JP4285957B2 - ズームレンズ及びそれを有する電子撮像装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ズームレンズ及びそれを有する電子撮像装置に関し、特にズームレンズ等の光学系部分の工夫により奥行き方向の薄型化を実現した、ビデオカメラやデジタルカメラを始めとする電子撮像装置及びそれに用いるズームレンズに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、銀塩35mmフィルム(135フォーマット)カメラに代わる次世代カメラとしてデジタルカメラ(電子カメラ)が注目されてきている。さらに、それは業務用高機能タイプからポータブルな普及タイプまで幅広い範囲でいくつものカテゴリーを有するようになってきている。
本発明においては、特にポータブルな普及タイプのカテゴリーに注目し、高画質を確保しながら奥行きが薄く使い勝手の良好なビデオカメラ、デジタルカメラを実現する技術を提供することをねらっている。
【0003】
カメラの奥行き方向を薄くするのに最大のネックとなっているのは、光学系、特にズームレンズ系の最も物体側の面から撮像面までの厚みである。
最近におけるカメラボディ薄型化技術の主流は、撮影時には光学系がカメラボディ内から突出しているが、携帯時には収納するいわゆる沈胴式鏡筒を採用することである。
沈胴式鏡筒を採用して効果的に薄型化できる可能性を有する光学系の例としては、特開平11−194274号公報、特開平11−287953号公報、特開2000‐9997号公報等に記載のものがある。これらは、物体側から順に、負の屈折力を有する第1群と、正の屈折力を含む第2群を有し、第1群、第2群共に変倍時には移動する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、沈胴式鏡筒を採用するとレンズ収納状態から使用状態に立ち上げるための時間が掛かり使い勝手上好ましくない。また、最も物体側のレンズ群を可動とすると、防水・防塵上好ましくない。
【0005】
そこで、最近では、沈胴式鏡筒に見られるようなカメラの使用状態への立ち上げ時間(レンズのせり出し時間)がなく、防水・防塵上も好ましい電子撮像装置が提案されている。この電子撮像装置の光学系は、奥行き方向が極めて薄い形状とするために光学系の光路(光軸)をミラーやプリズムなど反射光学素子で折り曲げる構成をとっている。具体的には、最も物体側のレンズ群を位置固定レンズ群とし、その中に前記反射光学素子を設けている。そして、以降の光路はカメラボディの縦あるいは横方向に折り曲げ、奥行き方向の寸法を極力薄くしたものである。
【0006】
しかしながら、この場合、ある程度の画角を確保するために反射光学素子の直前に負レンズ系を配置している。従って、どうしてもその負レンズの厚み分だけは奥行き寸法が厚くなってしまう。
【0007】
本発明は従来技術のこのような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、沈胴式鏡筒に見られるようなカメラの使用状態への立ち上げ時間(レンズのせり出し時間)がなく、防水・防塵上も好ましいズームレンズ及びそれを有する電子撮像装置を提供することである。奥行き方向が極めて薄い形状とするにあたって、光学系の光路(光軸)を折り曲げる構成がとりやすいズームレンズ及びそれを有する電子撮像装置を提供することである。また、ズーム比、画角、F値、少ない収差など高い光学仕様性能を有する奥行き方向が極めて薄いズームレンズ及びそれを有する電子撮像装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本第1の発明によるズームレンズは、最も物体側に光路を折り曲げるための反射面を含むプリズムを有し変倍時固定である第1レンズ群と、少なくともその像側に少なくとも2つの正レンズ群を有し、変倍時に各々の相対的間隔が変化するズームレンズであって、前記プリズムへの光路入射面が物体側に凹面であり光軸から離れるに従って発散性が弱まる非球面であって、前記非球面が、以下の式により定義され、
z = (y 2 /r)/[1+{1−(1+K)(y/r) 2 1/2
+A 4 4 +A 6 6 +A 8 8 +A 10 10
かつ、前記非球面の形状が、以下の条件式(1−1)を満足するように構成されていることを特徴としている。
0.04 ≦ ASP11/fw ≦ 0.3 ・・・(1−1)
但し、zは光軸方向、yは光軸に直交する方向、Kは円錐係数、A 4 、A 6 、A 8 、A 10 は非球面係数であり、ASP11は前記プリズムの光路入射面の光軸からの高さh11において基準球面(光軸上の曲率と同じ球面)に対する非球面の光軸方向に測った偏倚量(像側への偏倚を正とする)、fwは広角端における全系の焦点距離であり、前記高さh11はωwを広角端での最大像高に対応した半画角とすると以下の式で表わされるものである。
h11 = 2・fw・tanωw
また、上記目的を達成するために、本第2の発明によるズームレンズは、最も物体側に光路を折り曲げるための反射面を含むプリズムを有し変倍時固定である第1レンズ群と、少なくともその像側に少なくとも2つの正レンズ群を有し、変倍時に各々の相対的間隔が変化するズームレンズであって、前記プリズムへの光路入射面が物体側に凹面であり光軸から離れるに従って発散性が弱まる非球面であって、前記非球面が、以下の式により定義され、
z = (y 2 /r)/[1+{1−(1+K)(y/r) 2 1/2
+A 4 4 +A 6 6 +A 8 8 +A 10 10
かつ、前記非球面の形状が、以下の条件式(1’)を満足するように構成されていることを特徴としている。
0.04 ≦ ASP11/fw ≦ 0.25 ・・・(1’)
但し、zは光軸方向、yは光軸に直交する方向、Kは円錐係数、A 4 、A 6 、A 8 、A 10 は非球面係数であり、ASP11は前記プリズムの光路入射面の光軸からの高さh11において基準球面(光軸上の曲率と同じ球面)に対する非球面の光軸方向に測った偏倚量(像側への偏倚を正とする)、fwは広角端における全系の焦点距離であり、前記高さh11はωwを広角端での最大像高に対応した半画角とすると以下の式で表わされるものである。
h11 = 2・fw・tanωw
また、上記目的を達成するために、本第3の発明によるズームレンズは、最も物体側に光路を折り曲げるための反射面を含むプリズムを有し変倍時固定である第1レンズ群と、少なくともその像側に少なくとも2つの正レンズ群を有し、変倍時に各々の相対的間隔が変化するズームレンズであって、前記プリズムへの光路入射面が物体側に凹面であり光軸から離れるに従って発散性が弱まる非球面であって、前記非球面が、以下の式により定義され、
z=(y 2 /r)/[1+{1−(1+K)(y/r) 2 1/2
+A 4 4 +A 6 6 +A 8 8 +A 10 10
かつ、前記光路入射面の光軸上での曲率半径が、以下の条件式(2)を満足するように構成されていることを特徴としている。
−0.50 ≦ fw・(n1−1)/r1 ≦ −0.12 ・・・(2)
但し、zは光軸方向、yは光軸に直交する方向、Kは円錐係数、A 4 、A 6 、A 8 、A 10 は非球面係数であり、fwは広角端における全系の焦点距離、n1は前記プリズムの媒質屈折率(基準波長)、r1はプリズム入射面の光軸上での曲率半径である。
【0009】
また、本第4の発明によるズームレンズは、最も物体側に光路を折り曲げるための反射面を含むプリズムを有し変倍時固定である第1レンズ群と、その像側に1つの開口絞りを有し、前記第1レンズ群と前記開口絞りとの間に無限遠物点合焦時広角端から望遠端へ向かって変倍に一方向にのみ可動なレンズ群を少なくとも1つ有するズームレンズであって、前記プリズムへの光路入射面が物体側に凹面であり光軸から離れるに従って発散性が弱まる非球面であって、前記非球面が、以下の式により定義され、
z = (y 2 /r)/[1+{1−(1+K)(y/r) 2 1/2
+A 4 4 +A 6 6 +A 8 8 +A 10 10
かつ、前記非球面の形状が、以下の条件式(1−1)を満足するように構成されていることを特徴としている。
0.04 ≦ ASP11/fw ≦ 0.3 ・・・(1−1)
但し、zは光軸方向、yは光軸に直交する方向、Kは円錐係数、A 4 、A 6 、A 8 、A 10 は非球面係数であり、ASP11は前記プリズムの光路入射面の光軸からの高さh11において基準球面(光軸上の曲率と同じ球面)に対する非球面の光軸方向に測った偏倚量(像側への偏倚を正とする)、fwは広角端における全系の焦点距離であり、前記高さh11はωwを広角端での最大像高に対応した半画角とすると以下の式で表わされるものである。
h11 = 2・fw・tanωw
また、上記目的を達成するために、本第5の発明によるズームレンズは、最も物体側に光路を折り曲げるための反射面を含むプリズムを有し変倍時固定である第1レンズ群と、その像側に1つの開口絞りを有し、前記第1レンズ群と前記開口絞りとの間に無限遠物点合焦時広角端から望遠端へ向かって変倍時に一方向にのみ可動なレンズ群を少なくとも1つ有するズームレンズであって、前記プリズムへの光路入射面が物体側に凹面であり光軸から離れるに従って発散性が弱まる非球面であって、前記非球面が、以下の式により定義され、
z = (y 2 /r)/[1+{1−(1+K)(y/r) 2 1/2
+A 4 4 +A 6 6 +A 8 8 +A 10 10
かつ、前記非球面の形状が、以下の条件式(1’)を満足するように構成されていることを特徴としている。
0.04 ≦ ASP11/fw ≦ 0.25 ・・・(1’)
但し、zは光軸方向、yは光軸に直交する方向、Kは円錐係数、A 4 、A 6 、A 8 、A 10 は非球面係数であり、ASP11は前記プリズムの光路入射面の光軸からの高さh11において基準球面(光軸上の曲率と同じ球面)に対する非球面の光軸方向に測った偏倚量(像側への偏倚を正とする)、fwは広角端における全系の焦点距離であり、前記高さh11はωwを広角端での最大像高に対応した半画角とすると以下の式で表わされるものである。
h11 = 2・fw・tanωw
また、上記目的を達成するために、本第6の発明によるズームレンズは、最も物体側に光路を折り曲げるための反射面を含むプリズムを有し変倍時固定である第1レンズ群と、その像側に1つの開口絞りを有し、前記第1レンズ群と前記開口絞りとの間に無限遠物点合焦時広角端から望遠端へ向かって変倍時に一方向にのみ可動なレンズ群を少なくとも1つ有するズームレンズであって、前記プリズムへの光路入射面が物体側に凹面であり光軸から離れるに従って発散性が弱まる非球面であって、前記非球面が、以下の式により定義され、
z = (y 2 /r)/[1+{1−(1+K)(y/r) 2 1/2
+A 4 4 +A 6 6 +A 8 8 +A 10 10
かつ、前記光路入射面の光軸上での曲率半径が、以下の条件式(2)を満足するように構成されていることを特徴としている。
−0.50 ≦ fw・(n1−1)/r1 ≦ −0.12 ・・・(2)
但し、zは光軸方向、yは光軸に直交する方向、Kは円錐係数、A 4 、A 6 、A 8 、A 10 は非球面係数であり、fwは広角端における全系の焦点距離、n1は前記プリズムの媒質屈折率(基準波長)、r1はプリズム入射面の光軸上での曲率半径である。
また、上記目的を達成するために、本発明による電子撮像装置は、上記いずれかのズームレンズを有することを特徴としている。
【0010】
【発明の実施の形態】
実施例の説明に先立ち、本発明において、上記構成を採用する理由及び作用について説明する。
まず、本第1〜第3の発明について説明する。
第1〜第3の発明のズームレンズでは、最も物体側に光路を折り曲げるための反射面を含むプリズムを有し変倍時固定である第1レンズ群と、少なくともその像側に少なくとも2つの正レンズ群を有し変倍時に各々の相対的間隔が変化するズームレンズにおいて、前記プリズムへの光路入射面が物体側に凹面であり光軸から離れるに従って発散性が弱まる非球面に構成されている。
【0011】
奥行き方向を薄くするには、反射光学素子の反射面よりも物体側の光学エレメントを極力排除すれば良いが、ある程度の画角を確保するためには反射面よりも物体側に負の屈折力が必要である。
そこで、本第1〜第3の発明では、前記反射面よりも物体側に負レンズエレメントを設けるのではなく、反射光学素子をプリズム体とし、その入射面を発散面、つまり、前記入射面は物体側に凹面を向けた形状とした。
【0012】
しかし、この場合、ある程度の画角の光線に対する入射角が非常に大きくなり、そのためにコマ収差、歪曲収差、非点収差の発生が著しくなってしまう。
従って、本第1〜第3の発明のように、前記発散面を光軸から離れるに従って発散性が弱まる非球面とすれば、各軸外収差の顕著な改善効果が見られる。
【0013】
なお、非球面の形状は、次の条件式(1)を満足するのが良い。
0.02 ≦ ASP11/fw ≦ 0.3 …(1)
但し、ASP11は前記第1レンズ群のプリズム入射面の光軸からの高さh11において基準球面(光軸上の曲率と同じ球面)に対する非球面の光軸方向に測った偏倚量(像側への偏倚を正とする)、fwは広角端における全系の焦点距離である。また、高さh11は次の式で表わされる。
h11= 2・fw・tanωw (但し、ωwは広角端での最大像高に対応した半画角である。)
【0014】
条件式(1)の下限を下回ると、コマ収差や歪曲収差の補正が困難となる。
一方、条件式(1)の上限を上回ると、陣笠タイプの歪曲収差が発生しやすくなってしまう。
【0015】
また、次の条件式(1')を満足すると、さらに良い。
0.04 ≦ ASP11/fw ≦ 0.25 …(1')
さらに、次の条件式(1")を満足にするのがより好ましい。
0.06 ≦ ASP11/fw ≦ 0.2 …(1")
【0016】
また、本第1〜第3の発明では、前記プリズムの入射面を非球面にすることに加えて、光軸上での曲率半径について、次の条件式(2)を満足するように制限するとよい。
−0.50 ≦ fw・(n1−1)/r1 ≦ −0.12 ・・・(2)
但し、fwは広角端における全系の焦点距離、n1は前記プリズムの媒質屈折率(基準波長)、r1はプリズム入射面の光軸上での曲率半径である。
【0017】
条件式(2)の上限値を上回ると、曲率が強すぎ、各軸外収差が悪化しやすく好ましくない。
一方、条件式(2)の下限値を下回ると、入射瞳位置が深くなりすぎ、前記プリズムが肥大化傾向となり、奥行き方向が極めて薄いズームレンズにするという目的に反しやすい。
