JP2005121799A - ズームレンズ及びそれを用いた電子撮像装置 - Google Patents

ズームレンズ及びそれを用いた電子撮像装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 高ズーム比、明るいF値、広い画角等の高い光学仕様性能を有するズームレンズ、及びこのズームレンズをを搭載しながらも、奥行き方向が極めて薄い電子撮像装置を提供する。
【解決手段】 最も物体側のレンズ群G1に光路を折り曲げるための反射面Mを配置し、そのレンズ群G1の最も物体側の面頂から反射面Mまでの光軸に沿った長さdと、前記反射面から光路沿いを像側に向かって最初に位置する正レンズの外形形状(光軸に直角な断面形状)における光路折り曲げ位置より物体側の光軸と平行な方向の寸法aとが、それぞれ条件(1)、(2)を満足するように、ズームレンズを構成した。また、このズームレンズを電子撮像装置に備えるようにした。
【選択図】 図2

Description

本発明は、ズームレンズ及びそれを用いた電子撮像装置に関し、特に、ズームレンズ等の光学系部分の工夫により、奥行き方向の薄型化を実現したビデオカメラやデジタルカメラ等の電子撮像装置に適したズームレンズに関するものである。
近年、銀塩35mmフィルム(135フォーマット)カメラに代わる次世代カメラとして、デジタルカメラ(電子カメラ)が注目されてきている。さらに、それは業務用高機能タイプからポータブルな普及タイプまで、幅広い範囲でいくつものカテゴリーを有するようになってきている。
カメラの奥行き方向を薄くするのに最大のネックとなっているのは、光学系、特にズームレンズ系の最も物体側の面から撮像面までの厚みである。最近におけるカメラボディ薄型化技術の主流は、沈胴式鏡筒を採用することである。この沈胴式鏡筒は、撮影時には光学系がカメラボディ内から突出しているが、携帯時には収納する構造になっている。この沈胴式鏡筒に用いられる光学系の例としては、特許文献1、特許文献2、特許文献3等のものがある。これらは、物体側から順に、負の屈折力を有する第1群、正の屈折力を含む第2群を有しており、共に変倍時には移動する。
また、最近では、光学系の光路(光軸)を、ミラーやプリズム等の反射光学素子で折り曲げる構成をとるものも出現している(非特許文献1)。この構成では、上記沈胴式鏡筒に見られるような、カメラの使用状態への立ち上げ時間(レンズのせり出し時間)がない。また、防水・防塵上も好ましく、また、奥行き方向が極めて薄いカメラとすることができる。この構成における光学系は、最も物体側のレンズ群を位置固定レンズ群とし、その中に反射光学素子を設けている。そして、以降の光路はカメラボディの縦あるいは横方向に折り曲げ、奥行き方向の寸法を極力薄くしている。
特開平11−194274号公報 特開平11−287953号公報 特開2000−9997号公報 「写真工業」3/2002/103〜106
しかしながら、特許文献1、特許文献2、特許文献3等の光学系は、広角端での画角が不十分であり、画角を確保した場合、レンズ系が大きくなり分厚くなることが問題である。また、非特許文献1の光学系では、ある程度の画角を確保するために、光路を折り曲げるための反射面よりも物体側に、必ず発散面を設けることになる。その場合、歪曲収差の発生を少なくするために、像側に凹面を向けた負メニスカスレンズを設けることになる。これでは、奥行き方向の厚みを減らす本来の目的に反する。また、光路を折り曲げる方式の場合は、プリズムやミラー等の反射光学素子の光学有効面を小さく抑えないと、光路折り曲げが成立しないため、広角化が困難な状況にある。
本発明は従来技術のこのような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、高ズーム比、明るいF値、広い画角等の高い光学仕様性能を有するズームレンズを搭載しながらも、奥行き方向が極めて薄い電子撮像装置とそのためのズームレンズを提供することである。
上記目的を達成するための本発明のズームレンズは、最も物体側のレンズ群に光路を折り曲げるための反射面を有し、そのレンズ群の最も物体側の面頂から前記反射面までの光軸に沿った長さdと、前記反射面から光路沿いを像側に向かって最初に位置する正レンズの外形形状(光軸に直角な断面形状)における光路折り曲げ位置より物体側の光軸と平行な方向の寸法aとが、以下の条件を満足することを特徴とするものである。
0.6fW <d<1.5fW ・・・(1)
1.2fW <a<3.0fW ・・・(2)
ただし、fW はズームレンズ全系の広角端の焦点距離である。
本発明のもう1つのズームレンズは、最も物体側のレンズ群に光路を折り曲げるための反射面を有し、そのレンズ群の最も物体側の面頂から前記反射面までの光軸に沿った長さdが以下の条件を満足し、前記反射面から光路沿いを像側に向かって最初に位置する正レンズの外形形状(光軸に直角な断面形状)が、光路折り曲げ位置より物体側の光軸と平行な方向の寸法が最短となる円以外の形状であることを特徴とするものである。
0.6fW <d<1.5fW ・・・(1)
ただし、fW はズームレンズ全系の広角端の焦点距離である。
以下に、本発明のズームレンズにおいて上記構成をとる理由と作用を説明する。
