JP2005120037A - アルキルベンズアルデヒド類の製造方法 - Google Patents

アルキルベンズアルデヒド類の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】フッ化水素・三フッ化ホウ素触媒中で不安定なアルキルベンゼン類を原料とする場合に、三フッ化ホウ素用コンプレッサーを使用せずに、収率良くアルキルベンズアルデヒド類を製造する方法を提案する。
【解決手段】芳香環に結合している炭素原子が第2級炭素原子である、炭素数2以上のアルキル基が置換したアルキルベンゼン類を、原料アルキルベンゼン類とフッ化水素・三フッ化ホウ素触媒とのコンプレックス溶液調製工程、および一酸化炭素とのホルミル化反応工程の二工程で反応させてアルキルベンズアルデヒド類を製造する方法であって、前記コンプレックス溶液調製工程に、第3級炭素原子を含み、かつ第4級炭素原子を含まない炭素数6〜10の脂肪族または脂環式の飽和炭化水素を添加することを特徴とする、アルキルベンズアルデヒド類の製造方法。
【選択図】 無

Description

本発明は香料、医薬、農薬原料中間体として有用なアルキルベンズアルデヒド類、特に炭素数2以上のアルキル基で置換されたアルキルベンゼン類を原料として製造されるアルキルベンズアルデヒド類の製造に関するものである。
塩化水素−塩化アルミニウム等を触媒として使用してアルキルベンゼン類と一酸化炭素を反応させるアルキルベンズアルデヒド類の製造は、ガッターマン・コッホ反応としてよく知られている。この場合、反応終了後に生成物と触媒を分離するために、通常、反応混合物を水で処理するので、触媒の再生が非常に困難である。また廃棄する場合にも加水分解により多量の廃棄物が発生し、処理コストが嵩むという課題がある。
ガッターマン・コッホ反応の一変形として、触媒としてフッ化水素および三フッ化ホウ素を用いることが開示されている(例えば、特許文献1あるいは特許文献2参照。)。この際には、触媒としてフッ化水素および三フッ化ホウ素という蒸気圧の高いものを使用するため、生成物と触媒の分離に加水分解が必要なく、循環再使用が可能であり、工業的に非常に優れた芳香族アルデヒド製造法の一つである。
例えば、特許文献2に記載の方法では、この反応は次式のような経路を経て進行する(原料:トルエン)。
CH・C(液) + HF(液) + BF(気) →
CH・C・H・BF (液) ・・・(1)
(原料アルキルベンゼンとフッ化水素・三フッ化ホウ素とのコンプレックス溶液調製)
CH・C・H・BF (液) + CO(気) →
CH・C・CHO・HF・BF(液) ・・・(2)
(一酸化炭素との反応により、アルキルベンズアルデヒドとフッ化水素・三フッ化ホウ素とのコンプレックス生成)
この場合、(2)式のホルミル化工程では(1)式のコンプレックス溶液調製工程より高い圧力を必要とするが、あらかじめアルキルベンゼンのフッ化水素・三フッ化ホウ素コンプレックス溶液を調製することにより、多量の三フッ化ホウ素ガスを高圧の反応系に供給することが不要となる利点を有する。
しかしながら、フッ化水素・三フッ化ホウ素触媒は、ホルミル化反応に対する良好な触媒であると同時に、アルキルベンゼン類の不均化に対しても極めて良好な触媒作用を示すことが良く知られている(例えば、非特許文献1参照。)。
特にこの不均化反応は、炭素数2以上のアルキル基が結合している場合に顕著であり、例えばエチルベンゼンの場合には次式のように進行する。
