JP2004264343A - ズームレンズを有する電子撮像装置 - Google Patents

ズームレンズを有する電子撮像装置 Download PDF

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Abstract

【課題】高ズーム比、明るいF値など高い光学仕様性能を有するズームレンズを搭載しながらも、奥行き方向が極めて薄く、歪曲が少なく高画質で広画角な撮影が可能な電子撮像装置を提供する。
【解決手段】ズーム光学系が、ほぼ無限遠物点合焦時に次の条件式を満足する。
0.8 < y07/(fw・tanω07w) < 0.96
0.4 < logγB/logγ < 4.0
但し、fwは広角端におけるズーム光学系全系の焦点距離、y07は電子撮像素子の有効撮像面内での最大像高をy10としたときに0.7y10で表わされる像高、ω07wは広角端における電子撮像素子の有効撮像面上の中心からy07の位置に結ぶ像点に対応する物点方向の光軸に対する角度、γ=fT/fw(fTは望遠端におけるズーム光学系全系の焦点距離)、γB=望遠端におけるレンズ群G3の倍率/広角端におけるレンズ群G3の倍率である。
【選択図】 図4

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、特にズームレンズなどの光学系部分の工夫と電子撮像装置に特有の画像処理技術との融合により、奥行き方向の薄型化とズームレンズの広角化を実現したビデオカメラやデジタルカメラなどのズームレンズを有する電子撮像装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、銀塩35mmフィルム(135フォーマット)カメラに代わる次世代カメラとしてデジタルカメラ(電子カメラ)が注目されてきている。さらにそれは業務用高機能タイプからポータブルな普及タイプまで幅広い範囲でいくつものカテゴリーを有するようになってきている。そして、この種の電子撮像装置においては、高画質を確保しながらの奥行きの薄型化や広画角化が求められている。
【0003】
カメラの奥行き方向を薄くするのに最大のネックとなっているのは光学系の厚みであり、特にズーム光学系の最も物体側の面から撮像面までの厚みである。
最近のカメラボディ薄型化技術としては、撮影時には光学系をカメラボディ内から突出させ携帯時には収納するいわゆる沈胴式鏡筒の採用が主流になっている。
沈胴式鏡筒を採用した光学系としては、特許文献1〜3等に記載のものがある。
これらに記載ものは、いずれも物体側から順に、負の屈折力を持つ第1群と、正の屈折力を持つ第2群とを有しており、第1群、第2群ともに変倍時に移動するようになっている。
【0004】
【特許文献1】
特開平11−194274号公報
【特許文献2】
特開平11−287953号公報
【特許文献3】
特開2000−9997号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、これらに記載のものは、広角端での画角が不十分であり、画角を確保した場合、レンズ系が大きく、分厚くなるというが問題あった。
【0006】
そこで、最近では、沈胴式鏡筒に見られるようなカメラの使用状態への立ち上げ時間(レンズのせり出し時間)がなく、防水・防塵上も好ましい電子撮像装置が提案されている。この種の電子撮像装置の光学系は、奥行き方向が極めて薄いカメラとするために、光学系の光路(光軸)をミラーやプリズムなどの反射光学素子で折り曲げる構成を採用している。具体的には、最も物体側のレンズ群を位置固定とし、その中に前記反射光学素子を設けている。そして、以降の光路をカメラボディの縦あるいは横方向に折り曲げることによって、奥行き方向の寸法を極力薄くするというものである。
【0007】
しかしながら、この場合、ある程度の画角を確保するために、光路を折り曲げるための反射光学素子の反射面よりも物体側に必ず発散面を設けることになる。また、該発散面による歪曲収差の発生を少なくするために、該反射光学素子の像側に凹面を向けた負メニスカスレンズを設けることになる。従って、どうしてもその負メニスカスレンズの厚み分だけは奥行き寸法が厚くなってしまう。
また、光路を折り曲げる方式の場合は、後続のレンズ系を小さく抑えての光路折り曲げを成立させるために、プリズムやミラーなどの反射光学素子の光学有効面を小さく抑える必要があるため、広角化が困難な状況にある。
【0008】
本発明は、このような従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、高ズーム比、明るいF値など高い光学仕様性能を有するズームレンズを搭載しながらも、奥行き方向が極めて薄く、歪曲が少なく高画質で広画角な撮影が可能な電子撮像装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明によるズームレンズを有する撮像装置は、物体側から順に、正レンズを1枚のみ含む最も物体側に配置されたレンズ群I、開口絞り、正の屈折力を持ち広角端から望遠端に変倍する際に単調に物体側に移動するレンズ群B、を少なくとも有するズーム光学系と、電子撮像素子とを少なくとも有し、前記電子撮像素子で撮像した画像データを電気的に加工してその形状を変化させる画像処理過程を有する電子撮像装置であって、前記ズーム光学系が、ほぼ無限遠物点合焦時に次の条件式(1),(2)を満足することを特徴としている。
0.8 < y07/(fw・tanω07w) < 0.96 …(1)
0.4 < logγB/logγ < 4.0 …(2)
但し、fwは広角端におけるズーム光学系全系の焦点距離、y07は前記電子撮像素子の有効撮像面内(撮像可能な面内)で中心から最も遠い点までの距離(最大像高)をy10としたときに0.7y10で表わされる像高、ω07wは広角端における前記電子撮像素子の有効撮像面上の中心からy07の位置に結ぶ像点に対応する物点方向の光軸に対する角度、γ=fT/fw(但し、fTは望遠端におけるズーム光学系全系の焦点距離)、γB=望遠端におけるレンズ群Bの倍率/広角端におけるレンズ群Bの倍率である。
【0010】
また、本発明によるズームレンズを有する撮像装置は、前記レンズ群Bが、物体側から正レンズ、負レンズの順に接合されたレンズ成分を少なくとも有するのが好ましい。
【0011】
また、本発明によるズームレンズを有する撮像装置は、前記レンズ群Iが、少なくとも1面が非球面に形成された負の屈折力を持つ光学素子を少なくとも有するのが好ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】
実施例の説明に先立ち、本発明の作用効果について説明する。
本発明では、高ズーム比で明るいF値を有するズームレンズを搭載した電子撮像装置において、奥行きの薄型化と広画角化を両立させるものである。特にズームレンズ広角端近傍の焦点距離において、意図的に大きな樽型の歪曲収差を有した像を前記電子撮像素子に形成させる構成とした。
このように構成すると、光学系を肥大化させずに広い画角の情報を取り込むことが可能となる。
樽型に歪んだ像は、前記撮像素子を介して光電変換されて画像データとなる。そして、前記電子撮像装置に内蔵されている信号処理系等を介して、電気的に形状変化(画像の歪み)に相当する修正加工が施される。このようにすれば、最終的に前記電子撮像装置より出力された画像データを表示装置にて再生したときに、画像の歪みがデジタル補正されて被写体形状にほぼ相似した画像が得られる。
【0013】
ここで、像の歪曲をデジタル補正するための基本的概念について説明する。
例えば、図1に示すように、光軸と撮像面との交点を中心として有効撮像面の短辺に内接する半径Rの円周上(像高)での倍率を固定し、この円周を補正の基準とする。そして、それ以外の任意の半径r(ω)の円周上(像高)の各点をほぼ放射方向に移動させて、半径r’(ω)となるように同心円状に移動させることで補正する。
例えば、図1において、半径Rの円の内側に位置する任意の半径r(ω)の円周上の点P1は、円の中心に向けて補正すべき半径r’(ω)円周上の点P2に移動させる。また、半径Rの円の外側に位置する任意の半径r(ω)の円周上の点Q1は、円の中心から離れる方向に向けて補正すべき半径r’(ω)円周上の点Q2に移動させる。
ここで、r’(ω)は次のように表わすことができる。
r’(ω)=αftanω (0≦α≦1)
但し、ωは被写体半画角、fは結像光学系(本発明ではズーム光学系)の焦点距離である。
ここで、前記半径Rの円上(像高)に対応する理想像高をYとすると、
α=R/Y=R/ftanω
となる。
【0014】
光学系は、理想的には、光軸に対して回転対称であり、すなわち歪曲収差も光軸に対して回転対称に発生する。
従って、上述のように、光学的に発生した歪曲収差を電気的に補正する場合には、再現画像上で光軸と撮像面との交点を中心とした有効撮像面の長辺に内接する半径Rの円の円周上(像高)の倍率を固定して、それ以外の半径r(ω)の円周上(像高)の各点をほぼ放射方向に移動させて、半径r’(ω)となるように同心円状に移動させることで補正することができれば、データ量や演算量の点で有利と考えられる。
【0015】
ところが、光学像は、前記電子撮像素子で撮像された時点で(サンプリングのため)連続量ではなくなる。
従って、厳密には前記光学像上に描かれる上記半径Rの円も、前記電子撮像素子上の画素が放射状に配列されていない限り正確な円ではなくなる。つまり、離散的座標点毎に表わされる画像データの形状補正においては、上記倍率を固定できる円は存在しない。そこで、各画素(Xi,Yj)毎に、移動先の座標(Xi’,Yj’)を決める方法を用いるのがよい。なお、座標(Xi’,Yj’)に(Xi,Yj)の2点以上が移動してきた場合には、各画素が有する値の平均値をとる。また、移動してくる点がない場合には、周囲のいくつかの画素の座標(Xi’,Yi’)の値を用いて補間すればよい。