ズームレンズが光路折り曲げ型の場合、ズームレンズの奥行き方向の寸法は、最も物体側の面頂から光路を折り曲げるための反射面(以下、単に「反射面」とする。)までの距離で決まる事が多い。本発明のズームレンズでは、この反射面が、最も物体側に配置されたレンズ群G1(以下、単に「レンズ群G1」とする。)に配置されている。そのため、レンズ群の最も物体側の面頂から反射面までの光軸に沿った長さdが、ズームレンズ(光学ユニット)の奥行き方向の寸法を決めてしまうことになる。また、反射面以外にもレンズを備えているため、レンズの外形が薄型化に影響する。例えば、光路に沿って反射面から像側に向かった時、本発明のズームレンズでは、最初に正レンズがある。この正レンズの外形形状(光軸に直角な断面形状)に着目すると、光路折り曲げ位置より物体側の光軸と平行な方向の寸法aが重要になる。
条件(1)の上限である1.5fW 、条件(2)の上限である3.0fW を上回ると、光学ユニットの奥行き寸法が大きくなりすぎて、本発明の上記目的達成が困難となる。また、下限値であるそれぞれ0.6fW 、1.2fW を下回ると、広い画角の確保が困難となる。
なお、条件(1)、(2)に関して、少なくとも以下の何れか一方を満たすと、より望ましい。
0.7fW <d<1.4fW ・・・(1’)
1.3fW <a<2.5fW ・・・(2’)
また、少なくとも以下の何れか一方を満たすと、さらに望ましい。
0.8fW <d<1.3fW ・・・(1”)
1.4fW <a<2.0fW ・・・(2”)
また、本発明のズームレンズは、条件(1)、(2)を満足する代わりに、条件(1)を満たしつつ、正レンズが所定の外形形状を有するようにしても良い。この正レンズは、反射面から光路沿いを像側に向かった時に、最初に位置するレンズである。また所定の形状とは円以外の形状であって、この場合、光軸に直角な方向における断面形状における形状である。より具体的には、図4に示すように、光路折り曲げ位置より物体側の光軸と平行な方向の寸法aが最短となる形状となる。
本発明のようなズームレンズにおいては、レンズ群G1内の光線高が高くなることが薄型化に関して致命的になる。特に、レンズ群G1が正の屈折力を有する場合にその傾向が顕著となるため、上記のような構成を用いると、効果的である。また、レンズ群G1が正の屈折力を有する場合は、レンズ群G1内の光線高をできるだけ低くするため、そのレンズ群G1内の各エレメントの屈折力が高くなる。そのため、収差補正が困難となりやすい。そこで、その反射面から像側に向かって最初の正レンズには、非球面を導入することが望ましい。
また、レンズ群G1内の反射面は、その前後の媒質屈折率ができるだけ高い方が小型化しやす。そのいため、この反射面はプリズムの一部の面であることが望ましい。
なお、奥行き方向を薄くするために、そのプリズムはズームレンズ系の最も物体側に配置するのがよい。そのプリズムよりも物体側に何らかの光学素子があると、その分だけ奥行きが厚くなる。一方、プリズム内の光線高を低くするためには、その反射面よりも物体側に負の屈折力、像側に正の屈折力を配置するのが良い。このようにすることで、入射瞳位置を極力浅くすることができる。そこで、本発明のズームレンズでは、反射面よりも物体側に負の屈折力を配置するために、 プリズム用いる。すなわち、プリズムの物体側の面(入射面)を物体側に向かって凹面、つまり発散面としている。ただし、レンズ系の最も物体側の面が物体側に凹面を向けた構成になっていると、歪曲収差をはじめ、軸外諸収差が発生しやすい。そこで、最も物体側の凹面を非球面にて構成するのがよい。それも、光軸から離れる程曲率が弱くなる非球面にするのがよい。
以下、レンズ群G1を薄くするにあたって、レンズ群G1以外の部位に関する条件について言及する。先にも述べた通り、レンズ群G1を薄くするには、入射瞳位置を極力浅くするのがよい。つまり、最も物体側の面から開口絞りまでの光路長を、できる限り短くするのがよい。そのために、反射面より像側に開口絞りを配置する。そして、その反射面と開口絞りとの間に配置するレンズ部品数を、3枚以下とするのがよい。つまり、この間に配置するレンズ部品の数は、変倍機能と変倍時の色収差発生を抑制するために必要な数に留める。そして、その他の残存収差は、媒質屈折率と非球面で補正するようにする。そこで、その反射面と開口絞りとの間の非球面数は、3面以上とするのがよい。
なお、奥行き方向の厚さを薄くするあまりに、撮影画角が狭くては意味がない。したがって、本発明のズームレンズの場合、広角端における物体側での対角画角は、歪曲収差込み(実際に発生している歪曲収差を考慮した)で65°以上する。このようにすることで、初めて薄型で広角という意味が出てくる。
また、光路折り曲げ方向を、電子撮像素子の撮像面の短辺方向とするのがよい。逆にいうと、電子撮像素子は、その短辺方向が、光路折り曲げ位置より物体側の光軸の方向に略平行になるように配置するのがよい。このようにすると、光学系を薄くして、かつ、画角を確保しやすい。
あるいは、画角を確保しやすくする別の方法として、ズームレンズに意図的に大きな樽型歪曲収差を持たせる方法がある。この場合、電子撮像素子で撮像して得られた画像データに、その歪曲収差を補償する画像処理を施す。すなわち、光学的な歪曲収差による画像のゆがみを電子的に変化させることで、歪曲収差を補正した画像データとして出力可能に構成するとよい。
以上、薄型化するために、レンズ群G1に反射面を設ける構成を示した。また、さらに細部に工夫を入れることで、広い画角を維持しながらより薄型化が可能であることを示した。なお、本発明のズームレンズにおけるレンズ群G1は、正の屈折力を有している。このレンズ群G1は、像面に対し変倍を目的とした移動はない。このレンズ群G1の構成は、反射面よりも物体側の合成屈折力が負、反射面よりも像側の合成屈折力が正となっている。