【0018】
また、次の条件式(2')を満足すると、さらに良い。
−0.45 ≦ fw・(n1−1)/r1 ≦ −0.14 …(2')
さらに、次の条件式(2")を満足するのがより好ましい。
−0.40 ≦ fw・(n1−1)/r1 ≦ −0.16 …(2")
【0019】
さらに、本第1〜第3の発明では、前記ズームレンズ系の光軸に沿って測った前記プリズムの入射面から射出面までの長さdpに関し、次の条件式(3)を満足するのが良い。
1.6 < dp/fw < 3.2 ・・・(3)
但し、fwは広角端における全系の焦点距離である。
光路折り曲げを物理的に成立させることを前提とした場合、条件式(3)の下限値を下回ると、ある程度以上の画角を確保することが困難になりやすく、一方、条件式(3)の上限値を上回ると、プリズムの入射面の光軸上の曲率が強くなりやすくなり、上記条件式(2)を満足する範囲を超えやすくなってしまう。
【0020】
また、条件式(3')を満足すると、さらに良い。
1.8 < dp/fw < 3.0 …(3')
さらに、条件式(3")を満足するのがより好ましい。
2.0 < dp/fw < 2.8 …(3")
【0021】
なお、プリズムに使用する媒質の屈折率は、後述する本発明の実施例では1.5程度の低いものを使用しているが、1.6〜1.9と高くなるほど有利である。近軸あるいは収差的に有利な様にするには、出来るだけ短い空気換算長とするのが好ましい。一方、より広い画角にて光路折り曲げを物理的に成立させるためには、プリズムの入射面から射出面までの長さdpを出来るだけ長くなるようにするのが好ましい。屈折率の高いプリズムであれば、プリズムの入射面から射出面までの長さdpを長くしても空気換算長は短くできる。このようなことから、プリズムに使用する媒質の屈折率は1.6〜1.9であるのが好ましい。
【0022】
なお、本第1〜第3の発明において、無限遠物点合焦時広角端から望遠端へ向かって変倍する際に、第1群よりも像側の正レンズ群のうち1つを一方向にのみ移動可能にしておき、その他の正レンズ群との相対的間隔を変化させるようにする。このようにすれば、変倍比の向上、変倍時における収差変動の抑制、変倍時における焦点位置補正(含;合焦)などに寄与することが出来る。
【0023】
次に、本第4〜第6の発明について説明する。
第4〜第6の発明よるズームレンズでは、最も物体側に光路を折り曲げるための反射面を含むプリズムを有し変倍時固定である第1レンズ群と、その像側に1つの開口絞りを有し、前記第1レンズ群と前記開口絞りとの間に無限遠物点合焦時広角端から望遠端へ向かって変倍する際に一方向にのみ可動なレンズ群を少なくとも1つ有するズームレンズであって、前記プリズムへの光路入射面が物体側に凹面であり光軸から離れるに従って発散性が弱まる非球面に構成されている。
【0024】
第4〜第6の発明のズームレンズにおいても、本第1〜第3の発明のズームレンズと同様に、前記プリズムは、上記条件式(1),(1’),(1”)、上記条件式(2),(2’),(2”)、上記条件式(3),(3’),(3”)の少なくともいずれかを満足すると良い。
【0025】
また、開口絞りは、位置固定か、ある移動群と一体にて移動させるか、各レンズ群とは独立した動きにて移動させるかのいずれの場合を選択しても良いが、機械的シャッターはその時間的性質(シャッター自身の開口全域に亘る時間差があること。非同時性という。)のために、開口絞り近傍あるいは撮像面近傍に配置するしかない。また、機構的には開口絞り側に設定した方が小型化しやすい上、機構的にも精度的にも制約が少ない。このため、一般的には開口絞り側が機械的シャッターの設定位置に選ばれる。すると、開口絞りが変倍時に移動するときにシャッター機構も一緒に移動させなくてはならない。
しかし、本発明のような光路折り曲げ方式のズームレンズにおいては、レンズ鏡筒が太くなった分、カメラ筐体の厚み増大を招くため、シャッターのように複雑で大きなユニットを移動させるためのスペースがカメラ筐体の厚み増大の原因になる。
従って、開口絞り、シャッターは位置固定にするのが良い。この場合、変倍時の絞り以降全群合成系の倍率変化が大きいほど変倍によるF値の変化が大きい。
そこで、本第4〜第6の発明の場合は、絞り以降の変倍率を極力小さくするために、絞りよりも物体側に無限遠物点合焦時広角端から望遠端へ向かって変倍する際に一方向にのみ可動なレンズ群VFを少なくとも1つ有するようにしている。
【0026】
さらに、本第4〜第6の発明では、次の条件式(4)を満たせば効果的である。
0.04 ≦ logγR/logγ ≦ 0.75 ・・・(4)
但し、γRは絞り以降全群の合成倍率に関する広角端時に対する望遠端時の比、γは全系の焦点距離に関する広角端時に対する望遠端時の比である。
条件式(4)の下限値を下回ると、前記可動なレンズ群VFの変倍負担が増加し、変倍による収差変動が大きくなるか、入射瞳位置が深くなりプリズムが肥大化しやすくなる。
一方、上限値を上回ると、変倍によるF値の変化が大きくなり、望遠端にて回折の影響を受けやすくなる。
【0027】
また、次の条件式(4')を満足すると、さらに良い。
0.07 ≦ logγR/logγ ≦ 0.70 …(4')
さらに、次の条件式(4")を満足するのがより好ましい。
0.10 ≦ logγR/logγ ≦ 0.65 …(4")
【0028】
なお、本第1〜第6の発明のいずれかが有効となるのは、ズームレンズ広角端の半画角ωwが次の条件式(5)を満足する場合である。
27.5° ≦ ωw ≦ 42.5° ・・・(5)
条件式(5)の下限値を下回ると、プリズム入射面は平面でも可能であり、本発明のメリットはあまりない。
一方、条件式(5)の上限値を上回ると、本第4〜第6の発明を用いても収差補正あるいはプリズムによる光路折り曲げの物理的成立が困難となる。
【0029】
特に、ズームレンズ広角端の半画角ωwは、次の条件式(5')を満足する範囲が好ましい。
27.5° ≦ ωw ≦ 37.5° …(5')
さらに、ズームレンズ広角端の半画角ωwは、次の条件式(5")を満足する範囲がより好ましい。
27.5° ≦ ωw ≦ 34.5° …(5")
【0030】
第4〜第6の発明によるズームレンズにおいて、上記条件式(4),(4’),(4”)の意味するところは、変倍負担を極力レンズ群VFに負わせる方が良いということである。このため、前記第1レンズ群は正の屈折力を、レンズ群VFは負の屈折力を有する方が都合が良い。このようにすると、レンズ群VFは少ない動きにて高い変倍率を確保しやすい。
【0031】
なお、前記レンズ群VFの無限遠物点合焦時の広角端における倍率βVFが次の条件式(6)を満たすようにすると良い。
0.40 ≦ −βVF ≦ 1.2 …(6)
条件式(6)の下限値を下回ると、レンズ群VFの移動量の割に変倍率が低くなりやすい。
一方、条件式(6)の上限値を上回ると、第1レンズ群の正の屈折力が強くなりすぎ、コマ収差が発生しやすくなってしまう。
【0032】
また、次の条件式(6')を満足すると、さらに良い。
0.45 ≦ −βVF ≦ 1.1 …(6')
さらに、次の条件式(6")を満足するのがより好ましい。
0.50 ≦ −βVF ≦ 1.0 …(6")
【0033】
また、レンズ群VFの焦点距離fVFについては、次の条件式(7)を満足すると良い。
0.9 ≦ −fVF/fw ≦ 3.5 …(7)
但し、fwは広角端における全系の焦点距離である。
条件式(7)の下限値を下回ると、負のペッツバール和が大きくなる傾向となる。
一方、条件式(7)の上限値を上回ると、レンズ群VFの移動量の割に変倍率が低くなりやすい。
【0034】
また、次の条件式(7')を満足すると、さらに良い。
1.1 ≦ −fVF/fw ≦ 3.0 …(7')
さらに、次の条件式(7")を満足するのがより好ましい。
1.3 ≦ −fVF/fw ≦ 2.5 …(7")
【0035】
なお、本第4〜第6の発明によるズームレンズの構成は、より詳細には、物体側より順に、変倍時固定の第1レンズ群と、負の屈折力を有し変倍時可動な第2レンズ群(前記レンズ群VFに相当)と、撮像面に対し位置が略不動の開口絞りと、正の屈折力を有し無限遠物点合焦時広角端から望遠端へ向かって変倍する際に一方向にのみ可動なレンズ群Mと、正の屈折力を有する最終レンズ群Rとの少なくとも4つのレンズ群を有するものである。その際、前記第2レンズ群とレンズ群Mとは互いに逆方向に移動する。
【0036】
そして、次の条件式(8)を満足するのが良い。
0.1 < −MM/M2 < 1.8 …(8)
但し、M2は第2レンズ群の広角端から望遠端に至るまでの移動量(像側移動を正とする)、MMはレンズ群Mの広角端から望遠端に至るまでの移動量(像側移動を正とする)である。
条件式(8)の上限を上回ると、変倍によるF値や射出瞳位置の変動が大きくなりすぎ好ましくない。
一方、条件式(8)の下限を下回ると、入射瞳が深くなりすぎて光路折り曲げが物理的に成立しにくくなる。
また、条件式(8)満たさないと、いずれにしてもズームレンズ全系において十分高い変倍率が得られないか、移動スペースが大きくなりすぎてサイズが肥大化してしまう。
【0037】
また、次の条件式(8')を満足すると、さらに良い。
0.3 < −MM/M2 < 1.5 …(8')
さらに、次の条件式(8")を満足するのがより好ましい。
0.5 < −MM/M2 < 1.2 …(8")
【0038】
なお、合焦は常時固定のレンズ群を除く最も像側のレンズ群にて行なうのが良い。
その場合、次の条件式(9)を満足するのが良い。
0.10 < D34W / fw < 1.20 …(9)
但し、D34Wは、広角端における無限遠物点合焦時における常時固定のレンズ群を除く最も像側のレンズ群(フォーカス移動レンズ群)と、より近距離物点に合焦する際に移動する方向にある最も近いレンズ群との光軸上空気間隔、fwは広角端における全系の焦点距離である。
条件式(9)の下限を下回ると、フォーカスのために移動するスペースがなく、フォーカス移動レンズ群と接近するレンズ群とが干渉しやすい。
一方、条件式(9)の上限を上回ると、逆に変倍のための可動スペースが不足しやすい。
【0039】
また、次の条件式(9')を満足すると、さらに良い。
0.15 < D34W/fw < 1.00 …(9')
さらに、次の条件式(9")を満足するのがより好ましい。
0.20 < D34W/fw < 0.80 …(9")
【0040】
また、最終レンズ群Rは次の条件式(10)を満足すると良い。
−6.00<(RRF +RRR )/(RRF −RRR )<−0.5 …(10)
但し、RRF は最終レンズ群Rの最も物体側の面の光軸上での曲率半径、RRRは最終レンズ群Rの最も像側の面の光軸上での曲率半径である。
条件式(10)の上限を上回ると、レンズ群M以降の合成系の主点が第2レンズ群による像点から遠ざかりやすく変倍効率の面で好ましくない。
一方、条件式(10)の下限を下回ると、レンズスペースの浪費につながりやすい。
【0041】
また、次の条件式(10')を満足すると、さらに良い。
−5.00<(RRF +RRR )/(RRF −RRR )<−0.7 …(10')
さらに、次の条件式(10")を満足するのがより好ましい。
−4.00<(RRF +RRR )/(RRF −RRR )<−0.9 …(10")
【0042】
前記レンズ群Mには正レンズと負レンズの接合レンズ成分を少なくとも1つ有するようにする。また、前記レンズ群Mは前記撮像面に対し位置が略不動の開口絞りから像側に向かって最初の可動レンズ群とするのがよい。
また、前記レンズ群Mは増倍効果を高めるために広角端から望遠端への変倍時に一方向へ移動するが、軸上光線高が高いために変倍による収差変動を発生してしまう。従って、負のレンズ要素が必要であるが、レンズ群内の他の正レンズとの相対偏心敏感度が高くなりがちである。このため、前記レンズ群Mにおいて負のレンズ要素は、いずれか1つの正レンズと接合とするのが望ましい。
たとえば、前記レンズ群Mを、物体側から順に、3つ目のレンズ群とし、正レンズと負レンズとの接合レンズ成分と、正の単レンズとの2群3枚にて構成する(タイプAとする。)。
あるいは、前記レンズ群Mを、物体側から順に、3つ目のレンズ群とし、正の単レンズと、正レンズと負レンズとの接合レンズ成分との2群3枚にて構成する(タイプBとする。)。
あるいは、前記開口絞りの近傍に1つのレンズ要素を固定して、前記レンズ群Mを、物体側から順に、4つ目のレンズ群とし、正レンズと負レンズ(順不同)との接合レンズ成分の1群2枚にて構成する(タイプCとする。)。
【0043】
そして、次の条件式(11)を満足するのが良い。なお、以下の条件不等式番号の添え字A,B,Cは各タイプに対応している。
0.70 < RC3/RC1 < 1.05 …(11)-A
0.40 < RC3/RC1 < 0.80 …(11)-B
但し、RC1 はレンズ群Mの接合レンズ成分の最も物体側の面の光軸上での曲率半径、RC3 はレンズ群Mの接合レンズ成分の最も像側の面の光軸上での曲率半径である。
条件式(11)の上限を上回ると、全系収差の球面収差・コマ収差・非点収差の補正には有利であるが、接合による偏心敏感度の緩和の効果が少ない。
一方、条件式(11)の下限を下回ると、全系収差の球面収差・コマ収差・非点収差の補正が困難になってしまいやすい。
なお、タイプCについては、レンズ群M内に1レンズ成分しかないため、レンズ群内における偏心敏感度の問題はないので条件式(11)についての設定はしない。
【0044】
また、次の条件式(11")を満足すると、さらに良い。
0.75 < RC3/RC1 < 1.00 …(11')-A
0.45 < RC3/RC1 < 0.75 …(11')-B
さらに、次の条件式(11")を満足するのがより好ましい。
0.80 < RC3/RC1 < 0.95 …(11")-A
0.50 < RC3/RC1 < 0.70 …(11")-B
【0045】
一方、色収差補正に関して次の条件式(12),(13)を満足するのが良い。
−0.6 < fw/RC2 < 0.7 …(12)-A
−0.5 < fw/RC2 < 0.8 …(12)-B
15 < νCP−νCN …(13)-A
25 < νCP−νCN …(13)-B
但し、fwは広角端における全系の焦点距離、RC2 はレンズ群Mの接合レンズ成分の接合面の光軸上での曲率半径、νCP はレンズ群Mの接合レンズ成分の正レンズの媒質アッベ数、νCN はレンズ群Mの接合レンズ成分の負レンズの媒質アッベ数である。
【0046】