この反応は−20℃のような低温でも速やかに進行し、抑制することは困難である。一方、このように不安定な芳香族炭化水素の場合でも、一旦ホルミル化され、芳香族アルデヒドとなると、フッ化水素・三フッ化ホウ素触媒中でも安定となる。この性質を利用して、反応器にアルキルベンゼン類、フッ化水素・三フッ化ホウ素及び分圧5kg/cm(約0.5MPa)以上の一酸化炭素を導入して、アルキルベンゼン類のフッ化水素・三フッ化ホウ素による錯体化と一酸化炭素によるホルミル化を同一工程で連続的に進行させることにより、副反応を抑制し、アルキルベンズアルデヒド類を収率良く製造できることが示されている(例えば、特許文献3参照。)。
しかし、この方法の場合には、アルキルベンゼン類のフッ化水素・三フッ化ホウ素によるコンプレックス化と一酸化炭素によるホルミル化を同一工程で行わせることが必要であるため、(1)、(2)式とは逆に、多量の三フッ化ホウ素ガスを高圧の反応系に供給することが必要となる。三フッ化ホウ素を反応器に供給するためには、(反応器は一酸化炭素で昇圧されているため)、ガスコンプレッサーで昇圧する必要がある。三フッ化ホウ素は腐食性のガスであるため、昇圧するためのコンプレッサーを維持・管理するために非常な労力がかかる。
米国特許第2485237号明細書 特公昭39−29760号公報 特公昭62−34024号公報 J. Am. Chem. Soc., 75, 2411(1953)
本発明の目的は、このようにフッ化水素・三フッ化ホウ素触媒中で不安定なアルキルベンゼン類を原料とする場合にも、三フッ化ホウ素用コンプレッサーを使用せずに、収率良くアルキルベンズアルデヒド類を製造する方法を提案することである。
本発明者らは、フッ化水素・三フッ化ホウ素触媒中で不安定なアルキルベンゼン類を原料とする場合にも、三フッ化ホウ素用コンプレッサーを使用せずに収率良くアルキルベンズアルデヒド類を製造することを鋭意検討した結果、芳香環に結合している炭素原子が第2級炭素原子である、炭素数2以上のアルキル基が置換したアルキルベンゼン類の場合には、特定の飽和炭化水素を添加することにより、フッ化水素・三フッ化ホウ素触媒中でもアルキルベンゼン類の不均化が抑制され、特許文献3の如く三フッ化ホウ素用コンプレッサーを使用せずに収率良くアルキルベンズアルデヒド類を製造可能であることを見出し、本発明に到達した。
即ち本発明は、芳香環に結合している炭素原子が第2級炭素原子である、炭素数2以上のアルキル基が置換したアルキルベンゼン類を、原料アルキルベンゼン類とフッ化水素・三フッ化ホウ素触媒とのコンプレックス溶液調製工程、および一酸化炭素とのホルミル化反応工程の二工程で反応させてアルキルベンズアルデヒド類を製造する方法であって、前記コンプレックス溶液調製工程に、第3級炭素原子を含み、かつ第4級炭素原子を含まない炭素数6〜10の脂肪族または脂環式の飽和炭化水素を添加することを特徴とする、アルキルベンズアルデヒド類の製造方法である。
本発明の方法により、フッ化水素・三フッ化ホウ素触媒中で不安定なアルキルベンゼン類を原料とする場合にも、三フッ化ホウ素用コンプレッサーを使用せずに、収率良くアルキルベンズアルデヒド類を製造することが可能である。
本発明で原料として用いられるアルキルベンゼン類としては、炭素数2以上のアルキル基が置換したアルキルベンゼン類、好ましくは炭素数2〜6のアルキル基が置換したアルキルベンゼン類が挙げられる。ただし、前記アルキル基は、芳香環に結合している炭素原子が第2級炭素原子であることが必須であり、イソプロピル基やsec−ブチル基、あるいはtert−ブチル基のように、該炭素原子が第3級以上であるものは除く。また、芳香環に一つでも炭素数2以上のアルキル基が置換していれば、その他にメチル基により置換されていても良い。具体的には、エチルベンゼン、n−プロピルベンゼン、n−ブチルベンゼン、イソブチルベンゼン等のモノアルキルベンゼン類や、o−、m−、p−エチルトルエン、o−、m−、p−ジエチルベンゼン等のジアルキルベンゼン類が挙げられる。