また、本発明のズームレンズは、物体側から光路に沿って順に、負の屈折力を有する移動レンズ群V1 、と正の屈折力を有するレンズ群V2 を含んで構成されている。レンズ群V2 は、広角端から望遠端に変倍する際に単調に物体側に移動する。この構成において、入射瞳位置を極力浅くしつつも効率的な変倍が可能なように、全系が広角端状態のときの移動レンズ群V1 、V2 の倍率が、以下の条件を満たすようにすることが望ましい。
−1.0≦β1W≦−0.40 ・・・(3)
−1.0≦β2W≦−0.40 ・・・(4)
ただし、β1W、β2Wはそれぞれレンズ群V1 、V2 の広角端における倍率である。
条件(3)の下限の−1.0を下回ると、レンズ群V1 の移動による変倍比が小さくなりやすい。また、上限の−0.40を越えると、レンズ群V2 の移動による変倍比が小さくなりやすい。条件(3)の範囲内の場合には、レンズ群V2 の倍率は条件(4)のようになる。そして、少なくとも以下の何れか一方を満たすと、より望ましい。
−0.9≦β1W≦−0.45 ・・・(3’)
−0.9≦β2W≦−0.45 ・・・(4’)
さらに、少なくとも以下の何れか一方を満たすと、さらに望ましい。
−0.8≦β1W≦−0.5 ・・・(3”)
−0.8≦β2W≦−0.5 ・・・(4”)
上記のように、レンズ群G1は、光路折り曲げや光線高の関係で大きくなりがちになる。このレンズ群G1を極力小さく薄くするには、入射瞳位置をできるだけ入射面から浅くすることが重要になる。そのためには、開口絞りまでの光学部品点数を極力少なくすることが重要である。また、開口絞りよりも物体側の各レンズ群は、物体側から光路に沿って順に、発散成分、収斂成分の順で構成することが好ましい。本発明のズームレンズでは、レンズ群G1 とレンズ群V1 を、合わせて僅か4部品で構成している。
また、本発明のズームレンズでは、レンズ群G1 とレンズ群V1 との合成系による像点、(つまり、レンズ群V2 以降の合成系に対する物点)が、被写体側に遠くなりやすい。そのためにレンズ群V2 以降の合成系の倍率が小さくなりがちで、レンズ群の移動量を大きくしても倍率を稼ぎ難い傾向にある。そこで、レンズ群V2 のパワーをできるだけ強くし、かつ、主点をできるだけ物体側に位置する。具体的には、レンズ群V2 の内部構成を、正レンズ、正レンズ、負レンズとする。そして、偏心敏感度が大きな負レンズとその直前の正レンズを接合させている。また、レンズ群V1 も部品点数を減らしながら負の屈折力を強めるために、負レンズを両凹レンズとしている。つまり、レンズ群V1 は、物体側から光路に沿って順に、両凹レンズと正レンズの2枚で構成している。また、レンズ群V2 は、物体側から光路に沿って順に、正の単レンズと、正レンズ、像側に強い凹面を向けた負レンズの接合レンズ成分の2群3枚にて構成するとよい。
また、レンズ群V1 とV2 との間に、像面に対して略位置が固定である開口絞りを配置する。そして、その開口絞りよりも光路入射側には、プリズム1要素と3枚以下の単レンズとなるように構成するのがよい。
さらに、変倍時の収差変動を補正する関係で、レンズ群V1 とV2 で非球面を合計4面とするのが良い。あるいは、レンズ群V1 とV2 で、それぞれ非球面を2面ずつ用いるのがよい。
ところで、電子撮像装置では、ズームレンズ介して結像された像を、電子撮像素子にて撮像する。また、電子撮像装置では、撮像で得られた画像データに画像処理を施すことができる。この画像処理としては、例えば、歪曲収差を変化させる処理があり、電子撮像装置はこのような処理を施して画像データとして出力できる。このような電子撮像装置に、本発明のズームレンズを搭載する場合、本発明のズームレンズが略無限遠物点合焦時に、以下の条件を満足するようにした方がよい。
0.8<y07/(fW ・ tanω07W )<0.96 ・・・(5)
ただし、電子撮像素子の有効撮像面内(撮像可能な面内)で中心から最も遠い点までの距離(最大像高)をy10とすると、y07=0.7y10、ω07W は広角端における撮像面上の中心からy07の位置に結ぶ像点に対応する物点方向の光軸に対する角度である。
特に、広角端近傍の焦点距離にて意図的に歪曲収差を発生させ、撮像後に電気的に画像処理して歪曲収差を補正する方法を導入するのは、光学系の奥行きの薄型化と広画角化(歪曲収差込みの垂直方向の画角が38°以上)が最大の狙いである。これにより、光学系を肥大化させずに、広い画角の情報を取り込むことが可能となる。この時、樽型に歪んだ像は、電子撮像素子にて光電変換され、画像データとして得られる。そして、電子撮像装置の信号処理系にて、形状変化に相当する加工(画像処理)が電子的に施される。このようにすることで、光学的な歪曲収差が補正された画像になる。その結果、最終的に電子撮像装置より出力された画像データを表示装置にて表示しても、被写体形状に略相似した画像になる。
ここで、無限遠物体を結像して得られた像に歪曲収差がない場合は、
f=y/ tanω
が成立する。ただし、yは像点の光軸からの高さ、fは結像系の焦点距離、ωは撮像面上の中心からyの位置に結ぶ像点に対応する物点方向の光軸に対する角度である。結像系に樽型の歪曲収差がある場合は、
f>y/ tanω
となる。つまり、fとyを一定とするならば、ωは大きな値となる。
条件(5)は、ズーム広角端における樽型歪曲の度合いを規定したものである。上限の0.96を越えて1前後の値をとる場合は、歪曲収差が光学的に良く補正されたことに相当する。ただし、光学系の小型さを維持しながら広い視野角にわたって像として取り込むという点において、決して有利ではない。下限の0.8を下回ると、光学系の歪曲収差による画像歪みを画像処理にて補正した場合、画角周辺部の放射方向への引き伸ばし率が高くなりすぎて画像周辺部の鮮鋭度の劣化が目立つようになってしまう。