このような方法は、特に光学系や電子撮像素子の製造誤差などのために光軸に対して歪みが著しく、前記光学像上に描かれる上記半径Rの円が非対称になった場合の補正に有効である。また、撮像素子或いは各種出力装置において信号を画像に再現する際に幾何学的歪みなどが発生する場合などの補正に有効である。また、トーリック面その他の回転非対称面などを応用すれば、プリズムをさらに小型化でき、電子撮像装置のさらなる薄型化が可能であるが、その場合においてもこの補正方法は有効である。
【0016】
本発明の電子撮像装置では、補正量r’(ω)−r(ω)を計算するために、r(ω)即ち半画角と像高との関係、或いは、実像高rと理想像高r’/αとの関係が、電子撮像装置に内蔵された記録媒体に記録されている。
なお、歪曲補正後の画像が短辺方向の両端において光量が極端に不足することのないようにするには、前記半径Rが、次の条件式を満足するのが良い。
0 ≦ R ≦ 0.6Ls
但し、Lsは有効撮像面の短辺の長さである。
好ましくは、前記半径Rは、次の条件式を満足するのがよい。
0.3Ls ≦ R ≦ 0.6Ls
さらには、前記半径Rは、ほぼ有効撮像面の短辺方向の内接円の半径に一致させるのが最も有利である。
なお、半径R=0の近傍、即ち、軸上近傍において倍率を固定した補正の場合は、実質画像数の面で若干の不利があるが、広角化しても小型化にするための効果は確保できる。
【0017】
なお、補正が必要な焦点距離区間については、いくつかの焦点ゾーンに分割しする。そして、該分割された焦点ゾーン内の望遠端近傍でほぼ
r’(ω)=αftanω
を満足する補正結果が得られる場合と同じ補正量で補正してもよい。ただし、その場合、分割された焦点ゾーン内の広角端において樽型歪曲量がある程度残存してしまう。
また、分割ゾーン数を増加させてしまうと、補正のために必要な固有データを記録媒体に余計に保有する必要が生じあまり好ましくない。
そこで、分割された焦点ゾーン内の各焦点距離に関連した1つ又は数個の係数を予め算出しておく。この係数は、シミュレーションや実機による即手に基づいて決定しておけば良い。そして、前記分割されたゾーン内の望遠鏡近傍でほぼ
r’(ω)=αftanω
を満足する補正結果が得られる場合の補正量を算出し、この補正量に対して焦点距離毎に前記係数を一律に掛けて最終的な補正量にしてもよい。
【0018】
ところで、無限遠物体を結像させて得られた像に歪曲がない場合は、
f=y/tanω
が成立する。
但し、yは像点の光軸からの高さ(像高)、fは結像系(本発明ではズーム光学系)の焦点距離、ωは前記撮像面上の中心からyの位置に結ぶ像点に対応する物点方向の光軸に対する角度(被写体半画角)である。
結像系に樽型の歪曲収差がある場合は、
f>y/tanω
となる。
つまり、結像系の焦点距離fと、像高yとを一定とすると、ωの値は大きくなる。
【0019】
条件式(1)はズーム光学系の広角端における樽型歪曲の度合いを規定したものである。
0.8 < y07/(fw・tanω07w) < 0.96 …(1)
但し、fwは広角端におけるズーム光学系全系の焦点距離、y07は電子撮像素子の有効撮像面内(撮像可能な面内)で中心から最も遠い点までの距離(最大像高)をy10としたときに0.7y10で表わされる像高、ω07wは広角端における電子撮像素子の有効撮像面上の中心からy07の位置に結ぶ像点に対応する物点方向の光軸に対する角度である。より詳しくは、図2に示すように、ω07wは、像高y07の位置を通過する主光線と光軸とがなす物体側における角度であって、物体側からズーム光学系の前側主点位置に向かう主光線が光軸となす角度である。
条件式(1)を満足すれば、光学系の大きさを小型に維持しながら広い視野角に亘って像として取り込むことができ、かつ、上述の電子撮像装置に内蔵されている信号処理系等による画像処理で、画角周辺部の放射方向への引き伸ばし率が高くなることなく画像周辺部の鮮鋭度の劣化も目立たせずに光学系の歪曲収差による画像歪みを補正することができる。
【0020】
本発明において、敢えて光学系で意図的に歪曲収差を出しておき、電子撮像素子で撮像後に電気的に画像処理して歪みを補正するような構成としたのは、光学系の小型化と広角化(歪曲込みの垂直方向の画角が38°以上)とを満たすためである。
従って、本発明では、光学系自体のサイズに無駄がないように、光学系を選択することも重要である。
ズーム光学系を広角化しても小型化を維持するためには、入射瞳位置を出来る限り浅くする(物体側に近づける)ことが必要である。従って、ズーム光学系における変倍をつかさどるレンズ群は、開口絞りよりも像側に配置するのがよい。
また、小型化のためには、撮像素子の有効撮像領域を小さくして光学系の焦点距離を短くするのが有利である。このため、ズーム光学系は、前群が負の屈折力を持ち、後群が正の屈折力を持つ、いわゆるレトロフォーカスに相当するパワー配置とするのが有利である。
【0021】
従って、本発明のズーム光学系においては、正の屈折力を有する変倍をつかさどるレンズ群Bを開口絞りよりも像側に配置し、広角端から望遠端に変倍する際に前記レンズ群Bを方向転換することなく一方向(増倍するためには物体側)にのみ移動させるようにする。そして、その際、条件式(2)を満足するようにしている。
0.4 < logγB/logγ < 4.0 …(2)
但し、γ,γBは次のとおりである。
γ =fT/fw
γB=望遠端におけるレンズ群Bの倍率/広角端におけるレンズ群Bの倍率
但し、fTは望遠端におけるズーム光学系全系の焦点距離である。
条件式(2)を満足すれば、ズーム光学系の入射瞳位置が深くならずに済み、レンズ群Iの径及び奥行き方向への肥大化を防ぎながら、画角を確保することができ、かつ、変倍時の収差変動を抑えて、結像性能を確保することができる。
【0022】
なお、最も物体側に配置するレンズ群Iには、色収差補正やズーム比を確保するために正レンズを多用する傾向があるが、レンズ群Iにおける正レンズは、前記入射瞳位置を浅くするのに障害となる。このため、本発明においてはレンズ群Iに用いる正レンズを1枚のみに留めている。
【0023】
また、本発明においては、次の条件式(1’),(2)の少なくともいずれか一方を満足すると、さらによい。
0.85 < y07/(fw・tanω07w) < 0.95 …(1’)
0.45 < logγB/logγ < 2.5 …(2’)
さらに、次の条件式(1”),(2”)の少なくともいずれか一方を満足すると、より一層好ましい。
0.88 < y07/(fw・tanω07w) < 0.94 …(1”)
0.5 < logγB/logγ < 1.0 …(2”)
【0024】
上述のように、歪曲収差の補正は、ほぼ光軸と撮像面の交点を中心として撮像面上に描いた半径r(ω)の円上の点を、補正後に半径r’(ω)円上の点となるように同心円状に移動することで行なう。半径r’(ω)は、次のように表わすことができる。
r’(ω)=αftanω (0≦α≦1)
撮像装置内蔵の記録媒体には、補正量r’(ω)−r(ω)を計算するために、半画角と像高(r(ω))の関係、あるいは実像高rと理想像高r’/αの関係が記録されている。
しかし、歪曲収差の補正はズーム全域で行なう必要はなく、特に樽型歪曲収差が大きくなる広角端近傍のみで行なうようにしてもよい。例えば、中間位置での焦点距離fs=√(fw・ft)、あるいは中間と望遠端の間の焦点距離fst=√(fs・ft)、あるいはこの2つの焦点距離の間の焦点距離全てにわたって補正をしないようにしてもよい。
【0025】
補正が必要な焦点距離区間については、いくつかの焦点距離ゾーンに分割し、各ゾーン内では同じ補正量を使用するようにする。
特に該焦点距離区間内の望遠端近傍でほぼr’(ω)=αftanωを満足するように補正しておき、該焦点距離区間内の広角端において残存する樽型歪曲量を許容することができるようにゾーンの分割をするとよい。なお、ゾーン数は3ないし7が適当である。
【0026】
次に、本発明のズーム光学系に用いる正の屈折力を持ち広角端から望遠端に変倍する際に単調に物体側に移動するレンズ群Bについて説明する。
前記レンズ群Bを構成するレンズ同士の相対偏心感度は高くなる傾向にあり、特に、負レンズとその物体側に隣接する正レンズとの相対偏心感度は著しく高くなる。
従って、相対偏心感度を緩和するために、前記レンズ群Bを、物体側から正レンズ、負レンズの順に接合された接合レンズ成分を有して構成している。
その際、次の条件式(3)を満足するのがよい。
0.30 < RB3/RB1 < 1.2 …(3)
但し、RB1はレンズ群Bの接合レンズ成分の最も物体側の面での曲率半径、RB3はレンズ群Bの接合レンズ成分の最も像側の面の光軸上での曲率半径である。
条件式(3)を満足すれば、レンズの接合による偏心敏感度を緩和する効果を奏しながら、ズーム光学系全系の球面収差・コマ収差・非点収差を補正することができる。
【0027】
また、次の条件式(3’)を満足すると、さらによい。
0.33 < RB3/RB1 < 1.0 …(3’)
さらに、次の条件式(3”)を満足すると、より一層好ましい。
0.36 < RB3/RB1 < 0.8 …(3”)
【0028】
また、色収差補正に関し、次の条件式(4),(5)を満足するのがよい。
−0.7 < fw/RB2 < 0.7 …(4)
20 < νBP−νBN …(5)
但し、RB2はレンズ群Bの接合レンズ成分の接合面の光軸上での曲率半径、νBPはレンズ群Bの接合レンズ成分における正レンズの媒質アッベ数、νBNはレンズ群Bの接合レンズ成分における負レンズの媒質アッベ数である。