条件式(12)のいずれの場合も下限値を下回ると、軸上色収差・倍率色収差の補正には有利である。しかしながら、球面収差の色収差が発生しやすい。特に、基準波長における球面収差が良好に補正できても短波長の球面収差はオーバーコレクト状態となり画像における色のにじみの原因となるので好ましくない。
一方、条件式(12)のいずれの場合も上限値を上回ると、軸上色収差・倍率色収差が補正不足や短波長球面収差のアンダーコレクト状態となりやすい。
条件式(13)のいずれの場合も下限値を下回ると、軸上色収差が補正不足になりやすい。
一方、条件式(13)の上限を上回る媒質の組み合わせは自然界には存在しない。
【0047】
また、次の条件式(12'),(13')を満足すると、さらに良い。
−0.4 < fw/RC2 < 0.5 …(12')-A
−0.3 < fw/RC2 < 0.6 …(12')-B
20 < νCP−νCN …(13')-A
30 < νCP−νCN …(13')-B
さらに、次の条件式(12"),(13")を満足するのがより好ましい。
−0.2 < fw/RC2 < 0.3 …(12")-A
−0.1 < fw/RC2 < 0.4 …(12")-B
25 < νCP−νCN …(13")-A
35 < νCP−νCN …(13")-B
【0048】
さらに、前記レンズ群Mとそれよりも像側の最も近い可動なレンズ群Xとの像面位置に対する移動軌跡は、変倍効果や変倍時の収差変動に影響を及ぼす。
従って、次の条件式(14)を満たすように移動させるのが良い。
0.03 < MX/s < 0.20 …(14)-A
−0.07 < MX/s < 0.10 …(14)-B
0.0 < MX/s < 0.25 …(14)-C
但し、MXは前記レンズ群Xの無限遠物点合焦時の広角端から望遠端まで変倍する際の移動量、sはレンズ群Mの無限遠物点合焦時の望遠端における最も物体側の面から像面までの光軸上に測った距離である。また、sは正の値とし、MXはレンズ群Xが像側に移動した場合を正とする。
いずれのタイプの場合においても条件式(14)の下限値を下回ると、少ない移動スペースで効率的に変倍比を稼ぐには不利な傾向となる。
一方、条件式(14)の上限値を上回ると、前記レンズ群Mの移動スペースが少なくなり、変倍比を稼ぐのには不利な傾向となっていってしまう。
【0049】
また、次の条件式(14')を満足すると、さらに良い。
0.05 < MX/s < 0.15 …(14)-A
−0.04 < MX/s < 0.06 …(14)-B
0.05 < MX/s < 0.20 …(14)-C
さらに、次の条件式(14")を満足するのがより好ましい。
0.07 < MX/s < 0.10 …(14")-A
−0.01 < MX/s < 0.03 …(14")-B
0.10 < MX/s < 0.15 …(14")-C
【0050】
ところで、前記A,B,Cの3つのタイプのうち、少ない移動スペースにて効率的に変倍をすることを考えると、前記撮像面に対し位置が略不動の開口絞りより像側の全てのレンズ群の合成系の主点が出来るだけ物体側に位置するものが良い。このような合成系によると変倍効率がよく、かつ開口絞りよりも物体側のレンズ群への負担も軽く収差補正上有利である。そういう点でタイプBが良い。ただし、変倍によるF値の変化は大きくなりやすい。なお、タイプA、Cは開口絞りよりも後ろの群による変倍率が少ないため前記F値の変化は少ないが、各レンズ群にパワー的な負担がかかりやすいため、収差補正上はやや劣勢となる。
【0051】
前記第2レンズ群については、物体側から順に、負レンズ、正レンズの順の2枚のレンズにて構成するのがよく、さらに前記負レンズは少なくともいずれか一方の面を非球面とするのがよい。
加えて、次の条件式(15)を満たすのが良い。
0.30<(R2NF +R2NR )/(R2NF −R2NR )<0.85 …(15)
但し、R2NF は第2レンズ群の負レンズの物体側の面の光軸上での曲率半径、R2NR は第2レンズ群の負レンズの像側の面の光軸上での曲率半径である。
条件式(15)の上限値を上回ると、コマ収差が発生しやすい。
一方、条件式(15)の下限値を下回ると、樽型歪曲収差が発生しやすい。
【0052】
また、次の条件式(15')を満足すると、さらに良い。
0.35<(R2NF +R2NR )/(R2NF −R2NR )<0.80 …(15')
さらに、次の条件式(15")を満足するのがより好ましい。
0.40<(R2NF +R2NR )/(R2NF −R2NR )<0.75 …(15")
【0053】
また、前記第1レンズ群については、物体側から順に、入射面が非球面形状の凹面であり、かつ、光路を折り曲げるための反射面を含むプリズムと、正レンズとの2つの要素からなっている。
特に、入射瞳位置を浅くしてプリズムを小型に維持するために、前記プリズムは上記条件式(2),(2'),(2")の少なくともいずれかを満足するように負の屈折力を有するのが好ましい。一方、前記第2レンズ群(レンズ群VF)の変倍効率を高めるためには、第1レンズ群全体としては、次の条件式(16)を満たすように出来るだけ強いパワーにする必要がある。
2.4 ≦ f1/fw ≦ 7.0 …(16)
但し、f1は第1レンズ群全体の焦点距離、fwは広角端における全系の焦点距離である。
上記条件式(16)の下限値を下回ると、変倍時の第2群の移動量の割に変倍率が少ない。
一方、条件式(16)の上限値を上回ると、軸外収差や色収差の補正が困難になるか又はプリズムが肥大化しやすい。
【0054】
また、次の条件式(16')を満足にすると、さらに良い。
2.6 ≦ f1/fw ≦ 6.0 …(16')
さらに、次の条件式(16')を満足するのがより好ましい。
2.8 ≦ f1/fw ≦ 5.0 …(16")
【0055】
また、前記正レンズは、次の条件式(17)を満たすように、通過する軸外光線の高さの割に強いパワーを有する必要がある。
同時に前記正レンズは、形状も次の条件式(18)を満足すると良い。
1.8 ≦ f12/fw ≦ 4.0 …(17)
−2.0<(R1PF +R1PR )/(R1PF −R1PR )<−0.2 …(18)
但し、f12は第1レンズ群の正レンズの焦点距離、fwは広角端における全系の焦点距離、R1PF は第1レンズ群の正レンズの物体側の面の光軸上での曲率半径、R1PR は第1レンズ群の正レンズの像側の面の光軸上での曲率半径である。
条件式(17)の上限値を上回ると、前記第2レンズ群(レンズ群VF)の変倍率が移動量の割に低く光学系が大きくなりやすい。
一方、条件式(17)の下限値を下回ると、コマ収差、非点収差などの軸外収差補正が困難となりやすい。
条件式(18)の上限値を上回ると、第1群の主点が像側傾向となり、第2群の変倍効率悪化傾向となる上、収差的にもコマ収差が発生しやすくなる。
一方、条件式(18)の下限値を下回ると、強いメニスカス形状となるので、上記条件式(15)を満たす第2レンズ群と干渉しやすくなってしまう。
【0056】
また、次の条件式(17'),(18')を満足すると、さらに良い。
2.0 ≦ f12/fw ≦ 3.6 …(17')
−1.6<(R1PF +R1PR )/(R1PF −R1PR )<−0.4 …(18')
さらに、次の条件式(17"),(18")を満足するのがより好ましい。
2.2 ≦ f12/fw ≦ 3.2 …(17")
−1.2<(R1PF +R1PR )/(R1PF −R1PR )<−0.6 …(18")
【0057】
さらに本第4〜第6の発明では、前記正レンズの物体側の面に光軸から離れるに従って収斂性が弱まる非球面を導入することで各軸外収差の顕著な改善効果が得られている。
非球面の条件としては、次の条件式(19)を満足すると良い。
−0.10 ≦ ASP12/fw < −0.00 ・・・(19)
但し、ASP12は前記第1レンズ群の正レンズの非球面の基準球面(光軸上の曲率と同じ球面)に対する光軸からの高さh12における光軸方向に測った偏倚量(像側への偏倚を正とする)、fwは広角端における全系の焦点距離である。また、高さh12は次の式で表わされる。
h12 = 1.4・fw・tanωw (但し、ωwは広角端での最大像高に対応した半画角である。)
条件式(19)の下限値を下回ると、第1レンズ群のプリズム入射面にて発生するコマ収差の補正効果が少なくなる。
一方、条件式(19)の上限値を上回ると、第1レンズ群の正レンズ自身で発生するコマ収差や歪曲収差の補正が困難になりやすく、陣笠歪曲収差も発生しやすい。
【0058】
また、次の条件式(19')を満足すると、さらに良い。
−0.07 ≦ ASP12/fw ≦ −0.01 …(19')
さらに、次の条件式(19")を満足するのがより好ましい。
−0.04 ≦ ASP12/fw ≦ −0.02 …(19")
【0059】
以上、ズームレンズ部を薄くしながらも結像性能を良好にするための手段について説明した。
次に、フィルター類を薄くするための要件について説明する。
電子撮像装置には、通常赤外光が撮像面に入射しないように、一定の厚みのある赤外吸収フィルターを撮像素子よりも物体側に挿入している。
光学系を短くあるいは薄くするために、赤外吸収フィルターを厚みのないコーティングに置き換えることを考える。すると、当然その分薄くなるが、副次的効果がある。
前記ズームレンズ系後方にある撮像素子よりも物体側に、波長600nmでの透過率が80%以上、波長700nmでの透過率が8%以下の近赤外シャープカットコートを導入すると、吸収タイプよりも波長700nm以上の近赤外領域の透過率が低く、かつ、相対的に赤側の透過率が高くなる。そして、補色モザイクフィルターを有するCCDなど固体撮像素子の欠点である青紫側のマゼンダ化傾向がゲイン調整により緩和され、原色フィルターを有するCCDなど固体撮像素子並みの色再現を得ることができる。また、原色・補色に限らず、植物や人肌の様に近赤外領域に強い反射率を有するものの色再現が改善される。
【0060】
即ち、次の条件式(20),(21)を満たすのが望ましい。
τ600/τ550 ≧ 0.8 …(20)
ただし、τ600は波長600nmでの透過率、τ550は波長550nmでの透過率、τ700は波長700nmでの透過率である。
なお、次の条件式(20'),(21')を満たすと、さらに良い。
τ600/τ550 ≧ 0.85 …(20')
τ700/τ550 ≦ 0.05 …(21')
さらに、次の条件式(20"),(21")を満たすのがより好ましい。
τ600/τ550 ≧ 0.9 …(20")
τ700/τ550 ≦ 0.03 …(21")
【0061】
CCD等の固体撮像素子のもう1つの欠点は、近紫外域の波長550nmに対する感度が人間の眼のそれよりもかなり高いことである。これも近紫外域の色収差による画像のエッジ部の色にじみを目立たせている。特に光学系を小型化すると致命的である。従って、波長400nmでの透過率(τ400)の波長550nmでの透過率(τ550)に対する比が0.08を下回り、波長440nmでの透過率(τ440)の波長550nmでの透過率(τ550)に対する比が0.4を上回るような吸収体あるいは反射体を光路上に挿入すれば、色再現上必要な波長域を失わず(良好な色再現を保ったまま)色にじみなどのノイズがかなり軽減される。
【0062】
即ち、次の条件式(22),(23)を満たすのが望ましい。
τ400/τ550 ≦ 0.08 …(22)
τ440/τ550 ≧ 0.4 …(23)
なお、次の条件式(22'),(23')を満たすと、さらに良い。
τ400/τ550 ≦ 0.06 …(22')
τ440/τ550 ≧ 0.5 …(23')
さらに、次の条件式(22"),(23")を満たすのがより好ましい。
τ400/τ550 ≦ 0.04 …(22")
τ440/τ550 ≧ 0.6 …(23")
なお、これらのフィルターの設置場所は結像光学系と撮像素子との間が良い。
【0063】
一方、補色フィルターの場合、その透過光エネルギーの高さから原色フィルター付きCCDと比べて実質的感度が高く、かつ、解像的にも有利であるため、小型CCDを使用したときのメリットが大である。
【0064】
また、光学系を短く薄くするにはもう一方のフィルターである光学的ローパスフィルターについても出来るだけ薄くするのがよい。一般的に光学的ローパスフィルターは水晶の様な単軸結晶が有する複屈折作用を利用している。ここで、結晶軸がズームレンズの光軸に対してなす角が35度から55度の範囲であり、かつ各々の結晶軸を像面に投影したときの方向がそれぞれ異なる複数あるいは単独の水晶光学ローパスフィルターを含む場合、その中でズームレンズ光軸上に沿った厚みが最も厚いフィルターの厚みtLPF(mm)を次の条件式(24),(25)を満足するようにすると良い。
a < 4μm のとき
0.08a < tLPF 0.16a …(24)
a < 3μm のとき
0.075a < tLPF 0.15a …(25)
但し、tLPF(mm)はズームレンズの光軸に沿って最も厚く、ズームレンズの光軸とのなす角が35度から55度の範囲に1つの結晶軸を有する光学的ローパスフィルターの厚み、aは電子撮像素子の水平画素ピッチ(単位μm)である。
【0065】
1枚あるいは複数枚で構成された前記光学的ローパスフィルターのうち最も厚いものは、その厚さがナイキスト限界周波数にて理論上コントラストがゼロになるように設定されており、およそa/5.88(mm)である。これよりも厚くすると、モアレ縞の様な偽信号の防止には効果があるが撮像素子の持つ分解能を十分に発揮出来なくなる。一方、薄くすると、モアレ縞のような偽信号が十分に除去できない。しかし、モアレ縞のような偽信号はズームレンズなど撮影レンズの結像性能とも深く関連し、結像性能が高い場合はモアレ縞のような偽信号が発生しやすい。このため、光学的ローパスフィルターの厚みは、結像性能が高い場合はやや厚めに、結像性能がそれほど高くない場合はやや薄めに設定するのが良い。
【0066】
一方、画素ピッチが小さくなるにつれて結像レンズ系の回折の影響によりナイキスト限界以上の周波数成分のコントラストが減少するため、モアレ縞のような偽信号の発生は少なくなる。従って、a/5.88(mm)より数%ないし数十%程度薄くすると、むしろナイキスト限界に相当する周波数以下の空間周波数でのコントラストが向上し好ましい。
【0067】
なお、次の条件式(24'),(25')を満足するようにすればより効果的である。
a < 4μm のとき
0.075a < tLPF 0.15a …(24')
a < 3μm のとき
0.07a < tLPF 0.14a …(25')
