JP3566838B2 - ズームレンズ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ズームレンズの光学系に係り、特に固体撮像素子を受光素子に用いるディジタルスティルカメラおよびビデオカメラ用のテレセントリック性を有する小型の広角ズームレンズとして好適なズームレンズに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
動画を撮像するいわゆるビデオカメラにおいては、従来から、CCD(電荷結合素子)またはMOS(金属酸化物半導体)等の固体撮像素子が撮像用受光素子として用いられている。さらに、近年、ディジタルスティルカメラ、あるいは単にディジタルカメラ等と称され、被写体像を、固体撮像素子により撮像し、被写体の静止画像(スティル画像)の画像データを得て、IC(集積回路)カードまたはビデオフロッピーディスク等にディジタル的に記録するタイプのカメラの普及が著しい。このディジタルカメラの中には、静止画像のみならず動画像(ムービー画像)をも撮像することができるものもある。
【0003】
ところで、このようなCCD等の固体撮像素子を使用したカメラの光学系には、射出瞳位置が像面から充分に離間していることが要求される。これは、次のような理由による。固体撮像素子の色フィルタが撮像面からやや離れた位置に存在するため、光束が斜めから入射した場合には、実質的な開口効率が低下する。固体撮像素子の周期構造に起因するモアレ現象を防止するための水晶フィルタの実効厚が、軸上と周辺であまり変動しないことが求められる。また、特に最近の高感度型小型固体撮像素子では、撮像面の直前にマイクロレンズアレイを持つものがあり、このような場合にも射出瞳が像面から充分に離間していないと開口効率が周辺で低下する。
【0004】
物体側から像側へ向かって、順次、負の屈折力を有する第1レンズ群、および正の屈折力を有する第2レンズ群を配設して構成され、これら第1レンズ群と第2レンズ群との群の間隔を変化させることにより、変倍を行うズームレンズは、いわゆる2群ズームとしてよく知られている。このような2群ズームの多くは射出瞳位置が像面に近くなり、CCD等の固体撮像素子を用いたカメラに適用するには好ましくない。
そこで、第2レンズ群の後方に、正の屈折力を有する固定レンズ群または移動レンズ群を配置することにより、射出瞳位置を像面から遠ざけることが考えられており、多くのズームレンズが提案されている。このように、第2レンズ群の後方に、正の屈折力を有するレンズ群を配置するようにしたズームレンズの例が、例えば、特公平3−20735号公報、特公平7−52256号公報、および特開平6−94996号公報等に開示されている。
【0005】
しかしながら、特公平3−20735号公報、および特公平7−52256号公報に記載されたズームレンズは、主として一眼レフ(一眼レフレックス)スチルカメラ用に設計されたものである。このため、これら特公平3−20735号公報、および特公平7−52256号公報に記載された構成では、第3レンズ群の正の屈折力は極めて弱く、射出瞳を像面から充分に遠ざけることはできない。また、特開平6−94996号公報に記載されたズームレンズは、射出瞳位置を像面から遠ざけるために、絞り位置を第1レンズ群と第2レンズ群との中間位置に変倍中固定して配置している。このため、第1レンズ群および第2レンズ群の移動に制約を受け、変倍比が2倍弱にとどまっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本出願人は、上述した問題に対処するため、3倍程度の変倍比が得られて、しかも射出瞳位置を像面から充分に離間させることができ、小型のディジタルスチルカメラ等に適する明るい広角ズームレンズを、これまでに提案している。
例えば特願平8−237672号に、そのようなズームレンズの例が記載されている。
しかしながら、これらのズームレンズは、歪曲収差が大きく、広角端で6%程度の歪曲収差が生ずる。このような歪曲収差は、35mm版、いわゆるライカ版の銀塩フィルムを使用する在来のカメラの撮影レンズと比べても大きく、正確な画像を得ることは困難である。
【0007】
一方、最近のディジタルスチルカメラは、高画質化を追求する傾向にあり、画像の歪みの小ささも、高画質化指向のディジタルスティルカメラにおける重要な品質項目の一つとなっている。このため、上述した特願平8−237672号に記載されたズームレンズは、最近の高画質指向のディジタルスチルカメラには不向きであると考えられる。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたもので、3倍またはそれ以上の変倍比を得て、射出瞳位置を像面から充分に離間させることができるとともに、歪曲収差を抑えることができ、しかも小型で収差が少なくディジタルスチルカメラ等に好適な明るい広角ズームレンズとして構成することが可能なズームレンズを提供することを目的としている。
【0008】
特に、本発明の第1の目的は、小型で且つ収差が良好に補正されたズームレンズを提供することにある。
本発明の第2の目的は、特に、少ないレンズ枚数で構成し、且つレンズ外径を小さくするとともに、第2レンズ群で発生する収差を効果的に補正するズームレンズを提供することにある。
本発明の第3の目的は、特に、短焦点距離側で増大する負の歪曲収差を補正し得るズームレンズを提供することにある。
