JP3868092B2 - ズームレンズ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ズームレンズの光学系に係り、特に固体撮像素子を受光素子に用いるディジタルスティルカメラおよびビデオカメラ用のテレセントリック性を有する小型の広角ズームレンズとして好適なズームレンズに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
動画を撮像する、いわゆるビデオカメラにおいては、従来から、CCD(電荷結合素子)またはMOS(金属酸化物半導体)等の固体撮像素子が撮像用受光素子として用いられている。さらに、近年、ディジタルスティルカメラ、あるいは単にディジタルカメラ等と称され、被写体像を、固体撮像素子により撮像し、被写体の静止画像(スティル画像)の画像データを得て、IC(集積回路)カードまたはビデオフロッピーディスク等にディジタル的に記録するタイプのカメラの普及が著しい。このディジタルカメラの中には、静止画像のみならず動画像(ムービー画像)をも撮像することができるものもある。
【0003】
ところで、このようなCCD等の固体撮像素子を使用したカメラの光学系には、射出瞳位置が像面から充分に離間していることが要求される。これは、次のような理由による。
即ち、固体撮像素子の色フィルタが撮像面からやや離れた位置に存在するため、光束が斜めから入射した場合には、実質的な開口効率が低下する。
また、固体撮像素子の周期構造に起因するモアレ現象を防止するための水晶フィルタの実効厚が、軸上と周辺であまり変動しないことが求められる。
【0004】
また、特に最近の高感度型小型固体撮像素子では、撮像面の直前にマイクロレンズアレイを持つものがあり、このような場合にも射出瞳が像面から充分に離間していないと開口効率が周辺で低下する。
物体側から像側へ向かって、順次、負の屈折力を有する第1レンズ群、および正の屈折力を有する第2レンズ群を配設して構成され、これら第1レンズ群と第2レンズ群との群の間隔を変化させることにより、変倍を行うズームレンズは、いわゆる2群ズームとしてよく知られている。このような2群ズームの多くは、射出瞳位置が像面に近くなり、CCD等の固体撮像素子を用いたカメラに適用するには好ましくない。
【0005】
そこで、第2レンズ群の後方に、正の屈折力を有する固定レンズ群または移動レンズ群を配置することにより、射出瞳位置を像面から遠ざけることが考えられており、多くのズームレンズが提案されている。
このように、第2レンズ群の後方に、正の屈折力を有するレンズ群を配置するようにしたズームレンズの例が、例えば、特公平3−20735号公報、特公平7−52256号公報、および特開平6−94996号公報等に開示されている。しかしながら、特公平3−20735号公報、および特公平7−52256号公報等に記載されたズームレンズは、主として一眼レフ(一眼レフレックス)スチルカメラ用に設計されたものである。
【0006】
このため、これら特公平3−20735号公報、および特公平7−52256号公報に記載された構成では、第3レンズ群の正の屈折力は極めて弱く、射出瞳を像面から充分に遠ざけることはできない。
また、特開平6−94996号公報に記載されたズームレンズは、射出瞳位置を像面から遠ざけるために、絞り位置を変倍中に移動させずに第1レンズ群と第2レンズ群との中間位置に固定して配置している。このため、第1レンズ群および第2レンズ群の移動に制約を受け、変倍比が2倍弱にとどまっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本出願人は、上述した問題に対処するため、3倍程度の変倍比が得られて、しかも射出瞳位置を像面から充分に離間させることができ、小型のディジタルスチルカメラ等に適する明るい広角ズームレンズを、これまでに提案している。例えば特願平9−14308号等に、そのようなズームレンズの例が開示されている。
一方、最近のディジタルスチルカメラは、高画質化を追求する傾向にあり、画像の歪みの小ささも、高画質化指向のディジタルスティルカメラにおける重要な品質項目の一つとなっている。上述した特願平9−14308号に記載されたズームレンズは、歪曲収差の補正が充分でなく、最近の高画質指向のディジタルスチルカメラには不向きであると考えられる。
【0008】
そこで、本出願人は、さらに歪曲収差を抑えて、ディジタルスティルカメラ等に適するようにした明るい広角ズームレンズとして、特願平9−269170号を提案した。
しかしながら、現在のディジタルスティルカメラの市場は、画像品質の高さを維持しつつも低コスト化を図ることが最も重要となっている。このような観点では、特願平9−269170号に記載のズームレンズは、9枚のレンズで構成されており、そのレンズ枚数から低コスト化の要求に充分に応えているとは言い難い。
【0009】
本発明の請求項1の目的は、上述した事情に鑑みてなされたもので、必要とするレンズ枚数が少なく、高変倍比を得て、射出瞳位置を像面から充分に離間させて、歪曲収差を抑えることができ、しかも小型で収差が少なく低コストで製造することが可能なディジタルスチルカメラ等に好適な明るい広角ズームレンズとして構成することが可能な小型のズームレンズを提供することにある。
発明の請求項2の目的は、少ないレンズ枚数で小型で且つ収差が良好に補正された小型のズームレンズを提供することにある。
【0010】
発明の請求項の目的は、特に、球面収差が補正不足となるのを防止し得る小型のズームレンズを提供することにある
発明の請求項の目的は、特に、少ないレンズ枚数で、レンズ外径を小さくすると共に、第2レンズ群で発生する収差を効果的に補正し得る小型のズームレンズを提供することにある。