【0068】
さらに、次の条件式(24"),(25")を満足するようにすれば、より一層効果的である。
a < 4μm のとき
0.07a < tLPF 0.14a …(24")
a < 3μm のとき
0.065a < tLPF 0.13a …(25")
【0069】
また、a < 4μm とする場合において、光学的ローパスフィルターは薄くしすぎると加工が困難である。このため、光学的ローパスフィルターをあまり薄くせずに、つまり条件式(24),(24'),(24")の上限を上回ってもコントラストがゼロになる空間周波数(カットオフ周波数)を高くする別の方法がある。それは、光学的ローパスフィルターの結晶軸がズームレンズの光軸に対してなす角が15度から35度の範囲もしくは55度から75度の範囲となるようにするか、場合によってはローパスフィルターを省略することである。この角度の範囲においては入射光の常光線と異常光線への分離量が45度近傍のときよりも少なくなり、0度もしくは90度になったときには分離しなくなる(ただし、90度の場合は両者に速度差がつき位相差が発生する…λ/4板の原理)。
【0070】
さらに、上述のように、画素ピッチが小さくなると回折の影響でそれに見合った高い空間周波数の結像性能が劣化してくるため、Fナンバーを大きくすることが困難である。従って、カメラにしたときの開口絞りの種類は幾何収差による劣化の大きな開放と回折限界近傍の絞り値の2種類のみとしても良い。その場合、前述の光学的ローパスフィルターはなくてもよい。
【0071】
特に画素ピッチが小さく、開放時の結像性能が最も良い場合などは、撮像面への入射光束サイズを規制する手段として内径が可変であったり、内径の異なるものと入れ替える方法を用いず常に内径が固定の開口絞りとしてもよい。その場合、開口絞りに隣接するレンズ面は、少なくとも一方が本開口絞りに向けて凸面を向け、そのいずれかの隣接するレンズ面が開口絞り内径部を貫通するようにすると絞りによる無駄なスペースがなく光学系の全長短縮に寄与することができる。また、前記開口絞りとはレンズ面を1つ以上隔てた光軸を含むいずれかの空間に透過率が90%以下の光学素子(出来れば入射面、射出面がともに平面がよい)を配するか又は透過率の異なる別の光学素子と入れ替える手段を持つと良い。
【0072】
あるいは、開口サイズが固定の複数の開口を有し、そのうちの1つを第1群の最も像側のレンズ面と第3群の最も物体側のレンズ面の間のいずれかの光路内に挿入出来すようにし、かつ、他のものと交換可能とすることで像面照度を調節することができる電子撮像装置としておき、前記複数の開口のうち、一部の開口内に波長550nmに対する透過率がそれぞれ異なりかつ80%未満であるような媒体を有するようにして光量調節を行なうのがよい。
【0073】
あるいは、a(μm)/Fナンバー < 0.4 となるようなF値に相当する光量になるように調節を実施する場合は、開口内に波長550nmに対する透過率がそれぞれ異なりかつ80%未満の媒体を有する電子撮像装置とするのがよい。例えば、開放値から上記条件の範囲外では前記媒体なしか、あるいは波長550nmに対する透過率が91%以上のダミー媒質としておき、範囲内のときは回折の影響が出るほどに開口絞り径を小さくするのではなく、NDフィルターのようなもので光量調節するのがよい。
【0074】
また、前記複数の開口をそれぞれ径をF値に反比例して小さくしたものにして揃えておき、NDフィルターの代わりにそれぞれ周波数特性の異なる光学的ローパスフィルターを開口内に入れておくのでも良い。その場合、絞り込むにつれて回折劣化が大きくなるので、開口径が小さくなるほど光学フィルターの周波数特性を高く設定しておくとよい。
【0075】
なお、広角端の開放F値と使用する画素ピッチaμmとの関係において、F>aを満たす場合は、光学的ローパスフィルターはなくてもよい。つまり、ズームレンズ系と撮像素子間の光路上の媒質はすべて空気あるいは非結晶媒質のみとしてよい。回折と幾何収差による結像特性の劣化のために、折り返し歪みを発生させ得る周波数成分がほとんどないためである。
【0076】
なお、上記各条件式や各構成は適宜組み合せることでより良好な電子撮像装置を構成できる。
また、各条件式においては、その上限値のみ、もしくは下限値のみを、より好ましい条件式の対応する上限値、下限値で限定してもよい。また、後述の各実施例に記載の条件式の対応値を上限値または下限値としてもよい。
【0077】
【実施例】
以下、本発明の実施例について図面を用いて説明する。
第1実施例
図1は本発明による電子撮像装置に用いるズームレンズの第1実施例にかかる光学構成を示す光軸に沿う断面図であり、広角端無限遠物点合焦時の折り曲げ時における状態を示している。図2は第1実施例にかかるズームレンズの無限遠物点合焦時の光学構成を示す光軸に沿う断面図であり、(a)は広角端、(b)は中間、(c)は望遠端での状態を示している。図3〜図5は第1実施例にかかるズームレンズの無限遠物点合焦時における球面収差、非点収差、歪曲収差、倍率色収差を示す図であり、図3は広角端、図4は中間、図5は望遠端での状態を示している。
【0078】
第1実施例の電子撮像装置は、図1に示すように、物体側から順に、ズームレンズと、電子撮像素子であるCCDを有している。図1中、IはCCDの撮像面である。ズームレンズと撮像面Iとの間には、平面平板状の光学的ローパスフィルターLFとCCDカバーガラスCGが設けられている。なお、各実施例における光学的ローパスフィルターLFの最大厚みについては後述する。また、各実施例において近赤外シャープカットコートについては、例えば、光学的ローパスフィルターLFに直接コートを施しても良く、また、別に赤外カット吸収フィルターを配置してもよく、あるいは、透明平板の入射面に近赤外シャープカットコートしたものを用いてもよい。
第1実施例のズームレンズは、物体側から順に、第1レンズ群G1と、第2レンズ群G2と、開口絞りSと、第3レンズ群G3と、第4レンズ群G4とを有している。
第1レンズ群G1は、物体側から順に、光路を折り曲げるための反射光学素子R1と、正の屈折力を有する後側副群とで構成されており、全体で正の屈折力を有している。
反射光学素子R1は、光路入射面R11と、光路を折り曲げるための反射面R12と、射出面R13とを有するプリズムとして構成されている。光路入射面R11は、物体側に凹面であり、光軸から離れるに従って発散性が弱まる非球面に形成されている。
後側副群は、両凸正レンズL1で構成されている。
なお、本発明の各実施例における有効撮像領域の縦横比は3:4であり、折り曲げ方向は横方向である。
第2レンズ群G2は、物体側から順に、両凹負レンズL21と、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL22とで構成されており、全体で負の屈折力を有している。
第3レンズ群G3は、両凸正レンズL31と両凹負レンズL32との接合レンズと、両凸正レンズL33とで構成されており、全体で正の屈折力を有している。
第4レンズ群G4は、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL41で構成されており、全体で正の屈折力を有している。
【0079】
無限遠物点合焦時において広角端から望遠端へと変倍する際には、第1レンズ群G1は位置が固定され、第2レンズ群G2は像側へのみ移動し、開口絞りSは位置がほぼ固定され、第3レンズ群G3は物体側へのみ移動し、第4レンズ群は像側へのみ移動するようになっている。
また、合焦動作時に際しては、第4レンズ群G4が光軸上を移動するようになっている。
非球面は、上述した第1レンズ群G1中の反射光学素子R1の光路入射面R11のほかに、第1レンズ群G1中の両凸正レンズL1の物体側の面、第2レンズ群G2中の両凹負レンズL21の物体側の面に設けられている。
【0080】
次に、第1実施例のズームレンズを構成する光学部材の数値データを示す。
なお、第1実施例の数値データにおいて、r1、r2、…は各レンズ面の曲率半径、d1、d2、…は各レンズの肉厚または空気間隔、nd1、nd2、…は各レンズのd線での屈折率、νd1、νd2、…は各レンズのアッべ数、Fno.はFナンバー、fは全系焦点距離、D0は物体から第1面までの距離を表している。
なお、非球面形状は、光軸方向をz、光軸に直交する方向をyにとり、円錐係数をK、非球面係数をA4、A6、A8、A10としたとき、次の式で表される。
z=(y2/r)/[1+{1−(1+K)(y/r)21/2
+A44+A66+A88+A1010
なお、これらの記号は後述の実施例の数値データにおいても共通である。
【0081】
Figure 0004285957
Figure 0004285957
【0082】
Figure 0004285957
【0083】
Figure 0004285957
【0084】
第2実施例
図6は本発明による電子撮像装置に用いるズームレンズの第2実施例にかかる光学構成を示す光軸に沿う断面図であり、広角端無限遠物点合焦時の折り曲げ時における状態を示している。図7は第2実施例にかかるズームレンズの無限遠物点合焦時の光学構成を示す光軸に沿う断面図であり、(a)は広角端、(b)は中間、(c)は望遠端での状態を示している。図8〜図10は第2実施例にかかるズームレンズの無限遠物点合焦時における球面収差、非点収差、歪曲収差、倍率色収差を示す図であり、図8は広角端、図9は中間、図10は望遠端での状態を示している。
【0085】
第2実施例の電子撮像装置は、図6に示すように、物体側から順に、ズームレンズと、電子撮像素子であるCCDを有している。図6中、IはCCDの撮像面である。ズームレンズと撮像面Iとの間には、平面平板状の光学的ローパスフィルターLFとCCDカバーガラスCGが設けられている。
ズームレンズは、物体側から順に、第1レンズ群G1と、第2レンズ群G2と、開口絞りSと、第3レンズ群G3と、第4レンズ群G4とを有している。
第1レンズ群G1は、物体側から順に、光路を折り曲げるための反射光学素子R1と、正の屈折力を有する後側副群とで構成されており、全体で正の屈折力を有している。
反射光学素子R1は、光路入射面R11と、光路を折り曲げるための反射面R12と、射出面R13とを有するプリズムとして構成されている。光路入射面R11は、物体側に凹面であり、光軸から離れるに従って発散性が弱まる非球面に形成されている。
後側副群は、両凸正レンズL1で構成されている。
第2レンズ群G2は、物体側から順に、両凹負レンズL21と、両凸正レンズL22’とで構成されており、全体で負の屈折力を有している。
第3レンズ群G3は、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL31’と物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL32’との接合レンズと、両凸正レンズL33とで構成されており、全体で正の屈折力を有している。
第4レンズ群G4は、両凸正レンズL41’と両凹負レンズL42とで構成されており、全体で正の屈折力を有している。
【0086】
無限遠物点合焦時において広角端から望遠端へと変倍する際には、第1レンズ群G1は位置が固定され、第2レンズ群G2は像側へのみ移動し、開口絞りSは位置がほぼ固定され、第3レンズ群G3は物体側へのみ移動し、第4レンズ群は像側へのみ移動するようになっている。
また、合焦動作時に際しては、第4レンズ群G4が光軸上を移動するようになっている。
非球面は、上述した第1レンズ群G1中の反射光学素子R1の光路入射面R11のほかに、第1レンズ群G1中両凸正レンズL1の物体側の面、第2レンズ群G2中の両凹負レンズL21の両面に設けられている。
【0087】
次に、第2実施例のズームレンズを構成する光学部材の数値データを示す。
Figure 0004285957
Figure 0004285957
【0088】
Figure 0004285957
【0089】
Figure 0004285957
【0090】
第3実施例
図11は本発明による電子撮像装置に用いるズームレンズの第3実施例にかかる光学構成を示す光軸に沿う断面図であり、広角端無限遠物点合焦時の折り曲げ時における状態を示している。図12は第3実施例にかかるズームレンズの無限遠物点合焦時の光学構成を示す光軸に沿う断面図であり、(a)は広角端、(b)は中間、(c)は望遠端での状態を示している。図13〜図15は第3実施例にかかるズームレンズの無限遠物点合焦時における球面収差、非点収差、歪曲収差、倍率色収差を示す図であり、図13は広角端、図14は中間、図15は望遠端での状態を示している。
【0091】
第3実施例の電子撮像装置は、図11に示すように、物体側から順に、ズームレンズと、電子撮像素子であるCCDを有している。図11中、IはCCDの撮像面である。ズームレンズと撮像面Iとの間には、平面平板状の光学的ローパスフィルターLFとCCDカバーガラスCGが設けられている。
ズームレンズは、物体側から順に、第1レンズ群G1と、第2レンズ群G2と、開口絞りSと、第3レンズ群G3と、第4レンズ群G4とを有している。
第1レンズ群G1は、物体側から順に、光路を折り曲げるための反射光学素子R1と、正の屈折力を有する後側副群とで構成されており、全体で正の屈折力を有している。
反射光学素子R1は、光路入射面R11と、光路を折り曲げるための反射面R12と、射出面R13とを有するプリズムとして構成されている。光路入射面R11は、物体側に凹面であり、光軸から離れるに従って発散性が弱まる非球面に形成されている。
後側副群は、両凸正レンズL1で構成されている。
第2レンズ群G2は、物体側から順に、両凹負レンズL21と、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL22とで構成されており、全体で負の屈折力を有している。
第3レンズ群G3は、両凸正レンズL31と、両凸正レンズL32”と両凹負レンズL33’との接合レンズとで構成されており、全体で正の屈折力を有している。
第4レンズ群G4は、両凸正レンズL41’で構成されており、全体で正の屈折力を有している。
【0092】
無限遠物点合焦時において広角端から望遠端へと変倍する際には、第1レンズ群G1は位置が固定され、第2レンズ群G2は像側へのみ移動し、開口絞りSは位置がほぼ固定され、第3レンズ群G3は物体側へのみ移動し、第4レンズ群は位置が固定されるようになっている。
また、合焦動作時に際しては、第3レンズ群G3が光軸上を移動するようになっている。