本発明の第4の目的は、特に、球面収差が補正不足となるのを防止し得るズームレンズを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載した本発明に係るズームレンズは、上述した目的、特に第1の目的を達成するために、物体側から像側へ向かって、順次、負の屈折力を有する第1群光学系、正の屈折力を有する第2群光学系および正の屈折力を有する第3群光学系を配設し、
前記第2群光学系の物体側に、ズーミング時に該第2群光学系と一体に移動する開口絞りを設けるとともに、
広角端から望遠端へのズーミングに際し、前記第1群光学系は、光軸上をまず像側へ移動し、途中で移動方向を物体側へ反転することにより、像側に凸の弧状に移動して焦点位置の変動を補正し、前記第2群光学系は、光軸上を物体側へ単調に移動して変倍を行い、そして第3群光学系は、光軸上を先ず物体側へ移動し、途中で移動方向を像側に反転することにより、物体側に凸の弧状に移動して変倍を行い、
第M群光学系(M=1〜3)の焦点距離をf 、広角端における全系の焦点距離をf とするとき、これらが条件:
(1) 2.47<|f |/f <2.61(f <0)
(2) f /f <4.1
(3) 0.52<f /f <0.61(f >0 f >0)
を満足することを特徴としている。
【0010】
請求項2に記載した本発明に係るズームレンズにおける前記第1群光学系は非球面を設けた負レンズを有し、前記第2群光学系非球面を設けた正レンズを有することを特徴としている。
請求項3に記載した本発明に係るズームレンズの前記第1群光学系の非球面を設けた負レンズは、像側のレンズ面が非球面であり、その非球面は、光軸から離れるに従って負の屈折力が弱くなる形状であることを特徴としている。
【0011】
請求項4に記載した本発明に係るズームレンズの前記第2群光学系の非球面を設けた正レンズは、開口絞りに最も近接して配置され、物体側のレンズ面が非球面であり、その非球面は、光軸から離れるに従って正の屈折力が弱くなる形状であることを特徴としている。
請求項5に記載した本発明に係るズームレンズの前記第1群光学系は、物体側から像側に向かって、順次、物体側に凸面を向けたメニスカス状の負レンズ、物体側に凸面を向けたメニスカス状の負レンズ、そして、物体側に凸面を向けたメニスカス状の正レンズを配置してなる3つのレンズを含むことを特徴としている。
請求項6に記載した本発明に係るズームレンズの前記第2群光学系は、物体側から像側に向かって、順次、物体側に強い屈折面を向けた正レンズ、物体側に凸面を向けたメニスカス状の正レンズ、像側に強い屈折面を向けた負レンズ、正レンズ、そして、物体側に凸面を向けたメニスカス状の正レンズを配置してなる5つのレンズを含むことを特徴としている。
【0012】
【作用】
すなわち、本発明に係るズームレンズは、物体側から像側へ向かって、順次、負の屈折力を有する第1群光学系、正の屈折力を有する第2群光学系および正の屈折力を有する第3群光学系を配設し、前記第2群光学系の物体側に、ズーミング時に該第2群光学系と一体に移動する開口絞りを設けるとともに、広角端から望遠端へのズーミングに際し、前記第1群光学系は、光軸上をまず像側へ移動し、途中で移動方向を物体側へ反転することにより、像側に凸の弧状に移動して焦点位置の変動を補正し、前記第2群光学系は、光軸上を物体側へ単調に移動して変倍を行い、そして前記第3群光学系は、光軸上をまず物体側ヘ移動し、途中で移動方向を像側に反転することにより、物体側に凸の弧状に移動して変倍を行い、第M群光学系(M=1〜3)の焦点距離をf 、広角端における全系の合成焦点距離をf とするとき、これらが条件:
(1)2.47<|f |/f <2.61 (f <0)
(2)f /f <4.1
(3)0.52<f /f <0.61 (f >0,f >0)
を満足する構成とする。
【0013】
このような構成により、第3群光学系を往復移動させることによって、第2群光学系のパワー負担を軽減させながら変倍の補助を担わせ、第2群の移動量を少なくして小型で且つ高変倍を実現させることができる。特に、第1群光学系の焦点距離の範囲を条件(1)の範囲とすることによって、小型化し、収差を少なくする。第3群光学系の正の屈折力を条件(2)の範囲とすることによって、射出瞳位置を像面から離間させ、テレセントリック性を持たせる。さらに第2群光学系と第3群光学系との正の屈折力の配分を、条件(3)の範囲とすることによって、少ないレンズ枚数でも、小型で、収差を良好に補正する。
したがって、3倍またはそれ以上の変倍比を得て、射出瞳位置を像面から充分に離間させることができるとともに、歪曲収差を抑えることができ、小型で収差が少なくディジタルスチルカメラ等に好適な明るい広角ズームレンズとして構成することが可能である。
【0014】
また、本発明に係るズームレンズは、前記第1群光学系が、物体側から像側へ向かって、順次、物体側に凸面を向けたメニスカス状の負レンズ、物体側に凸面を向けたメニスカス状の負レンズ、そして物体側に凸面を向けたメニスカス状の正レンズを配置してなる3つのレンズを有し、且つ前記第2群光学系が、物体側から像側へ向かって、順次、物体側に強い屈折面を向けた正レンズ、物体側に凸面を向けたメニスカス状の正レンズ、像側に強い屈折面を向けた負レンズ、正レンズ、そして物体側に凸面を向けたメニスカス状の正レンズを配置してなる5つのレンズを有する構成とする。
このような構成により、特に、少ないレンズ枚数で構成し、且つレンズ外径を小さくするとともに、第2群光学系で発生する収差を効果的に補正する。
【0015】
本発明に係るズームレンズは、前記第1群光学系の3つのレンズのうちの物体側から2番目に位置するメニスカス状の負レンズの像側のレンズ面を、光軸から離れるに従い負の屈折力が弱くなる形状の非球面として構成する。