なお、以下の満たすと、より望ましい。
0.85<y07/(fW ・ tanω07W )<0.95 ・・・(5’)
さらに、以下を満たすと、さらに望ましい。
0.88<y07/(fW ・ tanω07W )<0.94 ・・・(5”)
本発明によれば、高ズーム比、明るいF値、広い画角等の高い光学仕様性能を確保しながらも、奥行き方向が極めて薄いズームレンズとすることが可能となり、かつ、これを搭載した電子撮像装置の薄型化を図ることもできる。
以下、本発明の光路折り曲げ型ズームレンズの実施例1について説明する。この実施例1の広角端(a)、中間状態(b)、望遠端(c)でのレンズ断面図を図1に示す。なお、図1では、無限遠物点に合焦している。各図中、第1レンズ群(レンズ群G1 に対応)はG1、第2レンズ群(レンズ群V1 に対応)はG2、開口絞りはS、第3レンズ群(レンズ群V2 に対応)はG3、第4レンズ群はG4、第5レンズ群はG5で示している。また、電子撮像素子であるCCDのカバーガラスはCG、CCDの像面はIで示してある。なお、第1レンズ群G1中には、光路折り曲げプリズム(以下、単に「プリズム」とする。)が配置されている。このプリズムは、図1においては展開した形でPとして示してある。
図2に、実施例1のズームレンズの折り曲げ時における光路図を示す。図2は、広角端において、無限遠物点に合焦している時の図である。第1レンズ群G1中のプリズムPは、光路を90°折り曲げる反射プリズムとして構成されている。また、そのプリズムPの反射面をMで示している。
また、図3に、プリズムPの最も物体側の面頂から反射面Mまでの光軸に沿った長さdと、プリズムP中の反射面Mから射出面までの光軸に沿った距離とを示す断面図を示す。
また、図4に、プリズムPの直後に配置される正レンズLP1について、反射面Mより物体側にある光軸と平行な方向の寸法aと、正レンズLP1の外形の円形部分の直径の寸法とを示す。ここで、図4(a)は正面図、図4(b)は断面図である。
実施例1のズームレンズは、図1に示すように、第1レンズ群G1、第2レンズ群G2、開口絞りS、第3レンズ群G3、第4レンズ群G4、第5レンズ群G5からなる。ここで、第1レンズ群G1は、プリズムPと両凸正レンズLP1とからなる。プリズムPは、展開すると、物体側に凹面を向けた凹平負レンズになる。第2レンズ群G2は、両凹負レンズと、両凸正レンズとからなる。第3レンズ群G3は、両凸正レンズと、両凸正レンズと両凹負レンズの接合レンズとからなる。第4レンズ群G4は、両凸正レンズ1枚からなる。第5レンズ群G5は、凸平正レンズ1枚からなる。この構成において、広角端から望遠端に変倍する際は、第1レンズ群G1は固定、開口絞りSは略固定で、第2レンズ群G2は像面側へ移動し、第3レンズ群G3は物体側へ移動し、第4レンズ群G4は像面側に凸の軌跡を描いて微小に移動し、第5レンズ群G5は固定である。なお、第4レンズ群G4は、望遠端では広角端での位置より物体側に位置する。
非球面は、プリズムPの入射面の凹面と、第1レンズ群G1の両凸正レンズの入射側の面と、第2レンズ群G2の両凹負レンズの両面と、第3レンズ群G3の両凸正レンズの物体側の面と、第3レンズ群G3の接合レンズの最も物体側の面の6面に用いられている。
第5レンズ群G5を構成する凸平正レンズの像側の平面には、ローパスフィルターや赤外シャープカットコート等の光学機能膜が施こされている。
以下に、上記実施例の数値データを示すが、記号は上記の外、fは全系焦点距離、FNOはFナンバー、WEは広角端、STは中間状態、TEは望遠端、r1 、r2 …は各レンズ面の曲率半径、d1 、d2 …は各レンズ面間の間隔、nd1、nd2…は各レンズのd線の屈折率、νd1、νd2…は各レンズのアッベ数である。なお、非球面形状は、xを光の進行方向を正とした光軸とし、yを光軸と直交する方向にとると、下記の式にて表される。
x=(y2 /r)/[1+{1−(K+1)(y/r)2 1/2
+A4 4 +A6 6 +A8 8 +A1010
ただし、rは近軸曲率半径、Kは円錐係数、A4 、A6 、A8 、A10はそれぞれ4次、6次、8次、10次の非球面係数である。

実施例1
1 = -8.6616(非球面) d1 = 8.3650 nd1 =1.84666 νd1 =23.78
2 = ∞ d2 = 0.1500
3 = 11.3272(非球面) d3 = 2.5000 nd2 =1.83400 νd2 =37.16
4 = -28.0035 d4 = (可変)
5 = -6.9944(非球面) d5 = 0.8000 nd3 =1.74320 νd3 =49.34
6 = 10.3245(非球面) d6 = 0.3000
7 = 23.3243 d7 = 1.4000 nd4 =1.84666 νd4 =23.78
8 = -22.7503 d8 = (可変)
9 = ∞(絞り) d9 = (可変)
10= 10.6499(非球面) d10= 3.9944 nd5 =1.69350 νd5 =53.21
11= -8.5314 d11= 0.1500
12= 10.1912(非球面) d12= 2.3583 nd6 =1.58913 νd6 =61.14
13= -65.3236 d13= 0.7000 nd7 =1.84666 νd7 =23.78
14= 4.5704 d14= (可変)
15= 9.8095 d15= 2.0000 nd8 =1.48749 νd8 =70.23
16= -17.4974 d16= (可変)
17= 61.3735 d17= 1.1000 nd9 =1.68893 νd9 =31.07