【0029】
条件式(4)を満足すれば、短波長の球面収差がアンダーコレクト状態やオーバーコレクト状態となることなく、軸上色収差・倍率色収差を補正することができる。
また、条件式(5)を満足すれば、軸上色収差を十分に補正することができる。
なお、条件式(5)の上限値を上回る媒質の組み合わせは自然界には存在しない。
【0030】
また、次の条件式(4’),(5’)を満足すると、さらによい。
−0.5 < fw/RB2 < 0.4 …(4’)
25 < νBP−νBN …(5’)
さらに、次の条件式(4”),(5”)を満足すると、より一層好ましい。
−0.3 < fw/RB2 < 0.1 …(4”)
30 < νBP−νBN …(5”)
【0031】
なお、前記レンズ群Bは、少ない移動量でもって効率的に変倍出来るように強いパワーを持つ構成とするのがよい。従って、レンズ群Bは、前記接合レンズよりも物体側に1枚の正レンズを有し、全体で2群3枚のレンズ構成とするのがよい。
【0032】
次に、レンズ群Iについてより詳細に説明する。
入射瞳位置を浅くして小型を維持して広い画角を確保するためには、前記レンズ群Iを構成するエレメント数を減らすのがよい。負の屈折力を持つ光学素子についても2エレメント以下とし、前記レンズ群I全体で3エレメント以下とするのがよい。そのようにエレメント数を少なくすると、コマ収差や非点収差が発生しやすくなる。
このため、前記レンズ群Iは、少なくとも1面が非球面に形成された負の屈折力を持つ光学素子を少なくとも1つ含むように構成するのがよい。
【0033】
さらに、入射瞳位置を浅くするためには、前記レンズ群Iの最も物体側には負の屈折力を持つ光学素子を配置するのがよく、その形状について次の条件式(6)を満足するようにするとよい。
−1.5 < (R11+R12)/(R11−R12) < 1.1…(6)
但し、R11は第1レンズ群Iにおいて最も物体側に配置された負の屈折力を持つ光学素子の入射面の曲率半径、R12は第1レンズ群Iにおいて最も物体側に配置された負のパワーを有する光学素子の射出面の曲率半径である。
【0034】
入射瞳位置を浅くするには(R11+R12)/(R11−R12)の値は低い方が好ましい。一方、低すぎると樽型歪曲収差が発生しやすい。
本発明では、広角化するために樽型歪曲収差を敢えて積極的に発生させて、発生した収差を電気的に収差を補正させるようにする構成としているため、(R11+R12)/(R11−R12)の値は、低い値となるようにしたほうが、小型化と広角化との二重の効果を奏することができるので好ましい。
条件式(6)を満足すれば、ズーム光学系の広角端における樽型歪曲の度合いが条件式(1)を満足させ、かつ、入射瞳位置を浅くする効果を低くすることなく、上記小型化と広角化の効果を得ることができる。
【0035】
また、次の条件式(6’)を満足すると、さらによい。
−1.3 < (R11+R12)/(R11−R12) < 0.6…(6’)
さらに、次の条件式(6”)を満足すると、より一層好ましい。
−1.1 < (R11+R12)/(R11−R12) < 0.1…(6”)
【0036】
さらに、カメラの奥行きを薄くする手段としては、結像光学系の光路(光軸)の折り曲げがある。この場合、出来る限り結像光学系の物体側で折り曲げるほど奥行きを薄型化する効果が大きくなる。
従って、本発明では、前記レンズ群Iに光路を折り曲げるための反射光学素子を有した構成とするのがよい。そして、次の条件式(7)を満足するのがよい。
0.3 < d/d < 0.7 …(7)
但し、dは前記レンズ群Iにおける最も物体側の面と光軸との交点から最初の反射面と光軸との交点までの距離、dは該反射面よりも物体側に最も近い屈折面(プリズムの場合は入射面)と光軸との交点から該反射面よりも像側に最も近い屈折面(プリズムの場合は射出面)と光軸との交点までの光軸に沿って測った距離である。
条件式(7)を満足すれば、入射瞳位置との関係でレンズ群Iが大型化することなく、かつ、コーストの発生量を抑えて、カメラの奥行きを薄くすることができる。
【0037】
また、反射面は、極力前記レンズ群Iの物体側に配置するのがよい。但し、光路折り曲げ位置よりも物体側に負の屈折力がないと、入射瞳位置が結像光学系の最も物体側の面よりも遠く深くなってしまう。
特に光路を折り曲げる反射光学素子をプリズムで構成する場合は、その入射面を凹面に形成するのがよい。そして、このプリズムは、レンズ群Iにおいて最も物体側に配置し、次の条件式(8)を満足するのがよい。
−7 < R11/y10 < −1.5 …(8)
但し、R11は第1レンズ群Iにおいて最も物体側の面の光軸上の曲率半径、y10は前記電子撮像素子の有効撮像面内(撮像可能な面内)で中心から最も遠い点までの距離(最大像高)である。
条件式(8)を満足すれば、光路折り曲げ位置よりも物体側の負の屈折力が弱くならず、また入射瞳位置が深くなりすぎるこことがない。その結果、プリズムの肥大化を抑えることができ、かつ、プリズムより像側での光線高を抑えて、後続のレンズや絞り径の肥大化を抑えることができ、カメラの奥行きを薄型化することができる。
【0038】
また、次の条件式(7’)を満足すると、さらによい。
0.35 < d/d < 0.6 …(7’)
さらに、次の条件式(7”)を満足すると、より一層好ましい。
0.4 < d/d < 0.55 …(7”)
【0039】
また、次の条件式(8’)を満足すると、さらによい。
−5.5 < R11/y10 < −2 …(8’)
さらに、次の条件式(8”)を満足すると、より一層好ましい。
−4.5 < R11/y10 < −2.5 …(8”)
【0040】
なお、カメラの奥行きを薄くするには、反射光学素子としてプリズムを採用するのが最も有利である。プリズム媒質のd線に対する屈折率は高い方が好ましく、1.68以上が良く、1.75以上が理想的である。
また、前記プリズムの入射面を光軸から離れるほど曲率が小さくなる非球面にすることに加えて、光軸上での曲率半径について次の条件式(9)を満足するのが好ましい。
−0.70 ≦ fw・(n1−1)/R11 ≦ −0.20 …(9)
但し、fwは広角端における全系の焦点距離、n1は前記プリズムの媒質屈折率(基準波長)、R11はプリズム入射面の光軸上での曲率半径である。
条件式(9)を満足すれば、曲率が強すぎず、各軸外収差の悪化を抑えることができ、かつ、入射瞳位置が深くなりすぎず、前記プリズムが肥大化傾向となるのを抑えることができる。
【0041】
また、次の条件式(9’)を満足すると、さらによい。
−0.60 ≦ fw・(n1−1)/R11 ≦ −0.25 …(9’)
さらに、次の条件式(9”)を満足すると、より一層好ましい。
−0.50 ≦ fw・(n1−1)/R11 ≦ −0.30 …(9”)
【0042】
ところで、ズームレンズには駆動機構が不可欠である。仮に、光学系が小さくなっても駆動機構が複雑で大型化しては意味がない。
本発明の電子撮像装置の場合、奥行き方向を薄くすることを目的の一つとしているため、駆動機構を含めたズームレンズ(以下、ズームレンズユニットと呼ぶ)の径が大きくなるのは好ましくない。
ズームレンズユニットの径を小さくするには、ズーム時にシャッターユニット位置を移動しないことと、絞り径を小さくすることと、それらやレンズ群の移動量を小さくすることが必要である。これらを同時に満たすには、前記レンズ群Iは全体として正の屈折力を持つように構成するのがよい。この場合、レンズ群Iの像側に負の屈折力を持ち光軸を移動することで変倍機能を有するレンズ群Iを配置し、さらにその像側に前記レンズ群Bが続く構成とするのが良い。
つまり、変倍機能を有するレンズ群をレンズ群Iとレンズ群Bとに二分することになるので、レンズ群の移動量が減り、さらにレンズ群Iとレンズ群Bとは互いに異符号の屈折力を持つため変倍時に逆方向に移動するようになる。
従って、前記レンズ群Iとレンズ群Bとの間に開口絞りとシャッターを配置すれば変倍時に開口絞りとシャッターの位置を移動する必要がなくなる。しかも開口径を小さくすることができる。
【0043】
なお、前記レンズ群Iが正の屈折力を持ちながらレンズ群I内での光線高を低く押さえて大型化を防ぎ、かつ、各収差を良好に補正するために、レンズ群Iは物体側から順に、入射面が物体側に凹面を向けた光路を折り曲げるための反射光学素子と正レンズとで構成するのがよい。
さらに、前記反射光学素子の入射面を、光軸から離れるほど曲率が小さくなる非球面とするのが良い。このようにすれば、歪曲収差に自由度を持たせることができ、かつ、コマ収差を良好に補正することができるので好ましい。
加えて、前記正レンズも、反射光学素子と同様に、少なくとも1面を光軸から離れるほど曲率が小さくなる非球面に形成するのがよい。このように構成した場合、レンズ群Iの偏心感度が大きくなり易いため、レンズ群Iは変倍時に固定とするのがよい。
また、本発明においては、合焦のために移動するレンズ群(レンズ群Fとする)は、前記レンズ群Bの像側に配置するのがよい。このようにすれば、近軸倍率が−1倍になったり、変倍時に大きく変動したり、繰り出し量が大きくなり過ぎたりすることがない、前記レンズ群Fは、最も像側のレンズ群としてもよいが、さらに像側に固定のレンズ群(レンズ群Cとする)を設けてもよい。
【0044】
前記レンズ群Iは、正の屈折力を有する場合は、物体側から順に、入射面が非球面形状の凹面であり、かつ、光路を折り曲げるための反射面を含むプリズムと、正レンズとの2つのエレメントで構成するのがよい。このプリズムは、特に、入射瞳位置を浅くしてプリズムを小型に維持するために、上記条件式(9),(9’),(9”)の少なくともいずれかを満足するように負の屈折力を持つのがよい。レンズ群I全体としては、前記レンズ群IIの変倍効率を高めるために、次の条件式(10)を満足するように出来る限り強い屈折率を持つようにする必要がある。