このような構成により、特に、短焦点距離側で増大する負の歪曲収差を有効に補正する。
本発明に係るズームレンズは、前記第2群光学系の5つのレンズのうちの最も物体側にある正レンズの物体側のレンズ面を、光軸から離れるに従い正の屈折力が弱くなる形状の非球面として構成する。
このような構成により、特に、球面収差が補正不足となるのを防止する。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、実施の形態に基づき、図面を参照して本発明のズームレンズを詳細に説明する。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係るズームレンズの構成を示している。図1の(a)は、該ズームレンズをズーミングの広角端に設定した状態におけるレンズ構成を示し、図1の(b)は、該ズームレンズをズーミングの望遠端に設定した状態におけるレンズ構成を示している。
【0017】
図1に示すズームレンズは、被写体、すなわち物体側から像側に向かって、順次、第1群光学系である第1レンズ群G1、第2群光学系である第2レンズ群G2および第3群光学系である第3レンズ群G3が配置されている。
第1レンズ群G1は、3枚のレンズL1、L2およびL3で構成され、第2レンズ群G2は、5枚のレンズL4、L5、L6、L7およびL8で構成され、そして第3レンズ群G3は、1枚のレンズL9で構成されている。
第2レンズ群G2の物体側、すなわち第1レンズ群G1との間には、開口絞りSが配置されている。第3レンズ群G3のさらに像側には、像面との間に、ローパスフィルタ(LPF)L10および赤外光カットフィルタ(IRCF)L11が組み合わされてなるフィルタFが設けられている。すなわち、光学素子L1〜L9はレンズであり、光学素子L10およびL11は光学フィルタである。
【0018】
レンズL1〜L3からなる第1レンズ群G1は、負の屈折力を有する。レンズL4〜L8からなる第2レンズ群G2は、正の屈折力を有する。レンズL9からなる第3レンズ群G3は、正の屈折力を有する。
第1レンズ群G1は、広角端から望遠端ヘのズーミングに際して、光軸上をまず像側ヘ移動し、途中から移動方向を反転して物体側に移動する。第1レンズ群G1は、このように、像側に凸の弧状の軌跡を描いて移動することにより、広角端から望遠端ヘのズーミングに際しての、焦点位置の変動を補正する。
【0019】
第2レンズ群G2は、広角端から望遠端ヘのズーミングに際して、光軸上を物体側に単調に移動する。第3レンズ群G3は、広角端から望遠端ヘのズーミングに際して、光軸上をまず物体側ヘ移動し、途中から移動方向を反転して像側に移動する。第3レンズ群G3は、このように、物体側に凸の弧状の軌跡を描いて移動する。これら第2レンズ群G2および第3レンズ群G3の移動による変倍動作により、広角端から望遠端ヘのズーミングが行われる。
このように、第3レンズ群G3を、物体側に凸の弧状に往復移動させることにより、第2レンズ群G2のパワー負担を軽減させながら変倍の補助を担わせて、第2レンズ群G2の移動量を少なくして、小型で且つ高変倍を実現させることを可能としている。
【0020】
第2レンズ群G2の物体側に位置する開口絞りSは、第2レンズ群G2と一体に移動する。したがって、開口絞りSにより第2レンズ群G2の移動が妨げられることはない。
上記第1〜第3レンズ群G1〜G3は、第1レンズ群G1の焦点距離をf 、第2レンズ群G2の焦点距離をf 、そして第3レンズ群G3の焦点距離をf 、すなわち第Mレンズ群(M=1〜3)の焦点距離をf とし、広角端における全系の合成焦点距離f とするとき、次の各条件を満足するように構成される。
【0021】
条件(1):
2.47<|f |/f <2.61 (f <0)
条件(2)
/f <4.1
条件(3)
0.52<f /f <0.61 (f >0,f >0)
条件(1)は、ズームレンズを小型化し、収差を良好に補正するための第1レンズ群G1の焦点距離f の範囲を規制する条件である。条件(1)の下限未満では、レンズ全系の小型化には有利であるが、第1レンズ群G1の負の屈折力が強くなりすぎて、球面収差等の諸収差が悪化するので、好ましくない。また、条件(1)の上限を超えると、収差は良好に補正することができるが、レンズ全系を小型化することが困難になる。
【0022】
条件(2)は、第3レンズ群G3の正の屈折力を規制する条件である。条件(2)の上限を超えると、第3レンズ群G3の正の屈折力が不充分となって、射出瞳位置が像面に近づき、テレセントリック性が失われる。
条件(3)は、共に正の屈折力を有する第2レンズ群G2と第3レンズ群G3との屈折力の配分を規制する条件である。この条件(3)は、第2レンズ群G2および第3レンズ群G3を少ない構成枚数として、しかも小型化を容易にし、なおかつ収差を良好に補正するためのものである。
【0023】
条件(3)の下限未満では、第3レンズ群G3の屈折力が不充分となって、該第3レンズ群G3の効果が減少し、第3レンズ群G3の屈折力を補うために、第2レンズ群G2の屈折力負担が過大となるため、球面収差が悪化し、像の平坦性も悪くなるので好ましくない。
条件(3)の上限を超えると、第3レンズ群G3の屈折力負担が大きいため、第2レンズ群G2群の屈折力負担が軽減され、球面収差は良好となり、像の平坦性も良好となるが、第1レンズ群G1の負の屈折力および第2レンズ群G2の正の屈折力双方が弱くなる傾向にも合致し、全系の小型化の達成が困難となる。