本発明の請求項の目的は、少ないレンズ枚数で、3枚またはそれ以上の変倍比を得て、射出瞳位置を像面から充分に離間させることができると共に、歪曲収差を抑えることができ、小型で収差が少なくディジタルスチルカメラ等に好適な明るい広角小型のズームレンズを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載した本発明に係る小型のズームレンズは、上述した目的を達成するために、物体側から像側へ向かって、順次、負の屈折力を有する第1群光学系、正の屈折力を有する第2群光学系、正の屈折力を有する第3群光学系を配設し、
前記第2群光学系の物体側に、ズーミング時に第2群光学系と一体に移動する開口絞りを設けるとともに、
広角端から望遠端へのズーミングに際し、前記第1群光学系は、光軸上をまず像側へ移動し、途中で移動方向を物体側へ反転することにより、像側に凸の弧状に移動し、前記第2群光学系は、光軸上を物体側へ単調に移動し、そして前記第3群光学系は、光軸上をまず物体側へ移動し、途中で移動方向を像側へ反転することにより、物体側に凸の弧状に移動し、
前記第1群光学系はその像側面に非球面を設けた負レンズを有し、前記第2群光学系は非球面を設けた正レンズを有し、
前記第1群光学系は、物体側から像側へ向かって、順次、物体側に凸面を向けたメニスカス状の負レンズと、物体側に凸面を向けたメニスカス状の正レンズの2枚からなり、
前記第2群光学系は、物体側から像側へ向かって、順次、物体側に強い屈折面を向けた正レンズ、物体側に強い屈折面を向けた正レンズ、像側に強い屈折面を向けた負レンズ、正レンズの4枚からなることを特徴としている。
請求項2に記載した本発明に係る小型のズームレンズは、第3群光学系を1枚の正レンズで構成したことを特徴としている。
【0012】
求項に記載した本発明に係る小型のズームレンズは、第2群光学系の非球面を設けた正レンズは、絞りに最も近接して配設され、物体側のレンズ面が非球面であり、その非球面は、光軸から離れるに従い正の屈折力が弱くなる形状であることを特徴としている
【0013】
請求項に記載した本発明に係る小型のズームレンズは、第2群光学系は、物体側から像側へ向かって、順次、物体側に強い屈折面を向けた正レンズ、物体側に凸面を向けたメニスカス状の正レンズ、物体側に凸面を向けたメニスカス状の負レンズ、像側に凸面を向けたメニスカス状の正レンズを配置してなる4つのレンズを含むことを特徴としている。
請求項に記載した本発明に係る小型のズームレンズは、第M群光学系(M=1〜3)の焦点距離をf、広角端における全系の合成焦点距離をfとするとき、これらが条件;
(1) 2.62<|f|/F<2.72 (f<0)
(2) f/f<3.4
(3) 0.57<f/f<0.65 (f>0,f>0)
を満足することを特徴としている。
【0014】
【作用】
すなわち、本発明に係るズームレンズは、物体側から像側へ向かって、順次、負の屈折力を有する第1群光学系、正の屈折力を有する第2群光学系および正の屈折力を有する第3群光学系を配設し、前記第2群光学系の物体側に、ズーミング時に該第2群光学系と一体に移動する開口絞りを設けるとともに、広角端から望遠端へのズーミングに際し、前記第1群光学系は、光軸上をまず像側へ移動し、途中で移動方向を物体側へ反転することにより、像側に凸の弧状に移動して焦点位置の変動を補正し、前記第2群光学系は、光軸上を物体側へ単調に移動して変倍を行い、そして前記第3群光学系は、光軸上をまず物体側ヘ移動し、途中で移動方向を像側に反転することにより、物体側に凸の弧状に移動して変倍を行う構成とする。
【0015】
そして、第M群光学系(M=1〜3)の焦点距離をfM 、広角端における全系の合成焦点距離をfW とするとき、これらが、条件:
(1)2.62<|f1 |/fW <2.72 (f1 <0)
(2)f3 /fW <3.4
(3)0.57<f2 /f3 <0.65 (f2 >0,f3 >0)
を満足するように構成する。
このような構成により、第3群光学系を往復移動させることによって、第2群光学系のパワー負担を軽減させながら変倍の補助を担わせ、第2群の移動量を少なくして小型で且つ高変倍を実現させることができる。特に、第1群光学系の焦点距離の範囲を条件(1)の範囲とすることによって、ズームレンズを小型化し、収差を少なくする。
【0016】
また、第3群光学系の正の屈折力を条件(2)の範囲とすることによって、射出瞳位置を像面から離間させテレセントリック性を持たせる。さらに第2群光学系と第3群光学系との正の屈折力の配分を、条件(3)の範囲とすることによって、少ないレンズ枚数であるにもかかわらず、小型で、収差を良好に補正することができる。したがって、少ないレンズ枚数で、3倍またはそれ以上の変倍比を得て、射出瞳位置を像面から充分に離間させることができるとともに、歪曲収差を抑えることができ、小型で収差が少なくディジタルスチルカメラ等に好適な明るい広角ズームレンズとして構成することが可能である。
【0017】
また、本発明に係る小型のズームレンズは、前記第1群光学系が、
物体側から像側へ向かって、順次、物体側に凸面を向けたメニスカス状の負レンズ、そして物体側に凸面を向けたメニスカス状の正レンズを配置してなる2つのレンズを有し、且つ前記第2群光学系が、物体側から像側へ向かって、順次、物体側に強い屈折面を向けた正レンズ、物体側に凸面を向けたメニスカス状の正レンズ、物体側に凸面を向けたメニスカス状の負レンズ、そして側に凸面を向けたメニスカス状の正レンズを配置してなる4つのレンズを有する。
このような構成により、特に、少ないレンズ枚数でズームレンズを構成し、且つレンズ外径を小さくするとともに、第2レンズ群で発生する収差を効果的に補正する。