2.0 ≦ f1/fw ≦ 10.0 …(10)
但し、f1はレンズ群I全体の焦点距離である。
条件式(10)を満足すれば、軸外収差や色収差の補正が困難になることも、プリズムが肥大化することもなく、レンズ群Iの変倍率を大きくとることができる。
【0045】
また、次の条件(10’)を満足すると、さらによい。
2.5 ≦ f1/fw ≦ 8.0 …(10’)
さらに、次の条件式(10”)を満足すると、より一層好ましい。
3.0 ≦ f1/fw ≦ 6.0 …(10”)
【0046】
従って、前記レンズ群Iに備わる正レンズは、次の条件式(11)を満足するように構成するのが良い。このようにすれば、透過する軸外光線の高さに対する屈折率の割合を強くすることができる。同時に、該正レンズの形状も次の条件式(12)を満足するのが好ましい。
1.3 ≦ f12/fw ≦ 4.0 …(11)
−1.1 < (R1PF+R1PR)/(R1PF−R1PR) < 0.2 …(12)
但し、f12はレンズ群Iにおける正レンズの焦点距離、R1PFレンズ群Iにおける正レンズの物体側面の光軸上での曲率半径、R1PRはレンズ群Iにおける正レンズの像側面の光軸上での曲率半径である。
【0047】
条件式(11)を満足すれば、前記レンズ群Iの変倍率が移動量の割に低く光学系が大きくなるのを抑えることができ、かつ、コマ収差、非点収差などの軸外収差補正が困難となるのも抑えることができる。
また、条件式(12)を満足すれば、レンズ群Iの主点が像側傾向とならず、レンズ群Iの変倍効率を良好に保つことができる。さらに、コマ収差の発生を抑えることもでき、かつ、曲率の強いメニスカス形状とはならないので、レンズ群Iと干渉することもない。
【0048】
また、次の条件式(11’),(12’)を満足すると、さらによい。
1.5 ≦ f12/fw ≦ 3.6 …(11’)
−0.9 < (R1PF+R1PR)/(R1PF−R1PR) < 0.2 …(12’)
さらに、次の条件式(11”),(12”)を満足すると、より一層好ましい。
1.7 ≦ f12/fw ≦ 3.2 …(11”)
−0.7 < (R1PF+R1PR)/(R1PF−R1PR) < −0.2…(12”)
【0049】
なお、上記条件(11),(12)を満足しても軸外収差の補正は十分でない場合がある。このため、本発明においては、前記正レンズの物体側の面に光軸から離れるに従って収斂性が弱まる非球面を導入するのが好ましい。このようにすれば、各軸外収差の顕著な改善効果が得られる。
【0050】
さらに、レンズ群Iについて説明する。
前記レンズ群Iについては、物体側から負レンズ、正レンズの順の2枚のレンズで構成するのがよい。さらに、該負レンズは、少なくともいずれか一方の面を非球面に形成するのがよい。加えて、次の条件式(13)を満足するとよい。
−1.0 < (R2NF+R2NR)/(R2NF−R2NR) < 1.0…(13)
但し、R2NFはレンズ群Iにおける負レンズの物体側の面の光軸上での曲率半
径、R2NR はレンズ群Iにおける負レンズの像側の面の光軸上での曲率半径である。
条件式(13)を満足すれば、コマ収差や樽型歪曲収差の発生を抑えることができる。
【0051】
また、次の条件式(13’)を満足すると、さらによい。
−0.7 < (R2NF+R2NR)/(R2NF−R2NR) < 0.6…(13’)
さらに、次の条件式(13”)を満足すると、より一層好ましい。
−0.4 < (R2NF+R2NR)/(R2NF−R2NR) < 0.2…(13”)
【0052】
次に、本発明の電子撮像装置において適用可能な光学的ローパスフィルターについて説明する。
電子撮像素子を用いたレンズ系では、通常、結像光学系と電子撮像素子との間に複屈折を利用した光学的ローパスフィルターを配置する。しかし、これが小型化や収差の最適化の障害になる。このため、光学的ローパスフィルターはできる限り薄いものを使用するのが望ましい。
光学的ローパスフィルターを薄くするには、次の条件式(14)を満足して、複屈折光学素子の常光線と異常光線のそれぞれに対する屈折率差を大きくするのがよい。
5 < ne・no/|ne−no| < 20 …(14)
但し、neは複屈折光学素子の異常光線に対する屈折率、noは複屈折光学素子の常光線に対する屈折率である。
条件式(14)を満足すれば、肉厚が厚くなりすぎず、小型化に好適であり、可視光を十分透過することのできる光学的ローパスフィルターが実現できる。
【0053】
また、次の条件式(14’)を満足すると、さらによい。
7 < ne・no/|ne−no| < 15 …(14’)
さらに、次の条件式(14”)を満足すると、より一層好ましい。
9 < ne・no/|ne−no| < 11 …(14”)
【0054】
光学的ローパスフィルターは、折り返し歪みが発生するのを防止するために必要となる。折り返し歪みは、結像光学系がナイキスト周波数以上の成分を持ち過ぎた時に生じる現象である。しかし、ある程度以上画素サイズが小さくなると、回折の影響によりナイキスト周波数以上の成分がなくなる。従って、本発明の電子撮像装置では、次の条件式(15)を満足する画素ピッチを有する撮像素子を使用するのが好ましい。
Fw ≧ a(μm) …(15)
但し、Fwは広角端における解放F値、aは撮像素子の水平方向の画素間距離(単位:μm)である。より詳しくは、無名数である。
条件式(15)を満足すれば、光学的ローパスフィルターを用いなくても折り返し歪みを許容できる程度に抑えることができる。
【0055】
また、次の条件式(15’)を満足すると、さらによい。
Fw ≧ 1.2a(μm) …(15’)
さらに、次の条件式(15”)を満足すると、より一層好ましい。
Fw ≧ 1.4a(μm) …(15”)
【0056】
条件式(15)を満足しない場合は、光学的ローパスフィルターが必要となる。その場合は、以下に述べるように構成して、出来る限り薄くするのがよい。
一般的に光学的ローパスフィルターは、水晶の様な単軸結晶が有する副屈折作用を利用している。ここで、結晶軸がズームレンズの光軸に対してなす角が35度から55度の範囲であり、かつ各々の結晶軸を像面に投影したときの方向がそれぞれ異なる複数あるいは単独の水晶で構成された光学的ローパスフィルターを含む場合、その中でズームレンズ光軸上に沿った厚みが最も厚いフィルターの肉厚tLPF(mm)が次の条件式(16),(17)を満足するようにするとよい。
a < 4μm のとき
0.08a < tLPF < 0.16a …(16)
a < 3μm のとき
0.075a < tLPF < 0.15a …(17)但し、tLPF(mm)はズームレンズの光軸に沿って最も厚く、ズームレンズの
光軸とのなす角が35度から55度の範囲に1つの結晶軸を有する光学的ローパスフィルターの肉厚、aは電子撮像素子の水平画素ピッチ(単位μm)である。
【0057】
1枚あるいは複数枚で構成された前記光学的ローパスフィルターのうち最も厚いものは、その厚さがナイキスト限界周波数にて理論上コントラストがゼロになるように設定されており、およそa/5.88(mm)である。
a/5.88(mm)よりも厚くすると、モアレ縞の様な偽信号の防止には効果があるが撮像素子の持つ分解能を十分に発揮することが出来なくなる。一方、a/5.88(mm)よりも薄くすると、モアレ縞のような偽信号が十分に除去できない。
しかし、モアレ縞のような偽信号はズームレンズなど撮影レンズの結像性能とも深く関連し、結像性能が高い場合はモアレ縞のような偽信号が発生しやすい。このため、光学的ローパスフィルターの肉厚は、結像性能が高い場合はやや厚めに、結像性能がそれほど高くない場合はやや薄めに設定するのがよい。
【0058】
一方、画素ピッチが小さくなるにつれて、結像レンズ系の回折の影響によりナイキスト限界以上の周波数成分のコントラストが減少する。そのため、モアレ縞のような偽信号の発生は少なくなる。従って、a/5.88(mm)より数%〜数十%程度薄くすると、むしろナイキスト限界に相当する周波数以下の空間周波数でのコントラストが向上するので好ましい。
【0059】
なお、次の条件式(16’),(17’)を満足するようにすれば、より効果的である。
a < 4μm のとき
0.075a < tLPF < 0.15a …(16’)
a < 3μm のとき
0.07a < tLPF < 0.14a …(17’)
さらに、次の条件式(16”),(17”)を満足するようにすれば、より一層効果的である。
a < 4μm のとき
0.07a < tLPF < 0.14a …(16”)
a < 3μm のとき
0.065a < tLPF < 0.13a …(17”)
【0060】
また、a < 4μm とする場合において、光学的ローパスフィルターは薄くしすぎると加工が困難である。このため、光学的ローパスフィルターをあまり薄くせずに、つまり条件式(16),(16’),(16”)の上限を上回ってもコントラストがゼロになる空間周波数(カットオフ周波数)を高くする別の方法がある。それは、光学的ローパスフィルターの結晶軸がズームレンズの光軸に対してなす角が15度から35度の範囲もしくは55度から75度の範囲となるようにするか、場合によってはローパスフィルターを省略することである。この角度の範囲においては入射光の常光線と異常光線への分離量が45度近傍のときよりも少なくなり、0度もしくは90度になったときには分離しなくなる(ただし、90度の場合は両者に速度差がつき位相差が発生する…λ/4板の原理)。
【0061】