18= ∞ d18= 0.1000 nd10 =1.51633νd10 =64.14
19= ∞ d19= 0.6000
20= ∞ d20= 0.5000 nd11 =1.51633νd11 =64.14
21= ∞ d21= 1.0300
22= ∞(像面)
非球面係数
第1面
K = 0
4 = 9.2025×10-4
6 =-1.0055×10-5
8 = 1.0318×10-7
10= 0.0000
第3面
K = 0
4 =-4.2567×10-4
6 = 1.3244×10-6
8 = 2.1981×10-8
10= 0.0000
第5面
K = 0
4 = 1.2947×10-3
6 = 2.0949×10-5
8 =-1.0244×10-6
10= 0.0000
第6面
K = 0
4 = 2.9049×10-4
6 = 4.8291×10-5
8 =-2.0307×10-6
10= 0.0000
第10面
K = 0
4 =-9.8018×10-4
6 =-2.1688×10-5
8 = 4.9020×10-7
10= 0.0000
第12面
K = 0
4 = 3.0365×10-4
6 = 2.8850×10-5
8 = 7.8412×10-7
10= 0.0000
ズームデータ(∞)
WE ST TE
f (mm) 4.15403 6.66603 11.13572
NO 2.8600 3.5064 4.3811
4 0.93833 4.43272 6.44034
8 7.00187 3.49024 1.54359
9 7.27169 5.35290 1.58245
14 2.40541 4.35549 7.96689
16 1.93613 1.92168 2.02092

歪曲収差込み対角画角(°)(像高=2.5mm )
像高比 WE ST TE
×1.0 36.9 20.8 12.6
×0.9 32.5 18.9 11.4
×0.7 24.7 14.8 8.9
×0.6 21.1 12.8 7.7
×0.4 13.9 8.6 5.1

W = 4.15403
d = 4.265
a = 7.6
d/fW = 1.02671
a/fW = 1.82955
β1W =-0.61874
β2W =-0.63064
10 = 2.5
07 = 1.75
tan ω07W =0.46056
07/(fW ・ tanω07W )= 0.91471 。
以上の実施例1における広角端、中間状態、望遠端での収差図をそれぞれ図5(a)、(b)、(c)に示す。なお、無限遠物点に合焦している時の収差図である。各収差図において、“SA”は球面収差、“AS”は非点収差、“DT”は歪曲収差、“CC”は倍率色収差を示す。なお、図中、“FIY”は像高を示す。
ところで、以上のような本発明のズームレンズは、デジタルカメラ等の電子撮像装置に用いることができる。このような装置では、画角を確保するために、ズームレンズにおいて、意図的に大きな樽型歪曲収差を発生させる場合がある。このような場合、電子撮像素子のCCDで撮像して得られた画像には、歪曲収差による像の歪みが生じている。そこで、このような装置では、その歪曲収差を補償する画像処理機能を持たせておく必要がある。そして、この画像処理機能で歪曲収差を変化させる処理を行うことで歪曲収差を補正し、収差のない画像データとして出力するようにすることが望ましい。そのための構成例を以下に説明する。
電子撮像装置に本発明のズームレンズを用いると、上記のような歪曲収差があるため、電子撮像素子に結像される被写体の光学像には歪みが発生する。よって、電子撮像素子を介して被写体画像情報を取り込むと、電子撮像素子から出力される映像信号も、その歪みの情報が含まれる。すなわち、歪みを持つ画像データが、電子撮像装置に取り込まれる。このような光学歪みは、図6に示すような樽型歪曲収差である。この歪みは、本来、破線で示される位置にあるべき画面101の画像が、実線位置に結像した画面102の画像となるような歪みである。
このような光学歪みを伴う映像信号において、その歪みを補正するには、まず、映像信号をデジタル信号に変換して画像メモリに書き込む。そして、歪み特性に応じて読み出すことにより、画像メモリ上で歪みを補正する。図6において、歪曲収差がない場合、格子状の画像は破線で示す画像101となる。一方、歪曲収差がある場合、格子状の画像は破線で示す画像102となる。本発明のズームレンズのように、光学系で光学歪みが発生する状態では、破線で示す画像101が、上記の光学歪みにより、実線の画像102のように画像メモリに記憶される。そこで、この歪みの補正を行うには、この補正前画像データを画像メモリから読み出すとき、PA 点を読み出すべきタイミングにPa 点に記憶されている補正前画像データを、また、PB 点を読み出すべきタイミングにPb 点に記憶されている補正前画像データを、同様にPD 点を読み出すぺきタイミングにPd 点に記憶されている補正前画像データをそれぞれ読み出す。このようにすると、補正前画像102は、破線で示す歪みのない元の格子状の画面101の画像として読み出されるので、光学歪みが補正された画像が表示される。
図7は、光学歪み補正を行う画像処理機能を備えた装置のブロック構成図である。この装置においては、まず、本発明のズームレンズ1を介して、被写体像がCCD(電子撮像素子)2の撮像面上に形成される。このCCD2の撮像面に形成されている被写体像は、上記のような光学歪みを含んでいる。この被写体像は、CCD2で電気信号に変換される。CCD2からの電気信号は、撮像プロセス回路3で所定の処理が施されて映像信号としてA/D変換回路4に供給される。そのA/D変換回路4でデジタル信号に変換された映像信号は、画像メモリ5に記憶される。画像メモリ5への信号の書き込み及び読み出しは、ライトコントロール回路10とリードコントロール回路12Aによって制御される。
