題とする。
通常は、レーザ発色基材を用いて印字を行うと黒発色となるが、レーザビーム照射時の解像度を調整することにより、白色から濃黒まで明るさを調整できる。また、印刷時に酸化チタン(TiO)などの金属を含有するインク(オフセット印刷用の白や灰色)で印刷を行い、レーザ印字条件やインキ層の調整によりレーザ発色層の発色度合いを変更し、金属含有インキ層を背景としたグレイ文字や白色文字等の印字も可能とする。
本発明の要旨の第1は、白色の支持層と該支持層の少なくとも一の面に、レーザビーム照射により黒色に発色するレーザ発色層を有するカード用基材の該レーザ発色層上に、透明なオフセットアンカー層を形成してから、オフセット印刷による灰色印刷層と、濃色部と淡色部がおおよそ印字行に従い変化するオフセット絵柄印刷を設け、さらに該オフセット絵柄印刷上に透明オフセットオーバープリント印刷を設け、該オフセットオーバープリント印刷面上からレーザビーム照射を行って2行乃至4行の文字印字を行う際に、1行もしくは2行または各行を異なる印字条件で印字して、各行文字の視認性を高めることを特徴とするレーザ印字カードの印刷・印字方法、にある。
本発明の要旨の第2は、白色の支持層と該支持層の少なくとも一の面に、レーザビーム照射により黒色に発色するレーザ発色層を有するカード用基材の該レーザ発色層上に、透明なオフセットアンカー層を形成してから、オフセット印刷による灰色印刷層と、濃色部と淡色部がおおよそ印字行に従い変化するオフセット絵柄印刷を設け、該オフセット絵柄印刷面上からレーザビーム照射を行って2行乃至4行の文字印字を行う際に、1行もしくは2行または各行を異なる印字条件で印字して、各行文字の視認性を高めることを特徴とするレーザ印字カードの印刷・印字方法、にある。
上記において、オフセット印刷による灰色印刷層の反射濃度が、0.20〜0.80の範囲であるようにしてもよく、カード用基材のレーザ発色層の黒化濃度がレーザビームの解像度の変更により調整されるようにしてもよく、カード用基材の支持層がポリカーボネート樹脂からなり、レーザ発色層がポリカーボネートとPET−G樹脂のポリマーアロイ樹脂からなる、ようにすることもできる。
本発明の適用されるレーザ印字カードの形態を示す平面図である。 第1の実施形態によるレーザ印字カードの模式断面図である。 第2の実施形態によるレーザ印字カードの模式断面図である。 比較例によるレーザ印字カードの模式断面図である。 本発明で使用するカード用基材の断面図である。
図1は、本発明の適用されるレーザ印字カードの形態を示す平面図である。
本発明の適用されるレーザ印字カード1は、代表的には接触型ICカードであって、ISOで規定する所定位置に接触端子板11を有し、接触端子板11の下側(内面)には図示しないICチップが実装されている。レーザ印字カード1の表面には、カードナンバー12や有効期限13、利用者氏名14等が、2行乃至4行で印字されている。
従来、このような印字は、活字輪を用いてカードの表裏から押圧することで形成するエンボス文字が使用されてきたが、本発明では、このエンボス文字に代えて基材の発色層をレーザビームにより発色させて印字する特徴がある。
従って、カード用基材には、表裏面(または少なくとも表面)にレーザ印字適性を有するものが使用され、単層基材の表裏に印刷後、裁断しICモジュールを装着し、レーザ印字してカードを完成する。従来のように、表裏のコアシートに印刷してからオーバーシートを積層して丁合し、プレスラミネートする工程を経ないで製造できる特徴がある。
さらに、本発明の他の特徴は、カード表面のオフセット印刷による絵柄印刷が濃色部と淡色部を有するようにされ、おおよそその濃淡が印字行(カードの長辺に平行な印字行)に従い変化していることである。そして、カード面に施される印字は、濃色部分では明るく、淡色部では黒く(暗く)印字にすることにより、全体としてどの濃度段階の絵柄部分においても文字の視認性が高くなっていることである。
おおよそとは、絵柄はさまざまであり、行が変わる毎に濃度が正しく変化するような絵柄はむしろ少なく、全体的に観察して濃淡の諧調があればよいという意味である。