【0018】
また、本発明にるズームレンズは、前記第1群光学系の2つのレンズのうちの最も物体側に位置するメニスカス状の負レンズの像側のレンズ面を、光軸から離れるに従い負の屈折力が弱くなる形状の非球面とする。
このような構成により、特に、短焦点距離側で増大する負の歪曲収差を有効に補正する。
また、本発明にるズームレンズは、前記第2群光学系の4つのレンズのうちの最も物体側に位置する正レンズの物体側のレンズ面を光軸から離れるに従い正の屈折力が弱くなる形状の非球面とする。
このような構成により、特に、球面収差が補正不足となるのを防止する。
【0019】
【発明の第1の実施の形態】
以下、実施の形態に基づき、図面を参照して本発明のズームレンズを詳細に説明する。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係るズームレンズの要部の構成を示している。
図1の(a)は、該ズームレンズをズーミングの広角端に設定した状態におけるレンズ構成を示し、図1の(b)は、該ズームレンズをズーミングの望遠端に設定した状態におけるレンズ構成を示している。
【0020】
図1に示すズームレンズは、被写体すなわち物体側から像側に向かって、順次、第1群光学系である第1レンズ群G1、第2群光学系である第2レンズ群G2および第3群光学系である第3レンズ群G3が配置されている。
第1レンズ群G1は、2枚のレンズL1およびL2で構成され、第2レンズ群G2は、4枚のレンズL3、L4、L5およびL6で構成され、そして第3レンズ群G3は1枚のレンズL7で構成されている。
【0021】
第2レンズ群G2の物体側、すなわち該第2レンズ群G2と第1レンズ群G1との間には、開口絞りSが配置されている。第3レンズ群G3のさらに像側には、像面との間に、ローパスフィルタ(LPF)L8および赤外光カットフィルタ(IRCF)L9が組み合わされてなるフィルタFが設けられている。すなわち、光学素子L1〜L7は、レンズであり、光学素子L8およびL9は、光学フィルタである。
レンズL1およびL2からなる第1レンズ群G1は、負の屈折力を有する。レンズL3〜L6からなる第2レンズ群G2は、正の屈折力を有する。レンズL7からなる第3レンズ群G3は、正の屈折力を有する。
【0022】
第1レンズ群G1は、広角端から望遠端ヘのズーミングに際して、図1に示すように、光軸上をまず像側ヘ移動し、途中から移動方向を反転して物体側に移動する。第1レンズ群G1は、このように、像側に凸の弧状の軌跡を描いて移動することにより、広角端から望遠端ヘのズーミングに際しての、焦点位置の変動を補正する。
第2レンズ群G2は、広角端から望遠端ヘのズーミングに際して、光軸上を物体側に単調に移動する。第3レンズ群G3は、広角端から望遠端ヘのズーミングに際して、光軸上をまず物体側ヘ移動し、途中から移動方向を反転して像側に移動する。
【0023】
第3レンズ群G3は、このように、物体側に凸の弧状の軌跡を描いて移動する。これら第2レンズ群G2および第3レンズ群G3の移動による変倍動作により、広角端から望遠端ヘのズーミングが行われる。
このように、第3レンズ群G3を、物体側に凸の弧状に往復移動させることにより、第2レンズ群G2のパワー負担を軽減させながら変倍の補助を担わせて、第2レンズ群G2の移動量を少なくして、小型で且つ高変倍を実現させることを可能としている。
【0024】
第2レンズ群G2の物体側に位置する開口絞りSは、第2レンズ群G2と一体に移動する。したがって、開口絞りSにより第2レンズ群G2の移動が妨げられることはない。
上記第1〜第3レンズ群G1〜G3は、第1レンズ群G1の焦点距離をf1 、第2レンズ群G2の焦点距離をf2 、そして第3レンズ群G3の焦点距離をf3 、すなわち第Mレンズ群(M=1〜3)の焦点距離をfM とし、広角端における全系の合成焦点距離をfW とするとき、次の各条件を満足するように構成される。
【0025】
条件(1):
2.62<|f1 |/fW <2.72 (f1 <0)
条件(2)
3 /fW <3.4
条件(3)
0.57<f2 /f3 <0.65 (f2 >0,f3 >0)
条件(1)は、ズームレンズを小型化し、収差を良好に補正するための第1レンズ群G1の焦点距離f1 の範囲を規制する条件である。条件(1)の下限未満では、レンズ全系の小型化には有利であるが、第1レンズ群G1の負の屈折力が強くなりすぎて、球面収差等の諸収差が悪化するので、好ましくない。また、条件(1)の上限を超えると、収差は良好に補正することができるが、レンズ全系を小型化することが困難になる。
【0026】
条件(2)は、第3レンズ群G3の正の屈折力を規制する条件である。条件(2)の上限を超えると、第3レンズ群G3の正の屈折力が不充分となって、射出瞳位置が像面に近づき、テレセントリック性が失われる。
条件(3)は、共に正の屈折力を有する第2レンズ群G2と第3レンズ群G3との屈折力の配分を規制する条件である。この条件(3)は、第2レンズ群G2および第3レンズ群G3を少ない構成枚数として、しかも小型化を容易にし、なおかつ収差を良好に補正するためのものである。
【0027】
条件(3)の下限未満では、第3レンズ群G3の屈折力が不充分となって、該第3レンズ群G3の効果が減少し、第3レンズ群G3の屈折力を補うために、第2レンズ群G2の屈折力負担が過大となるため、球面収差が悪化し、像の平坦性も悪くなるので好ましくない。
条件(3)の上限を超えると、第3レンズ群G3の屈折力負担が大きいため、第2レンズ群G2の屈折力負担が軽減され、球面収差は良好となり、像の平坦性も良好となるが、第1レンズ群G1の負の屈折力および第2レンズ群G2の正の屈折力双方が弱くなる傾向にも合致し、全系の小型化の達成が困難となる。