なお、SSG(同期信号発生)回路9は、基準タイミング信号を発生する。そして、SSG(同期信号発生)回路9はこの基準タイミング信号を、後述するTG(タイミング発生)回路8、上記撮像プロセス回路3、および、ライトコントロール回路10、リードコントロール回路12Aに供給する。TG回路8は、SSG回路9からの水平(H)方向、垂直(V)方向の読み出しタイミング信号をCCD2に送出する。また、補正量ROM13Aには、画面の各部について、予め定まる補正量データが格納されている。この予め定まる補正量として格納されるものは、例えば、図6に示すように、実線上の位置と破線上の位置との関係で定まる光学歪みを補正する補正量アドレス値である。
そして、上記リードコントロール回路12Aから出力されるリード信号により、画像メモリ5から信号(データ)が読み出される。この時、信号は、光学歪みを補正すべく画像メモリ5から読み出される。読み出された信号は、補間処理回路6で補間処理された後、D/Aコンバータ7によりアナログ信号に変換され、出力される。
なお、デジタルカメラ(電子カメラ)の場合、画像メモリ5に余裕がない場合もある。そのような場合には、画像メモリ5に記憶する前、すなわちCCD2から映像信号を読み出すときに、光学歪みの補正量に相当する時間だけタイミングを変化させるようにしてもよい。
さて、以上のような本発明のズームレンズは、結像光学系で物体像を形成しその像をCCDや銀塩フィルムといった撮像素子に受光させて撮影を行う撮影装置、とりわけデジタルカメラやビデオカメラ、情報処理装置の例であるパソコン、電話、特に持ち運びに便利な携帯電話等に用いることができる。以下に、その実施形態を例示する。図8〜図10は、本発明によるズームレンズを、デジタルカメラの撮影光学系41に組み込んだ構成の概念図を示す。図8はデジタルカメラ40の外観を示す前方斜視図、図9は同後方斜視図、図10はデジタルカメラ40の構成を示す水平方向の断面図である。デジタルカメラ40は、この例の場合、撮影用光路42を有する撮影光学系41、ファインダー用光路44を有するファインダー光学系43、シャッター45、フラッシュ46、液晶表示モニター47等を含む。この場合、プリズムPによる光路折り曲げ方向は、デジタルカメラ40の短軸方向となっている。すなわち、縦方向に曲げているので、カメラの薄型化に資している。
カメラ40の上部には、シャッター45が配置されている。このシャッター45を押圧すると、それに連動して撮影光学系41、例えば実施例1のズームレンズを通して撮影が行われる。撮影光学系41によって形成された物体像は、CCD49の撮像面上に形成される。なお、第5レンズ群G5の凸平正レンズの像側の平面には、近赤外カットフィルターと光学的ローパスフィルターが設けられている。よって、ここで余計なフレアーやモアレの除去が行われるので、良好な像が形成される。このCCD49で受光された物体像は、処理手段51を介し、電子画像としてカメラ背面に設けられた液晶表示モニター47に表示される。また、この処理手段51には記録手段52が接続され、撮影された電子画像を記録することもできる。なお、この記録手段52は処理手段51と別体に設けてもよい。あるいは、、フロッピーディスクやメモリーカード、MO等により、電子的に記録書込を行うように構成してもよい。また、CCD49に代わって銀塩フィルムを配置した銀塩カメラとして構成してもよい。なお、処理手段51には、前記した光学歪み補正を行う画像処理装置が設けられている。
さらに、ファインダー用光路44上には、ファインダー用対物光学系53が配置してある。このファインダー用対物光学系53によって形成された物体像は、像正立部材であるポロプリズム55の視野枠57上に形成される。このポロプリズム55の後方には、正立正像にされた像を観察者眼球Eに導く接眼光学系59が配置されている。なお、撮影光学系41及びファインダー用対物光学系53の入射側、接眼光学系59の射出側にそれぞれカバー部材50が配置されている。
このように構成されたデジタルカメラ40は、撮影光学系41が広画角で高変倍比であり、収差が良好(ただし、歪曲収差は除く)で、明るいズームレンズである。よって、高性能・低コスト化が実現できる。しかも、ズームレンズの光路折り曲げ方向を、デジタルカメラ40の短軸方向に選んでいるので、カメラの薄型化に効果がある。そして、このようにすると、フラッシュ46を撮影光学系41の入射面よりも上方に位置させることができる。そのため、人物のストロボ撮影の際に生じる影の影響を緩和できるレイアウトにし得る。
なお、図10の例では、カバー部材50として平行平面板を配置しているが、パワーを持ったレンズを用いてもよい。また、光路の折り曲げ方向は、カメラのレイアウトのしやすさに応じて、縦方向、横方向の何れでも構わないのはもちろんである。
次に、本発明のズームレンズが対物光学系として内蔵された情報処理装置を示す。ここでは一例として、パソコンが図11〜図13に示されている。図11はパソコン300のカバーを開いた前方斜視図、図12はパソコン300の撮影光学系303の断面図、図13は図11の状態の側面図である。図11〜図13に示されるように、パソコン300は、外部から繰作者が情報を入力するためのキーボード301と、図示を省略した情報処理手段や記録手段と、情報を操作者に表示するモニター302と、撮影光学系303とを有している。撮影光学系303は、操作者自身や周辺の像を撮影するためのものである。ここで、モニター302は、図示しないバックライトにより背面から照明する透過型液晶表示素子や、前面からの光を反射して表示する反射型液晶表示素子や、CRTディスプレイ等であってよい。また、図中、撮影光学系303は、モニター302の右上に内蔵されているが、その場所に限らず、モニター302の周囲や、キーボード301の周囲のどこであってもよい。