【0024】
図1に示すように、第1レンズ群G1は、物体側に凸面を向けたメニスカス状の負レンズL1、物体側に凸面を向けたメニスカス状の負レンズL2、および物体側に凸面を向けたメニスカス状の正レンズL3で構成され、これら3枚のレンズL1〜L3を、物体側から像面側に向かって、順次、L1−L2−L3の順で配置している。
また、第2レンズ群G2は、物体側に強い屈折面を向けた正レンズL4、物体側に凸面を向けたメニスカス状の正レンズL5、像側に強い屈折面を向けた負レンズL6、正レンズL7、および物体側に凸面を向けたメニスカス状の正レンズL8で構成され、これら5枚のレンズL4〜L8を物体側から像側に向かって、順次、L4−L5−L6−L7−L8の順で配置している。
【0025】
少ないレンズ枚数で構成し、しかも、レンズ外径を小さくするために、第1レンズ群G1を構成する負のレンズL1およびL2を物体側に配置している。そして、第2レンズ群G2で発生する球面収差、コマ収差、および非点収差を補正するために、まず、2枚の正レンズL4およびL5で球面収差の発生を極力抑えて全体として正の屈折力を得て、それに続いて負レンズL6で補正過剰とし、さらに続く2枚の正レンズL7およびL8で各収差の画角差を平均化する。
第1レンズ群G1の物体側から2番目に配置されるメニスカス状の負レンズL2は、像側のレンズ面を、光軸から離れるに従って負の屈折力が弱くなる形状の非球面に形成している。
【0026】
このように、第1レンズ群G1の物体側から2番目のメニスカス状の負レンズL2の像側のレンズ面が、光軸から離れるに従って負の屈折力が弱くなる形状の非球面を形成することによって、特に短焦点距離側で増大する負の歪曲収差を補正している。
第2レンズ群G2の最も物体側に配置される正レンズL4は、物体側のレンズ面を、光軸から離れるに従って正の屈折力が弱くなる形状の非球面に形成している。
このように、第2レンズ群G2の最も物体側にある正レンズL4の物体側のレンズ面が、光軸から離れるに従って正の屈折力が弱くなる形状の非球面を形成することによって、主として球面収差が補正不足となるのを防止している。
【0027】
次に、上述した第1の実施の形態に係る実施例1のズームレンズの具体的なデータを表1〜表3に示す。表1は、ズームレンズを構成する光学系のレンズデータであり、表2は、非球面のデータであり、表3は、可変部分の可変量のデータである。
このズームレンズは、全系の焦点距離をf、FナンバをF/No. 、半画角をω、および像高をY′としたとき、それぞれf=5.6〜16.8mm、F/No. =2.8〜5.1、ω=32.3〜11.7deg 、Y′=3.47である。
【0028】
光学系を構成する光学面の物体側からの面番号をi、各光学面の曲率半径をr 、後続の光学面(像側に隣接する光学面)との面間隔をd 、光学素子番号をj[すなわち各光学素子はL (j=1〜11の自然数)であらわされる]、光学素子L の光学材料の屈折率をn 、および光学素子L の光学材料のアッベ数をν として、ズームレンズを構成する光学系のレンズデータを表1に示す。
【0029】
【表1】
Figure 0003566838
【0030】
表1において曲率半径r を「0.000 」と表記したのは、曲率半径r が無限大(∞)であることを意味し、当該光学面が平面であることを示している。
したがって、フィルタFを構成する光学素子L10およびL11の両面は、平面であり、これら両光学素子L10およびL11は密に接合されている。
表1における第4光学面および第8光学面、すなわち第1レンズ群G1の物体側から2番目に配置されるメニスカス状の負レンズL2の像側のレンズ面r および第2レンズ群G2の最も物体側に配置される正レンズL4の物体側のレンズ面r を、非球面としている。
非球面は、周知のごとく光軸に合致させてZ座標軸を、光軸に直交させてY座標をとるとき、光軸上の曲率半径をr、円錐定数をK、高次の非球面係数をA、B、およびCとして、数1であらわされる曲線を光軸の回りに回転させて得られる曲面である。
【0031】
【数1】
Figure 0003566838
すなわち、非球面は、数1の非球面の式に、光軸上の曲率半径r、円錐定数K、および高次の非球面係数A、B、およびCの各パラメータを与えて定義することにより、形状を特定する。
【0032】
したがって、表1における第4光学面、つまり第1レンズ群G1の物体側から2番目に配置されるメニスカス状の負レンズL2の像側のレンズ面r 、および表1における第8光学面、つまり第2レンズ群G2の最も物体側に配置される正レンズL4の物体側のレンズ面r は、表2に示す光軸上の曲率半径r ,r 、円錐定数K、および高次の非球面係数A、B、およびCの各パラメータで定義される非球面に形成される。
【0033】
【表2】
Figure 0003566838
【0034】
表1において、面間隔d を「可変」とした第6光学面r 、第17光学面r17および第19光学面r19の次の(面番号の)光学面との面間隔は、全系の焦点距離fが5.60mmの広角端、焦点距離fが9.70mmの中間焦点距離、および焦点距離fが16.79mmの望遠端において、表3に示されるように変化する。
【0035】
【表3】
Figure 0003566838
【0036】
この場合の、広角端におけるレンズ全長、すなわち光学系の第1光学面から像面までの距離は、42.1mmである。
図2〜図4に、この実施例1における収差図を示す。このうち、図2は広角端、図3は中間焦点距離、そして図4は望遠端における収差図である。