(以上が本発明の請求項1に対応する。)
【0028】
図1に示すように、第1レンズ群G1は、物体側に凸面を向けたメニスカス状の負レンズL1、および物体側に凸面を向けたメニスカス状の正レンズL2で構成され、これら2枚のレンズL1およびL2を、物体側から像面側に向かって、順次、L1−L2の順で配置している。
また、第2レンズ群G2は、物体側に強い屈折面を向けた正レンズL3、物体側に凸面を向けたメニスカス状の正レンズL4、物体側に凸面を向けたメニスカス状の負レンズL5、および像側に凸面を向けたメニスカス状の正レンズL6で構成され、これら4枚のレンズL3〜L6を物体側から像側に向かって、順次、L3−L4−L5−L6の順で配置している。
【0029】
全体を少ないレンズ枚数で構成し、しかも、レンズ外径を小さくするために、第1レンズ群G1を構成する負のレンズL1を物体側に配置している。そして、第2レンズ群G2で発生する球面収差、コマ収差、および非点収差を補正するために、まず、2枚の正レンズL3およびL4で球面収差の発生を極力抑えて全体として正の屈折力を得て、それに続いて負レンズL5で補正過剰とし、さらに続く正レンズL6で各収差の画角差を平均化する。
(以上が本発明の請求項2に対応する。)
【0030】
第1レンズ群G1の最も物体側に配置される物体側に凸面を向けたメニスカス状の負レンズL1は、像側のレンズ面を、光軸から離れるに従って負の屈折力が弱くなる形状の非球面に形成している。
このように、第1レンズ群G1の最も物体側のメニスカス状の負レンズL1の像側のレンズ面が、光軸から離れるに従って負の屈折力が弱くなる形状の非球面を形成することによって、特に短焦点距離側で増大する負の歪曲収差を補正している。
(以上が本発明の請求項3に対応する。)
【0031】
第2レンズ群G2の最も物体側に配置される物体側に強い屈折面を向けた正レンズL3は、物体側のレンズ面を、光軸から離れるに従って正の屈折力が弱くなる形状の非球面に形成している。
このように、第2レンズ群G2の最も物体側にある正レンズL3の物体側のレンズ面が、光軸から離れるに従って正の屈折力が弱くなる形状の非球面を形成することによって、主として球面収差が補正不足となるのを防止している。
(以上が本発明の請求項4に対応する。)
【0032】
【0033】
【第1の実施例】
次に、上述した第1の実施の形態に係る第1の実施例のズームレンズの具体的なデータを表1〜表3に示す。表1は、ズームレンズを構成する光学系のレンズデータであり、表2は非球面のデータであり、表3は可変部分の可変量のデータである。
このズームレンズは、全系の焦点距離をf、FナンバをF/No. 、半画角をω、および像高をY′としたとき、それぞれf=5.6〜16.8mm、F/No. =2.8〜5.1、ω=32.2〜11.7deg 、Y′=3.47である。
光学系を構成する光学面の物体側からの面番号をi(i=1〜18)、各光学面の曲率半径をri 、後続の光学面(像側に隣接する光学面)との面間隔をdi 、光学素子番号をj(すなわち各光学素子はLj (j=1〜10の自然数)であらわされる)、光学素子Lj の光学材料の屈折率をnj 、および光学素子Lj の光学材料のアッベ数をνj として、ズームレンズを構成する光学系のレンズデータを表1に示す。
【0034】
【表1】
Figure 0003868092
【0035】
表1の曲率半径ri における「0.000 」なる表記は、曲率半径ri が無限大(∞)であることを意味し、当該光学面が平面であることを示している。したがって、フィルタFを構成する光学素子L8およびL9の両面16,17,18は、平面であり、これら両光学素子L8およびL9は面17にて密に接合されている。
【0036】
表1において、第2光学面2および第6光学面6、すなわち第1レンズ群G1の最も物体側に配置されるメニスカス状の負レンズL1の像側のレンズ面2および第2レンズ群G2の最も物体側に配置される正レンズL3の物体側のレンズ面6を、非球面としている。
非球面は、周知のごとく光軸に合致させてZ座標軸を、光軸に直交させてY座標をとるとき、光軸上の曲率半径をr、円錐定数をK、高次の非球面係数をA、B、およびCとして、数1であらわされる曲線を光軸の回りに回転させて得られる曲面である。
【0037】
【数1】
Figure 0003868092
すなわち、非球面は、数1の非球面の式に、光軸上の曲率半径r、円錐定数K、および高次の非球面係数A、B、およびCの各パラメータを与えて定義することにより、形状を特定する。
【0038】
したがって、表1における第2光学面2、つまり第1レンズ群G1の最も物体側に配置される物体側に凸面を向けたメニスカス状の負レンズL1の像側のレンズ面2、および表1における第6光学面6、つまり第2レンズ群G2の最も物体側に配置される物体側に強い屈折面を向けた正レンズL3の物体側のレンズ面6は、表2に示す光軸上の曲率半径r、円錐定数K、および高次の非球面係数A、B、およびCの各パラメータで定義される非球面に形成される。
【0039】
【表2】
Figure 0003868092
【0040】
表1において、面間隔di を「可変」とした第4光学面4、第13光学面13および第15光学面15の、次の(面番号の)光学面5、14および16との面間隔d4 ,d13およびd15、全系の焦点距離fが5.60mmの広角端、焦点距離fが9.70mmの中間焦点距離、および焦点距離fが16.80mmの望遠端において、表3に示されるように変化する。
【0041】
【表3】
Figure 0003868092
【0042】