図1において、カード1の接触端子板11より上辺部分は比較的に明るい色調であるが、接触端子板11とカードナンバー12に平行する部分は絵柄が濃色であるため、カードナンバー12は明るい色調で印字され、一見したところ白抜き文字で印字されているように見える。
有効期限13部分周囲の絵柄は、やや明るい色調であり、適度な印字濃度の調整が必要となる。
一方、利用者氏名14部分は、周囲の絵柄が殆ど白色に近く明るいため、利用者氏名14は通常のように黒く(暗く)印字することで視認性を高くできる。
このような印字の視認性の調整は、第1に照射レーザビームの印字条件、主として解像度dpi(1インチの直線をいくつのドット(点)で表現するかの単位)を調整することにより可能である。
すなわち、ICカード発行機には、印字用のレーザモジュールが付設されているが、解像度200〜1000dpiの範囲で調整可能であり、その変更により濃淡調整できる。
第2に、印字部分のオフセット絵柄印刷の下に金属を含む顔料インキで灰色印刷をすることであるが、これについては別に詳述する。
次に本発明に使用するカード用基材について説明する。
図5は、本発明で使用するカード用基材の断面図である。カード用基材100は、白色の支持層101と該支持層の少なくとも一の面に、レーザビーム照射により黒色に発色する発色層102を有している特徴がある。図5では、支持層101の両面に発色層102を有する材料が図示されているが、裏面に印字を設けない場合は表面印字側にのみ発色層102を有するものでも良い。
カード基材100の表裏の発色層102には、ポリカーボネート樹脂と非結晶性の芳香族ポリエステル系樹脂(PET−G樹脂)のポリマーアロイ樹脂を、支持層101にはポリカーボネート樹脂を使用し、この3層を共押し出しした材料が通常使用される。ただし、この材料に限定されるものではない。
支持層101には酸化チタン(TiO)等の白色顔料が配合されていて白色の反射光を生じるようにされている。発色層102は、本来的には従来のオーバーシートの機能を果たすもので、レーザビーム照射前においては可視光透過性にされている。従って、白色顔料や有色着色剤を含んでいない。レーザビーム照射後も、印字部分以外は透明であることはいうまでもない。ここで、「可視光透過性」とは、当該層の裏面に配置された層を視覚的に視認できるような透明性をいう。
発色層102中には、発色剤が分散されているが、発色層を形成する樹脂の屈折率と、混合する発色剤の屈折率との差は小さいことが好ましく、屈折率の差が小さくなるようにすることにより、発色層102の可視光透過性を高めることができるからである。
発色剤としては、レーザビームによる発熱によって黒色の金属酸化物を形成する各種金属や金属化合物、黒色化する熱応答性染料等が挙げられる。発色層に、レーザビームの波長を吸収する光吸収剤を含有させてもよい。このような発色層にレーザビームを照射すると、光吸収剤等の周辺のバインダー樹脂が炭化し、この炭化した部分が黒色を呈する。あるいはまた、金属酸化物等の発色剤と光吸収剤とを併用してもよい。このように、その目的を果たすものであればよく、本発明では特にその材質を限定しない。
支持層101と発色層102は、ほぼ同質の樹脂組成材料からなっていてもよいものである。支持層101と発色層102は、ポリカーボネート系樹脂、もしくはポリカーボネート系樹脂と実質的に非結晶性の芳香族ポリエステル系樹脂とのポリマーアロイを主成分とする樹脂組成物から形成することもできる。このような樹脂組成物を用いることにより、カードの耐熱性を向上させることができ、レーザビームを照射しても、発色層の膨れや変形を防止できる。
ここに、ポリカーボネート系樹脂とは、主成分がポリカーボネートである樹脂組成物を意味する。ポリカーボネート系樹脂としては、ビスフェノールとアセトンから合成されるビスフェノールAから、界面重合法、エステル交換法、ピリジン法等によって製造されるもの、ビスフェノールAとジカルボン酸誘導体、例えばテレ(イソ)フタル酸ジクロリド等との共重合体により得られるポリエステルカーボネート、ビスフェノールAの誘導体、例えば、テトラメチルビスフェノールA等の重合により得られるものを例示することができる。