なお、収差図において、SAは球面収差、SCは正弦条件、Astは非点収差、そしてDistは歪曲収差を示している。各収差図における「d」はd線に対する収差を示し、「g」はg線に対する収差を示している。球面収差図においては、球面収差を実線で、正弦条件を破線でそれぞれ示し、非点収差図においては、サジタル光線を実線、メリディオナル光線を破線でそれぞれ示している。
図2〜図4によれば、ズーム域における広角端、中間焦点距離および望遠端のいずれにおいても収差は良好に補正されており、性能良好であることが確認された。
【0037】
図5は、本発明の第2の実施の形態に係るズームレンズの要部の構成を示している。
図5の(a)は、該ズームレンズをズーミングの広角端に設定した状態におけるレンズ構成を示し、図5の(b)は、該ズームレンズをズーミングの望遠端に設定した状態におけるレンズ構成を示している。
図5に示すズームレンズは、被写体すなわち物体側から像側に向かって、順次、第1群光学系である第1レンズ群G1′、第2群光学系である第2レンズ群G2′および第3群光学系である第3レンズ群G3′が配置されている。
【0038】
第1レンズ群G1′は、3枚のレンズL1′、L2′およびL3′で構成され、第2レンズ群G2′は、5枚のレンズL4′、L5′、L6′、L7′およびL8′で構成され、そして第3レンズ群G3′は1枚のレンズL9′で構成されている。
第2レンズ群G2′の物体側、すなわち第1レンズ群G1′との間には、開口絞りSが配置されている。第3レンズ群G3′のさらに像側には、像面との間に、ローパスフィルタL10′および赤外光カットフィルタL11′が組み合わされてなるフィルタFが設けられている。すなわち、光学素子L1′〜L9′はレンズであり、光学素子L10′およびL11′は光学フィルタである。
【0039】
レンズL1′〜L3′からなる第1レンズ群G1′は、負の屈折力を有する。レンズL4′〜L8′からなる第2レンズ群G2′は、正の屈折力を有する。レンズL9′からなる第3レンズ群G3′は、正の屈折力を有する。
第1レンズ群G1′は、広角端から望遠端ヘのズーミングに際して、光軸上をまず像側ヘ移動し、途中から移動方向を反転して物体側に移動する。第1レンズ群G1′は、このように、像側に凸の弧状の軌跡を描いて移動することにより、広角端から望遠端ヘのズーミングに際しての、焦点位置の変動を補正する。
【0040】
第2レンズ群G2′は、広角端から望遠端ヘのズーミングに際して、光軸上を物体側に単調に移動する。第3レンズ群G3′は、広角端から望遠端ヘのズーミングに際して、光軸上をまず物体側ヘ移動し、途中から移動方向を反転して像側に移動する。第3レンズ群G3′は、このように、物体側に凸の弧状の軌跡を描いて移動する。これら第2レンズ群G2′および第3レンズ群G3′の移動による変倍動作により、広角端から望遠端ヘのズーミングが行われる。
このように、第3レンズ群G3′を、物体側に凸の弧状に往復移動させることにより、第2レンズ群G2′のパワー負担を軽減させながら変倍の補助を担わせて、第2レンズ群G2′の移動量を少なくして、小型で且つ高変倍を実現させることを可能としている。
【0041】
第2レンズ群G2′の物体側に位置する開口絞りSは、第2レンズ群G2′と一体に移動する。したがって、開口絞りSにより第2レンズ群G2′の移動が妨げられることはない。
上記第1〜第3レンズ群G1′〜G3′は、第1の実施の形態の場合と同様に、第Mレンズ群(M=1〜3)の焦点距離をf とし、広角端における全系の合成焦点距離f とするとき、上述した条件(1)〜(3)を満足するように構成される。
【0042】
図5に示すように、第1レンズ群G1′は、物体側に凸面を向けたメニスカス状の負レンズL1′、物体側に凸面を向けたメニスカス状の負レンズL2′、および物体側に凸面を向けたメニスカス状の正レンズL3′で構成され、これら3枚のレンズL1′〜L3′を、物体側から像面側に向かって、順次、L1′−L2′−L3′の順で配置している。
また、第2レンズ群G2′は、物体側に強い屈折面を向けた正レンズL4′、物体側に凸面を向けたメニスカス状の正レンズL5′、像側に強い屈折面を向けた負レンズL6′、正レンズL7′、および物体側に凸面を向けたメニスカス状の正レンズL8′で構成され、これら5枚のレンズL4′〜L8′を物体側から像側に向かって、順次、L4′−L5′−L6′−L7′−L8′の順で配置している。
【0043】
第1レンズ群G1′の物体側から2番目に配置されるメニスカス状の負レンズL2′は、像側のレンズ面を、光軸から離れるに従って負の屈折力が弱くなる形状の非球面に形成している。
第2レンズ群G2′の最も物体側に配置される正レンズL4′は、物体側のレンズ面を、光軸から離れるに従って正の屈折力が弱くなる形状の非球面に形成している。
【0044】
尚、図5(a),(b)において、レンズL1′〜L9′およびフィルタF′の各面の曲率半径および面間隔の符号については、図示を省略したが、図1(a),(b)において付した符号r 〜r22およびd 〜d21と共通であるものとする。
次に、上述した第2の実施の形態に係る実施例2のズームレンズの具体的なデータを表4〜表6に示す。表4は、ズームレンズを構成する光学系のレンズデータであり、表5は非球面のデータであり、表6は可変部分の可変量のデータである。
【0045】
【表4】
Figure 0003566838
【0046】