この場合の、広角端におけるレンズ全長、すなわち光学系の第1光学面から像面までの距離は、40.06mmである。
図2〜図4に、この第1の実施例における収差図を示す。図2は広角端、図3は中間焦点距離、そして図4は望遠端における収差図である。
なお、収差図において、SAは球面収差、SCは正弦条件、Astは非点収差、そしてDistは歪曲収差を示している。各収差図における「d」はd線に対する収差を示し、「g」はg線に対する収差を示している。球面収差図においては、球面収差を実線で、正弦条件を破線でそれぞれ示し、非点収差図においては、サジタル光線を実線、メリディオナル光線を破線でそれぞれ示している。
図2〜図4によれば、ズーム域における広角端、中間焦点距離および望遠端のいずれにおいても収差は良好に補正されており、性能良好であることが確認された。
【0043】
【発明の第2の実施の形態】
図5は、本発明の第2の実施の形態に係るズームレンズの要部の構成を示している。
図5の(a)は、該ズームレンズをズーミングの広角端に設定した状態におけるレンズ構成を示し、図5の(b)は、該ズームレンズをズーミングの望遠端に設定した状態におけるレンズ構成を示している。
図5に示すズームレンズは、被写体すなわち物体側から像側に向かって順次、第1群光学系である第1レンズ群G1′、第2群光学系である第2レンズ群G2′および第3群光学系である第3レンズ群G3′が配置されている。
【0044】
第1レンズ群G1′は、2枚のレンズL1′およびL2′で構成され、第2レンズ群G2′は、4枚のレンズL3′、L4′、L5′およびL6′で構成され、そして第3レンズ群G3′は1枚のレンズL7′で構成されている。
第2レンズ群G2′の物体側、すなわち第1レンズ群G1′との間には、開口絞りSが配置されている。第3レンズ群G3′のさらに像側には、像面との間に、図1に示す第1の実施の形態の場合と全く同様の、ローパスフィルタL8および赤外光カットフィルタL9が組み合わされてなるフィルタFが設けられている。すなわち、光学素子L1′〜L7′はレンズであり、光学素子L8およびL9は光学フィルタである。
【0045】
尚、図5においては、各面間隔の符号を省略してあるが、図1に付した符号と同じである。
レンズL1′およびL2′からなる第1レンズ群G1′は、負の屈折力を有する。レンズL3′〜L6′からなる第2レンズ群G2′は、正の屈折力を有する。レンズL7′からなる第3レンズ群G3′は、正の屈折力を有する。
第1レンズ群G1′は、広角端から望遠端ヘのズーミングに際して、光軸上をまず像側ヘ移動し、途中から移動方向を反転して物体側に移動する。第1レンズ群G1′は、このように、像側に凸の弧状の軌跡を描いて移動することにより、広角端から望遠端ヘのズーミングに際しての、焦点位置の変動を補正する。
【0046】
第2レンズ群G2′は、広角端から望遠端ヘのズーミングに際して、光軸上を物体側に単調に移動する。第3レンズ群G3′は、広角端から望遠端ヘのズーミングに際して、光軸上をまず物体側ヘ移動し、途中から移動方向を反転して像側に移動する。第3レンズ群G3′は、このように、物体側に凸の弧状の軌跡を描いて移動する。これら第2レンズ群G2′および第3レンズ群G3′の移動による変倍動作により、広角端から望遠端ヘのズーミングが行われる。
このように、第3レンズ群G3′を、物体側に凸の弧状に往復移動させることにより、第2レンズ群G2′のパワー負担を軽減させながら変倍の補助を担わせて、第2レンズ群G2′の移動量を少なくして、小型で且つ高変倍を実現させることを可能としている。
【0047】
第2レンズ群G2′の物体側に位置する開口絞りSは、第2レンズ群G2′と一体に移動する。したがって、開口絞りSにより第2レンズ群G2′の移動が妨げられることはない。
上記第1〜第3レンズ群G1′〜G3′は、第1の実施の形態の場合と同様に、第Mレンズ群(M=1〜3)の焦点距離をfM とし、広角端における全系の合成焦点距離fW とするとき、上述した条件(1)〜(3)を満足するように構成されている。
【0048】
図5に示すように、第1レンズ群G1′は、物体側に凸面を向けたメニスカス状の負レンズL1′、および物体側に凸面を向けたメニスカス状の正レンズL2′で構成され、これら2枚のレンズL1′およびL2′を、物体側から像面側に向かって、順次、L1′−L2′の順で配置している。
また、第2レンズ群G2′は、物体側に強い屈折面を向けた正レンズL3′、物体側に凸面を向けたメニスカス状の正レンズL4′、物体側に凸面を向けたメニスカス状の負レンズL5′、および像側に凸面を向けたメニスカス状の正レンズL6′で構成され、これら4枚のレンズL3′〜L6′を物体側から像側に向かって、順次、L3′−L4′−L5′−L6′の順で配置している。
【0049】
第1レンズ群G1′の最も物体側に配置されるメニスカス状の負レンズL1′は、像側のレンズ面2を、光軸から離れるに従って負の屈折力が弱くなる形状の非球面に形成している。
第2レンズ群G2′の最も物体側に配置される正レンズL3′は、物体側のレンズ面6を、光軸から離れるに従って正の屈折力が弱くなる形状の非球面に形成している。
【0050】
【第2の実施例】
次に、上述した第2の実施の形態に係る第2の実施例のズームレンズの具体的なデータを表4〜表6に示す。表4は、ズームレンズを構成する光学系のレンズデータであり、表5は、非球面のデータであり、表6は、可変部分の可変量のデータである。
このズームレンズは、全系の焦点距離f=5.6〜16.8mm、FナンバF/No. =2.8〜5.1、半画角ω=32.2〜11.8deg 、および像高Y′=3.47である。
【0051】
【表4】
Figure 0003868092
【0052】