実質的に非結晶性の芳香族ポリエステル系樹脂とは、芳香族ジカルボン酸等成分とジオール成分との脱水縮合体をいい、その中でも結晶性が低く、プレス融着等の実用上頻繁に行われる熱加工を行っても、結晶化による白濁や融着不良を起さないものをいう。なお、本発明においては、非結晶性の芳香族ポリエステル系樹脂に類似するものには、例えば、PBT(ポリブチレンテレフタレート)等も含まれる。
支持層101と表裏の発色層102によりカードの厚みとするためには、カード用基材100の合計厚みが、0.8mm程度になるようにし、一方側の発色層102の厚みは65μm程度とする。従って、表裏両面に発色層を設ける場合、中心の支持層101は670μmとなる。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
図2は、第1の実施形態によるレーザ印字カード1の模式断面図である。図1のカードの短辺に平行し、3行の印字行12,13,14に交差する断面を示している。
オフセット絵柄印刷104は、例えばではあるが、カードの上辺(図2では左側)が明るい色調、接触端子板11を含む中央部近くが濃色であって、下辺に向かい徐々に明るくなり、最下辺(図2では右側)は白色に近い淡色になっている。
図中に示す孔B1,B2,B3は、レーザビームによる印字状態を示すもので、B1はカードナンバー12、B2は有効期限13、B3は利用者氏名14部分の印字である。
ただし、実際には数μmの深さであり、微細な文字幅であっても視覚で孔と認識されるものではない。以降の図3、図4の各例も同じであり同様に模式的に図示している。
第1の実施形態のレーザ印字カード1は、カード用基材100の該発色層102上に、透明なオフセットアンカー層103を形成してから、オフセット印刷による灰色印刷層(以下、「オフセット灰色印刷層」とも表現する。)108と、濃色部と淡色部を有するオフセット絵柄印刷104、および透明なオフセットオーバープリント印刷105を設けた構成になっている。
オフセット印刷による灰色印刷層108は、白色インキと黒色インキの混色インキであり、白色インキには金属系である酸化チタン(TiO)顔料が入るため、オフセット印刷であってもレーザビームによる消失がし難くなっている。金属系顔料は解離エネルギーが大きいからである。
灰色と言っても、白色から黒色の間であって幅があるが、ここでは比較的明るい灰色を使用するのが好ましい。例えば、反射濃度で0.15から0.80程度に印刷するのが好ましい。この濃度は反射型グレイスケール(KODAK photographic step tablet no.3)で最初のステップA(反射濃度0.05)と次のステップ(反射濃度0.20)の中間から6番目のステップ(反射濃度0.80)程度とするのが好ましい。なお、コダック社の反射型グレイスケールは、最初のステップが0.05の反射濃度で、ステップ毎に順次0.15の濃度で増加するようにされている。反射濃度が1.70を超えると視覚的には殆ど黒く見える。
オフセット絵柄印刷104と透明オフセットオーバープリント印刷105を消失させる程度にレーザビームを照射しオフセット灰色印刷層108を露出させれば、印字文字は明るい灰色を呈し、さらにビームを照射すれば、レーザ発色層102が露出し、当該層をビームが照射すれば、照射解像度に応じて、発色層102は白色乃至黒色の文字印字を呈することになる。
図2において、孔B1はカード1の中央部近くの濃色部にあるので、印字は明るい色調であれば視認し易い。そのためには、前記のように、レーザビームを照射して、オフセットオーバープリント印刷105とオフセット絵柄印刷104を除去して、オフセット灰色印刷層108を露出するのが好ましい。なお、オフセット絵柄印刷104には金属系顔料を含まないようにする。前記のように解離エネルギーの問題からである。