表4における第4光学面、つまり第1レンズ群G1′の物体側から2番目に配置されるメニスカス状の負レンズL2′の像側のレンズ面r 、および表4における第8光学面、つまり第2レンズ群G2′の最も物体側に配置される正レンズL4′の物体側のレンズ面r は、表5に示す光軸上の曲率半径r、円錐定数K、および高次の非球面係数A、B、およびCの各パラメータで定義される非球面に形成される。
【0047】
【表5】
Figure 0003566838
表1において、面間隔d を「可変」とした第6光学面r 、第17光学面r17および第19光学面r19の次の(面番号の)光学面r ,r18およびr20との面間隔は、全系の焦点距離fが5.60mmの広角端、焦点距離fが9.70mmの中間焦点距離、および焦点距離fが16.80mmの望遠端において、表6に示されるように変化する。
【0048】
【表6】
Figure 0003566838
この場合も、広角端におけるレンズ全長、すなわち光学系の第1光学面r から像面までの距離は、42.1mmである。
【0049】
図6〜図8に、この第2の実施の形態における収差図を示す。
このうち、図6は広角端、図7は中間焦点距離、そして図8は望遠端における収差図である。
図6〜図8によれば、ズーム域における広角端、中間焦点距離および望遠端のいずれにおいても収差は良好に補正されており、性能良好であることが確認された。
図9は、本発明の第3の実施の形態に係るズームレンズの要部の構成を示している。図9の(a)は、該ズームレンズをズーミングの広角端に設定した状態におけるレンズ構成を示し、図9の(b)は、該ズームレンズをズーミングの望遠端に設定した状態におけるレンズ構成を示している。
【0050】
図9に示すズームレンズは、被写体すなわち物体側から像側に向かって、順次、第1群光学系である第1レンズ群G1″、第2群光学系である第2レンズ群G2″および第3群光学系である第3レンズ群G3″が配置されている。
第1レンズ群G1″は、3枚のレンズL1″、L2″およびL3″で構成され、第2レンズ群G2″は、5枚のレンズL4″、L5″、L6″、L7″およびL8″で構成され、そして第3レンズ群G3″は1枚のレンズL9″で構成されている。
【0051】
第2レンズ群G2″の物体側、すなわち第1レンズ群G1″との間には、開口絞りSが配置されている。第3レンズ群G3″のさらに像側には、像面との間に、ローパスフィルタL10″および赤外光カットフィルタL11″が組み合わされてなるフィルタFが設けられている。すなわち、光学素子L1″〜L9″はレンズであり、光学素子L10″およびL11″は光学フィルタである。
レンズL1″〜L3″からなる第1レンズ群G1″は、負の屈折力を有する。レンズL4″〜L8″からなる第2レンズ群G2″は、正の屈折力を有する。レンズL9″からなる第3レンズ群G3″は、正の屈折力を有する。
【0052】
第1レンズ群G1″は、広角端から望遠端ヘのズーミングに際して、光軸上をまず像側ヘ移動し、途中から移動方向を反転して物体側に移動する。第1レンズ群G1″は、このように、像側に凸の弧状の軌跡を描いて移動することにより、広角端から望遠端ヘのズーミングに際しての、焦点位置の変動を補正する。
第2レンズ群G2″は、広角端から望遠端ヘのズーミングに際して、光軸上を物体側に単調に移動する。第3レンズ群G3″は、広角端から望遠端ヘのズーミングに際して、光軸上をまず物体側ヘ移動し、途中から移動方向を反転して像側に移動する。第3レンズ群G3″は、このように、物体側に凸の弧状の軌跡を描いて移動する。これら第2レンズ群G2″および第3レンズ群G3″の移動による変倍動作により、広角端から望遠端ヘのズーミングが行われる。
【0053】
このように、第3レンズ群G3″を、物体側に凸の弧状に往復移動させることにより、第2レンズ群G2″のパワー負担を軽減させながら変倍の補助を担わせて、第2レンズ群G2″の移動量を少なくして、小型で且つ高変倍を実現させることを可能としている。
第2レンズ群G2″の物体側に位置する開口絞りSは、第2レンズ群G2″と一体に移動する。したがって、開口絞りSにより第2レンズ群G2″の移動が妨げられることはない。
上記第1〜第3レンズ群G1″〜G3″は、第1および第2の実施の形態の場合と同様に、第Mレンズ群(M=1〜3)の焦点距離をf とし、広角端における全系の合成焦点距離f とするとき、上述した条件(1)〜(3)を満足するように構成される。
【0054】
図9に示すように、第1レンズ群G1″は、物体側に凸面を向けたメニスカス状の負レンズL1″、物体側に凸面を向けたメニスカス状の負レンズL2″、および物体側に凸面を向けたメニスカス状の正レンズL3″で構成され、これら3枚のレンズL1″〜L3″を、物体側から像面側に向かって、順次、L1″−L2″−L3″の順で配置している。
また、第2レンズ群G2″は、物体側に強い屈折面を向けた正レンズL4″、物体側に凸面を向けたメニスカス状の正レンズL5″、像側に強い屈折面を向けた負レンズL6″、正レンズL7″、および物体側に凸面を向けたメニスカス状の正レンズL8″で構成され、これら5枚のレンズL4″〜L8″を物体側から像側に向かって、順次、L4″−L5″−L6″−L7″−L8″の順で配置している。
【0055】
第1レンズ群G1″の物体側から2番目に配置されるメニスカス状の負レンズL2″は、像側のレンズ面r を、光軸から離れるに従って負の屈折力が弱くなる形状の非球面に形成している。
第2レンズ群G2″の最も物体側に配置される正レンズL4″は、物体側のレンズ面r を、光軸から離れるに従って正の屈折力が弱くなる形状の非球面に形成している。
【0056】