表4における第2光学面2、つまり第1レンズ群G1′の最も物体側に配置されるメニスカ状の負レンズL1′の像側のレンズ面2、および表4における第6光学面6、つまり第2レンズ群G2′の最も物体側に配置される正レンズL3′の物体側のレンズ面6は、表5に示す光軸上の曲率半径r、円錐定数K、および高次の非球面係数A、B、およびCの各パラメータで定義される非球面に形成される。
【0053】
【表5】
Figure 0003868092
【0054】
表1において、面間隔di を「可変」とした第4光学面4、第13光学面13および第15光学面15の、次の(面番号の)光学面5,14および16との面間隔は、全系の焦点距離fが5.60mmの広角端、焦点距離fが9.70mmの中間焦点距離、および焦点距離fが16.81mmの望遠端において、表6に示されるように変化する。
【0055】
【表6】
Figure 0003868092
【0056】
この場合の、広角端におけるレンズ全長、すなわち光学系の第1光学面1から像面までの距離は、38.06mmである。
図6〜図8に、この第2の実施例における収差図を示す。図6は広角端、図7は中間焦点距離、そして図8は望遠端における収差図である。図6〜図8によれば、ズーム域における広角端、中間焦点距離および望遠端のいずれにおいても収差は良好に補正されており、性能良好であることが確認された。
【0057】
【発明の第3の実施の形態】
図9は、本発明の第3の実施の形態に係るズームレンズの要部の構成を示している。
図9の(a)は、該ズームレンズをズーミングの広角端に設定した状態におけるレンズ構成を示し、図9の(b)は、該ズームレンズをズーミングの望遠端に設定した状態におけるレンズ構成を示している。
図9に示すズームレンズは、被写体すなわち物体側から像側に向かって、順次、第1群光学系である第1レンズ群G1″、第2群光学系である第2レンズ群G2″および第3群光学系である第3レンズ群G3″が配置されている。
【0058】
第1レンズ群G1″は、2枚のレンズL1″およびL2″で構成され、第2レンズ群G2″は、4枚のレンズL3″、L4″、L5″およびL6″で構成され、そして第3レンズ群G3″は1枚のレンズL7″で構成されている。
第2レンズ群G2″の物体側、すなわち第1レンズ群G1″との間には、開口絞りSが配置されている。第3レンズ群G3″のさらに像側には、像面との間に、上述と同様のローパスフィルタL8および赤外光カットフィルタL9が組み合わされてなるフィルタFが設けられている。すなわち、光学素子L1″〜L7″はレンズであり、光学素子L8およびL9は光学フィルタである。
レンズL1″およびL2″からなる第1レンズ群G1″は、負の屈折力を有する。レンズL3″〜L7″からなる第2レンズ群G2″は、正の屈折力を有する。レンズL7″からなる第3レンズ群G3″は、正の屈折力を有する。
【0059】
第1レンズ群G1″は、広角端から望遠端ヘのズーミングに際して、光軸上をまず像側ヘ移動し、途中から移動方向を反転して物体側に移動する。第1レンズ群G1″は、このように、像側に凸の弧状の軌跡を描いて移動することにより、広角端から望遠端ヘのズーミングに際しての、焦点位置の変動を補正する。
第2レンズ群G2″は、広角端から望遠端ヘのズーミングに際して、光軸上を物体側に単調に移動する。第3レンズ群G3″は、広角端から望遠端ヘのズーミングに際して、光軸上をまず物体側ヘ移動し、途中から移動方向を反転して像側に移動する。第3レンズ群G3″は、このように、物体側に凸の弧状の軌跡を描いて移動する。これら第2レンズ群G2″および第3レンズ群G3″の移動による変倍動作により、広角端から望遠端ヘのズーミングが行われる。
【0060】
このように、第3レンズ群G3″を、物体側に凸の弧状に往復移動させることにより、第2レンズ群G2″のパワー負担を軽減させながら変倍の補助を担わせて、第2レンズ群G2″の移動量を少なくして、小型で且つ高変倍を実現させることを可能としている。
第2レンズ群G2″の物体側に位置する開口絞りSは、第2レンズ群G2″と一体に移動する。したがって、開口絞りSにより第2レンズ群G2″の移動が妨げられることはない。
上記第1〜第3レンズ群G1″〜G3″は、第1および第2の実施の形態の場合と同様に、第Mレンズ群(M=1〜3)の焦点距離をfM とし、広角端における全系の合成焦点距離fW とするとき、上述した条件(1)〜(3)を満足するように構成されている。
【0061】
図9に示すように、第1レンズ群G1″は、物体側に凸面を向けたメニスカス状の負レンズL1″、および物体側に凸面を向けたメニスカス状の正レンズL2″で構成され、これら2枚のレンズL1″およびL2″を、物体側から像面側に向かって、順次、L1″−L2″の順で配置している。
また、第2レンズ群G2″は、物体側に強い屈折面を向けた正レンズL3″、物体側に凸面を向けたメニスカス状の正レンズL4″、物体側に凸面を向けたメニスカス状の負レンズL5″、および像側に凸面を向けたメニスカス状の正レンズL6″で構成され、これら4枚のレンズL3″〜L6″を物体側から像側に向かって、順次、L3″−L4″−L5″−L6″の順で配置している。
【0062】
第1レンズ群G1″の最も物体側に配置されるメニスカス状の負レンズL1″は、像側のレンズ面2を、光軸から離れるに従って負の屈折力が弱くなる形状の非球面に形成している。
第2レンズ群G2″の最も物体側に配置される正レンズL3″は、物体側のレンズ面6を、光軸から離れるに従って正の屈折力が弱くなる形状の非球面に形成している。
【0063】
【第3の実施例】
次に、上述した第3の実施の形態に係る第3の実施例のズームレンズの具体的なデータを表7〜表9に示す。表7は、ズームレンズを構成する光学系のレンズデータであり、表8は非球面のデータであり、表9は可変部分の可変量のデータである。