さらに、上述のように、画素ピッチが小さくなると回折の影響でそれに見合った高い空間周波数での結像性能が劣化してくるため、Fナンバーを大きくすることが困難である。従って、カメラの開口絞りの種類を幾何収差による劣化の大きな開放と回折限界近傍の絞り値の2種類のみとすれば、光学的ローパスフィルターはなくてもよい。
【0062】
特に画素ピッチが小さく、開放時の結像性能が最もよい場合などは、撮像面への入射光束サイズを規制する手段として内径が可変のものや、内径の異なるものと入れ替える方法を用いなくとも良い。例えば、常に内径が固定の開口絞りを用いるとともに、光路中のいずれかの場所に透過率可変手段を設けるのがよい。
【0063】
透過率可変手段を光路に挿入する場合、透過率の異なる光学素子を交換する方法もある。例えば、エレクトロクロミック素子のように、透過率が電圧等により可変である光学素子を使用してもよい。図3は、エレクトロクロミック素子の分光透過率特性をグラフで示したものである。その場合、波長520nmでの最大透過率τmax(≧0.7)と最小透過率τmin(≦0.3)との比を2.5以上にするのがよい。好ましくは3.5以上にするのがよい。また、τmin≦τ520≦τmax全域で分光透過率が次の条件式(18),(19)を満足するとよい。
τ440/τ520 > 0.7 …(18)
τ600/τ520 > 0.8 …(19)
但し、τx(xは数字)は波長xnmでの透過率である。
また、次の条件式(18’),(19’)を満足すると、さらによい。
τ440/τ520 > 0.75 …(18’)
τ600/τ520 > 0.85 …(19’)
さらに、次の条件式(18”),(19”)を満足すると、より一層好ましい。
τ440/τ520 > 0.8 …(18”)
τ600/τ520 > 0.9 …(19”)
【0064】
なお、光学的ローパスフィルターは、結像レンズ系の最も像側のレンズ群よりも像側に配置するのがよい。しかし、光学的ローパスフィルターは極めて薄いため、強度上の問題がある。従って、最も像側のレンズの像側の面を平面として、その平面に光学的ローパスフィルターを接合するとよい。あるいは、撮像素子のカバーガラスに光学的ローパスフィルターを接合してもよい。
また、赤外光をカットするための手段については、いずれかの平面部に赤外光カット膜をコーティングするとよい。
また、透過率可変光学素子は、上述したエレクトロクロミック素子などのように、電気的に化学変化をして透過率が変化する物質を透明電極を有した2枚の基盤ガラスで挟んだものを光路のいずれかの場所に挿入するとよい。この場合、上述した合焦のために移動するレンズ群Fよりも像側に、エレクトロクロミック素子を挿入するのが好ましい。あるいは、透過率可変光学素子は、前記2枚の基盤ガラスのうち1枚を平面を有する光学素子の平面で代用してもよい。特に最終レンズの像側の面が平面の場合には、前記2枚の基盤ガラスをレンズの平面と光学的ローパスフィルターとで代用してもよい。
【0065】
次に、赤外カットフィルターについて説明する。
電子撮像装置では、通常赤外光が撮像面に入射しないように、一定の厚みのある赤外吸収フィルターを撮像素子よりも物体側に挿入している。
電子撮像装置における光学系を短くあるいは薄くするために、赤外吸収フィルターを厚みのないコーティングに置き換えることを考える。すると、当然その分薄くなるが、さらに次のような副次的効果がある。
前記ズームレンズ系後方にある撮像素子よりも物体側に、波長600nmでの透過率が80%以上、波長700nmでの透過率が8%以下の近赤外シャープカットコートを導入すると、吸収タイプよりも波長700nm以上の近赤外領域の透過率が低く、かつ、相対的に赤側の透過率が高くなる。そして、補色モザイクフィルターを有するCCDなど固体撮像素子の欠点である青紫側のマゼンダ化傾向がゲイン調整により緩和され、原色フィルターを有するCCDなど固体撮像素子並みの色再現を得ることができる。また、原色・補色に限らず、植物や人肌の様に近赤外領域に強い反射率を有するものの色再現が改善される。
【0066】
即ち、次の条件式(20),(21)を満足するのが望ましい。
τ600/τ550 ≧ 0.8 …(20)
τ700/τ550 ≦ 0.08 …(21)
但し、τ600は波長600nmでの透過率、τ550は波長550nmでの透過率、τ700は波長700nmでの透過率である。
また、次の条件式(20’),(21’)を満足すると、さらによい。
τ600/τ550 ≧ 0.85 …(20’)
τ700/τ550 ≦ 0.05 …(21’)
さらに、次の条件式(20”),(21”)を満足すると、より一層好ましい。
τ600/τ550 ≧ 0.9 …(20”)
τ700/τ550 ≦ 0.03 …(21”)
【0067】
CCDなど固体撮像素子のもう1つの欠点は、近紫外域の550nmの波長に対する感度が人間の眼のそれよりもかなり高いことである。これも近紫外域の色収差による画像のエッジ部の色にじみを目立たせている。特に光学系を小型化すると致命的である。従って、波長400nmでの透過率(τ400)の波長550nmでの透過率(τ550)に対する比が0.08を下回り、波長440nmでの透過率(τ440)の波長550nmでの透過率(τ550)に対する比が0.4を上回るような吸収体あるいは反射体を光路上に挿入すれば、色再現上必要な波長域を失わず(良好な色再現を保ったまま)色にじみなどのノイズがかなり軽減される。
【0068】
即ち、次の条件式(22),(23)を満足するのが望ましい。
τ400/τ550 ≦ 0.08 …(22)
τ440/τ550 ≧ 0.4 …(23)
また、次の条件式(22’),(23’)を満足すると、さらによい。
τ400/τ550 ≦ 0.06 …(22’)
τ440/τ550 ≧ 0.5 …(23’)
さらに、次の条件式(22”),(23”)を満足すると、より一層好ましい。
τ400/τ550 ≦ 0.04 …(22”)
τ440/τ550 ≧ 0.6 …(23”)
なお、これらのフィルターの設置場所は結像光学系と撮像素子の間がよい。
【0069】
一方、補色フィルターの場合、その透過光エネルギーの高さから原色フィルター付きCCDと比べて実質的感度が高く、かつ、解像も有利であるため、小型CCDを使用したときのメリットが大である。
【0070】
なお、上記各条件式や各構成は適宜組み合せることでより良好な電子撮像装置を構成できる。
また、各条件式においては、その上限値のみ、もしくは下限値のみを、より好ましい条件式の対応する上限値、下限値で限定してもよい。また、後述の各実施例に記載の条件式の対応値を上限値または下限値としてもよい。
【0071】
【実施例】
以下、本発明の実施例について図面を用いて説明する。
第1実施例
図4は本発明による電子撮像装置に用いるズームレンズの第1実施例にかかる光学構成を示す光軸に沿う断面図であり、広角端無限遠物点合焦時の折り曲げ時における状態を示している。図5は第1実施例にかかるズームレンズの無限遠物点合焦時の光学構成を示す光軸に沿う断面図であり、(a)は広角端、(b)は中間、(c)は望遠端での状態を示している。図6は第1実施例にかかるズームレンズの無限遠物点合焦時における歪曲収差を示す図であり、(a)は広角端、(b)は中間、(c)は望遠端、(d)は広角端と中間との間、(e)は中間と望遠端との間での状態を夫々示している。図7、図8は第1実施例にかかるズームレンズの無限遠物点合焦時における球面収差、非点収差、歪曲収差、倍率色収差を示す図であり、図7(a)は広角端、図7(b)は中間、図7(c)は望遠端、図8(a)は広角端と中間との間、図8(b)は中間と望遠端との間での状態を夫々示している。
【0072】
第1実施例の電子撮像装置は、図4に示すように、物体側から順に、ズームレンズと、電子撮像素子であるCCDを有している。図4中、IはCCDの撮像面である。ズームレンズと撮像面Iとの間には、平面平板状の光学的ローパスフィルターLFとCCDカバーガラスCGが設けられている。また、各実施例において近赤外シャープカットコートについては、例えば、光学的ローパスフィルターLFに直接コートを施しても良く、また、別に赤外カット吸収フィルターを配置してもよく、あるいは、透明平板の入射面に近赤外シャープカットコートしたものを用いてもよい。
ズームレンズは、物体側から順に、第1レンズ群G1と、第2レンズ群G2と、開口絞りSと、第3レンズ群G3と、第4レンズ群G4とを有している。
第1レンズ群G1は、物体側から順に、光路を折り曲げるための反射光学素子R1と、1枚の両凸正レンズL1とで構成されており、全体で正の屈折力を有している。
反射光学素子R1は、入射面R1と、光路を折り曲げるための反射面R1と、射出面R1とを有するプリズムとして構成されている。入射面R1は、物体側に凹面であり、光軸から離れるに従って発散性が弱まる非球面に形成されている。
なお、本発明の各実施例における有効撮像領域の縦横比は3:4であり、折り曲げ方向は横方向である。
第2レンズ群G2は、物体側から順に、両凹負レンズL2と、両凸正レンズL2とで構成されており、全体で負の屈折力を有している。
第3レンズ群G3は、両凸正レンズL3と、両凸正レンズL3と両凹負レンズL3との接合レンズとで構成されており、全体で正の屈折力を有している。
第4レンズ群G4は、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL4と、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL4とで構成されている。
【0073】
無限遠物点合焦時において広角端から望遠端へと変倍する際には、第1レンズ群G1は位置が固定され、第2レンズ群G2は像側へ移動し、開口絞りSは位置が固定され、第3レンズ群G3は物体側へ単調に移動し、第4レンズ群は位置が固定されるようになっている。