尚、図6(a),(b)において、レンズL1″〜L9″およびフィルタF″の各面の曲率半径および面間隔の符号については、図示は省略したが、図1(a),(b)において付した符号r 〜r22およびd 〜d21と共通であるものとする。
次に、上述した第3の実施の形態に係る実施例3のズームレンズの具体的なデータを表7〜表9に示す。表7は、ズームレンズを構成する光学系のレンズデータであり、表8は非球面のデータであり、表9は可変部分の可変量のデータである。
【0057】
【表7】
Figure 0003566838
【0058】
表7における第4光学面、つまり第1レンズ群G1″の物体側から2番目に配置されるメニスカス状の負レンズL2″の像側のレンズ面r 、および表7における第8光学面、つまり第2レンズ群G2″の最も物体側に配置される正レンズL4″の物体側のレンズ面r は、表8に示す光軸上の曲率半径r、円錐定数K、および高次の非球面係数A、B、およびCの各パラメータで定義される非球面に形成される。
【0059】
【表8】】
Figure 0003566838
表7において、面間隔d を「可変」とした第6光学面r 、第17光学面r17および第19光学面r19の次の(面番号の)光学面r ,r18およびr20との面間隔は、全系の焦点距離fが5.60mmの広角端、焦点距離fが9.70mmの中間焦点距離、および焦点距離fが16.81mmの望遠端において、表9に示されるように変化する。
【0060】
【表9】
Figure 0003566838
この場合は、広角端におけるレンズ全長、すなわち光学系の第1光学面r から像面までの距離は、42.0mmである。
【0061】
図10〜図12に、この実施例3における収差図を示す。図10は広角端、図11は中間焦点距離、そして図12は望遠端における収差図である。図10〜図12によれば、ズーム域における広角端、中間焦点距離および望遠端のいずれにおいても収差は良好に補正されており、性能良好であることが確認された。
上述した実施例1〜実施例3における各パラメータ|f |/f 、f /f 、f /f 、および像高比:1.0における広角端での歪曲収差D (1.0 )を表10に示す。
【0062】
【表10】
Figure 0003566838
上述のように、本発明の第1〜第3の実施の形態によれば、変倍比が3倍で射出瞳位置を像面から充分に離間させて、しかも小型で且つ収差が良好に補正され、さらに、歪曲収差を2%以下に抑えたズームレンズとすることができる。このようなズームレンズは、ディジタルスティルカメラ等に好適な明るい広角ズームレンズとして構成することができる。
【0063】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明の請求項1によれば、物体側から像側へ向かって、順次、負の屈折力を有する第1群光学系、正の屈折力を有する第2群光学系および正の屈折力を有する第3群光学系を配設し、前記第2群光学系の物体側に、ズーミング時に該第2群光学系と一体に移動する開口絞りを設けるとともに、広角端から望遠端へのズーミングに際し、前記第1群光学系は、光軸上をまず像側へ移動し、途中で移動方向を物体側へ反転することにより、像側に凸の弧状に移動して焦点位置の変動を補正し、前記第2群光学系は、光軸上を物体側へ単調に移動して変倍を行い、そして前記第3群光学系は、光軸上をまず物体側へ移動し、途中で移動方向を像側に反転することにより、物体側に凸の弧状に移動して変倍を行い、
第M群光学系(M=1〜3)の焦点距離をf 、広角端における全系の焦点距離をf とするとき、これらが条件:
(1) 2.47<|f |/f <2.61(f <0)
(2) f /f <4.1
(3) 0.52<f /f <0.61(f >0 f >0)
を満足する構成とすることにより、3倍またはそれ以上の変倍比を得て、射出瞳位置を像面から充分に離間させることができるとともに、歪曲収差を抑えることができ、しかも小型で収差が少なくディジタルスチルカメラ等に好適な明るい広角ズームレンズとして構成することが可能で、特に、小型で且つ収差が良好に補正されたズームレンズを提供することができる。
特に、請求項1において、第3群光学系を物体側に凸の弧状に往復動させることによって、第2群光学系のパワー負担を軽減させながら変倍の補助を担わせ、第2群の移動量を少なくして小型で且つ高変倍を実現させることができ、また、特に、第2群光学系の物体側に、ズーミング時に第2群光学系と一体に移動する開口絞りを設けたので、開口絞りにより第2群光学系の移動が妨げられることがなく、さらに特に、広角端から望遠端へのズーミングに際して第1群光学系を像側に凸の弧状の軌跡を描いて移動することにより、ズーミングに際しての、焦点位置の変動を補正することができる
特に(1)式により、小型化し、収差を良好に補正することができ、(2)式により射出瞳位置を像面から離しつつテレセントリック性を失わないようにすることができ、(3)式により球面収差を抑えると共に像の平坦性も良好となり、全系の小型化を達成することができる。
【0064】
本発明の請求項2のズームレンズによれば、前記第1群光学系は非球面を設けた負レンズを有し、前記第2群光学系非球面を設けた正レンズを有する構成としたので、上記請求項1の発明の効果をより確実に達成することができる。
【0065】
本発明の請求項3のズームレンズによれば、前記第1群光学系の非球面を設けた負レンズは、像側のレンズ面が非球面であり、その非球面は、光軸から離れるに従って負の屈折力が弱くなる形状としたので、特に、短焦点距離側で増大する負の歪曲収差を有効に補正することができる。