一方、孔B3は白色に近い淡色部にあるので、発色層102を黒発色させるのが好ましい。孔B2は、中間的な濃度の絵柄部分にあるので、印字文字と絵柄とのコントラスト比が出し難い部分である。この領域では、絵柄が明るい領域に近いか、暗い領域に近いかを考慮して、白色文字にするか黒色文字にするかを決定する必要がある。図2では、黒色文字状態を示している。
図3は、第2の実施形態によるカードの断面図である。
第2の実施形態のカード1は、カード用基材100の該発色層102上に、透明なオフセットアンカー層103を形成してから、オフセット印刷による灰色印刷層108と濃色部と淡色部を有するオフセット絵柄印刷104を設けた構成になっている。第1の実施形態とは、オフセット印刷によるオーバープリント印刷が無いことのみの違いである。
オフセット絵柄印刷104およびその下層の印刷層が十分な耐久性を有する場合は、オーバープリント印刷を省略できるからである。B1,B2,B3の印字状態は第1の実施形態と同様にされている。
次に、カードへのレーザ印字について説明する。
カードへのレーザ印字は、カード発行機を用いて行う。カード発行機には各種モジュールの一つとして、レーザ印字機が備えられている機種を使用する。
レーザビームにはファイバーレーザ(発振波長1.06μm)が使用される。
パルスエナジーは、10mJであり、レーザビームで刻印される黒点1つあたりのサイズは20〜90μmの径である。
レーザ発色層102の黒化濃度は、レーザビームの出力と照射密度dpiで変化させ得るが、通常は出力を一定にして照射密度dpiで調整できる。すなわち、dpiが小さければ白色に近い灰色になり、dpiの増加に伴い濃度を増して黒化する。
(試験例1)
総厚が800μであって、中心の支持層101が厚み670μmのポリカーボネート樹脂からなり、その両面に厚み65μmのPET−G樹脂からなりモリブデン化合物による黒色発色剤を含む透明なレーザ発色層102を全面に有する3層共押し出ししたカード用基材(三菱樹脂株式会社製造)100を使用して、接触型ICカードであるレーザ印字カード1を製造した。
まず、基材100の表面側の発色層102面上に、アクリル系紫外線硬化型インキからなるオフセット用アンカーインキを印刷して透明なオフセットアンカー層103を形成した。続いて、いずれもアクリル系紫外線硬化型インキからなるオフセット灰色印刷層108と、濃色部と淡色部がおおよそ印字行に従い変化するオフセット絵柄印刷104と、全面の透明オフセットオーバープリント印刷105を印刷した(図2参照)。それぞれのインキ膜厚は、何れも1μm未満のものである。
なお、オフセット印刷による灰色印刷層108の反射濃度は、0.20〜0.35の濃度(コダック社のphotographic step tablet no.3の第2、第3段階の濃度相当)であった。また、フセット絵柄印刷104の濃色部は、白黒濃度換算反射濃度で0.95〜1.10程度のものである。
(試験例2)
試験例1と同一のカード用基材100を使用して、接触型ICカードであるレーザ印字カード1を製造した。
まず、基材100の表面側の発色層102面上に、アクリル系紫外線硬化型インキからなるオフセット用アンカーインキを印刷して透明なオフセットアンカー層103を形成した。続いて、いずれもアクリル系紫外線硬化型インキからなるオフセット灰色印刷層108と、濃色部と淡色部がおおよそ印字行に従い変化するオフセット絵柄印刷04を、試験例1と同一の条件で印刷した。
なお、透明なオフセットオーバープリント印刷105は行っていない(図3参照)。
それぞれのインキ膜厚は、何れも1μm未満のものである。
(比較例1)
図4は、比較例によるカードの模式断面図である。
試験例1と同一のカード用基材100を使用して、接触型ICカードであるレーザ印字カード1を製造した。
まず、基材100の表面側の発色層102面上に、アクリル系紫外線硬化型インキからなるオフセット用アンカーインキを印刷して透明なオフセットアンカー層103を形成し、続いて、いずれもアクリル系紫外線硬化型インキからなるオフセット印刷による濃色部と淡色部がおおよそ印字行に従い変化するオフセット絵柄印刷104と透明なオフセットオーバープリント印刷105を行った。それぞれのインキ膜厚は、何れも1μm未満のものである。