また、合焦動作時に際しては、第4レンズ群G4が光軸上を移動するようになっている。
非球面は、上述した第1レンズ群G1中の反射光学素子R1の入射面R1のほかに、第1レンズ群G1中の両凸正レンズL1の物体側の面、第2レンズ群G2中の両凹負レンズL2の両面、第3レンズ群G3中の両凸正レンズL3の両面に設けられている。
【0074】
次に、第1実施例のズームレンズを構成する光学部材の数値データを示す。
なお、第1実施例の数値データにおいて、r、r、…は各レンズ面の曲率半径、d、d、…は各レンズの肉厚または空気間隔、nd1、nd2、…は各レンズのd線での屈折率、νd1、νd2、…は各レンズのアッべ数、Fno.はFナンバー、fは全系焦点距離、D0は物体から第1面までの距離を表している。
なお、非球面形状は、光軸方向をz、光軸に直交する方向をyにとり、円錐係数をK、非球面係数をA、A、A、A10としたとき、次の式で表される。
z=(y/r)/[1+{1−(1+K)(y/r)1/2]+A+A+A+A1010
なお、これらの記号は後述の実施例の数値データにおいても共通である。
【0075】
Figure 2004264343
Figure 2004264343
【0076】
Figure 2004264343
【0077】
Figure 2004264343
【0078】
第2実施例
図9は本発明による電子撮像装置に用いるズームレンズの第2実施例にかかる光学構成を示す光軸に沿う断面図であり、広角端無限遠物点合焦時の折り曲げ時における状態を示している。図10は第2実施例にかかるズームレンズの無限遠物点合焦時の光学構成を示す光軸に沿う断面図であり、(a)は広角端、(b)は中間、(c)は望遠端での状態を示している。図11は第2実施例にかかるズームレンズの無限遠物点合焦時における歪曲収差を示す図であり、(a)は広角端、(b)は中間、(c)は望遠端、(d)は広角端と中間との間、(e)は中間と望遠端との間での状態を夫々示している。図12、図13は第2実施例にかかるズームレンズの無限遠物点合焦時における球面収差、非点収差、歪曲収差、倍率色収差を示す図であり、図12(a)は広角端、図12(b)は中間、図12(c)は望遠端、図13(a)は広角端と中間との間、図13(b)は中間と望遠端との間での状態を夫々示している。
【0079】
第2実施例の電子撮像装置は、図9に示すように、物体側から順に、ズームレンズと、電子撮像素子であるCCDを有している。図9中、IはCCDの撮像面である。ズームレンズと撮像面Iとの間には、平面平板状の光学的ローパスフィルターLFとCCDカバーガラスCGが設けられている。
ズームレンズは、物体側から順に、第1レンズ群G1と、第2レンズ群G2と、開口絞りSと、第3レンズ群G3と、第4レンズ群G4とを有している。
第1レンズ群G1は、物体側から順に、光路を折り曲げるための反射光学素子R1と、1枚の両凸正レンズL1とで構成されており、全体で正の屈折力を有している。
反射光学素子R1は、入射面R1と、光路を折り曲げるための反射面R1と、射出面R1とを有するプリズムとして構成されている。入射面R1は、物体側に凹面であり、光軸から離れるに従って発散性が弱まる非球面に形成されている。
第2レンズ群G2は、物体側から順に、両凹負レンズL2と、両凸正レンズL2とで構成されており、全体で負の屈折力を有している。
第3レンズ群G3は、両凸正レンズL3と、両凸正レンズL3と両凹負レンズL3との接合レンズとで構成されており、全体で正の屈折力を有している。
第4レンズ群G4は、両凸正レンズL4’と、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL4とで構成されている。
【0080】
無限遠物点合焦時において広角端から望遠端へと変倍する際には、第1レンズ群G1は位置が固定され、第2レンズ群G2は像側へ移動し、開口絞りSは位置が固定され、第3レンズ群G3は物体側へ単調に移動し、第4レンズ群は位置が固定されるようになっている。
また、合焦動作時に際しては、第4レンズ群G4が光軸上を移動するようになっている。
非球面は、上述した第1レンズ群G1中の反射光学素子R1の入射面R1のほかに、第1レンズ群G1中の両凸正レンズL1の物体側の面、第2レンズ群G2中の両凹負レンズL2の両面、第3レンズ群G3中の両凸正レンズL3の両面に設けられている。
【0081】
次に、第2実施例のズームレンズを構成する光学部材の数値データを示す。
Figure 2004264343
Figure 2004264343
【0082】
Figure 2004264343
【0083】
Figure 2004264343
【0084】
第3実施例
図14は本発明による電子撮像装置に用いるズームレンズの第3実施例にかかる光学構成を示す光軸に沿う断面図であり、広角端無限遠物点合焦時の折り曲げ時における状態を示している。図15は第3実施例にかかるズームレンズの無限遠物点合焦時の光学構成を示す光軸に沿う断面図であり、(a)は広角端、(b)は中間、(c)は望遠端での状態を示している。図16は第3実施例にかかるズームレンズの無限遠物点合焦時における歪曲収差を示す図であり、(a)は広角端、(b)は中間、(c)は望遠端、(d)は広角端と中間との間、(e)は中間と望遠端との間での状態を夫々示している。図17、図18は第3実施例にかかるズームレンズの無限遠物点合焦時における球面収差、非点収差、歪曲収差、倍率色収差を示す図であり、図17(a)は広角端、図17(b)は中間、図17(c)は望遠端、図18(a)は広角端と中間との間、図18(b)は中間と望遠端との間での状態を夫々示している。
【0085】
第3実施例の電子撮像装置は、図14に示すように、物体側から順に、ズームレンズと、電子撮像素子であるCCDを有している。図14中、IはCCDの撮像面である。ズームレンズの最終レンズ面と撮像面Iとの間には、平面平板状の光学的ローパスフィルターLF’と、CCDカバーガラスCGが設けられている。
ズームレンズは、物体側から順に、第1レンズ群G1と、第2レンズ群G2と、開口絞りSと、第3レンズ群G3と、第4レンズ群G4とを有している。
第1レンズ群G1は、物体側から順に、光路を折り曲げるための反射光学素子R1と、1枚の両凸正レンズL1とで構成されており、全体で正の屈折力を有している。
反射光学素子R1は、入射面R1と、光路を折り曲げるための反射面R1と、射出面R1とを有するプリズムとして構成されている。入射面R1は、物体側に凹面であり、光軸から離れるに従って発散性が弱まる非球面に形成されている。
第2レンズ群G2は、物体側から順に、両凹負レンズL2と、両凸正レンズL2とで構成されており、全体で負の屈折力を有している。
第3レンズ群G3は、両凸正レンズL3と、両凸正レンズL3と両凹負レンズL3との接合レンズとで構成されており、全体で正の屈折力を有している。
第4レンズ群G4は、両凸正レンズL4’と物体側の面が凸面に形成され像側の面が平面に形成された平凸正レンズL4’とで構成されている。
光学的ローパスフィルターLF’は、肉厚が極めて薄く形成されており、平凸レンズL4’の平面に接合されている。
【0086】
無限遠物点合焦時において広角端から望遠端へと変倍する際には、第1レンズ群G1は位置が固定され、第2レンズ群G2は像側へ移動し、開口絞りSは位置が固定され、第3レンズ群G3は物体側へ単調に移動し、第4レンズ群は位置が固定されるようになっている。
また、合焦動作時に際しては、第4レンズ群G4が光軸上を移動するようになっている。
非球面は、上述した第1レンズ群G1中の反射光学素子R1の入射面R1のほかに、第1レンズ群G1中の両凸正レンズL1の物体側の面、第2レンズ群G2中の両凹負レンズL2の両面、第3レンズ群G3中の両凸正レンズL3の物体側の面、両凸正レンズL3と両凹負レンズL3との接合面に設けられている。
【0087】
次に、第3実施例のズームレンズを構成する光学部材の数値データを示す。
Figure 2004264343
Figure 2004264343
【0088】
Figure 2004264343
【0089】
Figure 2004264343
【0090】
特に最終レンズ自身もしくは最終レンズを含むレンズ群あるいは最終レンズ群直前のレンズ群をフォーカスレンズ群として使用する場合、フォーカスレンズ群の移動スペースはフォーカス群の理論的移動量のほかにフォーカス位置検出のための余裕移動スペースや誤差積算によるフォーカス群位置のズレなどを余裕量として見込まねばならない。そして、レンズ群が絶対的に小型化していくと、上記理論的移動量に対する余裕量の割合が大きくなってくる。このため、撮像面直前に配置すべきフィルター類の厚みが障害となりかねない。
【0091】
そこで、第3実施例のように、撮像面直前に配置すべきフィルターを上記条件式(14),(14’),(14”)のいずれかを少なくとも満足する素材を使用した極めて薄い光学的ローパスフィルターとするとともに、その極めて薄い光学的ローパスフィルターの強度上の弱さを保護するために、最終レンズを平凸レンズ或いは平凹レンズとしてその平面にその極めて薄い光学的ローパスフィルターを接合するとよい。
なお、フィルター類は、光学系全系の像側に配置するのがよいため、前記平凸レンズ或いは平凹レンズはその像側の面を平面とするのがよい。赤外カットフィルターはコーティングとし、図19(a)に示すように、前記平凸レンズ或いは平凹レンズに接合された光学的ローパスフィルターの像側面に赤外カットコーティングをするか、図19(b)に示すように、前記平凸レンズ或いは平凹レンズの平面側に予め赤外カットコーティングを施した上に光学的ローパスフィルターと接合するか、図19(c)に示すように、最終レンズのR面側に赤外カットコーティングを施すとよい。なお、図19(c)の場合はさらに次の条件式を満足するとよい。