本発明において、原料アルキルベンゼン類に対するフッ化水素の割合は、原料1モルに対し5モル以上、好ましくは7モル以上であるが、15モルを超える量は必要ではない。また、三フッ化ホウ素は原料1モルに対し1モル以上、好ましくは1.1〜2.0モルである。
本発明における、原料アルキルベンゼン類とフッ化水素・三フッ化ホウ素とのコンプレックス溶液調製槽の温度は、コンプレックス溶液調製槽の圧力を、原料アルキルベンゼン類とフッ化水素・三フッ化ホウ素とのコンプレックスの蒸気圧より高く、且つ、生成アルキルベンズアルデヒドとフッ化水素・三フッ化ホウ素コンプレックスの分解圧より低い圧力に保てる程度に下げることが必要である。このようにすることにより、三フッ化水素用コンプレッサーを使用せずに、触媒である三フッ化ホウ素の循環・再使用が可能になる。
例えば、エチルベンゼンから生成するp−エチルベンズアルデヒドのフッ化水素・三フッ化ホウ素錯体の分解を0.4MPaの圧力下で行う場合、エチルベンゼン:フッ化水素:三フッ化ホウ素=1.0:10.0:1.3(モル比)であれば、コンプレックス溶液調製槽の温度を−20℃とすることで調製槽の操作圧力は0.35MPaと分解圧より低くなる。
本発明において、原料のアルキルベンゼン類がフッ化水素および三フッ化ホウ素と接触する際、即ち、原料アルキルベンゼン類とフッ化水素・三フッ化ホウ素とのコンプレックス溶液調製槽において、原料のアルキルベンゼン類と第3級炭素原子を含み、かつ第4級の炭素原子を含まない炭素数6〜10の脂肪族または脂環式の飽和炭化水素とが混合されている必要がある。こうすることにより、副反応が抑制され、目的とするアルキルベンズアルデヒド類が高選択率で得られる。この混合は、原料タンクにおいてあらかじめ行っておいても良いし、コンプレックス化槽に原料アルキルベンゼン類と第3級炭素原子を含み、かつ第4級の炭素原子を含まない炭素数6〜10の脂肪族または脂環式の飽和炭化水素とを別個に供給することで、コンプレックス化槽内で行っても良い。
本発明において使用される炭素数6〜10の脂肪族または脂環式の飽和炭化水素は、第3級の炭素原子を含み、かつ第4級の炭素原子を含まないことが必須である(例えばイソオクタン等は不可)。具体的には、イソヘキサン、3−メチルペンタン、2−メチルヘキサン、2−エチルヘキサン等の脂肪族の飽和炭化水素や、デカリン、テトラヒドロジシクロペンタジエン、エチルシクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、メチルシクロペンタン等の脂環式の飽和炭化水素が挙げられる。
これらの脂肪族または脂環式の飽和炭化水素は単独で使用しても良いし、2種以上の混合物の形で用いても良い。また、第4級の炭素原子を含まない他の飽和炭化水素が含まれた形で使用しても構わないが、この場合、装置の容積効率が低下するので、このことを勘案する必要がある。なお、これらの中に不飽和結合を持つ不純物や、炭素、水素以外の原子を含む不純物が含まれることは好ましくない。
本発明において使用される第3級炭素原子を含み、かつ、第4級炭素原子を含まない炭素数6〜10の脂肪族または脂環式の飽和炭化水素の量は、原料のアルキルベンゼン類に対し0.1〜5.0モル%であり、好ましくは0.1〜2.0モル%、更に好ましくは0.1〜1.0モル%である。使用する量が0.1モル%より少ない場合は、副反応抑制効果が十分ではなく、また5.0モル%以上用いることは可能ではあるが、多量に用いた場合、その費用が嵩むと同時に、装置の容積効率も低下するため好ましくない。
上記で得られた原料アルキルベンゼン類とフッ化水素・三フッ化ホウ素とのコンプレックス溶液は、加圧一酸化炭素と接触させることにより、速やかにホルミル化反応が起こり、アルキルベンズアルデヒド・フッ化水素・三フッ化ホウ素錯体溶液となる。