非球面は、上述した第1レンズ群G1中の反射光学素子R1の光路入射面R11のほかに、第1レンズ群G1中の両凸正レンズL1の物体側の面、第2レンズ群G2中の両凹負レンズL21の両面、第3レンズ群G3中の両凸正レンズL31の両面に設けられている。
【0093】
次に、第3実施例のズームレンズを構成する光学部材の数値データを示す。
Figure 0004285957
Figure 0004285957
【0094】
Figure 0004285957
【0095】
Figure 0004285957
【0096】
第4実施例
図16は本発明による電子撮像装置に用いるズームレンズの第4実施例にかかる光学構成を示す光軸に沿う断面図であり、広角端無限遠物点合焦時の折り曲げ時における状態を示している。図17は第4実施例にかかるズームレンズの無限遠物点合焦時の光学構成を示す光軸に沿う断面図であり、(a)は広角端、(b)は中間、(c)は望遠端での状態を示している。図18〜図20は第4実施例にかかるズームレンズの無限遠物点合焦時における球面収差、非点収差、歪曲収差、倍率色収差を示す図であり、図18は広角端、図19は中間、図20は望遠端での状態を示している。
【0097】
第4実施例の電子撮像装置は、図16に示すように、物体側から順に、ズームレンズと、電子撮像素子であるCCDを有している。図16中、IはCCDの撮像面である。ズームレンズと撮像面Iとの間には、平面平板状の光学的ローパスフィルターLFとCCDカバーガラスCGが設けられている。
ズームレンズは、物体側から順に、第1レンズ群G1と、第2レンズ群G2と、開口絞りSと、第3レンズ群G3と、第4レンズ群G4とを有している。
第1レンズ群G1は、物体側から順に、光路を折り曲げるための反射光学素子R1と、正の屈折力を有する後側副群とで構成されており、全体で正の屈折力を有している。
反射光学素子R1は、光路入射面R11と、光路を折り曲げるための反射面R12と、射出面R13とを有するプリズムとして構成されている。光路入射面R11は、物体側に凹面であり、光軸から離れるに従って発散性が弱まる非球面に形成されている。
後側副群は、両凸正レンズL1で構成されている。
第2レンズ群G2は、物体側から順に、両凹負レンズL21と、両凸正レンズL22’とで構成されており、全体で負の屈折力を有している。
第3レンズ群G3は、両凸正レンズL31と、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL32”’と物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL33”との接合レンズとで構成されており、全体で正の屈折力を有している。
第4レンズ群G4は、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL41で構成されており、全体で正の屈折力を有している。
【0098】
無限遠物点合焦時において広角端から望遠端へと変倍する際には、第1レンズ群G1は位置が固定され、第2レンズ群G2は像側へのみ移動し、開口絞りSは位置がほぼ固定され、第3レンズ群G3は物体側へのみ移動し、第4レンズ群は位置が像側へのみわずかに移動するようになっている。
また、合焦動作時に際しては、第4レンズ群G4が光軸上を移動するようになっている。
非球面は、上述した第1レンズ群G1中の反射光学素子R1の光路入射面R11のほかに、第1レンズ群G1中の両凸正レンズL1の物体側の面、第2レンズ群G2中の両凹負レンズL21の両面、第3レンズ群G3中の両凸正レンズL31の両面に設けられている。
【0099】
次に、第4実施例のズームレンズを構成する光学部材の数値データを示す。
Figure 0004285957
Figure 0004285957
【0100】
Figure 0004285957
【0101】
Figure 0004285957
【0102】
第5実施例
図21は本発明による電子撮像装置に用いるズームレンズの第5実施例にかかる光学構成を示す光軸に沿う断面図であり、広角端無限遠物点合焦時の折り曲げ時における状態を示している。図22は第5実施例にかかるズームレンズの無限遠物点合焦時の光学構成を示す光軸に沿う断面図であり、(a)は広角端、(b)は中間、(c)は望遠端での状態を示している。図23〜図25は第5実施例にかかるズームレンズの無限遠物点合焦時における球面収差、非点収差、歪曲収差、倍率色収差を示す図であり、図23は広角端、図24は中間、図25は望遠端での状態を示している。
【0103】
第5実施例の電子撮像装置は、図21に示すように、物体側から順に、ズームレンズと、電子撮像素子であるCCDを有している。図21中、IはCCDの撮像面である。ズームレンズと撮像面Iとの間には、平面平板状の光学的ローパスフィルターLFとCCDカバーガラスCGが設けられている。
ズームレンズは、物体側から順に、第1レンズ群G1と、第2レンズ群G2と、開口絞りSと、第3レンズ群G3と、第4レンズ群G4とを有している。
第1レンズ群G1は、物体側から順に、光路を折り曲げるための反射光学素子R1と、正の屈折力を有する後側副群とで構成されており、全体で正の屈折力を有している。
反射光学素子R1は、光路入射面R11と、光路を折り曲げるための反射面R12と、射出面R13とを有するプリズムとして構成されている。光路入射面R11は、物体側に凹面であり、光軸から離れるに従って発散性が弱まる非球面に形成されている。
後側副群は、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL1’で構成されている。
第2レンズ群G2は、物体側から順に、両凹負レンズL21と、両凸正レンズL22’とで構成されており、全体で負の屈折力を有している。
第3レンズ群G3は、両凸正レンズL31と、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL32”’と物体側の面が平面で像側の面が凹面の片凹負レンズL33”’との接合レンズとで構成されており、全体で正の屈折力を有している。
第4レンズ群G4は、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL41で構成されており、全体で正の屈折力を有している。
【0104】
無限遠物点合焦時において広角端から望遠端へと変倍する際には、第1レンズ群G1は位置が固定され、第2レンズ群G2は像側へのみ移動し、開口絞りSは位置がほぼ固定され、第3レンズ群G3は物体側へのみ移動し、第4レンズ群は像側へのみわずかに移動するようになっている。
また、合焦動作時に際しては、第4レンズ群G4が光軸上を移動するようになっている。
非球面は、上述した第1レンズ群G1中の反射光学素子R1の光路入射面R11のほかに、第1レンズ群G1中の物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL1’の物体側の面、第2レンズ群G2中の両凹負レンズL21の両面、第3レンズ群G3中の両凸正レンズL31の両面に設けられている。
【0105】
次に、第5実施例のズームレンズを構成する光学部材の数値データを示す。
Figure 0004285957
Figure 0004285957
【0106】
Figure 0004285957
【0107】
Figure 0004285957
【0108】
第6実施例
図26は本発明による電子撮像装置に用いるズームレンズの第6実施例にかかる光学構成を示す光軸に沿う断面図であり、広角端無限遠物点合焦時の折り曲げ時における状態を示している。図27は第6実施例にかかるズームレンズの無限遠物点合焦時の光学構成を示す光軸に沿う断面図であり、(a)は広角端、(b)は中間、(c)は望遠端での状態を示している。図28〜図30は第6実施例にかかるズームレンズの無限遠物点合焦時における球面収差、非点収差、歪曲収差、倍率色収差を示す図であり、図28は広角端、図29は中間、図30は望遠端での状態を示している。
【0109】
第6実施例の電子撮像装置は、図26に示すように、物体側から順に、ズームレンズと、電子撮像素子であるCCDを有している。図26中、IはCCDの撮像面である。ズームレンズと撮像面Iとの間には、平面平板状の光学的ローパスフィルターLFとCCDカバーガラスCGが設けられている。
ズームレンズは、物体側から順に、第1レンズ群G1と、第2レンズ群G2と、開口絞りSと、第3レンズ群G3と、第4レンズ群G4と、第5レンズ群G5とを有している。
第1レンズ群G1は、物体側から順に、光路を折り曲げるための反射光学素子R1と、正の屈折力を有する後側副群とで構成されており、全体で正の屈折力を有している。
反射光学素子R1は、光路入射面R11と、光路を折り曲げるための反射面R12と、射出面R13とを有するプリズムとして構成されている。光路入射面R11は、物体側に凹面であり、光軸から離れるに従って発散性が弱まる非球面に形成されている。
後側副群は、両凸正レンズL1で構成されている。
第2レンズ群G2は、物体側から順に、両凹負レンズL21と、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL22とで構成されており、全体で負の屈折力を有している。
第3レンズ群G3は、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL31’で構成されており、全体で正の屈折力を有している。
第4レンズ群G4は、両凸正レンズL41’と物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL42’との接合レンズで構成されており、全体で正の屈折力を有している。
第5レンズ群G5は、物体側の面が凸面で像側の面が平面の片凸正レンズL51と物体側の面が平面で像側の面が凹面の片凹負レンズL52との接合レンズで構成されており、全体で正の屈折力を有している。
【0110】
無限遠物点合焦時において広角端から望遠端へと変倍する際には、第1レンズ群G1は位置が固定され、第2レンズ群G2は像側へのみ移動し、開口絞りSは位置がほぼ固定され、第3レンズ群G3は位置が固定され、第4レンズ群G4は物体側へのみ移動し、第5レンズ群は像側へのみ移動するようになっている。
また、合焦動作時に際しては、第5レンズ群G5が光軸上を移動するようになっている。
非球面は、上述した第1レンズ群G1中の反射光学素子R1の光路入射面R11のほかに、第1レンズ群G1中の両凸正レンズL1の物体側の面、第2レンズ群G2中の両凹負レンズL21の両面、第4レンズ群G4中の両凸正レンズL41’の物体側の面、第5レンズ群G5中の物体側の面が凸面で像側の面が平面の片凸正レンズL51の物体側の面に設けられている。
【0111】
次に、第6実施例のズームレンズを構成する光学部材の数値データを示す。
Figure 0004285957
Figure 0004285957
【0112】
Figure 0004285957
【0113】
Figure 0004285957
【0114】
第7実施例
図31は本発明による電子撮像装置に用いるズームレンズの第7実施例にかかる光学構成を示す光軸に沿う断面図であり、広角端無限遠物点合焦時の折り曲げ時における状態を示している。図32は第7実施例にかかるズームレンズの無限遠物点合焦時の光学構成を示す光軸に沿う断面図であり、(a)は広角端、(b)は中間、(c)は望遠端での状態を示している。図33〜図35は第7実施例にかかるズームレンズの無限遠物点合焦時における球面収差、非点収差、歪曲収差、倍率色収差を示す図であり、図33は広角端、図34は中間、図35は望遠端での状態を示している。
【0115】
第7実施例の電子撮像装置は、図31に示すように、物体側から順に、ズームレンズと、電子撮像素子であるCCDを有している。図31中、IはCCDの撮像面である。ズームレンズと撮像面Iとの間には、平面平板状の光学的ローパスフィルターLFとCCDカバーガラスCGが設けられている。
ズームレンズは、物体側から順に、第1レンズ群G1と、第2レンズ群G2と、開口絞りSと、第3レンズ群G3と、第4レンズ群G4と、第5レンズ群G5とを有している。
第1レンズ群G1は、物体側から順に、光路を折り曲げるための反射光学素子R1と、正の屈折力を有する後側副群とで構成されており、全体で正の屈折力を有している。
反射光学素子R1は、光路入射面R11と、光路を折り曲げるための反射面R12と、射出面R13とを有するプリズムとして構成されている。光路入射面R11は、物体側に凹面であり、光軸から離れるに従って発散性が弱まる非球面に形成されている。
後側副群は、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL1’で構成されている。
第2レンズ群G2は、物体側から順に、両凹負レンズL21と、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL22とで構成されており、全体で負の屈折力を有している。
第3レンズ群G3は、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL31’で構成されており、全体で正の屈折力を有している。
第4レンズ群G4は、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL41”と両凸正レンズL42”との接合レンズで構成されており、全体で正の屈折力を有している。
第5レンズ群G5は、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL51’と物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL52’との接合レンズで構成されており、全体で正の屈折力を有している。
【0116】
無限遠物点合焦時において広角端から望遠端へと変倍する際には、第1レンズ群G1は位置が固定され、第2レンズ群G2は像側へのみ移動し、開口絞りSは位置がほぼ固定され、第3レンズ群G3は位置が固定され、第4レンズ群G4は物体側へのみ移動し、第5レンズ群は像側へのみ移動するようになっている。
また、合焦動作時に際しては、第5レンズ群G5が光軸上を移動するようになっている。
非球面は、上述した第1レンズ群G1中の反射光学素子R1の光路入射面R11のほかに、第1レンズ群G1中の両凸正レンズL1’の物体側の面、第2レンズ群G2中の両凹負レンズL21の両面、第4レンズ群G4中の両凸正レンズL42”の像側の面、第5レンズ群G5中の物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL51’の物体側の面に設けられている。