試験例1、試験例2、比較例1のICカード用印刷物を個々のカードサイズに裁断し、ICモジュールを装着してから、カード発行機(日本データカード株式会社製「MX6000」)のレーザモジュールによりレーザ印字を行った。レーザモジュールは、レーザパワー24Wのファイバーレーザを有し、解像度は200〜1000dpiで印字可能のものである。
(1)まず、試験例1、試験例2、比較例1のICカードに対して、B1,B2,B3の印字行を、解像度300dpiの条件で一律に印字したものを作成した。
その結果、試験例1の場合は、オフセットオーバープリント印刷層105とオフセット絵柄印刷104の一部が消失し、試験例2の場合は、オフセット絵柄印刷104の一部が消失したため、B1の印字行は濃色の絵柄中の白抜き文字のように印字され、いずれも視認性が優れていた。これは、灰色印刷層108が視覚的には白く見えるためである。
しかし、B2、B3の印字行は、淡い絵柄中に埋もれたようになっていて殆ど識別できなかった。
比較例1の場合は、B1,B2,B3の印字行は、発色層102が僅かに灰色に発色しているが視認性は低かった。
(2)次に、試験例1、試験例2、比較例1のICカードに対して、B1,B2,B3の印字行を、解像度400dpiの条件で一律に印字したものを作成した。
その結果、試験例1の場合は、オフセットオーバープリント印刷105とオフセット絵柄印刷104、オフセット灰色印刷層108、オフセットアンカー層103が完全に消失し、試験例2の場合は、オフセット絵柄印刷104とオフセット灰色印刷層108、オフセットアンカー層103が完全に消失し、試験例1も試験例2もレーザ発色層102が不完全に発色したため、B1の印字行は、いずれも濃色の絵柄中にグレイ発色で印字され多少の視認性が認められたが、解像度300dpiのものより視認性は低下していた。
B2,B3の印字行は淡い絵柄中に埋もれたようになっていて視認性は低かった。
比較例1の場合は、オフセットオーバープリント印刷層105とオフセット絵柄印刷104、オフセットアンカー層103が完全に消失し、B1の印字行は、レーザ発色層102が黒発色しているが、濃色の絵柄に埋もれて殆ど識別できなかった。B2,B3の印字行は、レーザ発色層102が黒発色していて視認性が認められた。
(3)次に、試験例1、試験例2、比較例1のICカードに対して、B1,B2,B3の印字行を、解像度500dpiの条件で一律に印字したものを作成した。
その結果、試験例1の場合は、オフセットオーバープリント印刷層105とオフセット絵柄印刷104、オフセット灰色印刷層108、オフセットアンカー層103が完全に消失し、発色層102が濃いグレイ発色したため、試験例2の場合は、オフセット絵柄印刷104とオフセット灰色印刷層108、オフセットアンカー層103が完全に消失し、発色層102が濃いグレイ発色したため、いずれも濃色の絵柄中のB1の印字行は、殆ど識別できず視認性が認められなかった。B2,B3の印字行は淡い絵柄に対して、発色しており視認性は高かった。
比較例1の場合は、オフセットオーバープリント印刷層105とオフセット絵柄印刷104、オフセットアンカー層103が完全に消失し、B1の印字行は、レーザ発色層102が黒発色しているが、濃色の絵柄に埋もれて殆ど識別できなかった。B2,B3の印字行は、レーザ発色層102が黒発色していて視認性が高かった(図4参照)。
(4)上記の(1)、(2)、(3)の結果から、比較例1のカードのB1の印字行は、どのような条件で印字しても濃色の絵柄中で視認性の高い印字が得られないことが判り、この印字行(B1)で、視認性が得られるのは、試験例1と試験例2のカードを300dpiで印字した場合に限られることが明らかになった。
また、淡色の絵柄中にある印字行B2,B3は、解像度500dpiで印字すれば、試験例1と試験例2のカードでも視認性を高くできることが確認された。
(実施例1)
試験例1のカードについて、印字行B1を解像度300dpiで印字し、印字行B2とB3を解像度500dpiで印字した結果、いずれの印字行でも視認性の高い印字文字を有する最良のICカードが得られた。