このズームレンズは、全系の焦点距離f=5.6〜16.8mm、FナンバF/No. =2.8〜5.0、半画角ω=32.2〜11.7deg 、および像高Y′=3.47である。
【0064】
【表7】
Figure 0003868092
【0065】
表7における第2光学面2、つまり第1レンズ群G1″の最も物体側に配置されるメニスカス状の負レンズL1″の像側のレンズ面2、および表7における第6光学面6、つまり第2レンズ群G2″の最も物体側に配置される正レンズL3″の物体側のレンズ面6は、表8に示す光軸上の曲率半径r、円錐定数K、および高次の非球面係数A、B、およびCの各パラメータで定義される非球面に形成される。
【0066】
【表8】
Figure 0003868092
【0067】
表7において、面間隔di を「可変」とした第4光学面4、第13光学面13および第15光学面15の、次の(面番号の)光学面5,14および16との面間隔は、全系の焦点距離fが5.60mmの広角端、焦点距離fが9.70mmの中間焦点距離、および焦点距離fが16.80mmの望遠端において、表9に示されるように変化する。
【0068】
【表9】
Figure 0003868092
【0069】
この場合は、広角端におけるレンズ全長、すなわち光学系の第1光学面から像面までの距離は、39.08mmである。
図10〜図12にこの第3の実施例における収差図を示す。図10は広角端、図11は中間焦点距離、そして図12は望遠端における収差図である。図10〜図12によれば、ズーム域における広角端、中間焦点距離および望遠端のいずれにおいても収差は良好に補正されており、性能良好であることが確認された。
上述した第1〜第3の実施例における各パラメータ|f1 |/fW 、f3 /fW 、f2 /f3 、および像高比:1.0における広角端での歪曲収差DW (1.0 )を表10に示す。
【0070】
【表10】
Figure 0003868092
【0071】
上述のように、本発明の第1〜第3の実施例によれば、変倍比が3倍で射出瞳位置を像面から充分に離間させて、しかも小型で且つ収差が良好に補正され、さらに、歪曲収差を2%以下に抑えたレンズ枚数の少ないズームレンズとすることができる。
このようなズームレンズは、ディジタルスティルカメラ等に好適な明るい広角ズームレンズとして構成することができる。
【0072】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明の請求項1によれば、物体側から像側へ向かって、順次、負の屈折力を有する第1群光学系、正の屈折力を有する第2群光学系、正の屈折力を有する第3群光学系を配設し、
前記第2群光学系の物体側に、ズーミング時に第2群光学系と一体に移動する開口絞りを設けるとともに、
広角端から望遠端へのズーミングに際し、前記第1群光学系は、光軸上をまず像側へ移動し、途中で移動方向を物体側へ反転することにより、像側に凸の弧状に移動し、前記第2群光学系は、光軸上を物体側へ単調に移動し、そして前記第3群光学系は、光軸上をまず物体側へ移動し、途中で移動方向を像側へ反転することにより、物体側に凸の弧状に移動し、
前記第1群光学系はその像側面に非球面を設けた負レンズを有し、前記第2群光学系は非球面を設けた正レンズを有し、
前記第1群光学系は、物体側から像側へ向かって、順次、物体側に凸面を向けたメニスカス状の負レンズと、物体側に凸面を向けたメニスカス状の正レンズの2枚からなり、
前記第2群光学系は、物体側から像側へ向かって、順次、物体側に強い屈折面を向けた正レンズ、物体側に強い屈折面を向けた正レンズ、像側に強い屈折面を向けた負レンズ、正レンズの4枚からなる構成としたので、特に、少ないレンズ枚数でズームレンズを構成し且つ第1群光学系のうちの負レンズを物体側に配置してレンズ外径を小さくして小型化するとともに、第2レンズ群で発生する収差を効果的に補正することができ、第1群光学系が、像側に凸の弧状の軌跡を描いて移動することにより、広角端から無限遠へのズーミングに際しての、焦点移動を補正し得ると共に、第3群光学系は、物体側に凸の弧状に移動させることにより、第2群光学系のパワー負担を軽減させながら、変倍の補助を担わせて、第2群光学系の移動量を少なくして、小型で且つ高変倍を実現し得る小型のズームレンズを提供することができる。
また、本発明の請求項2の小型のズームレンズによれば、第3群光学系を1枚の正レンズで構成したので、少ないレンズ枚数でありながら、小型で且つ収差を良好に補正することができる。
【0073】
た、本発明の請求項小型のズームレンズによれば、前記第2群光学系の非球面を設けた正レンズは、絞りに最も近接して配設され、物体側のレンズ面が非球面であり、その非球面は、光軸から離れるに従い正の屈折力が弱くなる形状としたので、特に、球面収差が補正不足となるのを防止することができる。
【0074】
本発明の請求項小型のズームレンズによれば、前記第2群光学系は、物体側から像側へ向かって、順次、物体側に強い屈折面を向けた正レンズ、物体側に凸面を向けたメニスカス状の正レンズ、物体側に凸面を向けたメニスカス状の負レンズ、像側に凸面を向けたメニスカス状の正レンズを配置してなる4つのレンズを含む構成としたので、特に、少ないレンズ枚数でズームレンズを構成し、且つ、第2群光学系で発生する収差を効率的に補正することができる。
また、本発明の請求項小型のズームレンズによれば、第M群光学系(M=1〜3)の焦点距離をfM 、広角端における全系の合成焦点距離をfW とするとき、これらが、条件:
(1)2.62<|f1 |/fW <2.72 (f1 <0)
(2)f3 /fW <3.4