ホルミル化反応における一酸化炭素分圧は0.5MPa以上、好ましくは1MPa以上の圧力が収率の面で好ましいが、3MPaを超える圧力は経済的にも得策ではなく、不必要である。
ホルミル化の反応温度は、用いるアルキルベンゼンの種類によっても異なるが、副反応を抑制するために一般的に常温よりも低い温度が選択される。
得られたアルキルベンズアルデヒド・フッ化水素・三フッ化ホウ素錯体溶液は、熱分解により、生成物であるアルキルベンズアルデヒド類を含む混合物と、触媒成分であるフッ化水素および三フッ化ホウ素に分離される。ここで、分離された触媒成分は、原料アルキルベンゼン類とフッ化水素・三フッ化ホウ素とのコンプレックス溶液調製工程で再使用できる。また、前記混合物を蒸留等で精製することにより、目的とするアルキルベンズアルデヒド類が得られる。
以下、実施例により、本発明を具体的に説明する。ただし、本発明はこれらの実施例により何ら制限されるものではない。
<実施例1>
攪拌機およびジャケットを備えた1Lのオートクレーブを2基用い、1基をコンプレックス溶液調製槽に、もう1基をホルミル化反応槽として使用した。
コンプレックス溶液調製槽に、あらかじめメチルシクロペンタンを0.5モル%混合したエチルベンゼン1.0モル/H、フッ化水素10.0モル/H、三フッ化ホウ素1.3モル/Hの流量比で連続的に供給し、また平均滞留時間が1時間となるように液面を保ちながら、得られたエチルベンゼン・フッ化水素・三フッ化ホウ素コンプレックスを、一酸化炭素にて全圧2.0MPaに加圧したホルミル化反応器に、ポンプにて連続的に供給した。なお、コンプレックス溶液調製槽の温度はジャケットに冷媒を流して−20℃に調節し、またコンプレックス化溶液調製槽の圧力は0.35MPaに調整した。ホルミル化反応器においても、ジャケットに冷媒を流し−20℃に調節し、平均滞留時間が1.5時間となるように液面を保ちながら連続的にホルミル化反応液を抜出し、またホルミル化反応中は全圧2MPa一定となるように調圧装置により一酸化炭素を供給し続けた。
得られたホルミル化反応液から触媒を分離して得たオイル分をガスクロマトグラフィーにより分析を行ったところ、エチルベンゼンの転化率90.0モル%、p−エチルベンズアルデヒド選択率97.5モル%であった。また、その他のアルキルベンズアルデヒドが選択率として、o−エチルベンズアルデヒド 1.0モル%、m−エチルベンズアルデヒド0.2モル%の他、2,4−ジエチルベンズアルデヒドが0.5モル%検出された。
<実施例2>
あらかじめエチルベンゼンと混合するメチルシクロペンタンの量を0.1モル%に変えた以外は、実施例1と同様の操作を行った。得られたホルミル化反応液から触媒を分離して得たオイル分をガスクロマトグラフィーにより分析を行ったところ、エチルベンゼンの転化率90.5モル%、p−エチルベンズアルデヒド選択率95.5モル%であった。また、その他のアルキルベンズアルデヒドが選択率として、o−エチルベンズアルデヒド 1.1モル%、m−エチルベンズアルデヒド0.1モル%の他、2,4−ジエチルベンズアルデヒドが1.5モル%検出された。
<比較例1>
コンプレックス溶液槽に供給するエチルベンゼンを、メチルシクロペンタンと混合しない純品に変えた以外は、実施例1と同様の操作を行った。得られたホルミル化反応液から触媒を分離して得たオイル分をガスクロマトグラフィーにより分析を行ったところ、エチルベンゼンの転化率93.0モル%であったが、p−エチルベンズアルデヒド選択率は85.0モル%にとどまった。また、その他のアルキルベンズアルデヒドが選択率として、o−エチルベンズアルデヒド 0.9モル%、m−エチルベンズアルデヒド0.1モル%の他、2,4−ジエチルベンズアルデヒドが5.5モル%検出された。
<実施例3>