−0.2 < fw/RRX < 0.2
但し、RRXは最終レンズ(平凸レンズあるいは平凹レンズ)のR面側の光軸上での曲率半径、fwは広角端におけるズーム光学系全系の焦点距離である。
この条件式を満足すると、赤外カットコートによるゴーストやフレアーの発生を抑えることができる。
【0092】
次に、上記各実施例における条件式のパラメータ等の値を次の表1に示す。
表1
Figure 2004264343
レンズデータにおける光学的ローパスフィルターは複数枚構成であり、さらに赤外カットコートなどの厚みも含んでいる。その最大厚みの値でなく表中の値を用いている。
【0093】
さて、以上のような本発明の折り曲げズームレンズを用いた電子撮像装置は、ズームレンズ等の結像光学系で物体像を形成しその像をCCDや銀塩フィルムといった撮像素子に受光させて撮影を行う撮影装置、とりわけデジタルカメラやビデオカメラ、情報処理装置の例であるパソコン、電話、特に持ち運びに便利な携帯電話等に用いることができる。以下に、その実施形態を例示する。
【0094】
図20〜図22は本発明による折り曲げズームレンズをデジタルカメラの撮影光学系41に組み込んだ構成の概念図であり、図20はデジタルカメラ40の外観を示す前方斜視図、図21は同後方斜視図、図22はデジタルカメラ40の構成を示す断面図である。なお、図22に示すデジタルカメラは、撮像光路をファインダーの長辺方向に折り曲げた構成となっており、図22中の観察者の眼を上側からみて示してある。
【0095】
デジタルカメラ40は、この例の場合、撮影用光路42を有する撮影光学系41、ファインダー用光路44を有するファインダー光学系43、シャッター45、フラッシュ46、液晶表示モニター47等を含み、カメラ40の上部に配置されたシャッター45を押圧すると、それに連動して撮影光学系41、例えば、第1実施例の光路折り曲げズームレンズを通して撮影が行われるようになっている。
そして、撮影光学系41によって形成された物体像が、近赤外カットフィルター、又はCCDカバーガラス又はその他のレンズに施された近赤外カットコートを経てCCD49の撮像面上に形成される。
【0096】
このCCD49で受光された物体像は、処理手段51を介し、電子画像としてカメラ背面に設けられた液晶表示モニター47に表示される。また、この処理手段51には記録手段52が接続され、撮影された電子画像を記録することもできる。なお、この記録手段52は処理手段51と別体に設けてもよいし、フレキシブルディスクやメモリーカード、MO等により電子的に記録書込を行うように構成してもよい。また、CCD49に代わって銀塩フィルムを配置した銀塩カメラとして構成してもよい。
【0097】
さらに、ファインダー用光路44上にはファインダー用対物光学系53が配置してある。このファインダー用対物光学系53によって形成された物体像は、像正立部材であるポロプリズム55の視野枠57上に形成される。このポリプリズム55の後方には、正立正像にされた像を観察者眼球Eに導く接眼光学系59が配置されている。なお、撮影光学系41及びファインダー用対物光学系53の入射側、接眼光学系59の射出側にそれぞれカバー部材50が配置されている。
【0098】
このように構成されたデジタルカメラ40は、長辺方向に光路を置き曲げたことによりカメラの薄型化に効果がある。また、撮影光学系41が広画角で高変倍比であり、収差が良好で、明るく、フィルター等が配置できるバックフォーカスの大きなズームレンズであるので、高性能・低コスト化が実現できる。
なお、本実施例のデジタルカメラ40の撮像光路をファインダーの短辺方向に折り曲げて構成してもよい。その場合には、撮影レンズの入射面からストロボ(又はフラッシュ)をより上方に離して配置し、人物のストロボ撮影時の際に生じる影の影響を緩和できるレイアウトにし得る。
また、図22の例では、カバー部材50として平行平面板を配置しているが、パワーを持ったレンズを用いてもよい。
【0099】
次に、本発明の折り曲げズームレンズが対物光学系として内蔵された情報処理装置の一例であるパソコンを図23〜図25に示す。図23はパソコン300のカバーを開いた前方斜視図、図24はパソコン300の撮影光学系303の断面図、図25は図23の側面図である。
【0100】
図23〜図25に示すように、パソコン300は、外部から操作者が情報を入力するためのキーボード301と、図示を省略した情報処理手段や記録手段と、情報を操作者に表示するモニター302と、操作者自身や周辺の像を撮影するための撮影光学系303とを有している。
ここで、モニター302は、図示しないバックライトにより背面から照明する透過型液晶表示素子や、前面からの光を反射して表示する反射型液晶表示素子や、CRTディスプレイ等であってよい。また、図中、撮影光学系303は、モニター302の右上に内蔵されているが、その場所に限らず、モニター302の周囲や、キーボード301の周囲のどこであってもよい。
この撮影光学系303は、撮影光路304上に、本発明による例えば第1実施例の光路折り曲げズームレンズからなる対物レンズ112と、像を受光する撮像素子チップ162とを有している。これらはパソコン300に内蔵されている。
【0101】
ここで、撮像素子チップ162上にはカバーガラスCGが付加的に貼り付けられて撮像ユニット160として一体に形成され、対物レンズ112の鏡枠113の後端にワンタッチで嵌め込まれて取り付け可能になっているため、対物レンズ112と撮像素子チップ162の中心合わせや面間隔の調整が不要であり、組立が簡単となっている。また、鏡枠113の先端(図示略)には、対物レンズ112を保護するためのカバーガラス114が配置されている。なお、鏡枠113中のズームレンズの駆動機構等は図示を省いてある。
【0102】
撮像素子チップ162で受光された物体像は、端子166を介して、パソコン300の処理手段に入力され、電子画像としてモニター302に表示される。図23には、その一例として、操作者の撮影された画像305が示されている。また、この画像305は、処理手段を介し、インターネットや電話を介して、遠隔地から通信相手のパソコンに表示されることも可能である。
【0103】
次に、本発明の折り曲げズームレンズが撮影光学系として内蔵された情報処理装置の一例である電話、特に持ち運びに便利な携帯電話を図26に示す。図26(a)は携帯電話400の正面図、図26(b)は側面図、図26(c)は撮影光学系405の断面図である。
図26(a)〜(c)に示すように、携帯電話400は、操作者の声を情報として入力するマイク部401と、通話相手の声を出力するスピーカ部402と、操作者が情報を入力する入力ダイアル403と、操作者自身や通話相手等の撮影像と電話番号等の情報を表示するモニター404と、撮影光学系405と、通信電波の送信と受信を行うアンテナ406と、画像情報や通信情報、入力信号等の処理を行う処理手段(図示せず)とを有している。ここで、モニター404は液晶表示素子である。また、図中、各構成の配置位置は、特にこれらに限られない。この撮影光学系405は、撮影光路407上に配置された本発明による例えば第1実施例の光路折り曲げズームレンズからなる対物レンズ112と、物体像を受光する撮像素子チップ162とを有している。これらは、携帯電話400に内蔵されている。
【0104】
ここで、撮像素子チップ162上にはカバーガラスCGが付加的に貼り付けられて撮像ユニット160として一体に形成され、対物レンズ112の鏡枠113の後端にワンタッチで嵌め込まれて取り付け可能になっているため、対物レンズ112と撮像素子チップ162の中心合わせや面間隔の調整が不要であり、組立が簡単となっている。また、鏡枠113の先端(図示略)には、対物レンズ112を保護するためのカバーガラス114が配置されている。なお、鏡枠113中のズームレンズの駆動機構等は図示を省いてある。
【0105】
撮影素子チップ162で受光された物体像は、端子166を介して、図示していない処理手段に入力され、電子画像としてモニター404に、又は、通信相手のモニターに、又は、両方に表示される。また、通信相手に画像を送信する場合、撮像素子チップ162で受光された物体像の情報を、送信可能な信号へと変換する信号処理機能が処理手段には含まれている。
【0106】
以上説明したように、本発明のズームレンズ及びそれを有する電子撮像装置は、特許請求の範囲に記載された発明の他に、次に示すような特徴も備えている。
【0107】
(1)前記レンズ群Iが、最も物体側に、負の屈折力を持つ光学素子を有し、次の条件式を満足することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の電子撮像装置。
−1.5 < (R11+R12)/(R11−R12) < 1.1
但し、R11は第1レンズ群Iにおいて最も物体側に配置された負の屈折力を持つ光学素子の入射面の曲率半径、R12は第1レンズ群Iにおいて最も物体側に配置された負のパワーを有する光学素子の射出面の曲率半径である。
【0108】
(2)前記レンズ群Iと前記開口絞りは、変倍時に位置が固定されていることを特徴とする請求項1〜3、上記(1)のいずれかに記載の電子撮像装置。
【0109】
(3)前記レンズ群Iが、光路を折り曲げるための反射光学素子を有することを特徴とする請求項1〜3、上記(1),(2)のいずれかに記載の電子撮像装置。
【0110】
(4)前記レンズ群Iが、最も物体側に、入射面が凹面に形成された光路を折り曲げるための反射光学素子を有することを特徴とする請求項1〜3、上記(1)〜(3)のいずれかに記載の電子撮像装置。
【0111】