本発明の請求項4のズームレンズによれば、前記第2群光学系の非球面を設けた正レンズは、開口絞りに最も近接して配置され、物体側のレンズ面が非球面であり、その非球面は、光軸から離れるに従って正の屈折力が弱くなる形状としたので、特に球面収差が補正不足となることを防止することができる。
本発明の請求項5のズームレンズによれば、前記第1群光学系は、物体側から像側に向かって、順次、物体側に凸面を向けたメニスカス状の負レンズ、物体側に凸面を向けたメニスカス状の負レンズ、そして、物体側に凸面を向けたメニスカス状の正レンズを配置してなる3つのレンズを含めて構成したので、特に、少ないレンズ枚数で構成でき、レンズ外径を小さくすることができる。
本発明の請求項6のズームレンズによれば、前記第2群光学系は、物体側から像側に向かって、順次、物体側に強い屈折面を向けた正レンズ、物体側に凸面を向けたメニスカス状の正レンズ、像側に強い屈折面を向けた負レンズ、正レンズ、そして、物体側に凸面を向けたメニスカス状の正レンズを配置してなる5つのレンズを含む構成としたので、特に、少ないレンズ枚数で構成し、且つレンズ外形小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るズームレンズの光学系の配置構成を模式的に示す光学系配置図である。
【図2】図1のズームレンズの広角端における球面収差、非点収差および歪曲収差を示す収差図である。
【図3】図1のズームレンズの中間焦点距離における球面収差、非点収差および歪曲収差を示す収差図である。
【図4】図1のズームレンズの望遠端における球面収差、非点収差および歪曲収差を示す収差図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態に係るズームレンズの光学系の配置構成を模式的に示す光学系配置図である。
【図6】図5のズームレンズの広角端における球面収差、非点収差および歪曲収差を示す収差図である。
【図7】図5のズームレンズの中間焦点距離における球面収差、非点収差および歪曲収差を示す収差図である。
【図8】図5のズームレンズの望遠端における球面収差、非点収差および歪曲収差を示す収差図である。
【図9】本発明の第3の実施の形態に係るズームレンズの光学系の配置構成を模式的に示す光学系配置図である。
【図10】図9のズームレンズの広角端における球面収差、非点収差および歪曲収差を示す収差図である。
【図11】図9のズームレンズの中間焦点距離における球面収差、非点収差および歪曲収差を示す収差図である。
【図12】図9のズームレンズの望遠端における球面収差、非点収差および歪曲収差を示す収差図である。
【符号の説明】
G1,G1′,G1″ 第1レンズ群
G2,G2′,G2″ 第2レンズ群
G3,G3′,G3″ 第3レンズ群
S 開口絞り
F,F′,F″ フィルタ
L1〜L11,L1′〜L11′,L1″〜L11″ 光学素子
L1〜L9,L1′〜L9′,L1″〜L9″ レンズ
L10,L10′,L10″,L11,L11′,L11″ 光学フィルタ

Claims (6)

  1. 物体側から像側へ向かって、順次、負の屈折力を有する第1群光学系、正の屈折力を有する第2群光学系および正の屈折力を有する第3群光学系を配設し、
    前記第2群光学系の物体側に、ズーミング時に該第2群光学系と一体に移動する開口絞りを設けるとともに、
    広角端から望遠端へのズーミングに際し、前記第1群光学系は、光軸上をまず像側へ移動し、途中で移動方向を物体側へ反転することにより、像側に凸の弧状に移動して焦点位置の変動を補正し、前記第2群光学系は、光軸上を物体側へ単調に移動して変倍を行い、そして第3群光学系は、光軸上を先ず物体側へ移動し、途中で移動方向を像側に反転することにより、物体側に凸の弧状に移動して変倍を行い、
    第M群光学系(M=1〜3)の焦点距離をf 、広角端における全系の焦点距離をf とするとき、これらが条件:
    (1) 2.47<|f |/f <2.61(f <0)
    (2) f /f <4.1
    (3) 0.52<f /f <0.61(f >0 f >0)
    を満足することを特徴とするズームレンズ。
  2. 記第1群光学系は非球面を設けた負レンズを有し、前記第2群光学系は非球面を設けた正レンズを有することを特徴とする請求項1に記載のズームレンズ。
  3. 前記第1群光学系の非球面を設けた負レンズは、像側のレンズ面が非球面であり、その非球面は、光軸から離れるに従って負の屈折力が弱くなる形状であることを特徴とする請求項に記載のズームレンズ。
  4. 前記第2群光学系の非球面を設けた正レンズは、開口絞りに最も近接して配置され、物体側のレンズ面が非球面であり、その非球面は、光軸から離れるに従って正の屈折力が弱くなる形状であることを特徴とする請求項に記載のズームレンズ。
  5. 前記第1群光学系は、物体側から像側に向かって、順次、物体側に凸面を向けたメニスカス状の負レンズ、物体側に凸面を向けたメニスカス状の負レンズ、そして、物体側に凸面を向けたメニスカス状の正レンズを配置してなる3つのレンズを含むことを特徴とする請求項1に記載のズームレンズ。
  6. 前記第2群光学系は、物体側から像側に向かって、順次、物体側に強い屈折面を向けた正レンズ、物体側に凸面を向けたメニスカス状の正レンズ、像側に強い屈折面を向けた負レンズ、正レンズ、そして、物体側に凸面を向けたメニスカス状の正レンズを配置してなる5つのレンズを含むことを特徴とする請求項1に記載のズームレンズ。
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