この撮影光学系303は、撮影光路304上に、例えば実施例1のズームレンズからなる対物レンズ112と、像を受光する撮像素子チップ162とを有している。これらはパソコン300に内蔵されている。ここで、撮像素子チップ162上には光学的ローパスフィルターLFが付加的に貼り付けられて、撮像ユニット160として一体に形成されている。また、対物レンズ112の鏡枠113の後端にワンタッチで嵌め込まれて取り付け可能になっている。そのため、対物レンズ112と撮像素子チップ162の中心合わせや、面間隔の調整が不要であり、組立が簡単となっている。また、鏡枠113の先端(図示略)には、対物レンズ112を保護するためのカバーガラス114が配置されている。なお、鏡枠113中のズームレンズの駆動機構等は図示を省いてある。
撮像素子チップ162で受光された物体像は、端子166を介して、パソコン300の処理手段に入力される。そして、、電子画像としてモニター302に表示される。図11には、その一例として、操作者の撮影された画像305が示されている。また、この画像305は、処理手段を介し、インターネットや電話を介して、遠隔地から通信相手のパソコンに表示されることも可能である。
次に、別の情報処理装置を示す。この別の情報処理装置においても、本発明のズームレンズが撮影光学系として内蔵されている。ここでは一例として、電話、特に持ち運びに便利な携帯電話が図14に示されている。図14(a)は携帯電話400の正面図、図14(b)は側面図、図14(c)は撮影光学系405の断面図である。図14(a)〜(c)に示されるように、携帯電話400は、操作者の声を情報として入力するマイク部401と、通話相手の声を出力するスピーカ部402と、操作者が情報を入力する入力ダイアル403と、モニター404と、撮影光学系405と、通信電波の送信と受信を行うアンテナ406とを有している。モニター404は液晶表示素子で、操作者自身や通話相手等の撮影像と電話番号等の情報を表示する。また、図示していないが、この他にも、画像情報や通信情報、入力信号等の処理を行う処理手段を備えている。また、図中、各構成の配置位置は、特にこれらに限られない。
この撮影光学系405は、例えば実施例1のズームレンズからなる対物レンズ112と、物体像を受光する撮像素子チップ162とを有している。これらは、撮影光路407上に配置されている。また、これらは、携帯電話400に内蔵されている。ここで、撮像素子チップ162上には光学的ローパスフィルターLFが付加的に貼り付けられており、撮像ユニット160として一体に形成されている。そして、対物レンズ112の鏡枠113の後端にワンタッチで嵌め込まれて取り付け可能になっている。そのため、対物レンズ112と撮像素子チップ162の中心合わせや、面間隔の調整が不要であり、組立が簡単となっている。また、鏡枠113の先端(図示略)には、対物レンズ112を保護するためのカバーガラス114が配置されている。なお、鏡枠113中のズームレンズの駆動機構等は図示を省いてある。
撮影素子チップ162で受光された物体像は、端子166を介して、図示していない処理手段に入力される。そして、電子画像としてモニター404に、又は、通信相手のモニターに、又は、両方に表示される。また、通信相手に画像を送信する場合、撮像素子チップ162で受光された物体像の情報を、送信可能な信号へと変換する信号処理機能が処理手段には含まれている。
以上の本発明のズームレンズ及びそれを用いた電子撮像装置は、例えば次のように構成することができる。
〔1〕 最も物体側のレンズ群に光路を折り曲げるための反射面を有し、そのレンズ群の最も物体側の面頂から前記反射面までの光軸に沿った長さdと、前記反射面から光路沿いを像側に向かって最初に位置する正レンズの外形形状(光軸に直角な断面形状)における光路折り曲げ位置より物体側の光軸と平行な方向の寸法aとが、以下の条件を満足することを特徴とするズームレンズ。
0.6fW <d<1.5fW ・・・(1)
1.2fW <a<3.0fW ・・・(2)
ただし、fW はズームレンズ全系の広角端の焦点距離である。
〔2〕 最も物体側のレンズ群に光路を折り曲げるための反射面を有し、そのレンズ群の最も物体側の面頂から前記反射面までの光軸に沿った長さdが以下の条件を満足し、前記反射面から光路沿いを像側に向かって最初に位置する正レンズの外形形状(光軸に直角な断面形状)が、光路折り曲げ位置より物体側の光軸と平行な方向の寸法が最短となる円以外の形状であることを特徴とするズームレンズ。
0.6fW <d<1.5fW ・・・(1)
ただし、fW はズームレンズ全系の広角端の焦点距離である。
〔3〕 前記最も物体側のレンズ群は、正の屈折力を有することを特徴とする上記1又は2記載のズームレンズ。
〔4〕 前記反射面から光路沿いを像側に向かって最初に位置する正レンズは非球面を有することを特徴とする上記1から3の何れか1項記載のズームレンズ。
〔5〕 前記光路を折り曲げるための反射面はプリズムの一部の面であることを特徴とする上記1から4の何れか1項記載のズームレンズ。
〔6〕 前記プリズムはズームレンズ系の最も物体側に位置することを特徴とする上記5記載のズームレンズ。