(5)前記レンズ群Iが、物体側から順に、入射面が凹面に形成された光路を折り曲げるための反射光学素子と、正レンズとで構成され、全体として正の屈折力を持つことを特徴とする請求項1〜3、上記(1)〜(4)のいずれかに記載の電子撮像装置。
【0112】
(6)前記レンズ群Iにおける前記光路を折り曲げるための反射光学素子の入射面が、光軸から離れるに従って発散性が弱まる非球面に形成されていることを特徴とする上記(3)〜(5)のいずれかに記載の電子撮像装置。
【0113】
(7)前記レンズ群Iが、次の条件式を満足することを特徴とする上記(3)〜(6)のいずれかに記載の電子撮像装置。
0.3 < d/d < 0.7
但し、dは前記レンズ群Iにおける最も物体側の面と光軸との交点から最初の反射面と光軸との交点までの距離、dは該反射面よりも物体側に最も近い屈折面(プリズムの場合は入射面)と光軸との交点から該反射面よりも像側に最も近い屈折面(プリズムの場合は射出面)と光軸との交点までの光軸に沿って測った距離である。
【0114】
(8)前記レンズ群Iの像側に隣接して配置された、負レンズと正レンズとからなり全体として負の屈折力を持つレンズ群Iを有し、レンズ群Bはさらにその像側に位置する請求項1〜3、上記(1)〜(7)のいずれかに記載の電子撮像装置。
【0115】
(9)前記開口絞りが、前記レンズ群Iと前記レンズ群Bとの間に、光軸方向に移動しないように配置されていることを特徴とする請求項1〜3、上記(1)〜(8)のいずれかに記載の電子撮像装置。
【0116】
【発明の効果】
本発明では、高ズーム比、明るいF値など高い光学仕様性能を有するズームレンズを搭載しながらも、奥行き方向が極めて薄く、歪曲が少なく高画質で広画角な撮影が可能である電子撮像装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子撮像装置における光学系で発生した像面歪曲をデジタル補正するための基本的概念を示す説明図である。
【図2】物体側からズーム光学系の前側主点位置に向かう主光線と光軸との関係を示す説明図である。
【図3】本発明の電子撮像装置における透過率可変手段として適用可能なエレクトロクロミック素子の分光透過率特性を示すグラフである。
【図4】本発明による電子撮像装置に用いるズームレンズの第1実施例にかかる光学構成を示す光軸に沿う断面図であり、広角端無限遠物点合焦時の折り曲げ時における状態を示している。
【図5】第1実施例にかかるズームレンズの無限遠物点合焦時の光学構成を示す光軸に沿う断面図であり、(a)は広角端、(b)は中間、(c)は望遠端での状態を示している。
【図6】第1実施例にかかるズームレンズの無限遠物点合焦時における歪曲収差を示す図であり、(a)は広角端、(b)は中間、(c)は望遠端、(d)は広角端と中間との間、(e)は中間と望遠端との間での状態を夫々示している。
【図7】第1実施例にかかるズームレンズの無限遠物点合焦時における球面収差、非点収差、歪曲収差、倍率色収差を示す図であり、(a)は広角端、(b)は中間、(c)は望遠端での状態を夫々示している。
【図8】第1実施例にかかるズームレンズの無限遠物点合焦時における球面収差、非点収差、歪曲収差、倍率色収差を示す図であり、(a)は広角端と中間との間、(b)は中間と望遠端との間での状態を夫々示している。
【図9】本発明による電子撮像装置に用いるズームレンズの第2実施例にかかる光学構成を示す光軸に沿う断面図であり、広角端無限遠物点合焦時の折り曲げ時における状態を示している。
【図10】第2実施例にかかるズームレンズの無限遠物点合焦時の光学構成を示す光軸に沿う断面図であり、(a)は広角端、(b)は中間、(c)は望遠端での状態を示している。
【図11】第2実施例にかかるズームレンズの無限遠物点合焦時における歪曲収差を示す図であり、(a)は広角端、(b)は中間、(c)は望遠端、(d)は広角端と中間との間、(e)は中間と望遠端との間での状態を夫々示している。
【図12】第2実施例にかかるズームレンズの無限遠物点合焦時における球面収差、非点収差、歪曲収差、倍率色収差を示す図であり、(a)は広角端、(b)は中間、(c)は望遠端での状態を夫々示している。
【図13】第2実施例にかかるズームレンズの無限遠物点合焦時における球面収差、非点収差、歪曲収差、倍率色収差を示す図であり、(a)は広角端と中間との間、(b)は中間と望遠端との間での状態を夫々示している。
【図14】本発明による電子撮像装置に用いるズームレンズの第3実施例にかかる光学構成を示す光軸に沿う断面図であり、広角端無限遠物点合焦時の折り曲げ時における状態を示している。
【図15】第3実施例にかかるズームレンズの無限遠物点合焦時の光学構成を示す光軸に沿う断面図であり、(a)は広角端、(b)は中間、(c)は望遠端での状態を示している。
【図16】第3実施例にかかるズームレンズの無限遠物点合焦時における歪曲収差を示す図であり、(a)は広角端、(b)は中間、(c)は望遠端、(d)は広角端と中間との間、(e)は中間と望遠端との間での状態を夫々示している。
【図17】第3実施例にかかるズームレンズの無限遠物点合焦時における球面収差、非点収差、歪曲収差、倍率色収差を示す図であり、(a)は広角端、(b)は中間、(c)は望遠端での状態を夫々示している。
【図18】第3実施例にかかるズームレンズの無限遠物点合焦時における球面収差、非点収差、歪曲収差、倍率色収差を示す図であり、(a)は広角端と中間との間、(b)は中間と望遠端との間での状態を夫々示している。
【図19】(a)〜(c)は本発明の電子撮像装置における最終レンズ群とフィルター類の好適な配置例を示す説明図である。
【図20】本発明による折り曲げズームレンズをデジタルカメラの撮影光学系41に組み込んだ構成の概念図であり、デジタルカメラ40の外観を示す前方斜視図である。
【図21】図20に示したデジタルカメラ40の後方斜視図である。
【図22】図20に示したデジタルカメラ40の構成を示す断面図である。
【図23】本発明の折り曲げズームレンズが対物光学系として内蔵された情報処理装置の一例であるパソコン300のカバーを開いた前方斜視図である。
【図24】図23に示したパソコン300の撮影光学系303の断面図である。
【図25】図23の側面図である。
【図26】本発明の折り曲げズームレンズが撮影光学系として内蔵された情報処理装置の一例である携帯電話を示す図であり、(a)は携帯電話400の正面図、(b)は(a)の側面図、(c)は撮影光学系405の断面図である。
【符号の説明】
CG CCDカバーガラス
E 観察者眼球
G1 第1レンズ群
G2 第2レンズ群
G3 第3レンズ群
G4 第4レンズ群
I 撮像面
L1 両凸正レンズ
L2 両凹負レンズ
L2 両凸正レンズ
L3 両凸正レンズ
L3 両凸正スレンズ
L3 両凹負レンズ
L4 物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズ
L4’ 両凸正レンズ
L4 物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズ
L4’ 物体側の面が凸面に形成され像側の面が平面に形成された平凸正レンズ
LF,LF’ ローパスフィルター
R1 反射光学素子
R1 入射面
R1 反射面
R1 射出面
S 開口絞り
40 デジタルカメラ
41 撮像光学系
42 撮影用光路
43 ファインダー光学系
44 ファインダー用光路
45 シャッター
46 フラッシュ
47 液晶表示モニター
49 CCD
50 カバー部材
51 処理手段
52 記録手段
53 ファインダー用対物光学系
55 ポロプリズム
57 視野枠
59 接眼光学系
103 制御系
104 撮像ユニット
112 対物レンズ
113 鏡枠
114 カバーガラス
160 撮像ユニット
162 撮像素子チップ
166 端子
300 パソコン
301 キーボード
302 モニター
303 撮影光学系
304 撮影光路
305 画像
400 携帯電話
401 マイク部
402 スピーカ部
403 入力ダイアル
404 モニター
405 撮影光学系
406 アンテナ
407 撮影光路

Claims (3)

  1. 物体側から順に、正レンズを1枚のみ含む最も物体側に配置されたレンズ群I、開口絞り、正の屈折力を持ち広角端から望遠端に変倍する際に単調に物体側に移動するレンズ群B、を少なくとも有するズーム光学系と、電子撮像素子とを少なくとも有し、前記電子撮像素子で撮像した画像データを電気的に加工してその形状を変化させる画像処理過程を有する電子撮像装置であって、前記ズーム光学系が、ほぼ無限遠物点合焦時に次の条件式を満足することを特徴とする電子撮像装置。
    0.8 < y07/(fw・tanω07w) < 0.96
    0.4 < logγB/logγ < 4.0
    但し、fwは広角端におけるズーム光学系全系の焦点距離、y07は前記電子撮像素子の有効撮像面内(撮像可能な面内)で中心から最も遠い点までの距離(最大像高)をy10としたときに0.7y10で表わされる像高、ω07wは広角端における前記電子撮像素子の有効撮像面上の中心からy07の位置に結ぶ像点に対応する物点方向の光軸に対する角度、γ=fT/fw(但し、fTは望遠端におけるズーム光学系全系の焦点距離)、γB=望遠端におけるレンズ群Bの倍率/広角端におけるレンズ群Bの倍率である。
  2. 前記レンズ群Bが、物体側から正レンズ、負レンズの順に接合されたレンズ成分を少なくとも有することを特徴とする請求項1に記載の電子撮像装置。
  3. 前記レンズ群Iが、少なくとも1面が非球面に形成された負の屈折力を持つ光学素子を少なくとも有することを特徴とする請求項1又は2に記載の電子撮像装置。
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