【0117】
次に、第7実施例のズームレンズを構成する光学部材の数値データを示す。
Figure 0004285957
Figure 0004285957
【0118】
Figure 0004285957
【0119】
Figure 0004285957
【0120】
次に、上記実施例における条件式のパラメータ等の値を次の表1に示す。
表1
Figure 0004285957
Figure 0004285957
レンズデータにおける光学的ローパスフィルターは複数枚構成であり、さらに赤外カットなどの厚みも含んでいる。その最大厚みの値でなく表中の値を用いる。
【0121】
また、次の表2に示すaとtLPFの組み合わせ1〜10のいずれを用いても良い。
表2
Figure 0004285957
【0122】
ここで、電子撮像素子の有効撮像面の対角長Lと画素間隔aについて説明しておく。図36は本発明の各実施例に用いる電子撮像素子の画素配列の一例を示す図であり、画素間隔aでR(赤)、G(緑)、B(青)の画素あるいはシアン、マゼンダ、イエロー、グリーン(緑)の4色の画素(図39)がモザイク状に配されている。有効撮像面は撮影した映像の再生(パソコン上での表示、プリンターによる印刷等)に用いる撮像素子上の光電変換面内における領域を意味する。図中に示す有効撮像面は、光学系の性能(光学系の性能が確保し得るイメージサークル)に合わせて、撮像素子の全光電変換面よりも狭い領域に設定されている。有効撮像面の対角長Lは、この有効撮像面の対角長である。なお、映像の再生に用いる撮像範囲を種々変更可能としてよいが、そのような機能を有する撮像装置に本発明のズームレンズを用いる際は、その有効撮像面の対角長Lが変化する。そのような場合は、本発明における有効撮像面の対角長Lは、とり得る範囲における最大値とする。
【0123】
なお、上記各実施例では、最終レンズ群の像側には、近赤外カットフィルター又は近赤外カットコート面を入射面側に施した光学的ローパスフィルターLFを有している。この近赤外カットフィルター、近赤外カットコート面は、波長60nmでの透過率が80%以上、波長700nmでの透過率が10%以下となるように構成されている。具体的には、例えば次のような27層の層構成からなる多層膜である。ただし、設計波長は780nmである。
【0124】
Figure 0004285957
Figure 0004285957
【0125】
上記の近赤外シャープカットコートの透過率特性は図37に示す通りである。また、ローパスフィルターLFの射出面側、又は近赤外カットコートを施したCCDカバーガラスCGの射出面側、もしくは、近赤外カットコートを施した他のレンズの射出面側には、図38に示すような短波長域の色の透過を低滅する色フィルターを設けるか、もしくは、コーティングを行うことで、より一層電子画像の色再現性を高めている。
具体的には、このフィルター、もしくは、コーティングにより、波長400nm〜700nmで透過率が最も高い波長の透過率に対する420nmの波長の透過率の比が15%以上であり、その最も高い波長の透過率に対する400nmの波長の透過率の比が6%以下であることが好ましい。
それにより、人間の目の色に対する認識と、撮像及び再生される画像の色とのずれを低減させることができる。言い換えると、人間の視覚では認識され難い短波長側の色が、人間の目で容易に認識されることによる画像の劣化を防止することができる。
【0126】
上記の400nmの波長の透過率の比が6%を上回ると、人間の目では認識され難い単波長城が認識し得る波長に再生されてしまい、逆に、上記の420nmの波長の透過率の比が15%を下回ると、人間の認識し得る波長城の再生が、低くなり、色のバランスが悪くなる。
このような波長を制限する手段は、補色モザイクフィルターを用いた撮像系においてより効果を奏するものである。
【0127】
上記各実施例では、図38に示すように、波長400nmにおける透過率が0%、波長420nmにおける透過率が90%、波長440nmにおいて透過率のピーク100%となるコーティングとしている。
そして、上述の近赤外シャープカットコートとの作用の掛け合わせにより、波長450nmにおける透過率99%をピークとして、波長400nmにおける透過率が0%、波長420nmにおける透過率が80%、波長600nmにおける透過率が82%、波長700nmにおける透過率が2%となっている。それにより、より忠実な色再現を行っている。
【0128】
また、ローパスフィルターLFは、像面上投影時の方位角度が水平(=0°)と±45°方向にそれぞれ結晶軸を有する3種類のフィルターを光軸方向に重ねて使用しており、それぞれについて、水平にaμm、±45°方向にそれぞれSQRT(1/2)×aだけずらすことで、モアレ抑制を行っている。ここで、SQRTはスクエアルートであり、平方根を意味する。
【0129】
また、CCDの撮像面I上には、図39に示す通り、シアン、マゼンダ、イエロー、グリーン(緑)の4色の色フィルターを撮像画素に対応してモザイク状に設けた補色モザイクフィルターを設けている。これら4種類の色フィルターは、それぞれが略同じ数になるように、かつ、隣り合う画素が同じ種類の色フィルターに対応しないようにモザイク状に配置されている。それにより、より忠実な色再現が可能となる。
【0130】
補色モザイクフィルターは、具体的には、図39に示すように、少なくとも4種類の色フィルターから構成され、その4種類の色フィルターの特性は以下の通りであることが好ましい。
グリーンの色フィルターGは波長GPに分光強度のピークを有し、イエローの色フィルターYeは波長YPに分光強度のピークを有し、シアンの色フィルターCは波長CPに分光強度のピークを有し、マゼンダの色フィルターMは波長MP1とMP2にピークを有し、次の条件式を満足する。
510nm < GP < 540nm
5nm < YP−GP < 35nm
−100nm < CP−GP < −5nm
430nm < MP1 < 480nm
580nm < MP2 < 640nm
【0131】
さらに、グリーン、イエロー、シアンの色フィルターはそれぞれの分光強度のピークに対して波長530nmでは80%以上の強度を有し、マゼンダの色フィルターはその分光強度のピークに対して波長530nmでは10%から50%の強度を有することが、色再現性を高める上でより好ましい。
【0132】
上記各実施例におけるそれぞれの波長特性の一例を図40に示す。グリーンの色フィルターGは、波長525nmに分光強度のビークを有している。イエローの色フィルターYeは、波長555nmに分光強度のピークを有している。シアンの色フィルターCは、波長510nmに分光強度のピークを有している。マゼンダの色フィルターMは、波長445nmと波長620nmにピークを有している。また、波長530nmにおける各色フィルターは、それぞれの分光強度のピークに対して、Gは99%、Yeは95%、Cは97%、Mは38%となっている。
【0133】
このような補色フィルターの場合、図示しないコントローラー(もしくは、デジタルカメラに用いられるコントローラー)で、電気的に次のような信号処理、即ち、
輝度信号
Y=|G+M+Ye+C|×1/4
色信号
R−Y=|(M+Ye)−(G+C)|
B−Y=|(M+C)−(G+Ye)|
の信号処理を経て、R(赤)、G(緑)、B(青)の信号に変換される。
なお、上記した近赤外シャープカットコートの配置位置は、光路上のどの位置であってもよい。また、ローパスフィルターLFの枚数も上述の通り2枚でも1枚でも構わない。
【0134】
なお、上記各実施例では絞りSを平板としているが、他の構成として円形の開口を持った黒塗り部材を用いても良い。または、図41に示すような漏斗状の絞りをレンズの凸面の傾きに沿ってかぶせても良い。さらには、レンズを保持する鏡枠において絞りを形成してもよい。
【0135】
また、上記各実施例においては、本発明における光量を調節するための透過率可変手段や受光時間を調節するためのシャッターを、第3レンズ群G3の像側の空気間隔に配置することができるように設計されている。
そして、光量調節手段に関しては、図42に示すように、素通し面又は中空の開口、透過率1/2のNDフィルター、透過率1/4のNDフィルター等をターレット状に設けて構成したものを用いることができる。
【0136】
この具体例を図43に示す。ただし、この図では便宜上、第1レンズ群G1〜第2レンズ群G2は省いて図示してある。第3レンズ群G3と第4レンズ群G4との間の光軸上の位置に、0段、−1段、−2段、−3段の明るさ調節を可能とする図31に示すターレット10を配置している。ターレット10には、有効光束を透過する領域にて、各々波長550nmに対する透過率について、透過率100%の開口、透過率50パーセントのNDフィルター、透過率25%のNDフィルター、透過率12.5%のNDフィルターが設けられた開口部1A,1B,1C,1Dを有している。
そして、ターレット10の回転軸11の周りの回動により、いずれかの開口を絞り位置とは異なる空間であるレンズ間の光軸上に配置することで光量調節を行っている。
【0137】
また、光量調節手段として、図44に示すように、光量ムラを抑えるように、光量調節が可能なフィルター面を設けても良い。図44のフィルター面は、同心円状に透過率が異なり、中心にいくほど光量が低下するようになっている。
そして、上記フィルター面を配置することにより、暗い被写体に対しては中心部の光量確保を優先して透過率を均一とし、明るい被写体に対してのみ明るさムラを補うように構成してもよい。
【0138】
さらには、装置全体の薄型化を考慮すると、電気的に透過率を制御できる電気光学素子を用いることが出来る。
電気光学素子は、たとえば、図45に示すように、TN液晶セルを透明電極と偏光方向を一致させた偏光膜を持つ2枚の平行平板で両側から挟み込み、透明電極間の電圧を適宜かえることにより液晶の内での偏光方向を変化させて透過する光量を調節する液晶フィルター等で構成できる。
なお、この液晶フィルターでは、可変抵抗を介してTN液晶セルにかかる電圧を調整して、TN液晶セルの配向を変化させている。
【0139】
さらには、光量調節手段として、上述のような透過率を調節する各種フィルターにかえて受光時間を調節するシャッターを設けても良い。又はシャッターをフィルターと併設させても良い。
シャッターは像面近傍に配置した移動幕によるフォーカルプレーンシャッターで構成しても良いし、光路途中に設けた2枚羽のレンズシャッター、フォーカルプレーンシャッター、液晶シャッター等、種々のもので構成しても構わない。
【0140】
図46は本発明の各実施例にかかる電子撮像装置に適用可能な受光時間を調節するフォーカルプレーンシャッターの1つであるロータリーフォーカルプレーンシャッターの一例を示す概略構成図であり、(a)は裏面図、(b)は表面図、図47(a)〜(d)はロータリーシャッター幕Bが回転する様子を像面側からみた図である。
図46中、Aはシャッター基板、Bはロータリーシャッター幕、Cはロータリーシャッター幕の回転軸、D1,D2はギアである。
【0141】
シャッター基板Aは、本発明の電子撮像装置において、像面の直前、または任意の光路に配置される構成となっている。また、シャッター基板Aには、光学系の有効光束を透過する開口部A1が設けられている。ロータリーシャッター幕Bは略半円型に形成されている。ロータリーシャッター幕の回転軸Cは、ロータリーシャッター幕Bと一体化されている。また、回転軸Cは、シャッター基板Aに対して回転するようになっている。また、回転軸Cは、シャッター基板Aの表面のギアD1,D2と連結されている。ギアD1,D2は図示しないモーターと連結されている。
そして、図示しないモーターの駆動により、ギアD2,D1、回転軸Cを介してロータリーシャッター幕Bが回転軸Cを中心に、時間を追って図47(a)〜(d)の順で回転するようになっている。ロータリーシャッター幕Bは、回転により、シャッター基板Aの開口部A1の遮蔽と退避を行いシャッターとしての役割を果たしている。
また、シャッタースピードはロータリーシャッター幕Bの回転するスピードを変えることで調整されるようになっている。
【0142】
以上、光量調節手段について説明したが、これらのシャッター、透過率可変フィルターは、上述の本発明の実施例においては、例えば、第1,第2実施例の第15面に配置される。なお、これらの光量調節手段は、上述の開口絞りとは異なる位置であれば、他の位置に配置しても良い。
【0143】
また、上述の電気光学素子に、シャッターの役割を兼用させても良い。このようにすると、部品点数の削減、光学系の小型化の点でより好ましい。
【0144】
さて、以上のような本発明の折り曲げズームレンズを用いた電子撮像装置は、ズームレンズ等の結像光学系で物体像を形成しその像をCCDや銀塩フィルムといった撮像素子に受光させて撮影を行う撮影装置、とりわけデジタルカメラやビデオカメラ、情報処理装置の例であるパソコン、電話、特に持ち運びに便利な携帯電話等に用いることができる。以下に、その実施形態を例示する。
【0145】
図48〜図50は本発明による折り曲げズームレンズをデジタルカメラの撮影光学系41に組み込んだ構成の概念図であり、図48はデジタルカメラ40の外観を示す前方斜視図、図49は同後方斜視図、図50はデジタルカメラ40の構成を示す断面図である。なお、図50に示すデジタルカメラは、撮像光路をファインダーの長辺方向に折り曲げた構成となっており、図50中の観察者の眼を上側からみて示してある。
【0146】
デジタルカメラ40は、この例の場合、撮影用光路42を有する撮影光学系41、ファインダー用光路44を有するファインダー光学系43、シャッター45、フラッシュ46、液晶表示モニター47等を含み、カメラ40の上部に配置されたシャッター45を押圧すると、それに連動して撮影光学系41、例えば、第1実施例の光路折り曲げズームレンズを通して撮影が行われるようになっている。
そして、撮影光学系41によって形成された物体像が、近赤外カットフィルター、又はCCDカバーガラス又はその他のレンズに施された近赤外カットコートを経てCCD49の撮像面上に形成される。
【0147】
このCCD49で受光された物体像は、処理手段51を介し、電子画像としてカメラ背面に設けられた液晶表示モニター47に表示される。また、この処理手段51には記録手段52が接続され、撮影された電子画像を記録することもできる。なお、この記録手段52は処理手段51と別体に設けてもよいし、フロッピー(登録商標)ディスクやメモリーカード、MO等により電子的に記録書込を行うように構成してもよい。また、CCD49に代わって銀塩フィルムを配置した銀塩カメラとして構成してもよい。