(実施例2)
試験例2のカードについて、印字行B1を解像度300dpiで印字し、印字行B2とB3を解像度500dpiで印字した結果、いずれの印字行でも視認性の高い印字文字を有する最良のICカードが得られた。
上記の印字条件で印字した実施例1、実施例2の接触ICカードは、ETCカードとしても通常のクレジットカード等の用途の接触型ICカードとして十分な実用性があり、印字の視認性、耐久性も十分であった。また、耐熱性の要求にも耐えるものであった。
1 レーザ印字カード
11 接触端子板
12 カードナンバー
13 有効期限
14 利用者氏名
100 カード用基材
101 支持層
102 発色層
103 オフセットアンカー層
104 オフセット絵柄印刷
105 オフセットオーバープリント印刷
108 オフセット灰色印刷層、オフセット印刷による灰色印刷層
B1 カードナンバー部分の印字
B2 有効期限部分の印字
B3 利用者氏名部分の印字

Claims (7)

  1. 白色の支持層と該支持層の少なくとも一の面に、レーザビーム照射により黒色に発色するレーザ発色層を有するカード用基材の該レーザ発色層上に、透明なオフセットアンカー層を形成してから、オフセット印刷による灰色印刷層と、濃色部と淡色部がおおよそ印字行に従い変化するオフセット絵柄印刷を設け、さらに該オフセット絵柄印刷上に透明オフセットオーバープリント印刷を設け、
    該オフセットオーバープリント印刷面上からレーザビーム照射を行って印字を行う場合に、前記オフセット絵柄印刷の前記濃色部に対しては、前記透明オフセットオーバープリント印刷及び前記オフセット絵柄印刷を前記レーザビーム照射により除去して、前記灰色印刷層を露出させること、
    を特徴とするレーザ印字カードの印刷・印字方法。
  2. 白色の支持層と該支持層の少なくとも一の面に、レーザビーム照射により黒色に発色するレーザ発色層を有するカード用基材の該レーザ発色層上に、透明なオフセットアンカー層を形成してから、オフセット印刷による灰色印刷層と、濃色部と淡色部がおおよそ印字行に従い変化するオフセット絵柄印刷を設け、
    該オフセット絵柄印刷面上からレーザビーム照射を行って印字を行う場合に、前記オフセット絵柄印刷の前記濃色部に対しては、前記オフセット絵柄印刷を前記レーザビーム照射により除去して、前記灰色印刷層を露出させること、
    を特徴とするレーザ印字カードの印刷・印字方法。
  3. 前記レーザビーム照射により前記オフセット絵柄印刷の前記淡色部に印字を行う場合、前記レーザビーム照射により前記レーザ発色層を露出させること、
    を特徴とする請求項1または請求項2記載のレーザ印字カードの印刷・印字方法。
  4. オフセット印刷による灰色印刷層の反射濃度が、0.20〜0.80の範囲であることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1の請求項記載のレーザ印字カードの印刷・印字方法。
  5. カード用基材のレーザ発色層の黒化濃度がレーザビームの解像度の変更により調整されることを特徴とする請求項1から請求項4までの何れか1の請求項記載のレーザ印字カードの印刷・印字方法。
  6. カード用基材の支持層がポリカーボネート樹脂からなり、レーザ発色層がポリカーボネートとPET−G樹脂のポリマーアロイ樹脂からなることを特徴とする請求項1から請求項5までの何れか1の請求項記載のレーザ印字カードの印刷・印字方法。
  7. 白色の支持層と該支持層の少なくとも一の面に、レーザビーム照射により黒色に発色するレーザ発色層と、
    前記レーザ発色層の前記支持層側とは反対側に積層されるオフセットアンカー層と、
    前記オフセットアンカー層に積層される灰色印刷層と、
    前記灰色印刷層に積層され、濃色部と淡色部とを有するオフセット絵柄印刷と、
    を備えるレーザ印字カード。
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