あらかじめエチルベンゼンと混合する化合物をイソヘキサンに変えた以外は、実施例1と同様の操作を行った。得られたホルミル化反応液から触媒を分離して得たオイル分をガスクロマトグラフィーにより分析を行ったところ、エチルベンゼンの転化率90.2モル%、p−エチルベンズアルデヒド選択率96.8モル%であった。また、その他のアルキルベンズアルデヒドが選択率として、o−エチルベンズアルデヒド 1.0モル%、m−エチルベンズアルデヒド0.2モル%の他、2,4−ジエチルベンズアルデヒドが0.8モル%検出された。
<実施例4>
実施例1と同様に、攪拌機およびジャケットを備えた1Lのオートクレーブを2基用い、1基をコンプレックス溶液調製槽に、もう1基をホルミル化反応槽として使用した。
コンプレックス溶液調製槽に、あらかじめメチルシクロペンタンを0.4モル%混合したイソブチルベンゼン0.9モル/H、フッ化水素9.0モル/H、三フッ化ホウ素1.4モル/Hの流量比で連続的に供給し、また平均滞留時間が1時間となるように液面を保ちながら、得られたイソブチルベンゼン・フッ化水素・三フッ化ホウ素コンプレックスを、一酸化炭素にて全圧2.0MPaに加圧したホルミル化反応器に、ポンプにて連続的に供給した。なお、コンプレックス溶液調製槽の温度はジャケットに冷媒を流して−25℃に調節し、またコンプレックス化溶液調製槽の圧力は0.37MPaに調整した。ホルミル化反応器においても、ジャケットに冷媒を流し−15℃に調節し、平均滞留時間が1.5時間となるように液面を保ちながら連続的にホルミル化反応液を抜出し、またホルミル化反応中は全圧2MPa一定となるように調圧装置により一酸化炭素を供給し続けた。
得られたホルミル化反応液から触媒を分離して得たオイル分をガスクロマトグラフィーにより分析を行ったところ、イソブチルベンゼン転化率97.5モル%、p−イソブチルベンズアルデヒド選択率98.2モル%であった。また、その他のアルキルベンズアルデヒドとして、2,4−ジイソブチルベンズアルデヒドが選択率0.1モル%で検出された。
<比較例2>
コンプレックス溶液槽に供給するイソブチルベンゼンを、メチルシクロペンタンと混合しない純品に変えた以外は、実施例4と同様の操作を行った。得られたホルミル化反応液から触媒を分離して得たオイル分をガスクロマトグラフィーにより分析を行ったところ、イソブチルベンゼン転化率98.0モル%であったが、p−イソブチルベンズアルデヒド選択率は90.5モル%にとどまった。また、その他のアルキルベンズアルデヒドとして、2,4−ジイソブチルベンズアルデヒドが選択率3.8モル%で検出された。
本発明で得られるアルキルベンズアルデヒド類は、香料、医薬あるいは農薬の原料や中間体として有用である。

Claims (2)

  1. 芳香環に結合している炭素原子が第2級炭素原子である、炭素数2以上のアルキル基が置換したアルキルベンゼン類を、原料アルキルベンゼン類とフッ化水素・三フッ化ホウ素触媒とのコンプレックス溶液調製工程、および一酸化炭素とのホルミル化反応工程の二工程で反応させてアルキルベンズアルデヒド類を製造する方法であって、前記コンプレックス溶液調製工程に、第3級炭素原子を含み、かつ第4級炭素原子を含まない炭素数6〜10の脂肪族または脂環式の飽和炭化水素を添加することを特徴とする、アルキルベンズアルデヒド類の製造方法。
  2. 前記コンプレックス溶液調製工程に添加される、第3級炭素原子を含み、かつ第4級炭素原子を含まない炭素数6〜10の脂肪族または脂環式の飽和炭化水素の量が、原料アルキルベンゼン類に対し0.1〜5.0モル%である請求項1記載のアルキルベンズアルデヒド類の製造方法。
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