【0148】
さらに、ファインダー用光路44上にはファインダー用対物光学系53が配置してある。このファインダー用対物光学系53によって形成された物体像は、像正立部材であるポロプリズム55の視野枠57上に形成される。このポリプリズム55の後方には、正立正像にされた像を観察者眼球Eに導く接眼光学系59が配置されている。なお、撮影光学系41及びファインダー用対物光学系53の入射側、接眼光学系59の射出側にそれぞれカバー部材50が配置されている。
【0149】
このように構成されたデジタルカメラ40は、長辺方向に光路を置き曲げたことによりカメラの薄型化に効果がある。また、撮影光学系41が広画角で高変倍比であり、収差が良好で、明るく、フィルター等が配置できるバックフォーカスの大きなズームレンズであるので、高性能・低コスト化が実現できる。
なお、本実施例のデジタルカメラ40の撮像光路をファインダーの短辺方向に折り曲げて構成してもよい。その場合には、撮影レンズの入射面からストロボ(又はフラッシュ)をより上方に離して配置し、人物のストロボ撮影時の際に生じる影の影響を緩和できるレイアウトにし得る。
また、図50の例では、カバー部材50として平行平面板を配置しているが、パワーを持ったレンズを用いてもよい。
【0150】
次に、本発明の折り曲げズームレンズが対物光学系として内蔵された情報処理装置の一例であるパソコンを図51〜図53に示す。図51はパソコン300のカバーを開いた前方斜視図、図52はパソコン300の撮影光学系303の断面図、図53は図51の側面図である。
【0151】
図51〜図53に示すように、パソコン300は、外部から操作者が情報を入力するためのキーボード301と、図示を省略した情報処理手段や記録手段と、情報を操作者に表示するモニター302と、操作者自身や周辺の像を撮影するための撮影光学系303とを有している。
ここで、モニター302は、図示しないバックライトにより背面から照明する透過型液晶表示素子や、前面からの光を反射して表示する反射型液晶表示素子や、CRTディスプレイ等であってよい。また、図中、撮影光学系303は、モニター302の右上に内蔵されているが、その場所に限らず、モニター302の周囲や、キーボード301の周囲のどこであってもよい。
この撮影光学系303は、撮影光路304上に、本発明による例えば第1実施例の光路折り曲げズームレンズからなる対物レンズ112と、像を受光する撮像素子チップ162とを有している。これらはパソコン300に内蔵されている。
【0152】
ここで、撮像素子チップ162上にはカバーガラスCGが付加的に貼り付けられて撮像ユニット160として一体に形成され、対物レンズ112の鏡枠113の後端にワンタッチで嵌め込まれて取り付け可能になっているため、対物レンズ112と撮像素子チップ162の中心合わせや面間隔の調整が不要であり、組立が簡単となっている。また、鏡枠113の先端(図示略)には、対物レンズ112を保護するためのカバーガラス114が配置されている。なお、鏡枠113中のズームレンズの駆動機構等は図示を省いてある。
【0153】
撮像素子チップ162で受光された物体像は、端子166を介して、パソコン300の処理手段に入力され、電子画像としてモニター302に表示される。図51には、その一例として、操作者の撮影された画像305が示されている。また、この画像305は、処理手段を介し、インターネットや電話を介して、遠隔地から通信相手のパソコンに表示されることも可能である。
【0154】
次に、本発明の折り曲げズームレンズが撮影光学系として内蔵された情報処理装置の一例である電話、特に持ち運びに便利な携帯電話を図54に示す。図54(a)は携帯電話400の正面図、図54(b)は側面図、図54(c)は撮影光学系405の断面図である。
図54(a)〜(c)に示すように、携帯電話400は、操作者の声を情報として入力するマイク部401と、通話相手の声を出力するスピーカ部402と、操作者が情報を入力する入力ダイアル403と、操作者自身や通話相手等の撮影像と電話番号等の情報を表示するモニター404と、撮影光学系405と、通信電波の送信と受信を行うアンテナ406と、画像情報や通信情報、入力信号等の処理を行う処理手段(図示せず)とを有している。ここで、モニター404は液晶表示素子である。また、図中、各構成の配置位置は、特にこれらに限られない。この撮影光学系405は、撮影光路407上に配置された本発明による例えば第1実施例の光路折り曲げズームレンズからなる対物レンズ112と、物体像を受光する撮像素子チップ162とを有している。これらは、携帯電話400に内蔵されている。
【0155】
ここで、撮像素子チップ162上にはカバーガラスCGが付加的に貼り付けられて撮像ユニット160として一体に形成され、対物レンズ112の鏡枠113の後端にワンタッチで嵌め込まれて取り付け可能になっているため、対物レンズ112と撮像素子チップ162の中心合わせや面間隔の調整が不要であり、組立が簡単となっている。また、鏡枠113の先端(図示略)には、対物レンズ112を保護するためのカバーガラス114が配置されている。なお、鏡枠113中のズームレンズの駆動機構等は図示を省いてある。
【0156】
撮影素子チップ162で受光された物体像は、端子166を介して、図示していない処理手段に入力され、電子画像としてモニター404に、又は、通信相手のモニターに、又は、両方に表示される。また、通信相手に画像を送信する場合、撮像素子チップ162で受光された物体像の情報を、送信可能な信号へと変換する信号処理機能が処理手段には含まれている。
【0157】
以上説明したように、本発明のズームレンズ及びそれを有する電子撮像装置は、特許請求の範囲に記載された発明の他に、次に示すような特徴も備えている。
【0158】
(1)前記開口絞りが、撮像面に対し位置が略不動であることを特徴とする請求項4乃至6のいずれかに記載のズームレンズ。
【0159】
(2)物体側より順に、正の屈折力を有し変倍時固定の第1レンズ群と、負の屈折力を有し変倍時可動な第2レンズ群と、撮像面に対し位置が略不動の開口絞りと、正の屈折力を有し無限遠物点合焦時広角端から望遠端へ向かって変倍する際に一方向にのみ可動なレンズ群Mと、正の屈折力を有する最終レンズ群Rとを有することを特徴とするズームレンズ。
【0160】
(3)前記レンズ群Mには正レンズと負レンズの接合レンズ成分を少なくとも1つ有することを特徴とする上記(2)に記載のズームレンズ。
【0161】
(4)前記レンズ群Mは、前記撮像面に対し位置が略不動の開口絞りから像側に向かって最初の可動レンズ群であることを特徴とする上記(2)又は(3)に記載のズームレンズ。
【0162】
(5)前記レンズ群Mは、物体側から順に3つ目のレンズ群であり、正レンズと負レンズとの接合レンズと、正の単レンズとの2群3枚にて構成されていることを特徴とする上記(2)に記載のズームレンズ。
【0163】
(6)前記レンズ群Mは、物体側から順に3つ目のレンズ群であり、正の単レンズと、正レンズと負レンズとの接合レンズとの2群3枚にて構成されていることを特徴とする上記(2)に記載のズームレンズ。
【0164】
(7)前記レンズ群Mは、物体側から順に4つ目のレンズ群であり、正レンズと負レンズとの接合レンズのみで構成されていることを特徴とする上記(2)に記載のズームレンズ。
【0165】
(8)前記第1レンズ群は、前記プリズムの像側に正レンズのみを有することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項、又は、上記(1)〜(7)のいずれかに記載のズームレンズ。
【0166】
(9)前記第2レンズ群は、物体側から順に負レンズ、正レンズの順の2枚のレンズにて構成され、該負レンズは非球面を有することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項、又は、上記(1)〜(8)のいずれかに記載のズームレンズ。
【0167】
(10)常時固定のレンズ群を除く最も像側のレンズ群を移動して合焦することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項、又は、上記(1)〜(9)のいずれかに記載のズームレンズ。
【0168】
(11)上記(1)〜(10)のいずれかに記載のズームレンズを有する電子撮像装置。
【0169】
【発明の効果】
本発明によれば、ズーム比、画角、F値、少ない収差など高い光学仕様性能を確保しながらも沈胴式鏡筒に見られるようなカメラの使用状態への立ち上げ時間(レンズのせり出し時間)がなく、防水・防塵上も好ましく、また、奥行き方向が極めて薄いカメラとすることが可能となる。加えて、絞り、シャッター機構などを移動させない光学系とすることで奥行きをさらに薄くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による電子撮像装置に用いるズームレンズの第1実施例にかかる光学構成を示す光軸に沿う断面図であり、広角端無限遠物点合焦時の折り曲げ時における状態を示している。
【図2】第1実施例にかかるズームレンズの無限遠物点合焦時の光学構成を示す光軸に沿う断面図であり、(a)は広角端、(b)は中間、(c)は望遠端での状態を示している。
【図3】第1実施例にかかるズームレンズの無限遠物点合焦時における球面収差、非点収差、歪曲収差、倍率色収差を示す図であり、広角端での状態を示している。
【図4】第1実施例にかかるズームレンズの無限遠物点合焦時における球面収差、非点収差、歪曲収差、倍率色収差を示す図であり、中間での状態を示している。
【図5】第1実施例にかかるズームレンズの無限遠物点合焦時における球面収差、非点収差、歪曲収差、倍率色収差を示す図であり、望遠端での状態を示している。
【図6】本発明による電子撮像装置に用いるズームレンズの第2実施例にかかる光学構成を示す光軸に沿う断面図であり、広角端無限遠物点合焦時の折り曲げ時における状態を示している。
【図7】第2実施例にかかるズームレンズの無限遠物点合焦時の光学構成を示す光軸に沿う断面図であり、(a)は広角端、(b)は中間、(c)は望遠端での状態を示している。
【図8】第2実施例にかかるズームレンズの無限遠物点合焦時における球面収差、非点収差、歪曲収差、倍率色収差を示す図であり、広角端での状態を示している。
【図9】第2実施例にかかるズームレンズの無限遠物点合焦時における球面収差、非点収差、歪曲収差、倍率色収差を示す図であり、中間での状態を示している。
【図10】第2実施例にかかるズームレンズの無限遠物点合焦時における球面収差、非点収差、歪曲収差、倍率色収差を示す図であり、望遠端での状態を示している。
【図11】本発明による電子撮像装置に用いるズームレンズの第3実施例にかかる光学構成を示す光軸に沿う断面図であり、広角端無限遠物点合焦時の折り曲げ時における状態を示している。
【図12】第3実施例にかかるズームレンズの無限遠物点合焦時の光学構成を示す光軸に沿う断面図であり、(a)は広角端、(b)は中間、(c)は望遠端での状態を示している。
【図13】第3実施例にかかるズームレンズの無限遠物点合焦時における球面収差、非点収差、歪曲収差、倍率色収差を示す図であり、広角端での状態を示している。
【図14】第3実施例にかかるズームレンズの無限遠物点合焦時における球面収差、非点収差、歪曲収差、倍率色収差を示す図であり、中間での状態を示している。
【図15】第3実施例にかかるズームレンズの無限遠物点合焦時における球面収差、非点収差、歪曲収差、倍率色収差を示す図であり、望遠端での状態を示している。
【図16】本発明による電子撮像装置に用いるズームレンズの第4実施例にかかる光学構成を示す光軸に沿う断面図であり、広角端無限遠物点合焦時の折り曲げ時における状態を示している。
【図17】第4実施例にかかるズームレンズの無限遠物点合焦時の光学構成を示す光軸に沿う断面図であり、(a)は広角端、(b)は中間、(c)は望遠端での状態を示している。
【図18】第4実施例にかかるズームレンズの無限遠物点合焦時における球面収差、非点収差、歪曲収差、倍率色収差を示す図であり、広角端での状態を示している。
【図19】第4実施例にかかるズームレンズの無限遠物点合焦時における球面収差、非点収差、歪曲収差、倍率色収差を示す図であり、中間での状態を示している。
【図20】第4実施例にかかるズームレンズの無限遠物点合焦時における球面収差、非点収差、歪曲収差、倍率色収差を示す図であり、望遠端での状態を示している。
【図21】本発明による電子撮像装置に用いるズームレンズの第5実施例にかかる光学構成を示す光軸に沿う断面図であり、広角端無限遠物点合焦時の折り曲げ時における状態を示している。
【図22】第5実施例にかかるズームレンズの無限遠物点合焦時の光学構成を示す光軸に沿う断面図であり、(a)は広角端、(b)は中間、(c)は望遠端での状態を示している。
【図23】第5実施例にかかるズームレンズの無限遠物点合焦時における球面収差、非点収差、歪曲収差、倍率色収差を示す図であり、広角端での状態を示している。
【図24】第5実施例にかかるズームレンズの無限遠物点合焦時における球面収差、非点収差、歪曲収差、倍率色収差を示す図であり、中間での状態を示している。
【図25】第5実施例にかかるズームレンズの無限遠物点合焦時における球面収差、非点収差、歪曲収差、倍率色収差を示す図であり、望遠端での状態を示している。
【図26】本発明による電子撮像装置に用いるズームレンズの第6実施例にかかる光学構成を示す光軸に沿う断面図であり、広角端無限遠物点合焦時の折り曲げ時における状態を示している。
【図27】第6実施例にかかるズームレンズの無限遠物点合焦時の光学構成を示す光軸に沿う断面図であり、(a)は広角端、(b)は中間、(c)は望遠端での状態を示している。
【図28】第6実施例にかかるズームレンズの無限遠物点合焦時における球面収差、非点収差、歪曲収差、倍率色収差を示す図であり、広角端での状態を示している。
【図29】第6実施例にかかるズームレンズの無限遠物点合焦時における球面収差、非点収差、歪曲収差、倍率色収差を示す図であり、中間での状態を示している。
【図30】第6実施例にかかるズームレンズの無限遠物点合焦時における球面収差、非点収差、歪曲収差、倍率色収差を示す図であり、望遠端での状態を示している。
【図31】本発明による電子撮像装置に用いるズームレンズの第7実施例にかかる光学構成を示す光軸に沿う断面図であり、広角端無限遠物点合焦時の折り曲げ時における状態を示している。