〔7〕 前記プリズムの物体側の面は、物体側に向かって凹面でかつ非球面からなることを特徴とする上記6記載のズームレンズ。
〔8〕 前記光路を折り曲げるための反射面より像側に開口絞りを有し、前記反射面と前記開口絞りとの間のレンズ枚数は3枚以下であることを特徴とする上記1又は2記載のズームレンズ。
〔9〕 前記光路を折り曲げるための反射面より像側に開口絞りを有し、前記反射面と前記開口絞りとの間に非球面が3面以上あることを特徴とする上記1又は2記載のズームレンズ。
〔10〕 歪曲収差込み対角画角が65°以上であることを特徴とする上記1から9の何れか1項記載のズームレンズ。
〔11〕 上記1から10の何れか1項記載のズームレンズの結像位置近傍に電子撮像素子を有し、前記電子撮像素子はその撮像面の短辺方向が光路折り曲げ位置より物体側の光軸と略平行な方向になるように配置されていることを特徴とする電子撮像装置。
〔12〕 上記1から10の何れか1項記載のズームレンズの結像位置近傍に電子撮像素子を有し、前記ズームレンズで結像された像を前記電子撮像素子で撮像して得られた画像データに歪曲収差を補償する画像処理を施して歪曲収差を変化させた画像データとして出力可能に構成されていることを特徴とする電子撮像装置。
本発明のズームレンズの実施例1の無限遠物点合焦時の広角端(a)、中間状態(b)、望遠端(c)でのレンズ断面図である。 実施例1のズームレンズの広角端無限遠物点合焦時の折り曲げ時における光路図である。 実施例1の光路折り曲げプリズムの最も物体側の面頂から反射面までの光軸に沿った長さdと、プリズム中の反射面から射出面までの光軸に沿った距離とを示す断面図である。 実施例1の第1レンズ群中で光路折り曲げプリズムの直後に配置される正レンズの反射面より物体側の光軸と平行な方向の寸法aと、正レンズの外形の円形部分の直径の寸法とを示す正面図(a)と断面図(b)である。 実施例1の無限遠物点合焦時の広角端(a)、中間状態(b)、望遠端(c)での収差図である。 樽型歪曲収差と本来の画面の画像とを示す光学歪み図である。 光学歪み補正を行う画像処理装置の1例のブロック構成図である。 本発明によるズームレンズを組み込んだデジタルカメラの外観を示す前方斜視図である。 図8のデジタルカメラの後方斜視図である。 図8のデジタルカメラの断面図である。 本発明によるズームレンズを対物光学系として組み込れたパソコンのカバーを開いた前方斜視図である。 パソコンの撮影光学系の断面図である。 図11の状態の側面図である。 本発明によるズームレンズを対物光学系として組み込れた携帯電話の正面図(a)、側面図(b)、その撮影光学系の断面図(c)である。
符号の説明
G1…第1レンズ群
G2…第2レンズ群
G3…第3レンズ群
G4…第4レンズ群
G5…第4レンズ群
CG…カバーガラス
S…開口絞り
I…像面
P…光路折り曲げプリズム
P1…正レンズ
M…反射面
E…観察者眼球
LF…光学的ローパスフィルター
1…ズームレンズ
2…CCD
3…撮像プロセス回路
4…A/D変換回路
5…画像メモリ
6…補間処理回路
7…D/Aコンバータ
8…TG(タイミング発生)回路
9…SSG(同期信号発生)回路
10…ライトコントロール回路
12A…リードコントロール回路
13A…補正量ROM
40…デジタルカメラ
41…撮影光学系
42…撮影用光路
43…ファインダー光学系
44…ファインダー用光路
45…シャッター
46…フラッシュ
47…液晶表示モニター
49…CCD
50…カバー部材
51…処理手段
52…記録手段
53…ファインダー用対物光学系
55…ポロプリズム
57…視野枠
59…接眼光学系
101…歪みのない状態の画面
102…光学歪みを持った画面
112…対物レンズ
113…鏡枠
114…カバーガラス
160…撮像ユニット
162…撮像素子チップ
166…端子
300…パソコン
301…キーボード
302…モニター
303…撮影光学系
304…撮影光路
305…画像
400…携帯電話
401…マイク部
402…スピーカ部
403…入力ダイアル
404…モニター
405…撮影光学系
406…アンテナ
407…撮影光路

Claims (3)

  1. 最も物体側のレンズ群に光路を折り曲げるための反射面を有し、そのレンズ群の最も物体側の面頂から前記反射面までの光軸に沿った長さdと、前記反射面から光路沿いを像側に向かって最初に位置する正レンズの外形形状(光軸に直角な断面形状)における光路折り曲げ位置より物体側の光軸と平行な方向の寸法aとが、以下の条件を満足することを特徴とするズームレンズ。
    0.6fW <d<1.5fW ・・・(1)
    1.2fW <a<3.0fW ・・・(2)
    ただし、fW はズームレンズ全系の広角端の焦点距離である。
  2. 最も物体側のレンズ群に光路を折り曲げるための反射面を有し、そのレンズ群の最も物体側の面頂から前記反射面までの光軸に沿った長さdが以下の条件を満足し、前記反射面から光路沿いを像側に向かって最初に位置する正レンズの外形形状(光軸に直角な断面形状)が、光路折り曲げ位置より物体側の光軸と平行な方向の寸法が最短となる円以外の形状であることを特徴とするズームレンズ。
    0.6fW <d<1.5fW ・・・(1)
    ただし、fW はズームレンズ全系の広角端の焦点距離である。
  3. 請求項1又は2記載のズームレンズの結像位置近傍に電子撮像素子を有し、前記電子撮像素子はその撮像面の短辺方向が光路折り曲げ位置より物体側の光軸と略平行な方向になるように配置されていることを特徴とする電子撮像装置。
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