(3)0.57<f2 /f3 <0.65 (f2 >0,f3 >0)
を満足するように構成したので、第3群光学系を往復移動させることによって、第2群光学系のパワー負担を軽減させながら変倍の補助を担わせ、第2群の移動量を少なくして小型で且つ高変倍を実現させることができる。特に、第1群光学系の焦点距離の範囲を条件(1)の範囲とすることによって、ズームレンズを小型化し、収差を少なくする。
また、第3群光学系の正の屈折力を条件(2)の範囲とすることによって、射出瞳位置を像面から離間させテレセントリック性を持たせる。さらに第2群光学系と第3群光学系との正の屈折力の配分を、条件(3)の範囲とすることによって、少ないレンズ枚数であるにもかかわらず、小型で、収差を良好に補正することができる。したがって、少ないレンズ枚数で、3倍またはそれ以上の変倍比を得て、射出瞳位置を像面から充分に離間させることができるとともに、歪曲収差を抑えることができ、小型で収差が少なくディジタルスチルカメラ等に好適な明るい広角ズームレンズとして構成することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るズームレンズの光学系の配置構成を模式的に示す光学系配置図である。
【図2】図1に示す第1の実施の形態に係る第1の実施例のズームレンズの広角端における球面収差、非点収差および歪曲収差を示す収差図である。
【図3】同じく第1の実施例のズームレンズの中間焦点距離における球面収差、非点収差および歪曲収差を示す収差図である。
【図4】同じく第1の実施例のズームレンズの望遠端における球面収差、非点収差および歪曲収差を示す収差図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態に係るズームレンズの光学系の配置構成を模式的に示す光学系配置図である。
【図6】図5に示す第2の実施の形態に係る第2の実施例のズームレンズの広角端における球面収差、非点収差および歪曲収差を示す収差図である。
【図7】第2の実施例のズームレンズの中間焦点距離における球面収差、非点収差および歪曲収差を示す収差図である。
【図8】第2の実施例のズームレンズの望遠端における球面収差、非点収差および歪曲収差を示す収差図である。
【図9】本発明の第3の実施の形態に係るズームレンズの光学系の配置構成を模式的に示す光学系配置図である。
【図10】図9に示す第3の実施の形態に係る第3実施例のズームレンズの広角端における球面収差、非点収差および歪曲収差を示す収差図である。
【図11】第3実施例のズームレンズの中間焦点距離における球面収差、非点収差および歪曲収差を示す収差図である。
【図12】第3実施例のズームレンズの望遠端における球面収差、非点収差および歪曲収差を示す収差図である。
【符号の説明】
G1,G1′,G1″ 第1レンズ群
G2,G2′,G2″ 第2レンズ群
G3,G3′,G3″ 第3レンズ群
1〜15 レンズの光学面
16〜18 フィルタの光学面
S 開口絞り
F フィルタ
L1〜L7,L1′〜L7′,L1″〜L7″レンズ
L8 ローパスフィルタ
L9 赤外光カットフィルタ
1 〜d17 面間隔

Claims (5)

  1. 物体側から像側へ向かって、順次、負の屈折力を有する第1群光学系、正の屈折力を有する第2群光学系、正の屈折力を有する第3群光学系を配設し、
    前記第2群光学系の物体側に、ズーミング時に第2群光学系と一体に移動する開口絞りを設けるとともに、
    広角端から望遠端へのズーミングに際し、前記第1群光学系は、光軸上をまず像側へ移動し、途中で移動方向を物体側へ反転することにより、像側に凸の弧状に移動し、前記第2群光学系は、光軸上を物体側へ単調に移動し、そして前記第3群光学系は、光軸上をまず物体側へ移動し、途中で移動方向を像側へ反転することにより、物体側に凸の弧状に移動し、
    前記第1群光学系はその像側面に非球面を設けた負レンズを有し、前記第2群光学系は非球面を設けた正レンズを有し、
    前記第1群光学系は、物体側から像側へ向かって、順次、物体側に凸面を向けたメニスカス状の負レンズと、物体側に凸面を向けたメニスカス状の正レンズの2枚からなり、
    前記第2群光学系は、物体側から像側へ向かって、順次、物体側に強い屈折面を向けた正レンズ、物体側に強い屈折面を向けた正レンズ、像側に強い屈折面を向けた負レンズ、正レンズの4枚からなることを特徴とする小型のズームレンズ。
  2. 前記第3群光学系を1枚の正レンズで構成したことを特徴とする請求項1に記載の小型のズームレンズ。
  3. 前記第2群光学系の非球面を設けた正レンズは、絞りに最も近接して配設され、物体側のレンズ面が非球面であり、その非球面は、光軸から離れるに従い正の屈折力が弱くなる形状であることを特徴とする請求項1に記載の小型のズームレンズ。
  4. 前記第2群光学系は、物体側から像側へ向かって、順次、物体側に強い屈折面を向けた正レンズ、物体側に凸面を向けたメニスカス状の正レンズ、物体側に凸面を向けたメニスカス状の負レンズ、像側に凸面を向けたメニスカス状の正レンズを配置してなる4つのレンズを含むことを特徴とする請求項1に記載の小型のズームレンズ。
  5. 第M群光学系(M=1〜3)の焦点距離をf、広角端における全系の合成焦点距離をfとするとき、これらが条件;
    (1) 2.62<|f|/F<2.72 (f<0)
    (2) f/f<3.4
    (3) 0.57<f/f<0.65 (f>0,f>0)
    を満足することを特徴とする請求項1に記載の小型のズームレンズ。
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