【図32】第7実施例にかかるズームレンズの無限遠物点合焦時の光学構成を示す光軸に沿う断面図であり、(a)は広角端、(b)は中間、(c)は望遠端での状態を示している。
【図33】第7実施例にかかるズームレンズの無限遠物点合焦時における球面収差、非点収差、歪曲収差、倍率色収差を示す図であり、広角端での状態を示している。
【図34】第7実施例にかかるズームレンズの無限遠物点合焦時における球面収差、非点収差、歪曲収差、倍率色収差を示す図であり、中間での状態を示している。
【図35】第7実施例にかかるズームレンズの無限遠物点合焦時における球面収差、非点収差、歪曲収差、倍率色収差を示す図であり、望遠端での状態を示している。
【図36】本発明の各実施例に用いる電子撮像素子の画素配列の一例を示す説明図である。
【図37】近赤外シャープカットコートの一例の透過率特性を示すグラフである。
【図38】近赤外カットコートを施したCCDカバーガラスCGの射出面側、もしくは、近赤外カットコートを施した他のレンズの射出面側に設ける色フィルターの一例の透過率特性を示すグラフである。
【図39】補色モザイクフィルターの色フィルター配置を示す図である。
【図40】補色モザイクフィルターの波長特性の一例を示すグラフである。
【図41】本発明の各実施例にかかる電子撮像装置に用いる絞りSの変形例を示す説明図である。
【図42】本発明の各実施例にかかる電子撮像装置に用いる光量調節手段の一例を示す説明図である。
【図43】図42に示した光量調節手段を本発明に適用した状態の具体例を示す斜視図である。
【図44】本発明の各実施例にかかる電子撮像装置に適用可能な光量調節手段の他の例を示す説明図である。
【図45】本発明の各実施例にかかる電子撮像装置に適用可能な光量調節手段のさらに他の例を示す説明図である。
【図46】本発明の各実施例にかかる電子撮像装置に適用可能な受光時間を調節するフォーカルプレーンシャッターの1つであるロータリーフォーカルプレーンシャッターの一例を示す概略構成図であり、(a)は裏面図、(b)は表面図である。
【図47】 (a)〜(d)は図46に示したロータリーシャッター幕Bが回転する様子を像面側からみた図である。
【図48】本発明による折り曲げズームレンズをデジタルカメラの撮影光学系41に組み込んだ構成の概念図であり、デジタルカメラ40の外観を示す前方斜視図である。
【図49】図48に示したデジタルカメラ40の後方斜視図である。
【図50】図48に示したデジタルカメラ40の構成を示す断面図である。
【図51】本発明の折り曲げズームレンズが対物光学系として内蔵された情報処理装置の一例であるパソコン300のカバーを開いた前方斜視図である。
【図52】図51に示したパソコン300の撮影光学系303の断面図である。
【図53】図51の側面図である。
【図54】本発明の折り曲げズームレンズが撮影光学系として内蔵された情報処理装置の一例である携帯電話を示す図であり、(a)は携帯電話400の正面図、(b)は(a)の側面図、(c)は撮影光学系405の断面図である。
【符号の説明】
A シャッター基板
A1 基板の開口部
B ロータリーシャッター幕
C ロータリーシャッター幕の回転軸
D1,D2 ギア
CG CCDカバーガラス
E 観察者眼球
G1 第1レンズ群
G2 第2レンズ群
G3 第3レンズ群
G4 第4レンズ群
G5 第5レンズ群
I 撮像面
L1 両凸正レンズ
L1’ 物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズ
L21 両凸負レンズ
L22 物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズ
L22’ 両凸正レンズ
L31 両凸正レンズ
L31’ 物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズ
L32 両凹負レンズ
L32’ 物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズ
L32” 両凸正レンズ
L32”’ 物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズ
L33 両凸正レンズ
L33’ 両凹負レンズ
L33” 物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズ
L33”’ 物体側の面が平面で像側の面が凹面の片凹負レンズ
L41 物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズ
L41’ 両凸正レンズ
L41’ 物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズ
L41” 物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズ
L42 両凹負レンズ
L42’ 物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズ
L42” 両凸正レンズ
L51 物体側の面が凸面で像側の面が平面の片凸正レンズ
L51’ 物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズ
L52 物体側の面が平面で像側の面が凹面の片凹負レンズ
L52’ 物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズ
R1 反射光学素子
S 開口絞り
1A,1B,1C,1D 開口
10 ターレット
11 回転軸
40 デジタルカメラ
41 撮像光学系
42 撮影用光路
43 ファインダー光学系
44 ファインダー用光路
45 シャッター
46 フラッシュ
47 液晶表示モニター
49 CCD
50 カバー部材
51 処理手段
52 記録手段
53 ファインダー用対物光学系
55 ポロプリズム
57 視野枠
59 接眼光学系
103 制御系
104 撮像ユニット
112 対物レンズ
113 鏡枠
114 カバーガラス
160 撮像ユニット
162 撮像素子チップ
166 端子
300 パソコン
301 キーボード
302 モニター
303 撮影光学系
304 撮影光路
305 画像
400 携帯電話
401 マイク部
402 スピーカ部
403 入力ダイアル
404 モニター
405 撮影光学系
406 アンテナ
407 撮影光路

Claims (7)

  1. 最も物体側に光路を折り曲げるための反射面を含むプリズムを有し変倍時固定である第1レンズ群と、少なくともその像側に少なくとも2つの正レンズ群を有し、変倍時に各々の相対的間隔が変化するズームレンズであって、
    前記プリズムへの光路入射面が物体側に凹面であり光軸から離れるに従って発散性が弱まる非球面であって、前記非球面が、以下の式により定義され、
    z = (y 2 /r)/[1+{1−(1+K)(y/r) 2 1/2
    +A 4 4 +A 6 6 +A 8 8 +A 10 10
    かつ、前記非球面の形状が、以下の条件式(1−1)を満足するように構成されていることを特徴とするズームレンズ。
    0.04 ≦ ASP11/fw ≦ 0.3 ・・・(1−1)
    但し、zは光軸方向、yは光軸に直交する方向、Kは円錐係数、A 4 、A 6 、A 8 、A 10 は非球面係数であり、ASP11は前記プリズムの光路入射面の光軸からの高さh11において基準球面(光軸上の曲率と同じ球面)に対する非球面の光軸方向に測った偏倚量(像側への偏倚を正とする)、fwは広角端における全系の焦点距離であり、前記高さh11はωwを広角端での最大像高に対応した半画角とすると以下の式で表わされるものである。
    h11 = 2・fw・tanωw
  2. 最も物体側に光路を折り曲げるための反射面を含むプリズムを有し変倍時固定である第1レンズ群と、少なくともその像側に少なくとも2つの正レンズ群を有し、変倍時に各々の相対的間隔が変化するズームレンズであって、
    前記プリズムへの光路入射面が物体側に凹面であり光軸から離れるに従って発散性が弱まる非球面であって、前記非球面が、以下の式により定義され、
    z = (y 2 /r)/[1+{1−(1+K)(y/r) 2 1/2
    +A 4 4 +A 6 6 +A 8 8 +A 10 10
    かつ、前記非球面の形状が、以下の条件式(1’)を満足するように構成されていることを特徴とするズームレンズ。
    0.04 ≦ ASP11/fw ≦ 0.25 ・・・(1’)
    但し、zは光軸方向、yは光軸に直交する方向、Kは円錐係数、A 4 、A 6 、A 8 、A 10 は非球面係数であり、ASP11は前記プリズムの光路入射面の光軸からの高さh11において基準球面(光軸上の曲率と同じ球面)に対する非球面の光軸方向に測った偏倚量(像側への偏倚を正とする)、fwは広角端における全系の焦点距離であり、前記高さh11はωwを広角端での最大像高に対応した半画角とすると以下の式で表わされるものである。
    h11 = 2・fw・tanωw
  3. 最も物体側に光路を折り曲げるための反射面を含むプリズムを有し変倍時固定である第1レンズ群と、少なくともその像側に少なくとも2つの正レンズ群を有し、変倍時に各々の相対的間隔が変化するズームレンズであって、
    前記プリズムへの光路入射面が物体側に凹面であり光軸から離れるに従って発散性が弱まる非球面であって、前記非球面が、以下の式により定義され、
    z=(y 2 /r)/[1+{1−(1+K)(y/r) 2 1/2
    +A 4 4 +A 6 6 +A 8 8 +A 10 10
    かつ、前記光路入射面の光軸上での曲率半径が、以下の条件式(2)を満足するように構成されていることを特徴とするズームレンズ。
    −0.50 ≦ fw・(n1−1)/r1 ≦ −0.12 ・・・(2)
    但し、zは光軸方向、yは光軸に直交する方向、Kは円錐係数、A 4 、A 6 、A 8 、A 10 は非球面係数であり、fwは広角端における全系の焦点距離、n1は前記プリズムの媒質屈折率(基準波長)、r1はプリズム入射面の光軸上での曲率半径である。
  4. 最も物体側に光路を折り曲げるための反射面を含むプリズムを有し変倍時固定である第1レンズ群と、その像側に1つの開口絞りを有し、前記第1レンズ群と前記開口絞りとの間に無限遠物点合焦時広角端から望遠端へ向かって変倍に一方向にのみ可動なレンズ群を少なくとも1つ有するズームレンズであって、
    前記プリズムへの光路入射面が物体側に凹面であり光軸から離れるに従って発散性が弱まる非球面であって、前記非球面が、以下の式により定義され、
    z = (y 2 /r)/[1+{1−(1+K)(y/r) 2 1/2
    +A 4 4 +A 6 6 +A 8 8 +A 10 10
    かつ、前記非球面の形状が、以下の条件式(1−1)を満足するように構成されていることを特徴とするズームレンズ。
    0.04 ≦ ASP11/fw ≦ 0.3 ・・・(1−1)
    但し、zは光軸方向、yは光軸に直交する方向、Kは円錐係数、A 4 、A 6 、A 8 、A 10 は非球面係数であり、ASP11は前記プリズムの光路入射面の光軸からの高さh11において基準球面(光軸上の曲率と同じ球面)に対する非球面の光軸方向に測った偏倚量(像側への偏倚を正とする)、fwは広角端における全系の焦点距離であり、前記高さh11はωwを広角端での最大像高に対応した半画角とすると以下の式で表わされるものである。
    h11 = 2・fw・tanωw
  5. 最も物体側に光路を折り曲げるための反射面を含むプリズムを有し変倍時固定である第1レンズ群と、その像側に1つの開口絞りを有し、前記第1レンズ群と前記開口絞りとの間に無限遠物点合焦時広角端から望遠端へ向かって変倍時に一方向にのみ可動なレンズ群を少なくとも1つ有するズームレンズであって、
    前記プリズムへの光路入射面が物体側に凹面であり光軸から離れるに従って発散性が弱まる非球面であって、前記非球面が、以下の式により定義され、
    z = (y 2 /r)/[1+{1−(1+K)(y/r) 2 1/2
    +A 4 4 +A 6 6 +A 8 8 +A 10 10
    かつ、前記非球面の形状が、以下の条件式(1’)を満足するように構成されていることを特徴とするズームレンズ。
    0.04 ≦ ASP11/fw ≦ 0.25 ・・・(1’)
    但し、zは光軸方向、yは光軸に直交する方向、Kは円錐係数、A 4 、A 6 、A 8 、A 10 は非球面係数であり、ASP11は前記プリズムの光路入射面の光軸からの高さh11において基準球面(光軸上の曲率と同じ球面)に対する非球面の光軸方向に測った偏倚量(像側への偏倚を正とする)、fwは広角端における全系の焦点距離であり、前記高さh11はωwを広角端での最大像高に対応した半画角とすると以下の式で表わされるものである。
    h11 = 2・fw・tanωw
  6. 最も物体側に光路を折り曲げるための反射面を含むプリズムを有し変倍時固定である第1レンズ群と、その像側に1つの開口絞りを有し、前記第1レンズ群と前記開口絞りとの間に無限遠物点合焦時広角端から望遠端へ向かって変倍時に一方向にのみ可動なレンズ群を少なくとも1つ有するズームレンズであって、
    前記プリズムへの光路入射面が物体側に凹面であり光軸から離れるに従って発散性が弱まる非球面であって、前記非球面が、以下の式により定義され、
    z = (y 2 /r)/[1+{1−(1+K)(y/r) 2 1/2
    +A 4 4 +A 6 6 +A 8 8 +A 10 10
    かつ、前記光路入射面の光軸上での曲率半径が、以下の条件式(2)を満足するように構成されていることを特徴とするズームレンズ。
    −0.50 ≦ fw・(n1−1)/r1 ≦ −0.12 ・・・(2)
    但し、zは光軸方向、yは光軸に直交する方向、Kは円錐係数、A 4 、A 6 、A 8 、A 10 は非球面係数であり、fwは広角端における全系の焦点距離、n1は前記プリズムの媒質屈折率(基準波長)、r1はプリズム入射面の光軸上での曲率半径である。
  7. 請求項1乃至6のいずれか1項に記載のズームレンズを有する電子撮像装置。
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